説明

マルチチャネル放送システム

【課題】コンテンツとともにデジタルテレビ放送の表示を制御することができるマルチチャネル放送システムを提供する。
【解決手段】マルチチャネル送信器34は、デジタルテレビ放送の信号と同時に、コンテンツおよび制御情報を含む信号を送信する。マルチチャネル受信器37は、マルチチャネル送信器34から出力された信号を受信する。マルチチャネル受信器37は、受信した信号に含まれるデジタルテレビ放送の信号から指定されたチャネルのテレビ信号を出力するチューナ17と、受信した信号に含まれるコンテンツを記憶する画像データ記憶部21と、受信した信号に含まれる制御情報に基づいて、チューナ17を制御するとともに、チューナから出力される映像信号および画像データ記憶部21に記憶されたコンテンツの表示を制御する制御部19とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチチャネル放送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルサイネージ(Digital Signage=電子看板)などのコンテンツをデジタル放送波にのせて送信するシステムが提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2010−21900号公報)のシステムでは、デジタルサイネージと、デジタルサイネージにコンテンツおよび制御情報を送信する情報送信手段を備える。デジタルサイネージは、地上波デジタル放送波を受信する手段を備え、情報送信手段が、デジタルサイネージ向けのコンテンツおよび制御情報を地上デジタル放送波にのせて放送する。
【0004】
特許文献1のシステムでは、上記構成によって、複数のデジタルサイネージ端末に対して、ネットワークを経由せずに、コンテンツおよび制御情報を送信することができるので、通信コストを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−21900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、制御情報は、コンテンツの表示を制御するものであって、デジタルTV放送に含まれる映像の表示を制御することができず、デジタルTV放送に含まれる映像とコンテンツとを同時に制御することもできない。
【0007】
それゆえに、本発明の目的は、コンテンツとともにデジタルテレビ放送の視聴装置への出力を制御することができるマルチチャネル放送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のマルチチャネル放送システムは、デジタルテレビ放送の信号と同時に、コンテンツおよび制御情報を含む信号を送信するマルチチャネル送信器と、マルチチャネル送信器から出力された信号を受信するマルチチャネル受信器を備える。マルチチャネル受信器は、受信した信号に含まれるデジタルテレビ放送の信号から指定されたチャネルの信号を出力するチューナと、受信した信号に含まれるコンテンツを記憶する記憶部と、受信した信号に含まれる制御情報に基づいて、チューナを制御するとともに、チューナから出力される信号および記憶部に記憶されたコンテンツの視聴装置への出力を制御する制御部とを含む。
【0009】
好ましくは、制御情報は、複数チャネルのデジタルテレビ放送のうち指定されたチャネルの信号を出力する命令を含み、制御部は、命令に基づいて、チューナに指定されたチャネルの信号を出力させ、出力された信号を視聴装置へ出力する。
【0010】
好ましくは、記憶部は、受信した複数のコンテンツを記憶し、制御情報は、記憶部に記憶された複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツを出力する命令を含み、制御部は、命令に基づいて、記憶部に記憶されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読み出して視聴装置へ出力する。
【0011】
好ましくは、記憶部は、受信した複数のコンテンツを記憶し、制御情報は、複数チャネルのデジタルテレビ放送のうち指定されたチャネルの信号と、記憶部に記憶された複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツとを同時に出力する命令を含み、制御部は、命令に基づいて、チューナに指定されたチャネルの信号を出力させるとともに、記憶部に記憶されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読出し、チューナから出力される信号と選択したコンテンツとを同時に視聴装置へ出力する。
【0012】
