説明

マルチキャリア無線端末のために電力調整するための方法および装置

マルチキャリア無線端末のために電力調整(power scaling)するための方法および装置を開示する。マルチキャリアWTRUがその最大出力電力に達したときに電力調整するための方法およびメカニズムを提供する。また、マルチキャリアWTRUによって伝送された第1のキャリアと第2のキャリアとの間の電力不均衡が所定のしきい値に達したときに電力調整するための方法およびメカニズムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
無線発信機は、一般的に合計送信電力が制限されている。制限は、規制機関またはバッテリーもしくは電力増幅器の技術によって課されるものである。この電力制限のために無線利用範囲が縮小され可能性がある。たとえば、無線送受信ユニット(WTRU)がその基地局から離れると、典型的にはWTRUはその送信電力を高めて基地局での品質と同じレベルを維持する。WTRUの出力電力は電力制御ループ(power control loop)を介して基地局によって制御される。WTRUがその最大電力に達して、基地局で望まれる信号品質を維持するために電力を高められなくなると、電力調整が適用される。これが発生するのは、たとえば、WTRUがセルエッジに接近している場合、またはWTRUが信号減衰が大きい地域に入った場合である。
【0003】
無線通信システムは、継続的かつより高速なアクセスをデータネットワークに提供するというニーズを満たすために進化し続けている。これらのニーズを満たすために、無線通信システムはデータの伝送に複数のキャリアを使用することができる。データの伝送に複数のキャリアを使用する無線通信システムは、マルチキャリアシステムと呼ぶことができる。複数のキャリアの使用は、セルラー式およびセルラー式でない無線システムで拡大している。
【0004】
マルチキャリアシステムは、利用可能になるキャリアの倍数に従って無線通信システムで利用可能な帯域幅を増加させることができる。たとえば、デュアルキャリアシステム(dual carrier system)では、シングルキャリアシステムと比較して帯域幅を2倍にすることができ、トライキャリアシステム(tri−carrier system)では、シングルキャリアシステムと比較して帯域幅を3倍にすることができる、という具合である。マルチキャリアシステムでは、WTRUは、たとえば、2つの隣接するキャリアを通じて伝送することができる。電力増幅器は複数のキャリアで共通であると想定できるため、合計電力は複数のキャリア間の共有リソースである。マルチキャリア無線端末のために電力調整する方法および装置が望まれる。
【発明の概要】
【0005】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年4月23日に出願した米国特許仮出願第61/172,109号明細書、2009年6月19日に出願した米国特許仮出願第61/218,830号明細書、および2009年8月21日に出願した米国特許仮出願第61/235,803号明細書の利益を主張するものであり、これらは、本明細書に完全に記述されているかのように参照により組み込まれている。
【0006】
マルチキャリア無線端末のために電力調整する方法および装置を開示する。マルチキャリアWTRUがその最大出力電力に達したときに電力調整するための方法およびメカニズムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
より詳細には、添付の図面とともに例として提供される、以下の記述から理解できるであろう。
【0008】
【図1】複数の無線送受信ユニット(WTRU)、ノードB、制御する側の無線ネットワーク制御装置(CRNC)、サービスを提供する無線ネットワーク制御装置(SRNC)、およびコアネットワークを含む例示的な無線通信システムを示す図である。
【図2】図1の無線通信システムのWTRUおよびノードBの例示的な機能ブロック図である。
【図3】LTE(Long Term Evolution)の例示的な無線通信システム/アクセスネットワークを示す図である。
【図4】図3のLTE無線通信システムのWTRUおよび基地局の例示的なブロック図である。
【図5】複数のキャリアを使用する無線通信の例を示す図である。
【図6A】マルチキャリアWTRUのために電力調整するための例示的なフローチャートである。
【図6B】マルチキャリアWTRUのために電力調整するための他の例示的なフローチャートである。
【図7】マルチキャリアWTRUのために電力調整するための他の例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、「無線送受信ユニット(WTRU)」という用語は、利用者装置(UE)、移動局、固定もしくは移動可能な加入者端末、携帯無線呼出し器、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータ、または無線環境において動作可能なその他のあらゆる種類の装置を含むが、これらには限定されない。以下、「基地局」という用語は、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、または無線環境において動作可能なその他のあらゆる種類の接続装置を含むが、これらには限定されない。
【0010】
複数のアップリンクおよびダウンリンクのキャリアをWTRUに対して構成することができる。複数のキャリアは隣接していても隣接しなくてもよく、同じ周波数もしくは無線帯域および/または周波数の範囲であってもなくてもよい。一実施形態では、複数のキャリアは、同じ帯域において隣接する4つのダウンリンクキャリアを含み、同じ帯域に1つまたは2つのアップリンクキャリアを含むことができるが、これに限定されない。他の実施形態では、複数のキャリアは、2つの異なる帯域にまたがる2つの隣接するダウンリンクキャリアを2対およびそれぞれの帯域に2つのアップリンクキャリアを含むことができるが、これに限定されない。さらに他の実施形態では、複数のキャリアは、同じ帯域に3つの隣接するダウンリンクキャリアを含み、同じ帯域に1つまたは2つの(隣接する)アップリンクキャリアを含むことができるが、これに限定されない。また、複数のアップリンクおよびダウンリンクのキャリアは、キャリアのサイズおよびキャリアの数に関して、対称の構成および非対称の構成で動作するように構成することができる。また、キャリアはコンポーネントキャリアと呼ぶこともできる。
【0011】
一般に、ネットワークは、少なくとも1つのダウンリンクおよび/または少なくとも1つのアップリンクのキャリアをアンカーダウンリンクキャリアおよびアンカーアップリンクキャリアとしてそれぞれ割り当てることができる。マルチキャリア運用においては、WTRUは、2つ以上のキャリアを用いて動作するように構成することができる。また、キャリアは周波数として、または周波数によって参照することができる。これらのキャリアはそれぞれ、個別の特性ならびにネットワークおよびWTRUとの論理的な関連を持つことができ、動作周波数はグループ化され、アンカーまたは主要キャリアおよび補助キャリアまたは第2のキャリアと呼ぶことができる。2つを超えるキャリアを構成する場合は、WTRUは、複数の主要キャリアおよび/または複数の第2のキャリアを受信するように構成される必要がある場合がある。たとえば、アンカーキャリアは、ダウンリンク/アップリンクの伝送のために特定の組の制御情報を運ぶためのキャリアとして定義することができる。アンカーキャリアとして割り当てられていない任意のキャリアは、補助キャリアとなることができる。あるいは、ネットワークはアンカーキャリアを割り当てなくてもよく、優先度、選択、またはデフォルトの状態を任意のダウンリンクまたはアップリンクのキャリアに与えなくてもよい。以下、本明細書において、「アンカーキャリア」、「主要キャリア」、「アップリンクキャリア1」、「第1のキャリア」、および「第1のアップリンクキャリア」という用語は、便宜上、区別なく使用する。同様に、「補助キャリア」、「第2のキャリア」、「アップリンクキャリア2」、「第2のキャリア」、および「第2のアップリンクキャリア」という用語も本明細書において区別なく使用する。「アップリンク」という用語を使用しているが、「ダウンリンク」という用語も等しく適用することができる。マルチキャリア運用においては、複数の補助キャリアまたは第2のキャリアが存在することができる。
【0012】
「アンカーキャリア」という用語は、WTRUに割り当てられたアップリンク周波数キャリアに関連するダウンリンク周波数キャリアを示すことができ、「補助キャリア」という用語は、アンカーキャリアでないダウンリンク周波数キャリアを示すことができる。アップリンク「アンカー」キャリアは、明示的な構成によって、または特定のアップリンク/ダウンリンクのキャリア間隔による暗示の関連によって、ダウンリンクアンカーキャリアに関連するアップリンクキャリアを示すことができる。
【0013】
ダウンリンク「アンカー」キャリアという用語は、F−DPCH(Fractional Dedicated Physical Channel)(図5に示す)、E−AGCH(Enhanced−Absolute Grant Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、および他のそのようなチャネルなどダウンリンク制御チャネルを運ぶダウンリンクキャリアを示すことができるが、これらに限定されない。共通パイロットチャネル(CPICH)、高速共有制御チャネル(HS−SCCH)、および高速物理ダウンリンク共有チャネル(HS−PDSCH)などの他の物理チャネルは、補助キャリアまたは第2のキャリアなど、任意のダウンリンクキャリアから読み込むことができる。複数のダウンリンクキャリアが1つまたは複数のアップリンクキャリアに関連するダウンリンク制御チャネルを運ぶ場合、ダウンリンク「アンカー」キャリアは、「アンカー」キャリア属性を用いて構成されたダウンリンクキャリアを示すことができる。あるいは、ダウンリンク「アンカー」キャリアという用語は、サービスを提供する高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)セルが伝送されるダウンリンクキャリアを示すことができる。必要に応じて、単一のダウンリンクキャリアがWTRUに対して構成されている場合、単一のダウンリンクキャリアは主要なダウンリンクキャリアの場合がある。
【0014】
アップリンク「アンカー」キャリアという用語は、HS−DPCCHが伝送されるアップリンクキャリアを示すことができる。あるいは、構成されている場合、DPDCHが伝送されるキャリアを示すことができる。他の実施形態では、シグナリング無線ベアラ(SRB)または他の専用制御メッセージが運ばれるキャリアを示すことができる。さらに他の実施形態では、アンカーキャリアは、サービスを提供するHS−DSCHセルなど、ダウンリンクアンカーキャリアに関連するアップリンクキャリアでもよい。SRBは、説明において専用制御メッセージの例として使用することができるが、SRBは物理データチャネルで運ぶことができる他の専用制御メッセージまたは任意のより優先度の高いメッセージを同様に示すことができる。
【0015】
本明細書に記述した実施形態は、複数のアップリンクキャリアを横断してアップリンク伝送を行うために電力調整を実装するための複数の方法を提供する。本明細書に記述した実施形態は、任意の数のアップリンクキャリアに適用することができる。一般的に、本明細書に記述した実施形態は、すべてのキャリアもしくはキャリアのサブセットを横断して電力を共有できるか、またはすべてのキャリアもしくはキャリアのサブセットを横断して最大の合計電力制約が課されるWTRUに適用することができる。限定することなく例を挙げると、複数のキャリアで共有される単一の電力増幅器を持つWTRUに適用することができる。
【0016】
図1は、アップリンク伝送は複数のキャリア160を使用して処理され、ダウンリンク伝送は複数のキャリア170を使用して処理される例示的な無線通信システム100を示す。無線通信システム100は、複数のWTRU110、ノードB120、CRNC130、SRNC140、およびコアネットワーク150を含む。ノードB120およびCRNC130は、まとめてUTRAN180と呼ぶことができる。
【0017】
図1に示すように、WTRU110はノードB120と通信し、ノードB120はCRNC130およびSRNC140と通信する。3つのWTRU110、1つのノードB120、1つのCRNC130、および1つのSRNC140を図1に示すが、無線通信システム100には、無線装置および有線装置を任意に組み合わせて含めることができることに留意されたい。
【0018】
図2は、図1の無線通信システム100のWTRU110およびノードB120の機能ブロック図である。図2に示すように、WTRU110は、複数のアップリンクキャリア260および複数のダウンリンクキャリア270を使用してノードB120と通信する。WTRU110およびノードB120は、複数のアップリンクキャリアに対して電力調整する方法を実行するように構成される。
【0019】
WTRU110は、プロセッサ215、受信機216、送信機217、メモリ218、アンテナ219、および典型的なWTRUに見られる他の構成要素(図示せず)を含む。アンテナ219は、複数のアンテナ素子を含むことができる。または複数のアンテナはWTRU110に含まれていてもよい。メモリ218は、オペレーティングシステム、アプリケーション、および他のモジュールまたは構成要素を含むソフトウェアを格納するために提供される。プロセッサ215は、単独またはソフトウェアおよび/もしくは1つもしくは複数の任意の構成要素と組み合わせて、WTRU110からのアップリンク伝送が、本明細書に記述した電力調整の例に従って、複数のアップリンクキャリアを使用してノードB120に伝送される方法を実行するために提供される。受信機216および送信機217は、プロセッサ215と通信する。受信機216および送信機217は、1つまたは複数のキャリアを同時に受信および伝送することができる。あるいは、複数の受信機および/または複数の送信機は、WTRU110に含まれていてもよい。アンテナ219は、受信機216および送信機217の両方と通信して無線データの伝送および受信を促進する。
【0020】
ノードB120は、プロセッサ225、受信機226、送信機227、メモリ228、アンテナ229、および典型的な基地局で見られる他の構成要素(図示せず)を含むことができる。アンテナ229は、複数のアンテナ素子を含むことができる。または、複数のアンテナはノードB220に含まれていてもよい。メモリ228は、オペレーティングシステム、アプリケーション、および他のモジュールまたは構成要素を含むソフトウェアを格納するために提供される。プロセッサ225は、単独でまたはソフトウェアおよび/もしくは1つもしくは複数の任意の構成要素と組み合わせて、WTRU110からのアップリンク伝送が、本明細書に記述した電力調整の例に従って、複数のアップリンクキャリアを使用してノードB120に伝送される方法を実行するために提供される。受信機226および送信機227は、プロセッサ225と通信する。受信機226および送信機227は、1つまたは複数のキャリアを同時に受信および伝送することができる。あるいは、複数の受信機および/または複数の送信機は、ノードB220に含まれていてもよい。アンテナ229は、受信機226および送信機227の両方と通信して無線データの伝送および受信を促進する。
