説明

マンホールアンテナ

【課題】充分な無線電力を確保するとともに既存のマンホールに追加工を不要もしくは極力施さないで設置する構成を採用して、実用性の向上を図るマンホールアンテナを提供する。
【解決手段】マンホール蓋200の空気孔201の内部に入るような小型構造であって放射電波の指向性が広く電界強度が大きいチップアンテナ11を採用し、さらにベース部12がマンホール蓋200の空気孔201に嵌着されて、マンホール蓋200に取り付け可能になされたマンホールアンテナ10とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホール蓋に装着してマンホール内外で無線通信を行うためのマンホールアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
下水道では、マンホール内に監視装置を配置し、たとえば、工場等からの有害物質等を含む悪質排水についての監視や、または下水道を流れる下水の水位についての監視など、諸項目の環境データについて監視を行っている。このような監視装置で収集した環境データを、マンホール蓋に取り付けたアンテナ(以下、マンホールアンテナという)を介して無線通信により、例えば監視所などに設置されたデータ処理装置へ送信し、データ処理装置により必要な各種情報処理を行って、下水道の運用などに役立てている。
【0003】
このようなマンホールアンテナの従来技術について図を参照しつつ概略説明する。図8は従来技術のマンホールアンテナの説明図である。
図8で示すマンホールアンテナ100aは、直線状のアンテナ101であり、アンテナ101の端部では、樹脂やゴムなどの絶縁部102により外周が覆われている。このマンホールアンテナ100aの絶縁部102がマンホール蓋200に形成された既存の孔である、圧力逃げ用の空気孔201に嵌め込まれて配置され、アンテナ101の一端が外部に露出している。また、アンテナ101の他端はコネクタ103に接続されており、このコネクタ103を介して図示しない監視装置と、信号を伝送可能に接続される。監視装置には、図示しない水質センサや水位センサという環境センサが接続され、環境センサが取得した環境データを送信用の高周波信号に変換し、コネクタ103を介してアンテナ101で放射することで無線通信する。このようなマンホールアンテナ100aはマンホール蓋200の空気孔201内に固定されるため、取り付けが容易であるという利点がある。
【0004】
また、マンホールアンテナの他の従来技術について図を参照しつつ概略説明する。図9は従来技術の他のマンホールアンテナの説明図である。
図9で示すマンホールアンテナ100bのアンテナ111は周知のダイポールアンテナであり、アンテナ111のエレメントに垂直な方向では電磁波の放射が最大となることから上側方向に放射電波の指向性(図9中の楕円)が強く、電界強度(図9中の矢印)も大きい。このようなアンテナ111が、マンホール蓋200の凹部202の中に配置され、挿通孔203を介してマンホール蓋200の裏側にアンテナ111の他端が到達している。このアンテナ111の他端はコネクタ112に接続されており、このコネクタ112を介して図示しない監視装置にアンテナ111が通信可能に接続される。監視装置には、図示しない環境センサが接続され、環境センサが取得した環境データを送信用の高周波信号に変換し、コネクタ112を介してアンテナ111で放射することで無線通信する。このようなマンホールアンテナ100bは必要な無線電力を確保できるという利点がある。
【0005】
また、他のマンホールアンテナの従来技術として、例えば、特許文献1(実用新案登録第3061715号公報,考案の名称「マンホールの遠隔監視装置」),特許文献2(特開2004−7210号公報,発明の名称「スロットアンテナ」),特許文献3(特開2003−142909号公報,発明の名称「マンホールアンテナ」)などが開示されている。
【0006】
特許文献1に記載された従来技術は、マンホール蓋に形成された既存の孔である、空気孔にアンテナを配置し、このアンテナから無線信号を送信するというものである。
特許文献2に記載された従来技術は、マンホール蓋に形成された既存の孔である、鍵孔(マンホール蓋を開ける際に開蓋用の工具を挿入するための孔)にスロットアンテナを配置するというものである。
特許文献3に記載された従来技術は、マンホールの蓋に凹部を形成し、凹部内にアンテナを配置するというものである。
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3061715号公報(図4)
【特許文献2】特開2004−7210号公報(段落番号0013〜0025,図1〜図11)
【特許文献3】特開2003−142909号公報(段落番号0022〜0041,図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図8で示すマンホールアンテナ100aでは、アンテナ101が外部に露出する頂上部の面積はわずかであり、その多くがマンホール内部にある。アンテナは4〜8cm程度の長さを必要とし、しかもその長辺に対して垂直に感度がある。このため、マンホール内部に多くの部分があるアンテナ101から本来放射したくない不要な放射電波が放射されてしまい、しかもこの不要な放射電波の電界強度(図8中の下の矢印)が大きいため、外部に露出するアンテナ101の頂上部からの放射電波の電界強度(図8中の上の矢印)が小さくなってマンホール外での無線に充分な電力が確保できないというものであって、実用性は低いという問題がある。
マンホール蓋に形成された既存の孔である、空気孔にアンテナを配置し、このアンテナから無線信号を送信するという特許文献1に記載された従来技術、などでも同様に無線に充分な電力の確保ができないという問題がある。
【0009】