好ましくは、記憶部は、受信した複数のコンテンツを記憶し、制御情報は、複数チャネルのデジタルテレビ放送のうち指定されたチャネルの信号と、記憶部に記憶された複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツとを時間的に切り替えて出力する命令を含み、制御部は、命令に基づいて、チューナに指定されたチャネルの信号を出力させて、出力された信号を視聴装置へ出力するか、記憶部に記憶されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読み出して視聴装置へ出力するかを時間的に切り替える。
【0013】
好ましくは、記憶部は、受信した複数のコンテンツを記憶し、制御情報は、時間帯ごとに、複数チャネルのデジタルテレビ放送の指定されたチャネルの信号を出力する、または記憶部に記憶された複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツを出力する、または複数チャネルのデジタルテレビ放送の指定されたチャネルの信号と複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツとを同時に出力することを定めたタイムテーブルを含み、制御部は、タイムテーブルに基づいて、チューナに指定されたチャネルの信号を出力させて、出力された信号を視聴装置へ出力し、または記憶部に記憶された複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読み出して視聴装置へ出力し、またはチューナに指定されたチャネルの信号を出力させるとともに記憶部に記憶されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読み出してチューナから出力される信号と読み出したコンテンツとを同時に視聴装置へ出力する。
【0014】
好ましくは、制御部は、デジタルテレビ放送の信号に緊急通知を指示する命令が含まれている場合には、チューナから出力される緊急通知に関連する信号を視聴装置へ出力する。
【0015】
好ましくは、マルチチャネル放送システムは、マルチチャネル受信器を複数個備え、制御情報およびコンテンツは、複数個のマルチチャネル受信器のうち宛先のマルチチャネル受信器を指定するアドレスを付して送信され、制御部は、受信したコンテンツに付されたアドレスが、制御部が含まれるマルチチャネル受信器のアドレスの場合に、受信したコンテンツを記憶部に記憶し、制御部は、受信した制御情報に付されたアドレスが、制御部が含まれるマルチチャネル受信器のアドレスの場合に、制御情報に含まれる命令を実行する。
【0016】
好ましくは、制御情報の内容は、マルチチャネル受信器ごとに相違する。
好ましくは、コンテンツは、電子広告である。
【0017】
好ましくは、マルチチャネル送信器は、デジタルテレビ放送の信号と、コンテンツおよび制御情報を含む信号をミリ波帯の信号に変換して送信するミリ波送信器を含み、マルチチャネル受信器は、マルチチャネル送信器から出力されたミリ波帯の信号を受信して、ミリ波帯へ変換前の周波数の信号に変換するミリ波受信器を含む。
【0018】
好ましくは、マルチチャネル送信器は、デジタルテレビ放送の信号と、コンテンツおよび制御情報を含む信号を同軸ケーブルに出力し、同軸ケーブルが出力された信号を伝送し、マルチチャネル受信器は、同軸ケーブルで伝送されたコンテンツおよび制御情報を含む信号を受信する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コンテンツとともにTV放送の表示を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態のマルチチャネル通信システムの構成を表わす図である。
【図2】第1の実施形態で伝送されるコマンドの構成を表わす図である。
【図3】(a)は、画像コマンドの例を表わす図である。(b)は、制御コマンドの例を表わす図である。
【図4】(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。(b)は、(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【図5】(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。(b)は、(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【図6】(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。(b)は、(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【図7】(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。(b)は、(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【図8】(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。(b)は、(a)の制御コマンドに含まれるタイムテーブル#1を表わす図である。(c)は、(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【図9】第1の実施形態の変形例のマルチチャネル通信システムの構成を表わす図である。
