マンホール蓋
【課題】本発明は必要な強度を満たすと共に、従来のマンホール蓋よりも重量が軽くてコストがかからない幹線道路等に用いることができるマンホール蓋を提供する。
【解決手段】鋳物製のマンホール蓋本体5のプレート部6の下面に井桁状の補強リブ7を設け、その補強リブ7の中央部に囲み部8を形成し、その囲み部8の内側に下縁を囲み部8の高さHより略半分程度低い高さhの補助リブ9,9をプレート部6の中心から放射状にX状に設ける。
【解決手段】鋳物製のマンホール蓋本体5のプレート部6の下面に井桁状の補強リブ7を設け、その補強リブ7の中央部に囲み部8を形成し、その囲み部8の内側に下縁を囲み部8の高さHより略半分程度低い高さhの補助リブ9,9をプレート部6の中心から放射状にX状に設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補強リブを設けたマンホール蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンホール蓋として一般にダクタイル鋳鉄等の金属材料で作られたプレート状のものが用いられているが、所要の機械的強度を保持するものを軽量化するため、裏面に補強リブが設けられている。
【0003】
そして国道や県道又は幹線道路のように、車両等の交通量が多い道路に使用されるマンホール蓋の破壊強度や耐久性は、それ以外の比較的交通量の少ない一般道路で使用されるマンホール蓋より当然に高いものであることを求められており、その機械的強度は一般道路用と、交通量の多い場所に用いられる2種の検査基準が定められている。
【0004】
例えば、直径634mmのマンホール蓋の場合、交通量の少ない一般道で使われるマンホール蓋では破壊検査機の載荷板(200mm×500mm)で120kNの荷重を加えた場合に、たわみが2.2mm以下、残留たわみが0.1mm以下で、400kNの荷重で破壊しないことが基準(以下、基準1という。)とされている。また、幹線道路等に使われる同径のマンホール蓋では、載荷板(200mm×500mm)で210kNの荷重を加えた場合に、たわみが2.2mm以下、残留たわみが0.1mm以下で、700kNの荷重で破壊しないことが基準(以下、基準2という。)とされている。
【0005】
図1、図2は直径634mmの従来のマンホール蓋の底面図とそのA−A線断面図で、1は金属製のマンホール蓋本体、2はマンホール蓋本体1のプレート部、3は前記プレート部2の裏面に井桁状に設けた補強リブ、4は補強リブ3の中央部に構成された囲い部で、Tはプレート部2の厚さ、Sは補強リブの幅、Hは囲い部4の高さを示している。
【0006】
表1は、上記基準1、基準2を満たすマンホール蓋M1、M2を、それぞれ基準2による荷重検査をした場合の結果を示すもので、M2よりT,Sの厚さと幅が薄く、且つ囲い部4の高さが低いM1のマンホール蓋では基準2を満たすことができない。即ち、交通量の多い道路用のマンホール蓋としては使用できない。
【0007】
【表1】
【0008】
表1からわかるように、上記幹線道路等に使用される基準2を満たすマンホール蓋M2は、その基準を満たすために、それ以外に使用されるマンホール蓋M1に比べて肉厚にし、囲み部の高さHを高くしているので、必然的にマンホール蓋M1より重くなると共にマンホール蓋に使用する材料の量が多くなりコストがかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】意匠登録第992775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は必要な強度を満たすと共に、従来のマンホール蓋よりも重量が軽くてコストがかからない幹線道路等に用いることができるマンホール蓋を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1記載の発明は、プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に下縁を囲み部の高さより低くした補助リブを放射状に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0012】
請求項2記載の発明は、プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に下縁をアーチ状とした補助リブを放射状に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0013】
