説明

マンホールの浮上防止構造及び工法

【課題】マンホールに対する浮力増大の要因となる過剰間隙水圧の増加や地下水圧の増加が生じたとき、地下水のマンホールへの排水を円滑に行えるようにする。
【解決手段】地震時を含んで発生した浮力増大の要因となる過剰間隙水圧の増加又は地下水圧の増加を消散させるために壁面から地下水を排水して浮上を防ぐように構成したマンホールの浮上防止構造であって、マンホール1の壁面に形成された貫通穴2に連通して地山に形成された集水領域3を有し、集水領域3は、地山Cの地盤を置換した集水材によって構成されている。貫通穴2を介して集水領域3に洗浄水を供給することで、集水領域3の集水材を洗浄し得るように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震時に生じた液状化現象に伴って発生した過剰間隙水圧の増加、或いは地下水圧の増加を消散するために、壁面を介してマンホールの内部に地下水を排水するようにしたマンホールの浮上防止構造と、その工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震時にマンホールが浮上して下水道の破壊や交通障害が多々生じている。マンホールの浮上は、地震時に地盤の液状化に伴う過剰間隙水圧の増加による浮力の増大を原因とするものが多い。しかし、マンホールの浮上は、地盤の液状化現象に伴う過剰間隙水圧の増加のみを原因として生じるものではなく、地下水圧が増加したとき、この増加を原因として生じる虞がある。
【0003】
最近では、マンホールの浮上を防止する幾つかの技術が提案されている。その中で、マンホールの壁面に貫通穴を形成しておき、地盤の液状化に伴って過剰間隙水圧が上昇したとき、地下水をマンホールの内部に排水することで該過剰間隙水圧を消散させる技術がある。
【0004】
例えば特許文献1に記載された発明は、マンホール本体の壁部に地中側とマンホール本体の内部を連通する孔を形成し、この孔に地中側からマンホール本体内への水の流れを許容し、マンホール内から地中側への水の流れを遮断する逆止弁を配設したものである。この技術では、地震時に地盤に液状化現象が生じた場合でも、液状化水がマンホール内に流入することによって、該マンホールの浮上を抑制することができる。特に、逆止弁にフィルター部を設けることによって、土砂のマンホール内への流入を防止できる。
【0005】
また、特許文献2に記載された発明は、マンホールの側壁を貫通する貫通管と、マンホールの外側に接続された透水性を有する可撓性管体と、マンホールの内側に接続された地中の自然水位よりも高い開口位置を備えた内管と、を有して構成したものである。この技術では、地震時に地下水をマンホール内に噴出させることによって、マンホールの周囲の水圧上昇を減殺してマンホールの浮き上がりを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−124966公報
【特許文献2】特開2009−228392公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2に記載された技術は、何れも地震時に地下水をマンホール内に取り込むことによって過剰間隙水圧の消散をはかることで、マンホールの浮上を防止するものである。これらの技術では、地下水を円滑にマンホール内に取り込むことが必要であり、地下水の円滑な取り込みが実現しない場合、マンホールが浮上する虞が生じる。
【0008】
例えば、特許文献1に記載された技術では、マンホール本体の壁部に形成された孔は直接地盤に対向しており、地盤側にフィルタが配置されると共に孔に逆止弁が配設されている。このため、液状化水がマンホール内に流入する際に、形状の大きい石や塊はフィルタによってマンホール内への流入を阻止することができる。しかし、粒子の細かい砂や土は孔内に入り込み、逆止弁との間の孔部分に滞留してしまう虞がある。この場合、地下水のマンホール内への円滑な流入が損なわれる虞が生じる。
【0009】
また、特許文献2に記載された技術でも、可撓性管体の内部は空洞になっており、地下水がマンホール内に流入するのに伴って、透水機能部位を通過した砂や土が可撓性管体の内部に滞留してしまう虞がある。この場合、地下水のマンホール内への円滑な流入が損なわれる虞が生じる。
【0010】
本発明の目的は、マンホールに対する浮力増大の要因となる過剰間隙水圧の増加や地下水圧の増加が生じたとき、地下水のマンホールへの排水を円滑に行えるようにしたマンホールの浮上防止構造と、この構造を実現する工法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明に係るマンホールの浮上防止構造は、地震時等に於いて発生した浮力増大の要因となる過剰間隙水圧の増加又は地下水圧の増加を消散させるために壁面から地下水を排水して浮上を防ぐように構成したマンホールの浮上防止構造であって、マンホールの壁面に形成され該壁面を貫通する貫通穴と、前記貫通穴に連通して地山に形成された集水領域と、を有し、前記集水領域は、地山の地盤を置換した集水材によって構成されているものである。