【0021】
図3は、アップリンク伝送は複数のアップリンクキャリア350を使用して処理され、ダウンリンク伝送は複数のダウンリンクキャリア360を使用して処理される他の例示的な無線通信システム300を示す。特に、図3は、E−UTRAN(Evolved−Universal Terrestrial Radio Access Network)305を含むLTE(Long Term Evolution)無線通信システム/アクセスネットワーク300を示す。E−UTRAN305は、WTRU310および複数の進化型ノードB(eNB)320を含む。WTRU310はeNB320と通信する。WTRU310およびeNB320は、アップリンクコンポーネントキャリア350およびダウンリンクコンポーネントキャリア360を使用して通信することができる。eNB320は、X2インターフェイスを使用して互いにインターフェイスする。eNB320のそれぞれは、Slインターフェイスを通じてMME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving GateWay)330とインターフェイスする。単一のWTRU310および3つのeNB320を図3に示しているが、無線通信システムのアクセスネットワーク300には、無線装置および有線装置を任意に組み合わせて含めることができることは明らかであろう。
【0022】
図4は、WTRU310、eNB320、およびMME/S−GW330を含むLTE無線通信システム300の例示的なブロック図である。図4に示すように、WTRU310はeNB320と通信し、WTRU310からのアップリンク伝送は複数のキャリア450を使用してeNB320に伝送され、eNB320からのダウンリンク伝送は複数のダウンリンクキャリア460を使用してWTRU310に伝送されるように両方が構成されている。WTRU310、eNB320、およびMME/S−GW330は、複数のアップリンクキャリアに対して電力調整する方法を実行するように構成される。
【0023】
典型的なWTRUに見られる構成要素に加えて、WTRU310は、接続されたオプションのメモリ422を備えたプロセッサ416、少なくとも1つのトランシーバ414、オプションのバッテリー420、およびアンテナ418を含む。プロセッサ416は、複数のアップリンクキャリアに対して電力調整するように構成される。トランシーバ414は、プロセッサ416およびアンテナ418と通信し、無線通信の伝送および受信を促進する。WTRU310でバッテリー420を使用する場合は、バッテリー420はトランシーバ414およびプロセッサ416に電力を供給する。
【0024】
典型的なeNBに見られる構成要素に加えて、eNB320は、接続されたオプションのメモリ415を備えたプロセッサ417、トランシーバ419、およびアンテナ421を含む。プロセッサ417は、複数のアップリンクキャリアに対して電力調整を実行するように構成されている。トランシーバ419は、プロセッサ417およびアンテナ421と通信し、無線通信の伝送および受信を促進する。eNB320は、接続されたオプションのメモリ434を備えるプロセッサ433を含むMME/S−GW(Mobility Management Entity/Serving GateWay)330に接続される。
【0025】
広帯域符号分割多重アクセス方式(WCDMA)の周波数分割複信(FDD)WTRUは、符号分割多元接続を使用してデータチャネルおよび制御チャネルの両方を同時に伝送する。WCDMA FDDでは、すべてのチャネルの電力は、個別物理制御チャネル(DPCCH)の電力に関連する電力オフセットに依存している。一定レベルの品質に達するように、DPCCHの電力はアクティブセット(active set)の基地局によって制御される。典型的には、制御チャネルの電力比はネットワークによって構成され、データチャネルの電力比は、伝送されたデータ転送速度に基づいて決定される。
【0026】
WTRUに対する電力調整は、たとえばE−DCH(Enhanced Dedicated Channel)が構成されるかどうかに依存することができる。E−DCHが構成されておらず、DPCCH電力調整および利得係数を適用した後のWTRUの合計送信電力が最大許容値を超えてもよい場合は、WTRUは合計送信電力に追加的な調整を適用し、最大許容電力と等しくすることができる。この追加的な調整は、DPCCHおよびDPDCH(Dedicated Physical Data Channel)とDPCCHおよびHS−DPCCH(High Speed Dedicated Physical Control Channel)との間の電力比が必要に応じて維持されるように行われる。したがって、E−DCHが構成されていない場合は、電力調整メカニズムによって、異なるチャネル間の電力比が維持される。
【0027】
E−DCHが構成されている場合は、規則が異なる。WTRUは最初に、それぞれの値βed,k,reducedに対して等しい倍率だけ、すべてのE−DPDCH(E−DCH Dedicated Physical Data Channel)利得係数βed,kを減らすため、合計送信電力を最大許容電力に等しくすることができる。DPDCHが構成されていない場合、適用されたアップリンク変調に関係なく、任意のβed,k,reduced/βcがβed,k,reduced,min/βc未満である場合、βed,kはβed,k,minに設定されるため、βed,k,min/βc=min(βed,k,reduced,min/βc,βed,k,original/βc)となり、ここでβed,k,originalは削減前のE−DPDCH利得係数を示し、βed,k,reduced,minは上位レイヤによって構成することができる。
【0028】
次に、WTRUは追加的な電力調整を合計送信電力に適用し、特定の場合において最大許容電力に等しくすることができる。電力調整は、DPDCHが構成されていて、すべてのE−DPDCHで不連続伝送(DTX)が使用されている場合でも、WTRUの合計送信電力がまだ最大許容値を超える場合に適用することができる。また、DPDCHが構成されておらず、βed,kがすべてのkにおいてβed,k,minと等しい場合でも、WTRUの合計送信電力がまだ最大許容値を超える場合にも適用することができる。
【0029】
合計送信電力の任意の追加的な電力調整は、DPCCHとDPDCHとの間、DPCCHとHS−DPCCHとの間、およびDPCCHとE−DPCCHとの間の電力比が必要に応じて維持され、DTXがE−DPDCHで使用されていない場合は、βed,k,min/βcによって要求されるように、各E−DPDCHとDPCCHとの間の電力比が残されるようにするべきである。
【0030】
電力調整に対する規則は、シグナリング無線ベアラ(SRB)など、制御チャネルおよび専用制御メッセージを運ぶデータチャネルに電力が提供されることを保証する。DPDCHおよびE−DCHが構成されている場合は、WTRUは、他のすべてのチャネルに等しく電力調整を適用する前にE−DCHの電力を完全に減らすことができる。要するに、この方法によって、DPDCHにマップされたSRBをE−DCHの負担により適切な電力で伝送することができる。DPDCHがない場合、SRBは必然的にE−DCHにマップされるため、最小電力比βed,k,reduced,minはE−DCHに提供される。この場合、DTXはE−DCHに適用されない。
【0031】
次に図5を参照すると、ノードB505およびWTRU510は、複数のアップリンクキャリア520および540、ならびに複数のダウンリンクキャリア570および590を使用して通信していることが示される。複数のダウンリンクキャリア570および590は、ノードB510からWTRU505に特定の電力情報を運ぶことができる。本明細書に記述した電力調整の例は、それぞれアップリンクキャリア520および540によって運ばれる個別物理制御チャネル(DPCCH)525および545と共に使用することができる。さらに、電力調整の例は、それぞれアップリンクキャリア520および540によって運ばれるE−DCH(Enhanced Dedicated Channel)のE−DPDCH(Dedicated Physical Data Control Channel)に適用できる。本明細書に示す図において、特定のチャネルがアップリンクおよびダウンリンクのキャリアによって運ばれるところを示しているが、適用可能な任意のチャネルをそのようなキャリアで運べることに注意されたい。あるいは、本明細書に記述した電力調整の例は、物理的なアップリンク制御チャネル(PUCCH)と共に使用することができ、物理的なアップリンク共有チャネル(PUSCH)に適用することができる。PUSCH(複数可)は、アップリンクキャリア520および540で運ぶことができる。
【0032】
本明細書に記述した実施形態は、第3世代パートナーシッププログラム(3GPP)のリリース4から9に関連するチャネルに関して記述しているが、実施形態は、LTEリリース10、ならびに任意の他の種類の無線通信システム、およびそれらで使用されるチャネルなど、3GPPの他のリリース(およびそれらで使用されるチャネル)に適用することができることも同じく留意されたい。本明細書に記述した実施形態は、任意の順序、または任意の組み合わせで適用することができることにも留意されたい。3GPPの広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)周波数分割複信(FDD)との関連で実施形態について記述することができるが、本明細書の記述は他の無線技術に適用することができる。同様に、実施形態はデュアルキャリアのアップリンク操作との関連で記述しているが、たとえばデータチャネルおよび制御チャネルの同時伝送を使用するマルチキャリアアップリンク操作を支援するために拡張することができる。
【0033】
以降、「最大電力制限」という用語は、以下に例として示す意味の1つまたは組み合わせを示すことができる。最大電力制限は、WTRUカテゴリーによって定義されているキャリアのすべてまたはサブセットに関する最大電力を示すことができる。あるいは、ネットワークによって構成されるキャリアのすべてまたはサブセットに関する最大電力を示すことができる。これは、WTRUカテゴリーによって定義されているキャリアのすべてまたはサブセットに関する最大電力以下でもよい。また、キャリアのそれぞれまたはキャリアのグループのネットワークによって構成された最大電力の合計を示すことができる。キャリアのそれぞれに対する最大電力は、同じでも同じでなくてもよい。
【0034】
本明細書に記述したデュアルキャリアおよびマルチキャリアの操作のための電力調整の手法および方法は、任意の順序および組み合わせて使用することができる。例示的手法は電力の点から記述できるが、例は、振幅または利得係数の点からも同様に記述することができる。例示的手法は、DPCCH、E−DPDCH、PUCCH、PUSCH、および他の説明のためのチャネルに関して記述できるが、例は、一般的に制御チャネルおよびデータチャネルにも適用することができる。特に指定がない限り、WTRUがデュアルキャリアまたはマルチキャリアの操作のために構成され、複数のキャリアがWTRUによって伝送されている場合に、提案された電力調整の手法が適用される。
【0035】
一般的に、図6Aに示すように、WTRUは以下の手順を実行することができる。WTRUの合計送信電力が最大許容値を超えない場合(605)(WTRUの送信電力は、たとえば、DPCCH電力調整および利得係数を適用した後の電力に一致する場合がある)、伝送が許可される(610)。WTRUの合計送信電力が最大許容値を超える場合、WTRUは、WTRUの合計送信電力が最大許容値を超えなくなるか、または最小送信電力レベルに達するまで、規則または基準に従ってグループチャネルに対して電力調整を実行する(615)。たとえば、チャネルのグループは、図6Aに示すようなデータチャネルでもよい。チャネルのグループは、ユーザー情報を運ぶチャネル(たとえばE−DCH)を含むことができ、必要に応じて関連する制御チャネル(たとえばE−DPCCH)を含んでいることができる。WTRUの合計送信電力が最大電力値を超えない場合(620)、伝送が許可される(610)。WTRUの合計送信電力が最大許容値を超える場合、WTRUは、本明細書に記述する特定の条件下でチャネルの他のグループに対して電力調整を実行する必要がある場合がある(625)。たとえば、前述したチャネルの他のグループは、図6Aに示す制御チャネルでもよい。WTRUの合計電力が最大許容値を超えない場合(630)、伝送が許可される(610)。WTRUの合計送信電力がまだ最大許容値を超える場合(630)は、WTRUは追加的なの電力調整を実行する必要がある場合がある(635)。図6Aは例示を目的としており、WTRUは任意の順序および任意の組み合わせで電力調整を実行することができる。
【0036】
あるいは、図6Bに示すように、WTRUは以下の手順を実行することができる。WTRUの合計送信電力(WTRUの送信電力は、たとえば、DPCCH電力調整および利得係数を適用した後の電力に一致する場合がある)が最大許容値を超えない場合(650)、伝送が許可される(655)。WTRUの合計送信電力が最大許容値を超える場合、WTRUは、WTRUの合計送信電力が最大許容値を超えないところまで、または最小送信電力レベルに達するまで、規則または基準に従ってチャネルのグループ(図6Bにデータチャネルとして示す)に対して電力調整を実行する(660)。チャネルのグループは、ユーザー情報を運ぶチャネル(たとえばE−DCH)を含むことができ、必要に応じて関連する制御チャネル(たとえばE−DPCCH)を含むことができる。WTRUの合計送信電力が最大電力値を超えない場合(665)、伝送が許可される(655)。WTRUの合計送信電力がまだ最大許容値を超える場合(665)、WTRUは追加的なの電力調整を実行する必要がある場合がある(670)。図6Bは例示を目的としており、WTRUは任意の順序および任意の組み合わせで電力調整を実行することができる。
【0037】
WTRUは、以下の手法の1つまたは複数を任意の順序または組み合わせで実行することができ、以下の手法の1つまたは複数を繰り返すことができる。
【0038】
データチャネルに対して電力調整を実行するため例示的手法の1つでは(たとえば図6の615)、WTRUの合計送信電力が最大許容値を超えないところまで、WTRUはE−DPDCHの電力を下方調整することができる。他の例示的手法では、最小の電力調整を1つまたは複数のキャリアのE−DPDCHに対して提供することができる。さらに他の例示的手法では、最小の電力調整を(シグナリング無線ベアラ(SRB)を運ぶことができる)アンカーキャリアのE−DPDCHに対して提供することができ、最小の電力調整は補助キャリアのいずれにも適用する必要はない。最小の電力調整手法について、WTRUは、無線資源コントローラ(RRC)のシグナリングまたは上位レイヤのシグナリングを介してネットワークから最小の電力調整の構成を受信することができる。さらに他の例では、異なる最大電力レベルがキャリアごとに設定される場合、WTRUは、本明細書に記述したように、キャリアのそれぞれについて最大電力レベルになるまで、キャリアのそれぞれの電力を調整する。