請求項3記載の発明は、プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に湾曲した補助リブを卍状に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1又は3記載のマンホール蓋において、前記補助リブの下縁をアーチ状としたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマンホール蓋において、プレート部の裏面中央に設けた多角形状または環状の囲み部内に設けた補助リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補助リブとプレート部に一体に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマンホール蓋において、前記囲み部の外側のプレート部の裏面に、他の補強リブまたは補助リブより高さの低い補強リブを設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のマンホール蓋において、プレート部の裏面中央に設けた多角形状または環状の囲み部と補強リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補強リブ、囲い部とプレート部に一体に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、マンホール蓋の最も荷重のかかる中央部に囲み部を形成し、その囲み部内に補助リブを放射状に設けるか、または湾曲した補助リブを卍状に設けることにより、強度を必要とする中央部の強度を高め、その結果、マンホール蓋のプレート部の厚さを薄く、そして囲み部の高さを低くしても必要とする基準を満たすことができるため、マンホール蓋の製作に必要な材料を少なくすることができ、それによりマンホール蓋の重量を軽くすることができるので、マンホール蓋の運搬、取り扱い、特に開閉作業を容易にすることができる。
【0019】
又、補助リブの下縁をアーチ状とすることにより、荷重強度を保持しながら、一層の軽量化を図ることができ、更に補助リブを湾曲したものとすることにより、補強リブを設けた部分と振動特性を異ならしめて、車両通過時に発生する騒音を軽減させる効果が期待される。
【0020】
更に、囲み部内に設けた補助リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補助リブとプレート部に一体に設けることにより、プレート部中央の強度が増大し、また、前記囲み部の外側のプレート部の裏面に他の補強リブまたは補助リブより高さの低い補強リブを設けることにより、囲み部の外側のプレート部の強度が増大し、結果プレート部の肉厚を薄くすることが可能となり、蓋に用いる金属材料の使用量を低下させ、軽量、低コスト及び高強度のマンホール蓋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のマンホール蓋を示す底面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明の第1の実施例の底面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】本発明の第2の実施例の底面図。
【図6】図5のC−C線断面図。
【図7】本発明の第3の実施例の底面図。
【図8】図7のD−D線断面図。
【図9】本発明の第4の実施例の底面図。
【図10】図9のE−E線断面図。
【図11】本発明の第5の実施例の底面図。
【図12】図11のF−F線断面図。
【図13】本発明の第6の実施例の底面図。
【図14】図13のG−G線断面図。
【図15】本発明の第7の実施例の底面図。
【図16】図15のH−H線断面図。
【図17】本発明の第8の実施例の底面図。
【図18】図17のI−I線断面図。
【図19】図17のJ−J線一部截断面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0022】
図3と図4は本発明の実施例1の鋳物製のマンホール蓋の底面図とそのB−B線断面図を示すもので、5はマンホール蓋本体、6はマンホール蓋本体5のプレート部、7は前記プレート部6の下面に設けられた井桁状の補強リブ、8は補強リブ7の中央部に構成された囲み部、9,9は囲み部8の内側に放射状に設けた補助リブである。なお、この実施例の場合、2本の補助リブ9,9をX状に設けたが、補助リブは2本以上としてもよい。
【0023】
そうして、この実施例では図4に示すように、補助リブの高さhは、囲み部8の高さHよりも略半分程度低く設けられている。
【0024】
表2は、この実施例1の諸元と前記基準2による検査結果を示すものである。
【0025】
【表2】
【0026】
上記表2に示すように、当該実施例1のマンホール蓋は、たわみが1.45mm、残留たわみが0mmで、700kNの荷重で破壊しないという結果を得た。
【0027】
この結果から、本発明に係る実施例1のマンホール蓋は、上記基準2を満たす上記マンホール蓋M2よりも重量が少ないのにもかかわらず、残留たわみがM2よりも低く性能が高いことを示すと共に、基準2を満たしている。
