説明

マメ科植物デンプンをカチオン化する方法、このように得たカチオン性デンプンおよびその用途

【課題】本発明の対象は、いずれの有機溶媒の不存在下でマメ科植物デンプンをカチオン化する方法、前記方法により得られたマメ科植物由来のカチオン性デンプンに関する、前記マメ科植物由来のカチオン性デンプンの、特に製紙工業における、当業者には抄紙機のウェットエンドとして知られている分野での使用に関する。
【解決手段】本発明による方法は、水のみの存在下、任意のその他の溶媒化合物の完全な不存在下で、水の量対マメ科植物由来のデンプンの量の比Rが、1/1000と10/1の間であるような条件下で反応させることを特徴とする、顆粒またはゲル化の形態のデンプンとカチオン性試薬の反応からなる、マメ科植物由来のデンプンをカチオン化する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、いずれの有機溶媒の不存在下でマメ科植物デンプンをカチオン化する方法である。
【0002】
本発明の対象はまた、これらの大部分が新規の工業製品を構成する、前記方法により得られたマメ科植物由来のカチオン性デンプンに関する。
【0003】
本発明はまた、前記マメ科植物由来のカチオン性デンプンの、特に製紙工業における、当業者には抄紙機のウェットエンドとして知られている分野での使用に関する。
【0004】
最後に、本発明は、これらのカチオン性デンプンを用いることにより得られる折りたたみボール紙または紙に関する。
【背景技術】
【0005】
本発明では、「マメ科植物」という表現は、より詳細には、その中で最も重要な典型がインゲンマメ、エンドウマメ、レンズマメ、ソラマメ、アルファルファ、チョウジおよびルピナスである蝶形花亜科系統を意味するものと理解される。
【0006】
本発明では、「マメ科植物デンプン」という表現は、マメ科植物、特に、一般に、例えば1%(乾燥/乾燥)未満の低いコロイド物質および繊維状残留物の含量を伴う、特に90%(乾燥/乾燥)を超える高デンプン含量を有するエンドウマメから抽出されるデンプンを意味するものと理解される。
【0007】
デンプン含量は、好ましくは95%(乾燥/乾燥)を超え、より好ましくは98%を超える。
【0008】
同時に、タンパク質含量は低く、すなわち1%(乾燥/乾燥)未満、好ましくは0.5%未満、より詳細には0.1と0.35%の間である。
【0009】
穀物または塊茎デンプンのカチオン化は、特に、製紙工業で非常に有用なカチオン性誘導体の製造のために、きわめて広く行きわたっている。
【0010】
カチオン性コーンスターチの使用は、きわめて一般的である。
【0011】
先ず、抄紙機の全くのオープンサーキットでのカチオン性デンプンの使用に対応して、低い置換度で十分であった。
【0012】
制約および環境の質に関連する要求の高まりに対応するために必要な、水の再循環および前記サーキットの密閉を促進すると、実質上、あるいはまさに本質的に、これらのカチオン性コーンスターチの置換度の増加の必要性がますます切迫しているように思われる。
【0013】
こうして発生した、折りたたみボール紙または紙の種々の品質の、製造の実際的な態様全体に影響を与える変化の間に、これらのコーンスターチをベースとするカチオン性誘導体の不完全さが徐々に明らかになってきた。
【0014】
先ず、使用される第3級アミンおよび第4級アンモニウム誘導体に対するコーンスターチの反応性が低いので、比較的高い置換度のためには、反応残留物の多量の存在による殆ど適合性のない低収率をもたらし、かつ環境の観点からも規制および増大するその厳しさに適合性がない。
【0015】
反応を無水相で実施するように提案された可能性では、収率は改善せず、実際、生じた試薬の残留量は減少しない。
【0016】
さらに使用中に、当業者は、カチオン性コーンスターチの十分な効率のために、抄紙機のヘッドボックスに到達して前記紙を形成する前に、前記デンプンとセルロースの間の接触の持続時間を実質上延長させるために、これを繊維状の懸濁液に加える点を遅らせることがしばしば強いられる。
【0017】
クローズドサーキットの理由でセルロースの結合が困難になる場合は、この増加は一層正当化され、再循環比率が高い場合は、これらのファクタは、特にある種のその他のベースと対照的に、繊維の機械的な弱体化およびカチオン性デンプンに対する受容性の低下により修正されるべきである。
【0018】
コムギデンプンは、並行して同様の欠点を示す。
【0019】
そうこうするうちに、アミロースまたはアミロペクチンに富む、特にハイブリッドトウモロコシからのデンプンが開発された。これらのカチオン性誘導体は、その一般に高いコストに加えて同じ問題を発生させる。
【0020】
ジャガイモデンプンのカチオン化は、技術的により満足のいくものである。反応収率は実質上より高く、反応残留物の量を減少させ、置換度をより容易に増加させることを可能にする。
【0021】
しかし、これらを使用することの第1の欠点は、カチオン性ジャガイモデンプンのゾルは穀物デンプンとは異なり、可能な限りヘッドボックスの近くで繊維状の懸濁液に添加することが必要なことである。
【0022】
完全に異なる観点から、主に、抽出コストおよびこれらに適用される規制の理由でジャガイモデンプンの供給が困難になっていることが認められる。
【0023】
コメおよびキャッサバなどの、デンプンのその他の供給源を考えることができる。これらはまだ得ることがほとんどの場合困難であり、および/または品質がばらつく。
【0024】
本出願人は、これらの問題を意識して、対象の解決法を従来すでに捜してきた。
【0025】
特に、欧州特許EP 0139597には、少なくとも1種のカチオン性穀物デンプンと少なくとも1種のカチオン性塊茎デンプンの混合物から作られたバルクの製紙添加剤が記載されている。驚くべきことには、また予想外に、これらは、特に物理的特性および保持性に関して相乗作用を示すことが可能である。
【0026】
しかし、前記混合物は、これらがカチオン性試薬の作用を一緒にまたは単独で受けたデンプンから製造されたかにかかわらず、さらに原材料の管理および製造の問題が発生することは明らかである。
【0027】
したがって、容易に入手可能で、特に満足な反応収率に関連して加工が容易であり、かつ、たとえ全くのクローズドペーパーサーキットの状況でも、最低限でもカチオン化後に、セルロースに迅速に、強くおよび堅牢に付着する能力を有する(後者が、質の高い供給源からであろうと、または再生された供給源であろうと)デンプンのその他の供給源を探索する現実の必要性が存在する。
【0028】
さらに、当業者ならカチオン性デンプンに期待し得るすべての仕様およびすべての特性をよりよく満たすために、このように官能化することを意図したデンプンの可能な供給源を強く求めるニーズが明らかに残されている。
【0029】
したがって、カチオン性デンプンを抄紙機のヘッドボックスの入口に加えることによる、あるいは、場合によりその上流に設定された場所で、機械チェスト中もしくは混合チェスト中、またはまさにパルパー中、またはブロークチェスト中に導入することによる、バルクのカチオン性デンプンの一般的な使用との関連そのもので、カチオン性デンプンは、
- 十分なバランス、特に材料の十分な経済的なバランスのための、サーキットの適した平衡を確実にする、微細繊維および充填剤、特に無機充填剤の良好なまたはまさに最適な保持、
- 機械速度、その性能およびそのエネルギーバランスに直接関連する、繊維状クッションの迅速な水切り、
- そのうちの主要なものが、引張強度または破裂強度、内部凝集力あるいはこわさ、粗さまたは平滑度である紙の機械的特性、
- 例えば白色度(whiteness)、不透明度、あるいは場合により紙の光沢度(brightness)などの紙の光学的性質、
- 強度、再現性、または色のコントラストあるいは表面繊維の紙むけ耐性の測定により決定される紙の印刷適性、
- コッブサイズまたはインクサイズなどの、一般に単純な試験により評価される、疎水性を特徴づける、いわゆる紙サイジングの満足の得られる程度
に関連する対象とする特性の少なくとも1つの群の改善にその正当化を見出すべきである。
【0030】
最後の点については、一般に、紙がセルロースと反応性または非反応性のサイズ剤を含んでいるかにかかわらず、結局、使用された薬剤が、紙サイジングの品質の主なファクタとなる。
【0031】
しかし、前記サイズ剤の効率は、一般に分散物の形態で市販されている組成物の品質、繊維状の懸濁液に加えられる形態のエマルジョンの、その長期保存性、あるいは安定性および効率に特に左右される。
【0032】
これに関連して、前記分散物およびエマルジョン中の保護コロイドとして一般的に使用されるカチオン性デンプンは、これらの特性に大幅に関与する。
【0033】
同様のアプローチで、カチオン性デンプンはまた、特に有利な相乗作用の開発に関連して、例えば、蛍光増白剤と、またはこれらの効率および収率を改善するために、染料と、ポリアクリルアミドまたはポリビニルアミンなどの合成ポリマーと組み合わせてもよい。
【0034】
他の状況では、特に、その他の製紙に関連して、固体、液体またはペースト状組成物の形態の、例えば自由に流動する粉末、エマルジョンまたはコロイド溶液の形態の、場合により加水分解され、それにより比較的低い重量平均分子量をもち得て、一般に平均から高度の置換度(または窒素レベル)を有するカチオン性デンプンは、製紙用第2添加剤として、または工業用途の水処理用添加剤として一般的に使用されるようになっている。
【0035】
本発明では、「製紙用第2添加剤」という表現は、ウオーターサーキット中に含まれ、および/または製紙工程の装置に保持される妨害物質、特にアニオン性の性質を低下させる薬剤として有用な、従来の主要なバルクの添加剤以外の任意の添加剤を意味するものと理解される。
【0036】
本発明では、「工業用途の水処理用添加剤」という表現は、例えば、人または動物の食料としての使用を意図した水、織物および皮革工業、紙およびボール紙工業、鉱石採取工業、および食品および屠殺工業からの廃水などの、人または工業の活動由来の、あるいは前記活動向けの水を浄化および/または精製する薬剤として、特に有用な任意の組成物を特に意味するものと理解される。
【0037】
穀物および塊茎からのデンプン材料の種々の供給源に比較すると、特にエンドウマメからのマメ科植物デンプンからのものは、主要な必要条件を満たすことが可能であり、優れた、特に経済的な状態で容易に入手可能であるとみなし得る。
【0038】
本出願人の知る限りでは、マメ科植物から得られたデンプンのカチオン化に関連した研究は現在までほとんどない。
【0039】
国際特許出願WO 97/10385には、その実施例4に、α-アミラーゼで処理され、10〜15%と表記されたタンパク質含量に対応する粉砕エンドウマメ粉末の使用が記載されている。
【0040】
欧州特許EP 0620121には、カーボンレスオートコピー用紙中にエンドウマメデンプンの非常に特定な使用が記載されている。
【0041】
同様な非常に特定の分野の出願、米国特許第3996060号および米国特許第3996061号では、分級されたエンドウマメデンプンが優先されている。
【0042】
これらの感圧「NCR」紙に関連しては、デンプンは顆粒状で使用されている。これはこの状態を確保するために場合により架橋結合されているが、いずれの場合もカチオン性デンプンの必要性はない。
【0043】
国際特許出願WO 96/09327には、他のデンプン材料の中で、特にモチコーンスターチ、エンドウマメデンプンを含み得て、反応媒体として、水と水混和性溶媒、好ましくはアルコール、特にエタノールの混合物を用いたカチオン化の方法であって、後者が大きな割合、好ましくは水とアルコールの合計の35と75%の間が使用される方法が記載されている。
【0044】