【図10】第2の実施形態のマルチチャネル通信システムの構成を表わす図である。
【図11】第2の実施形態で伝送されるコマンドの構成を表わす図である。
【図12】(a)は、画像コマンドの例を表わす図である。(b)は、制御コマンドの例を表わす図である。(c)は、画像コマンドの例を表わす図である。
【図13】(a)は、マルチチャネル受信器#1への制御コマンドを表わす図である。(b)は、マルチチャネル受信器#2への制御コマンドを表わす図である。(c)は、マルチチャネル受信器#3への制御コマンドを表わす図である。(d)は、マルチチャネル受信器#4への制御コマンドを表わす図である。
【図14】図13(a)、(b)、(c)、(d)の制御コマンドによってマルチチャネル受信器#1、マルチチャネル受信器#2、マルチチャネル受信器#3、マルチチャネル受信器#4に表示される画面の例を表わす図である。
【図15】第3の実施形態のマルチチャネル通信システムの構成を表わす図である。
【図16】(a)は、緊急通知を受ける前に表示される画面の例を表わす図である。(b)は、緊急通知を受けた後に表示される画面の例を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、同一または相当する部分には、同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態のマルチチャネル通信システムの構成を表わす図である。
【0023】
このマルチチャネル通信システム33は、マルチチャネル送信器34と、マルチチャネル受信器37とからなる。
【0024】
マルチチャネル送信器34は、サイネージサーバ5と、送信部36とから構成される。
サイネージサーバ5は、サイネージ画像作成記憶部7と、制御情報作成記憶部9と、送信制御部8とを備える。
【0025】
サイネージ画像作成記憶部7は、コンテンツであるサイネージ画像(電子広告)データを作成して記憶する。サイネージ画像作成記憶部7は、インターネット2を介して外部のコンテンツサーバ1内のコンテンツを取得し、これを利用することによってサイネージ画像データを作成することができる。
【0026】
制御情報作成記憶部9は、制御情報を作成して記憶する。
送信制御部8は、制御情報を含む制御コマンドおよび/またはサイネージ画像データを含む画像コマンドを含むイーサネット(登録商標)フレームを適切なタイミングでイーサネット(登録商標)ケーブル96を介して送信部36へ出力する。たとえば、送信制御部8は、ユーザからのマウスによる指示によって、即座に制御コマンドを出力することとしてもよい。
【0027】
送信部36は、イーサネット(登録商標)フレームフィルタリング部10と、変調器11と、混合器13と、ミリ波送信器32とを備える。
【0028】
イーサネット(登録商標)フレームフィルタリング部10は、サイネージサーバ5から出力されるイーサネット(登録商標)フレームから制御コマンドおよび/または画像コマンドを取り出す。
【0029】
変調器11は、たとえばQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調などの方式で、サイネージ画像データが含まれるコマンド(画像コマンド)および制御情報が含まれるコマンド(制御コマンド)が含まれるデータを変調し、デジタルテレビ放送の空いているチャネル(周波数)の信号に変換する。
【0030】
混合器13は、放送局14からの複数チャネルのデジタルTV放送信号と、変調器11からの信号を混合し、ミリ波送信器32へ出力する。
【0031】
ミリ波送信器32は、複数チャネルのデジタルTV放送信号をミリ波帯(たとえば、60GHz)の信号に変換して送信する。ミリ波送信器32は、変調器11からの出力があるときには、複数チャネルのデジタルTV放送信号と、画像コマンドおよび制御コマンドが含まれる信号とをミリ波帯(たとえば、60GHz)の信号に変換して送信する。本発明の実施形態では、このように多量のデータを伝送することができるミリ波帯で信号を伝送するので、複数チャネルのデジタルTV放送の信号と、画像コマンドおよび制御コマンドを含む信号とを同時に送信することができる。
【0032】
マルチチャネル受信器37は、ミリ波受信器35と、分波器16と、チューナ17と、復調器20と、画像データ記憶部21と、制御情報記憶部18と、制御部19と、映像合成部22と、モニタ42とを備える。
【0033】
ミリ波受信器35は、マルチチャネル送信器34から出力されるミリ波帯の信号を受信して、ミリ波帯へ変換される前の周波数の信号に変換して分波器16へ出力する。
【0034】
分波器16は、ミリ波受信器35で受信し、変換された信号を分配する。
チューナ17は、分波器16から出力される信号に含まれる複数チャネルのTV放送信号のうち、制御データ記憶部に記憶された制御データに基づいて、指定されたチャネルのTV放送信号を出力する。
