説明

マルチコンステレーション全地球航法衛星システム補強及び支援

マルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムは、複数の基準局を含むことができる。各基準局は、ナビゲーションデータを複数の異なる全地球航法衛星システムから受信し、そして各異なる全地球航法衛星システムに関するインテグリティデータ及び性能データを監視するように適合させることができる。オペレーションセンターは、前記複数の基準局の各基準局から送信される前記インテグリティデータ及び性能データを受信することができる。通信ネットワークは、前記オペレーションセンターからのメッセージを、ユーザのnavcom機器に送信して前記navcom機器を補強し、そして支援することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全地球測位及びナビゲーション、及び全地球測位または航法衛星システムに関するものであり、特にマルチコンステレーション全地球航法衛星システム補強及び支援(multi−constellation global navigation satellite system augmentation and assistance)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
米国全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)は、個人の地理的位置を特定し、そして個人に対してナビゲーションを行なうために地球の何れの場所でも利用することができるようになっている。GPSは、米国政府が打ち上げ、そして構築した衛星群のコンステレーション(constellation of satellites)であり、これらの衛星は、地球を周回して、ナビゲーション信号及び測位信号をユーザのGPS受信機またはナビゲーション機器に供給する。GPS信号を受信し、そして利用することができる数百万台のGPS受信機またはナビゲーション機器は、一般公衆及び政府事業体によって使用されている。GPSは広く使用されているにも拘わらず、幾つかの不具合が残っている。1つの不具合は、構造物によって遮られることにより特定の場所では可用性が低くなる、または信号の受信感度が低下することである。例えば、高く林立するビルディングがGPS信号を遮る場所である所謂「都市の谷間(urban canyon)」が存在することにより、GPS受信機またはナビゲーション機器を使用してナビゲーションを行ない、そしてタイミングを取るために利用可能なGPS衛星の数が十分ではない可能性がある。他の国も、全地球測位及びナビゲーションを行なう衛星群のコンステレーション、または全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)と総称される衛星システムを打ち上げ、そして構築している。これらの外国が保有し、そして運用するGNSSの例として、必ずしもこれらには限定されないが、ロシア空軍がロシア政府のために運用するGlonass(グロナス:Global Navigation Satellite System)、欧州連合が運用するGalileo(ガリレオ)、及び中国政府が運用するCompass(コンパス)を挙げることができる。これらの外国のGNSS衛星は、GPS衛星群と一緒に使用することができる航法衛星の数を4倍に大幅に増やすことにより、全地球測位及びナビゲーションの可用性及び性能を大幅に高めることができる。しかしながら、マルチコンステレーションGNSSを使用すると、他の問題が生じる。例えば、他の外国のGNSS、または補助GNSSからの測位及びナビゲーションデータは、果たして信頼できるのか?このようなシステムは、1つのシステムが別のシステムになりすます、またはそれ以外には、データが不正確である、または偽りであるスプーフィングの影響を受け易いのではないか?他の問題は、最初にフィックス解を得るために要する時間、または十分な数の衛星との通信を妥当な期間内に確立して位置を求め、そしてジャミングまたは他の干渉に対する脆弱性を判断するために要する時間である。
【発明の概要】
【0003】
1つの実施形態によれば、マルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムは、複数の基準局を含むことができる。各基準局は、ナビゲーションデータを複数の異なる全地球航法衛星システムから受信し、そして各異なる全地球航法衛星システムに関するインテグリティデータ及び性能データを監視するように適合させることができる。オペレーションセンターは、前記複数の基準局の各基準局から送信される前記インテグリティデータ及び性能データを受信することができる。前記システムは更に、前記オペレーションセンターからの前記メッセージを、ユーザのnavcom機器に送信して前記navcom機器を補強し、そして支援する通信ネットワークを含むことができる。
【0004】
別の実施形態によれば、マルチコンステレーションGNSS補強及び支援用ユーザnavcom機器は、ナビゲーション情報を、複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの第1全地球航法衛星システムから受信し、そしてナビゲーション情報を、前記複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムから受信する少なくとも1つの受信機を含むことができる。前記ユーザnavcom機器は更に、メッセージをオペレーションセンターから受信するトランシーバを含むことができる。前記メッセージは、補強及び支援情報を含むことができ、該情報を前記navcom機器が使用することにより、グローバル位置情報及びナビゲーション情報をユーザに、前記少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータを使用して供給する。
【0005】
別の実施形態によれば、マルチコンステレーションGNSS補強及び支援方法は、全地球航法衛星システムからのインテグリティデータ及び性能データを複数の基準局によって監視するステップを含むことができる。前記方法は更に、前記インテグリティデータ及び性能データを前記複数の基準局の各基準局からオペレーションセンターに送信するステップを含むことができる。前記基準局群の各基準局からの前記インテグリティデータ及び性能データは、前記オペレーションセンターによって取り込まれ、そして分析される。メッセージは、取り込まれた前記インテグリティデータ及び性能データの分析に基づいて生成される。前記メッセージは、ユーザのnavcom機器が補強及び支援のために使用することができる情報を含むことができるので、グローバル位置情報及びナビゲーション情報を前記ユーザに、前記navcom機器が前記全地球航法衛星システムから受信するナビゲーションデータを使用して供給することができる。
【0006】
更に別の実施形態によれば、マルチコンステレーションGNSS補強及び支援方法は、ナビゲーション情報を、複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの第1全地球航法衛星システムから受信するステップを含むことができる。前記方法は更に、ナビゲーション情報を、前記複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムから受信するステップを含むことができる。前記方法は更に、メッセージをオペレーションセンターから受信するステップを含むことができる。前記メッセージは、navcom機器が使用する補強及び支援情報を含むことができるので、グローバル位置情報及びナビゲーション情報をユーザに、前記少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータを使用して供給することができる。前記オペレーションセンターから受信する前記補強及び支援情報は、前記オペレーションセンターが複数の基準局の各基準局から収集するインテグリティデータ及び性能データから生成することができる。各基準局は、ナビゲーションデータを、前記複数の異なる全地球航法衛星システムから受信し、そして各異なる全地球航法衛星システムに関するインテグリティデータ及び性能データを監視するように適合させることができる。
【0007】
請求項によってのみ規定される本開示の他の態様及び特徴は、この技術分野の当業者には、本開示に関する以下の非限定的な詳細な説明を、添付の図と併せて精査することにより明らかになる。
【0008】
本開示は、以下の詳細な記載において、下記の複数の図面を参照しながら、本開示の実施形態の非限定的な例を通して更に詳細に説明され、これらの図面では、同様の参照番号は、これらの図面の幾つかの図を通じて、同様の構成要素を指している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムの1つの例の模式ブロック図である。
【図2】図2は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援方法の1つの例のフローチャートである。
