説明

マルチコンパートメントパッケージ

本発明の様々な局面は、以下を有するパッケージを提供する;外殻;外殻によって少なくとも部分的に規定される第一チャンバー;外殻によって少なくとも部分的に規定される第二チャンバー;第一チャンバーと第二チャンバーとを隔てる流体密で破裂可能なシール;および、第一チャンバーと通じる密閉された流出口。第二チャンバーに力が加えられると、破裂可能なシールは外殻より容易に破裂する。チャンバーのうちの少なくとも1つは少なくとも1つの活性薬剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチコンパートメントパッケージに関する。パッケージは少なくとも1つの活性な薬剤を含む。
【背景技術】
【0002】
薬物送達容器は先行技術において公知である。特定の活性な薬剤は反応性が高く、非常に不安定であり得、すなわち液体形態で保存される場合、時間がたつと効力を失い得る。これらの活性な薬剤は、粉末または顆粒の形態(例えば、凍結乾燥された形態)で保存され得、使用前に希釈剤にさらされ得る。上記希釈剤は、粉末状の活性な薬剤と混合され得、活性な薬剤を再形成し、流動可能形態で送達可能な活性な薬剤を獲得し得る。そのような活性な薬剤の粉末成分および液体成分は、別々の容器で輸送され、保管されなければならないが、両方の成分を使いやすいパッケージで貯蔵することが所望される。
【0003】
特定の薬物(例えば、酸素に敏感なまたは細胞傷害性の活性な薬剤)をマルチコンパートメントパッケージ中で輸送することもまた所望され得る。都合の良いことに、マルチコンパートメントパッケージ中のそのような活性な薬剤は、使用前に希釈剤と混合され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本発明の様々な局面において、以下を有するマルチコンパートメントパッケージが提供される:外殻;外殻によって少なくとも部分的に規定される第一チャンバー;外殻によって少なくとも部分的に規定される第二チャンバー;第一チャンバーと第二チャンバーとを隔てる流体密で破裂可能なシール;ならびに、第一チャンバーと通じる密閉された流出口。上記チャンバーの少なくとも一方は、少なくとも1つの活性な薬剤を含む。第二チャンバーに力が加えられると、破裂可能なシールが外殻より容易に破裂する。粉末状または顆粒の形態において、湿気に敏感、光に敏感、酸素に敏感、および/または細胞傷害性である活性な薬剤が使用され得る。パッケージは1つのチャンバー中に希釈剤を有し得る。外殻は、上記第一チャンバーおよび/または第二チャンバーの目視検査を可能にし得る。
【0005】
上包はパッケージと共に提供され得、アセンブリを形成し得る。上包は、付加水準のパッケージの保護を提供する際、湿気バリア特性、気体バリア特性、光バリア特性、およびこれらの組み合わせを含み得る。
【0006】
本発明のさらなる局面において、第一チャンバー、第二チャンバー、および第一チャンバーと第二チャンバーとを隔てる流体密なシールを有するパッケージを含む薬物送達システムが提供され、ここで、上記シールは、力が加えられるとパッケージの他の部分より容易に破裂する。第一の活性な薬剤は、第一チャンバー中に配置され得る。第一チャンバーに配置される第一成分は、液体であっても非液体(例えば、固体(例えば、乾燥粉末(例えば、凍結乾燥された粉末または顆粒形態)))であってもよい。第二成分は第二チャンバーに配置される。第二成分は、液体であっても非液体であってもよい。適した第二成分としては、流動可能な生成物(例えば、液体)が挙げられ、活性な薬剤を含み得る。上記液体は、溶液または懸濁液であり得る。上記シールは、第一成分と第二成分とを接触させ、混合させて、投与可能な活性な薬剤を形成するために使用する際に破裂を引き起こされ得る。
【0007】
本発明のさらなる局面において、第一チャンバー、第二チャンバー、および上記第一チャンバーと上記第二チャンバーとを隔てる流体密なシールを有するパッケージを含む薬物送達システムが提供される。好ましくは、上記シールは力が加えられると、上記パッケージの他の部分より容易に破裂する。第一チャンバーに配置される第一成分は、液体または非液体を含み得る。第一成分は活性な薬剤を含み得る。成分のいずれかまたは両方が、液体であっても非液体であってもよい。成分のいずれかまたは両方が、溶液であっても懸濁液であってもよい。第一成分もしくは第二成分、またはその両方が、1つ以上の活性な薬剤を含み得る。成分のいずれかは、粉末、顆粒、フィルム、ビーズ、ウェファー、およびこれらの内2つ以上の組み合わせであり得る。都合のよいことに、少なくとも1つの細胞傷害性、湿気に敏感、または酸素に敏感である活性な薬剤が、希釈剤と共に同じパッケージ中に含まれ得る。
【0008】
本発明の他の実施形態は、以下を含むマルチコンパートメントパッケージを提供する:外殻;外殻によって少なくとも部分的に規定される第一チャンバー(ここで、第一チャンバーは非液体(例えば、固体)を含む);外殻によって少なくとも部分的に規定される第二チャンバー;および、第一チャンバーと第二チャンバーとを隔てる流体密で破裂可能なシール。密閉された流出口は第一チャンバーと通じ得る。
【0009】