【0028】
このようにマンホール蓋5の裏面中央部に設けた囲み部8に下線をアーチ状とした補助リブ9,9を放射状に設けることによりマンホール蓋M2より軽量で、マンホール蓋M2と同等の強度を得ることができる。
【実施例2】
【0029】
図5と図6は、実施例2の底面図とそのC−C線断面図を示すもので、この実施例と前記実施例1との相違点は、補助リブ9’,9’をX状に設けると共に、補助リブ9’,9’の各中央部を低く、囲み部8と連接する両端は囲み部8の下面と同じになるようなアーチ状の下縁とした点が異なり、性能的には実施例1と変わらないものを更に軽量に作成することができる。
【実施例3】
【0030】
図7と図8は、実施例3の底面図とそのD−Dの線断面図を示すもので、この実施例と前記実施例2との相違点は、下縁をアーチ状とした4本の補助リブ9”,9”,9”,9”をX状に設け、各補助リブ9”の中央部は低く、交叉部は囲み部8の高さと同一とした点が相違するが、性能的には実施例2と変わらないものである。
【実施例4】
【0031】
図9と図10は、実施例4の底面図とそのE−E線断面図を示すもので、この実施例の場合は、マンホール蓋本体10のプレート部11の裏面中央部に円形の囲み部12を形成し、その囲み部12外には、放射状に直線状の補強リブ13を設け、囲み部12内にも同じく直線状の補助リブ14,14を設け、該補助リブ14,14は、図10に示すように下縁をアーチ状とし、中央部の高さhには、囲み部11の高さHよりも略半分程度を低くしたものである。
【0032】
図9と図10に示した実施例4の場合も、実施例2及び3と同様にマンホール蓋の荷重強度を高めることができ、しかも軽量化を図ることができる。
【実施例5】
【0033】
図11と図12は実施例5の底面図とそのF−F線断面図を示すもので、15はマンホール蓋本体、16はマンホール蓋本体14のプレート部、17は前記プレート部16の下面に設けられた井桁状の補強リブ、18は補強リブ17の中央部に形成された囲み部、19,19は囲み部18の内側に卍状に設けた湾曲した補助リブである。
【0034】
この実施例5では図12に示すように、補助リブ19の高さhは、囲み部18の高さHよりも略半分程度低く設けられている。
【0035】
実施例5は補助リブを直線状とした前記実施例1〜4に対し、補助リブ19,19を湾曲したリブとしたものであるが,前記実施例1〜4と同様の荷重強度の強化並びに軽量化を図ることができるという効果を有すると共に、リブを湾曲したものとしたので、他の直線状の補強リブを設けた部分と振動特性が異なるため、その影響で車両通過時の振動音が低減させる効果がある。
【実施例6】
【0036】
図13と図14は、実施例6の底面図とそのG−G線断面図を示すもので、この実施例の場合は、マンホール蓋本体20のプレート部21の裏面中央部に円形の囲み部22を形成し、その囲み部22外には、放射状に直線状の補強リブ23を設け、囲み部22内には湾曲した補助リブ24,24を卍状に設けたもので、その効果は実施例4と同様である。
【0037】
実施例5及び実施例6の補助リブ19,24の下縁は直線状としたが、アーチ状とすることによって一層軽量化を図ることもできる。
【実施例7】
【0038】
図15と図16は、実施例7の底面図とそのH−H線断面図を示すもので、この実施例は、前記図3及び図4に示す実施例1のマンホール蓋の補助リブ9,9の交叉部に更に、強度強化肉付部9a,9a,9a,9aを設け、且つ囲み部8の外側のプレート部6の裏面に補強リブ7または補助リブ9の高さよりも低い補強リブ7a,7a,7a,7a(実施例では2mmの高さ)を設けたものである。
【0039】
この構成によると、プレート部6の厚さを実施例1の場合よりも更に薄くすることができ、従って、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
【実施例8】
【0040】
図17、図18と図19は、実施例8の底面図とそのI−I線断面図、J−J線一部截断面図を示すもので、この実施例は、前記図3及び図4に示す実施例1のマンホール蓋の補助リブ7と囲み部8の交叉部に強度強化肉付部7bを設けたものである。
【0041】
マンホール蓋にかかる荷重は補助リブ7と囲い部8の交叉部に集中するため、この構成によると、実施例1の場合よりもマンホール蓋の強度を高くすることができる。
【符号の説明】
【0042】
5 マンホール蓋本体
6 プレート部
7 補強リブ
8 囲い部
9 補助リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、補強リブを設けたマンホール蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンホール蓋として一般にダクタイル鋳鉄等の金属材料で作られたプレート状のものが用いられているが、所要の機械的強度を保持するものを軽量化するため、裏面に補強リブが設けられている。
