説明

マルチカードシステム、メッセージテーブル更新方法及びプログラム

【課題】運用効率を向上できるマルチカードシステム、メッセージテーブル更新方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】カード1は、メッセージテーブル15を備える。送受信部14は、カード2、3との間でバス4を介してメッセージを送受信する。管理部13は、入力された更新データに基づいてメッセージテーブル15を更新するとともに、更新内容を含む更新メッセージを送受信部14を介してカード2、3へ送信する。管理部23、33は、それぞれ送受信部24、34を介して更新メッセージを受信すると、更新内容に基づいてメッセージテーブル25、35を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージテーブルを更新するマルチカードシステム、メッセージテーブル更新方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機能が互いに異なる複数のカードが装置内バスで接続された装置は、一般的によくみられる構成である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような構成の装置では、カード間で装置内バスを介してメッセージが送受信されるものが多い。各カードにはメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルが設けられている。メッセージを送信するカードは、自身のメッセージテーブルを参照して、メッセージを生成して送信する。メッセージを受信するカードは、自身のメッセージテーブルを参照して、受信されたメッセージを解読する。
【0004】
したがって、各カードのメッセージテーブルの内容に違いがある場合には、カード間でメッセージを送受信することが困難になる。メッセージの送受信を正確に行うには、カード間でメッセージテーブルの内容を常に同じにしておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−219065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各カードが装置内バスを介して接続されるという装置構成上、全てのカードで共通のメッセージテーブルを持つのは困難である。カード間でメッセージテーブルの内容を常に同じにするためには、メッセージテーブルの内容をカード毎に書き換える必要がある。このため、作業者の負担が増大し、人為的ミスを誘発して、装置の運用効率の低下を招いていた。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、運用効率を向上できるマルチカードシステム、メッセージテーブル更新方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るマルチカードシステムは、
共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する複数のカードによって構成されるマルチカードシステムであって、
前記各カードは、
残りのカードとの間で前記共通バスを介して前記メッセージを送受信する送受信部と、
前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを前記送受信部を介して前記残りのカードへ送信し、
前記送受信部を介して前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて前記メッセージテーブルを更新する管理部と、
を備える。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係るメッセージテーブル更新方法は、
共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する複数のカードによって構成されるマルチカードシステムにおけるメッセージテーブル更新方法であって、
前記各カードは、前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて自身の有する前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを、前記共通バスを介して残りのカードへ送信する第1の更新工程と、
前記残りのカードは、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて自身の備える前記メッセージテーブルを更新する第2の更新工程と、
を含む。
【0010】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
複数のカードを備えるマルチカードシステムにおいて、共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する前記各カードを制御するコンピュータを、
前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを、前記共通バスを介して残りのカードへ送信し、
前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて前記メッセージテーブルを更新する管理部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、メッセージテーブルの更新データを入力されたカードは、その更新データに従って自身のメッセージテーブルを更新し、その更新内容を含むメッセージを残りのカードに送信する。共通バスを介してこのメッセージを受信した残りのカードは、その更新内容に従って、自身のメッセージテーブルを更新する。このようにすれば、一のカードにメッセージテーブルの更新データを入力するだけで、全てのカードのメッセージテーブルを同じ更新内容で更新することができる。この結果、メッセージテーブルの更新を効率化できるので、装置の運用効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチカードシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】メッセージテーブルの内容を例示する図である。