様々な実施形態において、第二チャンバーは液体を含む。各チャンバーは少なくとも1つの活性な薬剤を含み得る。少なくとも1つの活性な薬剤は細胞傷害性薬剤を含み得るか、または少なくとも1つの活性な薬剤は光に敏感であるか、湿気に敏感であるか、酸素に敏感であるか、もしくは反応性が高いか、または2つ以上の組み合わせであり得る。少なくとも1つの活性な薬剤は、他の賦形剤または他の活性な薬剤と非常に反応性であり得る。
【0010】
他の実施形態は、以下を含むマルチコンパートメントパッケージを提供する:外殻;外殻によって少なくとも部分的に規定される第一チャンバー(ここで、第一チャンバーは非液体(例えば、固体)を含む);外殻によって少なくとも部分的に規定される第二チャンバー(ここで、第二チャンバーは液体を含む);ここで、各チャンバーは少なくとも1つの活性な薬剤を含む;第一チャンバーと第二チャンバーとを隔てる流体密で破裂可能なシール;および、第一チャンバーと通じる密閉された流出口、ここで第二チャンバーに力が加えられると、上記破裂可能なシールは上記外殻より容易に破裂する。
【0011】
使用の際、上記2つのチャンバーの内容物を隔てるシールは破裂させられ得、粉末状の活性な薬剤と希釈剤とを混合し、活性な薬剤の再形成を引き起こすことを可能にし得る。次いで、再形成された活性な薬剤は流出口を通して投与され得る。
【0012】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の詳細な説明および添付した図面の検討を通してより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の様々な実施形態に従って形成されるパッケージの平面図である。
【図2】図2は、パッケージの流出口のためのシールとしてのストッパーを描く。
【図3】図3は、本発明の様々な実施形態に従ってパッケージを形成するのに使用可能なアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
図1には、マルチコンパートメントパッケージ10が描かれる。パッケージ10は、少なくとも部分的に第一チャンバー14および第二チャンバー16を規定する外殻12を含む。流体密で破裂可能なシール18は、第一チャンバー14と第二チャンバー16とを隔てる。以下でより十分に記載されるように、パッケージ10は任意の構成で提供され得、第一チャンバー14および第二チャンバー16が必要とされる大きさに作られ得る。
【0015】
第一チャンバー14と第二チャンバー16とが、薬物を2つに分けて(two−part)収容し得る。様々な実施形態において、第一チャンバー14が粉末状成分を収容すると共に、第二チャンバー16は希釈剤または流動可能形態(例えば、液体(例えば、シロップ)またはスラリー)の薬物を収容する。他の実施形態において、第一チャンバーおよび第二チャンバーは、液体成分を含む。他の実施形態において、第一チャンバーは液体成分を収容し、第二チャンバーは粉末または非液体成分を収容する。収容される成分は、活性薬剤または薬物を含んでいてもいなくてもよい。液体成分は、溶液または懸濁液を含み得る。第一チャンバー14および第二チャンバー16は、一回分の単位用量を提供するのに十分な量の薬物を2つに分けて収容する大きさに作られ得る。適切な非液体としては、固体(限定はされないが、粉末、顆粒、フィルム、ビーズ、ウェファー、およびこれらのうち2つ以上の組み合わせを含む)が挙げられる。
【0016】
多くの活性薬剤は、光、湿気、気体、または他の活性薬剤との相互作用などに対して敏感であり得る。これらの因子に対する敏感さは、上記薬剤を不安定にし、崩壊する可能性を引き起こす。本発明の様々な局面は、好都合に、1つ以上の活性薬剤(APA)の単位剤形または一回分の剤形を提供する。そのような剤形は、好都合に、薬学的生成物に対して必要とされる受容可能な内容物の均一性を変えずに送達することが可能である。別の利点は、様々な実施形態は乾燥形態、非液体形態で保管される必要がある活性薬剤を、密閉された環境の中で液体形態を用いて再形成する方法を提供することが可能であることである。この密閉された環境は、任意の構成要素(例えば、粉末または粒子)を失う(例えば、粉末が外気環境で混合される場合がその事例であり得る)可能性がより少ない。このことは、服用量の内容物の均一性が非常に重要である薬学的生成物にとって明確な利点である。上記密閉された環境は無菌であり得、その環境はさらなる利点を提供する。加えて、一部のAPAは細胞傷害性であり得る。密閉された環境でAPAを再形成することは、一部のAPAが外気環境を汚染し、そのようなAPAを必要とする患者以外の誰かによって摂取または吸入され得る可能性を低下させる。適した少なくとも1つの活性薬剤としては、限定はされないが、細胞傷害性薬剤、光に敏感である薬剤、湿気に敏感である薬剤、酸素に敏感である薬剤、反応性が高い薬剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0017】
非限定的な例として、第一チャンバー14は乾燥したモンテルカストナトリウムの顆粒状または粉末状薬物を収容し得、第二チャンバー16は液体(例えば、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスロラタジン(desloratadine)を含むシロップ)を収容する。さらなる例として、第一チャンバー14は毒性のある活性薬剤(例えば、テモゾロミド)を収容し得、第二チャンバー16は無菌液体(例えば、無菌水)を収容し得る。他の適したAPAとしては、限定はされないが、インターフェロンが挙げられる。