引用した文献では、唯1つ特許請求されている、水/有機溶媒の2成分系の使用は、完全に水性媒体中で変性する間に、ある種のデンプンが少なくとも部分的に余儀なくゲル化する傾向を有することにより正当化される。
【0045】
こうしたゲル化は、たとえ部分的にでも、特にこの文献に述べられている、ろ過および/または遠心分離の挙動に関連した理由に対して実際上許容できない。この場合、モチコーンスターチは非常に高価でありで制限されるが、エンドウマメデンプンは現実的であることが分かる。
【0046】
当業者なら、通例、媒体に、塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウムなどの塩を加えることにより、アルカリ性反応媒体中のデンプンが膨潤しないことを確実にするであろう。
【0047】
この特許出願は、膨潤防止剤を回収する必要性を口実に、代わりに、有機溶媒の使用が必須であることを推奨し、その結果、有機溶媒を水と組み合わせる唯1つの系を特許請求している。
【0048】
無水相におけるカチオン化も、伝えられるところによると顆粒の表面での限定された転化率のためにもたらされると言われる、不均一性の理由で拒否される。
【0049】
より一般には、文献を読むと、乾燥、半乾燥、または水性の媒体で、単純な従来の手順に従ってエンドウマメデンプンにカチオン性を付与することは容易でないことが理解される。
【0050】
特に、水性媒体中で0.034もの低い置換度を得ることは、すでに困難であることが理解される。
【0051】
また、水性/アルコール媒体中における反応の状況では、高い置度を得ることは容易でなく、これがその実際の実行に対する主な欠点となることも理解される。
【0052】
もし必要なら、「Proceedings of an International Conference:Starch Structure and Functionality」-1997、36〜41頁、からのSASKATCHEWAN大学により提出された「Functional Properties of Cationic Pea Starch」という題の論文は、0.02、0.04および0.06(すなわちそれぞれ約0.15%、0.3%および0.45%の窒素レベルであり、これは、特に、全くのクローズドサーキットおよび/または高度に再生されたセルロースの管理に関連して効果的であるために、今日デンプンが有していなければならないカチオン性密度に比較して、低い転化率のレベルである)にしか過ぎない置換度(DS)を示すことにより、この困難性を確証している。
したがって、乾燥、半乾燥または水性相であろうと、エンドウマメデンプンをカチオン性にするために、それを官能化することを意図した反応を実施すること、および特に、部分的にでも少しのゲル化のリスクもない、前述の値を十分に超える置換度(または窒素レベル)に達することが完全に可能であると決定することが可能であれば本出願人の利益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】欧州特許EP 0139597
【特許文献2】国際特許出願WO 97/10385
【特許文献3】欧州特許EP 0620121
【特許文献4】米国特許第3996060号
【特許文献5】米国特許第3996061号
【特許文献6】国際特許出願WO 96/09327
【特許文献7】欧州特許EP 0282415
【特許文献8】国際特許出願WO 00/75425
【特許文献9】欧州特許EP 742316
【特許文献10】欧州特許EP 786476
【特許文献11】フランス特許FR 2794479
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0054】
本発明による方法は、水のみの存在下、任意のその他の溶媒化合物の完全な不存在下で、水の量対マメ科植物由来のデンプンの量の比Rが、1/1000と10/1の間であるような条件下で反応させることを特徴とする、顆粒またはゲル化の形態のデンプンとカチオン性試薬の反応からなる、マメ科植物由来のデンプンをカチオン化する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
「マメ科植物由来のデンプンの量」という表現は、特に懸濁またはゲル化のいずれの任意選択のステップの前の、カチオン化反応に最初に使用されるマメ科植物由来のデンプンの重量を意味するものと理解される。この重量は、この最初のデンプン中に内在的に含まれる水の重量を含む。この水の重量は、使用される最初のデンプンの重量の20%未満、一般に5〜18%、ほとんどの場合10〜15%を占める。
【0056】
「水の量」という表現は、それをカチオン化するための最初のデンプンに加えられるすべての水の重量であって、前記デンプン中に内在的に含まれる水は計算に入れない重量を意味するものと理解される。この水は、多様な変形により、一度にまたはいくつかの部分で、同時にまたは同時でなく反応媒体中に生じた任意のその他の成分に加え得る。この水の量は、
- 最初のマメ科植物由来のデンプンからデンプンミルクまたはペーストを調製し、
- カチオン性試薬、アルカリ剤および/またはカチオン化反応に使用される任意のその他の用品を希薄するために、場合により使用される水を含む。
【0057】
本発明による方法は、さらに興味深いことには、カチオン化反応は、1/1000と1/2の間の比Rに対応する、限定された量の水の存在下で実施されることを特徴とする。
【0058】
本発明による方法は、さらに注目すべきことには、カチオン化反応が、いわゆる無水相、すなわち1/1000と1/5の間の比Rに対応する、非常にわずかであるとみなされる水の量の存在下で実施されることを特徴とする。この比は、特に1/500と1/10の間であり得る。
【0059】
本発明のカチオン化の方法では、デンプンとカチオン性試薬の反応は、アルカリ剤の存在下で実施されることが有利である。
【0060】
本発明のカチオン化方法のデンプンとカチオン性試薬の反応は、8以上、好ましくは10を超えるpHで好ましくは実施される。
【0061】
本発明による方法は、カチオン性試薬が、第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩であることを特徴とすることが有利である。
【0062】
本発明による方法は、0.1と4%の間、好ましくは0.3と2%の間の窒素レベルを有することを特徴とする、マメ科植物由来のカチオン性デンプンを調製することを可能にする。
【0063】
より詳細には、本発明による方法は、0.4と1.8%の間、好ましくは0.5と1.5%の間である比較的高い窒素レベルを有する、マメ科植物由来のカチオン性デンプンを提供する。
【0064】
上記から見て、本出願人の会社は、少なくとも0.5%に等しく、特に0.5と1.5%の間の窒素レベルを有するカチオン性マメ科植物由来のデンプンは、実際、新規の工業用製品となるものと考える。
【0065】
こうしたデンプン、およびより一般には本発明による任意のマメ科植物由来のカチオン性デンプンは、アルケニルコハク酸無水物(ASA)およびアルキルケテン二量体(AKD)などのセルロースと反応性のある、または反応性のない製紙に使用されるサイズ剤組成物の調製における添加剤として、可溶性の形態で特に有用である。
【0066】
これは、蛍光増白剤、染料および/または合成ポリマー、特にポリアクリルアミドまたはポリビニルアミンを含む組成物の調製において、なお可溶性の形態で推奨される。
【0067】
これはまた、抄紙機のウェットエンドにおける添加剤として、単独で、またはその他の薬剤、特に、例えば本出願人により出願された欧州特許EP 0282415または国際特許出願WO 00/75425に記載されているアニオン性デンプンと組み合わせて、微細繊維および充填剤、特に無機充填剤の保持用の薬剤として、あるいは脱水剤として、および/または紙の物理的特性を改善するために、希薄なまたは粉砕されたペーストの形態で加えられることが有用である。
【0068】
これはまた、少なくとも1種の可溶化された、マメ科植物由来のカチオン性デンプンを含む、特に水性のデンプン組成物であって、前記カチオン性デンプンが、そのカチオン化の前、間および/または後に、好ましくはそのカチオン化の後に実施される加水分解処理により得られた、5000万ダルトン未満、好ましくは500万ダルトン未満の重量平均分子量を好ましくは有する組成物の製造に使用することができる。
【0069】
このように得た前記デンプン組成物、特に水性デンプン組成物は、ウオーターサーキット中に含まれる、および/または特に製紙用の工程装置に保持される妨害物質を減少させる薬剤として有用である。
【0070】
したがって、マメ科植物由来、特にエンドウマメ由来のカチオン性デンプンは、製紙のための任意の方法であって、特にサイズ組成物を介して、抄紙機の調製物サーキットおよび/またはウェットエンドのサーキット中に前記カチオン性デンプン(または、それを含有する任意のデンプン組成物)を使用すること、蛍光増白剤、染料および合成ポリマー、特にポリアクリルアミドおよびポリビニルアミンから選択される少なくとも1種の薬剤を含む組成物中に前記カチオン性デンプンを使用すること、ウオーターサーキット中に含まれ、かつ/または工程装置、特に製紙装置に保持される妨害物質を減少させる薬剤として有用な組成物中に前記カチオン性デンプンを使用すること、および/または微細物および充填剤、特に無機充填剤を保持する薬剤として、脱水性のために、および/または紙の物理的特性を改善するために、希薄水性ペーストの形態で直接セルロースペースト懸濁液の内部に、前記カチオン性デンプンを使用することを特徴とする方法において興味深い。
【0071】
これはさらに、本発明によるマメ科植物由来のカチオン性デンプン(または、これを含む任意のデンプン組成物)が上記の種々の点に関して関与する任意の方法により得られ、前記カチオン性デンプンを含むことが可能な、任意の折りたたみボール紙または紙に関する。
【0072】
従来技術の主張に反して、マメ科植物、特にエンドウマメのデンプンを、その起源に関わらず、および特にそのアミロース含量に関わらず、カチオン性試薬で改変することが可能であることが特に認められている。
【0073】
好ましくは、マメ科植物デンプンのアミロース含量は30%を超える。
【0074】
実際、特にこれらのより具体的な条件下で、水性媒体中で、たとえ部分的にでもいずれのゲル化も特に防止されるはずであり、このことは、高いDS値および窒素レベルに対応する、多数のカチオン性基の結合の状況と関連していることも観察で明らかにされた。
【0075】
マメ科植物デンプンのカチオン化反応は、デンプン中にカチオン性基を導入することであり、カチオン性試薬をデンプンのヒドロキシル基と縮合させることによる化学反応により実施される。
【0076】
カチオン化反応は、それ自体が知られている方法で、例えば「Starch Chemistry and Technology」II巻、XVI章、R.L.WHISTLERおよびE.F.PASCHALL-Academic Press(1967)に記載のカチオン性試薬を用いて実施し得る。
【0077】
反応は水性相中で実施し得て、デンプンは一般に顆粒またはゲル化した形態で供給され、温度、時間および触媒条件は、当業者にはよく知られている。
【0078】
同時に、同様の顆粒またはゲル化した形態で、反応を無水相中で実施してもよい。
【0079】
好ましくは、カチオン化反応は、顆粒状形態のデンプンで、アルカリ性媒体中で、第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩をベースとする窒素試薬により実施される。
【0080】
有利な実施形態によれば、カチオン性試薬は、エポキシの形態またはクロロの形態であり、それぞれ以下の式に対応する。
【0081】
【化1】

