説明

マルチレベルマーケティングの報酬方法

【課題】MLM報酬システムにおいて、入会順に構築された有限階層の系列組織に基づく報酬システムとは異なる新たな報酬システムを提案すること。
【解決手段】
MLM報酬システム1は第1報酬システムであるオートシップステージ2と、第2報酬システムであるドリームステージ3を備えている。オートシップステージ2は従来と同様な方法によりボーナスを算出する。ドリームステージ3では、会員全てを対象として、予め定めた条件に従って獲得した獲得ポイント数を月毎に算出し、獲得ポイント数の多い順に多階層の系列を月毎に自動構築し、この系列に基づき第2のボーナスを算出して各会員に配当する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチレベルマーケティング(連鎖販売業)の報酬方法に関し、さらに詳しくは、入会順に構築される有限階層の会員系列に基づき与えられる一般的な報酬に加えて、当該会員系列とは異なる全会員を対象として定期的に再構築される会員系列の階層レベルに応じて各会員に報酬を与えるようにしたマルチレベルマーケティングの報酬方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチレベルマーケティング(以下、単に、「MLM」と呼ぶ。)は、商品の愛好者による口コミ販売を組織化して、質の良い商品をより多くの人に購入して使用して貰うために有効なマーケティング手法である。MLMでは、一般に、商品供給元の統括者の下に、勧誘者、一般連鎖販売業者(会員、ディストリビュータ)が有限階層の系列組織を形成し、系列組織内の階層レベルに応じて月毎に報酬(ボーナス、インセンティブ)が商品供給元から各会員に支払われる。
【0003】
MLMでは、系列組織の構築方法として各種のものが知られており、月毎の報酬プラン(報酬方法)についても、バイナリ、ブレイクアウエイ、ユニレベル、マトリクス、ハイブリッドなどの方法が採用されている。いずれの場合にも、基本は、入会順に構築された有限階層の系列組織における階層レベルを基準としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有限階層の系列組織を基本とする報酬プランでは、階層レベルの低い会員の実績が際立っている場合に、リアルタイムでその実績を繁栄させることが困難である。すなわち、多数の直紹介者、多数個の商品販売実績が継続すると、系列組織での階層レベルのアップ、ブレイクアウエイなどによる新たな系列組織の構築などとして実績が反映されるものの、優れた実績のあった当月における報酬への直接的な反映という点で、既存の報酬プランは硬直的あるいは静的であり、販売促進、会員獲得に実績を残した会員に対して、リアルタイムで実績を反映した動的な形態で報酬を与えることが困難な場合がある。既存の報酬プランを組み合わせハイブリットを採用すればよいが、報酬制度をいたずらに複雑にするだけであり、入会者にとっては不便である。
【0005】
本発明の課題は、入会順に基づき構築された有限階層の系列組織とは別の基準に基づき全会員を対象に系列を定期的に再構築して、実績のあった会員に対してリアルタイムで動的な形態で報酬を与えることのできるマルチレベルマーケティングの報酬方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のマルチレベルマーケティングの報酬方法は、
オートシップ取引を契約した入会者について、入会順に系列化した有限階層のオートシップ会員系列を構成し、
オートシップ会員系列内における各会員に対して、少なくとも、階層レベル、オートシップ取引、および同一系列内の下層レベルの会員の商品購入実績に応じた第1の報酬を、一定期間毎に与え、
各オートシップ会員系列に関係無く、全てのオートシップ会員について、少なくとも、オートシップ取引回数および期間に応じたポイント、および、新規直紹介の会員数に応じたポイントを、一定期間毎に集計し、
集計した各オートシップ会員の総ポイント数の多い順に、全てのオートシップ会員を対象として多階層系列を構築し、
この多階層系列の階層レベルに応じて、各オートシップ会員に対して一定期間毎に第2の報酬を与えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の報酬方法では、基本的には従来と同様な第1の報酬を与えるが、一定期間、例えば月毎に、直接の勧誘者数、商品販売数量などを加味して第2の報酬が与えられる。この第2の報酬は、各会員の属している有限階層の会員系列のレベルとは関係無く算出されるものである。したがって、本発明によれば、各会員の月毎の活動実績に対してリアルタイムで対応できる動的な報酬方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したMLMの報酬方法の実施の形態を説明するが、本発明を当該実施の形態に限定することを意図したものではない。
【0009】
図1は本発明を適用したMLM報酬システムの概念図である。MLM報酬システム1は2つの報酬形態を備えており、一つは、従来と同様な入会順に構築された系列組織に基づく第1の報酬システム(オートシップステージ)2であり、もう一つは全会員を対象として獲得ポイントDPの多い順に構築した単一の系列組織に基づく第2の報酬システム(ドリームステージ)3である。
