説明

マルチメディアコンテンツ制作装置

【課題】制作するマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームの過大化を抑えて、編集ミスの発生や編集作業の負荷の増大を防止することができるようにする。
【解決手段】警告画面表示部9が、メディアデータ挿入部7によりメディアデータが挿入されたプロジェクト情報が表すプロジェクトのコンテンツボリューム、あるいは、メディアデータ編集部8により編集されたメディアデータを含むプロジェクト情報が表すプロジェクトのコンテンツボリュームが、プロジェクト生成部5により設定された最大コンテンツボリュームを超えていれば、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告画面をディスプレイ3に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、多種のメディア(例えば、映像、静止画、音声、テキスト、図形など)が含まれているマルチメディアコンテンツの制作や編集を行うマルチメディアコンテンツ制作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、熟年者が保有する技能を効率よく若手に伝承する技能育成システムの需要が大きくなっている。
特に、ノウハウやコツなどの暗黙知技能は、企業内で行われる企業内教育・教育訓練手法の一つであるOJT(On−the−Job Training)で伝承・育成するのが一般的ではあるが、OJTはマンツーマン(man to man)での指導が多く育成コストが高い。
一方、社外研修等によるトレーニングであるオフジェイティー(OffJT:Off−the−Job Training)でよく使用される文章ベースの教材やマニュアルを活用する方法では、暗黙知技能の伝承が困難である。
【0003】
そこで、最近では、文章ベースの教材やマニュアルに代わって、例えば、映像、静止画、音声、テキスト、図形などの複数の種類のメディアを含んでいるデジタルコンテンツ(マルチメディアコンテンツ)で構成されている教材やマニュアルを活用する方法が増えてきている。
多彩なメディアを含んでいるマルチメディアコンテンツで構成されている教材やマニュアルを活用する場合、視覚的・聴覚的に技能を伝承することができるので、効率的な技能伝承が実現し、OJTでの育成時間の短縮やコストの削減を図ることができる。
【0004】
多彩なメディアを含んでいるマルチメディアコンテンツの制作や編集を行う装置として、マルチメディアコンテンツ制作装置がある。
しかし、制作者がマルチメディアコンテンツ制作装置を利用して、マルチメディアコンテンツを制作する場合、メディアの種類や数が多くなると、マルチメディアコンテンツ制作装置に対する設定が膨大になるとともに、複数のメディア間の関係が複雑になるため、制作者が編集ミスを犯し易くなる。また、制作者における編集作業の負荷が過大なものとなる。
【0005】
このようにして制作されたマルチメディアコンテンツは、コンテンツボリュームが極めて大きくなって、複数のメディア間の関係が複雑になるため、学習し難いコンテンツになってしまうことがある。
また、マルチメディアコンテンツの伝送負荷や再生負荷が大きくなるため、再生端末において、マルチメディアコンテンツを正常に再生できなくなることもある。
このような場合には、結局、制作者が、マルチメディアコンテンツを作り直すことになり、マルチメディアコンテンツ制作装置を利用する意味がなくなる。
【0006】
近年、複雑なマルチメディアコンテンツを簡単に編集することが可能なマルチメディアコンテンツ制作装置や、最適なコンテンツボリュームのマルチメディアコンテンツを制作することが可能なマルチメディアコンテンツ制作装置が開発されている。
例えば、以下の特許文献1に開示されているマルチメディアコンテンツ制作装置では、マルチメディアコンテンツに含まれる映像・音声・文書などをオブジェクトとして取り扱い、それらのオブジェクトを時間軸上で同期できるように、それらのオブジェクトに時刻情報を設定することができるようにしている。
また、オブジェクト間の関係を表すリンク情報の設定も可能にして、制作者がオブジェクトやリンク情報を自由に編集することができるようにしている。
【0007】
また、以下の特許文献2に開示されているマルチメディアコンテンツ制作装置では、マルチメディアコンテンツを制作する際、マルチメディアコンテンツを再生するコンテンツ再生端末のメモリ量を考慮して、制作するマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームを決定し、そのコンテンツボリュームに見合うマルチメディアコンテンツを制作するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−53677号公報(段落番号[0008])
【特許文献2】特開2005−158157号公報(請求項1〜6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のマルチメディアコンテンツ制作装置は以上のように構成されているので、マルチメディアコンテンツに含まれる映像・音声・文書などをオブジェクトとして取り扱う場合でも、数十分や数時間の長編のマルチメディアコンテンツを制作しようとすると、オブジェクトの個数が膨大になり、それに伴ってリンク情報も複雑となる。そのため、結局の所は、制作者が編集ミスを犯し易くなり、制作者における編集作業の負荷が過大なものとなってしまう課題があった。