【0035】
復調器20は、分波器16から出力される信号に含まれる変調された、画像コマンドおよび制御コマンドが含まれる信号を復調し、デジタル信号に変換する。
【0036】
画像データ記憶部21は、復調部から出力される画像コマンドに含まれるサイネージ画像データを記憶する。
【0037】
制御情報記憶部18は、復調部から出力される制御コマンドに含まれる制御情報を記憶する。
【0038】
制御部19は、制御情報記憶部18に記憶された制御情報に基づいて、チューナ17を制御するとともに、チューナ17から出力される信号および画像データ記憶部21に記憶されたサイネージ画像データのモニタ42への出力を制御する。
【0039】
映像合成部22は、チューナ17から出力される信号と、画像データ記憶部21から出力されるサイネージ画像データを受けて、いずれか1つ、または両方同時にモニタ42に出力する。
【0040】
モニタ42は、視聴装置であって、映像合成部22から出力されるチューナ17の出力信号と、および/またはサイネージ画像データを表示する。
【0041】
(コマンド)
図2は、第1の実施形態で伝送されるコマンドの構成を表わす図である。
【0042】
図2に示すように、このコマンドは、画像データまたは制御情報の区別を表わす識別子と、画像データまたは制御情報とを含む。
【0043】
(画像コマンドの例)
図3(a)は、画像コマンドの例を表わす図である。
【0044】
図3(a)に示すように、この画像コマンドは、画像データであることを表わす識別子と、画像データとしてサイネージ画像データ#7とを含む。
【0045】
制御部19は、画像データを表わす識別子に従って、この画像コマンドに含まれるサイネージ画像データ#7を画像データ記憶部21に記憶する。
【0046】
(制御コマンドの例)
図3(b)は、制御コマンドの例を表わす図である。
【0047】
図3(b)に示すように、この制御コマンドは、制御情報であることを表わす識別子と、制御情報として「デジタルTV放送チャネル#2を出力する命令」を含む。
【0048】
制御部19は、制御情報を表わす識別子に従って、この制御コマンドに含まれる制御情報である「デジタルTV放送チャネル#2を出力する命令」を制御情報記憶部18に記憶する。
【0049】
(制御の例1)
図4(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。
【0050】
この制御コマンドは、制御情報であることを表わす識別子と、制御情報として「デジタルTV放送のチャネル#6を出力する命令」を含む。
【0051】
制御部19は、制御情報を表わす識別子に従って、この制御情報に含まれる命令を制御情報記憶部18に記憶する。制御部19は、この命令に基づいて、チューナ17にチャネル#6の信号を出力させ、映像合成部22を介して出力されたチューナ17の出力信号をモニタ42に出力させる。
【0052】
図4(b)は、図4(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【0053】
(制御の例2)
図5(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。
【0054】
この制御コマンドは、制御情報であることを表わす識別子と、制御情報として「サイネージ画像#4を出力する命令」を含む。
【0055】
制御部19は、制御情報を表わす識別子に従って、この制御情報に含まれる命令を制御情報記憶部18に記憶する。制御部19は、この命令に基づいて、画像データ記憶部21に記憶されている複数のサイネージ画像データの中からサイネージ画像データ#4を選択して読み出して、映像合成部22を介してモニタ42に出力させる。
【0056】
図5(b)は、図5(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【0057】
(制御の例3)
図6(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。
【0058】
この制御コマンドは、制御情報であることを表わす識別子と、制御情報として「デジタルTV放送のチャネル#3とサイネージ画像#3を同時に出力する命令」を含む。
【0059】
制御部19は、制御情報を表わす識別子に従って、この制御情報に含まれる命令を制御情報記憶部18に記憶する。制御部19は、この命令に基づいて、チューナ17にチャネル#3の信号を出力させるとともに、画像データ記憶部21に記憶されている複数のサイネージ画像データから「サイネージ画像データ#3」を選択して読み出し、映像合成部22によってチューナ17から出力される信号と画像データ記憶部21から読み出されたサイネージ画像データとが合成されて同時にモニタ42に出力される。たとえば、デジタルTV放送のチャネル#3として、スポーツ番組のチャネルを用い、サイネージ画像#3としてスポーツ用品やイベントに関するサイネージ画像を用いることにすれば、聴衆の注意を引くことができ、宣伝効果を増すことができる。