【図3】各メッセージテーブルの更新処理のフローチャートである。
【図4】各メッセージテーブルの更新の態様を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、マルチカードシステム100は、カード1と、カード2と、カード3とを備える。例えば、カード1乃至3は、電子機器や情報処理装置等の専用ハードウェアとして用いられ、カード1乃至3は、それぞれ異なる機能を有する。
【0015】
カード1乃至3は、それぞれバス4によって接続される。カード間における情報の通信は、バス4を介してメッセージを送受信することによって行われる。このメッセージの送受信により、マルチカードシステム100は、全体の機能を発揮する。
【0016】
メッセージは、数バイトのデータである。メッセージの先頭から所定バイトの領域には、メッセージ名が設定される。そして、そのメッセージ名に続く領域には、少なくとも1つのパラメータの値が設定される。複数のパラメータの値が設定される場合には、各パラメータの値は、所定のバイトずつ順番に設定される。
【0017】
カード1は、記憶部11と、実行部12と、管理部13と、送受信部14とを備える。
【0018】
カード2及びカード3の構成は、カード1の構成と同じである。カード2は、記憶部21と、実行部22と、管理部23と、送受信部24とを備える。カード3は、記憶部31と、実行部32と、管理部33と、送受信部34とを備える。
【0019】
このようにカード1乃至3各々は同じ構成であるため、以下、主にカード1の構成について詳細に説明する。
【0020】
記憶部11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の読み書き可能なメモリを備える。記憶部11は、メッセージテーブル15を記憶する。なお、記憶部21及び記憶部31も同様に、それぞれメッセージテーブル25、メッセージテーブル35を記憶する。
【0021】
メッセージテーブル15には、メッセージのフォーマットが定義されている。図2にはメッセージテーブル15の一例が示されている。メッセージテーブル15には、複数のメッセージが設定されており、それぞれのメッセージの識別コードとしてのメッセージ名と、そのメッセージに含まれるパラメータ名が設定されている。例えば、メッセージテーブル15には、メッセージ名が「メッセージA」と、「メッセージB」の2つのメッセージが設定されている。メッセージA、Bはそれぞれ種別が異なるメッセージである。それぞれのメッセージの種別は、予め定義されている。
【0022】
メッセージAは、カード2、3からメッセージを受け取った実行部12による処理結果をカード2、3に送信するメッセージであると定義されている。
【0023】
また、メッセージテーブル15には、各種メッセージに対して設定されるパラメータが定義されている。
【0024】
例えば、メッセージ名が「メッセージA」であるメッセージ(以下、単にメッセージAとする)に対応させて、パラメータ名がa、b、cであるパラメータ(以下、単にパラメータa、パラメータb、パラメータcとする)がこの順で定義されている。メッセージ名が「メッセージB」であるメッセージ(以下、単にメッセージBとする)に対応させて、パラメータ名がp、q、rであるパラメータ(以下、単にパラメータp、パラメータq、パラメータrとする)がこの順で定義されている。
【0025】
メッセージテーブル15を参照すれば、各メッセージに対応付けられた各パラメータの順番や数が明らかになる。
【0026】
各パラメータの意味は、予め定義されている。例えば、パラメータaは、カード2、3からメッセージを受け取った実行部12による処理結果が正常であるか異常であるかを示すパラメータとして定義されている。処理結果が正常であれば、パラメータaの値は0であり、処理結果が異常であれば、パラメータaの値は1である。
【0027】
カード1がカード2、3にメッセージを送信する場合、カード1は、メッセージテーブル15を参照して、送信するメッセージを生成する。カード1がカード2、3からメッセージを受信した場合、カード1は、メッセージテーブル15を参照して、受信したメッセージを解読する。
【0028】
例えば、カード2、3からメッセージを受け取った実行部12による処理結果をカード2、3に返信すべく、メッセージAを送信する場合には、カード1は、メッセージテーブル15を参照して、メッセージの先頭の所定バイトに「メッセージA」を設定し、続いて、実行部12による処理結果に基づいて、パラメータaの値として「0」か「1」かを設定する。同様にして、パラメータb、cの値が設定される。
【0029】
一方、このメッセージを受信したカード2は、メッセージの先頭の所定バイトの領域のデータと、メッセージテーブル25のメッセージ名とを比較し、そのメッセージのメッセージ名「メッセージA」を特定する。そして、カード2は、メッセージテーブル25を参照して、メッセージAに対応するパラメータa、b、cの値に基づいて、実行部12による処理結果を解読する。
【0030】
カード間で正確にメッセージを送受信するためには、カード1乃至3のメッセージテーブル15、25、35の内容を常に同じにしておく必要がある。
【0031】
