説明

マルチモニタシステム、情報処理装置、及びカーソル制御プログラム

【課題】 マルチモニタシステムにおけるカーソルの操作性を向上させること。
【解決手段】 本マルチモニタシステム100のカーソル制御部24は、複数の表示手段のうち一の表示手段に、操作対象となるリアルカーソルRCを表示するリアルカーソル表示手段40と、複数の表示手段のうち他の表示手段に、操作対象とならないヴァーチャルカーソルVCを表示するヴァーチャルカーソル表示手段42と、を備える。この構成によれば、表示手段のそれぞれにリアルカーソルRCまたはヴァーチャルカーソルVCのいずれかが表示されるため、操作対象となる第1カーソルの把握が容易となる。また、第1カーソルと第2カーソルを切り替えて使用することで、カーソルの操作性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチモニタシステムにおけるカーソル制御に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやPDAなどの情報機器において、入力装置としてマウス等のポインティングデバイスが用いられている。ポインティングデバイスにより入力が行われる表示装置の画面上には、カーソルと呼ばれる絵記号が表示される。ユーザは、ポインティングデバイスによってカーソルを移動させ、画面上のオブジェクト(アイコン等)を選択することにより、情報機器の操作を行うことができる。
【0003】
近年、1台の情報機器に複数の表示装置を搭載したマルチモニタシステムが開発されている。これによれば、複数の表示装置のそれぞれに異なる画像を表示することや、複数の表示装置を合わせて1つの大きな表示装置として使用することが可能となる。また、入力対象となる表示装置が増えたことによるユーザの負荷を低減するため、カーソル制御の操作性を向上させたマルチモニタシステムが開発されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−202953号公報
【特許文献2】特開2005−293292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置が複数あるマルチモニタシステムでは、表示装置が1つの場合に比べて、ポインティングデバイスによるカーソル操作が煩雑となる場合がある。例えば、表示画面が増えたことによりユーザがカーソルを見失ったり、距離の離れた表示装置間においてカーソルの移動に時間がかかってしまう場合がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、マルチモニタシステムにおけるカーソルの操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本マルチモニタシステムは、複数の表示手段と、前記複数の表示手段のうち一の表示手段に、操作対象となる第1カーソルを表示する第1カーソル表示手段と、前記複数の表示手段のうち他の表示手段に、操作対象とならない第2カーソルを表示する第2カーソル表示手段と、前記第1カーソルに対する操作を入力する入力手段と、を備える。
【0008】
本情報処理手段は、複数の表示手段のうち一の表示手段に、操作対象となる第1カーソルを表示する第1カーソル表示手段と、前記複数の表示手段のうち他の表示手段に、操作対象とならない第2カーソルを表示する第2カーソル表示手段と、を備える。
【0009】
本カーソル制御プログラムは、情報処理装置に対し、複数の表示手段のうち一の表示手段に、操作対象となる第1カーソルを表示するステップと、前記複数の表示手段のうち他の表示手段に、操作対象とならない第2カーソルを表示するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上記のマルチモニタシステム、情報処理装置、及びカーソル制御プログラムによれば、マルチモニタシステムにおけるカーソルの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施例1に係るマルチモニタシステムの全体構成を示した図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、カーソルの形態を示す図である。
【図3】図3は、図1に示すカーソル制御部の詳細な構成を示した図である。