【0003】
そして国道や県道又は幹線道路のように、車両等の交通量が多い道路に使用されるマンホール蓋の破壊強度や耐久性は、それ以外の比較的交通量の少ない一般道路で使用されるマンホール蓋より当然に高いものであることを求められており、その機械的強度は一般道路用と、交通量の多い場所に用いられる2種の検査基準が定められている。
【0004】
例えば、直径634mmのマンホール蓋の場合、交通量の少ない一般道で使われるマンホール蓋では破壊検査機の載荷板(200mm×500mm)で120kNの荷重を加えた場合に、たわみが2.2mm以下、残留たわみが0.1mm以下で、400kNの荷重で破壊しないことが基準(以下、基準1という。)とされている。また、幹線道路等に使われる同径のマンホール蓋では、載荷板(200mm×500mm)で210kNの荷重を加えた場合に、たわみが2.2mm以下、残留たわみが0.1mm以下で、700kNの荷重で破壊しないことが基準(以下、基準2という。)とされている。
【0005】
図1、図2は直径634mmの従来のマンホール蓋の底面図とそのA−A線断面図で、1は金属製のマンホール蓋本体、2はマンホール蓋本体1のプレート部、3は前記プレート部2の裏面に井桁状に設けた補強リブ、4は補強リブ3の中央部に構成された囲い部で、Tはプレート部2の厚さ、Sは補強リブの幅、Hは囲い部4の高さを示している。
【0006】
表1は、上記基準1、基準2を満たすマンホール蓋M1、M2を、それぞれ基準2による荷重検査をした場合の結果を示すもので、M2よりT,Sの厚さと幅が薄く、且つ囲い部4の高さが低いM1のマンホール蓋では基準2を満たすことができない。即ち、交通量の多い道路用のマンホール蓋としては使用できない。
【0007】
【表1】
【0008】
表1からわかるように、上記幹線道路等に使用される基準2を満たすマンホール蓋M2は、その基準を満たすために、それ以外に使用されるマンホール蓋M1に比べて肉厚にし、囲み部の高さHを高くしているので、必然的にマンホール蓋M1より重くなると共にマンホール蓋に使用する材料の量が多くなりコストがかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】意匠登録第992775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は必要な強度を満たすと共に、従来のマンホール蓋よりも重量が軽くてコストがかからない幹線道路等に用いることができるマンホール蓋を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1記載の発明は、プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に下縁を囲み部の高さより低くした補助リブを放射状に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0012】
請求項2記載の発明は、プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に下縁をアーチ状とした補助リブを放射状に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0013】
請求項3記載の発明は、プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に湾曲した補助リブを卍状に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1又は3記載のマンホール蓋において、前記補助リブの下縁をアーチ状としたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマンホール蓋において、プレート部の裏面中央に設けた多角形状または環状の囲み部内に設けた補助リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補助リブとプレート部に一体に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマンホール蓋において、前記囲み部の外側のプレート部の裏面に、他の補強リブまたは補助リブより高さの低い補強リブを設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のマンホール蓋において、プレート部の裏面中央に設けた多角形状または環状の囲み部と補強リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補強リブ、囲い部とプレート部に一体に設けたことを特徴とするマンホール蓋である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、マンホール蓋の最も荷重のかかる中央部に囲み部を形成し、その囲み部内に補助リブを放射状に設けるか、または湾曲した補助リブを卍状に設けることにより、強度を必要とする中央部の強度を高め、その結果、マンホール蓋のプレート部の厚さを薄く、そして囲み部の高さを低くしても必要とする基準を満たすことができるため、マンホール蓋の製作に必要な材料を少なくすることができ、それによりマンホール蓋の重量を軽くすることができるので、マンホール蓋の運搬、取り扱い、特に開閉作業を容易にすることができる。
