マンコンベア
【課題】マンコンベアを利用する乗客の手を確実に除菌することができ、乗客が安心して移動手摺を掴むことができるようにする。
【解決手段】本マンコンベアは、ステップ1と同期して移動する移動手摺4と、吹出口から移動手摺4を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出する除菌装置6とを備える。除菌装置6は、その吹出口を移動手摺4に近接して設け、例えば、吹出口を移動手摺4の上面高さよりも僅かに低い位置に配置して、移動手摺4の側方から移動手摺4の上方位置に向けて斜め上方に消毒剤を放出する。
【解決手段】本マンコンベアは、ステップ1と同期して移動する移動手摺4と、吹出口から移動手摺4を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出する除菌装置6とを備える。除菌装置6は、その吹出口を移動手摺4に近接して設け、例えば、吹出口を移動手摺4の上面高さよりも僅かに低い位置に配置して、移動手摺4の側方から移動手摺4の上方位置に向けて斜め上方に消毒剤を放出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、除菌装置が備えられたマンコンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エスカレーターや動く歩道といったマンコンベアでは、乗客が乗るステップと同期するように移動手摺が駆動されている。この移動手摺は、ステップに乗降する乗客やステップ上にいる乗客が掴むために備えられたものである。
【0003】
本来、乗客は、マンコンベアを利用している間、常に移動手摺を掴んでいることが望ましい。しかし、マンコンベアは不特定多数の人によって使用されるものであるため、乗客の中には、移動手摺に触れることを不快に感じる人もいる。このため、マンコンベアを利用する際に移動手摺を一切掴まない乗客や、ステップに乗降する時だけ移動手摺を掴み、ステップ上に移動すると移動手摺を放してしまう乗客も散見される。
【0004】
このような事情に鑑み、従来技術として、移動手摺の除菌装置を備えたマンコンベアも提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、特許文献1に記載のものでは、移動手摺に対して除菌効果を有する光を下方から照射し、その光を移動手摺の表面で散光させて、移動手摺と移動手摺に置かれた乗客の手先との除菌を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3066770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マンコンベアを利用する際に移動手摺を掴まない乗客は、移動手摺が汚く、触れることによって自分の手が汚れるといったイメージを持っている人が多い。特許文献1に記載のものでは、除菌効果を有する光を移動手摺の表面で散光させて移動手摺や乗客の手先の除菌を行っているため、除菌できる範囲が非常に狭く、乗客の手を十分に除菌することができないといった問題があった。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、マンコンベアを利用する乗客の手を確実に除菌することができ、乗客が安心して移動手摺を掴むことができるマンコンベアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るマンコンベアは、ステップと同期して移動する移動手摺と、吹出口が移動手摺に近接して設けられ、吹出口から移動手摺を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出する除菌装置と、を備えたものである。
【0009】
また、この発明に係るマンコンベアは、ステップと同期して移動する移動手摺と、吹出口が移動手摺に近接して設けられ、吹出口から移動手摺の乗客が掴む部分に向けて消毒剤を放出する除菌装置と、を備えたものである。
【0010】
また、この発明に係るマンコンベアは、乗降口の乗客を誘導するための誘導柵と、誘導柵を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出するための除菌装置と、を備え、誘導柵は、一番上の横棒部材に、上向きに開口する吹出口が形成され、除菌装置は、吹出口から消毒剤の放出を行うものである。
【0011】
また、この発明に係るマンコンベアは、乗り口又は降り口に設けられ、吹出口から所定の消毒剤を放出する除菌装置と、除菌装置によって手の除菌を行いたい乗客が所定の操作を行うための操作手段と、を備え、除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、操作手段に対して所定の操作が行われると、吹出口から消毒剤を放出させるものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るマンコンベアであれば、マンコンベアを利用する乗客の手を確実に除菌することができ、乗客が安心して移動手摺を掴むことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1におけるマンコンベアを示す斜視図である。
【図2】図1に示すマンコンベアの要部断面図である。
【図3】図1に示すマンコンベアの要部平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1における除菌装置の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2におけるマンコンベアの要部を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2におけるマンコンベアの要部を示す平面図である。
【図7】この発明の実施の形態3におけるマンコンベアの要部を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態4におけるマンコンベアの構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5におけるマンコンベアの構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態6におけるマンコンベアの構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態6におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態7におけるマンコンベアの要部を示す断面図である。
【図15】この発明の実施の形態7における除菌装置の構成を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態7におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態8におけるマンコンベアの構成を示す側面図である。
【図18】この発明の実施の形態8におけるマンコンベアの他の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
また、以下においては、マンコンベアの一例として、上下階床間の移動に使用されるエスカレーターについて具体的な説明を行い、動く歩道等の他の例については、その説明を省略する。
【0015】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるマンコンベアを示す斜視図であり、エスカレーターの下部乗降口を示している。なお、図1に示す下部乗降口は、エスカレーターが上りの場合は乗り口を、エスカレーターが下りの場合は降り口を構成する。本実施の形態においては、下部乗降口がエスカレーターの乗り口及び降り口の何れであっても構わない。
【0016】
図1において、1は乗客が上下階床間を移動する際に乗るステップ、2はステップ1の両側に設けられたデッキボード、3はデッキボード2に支持されたガラスパネル等の内側板、4はステップ1に乗降する乗客やステップ1上にいる乗客が掴むための移動手摺、5はステップ1から降りた乗客、或いはステップ1に乗る乗客を下部乗降口において誘導するための誘導柵である。
【0017】
移動手摺4は、一般に断面C字状を呈しており、無端状に形成されている。移動手摺4はステップ1と同期して移動するように駆動されており、その上側部分と乗降口における反転部分とが内側板3の縁部に沿って移動する。なお、移動手摺4の下側部分は、デッキボード2やトラス(図示せず)内を移動する。
【0018】
本エスカレーターには、下部乗降口(その近傍も含む)に、所定の消毒剤を用いて乗客の手を除菌するための除菌装置6が備えられている。本実施の形態における除菌装置6では、乗客の手を除菌するための消毒剤として、除菌性能の優れたオゾンを使用している。
【0019】
以下に、図2乃至図4も参照し、除菌装置6の構成及び機能について具体的に説明する。なお、図2は図1に示すマンコンベアの要部断面図であり、図1のA−A矢視を示している。図3は図1に示すマンコンベアの要部平面図であり、図2に示す部分を上から見た図に相当する。図4はこの発明の実施の形態1における除菌装置の構成を示す図である。
【0020】
ガラスパネル製の内側板3は、エスカレーターの長手に沿ってデッキボード2に立設されている。図中、2aはデッキボード2のうち、内側板3よりもステップ1側に配置された部分からなるインナーデッキ、2bはデッキボード2のうち、内側板3よりも外側(反ステップ1側)に配置された部分からなるアウターデッキである。また、7はインナーデッキ2aから下方に設けられたスカートガードを示している。
【0021】
エスカレーターに上記構成のデッキボード2及び内側板3が備えられている場合、除菌装置6は、例えば、アウターデッキ2bの上面に設けられ、内側板3と隣接する壁8との間に配置される。そして、除菌装置6は、移動手摺4の外側から、移動手摺4を掴む乗客の手に向けてオゾンを放出し、乗客の手にオゾンを吹き付けて除菌を行う。例えば、オゾンの吹出口6aは、移動手摺4のうち、下部乗降口で水平に移動する部分の側方において、隣接する移動手摺4の上面高さよりも僅かに低い位置に配置されており、除菌装置6は、移動手摺4の側方に配置されたこの吹出口6aから、移動手摺4の上方位置に向けて斜め上方にオゾンを放出する。かかる構成であれば、移動手摺4を掴もうとしている(或いは、移動手摺4を放した直後の)乗客の手の平全体に的確にオゾンを当てることができ、優れた除菌効果が期待できる。また、吹出口6aから放出されたオゾンの一部は、移動手摺4にも接触するため、移動手摺4の表面の除菌も同時に行うことができる。