また、図9で示すマンホールアンテナ100bで用いるアンテナ111は、エレメントが4〜8cm程度の長さを確保したダイポールアンテナであり、マンホール蓋200の上面に水平に取り付けて、放射電波の指向性・電界強度を無線通信には充分な程度としている。しかしながら、図9でも明らかなように、マンホール蓋200の凹部202内にアンテナ111が配置されており、マンホール蓋200を新たに追加工する必要がある。この凹部形成という追加工は非常に高価で手間のかかる作業であり、コストの点で問題があった。
【0010】
また、マンホール蓋200の凹部202によりマンホール蓋200の強度が小さくなる。特に下水道の下水本管は道路等の地下に埋設されていることが多く、マンホール蓋200も、道路上に配置されていることが多い。このため、自動車等が通過するマンホール蓋200は充分な強度が必要であり、マンホール蓋200に対して凹部202を追加工することは、マンホール蓋200が薄くなるということであり、強度確保の観点から採用は困難であるという問題があった。
マンホールの蓋に凹部を形成し、凹部内にアンテナを配置するという特許文献3に記載された従来技術でもこのような問題を内包するものであった。
【0011】
このように、従来技術のマンホールアンテナでは、無線用の電力が不足したり、また、機械的強度の確保が必須のマンホールに追加工が必要となるなど、実用的観点から問題があった。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、充分な無線電力を確保するとともに既存のマンホールに追加工を不要もしくは極力施さないで設置する構成を採用して、実用性の向上を図るマンホールアンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
現在自治体等が所有するマンホール蓋には圧力逃げのための空気孔(またはマンホール蓋を明ける際に開蓋用の工具を挿入するための孔である鍵孔)が開いている。上記目的を達成するために、本発明ではそのマンホール蓋に形成された既存の孔である前記空気孔または鍵孔に入る形状のチップアンテナを採用することでマンホールに対する追加工を不要としたマンホールアンテナ、または、最小限の追加工を施すことで簡単に取り付けられるようなマンホールアンテナ、を実現するというものである。
【0014】
本発明の請求項1に係るマンホールアンテナは、
マンホールを塞ぐマンホール蓋に形成された既存の孔に装着するマンホールアンテナであって、
電気的な絶縁体によるベース部と、
高周波信号を送信する機能を有し、電気的に絶縁した状態で前記ベース部に固定するチップアンテナと、
前記チップアンテナと通信可能に接続し、前記チップアンテナへ送信用の高周波信号を伝送する伝送ケーブルと、
伝送ケーブルを覆う伝送ケーブル保護部と、
電気的な絶縁体であり、前記チップアンテナおよび前記ベース部を電気的に絶縁した状態で覆う絶縁保護部と、
前記ベース部、前記伝送ケーブル、前記伝送ケーブル保護部または前記絶縁保護部の少なくとも一つを支持しつつ前記既存の孔にて固定を行う固定部と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項2に係るマンホールアンテナは、
マンホールを塞ぐマンホール蓋に形成された既存の孔に装着するマンホールアンテナであって、
伝送ケーブル保護部を一体に含むベース部と、
高周波信号を送信する機能を有するチップアンテナと、
前記チップアンテナと通信可能に接続し、前記チップアンテナへ送信用の高周波信号を伝送する伝送ケーブルと、
電気的な絶縁体であり、前記チップアンテナの全面を電気的に絶縁した状態で覆うとともに前記ベース部に固定する絶縁保護部と、
前記ベース部、前記伝送ケーブル保護部、前記伝送ケーブルまたは前記絶縁保護部の少なくとも一つを支持しつつ前記既存の孔にて固定を行う固定部と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項3に係るマンホールアンテナは、
請求項1または請求項2に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記チップアンテナと前記伝送ケーブルとの間に介在する処理回路と、
前記処理回路を搭載した回路基板と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項4に係るマンホールアンテナは、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記固定部は、前記ベース部の一部であって前記既存の孔の内径より大きく、かつ前記既存の孔内で圧入により嵌着を行う円状の嵌着部を含み、前記ベース部を支持しつつ前記既存の孔にて固定を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項5に係るマンホールアンテナは、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記既存の孔は、断面テーパー状に形成されており、前記固定部は前記ベース部の一部であって、該ベース部の最大径は前記既存の孔の最大径よりも小さいとともに前記既存の孔の最小径よりも大きくして、前記既存の孔の内側面部と当接する当接部を含み、前記ベース部を支持しつつ前記既存の孔にて固定を行うことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項6に係るマンホールアンテナは、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記固定部は、前記マンホール蓋の裏面にて取付を行い、前記ベース部、前記伝送ケーブルまたは前記伝送ケーブル保護部を支持する支持部を含み、前記ベース部、前記伝送ケーブルまたは前記伝送ケーブル保護部を支持しつつ前記既存の孔にて固定を行うことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項7に係るマンホールアンテナは、
