説明

マンネンロウ(Rosmarinusofficinalis)植物抽出物、センテラ(Centella)、ムラサキバレンギク(Echinacea)又はアルピニア(Alpinia)植物抽出物、及びDNA修復酵素を含む組成物

【課題】 老化の徴候を防止し、肌の審美的外観を改善し、環境によるストレスからの回復を促進する成分を有する化粧用組成物を提供する。
【解決手段】 組成物は、少なくとも1つのローズマリー由来の成分又は抽出物、少なくとも1つの、センテラ(Centella)、ムラサキバレンギク(Echinacea)又はアルピニア(Alpinia)由来の成分又は抽出物、又はそれらの混合物を含む天然成分と、DNA修復酵素と、少なくとも1つの薬剤的又は化粧品用に許容される賦形剤とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年10月10日出願の米国特許出願第60/510,307号に対する優先権を主張すると共に、同出願の全内容を参考文献として本願に援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、DNA修復機構を刺激して皮膚細胞を修復する物質を組み込んだ局所用の化粧用組成物に関する。開示する組成物及び方法は、過早老化の徴候を防止し、軽減し、又は逆行させ、及び/又は皮膚の審美的外観を改善する。この組成物を使用すると、皮膚に備わっている能力を刺激して、環境によるストレスから回復させ過早老化の徴候を防止することができる。この組成物は、天然植物材料由来の天然活性成分、並びにDNAの損傷を修復するための酵素を含んでいる。
【0003】
皮膚は大きく分けて2つの層から成り立っている。角質層又は表皮は、皮膚の表面又は外側の層である。角質層の主な機能は、保護膜となって、内部の水分を含んだ層から水分が蒸発して失われるのを遅らせることである。この機能はバリア機能と呼ばれている。角質層は、機械的外傷、異物性の化学物質の侵入、微生物による攻撃から皮膚を保護する。また、角質層は、紫外線に対する第1の防御手段を提供し、入射してくるB紫外線照射の80%以上を遮って皮膚を守っている。
【0004】
表皮の下には真皮があり、皮膚の厚さの90%を占めている。真皮は、コラーゲンとエラスチンの高密度な網構造を含んでおり、皮膚に強度と弾力性を与えている。線維芽細胞は、真皮に存在する主要な細胞型式を構成している。線維芽細胞は、コラーゲン、エラスチン、及びグリコサミノグリカン(ヒアルロン酸など)を含む、真皮の基質成分の合成及び分泌を担っている。コラーゲンは皮膚に強度を与え、エラスチンは弾力性を与え、そしてグルコサミノグリカンには、皮膚の保湿性を維持し皮膚をふくよかに保つ働きがある。
【0005】
健康を維持するため、皮膚は、変化する環境条件に対処すると同時に損傷を修復せねばならない。環境因子は、老化、しわ、皮膚の変色、皮膚の各変性症状の最大要因である。日光及び紫外線放射を浴びることは、皮膚に損傷を引き起こす主原因であり、過早老化の症候の90%がこれに起因する。酸素、日光、及び他の環境又は生活様式によるストレスによって、遊離基が形成されることも大事な点である。遊離基は、皮膚の結合組織(コラーゲンとエラスチン)の分解を担当するコラゲナーゼのようなメタロプロテイナーゼを活性化することにより、しわを発生させる原因となる。その結果が過早期老化である。遊離基は、真皮層の肉厚を減少させる原因にもなる。これにより皮膚にたるみが生じる。皮膚のたるみは老化の最初の且つ最も目に付きやすい徴候であり、しわや線の原因である。
【0006】
日光は、メタロプロテアーゼの過剰産生を誘発させることにより、異常エラスチンの蓄積の原因にもなる。普通は、メタロプロテイナーゼは、コラーゲンを生産及び再形成することにより、日光で傷ついた皮膚を作り直す。皮膚がこのような不完全な再建作用を繰り返し受けることは、しわや日光瘢痕の原因となる。また、日光を浴びることによって、皮膚から必須水分が奪われ、バリアにストレスが生じて正常に機能しなくなってしまう。水分が失われ刺激が増すにつれ、皮膚は過敏になり、かさつき、乾燥してしまう。
【0007】
酸素と日光は、遊離基による損傷の主原因ではあるものの、タバコの煙、環境毒素、除草剤、殺虫剤、天候、食習慣、ストレス、睡眠不足、過剰なアルコールの摂取、及び汚染など、他にも原因はある。
【0008】
日光のUV放射も、DNAも傷つけ、細胞死、突然変異、及び腫瘍性変態を含め、幾つか有害な影響を与える。これら有害な影響の幾つかは、バイピリミジンDNA光分解生成物主要分類種の2つ、即ち、シクロブタンピリミジン二量体(CPD)と(6−4)光分解生成物(6−4PP)、の形成によるものであることが研究によって示されている。生物は、CPDと6−4PPを細胞DNAから取り除くことに関して、いくつか異なる様式で進化を遂げてきた。それらの様式には、様々な除去修復様式が含まれるが、それらはCPD及び6−4PPに対して特異性の強いものもあれば特異性の無いものもある。
【0009】
多くの有害な影響が皮膚に衝撃を与えているという点から、皮膚の外観と状態を改善するための化粧用組成物及び化粧法が求められている。消費者は、しわ、線、たるみ、過多色素沈着、及び加齢シミなど、実際の老化及び耐候性に関わる皮膚の眼に見える徴候を治療し又は遅らせる「老化防止」的な美容製品を求めている。消費者は、美容製品に老化防止効果だけでなくそれ以外の効果も求めている。例えば、「敏感肌」という概念により、敏感、乾燥、及び/又はかさつく皮膚の外観及び状態を改善すると共に、発赤し及び/又は炎症を起こした皮膚を鎮静化する、美容製品への需要を高めた。消費者は、シミ、吹き出物、斑点などを治療し、又は皮膚がんの危険を減らす美容製品も求めている。
【0010】
皮膚の治療に関わる市場には様々な老化防止美容製品が出回っているにもかかわらず、有効成分として天然成分を使用し、皮膚、毛髪、及び/又は爪に対して老化防止又は若返り効果を与える、効果的な局所使用のための化粧用組成物がなお必要とされている。天然ではない化学的に合成された製品は、環境又は個人にとって安全ではないと考えられる。対照的に、天然の産物は、純粋で、穏やかで、化学合成による製品よりも優れていると認知されている。植物や薬草から抽出された天然系の製品は、遊離基による損傷の影響を中和することができる抗酸化/遊離基掃去のための作用物質を含んでいると信じられている。更には、天然系の製品は、損傷した真皮の結合組織構造並びに表皮のバリア機能の合成及び復元を促す作用物質を含んでいるとも考えられる。
【0011】
しかしながら、植物や薬草など「天然」資源から美容上の有益性を引き出すのは生易しいことではない。そのような資源から真の有益性を引き出すには、特定の植物/薬草抽出物又は成分、それらの最小有効濃度、並びに老化防止及び/又は皮膚改善の有効性を与えるために他の成分と組み合わせた場合の加法的又は相乗的活性、を確認する必要がある。
【0012】
本発明の組成物は、レチノイド(例えば、トレチノイン、レチノール及びレチナール)、及びα−ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸)、β−ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸)、α−ケト酸、酢酸、トリクロロ酢酸、1−ピロリドン−5−カルボン酸、カプリロイルサリチル酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、グルコノラクトン、メトキシプロピルグルコンアミド(methoxypropyl gluconamide)、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、ベンジル酸、グルコン酸、過酸化ベンゾールを始めとするカルボン酸、及びフェノール類のような角質除去剤に伴って起きる頻発な刺激という問題の解決にも取り組んでいる。角質除去作用物質及びその他の成分は、日光、風、低温、乾燥した空気のような環境条件に対する皮膚の感受性を高めたり、既存の皮膚疾患に起因する刺激を悪化させる場合もある。
【0013】
従って、本発明は、老化防止、抗酸化、非刺激、抗炎症、呼び/又は審美的改善の特性を備えた、局所使用のための化粧用組成物を提供する。本発明の化粧用組成物は、従来の剥脱作用物質に伴って発現する刺激の問題を少なくすることができる。
【特許文献1】米国特許出願第60/510,307号
【特許文献2】米国特許第6,368,594号
【特許文献3】米国特許第5,296,231号
【非特許文献1】J. Pharmacol.Exp. Ther.、305:925−931
【非特許文献2】Int'l. J.Cosmetic Science、21(2):71、1991年4月
【非特許文献3】CTFA化粧用成分手引書、The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association. Inc.,272頁−273頁、1992年
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
或る実施形態では、本発明は、薬学的又は化粧品的に許容される賦形剤として、マンネンロウ(Rosmarinus
officinalis:以下マンネンロウとする)植物成分又は抽出物、少なくとも1つの、センテラ(Centella:以下センテラとする)、ムラサキバレンギク(Echinacea:以下ムラサキバレンギクとする)又はアルピニア(Alpinia:以下アルピニアとする)由来の植物成分又は抽出物、或いはそれらの混合物、及びDNA修復酵素を含んでいる局所用組成物を提供している。
【0015】
或る特定の実施形態では、局所用組成物は、マンネンロウ植物成分又は抽出物、ツボクサ(Centella