【0022】
なお、オゾンを放出するための吹出口6aは、移動手摺4に近接して設けられていれば良く、他の構成を有していても構わない。例えば、隣接する移動手摺4の上面高さよりも高い位置に吹出口6aを配置した場合は、移動手摺4の乗客が掴む部分或いはその僅か上方位置に向けてオゾンの放出を行えば良い。かかる構成であっても、移動手摺4を掴む乗客の手に対して的確にオゾンを吹き付けることができる。
【0023】
次に、図4を参照し、除菌装置6の機能について説明する。
除菌装置6は、図4に示すように、例えば、オゾン発生器9、オゾン濃度計10、制御部11、記録部12により、その要部が構成される。
【0024】
オゾン発生器9は、オゾンを生成する機能を有しており、例えば、生成したオゾンを所定のオゾン室13に供給する。即ち、オゾン発生器9からオゾン室13内に供給されたオゾンが、乗客の手に向けて吹出口6aから放出される。
オゾン濃度計10は、吹出口6aから放出されるオゾンの濃度を検出するために備えられたものである。オゾン濃度計10は、例えば、オゾン室13内のオゾン濃度を、吹出口6aから放出されるオゾンの濃度として検出し、その検出結果を制御部11に対して出力する。
【0025】
制御部11は、オゾン濃度計10の検出結果や記録部12の記録内容に基づいて、除菌装置6の動作制御、即ち、オゾンの放出制御を行う機能を有している。なお、記録部12には、例えば、オゾンの放出制御を行うために必要な各種パラメーターが予め記録されている。制御部11は、記録部12の記録内容に基づいてオゾン発生器9にオゾンを生成させ、適正なオゾン濃度及び放出量で吹出口6aからオゾンを放出させる。また、制御部11は、オゾン濃度計10によって所定値を超えるオゾン濃度が検出されると、オゾン発生器9によるオゾンの生成を停止させる。これにより、吹出口6aからのオゾンの放出も停止され、高濃度のオゾンが乗客に対して吹き付けられることを防止する。
【0026】
上記構成のエスカレーターであれば、乗り口で乗客が移動手摺4を掴もうとしている時(或いは、降り口で移動手摺4を放した直後)に、除菌装置6から放出される消毒剤(オゾン)によって、乗客の手を確実に除菌することができる。特に、上記構成の除菌装置6では、吹出口6aが移動手摺4の側方に配置され、この吹出口6aから乗客の手に向けてオゾンが放出されるため、オゾンを乗客の手全体に行き渡らせることができ、優れた除菌効果が期待できる。また、吹出口6aから放出されたオゾンの一部は、移動手摺4にも接触するため、移動手摺4の表面のうち、乗客が掴む部分の除菌も同時に行うことが可能である。
【0027】
また、乗客の手を除菌するための消毒剤としてオゾンを採用すれば、他の薬剤等を採用する場合のように耐性菌が発生する恐れもなく、長期に渡って高い除菌性能を維持できる。
このため、乗客は、エスカレーターを利用する際に、安心して移動手摺4を掴むことができるようになる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、除菌装置6がエスカレーターの下部乗降口に設置されている場合について説明を行った。しかし、これは単に一例を示したものであり、除菌装置6は、上部乗降口に設置されていても構わない。また、下部乗降口と上部乗降口との双方に除菌装置6が設置されていても構わない。
【0029】
エスカレーターの乗り口に上記構成の除菌装置6が備えられている場合、乗客は、除菌が行われた清潔な状態でエスカレーターを利用することができる。また、除菌装置6がエスカレーターの降り口に備えられている場合、乗客は、除菌が行われた清潔な手のままエスカレーターを降りることができる。除菌装置6を乗り口及び降り口の双方に備えておけば、上記双方の効果が得られることは言うまでもない。
【0030】
また、本実施の形態では、オゾン発生器9で生成されたオゾンをそのまま吹出口6aから放出する場合について説明したが、除菌装置6に他の機能を追加して、除菌性能を更に高めるように構成しても良い。
【0031】
例えば、本実施の形態における除菌装置6に、オゾン室13内に過酸化水素を噴霧する噴霧器(図示せず)を追加する。そして、この噴霧器から噴霧された過酸化水素とオゾン室13内のオゾンとを反応させることにより、より酸化力の高い活性種からなるヒドロキシラジカルを生成して吹出口6aから放出させる。かかる構成であれば、酸化力の高いヒドロキシラジカルを乗客の手や移動手摺4に吹き付けることができ、消毒剤(ヒドロキシラジカル)に触れる時間が短い場合であっても、高い除菌効果が期待できる。
【0032】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2におけるマンコンベアの要部を示す断面図、図6はこの発明の実施の形態2におけるマンコンベアの要部を示す平面図である。実施の形態1では、エスカレーターに、ガラスパネル等からなる内側板3が備えられている場合について説明を行った。本実施の形態では、エスカレーターに、ステンレスパネル等からなる内側板14が備えられている場合について説明する。
【0033】
内側板14がステンレスパネル等からなる場合、デッキボード15は、移動手摺4の直ぐ下方に配置される。なお、15aはデッキボード15のうち、移動手摺4の支持部分よりもステップ1側に配置された部分からなるインナーデッキ、15bはデッキボード15のうち、移動手摺4の支持部分よりも外側(反ステップ1側)に配置された部分からなるアウターデッキである。内側板14は、インナーデッキ15aのステップ1側端部から下方に設けられ、下端部がスカートガード7に連続するように構成されている。
【0034】
移動手摺4は、その上側部分と乗降口における反転部分とがデッキボード15の上面及び乗降口における湾曲面とに沿って移動し、下側部分が、デッキボード15やトラス(図示せず)内に配置される。
【0035】
エスカレーターに上記構成のデッキボード15及び内側板14が備えられている場合、除菌装置6は、例えば、その本体部分がアウターデッキ15bに内蔵され、吹出口6aを形成する部分のみ、アウターデッキ15bの上面から突出するように配置される。そして、除菌装置6は、実施の形態1の場合と同様に、移動手摺4の外側から、移動手摺4を掴む乗客の手に向けてオゾンを放出し、乗客の手にオゾンを吹き付けて除菌を行う。例えば、オゾンの吹出口6aは、移動手摺4のうち、乗降口で水平に移動する部分の側方において、隣接する移動手摺4の上面高さよりも僅かに低い位置に配置されており、除菌装置6は、移動手摺4の側方に配置されたこの吹出口6aから、移動手摺4の上方位置に向けて斜め上方にオゾンを放出する。
【0036】
除菌装置6の機能等を含め、他の構成は、実施の形態1と同様である。
かかる構成を有することにより、上記構成のデッキボード15及び内側板14が備えられたエスカレーターにおいても、実施の形態1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0037】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3におけるマンコンベアの要部を示す斜視図である。本実施の形態においては、誘導柵5に除菌装置6を設置し、誘導柵5を掴む乗客の手に向けてオゾンの放出を行う場合について説明する。
【0038】
除菌装置6は、誘導柵5を掴む乗客の手に向けてオゾンの放出を行うため、オゾン発生器9等を含む本体部分が、例えば、誘導柵5の一部を構成するポール5aの内部に設けられている。また、誘導柵5には、乗客が掴む横棒部材(一番上に配置されている横棒部材)5bに、上向き(斜め上向きも含む)に開口する吹出口6aが複数形成されており、除菌装置6と各吹出口6aとが、誘導柵5の内部において、配管5cによって接続されている。即ち、オゾン発生器9において生成されたオゾンは、配管5cを通って吹出口6aから外部に放出され、横棒部材5bを掴む乗客の手に吹き付けられる。
その他は、実施の形態1と同様の構成を有している。
【0039】
かかる構成においても、除菌性能の優れたオゾンを用いてエスカレーターの乗客の手を確実に除菌することができ、乗客は、エスカレーターを利用する際に、安心して移動手摺4を掴むことができるようになる。
【0040】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4におけるマンコンベアの構成を示す図、図9はこの発明の実施の形態4におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。本実施の形態においては、除菌装置6が有する他の機能について具体的な説明を行う。
なお、以下の実施の形態においては、除菌装置6について、実施の形態1乃至3に示した何れの配置が採用されていても構わない。
【0041】
図8において、16はエスカレーターが運転中か否かを判定する機能を備えた運転状態判定部である。運転状態判定部16は、例えば、ステップ1や移動手摺4が移動(走行)していればエスカレーターが運転中である旨を、ステップ1や移動手摺4が停止していればエスカレーターが停止中である旨を判定する。そして、制御部11は、運転状態判定部16の判定結果を受信すると、その判定結果も考慮して、除菌装置6の動作を適切に制御する。
【0042】
なお、運転状態判定部16は、エスカレーターの制御盤(図示せず)からの情報に基づいて上記判定処理を行っても良いし、制御盤とは別の装置を設置して、この別装置から上記判定処理に必要な情報を得ても良い。上記別装置から必要な情報を得る場合、例えば、移動手摺4の移動に連動して回転するようにローラを設置し、そのローラの回転数(角度)をエンコーダ等によって検出する。
【0043】
次に、図9も参照し、上記構成を有するエスカレーターの具体的な動作について説明する。
運転状態判定部16では、エスカレーターが運転中か或いは停止中かを判断し、その結果を除菌装置6の制御部11に対して出力する。制御部11は、運転状態判定部16によってエスカレーターが停止中と判定された場合(S101のNo)、オゾン発生器9に対して停止信号を出力し、オゾンの生成を停止させる(S102)。即ち、エスカレーターが停止中であれば、除菌装置6(の吹出口6a)からオゾンは放出されない。
