説明

マルチモニタシステム、モニタ支持装置及びモニタ支持方法

【課題】モニタの配置変更を容易にするものでありながら、連結アームにモニタの負荷が作用することを回避し、連結アームの破損や、補強によるコストアップを防止する。
【解決手段】複数のモニタ10、20と、各モニタ10、20をそれぞれ独立的に支持する複数の台座30、40と、少なくとも一の台座40に設けられる移動用のローラ44と、複数の台座30、40同士を連結する屈曲自在な連結アーム50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のモニタを用いるマルチモニタシステム、モニタ支持装置及びモニタ支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクトップ型のパーソナルコンピュータ(以下、PCという)に用いるモニタの使用形態は、1台のPCに1台のモニタが大半であったが、近年では、1台のPCで2台又はそれ以上のモニタを使用するニーズが多くなっている。
このようなマルチモニタシステムの使用形態には、2台のモニタを左右に並べて設置し、それぞれのモニタに異なる内容の画面を表示する使用形態や、2台のモニタを背中合わせ状に設置し、それぞれのモニタに同じ内容の画面を表示する使用形態がある。
前者は、一人の使用者がより多くの情報を同時に表示させたい場合に有効な使用形態であり、後者は、対面する相手に対してプレゼンテーションを行う場合に有効な使用形態である。
また、マルチモニタシステムの使用形態は、いずれか一の使用形態に固定されるものではなく、PCの設定変更やモニタの配置変更にもとづいて、柔軟に変更することが可能である。
【0003】
図18の(a)及び(b)は、一般的なマルチモニタシステムの配置構成を示す正面図及び背面図である。
これらの図は、一人の使用者が2台のモニタを使用する場合の配置例を示しており、机101の上に、PC筐体102を設置するとともに、本体モニタ103及び2台目モニタ104を左右に並べて設置し、さらに、本体モニタ103の前方にキーボード105を設置している。また、PC筐体102、本体モニタ103及び2台目モニタ104には、それぞれ電源ケーブル106〜108を接続し、さらに、PC筐体102と本体モニタ103の間、及び、PC筐体102と2台目モニタ104の間には、モニタ信号ケーブル109、110を接続する。
【0004】
上記のように配置されたマルチモニタシステムをプレゼンテーション用に配置変更する場合について考える。この場合、本体モニタ103は、画面を表示させてその内容を説明する説明者側に向けて設置し、2台目モニタ104は、説明を受ける被説明者側に向けて設置する必要があるが、モニタ103、104の配置変更に際しては、モニタ103、104を持ち上げて移動する必要があるので、手間がかかるとともに、配置変更に時間がかかるという問題がある。また、モニタ103、104を配置変更する際、ケーブル106〜110が邪魔になる可能性があり、また、ケーブル106〜110の引き回しルートが煩雑になって見苦しいという問題もあった。
【0005】
そこで、机などに固設される基台に、それぞれ連結アームを介して複数のモニタを連結支持し、連結アームの旋回や屈曲により各モニタの位置や向きを任意に変更できるようにしたモニタ支持装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−187446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示されるモニタ支持装置では、モニタを連結アームで片持ち状に支持するので、連結アームに大きな負荷がかかるという問題がある。すなわち、連結アームに大きな負荷がかかる構造では、連結アームが破損する惧れがあり、また、破損を防止するために連結アームの強度を高めると、装置が高価になってしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、モニタの配置変更を容易にするものでありながら、連結アームにモニタの負荷が作用することを回避し、連結アームの破損や、補強によるコストアップを防止できるマルチモニタシステム、モニタ支持装置及びモニタ支持方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明のマルチモニタシステムは、複数のモニタと、各モニタをそれぞれ独立的に支持する複数の台座と、少なくとも一の台座に設けられる移動用のローラと、複数の前記台座同士を連結する屈曲自在な連結アームとを備える構成としてある。
【0010】
また、上記目的を達成するため本発明のモニタ支持装置は、複数のモニタを支持するモニタ支持装置であって、各モニタをそれぞれ独立的に支持する複数の台座と、少なくとも一の台座に設けられる移動用のローラと、複数の前記台座同士を連結する屈曲自在な連結アームとを備える構成としてある。
【0011】