【図3】図3は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムにおいて使用することができる基準局の1つの例の模式ブロック図である。
【図4】図4は、本開示の1つの実施形態によるGNSSのインテグリティを監視する方法の1つの例のフローチャートである。
【図5】図5は、本開示の1つの実施形態による基準局の自己測位及び自己校正方法の1つの例のフローチャートである。
【図6】図6は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムにおいて使用することができるオペレーションセンターの1つの例の模式ブロック図である。
【図7】図7は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムに使用することができるユーザnavcom機器の1つの例の模式ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態に関する以下の詳細な説明では、本開示の特定の実施形態を示す添付の図面を参照する。異なる構造及び動作を有する他の実施形態は、本開示の範囲から逸脱しない。
【0011】
本開示の種々の態様は、本開示の実施形態による方法群、装置群(システム群)、及びコンピュータプログラム製品群のフローチャート図、及び/又はブロック図を参照して以下に説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート図中の、そして/またはブロック図中のブロック群の組み合わせは、コンピュータプログラム命令群によって実行することができる。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに供給してマシン語を生成することにより、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令によって、フローチャート及び/又はブロック図のブロックまたはブロック群に指定される機能/動作を実行する手段を生成する。
【0012】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリに格納することもでき、これらのコンピュータプログラム命令によって、コンピュータ、またはハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントの組み合わせ、または他のプログラム可能なデータ処理装置に指示して、特定の方式で機能させて、コンピュータ可読メモリに格納されるこれらの命令によって、命令手段を含む製造品が生成されるようになり、当該命令手段がフローチャート及び/又はブロック図のブロックまたはブロック群に指定される機能/動作を実行する。
【0013】
これらのコンピュータプログラム命令をコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に読み込んで、一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行して、コンピュータ実行プロセスを生成し、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行される命令群によって、フローチャート及び/又はブロック図のブロックまたはブロック群に指定される機能/動作を実行するステップ群が行なわれるようになる。
【0014】
本開示では、マルチコンステレーションGNSS補強及び支援サービスを提供する例示的なシステム、エンドユーザnavcom(ナヴコム)デバイス、または機器及び方法について説明する。補強及び支援サービスは、Glonas,Galileo,及びCompassのような「外国保有」GNSSシステム、他のGNSSシステム、または補助GNSSシステム(secondary GNSS systems)のインテグリティ(完全性)情報を含むことができる。補強及び支援サービスでは更に、取得支援及び追跡支援、及びディファレンシャル補正を行なうことができる。追跡支援では更に、時間支援を行なう、または時間情報を提供する、周波数支援を行なう、または周波数データを提供する、ナビゲーションデータを支援する、測距機能を補強する、または同様のデータまたは情報を提供することができる。ディファレンシャル補正は、電離層補正、対流圏補正、衛星時計補正、エフェメリス補正、または同様のデータまたは情報を含むことができる。本開示において説明される実施形態によって、ナビゲーションデータの信頼性または完全性に関して特定の信頼性を有する外国のGNSS、他のGNSS、または補助GNSSの使用が可能になり、そして政府市場及び民間/消費者市場の両方に関する衛星利用ナビゲーション能力の可用性、完全性、及び性能を大幅に高めることができる。
【0015】
本明細書において使用されるように、Global Positioning SystemまたはGPSとは、米国が保有し、かつ運用するGNSS、または全地球測位衛星群のコンステレーションを指すことができる。主GNSS(primary GNSS)とは、例えばユーザのnavcom(ナヴコム)機器により主として使用される、または普段使用されるGNSSを指すことができる。他のGNSS(other GNSS)とは、米国以外の国または事業体が保有する、そして/または運用するGNSSを指す、またはGPS GNSS以外のGNSSを指すことができる。補助GNSS(secondary GNSS)とは、例えばユーザのnavcom機器により主として使用されることがない、または普段使用されることがないGNSSを指すことができる。Global Navigation Satellite systemまたはsystems、またはGNSSまたはGNSS’sとは、上に挙げたシステムのうちの何れかを指すことができる。
【0016】
図1は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援システム100の1つの例の模式ブロック図である。システム100は、複数の基準局102を含むことができる。各基準局102は、地球上の所定の異なる地理的位置に配置することができる。この所定の地理的位置は、概略の地理的位置である。本明細書において詳細に説明されるように、各基準局102はまた、基準局群の地理的位置に関する正確な情報またはデータを有する、または保存する。正確な地理的位置は、本明細書において説明されるように、自己測位または自己校正の結果とすることができる。
【0017】
各基準局102は、ナビゲーションデータを複数の異なる全地球航法衛星システムまたはGNSS104,106,及び108から、或いは複数のGNSS衛星コンステレーションから受信するように適合させることができる。各基準局102はまた、各異なるGNSS104,106,及び108に関するインテグリティデータ及び性能データだけでなく、本明細書において説明される補強及び支援サービスの提供に役立つ他の全てのデータ、情報、またはパラメータを監視することができる。前に説明したように、各GNSS104,106,及び108は、異なる事業体または国が保有し、そして運用する衛星群のコンステレーションとすることができ、これらの衛星は、地球を周回して、グローバル位置データ及びナビゲーションデータまたは情報をGNSS受信機、ナビゲーション機器、エンドユーザ複合ナビゲーション/通信(navcom:ナヴコム)機器などに供給する。本明細書において使用されるように、user navcom equipment(ユーザナヴコム機器)とは、何れかのこのようなGNSS受信機、ナビゲーション機器、エンドユーザ機器、またはナビゲーションデータ及び位置データまたは情報をGNSSから受信することができる同様の機器を指す。
【0018】
基準局の1つの例は、図3を参照しながら詳細に説明されることになる。簡単に説明すると、基準局102は、ナビゲーションデータ及びグローバル位置データまたは情報を含むGPS信号及び他のGNSS信号を受信する受信機110または受信機群を含むことができる。本明細書において使用されるように、navigation data or information(ナビゲーションデータまたは情報)とは、グローバル位置データまたは情報を意味することもできる、または含むこともできる。受信機110はまた、ナビゲーションデータの完全性または信頼性を検証し、そしてGNSSの性能を評価するための他の情報またはデータを受信することができる。
【0019】
基準局102はまた、インテグリティ(完全性)情報及び性能情報のような情報を送信し、そして受信する通信トランシーバ112を含むことができる。通信トランシーバ112は、インテグリティ(完全性)データ及び性能データをオペレーションセンター118にネットワーク120を介して送信することができる。ネットワーク120は、暗号化または他の技術のような適切なセキュリティ対策を使用して、送信されているデータに関する妨害または改ざんを防止するセキュアネットワークとすることができる。ネットワーク120は、通信衛星(図を分かり易くするために図1には示していない)、セルラー通信ネットワーク、インターネットまたはプライベートウェブベースネットワーク、または他の通信ネットワーク、或いはこれらの何れかの組み合わせを使用する空間ネットワークとすることができる。