【0044】
一方、運転状態判定部16によってエスカレーターが運転中と判定された場合(S101のYes)、制御部11は、次に、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であるか否かを判定する(S103)。ここで、オゾン濃度計10によって規定値を超えるオゾン濃度が検出されると(S103のNo)、制御部11は、S102に進んでオゾンの生成を停止させる。また、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であれば(S103のYes)、制御部11は、オゾン発生器9にオゾンの生成を行わせ、吹出口6aから所定の低濃度のオゾンを放出させる(S104)。
【0045】
この発明の実施の形態4によれば、エスカレーターの運転に応じた最適な除菌処理を行うことができるようになる。
なお、上記規定値は、例えば、記録部12に予め記録されている。
【0046】
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5におけるマンコンベアの構成を示す図、図11はこの発明の実施の形態5におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【0047】
図10において、17はエスカレーターの運転方向を判定する機能を備えた運転方向判定部である。運転方向判定部17は、例えば、エスカレーターが運転中である場合に、ステップ1や移動手摺4の走行方向、或いは、ステップ1等を駆動する駆動装置(図示せず)への制御信号等に基づいて、エスカレーターの運転方向を判定する。そして、制御部11は、運転方向判定部17の判定結果を受信すると、その判定結果も考慮して、除菌装置6の動作を適切に制御する。
【0048】
なお、運転方向判定部17についても上記運転状態判定部16と同様に、エスカレーターの制御盤からの情報に基づいて上記判定処理を行っても良いし、制御盤とは別の装置を設置して、この別装置から上記判定処理に必要な情報を得ても良い。
【0049】
次に、図11も参照し、上記構成を有するエスカレーターの具体的な動作について説明する。
運転方向判定部17では、エスカレーターがUP方向に運転中か、DOWN方向に運転中かを判断し、その結果を除菌装置6の制御部11に対して出力する。制御部11では、先ず、運転方向判定部17の判定結果に基づいてエスカレーターが運転中であるか否かを判断し(S201)、エスカレーターが停止中であれば、オゾン発生器9によるオゾンの生成を停止させる(S202)。即ち、エスカレーターが停止中であれば、除菌装置6(の吹出口6a)からオゾンは放出されない。なお、制御部11は、例えば、運転方向判定部17によって、エスカレーターがUP方向に運転中或いはDOWN方向に運転中との判定がなされない場合に、エスカレーターが停止中と判断する。
【0050】
エスカレーターが運転中である場合、制御部11は、運転方向判定部17の判定結果に基づいてエスカレーターの運転方向が特定の方向であるか否かを判断する(S203)。エスカレーターの現在の運転方向が予め定められている所定の方向ではない場合(S203のNo)、制御部11は、S102に進んでオゾンの生成を停止させる。
【0051】
一方、エスカレーターの現在の運転方向が予め定められている所定の方向と一致する場合(S203のYes)、制御部11は、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であるか否かを判定する(S204)。ここで、オゾン濃度計10によって規定値を超えるオゾン濃度が検出されると(S204のNo)、制御部11は、S202に進んでオゾンの生成を停止させる。また、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であれば(S204のYes)、制御部11は、オゾン発生器9にオゾンの生成を行わせ、吹出口6aから所定の低濃度のオゾンを放出させる(S205)。
【0052】
この発明の実施の形態5によれば、エスカレーターの運転方向に応じた最適な除菌処理を行うことができるようになる。このため、例えば、乗り口側の除菌装置6のみを動作させたり、降り口側の除菌装置6のみを動作させたりする等、エスカレーターの設置場所や時間帯に応じた適切な制御を行うことが可能となる。
なお、除菌処理を行うための運転方向(上記特定の方向)や上記規定値は、例えば、記録部12に予め記録されている。
【0053】
実施の形態6.
図12はこの発明の実施の形態6におけるマンコンベアの構成を示す図、図13はこの発明の実施の形態6におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【0054】
図12において、18はエスカレーターの乗客の有無を判定する機能を備えた人物判定部である。人物判定部18は、例えば、赤外線センサやカメラ画像処理、重量検出等を利用してエスカレーターの乗客の有無を判定する。そして、制御部11は、人物判定部18の判定結果を受信すると、その判定結果も考慮して、除菌装置6の動作を適切に制御する。
【0055】
次に、図13も参照し、上記構成を有するエスカレーターの具体的な動作について説明する。なお、図13のS301乃至S303に示す動作は、上記S201乃至S203に示す動作と同じであるため、その説明は省略する。
【0056】
人物判定部18では、人物を検出したか、即ち、エスカレーターの乗客の有無を判断し、その結果を除菌装置6の制御部11に対して出力する。制御部11では、S303においてYesの判定がなされると、人物判定部18の判定結果に基づいてエスカレーターの乗客の有無を判断し(S304)、乗客がいなければ、オゾン発生器9によるオゾンの生成を停止させる(S302)。即ち、エスカレーターの乗客がいない場合、除菌装置6(の吹出口6a)からオゾンは放出されない。
【0057】
一方、人物判定部18によって乗客有りが判定された場合(S304のYes)、制御部11は、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であるか否かを判定する(S305)。ここで、オゾン濃度計10によって規定値を超えるオゾン濃度が検出されると(S305のNo)、制御部11は、S302に進んでオゾンの生成を停止させる。また、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であれば(S305のYes)、制御部11は、オゾン発生器9にオゾンの生成を行わせ、吹出口6aから所定の低濃度のオゾンを放出させる(S306)。
【0058】
この発明の実施の形態6によれば、エスカレーターの乗客の有無に応じた最適な除菌処理を行うことができ、無駄なオゾンの発生を防止できる。
【0059】
実施の形態7.
図14はこの発明の実施の形態7におけるマンコンベアの要部を示す断面図、図15はこの発明の実施の形態7における除菌装置の構成を示す図である。上記実施の形態1乃至6では、乗客の手を除菌するための消毒剤としてオゾンを用いる場合について説明した。本実施の形態では、オゾン以外の消毒剤を用いて乗客の手を除菌する場合について説明する。
【0060】
図15に示すように、本実施の形態における除菌装置6は、タンク19、噴霧装置20、制御部11、記録部12、運転状態判定部16により、その要部が構成される。
タンク19は、乗客の手を除菌するための消毒剤が入った容器である。例えば、タンク19内には、消毒剤として、0.05%程度の塩化ベンザルコニウム液や、75%程度のエタノール液といった所定の溶液が蓄えられている。噴霧装置20は、移動手摺4を掴もうとしている(或いは、移動手摺4を放した直後の)乗客の手に向けて、タンク19内の消毒剤を吹出口6aから噴霧させる機能を有している。
【0061】
制御部11は、記録部12の記録内容等に基づいて、除菌装置6の動作制御、即ち、噴霧装置20による消毒剤の噴霧を制御する。例えば、記録部12には、消毒剤の噴霧制御を行うために必要な各種パラメーターが予め記録されている。制御部11は、記録部12の記録内容に基づいて噴霧装置20を動作させ、適正な噴霧量で消毒剤の吹き付けを行う。また、制御部11には、タンク19内の消毒剤の残量を検出する検出機能も備えられている。制御部11は、タンク19内の消毒剤の残量が所定値(所定量)に満たないことを検出すると、消毒剤の噴霧を停止させるとともに、所定の報知手段(図示せず)から表示やアナウンス、発報等を行って、消毒剤が足りないこと(消毒剤の補充が必要なこと)を報知する。
【0062】
除菌装置6(の噴霧機能)以外の構成は、前述した何れかの実施の形態の構成と同様である。図14には、ガラスパネル製の内側板3を有するエスカレーターに、上記除菌装置6を適用した場合を示しているが、図5や図7に示す構成と同様の構成を採用することにより、ステンレスパネル製の内側板14を有するエスカレーターや乗降口の誘導柵5にも上記除菌装置6が適用できることは言うまでもない。
【0063】
次に、図16も参照し、上記除菌装置6を備えたエスカレーターの動作について具体的に説明する。なお、図16はこの発明の実施の形態7におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【0064】
運転状態判定部16では、エスカレーターが運転中か或いは停止中かを判断し、その結果を除菌装置6の制御部11に対して出力する。制御部11は、運転状態判定部16によってエスカレーターが停止中と判定された場合(S401のNo)、噴霧装置20に対して停止信号を出力し、消毒剤の噴霧を停止させる(S402)。即ち、エスカレーターが停止中であれば、除菌装置6(の吹出口6a)から消毒剤は放出されない。
【0065】
一方、運転状態判定部16によってエスカレーターが運転中と判定された場合(S401のYes)、制御部11は、次に、タンク19内の消毒剤の残量を検出し、タンク19内に所定量の消毒剤が残っているか否かを判定する(S403)。ここで、消毒剤の残量が所定値を下回っていれば(S403のNo)、制御部11は、S402に進んで消毒剤の噴霧を停止させる。また、制御部11は、所定の表示や発報等を行い、タンク19内の消毒剤が足りないことを外部に報知する。一方、タンク19内に所定量以上の消毒剤が残っていれば(S403のYes)、制御部11は、噴霧装置20に消毒剤の噴霧を行わせ、吹出口6aから所定量の消毒剤を噴射させる(S404)。