【0018】
当業者によって理解されるように、上記パッケージ10は追加のチャンバーを含み得、薬物を3つ以上の部分に分けて収容し得る。
【0019】
上記コンパートメントに適した液体としては、希釈剤(例えば、限定はされないが水、無菌水など)が挙げられる。液体はまた、添加剤(例えば、甘味剤、保存剤、抗酸化剤、キレート剤、増粘剤など)を含み得る。2つ以上の添加剤の組み合わせが含まれ得る。
【0020】
用意された用量の薬物の投与を可能にするために、流出口20が提供され、この流出口20は好ましくは、第一チャンバー14と通じる。流出口20は、外殻12の一部分22によって密閉され得る。弱く壊れやすいライン24は、投与のために流出口20を露出する際、部分22の分離を容易にするために提供され得る。あるいは、図2に示されるように、ストッパーまたは他の閉鎖部材26が流出口20を密閉するために提供され得る。上記他の閉鎖部材は、手で壊されるかまたは裂かれて開けられ得るように、鋭利な物体(例えば、はさみ)か、または刻み目を提供することのいずれかによって裂くことで開けられ得る。ストッパー26は、エラストマー物質または他の穴開け可能な物質で形成され得、これらの物質は、医療用注射器がそれを突き抜けて、再形成された活性薬剤を第一チャンバー14から引き出すことを可能にする。流出口20は、流出口20への物体またはデバイスの装着を可能にする装着手段を含み得る。適切な装着手段としてはルアーロックが挙げられ、ルアーロックは所望される送達デバイス(例えば、針、シリンジ、経口投薬ディスペンサー、経口定量(oral metered dose)ディスペンサーまたは経口定量アプリケーター)の装着を可能にし得る。
【0021】
流出口20は、弁(例えば、ばね弁など)を含み得る。弁を含む流出口を通して分配される、コンパートメント中に配置される液体の量は、制御され得る。好都合に、弁は、所望される用量または量がパッケージ10に装着され得る送達媒体中へ送達されるように、利用され得る。特定の用量が上記送達媒体から患者へ送達され得る。したがって、このシステムまたはパッケージは、異なる患者に対応し得る異なる投薬強度(dosing strength)に対して使用され得る。
【0022】
適した送達媒体としては、針、シリンジ、経口投薬ディスペンサー、経口定量ディスペンサーまたは経口定量アプリケーターが挙げられる。弁(例えば、ばね弁)は、特定の量または用量が送達媒体中に送達されるのを容易にし得る。送達媒体は測定用マーカーを含み得、測定用マーカーは所望される特定して計量される投薬量(specific metered dosage amount)または調整された投薬量(measured dosage amount)を測定するために利用され得る。送達媒体は、永久的に流出口へ装着され得るか、流出口に対し取り外し可能であり得る。取り外し可能な送達媒体は、適切な装着手段(例えば、ルアーロック)によってパッケージへ装着され得る。
【0023】
パッケージ10は、ブリスターパッケージまたは袋/小袋パッケージの形態で硬いパッケージまたは柔軟なパッケージとして形成され得る。当業者により理解されるように、任意の技術がパッケージ10を形成するために使用され得る。パッケージ10、特に外殻12は気体バリア特性および/または湿気バリア特性を有する物質で形成されることが好ましい。非限定的な例として、外殻12は、図3に示されるように、一緒に固定される第一シート28および第二シート30によって形成され得る。
【0024】
好ましくは、第一シート28および第二シート30は別々の位置で固定される。第一シート28および第二シート30は、任意の技術(限定はされないが、溶融および/または接着)を用いて一緒に固定され得る。第一シート28および第二シート30は、パッケージ10の全体(外殻12、第一チャンバー14、第二チャンバー16、および破裂可能なシール18を含む)を規定し得る。
【0025】
第一シート28および第二シート30のうちの1つまたはその両方が、エラストマー、熱硬化性樹脂(例えば、ポリオレフィン)、アルミニウム箔、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせの単一層または積層構造から形成され得る。上記シートは、耐湿気バリア、耐気体バリア、耐光バリア(例えば、光に敏感な活性薬剤生成物を保存するため)、耐臭気バリア、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含むバリア少なくとも1つと共に形成され得る。適した物質としては、環状オレフィンコポリマー、エチルビニルアセテート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ塩化ビニル、アルミニウム箔、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。第一シート28および第二シート30は、同じ物質で形成されても異なる物質で形成されてもよい。第一シート28および第二シート30のうちの少なくとも1つは透明に形成され、第一チャンバー14および/または第二チャンバー16の目視検査を可能にすることが好ましい。さらに、パッケージ10を形成する全ての物質は滅菌され得る。
【0026】