また、マルチメディアコンテンツを再生するコンテンツ再生端末のメモリ量を考慮して、制作するマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームを決定する場合、制作者の意図に沿わない長編のマルチメディアコンテンツが制作されてしまうことがある(コンテンツ再生端末のメモリ量が多い場合、コンテンツボリュームが必要以上に大きいマルチメディアコンテンツが制作されてしまうことがある)。このような場合、上記と同様に、制作者が編集ミスを犯し易くなり、制作者における編集作業の負荷が過大なものとなってしまう課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、制作するマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームの過大化を抑えて、編集ミスの発生や編集作業の負荷の増大を防止することができるマルチメディアコンテンツ制作装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るマルチメディアコンテンツ制作装置は、新規に生成するマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームの設定を受け付けるコンテンツボリューム設定手段と、メディアデータ保持手段により保持されている各種のメディアデータの中から、マルチメディアコンテンツに含めるメディアデータの選択操作を受け付けて、そのメディアデータをマルチメディアコンテンツに挿入するメディアデータ挿入手段と、メディアデータ挿入手段により挿入されたメディアデータの編集操作を受け付けて、そのメディアデータを編集するメディアデータ編集手段とを設け、警告提示手段が、メディアデータ挿入手段によりメディアデータが挿入されたマルチメディアコンテンツのコンテンツボリューム又はメディアデータ編集手段によりメディアデータが編集されたマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームがコンテンツボリューム設定手段により設定が受け付けられた最大コンテンツボリュームを超えていれば、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告情報を提示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、新規に生成するマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームの設定を受け付けるコンテンツボリューム設定手段と、メディアデータ保持手段により保持されている各種のメディアデータの中から、マルチメディアコンテンツに含めるメディアデータの選択操作を受け付けて、そのメディアデータをマルチメディアコンテンツに挿入するメディアデータ挿入手段と、メディアデータ挿入手段により挿入されたメディアデータの編集操作を受け付けて、そのメディアデータを編集するメディアデータ編集手段とを設け、警告提示手段が、メディアデータ挿入手段によりメディアデータが挿入されたマルチメディアコンテンツのコンテンツボリューム又はメディアデータ編集手段によりメディアデータが編集されたマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームがコンテンツボリューム設定手段により設定が受け付けられた最大コンテンツボリュームを超えていれば、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告情報を提示するように構成したので、制作するマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームの過大化を抑えて、編集ミスの発生や編集作業の負荷の増大を防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1によるマルチメディアコンテンツ制作装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるマルチメディアコンテンツ制作装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2によるマルチメディアコンテンツ制作装置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態2によるマルチメディアコンテンツ制作装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】プロジェクトメモリ部6のオブジェクト領域12aとマルチプロジェクト領域12cを示す説明図である。
【図6】マルチメディアコンテンツの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるマルチメディアコンテンツ制作装置を示す構成図である。
図1において、素材メディア格納部1は例えばハードディスクやDVDなどの記録媒体から構成されており、マルチメディアコンテンツに含めることが可能な各種のメディア(例えば、映像、静止画、音声、テキスト、図形など)のデータ(以下、「メディアデータ」と称する)を保持している。なお、素材メディア格納部1はメディアデータ保持手段を構成している。
【0015】
マンマシンインタフェース部2は例えばキーボード、マウスやタッチパネルなどから構成されており、制作者の操作を受け付ける処理を実施する。
この実施の形態1では、マンマシンインタフェース部2が制作者の操作を受け付ける例を示すが、図1のマルチメディアコンテンツ制作装置が、例えば、LANやインターネットなどのネットワークに接続される場合、他のコンピュータから送信された制作者の操作情報を受信するネットワークI/F機器を備え、そのネットワークI/F機器が当該操作情報にしたがって、制作者の操作を受け付けるようにしてもよい。
ディスプレイ3は例えば可能な操作の内容や、映像、静止画、テキスト、図形などのメディアデータや、制作されたマルチメディアコンテンツなどを表示する表示装置である。
スピーカ4は音声などのメディアデータを再生する装置である。
【0016】
プロジェクト生成部5は例えばCPUなどを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、新規のマルチメディアコンテンツの生成要求を入力すると、その生成要求を受け付けて、空のプロジェクト情報を生成し、そのプロジェクト情報をプロジェクトメモリ部6に格納する処理を実施する。
ただし、プロジェクト情報は、最終的なマルチメディアコンテンツが制作される前のコンテンツであるプロジェクトをバイナリ形式のデータで表している情報であり、例えば、プロジェクトに含まれる個々のコンテンツの構成情報(例えば、当該コンテンツの種類や画面上の配置などを示す情報)、当該コンテンツの編集履歴を示す編集履歴情報、当該コンテンツの再生用データであるメディアデータなどを含む情報である
【0017】