【0012】
上記マンホールの浮上防止構造に於いて、前記集水領域は、前記貫通穴の径よりも大きい径を有することが好ましい。
【0013】
また、上記何れかのマンホールの浮上防止構造に於いて、前記貫通穴を介して前記集水領域に洗浄水を供給することで、該集水領域の集水材を洗浄し得るように構成されていることが好ましく、前記貫通穴には、該貫通穴を介して前記集水領域に洗浄水を供給する供給部材を接続するための接続部材が配置されることがより好ましい。
【0014】
また、上記何れかのマンホールの浮上防止構造に於いて、前記貫通穴には、過剰間隙水圧又は地下水圧が予め設定された圧力を越えたときに開放して地下水をマンホール内に排水する弁が配置されていることが好ましい。
【0015】
また、上記何れかのマンホールの浮上防止構造に於いて、前記集水領域を構成する集水材は地山を構成する土砂の粒度よりも大きい粒度に調整された砂利及び又は砕石からなり、集水領域に対応する地山の土砂を排除した空間に前記砂利及び又は砕石を圧密して充填することで集水領域を構成したことが好ましい。
【0016】
また、上記何れかのマンホールの浮上防止構造に於いて、前記集水領域を構成する集水材は透水性を有し且つ土砂の通過を阻止し得る繊維体又は多孔質体からなり、集水領域に対応する地山の土砂を排除した空間に前記繊維体又は多孔質体を充填することで集水領域を構成したことが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る第1のマンホールの浮上防止工法は、マンホールの壁面に形成された貫通穴を基準にして地山を切削すると共に土砂をマンホール側に排出して集水領域の下穴を形成する工程と、前記集水領域の下穴に集水材を充填する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係る第2のマンホールの浮上防止工法は、マンホールの壁面に形成された貫通穴を基準にして地山を切削すると共に土砂をマンホール側に排出して集水領域の下穴を形成する工程と、前記集水領域の下穴に、該集水領域の下穴の崩壊を防いで一時的に安定させる安定剤を充填する工程と、前記安定剤を充填した集水領域の下穴に集水材を充填する工程と、前記集水領域に存在する安定剤を吸引してマンホール側に排除する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るマンホールの浮上防止構造(以下単に「浮上防止構造」という)では、地山にマンホールの壁面に形成された貫通穴に連通した集水領域が形成されている。特に、集水領域が、地山の地盤を置換した集水材によって構成されているため、地山からマンホール内への地下水の流れが生じたとき、浮力増大の要因となる過剰間隙水圧又は地下水圧(以下単に「過剰間隙水圧」という)の増加を確実に短時間で消散させることができる。
【0020】
このように、本発明では地山の地盤を集水材に置換することによって、確実に地下水の通過を許容する集水領域を形成することができる。このため、集水領域が長期間にわたって放置されたような場合でも、地震時に生じた流動化現象に伴って過剰間隙水圧が増加した場合、地下水を確実にマンホール内に排水することができる。
【0021】
また、貫通穴に、該貫通穴を介して集水領域に洗浄水を供給する供給部材を接続するための接続部材を配置することで、この接続部材に対し供給部材を介して高圧水の供給源を容易に接続することができる。このため、必要に応じて或いは定期的に集水領域の集水材に対する洗浄を容易に行うことができる。
【0022】
また、貫通穴を介して集水領域に洗浄水を供給することで、該集水領域の集水材を洗浄し得るように構成したので、必要に応じて或いは定期的に集水領域の集水材を洗浄することができる。このため、集水領域に於ける地下水の通過性能を良好な状態で保持しておくことができる。
【0023】
また、集水領域が、貫通穴の径よりも大きい径を有することで、地山に於ける集水領域の表面積を大きくすることができる。このため、地下水がマンホール内に排出される際に、地山の広い領域から地下水を取り込むことが可能となり、地下水の流れを阻害することなく、短時間で過剰間隙水圧を消散させることができる。特に、地山の透水性が低いような場合であっても、地下水を取り込む面積を大きくすることが可能となり、短時間で過剰間隙水圧を消散させることができる。
【0024】
また、貫通穴に、過剰間隙水圧が予め設定された圧力を越えたときに地下水をマンホール内に導入する弁を配置することで、過剰間隙水圧が増加して設定圧力を越えたとき、地下水をマンホール内に排水することができる。このため、地下水圧が弁の設定圧力よりも低いときには、地下水のマンホール内への流入を阻止することができ、下水処理施設に不必要な負担をかけることがない。
【0025】