【0039】
データチャネルに対する電力調整は、本明細書に記述した例示的方法を1つまたは組み合わせて使用して実装することができる。一例示的方法では、ULキャリアはすべて等しく調整することができる。この第1の方法の例として、WTRUの合計送信電力が最大許容値を超えなくなるか、またはすべてのキャリアで最小電力に達するまで、すべてのULキャリアのE−DPDCH電力は等しく調整される。この方法の他の例では、WTRUの合計送信電力が最大許容値を超えなくなるか、またはすべてのキャリアで最小電力に達するまで、すべてのキャリアのPUSCH電力は等しく調整される。
【0040】
他の例示的方法では、WTRUは最初に、すべてのUL補助キャリアを等しく調整し、次にアンカーキャリアを調整する。この方法の例として、WTRUの合計送信電力が最大許容値を超えないところまで、またはすべての補助キャリアで最小電力に達するまで、すべてのUL補助キャリアのE−DPDCH電力が等しく調整される。WTRUの合計送信電力がまだ最大許容値を超える場合、電力調整はアンカーキャリアのE−DPDCHに適用することができる。この方法の他の例では、WTRUの合計送信電力が最大許容値を超えないところまで、またはすべての補助キャリアで最小電力に達するまで、すべてのUL補助キャリアのPUSCH電力が等しく調整される。
【0041】
他の例示的方法では、WTRUは、キャリアごとに異なる重みを用いて電力を調整することができる。この方法の例では、E−DPDCHの電力は、キャリアごとに別々に調整される。各キャリアに異なる重みを適用することによって、一部のキャリアを他のキャリアより積極的に調整することができる。次に、各キャリアの実際の電力調整は、複数のキャリアに適用できる共通の電力調整要因と組み合わせて、キャリアごとの重みの形で行われる。キャリアごとの重みは、たとえば、本明細書に記述した技術の1つまたは複数を個々にまたは任意に組み合わせて使用することで決定することができる。
【0042】
他の例示的方法では、キャリアごとの重みは許可に基づいている。この方法では、E−DPDCHのキャリアごとの重みは、各キャリアのサービング許可に依存する。例として示す他の技術では、キャリアごとの重みは事前に定義されている。この技術では、E−DPDCHのキャリアごとの重みは、構成された重みの組または事前に構成された重みの組に依存する。事前に定義された重みは、事前設定、ネットワークにより構成、またはRRCもしくは上位レイヤを介して信号で送ることができる。他の例示的方法では、キャリアごとの重みはキャリアのIDまたはタイプ(たとえば補助かアンカーか)に依存している。この方法では、E−DPDCHのキャリアごとの重みはキャリアのタイプ(アンカーまたは補助)に依存している。アンカーおよび補助のキャリア(複数可)の電力調整に対して、キャリアごとの構成された重みの組または事前に定義された重みの組を使用することができる。これらは、事前設定、ネットワークにより構成、またはRRCもしくは上位レイヤを介して信号で送ることができる。他の例示的方法では、キャリアごとの重みは、各キャリアのネットワークによって定義された最大電力に依存することができる。また、重みは、キャリアの最大電力ごとに定義されたネットワークに基づく調整規則に加えて、任意の重み付け方法に依存することができる。
【0043】
他の例示的方法では、WTRUは一度に1つのキャリアを調整することができる。この方法の一部として、電力調整は、WTRUの送信電力が最大許容値を超えないところまで、またはデータチャネルの最小電力に達するか、もしくはデータチャネルの電力がゼロになるまで(この場合、データチャネルを必要に応じてDTXモードにできる)、選択されたキャリア上のデータチャネルに適用することができる。所定のキャリアにおいてデータチャネルの最小電力に達し、追加的な調整が必要な場合、WTRUは、電力調整を実行できる他のキャリアを選択する。WTRUの送信電力が最大許容値を超えなくなると、WTRUは、他方のキャリアに対して電力調整を実行する必要がなくなり、手順は完了する。この方法では、各キャリアは、電力調整のために連続的に(別々に)処理され、処理の順序は本明細書に記述した1つまたは複数の技術を任意の順序または組み合わせで使用して決定することができる。この方法の例として、WTRUは、WTRUが最大電力を超えないところまで、またはこのキャリアの最小利得係数まで下がるまで、選択されたキャリアのすべてのE−DPDCH利得係数を減らすことで開始する。さらなる調整が必要な場合(つまり、選択されたキャリアで最小利得係数に達し、追加的な調整が必要な場合)、WTRUは、そのE−DPDCH利得係数の減少に対して他のキャリアを選択する(最大でも最小利得係数まで)。最小利得係数は、事前に構成することも、または上位レイヤのシグナリングを介してWTRUに信号で送ることもできる。最小の利得係数は、キャリアごとに定義することができる。または単一の値をすべてのキャリアに使用することができる。
【0044】
他の例示的方法では、処理順序はアンカーと補助に依存することができる。この技術では、電力調整は、最初に、補助キャリアにおいて伝送されたE−DPDCHに適用することができる(アンカーキャリアのE−DPDCHへの影響なし)。複数の補助キャリアが構成されている場合、同じ電力調整をすべての補助キャリアに適用することができる。あるいは、異なる電力調整を適用することができる。これはたとえば、本明細書に記述する許可または事前に定義された調整の重みに依存することができる。すべての補助キャリアのE−DPDCHからの電力が下方調整されてゼロになり、WTRUの合計送信電力がまだ最大許容電力を超えるときまで、アンカーのE−DPDCHの電力は調整しなくてもよい。一代替案では、アンカーのE−DPDCHの電力は、すべての補助キャリアのE−DPDCHからの電力が下方調整されてゼロになり、関連するE−DPCCHの電力も下方調整されてゼロになり、およびWTRUの合計送信電力がまだ最大許容電力を超えるまで調整しなくてもよい。他の代替案では、すべての補助キャリアが無効化されるまで、アンカーのE−DPDCHは調整しなくてもよい。
【0045】
他の例示的方法では、処理順序を事前に定義することができる。この技術では、電力調整は、アンカーキャリアにおいて伝送されるE−DPDCHに最初に適用することができる。補助キャリア(またはキャリア)のE−DPDCHの電力は、アンカーキャリアのE−DPDCHからの電力がゼロまたは構成された最小値まで下方調整され、WTRUの合計送信電力がまだ最大許容電力を超えるまで調整しなくてもよい。あるいは、補助キャリア(または複数の補助キャリア)のE−DPDCHの電力は、アンカーキャリアのE−DPDCHからの電力がゼロまたは構成された最小値まで下方調整され、関連するE−DPCCHの電力も下方調整されてゼロになり、WTRUの合計送信電力がまだ最大許容電力を超えるまで調整しなくてもよい。
【0046】
他の例示的方法では、処理順序を事前に定義することができる。この方法では、電力調整のためにキャリアを処理する順序は、ネットワークによって事前に定義または構成される。WTRUは各キャリアを連続的に処理する。キャリアごとに、電力調整は、WTRUの送信電力が最大許容値を超えないところまで、またはE−DPDCHの最小電力に達するまで、またはE−DPDCHの電力がゼロになり、必要に応じてE−DPCCHを伝送しなくてもよいときまで(または同等に、不連続伝送(DTX)モードになるまで)、E−DPDCHに適用される。WTRUの送信電力が最大許容値を超えなくなると、WTRUは他のキャリアに対して電力調整を実行する必要がなくなり、手順が完了する。
【0047】
他の例示的方法では、処理順序はWTRUの許可に依存することができる。この技術では、キャリアを電力調整する順序は、キャリアごとのサービング許可に依存する。たとえば、電力調整は、サービング許可の昇順(または降順)にキャリアに適用することができる。WTRUは、各キャリアを連続的に処理する。各キャリアに対して、電力調整は、WTRUの送信電力が最大許容値を超えないところまで、またはE−DPDCHの最小電力に達するまで、またはE−DPDCHの電力がゼロになり、必要に応じてE−DPCCHがDTXモードになることができるまで、E−DPDCHに適用される。WTRUの送信電力が最大許容値を超えなくなると、WTRUは、他のキャリアに対して電力調整を実行する必要がなくなり、手順が完了する。
【0048】
他の例示的方法では、処理順序は、各キャリアの電力測定基準(power metric)に依存することができる(たとえばUL基準または制御チャネルのパワーヘッドルーム(power headroom)または電力)。この方法では、キャリアを電力調整する順序は、各キャリアの電力測定基準に依存する。たとえば、電力調整は、電力測定基準の昇順(または降順)にキャリアに適用することができる。電力測定基準は、WTRUパワーヘッドルーム(UPH)でもよく、たとえば、最大許容電力および短期間(たとえば3無線スロット)に平均されたDPCCH送信電力に基づいて計算される。あるいは、電力測定基準は、従来のWTRUパワーヘッドルーム(UPH)でもよい。あるいは、電力測定基準は、各キャリアに対するDPCCH電力として定義することができる。この方法の例として、WTRUは最初に、最も高いDPCCH電力を持つキャリアを選択し処理する。次に、電力調整は、WTRUの送信電力が最大許容値を超えないところまで、またはE−DPDCHの最小電力に達するまで、またはE−DPDCHの電力がゼロになり、必要に応じてE−DPCCHがDTXモードになることができるまで、E−DPDCHに適用される。WTRUの送信電力が最大許容値を超えなくなると、WTRUは、他のキャリアに対して電力調整を実行する必要がなくなり、手順が完了する。WTRUの送信電力がまだ最大許容値を超える場合、WTRUは、次に高いDPCCH電力を持つキャリアを選択し、WTRU送信電力が最大許容値を超えないところまで、またはすべてのキャリアが処理されるまで、上記の順を繰り返す。
【0049】
他の例示的方法では、処理順序はシグナリング無線ベアラ(SRB)に依存する。この技術では、電力調整は、SRBを運ぶように構成されていないキャリアで伝送されるE−DPDCHに最初に適用される。そのようなキャリアが複数構成されている場合、同じ電力調整をすべてのそのようなキャリアに適用することができる。あるいは、異なる電力調整を、たとえば許可または事前に定義された調整の重みに依存して、各キャリアに適用することができる。SRBを運ぶキャリア上のE−DPDCHの電力は、他のすべてのキャリアのE−DPDCHからの電力が下方調整されてゼロになり、必要に応じて関連するE−DPCCHの電力も下方調整されてゼロになり、WTRUの合計送信電力がまだ最大許容電力を超えるまで調整されない。必要に応じて、すべての補助キャリアが無効化されるまで、SRBを運ぶキャリアのE−DPDCHは調整されない。
【0050】
他の例示的方法では、処理順序は第1の伝送/再伝送に依存することができる。この方法では、キャリアを電力調整する順序は、伝送が、各キャリアにおいて第1の伝送か、またはハイブリッド自動再送要求(HARQ)再伝送であるかに依存することができる。たとえば、WTRUは、伝送が第1のHARQ伝送であるキャリアに、最初に電力調整を適用することができる。あるいは、WTRUは、伝送がHARQ再伝送であるキャリアに最初に電力調整を適用することができる。WTRUの手順は、本明細書に記述した手順に似ているが、キャリアの順序は、伝送が第1のHARQ伝送か、またはHARQ再伝送であるかに依存する。両方のキャリアのステータスが同じ場合(たとえば、両方が第1のHARQ伝送またはHARQ再伝送である場合)、順序は、本明細書に記述した他の手法のいずれに依存してもよい。本明細書では、たとえば図6Aの(625)に示すように、制御チャネルの電力調整について記述する。E−DPDCHおよびE−DPCCH(つまりE−DCH)の両方がDPDCHまたはHS−DPCCHを運ばないキャリアにおいて不連続的に伝送される場合、さらに処理を適用することができる。E−DPDCHが調整され、WTRUの合計電力がまだ最大許容電力を超えている場合、または必要に応じて所定のキャリアのE−DPDCH電力が下方調整されてゼロになった場合、この処理を適用することができる。この例では、WTRUは、最大電力に達するまで、または不連続モードをDPCCHに適用し、キャリアを効果的に無効化できるまで、そのキャリアのDPCCHを下方調整するように構成することができる。
【0051】
本明細書では、たとえば図6Aの(635)に示すように、追加的な調整について記述する。すべての補助キャリアが無効化され、WTRUの合計送信電力がまだ最大許容値を超えている場合、WTRUは、単一キャリアの操作のように、追加的な調整を残りのキャリア(DPDCHを運ぶキャリア)に適用するように構成することができる
【0052】
上記の手法のいずれかに従って電力調整した後のWTRUの合計送信電力がまだ最大許容値を超えている場合、WTRUは、従来の追加的な調整を適用することができる。より具体的には、各キャリアに対して、DPCCHと制御チャネルとの間の電力比が残され、電力が減らされたE−DPDCHとDPCCHとの間の電力比も残されるように、追加的な調整が適用される。キャリアごとのDPCCHの間の電力比は一定のままである。
【0053】
ここでは、本明細書に記述した手順および規則のサブセットを含む例について記述する。例示的な一実装では、アンカーキャリアのE−DPDCHを調整する前に、追加的な電力調整が補助キャリアのDPCCHに対して実行される。
【0054】
他の例示的な実装では、電力調整は、補助キャリアで伝送されるE−DPDCHに最初に適用される(アンカーキャリアのE−DPDCHへの影響なし)。E−DPDCHが調整され、WTRUの合計電力がまだ最大許容電力を超えている場合、WTRUは、最大電力に達するまで、そのキャリアのDPCCHを下方調整する。すべての補助キャリアが無効化され、WTRUの合計送信電力がまだ最大許容値を超えている場合、WTRUは、単一キャリアでの操作のように、追加的な調整を残りのキャリア(DPDCHを運ぶキャリア)に適用する。
【0055】
他の例示的実装では、必要に応じて、電力調整は一度に1つのキャリアに適用される。電力調整は、最悪のチャネル条件、全体、または他の同様の電力に基づく測定基準もしくは暗示された測定基準を持つデータチャネルに最初に適用される。最悪の電力測定基準は、キャリアの制御チャネルを検査することにより決定することができる。一般的に、所定の制御チャネルの電力測定基準が高いほど、チャネル条件、および信号対雑音(SNR)レベル、サービス品質(QoS)、または他のサービス測定基準に達するためのより大きな電力に対するニーズが悪くなる。
【0056】