【0082】
窒素原子の置換基の1つが水素であるか否かに応じて、第3級または4級誘導体に対応し、前記置換基は、それらが水素原子ではない限り、好ましくは同じであり、メチルまたはエチル基から選択され、Xは、Cl、BrまたはIであり、X-は、C1-、Br-またはI-である。
【0083】
カチオン性試薬は、R1、R2およびR3が、さらに好ましくは同じであり、メチルおよびエチル基から選択される上記に再現される2つの式の1つに対応し、置換基R1、R2またはR3の1つは水素原子であることが可能である。
【0084】
これらの試薬の中、2-ジエチルアミノクロロエタン塩酸塩などの2-ジアルキルアミノクロロエタン塩酸塩、またはグリシジルトリメチルアンモニウムハライドおよびN-(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドなどのこれらのハロヒドリンを使用することが好ましく、最後の試薬が好ましい。使用される試薬の量は、得られたカチオン性デンプンが所望の窒素レベルを有するように選択される。
【0085】
このように得たマメ科植物由来のカチオン性デンプンは、特に生蒸気を用いた、いかなる連続式またはバッチ式のサーマルまたはサーモメカニカル手段により、および/または特にアルカリ性薬剤を使う化学的手段により、溶解するのに十分な能力を有する。
【0086】
そのアミロース含量が30と60%の間のマメ科植物由来、特にエンドウマメ由来のカチオン性デンプンが特別好ましい。
【0087】
これらの条件下で、その溶液は容易に調製され、この場合非常に良好なレオロジー特性を示す。そのレトログラデーション挙動は特に著しい。
【0088】
しかし、そのアミロース含量が60%を超えるマメ科植物由来のカチオン性デンプンは除外されない。溶液を調製する条件が、ややより厳しいだけであり、許容できないことはない。
【0089】
より正確には、アミロースレベルおよび置換度に関連した考察については、例えば、マメ科植物、特にエンドウマメのデンプンの供給の容易さを考慮に入れて、好ましくは、特にアルカリ性の条件下でゲル化点上昇のファクタである高アミロースレベルと、その低下に関与するファクタである高DSを兼ね備えていることを示唆することが可能である。
【0090】
対照的に、低アミロースレベルに対しては、比較的低いDSが考えられ、支持することが可能である。
【0091】
こうした考察は、実際、カチオン化のための天然デンプンを有利に置き換えることができる加水分解、酸化、エステル化、エーテル化または架橋結合されたマメ科植物由来、特にエンドウマメ由来のデンプンなどの、特に前もって改変されたデンプンを考慮に入れることにより提供される他の可能性が伴って起こる。
【0092】
これに関連して、本発明によるまたは本発明の方法により得られたカチオン性生成物は、特に、両性デンプン、すなわち本発明の主な対象であるカチオン性基に加えて、アニオン性基、特に、本出願人名義の欧州特許EP 282415で推奨されている、天然のおよび/または供給されたリン酸化基、スルホン化基、カルボキシメチル化基、硫酸化基、サクシニル化基、特にスルホサクシニル化基を持ち得るデンプンであり得る。
【0093】
特に、欧州特許EP 742316に記載されている分枝された、特にジカルボン酸無水物でエステル化された、あるいは、欧州特許EP 786476(共に、本出願人名義の)に記載されている、n-アルケニルサクシニル化、特にn-オクテニルサクシニル化またはn-ドデシルサクシニル化により改変された、疎水性アニオン性基を有利には結合することも可能である。
【0094】
特にまた、当業者には知られている任意の手段による架橋は、なんらのゲル化も、あるいはたとえより限定されるが、デンプンの単なる膨潤などの潜在的に有害な現れのリスクなしに、カチオン化反応が行われることを確実にするための選択のパラメータである。
【0095】
本出願人の会社は、その窒素レベルが少なくとも0.5%に等しく、さらに架橋結合しているカチオン性マメ科植物デンプンを含む、本発明によるカチオン性マメ科植物デンプンはまた、実際、製紙分野で特に注目すべき新規の工業製品となると考える。
【0096】
架橋ステップを、カチオン化ステップの前に、同時におよび/または後に実施してもよい。
【0097】
本発明によるカチオン性デンプンを、希薄ペーストをヘッドボックスに近い点で加え、サーキットのさらに上流でも取込む、またはスプレーする通常の条件下で、単独であるいは他の薬剤、特に、例えば本出願人により出願された、欧州特許EP 0282415または国際特許出願WO 00/75425に記載のアニオン性デンプンと組み合わせて抄紙機で使用することにより、微細繊維および充填剤、特に無機充填剤の優れた保持性が、特に効率的な機械速度であることを表す優れた脱水性を伴って示される。
【0098】
引張強度(LR)、破裂強度(ミューレン指数)、引裂強度またはこわさなどの従来の物理的特性は、他の変更なしで、特にその他のカチオン性の穀物または塊茎デンプンに比較して、当業者を満足させることが可能である。
【0099】
同様のことが、例えば、白色度および不透明度などの光学的特性、平滑度または粗さなどの表面特性、およびいわゆる印刷適性にも当てはまる。
【0100】
微細物および充填剤、特に無機充填剤の保持、脱水、および/または紙の物理的特性の改善のための薬剤として、希薄水性ペーストの形態で、抄紙機の調製用および/またはウェットエンドのサーキット中に、またはセルロースペーストの懸濁液中に導入される、本発明によるカチオン性デンプンの量は、特に使用されるセルロースペースト、水性媒体およびその環境に照らして、当業者により要求されるまたは好まれる特性に応じて決定される。
【0101】
この量は、同等の置換度では、使用される穀物または塊茎由来のカチオン性デンプンの量と等量である。
【0102】
これに関しては、本出願人の会社は、本発明による架橋結合したまたは非架橋結合のカチオン性マメ科植物デンプンは、必要に応じて、穀物由来および/または塊茎由来のデンプンと、特に、製紙分野向けの架橋結合したまたは非架橋結合の穀物由来および/または塊茎由来のカチオン性デンプンと組み合わせ得ることを強調する。
【0103】
この組合せは、任意の形態(固体、ペースト状または液体)で提供される、特に、少なくとも1種の本発明によるカチオン性マメ科植物由来のデンプンと、少なくとも1種の、好ましくはカチオン性の穀物由来または塊茎由来のデンプンとの任意の割合で組み合わせた混合物からなるデンプン組成物により作製し得る。
【0104】
同様に、本発明によるカチオン性マメ科植物由来のデンプンは、穀物、塊茎および/またはマメ科植物から誘導されるアニオン性デンプンと組み合わせてもよい。
【0105】
この組合せは、一方で前記カチオン性デンプン、および他方で前記アニオン性デンプンが、製紙プラントの2つ以上の位置で互いに別々に繊維状組成物中に導入される、欧州特許第EP 282415号に記載の形態であり得る。
【0106】
この組合せはまた、少なくとも1種の本発明によるマメ科植物由来のカチオン性デンプン、および好ましくは穀物、塊茎および/またはマメ科植物由来である、少なくとも1種のアニオン性デンプンを含む新規のデンプン組成物により有利に表される。
【0107】
こうした組合せは、特に出願人名義のフランス特許FR 2794479に記載のものに対応するが、これに記載の組成物に比較して、実施例11、12および15に見られるように有意の利点を有する。
【0108】
実施例11は、75%のカチオン性の特に架橋結合したエンドウマメデンプンと、25%のアニオン性コーンスターチを含む組成物の利益を、特に脱水性および物理的特性に関して示す。
【0109】
実施例12は、カチオン性エンドウマメデンプンとアニオン性エンドウマメデンプンを前記のものと同じ比率で含む組成物によりもたらされた優れた特性を例示している。
【0110】
アニオン性エンドウマメデンプンは、有利にはサクシニル化またはスルホサクシニル化され得て、これは0.01と1の間、特に0.02と0.50の間の置換度(DS)を持ち得る。
