マルチ核酸反応具およびそれを用いた検出方法
【課題】1つの反応場において、複数種類の標的配列を複数種類のプライマーセットを用いて同時に独立して増幅反応させ、前記プライマーセットのそれぞれの増幅産物について独立して目的核酸の有無または量を決定することのできるマルチ核酸反応具およびそれを使用する目的核酸検出方法を提供する。
【解決手段】実施形態のマルチ核酸反応具は、支持体と複数種類のプライマーセットと目的配列の相補配列を含むプローブ核酸とを具備する。支持体は液相の反応場を支持するように構成される。複数種類のプライマーセットは、液相により反応場が形成された際に、反応場に接する支持体の少なくとも1つの面の互いに独立したプライマー固定化領域に種類毎に遊離可能に固定される。複数種類のプライマーセットは、そのそれぞれに対応する標的配列を増幅するように構成される。プローブ核酸は、プライマー固定化領域と同じ位置かその近傍のプローブ固定化領域に固定され、ハイブリダイズ信号が独立して検出される。
【解決手段】実施形態のマルチ核酸反応具は、支持体と複数種類のプライマーセットと目的配列の相補配列を含むプローブ核酸とを具備する。支持体は液相の反応場を支持するように構成される。複数種類のプライマーセットは、液相により反応場が形成された際に、反応場に接する支持体の少なくとも1つの面の互いに独立したプライマー固定化領域に種類毎に遊離可能に固定される。複数種類のプライマーセットは、そのそれぞれに対応する標的配列を増幅するように構成される。プローブ核酸は、プライマー固定化領域と同じ位置かその近傍のプローブ固定化領域に固定され、ハイブリダイズ信号が独立して検出される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相の反応場を支持するように構成された支持体と、
前記液相により前記反応場が形成された際に、前記反応場に接する前記支持体の少なくとも1つの面の互いに独立して配置された複数のプライマー固定化領域と、
前記複数のプライマー固定化領域に種類毎に遊離可能に固定化され、複数種類の標的配列をそれぞれに増幅するように構成された複数種類のプライマーセットと、
前記複数のプライマー固定化領域と同じ位置またはその近傍に独立して配置された複数のプローブ固定化領域と、
前記プローブ固定化領域に、当該プローブ固定化領域毎にハイブリダイズ信号を独立して検出可能に、種類毎に固定された、目的配列の相補配列を含む複数種類のプローブ核酸と、
を具備するマルチ核酸反応具。
【請求項2】
前記支持体が容器形態または流路を有し、前記容器内または流路内が反応場である請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項3】
前記プライマー固定化領域に遊離可能に固定された増粘剤を更に具備する請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項4】
前記支持体に取り付けられ、支持体と共に、反応液を維持するチャンバを構成する被覆体を更に具備する請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項5】
前記支持体が基板からなる請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項6】
前記支持体は、その第1の面に溝部を備え、
前記溝部は、核酸サンプルが反応するための流路型チャンバを備え、
前記流路型チャンバの断面積は、前記溝部における前記流路型チャンバ以外の断面積よりも大きい、
核酸検出用デバイスである請求項5に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項7】
前記流路型チャンバが、流路の上流に反応液を添加するための注入部を有し、注入部よりも下流に複数のプライマー固定化領域が配置され、それぞれのプライマー固定化領域に対応し、且つそれぞれのプライマー固定化領域よりも下流近傍に、複数のプローブ固定化領域が独立してそれぞれ配置された請求項6に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項8】
前記支持体上に形成された核酸検出用のセンサ部と、
前記支持体上に形成され、前記センサと接続された配線と、
前記支持体上に形成された保護膜と、
を更に備える請求項5に記載のマルチ核酸反応具であって、
アレイ型プライマープローブチップは、前記センサ部と核酸サンプルが反応するためのチャンバ内で核酸増幅反応を行った後に、前記センサ部によって核酸増幅産物の検出を行う核酸検出デバイスであり、
前記保護膜は、前記基板上における前記核酸サンプルの接液領域において、前記基板の一部を含む下層部を露出させる1以上の開口を備える、
マルチ核酸反応具。
【請求項9】
前記センサ部は電極である、請求項8に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項10】
前記保護膜は、前記接液領域において、前記配線を覆う、請求項9記載のマルチ核酸反応具。
【請求項11】
前記保護膜が、ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、シリコン樹脂、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホン、並びにガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、フォルステライト、炭化ケイ素および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1である請求項8に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項12】