この例示的な実装を示すフローチャート700を図7に示す。WTRUは、基地局(705)から制御チャネル情報を受信することができる。制御チャネルは、たとえばDPCCHまたはF−DPCHでもよい。制御チャネル情報から抽出された送信電力制御(TPC)コマンドは、電力レベルを設定するために適用される(710)。次に、WTRUは、DPCCH電力調整および利得係数を適用した後の合計送信電力がWTRUの最大許容送信電力より大きいかどうかを決定する(715)。合計送信電力が最大許容送信電力を満たすか、それ未満である場合、プロセスは完了し伝送を許可することができる(720)。合計送信電力が最大許容送信電力を超える場合、最も高いDPCCH電力または他の同様の電力測定基準を有するキャリアが決定される(725)。次に、WTRUは、最も高いDPCCH電力を有するキャリアに対応するデータチャネル、たとえばE−DPDCHに電力調整を適用するが(730)、これに限定するものではない。データチャネルの電力調整は、データチャネルのみの調整(たとえばE−DPDCH)または追加的に、データチャネルに関連する、もしくはデータチャネルに固有の特定の制御チャネルの調整(たとえばE−DPDCH)を含むことができる。選択されたキャリアに複数のE−DPDCHがあることがあるため、選択されたキャリアの各E−DPDCHは等しく減らすことができる。電力調整は、合計送信電力が最大許容送信電力を満たすか、それ未満になるか、または最小送信電力に達するまで適用することができる。E−DPDCHの最小送信電力は、上位レイヤのシグナリングを介してネットワークによって事前に定義または構成することができる。
【0057】
次に、合計送信電力が最大許容送信電力を満たしているか、またはそれ未満であるかが決定され(732)、該当する場合は、電力調整は完了して、伝送を許可することができる(720)。合計送信電力がまだ最大許容送信電力を超えている場合(732)、WTRUは、最小送信電力に達したかどうかを判断する(735)。最小送信電力レベルに達していない場合、電力調整はまだ適用することができる(730)。最小送信電力に達している場合、電力調整がすべてのキャリアに適用されたかどうかを判断する(740)。電力調整がすべてのキャリアに適用されていないと判断された場合、WTRUは、次に高いDPCCHまたは同様の電力測定基準を有するキャリアを決定し(725)、伝送が許可されるか、または電力調整がすべての有効なキャリアに適用されるまで、電力調整を繰り返す。すべてのキャリアについて、データチャネルの最小送信電力に達している場合(740)、追加的な調整をすべてのキャリアに適用することができる(745)。合計送信電力の追加的な調整により、すべてのチャネルの電力を相対的に減らし、データチャネルと制御チャネルとの間の電力比を維持する。合計送信電力が最大許容送信電力を満たすか、それ未満になるまで、追加的な調整を適用することができる。
【0058】
ここでは、E−TFC(Enhanced Transport Format Combination)に対する影響について記述する。デュアルキャリアまたはマルチキャリアの操作のために構成されている場合、WTRUは、2つ以上のE−DCHトランスポートブロックを伝送する可能性がある。標準的なE−TFC選択手順では、WTRUは1組の支持されるE−TFCを決定する。次の送信時間間隔(TTI)にデータを運ぶために、これらのE−TFCを選択することが許可される。最小伝送速度を保証するために、WTRUは、E−DCH最小セットE−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションインジケータ(E−TFCI)を用いて構成することができる。このE−DCH最小セットE−TFCI以下のすべてのE−TFCI、または同様に、このE−DCH最小セットE−TFCI以下の対応するE−TFCIを有するすべてのE−TFCは、常にE−TFC選択によって支持されていると考えられる。
【0059】
2つのキャリアが構成される場合、E−TFC選択に対して多数の実行可能な手法を設計することができる。E−TFC選択の実装にて実行可能な1組において、WTRUは、キャリアごとにゼロでないE−DCH最小セットE−TFCIを構成することができる。この場合、WTRUは(電力が制限された条件でも)、2つ以上のトランスポートブロックを生成することができる(それらのすべてがE−DCH最小セットE−TFCI以下のE−TFCIを有する)。この特定の状況は不適当な場合がある。電力が制限された条件では、E−DCHを確実に受信するのに不十分な電力が割り当てられることになりやすい。
【0060】
WTRUがデュアルキャリアまたはマルチキャリアの操作向けに構成されている場合に、上記の状況を回避するために、以下の規則が提案されており、任意の順序および任意の組み合わせで使用することができる。
【0061】
第一に、電力調整が任意のキャリアに適用された場合、WTRUは、アンカーキャリア以外の任意のキャリアに対して新しいE−DCHトランスポートブロックを作成しない。この結果、E−DPDCHおよびE−DPCCHは、これらのキャリアでは伝送されない。これは、たとえば、電力調整が適用されている場合に、補助キャリアいずれに対してもE−TFC選択を実行しないことにより達成することができる。
【0062】
第2に、電力調整が任意の補助キャリアに適用されている場合、WTRUは、アンカーキャリア以外の任意のキャリアに対して新しいE−DCHトランスポートブロックを作成しない。この結果、E−DPDCHおよびE−DPCCHは、これらのキャリアでは伝送されない。これは、たとえば、電力調整が適用されている場合に、補助キャリアのいずれに対してもE−TFC選択を実行しないことにより達成することができる。
【0063】
第3に、電力調整が任意のキャリアに適用されている場合、WTRUは新しいE−DCHトランスポートブロックを作成しない。これは、たとえば、電力調整が適用されている場合に、E−TFC選択をまったく実行しないことにより達成することができる。この結果、E−DPDCHおよびE−DPCCHは、どのキャリアでも伝送されない。
【0064】
上記の規則に関して、適用される電力調整は、事前に定義されたスロット数または構成されたスロット数の間に適用される電力調整を示すことができる。あるいは、また、適用される電力調整は、事前に定義された値または構成された値より大きく、適用された合計電力調整を示すことができる。
【0065】
上記の規則に関して、電力制限のために、E−DCHトランスポートブロックがキャリアで伝送されていない場合、キャリアを無効化することができる(たとえば、WTRUは関連するDPCCHの伝送を停止することができる)。
【0066】
本明細書では、複数のキャリア間の電力不均衡を減らすための電力調整メカニズムについて記述する。DC−HSUPA(Dual Carrier−High−Speed Uplink Packet Access)について、独立した内側および外側のループ電力制御、異なる負荷、およびキャリア上のトラフィックのために、大きな電力不均衡を有する2つのキャリアが伝送されることがある。これが発生すると、共通のエラーベクトル振幅(EVM)源により他方のキャリアの存在によって、より小さな電力を有するキャリアの信号対雑音比(SNR)が劣化する可能性がある。特に、キャリア漏洩に結びつく減衰は、送信機の出力においてSNRを減少させる可能性がある。そのような出力信号劣化のために起こりうる結果として、犠牲キャリア、つまり電力が低いほうのキャリアにおいて、DPCCH SNRが大幅に低下する可能性がある。WTRUがノードBに接近している場合など、出力DPCCHの電力が低い場合、この信号の劣化は悪化する可能性がある。システムレベルでは、この結果として、出力DPCCH電力を高めるために、ノードBが送信電力コマンド(TPC)アップコマンドを送信し、雑音上昇が増加し、WTRUのヘッドルームの損失が生じ、したがってアップリンク容量の低下につながる可能性がある。
【0067】
この信号劣化は、以下のようにモデル化することができる。犠牲キャリアにおいて伝送されるDPCCHの電力をPDPCCHとして、隣接するキャリアの干渉比をGACLRとして、ノードBへのパス利得をGPathとして、ノードB PINでの干渉電力および騒音レベル、ノードBでのDPCCHの信号対混信比(SIR)ターゲットをSIRD,Tとして、侵略キャリアで伝送される合計電力をPtot,aとして定義する。隣接するキャリアの干渉電力の合計は、以下によって得ることができる。
ACLR=Ptot,a×GACLR 式(1)
【0068】
ノードB、SIRDPCCHで測定されるDPCCHの信号対混信比(SIR)は、次のように表すことができる。
SIRDPCCH=(PDPCCH×GPath)/(PACLR×GPath+PIN) 式(2)
【0069】
これは、犠牲キャリアが隣接するキャリアの干渉を受けた場合(たとえば電力不均衡のため)、ノードBで測定されたSIRは、送信機でのSIRの減少のために減少することを示す。
【0070】
キャリア間干渉がある状態およびキャリア間干渉がない状態でノードBにおいて同じSIRターゲットに達するDPCCH電力の比は、次のように表すことができる。
ΔPDPCCH=(PACLR×GPath+PIN)/PIN=1+(PACLR×GPath)/PIN 式(3)
【0071】
電力不均衡につながる多数の異なるシナリオがある。第1のシナリオでは、E−TFC選択は2つのキャリアに対して実行される。このシナリオは、WTRUが伝送するべきデータを持っており、両方のキャリアが、次のTTIにE−DCHデータを伝送できるときに発生する可能性がある。
【0072】
第2のシナリオでは、E−TFC選択は1つのキャリアに対してのみ実行される。このシナリオは、WTRUに伝送するべきデータがあるが、たとえば、(L2またはL3の観点から)キャリアのうちの1つの次のHARQプロセスが許可されていない、または有効化されていないため、2つのキャリアの1つのみをE−DCH伝送に利用することができる場合に発生する可能性がある。また、キャリアのうちの1つの次のHARQプロセスが再伝送モードにある、1つのキャリアの許可がゼロである、または媒体アクセス制御(MAC)のDTXがキャリアの1つに適用されているが、他方のキャリアには適用されていないという事実のための場合もある。
【0073】
第3のシナリオでは、E−TFC選択は実行されない。このシナリオは、E−DCH伝送が行われていない場合、および制御チャネル(たとえばDPCCHおよびHS−DPCCH)が両方のキャリアを通じて同時に伝送されている場合に、所定のスロットで発生することがある。すなわち、両方のキャリアは少なくともDPCCHを伝送している。
【0074】
これらのシナリオのいずれかによって生じる送信機での不適切な信号品質の損失を緩和するために、電力調整を使用して、事前に定義した範囲内に電力不均衡を維持し、犠牲キャリアにおける出力SNRの不適切な減少を減らすことができる。
【0075】
電力不均衡を減らすために電力調整を使用する一例では、所定の電力不均衡のしきい値がWTRUで構成されることが想定され得る多数のメカニズムについて記述する。これらのメカニズムは、任意の順序および任意の組み合わせで適用可能にすることができる。
【0076】
電力不均衡のしきい値は、どれだけの電力差が2つのキャリア間で許容されるかを示すことができる。あるいは、この電力不均衡のしきい値は、犠牲キャリアにおいてあるキャリアと所定のチャネル(たとえばDPCCHまたはPUCCH)との間で、どれだけの電力差が許容されるかを示すことができる。また、このしきい値はWTRUによって計算することができ、1つまたは複数のパラメーター、および任意の組み合わせに依存することができる。パラメーターは、たとえば、WTRUのDPCCH送信電力、WTRUの合計送信電力(そのカテゴリーに従うか、またはネットワークによって構成される)、伝送された合計電力(たとえば、最後のTTIを通じて、最後の3つのスロットを平均して、または事前に定義した時間間隔を平均して)、WTRUによって測定される共通パイロットチャネル(CPICH)の電力、絶対的なCPICH電力または他の手段についての知識からWTRUによって推定される伝送損失、ネットワークによって構成され、RRCシグナリングを介してWTRUによって受信されるオフセットまたはしきい値、および事前に定義されたオフセットまたは規格仕様書に事前に定義されたしきい値を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
このしきい値の値は仕様書によって規定することができ、WTRUは、この値を用いて事前に構成することができる。あるいは、たとえば、デュアルキャリアまたはマルチキャリアのアップリンク操作のための再構成メッセージの一部として、ネットワークはRRCシグナリングを介してこの値を信号で送ることができる。また、記述したメカニズムは、このしきい値の意味が異なる場合でも適用可能にすることができる。
【0078】
この手法では、WTRUは、各キャリアが電力不均衡をしきい値以下に維持するために電力を調整するように構成することができる。このしきい値は、WTRUによって計算したり、ネットワークによって構成したり(その場合には、WTRUはRRCシグナリングを介して最初に構成を受信する必要がある)、または仕様において事前に定義したりすることができる。
【0079】
WTRUは、各キャリアを通じて伝送される合計電力を計算することができる。たとえば、アンカーキャリアで伝送される合計電力は、以下のように計算することができる。
tot1=PDPCCH,1+PHS-DPCCH+PE-DPCCH,1+PE-DPDCH,1 式(4)
tot2=PDPCCH,2+PE-DPCCH,2+PE-DPDCH,2 式(5)
ここで、PDPCCH,k、PE-DPCCHk、およびPE-DPDCH,kは、それぞれキャリアインデックスk=1,2を通じて伝送されるDPCCH、E−DPCCH、およびE−DPDCHの電力である。PHS-DPCCHは、HS−DPCCHの電力である(複数のキャリアを通じて伝送できるが、キャリア1を通じて伝送される)。
【0080】
tot1とPtot2との間の差が特定のしきい値より大きい場合、つまり、以下の式が成り立つ場合
|Ptot1−Ptot2|>PTh 式(6)
合計不均衡をしきい値PTh以下に減らすために電力調整が適用される。あるいは、電力不均衡は、|Ptot1−Ptot2|≧Pと表すことができる。
【0081】
電力調整は、最大送信電力を用いるキャリアに適用することができる。この記述のために、一般性を失うことなく、第1のキャリアは、Ptot1−Ptot2>PThとなるように最大電力を持っていると想定することができる。
【0082】
この場合、WTRUは、キャリア1のE−DPDCHに電力調整を適用するため、PE-DPDCH,1が減らされる。電力低減は、電力差がしきい値より小さく(またはそれ以下)になるまで、つまりPtot1−Ptot2<PTh(またはPtot1−Ptot2≦PTh)まで、または利得係数の最小値に達するまで、第1のキャリアのE−DPDCH利得係数の値を減らすことによって達成される。必要に応じて、利得係数の特別な最小値は、電力不均衡の電力調整のみにおいて使用するために構成される。必要に応じて、調整前のE−DPDCHの利得係数が既に構成された最小値未満である場合、調整はそのキャリアに適用されなくてもよい。
【0083】
このE−DPDCH電力調整の後に、電力差がしきい値より大きい(またはそれ以上である)場合、追加的な電力調整を適用することができる。より明示的な形式では、Ptot1は電力調整によってPtot1'へと減らされることが想定された。次にこの状況では、Ptot1'−Ptot2<PThが持続するため、追加的な電力調整が必要である。
【0084】