【0020】
基準局102はまた、基準局102の全体動作を制御するプロセッサ114を含むことができる。本明細書において詳細に説明するように、プロセッサ114を基準局102が更に使用して、インテグリティチェックまたはインテグリティ検証を行ない、そして各異なるGNSS104,106,及び108に関するインテグリティ及び性能を監視することができる。
【0021】
基準局102はまた、各GNSS104,106,及び108に関するインテグリティ及び性能に関するデータまたは情報だけでなく、他のパラメータ及び情報を含むデータベースを格納するメモリ116を含むことができる。
【0022】
前に説明したように、システム100は更に、複数の基準局102の各基準局からネットワーク120を介して送信されるインテグリティデータ及び性能データを受信するオペレーションセンター118を含むことができる。本明細書において詳細に説明するように、オペレーションセンター118は、基準局群102の各基準局からのインテグリティデータ及び性能データを取り込み、そして分析し、そしてメッセージまたはメッセージ群を、取り込んだインテグリティデータ及び性能データの分析に基づいて生成し、そしてユーザのnavcom(ナヴコム)機器122に送信するように適合させる。当該メッセージは、navcom機器122が補強及び支援のために使用することができる情報を含むことができるので、グローバル位置情報及びナビゲーション情報をユーザに、他のGNSS群または補助GNSS群のうちの1つのGNSSからのように、全地球航法衛星システム104,106,及び108のうちの少なくとも1つの全地球航法衛星システムからnavcom機器が受信するナビゲーションデータを使用して供給することができる。システム100は、複数のオペレーションセンター118を含むことができる。これらのオペレーションセンター118は、基準局群102と同様に地理的に分散させることができ、そして選択される地理的位置に、基準局グループ群102に対して配置することにより、システム100の異なる構成要素の間の動作及び通信をより効率的に、かつより高い信頼度で行なうことができる。
【0023】
オペレーションセンター118の1つの例は、図5を参照しながら詳細に説明されることになる。しかしながら、簡単に説明すると、図1に示す例示的なオペレーションセンター118は、ナビゲーションデータ及び他の情報を含む信号をGPS衛星、主衛星、及び他のGNSS衛星または補助GNSS衛星から受信する受信機124または受信機群を含むことができる。オペレーションセンター118はまた、インテグリティデータ及び性能データを基準局群102からネットワーク120を介して受信するトランシーバ126を含むことができる。トランシーバ126または別のトランシーバは、補強情報及び支援情報を含むメッセージをユーザnavcom機器122にネットワーク120を介して、または別のセキュアネットワークを介して送信することができる。
【0024】
オペレーションセンター118はまた、オペレーションセンター118の全体動作を制御するプロセッサ128を含むことができる。プロセッサ128はまた、インテグリティデータ及び性能データを取り込み、そして分析し、そしてユーザnavcom機器122宛のメッセージを、取り込んだインテグリティデータ及び性能データの分析に基づいて生成することができる。
【0025】
オペレーションセンター118は更に、基準局群102に関連するデータ、及び全てのGPS、主GNSS衛星、及び他のGNSS衛星、または補助GNSS衛星に関連するデータ、及びインテグリティデータ及び性能データの分析に関連するデータを含むデータベースを格納するメモリ130を含むことができる。
【0026】
ユーザ機器122の1つの例は、図6を参照しながら詳細に説明されることになる。簡単に説明すると、ユーザ機器122は、ナビゲーションデータ及び他の情報をGPS衛星、または主GNSS衛星、及び他のGNSS衛星または補助GNSS衛星から受信する受信機132または受信機群を含むことができる。ユーザ機器122はまた、メッセージ群をオペレーションセンター118から受信し、そして他のデータ、音声、及び/又はビデオを送受信する通信トランシーバまたはトランシーバ群134を含むことができる。
【0027】
ユーザ機器122は更に、ユーザ機器122の全体動作を制御するプロセッサ136を含むことができる。プロセッサ136はまた、本明細書において説明される多段階インテグリティ検証、テスト、またはチェックだけでなく、ユーザの正確なグローバル位置情報及びナビゲーション情報を供給することに関連する他の動作を行なうように適合させることができる。
【0028】
ユーザ機器122はまた、ユーザ機器122が正しく動作し、そして補強及び支援をユーザに対して行なって、全地球測位及びナビゲーションを極めて正確に行なうためのデータまたはデータベースを格納するメモリ138を含むことができる。
【0029】
図2は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援方法200の1つの例のフローチャートである。方法200は、前に説明したシステム100、及びシステム100のシステム構成要素群において具体化することができ、そしてシステム100、及びシステム100のシステム構成要素群によって行なうことができる。図2の動作または機能は、システム100のようなシステムの複数の異なる構成要素によって行なうことができる。従って、図2のフローチャートは複数の欄に分割され、各欄には、特定の欄における動作または機能を実行することができる構成要素の名前が付されている。
【0030】
ブロック204では、ナビゲーション信号をGNSS衛星206から宇宙空間に放送することができる。GNSS衛星は、米国衛星、またはGPS衛星、主衛星、または別のGNSS衛星または補助GNSS衛星とすることができる。
【0031】
ブロック208では、ナビゲーション信号を基準局210が受信することができる。基準局210が行なうとして以下に説明される動作または機能は、システム内の複数の基準局の各基準局に適用される。ブロック212では基準局210は、ナビゲーションデータを複数のGNSS衛星から所定期間に亘って収集することができる。ブロック214では、局所ディファレンシャル補正量を基準局210によって求める、または生成することができる。局所ディファレンシャル補正量は、ブロック212において収集されるナビゲーションデータを使用して、そして基準局210の既知の地理的位置、及び基準局が静止しているという事実を利用して生成することができる。別の事業体によって普段は使用されることがない、または運用されない、或いは保有されない別のGNSSまたは補助GNSSからの信号のようなGNSS衛星信号の完全性は、基準局群210が静止しており、かつ所定ベクトルとして正確に判明している基準局群の位置が、衛星信号から得られる情報を使用するときの所定の許容誤差閾値を上回ることにより違反になる場合に、疑わしくなると考えられる。
【0032】
ブロック216では、基準局210は、局所的なインテグリティ検証、テスト、またはチェックを行なって、GNSS206から受信するナビゲーション信号またはデータの信憑性または信頼性を検証することができる。インテグリティ検証を行なう方法の1つの例について、図4を参照しながら詳細に説明する。ブロック218では、インテグリティデータ及び性能データをオペレーションセンター220に送信することができる。データまたはメッセージ222は、前に説明したネットワークと同様の通信ネットワーク224を介して送信することができる。データまたはメッセージ222は、暗号化のような適切なセキュリティ対策を用いて送信することにより、セキュアネットワークを実現することができる、または当該ネットワークは、他の手段によって安全性を確保することにより、データまたはメッセージ222に対する改ざん、または妨害を防止することができる。
【0033】
ブロック226では、オペレーションセンター220は、データを、複数の 基準局210の各基準局から収集することができる。ブロック228では、オペレーションセンターは、収集したインテグリティ情報を組み合わせることができ、そして別のグローバルインテグリティ検証またはチェックを、基準局群210の全てから取り込んだデータを使用して行なうことができる。グローバルインテグリティ検証またはインテグリティ監視の1つの例では、基準局位置が所定の値であると判明しており、かつ基準局速度がゼロであるという事実をモデル化する方程式系を使用することができる。全てのソースまたは基準局群210からの測定値群の全てを使用して、「パリティ」チェックを行なうことにより、異常測定値を、最小自乗パリティ空間(least square parity space)を使用して検出し、そして排除することができる。全てのインテグリティ問題をグローバルに検出する利点は、最良解が、入手可能な情報の全てを用いて得られることである。