また、集水領域に対応する地山の土砂を排除した空間に、地山を構成する土砂の粒度よりも大きい粒度に調整された砂利及び又は砕石を圧密して充填することで集水領域を構成したので、集水領域に於ける地下水の通過を許容することができる。
【0026】
また、集水領域に対応する地山の土砂を排除した空間に、透水性を有し且つ土砂の通過を阻止し得る繊維体又は多孔質体を充填することで集水領域を構成した場合は、集水領域に於ける地下水の通過を許容することができる。
【0027】
また、本発明に係る第1のマンホールの浮上防止工法では、マンホールの壁面に形成された貫通穴を基準にして地山を切削すると共に土砂をマンホール側に排出して集水領域の下穴を形成し、該集水領域の下穴に集水材を充填することで、地山の地盤を集水材に置換した集水領域を構成することができる。
【0028】
また、本発明に係る第2のマンホールの浮上防止工法では、マンホールの壁面に形成された貫通穴を基準にして地山を切削すると共に土砂をマンホール側に排出して集水領域の下穴を形成し、この下穴に安定剤を充填して地山の崩壊を防いで一時的に安定させた状態で集水材を充填し、その後、集水領域に存在する安定剤を吸引してマンホール側に排除することで、地山の地盤を集水材に置換した集水領域を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】浮上防止構造の構成を説明する図である。
【図2】集水領域と貫通穴との関係を示す図である。
【図3】貫通穴を介して集水領域を洗浄する状態を説明する図である。
【図4】第1の浮上防止工法の手順を説明する図である。
【図5】第2の浮上防止工法の手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係るマンホールの浮上防止構造について説明する。本発明に係る浮上防止構造は、地震時に地盤の流動化現象が生じて浮力増大の要因となる過剰間隙水圧が増加したとき、或いは何等かの原因により地下水圧が増加したとき、確実に且つ円滑に地下水をマンホール内に排水して増加した過剰間隙水圧(地下水圧)を短時間で消散させるようにしたものである。このため、マンホールの壁面に貫通穴を形成すると共にこの貫通穴に連続させて地山の地盤を集水材によって置換することで集水領域を形成し、形成した集水領域を地下水のマンホールへの通過を許容し得るように構成している。
【0031】
集水領域は地山に下穴を形成し、この下穴の内部の土砂を集水材と置換することで構成されている。地山に下穴を形成するための方法は特に限定するものではなく、地山を円筒状のカッター(ケーシング)によって切削し、この切削部分の土砂を排出することで形成することが可能である。また、ケーシングによって形成した穴を更に他の手段で拡幅しつつ土砂を排出することで下穴を形成することが可能である。そして、前記の如くして形成された下穴に集水材を充填することで集水領域を構成することが可能である。
【0032】
従って、地山と集水領域の境界は必ずしも明確な面として形成されるものではない。このため、集水領域の径(太さ)及び長さ(深さ)は厳密な寸法として表現し得るものではない。
【0033】
尚、本発明に於いて、地山とは、マンホール構築時の埋戻し土砂からなる層、埋戻し土砂層の周囲に存在する自然土砂層等を含むマンホールの周辺地盤を含むものである。
【0034】
マンホールの壁面に形成する貫通穴及び該貫通穴に連通して地山に形成する集水領域の位置や数は特に限定するものではなく、地山を構成する地盤や地下水の水位等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。特に、地震時に生じた流動化現象に伴って上昇した過剰間隙水圧を短時間で消散させるためには、可及的に多数の貫通穴及び集水領域を形成することが好ましい。一般的には、マンホールの周方向に3箇所〜5箇所で、且つ高さ方向に2箇所〜3箇所に貫通穴及び集水領域を形成することが好ましい。しかし、前記位置や数に限定するものではないことは当然である。
【0035】
地山の地盤を集水材によって置換して構成した集水領域は、地下水のマンホールへの通過を許容することが必要である。集水材は地下水の通過を許容し得るものであれば良く、材質や形状を限定するものではない。このような集水領域を構成する際に利用し得る集水材としては、砂利及び又は砕石(以下単に「砂利」という)を圧密して構成した砂利層、前記の如き砂利や繊維を積層した積層層、繊維を適度な厚さとした繊維層、多孔質体からなる多孔質層、等があり、これらをを選択的に採用することが可能である。
【0036】
例えば集水材として砂利を採用する場合、この砂利は粒度が調整されていることが必要である。しかし、砂利の粒度は一義的に設定するものではなく、地山を構成する土砂の粒度よりも大きいことが好ましい。そして、地山の集水領域に対応させた部位の土砂と砂利とを置換することによって、地下水の通過を許容し得る集水領域を構成することが可能である。
【0037】