図1に関して、パッケージ10の追加の保護として、パッケージ10の全体を包むように形成された袋または折られたシートであり得る上包32が提供され得る。上包32は、耐湿気バリア、耐気体バリア、耐光バリア(例えば、光に敏感な活性薬剤生成物を保存するため)、耐臭気バリア、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含むバリア少なくとも1つと共に形成され得る。上記バリアは、第一シート28および第二シート30について上で言及されたのと同じ物質で形成され得る。上記上包は、抗酸化剤、臭気吸収剤、吸湿剤、オフガス吸収剤、相対湿度レベル維持材料(relative humidity maintaining level material)、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含む物質を含み得る。適した物質としては、乾燥剤(例えば、シリカゲルおよび原子ふるい粒子(atomic sieve particle))が挙げられる。上包32は、その除去を容易にするために刻み目をつけられ得る。上包32は、パッケージ10の付加水準の保護を提供し、アセンブリは全体としては子供用に安全にできたパッケージと考えられるかもしれない。
【0027】
加えて、パッケージ10は第三物質36(例えば、乾燥剤または他の吸湿物質)の小包を収容するために第三チャンバー34を提供され得る。適した第三物質としては、抗酸化剤、臭気吸収剤、吸湿剤、オフガス吸収剤、相対湿度レベル維持材料、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせが挙げられる。適した第三物質は、乾燥剤(例えば、シリカゲルおよび原子ふるい粒子)を含む。乾燥剤は、任意の収容される乾燥した活性薬剤に対してさらされる湿気を最小化する際、湿気を吸収するように作用する。第三チャンバー34は、好ましくはパッケージ10の中に完全に含まれ、第一チャンバー14および第二チャンバー16から密閉されている。加えて、弱いライン38(例えば、ミシン目)がパッケージ10中に規定され得、第三チャンバー34へのアクセスおよび第三物質36の除去を可能にする。活性薬剤成分の混合前に乾燥剤を取り除くことが好まれ得る。あるいは、乾燥剤の小包はパッケージ10の外側で上包32の中に配置され得る。
【0028】
任意の公知技術を用いて、破裂可能なシール18は外殻12より容易に破裂するように形成される。例えば、破裂可能なシール18は第一シート28と第二シート30との間の結合領域として規定され得る。結合の強度レベルは、好ましくは第一シート28または第二シート30のいずれかの破裂強度未満に設定される。この様式において、第一チャンバー14および第二チャンバー16のうちの1つまたはその両方にかけられる圧力は、第一シート28および第二シート30の破裂ではなく破裂可能なシール18の破裂をもたらす。
【0029】
パッケージ10は、他の活性薬剤容器と同様の環境(例えば、冷蔵される、貯蔵寿命など)下で保管され得、輸送され得る。使用の際、パッケージ10は投与のために準備され得る。上包32および乾燥剤は最初に取り除かれ得る。その後、圧力が、破裂可能なシール18の破裂を引き起こすように第一チャンバー14および第二チャンバー16のうちの1つまたはその両方にかけられ得る。圧力は流動可能生成物(例えば、液体)を収容するチャンバー、好ましくは第二チャンバー16のみにかけられることが好ましい。流出口20のためのシールは、破裂可能なシール18が破裂している状態であっても完全な状態を維持することがさらに好ましい。この様式において、活性薬剤成分は早まって外へ漏れない。上記シール18が破裂させられると、上記2つの成分は接触し混合することが可能である。パッケージ10は混合効果を高めるために振り動かされ得る。シート28およびシート30のうちの1つまたはその両方が透明であると、上記2つの成分の混合の目視検査が可能である。十分に混合されると、乾燥した活性薬剤は再形成され、投与の準備ができた状態となる。流出口20に対するシールは取り除かれるかまたは割れ目が作られ(例えば、医療用注射器によって)、混合された液体が経口または別の方法(例えば、注射によって)で投与され得る。
【0030】
図3にて、パッケージ10を調製する代表的な方法が描かれる。この方法は、第一密閉プラテン(sealing platen)42および第二密閉プラテン44と連携するように配置される支持プラテン(support platen)40を利用する。追加の支持プラテンおよび密閉プラテンが利用され得る。第一密閉プラテン42および第二密閉プラテン44は、好ましくは第一シート28および第二シート30への異なるレベルの結合を提供するように(例えば、異なるレベルの熱、滞留時間、および/または圧力をかけることによって)構成される。パッケージ10の外縁部46は、破裂可能なシール18の破裂の閾値より高い閾値を有する高い信頼性(high integrity)のシールと共に形成されることが好ましい。第一密閉プラテン42が、第一シート28と第二シート30との間の結合が破裂可能なシール18を規定するように構成され得るのに対し、第二プラテン44は、第一シート28と第二シート30との間の結合が外縁部46を規定するように構成され得る。この配置の場合、第二プラテン44は、第一プラテン42より強い結合を規定する際、より大きい熱、より長い滞留時間、および/またはより高い圧力を提供する。破裂可能なシール18はパッケージ10の他の部分より容易に破損し得るが、破裂可能なシール18は、好ましくはそれでもなお流体密なシールを提供することが好ましい。