【0034】
ブロック230では、オペレーションセンター220は、ディファレンシャルグローバル補正量を生成することができる。ディファレンシャルグローバル補正量の生成は、基準局210に対応するブロック214に関連して説明した生成と同様とすることができ、そして当該生成では、局所ディファレンシャル補正量を基準局210から取り込むことができる。
【0035】
ブロック232では、オペレーションセンター220は、エンドユーザnavcom機器に関する補強及び支援情報を含むメッセージまたはメッセージ群を、ブロック228におけるグローバルインテグリティ検証、及びブロック230におけるディファレンシャルグローバル補正量、及びオペレーションセンター220における他の分析に基づいて生成することができる。補強及び支援情報は、インテグリティ情報、支援情報、及びディファレンシャル補正量情報を含むことができる。インテグリティ情報は、各GNSSに対応する完全性指標または表示、特定のGNSSに関する通知または警告、または他のインテグリティ関連情報またはデータを含むことができる。支援情報は、異なるGNSSへのアクセスに関する情報、何れのGNSSを使用するかに関する嗜好、最初にフィックス解を得るために要する時間などを含むことができる。ディファレンシャル補正量は、特定のGNSSから受信するナビゲーションデータを正しく使用するためのユーザnavicom機器に関する設定情報または調整情報を含むことができる。
【0036】
ブロック234では、メッセージ236またはメッセージ群をユーザnavicom機器238に通信ネットワーク239を介して放送することができる。通信ネットワーク239は、通信ネットワーク224と同じとすることができる、または異なる通信ネットワークとすることができる。適切なセキュリティ対策を用いて、セキュアネットワークを実現することができる。例えば、メッセージ236を暗号化することができる、または他のセキュリティ技術を施すことができる。
【0037】
ブロック240では、メッセージ236またはメッセージ群をユーザ機器238が受信することができる。ブロック242では、ユーザ機器242は更に、ナビゲーションデータまたはナビゲーション信号を含むGPS信号を、ユーザ機器238が主として、または普段使用する主GNSSから受信することができる。ブロック244では、ユーザ機器238は、GNSS信号を別のGNSS、または補助GNSS206から受信することができる。他のGNSS、または補助GNSS206からのGNSS信号は、ユーザ機器238が所定の状態において使用することができる。このような所定の状態の例では、1つのGNSSからのナビゲーションデータが壊れて、少なくとも1つの他のGNSSからのナビゲーションデータを使用して都市の谷間においてナビゲートされ、そして位置判定する必要がある環境において、または補強及び支援が利点をもたらす他の状況または環境において性能を向上させることができる。
【0038】
ブロック246では、ナビゲーションデータを、オペレータセンター220からのメッセージ236で受信されるインテグリティ情報を使用してスクリーニングすることができる。ブロック248では、メッセージ236またはメッセージ群に含まれる全ての支援情報を適用して、ユーザ機器238を支援することにより、ユーザ機器238がグローバル位置情報及びナビゲーション情報をユーザに供給し易くすることができる。
【0039】
ブロック250では、全てのディファレンシャル補正量をナビゲーションデータに、オペレータセンター220からのメッセージ236またはメッセージ群に含まれる情報に基づいて適用することができる。ブロック252では、ナビゲーション解またはグローバル位置を求めることができる。ナビゲーション解の計算では、公知の技術を使用する幾つかの異なるGNSSシステムからの擬似距離測定値及び搬送波位相測定値のような測定値を使用することができる。
【0040】
図3は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムにおいて使用することができる基準局300の1つの例の模式ブロック図である。基準局300は、図1の基準局群102の代わりに使用することができる。図2の基準局210の動作は、基準局300において具体化することができ、そして基準局300によって行なうことができる。基準局300は、ナビゲーションデータを複数の異なるGNSSの各GNSSから受信する1つ以上の受信機302を含むことができる。例えば、基準局300は、ナビゲーションデータ及びグローバル位置データを米国GPS衛星コンステレーションまたは主GNSSから受信するGPS受信機または主受信機を含むことができる。基準局300は更に、ナビゲーション信号及びグローバル位置信号を、ロシアGlonass(グロナス)GNSS、欧州Gallileo(ガリレオ)GNSS、または中国Compass(コンパス)GNSSのような他のGNSSまたは補助GNSSから受信する1つ以上の他のGNSS受信機または補助GNSS受信機を含むことができる。
【0041】
基準局300は更に、1つ以上の受信機302が複数の異なるGNSSから受信するナビゲーションデータを処理するプロセッサ304を含むことができる。プロセッサ304は、GPS衛星または主衛星から受信するGPS信号または主GNSS信号、及びナビゲーションデータを処理するモジュール306と、そして他のGNSS衛星または補助GNSS衛星からの信号及びナビゲーションデータを処理するモジュール308と、を含むことができる。
【0042】
プロセッサ304は、各異なるGNSSのインテグリティデータ及び性能データを監視し、そして各GNSSに対応するディファレンシャル補正量を生成するように適合させる、またはプログラムすることができる。インテグリティデータ、性能データ、ディファレンシャル補正量データだけでなく、本明細書において説明される補強及び支援サービスを提供するために使用することができる他の情報は、メモリ310に保存することができる。メモリ310は、補強及び支援のためにエンドユーザ機器によって使用することができる異なるデータ及び情報を含むデータベースを維持し、そして格納することができる。
【0043】
基準局300は更に、インテグリティデータ及び性能データ、ディファレンシャル補正量データだけでなく、本明細書において説明される補強及び支援サービスを提供するために有用となり得る他の情報を、図1のオペレーションセンター118、及び図2のオペレーションセンター220のようなオペレーションセンターに送信する通信トランシーバ312を含むことができる。プロセッサ304は、インテグリティデータ及び性能データ、ディファレンシャル補正量データ、及び他の情報を暗号化して、セキュア送信を、図1のネットワーク120のような通信ネットワークを介して行なうように適合させることができる。
【0044】
基準局300は更に、複数のモードのうちの1つのモードで選択的に動作するように適合させることができる。例えば、これらのモードは、必ずしもこれらには限定されないが、自己測位及び自己校正モード、基準局/オペレーションセンター(reference station/operation center:RS/OC)連動測位及び校正モード、及び通常動作モードを含むことができる。プロセッサ304は、モジュール314〜318を含むことができ、これらのモジュールは、プロセッサ304上で動作して、選択することができる異なる動作モードの各動作モードを実行することができる。例えば、モジュール314は通常動作モードの場合に、プロセッサ304上で動作することができる。モジュール316は、プロセッサ304上で、RS/OC連動測位/校正モードの場合に動作することができ、そしてモジュール318は自己測位/自己校正モードの場合に、プロセッサ304上で動作することができる。通常モードで動作している基準局300は、各GNSSに対するインテグリティ監視を継続的に行なう、または補強及び支援のために現在使用されている特定の他のGNSS、または補助GNSSに対する監視を継続的に行なうように適合させる。インテグリティ監視を継続的に行なうために基準局300において使用することができるインテグリティ監視方法の1つの例について、図4を参照しながら詳細に説明する。
【0045】
モジュール316によって表わされるRS/OC連動測位及び校正モードで動作している基準局300は、各補助GNSS、または補強及び支援のために現在使用されているGNSSの擬似距離測定データ及び搬送波位相測定データを供給し、そして送信するように適合させることができる。図6を参照して詳細に説明されるように、オペレーションセンターは、別の基準局からの既に測位されている擬似距離測定データ及び搬送波位相測定データ、及びRS/OC連動測位及び校正モードで動作している現在の基準局からの擬似距離測定データ及び搬送波位相測定データを使用することにより、このモードで動作している現在の基準局の正確な位置を求めることができる。
【0046】