asiatica:以下ツボクサとする)植物成分又は抽出物、ムラサキバレンギク植物成分又は抽出物、ゲットウ(Alpinia speciosa:以下ゲットウとする)植物成分又は抽出物、及びリポソームに封入されたミクロコッカス菌N−グリコシラーゼ/APリアーゼ酵素(Micrococcus luteus N-glycosylase/AP lyase
enzyme)を含んでいる。
【0016】
別の実施形態では、局所用組成物は、マンネンロウ植物成分又は抽出物、ゲットウ植物成分又は抽出物、及びリポソームに封入されたミクロコッカス菌N−グリコシラーゼ/APリアーゼ酵素(Micrococcus luteus N-glycosylase/AP
lyase enzyme)を含んでいる。
【0017】
本組成物は、トウゴマ種子油、甘草根抽出物、甘草抽出物、レモン抽出物、きゅうり抽出物、ヒマワリ種子抽出物、加水分解したオートムギ、オートムギ(Avena sativa)穀粒抽出物、月見草抽出物(例えば、ルナホワイト・ビー(Lunawhite B))、加水分解した大豆タンパク、酵母抽出物(例えば、トニスキン(Toniskin))、シイタケ抽出物(例えば、フェルミスキン(Fermiskin))、シソの葉抽出物(例えば、シソ抽出物)、ヒツジグサの花抽出物(例えば、ニフェリン(Nympheline))、絹タンパク質、及び/又は上記成分の組み合わせ又は誘導体、として又はその形態で存在している、他の化粧品的に有効な植物又は植物性成分を含んでおり、更に、各種ビタミン類、ミネラル類、抗酸化物質、及び/又は他の化粧品的に有効な作用物質を含んでいる。これら植物又は植物性成分の適した供給源としては、ニュージャージー州イングルウッドクリフのバーネット・プロダクト社(Barnet
Products Corp.)がある。
【0018】
有効成分は、種子、針状葉、葉、根、皮、球果、茎、根茎、癒合組織細胞、原形質体、器官又は器官系、又は分裂組織から得ることができる。有効成分は、様々な形態で本組成物に組み込むことができる。その様な形態には、純粋又は半純粋成分、固体又は液体(例えば、オイル)抽出物又は誘導体、又は固形植物体が含まれる。植物体は、そのまま丸ごと、刻んで、挽いて、又はつぶして、というように様々な二次的形態で組み入れることができる。
【0019】
本発明は、皮膚の審美的外観を改善する方法も提供しており、その方法では、本発明の組成物は化粧用に有効な量が皮膚に局所的に用いられる。更に別の態様では、本発明は、生まれつき皮膚に備わっている能力を刺激して、環境ストレスから回復させ及び/又は老化の徴候を防止又は逆行させる方法を提供しており、この方法では、本発明の組成物は、代表的にはUV光線又は他の環境ストレスに曝された皮膚領域に局所的に用いられる。
【0020】
本発明の化粧用組成物は、少なくとも1日1回の頻度で皮膚に用いられる。この化粧用組成物を1日1回皮膚に用いる場合は、環境から皮膚に対するそれ以上の刺激が減るように、組成物は晩に用いることが望ましい。化粧品用組成物は、老化防止という効果及び/又は審美的外観の改善効果を与えるのに有効な期間に亘って皮膚に用いてもよい。或る実施形態では、組成物は少なくとも1日1回として14日以上の期間に亘って用いられる。
【0021】
本発明は、14日というような望ましい期間に適する或る量の化粧用組成物を提供するための治療計画に適しているキットも考慮している。この実施形態によれば、キットは、複数の小瓶が入ったパッケージを含んでおり、各小瓶には、本発明による化粧用組成物の1回の使用に適した量が入っている。或る望ましい実施形態では、キットは、小瓶14本を備えたパッケージを含んでおり、各小瓶には皮膚に対する1回の使用量として十分な量の化粧用組成物が入っている。
本明細書及び特許請求の範囲に記載のパーセンテージは、全て特に指定のない限り、重量/重量の比率での表記である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
明細書並びに請求項の内容を明確に矛盾なく理解していただくために、以下のように定義する。
【0023】
「少なくとも1つの老化の徴候を改善する」と「老化の徴候を改善する」は、ここでは置き換え可能に使用しており、老化の徴候を防止すること、食い止めること、逆行させること、改善すること、減縮すること及び/又は減少させること、を指す。老化の代表的な徴候には、限定するわけではないが、線、細かい線、しわ、目じりのしわ、くま、シミ、老人性斑点、伸展裂創、又はそれらの複合症状が含まれる。
【0024】
「皮膚の外観を改善する」と「皮膚の審美的外観を改善する」は、ここでは置き換え可能に使用しており、皮膚の外観の審美的改善を指す。代表的な改善結果としては、限定するわけではないが、皮膚の肉厚、伸展性、弾性、保湿力、滑らかさ、色調、肌理、輝度、つや、明度、透明度、輪郭、堅さ、張り、柔軟性、柔らかさ、感受性、毛穴径、又はそれらを複合したもの、に関わる特徴及び/又は特性が好ましいことが挙げられる。上記用語は、健康でない皮膚の状態の改善をいう場合にも使用している。そのような健康でない皮膚の状態により影響を受け、結果として生じ、又は起因する、好ましくない症状の代表例を挙げると、限定するわけではないが、乾癬、湿疹、脂漏症、皮膚炎、日焼、エストロゲン平衡失調、過多色素沈着、過少色素沈着、変色、黄変、雀斑、皮膚萎縮、皮膚吹き出物、脆弱性皮膚、乾燥、触感的粗さ、ひび、たるみ、やせ、肥厚、線維形成、毛穴拡大、セルライト形成、あざ、にきび、アポトーシス、細胞分化、細胞逆分化、腫瘍誘発又は腫瘍進行の防止、ウイルス感染、真菌感染、細菌感染、クモ状静脈(毛細血管拡張症)、多毛症、酒さ、掻痒、たこ、いぼ、うおのめ、又は上記の複合症状がこれに該当する。
【0025】
本発明は、薬学的又は化粧品的に許容される賦形剤として、マンネンロウ植物成分又は植物抽出物、少なくとも1つの、センテラ、ムラサキバレンギク又はアルピニア由来の植物成分又は植物抽出物、或いはそれらの混合物、及びDNA修復酵素を含んでいる局所用組成物を提供している。
【0026】
本発明の局所用組成物を用いることにより、皮膚の外観が改善され、皮膚が若返り又は質が高められる。本発明の組成物は、老化を防ぎ肌理を整える様々な利点を提供する。本発明に使用している成分は組み合わせることによって、単独の場合よりも、老化を防ぎ肌理を整える効果が著しく高まる。成分を組み合わせて局所的に使用すると、単独で用いた場合に比較して、加法的又は相乗的効果が得られる。
【0027】
本発明は、老化防止及び審美的外観の改善に関係する有益性を皮膚に与える。従って、本発明は、暦年齢老化、ホルモン性老化、及び/又は光老化を含め又はそれらに付帯する老化の徴候を防止し、食い止め、逆行させ、改良し、減退させ、減らし又は改善するために皮膚を処置する際に使用する局所用組成物並びにその使用法を提供している。老化の徴候には、限定するわけではないが、皮膚脆弱性、コラーゲン及び/又はエラスチンの喪失、皮膚のエストロゲン平衡失調、皮膚萎縮、線及び/又は細かい線を含むしわの外観と深さ、くまを含む皮膚の変色、目尻の皺、皮膚のたるみ、例えば汚染及び/又は温度変化のような環境ストレスによる皮膚の吹き出物などの皮膚の疲労及び/又はストレス、皮膚の乾燥、皮膚の乾燥による細かい線、皮膚の粗さ、皮膚のぱさつき、細胞老化、皮膚の色調、弾力、透明度、明度及び/又はつやの喪失、皮膚の堅さの喪失、みすぼらしい肌理、皮膚の伸展性及び/又は弾性の喪失、やせた皮膚、及び炎症が含まれる。
【0028】
皮膚の審美的外観に対する有益性及び改善は、以下のいずれかのものによって表される。即ち、毛穴径、細かい線、しわ、触感的粗さ及び炎症の減少、皮膚の色調、輝き、透明度及び/又は張りの改善、抗酸化活性の促進、皮膚の堅さ、ふくよかさ、柔軟性及び/又は柔らかさの改善、プロコラーゲン及び/又はコラーゲン産生の改善、皮膚の肌理の改善及び/又は肌理再建の促進、皮膚のバリア修復及び/又は機能の改善、皮膚輪郭の外観の改善、皮膚のつや、透明度及び/又は明度の回復、老化及び/又は更年期障害により減少した皮膚の必須栄養素及び/又は成分の補充、皮膚細胞間の連絡の改善、細胞増殖及び/又は増倍の高まり、老化及び更年期障害により減少した皮膚細胞代謝の高まり、皮膚保湿力の改善、細胞交替の促進及び/又は加速、皮膚肉厚の増進、皮膚伸展性及び/又は弾力性の高まり、α−又はβ−ヒドロキシ酸、ケト酸、又はその他の剥脱作用物質の使用の有無を問わず剥脱作用の増進である。
【0029】
その他の有益な点としては、皮膚の滑らかさ及び/又は柔らかさの向上、皮膚状態の知覚的な向上、皮膚保湿力の増加、皮膚ストレス及び細かい線の減少、明度の高まり、皮膚の肌理及び皮膚の堅さの改善などがある。
【0030】
本発明の或る実施形態では、局所用組成物は、マンネンロウ由来の植物成分又は植物抽出物(ローズマリー抽出物)、少なくとも1つの、センテラ、ムラサキバレンギク又はアルピニア由来の植物成分又は抽出物、或いはそれらの混合物、DNA修復酵素、及び薬学的又は化粧品的に許容される賦形剤を含んでいる。
【0031】
本発明の組成物は、マンネンロウ由来の成分又は抽出物(例えばローズマリー抽出物)を含んでいる。ローズマリー由来の成分は、老化防止、制癌、抗炎症、抗菌特性を有し、且つ/又は毒性が低いと考えられている。ローズマリーの有効成分は、限定するわけではないが、ウルソル酸、カルノソル、カルノシン酸、ローズマリー酸、及びオレアノール酸を含んでいると考えられている。マンネンロウの有効成分は、皮膚のコラーゲン結合構造と弾力性を復元し、及び/又は線、細かい線、しわ及び/又はしみを防止又は改善すると考えられている。これは、一部にはウルソル酸及びカルノシン酸のおかげであると思われるが、このウルソル酸及びカルノシン酸は、コラーゲンとエラスチンの分解を担当するメタロプロテイナーゼ酵素の酵素活性を抑制すると考えられている。ローズマリー抽出物成分は、抗酸化作用物質として働き、限定するわけではないが、カルノソル、カルノシン酸、ローズマリー酸、及びウルソル酸を含んでいる。ウルソル酸は、抗炎症効能を有し、皮膚に耐油性バリアを形成すると共に皮膚のバリア機能を改善すると考えられている。更に、ウルソル酸とオレアノール酸も、腫瘍の促進を阻害することが示されている。従って、これらの作用物質を使用することにより、皮膚がんの発症又促進から保護するという更なる有益性を得ることができる。