また、プロジェクト生成部5は制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、新規に生成するマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリューム(例えば、コンテンツ長(時間)の最大値や、プロジェクトに含めることが可能なメディアデータの最大数又はサイズ)を指定すると、新規に生成するマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームの設定処理を実施する。
なお、マンマシンインタフェース部2及びプロジェクト生成部5からコンテンツボリューム設定手段が構成されている。
【0018】
プロジェクトメモリ部6は例えばRAM(Random Access Memory)などの半導体記憶装置から構成されており、プロジェクト生成部5により生成されたプロジェクト情報を格納する。
メディアデータ挿入部7は例えばCPUなどを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、素材メディア格納部1により保持されている各種のメディアデータの中から、マルチメディアコンテンツに含める所望のメディアデータを選択すると、そのメディアデータをプロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報に挿入するとともに、そのメディアデータにしたがって当該プロジェクト情報に含まれているコンテンツの構成情報を更新する処理を実施する。
なお、マンマシンインタフェース部2及びメディアデータ挿入部7からメディアデータ挿入手段が構成されている。
【0019】
プロジェクト編集部8は例えばCPUなどを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、メディアデータ挿入部7により挿入されたメディアデータの編集指令を入力すると、その編集指令にしたがって当該メディアデータの編集処理を実施する。
ただし、プロジェクト編集部8はメディアデータ挿入部7により挿入されたメディアデータが映像又は静止画である場合、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、その映像又は静止画における注目箇所を示唆するテキスト又は図形の挿入指令を入力すると、その挿入指令にしたがって当該テキスト又は図形のデータをプロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報に挿入し、また、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、そのテキスト又は図形の編集指令を入力すると、その編集指令にしたがって当該テキスト又は図形のデータの編集処理を実施する。
なお、マンマシンインタフェース部2及びプロジェクト編集部8からメディアデータ編集手段が構成されている。
【0020】
警告画面表示部9は例えばCPUなどを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、メディアデータ挿入部7によりメディアデータが挿入されたプロジェクト情報が表すプロジェクトのコンテンツボリューム、あるいは、メディアデータ編集部8により編集されたメディアデータを含むプロジェクト情報が表すプロジェクトのコンテンツボリュームが、プロジェクト生成部5により設定された最大コンテンツボリュームを超えていれば、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告画面(警告情報)をディスプレイ3に表示する処理を実施する。
あるいは、そのプロジェクトのコンテンツボリュームが最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告音をスピーカ4から出力させる処理を実施する。
なお、ディスプレイ3、スピーカ4及び警告画面表示部9から警告提示手段が構成されている。
【0021】
プロジェクトプレビュー部10は例えばGPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、プロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報に含まれているメディアデータや、テキスト又は図形のデータ等を再生することで、プロジェクトをディスプレイ3に表示する処理を実施する。
また、プロジェクトプレビュー部10はプロジェクト情報に含まれているメディアデータが音声であれば、その音声をスピーカ4から出力させる処理を実施する。
なお、ディスプレイ3、スピーカ4及びプロジェクトプレビュー部10からコンテンツ再生手段が構成されている。
【0022】
プロジェクト保存部11は例えばCPUなどを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、制作者がプロジェクトプレビュー部10により表示されたプロジェクトを見て問題がなければ、プロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報をプロジェクトファイルとしてプロジェクト格納部12に保存する処理を実施する。
プロジェクト格納部12は例えばハードディスクやDVDなどの記録媒体から構成されており、プロジェクトファイルを格納する。
【0023】
プロジェクト読出部13は例えばCPUなどを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、プロジェクト格納部12によりプロジェクトファイルとして格納されているプロジェクト情報を読み出し、そのプロジェクト情報をプロジェクトメモリ部6に出力する処理を実施する。
【0024】
コンテンツ生成部14はプロジェクトをバイナリ形式のデータで表しているプロジェクト情報を例えばHTML(HyperText Markup Language)などのコンテンツ書式に変換し、変換後のプロジェクト情報をコンテンツファイルとしてコンテンツ格納部15に保存する処理を実施する。
コンテンツ格納部15は例えばハードディスクやDVDなどの記録媒体から構成されており、コンテンツファイルを格納する。