モジュール318によって表わされる自己測位及び自己校正モードで動作している基準局300は、受信機自律型インテグリティ監視(receiver autonomous integrity monitoring:RAIM)動作またはアルゴリズムを実行することができる。自己測位及び自己校正モードでは、基準局300は更に、他のGNSSまたは補助GNSSからのナビゲーションデータ及び他の全ての情報のインテグリティの検証を行なうことができ、そして基準局300の所在地を求めることができる。自己測位及び自己校正方法の1つの例は、図5を参照しながら詳細に説明されることになる。
【0047】
図4は、本開示の1つの実施形態によるGNSSのインテグリティを監視する方法400の1つの例のフローチャートである。方法400は、図3の基準局300の通常動作モードの場合にモジュール314において具体化することができ、そして/またはモジュール314によって行なうことができる。ブロック402では、ナビゲーションデータを別のGNSSまたは補助GNSSから受信することができる。ブロック404では、クロック推定値(または、GPS衛星からの値である場合のGPSクロック推定値)を、GPS衛星群からのGPS信号群、または主衛星群からの信号群から求めることができ、これらの主衛星は利用することができる、またはこれらの主衛星から、基準局はGPS信号群または主信号群を受信することができる。
【0048】
ブロック406では、基準局の通信範囲内の、または補強及び支援のために現在使用されているGNSS衛星またはGNSS衛星群の擬似距離は、補助GNSSから受信するナビゲーションデータ、クロック推定値(または、GPS衛星群からの値である場合のGPSクロック推定値群)、及び基準局の既知の正確な位置を使用して予測することができる。
【0049】
ブロック408では、GNSS利用可能衛星またはGNSS利用可能衛星群、または基準局の視野に現在入っており、かつ補強及び支援サービスを提供するために使用されているGNSS衛星群の擬似距離を測定することができる。
【0050】
ブロック410では、予測擬似距離を測定擬似距離と比較することにより、予測擬似距離と測定擬似距離との間に差があるかどうかを判断することができる。ブロック412では、予測擬似距離と測定擬似距離との差が、所定閾値を上回っているかどうかを判断することができる。当該差が所定閾値を上回っている場合、方法400はブロック414に進むことができる。ブロック414では、インテグリティ検証、テストまたはチェックが不合格になってインテグリティ検証不合格を示していることを通知する通知を生成し、そして/または提示することができる。他のGNSSまたは補助GNSSからのナビゲーションデータは、補強及び支援サービスの提供に使用されるためには信頼することができない。
【0051】
ブロック412において、予測擬似距離と測定擬似距離との差が所定の値を上回っていない場合、方法400はブロック416に進むことができる。ブロック416では、インテグリティ検証、テストまたはチェックが合格になって、他のGNSSまたは補助GNSSからのナビゲーションデータが、補強及び支援サービスの提供に使用されるために信頼できることを通知する通知を生成し、そして/または提示することができる。
【0052】
図5は、本開示の1つの実施形態による基準局の自己測位及び自己校正方法500の1つの例のフローチャートである。方法500は、図3のモジュール318において具体化することができ、そして/またはモジュール318によって行なうことができる。ブロック502では、GPS信号群または主信号群を、基準局の視野内の、または基準局が利用可能なGPS衛星群または主衛星群から受信することができる。ブロック504では、補助GNSS信号群を、基準局の視野内の、または基準局が利用可能な他のGNSS衛星群または補助GNSS衛星群から受信することができる。
【0053】
ブロック506では、受信機自律インテグリティ監視(RAIM)プロセスまたはアルゴリズムを、GPS受信信号及びGNSS受信信号または主GNSS受信信号及び補助GNSS受信信号を使用して実行することができる。自己測位及び自己校正モードは、P/Y−コードGPS信号及び/又はM−コードGPS信号を基準局が受信することができる場合に、GPSナビゲーションデータまたは主ナビゲーションデータのみを使用して実行することができる。
【0054】
RAIMでは、冗長GPS擬似距離測定値または冗長GNSS擬似距離測定値に関する異常(fault)を検出する。すなわち、位置フィックスを得るために必要な数よりも多くの衛星を利用することができる場合、余剰の擬似距離は全て、算出位置に一致する必要がある。予測値とは大きく異なる擬似距離(すなわち、異常値)は、関連する衛星の故障、または別の信号インテグリティ問題(すなわち、電離層散乱など)を示唆することができる。従来のRAIMでは、故障検出(FD)しか利用しないが、より新規のGPS受信機は、故障衛星排除アルゴリズム(fault detection and exclusion:FDE)を用いることができ、この故障衛星排除アルゴリズムによって、これらの受信機は、GPS故障が発生している状態で動作を継続することができる。使用されるテスト統計は、擬似距離測定値残差(予測測定値と観測測定値との差)、及び冗長度の関数である。テスト統計は閾値と比較され、この閾値は、偽アラーム(Pfa)の確率、及び検出漏れ(Pmd)の確率に関する要求に基づいて決定される。
【0055】
ブロック508では、ナビゲーションデータの完全性は、基準局の既知の地理的位置、及び基準局が移動していない、または静止している事実に基づいて確認することができる。
【0056】
ブロック510では、基準局の地理的位置は、GPSナビゲーションデータまたは所定の期間に亘って収集される主ナビゲーションデータを使用して、かつGPS利用測位技術を使用して求めることができる。GPS利用測位技術は公知であり、例えば簡易最小二乗法を使用することができ、これにより、基準局位置、受信機クロックバイアス、及びクロックレート誤差を、或る期間に亘って受信する測定値によって求めることができる。
【0057】
ブロック512では、受信しているナビゲーション信号群の予測精度を求めることができる。例えば、予測精度は、受信ナビゲーション信号群に関連する誤差群の共分散行列を使用して求めることができる。共分散行列は、誤差群の「共分散」及び「相関」を特徴量とする。当該行列の対角要素はベクトルの誤差群の各誤差の共分散である。共分散が大きくなると、誤差が変化する可能性が高くなり、その結果、誤差が大きくなることを意味する。より多くの測定値を時間の経過とともに受信すると、誤差に関する情報がより詳細になり、その結果、共分散がより小さくなる。受信しているナビゲーション信号群の予測精度、及び基準局の位置は、自己測位及び自己校正モードで継続的に更新することができるので、誤差群の共分散が十分小さくなると通常動作モードへの切り替えが可能になる。
【0058】
図6は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムにおいて使用することができるオペレーションセンター600の1つの例の模式ブロック図である。オペレーションセンター600は、図1のオペレーションセンター118の代わりに使用することができ、そして図2のオペレーションセンター220の動作または機能は、オペレーションセンター600において具体化することができる、またはオペレーションセンター600によって行なうことができる。オペレーションセンター600は、GNSS信号群を受信する受信機602または受信機群を含むことができ、これらのGNSS信号は、GPS信号群または主GNSSからの信号群、及び他のGNSSまたは補助GNSSからの信号群を含むことができる。オペレーションセンター600は更に、信号群及び/又はメッセージ群を本明細書に記載される基準局群及びユーザnavcom機器との間で送受信する通信トランシーバ604または通信トランシーバ群を含むことができる。
【0059】
オペレーションセンター600は更に、プロセッサ606を含むことができる。プロセッサ606は、オペレーションセンター600の機能及び動作全体を制御することができる。プロセッサ606は、GPS信号群及びデータ、または主GNSSからの信号群及びデータを処理するモジュール608を含むことができる。プロセッサ606は更に、他のGNSS信号及びデータ、または補助GNSS信号及びデータを処理するモジュール610またはモジュール群を含むことができる。
【0060】
プロセッサ606は更に、複数の基準局からのインテグリティ情報を補強するモジュール612または手段を含むことができる。分析をオペレーションセンターによってインテグリティ情報に対して行なって、補強及び支援サービスを提供するために役立つ全てのパターン、傾向、または他の統計情報を求めることができる。
【0061】