メッセージテーブル15の更新は、入力ツール5を用いて行われる。例えば、作業者が入力ツール5を用いてメッセージテーブル15の更新プログラムと更新データとをカード1に入力することによって、メッセージテーブル15は更新される。
【0032】
実行部12は、CPU(Central Processing Unit)及びROM、RAM等の読み書き可能なメモリ(いずれも不図示)を備える。CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、実行部12は下記の各機能を実現する。
【0033】
実行部12は、プログラムの実行による処理結果をカード2、3にメッセージとして送信する。この場合、実行部12は、そのメッセージのメッセージ名と全てのパラメータに値を設定し、メッセージ名と全パラメータの値を送受信部14に送信する。
【0034】
また、メッセージテーブル15の更新時には、実行部12は、入力ツール5を用いて入力された更新プログラムをメモリに格納する。そして、実行部12は、この更新プログラムを実行することによって、管理部13にメッセージテーブル15を更新させる。
【0035】
送受信部14は、カード2、3との間でバス4を介してメッセージを送受信する。
【0036】
より具体的には、実行部12からメッセージ名及び全パラメータの値を受信すると、送受信部14は、メッセージテーブル15を参照して、メッセージ名及びパラメータの順番と値とでメッセージを生成する。そして、送受信部14は、生成されたメッセージをカード2、3にバス4を介して送信する。
【0037】
一方、カード1がカード2、3からメッセージを受信すると、送受信部14は、メッセージ名とメッセージテーブル15のメッセージ名とを比較し、そのメッセージのメッセージ名を特定する。さらに、送受信部14は、メッセージテーブル15を参照して、パラメータの順番と値とに基づいて、受信したメッセージを解読する。そして、送受信部14はこのメッセージを実行部12に送信する。
【0038】
カード1とカード2との間でのメッセージの送受信について、より具体的に説明する。
【0039】
実行部12が、プログラムの実行による処理結果をカード2、3にメッセージとして送信する場合を説明する。この場合、実行部12は、メッセージ名「メッセージA」と、例えば全てのパラメータa、b、c、d、e、fに値を設定して、送受信部14に送信するとともに、メッセージの送信を送受信部14に指示する。
【0040】
この指示を受けた送受信部14は、メッセージテーブル15を参照して、メッセージ名「メッセージA」と、パラメータa、b、cの値を順番どおりに配列してメッセージを生成する。送受信部14は、生成されたメッセージをカード2、3にバス4を介して送信する。
【0041】
メッセージを受信したカード2の送受信部24は、メッセージテーブル25を参照して、メッセージ名「メッセージA」を特定する。送受信部24は、メッセージ名に続く最初のパラメータがaで、次がbで、次がcであるという順番と各パラメータの値とに基づいて、メッセージを解読し、これを実行部22に送信する。
【0042】
管理部13は、CPU及びROM、RAM等の読み書き可能なメモリ(いずれも不図示)を備える。CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、管理部13は下記の各機能を実現する。
【0043】
管理部13は、更新データが入力ツール5を用いて入力されると、メッセージテーブル15を更新する。
【0044】
より詳細には、更新プログラムの実行が実行部12によって開始されると、実行部12から管理部13にメッセージテーブル15の更新が指示される。
【0045】
この指示を受けた管理部13は、更新データに基づいてメッセージテーブル15を更新する。より具体的には、管理部13は、記憶部11に記憶されたメッセージテーブル15に定義されたメッセージのフォーマットと、更新データに定義されたメッセージのフォーマットとを比較し、フォーマットが一致しないメッセージのメッセージ名を抽出する。
【0046】
例えば、記憶部11に記憶されたメッセージテーブル15では、図2に示すように「メッセージA」に対応するパラメータとして、パラメータa、b、cが定義され、「メッセージB」に対応するパラメータとして、パラメータp、q、rが定義されている。これに対して、更新データでは、「メッセージA」に対応するパラメータとして、パラメータa、b、dが定義され、「メッセージB」に対応するパラメータとして、パラメータp、q、rが定義されているとする。管理部13は、各メッセージのメッセージ名に基づいて、そのメッセージ名に対応するパラメータ名と順番と数とを比較する。メッセージテーブル15において「メッセージA」に対応するパラメータa、b、cと、更新データにおいて「メッセージA」に対応するパラメータa、b、dとは一致しないため、管理部13は、メッセージ名「メッセージA」を抽出する。
【0047】
管理部13は、更新データに定義されたメッセージのフォーマットと一致しないメッセージのフォーマットを更新する。具体的には、管理部13は、抽出されたメッセージ名「メッセージA」と更新データとに基づいて、メッセージテーブル15におけるパラメータ名「メッセージA」に対応するパラメータがパラメータa、b、dの順番で定義されるように更新する。
【0048】
さらに、管理部13は、メッセージテーブル15の更新内容を含む更新メッセージを送受信部14を介してカード2、3へ送信する。
【0049】
更新メッセージは、メッセージテーブル15にそのフォーマットが定義されている。例えば、管理部13は、メッセージテーブル15を参照して、更新メッセージの先頭の所定バイトの領域にメッセージ名として「更新メッセージ」を設定する。さらに、管理部13は、次の所定バイトの領域に定義されたパラメータの値にメッセージ名「メッセージA」を設定し、次の所定バイトの領域に定義されたパラメータの値にパラメータa、その次の所定バイトの領域に定義されたパラメータの値にパラメータb、その次の所定バイトの領域に定義されたパラメータの値にパラメータdを設定する。