また、集水材として、例えば棕櫚のような天然繊維や、合成樹脂繊維、金属繊維等の繊維を採用することが可能である。特に、マンホールの浮上防止構造は、長期間にわたって安定した機能を保持することが必要となり、繊維自体が長寿命であることが求められる。このため、合成樹脂製のたわし状のもの、合成樹脂製の繊維を利用してへちま状に構成した立体網状体、ステンレス鋼製の金属たわし状のもの、のように長繊維を丸めて形成したものを集水材として採用することが好ましい。
【0038】
更に、集水材としては、合成樹脂の発泡体からなるスポンジ状の多孔質体や、合成樹脂からなる球状の成形体であって表面に多数の孔を形成した多孔質体、或いはセラミックスからなる多孔質体を採用することも可能である。
【0039】
上記の如き集水材を採用することによって構成された集水領域では、地下水を円滑に通過させることが可能であり、且つ土砂の通過を阻害することが可能である。このため、過剰間隙水圧が増加したとき、この増加に応じて地下水は集水領域を円滑に通過してマンホール内に排水され、増加した過剰間隙水圧を短時間で消散することが可能となる。
【0040】
集水領域が土砂の通過を阻止し得るように構成されていても、長期間にわたって土砂と地下水に臨んでいるため、細かい土砂が浸透してくることを防ぐのは困難である。このため、貫通穴を介して集水領域に洗浄水を供給することで、集水領域を洗浄して滞留している土砂を地山に戻すことで、安定した集水性能を保持することが可能である。集水領域に供給する洗浄水の圧力や水量は特に限定するものではなく、地山の地下水圧よりも高い圧力を持った高圧水を供給することが好ましい。
【0041】
特に、貫通穴に洗浄水を供給する供給部材を接続するための接続部材を設けておくことによって、洗浄水を供給する供給部材の着脱が容易となり好ましい。貫通穴に供給部材を接続する接続部材を取り付ける場合、貫通穴に下地材を設けておき、この下地材に対し必要に応じて接続部材を着脱し得るように構成しても良い。
【0042】
洗浄水を供給する供給部材としては特に限定するものではなく、洗浄用の高圧水を安全に且つ確実に供給し得る機能を有するものであれば良い。このような機能を有するものとして高圧水用のホースがあり、好ましく用いることが可能である。また、供給部材のサイズは限定するものではなく、短時間で集水領域の洗浄を終了させるためにはサイズが大きいことが好ましいが、貫通穴に接続部材以外の部材を設ける場合には、貫通穴の径や他の部材の寸法等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。
【0043】
集水領域の太さの貫通穴に対する比率は特に限定するものではないが、貫通穴と等しいか或いは大きいことが好ましい。また、地山に形成する集水領域の長さも特に限定するものではなく、地山の透水係数や通常の状態に於ける地下水圧等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。特に、集水領域は、短時間で十分な量の地下水をマンホール内に排水するためには表面積は大きいことが好ましい。
【0044】
例えば、地山の透水係数が大きい場合、集水領域の表面積は小さくとも良く、貫通穴と略等しい太さで形成しても十分な量の地下水の通過を許容することが可能である。この場合、集水領域の太さは貫通穴の径と略等しく、且つ長さは約400mm〜約500mm程度で良い。また地山の透水係数が小さい場合、集水領域の表面積を大きくする必要があり、貫通穴の径の約1.5倍〜約3倍程度の太さと、約300mm〜約400mm程度の深さで形成することが好ましい。
【0045】
地山に集水領域の下穴を形成したとき、地山が安定して崩壊する虞のない場合には、容易に下穴に対し集水材を充填することが可能である。しかし、地山が不安定で下穴が崩壊する虞のある場合、この下穴に安定剤を充填して下穴の崩壊を防いだ状態で集水材を充填することが好ましい。そして、下穴に対する集水材の充填が終了した後、集水領域に存在する安定剤を吸引して排除することで、地下水の通過を許容し得る集水領域を構成することが可能である。
【0046】
マンホールの壁面に貫通穴を形成する場合、該マンホールの製造過程で形成することが好ましいが、現在設置されているマンホールに対しては現場施工することが必要となる。また、短時間で十分な量の地下水をマンホールに導入することを考慮すると、貫通穴の径は可及的に大きいことが好ましい。しかし、大きい径を持った貫通穴を形成するのに伴ってマンホール自体の強度も減少することとなるため、自ずから制限がある。本件発明者等の知見によると、貫通穴の径は約100mm〜約150mm程度であることが好ましい。しかし、この寸法に限定するものではないことは当然である。
【0047】
マンホールの壁面に形成された貫通穴の位置よりも地山に於ける地下水の水位が低い場合、貫通穴は単なる穴であって良い。この場合、通常は地下水が貫通穴からマンホール内に流れ込むことはない。
【0048】