なお、プロジェクト保存部11、プロジェクト格納部12、コンテンツ生成部14及びコンテンツ格納部15からコンテンツ保存手段が構成されている。
【0025】
図1の例では、マルチメディアコンテンツ制作装置の構成要素であるマンマシンインタフェース部2、プロジェクト生成部5、メディアデータ挿入部7、プロジェクト編集部8、警告画面表示部9、プロジェクトプレビュー部10、プロジェクト保存部11、プロジェクト読出部13及びコンテンツ生成部14のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、マルチメディアコンテンツ制作装置がコンピュータで構成される場合、マンマシンインタフェース部2、プロジェクト生成部5、メディアデータ挿入部7、プロジェクト編集部8、警告画面表示部9、プロジェクトプレビュー部10、プロジェクト保存部11、プロジェクト読出部13及びコンテンツ生成部14の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
図2はこの発明の実施の形態1によるマルチメディアコンテンツ制作装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0026】
次に動作について説明する。
新規のマルチメディアコンテンツを制作する場合、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、新規のマルチメディアコンテンツの生成要求を入力する。
プロジェクト生成部5は、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、新規のマルチメディアコンテンツの生成要求を入力すると、その生成要求を受け付けて、空のプロジェクト情報を生成し、そのプロジェクト情報をプロジェクトメモリ部6に格納する(ステップST1)。
なお、プロジェクト情報は、最終的なマルチメディアコンテンツが制作される前のコンテンツであるプロジェクトをバイナリ形式のデータで表している情報であり、そのプロジェクトに含まれる個々のコンテンツの構成情報、当該コンテンツの編集履歴を示す編集履歴情報、当該コンテンツの再生用データであるメディアデータなどを含むが、この段階では、プロジェクト情報には何も含まれていない。
【0027】
また、新規のマルチメディアコンテンツを制作する場合、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、新規に生成するマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームを指定する。
プロジェクト生成部5は、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、新規のマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームを指定すると、新規に生成するマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームを設定する(ステップST2)。
例えば、最大コンテンツボリュームとしては、コンテンツ長(時間)の最大値や、プロジェクトに含めることが可能なメディアデータの最大数又はサイズなどが考えられる。
【0028】
メディアデータ挿入部7は、プロジェクト生成部5が最大コンテンツボリュームを設定すると、マルチメディアコンテンツに含める所望のメディアデータの選択を制作者に促すために、素材メディア格納部1により保持されているメディアデータの一覧表をディスプレイ3に表示する。
メディアデータ挿入部7は、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、素材メディア格納部1により保持されている各種のメディアデータの中から、マルチメディアコンテンツに含める所望のメディアデータを選択すると、プロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報を取得し、そのメディアデータを当該プロジェクト情報に挿入する(ステップST3)。
【0029】
また、メディアデータ挿入部7は、そのメディアデータのプロパティ情報(メディアの種類、長さ(時間)、サイズなどを示す情報)を参照して、当該プロジェクト情報に含まれているコンテンツの構成情報を更新する(例えば、挿入しているメディアデータが映像であれば、構成情報には映像のコンテンツが追加された旨を記述する)とともに、そのプロパティ情報を当該プロジェクト情報に挿入する。
【0030】
警告画面表示部9は、メディアデータ挿入部7がメディアデータ及びプロパティ情報をプロジェクト情報に挿入すると、そのプロジェクト情報に含まれている全てのメディアデータのプロパティ情報を参照して、当該プロジェクトのコンテンツボリュームを算出する。
例えば、プロジェクト生成部5により設定された最大コンテンツボリュームが、コンテンツ長の最大値であれば、当該プロジェクトのコンテンツボリュームとして、当該プロジェクトのデータ長を算出する。
また、プロジェクト生成部5により設定された最大コンテンツボリュームが、コンテンツ時間の最大値であれば、当該プロジェクトのコンテンツボリュームとして、当該プロジェクトの再生時間を算出する。
また、プロジェクト生成部5により設定された最大コンテンツボリュームが、当該プロジェクトに含めることが可能なメディアデータの最大数であれば、当該プロジェクトのコンテンツボリュームとして、当該プロジェクトに含まれているメディアデータの個数を算出する。
【0031】
警告画面表示部9は、プロジェクトのコンテンツボリュームを算出すると、そのコンテンツボリュームとプロジェクト生成部5により設定された最大コンテンツボリュームを比較して、そのコンテンツボリュームが最大コンテンツボリュームを超えているか否かを判定する(ステップST4)。
警告画面表示部9は、プロジェクトのコンテンツボリュームが最大コンテンツボリュームを超えていれば、メディアデータをプロジェクト情報に詰め込み過ぎであることを制作者に知らせるために、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告画面をディスプレイ3に表示する(ステップST5)。
