説明

マルチタッチセンサの交互相補導体素子パターン

タッチセンサは、ノイズ感度を抑えて精度を向上させつつ、少なくとも2つの方向における複数同時タッチを検出することができるようにするため、実質的に凹形状の導体素子を備える。導体素子の形状は同様であり、またはセンサ領域の全体を実質的にカバーする交互相補形状である。導体素子は、タッチ領域がある素子から他の素子へ、隣接素子の中心間の直線に沿って移動するのにともなって、タッチによって覆われる領域がある素子の全体を覆っている状態から隣接する素子の全体を覆っている状態へ単調変化するように、隣接する素子と物理的に接触する。タッチ重なり領域の上記単調変化は、2つの直交する方向において同時に生じ得る。内部に位置する導体素子からタッチコントローラへの接続は、他の導体素子を通過するように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本出願は、2008年10月1日に出願された、米国仮出願第61/101,974号に関連し、その優先権を主張する。同出願の開示は、参照によって本願に組み込まれ、あらゆる目的において本願で述べられているものと同様に取り扱う。
【0002】
本発明は、タッチパッドセンサに関する。より具体的には、タッチパッドセンサ上の導体素子パターン、および上記導体素子パターンを用いてタッチ位置を判定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
近年の電子デバイスは、入力データを受け取るためのタッチセンサを備える場合がある。タッチセンサアプリケーションには様々なタイプがある。例えば、タッチセンサ、デジタイザー、タッチボタン、タッチスイッチ、タッチスクロールバー、などである。タッチセンサには様々なタイプがある。例えば、抵抗型、容量型、電磁型である。容量型タッチセンサは、通常はインジウムスズ酸化物(ITO)または銅のような導電体で被覆されている。この導電体は、センサを横切って連続電流を流させる。このセンサは、ディスプレイの水平軸と垂直軸の双方において、正確に制御された蓄積電荷を発現し、静電容量を形成する。人体もまた、蓄積電荷を有し静電容量を形成する電気デバイスである。センサの通常容量電界(基準状態)が、例えば人の指が接触したときなどのように他の容量電界によって変更されると、容量型タッチセンサは、その結果生じる基準電界特性の歪みを測定し、接触イベントについての情報を、演算処理を実施するタッチセンサコントローラに送信する。容量型タッチセンサコントローラには、様々なタイプがある。これには、シグマデルタ変調器(容量/デジタル変換器:CDCとしても知られている)、電荷移動型容量タッチセンサコントローラ、弛張発振器型容量タッチセンサコントローラ、が含まれる。
【0004】
従来のタッチセンサは、タッチセンサ上の複数のタッチを検出するため、通常は複数のITO層を必要とする。従来のタッチセンサのなかには、単一のITO層を用いるものもあるが、これはタッチセンサ上に単一のITO層が積層されている態様に起因して、2方向以上における複数の同時タッチの位置を判定することができない。
【0005】
したがって、タッチ検出センサ上のタッチ位置をより正確に判定することができるタッチセンサに対するニーズがある。同様に、タッチ検出センサの2方向に沿った複数の同時タッチの位置を判定することができるタッチセンサコントローラへのニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
センサ上のタッチ位置を判定するタッチセンサおよび方法が提供される。タッチセンサは、交互単一層相補導体素子を備える。同素子は、実質的に凹形状を有し、センサ領域を実質的に埋めて、単一のタッチによってセンサの全方向において同時に複数の導体素子に接触するように配置される。タッチ位置を正確に判定してその位置を次の処理のために記憶するためのプロセッサ回路とメモリ回路を備えたタッチセンサコントローラも提供される。タッチコントローラは、導体を有するコネクタで各導体素子に接続されている。
【0007】
本発明の実施形態に基づくタッチセンサ上のタッチ位置を判定する方法は、タッチコントローラを用いて、ユーザがセンサに触れたことによる各導体素子の静電容量の変化を測定するステップを有する。次に、隣接する導体素子のグループが、タッチコントローラの測定に基づき選択される。タッチコントローラのメモリ内に格納されている各導体素子の中心座標を用いて、上記座標の加重平均が計算される。その後、計算によって得られた、隣接する導体素子の選択グループの加重平均に基づき、タッチ位置が与えられる。
【0008】
本発明のその他の実施形態は、図面を参照しながら以下で説明する。
【0009】
本発明の実施形態の教示は、以下の詳細説明を添付する図面と併せて考慮することによって容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】タッチセンサレイアウトの平面図を示す。
【図1B】図1Aの横断線120に沿ったタッチセンサの断面図である。
【図2】従来のタッチセンサの導体素子のレイアウトを示す。
【図3】従来のタッチセンサの導体素子の他のレイアウトを示す。
【図4】本発明の実施形態に基づく、同一形状を用いたタッチセンサの導体素子のレイアウトを示す。
【図5】本発明の実施形態に基づく、交互相補形状を用いたタッチセンサの導体素子のレイアウトを示す。
【図6】本発明の実施形態に基づき、図5の導体素子の形状がどのように導かれるかを示す。
【図7】本発明の実施形態に基づき、図5の導体素子への電気接続がどのように形成されるかを示す。
【図8】本発明の実施形態に基づくタッチセンサの導体素子の物理的寸法例を示す。