【図4】図4は、モニタの配置及びカーソルの表示態様を示す図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、カーソル操作の流れを示す図である。
【図6】図6は、カーソル設定操作の流れを示す図(その1)である。
【図7】図7は、カーソル設定操作の流れを示す図(その2)である。
【図8】図8は、カーソルに関する設定画面を示す図である。
【図9】図9(a)及び(b)は、カーソル切り替えの様子を示す図(その1)である。
【図10】図10(a)及び(b)は、カーソル切り替えの様子を示す図(その2)である。
【図11】図11は、モニタの配置図を一のモニタ上に表示した状態を示す図である。
【図12】図12は、モニタの配置図を用いたカーソル選択の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照しつつ、実施例に係るマルチモニタシステムについて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、実施例1に係るマルチモニタシステムの全体構成を示した図である。マルチモニタシステム100は、入力装置10、情報処理装置20、及び表示装置30を含む。
【0014】
入力装置10は、後述するカーソルを操作するためのポインティングデバイス12と、キー入力を受け付けるキーボード14とを含む。ポインティングデバイス12としては、例えばマウスやトラックボールを用いることができる。
【0015】
情報処理装置20は、入力装置10からの入力を受け付ける入力部22と、後述するカーソル制御をおこなうためのカーソル制御部24と、記憶部26とを備える。カーソル制御部24は、ハードウェアとしては例えばCPU等により構成され、当該CPUに後述するカーソル制御プログラムを実行させることにより実現することができる。記憶部26は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され、前述のCPUに実行させるためのカーソル制御プログラムを記憶する。入力装置10から情報処理装置20の入力部22に情報(例えば、カーソルの座標)が入力されると、カーソル制御部24はその入力情報に基づいてカーソルの制御(例えば、指定座標へのカーソルの移動)を行うための信号を出力する。
【0016】
表示装置30は、複数のモニタ(ここでは、9つのモニタ30A〜30I)を含む。モニタ30A〜30Iは、例えば液晶ディスプレイにより構成され、情報処理装置20から出力された画像情報を表示する。このとき、複数のモニタ30A〜30Iは、別々の画像情報を表示してもよいし、全体として1つの画像情報を表示してもよい(この場合は、複数のモニタがあたかも1つのモニタのように機能する)。モニタ30A〜30Iは、カーソル制御部24からの出力信号に基づき、それぞれのモニタにおいてカーソルの表示を行う。
【0017】
図2(a)〜(c)は、マルチモニタシステム100に係るカーソルの形態を示す図である。本実施例では、ユーザがポインティングデバイス12により操作を行うためのカーソルが2種類存在する。1つ目は、第1カーソルであるリアルカーソルRCで、ユーザにとっての操作対象となるものである(図2(a))。2つ目は、第2カーソルであるヴァーチャルカーソルVCで、ユーザにとって操作対象とならないダミーのカーソルである(図2(b)、(c))。図2(a)と(b)とを比較すると、リアルカーソルRCとヴァーチャルカーソルVCとで形状が同じであり、色が異なる。図2(a)と(c)とを比較すると、リアルカーソルRCとヴァーチャルカーソルVCとで形状が異なる。このように、リアルカーソルRCとヴァーチャルカーソルVCとは、形態が異なり外観上区別できることが好ましい。
【0018】
図3は、図1に示すカーソル制御部24の詳細を示した機能ブロック図である。第1カーソル表示手段としてのリアルカーソル表示手段40は、操作対象となるリアルカーソルRCをモニタ上に表示する。ユーザが行うカーソルの操作としては、カーソル移動の他に、クリック、ダブルクリック、ドラッグ&ドロップ等、画面上のオブジェクトを選択する操作が含まれる。第2カーソル表示手段としてのヴァーチャルカーソル表示手段42は、ヴァーチャルカーソルVCをモニタ上に表示する。モニタ30A〜30Iのうち一のモニタにはリアルカーソルRCが表示され、他のモニタにはそれぞれヴァーチャルカーソルVCが表示される。すなわち、リアルカーソルRCが表示される(操作対象となる)モニタは1つだけである。