また、上記目的を達成するため本発明のモニタ支持方法は、複数のモニタを支持するモニタ支持方法であって、各モニタをそれぞれ台座で独立的に支持し、少なくとも一の台座には移動用のローラを設け、さらに、複数の前記台座同士を屈曲自在な連結アームを介して連結する方法としてある。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、モニタの配置変更を容易にするものでありながら、連結アームにモニタの負荷が作用することを回避し、連結アームの破損や補強によるコストアップを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの正面図及び側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの対面使用状態を示す側面図及び部分平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの格納状態を示す平面図、正面図及び側面図である。
【図5】(a)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの凹凸噛み合い構造を示す平面図、(b)は、本体モニタの平面図、(c)は、2台目モニタの平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのローラ切り換え構造を示す2台目モニタの平面図及び側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのローラ切り換え構造を示す2台目モニタ及びスライドアームの平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのローラ切り換え構造を示すスライドアームの平面図、側面図及び背面図である。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのローラ切り換え構造を示す要部断面図である。
【図10】(a)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの連結アーム構造を示す第一アーム部材の側面図、正面図及び平面図、(b)は、第二アーム部材の側面図、正面図及び平面図、(c)は、第三アーム部材の側面図、正面図及び平面図である。
【図11】(a)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの連結アーム構造を示す結合前の正面図及び平面図、(b)は、結合後の正面図及び平面図である。
【図12】(a)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの連結アーム構造を示す結合前の要部拡大正面図、(b)は、結合後の要部拡大正面図である。
【図13】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのケーブル保持構造を示す連結アームの要部拡大側面図である。
【図14】本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのケーブル保持構造を示すシステム全体の側面図である。
【図15】(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのケーブル保持構造を示す連結アームの要部平面図及び要部斜視図である。
【図16】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの配置例を示す説明図である。
【図17】(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの他例を示す要部平面図及び要部側面図である。
【図18】(a)及び(b)は、一般的なマルチモニタシステムの配置構成を示す正面図及び背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
まず、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムについて、図1〜図15を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの平面図、図2は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの正面図及び側面図、図3は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの対面使用状態を示す側面図及び部分平面図である。
これらの図に示すように、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムは、本体モニタ10と、2台目モニタ20と、本体モニタ10を独立的に支持する本体モニタ台座30と、2台目モニタ20を独立的に支持する2台目モニタ台座40と、本体モニタ台座30と2台目モニタ台座40を連結する屈曲自在な連結アーム50とを備えて構成されている。
【0016】
図4は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの格納状態を示す平面図、正面図及び側面図、図5の(a)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの凹凸噛み合い構造を示す平面図、(b)は、本体モニタの平面図、(c)は、2台目モニタの平面図である。
これらの図に示すように、本体モニタ台座30及び2台目モニタ台座40の後部には、それぞれ連結アーム50との連結軸となる円柱状の突起31、41が上方に向けて突設されている。