【図9】本発明の実施形態に基づくタッチセンサの隣接する導体素子によって得られる重なり領域の線形変化を示す。
【図10】本発明の実施形態に基づき、図5の導体素子を用いてタッチ位置がどのように計算されるかを示す。
【図11】本発明の実施形態に基づくタッチセンサの導体素子上に形成することができる様々なタッチタイプを示す。
【図12】タッチ領域閾値Athを用いてタッチセンサ上の複数の同時タッチの位置を求めるために用いるアルゴリズムの実施形態例を示すフローチャートである。
【図13】タッチセンサ上の複数の同時タッチの位置を求めるために用いるアルゴリズムの実施形態例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面と以下の説明は、本発明の実施形態に関して説明するためにのみ提示する。以下の説明と、本開示の構造および方法の代替実施形態は、本発明の原則から逸脱することなく採用することができる代替構成に変更可能であることが容易に理解できるであろう。
【0012】
本発明の実施形態の詳細についてこれから参照する。実施例は添付する図面に記載されている。図面内で用いられている実際的に同様の参照番号は、同様の機能を示している。図面は、本発明の実施形態を説明目的のみで記載する。当業者は、以下の説明から、以下に説明する構造および方法の代替実施形態を、本発明の原則から逸脱することなく採用できることを、容易に理解するであろう。
【0013】
本発明の実施形態に基づき、タッチセンサは、単一層の相補形状導体素子を備え、これを用いて少なくとも2方向における複数の同時タッチを検出することができる。導体素子の形状は、実質的に凹形状の多角形のグループであり、互いにフィットすると、平面のタイル張りまたは「モザイク」を形成する。本発明の実施形態において、上記形状は、大きなギャップが生じず、任意のタッチ領域がタッチセンサの全ての方向において複数の素子に接触するような態様で、タッチセンサが覆われるように選択される。実施形態によっては、交互相補形状ではなく、実質的に同一の凹形状を有する導体素子からなる。相補導体素子は、タッチ領域がある素子から隣接する素子へ隣接素子の中心間の線に沿って移動するのにともなって、タッチによって覆われる領域が、ある素子の全体を実質的に覆っている状態から隣接する素子の全体を実質的に覆っている状態へ単調変化するように、隣接する素子と物理的に接する。タッチ重なり領域の上記変化は、2つの直交する方向において同時に起こり得る。内部に配置された導体素子からタッチコントローラへの接続は、他の導体素子を通過するように形成することができる。導体素子パターンは、2つの直交する方向において対称形状を形成することができる。すなわち、パターンが全ての素子(部分的に欠けた素子を除く)で形成されている場合は、パターンの特徴を変えずにパターンを90°回転することができる。実施形態によっては、導体素子のパターンは、タッチセンサの動作または特性を同一のまま維持しつつ、任意の角度で回転させることができる。
【0014】
図1Aは、タッチセンサレイアウトの平面図を示す。図1Bは、図1Aの横断線120に沿ったタッチセンサの断面図を示す。タッチセンサ100は、容量型タッチセンサであり、相互接続(配線)106を介してタッチセンサコントローラ102に接続されている。タッチセンサコントローラ102は、様々な機能を実施して、タッチを検出し、以下に説明するようにタッチセンサ100上のタッチ位置を判定する。これら機能を実施するため、コントローラ102はプロセッサ102aとメモリ102bを備えている。
【0015】
図1Bに示すように、タッチセンサ100は、透明基板または底部(ガラスまたはプラスチック)110、底部110上に積層され、通常はITO(インジウムスズ酸化物)材質または他の透明導体材質で形成された複数の導体タッチセンサ素子(または導体素子)108、導体素子透明108を覆うハードコート蓋部118を備える。導体素子108が配置される領域は、タッチセンサアクティブ領域104を形成する。各導体素子108は、電気的に配線106に接続され、その結果、電気接続またはトレース114を介してコントローラ102にも接続されている。タッチセンサアクティブ領域104外のタッチセンサ100の領域は、タッチセンサ枠116を形成する。説明目的のため、図1Aにおいてタッチセンサ100の「x」方向と「y」方向を示している。
【0016】
導体素子108のアレイは、コントローラ102が、導体素子108へのタッチに対する応答において、各導体素子108と周辺領域との間の容量変化を検出することができるようにするために用いられる。一般に、導体素子108に触れると、導体素子108と、タッチによって影響を受けた導体素子108の領域に比例する周辺領域との間の静電容量が増加する。タッチの数とタッチ位置は、各導体素子108に対応する静電容量の変化を比較することによって判定することができる。
【0017】
単一の導体層を用いるタッチセンサにおいて困難であるのは、タッチセンサアクティブ領域104の周囲に存在していない内部の導体素子に接続することである。通常、単一層のタッチセンサパターン上には、図1Aに示すように、接続112が導体素子108の間を通ってコントローラ102に接続する。しかし、この方法で内部の素子接続経路を設けると、タッチ位置の判定において重大なエラーが生じる可能性がある。これらエラーによって、タッチセンサの寸法が大きくなり、これを補償することは難しい。
【0018】
図2は、従来のタッチセンサの導体素子のレイアウトを示す。図2に示す従来のレイアウトは、正方形200形状または円250形状の導体素子のアレイを含む。しかし、図2に示す従来のレイアウトは、タッチセンサ上の複数の同時タッチの位置を正確に検出し判定することができない。