プロセッサ606は更に、基準局群を、各基準局がRS/OC連動測位及び校正を行なう際に支援するモジュール614を含むことができる。これに関連して、オペレーションセンター600は、ナビゲーションデータを、新規に設置される基準局から受信することができる。オペレーションセンター600は、新規に設置される基準局からのナビゲーションデータを、既に測位及び校正されている基準局からの測定ナビゲーションデータと、ディファレンシャルGPS方式または同様の方式を使用して組み合わせることができる。ディファレンシャルGPS方式の1つの例では、擬似距離測定値の二重差、及び搬送波位相測定値の二重差を使用して、新規に設置される基準局を校正することができる。
【0062】
オペレーションセンター600は更に、メモリ616を含むことができる。メモリ616は、1つ以上のデータベースを格納することができる。1つのデータベース618には、必ずしもこれらには限定されないが、各基準局の識別情報、各基準局の位置、各基準局の校正状態及び精度、各基準局に対応するディファレンシャル補正量パラメータを含むデータを格納することができる。別のデータベース620には、GPS衛星コンステレーションまたは主衛星コンステレーションに関するデータまたは情報を格納することができる。更に別のデータベース622〜624には、他のGNSS衛星コンステレーションまたは補助GNSS衛星コンステレーションに関連するデータを格納することができる。
【0063】
図7は、本開示の1つの実施形態によるマルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムに使用することができるユーザnavcom機器700またはユーザnavcomデバイスの1つの例の模式ブロック図である。ユーザnavcom機器700はモバイル機器であり、そしてGPS受信機または主GNSS受信機、補助GNSS受信機、及び本明細書において説明されるオペレーションセンターと通信し、そして他の通信デバイスまたは機器とデータ、音声、及びビデオ通信する通信機器の組み合わせとすることができる。ユーザnavcom機器700は、図1のシステム100に使用されるモバイルユーザ機器122の代わりに使用することができる。図2のユーザ機器238に関連して説明される機能及び動作は、ユーザnavcom機器700において具体化することができる、またはユーザnavcom機器700によって行なうことができる。
【0064】
ユーザnavcom機器700は、複数の異なるGNSSからのナビゲーションデータを使用して、1つのGNSSからのナビゲーションデータが壊れている環境において、または他の或る理由により、少なくとも1つの他のグローバルナビゲーションシステムからのナビゲーションデータの使用を必要とする、または当該使用が利点をもたらす環境において性能を向上させるように適合させる。前に説明した機器と同じように、navcom機器700は更に、メッセージまたはメッセージ群をオペレーションセンターから受信するように適合させる。オペレーションセンターからのメッセージに含まれる情報は、navcom機器700が使用することができるので、少なくとも1つの他のGNSSのインテグリティ及び性能を検証することができる。
【0065】
ユーザnavcom機器700は、ナビゲーション情報及び他のデータを、複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの第1全地球航法衛星システムから受信する受信機及びアンテナ702を含むことができる。第1全地球航法衛星システムは、GPS衛星システムまたは主GNSSとすることができる。
【0066】
ユーザnavcom機器700は更に、ナビゲーション情報及び他のデータを、複数の異なるGNSSのうちの少なくとも1つの他のGNSSまたは補助GNSSから受信する1つ以上の更に別の受信機704を含むことができる。例えば、ユーザnavcom機器700は、信号群及びデータを、ロシアGlonass(グロナス)航法衛星コンステレーション、欧州Galileo(ガリレオ)GNSS、中国Compass(コンパス)GNSS、及び他の何れかのGNSSから受信する受信機群及び関連するアンテナ群を含むことができる。別の実施形態では、ユーザnavcom機器700は、信号群及びデータを、複数の異なるGNSSから受信するように適合させた単一の受信機、及び関連するアンテナを含むことができる。
【0067】
ユーザnavcom機器700は更に、メッセージまたはメッセージ群を、前に説明したオペレーションセンターと同様のオペレーションセンターから受信する通信トランシーバ708を含むことができる。当該メッセージは、補強及び支援情報を含むことができ、この情報をユーザnavcom機器700が使用することにより、グローバル位置情報及びナビゲーション情報をユーザに、少なくとも1つの他のGNSSまたは補助GNSSからのナビゲーションデータを使用して供給する。トランシーバ708は、他のデータ、音声、またはビデオ通信にも使用することができる、またはユーザnavcom機器は、このような通信を行なう1つ以上の他のトランシーバを含むことができる。
【0068】
前に説明したように、ユーザnavcom機器700がオペレーションセンターから受信する補強及び支援情報は、オペレーションセンターが複数の基準局の各基準局から収集したインテグリティデータ及び性能データから生成することができる。各基準局は、ナビゲーションデータを複数の異なるGNSSから受信し、そして各異なるGNSSまたは補助GNSSに関するインテグリティデータ及び性能データを監視するように適合させることができる。
【0069】
ユーザnavcom機器700は更に、インテグリティ及び性能に関するデータ、及び補強及び支援に使用される他の情報を含むデータベースを格納するメモリ710を含むことができ、他の情報として、これらには限定されないが、航法衛星群の取得及び追尾支援、異なるGNSS及び関連する衛星群に対応するディファレンシャル補正量、及び他のデータを挙げることができる。
【0070】
ユーザnavcom機器700は更に、プロセッサ712を含むことができる。プロセッサ712は、ユーザnavcom機器700の動作全体を制御することができる。例えば、プロセッサ712は、プロセッサ712上で動作して、GPS信号群及びデータ、または主GNSSからの信号群及びデータを処理することができるモジュール714と、そしてプロセッサ712上で動作して、他のGNSS信号群、または補助GNSS信号群及びデータを処理することができるモジュール716と、を含むことができる。
【0071】
ユーザnavcom機器700は更に、プロセッサ712上で動作して、GNSS群の各GNSSからの、または補強及び支援のために現在使用されているGNSSからのナビゲーションデータに関する多段階インテグリティ検証、テスト、またはチェックを行なうモジュール718を含むことができる。多段階インテグリティ検証は、第1段階インテグリティ検証720を含むことができ、第1段階インテグリティ検証720では、第1インテグリティ指数を、GNSSのインテグリティ及び性能に関するオペレーションセンターからのメッセージまたはメッセージ群から求めることができる。第2段階インテグリティ検証722では、第2インテグリティ指数を、RAIMプロセスまたはアルゴリズムを使用して求めることができる。第3段階インテグリティ検証724では、第3インテグリティ指数を、センサ統合(multi−sensor integration)を使用して求めることができる。センサ統合を使用する1つの例では、カルマンフィルタの観測残差(Kalman Filter Residuals)、または残差による同様の方式を使用することができる。カルマンフィルタリングは、複数のソース(複数のセンサのような)からの測定値を組み合わせる(または、融合する)ために使用することができる方式である。カルマンフィルタでは、複数のソースからの測定値または情報を使用して、新規の測定値がどのような値になるのかを予測する。次に、新規の実際の測定値を、予測される測定値と比較する。測定された測定値と予測される測定値との差が、カルマンフィルタの観測残差として知られる(「innovation(イノベーション)」としても知られる)。更に、「共分散情報」に基づいて、「残差」がどの位大きな変動を持ち得るかについて予測を行なう。実際の残差値が、予測変動範囲を大幅に超える場合、これらの測定値が壊れていると疑われ、そしてこれによって、検出の問題またはインテグリティ問題が生じる。
【0072】
更に別の実施形態が、以下に示すように更に権利請求される。
【0073】
A10.マルチコンステレーション補強及び支援用ユーザnavcom機器であって:
ナビゲーション情報を、複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの第1全地球航法衛星システムから受信し、そしてナビゲーション情報を、前記複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムから受信する少なくとも1つの受信機と;
メッセージをオペレーションセンターから受信するトランシーバと、を備え、前記メッセージは、補強及び支援情報を含み、該補強及び支援情報を前記navcom機器が使用することにより、グローバル位置情報及びナビゲーション情報をユーザに、前記少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータを使用して供給する、ユーザnavcom機器。