【0060】
図6(b)は、図6(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【0061】
(制御の例4)
図7(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。
【0062】
この制御コマンドは、制御情報であることを表わす識別子と、制御情報として「デジタルTV放送のチャネル#3とサイネージ画像#3を10分ごとに切替えて出力する命令」を含む。
【0063】
制御部19は、この制御情報に含まれる命令に基づいて、チューナ17にチャネル#3の信号を出力させて、その信号をモニタ42へ出力させる処理と、画像データ記憶部21に記憶されている複数のサイネージ画像データから「サイネージ画像データ#3」を選択して読み出してモニタ42へ出力する処理とを10分ごとに切替える。
【0064】
図7(b)は、図7(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【0065】
(制御の例5)
図8(a)は、制御コマンドの例を表わす図である。
【0066】
この制御コマンドは、制御情報であることを表わす識別子と、制御情報として「タイムテーブル#1」を含む。
【0067】
図8(b)は、図8(a)の制御コマンドに含まれるタイムテーブル#1を表わす図である。
【0068】
「10:00〜11:00」の時間帯には、「デジタルTV放送のチャネル#2」を出力し、「11:00〜12:00」の時間帯には、「デジタルTV放送のチャネル#6」を出力し、「12:00〜13:00」の時間帯には、「サイネージ画像#4」を出力し、「13:00−14:00」の時間帯には、「サイネージ画像#6」を出力し、「14:00〜15:00」の時間帯には、「デジタルTV放送のチャネル#3とサイネージ画像#3」を同時に出力することが定められている。
【0069】
制御部19は、この制御情報に含まれるタイムテーブルに基づいて、「10:00〜11:00」の時間帯には、チューナ17にチャネル#2の信号を出力させ、映像合成部22を介して出力された信号をモニタ42に出力させる。
【0070】
制御部19は、「11:00〜12:00」の時間帯には、チューナ17にチャネル#6の信号を出力させ、映像合成部22を介して出力された信号をモニタ42に出力させる。
【0071】
制御部19は、「12:00〜13:00」の時間帯には、画像データ記憶部21に記憶されている複数のサイネージ画像データの中からサイネージ画像データ#4を選択して読み出して、映像合成部22を介してモニタ42に出力させる。
【0072】
制御部19は、「13:00−14:00」の時間帯には、画像データ記憶部21に記憶されている複数のサイネージ画像データの中からサイネージ画像データ#6を選択して読み出して、映像合成部22を介してモニタ42に出力させる。
【0073】
制御部19は、「14:00〜15:00」の時間帯には、チューナ17にチャネル#3の信号を出力させるとともに、画像データ記憶部21に記憶されている複数のサイネージ画像データから「サイネージ画像データ#3」を選択して読み出し、映像合成部22によってチューナ17から出力される信号と画像データ記憶部21から読み出されたサイネージ画像データとが合成されて同時にモニタ42へ出力される。
【0074】
図8(c)は、図8(a)の制御コマンドによって表示される画面の例を表わす図である。
【0075】
(まとめ)
以上のように、本実施の形態によれば、デジタルTV放送の信号とともに、サイネージ画像と、これらの表示を制御する制御情報を受信器へ送信することによって、受信器では、サイネージ画像とともにデジタルTV放送のモニタへの出力を時間的に切替えたり、同時に出力したりすることができる。
【0076】
[第1の実施形態の変形例]
図9は、第1の実施形態の変形例のマルチチャネル通信システムの構成を表わす図である。
【0077】
この変形例のマルチチャネル通信システムは、マルチチャネル送信器34とマルチチャネル受信器37との間は、同軸ケーブル40で接続される。
【0078】
送信器12は、複数チャネルのデジタルTV放送信号を同軸ケーブルを通じて送信する。送信器12は、変調器11からの出力があるときには、複数チャネルのデジタルTV放送信号と、画像コマンドおよび制御コマンドが含まれる信号とを同軸ケーブル40に出力する。同軸ケーブル40は、送信器12から出力された信号を伝送する。
【0079】
受信器45は、同軸ケーブル40で伝送されたマルチチャネル送信器34から出力された信号を受信して、分波器16へ出力する。
【0080】
以上のように、この変形例においても、同軸ケーブルによって大容量のデータを伝送することができるので、第1の実施形態と同様に、受信器では、サイネージ画像とともにデジタルTV放送の出力を時間的に切替えたり、同時に出力したりすることができる。
【0081】