【0066】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
即ち、上記構成のエスカレーターであれば、乗り口で乗客が移動手摺4を掴もうとしている時(或いは、降り口で移動手摺4を放した直後)に、除菌装置6から放出される消毒剤(塩化ベンザルコニウム液やエタノール液)によって、乗客の手を確実に除菌することができる。また、上記構成の除菌装置6であれば、乗客の手に向けて霧状の消毒剤が吹き付けられるため、消毒剤を乗客の手全体に行き渡らせることができ、優れた除菌効果が期待できる。また、吹出口6aから噴霧された消毒剤の一部は、移動手摺4にも接触するため、移動手摺4の表面のうち、乗客が掴む部分の除菌も同時に行うことが可能である。
したがって、乗客は、エスカレーターを利用する際に、安心して移動手摺4を掴むことができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、運転状態判定部16を有する除菌装置6の機能について具体的な説明を行った。しかし、これは単に一例を示したものであり、除菌装置6に、運転方向判定部17や人物判定部18が備えられていても構わない。かかる構成を有することにより、塩化ベンザルコニウム液等の噴霧機能を備えた除菌装置6においても、実施の形態5や6と同様の機能を備えることができる。
【0068】
実施の形態8
エスカレーターは不特定多数の人によって利用されるものであるため、乗客の中には、自分の手に向けて消毒剤が吹き付けられることを希望しない人がいることも想定される。本実施の形態におけるエスカレーターは、このような乗客のことも考慮し、手(及び、移動手摺4)の除菌を行うか否かの選択を乗客自身が行うための構成を有している。
【0069】
図17はこの発明の実施の形態8におけるマンコンベアの構成を示す側面図であり、エスカレーターの降り口の構成を示している。図17に示すエスカレーターでは、乗客が手の除菌を行うための除菌装置6を、ステップ1から離れた降り口の床面上に設置している。そして、この除菌装置6に、消毒剤の吹出口6aに隣接してセンサ21(操作手段)を設置している。センサ21は、エスカレーターの降り口で手の除菌を行いたい乗客が操作するためのものであり、乗客の手の接近を非接触で検出する機能を有している。即ち、除菌装置6の制御部11は、常時は吹出口6aからの消毒剤の放出を停止するとともに、乗客がセンサ21に手をかざしてその手がセンサ21によって検出されると、吹出口6aから所定量の消毒剤を放出させる。
【0070】
なお、エスカレーターの降り口に除菌装置6を設置する場合は、降り口で手の除菌を行うことができることを報知するため、その旨を案内する案内手段(例えば、表示装置やアナウンス装置、プレート等)をエスカレーターの乗り口に設置しても良い。
【0071】
また、図18はこの発明の実施の形態8におけるマンコンベアの他の構成を示す側面図であり、エスカレーターの乗り口の構成を示している。図18において、22はエスカレーターの乗り口で手の除菌を行いたい乗客が操作するための消毒釦(操作手段)である。即ち、除菌装置6の制御部11は、常時は吹出口6aからの消毒剤の放出を停止するとともに、消毒釦22が押されると、吹出口6aから所定量の消毒剤を放出させる。消毒釦22と吹出口6aとの距離が離れている場合、制御部11は、消毒釦22が押されてから所定時間が経過した後に、消毒剤を噴射する。
【0072】
なお、図18に示すものにおいても操作手段として上記センサ21を採用し、センサ21を吹出口6aに隣接して配置しても構わない。
また、図17及び図18には、ガラスパネル製の内側板3を有するエスカレーターに適用した場合を示しているが、消毒釦21やセンサ22等を適宜設置することにより、ステンレスパネル製の内側板14を有するエスカレーターや乗降口の誘導柵5にも適用できることは言うまでもない。
【0073】
上記構成を採用することにより、手の除菌を希望する乗客がエスカレーターを利用する場合のみ、乗降口において除菌装置6から消毒剤を噴射させることができるようになる。
【符号の説明】
【0074】
1 ステップ
2、15 デッキボード
2a、15a インナーデッキ
2b、15b アウターデッキ
3、14 内側板
4 移動手摺
5 誘導柵
5a ポール
5b 横棒部材
5c 配管
6 除菌装置
6a 吹出口
7 スカートガード
8 壁
9 オゾン発生器
10 オゾン濃度計
11 制御部
12 記録部
13 オゾン室
16 運転状態判定部
17 運転方向判定部
18 人物判定部
19 タンク
20 噴霧装置
21 センサ
22 消毒釦
【技術分野】
【0001】
この発明は、除菌装置が備えられたマンコンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エスカレーターや動く歩道といったマンコンベアでは、乗客が乗るステップと同期するように移動手摺が駆動されている。この移動手摺は、ステップに乗降する乗客やステップ上にいる乗客が掴むために備えられたものである。
【0003】
本来、乗客は、マンコンベアを利用している間、常に移動手摺を掴んでいることが望ましい。しかし、マンコンベアは不特定多数の人によって使用されるものであるため、乗客の中には、移動手摺に触れることを不快に感じる人もいる。このため、マンコンベアを利用する際に移動手摺を一切掴まない乗客や、ステップに乗降する時だけ移動手摺を掴み、ステップ上に移動すると移動手摺を放してしまう乗客も散見される。
【0004】
このような事情に鑑み、従来技術として、移動手摺の除菌装置を備えたマンコンベアも提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、特許文献1に記載のものでは、移動手摺に対して除菌効果を有する光を下方から照射し、その光を移動手摺の表面で散光させて、移動手摺と移動手摺に置かれた乗客の手先との除菌を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3066770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マンコンベアを利用する際に移動手摺を掴まない乗客は、移動手摺が汚く、触れることによって自分の手が汚れるといったイメージを持っている人が多い。特許文献1に記載のものでは、除菌効果を有する光を移動手摺の表面で散光させて移動手摺や乗客の手先の除菌を行っているため、除菌できる範囲が非常に狭く、乗客の手を十分に除菌することができないといった問題があった。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、マンコンベアを利用する乗客の手を確実に除菌することができ、乗客が安心して移動手摺を掴むことができるマンコンベアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るマンコンベアは、ステップと同期して移動する移動手摺と、吹出口が移動手摺に近接して設けられ、吹出口から移動手摺を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出する除菌装置と、を備えたものである。
【0009】
また、この発明に係るマンコンベアは、ステップと同期して移動する移動手摺と、吹出口が移動手摺に近接して設けられ、吹出口から移動手摺の乗客が掴む部分に向けて消毒剤を放出する除菌装置と、を備えたものである。
【0010】
また、この発明に係るマンコンベアは、乗降口の乗客を誘導するための誘導柵と、誘導柵を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出するための除菌装置と、を備え、誘導柵は、一番上の横棒部材に、上向きに開口する吹出口が形成され、除菌装置は、吹出口から消毒剤の放出を行うものである。
【0011】
また、この発明に係るマンコンベアは、乗り口又は降り口に設けられ、吹出口から所定の消毒剤を放出する除菌装置と、除菌装置によって手の除菌を行いたい乗客が所定の操作を行うための操作手段と、を備え、除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、操作手段に対して所定の操作が行われると、吹出口から消毒剤を放出させるものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るマンコンベアであれば、マンコンベアを利用する乗客の手を確実に除菌することができ、乗客が安心して移動手摺を掴むことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1におけるマンコンベアを示す斜視図である。
【図2】図1に示すマンコンベアの要部断面図である。
【図3】図1に示すマンコンベアの要部平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1における除菌装置の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2におけるマンコンベアの要部を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2におけるマンコンベアの要部を示す平面図である。
【図7】この発明の実施の形態3におけるマンコンベアの要部を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態4におけるマンコンベアの構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5におけるマンコンベアの構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態6におけるマンコンベアの構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態6におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態7におけるマンコンベアの要部を示す断面図である。