【0032】
本発明に使用されるウルソル酸を含んでいる他の植物又は植物性資源には、限定するわけではないが、ホーリー・バジル(トゥルシー(Ocimum sanctum))、ビルベリー(Vaccinum myrtillus)、デビルズ・クロー(Harpagophytum procumbens)、エルダーフラワー(Sambucus
nigra)、ペパーミントの葉(Mentha piperita)、ペリウィンクル(Vinca minor)、ラベンダー(Lavendula augustifolia)、オレガノ(Origanum
vulgare)、タイム(Thymus vulgaris)、サンザシ(Crataegu laevigata)、チェリーローレルの葉(Prunus laurocerasus)、及びカキドウシ(Glechoma
hederacea)が含まれる。
【0033】
本発明は、センテラ、ムラサキバレンギク、アルピニア由来の植物性分又は植物抽出物、或いはそれらの混合物も含んでいる。これら成分又は抽出物は、それらと同属であれば何れの分類種由来のものでもよい。
【0034】
或る特定の実施形態では、局所用組成物は、マンネンロウ植物成分又は抽出物、ツボクサ植物成分又は抽出物、ムラサキバレンギク植物成分又は抽出物、ゲットウ植物成分又は抽出物、及びリポソームに封入されたミクロコッカス菌N−グリコシラーゼ/APリアーゼ酵素(Micrococcus
luteus N-glycosylase/AP lyase enzyme)を含んでいる。
【0035】
別の実施形態では、局所用組成物は、マンネンロウ植物の成分又は抽出物、ゲットウ植物成分又は抽出物、及びリポソームに封入されたミクロコッカス菌N−グリコシラーゼ/APリアーゼ酵素(Micrococcus
luteus N-glycosylase/AP lyase enzyme)を含んでいる。
【0036】
センテラあるいはツボクサはせり属に属しており、ゴツ・コラ(Gotu Kola)又はインディアン・ペニーワート(Indian Pennywort)としても知られている。ツボクサには、3つのトリテルペン類(triterpenes)、即ちアジアティック酸(asiatic
acid)、マデカシン酸(madecassic acid)、及びアジアチコシド(asiaticoside)を含め、幾つかの有効成分が含まれていると考えられている。これらの成分は、認知されている幾つかの性質に基づき、有用なしわ防止/老化防止成分であると考えられる。特に、センテラ作用物質は、結合組織に作用し、そこでコラーゲンとグリコサミノグリカンの合成を増加させ、結合組織の再建と弾力性を高め、線維芽細胞活性及び/又は代謝を調整し、抗炎症作用物質として働くと考えられている。更に、センテラのトリテルペン類(Centella
triterpenes)は、遊離基に起因するコラーゲン分解を投与量依存的に阻害することが分っている。3つのトリテルペン(triterpenes)類のうち、アジアチコシド(asiaticoside)は、コラーゲン合成を誘導し、ビタミンE、ビタミンC、スーパーオキシドジスムターゼ(superoxide
dismutatse)、カタラーゼ、及びグルタチオン・ペルオキシターゼ(glutathione peroxidase)の酵素的及び非酵素的抗酸化活性を高めることが分っている。ツボクサは、炎症防止特性を有していることも分っており、湿疹の治療及び軽度の痒みや虫さされに従来から使用されている。
【0037】
ムラサキバレンギク又はオオハンゴンソウは、紫色ムラサキバレンギク(Echinacea
purpurea)、幅狭葉ムラサキバレンギク(Echinacea angustifolia)及び青色ムラサキバレンギク(Echinacea pallida)の少なくとも3種類が存在すると考えられている。ムラサキバレンギク抽出物とそれに含まれるカフェオイルであるエチノシド(echinoside)は、全体として皮膚の結合組織に対する保護効果をもたらすので、創傷治癒効果を増強すると考えられている。ムラサキバレンギクの成分は、抗菌及び抗炎症活性を有し、皮膚の発赤を和らげ、又は湿疹、虫さされ及び乾癬などの症状を緩和すると考えられている。
【0038】
アルピニアは根茎の薬草である。アルピニアに属するものとして、限定するわけではないが代表的なものを挙げると、アルピニア・ガランガ(Alpinia galanga)、アルピニア・カツマダイ(Alpinia katumadai)、アルピニア・オフィシナリス(Alpinia
officinalis)、アルピニア・オキシフィラ(Alpinia oxyphylla)、アルピニア・パープラタ(Alpinia purpurata)、ゲットウ、及びアルピニア・ゼルムベト(Alpinia
zerumbet)がある。アルピニア種は、コラーゲンの合成と細胞の成長を促進すると共に、NF−kB経路によって律せられる過程でコラーゲンとエラスチンを分解するコラゲナーゼ及び/又はエラスターゼという酵素の活性を阻害すると考えられている。而して、アルピニア・オフィシナルム(Alpinia
officinarum)薬草由来のダイアリールヘプタノイド(diarylheptanoid)は、マイトジェン活性プロテインキナーゼp44/42及び転写調整因子NF−kBを阻害することにより炎症促進の媒介物を阻害することが示された(「J.
Pharmacol. Exp. Ther.、305:925−931」、及び「インターナショナル・ジェイ・コスメティック・サイエンス(Intl. J.
Cosmetic Science)、21(2):71、1991年4月、を参照」)。都合のよいことに、アルピニア抽出物は、腫瘍の進行を阻害することも分っている。従って、アルピニア成分又は抽出物の使用は皮膚がんにも効く。本発明の他の組成物としてはゲットウが挙げられる。
【0039】
本発明に使用される植物成分又は植物抽出物は、全体として組成物総重量の約0.0001重量%から5重量%までの範囲の量が含まれるが、望ましくは約0.001重量%から約0.5重量%、更に望ましくは約0.01重量%から約0.1重量%の範囲の量が含まれる。
【0040】
ローズマリー抽出物又はその成分は、組成物重量の約0.001重量%から約10重量%の範囲の量が含まれる。望ましくは、ローズマリー成分又は抽出物は、組成物総重量の、約0.05重量%から約5重量%の範囲の量が含まれ、更に望ましくは0.01重量%から約1重量%の範囲の量が含まれ、更に望ましくは約0.01重量%から約0.05重量%の範囲の量が含まれる。
【0041】
本発明は、センテラ又はアルピニア(又はその混合物)からの植物成分又は植物抽出物を含んでおり、且つこの組成物に含まれている少なくとも1つの植物成分又は植物抽出物は、個々にでも合わせてでもよいが、組成物総重量の約0.001%から約10%の範囲の量が含まれ、望ましくは約0.005重量%から約2重量%の範囲の量、更に望ましくは約0.02重量%から約0.08重量%の範囲の量が含まれる。代わりに又は追加的に、本発明は、ムラサキバレンギク種の何れかに由来する成分又は抽出物も含んでおり、且つこの組成物に含まれている成分又は抽出物は、個々にでも合わせてでもよいが、組成物総重量の約0.0001%から約1%の範囲の量が含まれ、望ましくは約0.001重量%から約0.1重量%の範囲の量、更に望ましくは約0.0005重量%から約0.02重量%の範囲の量が含まれる。
【0042】
本発明の植物成分は、植物抽出物とは別に用意してもよいし、或いは混合物の中に存在する植物抽出物と共に含まれていてもよい。例えば、マンネンロウの葉の抽出物にレシチンと水を加えたものが、ニューヨーク州フリーポート・ダーマティックスのアプライド・ジェネティック社(Applied Genetics, Inc.)からMEROSPHERESとして市販されている。ゲットウの葉の抽出物を水とブチレングリコールに配合したものが、日本国広島県の丸善製薬からALPINIA LEAF EXTRACT BGとして市販されている。ツボクサ抽出物、ムラサキバレンギク抽出物、及びマンネンロウの葉の抽出物をジプロピレングリコールとSD-アルコールに配合したものが、テキサス州ルイスビルのアクティブ・オーガニックス(Active
Organics)からACTIFIRM ULTRA DiPGとして市販されている。本発明の望ましい実施形態は、ツボクサ、ムラサキバレンギク、及びゲットウから成る群の内の少なくとも2つ又は更に望ましくは3つから得られた、少なくとも1つの植物成分又は抽出物を含んでいる。
【0043】
本発明に使用されるDNA修復酵素としては、塩基切除修復(BER)経路、核酸塩切除修復(NER)経路、又は例えば米国特許第6,368,594号に記載の切除修復経路、に関わる酵素類が含まれる。これらの経路は、DNA切断、損傷除去、填隙、連結反応を行うことが可能な各タンパク質群により仲介される。
【0044】
NER経路は、損傷部位の上流と下流での二重切断反応によりDNA損傷部除去を統括している広範囲分散型損傷不特定修復経路である。損傷したDNAの除去に続いて、生じた隙間を補充してDNAの両端部が結紮される。