ここでは、警告画面表示部9が警告画面をディスプレイ3に表示するものを示したが、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告音をスピーカ4から出力させるようにしてもよい。
【0032】
制作者は、警告画面がディスプレイ3に表示されることで、これ以上、メディアデータをプロジェクト情報に挿入することが不可能であることを認識することができる。
図2では、今回挿入されたメディアデータについては、そのままプロジェクトへの挿入を許可している例を示しているが、今回挿入されたメディアデータの挿入を認めずに、メディアデータ挿入部7が、プロジェクト情報から当該メディアデータ及びプロパティ情報を削除するようにしてもよい。
【0033】
プロジェクト編集部8は、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、メディアデータ挿入部7により挿入されたメディアデータの編集指令を入力すると、その編集指令にしたがって当該メディアデータの編集処理を実施する(ステップST6)。
メディアデータの編集処理自体は公知の技術でるため詳細な説明を省略するが、メディアデータの編集処理としては、例えば、メディアデータの不要なシーンを削除するカット編集や、メディアデータの再生や表示を開始する時刻の設定や調整を行う再生時刻編集などが考えられる。
【0034】
警告画面表示部9は、プロジェクト編集部8がメディアデータの編集処理を実施すると、その編集処理によって、プロジェクトのコンテンツボリュームが最大コンテンツボリュームを超えてしまうことがあるので、再度、編集処理後のプロジェクトのコンテンツボリュームを算出する。
警告画面表示部9は、編集処理後のプロジェクトのコンテンツボリュームを算出すると、そのコンテンツボリュームとプロジェクト生成部5により設定された最大コンテンツボリュームを比較して、そのコンテンツボリュームが最大コンテンツボリュームを超えているか否かを判定する(ステップST7)。
【0035】
警告画面表示部9は、編集処理後のプロジェクトのコンテンツボリュームが最大コンテンツボリュームを超えていれば、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告画面をディスプレイ3に表示する(ステップST8)。
ここでは、警告画面表示部9が警告画面をディスプレイ3に表示するものを示したが、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告音をスピーカ4から出力させるようにしてもよい。
【0036】
制作者は、警告画面がディスプレイ3に表示されることで、これ以上、メディアデータをプロジェクト情報に挿入することや、メディアデータを編集することが不可能であることを認識することができる。
図2では、今回のメディアデータの編集を許可している例を示しているが、今回のメディアデータの編集を認めずに、プロジェクト編集部8が、プロジェクト情報に含まれているメディアデータを編集前のメディアデータに戻すようにしてもよい。
【0037】
メディアデータ挿入部7により挿入されたメディアデータが映像又は静止画であるとき、制作者が、その映像又は静止画において、注目箇所を示唆したいと考える場合、マンマシンインタフェース部2を操作して、その映像又は静止画における注目箇所を示唆するテキスト又は図形の挿入指令を入力することができる。
プロジェクト編集部8は、メディアデータ挿入部7により挿入されたメディアデータが映像又は静止画である場合(ステップST9)、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、その映像又は静止画における注目箇所を示唆するテキスト又は図形の挿入指令を入力すると(ステップST10)、その挿入指令にしたがって、その映像又は静止画上に当該テキスト又は図形を挿入する(ステップST11)。
即ち、プロジェクト編集部8は、当該テキスト又は図形のデータをプロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報に挿入する。
【0038】
また、プロジェクト編集部8は、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、そのテキスト又は図形の編集指令を入力すると、その編集指令にしたがって当該テキスト又は図形のデータの編集処理を実施する(ステップST12)。
テキスト又は図形のデータの編集処理自体は公知の技術でるため詳細な説明を省略するが、テキスト又は図形のデータの編集処理としては、例えば、注目箇所が明確になるように、テキスト又は図形の形/色/大きさなどを変更する処理や、テキスト又は図形の表示位置/表示時間の調整を行う処理などが考えられる。
【0039】
プロジェクトプレビュー部10は、プロジェクト編集部8がメディアデータ等の編集を行うと、プロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報に含まれているメディアデータや、テキスト又は図形のデータ等を再生することで、現在のプロジェクトをディスプレイ3に表示する(ステップST13)。
これにより、制作者は、現在制作中のプロジェクトを確認することができる。
ただし、プロジェクト情報に含まれているメディアデータが音声であれば、その音声をスピーカ4から出力させることで、現在制作中のプロジェクトを制作者に提示する。
【0040】
制作者は、現在制作中のプロジェクトを確認して、意図通りにメディアデータが編集されていなければ(ステップST14)、ステップST6に戻り、再度、メディアデータの編集処理を実施する。
また、意図通りにテキスト又は図形のデータが編集されていなければ(ステップST14)、ステップST12に戻り、再度、テキスト又は図形のデータの編集処理を実施する。
【0041】
一方、意図通りにメディアデータ等が編集されている場合、更に、他のメディアデータを当該プロジェクトに挿入する必要があれば(ステップST15)、ステップST3に戻り、再度、メディアデータの挿入処理を実施する。
これ以上、メディアデータを当該プロジェクトに挿入する必要がなければ(ステップST15)、当該プロジェクトの編集を終了する。
【0042】
