説明

マルチプロトコルメモリカード

本発明の一部の実施形態によれば、マルチプロトコル不揮発性メモリ(「NVM」)カードは、不揮発性メモリアレイ、少なくとも2つのプロトコルユニット、およびプロトコルユニットのうちの一方を使用して不揮発性メモリアレイへの外部アプリケーションアクセスを提供するよう構成されているコントローラを含み得る。コントローラまたは制御論理は、外部アプリケーションによって使用されているプロトコルの信号または他のインジケータに基づいてどのプロトコルユニットを使用すべきかを選択することができる。本発明の一部の実施形態によれば、マルチプロトコルメモリカードを操作する方法は、不揮発性メモリカードへのアクセスを試みるアプリケーションからの信号に基づいてカードの第1のプロトコルモードと第2のプロトコルモードとを切り替えるステップを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に不揮発性メモリカード、およびその操作の方法に関し、より詳細には不揮発性メモリカードのマルチモード操作に関する。
【背景技術】
【0002】
マスメディア不揮発性メモリ(「NVM」)カードの操作はよく知られている。スマートメディアカード、MultiMediaCard、メモリスティックなどの大きいデータファイルを処理することができる様々な不揮発性メモリ大容量記憶装置や、他のそのような不揮発性メモリ大容量記憶装置およびカードは、過去数年間にわたって市場の支持を得続けている。以下、MultiMediaCard(「MMC」)などの用語は、使用されているプロトコルに関わらず、大きいデータファイルを処理することができる任意の不揮発性メモリ大容量記憶装置を指す。現在のところ、上記の不揮発性メモリカードは、デジタルカメラおよび携帯用の音楽装置などの消費者アプリケーション(consumer application)に使用されている。上記の不揮発性メモリカード標準の合意に基づくセキュリティ標準(agreed upon security standard)がないため、任意の業界(銀行、電気通信など)によって銀行の詳細や電話アカウント情報などのプライベートなデータの格納に承認されているものはない。
【0003】
一般に「スマートカードアプリケーション」などの保護されたアプリケーションと連動する上記の大容量装置より小さい容量を有する、「スマートカード」として知られているあるカテゴリの不揮発性メモリカードは、銀行や電気通信を含むいくつかの業界によって知られており、商業目的に採用されている。以下、「スマートカードアプリケーション」という用語は、国際標準化機構(ISO)によって接触型ICカード(integrated circuit cards with contacts)のISO7816標準として定義されている、または他の任意の安全標準によって定義されている相互運用標準に関連または準拠する既知のすべての保護されたアプリケーションを指す。ISO7815標準の仕様、およびそれに関連し得る他の任意の標準は、物理的レベル、電気的レベル、およびデータリンクプロトコルレベルにわたる保護されたアプリケーションの相互運用性に焦点を合わせている。
【0004】
市場にはすでにスマートカードアプリケーションの広範な基盤が存在しており、保護されたアプリケーションの必要性は一般に高まりつつある。例えば、銀行および金融機関は、業界固有のスマートカード仕様を定義している。この仕様は、ISO7816標準を採用しており、金融サービス業界で使用するためのいくつかの追加データタイプおよび符号化ルールを定義している。この業界標準は、EMV(Europay−MasterCard−Visa)標準と呼ばれている。ISO7816標準は、電気通信業界によって、携帯電話ユーザの識別および認証を可能にするために、GSM(global system for mobile communications)とともに使用するように採用されている。
【0005】
ISO7816標準、およびそれを採用している仕様のために、スマートカードアプリケーションおよび他のISO7816準拠アプリケーションは、現在、通常プロトコルユニットのスマートカードコントローラ内に組み込まれているスマートカードチップにデータを格納し、そこから取り出すのに大部分はI/Oライン、クロック(CLK)ライン、リセット(RST)ラインを使用して、ISO7816通信プロトコルでのみ動作する。
【0006】
本発明の一部の実施形態によれば、マルチプロトコル不揮発性メモリ(「NVM」)カードは、不揮発性メモリアレイ、少なくとも2つのプロトコルユニット、およびプロトコルユニットのうちの一方を使用して不揮発性メモリアレイへの外部アプリケーションアクセスを提供するよう構成されているコントローラを含み得る。コントローラまたは制御論理は、外部アプリケーションによって使用されているプロトコルの信号または他のインジケータに基づいてどのプロトコルユニットを使用すべきかを選択することができる。
