説明

マンホール蓋受け枠

【課題】 通常のマンホール蓋を使用していても、除雪車の除雪板が移動したとき、マンホール蓋が損傷することを防止する。
【解決手段】 マンホール蓋受け枠本体2の上端部に設けられた突部16が、マンホール蓋受け枠本体2の周方向に沿って間隔をおいて、複数設けられている。各突部16は、マンホール蓋受け枠本体2の内周面よりも外側にそれの上端部よりも上方に頂部16tを有し、この頂部16tからマンホール蓋受け枠本体2の内周面まで内側湾曲部16iを内周面側に凸に形成し、頂部16tから外側に凸である外側湾曲部16oを形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホール蓋を収容するマンホール蓋受け枠に関し、特に除雪車の除雪板が引っかからないようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記のように除雪車の除雪板が引っかからないようにしたマンホール受け枠としては、特許文献1に開示されたようなものがある。特許文献1の技術では、マンホール蓋受け枠は、外周部に、除雪板の案内面を設け、この案内面を上方へ湾曲する曲面として、この傾斜案内面の深さ及び幅を予め定めた範囲に限定したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2632629号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、傾斜案内面が上方へ湾曲する曲面に構成されているので、除雪板がその頂に円滑に案内される。また、傾斜面の深さや幅を上述したような寸法に設定してあるので、頻繁に路面を補修する必要がなくなる。しかし、特許文献1の技術によれば、なんらかの原因でマンホール蓋が傾斜したり、浮いたりして、その上面の少なくとも一部がマンホール蓋受け枠の上面よりも高くなっている状態において、除雪車の除雪板がマンホール蓋受け枠側からマンホール蓋側に移動したときに、マンホール蓋に除雪板が衝突して、マンホール蓋を損傷する可能性がある。これを回避するために、例えばマンホール蓋の外周面を面取りしたマンホール蓋が使用されている。しかし、このような面取りしたマンホール蓋を使用しなければならない場合、既存のマンホール蓋が面取りしたものでなければ、まだ使用可能であっても新たに面取りしたマンホール蓋を準備しなければならない。
【0005】
本発明は、除雪板が通過したとき、面取りのような特殊な処理をしたマンホール蓋を使用していなくても、マンホール蓋に損傷を与えることのないマンホール蓋受け枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のマンホール蓋受け枠は、マンホール蓋受け枠本体と、このマンホール蓋受け枠本体の上端部にその周方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の突部とを、具備している。前記各突部は、前記マンホール蓋受け枠本体の内周面よりも外側に前記上端部よりも上方に頂部を有している。この頂部から前記内周面まで内側湾曲部が、前記内周面側に凸に形成されている。また、頂部から外側に外側湾曲部が、前記外側に凸に形成されている。
【0007】
このように構成されたマンホール蓋受け枠では、路面からマンホール受け枠本体上に除雪板が乗り移るとき、マンホール受け枠本体上端部より突出している突部の外側湾曲部に案内されて、突部の頂部に到達する。従って、マンホール蓋が傾斜したり、浮いたりした状態でマンホール受け枠本体に取り付けられていたとしても、マンホール蓋に除雪板が衝突することがなく、マンホール蓋に大きな衝撃が加わることがない。その結果、マンホール蓋が傾斜したり、浮いたりしてマンホール受け枠本体に取り付けられることを想定し、マンホール蓋の外周面に面取りを施し、マンホール蓋に衝撃緩和機能を持たせる必要が無く、一般のマンホール蓋を使用することができる。
【0008】
除雪板が突部の頂部に到達したとき、除雪板全体がマンホール受け枠本体に跨っていることがある。この場合、マンホール蓋が傾斜したり、浮いたりした結果、マンホール蓋の少なくとも一部がマンホール受け枠本体の上端部から突出していても、上端部から沈んでいても、除雪板は突部の頂部上を移動していくので、マンホール蓋に除雪板が衝突することはない。
【0009】
また、除雪板が突部の頂部に到達したとき、除雪板の一方の端部がマンホール蓋上にあり、除雪板の中途がマンホール受け枠上端部の突部の頂部に位置し、上記除雪板の一方の端部が上記除雪板の中途の部分よりも下に傾いていることがある。この場合、除雪板の一端部と中途との高さの差が、突部の高さ寸法よりも小さければ、除雪板が進行していき、やがて除雪板の一方の端部が、突部の内側湾曲部に接触するが、除雪板の一方の端部は突部の内側湾曲部に案内されて、突部の頂部に到達する。従って、除雪板がマンホール受け枠本体に衝突することがなく、マンホール受け枠本体が損傷することがない。