プロジェクト保存部11は、制作者がプロジェクトプレビュー部10により表示されたプロジェクトを見て問題がなければ、プロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報をプロジェクトファイルとしてプロジェクト格納部12に保存する(ステップST16)。
【0043】
コンテンツ生成部14は、制作者がプロジェクトプレビュー部10により表示されたプロジェクトを見て問題がなければ、プロジェクトメモリ部6により格納されているバイナリ形式のプロジェクト情報を、例えば、HTMLなどのコンテンツ書式に変換し、変換後のプロジェクト情報をコンテンツファイルとしてコンテンツ格納部15に保存する(ステップST17)。
【0044】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、新規に生成するマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームを指定すると、そのマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームの設定処理を実施するプロジェクト生成部5と、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、素材メディア格納部1により保持されている各種のメディアデータの中から、マルチメディアコンテンツに含める所望のメディアデータを選択すると、そのメディアデータをプロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報に挿入するメディアデータ挿入部7と、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、メディアデータ挿入部7により挿入されたメディアデータの編集指令を入力すると、その編集指令にしたがって当該メディアデータの編集処理を実施するプロジェクト編集部8とを設け、警告画面表示部9が、メディアデータ挿入部7によりメディアデータが挿入されたプロジェクト情報が表すプロジェクトのコンテンツボリューム、あるいは、メディアデータ編集部8により編集されたメディアデータを含むプロジェクト情報が表すプロジェクトのコンテンツボリュームが、プロジェクト生成部5により設定された最大コンテンツボリュームを超えていれば、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告画面をディスプレイ3に表示するように構成したので、新たに制作するマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームの過大化を抑えて、編集ミスの発生や編集作業の負荷の増大を防止することができる効果を奏する。
【0045】
即ち、制作者が目標のコンテンツボリュームよりも大きなマルチメディアコンテンツを間違って制作・編集してしまうミスを防止することができる効果を奏する。
また、メディアの最大数、最大容量、最大時間長を示す情報をプロジェクト情報内に保存することができることで、マルチメディアコンテンツを数回に跨って編集したり、第3者がマルチメディアコンテンツを編集したりする際にも、当初の目標のコンテンツボリュームよりも大きなマルチメディアコンテンツを間違って制作・編集してしまうミスを防止することができる効果を奏する。
【0046】
また、この実施の形態1によれば、メディアデータ挿入部7により挿入されたメディアデータが映像又は静止画である場合、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、その映像又は静止画における注目箇所を示唆するテキスト又は図形の挿入指令を入力すると、プロジェクト編集部8が、その挿入指令にしたがって当該テキスト又は図形のデータをプロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報に挿入し、また、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、そのテキスト又は図形の編集指令を入力すると、その編集指令にしたがって当該テキスト又は図形のデータの編集処理を実施するように構成したので、コンテンツの視聴者に対して、映像又は静止画上の注目箇所を速やかに認識させることができる効果を奏する。
また、コンテンツの視聴者に対して、映像又は静止画の関連情報が映像又は静止画上のどの箇所に関連する情報であるかなどを明示的に図形等で表示することが可能となる。
【0047】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2によるマルチメディアコンテンツ制作装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
プロジェクト結合部21は例えばCPUなどを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、プロジェクト読出部13により読み出された2以上のプロジェクト情報がプロジェクトメモリ部6に格納されている場合、2以上のプロジェクト情報を結合する処理を実施する。
【0048】
また、プロジェクト結合部21は2以上のプロジェクト情報を結合する際、プロジェクト情報が表すコンテンツの再生順序の設定操作を受け付けて、その再生順序にしたがって2以上のプロジェクト情報を結合する。
なお、マンマシンインタフェース部2、プロジェクト読出部13及びプロジェクト結合部21からコンテンツ結合手段が構成されている。
【0049】
図3の例では、マルチメディアコンテンツ制作装置の構成要素であるマンマシンインタフェース部2、プロジェクト生成部5、メディアデータ挿入部7、プロジェクト編集部8、警告画面表示部9、プロジェクトプレビュー部10、プロジェクト保存部11、プロジェクト読出部13、コンテンツ生成部14及びプロジェクト結合部21のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、マルチメディアコンテンツ制作装置がコンピュータで構成される場合、マンマシンインタフェース部2、プロジェクト生成部5、メディアデータ挿入部7、プロジェクト編集部8、警告画面表示部9、プロジェクトプレビュー部10、プロジェクト保存部11、プロジェクト読出部13、コンテンツ生成部14及びプロジェクト結合部21の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