【0019】
移動範囲設定手段44は、モニタ上におけるリアルカーソルRCの移動範囲を設定する。切替手段46は、リアルカーソルRCとヴァーチャルカーソルVCの表示を切り替える(今までヴァーチャルカーソルVCだったカーソルのうち1つをリアルカーソルRCとし、今までリアルカーソルRCだったカーソルをヴァーチャルカーソルVCとする)。配置表示手段48は、マルチモニタシステム100におけるモニタ30A〜30Iの全体の配置図を、少なくとも1つのモニタ上に表示する。選択手段50は、表示されたモニタの配置図の中から1つのモニタを選択する。位置通知手段52は、ユーザに対しリアルカーソルRCの位置を通知する。これらの機能については後段で詳述する。
【0020】
図4は、モニタの配置及びカーソルの表示態様を示す図である。サイズ及び解像度の異なる9つのモニタ30A〜30Iが、並んで配置されている。この例では、中央に位置するモニタ30FにリアルカーソルRCが表示され、他のモニタ30A〜30E及び30G〜30Iには、ヴァーチャルカーソルVCが表示されている。また、それぞれのカーソルは、モニタ画面内において共通の位置に表示されている。例えば、図4の例ではモニタの上下及び左右のそれぞれ約3分の1の位置に、カーソルの先端が位置するように表示されている。また、リアルカーソルRC及びヴァーチャルカーソルVCのサイズも、モニタ30A〜30Iのサイズに従ったものとなっている。
【0021】
図5(a)及び(b)は、カーソル操作の流れを示す図である。図5(a)は、カーソルの移動に関する説明である。最初に、カーソル制御部24が、カーソルの移動命令を受け付ける(ステップS10)。カーソル制御部24は、入力された移動命令に基づき、リアルカーソルRC及びヴァーチャルカーソルVCを指定の位置に移動させる。移動先の指定は、例えば絶対座標により指定してもよいし、現在地からの相対座標により指定してもよい。カーソルの移動命令は、リアルカーソルRCとヴァーチャルカーソルVCの両方に影響を与える。従って、ユーザの操作によりリアルカーソルRCが移動すると、ヴァーチャルカーソルVCも同様に(モニタ画面に対し同じ相対位置を維持するように)移動する。
【0022】
図5(b)は、オブジェクトの選択(クリック等)に関する説明である。最初に、カーソル制御部24が、オブジェクトの選択命令を受け付ける(ステップS20)。次に、カーソル制御部24は、入力された選択命令に基づき、リアルカーソルRCによる選択動作を行う(ステップ22)。カーソルの移動命令は、リアルカーソルRCにのみ影響をあたえる。従って、仮にヴァーチャルカーソルVCの表示位置上に何らかのオブジェクトがあったとしても、上記の選択操作により当該オブジェクトが選択されることはない。
【0023】
次に、カーソル操作に関する設定について説明する。
【0024】
図6及び図7は、カーソル設定操作の流れを示したフローチャートである。本実施例では、(1)カーソルの移動範囲、(2)カーソルの切替方法、(3)、モニタ位置情報の表示の有無、の3点について設定が行われるものとする。最初に、カーソル制御部24は、カーソルの操作範囲が「一画面」または「全画面」のいずれに設定されているかを判定する(ステップS30)。操作範囲が「一画面」に設定された場合、カーソル制御部24は、リアルカーソルRCの移動範囲を1つのモニタ内に限定する(ステップS32)。このとき、仮にリアルカーソルRCがモニタの端まで移動した場合、リアルカーソルRCはそれ以上移動せずにモニタの端に停止する。一方、操作範囲が「全画面」に設定された場合、カーソル制御部24は、リアルカーソルRCの移動範囲を全画面に設定する(ステップS34)。このとき、リアルカーソルRCは、図4に示すモニタ30A〜30Iの間を自由に移動することができる。上記の操作範囲設定操作は、図3の移動範囲設定手段44により行われる。
【0025】
次に、カーソル制御部24は、マウス(ポインティングデバイス12)によるカーソルの切り替えが可能か否かを判定する(ステップS36)。「マウスによる切り替え」が可能である場合、カーソル制御部24は、マウスによりリアルカーソルRCをモニタの端から画面の外側に向かって移動させることにより、隣接するモニタにリアルカーソルRCを移動させる操作(カーソルの切り替え)を実行する(ステップS38)。これは、カーソルの移動範囲が全画面の場合にのみ可能であるため、ステップS30において「一画面」が選択された場合はこれらのステップは実行されない。