請求項6に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記支持部は、前記マンホール蓋の裏面に吸着するマグネットを含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項8に係るマンホールアンテナは、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記固定部は、前記絶縁保護部の一部であって前記既存の孔の内径より大きく、かつ前記既存の孔外周で係止する円状の係止部を含み、前記絶縁保護部を支持しつつ前記既存の孔にて固定を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項9に係るマンホールアンテナは、
請求項8に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記固定部は、マンホール蓋の裏面にて取り付けを行い、前記ベース部、前記伝送ケーブルまたは前記伝送ケーブル保護部にて保持する保持部を含み、前記係止部と前記保持部とで前記既存の孔を挟持して固定を行うことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項10に係るマンホールアンテナは、
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記伝送部の他端で通信可能に接続するコネクタを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上の本発明によれば、充分な無線電力を確保するとともに既存のマンホールに追加工を不要もしくは極力施さないで設置する構成を採用して、実用性の向上を図るマンホールアンテナを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
続いて、本発明を実施するための最良の形態のマンホールアンテナについて、図を参照しつつ説明する。図1は本形態のマンホールアンテナの構成図であり、図1(a)はマンホール蓋取付時のマンホールアンテナの断面構成図、図1(b)はマンホールアンテナの平面図である。
なお、本明細書中で上側とは地上側(図1(a)や図2では図の上側)を、また、下側とは地下側(図1(a)や図2では図の下側)を指すものであり、マンホールアンテナでも上側,下側という用語を用いて説明している。
マンホールアンテナ10は、チップアンテナ11、ベース部12、伝送ケーブル13、伝送ケーブル保護部14、絶縁保護部15、コネクタ16を備える。このマンホールアンテナ10は、地中に埋設されるマンホールを封じるためのマンホール蓋200に形成された既存の孔である、空気孔201に装着される。
【0026】
続いて、マンホールアンテナ10の構成について概略説明する。
チップアンテナ11は、チップ状の誘電体からなり、高周波信号を送受信する機能を有している。従来、小型平面状であってその平面の上部方向に指向性が強いというアンテナは存在しなかったが、このチップアンテナ11は、指向性が広く、略長方形板状であってその平面の上部方向も含めて指向性を確保し、さらに上部方向へ電界強度が大きい放射電波を発する機能を有している。さらにチップアンテナ11は、図1(b)でも明らかなように、空気孔201に入るような小型形状としている。ここに最近、多数自治体で採用されているマンホール蓋200の圧力逃がし用の空気孔201は直径12mm〜20mm程度であるが、チップアンテナ11は、この空気孔201内に収納可能な大きさとしている。
【0027】
ベース部12は、電気的な絶縁体により回転体の円錐台形として形成されている。ベース部12の大径面側が上側を向いている。ベース部12では円錐台形の中心軸に沿って挿通孔が形成されており、この挿通孔に伝送ケーブル13、伝送ケーブル保護部14が挿通されている。ベース部12の大径面上に配置されたチップアンテナ11と、伝送ケーブル13と、が高周波信号を伝送可能に接続されるとともに、ベース部12にチップアンテナ11が電気的に絶縁された状態で固定されている。ベース部12の大径面の直径はマンホール蓋200の空気孔201の直径よりも若干大きいようにしている。この空気孔201の直径は、上記のように直径12mm〜20mm程度となり、ベース部12の大径面の直径の具体的数値はマンホールアンテナ10を搭載するマンホール蓋200の空気孔201の直径に応じて決定される。
【0028】
伝送ケーブル13は、一端が上記のようにチップアンテナ11と通信可能に接続され、また、他端でコネクタ16と通信可能に接続されており、さらに伝送ケーブル13自体は伝送ケーブル保護部14によって覆われており外部から受ける力や電気的なノイズ等から保護されている。
伝送ケーブル保護部14は、例えば金属パイプのような筒体であってベース部12の挿通孔で固定されて抜け落ちることがないように構成されている。
絶縁保護部15は、電気的な絶縁体により形成され、チップアンテナ11を覆って電気的に絶縁しつつ、ベース部12まで覆うようにして固定されている。チップアンテナ11は、上側の絶縁保護部15と下側のベース部12により覆われて電気的に絶縁される。ここにチップアンテナ11、ベース部12、および絶縁保護部15は一体のアンテナ上部を形成する。
【0029】
コネクタ16は、上記のように伝送ケーブル13の他端に接続され、図示しない監視装置に接続された他のケーブルと伝送可能に接続される。監視装置には、図示しない環境センサ(例えば水質センサや水位センサなど)が接続されている。また、この監視装置は、無線通信のため、環境センサから送信された環境データを送信用の高周波信号に変換する携帯電話通信手段または小電力無線通信手段も備え、この高周波信号を送信する。
マンホールアンテナ10の構成はこのようなものである。
【0030】