【0050】
一方、カード2の管理部23が、送受信部24を介して更新メッセージを受信すると、更新内容に基づいてメッセージテーブル25を更新する。
【0051】
より詳細には、送受信部24は、バス4を介して更新メッセージを受信すると、メッセージテーブル25を参照して、メッセージを解読し、更新メッセージを管理部23に送信する。
【0052】
上述の例では、送受信部24は、更新メッセージの先頭の所定バイトの領域に設定されたメッセージ名と、メッセージテーブル25のメッセージ名とを比較し、更新メッセージのメッセージ名「更新メッセージ」を特定する。そして、送受信部24は、それに続くパラメータの値に基づいて、メッセージテーブル25におけるパラメータ名「メッセージA」に対応するパラメータをパラメータa、b、dの順番で定義するように更新することを解読する。
【0053】
管理部23は、送受信部24から更新メッセージを受信すると、更新メッセージに含まれる更新内容に基づいてメッセージテーブル15を更新する。
【0054】
次に、図3を参照して、メッセージテーブル15、25、35の更新処理のフローを説明する。
【0055】
メッセージテーブル15、25、35を更新する処理は、更新プログラムと更新データとがカード1に入力され、実行部12によって更新プログラムが実行されることで開始される。
【0056】
更新データが管理部13に入力される(ステップS1)。
【0057】
次に、管理部13は、記憶部11に記憶されたメッセージテーブル15に定義されたメッセージのフォーマットと、更新データに定義されたメッセージのフォーマットとを比較し、フォーマットが一致しないメッセージのメッセージ名を抽出する(ステップS2)。
【0058】
管理部13は、抽出されたメッセージ名と更新データとに基づいて、メッセージテーブル15を更新する(ステップS3)。
【0059】
次に、管理部13は、更新内容を含む更新メッセージを送受信部14を介してカード2、3へ送信する(ステップS4)。
【0060】
カード2では、送受信部24が更新メッセージを受信すると、管理部23は、メッセージテーブル25を更新する(ステップS5)。
【0061】
カード3では、送受信部34が更新メッセージを受信すると、管理部33は、メッセージテーブル35を更新する(ステップS6)。
【0062】
以下では、図4を参照して、より具体的にメッセージテーブル15、25、35の更新処理を説明する。
【0063】
前提として、メッセージテーブル15、メッセージテーブル25及びメッセージテーブル35の内容はいずれも、図4(A)に示すように、「メッセージA」に対応するパラメータa、b、cが定義されている。また、「メッセージB」に対応するパラメータp、q、rが定義されている。
【0064】
以下では、メッセージテーブル15、25、35の「メッセージA」に対応するパラメータa、b、cをパラメータa、b、dに更新する場合を説明する。
【0065】
更新データが管理部13に入力される(ステップS1)。
【0066】
管理部13は、記憶部11に記憶されたメッセージテーブル15に定義されたメッセージのフォーマットと、更新データに定義されたメッセージのフォーマットとを比較し、フォーマットが一致しないメッセージのメッセージ名「メッセージA」を抽出する(ステップS2)。
【0067】
次に、図4(B)に示すように、管理部13は、抽出された「メッセージA」に対応するパラメータa、b、cをパラメータa、b、dに更新する(ステップS3)。
【0068】
次に、管理部13は、更新内容を含む更新メッセージを送受信部14を介してカード2、3へ送信する(ステップS4)。
【0069】
カード2、3では、送受信部24及び送受信部34が更新メッセージを受信すると、管理部23及び管理部33各々は、図4(C)に示すように、メッセージテーブル25及びメッセージテーブル35の「メッセージA」に対応するパラメータをパラメータa、パラメータb、パラメータdにそれぞれ更新する(ステップS5及びステップS6)。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、メッセージテーブル15の更新データを入力されたカード1は、その更新データに従ってメッセージテーブル15を更新し、その更新内容を含む更新メッセージをカード2、3に送信する。バス4を介して更新メッセージを受信したカード2、3は、その更新内容に従って、メッセージテーブル25、35をそれぞれ更新する。このようにすれば、一のカードにメッセージテーブルの更新データを入力するだけで、全てのカードのメッセージテーブルを同じ更新内容で更新することができる。この結果、メッセージテーブルの更新を効率化できるので、装置の運用効率が向上する。
【0071】
なお、マルチカードシステム100を構成するカードは、2枚であってもよいし、4枚以上であってもよい。
【0072】
なお、上記実施形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するマルチカードシステム100を構成することとしてもよい。
【0073】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0074】
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0075】
なお、本発明は、上記実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態及び図面に変更を加えることができるのはもちろんである。
【0076】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0077】