追加的な電力調整は、1つまたは複数の方法から構成することができる。ある方法では、WTRUは、等しい電力低減を第1のキャリアを通じて運ばれるすべてのチャネルに適用することができる。他の例示的方法では、WTRUは、1つまたは複数の手法を使用して、第2のキャリアの電力を高めることができる。他の例示的方法では、WTRUは、第2のキャリアのDPCCHの電力を高めることができる。他の例示的方法では、WTRUは、第2のキャリアのE−DPDCHの電力を高めることができる(すなわち、選択されたトランスポートブロックサイズによって規定される値を超える)。他の例示的方法では、WTRUは、等しい電力増加を第2のキャリアを通じて運ばれるすべてのチャネルに適用することができる。他の例示的方法では、WTRUは、最大送信電力を超えない場合、第2のキャリアの制御チャネルの電力のみを高めることができる。
【0085】
追加的な電力調整の例示的な一実施形態では、WTRUは、追加的な電力調整によって補償する必要のある電力不均衡を計算することができる。たとえば、WTRUは、以下の式を使用して、減らす必要のある追加的な電力Paddを計算することができる。
add=Ptot1'−Ptot2−PTh 式(7)
【0086】
次に、WTRUは、電力調整を介してその量だけ(または、得られる電力差がしきい値を満たすか、それ未満であることを保証するために量子化レベルに基づいて少し多く)第1のキャリアの電力を減らすことができる。これは、たとえば同じ倍率によってそのキャリアのすべてのチャネルを調整することにより達成することができる。
【0087】
他の例示的な実施形態では、WTRUは、あるキャリアで伝送される合計電力と、他のキャリアのDPCCHの電力との間の電力差を計算することができる。電力差の少なくとも1つがしきい値より大きい場合、電力不均衡が検出される。より具体的には、WTRUは、キャリア1の合計電力とキャリア2のDPCCH電力との間、およびキャリア2の合計電力とキャリア1のDPCCH電力との間の差を計算する。
12=Ptot1−PDPCCH,2 式(8)
21=Ptot2−PDPCCH,1 式(9)
ここでPtot1、Ptot2、PDPCCH1、およびPDPCCH2は、上記のように定義される。次に、WTRUは、電力不均衡条件が発生するかどうかを検証することができる。これは、P12およびP21をしきい値に比較することによって達成することができ、P12>PTh、またはP21>PThの場合は、電力不均衡条件が存在する。たとえば、P12>PThの場合、キャリア1はキャリア2に干渉し、キャリア1は侵略側でありキャリア2は犠牲側である。
【0088】
そのような電力不均衡の結果として、送信機において一方のキャリアが他方のキャリアに干渉するということがある。この結果、ノードBのDPCCH SNRが低くなり、ノードBは、その犠牲キャリアのDPCCH電力を上げるようにWTRUに要求することができる。この結果、WTRUのヘッドルームが下がり、最終的にはアップリンクにおける容量の損失につながる。
【0089】
例示的手法の1つでは、そのような電力不均衡の影響を減らすために、WTRUは、侵略キャリアの電力を減らし、電力差がしきいを満たすか、それ未満になるようにする。この手法では、WTRUは、電力低減量の計算に関係するパラメーターを含む構成メッセージを(たとえばRRCシグナリングを介して)受信することができる。そのようなパラメーターは、たとえば、しきい値、電力オフセット、干渉電力レベル、および伝送損失測定のうちの1つまたは複数を含むことができる。次に、WTRUは、1つまたは複数の要素の組み合わせに基づいて電力低減を計算することができる。たとえば、WTRUは、犠牲キャリアで伝送されるDPCCH電力を使用することができる。他の例示的手法では、(たとえば既存の測定を使用して取得した)伝送損失の推定を使用することができる。他の例示的手法では、(しきい値、電力オフセット、干渉電力レベル、干渉および雑音電力レベル(interference plus noise power level)、または伝送損失測定などの)ネットワークによって伝送される1つまたは複数のパラメーターを使用することができる。他の例示的手法では、侵略キャリアで伝送される合計電力を使用することができる。他の例示的手法では、キャリア漏洩パラメーターを使用することができ、キャリア漏洩パラメーターはWTRU固有、仕様書によって固定、またはRRCシグナリングを介してネットワークによって構成することができる。
【0090】
例示的な実施形態では、キャリア1が侵略側であり、Ptot1はキャリア1を通じて伝送された合計電力である場合、およびキャリア漏洩比がGACLRであり、パス利得がGPathであり、ノードBの干渉電力および騒音レベルがPINであり、しきい値がThである場合、式(3)で第2の条件を使用して、WTRUは、以下の式に従って、侵略キャリアの電力低減の係数aを計算することができる。
aPtot1<(Th×PIN)/(GACLR×GPath) 式(10)
【0091】
このWTRUに計算された電力低減は、侵略キャリアにおいてのみE−DPDCHに適用することができる。WTRUは、E−DPDCHの電力を、従来の電力調整手順によって許可された最小値よりさらに減らすために、この電力低減を適用することはできない。あるいは、また、WTRUは、侵略キャリアのすべてのチャネルに対して、この電力低減を等しく適用することができる。
【0092】
他の例示的手法では、WTRUは、電力不均衡条件が検出された場合に、侵略キャリアE−DPDCHに対して固定された電力低減を適用することができる。WTRUは、RRCシグナリングを介して固定された電力低減の係数の値を受信することができる。あるいは、WTRUは、規格によって指定された電力低減の係数を使用することができる。
【0093】
他の例示的手法では、WTRUは、電力不均衡条件を検出した場合に、犠牲キャリアのDPCCHの電力を上げることができる。これにより、電力制御待機時間および制限されたDPCCH電力増加ステップサイズによるDPCCH電力を目標レベルまで上げるときの遅延を回避できる可能性がある。これは、たとえば次の手法によって達成することができる。WTRUは、電力低減の係数を計算するための上記と同様の方法で、犠牲キャリアのDPCCHに追加される電力オフセットを計算することができる。たとえば、犠牲キャリアに適用されるDPCCHの電力要因φは、以下の公式によって計算することができる。
φ=1+(Ptot1×GACLR×GPath)/PIN 式(11)
【0094】
他の例示的方法では、固定された電力要因は、電力不均衡条件が検出された場合に、犠牲キャリアのDPCCHに適用することができる。WTRUは、RRCシグナリングを介してこの電力要因を受信することができる。あるいは、WTRUは、規格によって指定された電力要因を使用することができる。
【0095】
他の例示的方法では、電力不均衡条件が発生した場合、WTRUは電力を制限することができる。そのような場合、WTRUは、侵略キャリアにおけるE−DPDCHの電力を減らすことができるため、犠牲キャリアの電力の一部を解放し、そのデータ情報を適切に送信するために使用することができる。したがって、この場合、電力不均衡のための電力調整は、従来の電力調整手順の前に実行することができる。必要に応じて、ネットワーク側において、WTRUがデュアルキャリアを用いて動作している場合、無線ネットワーク制御装置(RNC)は、異なるDPCCH SIRターゲットを用いてノードBを構成することができる。補助キャリアが有効化されたときに、ノードBはこの値を使用することができ、補助キャリアが無効化されたときに、単一キャリアのDPCCH SIRターゲットに戻ることができる。この異なるDPCCH SIRターゲットは、その補助キャリアが有効化されたときに、所定のWTRUに対するノードBでDPCCH SIRターゲットに適用されるSIRオフセットによって、RNCによって信号で送ることができる。
【0096】
本明細書では、WTRUが電力不均衡を検出し、ネットワークに通知するときの手法について記述する。例示的な一実施形態では、WTRUは、電力不均衡条件を検出し、ネットワークにそれを信号で送ることができる。電力不均衡条件が存在することを断定するために、WTRUは、第1のキャリアで伝送される合計電力と第2のキャリアで伝送される合計電力との間の電力差をしきい値に比較することができる。あるいは、WTRUは、(あるキャリアで伝送される合計電力と他のキャリアで伝送されるDPCCH電力との間の)電力差をしきい値に比較したり、その反対に比較したりすることができる。WTRUは、これらの操作を無線スロットごと、またはTTIごとに実行することができる。電力差のいずれかがしきい値を超えている場合、WTRUはこの条件をネットワークに通知する。必要に応じて、WTRUは、電力不均衡条件が検出された連続する無線スロット(またはTTI)の数をカウントすることができる。カウントは、電力不均衡条件が検出されないスロット(またはTTI)ごとにリセットすることができる。カウントが特定の値に達すると、WTRUは、電力不均衡条件をネットワークに通知することができる。あるいは、WTRUは、構成された期間(スライディングウィンドウ)に電力不均衡条件が検出された無線スロット(またはTTI)の数をカウントすることができる。カウントが構成されたしきい値を超えた場合、WTRUは、電力不均衡条件が検出されたとネットワークに通知する。たとえば、WTRUが、最後のM TTIにおいてN以上の電力不均衡イベントをカウントした場合、WTRUはネットワークに通知する。
【0097】
ノードBで終了すると、通知はMAC−iまたはMAC−eのヘッダーの新しいフィールド経由で送信することができる。あるいは、WTRUは、ネットワークにRRCメッセージを送信して条件を示すことができる。このRRCメッセージは測定レポートでもよい。他の代替案では、WTRUは、システム情報(SI)を介して情報を送信することができ、その場合には、電力不均衡状況の検出は、SIを送信するためのトリガーとして機能する。情報は、たとえば、第2のキャリアのSIにおける未使用ビットの1つで運ぶことができる。あるいは、新しいフィールドをSIに導入したり、または、ビットの組み合わせを再解釈したりする。
【0098】
他の例示的な実施形態では、単一キャリアの既存の隣接チャネル漏洩電力比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)要件がデュアルキャリアHSUPAのために維持されると想定し、キャリア間で異なる最大電力を処理するために合計送信電力に基づく手法を使用することができる。この実施形態では、合計送信電力がWTRUの最大電力を超えない場合、内側および外側のループ電力制御機構が電力不均衡を処理する。また、合計送信電力がWTRUの最大電力を超えた場合、電力低減および電力調整ならびに本明細書に記述した対応するE−TFC手法が、電力不均衡を処理するために選択される。
【0099】
DC−HSUPAについて、WTRUは、デュアルキャリア操作時に2つのキャリアで合計電力を共有することができる。フロントエンドに非線形の潜在的なソースがあり、実装形態に依存して、これは電力増幅器、ミキサー、および他の構成要素を含むことができる。一般的に言って、単一キャリアHSUPAと比較すると、DC−HSUPAのSNRは、デュアルキャリアが合計電力を共有するからだけではなく、デュアルキャリアは互いに変調してACLRに貢献するために下がる。ACLRは、特定のハードウェア構成が、マルチまたはデュアルの搬送波信号によって、および同じ合計電力を有する単一の搬送波信号によって交互に駆動されるときに増加することができる。したがって、デュアルキャリアに最大の電力差が発生した場合、侵略キャリアからの大きなスペクトルの漏れのために、犠牲キャリアのDPCCH SNRに大きな劣化がある可能性がある。これを避けるには、DC−HSUPAについて、単一キャリアの既存のACLR要件のように、受け入れ可能なACLRを維持する必要がある。
【0100】
この実施形態の一部として、既存の電力制御機構を使用することによって(つまり、F−DCPH(Fractional Dedicated Physical Channel)を通じて送信されたDL TPCコマンドを介して)、2つのキャリア上のUL DPCCH受信電力の差が、所定のWTRUの所定のしきい値内に収まることを保証することによって、電力不均衡の問題を解決するために、ノードB(UTRAN)を構成することができる。このしきい値は、事前に構成することも、またはRNCによってノードBに信号で送ることもできる。
【0101】
2つのキャリア間のUL DPCCH受信電力差を所定のしきい値未満に維持するための例示的な具体例を本明細書に記述する。デュアルキャリアのUL DPCCH受信電力の差が所定のしきい値より大きい場合、ノードBは、犠牲キャリアの推定されるDPCCH SIRをDPCCH SIRターゲットにオフセットを加えたものに比較し、TPCコマンドを生成する。これは、犠牲キャリアのDPCCH電力を高める可能性があり、デュアルキャリア間の電力不均衡を減少させることができる。デュアルキャリアのUL DPCCH受信電力の差が、所定のしきい値以下である場合、従来の電力制御は、キャリアごとに、つまりDPCCH SIRターゲットを相殺することなく、独立して実行することができる。たとえば、次のように想定する。1)SIRTarget1およびSIRTarget2は、キャリアごと構成されたSIRターゲットを示す(単一のSIRTargetを構成することもでき、その場合には、SIRTarget1=SIRTarget 2となる)ことに留意されたい。2)Rx1およびRx2は、キャリア1およびキャリア2に対する測定されたUL DPCCH受信電力をそれぞれ示す。3)MAX_DPCCH_DELTAは、Rx1とRx2との間の望まれる最大差を示す。そして、4)TARGET_OFFSETは、上位レイヤから与えられたSIRTarget1またはSIRTarget2を調整するために使用されるオフセットを示す。
【0102】
次に、デュアルキャリアに対する提案された2つの独立した内部ループの電力制御方法は、表1に示す次の形式をとることができる。
【0103】
【表1】

【0104】
表1
【0105】
デュアルキャリアについて表1に示した内部ループの電力制御手法は、2つのキャリア上のUL DPCCH受信電力の差が、両方のキャリア上のSIRtarget品質を満たしながら所定のしきい値内に収まることを保証することができる。この手法は、サービス品質(QoS)の観点から望ましくない可能性がある侵略キャリアのSIRtargetを減らすことによって、同じ目的を達成するために変更することができる。
【0106】
ジョイントULデュアルキャリアの内部ループの電力制御方法を示す他の例示的な具体例では、次のように想定する。1)SIR1およびSIR2は、キャリア1および2の測定されたSIRレベルをそれぞれ表す。2)SIRTarget1およびSIRTarget2は、キャリアごとに構成されたSIRターゲットを示す(単一のSIRTargetを構成することができ、その場合には、SIRTarget1=SIRTarget2となる)ことに留意されたい。3)Rx1およびRx2は、キャリア1およびキャリア2に対する測定されたUL DPCCH受信電力をそれぞれ示す。4)StepSizeは、ノードBによるUPまたはDOWNコマンドに従うWTRUによって適用される電力の増加/減少を示す。5)TPC1およびTPC2は、ノードBがキャリア1およびキャリア2に対して生成したUP/DOWN TPCコマンドを示す。TPC1およびTPC2は、ジョイント内部ループの電力制御方法の出力である。そして、6)MAX_DPCCH_DELTAは、Rx1とRx2との間の望ましい最大差を示す。