続いて、マンホールアンテナ10のマンホール蓋200への取付について概略説明する。
絶縁保護部15を上側に、また、コネクタ16を下側に向けた状態のマンホールアンテナ10を、マンホール蓋200の空気孔201の上側から下側へ挿入する。すると、ベース部12の大径面の外周部が空気孔201の内径よりも大きく形成されていて空気孔201の上側で干渉して係止される。そこで、さらに空気孔201内にマンホールアンテナ10を押し込んで圧入すると、図1(a)で示すように、ベース部12の大径面の外周部が強固に空気孔201を押圧して固定され、円状の嵌着部12aとして機能する。本形態ではこの嵌着部12aが固定部となっている。このため、ベース部12は、例えば電気的絶縁体であって、さらに可撓性を有する絶縁樹脂や弾性ゴムという可撓性絶縁体を採用している。これにより、空気孔201内にマンホールアンテナ10を固定することができる(図5参照)。マンホールアンテナ10は空気孔201内に入り込んで固定されるため、例えば、車や人がマンホール蓋200の空気孔201付近を踏んだとしても、マンホールアンテナ10に無用な力が加わることがない。
【0031】
このようなマンホールアンテナ10では、チップアンテナ11が空気孔201内にあって安全が確保される。また、チップアンテナ11の指向性は少なくとも上側方向では強くなるとともに充分な電界強度の放射電波を放射できる状態で空気孔201に固定されるようにしており、上側に配置されている図示しない受信アンテナまで無線信号を到達させることができる。
また、取付自体は簡単にしており、作業性を向上させている。
また、ベース部12および絶縁保護部15によりチップアンテナ11は電気的な絶縁が確保されており、チップアンテナ11へ給電される無線電力がマンホール蓋200へ漏れ伝わるという事態は起こらない。
【0032】
続いて、他の形態のマンホールアンテナについて、図を参照しつつ説明する。図2は他の形態によるマンホール蓋取付時のマンホールアンテナの断面構成図である。
マンホールアンテナ20は、チップアンテナ21、ベース部22、伝送ケーブル23、伝送ケーブル保護部24、絶縁保護部25、コネクタ26、支持部27、マグネット28、留めねじ29を備える。このマンホールアンテナ20も、地中に埋設されるマンホールを封じるためのマンホール蓋200の空気孔201に装着される。
【0033】
続いて、マンホールアンテナ20の構成について概略説明する。
なお、チップアンテナ21、伝送ケーブル23、伝送ケーブル保護部24、絶縁保護部25、コネクタ26については、先に図1を用いて説明したチップアンテナ11、伝送ケーブル13、伝送ケーブル保護部14、絶縁保護部15、コネクタ16と同じ構成であり、重複する説明を省略する。
【0034】
ベース部22は、電気的な絶縁体により回転体の円錐台形として形成されている。ベース部22の大径面側が上側を向いている。ベース部22では円錐台形の中心軸に沿って挿通孔が形成されており、この挿通孔に伝送ケーブル23、伝送ケーブル保護部24が挿通されている。ベース部22の大径面上に配置されたチップアンテナ21と、伝送ケーブル23と、が高周波信号を伝送可能に接続されるとともに、ベース部22にチップアンテナ21が電気的に絶縁された状態で固定されている。なお、ベース部22の大径面の直径はマンホール蓋200の空気孔201の直径よりも小さくしており、先に説明したような嵌着部12aを構成しない。この空気孔201の直径は、上記のように直径12mm〜20mm程度となり、ベース部22の大径面の直径の具体的数値はマンホールアンテナ20を搭載するマンホール蓋200の空気孔201の直径に応じて決定される。
【0035】
支持部27は、多段円板状に形成されており、上側の大径板27aと下側の小径板27bとを有する。また、中央に挿通孔が形成されている。また、小径板27bの半径方向にねじ孔が設けられている。
マグネット28は支持部27の大径板27aに固定されて、図2でも明らかなように磁力によりマンホール蓋200に支持部27が強固に固定される。なお、図2の断面ではマグネット28はリング状に形成されているものとして説明しているが、リング状に限定する趣旨ではなく、例えば、多数のマグネット28が放射状に配置されるようにしても良い。少なくともマンホールアンテナ20が落下しないように充分な磁力により支持部27が固定されるようになされていればよい。
【0036】
留めねじ29は、支持部27の小径板27bに螺挿されており、図2でも明らかなように留めねじ29が伝送ケーブル保護部24を押さえつけることで、伝送ケーブル保護部24に支持部27が強固に固定され、アンテナ上部も支持部27に固定される。
マンホールアンテナ20の構成はこのようなものである。
【0037】
続いて、マンホールアンテナ20のマンホール蓋200への取付について概略説明する。例えば、マンホール蓋200を半開きにした状態とする。ここに取付前ではマンホールアンテナ20は、留めねじ29を緩めておくものとする。
まず、チップアンテナ21、ベース部22、および絶縁保護部25によるアンテナ上部を空気孔201の下側から上側へ押し込む。次にマグネット28をマンホール蓋200に吸着させつつ支持部27をマンホール蓋200の裏側で固定する。この際、支持部27の位置が空気孔201に対して同軸になるように調整する。最後に伝送ケーブル保護部24を上側から下側へ引っ張ってアンテナ上部を移動させ、ベース部22の下側の小径面が支持部27に到達・接触したときに留めねじ29を締め付けて固定する。
【0038】
このようなマンホールアンテナ20では、空気孔201内にマンホールアンテナ20を固定することができる。マンホールアンテナ20も空気孔201内に入り込んで固定されるため(図5参照)、例えば、車や人がマンホール200を踏んだとしても、マンホールアンテナ20が空気孔201内にあって無用な力が加わることがなく、マンホールアンテナ20の安全が確保される。
【0039】