【0007】
本発明の一部として、マルチプロトコル不揮発性メモリカードを操作する方法があり得る。本発明の一部の実施形態によれば、マルチプロトコルメモリカードを操作する方法は、不揮発性メモリカードへのアクセスを試みるアプリケーションからの信号に基づいてカードの第1のプロトコルモードと第2のプロトコルモードとを切り替えるステップを含み得る。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、インターフェイスおよびそのインターフェイスを操作する方法があり、インターフェイスは、実質的にISO7816標準に準拠する外部アプリケーションとマルチプロトコルメモリカードとの間にある。インターフェイスは、外部アプリケーションへの第1のコネクタ、およびマルチプロトコルメモリカードへの第2のコネクタを含み得る。本発明の一部の実施形態によるインターフェイスは、実質的にISO7816標準に準拠するモードで動作するようマルチプロトコルメモリカードに指示するシグナリング構造(signaling structure)も含み得る。
【0009】
本発明の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せ読めば、最もよく理解できよう。
図を簡潔かつ明瞭にするために、図面に示した要素は、必ずしも寸法を守って描かれているのではないことを理解されたい。例えば、明瞭にするために、要素の一部の寸法が他の要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、適切と見なされた場合、対応する要素または類似の要素を示すために、参照番号が図面間で繰り返されている場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、本発明を完全に理解できるように、特定の詳細が多数記載されている。しかし、本発明はこれらの特定の詳細無しに実施できることを当業者であれば理解されよう。他の例では、よく知られている方法、手順、および構成要素は、本発明を不明瞭にしないために、詳しく記載されていない。
【0011】
本発明の一部の実施形態によれば、マルチプロトコル不揮発性メモリ(「NVM」)カードは、不揮発性メモリアレイ、少なくとも2つのプロトコルユニット、およびプロトコルユニットのうちの一方を使用して不揮発性メモリアレイへの外部アプリケーションアクセスを提供するよう構成されているコントローラまたは制御論理を含み得る。コントローラまたは制御論理は、外部アプリケーションによって使用されているプロトコルのインジケータに基づいてどのプロトコルユニットを使用すべきかを選択することができる。
【0012】
本発明の一部として、マルチプロトコル不揮発性メモリカードを操作する方法があり得る。本発明の一部の実施形態によれば、マルチプロトコルメモリカードを操作する方法は、不揮発性メモリカードへのアクセスを試みるアプリケーションからの信号に基づいてカードの第1のプロトコルモードと第2のプロトコルモードとを切り替えるステップを含み得る。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、インターフェイスおよびそのインターフェイスを操作する方法があり、インターフェイスは、実質的にISO7816標準に準拠する外部アプリケーションとマルチプロトコルメモリカードとの間にある。インターフェイスは、外部アプリケーションへの第1のコネクタ、およびマルチプロトコルメモリカードへの第2のコネクタを含み得る。本発明の一部の実施形態によるインターフェイスは、実質的にISO7816標準に準拠するモードで動作するようマルチプロトコルメモリカードに指示するシグナリング構造も含み得る。
【0014】
本発明の一部の実施形態の一部として、MultiMediaCard(「MMC」)プロトコルユニットなどの第1のプロトコルユニット、およびISO7816メモリカードプロトコルユニットなどの第2のプロトコルユニットを有する単一のメモリカードへの実装があり得る。本発明の一部の実施形態によれば、各アプリケーションが異なるプロトコルを使用している場合、単一の不揮発性メモリカードによって、異なるアプリケーションは、同じ不揮発性メモリカードを介して不揮発性メモリに対して作用したり、それにアクセスしたりできるようになる。
【0015】
次に図1を参照する。図1は、本発明の一部の実施形態に従って動作するマルチプロトコルメモリカード10を示すブロック図である。メモリカード10は、少なくとも2つのプロトコルユニット、つまり第1のプロトコルユニット20および第2のプロトコルユニット30、およびコントローラ40または制御論理ユニット40、および不揮発性メモリアレイ50または不揮発性メモリユニット50を含み得る。