【0010】
しかも、各突部は、間隔をあけて形成されているので、マンホール蓋側にある雨水や解けた雪は、これら間隔を通過してマンホール蓋の外部に導出される。従って、これら雨水や解けた雪が、マンホール蓋上に滞留せず、マンホール蓋上で凍結することを防止することもできる。
【0011】
本発明の他の態様のマンホール蓋受け枠は、上記の態様において、突部を、このマンホール蓋受け枠本体の上端部全域にその周方向に沿って形成するように変更したものである。このマンホール蓋受け枠では、雨水や解けた雪の滞留防止以外の点で、上記態様のマンホール受け枠と同様に作用する。
【0012】
上記の2つの態様において、前記外側湾曲部の前記頂部と反対側の端部に連ねて水平部を形成することもできる。このように構成すると、このマンホール蓋受け枠を道路に埋設する場合、この水平部までアスファルトを充填すればよく、アスファルトの充填レベルの確認が容易になる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によるマンホール蓋受け枠では、面取りのような特殊な処理をしたマンホール蓋を使用しなくても、除雪板がマンホール受け枠に乗る際にマンホール蓋に損傷を与えることはないし、また、除雪板の一部が傾いた状態で突部とマンホール受け枠本体の上端部との間を移動しても、マンホール受け枠本体を損傷することはない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態のマンホール蓋受け枠にマンホール蓋を収容した状態の部分省略平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のマンホール蓋受け枠にマンホール蓋を収容した状態の斜視図である。
【図4】図2の部分拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のマンホール蓋受け枠上を除雪板が通過する2つの状態を示す概略平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のマンホール蓋受け枠に除雪板が接触した或る状態での突部の動作説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のマンホール蓋受け枠に除雪板が接触した別の状態での突部の動作説明図である
【図8】本発明の第2の実施形態のマンホール蓋受け枠にマンホール蓋を収容した状態の部分省略平面図である。
【図9】図6のB−B線に沿う縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態のマンホール蓋受け枠は、図3に示すように、マンホール蓋受け枠本体2を有している。このマンホール蓋受け枠本体2は、胴部4を有し、その下端部全周にフランジ6が形成されている。胴部4の外周面には、その周方向に沿って間隔をおいて補強部8が形成されている。この胴部4の内部に円形のマンホール蓋10が収容されている。胴部4は、図2に示すように、内部が空洞に形成されている。この胴部4では、フランジ6の内方端から上方に向かうに従って下部4aの外径が徐々に狭くなり、この下部4aの上端から中部4bの外径が徐々に広がり、中部4bの上端から上部4cの外径が中部4bの外径よりも大きく広がっている。上部4c及び中部4bの内周面は、上方から下方に向かうに従って内径が徐々に小さくなるテーパー面に形成され、このテーパー面によって、マンホール蓋10が支持されている。そのテーパー面の下端に台部4dが形成されている。
【0016】
図2に示すように、胴部4の上部4cの上端部は、外方側から内方側に向かって直線状に上昇する傾斜面12に形成されて、その先端である最も内方端部に水平面14が形成されている。この水平面14とマンホール蓋10の上面が一致している。但し、マンホール蓋10の上面を水平面14よりも低い位置にあるように配置することもあるし、当初は蓋10の上面は水平面14と同一の高さ位置であったものが、なんらかの原因で蓋10が傾いたり、浮いたりして、少なくともその一部が水平面14よりも突出した位置になることもある。この水平面14及びこれに連なる傾斜面12の部分には、図1に示すように、上部4cの周方向に沿って全周に、複数の突部16が間隔をおいて形成されている。
【0017】
これら突部16は、その平面形状が図1に示すように、概略長方形状で、図4に拡大して示すように、その縦断面形状が同一半径の円弧状であり、その頂点16tは、胴部4の上部の内周面よりも外方側に位置し、かつ水平面14よりも上方に位置している。この頂点16tから上部4cの内周面の上端まで、マンホール蓋10側に凸に湾曲した内側湾曲部16iに形成され、頂点16tから外側に所定距離の位置まで外側湾曲部16oが形成されている。この外側湾曲部16oの外方側の端は、水平面14と同一の高さ位置にある。