また、チップアンテナ21の指向性は上側に強くなる状態で空気孔201に固定されるようにしており、上側に配置されている図示しない受信アンテナまで無線信号を到達させることができる。
【0040】
また、ベース部22および絶縁保護部25によりチップアンテナ21に対する電気的な絶縁が確保されており、チップアンテナ21へ給電される無線電力がマンホール蓋200へ漏れるという自体は起こらない。
また、取付自体を簡単にすることで、作業性を向上させている。
また、下水用のマンホールではマンホール内の気圧が急激に上昇することがあるが、支持部27が抜け止めの機能を果たすことにより、マンホールアンテナ20が抜けてしまうという事態が発生しないようにしている。
【0041】
なお、この形態では先に図1(a)で説明したな嵌着部12aは特に必要ないが、固定をより強固なものとするため、敢えて嵌着部を形成することも可能である。嵌着部が空気孔201を封止して雨水等の侵入も防止する。
また、支持部27では留めねじ29が伝送ケーブル保護部24を固定する構成を採用しているが、図示しないがこれ以外にも、支持部27で留めねじ29がベース部22または伝送ケーブル23を固定したり、さらには、複数の留めねじで複数箇所にてベース部22、伝送ケーブル23または伝送ケーブル保護部24の中から選択した二個、または全てを同時に固定するようにしても良い。
また、マグネット28に代えて、空気孔201やマンホール蓋200に取付を行う他の手段(ねじや粘着部等)を採用しても良い。
【0042】
図3に、マンホールアンテナ20を別のマンホール蓋200へ適用した場合の断面構成図を示す。このマンホール蓋200は昔から多く採用されていたものであり、蓋断面の空気孔201の形状がテーパー状となっている。具体的には、マンホール蓋200表面(図3の上側であり地上側)での空気孔201の直径は23mmと最大径をなし、表面から鉛直下方(図3の下側であり地下側)に向かって徐々に径が小さくなっていき、蓋底面での空気孔201の直径は15ないし16mmとなっている。
なお、ベース部22は、上記のように電気的な絶縁体により回転体の円錐台形を成しているが、これはこのタイプのマンホール蓋にベース部22が挿入できることを意図しているためでもある。
【0043】
このような空気孔201内にマンホールアンテナ20を収納する場合、ベース部22の最大径は、前記空気孔201の最大径よりも小さく、かつ前記空気孔201の最小径よりも大きくなる必要があり、適宜空気孔201の径に応じて決定される。勿論、ベース部22の最小径は、前記空気孔201の最小径よりも大きくなる必要があることは言うまでもない。
【0044】
このような構成のもとで、実際にマンホールアンテナ20をマンホール蓋200の空気孔201へ取り付けると、ベース部22の側部は断面テーパー状をなした空気孔201の内側部と当接する当接部22aで保持され、この部分で空気孔201はベース部22の自重を支えることになり、この場合は上記マンホール10のようにベース部12の嵌着部12aが空気孔201への圧入部として機能する場合とは異なっている。単にベース部22を空気孔201内へ挿入して載せるだけとなっている。なお、この形態で採用したマンホールアンテナ20では、前記当接部22aおよび支持部27とで固定部を形成している。
ところで、その他の構成については図2と同一となっているので、マンホールアンテナ20の構成および取付についての説明は以下、省略する。
【0045】
続いて、他の形態のマンホールアンテナについて、図を参照しつつ一括して説明する。図4は他の形態によるマンホールアンテナの構成図で、図4(a)はマンホールアンテナの縦断面図、図4(b)はマンホールアンテナのA−A線断面図、図4(c)はマンホールアンテナの側面図である。図5はマンホールアンテナの取付説明図である。図6はマンホール蓋取付時のマンホールアンテナの断面構成図である。
マンホールアンテナ30は、チップアンテナ31、ベース部32、伝送ケーブル33、絶縁保護部34、コネクタ35、保持部36、処理回路37、回路基板38を備える。このマンホールアンテナ30も、地中に埋設されるマンホールを封じるためのマンホール蓋200の空気孔201に装着される。
【0046】
続いて、マンホールアンテナ30の構成について概略説明する。
なお、チップアンテナ31、伝送ケーブル33、コネクタ35については、先に図1を用いて説明したチップアンテナ11、伝送ケーブル13、コネクタ16と同じ構成であり、重複する説明を省略する。
【0047】
ベース部32は、挿通孔を有する伝送ケーブル保護部32aが中心軸に沿って形成され、さらに一端にフランジ部が、他端にねじ部32bが形成された回転体である。フランジ部は、絶縁保護部34の抜け止めとして機能する。絶縁保護部34によりチップアンテナ31の絶縁が確保されるため、ベース部32は、電気的な絶縁体または導体のいずれでも良い。ベース部32に一体に含まれる伝送ケーブル保護部32aは円筒体であり、この円筒体の中心軸に沿う挿通孔に伝送ケーブル33が挿通されている。
【0048】
処理回路37は、チップアンテナ31と伝送ケーブル33との間に介在し、例えば伝送ケーブル33からの高周波信号に対して各種処理を行った上でチップアンテナ31へ送信する。処理回路37は、例えば抵抗・コンデンサ・コイル・半導体素子などによる回路である。
回路基板38は、通常の絶縁基板であってチップアンテナ31および処理回路37を搭載している。なお、図4(a)で示すようにチップアンテナ31の上側に回路基板38が位置しているが、チップアンテナ31は上側方向にも放射電波の指向性が強く、電界強度も大きいため、回路基板38に影響されることなく無線通信が可能である。
【0049】