【0107】
次に、表2に示すように、共同で決定した内部ループの電力制御コマンドを導き出すことができる。
【0108】
【表2】

【0109】
表2
【0110】
この例示的手法では、キャリアごとの最大電力差を満たすことについて、キャリアごとにSIRtarget品質に達することを優先する。この手法は、一方または両方のキャリアにおいてSIRtargetを満たさないという犠牲の代わりに、最大搬送波電力差に、より速く達するように変更することができる。
【0111】
必要に応じて、ノードBは、所定のWTRUの各キャリア上の合計受信電力(E−DPDCH、E−DPCCH、および/またはHS−SCCHを含む)の差が所定のしきい値内に収まるように保証したい可能性がある。例示的な一実施形態では、ノードBは、UL DPCCH受信電力一致法を適用し、キャリアごとに提供されるスケジューリング許可の差が特定のしきい値内に収まるように保証することができる。代替的実施形態では、ノードBは、(たとえば、受信したSIRをキャリアごとのターゲットSIRに単に比較することによって)キャリアごとにUL DPCCHに対する内部ループの電力制御コマンドを独立して決定することができ、スケジューリング許可が完全に利用されると想定して、両方のキャリアにおいてWTRUからの合計受信電力の差が、事前に定義したしきい値内に収まることを保証することによって、2つのキャリアを横断してスケジューリング許可を共同で決定することができる。
【0112】
すべての場合において、最大電力差のしきい値は、事前に構成することも(つまり事前に定義した「永久的な」値)、またはIubインターフェイスを通じて信号を送ることによってRNCによって構成することもできる。
【0113】
ここでは、マルチモード電力調整について記述する。第2のULキャリアの無線リンク確立時に、WTRUは、関連するダウンリンクF−DPCHにおいて受信されるTPCコマンドによって決定される電力を用いてDPCCHを伝送することができる。ノードBでの無線リンク同期障害による潜在的な無制限のDPCCH関係する懸念が増加し、第2のキャリアのDPCCH電力に課される電力制限が、この問題を解決する手段として提案されている。
【0114】
したがって、マルチモード電力調整方法を本明細書に記述する。このマルチモード電力調整方法は、DC−HSUPAとの関連で提案されているが、他の技術に適用することができる。
【0115】
例として示すマルチモード電力調整手法は、2つ以上の電力調整モードから構成される:1)電力調整モードを交互に入れ替える1つまたは複数のトリガー、および2)実行可能なトリガーに関して、電力調整モードがどのように変わるかを示す1組の規則。
【0116】
電力調整モードは、たとえば、本明細書または3GPP仕様書などの他の文書に記述された電力調整手法のいずれかからでも構成することができる。WTRUは、仕様書からの1組のトリガーおよび規則を取得することも、または(たとえばRRCシグナリングを介して)ネットワークによって構成メッセージを介して1組のトリガーおよび規則を受信することもできる。
【0117】
WTRUが電力調整モードの1つで動作する場合、電力調整モードを変更するトリガーを受信することができる。WTRUは、規則によって決定されたときに電力調整モードを変更し、新しいモードに従って電力調整を適用し始めることができる。
【0118】
第1の例では、第1の電力調整モードは、最初に第2のキャリアの電力を調整することから構成される。第2の電力調整モードは、最初に最大DPCCH電力を用いてキャリアの電力を調整することから構成される。トリガーおよび規則は次のように定義することができる:1)第2のキャリアを有効化するときに、WTRUは第1の電力調整モードを使用することができ、2)タイマーの期限が切れた後に、WTRUは第2の電力調整モードを使用することができる。
【0119】
タイマーは、仕様書において事前に構成することも、またはWTRUがRRCシグナリングを介してその値を受信することもできる。WTRUがUL伝送を開始したとき、またはしばらく後、たとえば、ダウンリンク物理チャネルが確立されたと上位レイヤが判断したときに、WTRUはタイマーを開始することができる。
【0120】
実施形態:
実施形態1
マルチキャリア操作のために電力調整を実行することを含む方法。
【0121】
実施形態2
個別物理制御チャネル(DPCCH)の電力調整を適用した後に、電力調整手順を実行することさらに含む実施形態1に記載の方法。
【0122】
実施形態3
無線送受信ユニット(WTRU)の合計送信電力は所定値を超える先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0123】
実施形態4
WTRUの合計送信電力が所定値を超えないところまで、E−DPCCH(Enhanced Dedicated Channel(E−DCH)Dedicated Physical Control Channel)の電力を下方調整することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0124】
実施形態5
少なくとも1つのキャリアのEP−DPDCHに対して最小の電力調整が提供される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0125】
実施形態6
最小の電力調整構成は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して受信される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0126】
実施形態7
最大電力レベルは、キャリアごとに設定される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0127】
実施形態8
すべてのアップリンク(UL)キャリアのE−DPDCH電力が等しく調整される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0128】
実施形態9
最初にすべてのUL補助キャリアを等しく調整することと、次にアンカーキャリアを調整することと、をさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0129】
実施形態10
次に、各キャリアの電力調整は、複数のキャリアに適用される共通の電力調整要因に組み合わせたキャリアごとの重みの形式をとる先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0130】
実施形態11
キャリアごとの重みは、キャリアごとのサービング許可に基づいて決定される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0131】
実施形態12
キャリアごとの重みは、構成された重みの組または事前に構成された重みの組に基づいて決定される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0132】
実施形態13
キャリアごとの重みはキャリアタイプに基づいて決定され、アンカーおよび補助キャリア、または複数のキャリアの電力調整のためのキャリアごとの構成された重みの組または事前に定義された重みの組が使用される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0133】
実施形態14
キャリアごとの重みは、キャリアごとのネットワークによって定義された最大電力に基づいて決定される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0134】
実施形態15
一度に1つのキャリアを調整することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0135】
実施形態16
各キャリアは、電力調整のために連続的に処理される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0136】
実施形態17
処理順序は、無線ネットワーク制御装置(RNC)によって伝送された値に基づく先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0137】
実施形態18
処理順序は、アンカーキャリアおよび構成された第2のキャリアの数に基づく先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0138】
実施形態19
電力調整は、アンカーキャリアに対して最初に実行され、複数の補助キャリアが構成されているという条件において、同じ電力調整をすべての補助キャリアに適用することができる先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0139】
実施形態20
アンカーキャリアのE−DPDCHからの電力が所定値まで下方調整されるまで、少なくとも1つの補助キャリアの電力は調整されない先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0140】
実施形態21
キャリアの処理順序が事前に定義されている先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0141】
実施形態22
キャリアの処理順序は、WTRU許可に基づく先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0142】
実施形態23
キャリアの処理順序は、各キャリアのパワーヘッドルームに基づく先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0143】
実施形態24
キャリアの処理順序は、シグナリング無線ベアラ(SRB)に基づく先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0144】
実施形態25
キャリアの処理順序は、伝送が各キャリアの第1の伝送であるか、またはハイブリッド自動再送要求(HARQ)再伝送かに基づく先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0145】
実施形態26
E−DPDCHおよびE−DPCCHの両方が、DPDCHまたはHS−DPCCHを運んでいないキャリアで不連続的に伝送されるという条件で、キャリアを無効化することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0146】
実施形態27
すべての補助キャリアが無効化され、WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えている条件において、追加的な調整を残りのキャリアに適用することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0147】
実施形態28
2つ以上のE−DCHトランスポートブロックを伝送することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0148】
実施形態29
WTRUは、キャリアごとに構成されたゼロでないE−DCH最小セットE−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションインジケータ(E−TFCI)を持つ先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0149】
実施形態30
WTRUは、電力調整がキャリアに適用されるという条件で、アンカーキャリア以外の任意のキャリアに対する新しいE−DCHトランスポートブロックを作成しない先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0150】
実施形態31
WTRUは、電力調整が補助キャリアに適用されているという条件で、アンカーキャリア以外の任意のキャリアに対する新しいE−DCHトランスポートブロックを作成しない先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0151】
実施形態32
WTRUは、電力調整が任意のキャリアに適用されるという条件で、新しいE−DCHトランスポートブロックを作成しない先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0152】
実施形態33
電力不均衡を減らすために電力調整を実行することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0153】
実施形態34
電力不均衡のしきい値は、2つのキャリアによって許容できる電力差を示す先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0154】
実施形態35
電力不均衡のしきい値はWTRUによって決定される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0155】
実施形態36
電力不均衡のしきい値は、
WTRUのDPCCH送信電力、
WTRUの合計送信電力、
伝送した合計電力、
WTRUによって測定される共通パイロットチャネル(CPICH)の電力、
絶対的なCPICH電力または他の手段についての知識からWTRUによって推定される伝送損失、
ネットワークによって構成され、無線資源制御(RRC)シグナリングを介してWTRUによって受信されたオフセットまたはしきい値、および
事前に定義されたオフセットまたはしきい値の少なくとも1つに基づく先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0156】
実施形態37
各キャリアが電力不均衡をしきい値より低く維持するために電力を調整することさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0157】
実施形態38
各キャリアを通じて伝送された合計電力を計算することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0158】
実施形態39
最大送信電力を用いるキャリアに電力調整を適用することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0159】
実施形態40
PE−DPDCH,1が減らされるように、キャリア1のE−DPDCHに電力調整を適用することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0160】
実施形態41
追加的な電力調整を実行することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0161】
実施形態42
追加的な電力調整は、第2のキャリアのDPCCHの電力を高めることをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0162】
実施形態43
追加的な電力調整は、第2のキャリアのE−DPDCHの電力を高めることをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0163】