【0031】
上記成分は、密閉する前に第一シート28および第二シート30の中へ置かれ得る。必要に応じて、第一シート28および第二シート30は部分的に結合し得、例えば、結合の中断箇所が外縁部46に残され得、上記成分が形成された開口部(注入口20を含む)を通して充填され得る。次いで、第一シート28および第二シート30はさらに密閉され得、パッケージ10を完成させ得る。任意の公知の技術は第一シート28と第二シート30との間にあるチャンバー14、チャンバー16、チャンバー34、および注入口20を規定するために使用され得る。
【0032】
本発明の様々な実施形態の前述の記載は、本発明の様々な局面の代表的なものであり、網羅的であること、または開示される正確な形態を限定することは意図されていない。多くの改変および変化は、当業者に思い浮かび得る。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ完全に規定されるものとすることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコンパートメントパッケージであって:
外殻;
該外殻によって少なくとも部分的に規定される第一チャンバー;
該外殻によって少なくとも部分的に規定される第二チャンバーであって、ここで、該チャンバーのうちの少なくとも1つが少なくとも1つの活性薬剤を含む第二チャンバー;
該第一チャンバーと該第二チャンバーとを隔てる流体密で破裂可能なシール;および
該第一チャンバーと通じる密閉された流出口
を含み、ここで、該第二チャンバーに力が加えられると、該破裂可能なシールは該外殻より容易に破裂するパッケージ。
【請求項2】
前記流出口がストッパーで密閉される請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記流出口が前記外殻の一部分によって密閉される請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記外殻が耐湿気バリア、耐気体バリア、耐光バリア、耐臭気バリア、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのバリアを含む請求項1に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの活性薬剤がモンテルカスト、ロラタジン、デスロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、テモゾロミド、インターフェロン、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記外殻がエラストマー、熱硬化性樹脂、アルミニウム箔、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む請求項1に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記外殻がポリエチレン、ポリエステル、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ塩化ビニル、アルミニウム箔、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む請求項1に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記外殻が前記第一チャンバーおよび前記第二チャンバーの目視検査を可能する請求項1に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記パッケージが前記第一チャンバーまたは前記第二チャンバーから密閉されている第三チャンバーを含む請求項1に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記第三チャンバーが抗酸化剤、臭気吸収剤、吸湿剤、オフガス吸収剤、相対湿度レベル維持材料、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む請求項9に記載のパッケージ。
【請求項11】
弱いラインが、前記第三チャンバーへのアクセスを可能にするために前記外殻中に規定される請求項9に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記破裂可能なシールは前記流出口のシールより容易に破裂する請求項1に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記流出口がルアーロックを含む請求項1に記載のパッケージ。
【請求項14】
送達媒体が前記流出口へ接続される請求項1に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記送達媒体がルアーロックによって前記流出口へ接続される請求項1に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記送達媒体が針、シリンジ、経口投薬ディスペンサー、経口定量ディスペンサーまたは経口定量アプリケーターからなる群から選択される請求項14に記載のパッケージ。