【0016】
プロトコルユニット20および30のいずれかまたは両方は、例えば(1)MMCプロトコル、(2)ISO7816−スマートカードプロトコル、(3)メモリスティックプロトコルなど、当分野で知られている標準化されたプロトコルに準拠する。1つまたは複数のプロトコルユニットに関連付けられているプロトコルのうちの任意の1つは、セキュリティまたは暗号化の機能を含み得る。プロトコルユニット20および30のうちの1つまたは複数は、内蔵不揮発性メモリアレイ32を含み得る。例えば、ISO7816スマートカード標準によれば、ISO7816準拠スマートカードは、内蔵コントローラユニット、すなわちプロトコルユニット、および内蔵不揮発性メモリアレイを有し得る。
【0017】
本発明の一部の実施形態によるマルチプロトコル不揮発性メモリカードは内部通信バスを含み、通信バスによって、制御論理40がプロトコルユニット20または30のいずれかと通信することができ、プロトコルユニットのいずれかが不揮発性メモリユニット50に直接またはコントローラ40を介してアクセスすることができるようになる。コネクタピン60は、コントローラ40および内部バスを外部アプリケーションに接続することができる。例えば65などコネクタピンのうちの1つまたは複数を使用して、どのプロトコルユニットがカードへのアクセスを試みる外部アプリケーションと通信することができるかを制御論理40に示すことができる。
【0018】
コントローラまたは制御論理40は、プロトコル選択モジュール42およびモード初期化モジュール44を含み得る。プロトコル選択モジュール42は、外部アプリケーションからの信号に基づいて、カードがどのプロトコルモードで動作しているはずかを決定することができ、また内部切り替え回路に適切なプロトコルユニットを稼働させるよう合図することができる。本明細書では、信号は、ソフトウェア/ファームウェア、および/またはハードウェアで生成される。モード初期化モジュール44は、所望のプロトコルの不揮発性メモリカードに対応する内部論理状態を生成するために、不揮発性メモリカード10の論理状態を初期化し、または条件付けることができる。
【0019】
本発明の一部の実施形態によるマルチモード不揮発性メモリカードの様々な部分は、個別の基板(半導体チップやカードなど)に実装したり、同じ基板上に製造したり、任意の組み合わせで実装したりすることができる。例えば、本発明の一実施形態によれば、第1のプロトコルユニット20および論理ユニット40を同じ基板に実装することができる。本発明の別の実施形態では、第2のプロトコルユニット30および論理ユニット40を同じ基板に実装することができる。本発明のさらに別の実施形態では、メモリユニット50および第2のプロトコルユニット30を同じ基板に実装することができる。他の多くの組み合わせは当業者にとっては明白であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0020】
第1のプロトコルユニット20は、当分野で知られている任意の方法で実装することができる。例えば、本発明の非限定的な実施形態では、プロトコルユニットは、MMCプロトコルユニットとして実装することができ、現在市販されているMMCコントローラの一部とすることができる。メモリユニット50も、当分野で知られている任意の方法で実装することができる。本発明の非制限的な実施形態では、メモリユニットは、NROMメモリアレイまたはユニットなどとして実装することができる。
【0021】
次に図2を参照すると、カードがISO7816プロトコルモードまたはMMCプロトコルモードで動作するように構成されている図1のマルチプロトコルメモリカードの一部の実施形態のブロック図が示されている。マルチプロトコルメモリカード10は、第1のプロトコルユニット20および第2のプロトコルユニット30を含み、第2のプロトコルユニットは、ISO7816準拠とすることができる。本発明の一部の実施形態によれば、第1のプロトコルユニット20は、MultiMediaCard(マルチィメディアカード)プロトコルユニット、SecureDigital(セキュアデジタル)プロトコルユニット、CompactFlash(コンパクトフラシュ)プロトコルユニット、メモリスティックプロトコルユニット、および不揮発性大容量メモリカードプロトコルユニットとすることができる。したがって、第1のプロトコルユニット20は、現在市販されている任意のMMCコントローラとすることができる。本発明の一部の実施形態によれば、第2のプロトコルユニット30は、内蔵不揮発性メモリアレイ32を備えるInfineon(商標)SLE66スマートカードコントローラ(イスラエル、ネタニヤのInfineon Technologies Flash Ltd.から入手可能)などのスマートカードコントローラとすることができる。制御論理40は、ASIC(「特定用途向けIC」)、あるいはISO7816またはMMC準拠コントローラのいずれかの変更部分とすることができる。