【0045】
BER経路は、DNA塩基損傷の全主要形態に対する一次的な防御である。この経路は、まだ傷ついていないDNAの大きな予備貯留所内の様々な特定の個別塩基損傷を検知して取り除くことに責任を持っている。BER経路は、一般には、CPD専用のN−グリコシラーゼ/APリアーゼ酵素の活性に関わっている。N−グリコシラーゼ/APリアーゼ酵素は、最初に、CPD5’ピリミジンのN−グリコシル結合を開裂し、次いでリン酸ジエステルの背骨をアベイシック(abasic)部位でβ−リアーゼ機構を介して開裂する。
【0046】
本発明に使用するのに適したDNA修復酵素には、CPD及び(6−4)光分解生成物のような傷ついたDNAを認識、切除し修復することができるN−グリコシラーゼ/APリアーゼ活性がある。これらの酵素の活性は、光依存性が有っても(例えば、フォトリアーゼ)、無くてもよい。当群のDNA修復酵素の一例としては、限定するわけではないが、バクテリオファージT4ピリミジン二量体特定エンドヌクレアーゼ(denVエンドヌクレアーゼ)、ミクロコッカス菌N−グリコシラーゼ/APリアーゼ(Micrococcus luteus N-glycosylase/AP
lyase)、サッカロミセスセレビシアエN−グリコシラーゼ/アプリン−アピリミジンリアーゼ(Saccharomyces cerevisiae N-glycosylase/apurinic-apyrimidinic
lyase)、シゾサッカロミセスポンベUV損傷エンドヌクレアーゼ(Schizosaccharomyces pombe UV damage endonuclease)(UVDE)、クロレラウイルス隔離PBCV−1ピリミジン二量体特定グリコシラーゼ、アナシスチスニヅランスフォトリアーゼ(Anacystis nidulans photolyase)、及びそれらの改質された非天然(例えば、組み換え)酵素生成物類がある。
【0047】
DNA修復酵素は、BER、NER、又は代わりの経路による他の要素を含んでいてもよい。そのような酵素としては、O−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ、ウラシル系及びヒポキサンチン系DNAグリコシラーゼ、DNAエクソヌクレアーゼ、損傷塩基グリコシラーゼ(例えば、3−メチルアデニン−DNAグリコシラーゼ)、エンドヌクレアーゼ単独又は複合体(例えば、大腸菌uvrA株/uvrB株/uvrC株エンドヌクレアーゼ複合体)及び、その活性について現在では一部しか理解されていないが、ヒトのERCC遺伝子や酵母のRAD遺伝子のようなその他の酵素類及び酵素複合体類がある。代表的なDNA修復酵素としては、限定するわけではないが、ウラシルDNAグリコシラーゼ、3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ、エンドヌクレアーゼIII/チミングリコールDNAグリコシラーゼ、エンドヌクレアーゼVIII、fapy/8−オキソグアニンDNAグリコシラーゼ、A−G−不整合DNAグリコシラーゼ、G−T不整合DNAグリコシラーゼ、ホルミルウラシルDNAグリコシラーゼ、ヒドロキシメチルウラシルDNAグリコシラーゼ、XPC−hHR23B、XPA、RPA、XPB、TFIIH、XPG、XPF−ERCC1、Rad4−Rad23、Rad14、Rfa、Rad25/Ss12、Rad3、Rad2、Rad1−Rad10、各種DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼなどがある。それら酵素の代表的供給源としては、限定するわけではないが、大腸菌、エス・セレヴィシエ(S.
cerevisiae)、S.ポンベ、ヒト、ヒト、サル、マウス、ラット、ハムスターなどを含む、細菌又は哺乳類の細胞源がある。
【0048】
本願で用いる「DNA修復酵素」という用語は、上に述べた酵素類、並びに現在知られているか又は追って発見され又は開発されるその他の酵素を含んでおり、グリコシラーゼ、アプリン−アピリミジンエンドヌクレアーゼ、又は損傷したDNAを修復することのできる活性を有するその他の酵素が含まれるものとする。
【0049】
本発明のDNA修復酵素は、大腸菌、ミクロコッカス菌(Micrococcus)などの適した供給源から誘導又は抽出される。DNA修復酵素は、米国特許第5,296,231号に記載のようにリポソームに封入されたものでもよく、同特許の内容全体を参考文献として本願に援用する。例えば、ミクロコッカス菌(Micrococcus
luteus)細胞溶解物から誘導されたDNA修復酵素は、レシチンと水を含んだリポソーム製剤として、ニューヨーク州フリーポート ダーマティックスのアプライド・ジェネティックス社(Applied
Genetics, Inc.)からULTRASOMESTMとして、又はニュージャージー州イングルウッドクリフのバーネット・プロダクツ社(Barnet
Products Corporation)からULTRASOMES-VTMとして市販されている。アナシスティスニデュランス(Anacystis
nidulans)フォトリアーゼを含んでいるアナシスティスニデュランス(Anacystis nidulans)溶解物が封入されたリポソームは、(ニューヨーク州フリーポート)ダーマティックスのアプライド・ジェネティックス社(Applied
Genetics, Inc.)からPHOTOSOMESTMとして市販されている。リポソームは、従来からのホスホリピド、オレイン酸、及び/又は例えば大豆のような植物誘導体を供給源とするコレステロールヘミスクシネートを含んでいてもよいし、又は当業者には従来より既知であるその他の適した供給源から生成されていてもよい。
【0050】
或る代表的な実施形態では、組成物は、ULTRASOMESTM、ULTRSOMES-VTM、又はPHOTOSOMESTMを、総組成物の約0.001重量%から20重量%までの範囲で組み込んでいるが、望ましくは約0.1重量%から約10重量%までの範囲で、更に望ましくは約0.5重量%から約3重量%までの範囲で組み込んでいる。
【0051】
リポソームは、DNA修復酵素又は本発明の植物又は植物性成分のような化粧品的に活性を有する作用物質の皮膚真皮への移入を促すための受渡作用物質として使用される。リポソームに代わって真皮への配送に使用できる他の配送剤としては、限定するわけではないが、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ナノパーティクル、ミクロスフィア、エトソーム(ethosomes)、トランスファーソーム(transfersomes)、ニオソーム(niosomes)など、当業者には既知の受渡用賦形剤がある。
【0052】
本発明の化粧用組成物は、他の化粧用成分を含んでいてもよく、それらには、限定するわけではないが、以下の物質、即ち、甘草、甘草抽出物、甘草誘導体(例えば、グリチルリチン酸(glycyrrhizinates))、レモン抽出物、きゅうり抽出物、ヒマワリの種抽出物、トウゴマ種子油、オートムギタンパク質、オートムギ抽出物、加水分解したオートムギ、絹プロテイン(例えば、絹膠)、ヒアルロン酸及びその誘導体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、ホスホリピド(phospholipids)、スフィンゴリピド(sphingolipids)、コレステロール、に存在する成分、及び/又は、老化防止、抗酸化、抗炎症、抗刺激、制がんなどの特性又は他の皮膚保護特性、審美的外観向上特性、及び/又は皮膚受渡量増加特性を有するその他の成分又はそれら成分の組み合わせが含まれる。
【0053】
本発明による局所使用用の化粧品的に有用なビタミン、ミネラル、及び/又は酸化防止剤には、抗酸化特性を有する植物成分及び抽出物(例えば、ローズマリー抽出物、センテラアジアチコサイド(Centella asiaticoside)など)、ビタミンAとその前駆物質又は誘導体(例えば、ベータカロチン、レチニルパルミテート)、ビタミンB3とその前駆物質又は誘導体(例えば、ナイアシンアミド)、ビタミンB5とその前駆物質又は誘導体(例えば、パンテノール)、ビタミンCとその前駆物質又は誘導体(例えば、テトラヘキシルデシルアスコルビン酸塩(tetrahexyldecyl
ascorbate)、アスコルビン酸パルミテート)、ビタミンEとその前駆物質又は誘導体(例えば、d−アルファ−トコフェロール、酢酸トコフェロール)、ビタミンKとその前駆物質又は誘導体、セレニウムとその誘導体(例えば、L−セレノメチオニン)及びアルファリポ酸(ALA)が含まれる。
【0054】
ALAは、自然に発現する効果が強力な酸化防止剤であり、水と脂質の両方において活性及び溶解性を有することから「万能酸化防止剤」と呼ばれることもある。ALAは、皮膚細胞に浸透することができ、コラーゲンとエラスチンの分解を担う炎症促進NF−kB経路の活動を阻害することができると共に、ビタミンE及びC群の保護作用を亢進し、これにより細胞内で自然に発現する抗酸化作用を亢進する。
【0055】
或る実施形態では、本発明の組成物にはテトラヘキシルデシルアスコルビン酸塩(tetrahexyldecyl
ascorbate)が組み込まれている。テトラヘキシルデシルアスコルビン酸塩(tetrahexyldecyl ascorbate)は、安定した脂質溶解性のビタミンCエステル誘導体である。ビタミンCは、コラーゲン合成を促進し、脂質分解を阻害し、ビタミンEを再生し、細かな線やしわを減らし、日焼けを治すこと、及び遊離基に対する効果の高い酸化防止スカベンジャーであって、強力な抗炎症特性を有しており、例えばアラキドニン酸の生成を阻害することが報告されている。
【0056】