前記保護膜が、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂およびシリコン樹脂を含む請求項8に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項13】
前記支持体が、硬質材料で構成された第1のプレートからなり、
核酸反応流路と、核酸サンプルを貯める第1のシリンジと、核酸反応に用いる薬液を貯める第2のシリンジと、前記核酸反応流路から流出する液体を貯める第3のシリンジと、前記第1のシリンジ及び前記第2のシリンジ並びに前記核酸反応流路を繋ぐ第1の流路と、前記核酸反応流路と前記第3のシリンジを繋ぐ第2の流路とを備え、軟質材料で一体構成される流路パッキンと、
硬質材料で構成された第2のプレートとを更に具備する請求項1に記載のアレイ型プライマープローブチップであって、
前記第1のプレートは、前記流路パッキンの第1の面と相対し、前記第2のプレートは、前記第1の面と逆側の第2の面と相対し、前記第1のプレートと共に前記流路パッキンを密封する、核酸反応カセットである請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項14】
基体と、前記基体の少なくとも1つの表面の互いに独立した複数のプライマー固定化領域と、前記複数のプライマー固定化領域に種類毎に遊離可能に固定化された、複数種類の標的配列をそれぞれに増幅するように構成された複数種類のプライマーセットと、前記複数のプライマー固定化領域と同じ位置またはその近傍のプローブ固定化領域と、前記プローブ固定化領域に、当該プローブ固定化領域毎にハイブリダイズ信号を独立して検出可能に種類毎に固定化された、目的配列の相補配列を含む少なくとも1種類のプローブ核酸とを具備するマルチ核酸反応具。
【請求項15】
(a)液相の1つの反応場を支持するように構成された支持体の少なくとも1つの面であり、前記液相により前記反応場が形成された際に、前記反応場に接する面の互いに独立した複数のプライマー固定化領域に、複数種類の標的核酸をそれぞれに増幅するための複数種類のプライマーセットを種類毎に遊離可能に固定することと、
(b)前記複数のプライマー固定化領域の位置またはその近傍のプローブ固定化領域に、当該プローブ固定化領域毎にハイブリダイズ信号を独立して検出可能に種類毎に、目的配列の相補配列を含む少なくとも1種類のプローブ核酸を固定することと、
(c)前記支持体に対して核酸増幅を行うための反応液を添加して1つの反応場を形成することと、
(d)反応場に試料を持ち込むことと、
(e)前記1つの反応場において前記複数種類の標的核酸について増幅反応をそれぞれ行うことと、
(f)前記増幅反応により得られた増幅産物と前記プローブ核酸とのハイブリダイズの有無または量を、前記プライマーセットのそれぞれにより得られる増幅産物について独立して検出することと、
(g)前記(f)の結果に基づいて、前記目的配列を含む目的核酸の存在を検出または測定することと、
を具備する目的核酸検出方法。
【請求項1】
液相の反応場を支持するように構成された支持体と、
前記液相により前記反応場が形成された際に、前記反応場に接する前記支持体の少なくとも1つの面の互いに独立して配置された複数のプライマー固定化領域と、
前記複数のプライマー固定化領域に種類毎に遊離可能に固定化され、複数種類の標的配列をそれぞれに増幅するように構成された複数種類のプライマーセットと、
前記複数のプライマー固定化領域と同じ位置またはその近傍に独立して配置された複数のプローブ固定化領域と、
前記プローブ固定化領域に、当該プローブ固定化領域毎にハイブリダイズ信号を独立して検出可能に、種類毎に固定された、目的配列の相補配列を含む複数種類のプローブ核酸と、
を具備するマルチ核酸反応具。
【請求項2】
前記支持体が容器形態または流路を有し、前記容器内または流路内が反応場である請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項3】
前記プライマー固定化領域に遊離可能に固定された増粘剤を更に具備する請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項4】
前記支持体に取り付けられ、支持体と共に、反応液を維持するチャンバを構成する被覆体を更に具備する請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項5】
前記支持体が基板からなる請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項6】
前記支持体は、その第1の面に溝部を備え、
前記溝部は、核酸サンプルが反応するための流路型チャンバを備え、
前記流路型チャンバの断面積は、前記溝部における前記流路型チャンバ以外の断面積よりも大きい、
核酸検出用デバイスである請求項5に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項7】