しかし、地下水の水位が貫通穴の位置よりも高い場合、常に地下水が貫通穴からマンホール内に流れ込むこととなり、下流側の汚水処理施設に過大な負担を強いることとなる。このため、貫通穴に、過剰間隙水圧が予め設定された圧力を越えたときに開放して地下水をマンホール内に導入する弁(圧力設定弁)を設けることが好ましい。このような圧力設定弁を設けることによって、通常の状態では地下水がマンホール内に流れ込むことを防ぎ、地震時に過剰間隙水圧が上昇したときに、地下水をマンホール内に導入することが可能となる。
【0049】
集水領域が土砂の通過を阻止し得るように構成されていても、長期間にわたって土砂と地下水に臨んでいるため、細かい土砂が浸透してくることを防ぐのは困難である。このため、貫通穴に洗浄水を供給するホースを接続するための接続部材を設けておくことが好ましい。そして、定期的に接続部材に対しホースを介してポンプを接続して高圧水を供給することで、貫通穴を経て集水領域に高圧水を供給し、この高圧水を集水領域から地山に通過させることによって、該集水領域を洗浄することが可能である。
【0050】
貫通穴に圧力設定弁と接続部材を取り付ける場合、これらを必要に応じて着脱して交換し得るように構成しても良く、また径の大きい貫通穴を形成しておき、この貫通穴に圧力設定弁と接続部材の両方を取り付けて構成しても良い。
【0051】
次に、浮上防止構造の実施例について図1〜図3を用いて説明する。本実施例に係る浮上防止構造Aは、図1に示すように、下水道用の管路に代表される管路Bに設けられたマンホール1が地震時に生じる流動化現象の際に過剰間隙水圧が上昇したときに作用する浮力によって浮上するのを防止し得るように構成したものである。
【0052】
マンホール1は管路Bに長さ方向に予め設定された距離毎に設置されており、個々のマンホール1は地表から管路Bまでの深さに対応した寸法を有している。このため、マンホール1は幾つかの直壁管と地表部分に設けた斜壁管とを積み上げると共に互いに強固に接続して構成されている。
【0053】
マンホール1の壁面には該壁面を貫通して複数の貫通穴2が形成されている。この貫通穴2の数は特に限定するものではないが、本実施例では周上に4箇所、高さ方向に2箇所の合計8箇所に形成されている。
【0054】
本実施例に於いて、夫々の貫通穴2は径が約100mmに形成されている。前述したように、貫通穴2の径や数及び位置等の条件は限定するものではなく、地盤を構成する地質や地下水の水位等を含む地山Cの条件に対応させて適宜設定することが好ましい。
【0055】
マンホール1の壁面に形成された貫通穴2に連通して地山Cに集水領域3が形成されている。この集水領域3は、地山Cの地下水が貫通穴2を通ってマンホール1の内部に導入される際の通過を許容し得るように構成されている。
【0056】
集水領域3の貫通穴2の径との関係、及び地山Cに対する深さは一義的に設定されるものではなく、地震時に過剰間隙水圧が上昇したときに地下水を効率良く集水し得るように、幾つかの形状に設定することが可能である。例えば、図2(a)に示す集水領域3は、径は貫通穴2と等しい寸法を有しており、地山Cに於ける深さは充分に深い寸法を有している。
【0057】
また、同図(b)に示す集水領域3は貫通穴2よりも大きい径を有しており、地山Cに対する深さは(a)の場合よりも浅い。更に、同図(c)に示す集水領域3は貫通穴2よりも充分に大きい径を有するのに対し地山Cに対する深さは最も浅く形成されている。
【0058】
上記の如き集水領域3の形状は地山Cの透水性に対する条件に対応させて適宜選択される。例えば、図2(a)に示す太さが比較的に細く且つ長さが長い集水領域3は、地山の透水係数が大きく、透水性が良好な場合に適用することが好ましい。また、同図(b)に示す太さが貫通穴2よりも太く且つ長さが比較的長い集水領域3は、同図(a)よりも透水性が多少劣る場合に適用することが好ましい。同図(c)に示す太さが充分に太く且つ長さが短い集水領域3は、地山の透水係数が小さく、透水性が劣る場合に適用することが好ましい。
【0059】
集水領域3に於ける地下水の通過を許容する構造は、該集水領域3に対して充填された粒度が調整された砂利による砂利層、或いは該集水領域に対して充填された透水性を有し且つ土砂の通過を阻止し得る繊維体或いは多孔質体からなる層、又はこれらを混合させた層によって構成されている。
【0060】
本実施例では、マンホール周囲の埋め戻された地山が山砂層であり、集水領域3の形状を図2(a)に示すように、マンホール1の壁面に形成した貫通穴2の径と略等しい太さを持ち、且つ地山Cに対する深さを約400mmとし、この集水領域3に予め粒度が約1mm〜約5mmの範囲にあるように調整された砂利を詰め込んでつき固めることで充填した砂利層4を有している。尚、前述したように、砂利の粒度は地山を構成する土砂の粒度よりも大きく設定されおり、前記寸法に一義的に設定されるものではない。
【0061】