別の実施形態では、パンテノール又はその等価物を本発明と共に使用することを考えている。パンテノールは、抗炎症特性を有する、効果的な膜形成保湿剤である。パンテノールの等価物にはパントテン酸のアルコール誘導体が含まれるが、例えば「CTFA化粧用成分手引書、化粧品、化粧用具および香水協会(The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association. Inc.),272頁−273頁、1992年」に記載ものなどがある。実用性を最適化するため、パンテノールの量は、組成物が適度に速やかに乾燥するように選定せねばならない。組成物に含まれるパンテノールの量が多いほど、組成物を皮膚又は他の表面に塗布したときに組成物が乾くのに要する時間が長くなる。
【0057】
ビタミン、ミネラル、及び/又は酸化防止剤は、合計した量が、全組成物の約0.01重量%から20重量%の範囲で含まれ、望ましくは約0.1重量%から約10重量%の範囲、更に望ましくは約0.5重量%から約3重量%の範囲で含まれる。
【0058】
随意的にではあるが、本発明の組成物は、更に、1つ又は複数の、麻酔剤、抗アレルギー剤、抗刺激剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、着色剤、脱色剤、皮膚軟化剤、乳化剤、膜形成剤、香料、保潤剤、防虫剤、滑剤、保湿剤、製薬剤、光安定剤、保存剤、皮膚保護剤、皮膚浸透エンハンサ(skin penetration enhancers)、日焼け止め剤、安定剤、界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、又は上記物質の組み合わせ、を含んでいてもよい。
【0059】
本発明は、皮膚に対する予想される刺激に対処するため抗刺激特性又は抗炎症特性を有する植物又は植物性成分及び天然の有効成分を提供している。実施形態の中には、角質除去剤の使用を欠いているものもあるが、角質除去剤の刺激作用を緩和するために十分な抗刺激/抗炎症剤が含まれることを条件に、角質除去剤を含んでいてもよい。代表的な抗刺激剤には、限定するわけではないが、アロエベラ(aloe vera)、α−ビサボロール(α-bisabolol)、カフェイン又は他のキサンチン類、カモミール(chamomile)、コーラニアダ(cola
nitada)抽出物、グリチルリチン酸2カリウム(dipotassium glycyrrhizinate)、グリチルリチン酸とその誘導体、緑茶抽出物、レシチン又は水素化レシチン、甘草抽出物、チャノキ油、及びステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤として限定するわけではないが、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、サリチル酸、アセチルサリチル酸)、NF−kB阻害剤、酢酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、尿素、又は上記物質の組み合わせ、が含まれる。望ましい抗刺激剤には、グリチルリチン酸2カリウム、レシチン、及び水素化レシチン(hydrogenated
lecithin)が含まれる。
【0060】
抗刺激又は抗炎症剤は、個々にでも合わせてでもよいが、全組成物の約0.01重量%から10重量%の範囲で含まれ、望ましくは約0.05重量%から約5重量%、更に望ましくは約0.2重量%から約1.5重量%の範囲で含まれる。
【0061】
植物成分、植物抽出物、オイル、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、抗刺激剤又は他の活性剤は、個々に、又は合わせて、薬剤的又は化粧品用に許容される賦形剤に含まれる。本発明の実施形態に適した薬剤的又は化粧品用に許容される賦形剤の例としては、限定するわけではないが、水、C1−C4アルコール、脂肪アルコール(fatty alcohols)、脂肪エーテル(fatty ethers)、脂肪エステル(fatty esters)、グリセリン、グリコール、植物油、鉱油、レシチン、水素化レシチン(hydrogenated
lecithin)、リポソーム、薄層脂質物質、リン脂質、ポリグリコール、ポリオール、プロピルアルコール、シリコン油、植物油、又は上記物質のあらゆる組み合わせなどが挙げられる。
【0062】
本発明の薬剤的又は化粧品用に許容される賦形剤は、均一相処方の形態であってもよいし、限定するわけではないが、水中油型、油中水型、及び3相を含め多相エマルジョンを含め、エマルジョン又はマイクロエマルジョンの形態で含まれてもいてもよい。これらのエマルジョンは、薄いローション(スプレイ又はエアロゾル送出にも適当といえる)、クリーム状ローション、軽質クリーム、重質クリームを含め、広範囲の粘ちゅう度をカバーしている。他の適した局所用途担体には、油とアルコールのような無水液体溶剤、水を主成分とする単相液体溶剤(例えば、水−アルコール溶剤系)、無水固体及び半固体(ゲル及びスティック)、及び水を主成分とするゲル及びムース系が含まれる。
【0063】
薬剤的又は化粧品用に許容される賦形剤は、通常は、全組成物の約5重量%から99.9重量%の範囲で含まれ、望ましくは約25重量%から約80重量%の範囲で、更に望ましくは約50重量%から約70重量%の範囲で含まれ、他の化粧品的添加物が含まれていない場合には組成物の平衡を形成する。
【0064】
皮膚軟化剤は、皮膚軟化性保護膜を提供することにより皮膚の水分補給を維持し又は再水和を行う。皮膚軟化剤は、エステル系、脂肪酸及びアルコール系、ポリオール系、及び炭化水素系のような一般的な化学分類に従って分類される。エステル系は、モノ−又はジ−エステルである。脂肪酸ジエステルの代表例としては、限定するわけではないが、グリチルリチン酸2カリウム、ジブチルアジペート、ジエチルセバケート(diethyl sebacate)、ジイソプロピルジメレート(diisopropyl dimerate)、及びジオクチルサクシネート(dioctyl
succinate)が挙げられる。許容される分鎖脂肪酸エステルとしては、限定するわけではないが、2−エチル−ヘキシルミリステート、イソプロピルステアレート及びイソステアリルパルミテートがある。許容される3塩基酸エステルには、限定するわけではないが、トリイソプロピルトリリノレエート(triisopropyl
trilinoleate)及びトリラウリルシトレート(trilauryl citrate)が含まれる。許容される直鎖脂肪酸エステルには、限定するわけではないが、ラウリルパルミテート(lauryl
palmitate)、ミリスチルラクテート(myristyl lactate)及びステアリルオレエート(stearyl oleate)が含まれる。
【0065】
適した脂肪酸アルコール及び酸には、限定するわけではないが、炭素原子数が約10から20のアルコール又は酸が含まれる。例えば、セチル系、ミリスチル系、パルミチン酸系、ステアリル系のアルコール及び酸のようなアルコール類が使用できる。
【0066】
ポリオールは、皮膚軟化剤として機能し、限定するわけではないが、直鎖及び分鎖アルキルポリヒドロキシル(alkyl polyhydroxyl)化合物が含まれる。代表的なポリオールには、限定するわけではないが、ブチレン、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリン、ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコールのような高分子ポリオール、などがある。
【0067】
炭化水素は、皮膚軟化剤として機能し、炭素原子数が約12から30の炭化水素鎖を含んでおり、限定するわけではないが、鉱油、ペトロラタム(petroleum jelly)、スクアレン(squalene)、及びイソパラフィン(isoparaffins)がこれに含まれる。
【0068】
代表的な皮膚軟化剤としては、限定するわけではないが、ブチレン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、キャスターオイル(castor oil)、セテアレス−20(ceteareth-20)、セテアレス−30(ceteareth-30)、セテアリルアルコール(cetearyl
alcohol)、セテス20(ceteth 20)、セトステアリルアルコール(cetostearyl alcohol)、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール、コレステロール、ココアバター、ジイソプロピルアジペート、グリセリン、グリセリルモノオレエート(gyceryl
monooleate)、グリセリルモノステアレート、グリセリルステアレート、イソパラフィン、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ラノリン、ラノリンアルコール、水素化ラノリン(hydrogenated
lanolin)、イソパラフィン、液体パラフィン、リノレン酸、鉱油、オレイン酸、ペトロラタム(petroleum jelly)、リン脂質、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−7グリセリルココエート、ポリエチレングリコール−18メチルエステルジメチルシラン、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸アルコールエーテル(polyoxyethylene