【0022】
図2は、データライン、クロックライン、リセットラインを使用してマルチプロトコル不揮発性メモリと通信するISO7816準拠ホストアプリケーション100(銀行アプリケーションなど)を示している。制御論理40は、アプリケーションがISO7816アプリケーションであることを識別しており、直接、または外部スイッチ(図示せず)を介して、信号またはラインをISO7816ホストアプリケーションから第2のプロトコルユニット30に接続することができる。制御ユニット40または制御論理40がMMCアプリケーションにアクセスを試みるアプリケーションを識別すると、制御論理40は、関連のラインまたは信号を、アプリケーションからMMCプロトコルユニット20に直接、または外部スイッチまたはマルチプレクサ(「MUX」)を介して接続し得る。例えば、本発明の一実施形態では、ISO7816標準の予備ピンを使用することができる。
【0023】
次に図3を参照すると、本発明の一部の実施形態による考え得る論理回路構成に関するいくつかの詳細を含む、図2のカードの詳細なブロック図が示されている。1組のピン60Aは、ISO7816アプリケーションと通信するために使用することができ、第2の組のピン60Bは、MMCアプリケーションと通信するために使用することができる。選択されたピンは、カード10へのアクセスを試みるアプリケーションがISO7816アプリケーションであるか、MMCアプリケーションであるかを示す信号を受信することができる。ピン60Aおよびピン60Bは、部分的に重なる2組のピンとすることができる。
【0024】
ISOコントローラ40は、ピン65からプロトコルインジケータ信号を受け入れるように、かつピンセット60Aを第2のプロトコルユニット30(すなわちSmartCardコントローラ)に接続するように、またはピンセット60Bを第1のプロトコルユニット20(MMC)に接続するように構成することができる。本発明の一部の実施形態に従って、1つまたは複数のスイッチ/マルチプレクサ70を使用して、マルチプロトコルカード10において内部信号パスを切り替えることができる。
【0025】
次に図4を参照すると、本発明の実施形態の一部による、3つの外部アプリケーションのそれぞれによって使用されるようにカードの不揮発性メモリアレイが仕切られている図1のマルチプロトコルカードのブロック図が示されている。本発明の一部の実施形態による制御論理40は、不揮発性メモリアレイ50のファイル割り振りまたはアプリケーション割り振りテーブル50Aを生成することができる。割り振りテーブル50Aによって、いくつかのアプリケーションは、不揮発性メモリアレイ上のスペースを共有することができる。特定のアプリケーションがカードへのアクセスを試みると、制御論理40は、割り振りテーブル50Aを使用して、不揮発性メモリアレイのどの物理的部分へのアクセスを許可すべきかを決定することができる。
【0026】
図4の例によれば、ISO7816準拠アプリケーション100Aは、第2のプロトコルユニット30上の内蔵不揮発性メモリアレイ32にアクセスする、または同様に第2のプロトコルユニット30を使用して、ISO7816準拠の使用のために取ってある不揮発性メモリアレイ50Bの一部にアクセスすることができる。2つのMMCアプリケーション100Bおよび100Cのそれぞれは、制御論理40および第1の(すなわちMMC)プロトコルユニット20を介して不揮発性メモリアレイ部分50Cおよび50Dにアクセスすることができる。
【0027】
一定量のメモリを異なるアプリケーションに関連付けられている個別のファイルまたはメモリセグメントに区切ることはよく知られている。現在知られている、または将来考案される任意の技術を本発明に適用することができる。
【0028】
次に図5を参照すると、本発明の一部の実施形態によるインターフェイス200を介してISO7816外部アプリケーションと通信する図1から図4までのいずれかによるカード、または他の任意のマルチプロトコルカードのブロック図が示されている。本発明の一部の実施形態によるインターフェイスは、ISO7816準拠アプリケーションなどの外部アプリケーションに接続するための第1の組の接続ピン240、および本発明の一部の実施形態によるマルチプロトコルカードに接続するための第2の組のピン220を有し得る。第1の組のピンは、ISO7816準拠の銀行または電気通信のアプリケーションなどのホストアプリケーションと係合するよう物理的に構成することができる。本発明の一実施形態によるマルチプロトコルカ―ド10は、MMCカード、スマートメディアカード、メモリスティックなどのものを含めていくつかの物理的構成および寸法のうちのいずれか1つを有し得るため、第2の組のピンは、カードの特定の実施形態と係合するように構成することができる。図5に示されているインターフェイスの例は、ISO7816準拠アプリケーションと、MMCカードの構成およびサイズを有するマルチプロトコルカードとの間のインターフェイスのものである。