上記の如き砂利槽4を有する集水領域3では、地下水が貫通穴2を通してマンホール1の内部に導入される際に地下水の通過を許容することが可能であり、このとき、土砂が混入されている場合、一定以上のサイズの土砂の通過を阻止することが可能である。また、地下水がマンホール1の内部に導入されることがなく、流れが生じていない場合、地下水は砂利層4に浸透し、これに伴って一定サイズ以下の土砂も浸透する。しかし、この状態からマンホール1の内部への流れが生じた場合でも、一定サイズ以上の土砂がマンホール1に入り込むことを阻止することが可能である。
【0062】
本実施例に於いて、マンホール1の壁面に形成された貫通穴2には、図2に示すように、圧力設定弁6が設けられている。この圧力設定弁6は過剰間隙水圧が増加したときに開放して地下水をマンホール1に排水する機能を有しており、予め開放する際の作動圧力が設定されている。圧力設定弁6の構造は特に限定するものではなく、例えば、弁体をばね等の付勢部材によって地山側に設けた弁座に押圧するように構成された、一般的にリリーフバルブとして利用されている構造のものを採用することが可能である。
【0063】
圧力設定弁6を貫通穴2に設置する構造も特に限定するものではなく、貫通穴2に固定したブラケット7に取り付けられている。ブラケット7は、貫通穴2にねじやくぎ等の固定具を利用して固定されていても良い。本実施例では、ブラケット7を、合成樹脂製の筒状の部材によって構成し、筒部7aに設けたねじを利用して圧力設定弁6を取り付け、筒部7aに連続して形成したばね性を有するフック部7bを貫通穴2の地山C側の面に引っ掛けることで固定している。
【0064】
また、貫通穴2と集水領域3との境界にフィルタ8が設けられている。このフィルタ8は、過剰間隙水圧が上昇して地下水がマンホール1に排水される際に、集水領域3に於ける砂利層4を構成する砂利が地下水の流れに伴って貫通穴2に押し出されることを阻止するためのものである。従って、フィルタ8としては、前記機能を有するものであれば構造を限定するものではない。
【0065】
上記の如く構成された浮上防止構造Aでは、地震時に生じた液状化現象に伴って過剰間隙水圧が増加したとき、増加した地下水圧が圧力設定弁6に作用して該圧力設定弁6が開放し、地下水がマンホール1に排水される。地下水のマンホール1への排水によって増加した過剰間隙水圧が消散し、マンホール1の浮上を防止することが可能となる。
【0066】
特に、地山Cに集水領域3が形成されているため、地下水の集水を円滑に且つ確実に行うことが可能であり、短時間で充分な量の地下水をマンホール1に排水することが可能となる。また、集水領域3に形成されている砂利層4が地下水の通過を許容し、且つ土砂の通過を阻害するので、円滑な地下水のマンホール1への排水に加えて、土砂の排出を阻害することが可能である。
【0067】
更に、地下水のマンホール1への流れが生じていないとき、集水領域2の砂利層4には地下水が浸透しており、この浸透に伴って極めて細かい土砂が砂利層4に入り込んで滞留する虞がある。しかし、滞留した極めて細かい土砂は、地下水のマンホール1への排水が開始した場合に一緒に導入されるものの、一定以上のサイズの土砂がマンホール1に排出されることがない。
【0068】
しかし、長期間にわたって地下水のマンホール1への排水がないとき、集水領域2の砂利層4に土砂の細かい粒子が入り込んでくることがあり、地下水の流れに支障を与える虞がある。このため、本実施例では、図3に示すように、貫通穴2に接続部材となるターミナル9を取り付け、このターミナル9に供給部材となるホース10に設けた袋ナット10aを接続し、該ホース10から高圧水を供給することで、砂利層4を洗浄し得るように構成している。
【0069】
ターミナル9に供給する高圧水の圧力は地下水圧よりも高ければ良い。このように、ホース10からターミナル9を介して集水領域3の砂利層4に高圧水を供給することによって、供給された高圧水は同図に矢印で示すように流れ、この流れによって砂利層4に滞留している土砂を集水領域3から地山C側に排除することが可能である。即ち、集水領域3の砂利層4を洗浄することが可能である。
【0070】
次に、浮上防止構造を構成する際の第1の工法及び第2の工法について説明する。本発明に係る工法では、マンホール1の壁面に形成される貫通穴2の加工をどの段階で行うかについては限定するものではない。即ち、マンホール1が新たに設置されるものである場合、予め工場段階で直壁管に対し貫通穴2の加工を行うことが可能である。また、マンホール1が既設のものである場合、設置現場で貫通穴2の加工を行うことが必要である。本実施例では既設のマンホール1を対象としている。
【0071】
第1の工法について図4により説明する。この工法は、透水係数が大きく充分に良好な透水性を有する地山を対象としており、地山に構成する集水領域3が貫通穴2の径と同じ太さで良い場合に対応している。
【0072】