【0018】
この外側湾曲部16oの外方側の端部から、水平面18が外側に所定距離だけ伸び、これに続いて傾斜面12に向かって下方に傾斜した傾斜面20が形成されている。水平面18は、水平面14と同じ高さ位置にある。頂点16tと水平面14との距離は、マンホール蓋10が傾斜したり、浮いたりして、少なくとも一部が水平面14より突出したとしても、マンホール蓋10の一部が頂点16tよりも突出することが殆ど無いように、水平面14よりもマンホール蓋10の一部が突出すると予想される最大寸法よりも大きく選択されている。例えば、頂点16tと水平面14との距離は、1乃至5mmとすることができる。
【0019】
このように構成されたマンホール蓋受け枠を道路に敷設する際には、図4に一点鎖線で示すように、マンホール蓋10の上面と同じ高さ位置にある水平面14までアスファルトを充填する。水平面18を設けていることによって、アスファルトの充填レベルの確認を容易に行うことができる。
【0020】
このマンホール受け枠を例えば積雪地帯の道路に埋設し、このマンホール受け枠にマンホール蓋10を設置することがある。除雪車が道路を通過する際、その除雪車の除雪板18がマンホール受け枠本体2及びマンホール蓋10上を通過することがある。この場合、図5(a)に示すように、除雪板18がマンホール受け枠本体10全体がマンホール受け枠本体2に跨って通過する場合と、同図(b)に示すように、除雪板18の一方の端部から中途までの部分だけが、マンホール受け枠本体2及びマンホール蓋10上を通過する場合とがある。
【0021】
いずれの場合でも、除雪板18が道路面からマンホール受け枠本体2に乗り移る場合、図6に一点差線で左側に示すように除雪板18は、路面にその底面18bが接触し、突部16の外側湾曲部16oによって除雪板18の底面18bの先端が頂点16tに案内される。従って、図6に二点鎖線で示すように、マンホール蓋10が傾斜して、その一部が水平面14よりも上方に突出していたとしても、マンホール蓋10に除雪板18が接触することがなく、マンホール蓋10に衝撃が加わることがない。よって、マンホール蓋10に、除雪板が衝突したことによる衝撃緩和用に外周面を面取りした特殊なものを使用する必要が無く、既存のマンホール蓋を使用できる。マンホール蓋10全体が水平面14より浮いている場合でも、同様である。
【0022】
また、突部16の頂点16tに除雪板18が乗った後には、図6に破線で示すように、各突部16の頂点を繋ぐ面16tl上を除雪板18の底面18bが移動する。従って、図5(a)に示すように、除雪板18全体がマンホール受け枠本体2に跨って通過する場合、除雪板18の底面18bは、各突部16の頂点を繋ぐ面16tl上を水平に移動するので、マンホール蓋10の一部が図6に二点差線で示すように水平面14より突出していても、或いは図示していないが一部が水平面14より沈んでいても、マンホール蓋10に除雪板18が接触することはなく、マンホール蓋10に衝撃が加わることがなく、マンホール蓋10が破損することがない。マンホール蓋10全体が水平面14より浮いている場合でも、同様である。
【0023】
図5(b)に示したように除雪板18の一方の端部から中途までの部分だけが、マンホール受け枠本体2及びマンホール蓋10上を通過する場合で、マンホール蓋10の上方にある除雪板18の一方の端部が、マンホール受け枠本体2の突部16の頂点16tに接触している除雪板18の部分よりも下に傾いていることがある。このとき、マンホール蓋10の上方にある除雪板18の端部の底面18bの位置が、例えば突出しているマンホール蓋10の部分よりも上側に位置すれば、そのまま除雪板18が進行しても、マンホール蓋10に接触することはない。また、マンホール蓋10の上方にある除雪板18の端部が進行すると、図7に示すように、マンホール蓋10上にある除雪板18の端部の下面18bの先端が、突部16の内方側湾曲部16iに接触し、この内容側湾曲部16iによって頂点16tに案内される。従って、除雪板18の底面18bの先端がマンホール受け枠本体2の内周面に接触することがなく、マンホール受け枠本体2の内周面に衝撃が加わることがない。突部16の頂点16tに到達した後、除雪板18の底面18bは、その後端が外側湾曲部16oに案内されて、道路面に接地する。
【0024】