【0029】
インターフェイス200は、信号を第1の組の接続ピン240から第2の組の接続ピン220に接続するための配線を含み得る。配線は、アプリケーション100によって送信される信号がカード10上の対応する適切なピンにマッピングされるように構成することができる。シグナリング構造260は、ホストアプリケーション100に関連付けられているプロトコルに対応するモードまたはプロトコルに切り替えるようマルチプロトコルカード10に指示することができる信号を生成することができる。本発明の一部の実施形態では、シグナリング構造は信号ソースであり、本発明の別の実施形態では、シグナリング構造は、ほぼカード10上の2つ以上のピンを接続し得る導体またはジャンパーとすることができる。
【0030】
次に図6を参照する。図6は、本発明の一部の実施形態によるマルチプロトコルカードを、MMCモードなどの第1のプロトコルモードからISO7816準拠モードなどの第2のプロトコルモードに切り替えるために実行することができる方法のフローチャート図である。この方法は、本発明の一実施形態によって動作するコントローラまたは制御論理40によって実行することができる。
【0031】
以下の説明は、図1および図2のマルチプロトコルカード10を参照して非制限的な実装形態例を使用する。メモリカード10は、MMC準拠モードで開始することができる(段階1000)。カードの制御論理またはコントローラ40は、MMCプロトコルユニットを使用してMMCアプリケーションと通信する、またはアイドルモード中、単にMMCプロトコルユニットをオンラインに保つことができる。カード10がISO7816モードであることを要求する外部アプリケーションからの指示または信号を受信すると、段階1200が起こり得る。段階1200に従って、ISO7816モードに切り替える旨の内部切り替えコマンドが送信され得る。切り替えが行われる前に、カードの現在のMMCモード詳細(構成、ファイルなど)を保存すべきかどうかを決定するためのチェックを行う(段階1300)ことができる。保存すべきである場合、段階1400で、現在のMMC準拠詳細をカード内の不揮発性メモリアレイに保存することができる。不揮発性メモリアレイの一部は、ファイルアプリケーションおよびカード構成データを格納するメモリセグメントを含み得る。詳細を保存する必要がない場合、段階1400をスキップすることができる。
【0032】
段階1300および1400に続いて、段階1500の一部として、第2のプロトコルモードの設定の際に、ISO7816準拠モードリセットシーケンスが必要かどうかを決定することができる。リセットシーケンスが必要ない場合、ISO7816準拠モードを確立する(段階1600)ことができ、段階1700で、ISO7816準拠モードを初期化することができる。
【0033】
リセットシーケンスが必要である場合、段階1800の一部として、前に保存されたISO7816準拠モードの復元を実行することができる。このモードは、不揮発性メモリアレイに格納されているデータに基づいて復元することができる。
【0034】
段階1700または段階1800の後で行われ得る段階1900で、ISO7816モードが動作可能となり得る。
次に図7を参照する。図7は、本発明の一実施形態によるマルチプロトコル不揮発性メモリカードをISO7816準拠プロトコルモードからMMCプロトコル準拠モードに切り替えるために本発明の一部の実施形態に従って実行することができる方法のフローチャート図である。図1から図5までのいずれか1つによるメモリカード10は、ISO7816準拠モードで開始することができる(段階2000)。MMCプロトコル準拠モードへの切り替えを実行することができるどうかを決定するようにチェックを行う(段階2100)ことができる。ISO7816モードからMMCプロトコルモードへのモード切り替えは、それだけには限定されないが、ホスト100からメモリカード10に実行され得るコマンドによるもの、ISO7816コネクタピン65を介して信号を送信することによるもの、または他の信号ラインによるものを含めて、多くの方法で実行することができる。一部の状態で、ISO7816モードからMMCモードへの切り替えが実行されない場合があり(段階2200)、したがってメモリカード10は、ISO7816準拠モードのままであり得る。しかし、それだけには限定されないが、メモリカード10を起動した後などを含む他の状況ではMMCモードで動作することができる。MMCモードへの切り替えコマンドを送信することができる(段階2300)。次いで現在のISO7816準拠モードを保存すべきかどうかに関するチェックを行う(段階2400)ことができる。保存すべきである場合、段階2500で、現在のISO7816準拠モードを保存することができる。