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態のマルチチャネル通信システムの構成を表わす図である。
【0082】
図10を参照して、このマルチチャネル通信システムは、複数のマルチチャネル受信器#1〜#4(37−1〜37−4)を有する。各マルチチャネル受信器#1〜#4(37−1〜37−4)は、アドレスによって指定される。
【0083】
(コマンド)
図11は、第2の実施形態で伝送されるコマンドの構成を表わす図である。
【0084】
図11に示すように、このコマンドは、宛先受信器アドレスと、画像データまたは制御情報の区別を表わす識別子と、画像データまたは制御情報とを含む。
【0085】
各マルチチャネル受信器の制御部19は、受信した画像コマンドの宛先受信器アドレスが、その制御部19が含まれるマルチチャネル受信器のアドレスの場合に、受信した画像コマンドに含まれる画像データ(サイネージ画像データ)を画像データ記憶部21に記憶する。
【0086】
各マルチチャネル受信器の制御部19は、受信した制御コマンドの宛先受信器アドレスが、その制御部19が含まれるマルチチャネル受信器のアドレスの場合に、受信した制御コマンドに含まれる制御情報を制御情報記憶部18に記憶し、この制御情報に含まれる命令を実行する。
【0087】
(画像コマンドの例)
図12(a)は、画像コマンドの例を表わす図である。
【0088】
図12(a)に示すように、この画像コマンドは、宛先受信器アドレスとしてマルチチャネル受信器#1のアドレスを含み、画像データであることを表わす識別子と、画像データとしてサイネージ画像データ#1とを含む。
【0089】
マルチチャネル#1の制御部19は、宛先受信器アドレスと画像データを表わす識別子に従って、この画像コマンドに含まれるサイネージ画像データ#1を画像データ記憶部21に記憶する。
【0090】
(制御コマンドの例)
図12(b)は、制御コマンドの例を表わす図である。
【0091】
図12(b)に示すように、この制御コマンドは、宛先受信器アドレスとして受信器#2のアドレスを含み、制御情報であることを表わす識別子と、制御情報として「デジタルTV放送チャネル#2を出力する命令」を含む。
【0092】
マルチチャネル#2の制御部19は、宛先受信器アドレスと制御情報を表わす識別子に従って、この制御コマンドに含まれる「デジタルTV放送チャネル#2を出力する命令」を制御情報記憶部18に記憶し、この命令を実行する。
【0093】
(画像コマンドの例2)
図12(c)は、画像コマンドの例を表わす図である。
【0094】
図12(c)に示すように、この画像コマンドは、宛先受信器アドレスとしてブロードキャストアドレスを含み、画像データであることを表わす識別子と、画像データとしてサイネージ画像データ#1とを含む。
【0095】
マルチチャネル送信器34と接続されるすべてのマルチチャネル受信器の制御部19は、宛先受信器アドレスと制御情報を表わす識別子に従って、この画像コマンドに含まれるサイネージ画像データ#1を画像データ記憶部21に記憶する。
【0096】
(制御の例)
図13(a)は、マルチチャネル受信器#1への制御コマンドを表わす図であり、図13(b)は、マルチチャネル受信器#2への制御コマンドを表わす図であり、図13(c)は、マルチチャネル受信器#3への制御コマンドを表わす図であり、図13(d)は、マルチチャネル受信器#4への制御コマンドを表わす図である。
【0097】
すなわち、マルチチャネル受信器#1への命令は、「デジタルTV放送チャネル#4を出力する命令」であり、マルチチャネル受信器#2への命令は、「サイネージ画像#2を出力する命令」であり、マルチチャネル受信器#3への命令は、「サイネージ画像#4を出力する命令」であり、マルチチャネル受信器#4への命令は、「デジタルTV放送チャネル#6とサイネージ画像#2を同時に出力する命令」である。
【0098】
図14は、図13(a)、(b)、(c)、(d)の制御コマンドによってマルチチャネル受信器#1、マルチチャネル受信器#2、マルチチャネル受信器#3、マルチチャネル受信器#4に表示される画面の例を表わす図である。
【0099】
以上のように、第2の実施形態では、制御情報およびサイネージ画像に宛先を付して送信するので、マルチチャネル受信器ごとに別々の画面を表示させることができる。
【0100】
[第3の実施形態]
図15は、第3の実施形態のマルチチャネル通信システムの構成を表わす図である。
【0101】
図15を参照して、このマルチチャネル通信システムが、図1のマルチチャネル通信システムと相違する点は、チューナ53と、制御部52である。
【0102】
チューナ53は、デジタルテレビ放送の信号に緊急通知を指示するフラグ(命令)が含まれている場合には、制御部52に緊急指示を送るとともに、選択されているチャネルの信号に代えて、緊急通知に関連する信号を出力する。
【0103】
制御部52は、緊急指示を受けると、映像合成部22を制御して、チューナ53から出力される緊急通知に関連する信号をモニタ42に出力させる。