従来、マンホールの蓋が傾斜したり、浮いたりしている場合のマンホール受け枠本体への衝撃を緩和するために、マンホール蓋の外周面を面取りしたものを使用することがあった。上述したようなマンホール受け枠を使用すれば、マンホール蓋10の外周面に面取りを施さなくてもマンホール受け枠本体2への衝撃を緩和することが可能であり、面取りされていない一般的なマンホール蓋を使用することができる。また、マンホール蓋10が傾斜したり、浮いたりした状態で、マンホール受け枠本体2に取り付けられていても、除雪板18がマンホール蓋10に接触したり、マンホール受け枠本体2の内周面に接触したりすることもない。
【0025】
また、各突部16の間には間隔が形成されているので、マンホール蓋10の上面で解けた雪を、これら間隔からマンホール蓋受け枠16の外部に排出することができる。
【0026】
第2の実施形態のマンホール蓋受け枠を図8及び図9に示す。このマンホール受け枠は、突部160、水平面180及び傾斜面200の形状が異なる以外、第1の実施形態のマンホール蓋受け枠と同一の構成である。同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0027】
突部160は、図8に示すように、その平面形状が円状であって、その径は、第1の実施形態の突部16の長さ寸法よりも短い。突部160の縦断面形状は、第1の実施形態の突部16と同様に頂点、内側湾曲部及び外側湾曲部を有するものである。但し、外側湾曲部の外方側の端は、水平面14よりも低い位置にある。水平面180は、上面14と同じ高さ位置に位置するように外側湾曲部の中途に形成されている。この水平面180の周囲から傾斜面200が形成されている。
【0028】
このマンホール蓋受け枠も、第1の実施形態のマンホール蓋受け枠と同様に動作する。
【0029】
上記の2つの実施形態では、突部16は、その平面形状が長方形状のもの、突部160は、その平面形状が円状のものを示したが、これらに限ったものではなく、縦断面形状が外方湾曲部及び内方湾曲部を有し、それらの接続部に頂点を有するものであれば、他の平面形状を持つものとすることもできる。上記の2つの実施形態では、マンホール蓋10は、平面形状が円形のものを使用したが、これに限ったものではなく、平面形状が矩形のものを使用することもできる。この場合、受け枠本体も矩形状のものとなる。上記の2つの実施形態では、突部16、160は、その縦断面形状が同一半径の円弧状に形成したが、例えばその縦断面形状を楕円弧状に形成することもできるし、内側及び外側湾曲部の縦断面形状をそれぞれ異なる半径の複数の円弧を繋いだ形状とすることもできる。また、突部16間の間隔及び突部160間の間隔は、上記の2つの実施形態に示したものに限らず、排水効果を高めるために、上記の2つの実施形態に示したものよりも広くすることができる。また、上記の2つの実施形態では、複数の突部16、160を間隔をあけて上部4cの周方向に沿って形成したが、間隔を開けずに上部4cの周方向全域に1つの突部を環状に形成することもできる。
【符号の説明】
【0030】
2 マンホール蓋受け枠本体
10 マンホール蓋
16 160 突部
16t 頂点
16i 内方湾曲部
16o 外方湾曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホール蓋受け枠本体と、このマンホール蓋受け枠本体の上端部に設けられた突部とを、具備し、
前記突部は、前記マンホール蓋受け枠本体の周方向に沿って間隔をおいて、複数設けられており、
前記各突部は、前記マンホール蓋受け枠本体の内周面よりも外側に、前記上端部よりも上方に頂部を有し、この頂部から前記内周面まで形成され、前記内周面側に凸である内側湾曲部と、前記頂部から外側に形成され、前記外側に凸である外側湾曲部とを、有する
マンホール蓋受け枠。
【請求項2】
マンホール蓋受け枠本体と、このマンホール蓋受け枠本体の上端部に設けられた突部とを、具備し、
前記突部は、前記マンホール蓋受け枠本体の周方向に沿って前記マンホール蓋受け枠本体の上端部の全域に設けられており、
前記突部は、前記マンホール蓋受け枠本体の内周面よりも外側に、前記上端部よりも上方に頂部を有し、この頂部から前記内周面まで形成され、前記内周面側に凸である内側湾曲部と、前記頂部から外側に形成され、前記外側に凸である外側湾曲部とを、有する
マンホール蓋受け枠。
【請求項3】
請求項1または2記載のマンホール蓋受け枠において、前記外側湾曲部の前記頂部と反対側の端部に連ねて水平部が形成されているマンホール蓋受け枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−62662(P2012−62662A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206740(P2010−206740)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000125842)虹技株式会社 (26)
【Fターム(参考)】