【0019】
図3は、従来のタッチセンサの導体素子の他のレイアウトを示す。2つの先細り形状の導体素子302、304タッチ素子が用いられている。図3の導体素子パターンでは、タッチ位置が移動方向308に沿って変化するのにともなうタッチ領域306の1次元線形変化(例えば、指1本による変化)と、「x」方向に直交する方向、すなわち図3の「y」方向に沿った複数の同時タッチのみの検出が可能である。したがって、図3の導体素子は2方向における複数の同時タッチを検出することができない。
【0020】
図4は、本発明に基づく実施形態例を示す。同図において、同一の実質的凹形状401を、センサ領域を横断して多数回繰り返し用いて、タッチセンサ領域のモザイクまたはタイル張りが実現されている。この実施形態において、上記形状は、四辺形状が連結して十字パターンに配置されてなる。
【0021】
図5は、本発明の実施形態に基づく、図1Aと図1Bに示したようなタッチセンサ内で利用することができるタッチセンサの導体素子のレイアウトを示す。上記レイアウトは、星形導体素子502と十字型導体素子504を含む。これら素子は、各星型素子502が4側面で十字型素子504に囲まれ、各十字形素子504が4側面で星型素子502に囲まれるように、交互に配置されている。星型素子502と十字型素子504は、互いに隣接して配置されたときメッシュ状に緊密にフィットして、素子502と素子504の間の覆われていない領域が僅かとなるような、相補形状である。換言すると、素子502と素子504は、タッチセンサの全領域を実質的に埋め、覆われていない残部が最小限となるような形状と配置を有する。導体素子の上記形状は、実質的に凹形状の多角形のグループであり、平面のタイル張りまたは「モザイク」を形成する。実質的に凹形状の多角形は、凸形状ではない多角形として定義される。凸形状の多角形とは、当該多角形の内部の任意の2点について、その2点と交わる直線部分を包含する全ての点も当該多角形の内部にあるような、多角形である。
【0022】
以下により詳しく説明するように、本発明の実施形態において用いられる交互相補星型導体素子502と十字型導体素子504は、タッチ506によって影響を受ける領域が線形変化すると、単一の導体層のみを用いて、タッチ506の位置を変化させる。星型素子502と十字型素子504は、任意の導体材質で形成することができる。この材質は、通常は単一層の銅またはITOである。また、星型素子502と十字型素子504は、略銅面積であり、したがって図9を用いて以下でより詳しく述べるように、タッチ位置の計算を簡易化することができる。
【0023】
タッチ506の総面積(「タッチ重み」とも呼ぶ)は、指や人毎に著しく異なり、同じ人であっても異なる時点または異なる状況の下では異なる場合がある。タッチ重みの普遍的な定義は、1つ/2つのタッチ判定の実施形態において用いることができるが、複数タッチを判定する必要がある場合は望ましくない。
【0024】
図6は、本発明の実施形態に基づき、図5の導体素子の形状がどのように導かれるかを示す。星型素子502と十字型素子504はともに、45°二等辺三角形600から導出することができる。図6に示すように、45°二等辺三角形600を結合してダイヤモンド形状602を形成し、2つのダイヤモンド形状素子602を直交方向に結合して、導体素子502に対応する星型形状502を得る。同様に、2つの45°二等辺三角形600を結合して形状608を形成し、2つの形状608を直交方向に結合して形状610を形成し、十字型素子504を得る。形状614を616のように切り取って、タッチ素子502と504の間の間隔を設けることができる。切り取り量は調整することができる。調整切取616を用いて、素子502と素子504がカバーする領域の僅かな差を補償し、素子502と素子504が実質的に同じ面積を有するようにすることができる。
【0025】
本発明の実施形態において、導体素子のサイズは、「通常」サイズの指(例えば成人)が任意のタッチにおいて指がいずれの位置にあっても1以上の素子を覆うように選択される。上述の実施形態例において、これは図5で説明した45°三角形のサイズを、検出する指の直径と略等しい高さを有するように定めることによって実現される。
【0026】
図7は、本発明の実施形態に基づき、図5の導体素子502と506への電気接続がどのように形成されるかを示す。図7に示すように、内部導体素子502と506からの接続は、隣接する導体素子502と506の割れ目を介して設けられ、これにより接続は導体素子を通過する。例えば、十字型素子504からの接続712は、星型素子502を通過して設けられ、十字型素子504および704と星型素子502からの接続714は、十字型素子704を通過して設けられ、これらは十字型素子704からのトレースと結合して結合接続716を形成する。導体素子を接続して他の導体素子を通過させると、タッチ位置の判定においてエラーが生じる可能性がある。しかしそのエラーは1方向のものであり、したがって容易に補償することができる。結合接続716は、コントローラ102に接続される。したがって、図7のような接続方法により、内部の導体素子502と504を使い勝手よく直接的にコントローラ102へ接続することができる。これにより、タッチセンサの精度を増すことができる。
【0027】