先ず、図4(a)に示すように、マンホール1に貫通穴2を形成するための段取りを行う。この場合、マンホール1の貫通穴2を形成すべき位置に対向させてコアボーリング用のカッター15を設置する。このカッター15は、目的の貫通穴2の径に対応した外径を有する円筒状に形成されており、先端部にコンクリートを切削する切刃が形成されたケーシング15aを有している。またカッター15の後端側には、図示しない駆動装置のチャックに把持されて回転されるケーシングヘッド15bが設けられている。特に、ケーシングヘッド15bはカッター15のケーシング15aに対し着脱可能に構成されている。
【0073】
段取りが終了した後、カッター15を水平に保持した状態で回転させつつ、マンホール1の方向に前進させ、これによりマンホール1の壁面を切削して貫通穴2を形成する。マンホール1の壁面に貫通穴2を形成した後、一度カッター15をマンホール1の壁面から離脱させることで、マンホール1の壁面から切削した円柱状のコンクリート塊を排除する。その後、引き続きカッター15を前進させて地山C内に進行させることで、同図(b)に示すように、貫通穴2に連通して集水領域3の下穴に対応した部分を切削する。
【0074】
カッター15を予め設定された長さ(深さ)まで進行させて地山Cに集水領域3の下穴に対応した部分を形成した後、同図(c)に示すように、集水領域3の内部にある土砂をマンホール1の内部に排出して下穴を形成する。この作業は、先ず、カッター15の地山Cへの進行状態を保持して、ケーシングヘッド15bをケーシング15aから離脱させ、その後、ケーシング15aの内部にスクリュー16を挿通すると共にカバー16aをケーシング15aに取り付ける。次に、この状態でスクリュー16を回転させることで、スクリュー16を排出用のコンベアとして機能させてケーシング15aの内部にある土砂を排出する。
【0075】
ケーシング15a内の土砂を排出して地山Cに下穴を形成した後、この下穴に集水材としての砂利を充填する。集水領域3の下穴に対する砂利の充填は、同図(d)に示すように、スクリュー16の回転方向を排出用のコンベアとして機能させた場合とは反対方向とすることで、円滑に行うことが可能である。即ち、スクリュー16を前記したように回転させた状態で、カッター15のケーシング15aに砂利を供給すると、供給された砂利は集水領域3の下穴側に搬送されて詰め込まれる。従って、ケーシング15a、スクリュー16の集水領域3からの引き抜きと、砂利の詰め込み量とを適度に調整することによって、集水領域3に対する砂利の圧密状態を調整することが可能となり、所望の圧密状態を実現して充填することが可能となる。
【0076】
また、集水領域3の下穴に対して砂利を圧密して充填した後、マンホール1内の作業員が棒状のもので集水領域3を突いて更に高い圧密状態を実現することも好ましい。このようにして地山Cに形成された下穴に砂利を充填して砂利層4を構成することによって、集水領域3を構成することが可能である。
【0077】
上記の如くして地山Cに砂利層4を有する集水領域3を形成した後、同図(e)に示すように、貫通穴2にブラケット7を取り付けると共にフィルタ8を取り付け、更に、ブラケット7に圧力設定弁6を取り付ける。
【0078】
上記した一連の作業をマンホール1の壁面に対して順に、或いは各工程毎に行うことによって、浮上防止構造Aを構成することが可能である。
【0079】
次に、第2の工法について図5により説明する。この工法は地山の透水係数が小さく、充分な透水性を有しない地山を対象としており、地山の透水係数に対応させて集水領域3を貫通穴2の径よりも大きい太さとなるように構成している。
【0080】
尚、本実施例では、不安定な地山を対象としており、集水領域3の下穴を形成する際に地山に安定剤を注入している。しかし、地山が充分に安定したものである場合、地山に対する安定剤の注入は必要ないことは当然である。
【0081】
また、第2の工法であっても地山に集水領域3の下穴を掘削するまでの工程(図4(a)、(b)の工程)は前述した第1の工法と同じであるため、図示及び説明を省略する。従って、図5を用いてマンホール1に貫通穴2を形成すると共にカッター15によって地山を掘削した状態以降の工程について説明する。
【0082】
1の工法と同じである。
【0083】
図5(a)に示すように、カッター15によって地山Cを掘削した後、ケーシング15aにポンプ17を接続して溶液型の水ガラス系の地盤安定剤18を供給し、このケーシング15aを介して地山Cに注入することで一時的に地山を安定させる。このとき、地盤安定剤18の注入タイミングとケーシング15aの引き抜きタイミングを限定するものではない。例えば、ケーシング15aの筒部分に地盤安定剤18が通過し得る程度の穴を形成した場合、地山Cに対する掘削状態を保持して地盤安定剤18を注入することが可能である。また、ケーシング15aを地山Cから引き抜きつつ、該ケーシング15aの先端から地盤安定剤18を注入しても良い。
【0084】
地山Cに於ける予め想定した集水領域3の周辺に地盤安定剤18を注入して安定させた後、同図(b)に示すように、貫通穴2を通して地山Cを拡径して集水領域3の下穴を形成する。このとき、地山Cは注入された地盤安定剤18により安定した状態を保持し、下穴を構成する表面部分が崩壊することがない。