【図15】この発明の実施の形態7における除菌装置の構成を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態7におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態8におけるマンコンベアの構成を示す側面図である。
【図18】この発明の実施の形態8におけるマンコンベアの他の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
また、以下においては、マンコンベアの一例として、上下階床間の移動に使用されるエスカレーターについて具体的な説明を行い、動く歩道等の他の例については、その説明を省略する。
【0015】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるマンコンベアを示す斜視図であり、エスカレーターの下部乗降口を示している。なお、図1に示す下部乗降口は、エスカレーターが上りの場合は乗り口を、エスカレーターが下りの場合は降り口を構成する。本実施の形態においては、下部乗降口がエスカレーターの乗り口及び降り口の何れであっても構わない。
【0016】
図1において、1は乗客が上下階床間を移動する際に乗るステップ、2はステップ1の両側に設けられたデッキボード、3はデッキボード2に支持されたガラスパネル等の内側板、4はステップ1に乗降する乗客やステップ1上にいる乗客が掴むための移動手摺、5はステップ1から降りた乗客、或いはステップ1に乗る乗客を下部乗降口において誘導するための誘導柵である。
【0017】
移動手摺4は、一般に断面C字状を呈しており、無端状に形成されている。移動手摺4はステップ1と同期して移動するように駆動されており、その上側部分と乗降口における反転部分とが内側板3の縁部に沿って移動する。なお、移動手摺4の下側部分は、デッキボード2やトラス(図示せず)内を移動する。
【0018】
本エスカレーターには、下部乗降口(その近傍も含む)に、所定の消毒剤を用いて乗客の手を除菌するための除菌装置6が備えられている。本実施の形態における除菌装置6では、乗客の手を除菌するための消毒剤として、除菌性能の優れたオゾンを使用している。
【0019】
以下に、図2乃至図4も参照し、除菌装置6の構成及び機能について具体的に説明する。なお、図2は図1に示すマンコンベアの要部断面図であり、図1のA−A矢視を示している。図3は図1に示すマンコンベアの要部平面図であり、図2に示す部分を上から見た図に相当する。図4はこの発明の実施の形態1における除菌装置の構成を示す図である。
【0020】
ガラスパネル製の内側板3は、エスカレーターの長手に沿ってデッキボード2に立設されている。図中、2aはデッキボード2のうち、内側板3よりもステップ1側に配置された部分からなるインナーデッキ、2bはデッキボード2のうち、内側板3よりも外側(反ステップ1側)に配置された部分からなるアウターデッキである。また、7はインナーデッキ2aから下方に設けられたスカートガードを示している。
【0021】
エスカレーターに上記構成のデッキボード2及び内側板3が備えられている場合、除菌装置6は、例えば、アウターデッキ2bの上面に設けられ、内側板3と隣接する壁8との間に配置される。そして、除菌装置6は、移動手摺4の外側から、移動手摺4を掴む乗客の手に向けてオゾンを放出し、乗客の手にオゾンを吹き付けて除菌を行う。例えば、オゾンの吹出口6aは、移動手摺4のうち、下部乗降口で水平に移動する部分の側方において、隣接する移動手摺4の上面高さよりも僅かに低い位置に配置されており、除菌装置6は、移動手摺4の側方に配置されたこの吹出口6aから、移動手摺4の上方位置に向けて斜め上方にオゾンを放出する。かかる構成であれば、移動手摺4を掴もうとしている(或いは、移動手摺4を放した直後の)乗客の手の平全体に的確にオゾンを当てることができ、優れた除菌効果が期待できる。また、吹出口6aから放出されたオゾンの一部は、移動手摺4にも接触するため、移動手摺4の表面の除菌も同時に行うことができる。
【0022】
なお、オゾンを放出するための吹出口6aは、移動手摺4に近接して設けられていれば良く、他の構成を有していても構わない。例えば、隣接する移動手摺4の上面高さよりも高い位置に吹出口6aを配置した場合は、移動手摺4の乗客が掴む部分或いはその僅か上方位置に向けてオゾンの放出を行えば良い。かかる構成であっても、移動手摺4を掴む乗客の手に対して的確にオゾンを吹き付けることができる。
【0023】
次に、図4を参照し、除菌装置6の機能について説明する。
除菌装置6は、図4に示すように、例えば、オゾン発生器9、オゾン濃度計10、制御部11、記録部12により、その要部が構成される。
【0024】
オゾン発生器9は、オゾンを生成する機能を有しており、例えば、生成したオゾンを所定のオゾン室13に供給する。即ち、オゾン発生器9からオゾン室13内に供給されたオゾンが、乗客の手に向けて吹出口6aから放出される。
オゾン濃度計10は、吹出口6aから放出されるオゾンの濃度を検出するために備えられたものである。オゾン濃度計10は、例えば、オゾン室13内のオゾン濃度を、吹出口6aから放出されるオゾンの濃度として検出し、その検出結果を制御部11に対して出力する。
【0025】
制御部11は、オゾン濃度計10の検出結果や記録部12の記録内容に基づいて、除菌装置6の動作制御、即ち、オゾンの放出制御を行う機能を有している。なお、記録部12には、例えば、オゾンの放出制御を行うために必要な各種パラメーターが予め記録されている。制御部11は、記録部12の記録内容に基づいてオゾン発生器9にオゾンを生成させ、適正なオゾン濃度及び放出量で吹出口6aからオゾンを放出させる。また、制御部11は、オゾン濃度計10によって所定値を超えるオゾン濃度が検出されると、オゾン発生器9によるオゾンの生成を停止させる。これにより、吹出口6aからのオゾンの放出も停止され、高濃度のオゾンが乗客に対して吹き付けられることを防止する。
【0026】
上記構成のエスカレーターであれば、乗り口で乗客が移動手摺4を掴もうとしている時(或いは、降り口で移動手摺4を放した直後)に、除菌装置6から放出される消毒剤(オゾン)によって、乗客の手を確実に除菌することができる。特に、上記構成の除菌装置6では、吹出口6aが移動手摺4の側方に配置され、この吹出口6aから乗客の手に向けてオゾンが放出されるため、オゾンを乗客の手全体に行き渡らせることができ、優れた除菌効果が期待できる。また、吹出口6aから放出されたオゾンの一部は、移動手摺4にも接触するため、移動手摺4の表面のうち、乗客が掴む部分の除菌も同時に行うことが可能である。
【0027】
また、乗客の手を除菌するための消毒剤としてオゾンを採用すれば、他の薬剤等を採用する場合のように耐性菌が発生する恐れもなく、長期に渡って高い除菌性能を維持できる。
このため、乗客は、エスカレーターを利用する際に、安心して移動手摺4を掴むことができるようになる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、除菌装置6がエスカレーターの下部乗降口に設置されている場合について説明を行った。しかし、これは単に一例を示したものであり、除菌装置6は、上部乗降口に設置されていても構わない。また、下部乗降口と上部乗降口との双方に除菌装置6が設置されていても構わない。
【0029】
エスカレーターの乗り口に上記構成の除菌装置6が備えられている場合、乗客は、除菌が行われた清潔な状態でエスカレーターを利用することができる。また、除菌装置6がエスカレーターの降り口に備えられている場合、乗客は、除菌が行われた清潔な手のままエスカレーターを降りることができる。除菌装置6を乗り口及び降り口の双方に備えておけば、上記双方の効果が得られることは言うまでもない。
【0030】
また、本実施の形態では、オゾン発生器9で生成されたオゾンをそのまま吹出口6aから放出する場合について説明したが、除菌装置6に他の機能を追加して、除菌性能を更に高めるように構成しても良い。
【0031】
例えば、本実施の形態における除菌装置6に、オゾン室13内に過酸化水素を噴霧する噴霧器(図示せず)を追加する。そして、この噴霧器から噴霧された過酸化水素とオゾン室13内のオゾンとを反応させることにより、より酸化力の高い活性種からなるヒドロキシラジカルを生成して吹出口6aから放出させる。かかる構成であれば、酸化力の高いヒドロキシラジカルを乗客の手や移動手摺4に吹き付けることができ、消毒剤(ヒドロキシラジカル)に触れる時間が短い場合であっても、高い除菌効果が期待できる。
【0032】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2におけるマンコンベアの要部を示す断面図、図6はこの発明の実施の形態2におけるマンコンベアの要部を示す平面図である。実施の形態1では、エスカレーターに、ガラスパネル等からなる内側板3が備えられている場合について説明を行った。本実施の形態では、エスカレーターに、ステンレスパネル等からなる内側板14が備えられている場合について説明する。
【0033】
内側板14がステンレスパネル等からなる場合、デッキボード15は、移動手摺4の直ぐ下方に配置される。なお、15aはデッキボード15のうち、移動手摺4の支持部分よりもステップ1側に配置された部分からなるインナーデッキ、15bはデッキボード15のうち、移動手摺4の支持部分よりも外側(反ステップ1側)に配置された部分からなるアウターデッキである。内側板14は、インナーデッキ15aのステップ1側端部から下方に設けられ、下端部がスカートガード7に連続するように構成されている。
【0034】
移動手摺4は、その上側部分と乗降口における反転部分とがデッキボード15の上面及び乗降口における湾曲面とに沿って移動し、下側部分が、デッキボード15やトラス(図示せず)内に配置される。
【0035】
エスカレーターに上記構成のデッキボード15及び内側板14が備えられている場合、除菌装置6は、例えば、その本体部分がアウターデッキ15bに内蔵され、吹出口6aを形成する部分のみ、アウターデッキ15bの上面から突出するように配置される。そして、除菌装置6は、実施の形態1の場合と同様に、移動手摺4の外側から、移動手摺4を掴む乗客の手に向けてオゾンを放出し、乗客の手にオゾンを吹き付けて除菌を行う。例えば、オゾンの吹出口6aは、移動手摺4のうち、乗降口で水平に移動する部分の側方において、隣接する移動手摺4の上面高さよりも僅かに低い位置に配置されており、除菌装置6は、移動手摺4の側方に配置されたこの吹出口6aから、移動手摺4の上方位置に向けて斜め上方にオゾンを放出する。