glycol fatty alcohol ethers)、ポリオキシプロピレン15−ステアリルエーテル、ポリプロピレングリコールプロピレングリコール、プロピレングリコールステアレート、ソルビトール、スフィンゴリピド(sphingolipids)、スクアレン(squalene)、ステアレス−2又は−100(steareth-2 or -100)、ステアリン酸、ステアリルアルコール、尿素、白色ペトロラタム、などが挙げられる。
【0069】
皮膚軟化剤は、個々に又は合わせて、全組成物の約0.005重量%から20重量%の範囲で含まれ、望ましくは約0.1重量%から約10重量%の範囲で、更に望ましくは約1.0重量%から約5.0重量%の範囲で含まれる。
【0070】
保潤剤は、水を皮膚に結合させて保持することができる保湿剤である。代表的な保潤剤としては、限定するわけではないが、アセチルグルコサミン、二糖ガム、ブチレングリコール、エトキシジグリコール、エチレングリコールポリプロピレン、グルコース、グリセレス−26、グリセリン、グリセロール、グリコール、ラクチトール、マルチトール、プロピレングリコール、絹膠、ヒアルロン酸ナトリウム、ソルビトール、キシリトール、クエン酸ナトリウム、グルコース、などが挙げられる。
【0071】
保潤剤は、合わせて、全組成物の約0.1重量%から40重量%の範囲で含まれ、望ましくは約2.5重量%から約25重量%の範囲で、更に望ましくは約5重量%から約15重量%の範囲で含まれる。
【0072】
本発明の組成物は、1つ又は複数の保存剤を提供している。適した保存剤としては、ジソジウムEDTA(disodium EDTA)、ベンジルアルコール、メチルパラベン、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、及びイソブチルパラベンがある。
【0073】
本発明の化粧用組成物に含まれる他の種類の機能成分として増粘剤がある。増粘剤は、通常、合わせて、全組成物の約0.01重量%から10重量%の範囲で含まれ、望ましくは約0.05重量%から約5重量%の範囲で、更に望ましくは約0.1重量%から約1重量%の範囲で含まれる。代表的な増粘剤としては、架橋結合ポリアクリレート材がある。キサン(xanthan)、カラゲーニン(carrageenan)、ゼラチン、カラヤ、ペクチン、及びイナゴマメガムのようなガムを使用してもよい。或る状況の下では、増粘機能は、シリコーン又は皮膚軟化剤として機能する材料によって実現される。例えば、10センチストーク超のシリコンガムとグリセロールステアレートのようなエステルは、二重の機能を有している。
【0074】
本発明の化粧用組成物には粉末を組み込んでもよい。これらの粉末としては、チョーク、タルク(talc)、カオリン(kaolin)、でんぷん、スメクタイトクレイ(smectite clays)、化学的に改質されたマグネシウムアルミニウムシリケート、有機的に改質されたモンモリロナイトクレイ(montmorillonite
clay)、アルミニウムシリケート水和物(hydrated aluminum silicate)、ヒュームドシリカ(fumed silica)、アルミニウムスターチオクテニルサクシネート(aluminum
starch octenyl succinate)、及び上記物質の混合物が挙げられる。
【0075】
化粧用組成物には量は少ないながら他の添加物成分も組み込むことができる。これらの成分としては、着色剤、乳白剤、及び香料が含まれる。これらの添加物成分は、全組成物の0.001重量%から20重量%までの範囲で含まれる。
【0076】
本発明の組成物は、皮膚に対する局所使用に適していれば、どの様な便利な形態に処方してもよい。そのような製品形態としては、限定するわけではないが、エアロゾールスプレイ、クリーム、分散液、乳剤、泡沫、ゲル、液体、ローション、ムース、軟膏、パッチ、ポマード、粉末、ポンプスプレイ、固体、溶液、スティック、トワレなどがある。望ましい化粧品の形態は、水中油型(oil-in-water)乳剤のクリームである。油中水(water-in-oil)型及びシリコン中水(water-in-silicone)型の乳剤も考えられる。
【0077】
組成物は、その粘度及び顧客による使用目的に合わせて適した容器に詰められる。例えば、ローション又はクリームは、ビン又は回転ボール式アプリケータ、又は指での操作に適したポンプ付き高圧ガス駆動式エアロゾール装置又は容器に詰められる。組成物がクリームの場合は、変形しないビン又は絞出し容器、例えばチューブやふた付きジャーなどに入れるだけでもよい。本発明は、従って、ここで定義している化粧品用に許容される組成物が入った密閉容器も提供している。
【0078】
本発明は、14日間のような望ましい期間に適した化粧用組成物の量を提供するための治療計画に相応しいキットも考えている。この実施形態によれば、キットは複数の容器が入ったパッケージを含んでおり、各容器には、本発明による化粧用組成物の1回の使用に適した量が入っている。容器は小瓶又は他の適した保持装置の形態を採っている。
【0079】
或る実施形態では、キットは、複数の小瓶を有するパッケージを含んでおり、各小瓶には、本発明の化粧用組成物の、皮膚への1回の使用に十分な量が入っている。キットは、この化粧用組成物を皮膚に使用する日数に一致した個数の小瓶を提供するように処方してもよい。代わりに、キットは、使用回数が1日1回より多い場合に合わせて処方してもよい。或る実施形態では、キットは、14日間に亘って毎日皮膚に使用するのに合わせて14個の小瓶を含んでいる。更に、キットは、組成物を塗布するための1つ又は複数のアプリケータを含んでいてもよいし、またキットの使用に関する取扱説明書を含んでいてもよい。
【0080】
本発明は、本発明の化粧用組成物を局所的に用いることにより皮膚を治療する方法も含んでいる。使用の際は、組成物を少量、例えば1mlから100mlだけ、適した容器又はアプリケータから皮膚の露出した領域に塗布して、更にその後、必要に応じて、手や指或いは適した装置を使って皮膚に伸ばし及び/又は擦り込む。
【0081】
或る実施形態では、本発明は、老化の徴候を防止し、食い止め、逆行させ、改良し、軽減し、減少させ、又は改善する方法を提供しており、この方法では、本発明の組成物は、皮膚の老化の徴候を防止し、食い止め、逆行させ、改良し、軽減し、減少させ、又は改善するのに化粧品として十分な効果が発揮される量が皮膚に局所的に使用される。老化の代表的な徴候には、限定するわけではないが、顔面の線、細かい線、しわ、目尻のしわ、くま、しみ、老人性斑点、伸展裂創、又はそれらの組み合わせ、がある。
【0082】
別の実施形態では、本発明は、皮膚の審美的外観を改善するための方法を提供しており、この方法では、本発明の組成物は、皮膚の審美的外観を改善するのに化粧品として十分な効果が発揮される量が皮膚に局所的に使用される。改善点は、皮膚の肉厚、伸展性、弾性、保湿力、色調、肌理、輝度、つや、明度、透明度、輪郭、堅さ、張り、柔軟性、柔らかさ、感受性、毛穴径、又はそれらの組合せに関係する。
【0083】
改善点は、更に、乾癬、湿疹、脂漏症、皮膚炎、日焼、エストロゲン平衡失調、過多色素沈着、過少色素沈着、変色、黄変、雀斑、皮膚萎縮、皮膚吹き出物、脆弱性皮膚、乾燥、ひび、たるみ、やせ、肥厚、線維形成、毛穴拡大、セルライト形成、あざ、にきび、アポトーシス、細胞分化、細胞逆分化、腫瘍誘発又は腫瘍進行の防止、ウイルス感染、真菌感染、細菌感染、クモ状静脈(毛細血管拡張症)、多毛、酒さ、掻痒、たこ、いぼ、うおのめ、又は上記の複合症状、から成る症状群により影響を受け、症状群を結果として発症し、又は症状群に起因する、健康でない皮膚の状態を改善することに関係する。
【0084】
老化の徴候又は健康でない皮膚状態は、遊離基による損傷、環境作用物質、汚染物質、食習慣、暦年齢による老化、過早老化、ホルモン性老化、光老化、又はそれらの組合せが原因である。従って、老化防止特性又は皮膚の不健康な状態を改善するために選択された本発明の組成物及び方法は、老化、損傷、遊離基の形成、又は皮膚構成要素の分解を加速又は亢進する酵素又は媒介物を、限定するわけではないが、メタロプロテイナーゼ、コラゲナーゼ、エラスターゼ、ヒアルロニダーゼ及びプロテアーゼを含めて、抑制する有効成分の局所使用を採用している。有効成分は、抗酸化活性、遊離基掃去又は抗炎症活性を有し、及び/又は、それら有効成分は、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン(GAG)、又は他の細胞外基質要素の分解を抑制し、又はNF−kB信号伝達経路の調節酵素又は媒介物を抑制する。有効成分は、老化に関わる他の信号伝達経路も、それらの経路関わる媒介物及び調整物を含め、又その組合せも、抑制する。
【0085】
皮膚の審美的又は美容的外観を改善することに加えて、本発明の局所用組成物は、皮膚の一般的な健康状態、活力、及び外観を増強するためにも局所的に使用される。例えば、本発明の組成物は、微小循環、皮膚細胞間の連通、皮膚の必須栄養素又は成分の補充、を改善し、又は皮膚細胞の代謝、増殖、倍増、交替、及び/又は剥脱、を改善するために、皮膚に用いられる。
【0086】
剥脱は、アルファ−又はベータ−ヒドロキシ酸又は他の剥脱剤、又はそれらを組み合わせて、皮膚に局所的に塗布して使用しながら行ってもよいし、使用せずに行ってもよい。本発明の組成物に剥脱剤を使用する場合は、当該組成物には、十分な量の抗刺激又は抗炎症剤が、そのような中和剤が無い場合に剥脱剤に伴って現れると予想される刺激を中和するために、含まれる。
【0087】
以下に本発明の実施例を提示するが、本発明はこれに限定されるものではない。特に指定しない限り、全ての比率及びパーセンテージは重量基準である。
【0088】
(実施例1)
以下に、本発明による処方の実施例を示す。
【0089】
【表1】