前記流路型チャンバが、流路の上流に反応液を添加するための注入部を有し、注入部よりも下流に複数のプライマー固定化領域が配置され、それぞれのプライマー固定化領域に対応し、且つそれぞれのプライマー固定化領域よりも下流近傍に、複数のプローブ固定化領域が独立してそれぞれ配置された請求項6に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項8】
前記支持体上に形成された核酸検出用のセンサ部と、
前記支持体上に形成され、前記センサと接続された配線と、
前記支持体上に形成された保護膜と、
を更に備える請求項5に記載のマルチ核酸反応具であって、
アレイ型プライマープローブチップは、前記センサ部と核酸サンプルが反応するためのチャンバ内で核酸増幅反応を行った後に、前記センサ部によって核酸増幅産物の検出を行う核酸検出デバイスであり、
前記保護膜は、前記基板上における前記核酸サンプルの接液領域において、前記基板の一部を含む下層部を露出させる1以上の開口を備える、
マルチ核酸反応具。
【請求項9】
前記センサ部は電極である、請求項8に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項10】
前記保護膜は、前記接液領域において、前記配線を覆う、請求項9記載のマルチ核酸反応具。
【請求項11】
前記保護膜が、ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、シリコン樹脂、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホン、並びにガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、フォルステライト、炭化ケイ素および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1である請求項8に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項12】
前記保護膜が、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂およびシリコン樹脂を含む請求項8に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項13】
前記支持体が、硬質材料で構成された第1のプレートからなり、
核酸反応流路と、核酸サンプルを貯める第1のシリンジと、核酸反応に用いる薬液を貯める第2のシリンジと、前記核酸反応流路から流出する液体を貯める第3のシリンジと、前記第1のシリンジ及び前記第2のシリンジ並びに前記核酸反応流路を繋ぐ第1の流路と、前記核酸反応流路と前記第3のシリンジを繋ぐ第2の流路とを備え、軟質材料で一体構成される流路パッキンと、
硬質材料で構成された第2のプレートとを更に具備する請求項1に記載のアレイ型プライマープローブチップであって、
前記第1のプレートは、前記流路パッキンの第1の面と相対し、前記第2のプレートは、前記第1の面と逆側の第2の面と相対し、前記第1のプレートと共に前記流路パッキンを密封する、核酸反応カセットである請求項1に記載のマルチ核酸反応具。
【請求項14】
基体と、前記基体の少なくとも1つの表面の互いに独立した複数のプライマー固定化領域と、前記複数のプライマー固定化領域に種類毎に遊離可能に固定化された、複数種類の標的配列をそれぞれに増幅するように構成された複数種類のプライマーセットと、前記複数のプライマー固定化領域と同じ位置またはその近傍のプローブ固定化領域と、前記プローブ固定化領域に、当該プローブ固定化領域毎にハイブリダイズ信号を独立して検出可能に種類毎に固定化された、目的配列の相補配列を含む少なくとも1種類のプローブ核酸とを具備するマルチ核酸反応具。
【請求項15】
(a)液相の1つの反応場を支持するように構成された支持体の少なくとも1つの面であり、前記液相により前記反応場が形成された際に、前記反応場に接する面の互いに独立した複数のプライマー固定化領域に、複数種類の標的核酸をそれぞれに増幅するための複数種類のプライマーセットを種類毎に遊離可能に固定することと、
(b)前記複数のプライマー固定化領域の位置またはその近傍のプローブ固定化領域に、当該プローブ固定化領域毎にハイブリダイズ信号を独立して検出可能に種類毎に、目的配列の相補配列を含む少なくとも1種類のプローブ核酸を固定することと、
(c)前記支持体に対して核酸増幅を行うための反応液を添加して1つの反応場を形成することと、
(d)反応場に試料を持ち込むことと、
(e)前記1つの反応場において前記複数種類の標的核酸について増幅反応をそれぞれ行うことと、
(f)前記増幅反応により得られた増幅産物と前記プローブ核酸とのハイブリダイズの有無または量を、前記プライマーセットのそれぞれにより得られる増幅産物について独立して検出することと、
(g)前記(f)の結果に基づいて、前記目的配列を含む目的核酸の存在を検出または測定することと、
を具備する目的核酸検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【公開番号】特開2013−66463(P2013−66463A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197912(P2012−197912)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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