図8は、本発明の実施形態に基づく、タッチセンサの導体素子の物理的寸法の例を示す。星型素子502と十字型素子504はタッチセンサのエッジ部分を直線状に形成しないので、十字型素子504と星型素子502の部分領域がタッチセンサアクティブ領域104のエッジに沿って用いられ、タッチセンサアクティブ領域104の直線エッジと90°コーナー部分を形成する。例えば、導体素子802は星型素子502の右下部分に相当し、導体素子704は星型素子502の右側である。他の素子について、導体素子806は十字型素子504の右上部分であり、導体素子808は十字型素子504の右側1/2である。図8のタッチセンサは、星型素子502と十字型素子504が、素子全体または素子の一部分を互いに組み合わせて、どのように矩形を形成するかを示す例である。例として2.1インチ×2.8インチのタッチセンサアクティブ領域104を示した。
【0028】
素子502と504は、例えば直径0.5インチのディスク形状のタッチ領域506によってカバーされる領域が、タッチ領域506がある素子504から他の素子812へ中心間の線810に沿って移動するのにともなって、ある素子502の大部分を覆っている状態から隣接する素子812の大部分を覆っている状態へ単調変化するように、隣接する素子と物理的に接触する。例えば、本発明の実施形態において、重なり領域は、ある素子502の100%から隣接する素子812の100%へ、線形変化する。さらに、この接触は2つの直交する方向(通常は「x」と「y」)において同時に起こり得る。これは、図9にも示されている。同図では、タッチ領域506の移動により、「x」方向に素子906と908がカバーしているタッチ領域または「y」方向に素子906と910がカバーしているタッチ領域が覆う領域が、段階的に単調(線形)変化する。
【0029】
パターン内の隣接素子は、類似していない場合がある。すなわち、任意の素子タイプ(例えば星型素子502)は、必ずしも同じタイプの他素子と同一ではない。例えば、エッジに沿って配置されている素子は、エッジから離れて配置されている素子とは異なる場合がある。上述のように、接続114は他の素子の周囲ではなく、他の素子を通過するように形成される場合がある。図8のパターンは、パターンが全ての素子で形成されている場合(すなわち、エッジ部分で用いられるもののように欠けている素子がない)は、動作または特性を変えずに90°回転することができる、という点において、xy方向に対称である。概ね、図8のパターンを直交座標系に対して任意の角度で回転させると、タッチセンサの動作と特性は実質的に変化しない、といえる。
【0030】
図10は、本発明の実施形態に基づき、タッチ領域の位置が図5の導体素子を用いてどのように計算されるかを示す。下記表1は、図9の特定の例について計算した領域と位置を示す。
【表1】

【0031】
単一タッチ位置の計算
十字型素子1002、星型素子1004、十字型素子1006などの導体素子の中心位置は、他の素子との関連から「x」方向と「y」方向の双方において正確に知ることができる。素子「i」の「x」位置と「y」位置は、「x」「y」として表す。これらの位置は、素子「i」の中心座標に対応する。図10に示すように、タッチ領域506は3つの導体素子、すなわち素子1002、1004、1006に重なるように配置されている。タッチコントローラ102は、タッチ領域506と素子「i」の間の素子「i」上の相対重なりaを、素子「i」の静電容量の増加として測定する。タッチ506の「x」位置と「y」位置は、下記式によって与えられる。
【数1】

【0032】
例えば、図10に示すように、素子1002、1004、1006の位置はそれぞれxy軸上で(2,2)、(2,1)、(3,1)である。素子1002、1004、1006についてのタッチ領域506の重なり部分の相対領域aは、コントローラ102によって静電容量の増加として判定され、それぞれ6、10、3である。したがって、図10に示すように、タッチ506の位置(x,y)は、式1を用いて以下のように計算される。
【数2】

【数3】

【0033】
したがって、タッチ506の位置は、およそ(2.16,1.32)となる。十字型素子1002と1006の領域は、星型素子1004と比較して小さいので、若干調整することができる。線形変化する座標を得る方法に関しては、2つの主要な形状(十字型と星型)は実質的に同じ面積であるべきである。この実施形態において、十字型素子は、隣接する十字型素子との間で間隔を設けるため、4つの端部において切り取られる。これにより、面積が少なくなる(実施形態によっては、十字型素子の総面積の約5%)。上記のような面積減少は、タッチコントローラ102のファームウェアのアルゴリズム内で、十字型素子1002と1006からの全ての静電容量に、この面積減少に関する隣接係数を乗算することによって、補償することができる。例えば、上記隣接係数は、面積減少が5%であれば、約1.05である。
【0034】
図11は、本発明の実施形態に基づき、タッチセンサの導体素子上で生じ得る様々なタッチタイプを示す。式1は、複数の同時タッチの位置を判定するには不十分である場合がある。複数同時タッチの場合は、プロセッサ102aは各複数タッチの位置を判定するアルゴリズムを実行することができる。上記式1とともに用いて各タッチの素子サブセットを判定する、より複雑なアルゴリズムを適用することができる。以下に説明するアルゴリズム1と2において、「主タッチ素子」「副タッチ素子」という用語が用いられる。「主タッチ素子」は、あるタッチについて最大のタッチ領域を有する導体素子である。「副タッチ素子」は、そのタッチによって影響を受ける、主タッチ素子以外の任意の導体素子である。例えば、図10を再び参照すると、素子1004はタッチ領域506に対して最大重なり領域を有しているので主タッチ素子であり、素子1002と1006はタッチ506に関しては副タッチ素子である。同じ素子が、あるタッチについては主タッチ素子であると同時に、同時に生じる別のタッチについては副タッチ素子となることができる。
【0035】