【0036】
除菌装置6の機能等を含め、他の構成は、実施の形態1と同様である。
かかる構成を有することにより、上記構成のデッキボード15及び内側板14が備えられたエスカレーターにおいても、実施の形態1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0037】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3におけるマンコンベアの要部を示す斜視図である。本実施の形態においては、誘導柵5に除菌装置6を設置し、誘導柵5を掴む乗客の手に向けてオゾンの放出を行う場合について説明する。
【0038】
除菌装置6は、誘導柵5を掴む乗客の手に向けてオゾンの放出を行うため、オゾン発生器9等を含む本体部分が、例えば、誘導柵5の一部を構成するポール5aの内部に設けられている。また、誘導柵5には、乗客が掴む横棒部材(一番上に配置されている横棒部材)5bに、上向き(斜め上向きも含む)に開口する吹出口6aが複数形成されており、除菌装置6と各吹出口6aとが、誘導柵5の内部において、配管5cによって接続されている。即ち、オゾン発生器9において生成されたオゾンは、配管5cを通って吹出口6aから外部に放出され、横棒部材5bを掴む乗客の手に吹き付けられる。
その他は、実施の形態1と同様の構成を有している。
【0039】
かかる構成においても、除菌性能の優れたオゾンを用いてエスカレーターの乗客の手を確実に除菌することができ、乗客は、エスカレーターを利用する際に、安心して移動手摺4を掴むことができるようになる。
【0040】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4におけるマンコンベアの構成を示す図、図9はこの発明の実施の形態4におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。本実施の形態においては、除菌装置6が有する他の機能について具体的な説明を行う。
なお、以下の実施の形態においては、除菌装置6について、実施の形態1乃至3に示した何れの配置が採用されていても構わない。
【0041】
図8において、16はエスカレーターが運転中か否かを判定する機能を備えた運転状態判定部である。運転状態判定部16は、例えば、ステップ1や移動手摺4が移動(走行)していればエスカレーターが運転中である旨を、ステップ1や移動手摺4が停止していればエスカレーターが停止中である旨を判定する。そして、制御部11は、運転状態判定部16の判定結果を受信すると、その判定結果も考慮して、除菌装置6の動作を適切に制御する。
【0042】
なお、運転状態判定部16は、エスカレーターの制御盤(図示せず)からの情報に基づいて上記判定処理を行っても良いし、制御盤とは別の装置を設置して、この別装置から上記判定処理に必要な情報を得ても良い。上記別装置から必要な情報を得る場合、例えば、移動手摺4の移動に連動して回転するようにローラを設置し、そのローラの回転数(角度)をエンコーダ等によって検出する。
【0043】
次に、図9も参照し、上記構成を有するエスカレーターの具体的な動作について説明する。
運転状態判定部16では、エスカレーターが運転中か或いは停止中かを判断し、その結果を除菌装置6の制御部11に対して出力する。制御部11は、運転状態判定部16によってエスカレーターが停止中と判定された場合(S101のNo)、オゾン発生器9に対して停止信号を出力し、オゾンの生成を停止させる(S102)。即ち、エスカレーターが停止中であれば、除菌装置6(の吹出口6a)からオゾンは放出されない。
【0044】
一方、運転状態判定部16によってエスカレーターが運転中と判定された場合(S101のYes)、制御部11は、次に、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であるか否かを判定する(S103)。ここで、オゾン濃度計10によって規定値を超えるオゾン濃度が検出されると(S103のNo)、制御部11は、S102に進んでオゾンの生成を停止させる。また、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であれば(S103のYes)、制御部11は、オゾン発生器9にオゾンの生成を行わせ、吹出口6aから所定の低濃度のオゾンを放出させる(S104)。
【0045】
この発明の実施の形態4によれば、エスカレーターの運転に応じた最適な除菌処理を行うことができるようになる。
なお、上記規定値は、例えば、記録部12に予め記録されている。
【0046】
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5におけるマンコンベアの構成を示す図、図11はこの発明の実施の形態5におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【0047】
図10において、17はエスカレーターの運転方向を判定する機能を備えた運転方向判定部である。運転方向判定部17は、例えば、エスカレーターが運転中である場合に、ステップ1や移動手摺4の走行方向、或いは、ステップ1等を駆動する駆動装置(図示せず)への制御信号等に基づいて、エスカレーターの運転方向を判定する。そして、制御部11は、運転方向判定部17の判定結果を受信すると、その判定結果も考慮して、除菌装置6の動作を適切に制御する。
【0048】
なお、運転方向判定部17についても上記運転状態判定部16と同様に、エスカレーターの制御盤からの情報に基づいて上記判定処理を行っても良いし、制御盤とは別の装置を設置して、この別装置から上記判定処理に必要な情報を得ても良い。
【0049】
次に、図11も参照し、上記構成を有するエスカレーターの具体的な動作について説明する。
運転方向判定部17では、エスカレーターがUP方向に運転中か、DOWN方向に運転中かを判断し、その結果を除菌装置6の制御部11に対して出力する。制御部11では、先ず、運転方向判定部17の判定結果に基づいてエスカレーターが運転中であるか否かを判断し(S201)、エスカレーターが停止中であれば、オゾン発生器9によるオゾンの生成を停止させる(S202)。即ち、エスカレーターが停止中であれば、除菌装置6(の吹出口6a)からオゾンは放出されない。なお、制御部11は、例えば、運転方向判定部17によって、エスカレーターがUP方向に運転中或いはDOWN方向に運転中との判定がなされない場合に、エスカレーターが停止中と判断する。
【0050】
エスカレーターが運転中である場合、制御部11は、運転方向判定部17の判定結果に基づいてエスカレーターの運転方向が特定の方向であるか否かを判断する(S203)。エスカレーターの現在の運転方向が予め定められている所定の方向ではない場合(S203のNo)、制御部11は、S102に進んでオゾンの生成を停止させる。
【0051】
一方、エスカレーターの現在の運転方向が予め定められている所定の方向と一致する場合(S203のYes)、制御部11は、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であるか否かを判定する(S204)。ここで、オゾン濃度計10によって規定値を超えるオゾン濃度が検出されると(S204のNo)、制御部11は、S202に進んでオゾンの生成を停止させる。また、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であれば(S204のYes)、制御部11は、オゾン発生器9にオゾンの生成を行わせ、吹出口6aから所定の低濃度のオゾンを放出させる(S205)。
【0052】
この発明の実施の形態5によれば、エスカレーターの運転方向に応じた最適な除菌処理を行うことができるようになる。このため、例えば、乗り口側の除菌装置6のみを動作させたり、降り口側の除菌装置6のみを動作させたりする等、エスカレーターの設置場所や時間帯に応じた適切な制御を行うことが可能となる。
なお、除菌処理を行うための運転方向(上記特定の方向)や上記規定値は、例えば、記録部12に予め記録されている。
【0053】
実施の形態6.
図12はこの発明の実施の形態6におけるマンコンベアの構成を示す図、図13はこの発明の実施の形態6におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【0054】
図12において、18はエスカレーターの乗客の有無を判定する機能を備えた人物判定部である。人物判定部18は、例えば、赤外線センサやカメラ画像処理、重量検出等を利用してエスカレーターの乗客の有無を判定する。そして、制御部11は、人物判定部18の判定結果を受信すると、その判定結果も考慮して、除菌装置6の動作を適切に制御する。
【0055】
次に、図13も参照し、上記構成を有するエスカレーターの具体的な動作について説明する。なお、図13のS301乃至S303に示す動作は、上記S201乃至S203に示す動作と同じであるため、その説明は省略する。
【0056】
人物判定部18では、人物を検出したか、即ち、エスカレーターの乗客の有無を判断し、その結果を除菌装置6の制御部11に対して出力する。制御部11では、S303においてYesの判定がなされると、人物判定部18の判定結果に基づいてエスカレーターの乗客の有無を判断し(S304)、乗客がいなければ、オゾン発生器9によるオゾンの生成を停止させる(S302)。即ち、エスカレーターの乗客がいない場合、除菌装置6(の吹出口6a)からオゾンは放出されない。
【0057】
一方、人物判定部18によって乗客有りが判定された場合(S304のYes)、制御部11は、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であるか否かを判定する(S305)。ここで、オゾン濃度計10によって規定値を超えるオゾン濃度が検出されると(S305のNo)、制御部11は、S302に進んでオゾンの生成を停止させる。また、オゾン濃度計10によって検出されたオゾン濃度が規定値以内であれば(S305のYes)、制御部11は、オゾン発生器9にオゾンの生成を行わせ、吹出口6aから所定の低濃度のオゾンを放出させる(S306)。
【0058】
この発明の実施の形態6によれば、エスカレーターの乗客の有無に応じた最適な除菌処理を行うことができ、無駄なオゾンの発生を防止できる。
【0059】
実施の形態7.