また、本体モニタ台座30の前端部は、設置面と平行で、かつ、前方に開口する凹部32を備える一方、2台目モニタ台座40の前端部は、設置面と平行で、かつ、前方に突出する凸部42を備えている。そして、本体モニタ10と2台目モニタ20を向かい合わせ状に重ねたとき、凹部32と凸部42が噛み合うようになっている。
【0017】
図6は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのローラ切り換え構造を示す2台目モニタの平面図及び側面図、図7は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのローラ切り換え構造を示す2台目モニタ及びスライドアームの平面図、図8は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのローラ切り換え構造を示すスライドアームの平面図、側面図及び背面図、図9は、(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのローラ切り換え構造を示す要部断面図である。
これらの図に示すように、2台目モニタ台座40の底部には、底面のローラ突出孔43から突出し、2台目モニタ20の移動を可能にする3個のローラ44と、ローラ44を突出状態と収納状態に切り換えるローラ切り換えレバー(ローラ切り換え手段)45と、ローラ切り換えレバー45の操作に応じてスライドするT字形状のスライドアーム46とを備えている。
図9(a)に示すように、ローラ切り換えレバー45を後側に押し込んだ突出状態の場合は、ローラ44が2台目モニタ20の自重でスライドアーム46の凹部47内に収納される。このとき、ローラ44は、2台目モニタ台座40の底面よりも上方に位置するので、2台目モニタ台座40の底面が設置面に当接して固定される。
また、図9(b)に示すように、ローラ切り換えレバー45を前側に引いた収納状態の場合は、ローラ44がスライドアーム46の底面に押され、ローラ突出孔43を介して2台目モニタ台座40の底面から下方に突出する。このとき、2台目モニタ台座40は、設置面から浮いた状態になるとともに、ローラ44が設置面上を転がることにより、容易に移動することが可能になる。
【0018】
図10の(a)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの連結アーム構造を示す第一アーム部材の側面図、正面図及び平面図、(b)は、第二アーム部材の側面図、正面図及び平面図、(c)は、第三アーム部材の側面図、正面図及び平面図、図11の(a)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの連結アーム構造を示す結合前の正面図及び平面図、(b)は、結合後の正面図及び平面図、図12の(a)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの連結アーム構造を示す結合前の要部拡大正面図、(b)は、結合後の要部拡大正面図である。
これらの図に示すように、連結アーム50は、設置面に対して平行な第一〜第三のアーム部材51〜53を備えている。
第一アーム部材51及び第三アーム部材53は、一端に上下方向の支点孔54を有し、この支点孔54を台座30、40の突起31、41に差し込むことにより、突起31、41を支点とする水平方向の回動が可能となる。また、第一アーム部材51及び第三アーム部材53の他端は、第二アーム部材52と結合ねじ55を介して結合するための結合孔56と、結合ねじ55を締め付けるタップ57とを備えている。さらに、第一アーム部材51及び第三アーム部材53の上面には、2台目モニタ20のケーブル70を保持するためのケーブル保持部材60が複数設けられている。
【0019】
第二アーム部材52の両端は、第一アーム部材51及び第三アーム部材53と結合ねじ55を介して結合するための結合孔58を備えている。また、第二アーム部材52上面には、2台目モニタ20のケーブル70を保持するためのケーブル保持部材60が設けられている。
【0020】
図13は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのケーブル保持構造を示す連結アームの要部拡大側面図、図14は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのケーブル保持構造を示すシステム全体の側面図、図15の(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムのケーブル保持構造を示す連結アームの要部平面図及び要部斜視図である。
これらの図に示すように、連結アーム50の上面に設けられたケーブル保持部材60は、連結アーム50側に固定される半円パイプ状の固定フック61と、固定フック61に出没自在に嵌合する可動フック62と、可動フック62を突出方向に付勢するバネ63とを備えて構成されている。ケーブル保持部材60でケーブル70を保持する場合は、手で可動フック62を固定フック61側に押し込み、ケーブル70の挿通スペースを確保した後、ケーブル70を固定フック61の内側に収納する。その後、手を放すと、バネ63の付勢力で可動フック62が突出して上記挿通スペースを塞ぎ、ケーブル70が確実に保持される。
【0021】
次に、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの組み立て手順について説明する。ただし、本体モニタ10、2台目モニタ20、本体モニタ台座30、2台目モニタ台座40及び連結アーム50は、それぞれ組み立てが完了しているものとする。