図11を参照すると、タッチ素子00〜19、OA〜OF、1A〜1Dが、複数同時タッチTT1〜TT7とともに示されている。素子セグメント00、04、1D、19は、タッチセンサの各角部に配置されている。素子セグメント01、02、03、09、0E、13、18、1C、1B、1A、14、0F、0A、05は、図10のタッチセンサの4つのエッジ部分を矩形状に形成している。セグメント00、02、04、0E、18、1C、1A、14、0Aは、十字型導体素子の部分から取り込まれている。セグメント01、03、09、13、1D、1B、19、0F、05は、星型導体素子の部分から取り込まれている。タッチセンサのセンサ領域の内部において、星型導体素子07、0B、0D、11、15、17は、十字型導体素子に接触隣接して囲まれている。「接触隣接」という用語は、エッジ部分が並んでいる導体素子を含む導体素子セットとして理解される。例えば、図10に示す実施形態において、星型素子07は十字型素子02、06、0C、08と接触隣接している。星型素子0Bは、十字型素子0A、06、0C、10と接触隣接している。星型素子0Dは、十字型素子08、0C、0E、12と接触隣接している。星型素子11は、十字型素子10、0C、12、16と接触隣接している。星型素子15は、十字型素子14、10、16、1Aと接触隣接している。星型素子17は、十字型素子16、12、18、1Cと接触隣接している。
【0036】
再び図11を参照して、タッチTT1については、主タッチ素子は十字型素子16であり、副タッチ素子は星型素子15、1B、17、11である。タッチTT2については、主タッチ素子は星型素子17であり、副タッチ素子は星型素子18、12、16、1Cである。タッチTT3については、主タッチ素子は十字型素子12であり、副タッチ素子は星型素子13、OD、十字型素子OEである。タッチTT4については、主タッチ素子は星型素子OBであり、副タッチ素子は十字型素子10、OC、06である、タッチTT5については、主タッチ素子は十字型素子10であり、副タッチ素子は星型素子15とOFである。タッチTT6については、主タッチ素子は星型素子07であり、副タッチ素子は十字型素子OCと08である。タッチTT7については、主タッチ素子は十字型素子06であり、副タッチ素子は星型素子05、01、07、OBである。
【0037】
アルゴリズム1
図12は、本発明の実施形態における、複数同時タッチの位置を判定するためのアルゴリズム例(アルゴリズム1)のフローチャートを示す。最初に、タッチコントローラ102が測定することができるタッチ重なりを有する全ての素子がステップ1210において識別され、ステップ1220においてセットS内にグループ化される。iは繰り返しカウンタであり、i=0に初期化される。次に、セットS内のタッチ素子との重なり領域Aが最大である素子Eの位置が、ステップ1230において判定される。次に、ステップ1140において、領域Aは内部タッチ閾値Athと比較される。タッチ領域AがAthを超えているとタッチコントローラ102が判定する場合は、素子Eとその周囲8つの素子がステップ1241においてグループσ内に選択される。セットσは、ステップ1242において式1を利用してタッチ位置を判定するために用いられる。判定されたタッチ位置Tは、ステップ1243において複数タッチ位置のセットPに追加される。図10に示す実施形態例において、周囲素子は接触隣接している4つの素子(上、下、右、左)と4つの斜め隣接素子(右上、右下、左上、左下)である。次に、タッチに対応する9つの素子(主タッチ素子と8つの隣接素子)は、ステップ1244において、データベース内で「使用済」にマークされ、セットSからセットσを差し引くことによって新たなセットSi+1が生成される。新たなセットSi+1に対して上記処理が繰り返される。ステップ1245において、セットSi+1が空であれば繰り返しを終了し、そうでなければカウンタ「i」を1増やして繰り返しを継続する。内部タッチ閾値を超えている素子がなくなるまでこれを継続する。タッチ領域AがAth以下であれば、アルゴリズムはステップ1250と1251へ進む。ステップ1250と1251において、タッチ位置のセットPが空でなければ、タッチコントローラメモリ102b内に格納され、アルゴリズムはステップ1260で終了する。本発明の実施形態において、図11に示すように、アルゴリズム1を用いて3.5インチ斜めタッチセンサ上のタッチを4つまで検出するのは合理的である。しかし、アルゴリズム1は隣接するタッチの解像度が比較的低いので、位置を正確に判定するためには、タッチはある程度離れていなければならない。
【0038】
例えば、図11の例において、タッチTT2はタッチ素子17と最大重なり領域を有するので、その位置は式1を用いて主タッチ素子17と8つの周辺タッチ素子1C、18、12、16、1B、1D、13、11に基づき判定することができる。タッチTT1は次に大きい重なり領域を有するので、その位置は式1を用いて主タッチ素子16と8つの周辺タッチ素子15、11、17、1B、1A、19、12、1Cに基づき判定することができる。次に大きい重なり領域を有するタッチについて、処理を繰り返す。例えば、タッチTT2の位置を計算するとき、タッチTT2の中心は素子17上にあるので、素子16は式1とアルゴリズム1によれば過剰に重み付けされる。これは、素子16が異なる位置に中心のあるタッチTT1の「主タッチ素子」だからである。タッチTT1についてその逆が成り立つ。すなわち、素子16は「主タッチ素子」であるが、素子17がTT1の位置をTT2に向かってずらしてしまう。
【0039】
アルゴリズム2