(付記1)
共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する複数のカードによって構成されるマルチカードシステムであって、
前記各カードは、
残りのカードとの間で前記共通バスを介して前記メッセージを送受信する送受信部と、
前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを前記送受信部を介して前記残りのカードへ送信し、
前記送受信部を介して前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて前記メッセージテーブルを更新する管理部と、
を備えるマルチカードシステム。
【0078】
(付記2)
前記管理部は、
前記更新データに定義された前記メッセージのフォーマットと一致しないメッセージのフォーマットを更新する、
ことを特徴とする付記1に記載のマルチカードシステム。
【0079】
(付記3)
共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する複数のカードによって構成されるマルチカードシステムにおけるメッセージテーブル更新方法であって、
前記各カードは、前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて自身の有する前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを、前記共通バスを介して残りのカードへ送信する第1の更新工程と、
前記残りのカードは、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて自身の備える前記メッセージテーブルを更新する第2の更新工程と、
を含むメッセージテーブル更新方法。
【0080】
(付記4)
複数のカードを備えるマルチカードシステムにおいて、共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する前記各カードを制御するコンピュータを、
前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを、前記共通バスを介して残りのカードへ送信し、
前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて前記メッセージテーブルを更新する管理部、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0081】
1、2、3 カード
4 バス
5 入力ツール
11、21、31 記憶部
12、22、32 実行部
13、23、33 管理部
14、24、34 送受信部
15、25、35 メッセージテーブル
100 マルチカードシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する複数のカードによって構成されるマルチカードシステムであって、
前記各カードは、
残りのカードとの間で前記共通バスを介して前記メッセージを送受信する送受信部と、
前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを前記送受信部を介して前記残りのカードへ送信し、
前記送受信部を介して前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて前記メッセージテーブルを更新する管理部と、
を備えるマルチカードシステム。
【請求項2】
前記管理部は、
前記更新データに定義された前記メッセージのフォーマットと一致しないメッセージのフォーマットを更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチカードシステム。
【請求項3】
共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する複数のカードによって構成されるマルチカードシステムにおけるメッセージテーブル更新方法であって、
前記各カードは、前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて自身の有する前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを、前記共通バスを介して残りのカードへ送信する第1の更新工程と、
前記残りのカードは、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて自身の備える前記メッセージテーブルを更新する第2の更新工程と、
を含むメッセージテーブル更新方法。
【請求項4】
複数のカードを備えるマルチカードシステムにおいて、共通バスを介して送受信されるメッセージのフォーマットが定義されたメッセージテーブルを各々有する前記各カードを制御するコンピュータを、
前記メッセージテーブルの更新データが入力されると、前記更新データに基づいて前記メッセージテーブルを更新するとともに、前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを、前記共通バスを介して残りのカードへ送信し、
前記メッセージテーブルの更新内容を含むメッセージを受信すると、前記更新内容に基づいて前記メッセージテーブルを更新する管理部、
として機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−181755(P2012−181755A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45328(P2011−45328)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】