【0026】
次に、カーソル制御部24は、キー(キーボード14)によるカーソルの切り替えが可能か否かを判定する(ステップS40)。「キーボードによる切り替え」が可能とされた場合、カーソル制御部24は、キーボードにおける所定のキー入力を受けて、一のモニタ上のリアルカーソルRCを他のモニタ上のヴァーチャルカーソルVCと入れ替える操作(リアルカーソルRCをモニタ単位で移動させること)を実行する(ステップS42)。この切替方法は、カーソルの操作範囲がどちらの場合であっても採用することができる。
【0027】
図7は、モニタ位置情報の表示設定に関するフローチャートである。最初に、カーソル制御部24は、モニタ位置情報を表示するか否かを判定する(ステップS50)。モニタ位置情報とは、マルチモニタシステム100に含まれるモニタ30A〜30Iの配置関係を含む情報であり、例えばモニタ配置図の縮小図(図10参照)などが用いられる。モニタ位置情報を操作画面にのみ表示する設定の場合、カーソル制御部24は、モニタ位置情報をリアルカーソルRCのあるモニタにのみ表示する(ステップS52)。モニタ位置情報を全画面に表示する設定の場合、カーソル制御部24は、モニタ位置情報をモニタ30A〜30Iのそれぞれの画面上の所定位置に表示する(ステップS54)。モニタ位置情報を表示しない設定の場合、カーソル制御部24は、モニタ位置情報の表示を行わない(ステップS56)。
【0028】
図8は、カーソル操作に関する設定画面を示す図である。ユーザは、例えばポインティングデバイス12を操作し、設定画面60内のチェックボックスをクリックすることにより、各種設定(カーソルの移動範囲、カーソルの切替方法、及びモニタ位置情報の表示の有無)の変更を行うことができる。なお、カーソルの切替方法における「マウスによる切り替え」及び「キーボードによる切り替え」は排他的なものではなく、両者を同時に設定することが可能である。
【0029】
図9(a)及び(b)は、マウスによるカーソル切り替えの様子を示す図である。図9(a)では、リアルカーソルRCがモニタ30Aの右端に向かって移動している。このとき、ヴァーチャルカーソルVCも同様にモニタ30Bの右端に向かって移動する。他のモニタについては説明を省略する。図9(b)に示すように、リアルカーソルRCがモニタ30Aの画面右端に到着すると、リアルカーソルRCの表示はモニタ30Aから消え、モニタ30Bの左端に現れる。このとき、ヴァーチャルカーソルVCの表示はモニタ30Bから消え、モニタ30Aの左端に現れる。リアルカーソルRC及びヴァーチャルカーソルVCを消去、出現させる上記の切り替え操作は、図3の切替手段46により行われる。
【0030】
図10(a)及び(b)は、キーボードによるカーソル切り替えの様子を示す図である。図10(a)では、リアルカーソルRCがモニタ30Aの中央に位置し、ヴァーチャルカーソルVCがモニタ30Bの中央に位置する。図10(b)では、所定のキー操作が行われたことにより、リアルカーソルRCとヴァーチャルカーソルVCの位置が入れ替わっている。この切り替え操作は、図3の切替手段46により行われる。この方法によれば、リアルカーソルRCを画面の端まで移動させなくともカーソルの切り替えを行うことができるため、カーソルの移動距離が大きい場合(例えば、リアルカーソルRCを図4のモニタ30Hから30Dまで移動させる場合)に特に有効である。
【0031】
図11は、モニタ位置情報の1つであるモニタの配置図を一のモニタ上に表示した状態を示す図である。ヴァーチャルカーソルVCが表示されているモニタ30Aの右下の領域70には、配置表示手段48によりマルチモニタシステム100におけるモニタ30A〜30Iの配置が表示されている。また、モニタ配置図の中には、位置通知手段52によりリアルカーソルRCの位置が示されている(本実施例では、中央のモニタ30Fが暗く表示されており、ここにリアルカーソルRCがあることが示されている)。これにより、ユーザはモニタの配置及びリアルカーソルRCの位置を容易に把握することができる。
【0032】