互いに近接した2本の指によるタッチにより、一方向が他方向の幅よりも長いタッチ領域が生じる。すなわち、タッチ領域は円形ではなく楕円形であり、したがって単一タッチによって通常生じる形状よりも1方向において長くなる。図11に示すタッチパターンを詳細に検討すると、以下のことが分かる。(i)全ての副タッチ素子は、主タッチ素子に隣接している。(ii)単一の素子は、いずれの方向においても2素子分より長くはない。(iii)全ての副タッチ素子は主タッチ素子に隣接しており、概ね全ての副タッチ素子は他の全ての副タッチ素子に隣接している。
【0040】
図10に戻って、導体素子を下方から順に右から左に向かってスキャンすると仮定すると、導体素子1006はタッチ506によって影響を受けたものとして最初に検出される。次に、素子1006の隣接素子を見ると、導体素子1004は主タッチ素子であると判定される。タッチ素子506によって影響を受ける残りの素子は導体素子1002のみである。導体素子1002も素子1006に隣接している。影響を受ける可能性のあるその他の素子(実際には影響を受けていない)は素子1010である。素子1010も素子1004と1002に隣接している。これにより、複数タッチを互いに区別するための基本的なルールを定義することができる。タッチ(506)によって影響を受ける全ての素子(1002、1004、1006)は、互いに隣接している。このルールは実際の素子によく当てはまり、本発明の実施形態において図13に示すアルゴリズム2の基礎になっている。
【0041】
図13は、本発明の実施形態における、複数同時タッチの位置を判定するためのアルゴリズム例(アルゴリズム2)のフローチャートを示す。アルゴリズム2において、タッチコントローラ102は、ステップ1310で導体素子をスキャンし、タッチされた全ての導体素子を識別し、これら素子を含むセットDを生成する。次のステップ1320において、繰り返しカウンタ「i」はi=0にセットされ、導体素子のセットSはS=Dに選択される。次に、ステップ1330において、セットS内の任意の導体素子E(必ずしも最大タッチ領域を有する素子ではない)が選択される。素子Eは、最初の副素子である場合もあるし、そうでない場合もある。次に、ステップ1340において、素子Eに接触隣接しセットDに属する素子が選択され、これを用いてセットσi1を生成する。
【0042】
次に、ステップ1341において、最大重なり領域を有する導体素子を見つけるため、セットσi1がスキャンされる。これは局所的な主タッチ素子Eimとなる。次に、ステップ1342において、タッチコントローラ102はセットDをスキャンし、素子Eimに接触隣接している素子を探し、新たなセットσi2を構築する。次に、ステップ1343において、コントローラ102は、素子Eの隣接素子と素子Eimの隣接素子の間で共通する隣接素子を探し、その共通隣接素子と局所主タッチ素子Eimを用いて、タッチ位置を判定する。換言すると、タッチコントローラは新たなセットσi3を発見する。セットσi3はセットσi1とセットσi2の共通部分であり、σi3はσi1とσi2の論理積である。
【0043】
ステップ1344において、新たなタッチ位置Tは、式1とセットσi3を含む位置セットと素子Eimを用いて求められる。使用された素子は、「一部使用」とマークされる。本発明の実施形態において、図11に示すものと同様に、セットσi3を構成する素子の数は、通常は6である。アルゴリズム2によれば、「一部使用」素子は新たなタッチを検出するために用いることはできないが、同じタッチを複数回位置判定することを避けるため、他の素子によって識別されたタッチ位置を計算する際に用いることはできる。換言すると、新たなタッチ位置Tを求め、これをセットPに追加(ステップ1345)した後、本発明に係るアルゴリズムの実施形態は、セットSからセットσi3を差し引くことにより、新たなセットSi+1を生成する。すなわち、ステップ1346に示すように、Si+1=S−σi3である。ステップ1347において、セットSi+1が空であるか否かを判定する。空でなければ、新たなセットSi+1についてステップ1330〜1346が繰り返され、新たなセットSi+1が空セットになるまでこれを継続する。一般に、i≠0については、セットSは素子数がより少ないDのサブセットである。セットD内の全ての素子が費やされてセットSi+1が空になると、セットPが空でなければ、ステップ1360でアルゴリズムを終了する前にメモリ102b内に格納される(ステップ1350と1351)。
【0044】
アルゴリズム2により、非常に近接したタッチを区別することができる。しかし、副タッチ素子を共有するので、位置判定は望んでいるほど正確でない場合がある。その他のタッチ位置は、アルゴリズム2内の上記ステップを繰り返すことによって判定することができる。
【0045】
例えば、アルゴリズム2を説明するため図11を参照して、タッチされた任意の素子を識別するため、タッチセンサがスキャンされる。例えば、素子08はタッチTT6によってタッチされたと判定される。最初に求められる副タッチ素子08に接触隣接している素子OD、07、09、03は、局所主タッチ素子07を識別するためスキャンされる。最初に求められる副タッチ素子08の隣接素子の隣接セットS1は、S1={07,OC,OD,OE,09,04,03,02}である。局所主タッチ素子07の隣接素子の隣接セットS2は、S2={06,OB,OC,OD,08,03,02,01}である。セットS1とS2の間の共通隣接素子の共通セットS3は、S1とS2の論理積であり、S3={OC,OD,08,03,02}である。共通隣接素子の共通セットS3と、局所主タッチ素子07は、新たなタッチ自体を検出するために用いられないように、「一部使用」とマークされる。最後に、タッチTT6の位置が、式1を用いて、共通導体素子S3={OC,OD,08,03,02}と局所主タッチ素子07に基づき判定される。その他のタッチ位置は、アルゴリズム2の上記ステップを繰り返すことによって判定することができる。