【0035】
段階2400または段階2500に続いて、第2のプロトコルモードの設定の際に、MMCモード初期化シーケンスが必要であるかどうかに関するチェックが行われる(段階2600)。初期化シーケンスが必要である場合、MMCモードの初期化を実行する(段階2700)ことができる。初期化シーケンスが必要ない場合、前に保存されたMMCモードを復元する(段階2800)ことができる。図6の段階1400など、前のセッション中にMMCモードが保存されている場合、保存されているMMCモードを復元することができる。段階2900で、カードのMMCモードが動作可能となり得る。
【0036】
本明細書に本発明のいくつかの特徴を例示し、説明してきたが、当業者には多くの変形、置換、変更、および均等物が思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の意図に含まれるすべての変形および変更をカバーするものとすることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一部の実施形態に従って動作するマルチプロトコルメモリカードを示すブロック図である。
【図2】カードがISO7816プロトコルモードまたはMMCプロトコルモードで動作するように構成されている図1のマルチプロトコルメモリカードの一部の実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明の一部の実施形態による考え得る論理回路構成に関する詳細を含む、図2のカードを示すより詳細なブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の一部による、3つの外部アプリケーションのそれぞれによって使用されるようにカードの不揮発性メモリアレイが仕切られている図1のマルチプロトコルカードを示すブロック図である。
【図5】本発明の一部の実施形態によるインターフェイスを介してISO7816外部アプリケーションと通信する図1から図4までのいずれかによるカード、または他の任意のマルチプロトコルカードを示すブロック図である。
【図6】本発明の一部の実施形態による、マルチプロトコルカードを第1のプロトコルモード(MMCモードなど)から第2のプロトコルモード(ISO7816モードなど)に切り替えることができる方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一部の実施形態による、マルチプロトコルカードを第2のプロトコルモード(ISO7816モードなど)から第1のプロトコルモード(MMCモードなど)に切り替えることができる方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリユニットと
少なくとも1つが前記不揮発性メモリユニットにアクセスできる少なくとも2つのプロトコルユニットと、
前記少なくとも2つのプロトコルユニットのうちの一方を選択する論理ユニットと
を含むマルチプロトコル不揮発性メモリカード。
【請求項2】
前記少なくとも2つのプロトコルユニットが
第1のプロトコルユニットと、
実質的に前記ISO7816標準に準拠する第2のプロトコルユニットと
を含む請求項1に記載のメモリカード。
【請求項3】
前記第2のプロトコルユニットが内蔵不揮発性メモリアレイを含む請求項2に記載のメモリカード。
【請求項4】
前記第1のプロトコルユニットが、マルチィメデアカードプロトコルユニット、セキュアデジタルプロトコルユニット、コンパクトフラッシュプロトコルユニット、メモリスティックプロトコルユニット、および不揮発性大容量メモリカードプロトコルユニットから成る前記グループから選択される請求項2に記載のメモリカード。
【請求項5】
前記不揮発性メモリユニット、前記少なくとも2つのプロトコルユニット、および前記論理ユニットが単一の基板上にある請求項1に記載のメモリカード。
【請求項6】
前記第1および第2のプロトコルユニットが別々の基板上にある請求項1に記載のメモリカード。
【請求項7】
前記論理ユニットが、ホストアプリケーションによって使用されるプロトコルを示す外部信号に基づいてプロトコルユニットを選択する請求項1に記載のメモリカード。
【請求項8】
前記ホストアプリケーションが実質的に前記ISO7816標準に準拠する場合、前記第2のプロトコルユニットが選択される請求項7に記載のメモリカード。
【請求項9】
前記第2のプロトコルユニットが前記ホストアプリケーションの前記内蔵不揮発性メモリアレイへのアクセスを許可する請求項8に記載のメモリカード。
【請求項10】