図12は、モニタの配置図を用いたカーソル選択の一例である。選択手段50としてのカーソル制御部24は、ユーザからの入力に基づき、縮小表示されたモニタ配置図の中から一のモニタを選択する(ステップS60)。切替手段46としてのカーソル制御部24は、選択されたモニタのカーソルを、ヴァーチャルカーソルVCからリアルカーソルRCに切り替える(ステップS62)。これにより、ユーザは領域70に表示されたモニタ配置図を用いて、所望のモニタにリアルカーソルRCを迅速に移動させることができる。
【0033】
実施例1のマルチモニタシステム100では、複数のモニタ30A〜30Iのうち一のモニタに操作対象となるリアルカーソルRCが表示され、他のモニタに操作対象とならないヴァーチャルカーソルVCを表示される。全てのモニタにカーソルが表示されることから、ユーザは最初に任意のモニタに表示されたカーソル発見し、それがリアルカーソルRCであるか否かを判断することによりリアルカーソルRCを探すことができる。これにより、全てのモニタを合わせて1つのカーソルしか表示されない場合に比べて、操作対象となるカーソルを把握するのが容易となる。その結果、カーソルの操作性を向上させることができる。また、上記の機能を備えたカーソル制御プログラム、及び当該プログラムを備えた情報処理装置においても、同様の効果を期待することができる。
【0034】
また、マルチモニタシステム100のカーソル制御部24は、リアルカーソルRC及びヴァーチャルカーソルVCの切り替えを行う切替手段46を備えている。これにより、操作を所望するモニタに表示されているヴァーチャルカーソルVCをリアルカーソルRCに切り替えることができ、迅速なカーソル操作が可能となる。カーソルの切り替え操作は、ポインティングデバイス12(マウス等)により行ってもよいし、キーボード14により行ってもよい。ポインティングデバイス12を用いる場合は、直感的な切り替え操作が可能であり、ユーザはポインティングデバイスを離さずに通常のカーソル操作の延長線上で切り替えを行うことができる。一方、キーボード14を用いる場合は、所定のキーにコマンドを割り当てる等の方法により、さらに迅速にリアルカーソルRCを移動させることができる。
【0035】
リアルカーソルRC及びヴァーチャルカーソルVCは、モニタ内において互いに対応する位置に表示されることが好ましい。対応する位置とは、モニタの表示領域に対する相対的な位置が実質的に同じであることを指す。例えば、複数のモニタ間においてサイズ、縦横の比率、解像度等が異なる場合でも、カーソルの表示位置を共通にしておくことで、ユーザは各画面においてカーソル位置の見当をつけることができる。また、リアルカーソルRCの動きに合わせてヴァーチャルカーソルVCが移動するようにすることで、カーソルの動きが統一されるためユーザにとって視覚的な煩雑さが少なくなる。その結果、カーソルの操作性をさらに向上させることができる。
【0036】
また、カーソル制御部24は、リアルカーソルRCの移動範囲を一画面または全画面のいずれかに設定可能な移動範囲設定手段44として機能する。これにより、ユーザはリアルカーソルRCの移動範囲を自らの好みに合わせて設定することで、操作性をより向上させることができる。リアルカーソルRCの移動範囲が全画面に設定された場合において、リアルカーソルRCが一のモニタから他のモニタに移動した場合、切替手段46として機能するカーソル制御部24は、移動先のモニタに表示されるカーソルをヴァーチャルカーソルVCからリアルカーソルRCに切り替える。これにより、ユーザは複数のモニタがあたかも1つのモニタであるかのような感覚で、リアルカーソルRCの移動操作を行うことができる。
【0037】
また、カーソル制御部24は、モニタ内の所定の領域(図11の領域70)に、全モニタの配置図を表示させる配置表示手段48として機能する。これにより、ユーザは全モニタの配置関係や、リアルカーソルRCがあるモニタの位置を迅速に把握することができる。また、カーソル制御部24は、領域70に表示されたモニタの配置図の中から一のモニタを選択する選択手段50として機能する。これにより、ユーザは領域70内の1つのモニタを指定することで、リアルカーソルRCを所望のモニタに移動させることができる。これは、移動先のモニタが現在リアルカーソルRCがあるモニタから大きく離れている場合等に便利である。
【0038】