【0111】
本出願人の会社は、これに関しては、多数のアニオン性マメ科植物デンプンは新規の製品であると考える。これは特にスルホサクシニル化誘導体の場合に言える。
【0112】
実施例15は、この比率を大きく変化させることができることを例示することを目的とする。55/45の比率に対して、効率は完全に満足されるままである。
【0113】
この組合せが、上記に引用された2つの特許、欧州特許EP 282415またはFR 2794479の記述と一致していようとなかろうと、アニオン性デンプンは、種々の植物性供給源から誘導されたものであることはさておいて、天然のおよび/または供給されたリン酸化基、スルホン化基、カルボキシメチル化基、硫酸化基、特にスルホサクシニル化であるサクシニル化基、および特に、分枝されたジカルボン酸のエステル、あるいはn-アルケニルサクシニル化、特に、n-オクテニルサクシニル化またはn-ドデシルサクシニル化された疎水性の基から選択される種々の基を含み得る。
【0114】
記載された種々のデンプンが、本発明の全体部分を形成する。
【0115】
別の観点から言えば、本発明によるカチオン性デンプンは、すべての種類のサイズ剤のエマルジョンまたは分散物であって、これらが、特にケテン二量体またはケテン多量体、酸無水物、特に無水コハク酸、有機イソシアネートなどのセルロースと反応性であろうが、あるいは、ロジンまたはこれらの誘導体、脂肪酸およびこれらの誘導体、酸性樹脂、これらのエステルまたはアミド、ワックスおよびこれらの誘導体、および薬剤の種々の混合物などの非反応性であろうが関わりのないエマルジョンまたは分散物の製造に特に適していることが認められる。
【0116】
この使用に対する本発明によるカチオン性デンプンの挙動は、使用される濃度におけるペーストの安定性、前記サイズ剤の乳化または分散中の効率、その一部の貯蔵に適した濃厚な形態、または大部分の使用に適した希薄な形態における前記エマルジョンまたは分散物の安定性に関して優れている。
【0117】
同様に、本発明によるカチオン性デンプンは、蛍光増白剤、染料および例えば、ポリアクリルアミドおよびポリビニルアミンなどの合成ポリマーから選択される、少なくとも1種の薬剤を含む組成物の調製に特に適している。
【0118】
別の観点から言えば、本発明によるカチオン性デンプンは、ウオーターサーキット中に含まれ、および/または製紙工程装置に保持される、特にアニオン性の妨害物質を減少させる薬剤として有用な、本発明では「製紙用第2添加剤」として、あるいは、人間活動もしくは工業活動由来の、または前記活動向けの水を浄化および/または精製するのに有用な「工業用途の水の処理用添加剤」と指定されたものなどの特定の組成物の製造に適しているはずであることが認められた。
【0119】
実施される加水分解処理は、有利には、特に塩酸による酸加水分解により、あるいはさらに有利には、特にアミラーゼ、特にα-アミラーゼ、およびトランスフェラーゼ、特にシクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼおよび分枝酵素から選択される少なくとも1種の酵素による酵素的加水分解からなることが有利である。
【0120】
本発明によるカチオン性デンプンの製造、および製紙用途におけるこれらの挙動に関連した、本発明の種々の態様を、決して限定するものではない実施例を用いてより詳細に以下に説明する。
【0121】
本出願人の会社はまた、こうしたマメ科植物由来のカチオン性デンプン、およびこれらを含有する種々の組成物は、例えば、沈殿剤(flocculating agents)、増粘剤、レオロジー調節剤、凝集剤(agglomerating agents)、またはカプセル化剤として、化学または洗剤工業、水硬性バインダー(hydraulic binders)、しっくいおよび塗装などの仕上げ用製品、鉱石の採収、ドリリング(drilling)、ラベリング(labelling)、化粧品、塗料およびワニス、インク、一般のまたは熱可塑性材料中の接着剤組成物のものなどの、他の分野の用途において有用であり得ることを認めている。
【0122】
(実施例1)
スラリー相でのカチオン化
エンドウマメデンプンが、そのアミラーゼ含量が36.7%、および固有の含水量が約12%で入手可能である。この最初のデンプンで出発して、35%の乾燥物質含量を含む水性スラリーを調製し、これを39℃の温度に合わせる。
【0123】
50%の3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを含む13.8%の溶液をこれに加えるが、このパーセントは、最初のデンプンに対して表される前記溶液の量を表す。
【0124】
次いで、最初のデンプンに対して2.7%の乾燥水酸化ナトリウムを、35g/lの溶液の形態で加えて、この調製物をアルカリ性媒体にする。
【0125】
それによって、約2.35/1のオーダーの上記に定義された比Rを有する、出発材料の反応媒体が得られる。
【0126】
反応を15時間維持させる。
【0127】
市販の塩酸で7(±0.5)のpHに中和することにより反応を中止させる。
【0128】
この媒体をろ過し、乾燥する。
【0129】
それによって、0.052の置換度(DS)に対応する、0.43%の固定窒素レベルを有するカチオン性エンドウマメデンプンが得られる。
【0130】
(実施例2)
無水でのカチオン化
LODIGE CB型構造の高速混合機を用いて、最も均一系な様式で、以下のものを混合する。
実施例1に記載の、最初のエンドウマメデンプン、
50%の3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを含む、使用した最初のデンプンに対して表して11.04%の溶液、
50%の溶液の形態での最初のデンプンに対して1.73%の乾燥水酸化ナトリウム。
【0131】
得られた混合物(R=1/15.7)を、次いで約65℃に再加熱し、熟成ユニットに6〜7時間保持する。
【0132】
カチオン化の後、次いで熟成ユニットの出口で、50%のクエン酸溶液を反応混合物の上に、市販材料に対して表して前記溶液を1.2%の量で散布する。
【0133】
それによって、0.047の置換度(DS)に対応する、0.39%の固定窒素レベルを有する、カチオン性エンドウマメデンプンが得られる。
【0134】
(実施例3)
本発明によるカチオン性デンプンを、36.7%のアミロース含量を有するエンドウマメデンプンから調製し、0.44%の窒素レベルに対しAP1と呼んだ。
【0135】
第2ものを、同じアミロース含量であるが、さらに100万分の30部(30ppm)のトリメタリン酸ナトリウムで架橋されたエンドウマメデンプンから調製し、同じ0.44%の固定窒素レベルに対しAPR1と呼んだ。
【0136】
カチオン性コーンスターチAM1、架橋した、コーンスターチとジャガイモデンプンの50/50カチオン性混合物AMPR1、異なるカチオン度の2種のジャガイモデンプン、FP1およびFP2である、従来技術により得られた4種の生成物であって、それぞれ0.63%、0.55%、0.37%および0.65%の固定窒素レベルを有する生成物と、これらを比較する。
【0137】
「ジェットクッカー」中で120℃で1分間、その最終乾燥固体の含量が2%になるように、ペーストを連続的に調製する。
【0138】
これらを、この形態で、13.83/15mmの同軸配置の「CARRI-MED CSL2500」レオメータ中で、75分にわたり60℃〜5℃の温度勾配でレオロジーの評価にかける。
【0139】
正弦応力周波数を、応力が20μN.m.において、F=1Hzに設定した。
【0140】
この方法により、老化温度に相当する、これらが本質的な溶液からゲルへ変換する温度を、弾性率および粘性率のモニターにより評価することにより、ペーストの冷却に対する安定性を推定することが可能になる。
【0141】
【表1】