【0022】
マルチモニタシステムを組み立てる場合は、まず、本体モニタ台座30に本体モニタ10を取り付けるとともに、2台目モニタ台座40に2台目モニタ20を取り付ける。
次に、本体モニタ台座30の突起31に、連結アーム50の一端に形成される支点孔54を差し込み、2台目モニタ台座40の突起41に、連結アーム50の他端に形成される支点孔54を差し込む。これにより、本体モニタ台座30と2台目モニタ台座40が連結アーム50を介して連結される。
【0023】
次に、本体モニタ10のケーブル80及び2台目モニタ20のケーブル70を接続する。
本体モニタ10のケーブル80は、例えば、PC筐体と本体モニタ10との間に接続されるケーブル81〜83であり、本実施形態では、本体モニタ電源ケーブル81と、本体モニタ信号ケーブル82と、本体モニタキーボードケーブル83とが含まれる。
また、2台目モニタ20のケーブル70は、例えば、本体モニタ10と2台目モニタ20との間に接続されるケーブル71〜73であり、本実施形態では、2台目モニタ電源ケーブル71と、2台目モニタ信号ケーブル72と、2台目モニタUSBケーブル73とが含まれる。
【0024】
2台目モニタ20のケーブル70は、連結アーム50に設けられる複数のケーブル保持部材60で保持させる。ケーブル保持部材60でケーブル70を保持する場合は、手で可動フック62を固定フック61側に押し込み、ケーブル70の挿通スペースを確保した後、ケーブル70を固定フック51の内側に収納する。その後、手を放すと、バネ63の付勢力で可動フック62が突出して上記挿通スペースを塞ぎ、ケーブル70が確実に保持される。
以上でマルチモニタシステムの組み立てが完了する。
【0025】
次に、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの配置変更手順について説明する。
【0026】
2台目モニタ20の配置変更を行う場合は、まず、2台目モニタ台座40のローラ切り換えレバー45を前側に引く(図9(b)参照)。すると、ローラ44がスライドアーム46の底面に押され、ローラ突出孔43を介して2台目モニタ台座40の底面から下方に突出するので、2台目モニタ台座40は、設置面から浮いた状態になるとともに、ローラ44が設置面上を転がることにより、容易に移動することが可能になる。
【0027】
つまり、本体モニタ台座30と2台目モニタ台座40が屈曲自在な連結アーム50を介して連結されるとともに、2台目モニタ台座40が移動用のローラ44を備えることにより、2台目モニタ20の配置変更に際し、2台目モニタ20を持ち上げることなく、設置面上を滑らすように2台目モニタ20を容易に移動させ、任意の位置及び角度で設置することが可能になる。
【0028】
また、2台目モニタ20のケーブル70は、連結アーム50に設けられる複数のケーブル保持部材60で保持されるので、2台目モニタ20の配置変更に際してケーブル70が邪魔になることがないだけでなく、ケーブル70の引き回しルートを整然とさせ、見た目も良好とすることができる。
【0029】
2台目モニタ20を任意の位置に移動させたら、ローラ切り換えレバー45を後側に押し込む(図9(a)参照)。これにより、移動用のローラ44は、2台目モニタ台座40の底面よりも上方に収納されるので、2台目モニタ台座40の底面が設置面に当接し、2台目モニタ20が固定状態となる。
以上で2台目モニタ20の配置変更が完了する。
【0030】
次に、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの配置例について説明する。
【0031】
図16の(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係るマルチモニタシステムの配置例を示す説明図である。
図1及び図2の実線は、本体モニタ10の右側に2台目モニタ20を並べて右開き状態で使用する場合を示し、また、図1及び図2の破線は、本体モニタ10の左側に2台目モニタ20を並べて左開き状態で使用する場合と、右斜め対面開き状態で使用する場合と、対面開き状態で使用する場合と、左斜め対面開き状態で使用する場合とを示している。
また、図16は、机91に本体モニタ10、2台目モニタ20、PC筐体92及びキーボード93を設置した例を示し、図16の(a)は、本体モニタ10の左側に2台目モニタ20を配置した例であり、使用者は通常1名である。
図16の(b)は、本体モニタ10の右側に2台目モニタ20を配置した例であり、使用者は通常1名である。
図16の(c)は、2台目モニタ20を本体モニタ10に対して180度回転させた位置に配置し、対面する使用者にプレゼンテーションする場合の配置例である。
【0032】
以上のように構成された本実施形態によれば、複数のモニタ10、20と、各モニタ10、20をそれぞれ独立的に支持する複数の台座30、40と、少なくとも一の台座40に設けられる移動用のローラ44と、複数の台座30、40同士を連結する屈曲自在な連結アーム50とを備えるので、モニタ20の配置変更に際し、モニタ20を持ち上げることなく、設置面上を滑らすようにモニタ20を容易に移動させ、任意の位置及び角度で設置することが可能になる。