実施形態44
追加的な電力調整は、等しい電力増加を第2のキャリアを通じて運ばれるすべてのチャネルに適用することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0164】
実施形態45
追加的な電力調整は、最大送信電力を超えない場合に、第2のキャリアのみの制御チャネルの電力を高めることをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0165】
実施形態46
追加的な電力調整によって補償する必要のある電力不均衡を計算することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0166】
実施形態47
第1のキャリアで伝送される合計電力と、第2のキャリアにおけるDPCCHの電力との間で電力の差を計算することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0167】
実施形態48
電力差は所定のしきい値未満であるように、侵略キャリアの電力を減らすことをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0168】
実施形態49
電力低減の量の計算に関係するパラメーターを含む構成メッセージを受信することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0169】
実施形態50
パラメーターは、
犠牲キャリアで伝送されるDPCCH電力、
伝送損失の推定、
しきい値、電力オフセット、干渉電力レベル、干渉および雑音電力レベル、または伝送損失測定、
侵略キャリアで伝送された合計電力、および
キャリア漏洩パラメーターであって、WTRU固有、仕様書によって固定、またはRRCシグナリングを介してネットワークによって構成することができるキャリア漏洩パラメーターの少なくとも1つを含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0170】
実施形態51
WTRUで計算された電力低減は、侵略キャリアのみのE−DPDCHに適用される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0171】
実施形態52
電力不均衡条件が検出された場合に、侵略キャリアE−DPDCHに対して固定された電力低減を適用することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0172】
実施形態53
電力不均衡条件が検出された場合に、犠牲キャリアのDPCCHの電力を高めることをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0173】
実施形態54
固定された電力要因は、電力不均衡条件が検出された場合に、犠牲キャリアのDPCCHに適用される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0174】
実施形態55
電力不均衡条件が発生した場合、WTRUは電力を制限されるという条件で、侵略キャリアのE−DPDCHの電力を下げることをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0175】
実施形態56
電力不均衡に対する電力調整は、従来の電力調整手順の前に実行される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0176】
実施形態57
WTRUがデュアルキャリアを用いて動作している場合、無線ネットワーク制御装置(RNC)は、所定のDPCCH SIRターゲットを有するノードBを構成する先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0177】
実施形態58
ノード−Bは、補助キャリアが有効化されたときに、所定のDPCCH信号対混信比(SIR)ターゲット値を使用し、補助キャリアが無効化されたときに、単一キャリアのDPCCH SIRターゲットに戻ることができる先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0178】
実施形態59
電力不均衡を検出しネットワークに信号で送ることをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0179】
実施形態60
シグナリングは、MAC−iまたはMAC−eのヘッダーのフィールドを介して伝送される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0180】
実施形態61
2つのキャリア上のUL DPCCH受信電力の差を所定のWTRUの所定のしきい値内に保証することによって、電力不均衡の問題を解決することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0181】
実施形態62
F−DCPH(Fractional Dedicated Physical Channel)を通じて送信電力コマンド(TPC)コマンドを伝送する先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0182】
実施形態63
犠牲キャリアの推定されるDPCCH SIRをそのDPCCH SIRターゲットにオフセットを加えたものに比較することと、
TPCコマンドを生成することとをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0183】
実施形態64
デュアルキャリアのUL DPCCH受信電力の差が、所定のしきい値以下であるという条件で、DPCCH SIRターゲットを相殺することなく、正常な2つの独立した電力制御を実行することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0184】
実施形態65
デュアルキャリアに対する内部ループの電力制御アルゴリズムを実行することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0185】
実施形態66
侵略キャリアのSIRtargetを減らすことをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0186】
実施形態67
キャリアごとの最大電力差を満たすことについて、キャリアごとにSIRtarget品質に達することを優先することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0187】
実施形態68
ノードBは、所定のWTRUに対する各キャリア上の合計受信電力の差が所定のしきい値内にあることを保証する先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0188】
実施形態69
最大電力差のしきい値は、Iubインターフェイスを通じて信号を送ることによってRNCによって構成される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0189】
実施形態70
マルチモード電力調整を実行する先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0190】
実施形態71
マルチモード電力調整方法は、複数の電力調整モード、電力調整モードを交互に入れ替える1つまたは複数のトリガー、および実行可能なトリガーに関して、電力調整モードがどのように変わるかを示す1組の規則から構成される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0191】
実施形態72
電力調整モードを変更するためにトリガーを受信することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0192】
実施形態73
第1の電力調整モードは、最初に第2のキャリアの電力を調整することから構成される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0193】
実施形態74
第2の電力調整モードは、最初に最大DPCCH電力を用いてキャリアの電力を調整することから構成される先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0194】
実施形態75
第2のキャリアを有効化するときに、WTRUは、第1の電力調整モードを使用する先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0195】
実施形態76
タイマーの期限が切れた後に、WTRUは第2の電力調整モードを使用する先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0196】
実施形態77
タイマーが事前に構成されている先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0197】
実施形態78
タイマーはRRCシグナリングを介して値を受信する先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0198】
実施形態79
UL伝送が開始されたときにタイマーを開始することをさらに含む先行する任意の実施形態に記載の方法。
【0199】
実施形態80
マルチキャリア無線送受信ユニット(WTRU)において電力調整する方法であって、
WTRUの合計送信電力が所定値を超えるかどうかを判断することを含む方法。
【0200】
実施形態81
WTRUの合計送信電力が所定値を超えるという条件で、複数のキャリアから少なくとも1つのキャリアを選択することをさらに含む実施形態80に記載の方法。
【0201】
実施形態82
WTRUの合計送信電力が少なくとも所定値を満たすまで、選択されたキャリアの少なくとも1つのチャネルに電力調整を適用することをさらに含む実施形態80〜81のいずれかに記載の方法。
【0202】
実施形態83
少なくとも1つのキャリアの選択は、電力測定基準に基づく実施形態80〜82のいずれかに記載の方法。
【0203】
実施形態84
電力測定基準は、制御チャネルの電力レベルまたはWTRUパワーヘッドルームの1つである実施形態80〜83のいずれかに記載の方法。
【0204】
実施形態85
選択されたキャリアは、最も高い電力レベルを持つ制御チャネルに関係する実施形態80〜84のいずれかに記載の方法。
【0205】
実施形態86
少なくとも1つのチャネルはデータチャネルである実施形態80〜85のいずれかに記載の方法。
【0206】
実施形態87
複数のデータチャネルは等しく電力調整される実施形態80〜86のいずれかに記載の方法。
【0207】
実施形態88
電力調整は、最小伝送値に達するまで適用される実施形態80〜87のいずれかに記載の方法。
【0208】
実施形態89
最小伝送値に達し、WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えているという条件で、電力測定基準に基づいて、少なくとも他のキャリアを繰り返し選択することをさらに含む実施形態80〜88のいずれかに記載の方法。
【0209】
実施形態90
最小伝送値に達することなくWTRUの合計送信電力が少なくとも所定値を満たすまで、少なくとも他のキャリアに電力調整を繰り返し適用することをさらに含む実施形態80〜89のいずれかに記載の方法。
【0210】
実施形態91
最小伝送値は上位レイヤによって構成される実施形態80〜90のいずれかに記載の方法。
【0211】
実施形態92
すべてのチャネルについて最小伝送値に達し、WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えているという条件で、すべてのチャネルに対して追加的な調整を実行することをさらに含む実施形態80〜91のいずれかに記載の方法。
【0212】
実施形態93
すべてのキャリアについて最小伝送値に達し、WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えているという条件で、すべてのキャリアに対して追加的な調整を実行することをさらに含む実施形態80〜92のいずれかに記載の方法。
【0213】
実施形態94
WTRUの合計送信電力は、DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)電力調整および利得係数を適用した後である実施形態80〜93のいずれかに記載の方法。
【0214】
実施形態95
制御チャネルはE−DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)である実施形態80〜94のいずれかに記載の方法。
【0215】
実施形態96
少なくとも1つのチャネルは、E−DPCCH(Enhanced Dedicated Channel(E−DCH)Dedicated Physical Control Channel)である実施形態80〜95のいずれかに記載の方法。
【0216】
実施形態97
所定値はキャリアごとに構成される実施形態80〜96のいずれかに記載の方法。
【0217】
実施形態98
電力調整は、少なくとも1つのチャネルの最小電力に達するまで適用される実施形態80〜97のいずれかに記載の方法。
【0218】
実施形態99
電力調整は、少なくとも1つのチャネル電力がゼロになるまで適用される実施形態80〜98のいずれかに記載の方法。
【0219】
実施形態100
電力調整は、少なくとも1つのチャネルが不連続な伝送モードになるまで適用される実施形態80〜99のいずれかに記載の方法。
【0220】
実施形態101
電力調整は、データチャネル利得係数を減らすことによって適用される実施形態80〜100のいずれかに記載の方法。
【0221】
実施形態102
マルチキャリア無線送受信ユニット(WTRU)において電力調整する方法であって、
第1のキャリアおよび第2のキャリアに関して、電力不均衡が所定のしきい値に達したかどうかを判断することを含む方法。
【0222】
実施形態103
電力不均衡が所定値未満になるまで、第1のキャリアおよび第2のキャリアの少なくとも1つに電力調整を適用することをさらに含む実施形態102に記載の方法。
【0223】
実施形態104
電力不均衡は、第1のキャリアと第2のキャリアとの間の合計送信電力差、あるキャリアの合計送信電力と他のキャリアの制御チャネル電力との間の差、または第1のキャリアと第2のキャリアとの間の制御チャネル電力差のうちの1つである実施形態102〜103のいずれかに記載の方法。
【0224】
実施形態105
電力調整は、最も高い合計送信電力を有するキャリアに適用される実施形態102〜104のいずれかに記載の方法。
【0225】
実施形態106
最小値に達し、電力不均衡がまだ所定値を満たしているという条件で、追加的な調整を実行することをさらに含む実施形態102〜105のいずれかに記載の方法。
【0226】
実施形態107
追加的な調整は、第1のキャリアおよび第2のキャリアの残りのキャリアに適用される実施形態102〜106のいずれかに記載の方法。
【0227】
実施形態108