【0142】
特に驚くべきことにはかつ予想外に、特にこれらが比較的高アミロース含量であると、カチオン性エンドウマメデンプンのペーストは、冷却に対し顕著な安定性を有する。
【0143】
実際、カチオン性ジャガイモデンプンペーストと同様に、これらは60〜5℃の考えられる温度範囲にわたり老化されない。
【0144】
(実施例4)
実施例3で実施したように、「ジェットクッカー」中で、最終乾燥物質含量2%のペーストを再び調製する。
【0145】
「CARRI-MED CSL2500」レオメータを、13.83/15mmの同軸配置で再び使用する。
【0146】
今回は、粘度を、この装置が60℃、かつ比Rc=500s-1における粘度上昇曲線/10s-1における粘度曲線で調温されている間の1サイクルにおける、500s-1および10s-1それぞれにおける上昇曲線として粘度を評価する。
【0147】
以下の値が示された:
【0148】
【表2】

【0149】
高Rc値は、良好な剪断抵抗、特に後続の機械的応力下での優れた性能を予測することを可能にする。このことは、カチオン性エンドウマメデンプンの場合、これらが架橋されているかどうかにかかわらず、かなり明らかに事実である。なぜなら、穀物または塊茎デンプンから得られたものよりかなり高い値を示すからである。
【0150】
(実施例5)
ペーストを、120℃、1分間で連続的に「ジェットクッカー」中で調製するが、今回は、最終の乾燥固体含量が4%である。
【0151】
これらのそれぞれから出発して、実験室中、「Bol CENCO」中、1分当たり20000回転(rpm)の速度、5分間50℃で、C18アルケニルコハク酸無水物と、0.4に等しいカチオン性デンプン/ASAの比R1で、エマルジョンを調製する。
【0152】
得られたエマルジョンを同じカチオン性デンプンのペーストで10倍に希釈し、特に、カチオン性デンプン/ASAの比R2が0.8に等しくなり、これらの安定性が観察されるようにする。
【0153】
前記希薄エマルジョンを室温で24時間貯蔵した後、2種の架橋または非架橋のカチオン性エンドウマメデンプンベースの調製物は安定であり、一方カチオン性トウモロコシまたはジャガイモデンプンベースのエマルジョンは安定でないことが、全面的に明らかに観察される。
【0154】
(実施例6)
前記実施例5で得られた希薄エマルジョンを、紙の内部サイジングのために、80%の漂白クラフトパルプおよび20%の塗工損紙からなる補給物中に、乾燥パルプに対して0.25%の乾燥物質の量で使用する。
【0155】
このように得た懸濁液に、乾燥パルプに対して計算して30%の炭酸カルシウム、次いで0.6%の同じバルクのカチオン性デンプンを加える。
【0156】
この機械の運転およびサイジングに対して、以下の値が示される。
【0157】
【表3】