【0074】
A11.前記オペレーションセンターから受信する前記補強及び支援情報は、前記オペレーションセンターが複数の基準局の各基準局から収集するインテグリティデータ及び性能データから生成され、各基準局は、ナビゲーションデータを前記複数の異なる全地球航法衛星システムから受信し、そしてインテグリティデータ及び性能データから生成され、各基準局は、ナビゲーションデータを前記複数の異なる全地球航法衛星システムから受信し、そして各異なる全地球航法衛星システムに関するインテグリティデータ及び性能データを監視するように適合させる、請求項A10に記載のユーザnavcom機器。
【0075】
A12.更に、前記少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムからの前記ナビゲーションデータに関する多段階インテグリティ検証を行なうモジュールを備える、請求項A10に記載のユーザnavcom機器。
【0076】
A13.前記多段階インテグリティ検証は:
第1インテグリティ指数を、前記オペレーションセンターからの前記メッセージ群から求める第1段階インテグリティ検証と;
第2インテグリティ指数を受信機自律インテグリティ監視アルゴリズムから求める第2段階インテグリティ検証と;
第3インテグリティ指数を、センサ統合を使用して求める第3段階インテグリティ検証と、
を含む、請求項A12に記載のユーザnavcom機器。
また、別の実施形態が以下に示すように更に権利請求される。
【0077】
A20.マルチコンステレーションGNSS補強及び支援方法であって:
ナビゲーション情報を、複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの第1全地球航法衛星システムから受信するステップと;
ナビゲーション情報を、前記複数の異なる全地球航法衛星システムのうちの少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムから受信するステップと;
メッセージをオペレーションセンターから受信するステップであって、前記メッセージが、補強及び支援情報を含み、該補強及び支援情報をnavcom機器が使用することにより、グローバル位置情報及びナビゲーション情報をユーザに、前記少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータを使用して供給する、前記受信するステップと、を含み、前記オペレーションセンターから受信する前記補強及び支援情報は、前記オペレーションセンターが複数の基準局の各基準局から収集するインテグリティデータ及び性能データから生成され、各基準局は、ナビゲーションデータを前記複数の異なる全地球航法衛星システムから受信し、そしてインテグリティデータ及び性能データから生成され、各基準局は、ナビゲーションデータを前記複数の異なる全地球航法衛星システムから受信し、そして各異なる全地球航法衛星システムに関するインテグリティデータ及び性能データを監視するように適合させる、方法。
【0078】
特定の実施形態を本明細書において例示し、そして説明してきたが、この技術分野の当業者であれば、同じ目的を達成するために想定される全ての構成を、提示されるこれらの特定の実施形態の代わりに用いることができ、そして本明細書におけるこれらの実施形態は、他の用途を他の環境において有することができることを理解できるであろう。本出願は、本開示の如何なる適応形態または変更形態も包含するものである。以下の請求項は決して、本開示の範囲を本明細書において説明される特定の実施形態に限定するものではない。
【0079】
これらの図におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の種々の実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この点に関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定論理機能(群)を実行する1つ以上の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、または一部を表わすことができる。また、幾つかの別の実施形態では、ブロックに記載される機能群は、これらの図に説明される順番とは異なる順番で実行することができることに留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは実際には、略同時に実行することができる、またはこれらのブロックは、実行される機能によって異なるが、逆の順番で実行することができる場合がある。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート図のブロック群の組み合わせは、特定用途向けハードウェア系システム、または指定される機能または作用を実行するハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントの組み合わせ、或いは特定用途向けハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実行することができることに留意されたい。
【0080】
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態について記述するためにのみ用いられるのであり、本開示を限定するために用いられるのではない。本明細書において使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、本文中に明確にそうではないことが指示されていない限り、複数形も含むように用いられる。更に、「comprises」及び/又は「comprising」という用語は、本明細書において使用される場合には、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を指定し、かつ1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はこれらのグループの存在または追加を排除しないことを理解されたい。
【0081】
以下の請求項における全ての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、作用、及び均等物は、機能を、具体的に請求される他の請求要素と組み合わせて実行する如何なる構造、材料、または作用も含むものである。本開示の記載は、例示及び説明のためにのみ提示されており、網羅的に提示されるのではない、または開示される形態の開示内容に限定されるものではない。多くの変形及び変更は、この技術分野の当業者であれば、本開示の範囲及び思想から逸脱しない範囲で想到し得るであろう。実施形態は、本開示及び実際の応用形態の原理を最良に説明するために、かつこの技術分野の当業者が、種々の実施形態に、想定される特定の用途に適合するように種々の変形を加えた場合の開示内容を理解することができるように選択され、そして記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコンステレーションGNSS補強及び支援システムであって:
複数の基準局であって、ナビゲーションデータを複数の異なる全地球航法衛星システムから受信し、そして各異なる全地球航法衛星システムに関するインテグリティデータ及び性能データを監視するように、各々適合された、複数の基準局と;
複数の基準局の各基準局から送信されるインテグリティデータ及び性能データを受信するオペレーションセンターと;
オペレーションセンターからのメッセージを、ユーザのnavcom機器に送信してnavcom機器を補強し、そして支援する通信ネットワークと
を備える、システム。
【請求項2】
オペレーションセンターは、各基準局からのインテグリティデータ及び性能データを取り込み、分析し、そしてメッセージを、取り込んだインテグリティデータ及び性能データの分析に基づいて生成し、そしてユーザのnavcom機器に送信するように適合させ、メッセージは、navcom機器が補強及び支援のために使用することができる情報を含むことにより、グローバル位置情報及びナビゲーション情報を、navcom機器が全地球航法衛星システムのうちの少なくとも1つの全地球航法衛星システムから受信するナビゲーションデータを使用してユーザに供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
navcom機器は、複数の異なる全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータを使用して、1つの全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータが壊れ、少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータを使用する必要がある環境において、性能を向上させるように適合されており、オペレーションセンターからのメッセージ内の情報は、少なくとも1つの他の全地球航法衛星システムのインテグリティ及び性能を検証するために使用することができる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