【0104】
図16(a)は、緊急通知を受ける前に表示される画面の例を表わす図である。図16(b)は、緊急通知を受けた後に表示される画面の例を表わす図である。
【0105】
図16(a)、(b)に示すように、緊急通知を受ける前には、サイネージ画像#6の画面を表示していたが、緊急通知を受けたことによって、チューナ53から出力される緊急表示に関連する緊急放送画面を表示する。
【0106】
以上のように、第3の実施形態によれば、デジタルTV放送に緊急通知指令が含まれている場合には、サイネージ画像を表示していたときにでも、強制的にチューナから出力される緊急放送画面をモニタに出力させることができる。
【0107】
(さらなる変形例)
本発明は、上記の実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、さらに以下のような変形例も含む。
【0108】
(1) コンテンツ
本発明の実施形態では、コンテンツとしてサイネージ画像を送信することとしたが、これに表示するものではない。たとえば、火災や地震などの災害の防災情報をコンテンツとして送信するものとしてもよい。また、画像データだけでなく、画像データに付随する音声データも、コンテンツとして送信することとしてもよい。
【0109】
(2) 双方向
本発明の実施形態では、通信は、単一の方向であったが、双方向とすることもできる。その場合、マルチチャネル送信器34が、新たな受信器を備え、マルチチャネル受信器37が、新たな送信器を備える構成となる。
【0110】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0111】
1 コンテンツサーバ、2 インターネット、5 サイネージサーバ、7 サイネージ画像作成記憶部、8 送信制御部、9 制御情報作成記憶部、10 イーサネット(登録商標)フレームフィルタリング部、11 変調器、12 送信器、13 混合器、14 放送局、16 分波器、17,53 チューナ、18 制御情報記憶部、19,52 制御部、20 復調器、21 画像データ記憶部、22 映像合成部、32 ミリ波送信器、33 マルチチャネル通信システム、34 マルチチャネル送信器、35 ミリ波受信器、36 送信部、37 マルチチャネル受信器、40 同軸ケーブル、42 モニタ、45 受信器、96 イーサネット(登録商標)ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルテレビ放送の信号と同時に、コンテンツおよび制御情報を含む信号を送信するマルチチャネル送信器と、
前記マルチチャネル送信器から出力された信号を受信するマルチチャネル受信器を備え、
前記マルチチャネル受信器は、
前記受信した信号に含まれるデジタルテレビ放送の信号から指定されたチャネルの信号を出力するチューナと、
前記受信した信号に含まれるコンテンツを記憶する記憶部と、
前記受信した信号に含まれる制御情報に基づいて、前記チューナを制御するとともに、前記チューナから出力される信号および前記記憶部に記憶されたコンテンツの視聴装置への出力を制御する制御部とを含む、マルチチャネル放送システム。
【請求項2】
前記制御情報は、複数チャネルのデジタルテレビ放送のうち指定されたチャネルの信号を出力する命令を含み、
前記制御部は、前記命令に基づいて、前記チューナに前記指定されたチャネルの信号を出力させ、前記出力された信号を前記視聴装置へ出力する、請求項1記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項3】
前記記憶部は、受信した複数のコンテンツを記憶し、
前記制御情報は、前記記憶部に記憶された複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツを出力する命令を含み、
前記制御部は、前記命令に基づいて、前記記憶部に記憶されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読み出して前記視聴装置へ出力する、請求項1記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項4】
前記記憶部は、受信した複数のコンテンツを記憶し、
前記制御情報は、複数チャネルのデジタルテレビ放送のうち指定されたチャネルの信号と、前記記憶部に記憶された複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツとを同時に出力する命令を含み、
前記制御部は、前記命令に基づいて、前記チューナに前記指定されたチャネルの信号を出力させるとともに、前記記憶部に記憶されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読出し、前記チューナから出力される信号と前記選択したコンテンツとを同時に前記視聴装置へ出力する、請求項1記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項5】