絶縁保護部34により、チップアンテナ31および処理回路37を搭載した回路基板38が電気的に絶縁された状態で固定されている。なお、絶縁保護部34の頂上部にある大径面の直径はマンホール蓋200の空気孔201の直径よりも大きくして図6で示すように係止部34aを構成している。この空気孔201の直径は、上記のように直径12mm〜20mm程度となり、絶縁保護部34の大径面の直径の具体的数値はマンホールアンテナ30を搭載するマンホール蓋200の空気孔201の直径に応じて決定される。
【0050】
保持部36は、円板状であって、中央にねじ孔36aが形成されている。このねじ孔36aには伝送ケーブル33、コネクタ35が通過できるような径で形成されている。また、保持部36の外周面では手指が滑らないように溝なども形成されている。保持部36は、ベース部32のねじ部32bに螺挿されて、上下方向に移動できるようになされている。
マンホールアンテナ30の構成はこのようなものである。
【0051】
続いて、マンホールアンテナ30のマンホール蓋200への取付について概略説明する。例えば、マンホール蓋200を半開きにした状態とする。
まず、ベース部32および絶縁保護部34によるアンテナ上部を空気孔201に押し込む。すると、絶縁保護部34の大径面の外周部である係止部34aが空気孔201の内径よりも大きく形成されていて空気孔201の上側で干渉して係止される。続いて、保持部36のねじ孔36aにコネクタ35および伝送ケーブル33を挿通させて、さらに保持部36をねじ留めする。すると、係止部34aと保持部36とで空気孔201の上下で係止されて空気孔201を挟持してマンホール蓋200に固定される。本形態では係止部34aと保持部36とで固定部を構成する。なお、図6では図をわかりやすくするため、係止部34aはマンホール蓋200から突出して描かれているが、実際は図5で示すように空気孔201の上側は段が形成されており、空気孔201から突出しないようなされる。
【0052】
このようなマンホールアンテナ30では、空気孔201内にマンホールアンテナ30を固定することができる。マンホールアンテナ30も空気孔201内に入り込んで固定されるため、例えば、車や人がマンホール200を踏んだとしても、マンホールアンテナ30が空気孔201内にあって無用な力が加わることがなく、マンホールアンテナ30の安全が確保される。
【0053】
また、チップアンテナ31の指向性は上側に強くなる状態で空気孔201に固定されるようにしており、上側に配置されている図示しない受信アンテナまで無線信号を到達させることができる。
【0054】
また、絶縁保護部34により電気的な絶縁が確保されており、チップアンテナ31に給電される無線電力がマンホール蓋200へ漏れるという自体は起こらない。
また、取付自体を簡単にすることで、作業性を向上させている。
また、下水用のマンホールではマンホール内の気圧が急激に上昇することがあるが、保持部36が抜け止めの機能を果たすことにより、マンホールアンテナ30が抜けてしまうという事態が発生しないようにしている。また、係止部34aが空気孔201を封止して雨水等の侵入も防止する。
【0055】
また、保持部36はベース部32(の伝送ケーブル保護部32a)に保持される構成を採用しているが、これ以外にも、マンホールアンテナ10または20で説明したような伝送ケーブル33を覆う円筒状の伝送ケーブル保護部(図示せず)をさらに設け、保持部36が該伝送ケーブル保護部を固定しても良い。また、伝送ケーブル33を固定しても良い。さらには、複数箇所にてベース部32、伝送ケーブル33または伝送ケーブル保護部32aの中から選択した二個、または全てを同時に固定するようにしても良い。
【0056】
続いて、他の形態のマンホールアンテナについて、図を参照しつつ一括して説明する。図7は他の形態によるマンホールアンテナの構成図であり、図7(a)は絶縁保護部を除くマンホールアンテナの内観図、図7(b)は絶縁保護部を除くマンホールアンテナのB−B線断面図、図7(c)はマンホールアンテナの正面図、図7(d)はマンホールアンテナの側面図である。
マンホールアンテナ40は、チップアンテナ41、ベース部42、伝送ケーブル43、絶縁保護部44、コネクタ45、保持部46、処理回路47、回路基板48を備える。このマンホールアンテナ40も、地中に埋設されるマンホールを封じるためのマンホール蓋の空気孔に装着される。
【0057】
続いて、マンホールアンテナ40の構成について概略説明する。
なお、チップアンテナ41、伝送ケーブル43、コネクタ45、保持部46、処理回路47、回路基板48については、先に図4を用いて説明したチップアンテナ31、伝送ケーブル33、コネクタ35、保持部36、処理回路37、回路基板38と同じ構成であり、重複する説明を省略する。
【0058】
ベース部42は、挿通孔を有する伝送ケーブル保護部42aが中心軸に沿って形成され、さらにねじ部42bが形成された回転体である。縦方向に立った状態の回路基板48がベース部42に電気的に絶縁された状態で固定され、さらに絶縁保護部44により全体が覆われてチップアンテナ41の絶縁が確保されるため、ベース部42は、電気的な絶縁体または導体のいずれでも良い。伝送ケーブル保護部42aは円筒体であり、この円筒体の中心軸に沿う挿通孔に伝送ケーブル43が挿通されている。
【0059】
絶縁保護部44により、チップアンテナ41および処理回路47を搭載した回路基板48が電気的に絶縁された状態で固定されている。なお、絶縁保護部44の頂上部にある大径面の直径はマンホール蓋の空気孔の直径よりも大きくして係止部(図6の係止部34aと同じ構成である)となるように構成している。空気孔の直径は、直径12mm〜20mm程度となり、絶縁保護部44の大径面の直径の具体的数値はマンホールアンテナ40を搭載するマンホール蓋の空気孔の直径に応じて決定される。
【0060】
ねじ部49は、回路基板48をベース部42に固定する。
本形態ではチップアンテナ41の側面が上側を向いた構成であるが、このようなチップアンテナ41は側面から上側方向へ放射される放射電波も指向性が強く、電界強度が大きいため、上側に配置されている図示しない受信アンテナまで無線信号を到達させることができる。マンホールアンテナ40の構成はこのようなものである。