【0158】
コッブサイズの測定値は、カチオン性エンドウマメデンプンの挙動は、この観点からはカチオン性ジャガイモデンプンの挙動とまさに類似しており、カチオン性コーンスターチのものより非常に優れている。
【0159】
要約すると、観察されたペーストの安定性、エマルジョンの安定性、サイジング特性を考慮すると、カチオン性エンドウマメデンプンは、これらの観点からは特に有利な効率を示す。
【0160】
(実施例7)
この場合の目的は、カチオン性デンプンがサーキットの上流に設定された点で導入された場合の長い接触の影響を調査することである。
【0161】
このため、実施例3のクッキング条件を反復し、AP1およびAMPR1の生成物を、52%の樹脂パルプおよび48%の葉パルプからなるパルプ中(これはさらに樹脂+葉の組合せに対して表して61%の損紙が加えられている)に導入して直接比較する。
【0162】
想定した供与量は、パルプ全体に対して1.2%の乾燥カチオン性デンプンである。
【0163】
パルプとカチオン性デンプンの間の接触時間は、剪断力が強く働く一連の操作によれば6分である。
【0164】
カチオン性デンプンの剪断力および繊維間結合を維持する能力を、当業者にはよく知られている「スコットボンド(Scott-Bond)」試験により評価する。
【0165】
【表4】