しかも、モニタ20の配置変更を容易にするものでありながら、連結アーム50にモニタ20の負荷を作用させないので、連結アーム50の破損や補強によるコストアップを回避できる。
【0033】
また、モニタ20に接続されるケーブル70を連結アーム50に沿って保持するケーブル保持部材60を備えるので、モニタ20の配置変更に際してケーブル70が邪魔になることがないだけでなく、ケーブル70の引き回しルートを整然とさせ、見た目も良好とすることができる。
【0034】
また、連結アーム50は、複数のアーム部材51〜53を屈曲自在に連結して構成され、ケーブル保持部材60は、連結アーム50の各アーム部材51〜53にそれぞれ設けられるので、ケーブル70を連結アーム50の屈曲動作に確実に追従させることができる。
【0035】
また、ローラ44を、台座40の底面よりも下方に突出する状態と、台座40の底面よりも上方に収納する状態とに切り換えるローラ切り換えレバー45を備えるので、モニタ20の配置変更後は、台座40の底面を設置面に当接させ、モニタ20を固定状態とすることができる。
【0036】
また、前端部に設置面と平行な凹部32を有する台座30と、前端部に設置面と平行な凸部42を有する台座40とを含み、モニタ10、20同士を向かい合わせ状に重ねたとき、凹部32と凸部42が噛み合うようにしたので、モニタ10、20の未使用時又は梱包時には、モニタ10、20を向かい合わせ状に重ね、設置面積や梱包容積を小さくできる。
【0037】
以上、本発明について、実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、前記実施形態では、本体モニタ10に1台の2台目モニタ20を連結させているが、本体モニタ10に複数の2台目モニタ20を連結してもよい。例えば、図17に示すように、本体モニタ台座30の突起31を高くし、複数の連結アーム50を差し込み可能とすることにより実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、複数のモニタを用いるマルチモニタシステム、モニタ支持装置及びモニタ支持方法として利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 本体モニタ
20 2台目モニタ
30 本体モニタ台座
31 突起
32 凹部
40 2台目モニタ台座
41 突起
42 凸部
43 ローラ突出孔
44 ローラ
45 ローラ切り換えレバー
46 スライドアーム
50 連結アーム
51 第一アーム部材
52 第二アーム部材
53 第三アーム部材
60 ケーブル保持部材
61 固定フック
62 可動フック
63 バネ
70 ケーブル
71 2台目モニタ電源ケーブル
72 2台目モニタ信号ケーブル
73 2台目モニタUSBケーブル
80 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモニタと、
各モニタをそれぞれ独立的に支持する複数の台座と、
少なくとも一の台座に設けられる移動用のローラと、
複数の前記台座同士を連結する屈曲自在な連結アームと
を備えることを特徴とするマルチモニタシステム。
【請求項2】
前記モニタに接続されるケーブルを前記連結アームに沿って保持するケーブル保持部材を備える請求項1に記載のマルチモニタシステム。
【請求項3】
前記連結アームが、複数のアーム部材を屈曲自在に連結して構成され、
前記ケーブル保持部材が、前記連結アームの各アーム部材にそれぞれ設けられる請求項2に記載のマルチモニタシステム。
【請求項4】
前記ローラを、前記台座の底面よりも下方に突出する状態と、前記台座の底面よりも上方に収納する状態とに切り換えるローラ切り換え手段を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のマルチモニタシステム。
【請求項5】
複数の前記台座が、前端部に設置面と平行な凹部を有する台座と、前端部に設置面と平行な凸部を有する台座とを含み、前記モニタ同士を向かい合わせ状に重ねたとき、前記凹部と前記凸部が噛み合う請求項1〜4のいずれか一項に記載のマルチモニタシステム。
【請求項6】
複数のモニタを支持するモニタ支持装置であって、
各モニタをそれぞれ独立的に支持する複数の台座と、
少なくとも一の台座に設けられる移動用のローラと、
複数の前記台座同士を連結する屈曲自在な連結アームと
を備えることを特徴とするモニタ支持装置。
【請求項7】
前記モニタに接続されるケーブルを前記連結アームに沿って保持するケーブル保持部材を備える請求項6に記載のモニタ支持装置。
【請求項8】
複数のモニタを支持するモニタ支持方法であって、
各モニタをそれぞれ台座で独立的に支持し、
少なくとも一の台座には移動用のローラを設け、
さらに、複数の前記台座同士を屈曲自在な連結アームを介して連結する
ことを特徴とするモニタ支持方法。
【請求項9】
前記モニタに接続されるケーブルを前記連結アームに沿って保持する請求項8に記載のモニタ支持方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−48250(P2011−48250A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198055(P2009−198055)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】