【請求項17】
請求項1に記載のパッケージ;および
該パッケージの周りに配置される上包
を含むアセンブリ。
【請求項18】
前記上包が抗酸化剤、臭気吸収剤、吸湿剤、オフガス吸収剤、相対湿度レベル維持材料、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記上包が耐湿気バリア、耐気体バリア、耐光バリア、耐臭気バリア、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのバリアと共に形成される請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項20】
薬物送達システムであって:
第一チャンバー、第二チャンバー、および該第一チャンバーと該第二チャンバーとを隔てる流体密なシールを有するパッケージであって、該シールは、力が加えられると該パッケージの他の部分より容易に破裂するパッケージ;
該第一チャンバー中に配置される第一成分;ならびに
該第二チャンバー中に配置される第二成分
を含み、ここで少なくとも1つの成分が少なくとも1つの薬学的活性物質を含むシステム。
【請求項21】
前記第二成分が液体形態またはスラリー形態である請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第二成分が溶液または懸濁液である請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記第二成分が少なくとも1つの活性薬剤を含む請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記第一成分が少なくとも1つの活性薬剤を含む請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記第一成分が液体形態またはスラリー形態である請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記第一成分が非液体形態である請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
前記第一成分が粉末、顆粒、フィルム、ビーズ、ウェファー、およびこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される請求項20に記載のシステム。
【請求項28】
前記パッケージが前記第一チャンバーと通じる密閉された流出口をさらに含む請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記流出口がルアーロックを含む請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
送達媒体が前記流出口に接続される請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記送達媒体がルアーロックによって前記流出口へ接続される請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記送達媒体が針、シリンジ、経口投薬ディスペンサー、経口定量ディスペンサーまたは経口定量アプリケーターからなる群から選択される請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
マルチコンパートメントパッケージであって:
外殻;
該外殻によって少なくとも部分的に規定される第一チャンバーであって、ここで、該第一チャンバーは非液体を含む第一チャンバー;
該外殻によって少なくとも部分的に規定される第二チャンバーであって、ここで、該第二チャンバーは液体を含む第二チャンバー;
該第一チャンバーと該第二チャンバーとを隔てる流体密で破裂可能なシール;および
該第一チャンバーと通じる密閉された流出口
を含み、ここで、該チャンバーはそれぞれ少なくとも1つの活性薬剤を含み、該第二チャンバーに力が加えられると、該破裂可能なシールは該外殻より容易に破裂するパッケージ。
【請求項34】
前記少なくとも1つの活性薬剤が細胞傷害性薬剤、光に敏感である薬剤、湿気に敏感である薬剤、酸素に敏感である薬剤、反応性が高い薬剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項33に記載のマルチコンパートメントパッケージ。
【請求項35】
前記少なくとも1つの活性薬剤が細胞傷害性薬剤、光に敏感である薬剤、湿気に敏感である薬剤、酸素に敏感である薬剤、反応性が高い薬剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載のマルチコンパートメントパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−522677(P2010−522677A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500994(P2010−500994)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/003999
【国際公開番号】WO2008/121298
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】