基準局は:
ナビゲーションデータを複数の異なる全地球航法衛星システムの各全地球航法衛星システムから受信する1つ以上の受信機と;
複数の異なる全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータを処理することにより、各異なる全地球航法衛星システムのインテグリティデータ及び性能データを監視し、そしてディファレンシャル補正量を生成するプロセッサ、またはハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントの組み合わせと;
インテグリティデータ及び性能データ、及びディファレンシャル補正量をオペレーションセンターに送信する通信トランシーバと
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
基準局は、自己測位及び自己校正モード、RS/OC連動測位及び校正モード、及び通常動作モードを含む複数のモードのうちの1つのモードで選択的に動作するように適合される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
自己測位及び自己校正モードで動作している基準局は:
受信機自律インテグリティ監視を実行し;
既知であり、かつ静止している基準局の位置に基づいて、ナビゲーションデータの完全性を確認し;
所定期間に亘って収集されるナビゲーションデータを使用して、基準局の位置を求め;そして
受信されている複数のナビゲーション信号の予測精度を求めるように適合され、基準局の位置、及び受信されているナビゲーション信号群の予測精度は、自己測位及び自己校正モードで継続的に更新されて、通常動作モードへの切り替えが可能になる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
RS/OC連動測位及び校正モードで動作している基準局は、全地球航法衛星システムの擬似距離測定データ及び搬送波位相測定データをオペレーションセンターに供給するように適合させ、オペレーションセンターは、既に測位されている別の基準局からの擬似距離測定データ及び搬送波位相測定データ、及びRS/OC連動測位及び校正モードで動作している基準局からの擬似距離測定データ及び搬送波位相測定データを使用して、基準局の位置を求める、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
通常動作モードで動作している基準局は、使用している全地球航法衛星システムに対するインテグリティ監視を継続的に行うように適合され、インテグリティ監視を継続的に行うステップでは:
現在使用している全地球航法衛星システムの擬似距離を予測し、擬似距離は、現在使用している全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータ、基準局の既知の位置、及び別の全地球航法衛星システムからのクロック推定値を使用して予測され;
予測擬似距離を、現在使用している全地球航法衛星システムの測定擬似距離と比較することにより、全ての差を求め;
差が所定閾値を超えるとインテグリティ問題が生じるかどうかを判断する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
オペレーションセンターは:
各基準局のRS/OC連動測位及び校正が行われる際に、基準局を支援するモジュールを備え、オペレーションセンターは:
ナビゲーションデータを、新規に設置される基準局から受信し;
新規に設置される基準局からのナビゲーションデータを、既に測位及び校正されている基準局からの測定ナビゲーションデータと、ディファレンシャル測位法を使用して組み合わせ、ディファレンシャル測位法では、擬似距離測定値の2重差分、及び搬送波位相測定値の2重差分を使用し;そして
オペレーションセンターは更に、各基準局の識別情報、各基準局の位置、各基準局の校正状態及び精度、各基準局に対応するディファレンシャル補正量パラメータ、及び各全地球航法衛星システムに関する情報を含むデータベースを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
マルチコンステレーションGNSS補強及び支援方法であって:
全地球航法衛星システムからのインテグリティデータ及び性能データを複数の基準局によって監視するステップと;
インテグリティデータ及び性能データを複数の基準局の各基準局からオペレーションセンターに送信するステップと;
各基準局からのインテグリティデータ及び性能データをオペレーションセンターによって取り込み、そして分析するステップと;
メッセージを、インテグリティデータ及び性能データの分析に基づいて生成するステップであって、メッセージが、ユーザのnavcom機器が補強及び支援のために使用することができる情報を含むことにより、グローバル位置情報及びナビゲーション情報を、navcom機器が全地球航法衛星システムから受信するナビゲーションデータを使用してユーザに供給する、メッセージを生成するステップと;
メッセージを、ユーザのnavcom機器に送信するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
更に、別の全地球航法衛星システムからのナビゲーションデータをユーザのnavcom機器が使用するステップを含み、他の全地球航法衛星システムは、所定の状態になっているnavcom機器によって使用される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
更に:
基準局が受信するナビゲーションデータ、及び基準局の既知の地理的位置を使用して、各基準局によって局所ディファレンシャル補正量を生成するステップと;
全地球航法衛星システムから受信するナビゲーションデータの完全性を各基準局によって判断するステップと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ナビゲーションデータの完全性を各基準局によって判断するステップは:
ナビゲーションデータを全地球航法衛星システムから受信するステップと;
クロック推定値を別の全地球航法衛星システムから求めるステップと;
全地球航法衛星システムの擬似距離を、全地球航法衛星システムから受信するナビゲーションデータ、及びクロック推定値、及び基準局の既知の位置を使用して予測するステップと;
全地球航法衛星システムの擬似距離を測定するステップと;
全地球航法衛星システムの予測擬似距離を測定擬似距離と比較して全ての差を求めるステップと;
インテグリティ検証不合格の通知を、差が所定閾値を超える場合に提示するステップと;
インテグリティ検証合格の通知を、差が所定閾値を超えない場合に提示するステップと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
更に:
各基準局を測位し、そして校正するステップを含み、各基準局を測位し、そして校正するステップは:
全地球航法衛星システムに対応する擬似距離測定値及び搬送波位相測定値を、新規に設置されている基準局によって、オペレーションセンターに送信するステップと;
既に測位及び校正されている基準局であって、新規に設置されている基準局に近接する基準局からの擬似距離測定値及び搬送波位相測定値を測定して、新規に設置されている基準局の地理的位置を求めるステップと;
新規に設置されている基準局からの測定値を、既に測位及び校正されている基準局からの測定値と組み合わせて、新規に設置されている基準局の正確な位置を求め、そして新規に設置されている基準局を測位し、校正するステップと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
更に、ディファレンシャル測位法を使用して、新規に設置されている基準局の測定値、及び既に測位及び校正されている基準局の測定値を組み合わせるステップを含み、ディファレンシャル測位法を使用するステップでは、擬似距離測定値の2重差分、及び搬送波位相測定値の2重差分を使用する、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−518249(P2013−518249A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549995(P2012−549995)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/061646
【国際公開番号】WO2011/093964
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】