【0166】
カチオン性エンドウマメデンプンは、特にコーンスターチとジャガイモデンプンのカチオン性混合物(50/50)の効果に比較して、内部凝集力を有意に改善する。
【0167】
このことに対する説明は、カチオン性エンドウマメデンプンペーストの粘性特性の保持性を示している、特に実施例4に見出し得る。
【0168】
いずれの場合も、剪断ストレート能力と組み合わさったこの態様は、カチオン性デンプンの非常に優れた分散性をもたらし、かつ繊維間結合の潜在力を強化することを可能にすることになろう。
【0169】
(実施例8)
この新しい実施例では、カチオン性コーンスターチ、および実施例7のコーンスターチとジャガイモデンプンのカチオン性混合物と比較して、本発明によるカチオン性エンドウマメデンプンの2つの添加点、一方は、5分の接触時間となる上流(0.6%)、他方は、ヘッドボックスの入口(0.3%)を考えることにより、長い接触時間の原理は部分的にのみ保持する。
【0170】
さらに、カチオン性エンドウマメデンプンを、実施例5で使用したのと同様の方法で、アルケニルコハク酸無水物とのエマルジョンの調製に使用する。
【0171】
これらの新しいベースとして、実施例6のものと同じ繊維状組成物、および同量の充填剤(炭酸カルシウム)を使用する。
【0172】
以下の結果が示される。
【0173】
【表5】

【0174】
バルクに加えられたカチオン性エンドウマメデンプンは、従来技術の生成物に比較して、その他の条件はすべて同等で、より優れた疎水性特性を提供し、層間剥離に対する紙の耐性を増加させる。
【0175】
(実施例9)
実施例8の組成物を使用する。先ず最初のステップとして、本発明によるカチオン性デンプンのペースト、または従来技術によるカチオン性デンプンのペーストを加えたパルプの懸濁液について、脱水性を測定する。
【0176】
【表6】

【0177】
脱水時間は、本発明によるカチオン性デンプンの使用により、従来技術のカチオン性生成物に比較して実質上短縮する。
【0178】
このことは、カチオン性架橋エンドウマメデンプン(APR1)では特にそうである。
【0179】
(実施例10)
前記実施例に記載のものと同じ最初のエンドウマメデンプンで出発し、以下のものを、本発明に従ってそれぞれ調製した。
0.55%の窒素レベルを有し、その比Rが約2/1に調整された反応混合物から得られた、
カチオン性エンドウマメデンプン、
0.63%の窒素レベルを有し、その比Rが約1/15に調整された反応混合物から得られた、
カチオン性エンドウマメデンプン。
【0180】
これらの生成物は効率的であり、ある態様では、前記実施例に記載のカチオン性マメ科植物デンプンよりのみならず、上記のジャガイモデンプンFP2よりもさらに効率的であることを立証する。
【0181】
特に、これら2種の生成物は、
- コッブサイズに関して、実施例6でジャガイモデンプンFP2に対して記載のものと等しいかまたはそれを超える効率を有する、サイズ剤の安定なエマルジョン、
- 実施例8に記載のものに比較してさらに改善された、コッブサイズおよび内部凝集力に関する効率、
- 前記デンプンFP2で得られたものより優れた、脱水に関する効率
を得ることを可能にする。
【0182】
この実施例は、少なくとも0.5%に等しい窒素レベルを有するカチオン性マメ科植物由来のデンプンを調製することが今や可能であることのみならず、さらに、こうした新規の生成物は、一般に製紙分野において、特にサイズ剤の調製において、および/または抄紙機のウェットエンドにおいて、従来技術により想像することが全く不可能な顕著な効率を達成することを可能にすることを示している。
【0183】
(実施例11)
35.3%のアミロース含量を有する一バッチから収集した、天然のエンドウマメデンプンに、実施例2に開示されたいわゆる乾燥処置により、種々のカチオン化反応を行う。これらのあるものを、さらに引き続いてトリメタリン酸ナトリウム(TMPNa)で架橋する。
【0184】
エンドウマメデンプンの3種のカチオン性誘導体が入手可能である。すなわち、
- 参照073:0.67%の窒素、
- 参照074: 0.68%の窒素−40ppm(100万分の1部)のTMPNaで架橋
- 参照076: 0.67%の窒素−80ppmのTMPNaで架橋
【0185】
これらのそれぞれは、本出願人の会社により市販されているアニオン性のコーンスターチ、VECTOR(登録商標)A080の25部当たり、75部のカチオン性デンプンの組合せの対象であり、本出願人の会社により市販されているカチオン性ジャガイモデンプンHI-CAT(登録商標)1286Aと比較される。
【0186】
種々の対が次の通り得られる。
- C1:75%のHI-CAT(登録商標)1286A+25%のVECTOR(登録商標)A080、
- C2:75%の073+25%のVECTOR(登録商標)A080、
- C3:75%の074+25%のVECTOR(登録商標)A080、
- C4:75%の076+25%のVECTOR(登録商標)A080
を、国際特許出願WO 00/75425に従って、2種の成分を混合し、同時にクッキング(蒸解)した後に比較する。連続的クッキング器具(ジェットクッカー)を使用する。種々のパラメータは次の通りである。
- クッキング温度:120℃、
- 時間:1分、
- 水の硬度:10°TH、
- 乾燥固体含量:スラリー:10%、最終:2%
【0187】
各対を、古紙パルプに、得られる紙の物理的性質を保持して、同時に「目詰まり」と判定されるこのパルプの脱水性を改善する目的で、2%の量で加える。
【0188】
【表7】

【0189】
この目的は、最も高い架橋度にかけられたカチオン性エンドウマメデンプンに相当する、参照076の試料で容易に達成される。
【0190】
(実施例12)
これらの観察の後で、実施例11のものと同じクッキング条件および同じパルプへの添加の下に追加の試験が計画される。
【0191】
カチオン性エンドウマメデンプンとアニオン性エンドウマメデンプン(75/25)の混合物(C5)を、同様の対HI-CAT(登録商標)1286A/VECTOR(登録商標)A080に曝す。
【0192】
このため、35.3%のアミロースを含有するバッチから収集した天然エンドウマメデンプンから、欧州特許EP 0282415の教示に従って、無水マレイン酸を用いてスルホカルボキシアルキル化誘導体(参照A)を調製する。
【0193】
34%の乾燥固体含量を含むエンドウマメデンプンスラリーを、25℃でわずかに酸化性媒体中に入れ、水酸化ナトリウムでpH6.5に調整する。これが4.7%(乾燥/乾燥)の無水リン酸一ナトリウムを加える。
【0194】
次に、pHが7.0に調整した条件下で、5.9%(乾燥/乾燥)の無水マレイン酸を、3時間30分の時間にわたり加える。この時間を過ぎた後、この処置を再び1時間続ける。
【0195】
スラリーをろ過し、次いで固体を36.5%に再調整する。これに6.3%(乾燥/乾燥)の硫酸ナトリウムを加える。pHを8.0に調整する。乾燥デンプンに対して計算して20%の市販の亜硫酸水素トリウムを加え、10時間接触したままにしておく。最後に、媒体をろ過し、乾燥する。
【0196】
パルプ中への次の2つの比率の導入を検討する。
【0197】
従来どおり2%、および高いとみなされる4%。
【0198】
【表8】