【0046】
アルゴリズム2の他の使用例として、図11とタッチ素子TT2およびTT1を参照して、i番目の繰り返しにおいてアルゴリズムが素子18を選択した、すなわちE=18であると仮定する。セットσi1は、σi1={12,17,1C}となる。次のステップにおいて、アルゴリズムはσi1に属する素子17をσi1における局所主タッチ素子として選択する。すなわち、Eim=17である。次にセットσi2を構築する。その結果、σi2={12,18,1C,16,11}となる。次に、セットσi3が求められる。σi3はσi1とσi2の論理積であり、σi3={12,1C}である。タッチTT2の位置波、タッチ重みに基づき、σi3(={12,1C})と素子17を用いて求められる。TT2の位置は、素子17の中心のごく近くに正確に求められる。
【0047】
上記例を継続して、σi3(={12,1C})内の素子と素子17は、「一部使用」とマークされる。繰り返しカウンタがi+1に増加し、アルゴリズム2は他の素子、例えば素子11を選択する。すなわち、Ei+1=11である。セットσ(i+1)1は、σ(i+1)1={12,16,10,0C}である。次に、素子16がσ(i+1)1内の局所主タッチ素子として選択される。すなわち、E(i+1)m=16である。σ(i+1)2は、σ(i+1)2={1B,17,11,10,15}である。次に、セットσ(i+1)3={10}である。TT1の位置は、σ(i+1)3(={10})内の素子のタッチ重みと素子16によって判定される。求められるTT1の位置は、TT5とTT1に交わる直線に沿っているが、TT1の方に近い。この場合、求められるTT1の位置の精度は、それでも図5に示す実施形態の十字型素子504の全長の1/2よりよくなっている。
【0048】
本発明の実施形態のタッチセンサの導体素子の交互相補パターンによれば、単一層の導体材質を用いて、タッチ位置が2つの直交方向に線形変化するタッチによって影響を受ける領域を用いて、複数同時タッチを検出することができる。タッチ位置は、上記パターンを用いて正確に判定することができる。本明細書では交互星型導体素子と十字型素子を含むパターンがタッチ素子パターンとして用いられているが、本発明に合致する他の交互相補形状を用いることもできる。本明細書ではタッチセンサの実施形態とともに単一層の導体素子が用いられているが、上記形状は2以上の導体層上にあってもよいし、単独接続されていてもよいし(本明細書のように)、配列状に接続されていてもよい。配列配置は、タッチセンサ素子のグループを相互に接続する。
【0049】
本開示を読むことにより、当業者はタッチセンサの導体タッチ素子のさらなる代替設計または形状を理解するであろう。したがって、本発明の特定の実施形態およびアプリケーションが記載されているが、本発明は本明細書に記載した構成や要素そのものに限定されるものではないことを理解すべきである。当業者にとって明らかな様々な修正、変更、変形例を、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、本発明の方法および装置の構成、動作、方法の詳細部分において設けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
領域内のタッチ位置を判定するタッチセンサであって、
あらかじめ選択された実質的凹形状を有し、前記センサの領域を実質的に埋めるように配置された導体素子と、
プロセッサ回路とメモリ回路を備えたタッチコントローラと、
前記タッチコントローラを各前記導体素子に接続する導体素子を備えたコネクタと、
を備えたことを特徴とするタッチセンサ。
【請求項2】
前記導体素子は交互相補形状を有することを特徴とする請求項1記載のタッチセンサ。
【請求項3】
前記交互導体素子は、少なくとも2つの相補形状のうちいずれか任意の1つを有し、
前記少なくとも2つの相補形状は略同一面積を有し、
第1形状を有する各前記導体素子は、相補的な第2形状を有する導体素子に隣接して配置されている
ことを特徴とする請求項2記載のタッチセンサ。
【請求項4】
前記少なくとも2つの相補形状の間の領域における差分は、前記タッチコントローラによって補償される
ことを特徴とする請求項3記載のタッチセンサ。
【請求項5】
前記導体素子は同一形状を有することを特徴とする請求項1記載のタッチセンサ。
【請求項6】
前記導体素子の形状は、2つの連結した互いに直交する四辺形によって形成される十字型である
ことを特徴とする請求項5記載のタッチセンサ。
【請求項7】
前記導体素子は単一層内に形成されていることを特徴とする請求項1記載のタッチセンサ。
【請求項8】
前記導体素子は、タッチ領域が第1導体素子の中心から隣接する第2導体素子の中心へ移動するのにともない、前記第1導体素子に重なるタッチによって覆われる領域の割合が100%から0%へ単調減少し、前記隣接する第2導体素子に重なる領域の割合が0%から100%へ単調増加するように配置されている
ことを特徴とする請求項1記載のタッチセンサ。
【請求項9】
第1導体素子と第2の隣接する導体素子の間のタッチ重なり領域の上記単調変化は、前記第1導体素子と前記第2導体素子が2つの異なる方向のいずれかにおいて互いに相対的に変位するときに生じ、前記2つの異なる方向は互いに直交している
ことを特徴とする請求項8記載のタッチセンサ。
【請求項10】
前記コネクタは、選択された導体素子に到達するために他の導体素子を通過するように形成されている