【0090】
表1に示す処方は、少量用意し、定期的に顔面に直接塗布する。
【0091】
【表2】

【0092】
表2に示す処方は、少量をパッチとして用意し、定期的に目の下に貼る。
【0093】
(実施例2)
実施例1の表1の組成物を以下のように試験した。35歳から70歳までの女性で、洗顔料、化粧水、及び保湿剤を1日2回使用するという顔の手入れを現在行っており、普通からやや乾燥又は乾燥肌であると自身が実感しており、左の目の周囲に経度から中程度の細かい線がある(臨床学的評価により判定)人を被験者として選定した。被験者には、肌又は髪の手入れ用として新しい製品の使用を開始せずに、被験者が常用している肌手入れ用の製品を継続して使用してもらい、実験期間中は日に当たること(日焼け用ベッドを含む)もスイミングプールも避けてもらった。
【0094】
被験者は通常の肌の手入れのやり方(洗顔料、化粧水、及び保湿剤を1日2回使用)を採用するが、化粧水使用後で且つ保湿剤使用前に実施例1による表1の組成物を用いることとした。被験者は毎日14日間に亘ってこの組成物を使用し、開始時(第1日目)と第4日目、第7日目、第10日目、及び第14日目に臨床評価を受けた。評価時には(1)軽度から中程度の細かい線、(2)触感的な粗さ、(3)透明度、(4)乾燥度/剥がれ、に関して臨床医が皮膚を評価した。各属性は以下の尺度による等級付けである。
【0095】
細かい線 (0=なし、10=重度)
【0096】
触感的な粗さ (0=滑らか、10=粗い)
【0097】
透明度 (0=くすんでつやの無い外観、10=明るく輝いた外観)
【0098】
乾燥度/剥がれ (0=潤っている、10=重度の乾燥)
【0099】
更に、角質測定装置による測定を採用し、基準時と第4日目、第7日目、第10日目、及び第14日目に左側頬の皮膚の水分を評価した。角質測定装置(CM825)を、眼の骨の上で目の中心に一致するようにして頬に当てた。測定は3回行った。角質測定装置は、静電容量法によって角質層(SC)の水分を定量化する。測定値には単位が無いが、皮膚の表面層の誘電率に比例し、皮膚に潤いが与えられるにつれて上昇する。測定値は皮膚の静電容量(ピコファラッド)に直接関係する。
【0100】
図1aは、実施例1の組成物を62人の被験者に対して14日間に亘って毎日用いた場合の細かい線の減少を示している。Y軸は、評価時点(基準時と第4日目、第7日目、第10日目及び第14日目)における被験者62人に対する平均評点の変化を示している。図1aに示すように、第14日目の評点は、基準時の評点に対して−4.8の評点変化を示した。図1bは、14日間に亘って実施例1の組成物を毎日使用した場合の細かい線の%減少率で表わされる細かい線の%改善率を示すグラフである。グラフは、第4日目までの細かい線の減少率は>70%で、第14日目までには細かい線の減少率は99%になっていることを示している。
【0101】
図2aは、実施例1の組成物を14日間に亘って毎日用いた場合の触感的な粗さの低下を示している。Y軸は、基準時と第4日目、第7日目、第10日目及び第14日目との評点の変化(基準日の評点から各評価時の評点を差し引いたもの)を示している。図2aに反映されるように、第14日目の評点は、基準時の評点に対して−0.85の評点変化を示した。図2bは、14日間に亘って実施例1の組成物を毎日使用した場合の触感的な粗さの%低下率で表わされる皮膚の滑らかさにおける%改善率を示すグラフである。グラフは、第4日目までの触感的な粗さの低下率は>50%で、第10日目から第14日目までには低下率は>80%になっていることを示している。
【0102】
図3aは、実施例1の組成物を14日間に亘って毎日用いた場合の皮膚の透明度の上昇を示している。Y軸は、基準時と第4日目、第7日目、第10日目及び第14日目との評点の変化(基準日の評点から各評価時の評点を差し引いたもの)を示している。図3aに反映されるように、第14日目の評点は、基準時の評点に対して2.91の評点変化を示した。図3bは、14日間に亘って実施例1の組成物を毎日使用した場合の皮膚の透明度の%上昇率で表わされる皮膚の透明度における%改善率を示すグラフである。グラフは、第4日目までの皮膚の透明度の上昇率は>150%であるが第14日目までには皮膚の透明度の上昇率は>250%になっていることを示している。
【0103】
図4aは、実施例1の組成物を14日間に亘って毎日用いた場合の皮膚の乾燥度の低下を示している。Y軸は、基準時と第4日目、第7日目、第10日目及び第14日目との評点の変化(基準日の評点から各評価時の評点を差し引いたもの)を示している。図4aに反映されるように、第14日目の評点0.06は、基準時の評点に対して−4.50の評点変化を示した。図4bは、14日間に亘って実施例1の組成物を毎日使用した場合の皮膚の乾燥度の%低下率で表わされる皮膚の乾燥度における%改善率を示すグラフである。グラフは、第4日目までの細い線の低下率は>90%であるが第第14日目までには細い線の低下率は99%になっていることを示している。
【0104】
図5aは、実施例1の組成物を14日間に亘って毎日用いた場合の皮膚の水分の増加を示している。Y軸は、基準時と第4日目、第7日目、第10日目及び第14日目との評点の変化(基準日の評点から各評価時の評点を差し引いたもの)を示している。図5aに反映されるように、第14日目の評点は、基準時の評点に対して10.04の評点変化を示した。図5bは、14日間に亘って実施例1の組成物を毎日皮膚に対して局所的に使用した場合の%保湿率を示すグラフである。
【0105】
図6aは、基準時測定の直後に実施例1の組成物を使用した場合の12時間に亘る皮膚の水分の増加を示している。Y軸は、基準時(即ち、開始時)と4時間、8時間後、及び12時間後との評点の変化を示している。図6bは、基準時測定の直後に実施例1の組成物を使用した場合の12時間に亘る保湿力の%改善率で表わされる皮膚の水分の%改善率を示すグラフである。このグラフは、12時間後の保湿力の増加が25%を超えていることを示している。
【0106】
図7aは、実施例1の表1の組成物を毎日用いる前の被験者の顔の一部の写真である。図7bは、実施例1の表1の組成物を14日間に亘って使用した後の同じ被験者の顔の一部の写真である。実施例1の表1の組成物を使用した結果、細かい線が減少したことが分る。
【0107】
図8aは、実施例1の表1の組成物を毎日用いる前の別の被験者の顔の一部の写真である。図8bは、実施例1の表1の組成物を14日間に亘って使用した後の同じ被験者の顔の一部の写真である。実施例1の表1の組成物を使用した結果、やはり細かい線が減少したことが分る。
【0108】
以上、本発明を特定の実施形態に関連付けて説明してきたが、当業者には自明のように、上記記載内容に鑑み、本発明には多くの代替、修正、及び変更を加えることができる。従って、本発明は、特許請求の範囲に述べる本発明の精神と範囲に入るその様な代替、修正、及び変更の全てを包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】図1aは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、細かな皮膚の線の減少を示すグラフである。図1bは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、細かな皮膚の線の減少を示すグラフである。
【図2】図2aは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の滑らかさの改善(即ち、触感的皮膚の粗さの減少)を示すグラフである。図2bは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の滑らかさの改善(即ち、触感的な皮膚の粗さの減少)を示すグラフである。
【図3】図3aは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の透明度の改善を示すグラフである。図3bは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の透明度の改善を示すグラフである。
【図4】図4aは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の乾燥の減少を示すグラフである。図4bは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の乾燥の減少を示すグラフである。
【図5】図5aは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の保湿力の増加を示すグラフである。図5bは、本発明の代表的な組成物を14日間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の%保湿力を示すグラフである。
【図6】図6aは、本発明の代表的な組成物を12時間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の水分の増加を示すグラフである。図6bは、本発明の代表的な組成物を12時間に亘って皮膚に局所的に用いた場合の、皮膚の水分の%改善率を示すグラフである。
【図7】図7aは、本発明の組成物を用いる前の被験者の顔の一部の写真である。図7bは、本発明の組成物を毎日14日間に亘って用いた後の被験者の顔の一部の写真である。
【図8】図8aは、本発明の組成物を用いる前の別の被験者の顔の一部の写真である。図8bは、本発明の組成物を毎日14日間に亘って用いた後の同じ被験者の顔の一部の写真である。
【図1a】