また、カーソル制御部24は、ユーザにリアルカーソルRCの位置を通知する位置通知手段52として機能する。これにより、ユーザはカーソル制御部24に対しリアルカーソルRCの位置を知りたい旨の要求をすることで、リアルカーソルRCの位置を迅速に知ることができる。通知の方法としては例えば、図11で説明した全モニタの配置図にリアルカーソルRCの位置を表示させることが考えられる。その他にも、テキストや音声のメッセージ等によりユーザに通知を行う方法が考えられる。
【0039】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 入力装置
12 ポインティングデバイス
14 キーボード
20 情報処理装置
24 カーソル制御部
30 表示装置
30A〜30I モニタ
40 リアルカーソル表示手段
42 ヴァーチャルカーソル表示手段
44 移動範囲設定手段
46 切替手段
48 配置表示手段
50 選択手段
52 位置通知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に対し、
複数の表示手段のうち一の表示手段に、操作対象となる第1カーソルを表示するステップと、
前記複数の表示手段のうち他の表示手段に、操作対象とならない第2カーソルを表示するステップと、
を実行させるためのカーソル制御プログラム。
【請求項2】
前記第1カーソルを前記第2カーソルに切り替えると同時に、複数の前記第2カーソルのうち1つを前記第1カーソルに切り替えるステップをさらに実行させるための請求項1に記載のカーソル制御プログラム。
【請求項3】
前記第1カーソルと前記第2カーソルは、前記表示手段内において互いに対応する位置に表示されることを特徴とする請求項1または2に記載のカーソル制御プログラム。
【請求項4】
前記第1カーソルの移動範囲を、一の表示手段または全表示手段のいずれかに設定するステップをさらに実行させるための請求項1〜3のいずれかに記載のカーソル制御プログラム。
【請求項5】
前記第1カーソルの移動範囲が全表示手段である場合において、前記第1カーソルが一の表示手段から他の表示手段に移動した場合に、移動先の前記一の表示手段に表示されるカーソルを前記第2カーソルから前記第1カーソルに切り替え、移動元の前記他の表示手段に表示されるカーソルを前記第1カーソルから前記第2カーソルに切り替えるステップをさらに実行させるための請求項4に記載のカーソル制御プログラム。
【請求項6】
前記複数の表示手段の少なくとも1つに、前記複数の表示手段の位置情報を表示するステップと、
表示された前記複数の表示手段の位置情報に基づき一の表示手段を選択するステップと、
選択された前記一の表示手段のカーソルを前記第2カーソルから前記第1カーソルに切り替えるステップと、
をさらに実行させるための請求項2〜5のいずれかに記載のカーソル制御プログラム。
【請求項7】
前記第1カーソルの形態は、前記第2カーソルと異なることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカーソル制御プログラム。
【請求項8】
前記複数の表示手段の少なくとも1つに、前記第1カーソルの位置を表示するステップをさらに実行させるための請求項1〜7のいずれかに記載のカーソル制御プログラム。
【請求項9】
複数の表示手段のうち一の表示手段に、操作対象となる第1カーソルを表示する第1カーソル表示手段と、
前記複数の表示手段のうち他の表示手段に、操作対象とならない第2カーソルを表示する第2カーソル表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
複数の表示手段と、
前記複数の表示手段のうち一の表示手段に、操作対象となる第1カーソルを表示する第1カーソル表示手段と、
前記複数の表示手段のうち他の表示手段に、操作対象とならない第2カーソルを表示する第2カーソル表示手段と、
前記第1カーソルに対する操作を入力する入力手段と、
を備えることを特徴とするマルチモニタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−59901(P2011−59901A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207539(P2009−207539)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】