前記記憶部は、受信した複数のコンテンツを記憶し、
前記制御情報は、複数チャネルのデジタルテレビ放送のうち指定されたチャネルの信号と、前記記憶部に記憶された複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツとを時間的に切り替えて出力する命令を含み、
前記制御部は、前記命令に基づいて、前記チューナに前記指定されたチャネルの信号を出力させて、前記出力された信号を前記視聴装置へ出力するか、前記記憶部に記憶されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読み出して前記視聴装置へ出力するかを時間的に切り替える、請求項1記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項6】
前記記憶部は、受信した複数のコンテンツを記憶し、
前記制御情報は、時間帯ごとに、複数チャネルのデジタルテレビ放送の指定されたチャネルの信号を出力する、または前記記憶部に記憶された複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツを出力する、または複数チャネルのデジタルテレビ放送の指定されたチャネルの信号と前記複数のコンテンツのうち指定されたコンテンツとを同時に出力することを定めたタイムテーブルを含み、
前記制御部は、前記タイムテーブルに基づいて、前記チューナに前記指定されたチャネルの信号を出力させて、前記出力された信号を前記視聴装置へ出力し、または前記記憶部に記憶された複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読み出して前記視聴装置へ出力し、または前記チューナに前記指定されたチャネルの信号を出力させるとともに前記記憶部に記憶されている複数のコンテンツから指定されたコンテンツを選択して読み出して前記チューナから出力される信号と前記読み出したコンテンツとを同時に前記視聴装置へ出力する、請求項1記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記デジタルテレビ放送の信号に緊急通知を指示する命令が含まれている場合には、前記チューナから出力される緊急通知に関連する信号を前記視聴装置へ出力する、請求項1記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項8】
前記マルチチャネル放送システムは、
前記マルチチャネル受信器を複数個備え、
前記制御情報および前記コンテンツは、前記複数個のマルチチャネル受信器のうち宛先のマルチチャネル受信器を指定するアドレスを付して送信され、
前記制御部は、受信したコンテンツに付されたアドレスが、前記制御部が含まれるマルチチャネル受信器のアドレスの場合に、前記受信したコンテンツを前記記憶部に記憶し、
前記制御部は、受信した制御情報に付されたアドレスが、前記制御部が含まれるマルチチャネル受信器のアドレスの場合に、前記制御情報に含まれる命令を実行する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項9】
前記制御情報の内容は、マルチチャネル受信器ごとに相違する、請求項8記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項10】
前記コンテンツは、電子広告である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項11】
前記マルチチャネル送信器は、
前記デジタルテレビ放送の信号と、前記コンテンツおよび前記制御情報を含む信号をミリ波帯の信号に変換して送信するミリ波送信器を含み、
前記マルチチャネル受信器は、
前記マルチチャネル送信器から出力されたミリ波帯の信号を受信して、前記ミリ波帯へ変換前の周波数の信号に変換するミリ波受信器を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のマルチチャネル放送システム。
【請求項12】
前記マルチチャネル送信器は、前記デジタルテレビ放送の信号と、前記コンテンツおよび前記制御情報を含む信号を同軸ケーブルに出力し、前記同軸ケーブルが前記出力された信号を伝送し、
前記マルチチャネル受信器は、前記同軸ケーブルで伝送された前記コンテンツおよび前記制御情報を含む信号を受信する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のマルチチャネル放送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−169981(P2012−169981A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30837(P2011−30837)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】