【図1b】

【図2a】

【図2b】

【図3a】

【図3b】

【図4a】

【図4b】

【図5a】

【図5b】

【図6a】

【図6b】

【図7a】

【図7b】

【図8a】

【図8b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所用組成物において、
a.植物抽出物、ウルソル酸、カルノシン酸、ローズマリー酸及びオレアノール酸から成る群より選択された、少なくとも1つのマンネンロウ(Rosmarinus officinalis)由来の植物成分又は植物抽出物と、
b.少なくとも1つの、センテラ(Centella)、ムラサキバレンギク(Echinacea)又はアルピニア(Alpinia)由来の植物成分又は植物抽出物であって、前記少なくとも1つのセンテラ(Centella)由来の植物成分又は植物抽出物は、アジアチン酸(Asiatic
acid)、マデカシン酸(madecassic acid)、及びアジアチコシド(asiaticoside)から成る群より選択され、前記少なくとも1つのムラサキバレンギク(Echinacea)由来の植物成分又は植物抽出物は、植物抽出物及びエチノシド(echnoside)から成る群より選択され、前記少なくとも1つのゲットウ由来の植物成分又は植物抽出物は、植物抽出物及びダイアリルヘプタノイド(diarylheptanoid)から成る群より選択されている、少なくとも1つの、センテラ(Centella)、ムラサキバレンギク(Echinacea)又はアルピニア(Alpinia)由来の植物成分又は植物抽出物と、
c.少なくとも1つのDNA修復酵素と、
d.少なくとも1つの薬学的又は化粧品的に許容される賦形剤と、を備えている局所用組成物。
【請求項2】
ウルソル酸、カルノシン酸、ローズマリー酸、及びオレアノール酸から成る群より選択された、少なくとも1つのマンネンロウ(Rosmarinus officinalis)由来の植物成分を備えている、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのマンネンロウ(Rosmarinus officinalis)植物抽出物を備えている、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つのマンネンロウ(Rosmarinus officinalis)植物抽出物は、前記組成物全体の約0.001重量%から約10重量%の量で存在している、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1つのセンテラ(Centella)植物抽出物を備えている、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項6】
ツボクサ(Centella asiatica)植物抽出物を備えている、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンテラ(Centella)植物抽出物は、前記組成物全体の約0.001重量%から約10重量%の量で存在している、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つのムラサキバレンギク(Echinacea)植物成分又は植物抽出物を備えている、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項9】
紫色ムラサキバレンギク(Echinacea purpurea)、幅狭葉ムラサキバレンギク(Echinaceaangustifolia)及び青色ムラサキバレンギク(Echinacea
pallida) から成る群より選択された種に由来する、少なくとも1つのムラサキバレンギク(Echinacea)植物成分又は植物抽出物を備えている、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つのムラサキバレンギク(Echinacea)植物抽出物は、前記組成物全体の約0.0001重量%から約1重量%の量で存在している、請求項1から4の何れかに記載の組成物
【請求項11】
少なくとも1つのアルピニア(Alpinia)植物成分を備えている、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1つのアルピニア(Alpinia)植物抽出物を含んでいる、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項13】
ゲットウ(Alpinia speciosa)植物抽出物を含んでいる、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1つのアルピニア(Alpinia)植物抽出物は、前記組成物全体の約0.001重量%から約10重量%の量で存在している、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項15】
ツボクサ(Centella asiatica)、ムラサキバレンギク(Echinacea
angustifolia)、及びゲットウ(Alpinia speciosa)から成る群の内の少なくとも2つの要素から選択された植物成分又は植物抽出物を備えている、請求項1から4の何れかに記載の組成物。
【請求項16】
ツボクサ(Centella asiatica)、ムラサキバレンギク(Echinacea
angustifolia)、及びゲットウ(Alpinia speciosa)から成る群の各要素からの植物成分又は植物抽出物を備えている、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1つのDNA修復酵素は、ピリミジングリコオラーゼ/アベイシックリアーゼ(pyrimidine
glyosylase/abasic lyase)である、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1つのDNA修復酵素は、バクテリオファージT4ピリミジン二量体特定エンドヌクレアーゼ(bacteriophage T4 pyrimidine dimer-specific endonuclease)、ミクロコッカス菌 N−グリコシラーゼ/APリアーゼ(Micrococcus
luteus N-glycosylase/AP lyase)、サッカロマイセスセレビシエ N−グリコシラーゼ/アプリン−アピリミジンリアーゼ(Saccharomyces
cerevisiae N-glycosylase/apurinic-apyrimidinic lyase)、シゾサッカロミセスポンベUV損傷エンドヌクレアーゼ(Schizosaccharomyces
pombe UV damage endonuclease(UVDE))、クロレラウイルス分離PBCV−1ピリミジン二量体特定グリコシラーゼ(Chlorella
virus isolate PBCV-1 pyrimidine dimer-specific glycosylase)、及びアナシィスティスニダランスフォトリアーゼ(Anacystis
nidulans photolyase)、から成る群より選択される、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項19】
ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンC、及びビタミンE、から成る群より選択された少なくとも1つのビタミンを更に備えている、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項20】
テトラヘキシルデシルアスコルビン酸塩(tetrahexyldecyl ascorbate)、又はアスコルビルパルミテート(ascorbyl
palmitate)を更に備えている、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項21】
トウゴマ(Ricinus communis)オイル、甘草(Glycyrrhiza glabra)根抽出物、加水分解されたオートムギ、レモン(Citrus
medica limonum)抽出物、きゅうり(Cucumis sativus)抽出物、及びヒマワリ(Helianthus annus)抽出物、から成る群より選択された少なくとも1つの植物又は植物性抽出物又は油を更に備えている、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項22】
トウゴマ(Ricinus communis)オイル、甘草(Glycyrrhiza glabra)根抽出物、加水分解されたオートムギ蛋白質、レモン(Citrus
medica limonum)抽出物、きゅうり(Cucumis sativus)抽出物、及びヒマワリ(Helianthus annus)抽出物、を備えている、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項23】
前記少なくとも1つの賦形剤は、水、グリセリン、C1−C4アルコール、脂肪酸アルコール、脂肪酸エーテル、脂肪酸エステル、ポリオール、グリコール、植物油、鉱油、リポソーム、層状脂質物質、シリコンオイル、及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択された1つ又は複数の成分を含んでいる、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物は、エアロゾール、クリーム、乳剤、固体、液体、分散液、泡沫、ゲル、ローション、ムース、軟膏、粉末、パッチ、ポマード、溶液、ポンプスプレイ、スティック、トワレ、及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択された製品形態を採っている、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項25】
前記少なくとも1つの薬剤用又は化粧用に許容される賦形剤はリポソームである、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1つの薬剤用又は化粧用に許容される賦形剤は、マンネンロウ(Rosmarinus
officinalis)由来の少なくとも1つの植物成分又は植物抽出物を封入するリポソームである、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項27】
前記少なくとも1つの薬剤用又は化粧用に許容される賦形剤は、センテラ(Centella)、ムラサキバレンギク(Echinacea)、又はアルピニア(Alpinia)由来の少なくとも1つの植物成分又は植物抽出物を封入するリポソームである、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1つの薬剤用又は化粧用に許容される賦形剤は、少なくとも1つのDNA修復酵素を封入するリポソームである、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項29】
前記少なくとも1つの薬剤用又は化粧用に許容される賦形剤は、ミクロコッカス菌N−グリコシラーゼ/APリアーゼ(Micrococcus luteus N-glycosylase/AP lyase)を封入するリポソームである、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項30】
前記リポソームに封入されたDNA修復酵素は、前記組成物全体の約0.05重量%から約5重量%の量で存在している、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項31】
前記リポソームは、ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンC、ビタミンE、及びそれらの誘導体、から成る群より選択された少なくとも1つのビタミンを封入している、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項32】
前記リポソームは、トウゴマ(Ricinus communis)オイル、甘草(Glycyrrhiza
glabra)根抽出物、加水分解されたオートムギ、レモン(Citrus medica limonum)抽出物、きゅうり(Cucumis sativus)抽出物、及びヒマワリ(Helianthus
annus)抽出物、から成る群より選択された少なくとも1つの要素を封入している、請求項1、15又は16に記載の組成物。
【請求項33】
局所用組成物において、
a.マンネンロウ(Rosmarinus officinalis)、ツボクサ(Centella
asiatica)、ムラサキバレンギク(Echinacea angustifolia)及びゲットウ(Alpinia speciosa)由来の植物抽出物と、
b.リポソームに封入されたミクロコッカス菌N−グリコシラーゼ/APリアーゼ(Micrococcus
luteus N-glycosylase/AP lyase)と、
c.少なくとも1つの薬剤用又は化粧用に許容される賦形剤と、を備えている局所用組成物。
【請求項34】
局所用組成物において、
a.マンネンロウ(Rosmarinus officinalis)及びゲットウ(Alpinia
speciosa)由来の植物抽出物と、
b.リポソームに封入されたミクロコッカス菌N−グリコシラーゼ/APリアーゼ(Micrococcus
luteus N-glycosylase/AP lyase)と、
c.少なくとも1つの薬剤用又は化粧用に許容される賦形剤と、を備えている局所用組成物。
【請求項35】
少なくとも1つの皮膚の老化の徴候を改善するための方法において、請求項1に記載の組成物を、少なくとも1つの皮膚の老化の徴候を改善するのに十分な化粧品的に有効な量だけ、皮膚に対して局所的に使用する段階から成る方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの老化の徴候は、線、細かい線、しわ、目尻のしわ、くま、しみ、老人性斑点、伸展裂創、から成る群より選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの老化の徴候は、遊離基損傷、環境作用物質、汚染物質、食習慣、暦年齢による老化、過早老化、ホルモン性老化、及び光老化、の内の少なくとも1つに起因する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
皮膚の外観を改善する方法において、請求項1に記載の組成物を、皮膚の外観を改善するのに十分な化粧品的に有効な量だけ、皮膚に対して局所的に使用する段階から成る方法。
【請求項39】
前記改善は、皮膚の肉厚、伸展性、弾性、保湿力、滑らかさ、色調、肌理、輝度、つや、明度、透明度、輪郭、堅さ、張り、柔軟性、柔らかさ、感受性、毛穴径、及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記改善は、乾癬、湿疹、脂漏症、皮膚炎、日焼、エストロゲン平衡失調、過多色素沈着、過少色素沈着、変色、黄変、雀斑、皮膚萎縮、皮膚吹き出物、脆弱性皮膚、乾燥、触感的な粗さ、ひび、たるみ、やせ、肥厚、線維形成、毛穴拡大、セルライト形成、あざ、にきび、アポトーシス、細胞分化、細胞逆分化、腫瘍誘発又は腫瘍進行の防止、ウイルス感染、真菌感染、細菌感染、クモ状静脈(毛細血管拡張症)、多毛、酒さ、掻痒、たこ、いぼ、うおのめ、及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択された少なくとも1つの健康でない皮膚の状態を対象としている、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
皮膚の外観を改善するためのキットにおいて、
a.請求項1の組成物が入っている少なくとも1つの容器と、
b.前記少なくとも1つの容器から前記組成物を用いるための取扱説明書と、を備えているキット。
【請求項42】
複数の容器を備えている、請求項41に記載のキット。

【公表番号】特表2007−508320(P2007−508320A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534434(P2006−534434)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/033419
【国際公開番号】WO2005/034891
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(505416588)アクセス ビジネス グループ インターナショナル エルエルシー (14)
【氏名又は名称原語表記】ACCESS BUSINESS GROUP INTERNATIONAL LLC
【Fターム(参考)】