図4はこの発明の実施の形態2によるマルチメディアコンテンツ制作装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0050】
次に動作について説明する。
プロジェクト保存部11が、プロジェクトメモリ部6により格納されているプロジェクト情報をプロジェクトファイルとしてプロジェクト格納部12に保存するまでの処理内容は上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態2では、プロジェクト格納部12に保存されている複数のプロジェクト情報を結合して、長編のマルチメディアコンテンツを制作するものである。
以下、処理内容を具体的に説明する。
【0051】
はじめに、図1のマルチメディアコンテンツ制作装置と同様にして、複数のプロジェクトを生成し、そのプロジェクトを表すプロジェクト情報がプロジェクトファイルとしてプロジェクト格納部12に格納されているものとする。
制作者が、既に制作している複数のプロジェクト情報を結合して、長編のマルチメディアコンテンツの制作を希望する場合、マンマシンインタフェース部2を操作して、プロジェクトの結合要求を入力する。
【0052】
プロジェクト読出部13は、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、プロジェクトの結合要求を入力すると、その結合要求を受け付けて、プロジェクト格納部12により格納されているプロジェクトファイルの一覧表をディスプレイ3に表示する。
このプロジェクトファイルの一覧表は、結合可能なプロジェクトファイルを選択するための画面であり、制作者に希望するプロジェクトファイルの選択を促すものである。
【0053】
プロジェクト読出部13は、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、プロジェクトファイルの一覧表の中から、結合を希望する2以上のプロジェクトファイルを選択すると、その選択指令にしたがって、プロジェクト格納部12に格納されている2以上のプロジェクトファイルを開き(ステップST21)、2以上のプロジェクトファイルをプロジェクト情報として読み出し、2以上のプロジェクト情報をプロジェクトメモリ部6のオブジェクト領域6aに格納する(ステップST22)。
【0054】
プロジェクト結合部21は、制作者が結合を希望する全てのプロジェクトファイルを選択すると(ステップST23)、プロジェクト格納部12により格納されている2以上のプロジェクト情報を参照して、2以上のプロジェクト情報を示す一覧表をディスプレイ3に表示し、プロジェクトの再生順序の編集を促すようにする。
プロジェクト結合部21は、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、プロジェクトの再生順序を指定すると、その再生順序にしたがって2以上のプロジェクト情報を結合する。
即ち、プロジェクト結合部21は、その再生順序通りに、2以上のプロジェクト間のリンク情報をプロジェクトメモリ部6のマルチプロジェクト領域6bに格納する(ステップST24)。
【0055】
例えば、プロジェクト格納部12に格納されている2以上のプロジェクト情報が“サンプル(1)”,“サンプル(2)”,・・・であるときに、“サンプル(1)”→“サンプル(2)”→・・・の順序で結合する場合、図5に示すように、マルチプロジェクト領域6bのマルチプロジェクトに含まれているプロジェクト[1]のプロジェクト名に“サンプル(1)”を設定し、プロジェクト[2]のプロジェクト名に“サンプル(2)”を設定する。
【0056】
次に、プロジェクト結合部21は、その再生順序通りに各プロジェクトを再生できるようにするために、各プロジェクトの再生時刻のオフセット時間を算出し(ステップST25)、そのオフセット時間をプロジェクトメモリ部6のマルチプロジェクト領域6bに格納する(ステップST26)。
図5に示すように、“サンプル(1)”→“サンプル(2)”→・・・の順序で結合すると、例えば、“サンプル(1)”のプロジェクトに含まれている全てのメディアの中で、一番最後の終了時刻を検索し(図5の例では、20秒)、マルチプロジェクト領域6bのマルチプロジェクトに含まれているプロジェクト[2]のオフセット時刻に、その終了時刻を設定する。
【0057】
プロジェクト保存部11は、プロジェクト結合部21が2以上のプロジェクト情報を結合すると、マルチプロジェクト情報(複数のプロジェクト情報が結合されている情報)をマルチプロジェクトファイルとしてプロジェクト格納部12に保存する(ステップST27)。
コンテンツ生成部14は、プロジェクト結合部21が2以上のプロジェクト情報を結合すると、マルチプロジェクト情報を、例えば、HTMLなどのコンテンツ書式に変換し、変換後のマルチプロジェクト情報をコンテンツファイルとしてコンテンツ格納部15に保存する(ステップST28)。
【0058】
ここで、コンテンツ生成部14が、マルチプロジェクト情報から長編のマルチメディアコンテンツを生成する場合、マルチメディアコンテンツの構成としては、図6(a)や(b)に示すように2種類の構成がある。
コンテンツ生成部14は、各プロジェクト情報をコンテンツ書式に変換して、コンテンツファイルを生成するが、構成(a)の例では、1つのコンテンツファイルの中に複数のプロジェクトのコンテンツ書式を埋め込むようにしている。
また、構成(a)の例では、コンテンツ生成部14がコンテンツ書式に変換する際に、プロジェクトに含まれるメディアの開始時刻及び終了時刻を更新している。
【0059】
具体的には、先ほど算出した該当するプロジェクトのオフセット時刻を加算した時刻としている。
図5及び図6の例では、マルチプロジェクトの2番目のプロジェクト(“サンプル(2)”のオフセット時刻が20秒であるため、コンテンツ生成部14が“サンプル(2)”のプロジェクトをコンテンツ書式に変換する際、“サンプル(2)”の各メディアの既設の開始時刻及び終了時刻に20秒を加算した時刻をそれぞれ最新の開始時刻及び終了時刻としている。