【0085】
地山Cに目的の太さと深さからなる集水領域3の下穴を形成した後、この下穴に砂利を詰め込むと共に、詰め込んだ砂利を突き固めながら充填することで砂利層4を構成する。このようにして砂利層4を構成したとき、該砂利層4の周辺の地山Cには地盤安定剤18が残存している。
【0086】
上記の如くして砂利層4を有する集水領域3を形成した後、同図(c)に示すように、貫通穴2に吸引ポンプ19を接続して集水領域3から地盤安定剤18を吸引して排出する。このようにして集水領域3から地盤安定剤を排出することによって、集水領域4、砂利層4を介して安定した状態で地下水の通過を許容することが可能となる。
【0087】
上記の如くして地山Cに集水領域3を形成した後、同図(d)に示すように、貫通穴2にブラケット7を取り付けると共にフィルタ8を取り付け、更に、ブラケット7に圧力設定弁6を取り付ける。更に、上記した一連の作業をマンホール1の壁面に対して順に、或いは各工程毎に行うことによって、浮上防止構造Aを構成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明に係るマンホールの浮上防止構造は、既設のマンホール或いは新設のマンホールに利用して有利である。
【符号の説明】
【0089】
A 浮上防止構造
B 管路
C 地山
1 マンホール
2 貫通穴
3 集水領域
4 砂利層
6 圧力設定弁
7 ブラケット
7a 筒部
7b フック部
8 フィルタ
9 ターミナル
10 ホース
10a 袋ナット
15 カッター
15a ケーシング
15b ケーシングヘッド
16 スクリュー
16a カバー
17 ポンプ
18 地盤安定剤
19 吸引ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震時を含んで発生した浮力増大の要因となる過剰間隙水圧の増加又は地下水圧の増加を消散させるために壁面から地下水を排水して浮上を防ぐように構成したマンホールの浮上防止構造であって、
マンホールの壁面に形成され該壁面を貫通する貫通穴と、前記貫通穴に連通して地山に形成された集水領域と、を有し、
前記集水領域は、地山の地盤を置換した集水材によって構成されていることを特徴とするマンホールの浮上防止構造。
【請求項2】
前記集水領域は、前記貫通穴の径よりも大きい径を有することを特徴とする請求項1に記載したマンホールの浮上防止構造。
【請求項3】
前記貫通穴を介して前記集水領域に洗浄水を供給することで、該集水領域の集水材を洗浄し得るように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載したマンホールの浮上防止構造。
【請求項4】
前記貫通穴には、該貫通穴を介して前記集水領域に洗浄水を供給する供給部材を接続するための接続部材が配置されることを特徴とする請求項3に記載したマンホールの浮上防止構造。
【請求項5】
前記貫通穴には、過剰間隙水圧又は地下水圧が予め設定された圧力を越えたときに開放して地下水をマンホール内に排水する弁が配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載したマンホールの浮上防止構造。
【請求項6】
前記集水領域を構成する集水材は地山を構成する土砂の粒度よりも大きい粒度に調整された砂利及び又は砕石からなり、集水領域に対応する地山の土砂を排除した空間に前記砂利及び又は砕石を圧密して充填することで集水領域を構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載したマンホールの浮上防止構造。
【請求項7】
前記集水領域を構成する集水材は透水性を有し且つ土砂の通過を阻止し得る繊維体又は多孔質体からなり、集水領域に対応する地山の土砂を排除した空間に前記繊維体又は多孔質体を充填することで集水領域を構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載したマンホールの浮上防止構造。
【請求項8】
マンホールの壁面に形成された貫通穴を基準にして地山を切削すると共に土砂をマンホール側に排出して集水領域の下穴を形成する工程と、
前記集水領域の下穴に集水材を充填する工程と、
を含むことを特徴とするマンホールの浮上防止工法。
【請求項9】
マンホールの壁面に形成された貫通穴を基準にして地山を切削すると共に土砂をマンホール側に排出して集水領域の下穴を形成する工程と、
前記集水領域の下穴に、該集水領域の下穴の崩壊を防いで一時的に安定させる安定剤を充填する工程と、
前記安定剤を充填した集水領域の下穴に集水材を充填する工程と、
前記集水領域に存在する安定剤を吸引してマンホール側に排除する工程と、
を含むことを特徴とするマンホールの浮上防止工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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