前記ホストアプリケーションが実質的に前記ISO7816標準に準拠していない場合、前記第1のプロトコルユニットが選択され、前記第1のプロトコルユニットが前記ホストアプリケーションの前記不揮発性メモリユニットへのアクセスを許可する請求項7に記載のメモリカード。
【請求項11】
前記不揮発性メモリカードへのアクセスを求めるアプリケーションからの信号に基づいて第1のプロトコルモードと第2のプロトコルモードとを切り替えるステップ
を含むマルチプロトコル不揮発性メモリカードを操作する方法。
【請求項12】
前記第1のプロトコルモードから前記第2のプロトコルモードに切り替える前記ステップが
前記第2のプロトコルモードに切り替えるよう前記不揮発性メモリメモリカードに指示するステップと、
前記第2のプロトコルモードを設定するステップと
を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記指示するステップが物理的な切り替えを稼働させるステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記指示するステップがファームウェアコマンドを送信するステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記指示するステップが第2のプロトコルユニットを稼働させるステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記設定するステップが初期化シーケンスを実行するステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記設定するステップが前のカード状態を復元するステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記現在のカード状態を保存するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のプロトコルモードから前記第1のプロトコルモードに切り替えるステップが
前記第1のプロトコルモードに切り替えるよう前記不揮発性メモリメモリカードコマンドに指示するステップと、
前記第1のプロトコルモードを設定するステップと
を含む請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記指示するステップが物理的な切り替えを稼働させるステップを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記指示するステップがファームウェアコマンドを送信するステップを含む請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のプロトコルモードが実質的に前記ISO7816標準に準拠しており、前記不揮発性メモリカードが前記第2のプロトコルモードから前記第1のプロトコルモードに切り替わる前に、こうした切り替えが可能かどうかの決定が行われる請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記アプリケーションへの第1のコネクタおよび前記マルチプロトコルメモリカードへの第2のコネクタと、
前記ISO7816標準に実質的に準拠するモードで動作するよう前記マルチプロトコルメモリカードに指示するシグナリング構造と
を含む実質的に前記ISO7816標準に準拠するアプリケーションとマルチプロトコルメモリカードとの間のインターフェイス。
【請求項24】
前記第2のコネクタが、マルチィメディアカードコネクタ、セキュアデジタルカードコネクタ、コンパクトフラッシュカードコネクタ、メモリスティックコネクタ、および不揮発性大容量メモリカードコネクタから成る前記グループから選択される請求項23に記載のインターフェイス。
【請求項25】
前記シグナリング構造が前記第2のコネクタ上の2つ以上のピンに接続されている導電ジャンパーである請求項23に記載のインターフェイス。
【請求項26】
前記シグナリング構造が信号ソースである請求項23に記載のインターフェイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−518897(P2006−518897A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502645(P2006−502645)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000190
【国際公開番号】WO2004/077335
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
コンパクトフラッシュ
COMPACTFLASH
【出願人】(505320942)インフィニオン・テクノロジーズ・フラッシュ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】