ことを特徴とする請求項9記載のタッチセンサ。
【請求項11】
前記第1形状は星型であり、前記相補的な第2形状は十字型であり、
前記星型と前記十字型は、前記導体素子の間の覆われていない領域がわずかとなるように、互いに緊密にかみ合っている
ことを特徴とする請求項3記載のタッチセンサ。
【請求項12】
タッチセンサ上のタッチ位置を判定する方法であって、
あらかじめ選択された、実質的に凹形状を有する導体素子を設けるステップ、
プロセッサ回路とメモリ回路を備えたタッチコントローラを設けるステップ、
前記タッチコントローラを各前記導体素子に接続する導体素子を備えたコネクタを設けるステップ、
前記タッチコントローラを用いて、ユーザが前記センサに接触することによる各前記導体素子の静電容量の変化を測定するステップ、
前記タッチコントローラの測定に基づき、タッチによって覆われた導体素子のグループを選択するステップ、
各導体素子の中心座標を用いて前記座標の加重平均を求めるステップ、
タッチ位置を前記覆われた導体素子の選択されたグループの加重平均に関連付けるステップ、
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記加重平均は、タッチによって覆われた前記導体素子の選択されたグループ内の各導体素子について測定された前記静電容量の変化に基づき、タッチによって覆われた導体素子の前記選択されたグループ内の全ての導体素子の総表面積に関連して、判定される
ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記タッチ位置は、前記タッチセンサに対する単一のタッチに対応することを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
タッチによって覆われた導体素子のグループ内から最大の重なり領域を有する第1導体素子を選択するステップ、
感度の閾値領域を選択するステップ、
前記最大の重なり領域があらかじめ選択された閾値よりも大きいか否かを判定するステップ、
前記選択された第1導体素子の周辺素子の第1グループを選択するステップ、
導体素子の前記第1グループ内の各前記導体素子の中心座標を用いて前記座標の加重平均を求めるステップ、
タッチ位置を導体素子の前記第1グループの前記加重平均に関連付けるステップ、
前記選択された第1グループ内の前記第1導体素子を「使用済」としてマークし、前記第1導体素子を以下の測定中における検討対象から除外するステップ、
覆われている素子のグループ内の残りの導体素子に対して上述のステップを繰り返すステップ、
を有することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記加重平均は、導体素子の前記第1グループ内の各導体素子について測定された静電容量の変化に基づき、導体素子の前記選択された第1グループ内の全ての導体素子の総表面積に関連して、判定される
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記タッチセンサ上の複数の同時タッチのタッチ位置を求めるステップを有することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
タッチによって覆われた導体素子のグループ内から第1導体素子を選択するステップ、
前記第1導体素子に接触して隣接する素子の第1グループを選択するステップ、
タッチによって覆われた導体素子の前記選択された第1グループから、前記選択された第1グループ内で最も大きい重なり領域を有する第1主タッチ素子を選択するステップ、
前記第1導体素子に接触して隣接する素子の第2グループを選択するステップ、
前記第1グループと前記第2グループに共通する導体素子を含む第3グループを選択するステップ、
導体素子の前記第3グループ内の各前記導体素子の中心座標を用いて前記座標の加重平均を求めるステップ、
タッチ位置に導体素子の前記選択された第3グループの前記加重平均を割り当てるステップ、
以後のステップにおいて第1導体素子として用いられないように、前記第3グループ内の前記導体素子を「一部使用」としてマークするステップ、
第1導体素子として選択することができる素子がなくなるまで、覆われている素子のグループ内の残りの導体素子に対して上述のステップを繰り返すステップ、
を有することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項19】
導体素子の前記第3グループ内の各前記導体素子について測定した静電容量の変化に基づき、導体素子の前記第3グループ内の全ての導体素子の総表面積に関連して、前記加重平均を実施する
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記タッチセンサ上の複数の同時タッチのタッチ位置を求めるステップを有することを特徴とする請求項18記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−504819(P2012−504819A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530177(P2011−530177)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/059045
【国際公開番号】WO2010/039843
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(508249697)インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】