これにより、構成(a)のコンテンツでは、コンテンツファイルをブラウザやプレイヤーで開くと“サンプル(1)”から順番にプロジェクトが再生されることになる。
【0060】
一方、構成(b)の例では、各プロジェクトのコンテンツ書式毎にコンテンツファイルを生成し、各コンテンツファイルには、次のコンテンツファイルへのリンク情報を設定している。
図5及び図6の例では、マルチプロジェクトに含まれているプロジェクト[1]の次のプロジェクト[2]のプロジェクト名が“サンプル(2)”であるため、コンテンツ(1)ファイルのリンク情報に“サンプル(2)”を設定している。
これにより、構成(b)のコンテンツでは、コンテンツファイル(1)をブラウザやプレイヤーで開くと、“サンプル(1)”が再生され、“サンプル(1)”の再生が終了して、コンテンツファイル(2)をブラウザやプレイヤーで開くことで、“サンプル(2)”が自動的に再生される。
【0061】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、制作者がマンマシンインタフェース部2を操作して、プロジェクト読出部13により読み出された2以上のプロジェクト情報がプロジェクトメモリ部6に格納されている場合、プロジェクト結合部21が2以上のプロジェクト情報を結合するように構成したので、長編のマルチメディアコンテンツを簡単に制作することができる効果を奏する。
即ち、コンテンツボリュームを小さめに設定して、予めシンプルな短編のマルチメディアコンテンツを複数制作し、それらのマルチメディアコンテンツを後から結合するだけで長編のマルチメディアコンテンツを制作することができるので、制作者の編集ミスや編集作業負荷を削減しながら、長編のマルチメディアコンテンツを制作することができる効果を奏する。
【符号の説明】
【0062】
1 素材メディア格納部(メディアデータ保持手段)、2 マンマシンインタフェース部(コンテンツボリューム設定手段、メディアデータ挿入手段、メディアデータ編集手段、コンテンツ結合手段)、3 ディスプレイ(警告提示手段、コンテンツ再生手段)、4 スピーカ(警告提示手段、コンテンツ再生手段)、5 プロジェクト生成部(コンテンツボリューム設定手段)、6 プロジェクトメモリ部、7 メディアデータ挿入部(メディアデータ挿入手段)、8 プロジェクト編集部(メディアデータ編集手段)、9 警告画面表示部(警告提示手段)、10 プロジェクトプレビュー部(コンテンツ再生手段)、11 プロジェクト保存部(コンテンツ保存手段)、12 プロジェクト格納部(コンテンツ保存手段)、6a オブジェクト領域、6b マルチプロジェクト領域、13 プロジェクト読出部(コンテンツ結合手段)、14 コンテンツ生成部(コンテンツ保存手段)、15 コンテンツ格納部(コンテンツ保存手段)、21 プロジェクト結合部(コンテンツ結合手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディアコンテンツに含めることが可能な各種のメディアのデータを保持しているメディアデータ保持手段と、新規に生成するマルチメディアコンテンツに関する最大コンテンツボリュームの設定を受け付けるコンテンツボリューム設定手段と、上記メディアデータ保持手段により保持されている各種のメディアデータの中から、マルチメディアコンテンツに含めるメディアデータの選択操作を受け付けて、上記メディアデータを上記マルチメディアコンテンツに挿入するメディアデータ挿入手段と、上記メディアデータ挿入手段により挿入されたメディアデータの編集操作を受け付けて、上記メディアデータを編集するメディアデータ編集手段と、上記メディアデータ挿入手段によりメディアデータが挿入されたマルチメディアコンテンツのコンテンツボリューム又は上記メディアデータ編集手段によりメディアデータが編集されたマルチメディアコンテンツのコンテンツボリュームが上記コンテンツボリューム設定手段により設定が受け付けられた最大コンテンツボリュームを超えていれば、最大コンテンツボリュームを超えている旨を示す警告情報を提示する警告提示手段とを備えたマルチメディアコンテンツ制作装置。
【請求項2】
メディアデータ編集手段は、メディアデータ挿入手段により挿入されたメディアデータが映像又は静止画である場合、上記映像又は静止画における注目箇所を示唆するテキスト又は図形の挿入操作を受け付けて、上記テキスト又は図形のデータをマルチメディアコンテンツに挿入するとともに、上記テキスト又は図形の編集操作を受け付けて、上記テキスト又は図形のデータを編集することを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ制作装置。
【請求項3】
メディアデータ編集手段によりメディアデータが編集されたマルチメディアコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、上記コンテンツ再生手段により再生されたマルチメディアコンテンツに問題がなければ、上記マルチメディアコンテンツを保存するコンテンツ保存手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマルチメディアコンテンツ制作装置。
【請求項4】
コンテンツ保存手段により複数のマルチメディアコンテンツが保存されている場合、複数のマルチメディアコンテンツの中から、2以上のマルチメディアコンテンツの選択操作を受け付けて、選択された2以上のマルチメディアコンテンツを結合するコンテンツ結合手段を設けたことを特徴とする請求項3記載のマルチメディアコンテンツ制作装置。
【請求項5】
コンテンツ結合手段は、2以上のマルチメディアコンテンツを結合する際、マルチメディアコンテンツの再生順序の設定操作を受け付けて、その再生順序にしたがって2以上のマルチメディアコンテンツを結合することを特徴とする請求項4記載のマルチメディアコンテンツ制作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−258258(P2011−258258A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130014(P2010−130014)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】