【0010】
(オートシップステージ)
まず、第1の報酬システムであるオートシップステージについて説明する。オートシップ取引契約をした入会者について、入会順に、バイナリの有限階層の系列組織を構築する。図2には、オートシップステージの構築方法の一例を示してある。既存のオートシップ契約している会員(以下、「ビジネスシーダー」と呼ぶ。)である「あなた」を中心に系列組織が構築される場合を説明する。「あなた」が直接紹介した「1」〜「6」の順番に、「あなた」からみて左右の2ラインのうち、人数が少ないライン(左右同数の場合には左のラインが優先)へ自動登録される。その後、「1」の会員の紹介で「1−1」が、「2」の会員の紹介で「2−1」、「2−2」とグループができた後に、「あなた」が「7」を紹介した場合、「あなた」から見て人数の少ない左側の「5」に登録される。
【0011】
このような入会順に構築された有限階層の2系列のオートシップステージでの報酬プランには、従来において一般的に行われるプランが含まれている。例えば、各ビジネスシーダーは、図2の表に示すように、階層レベルに応じたオートシップボーナスを月毎に得ることができる。また、図3の表に示すように、新規の会員(ビジネスシーダー)を直接紹介した場合には、登録1件につき1回限り、ファーストボーナスが発生する。その他、インフィニティボーナスなども発生する。これらの有限階層の2系列のオートシップステージに基づく第1の報酬に加えて、2系列のオートシップステージに関係なく、第2の報酬が算出されて、月毎に各ビジネスシーダーに与えられる。
【0012】
(ドリームステージ)
第2の報酬システムであるドリームステージについて説明する。この第2の報酬は、2以上の直紹介がアクティブであるビジネスシーダーが取得できるボーナスである。この第2の報酬の算出に当たっては、MLM報酬システム1の全てのビジネスシーダーについて、属している系列組織に関係なく、予め定めたポイントDPの多い順に単一の多階層系列が月毎に自動構築される。
【0013】
例えば、図4に示す表に掲載されているように、月毎に各ビジネスシーダーについて、獲得ポイントDPが集計される。集計されたポイントDPの多い順に、2系列に分岐する多階層の系列を構築する。ここで、ポイント数が同点の場合には、例えば、新規紹介DP数、アドバイザーDP数、直紹介アクティブ数、当月実タイトル、連続購入月数の順序で優先して配置する。これらの優先順位に基づいても同一の場合には、例えば、入会日の新しい人を優先する。
【0014】
次に、構築した系列における階層レベルに応じて、図5に示すように、各ビジネスシーダーに対する第2の報酬が算出される。獲得ポイントDPに基づくビジネスシーダー全員を対象にした系列は月毎に自動更新される。
【0015】
このように、本例のMLM報酬システムでは、各系列に基づき算出した一般的なMLM報酬プランによる第1の報酬システム2に加えて、会員全員を対象として月毎に獲得ポイント数の多い順に自動構築する系列における階層レベルに応じて算出した第2の報酬システム3を採用している。したがって、従来のMLM報酬プランに比べて、各会員の実績をリアルタイムで反映できる動的な報酬形態を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用したMLM報酬システムの概念図である。
【図2】オートシップステージの系列構築方法を示す説明図である。
【図3】オートシップボーナスを示す説明図である。
【図4】ドリームステージにおけるポイントDPの獲得条件を示す説明図である。
【図5】ドリームステージにおけるボーナスを示す説明図である。
【符号の説明】
【0017】
1 MLM報酬システム
2 第1の報酬システムであるオートシップステージ
3 第2の報酬システムであるドリームステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートシップ取引を契約した入会者について、入会順に系列化した有限階層のオートシップ会員系列を構成し、
オートシップ会員系列内における各会員に対して、少なくとも、階層レベル、オートシップ取引、および同一系列内の下層レベルの会員の商品購入実績に応じた第1の報酬を、一定期間毎に与え、
各オートシップ会員系列に関係無く、全てのオートシップ会員について、少なくとも、オートシップ取引回数および期間に応じたポイント、および、新規直紹介の会員数に応じたポイントを、一定期間毎に集計し、
集計した各オートシップ会員の総ポイント数の多い順に、全てのオートシップ会員を対象として多階層系列を構築し、
この多階層系列の階層レベルに応じて、各オートシップ会員に対して一定期間毎に第2の報酬を与えることを特徴とするマルチレベルマーケティングの報酬方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−151590(P2009−151590A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329510(P2007−329510)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(503265946)株式会社アルペン総合研究所 (2)