図14はこの発明の実施の形態7におけるマンコンベアの要部を示す断面図、図15はこの発明の実施の形態7における除菌装置の構成を示す図である。上記実施の形態1乃至6では、乗客の手を除菌するための消毒剤としてオゾンを用いる場合について説明した。本実施の形態では、オゾン以外の消毒剤を用いて乗客の手を除菌する場合について説明する。
【0060】
図15に示すように、本実施の形態における除菌装置6は、タンク19、噴霧装置20、制御部11、記録部12、運転状態判定部16により、その要部が構成される。
タンク19は、乗客の手を除菌するための消毒剤が入った容器である。例えば、タンク19内には、消毒剤として、0.05%程度の塩化ベンザルコニウム液や、75%程度のエタノール液といった所定の溶液が蓄えられている。噴霧装置20は、移動手摺4を掴もうとしている(或いは、移動手摺4を放した直後の)乗客の手に向けて、タンク19内の消毒剤を吹出口6aから噴霧させる機能を有している。
【0061】
制御部11は、記録部12の記録内容等に基づいて、除菌装置6の動作制御、即ち、噴霧装置20による消毒剤の噴霧を制御する。例えば、記録部12には、消毒剤の噴霧制御を行うために必要な各種パラメーターが予め記録されている。制御部11は、記録部12の記録内容に基づいて噴霧装置20を動作させ、適正な噴霧量で消毒剤の吹き付けを行う。また、制御部11には、タンク19内の消毒剤の残量を検出する検出機能も備えられている。制御部11は、タンク19内の消毒剤の残量が所定値(所定量)に満たないことを検出すると、消毒剤の噴霧を停止させるとともに、所定の報知手段(図示せず)から表示やアナウンス、発報等を行って、消毒剤が足りないこと(消毒剤の補充が必要なこと)を報知する。
【0062】
除菌装置6(の噴霧機能)以外の構成は、前述した何れかの実施の形態の構成と同様である。図14には、ガラスパネル製の内側板3を有するエスカレーターに、上記除菌装置6を適用した場合を示しているが、図5や図7に示す構成と同様の構成を採用することにより、ステンレスパネル製の内側板14を有するエスカレーターや乗降口の誘導柵5にも上記除菌装置6が適用できることは言うまでもない。
【0063】
次に、図16も参照し、上記除菌装置6を備えたエスカレーターの動作について具体的に説明する。なお、図16はこの発明の実施の形態7におけるマンコンベアの動作を示すフローチャートである。
【0064】
運転状態判定部16では、エスカレーターが運転中か或いは停止中かを判断し、その結果を除菌装置6の制御部11に対して出力する。制御部11は、運転状態判定部16によってエスカレーターが停止中と判定された場合(S401のNo)、噴霧装置20に対して停止信号を出力し、消毒剤の噴霧を停止させる(S402)。即ち、エスカレーターが停止中であれば、除菌装置6(の吹出口6a)から消毒剤は放出されない。
【0065】
一方、運転状態判定部16によってエスカレーターが運転中と判定された場合(S401のYes)、制御部11は、次に、タンク19内の消毒剤の残量を検出し、タンク19内に所定量の消毒剤が残っているか否かを判定する(S403)。ここで、消毒剤の残量が所定値を下回っていれば(S403のNo)、制御部11は、S402に進んで消毒剤の噴霧を停止させる。また、制御部11は、所定の表示や発報等を行い、タンク19内の消毒剤が足りないことを外部に報知する。一方、タンク19内に所定量以上の消毒剤が残っていれば(S403のYes)、制御部11は、噴霧装置20に消毒剤の噴霧を行わせ、吹出口6aから所定量の消毒剤を噴射させる(S404)。
【0066】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
即ち、上記構成のエスカレーターであれば、乗り口で乗客が移動手摺4を掴もうとしている時(或いは、降り口で移動手摺4を放した直後)に、除菌装置6から放出される消毒剤(塩化ベンザルコニウム液やエタノール液)によって、乗客の手を確実に除菌することができる。また、上記構成の除菌装置6であれば、乗客の手に向けて霧状の消毒剤が吹き付けられるため、消毒剤を乗客の手全体に行き渡らせることができ、優れた除菌効果が期待できる。また、吹出口6aから噴霧された消毒剤の一部は、移動手摺4にも接触するため、移動手摺4の表面のうち、乗客が掴む部分の除菌も同時に行うことが可能である。
したがって、乗客は、エスカレーターを利用する際に、安心して移動手摺4を掴むことができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、運転状態判定部16を有する除菌装置6の機能について具体的な説明を行った。しかし、これは単に一例を示したものであり、除菌装置6に、運転方向判定部17や人物判定部18が備えられていても構わない。かかる構成を有することにより、塩化ベンザルコニウム液等の噴霧機能を備えた除菌装置6においても、実施の形態5や6と同様の機能を備えることができる。
【0068】
実施の形態8
エスカレーターは不特定多数の人によって利用されるものであるため、乗客の中には、自分の手に向けて消毒剤が吹き付けられることを希望しない人がいることも想定される。本実施の形態におけるエスカレーターは、このような乗客のことも考慮し、手(及び、移動手摺4)の除菌を行うか否かの選択を乗客自身が行うための構成を有している。
【0069】
図17はこの発明の実施の形態8におけるマンコンベアの構成を示す側面図であり、エスカレーターの降り口の構成を示している。図17に示すエスカレーターでは、乗客が手の除菌を行うための除菌装置6を、ステップ1から離れた降り口の床面上に設置している。そして、この除菌装置6に、消毒剤の吹出口6aに隣接してセンサ21(操作手段)を設置している。センサ21は、エスカレーターの降り口で手の除菌を行いたい乗客が操作するためのものであり、乗客の手の接近を非接触で検出する機能を有している。即ち、除菌装置6の制御部11は、常時は吹出口6aからの消毒剤の放出を停止するとともに、乗客がセンサ21に手をかざしてその手がセンサ21によって検出されると、吹出口6aから所定量の消毒剤を放出させる。
【0070】
なお、エスカレーターの降り口に除菌装置6を設置する場合は、降り口で手の除菌を行うことができることを報知するため、その旨を案内する案内手段(例えば、表示装置やアナウンス装置、プレート等)をエスカレーターの乗り口に設置しても良い。
【0071】
また、図18はこの発明の実施の形態8におけるマンコンベアの他の構成を示す側面図であり、エスカレーターの乗り口の構成を示している。図18において、22はエスカレーターの乗り口で手の除菌を行いたい乗客が操作するための消毒釦(操作手段)である。即ち、除菌装置6の制御部11は、常時は吹出口6aからの消毒剤の放出を停止するとともに、消毒釦22が押されると、吹出口6aから所定量の消毒剤を放出させる。消毒釦22と吹出口6aとの距離が離れている場合、制御部11は、消毒釦22が押されてから所定時間が経過した後に、消毒剤を噴射する。
【0072】
なお、図18に示すものにおいても操作手段として上記センサ21を採用し、センサ21を吹出口6aに隣接して配置しても構わない。
また、図17及び図18には、ガラスパネル製の内側板3を有するエスカレーターに適用した場合を示しているが、消毒釦21やセンサ22等を適宜設置することにより、ステンレスパネル製の内側板14を有するエスカレーターや乗降口の誘導柵5にも適用できることは言うまでもない。
【0073】
上記構成を採用することにより、手の除菌を希望する乗客がエスカレーターを利用する場合のみ、乗降口において除菌装置6から消毒剤を噴射させることができるようになる。
【符号の説明】
【0074】
1 ステップ
2、15 デッキボード
2a、15a インナーデッキ
2b、15b アウターデッキ
3、14 内側板
4 移動手摺
5 誘導柵
5a ポール
5b 横棒部材
5c 配管
6 除菌装置
6a 吹出口
7 スカートガード
8 壁
9 オゾン発生器
10 オゾン濃度計
11 制御部
12 記録部
13 オゾン室
16 運転状態判定部
17 運転方向判定部
18 人物判定部
19 タンク
20 噴霧装置
21 センサ
22 消毒釦
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップと同期して移動する移動手摺と、
吹出口が前記移動手摺に近接して設けられ、前記吹出口から前記移動手摺を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出する除菌装置と、
を備えたことを特徴とするマンコンベア。
【請求項2】
前記除菌装置は、前記吹出口が前記移動手摺の上面高さよりも下方に配置され、前記移動手摺の側方から前記移動手摺の上方位置に向けて斜め上方に消毒剤を放出することを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア。
【請求項3】
ステップと同期して移動する移動手摺と、
吹出口が前記移動手摺に近接して設けられ、前記吹出口から前記移動手摺の乗客が掴む部分に向けて消毒剤を放出する除菌装置と、
を備えたことを特徴とするマンコンベア。
【請求項4】
前記移動手摺がその縁部に沿って移動する内側板と、
前記内側板が立設されたデッキボードと、
を更に備え、
前記除菌装置は、前記デッキボードのアウターデッキに設けられ、前記移動手摺の外側から消毒剤の放出を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項5】
前記移動手摺がその上面に沿って移動するデッキボードと、
前記デッキボードのインナーデッキから下方に設けられた内側板と、
を更に備え、
前記除菌装置は、その要部が前記デッキボードのアウターデッキに内蔵され、前記移動手摺の外側から消毒剤の放出を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項6】
乗降口の乗客を誘導するための誘導柵と、
前記誘導柵を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出するための除菌装置と、
を備え、
前記誘導柵は、一番上の横棒部材に、上向きに開口する吹出口が形成され、
前記除菌装置は、前記吹出口から消毒剤の放出を行う
ことを特徴とするマンコンベア。
【請求項7】
マンコンベアが運転中か否かを判定する運転状態判定部と、
を更に備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記運転状態判定部によってマンコンベアが運転中と判定されると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項8】