追加的な電力調整は、残りのキャリアの少なくとも制御チャネルの電力を高める実施形態102〜107のいずれかに記載の方法。
【0228】
実施形態109
追加的な電力調整は、少なくとも残りのキャリアのデータチャネルの電力を高める実施形態102〜108のいずれかに記載の方法。
【0229】
実施形態110
電力低減の計算に関係するパラメーターを含む構成メッセージを受信することをさらに含む実施形態102〜109のいずれかに記載の方法。
【0230】
実施形態111
電力低減の電力調整の後に、合計送信電力の調整を実行することをさらに含む実施形態102〜110のいずれかに記載の方法。
【0231】
実施形態112
WTRUの合計送信電力が所定値を超えるかどうかを判断するように構成されたプロセッサを含む複数のキャリアに対して電力調整を使用する無線送受信ユニット(WTRU)。
【0232】
実施形態113
WTRUの合計送信電力が所定値を超えるという条件で、複数のキャリアから少なくとも1つのキャリアを選択するように構成されたプロセッサをさらに含む実施形態112に記載のWTRU。
【0233】
実施形態114
WTRUの合計送信電力が少なくとも所定値を満たすまで、選択されたキャリアの少なくとも1つのチャネルに電力調整を適用するように構成されたプロセッサをさらに含む実施形態112〜113のいずれかに記載のWTRU。
【0234】
実施形態115
プロセッサは、電力測定基準に基づいて、少なくとも1つのキャリアを選択するように構成される実施形態112〜114のいずれかに記載のWTRU。
【0235】
実施形態116
電力調整は、最小伝送値に達するまで適用される実施形態112〜115のいずれかに記載のWTRU。
【0236】
実施形態117
最小伝送値に達し、WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えているという条件で、電力測定基準に基づいて、少なくとも他のキャリアを繰り返し選択するように構成されたプロセッサをさらに含む実施形態112〜116のいずれかに記載のWTRU。
【0237】
実施形態118
最小伝送値に着することなく、WTRUの合計送信電力が少なくとも所定値を満たすまで、電力調整を少なくとも他のキャリアに繰り返し適用するようにさらに構成されたプロセッサをさらに含む実施形態112〜117のいずれかに記載のWTRU。
【0238】
実施形態119
すべてのチャネルについて最小伝送値に達し、WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えているという条件で、すべてのチャネルに対して追加的な調整を実行するように構成されたプロセッサをさらに含む実施形態112〜118のいずれかに記載のWTRU。
【0239】
特徴および要素は特定の組み合わせを用いて説明されているが、各特徴または要素は、他の特徴および要素を用いずに単独で用いることが可能であり、または他の特徴および要素を用いてもしくは用いずにさまざまな組み合わせで用いることができる。本明細書で提供される方法またはフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行するためにコンピュータで読み出し可能な記憶媒体に組み込まれているコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアに実装することができる。コンピュータで読み出し可能な記憶媒体の例としては、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体記憶装置、内蔵型ハードディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、およびCD−ROMディスクなどの光学式媒体、ならびにデジタル多用途ディスク(DVD)などが含まれる。
【0240】
適したプロセッサの例を挙げると、汎用プロセッサ、特殊用途向けプロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと共に用いる1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、書き替え可能ゲートアレイ(FPGA)回路、その他のあらゆる種類の集積回路(IC)、および/または状態遷移機械などが含まれる。
【0241】
プロセッサをソフトウェアと共に使用することで、無線送受信ユニット(WTRU)、移動端末装置(UE)、端末、基地局、無線ネットワーク制御装置(RNC)、または任意のホストコンピュータで使用するRF送受信機(radio frequency transceiver)を実装することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカーホン、振動装置、スピーカー、マイクロホン、テレビの送受信装置、ハンドフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線装置、LCD(liquid crystal display)表示装置、有機発光ダイオード(OLED)表示装置、デジタル音楽プレーヤー、メディアプレーヤー、ビデオゲームプレーヤーモジュール、インターネットブラウザ、および/または無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)またはウルトラワイドバンド(UWB)モジュールなど、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに実装されたモジュールと共に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャリア無線送受信ユニット(WTRU)において電力調整する方法であって、
WTRUの合計送信電力が所定値を超えるかどうかを判断するステップと、
前記WTRUの合計送信電力が所定値を超えるという条件で、複数のキャリアから少なくとも1つのキャリアを選択するステップと、
前記WTRUの合計送信電力が少なくとも前記所定値を満たすまで、選択されたキャリアの少なくとも1つのチャネルに電力調整を適用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのキャリアの選択は、電力測定基準に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電力測定基準は、制御チャネルの電力レベルまたはWTRUパワーヘッドルームの1つであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記選択されたキャリアは、最も高い電力レベルを持つ前記制御チャネルに関係することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのチャネルはデータチャネルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数のデータチャネルは等しく電力調整されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電力調整は、最小伝送値に達するまで適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
最小伝送値に達し、前記WTRUの合計送信電力がまだ前記所定値を超えているという条件で、電力測定基準に基づいて、少なくとも他のキャリアを繰り返し選択するステップと、
前記最小伝送値に達することなく前記WTRUの合計送信電力が少なくとも前記所定値を満たすまで、前記少なくとも他のキャリアに電力調整を繰り返し適用するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記最小伝送値は上位レイヤによって構成されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
すべてのチャネルについて前記最小伝送値に達し、前記WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えているという条件で、すべてのチャネルに対して追加的な調整を実行するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
すべてのキャリアについて前記最小伝送値に達し、前記WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えているという条件で、すべてのキャリアに対して追加的な調整を実行するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記WTRUの合計送信電力は、DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)電力調整および利得係数を適用した後であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記制御チャネルは、E−DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのチャネルは、E−DPCCH(Enhanced Dedicated Channel(E−DCH)Dedicated Physical Control Channel)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記所定値は、キャリアごとに構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記電力調整は、前記少なくとも1つのチャネルの最小電力に達するまで適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記電力調整は、前記少なくとも1つのチャネル電力がゼロになるまで適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記電力調整は、前記少なくとも1つのチャネルが不連続な伝送モードになるまで適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
電力調整は、データチャネル利得係数を減らすことによって適用されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項20】
マルチキャリア無線送受信ユニット(WTRU)において電力調整する方法であって、
第1のキャリアおよび第2のキャリアに関して、電力不均衡が所定のしきい値に達したかどうかを判断するステップと、
前記電力不均衡が前記所定値未満になるまで、前記の第1のキャリアおよび前記第2のキャリアの少なくとも1つに電力調整を適用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記電力不均衡は、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間の合計送信電力差、あるキャリアの合計送信電力と他のキャリアの制御チャネル電力との間の差、または前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間の制御チャネル電力差のいずれか1つであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
電力調整は、最も高い合計送信電力を有するキャリアに適用されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
最小値に達し、前記電力不均衡がまだ前記所定値を満たしているという条件で、追加的な調整を実行するステップをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項24】
追加的な調整は、前記第1のキャリアおよび前記第2のキャリアの残りのキャリアに適用されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
追加的な電力調整は、前記残りのキャリアの少なくとも前記制御チャネルの前記電力を高めることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
追加的な電力調整は、前記残りのキャリアの少なくとも前記データチャネルの前記電力を高めることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
電力低減の計算に関係するパラメーターを含む構成メッセージを受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項28】
電力低減の電力調整の後に、合計送信電力の調整を実行するステップをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項29】
WTRUの合計送信電力が所定値を超えるかどうかを判断するように構成されたプロセッサであって、
前記プロセッサは、前記WTRUの合計送信電力が所定値を超えるという条件で、複数のキャリアから少なくとも1つのキャリアを選択するように構成され、
前記プロセッサは、前記WTRUの合計送信電力が少なくとも前記所定値を満たすまで、選択されたキャリアの少なくとも1つのチャネルに電力調整を適用するように構成されたプロセッサ
を含むことを特徴とする、複数のキャリアに対して電力調整を使用する無線送受信ユニット(WTRU)。
【請求項30】
前記プロセッサは、電力測定基準に基づいて、少なくとも1つのキャリアを選択するように構成されることを特徴とする請求項29に記載のWTRU。
【請求項31】
前記電力調整は、最小伝送値に達するまで適用されることを特徴とする請求項29に記載のWTRU。
【請求項32】
前記プロセッサは、最小伝送値に達し、前記WTRUの合計送信電力がまだ前記所定値を超えているという条件で、電力測定基準に基づいて、少なくとも他のキャリアを繰り返し選択するように構成され、
前記プロセッサは、前記最小伝送値に達することなく、前記WTRUの合計送信電力が少なくとも前記所定値を満たすまで、電力調整を前記少なくとも他のキャリアに繰り返し適用するようにさらに構成されていること
をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載のWTRU。
【請求項33】
すべてのチャネルについて前記最小伝送値に達し、前記WTRUの合計送信電力がまだ所定値を超えているという条件で、すべてのチャネルに対して追加的な調整を実行するように構成された前記プロセッサ
をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載のWTRU。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−525081(P2012−525081A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507421(P2012−507421)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/032212
【国際公開番号】WO2010/124192
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】