なお、マンホールアンテナ40のマンホール蓋への取付は、先に図6を用いて説明したマンホールアンテナ30の取付と同じであり、重複する説明を省略する。
【0061】
このようなマンホールアンテナ40では、空気孔内にマンホールアンテナ40を固定することができる。マンホールアンテナ40も空気孔内に入り込んで固定されるため、例えば、車や人がマンホールを踏んだとしても、マンホールアンテナ40が空気孔内にあって無用な力が加わることがなく、マンホールアンテナ40の安全が確保される。
【0062】
また、チップアンテナ41の指向性は上側に強くなる状態で空気孔に固定されるようにしており、上側に配置されている図示しない受信アンテナまで無線信号を到達させることができる。
また、絶縁保護部44により電気的な絶縁が確保されており、チップアンテナ41に給電される無線電力がマンホール蓋へ漏れるという自体は起こらない。
【0063】
また、取付自体を簡単にすることで、作業性を向上させている。
また、下水用のマンホールではマンホール内の気圧が急激に上昇することがあるが、保持部46が抜け止めの機能を果たすことにより、マンホールアンテナ40が抜けてしまうという事態が発生しないようにしている。また、係止部が空気孔を封止して雨水等の侵入も防止する。
【0064】
また、保持部46はベース部42(の伝送ケーブル保護部42a)に保持される構成を採用しているが、これ以外にも、マンホールアンテナ10または20で説明したような伝送ケーブル43を覆う円筒状の伝送ケーブル保護部(図示せず)をさらに設け、保持部46が該伝送ケーブル保護部を固定しても良い。また、伝送ケーブル43を固定しても良い。さらには、複数箇所にてベース部42、伝送ケーブル43または伝送ケーブル保護部42aの中から選択した二個、または全てを同時に固定するようにしても良い。
【0065】
以上本発明の各種形態について説明した。
なお、チップアンテナ11,21,31,41や伝送ケーブル13,23,33,43では、伝送ケーブル13,23,33,43を介して監視装置から伝送された送信用の高周波信号をチップアンテナ11,21,31,41から送信するものとして説明したが、この送信機能に加えてさらにチップアンテナ11,21,31,41が受信した受信用の高周波信号をケーブル13,23,33,43を介して図示しない監視装置へ伝送する送受信兼用の構成としても良い。送信専用、または送受信兼用とするかは適宜選択される。
【0066】
また、先に説明した各形態では原則としてマンホールを追加工することなく収納できる小型のチップアンテナ11,21,31,41を採用しているものとして説明したが、例えば携帯電話通信手段(データ通信用を含む)または小電力無線通信手段のチップアンテナでマンホール上面方向に指向性をさらに強くするためには、少し大型のチップアンテナを用いる必要がある。そこで、例えば、径18mmの空気孔201に対して孔径を20mmまで拡げるという追加工を施すことが必要になることもあるが、それでも一個の空気孔201の径の拡大という簡単な加工のみならばマンホール蓋200が強度不足になるという事態は起きないため、マンホール蓋200の強度を維持することができる。
【0067】
また、図1,図2を用いて説明したマンホールアンテナ10,20ではチップアンテナ11,21は、単体の誘電体チップを想定して説明したが、図3〜図5を用いて説明したマンホールアンテナ30のように、伝送ケーブルとチップアンテナとの間に介在して電気的に接続される処理回路と、この処理回路が搭載された回路基板と、をさらに備えて基板にチップアンテナが搭載されたユニットによるチップアンテナを採用しても良い。
逆に、図3〜図5を用いて説明したマンホールアンテナ30,40も単体の誘導体チップによるチップアンテナとしても良い。
【0068】
また、マンホールアンテナ10で採用した嵌着部12aによる固定部、マンホールアンテナ20で採用した支持部27による固定部または同じくマンホールアンテナ20で採用した支持部27および当接部22aによる固定部、マンホールアンテナ30で採用した保持部36および係止部34aによる固定部を、マンホールアンテナ10,20,30,40で適宜入れ替えて採用しても良い。
このようにしても本発明の実施は可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明を実施するための最良の形態のマンホールアンテナの構成図であり、図1(a)はマンホール蓋取付時のマンホールアンテナの断面構成図、図1(b)はマンホールアンテナの平面図である。
【図2】他の形態によるマンホール蓋取付時のマンホールアンテナの断面構成図である。
【図3】別のマンホール蓋へ適用した場合のマンホールアンテナの断面構成図である。
【図4】他の形態によるマンホールアンテナの構成図であり、図4(a)はマンホールアンテナの縦断面図、図4(b)はマンホールアンテナのA−A線断面図、図4(c)はマンホールアンテナの側面図である。
【図5】マンホールアンテナの取付説明図である。
【図6】マンホール蓋取付時のマンホールアンテナの断面構成図である。
【図7】他の形態によるマンホールアンテナの構成図であり、図7(a)は絶縁保護部を除くマンホールアンテナの内観図、図7(b)は絶縁保護部を除くマンホールアンテナのB−B線断面図、図7(c)はマンホールアンテナの正面図、図7(d)はマンホールアンテナの側面図である。
【図8】従来技術のマンホールアンテナの説明図である。
【図9】従来技術の他のマンホールアンテナの説明図である。
【符号の説明】
【0070】
10:マンホールアンテナ
11:チップアンテナ
12:ベース部
12a:嵌着部
13:伝送ケーブル
14:伝送ケーブル保護部
15:絶縁保護部
16:コネクタ
20:マンホールアンテナ
21:チップアンテナ
22:ベース部