マンコンベアの運転方向を判定する運転方向判定部と、
を更に備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記運転方向判定部によってマンコンベアが特定の方向に運転中と判定されると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項9】
マンコンベアの乗客の有無を判定する人物判定部と、
を更に備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記人物判定部によって乗客有りが判定されると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項10】
前記除菌装置によって手の除菌を行いたい乗客が所定の操作を行うための操作手段と、
を更に備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記操作手段に対して所定の操作が行われると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項11】
前記除菌装置は、
オゾンを生成するオゾン発生器と、
を備え、前記オゾン発生器で生成したオゾンを前記吹出口から放出させることを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項12】
前記除菌装置は、
前記吹出口から放出されるオゾンの濃度を検出するためのオゾン濃度計と、
を備え、前記オゾン濃度計によって所定値を超えるオゾン濃度が検出されると、前記オゾン発生器によるオゾンの生成を停止させることを特徴とする請求項11に記載のマンコンベア。
【請求項13】
前記除菌装置は、
オゾンを生成するオゾン発生器と、
過酸化水素を噴霧する噴霧器と、
を備え、前記噴霧器から噴霧された過酸化水素と前記オゾン発生器で生成したオゾンとを反応させることにより、ヒドロキシラジカルを生成して前記吹出口から放出させることを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項14】
前記除菌装置は、
所定の溶液からなる消毒剤が蓄えられたタンクと、
前記タンク内の消毒剤を前記吹出口から噴霧させる噴霧装置と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項15】
前記除菌装置は、
前記タンク内の消毒剤の残量を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記タンク内の消毒剤の残量が所定値に満たないことが検出されると、消毒剤の補充が必要な旨を外部に報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項14に記載のマンコンベア。
【請求項16】
乗り口又は降り口に設けられ、吹出口から所定の消毒剤を放出する除菌装置と、
前記除菌装置によって手の除菌を行いたい乗客が所定の操作を行うための操作手段と、
を備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記操作手段に対して所定の操作が行われると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とするマンコンベア。
【請求項17】
前記操作手段は、乗客の手の接近を非接触で検出するセンサからなり、前記吹出口に隣接して配置されたことを特徴とする請求項10又は請求項16に記載のマンコンベア。
【請求項18】
降り口で手の除菌を行うことができる旨を乗り口において案内する案内手段と、
を更に備え、
前記除菌装置は、降り口に設けられたことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載のマンコンベア。
【請求項1】
ステップと同期して移動する移動手摺と、
吹出口が前記移動手摺に近接して設けられ、前記吹出口から前記移動手摺を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出する除菌装置と、
を備えたことを特徴とするマンコンベア。
【請求項2】
前記除菌装置は、前記吹出口が前記移動手摺の上面高さよりも下方に配置され、前記移動手摺の側方から前記移動手摺の上方位置に向けて斜め上方に消毒剤を放出することを特徴とする請求項1に記載のマンコンベア。
【請求項3】
ステップと同期して移動する移動手摺と、
吹出口が前記移動手摺に近接して設けられ、前記吹出口から前記移動手摺の乗客が掴む部分に向けて消毒剤を放出する除菌装置と、
を備えたことを特徴とするマンコンベア。
【請求項4】
前記移動手摺がその縁部に沿って移動する内側板と、
前記内側板が立設されたデッキボードと、
を更に備え、
前記除菌装置は、前記デッキボードのアウターデッキに設けられ、前記移動手摺の外側から消毒剤の放出を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項5】
前記移動手摺がその上面に沿って移動するデッキボードと、
前記デッキボードのインナーデッキから下方に設けられた内側板と、
を更に備え、
前記除菌装置は、その要部が前記デッキボードのアウターデッキに内蔵され、前記移動手摺の外側から消毒剤の放出を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項6】
乗降口の乗客を誘導するための誘導柵と、
前記誘導柵を掴む乗客の手に向けて消毒剤を放出するための除菌装置と、
を備え、
前記誘導柵は、一番上の横棒部材に、上向きに開口する吹出口が形成され、
前記除菌装置は、前記吹出口から消毒剤の放出を行う
ことを特徴とするマンコンベア。
【請求項7】
マンコンベアが運転中か否かを判定する運転状態判定部と、
を更に備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記運転状態判定部によってマンコンベアが運転中と判定されると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項8】
マンコンベアの運転方向を判定する運転方向判定部と、
を更に備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記運転方向判定部によってマンコンベアが特定の方向に運転中と判定されると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項9】
マンコンベアの乗客の有無を判定する人物判定部と、
を更に備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記人物判定部によって乗客有りが判定されると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項10】
前記除菌装置によって手の除菌を行いたい乗客が所定の操作を行うための操作手段と、
を更に備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記操作手段に対して所定の操作が行われると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項11】
前記除菌装置は、
オゾンを生成するオゾン発生器と、
を備え、前記オゾン発生器で生成したオゾンを前記吹出口から放出させることを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項12】
前記除菌装置は、
前記吹出口から放出されるオゾンの濃度を検出するためのオゾン濃度計と、
を備え、前記オゾン濃度計によって所定値を超えるオゾン濃度が検出されると、前記オゾン発生器によるオゾンの生成を停止させることを特徴とする請求項11に記載のマンコンベア。
【請求項13】
前記除菌装置は、
オゾンを生成するオゾン発生器と、
過酸化水素を噴霧する噴霧器と、
を備え、前記噴霧器から噴霧された過酸化水素と前記オゾン発生器で生成したオゾンとを反応させることにより、ヒドロキシラジカルを生成して前記吹出口から放出させることを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項14】
前記除菌装置は、
所定の溶液からなる消毒剤が蓄えられたタンクと、
前記タンク内の消毒剤を前記吹出口から噴霧させる噴霧装置と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載のマンコンベア。
【請求項15】
前記除菌装置は、
前記タンク内の消毒剤の残量を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記タンク内の消毒剤の残量が所定値に満たないことが検出されると、消毒剤の補充が必要な旨を外部に報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項14に記載のマンコンベア。
【請求項16】
乗り口又は降り口に設けられ、吹出口から所定の消毒剤を放出する除菌装置と、
前記除菌装置によって手の除菌を行いたい乗客が所定の操作を行うための操作手段と、
を備え、
前記除菌装置は、常時は消毒剤の放出を停止し、前記操作手段に対して所定の操作が行われると、前記吹出口から消毒剤を放出させることを特徴とするマンコンベア。
【請求項17】
前記操作手段は、乗客の手の接近を非接触で検出するセンサからなり、前記吹出口に隣接して配置されたことを特徴とする請求項10又は請求項16に記載のマンコンベア。
【請求項18】
降り口で手の除菌を行うことができる旨を乗り口において案内する案内手段と、
を更に備え、
前記除菌装置は、降り口に設けられたことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載のマンコンベア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−82054(P2012−82054A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229897(P2010−229897)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
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