【0199】
脱水の効率が確認される。この特性は、高デンプンレベルで保持されている。
【0200】
内部凝集力および、特に、破裂係数は非常に満足な値に達している。
【0201】
(実施例13)
100%古紙を含む他の補給物について、一方は、本出願人の会社より市販されているHI-CAT(登録商標)5283A、穀物デンプンおよび塊茎デンプンをベースとするカチオン性混合物(0.64%窒素)と、他方は、カチオン性エンドウマメデンプン参照073および参照076を、前記パルプに1%の量で加えることにより、これらの間の比較をする。
【0202】
機械のウェットエンドにおける、比較のデータは以下の通りである。
【0203】
【表9】

【0204】
このレベルの違いは1%と少ない。
【0205】
主な特性を紙について評価した。
【0206】
【表10】

【0207】
このカチオン性の、特に架橋したエンドウマメデンプンは、同じ操作条件で、より優れた物理的特性を得ることを可能にする。
【0208】
(実施例14)
同じ生成物および同じパルプについて、しかし、実質上より高いレベルの3%の導入で、手順を実施例13の通りに実施する。
【0209】
機械のウェットエンドにおいて、以下のものが認められる。
【0210】
【表11】

【0211】
この高水準の導入では、カチオン性エンドウマメデンプンにより、より優れた充填剤の保持性の傾向のほかに、より優れた脱水性が示される。
【0212】
紙の特性
【0213】
【表12】

【0214】
高水準の導入(3.5%)は、紙の破裂係数に有利である。
【0215】
(実施例15)
実施例11で規定された、すなわち参照078:0.8%の窒素/80ppmのTMPNaで架橋された、新規のカチオン性エンドウマメデンプンを調製する。
【0216】
本発明によるこの誘導体、および従来技術のカチオン性生成物を用いて、実施例11に記載されたように、しかし今回は、45%のアニオン性デンプン当たり55%のカチオン性デンプンに相当する比率で、混合物を調製する。
【0217】
得られた種々の対、
- D1:55%の参照078+45%のVECTOR(登録商標)A080、
- D2:55%の参照078+45%の、DS 0.052のスルホサクシニル化アニオン性エンドウマメデンプン、
- D'2:55%の参照078+45%の、DS 0.051のサクシニル化アニオン性エンドウマメデンプン、
- D3:55%の074+45%の、本出願人の会社により市販されているVECTOR(登録商標)AS104、
- D4:55%のカチオン性混合物(穀物+塊茎、0.73%の窒素)+45%のVECTOR(登録商標)A080
を、2種の成分を同時にクッキングした後、実施例11に開示されているように比較する。
【0218】
各対を、実施例13および14の100%の古紙を含むパルプに3.5%の量で加え、記載の制御および測定を実施する。
【0219】
この機械のウェットエンドにおける測定値
【0220】
【表13】

【0221】
D3は、許容できない脱水効率を示すが、試験したその他の混合物、特に、もっぱらエンドウマメデンプン誘導体から調製されたD2およびD'2は、同様の挙動を有する。
【0222】
紙の特性
【0223】
【表14】

【0224】
カチオン性エンドウマメデンプンおよびアニオン性コーンスターチを組み合わせている対D1は、機械による顕著な挙動と比較することができるので一層有利な物理的性質を付与する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水のみの存在下、任意のその他の溶媒化合物の完全な不存在下で、水の量対マメ科植物由来のデンプンの量の比Rが、1/1000と10/1の間であるような条件下で反応させることを特徴とする、顆粒またはゲル化の形態のマメ科植物由来のデンプンとカチオン性試薬の反応からなる、マメ科植物由来のデンプンをカチオン化する方法。
【請求項2】
カチオン化反応が、前記比Rが1/1000と1/2の間、特に1/1000と1/5の間であるような水の量の存在下で実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比Rが、1/500と1/10の間であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
反応が、アルカリ剤の存在下で実施されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
反応が、8以上、好ましくは10を超えるpHで実施されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
カチオン性試薬が、第3級アミンまたは第4級アンモニウム誘導体であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を用いて得られ、0.1と4%の間、好ましくは0.3と2%の間、さらに好ましくは0.4と1.8%の間の窒素レベルを有することを特徴とする、マメ科植物由来のカチオン性デンプン。
【請求項8】
0.5と1.5%の間の窒素レベルを有することを特徴とする、請求項7に記載のカチオン性デンプン。
【請求項9】
少なくとも0.5%に等しく、好ましくは0.5と1.5%の間の窒素レベルを有することを特徴とする、マメ科植物由来のカチオン性デンプン。
【請求項10】
架橋していることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載のマメ科植物由来のカチオン性デンプン。
【請求項11】
デンプンが両性であって、前記デンプンが有する任意のアニオン性基が、リン酸化基、スルホン化基、カルボキシメチル化基、硫酸化基またはスクシニル化基、特にスルホスクシニル化基、および疎水性アニオン性基、特にジカルボン酸エステル基およびn-アルケニルスクシニル化基を含む群から好ましくは選択されることを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項に記載のマメ科植物由来のカチオン性デンプン。
【請求項12】
前記マメ科植物由来のカチオン性デンプンが、そのカチオン化の前、間または後に、好ましくはそのカチオン化の後に実施される加水分解処理により得られた、5000万ダルトン未満、好ましくは500万ダルトン未満の重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項に記載のカチオン性デンプン。
【請求項13】
請求項7から12のいずれか一項に記載の少なくとも1種のマメ科植物由来のカチオン性デンプンを含むことを特徴とする、特に水性のデンプン組成物。
【請求項14】
請求項7から12のいずれか一項に記載の少なくとも1種のマメ科植物由来のカチオン性デンプン、および少なくとも1種の穀物または塊茎の、好ましくはカチオン性のデンプンを含むことを特徴とするデンプン組成物。
【請求項15】
請求項7から12のいずれか一項に記載の少なくとも1種のマメ科植物由来のカチオン性デンプン、および穀物、塊茎およびマメ科植物アニオン性デンプンを含む群から好ましくは選択される少なくとも1種のアニオン性デンプンを含むことを特徴とするデンプン組成物。
【請求項16】
製紙に使用されるサイズ剤組成物の調製における、蛍光増白剤、染料および合成ポリマーから選択される少なくとも1種の薬剤を含む組成物の調製における、および/または抄紙機のウェットエンドにおける添加剤としての、保持剤、脱水剤としての、および/または紙の物理的特性を改善するための、請求項7から12のいずれか一項に記載のマメ科植物由来のカチオン性デンプン、または請求項13から15のいずれか一項に記載のデンプン組成物の使用。
【請求項17】
ウオーターサーキット中に含まれる、および/または工程装置、特に製紙装置に保持される妨害物質を減少させる薬剤としての、請求項7から12のいずれか一項に記載のマメ科植物由来のカチオン性デンプン、または請求項13から15のいずれか一項に記載のデンプン組成物の使用。
【請求項18】
請求項16または17に記載のマメ科植物由来のカチオン性デンプンまたはデンプン組成物の使用による製紙方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法により得られる折りたたみボール紙または紙。

【公開番号】特開2012−126921(P2012−126921A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−80931(P2012−80931)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【分割の表示】特願2006−530345(P2006−530345)の分割
【原出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【出願人】(592097428)ロケット・フルーレ (58)
【Fターム(参考)】