22a:当接部
23:伝送ケーブル
24:伝送ケーブル保護部
25:絶縁保護部
26:コネクタ
27:支持部
27a:大径板
27b:小径板
28:マグネット
29:留めねじ
30:マンホールアンテナ
31:チップアンテナ
32:ベース部
32a:伝送ケーブル保護部
32b:ねじ部
33:伝送ケーブル
34:絶縁保護部
35:コネクタ
36:保持部
36a:ねじ孔
37:処理回路
38:回路基板
40:マンホールアンテナ
41:チップアンテナ
42:ベース部
42a:伝送ケーブル保護部
42b:ねじ部
43:伝送ケーブル
44:絶縁保護部
45:コネクタ
46:保持部
46a:ねじ孔
47:処理回路
48:回路基板
49:ねじ部
200:マンホール蓋
201:空気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホールを塞ぐマンホール蓋に形成された既存の孔に装着するマンホールアンテナであって、
電気的な絶縁体によるベース部と、
高周波信号を送信する機能を有し、電気的に絶縁した状態で前記ベース部に固定するチップアンテナと、
前記チップアンテナと通信可能に接続し、前記チップアンテナへ送信用の高周波信号を伝送する伝送ケーブルと、
伝送ケーブルを覆う伝送ケーブル保護部と、
電気的な絶縁体であり、前記チップアンテナおよび前記ベース部を電気的に絶縁した状態で覆う絶縁保護部と、
前記ベース部、前記伝送ケーブル、前記伝送ケーブル保護部または前記絶縁保護部の少なくとも一つを支持しつつ前記既存の孔にて固定を行う固定部と、
を備えることを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項2】
マンホールを塞ぐマンホール蓋に形成された既存の孔に装着するマンホールアンテナであって、
伝送ケーブル保護部を一体に含むベース部と、
高周波信号を送信する機能を有するチップアンテナと、
前記チップアンテナと通信可能に接続し、前記チップアンテナへ送信用の高周波信号を伝送する伝送ケーブルと、
電気的な絶縁体であり、前記チップアンテナの全面を電気的に絶縁した状態で覆うとともに前記ベース部に固定する絶縁保護部と、
前記ベース部、前記伝送ケーブル保護部、前記伝送ケーブルまたは前記絶縁保護部の少なくとも一つを支持しつつ前記既存の孔にて固定を行う固定部と、
を備えることを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記チップアンテナと前記伝送ケーブルとの間に介在する処理回路と、
前記処理回路を搭載した回路基板と、
を備えることを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記固定部は、前記ベース部の一部であって前記既存の孔の内径より大きく、かつ前記既存の孔内で圧入により嵌着を行う円状の嵌着部を含み、前記ベース部を支持しつつ前記既存の孔にて固定を行うことを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記既存の孔は、断面テーパー状に形成されており、前記固定部は前記ベース部の一部であって、該ベース部の最大径は前記既存の孔の最大径よりも小さいとともに前記既存の孔の最小径よりも大きくして、前記既存の孔の内側面部と当接する当接部を含み、前記ベース部を支持しつつ前記既存の孔にて固定を行うことを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項6】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記固定部は、前記マンホール蓋の裏面にて取付を行い、前記ベース部、前記伝送ケーブルまたは前記伝送ケーブル保護部を支持する支持部を含み、前記ベース部、前記伝送ケーブルまたは前記伝送ケーブル保護部を支持しつつ前記既存の孔にて固定を行うことを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項7】
請求項6に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記支持部は、前記マンホール蓋の裏面に吸着するマグネットを含むことを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項8】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記固定部は、前記絶縁保護部の一部であって前記既存の孔の内径より大きく、かつ前記既存の孔外周で係止する円状の係止部を含み、前記絶縁保護部を支持しつつ前記既存の孔にて固定を行うことを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項9】
請求項8に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記固定部は、マンホール蓋の裏面にて取り付けを行い、前記ベース部、前記伝送ケーブルまたは前記伝送ケーブル保護部にて保持する保持部を含み、前記係止部と前記保持部とで前記既存の孔を挟持して固定を行うことを特徴とするマンホールアンテナ。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のマンホールアンテナにおいて、
前記伝送部の他端で通信可能に接続するコネクタを備えることを特徴とするマンホールアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−109556(P2008−109556A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292253(P2006−292253)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】