【0019】
又、補助リブの下縁をアーチ状とすることにより、荷重強度を保持しながら、一層の軽量化を図ることができ、更に補助リブを湾曲したものとすることにより、補強リブを設けた部分と振動特性を異ならしめて、車両通過時に発生する騒音を軽減させる効果が期待される。
【0020】
更に、囲み部内に設けた補助リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補助リブとプレート部に一体に設けることにより、プレート部中央の強度が増大し、また、前記囲み部の外側のプレート部の裏面に他の補強リブまたは補助リブより高さの低い補強リブを設けることにより、囲み部の外側のプレート部の強度が増大し、結果プレート部の肉厚を薄くすることが可能となり、蓋に用いる金属材料の使用量を低下させ、軽量、低コスト及び高強度のマンホール蓋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のマンホール蓋を示す底面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明の第1の実施例の底面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】本発明の第2の実施例の底面図。
【図6】図5のC−C線断面図。
【図7】本発明の第3の実施例の底面図。
【図8】図7のD−D線断面図。
【図9】本発明の第4の実施例の底面図。
【図10】図9のE−E線断面図。
【図11】本発明の第5の実施例の底面図。
【図12】図11のF−F線断面図。
【図13】本発明の第6の実施例の底面図。
【図14】図13のG−G線断面図。
【図15】本発明の第7の実施例の底面図。
【図16】図15のH−H線断面図。
【図17】本発明の第8の実施例の底面図。
【図18】図17のI−I線断面図。
【図19】図17のJ−J線一部截断面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0022】
図3と図4は本発明の実施例1の鋳物製のマンホール蓋の底面図とそのB−B線断面図を示すもので、5はマンホール蓋本体、6はマンホール蓋本体5のプレート部、7は前記プレート部6の下面に設けられた井桁状の補強リブ、8は補強リブ7の中央部に構成された囲み部、9,9は囲み部8の内側に放射状に設けた補助リブである。なお、この実施例の場合、2本の補助リブ9,9をX状に設けたが、補助リブは2本以上としてもよい。
【0023】
そうして、この実施例では図4に示すように、補助リブの高さhは、囲み部8の高さHよりも略半分程度低く設けられている。
【0024】
表2は、この実施例1の諸元と前記基準2による検査結果を示すものである。
【0025】
【表2】
【0026】
上記表2に示すように、当該実施例1のマンホール蓋は、たわみが1.45mm、残留たわみが0mmで、700kNの荷重で破壊しないという結果を得た。
【0027】
この結果から、本発明に係る実施例1のマンホール蓋は、上記基準2を満たす上記マンホール蓋M2よりも重量が少ないのにもかかわらず、残留たわみがM2よりも低く性能が高いことを示すと共に、基準2を満たしている。
【0028】
このようにマンホール蓋5の裏面中央部に設けた囲み部8に下線をアーチ状とした補助リブ9,9を放射状に設けることによりマンホール蓋M2より軽量で、マンホール蓋M2と同等の強度を得ることができる。
【実施例2】
【0029】
図5と図6は、実施例2の底面図とそのC−C線断面図を示すもので、この実施例と前記実施例1との相違点は、補助リブ9’,9’をX状に設けると共に、補助リブ9’,9’の各中央部を低く、囲み部8と連接する両端は囲み部8の下面と同じになるようなアーチ状の下縁とした点が異なり、性能的には実施例1と変わらないものを更に軽量に作成することができる。
【実施例3】
【0030】
図7と図8は、実施例3の底面図とそのD−Dの線断面図を示すもので、この実施例と前記実施例2との相違点は、下縁をアーチ状とした4本の補助リブ9”,9”,9”,9”をX状に設け、各補助リブ9”の中央部は低く、交叉部は囲み部8の高さと同一とした点が相違するが、性能的には実施例2と変わらないものである。
【実施例4】
【0031】
図9と図10は、実施例4の底面図とそのE−E線断面図を示すもので、この実施例の場合は、マンホール蓋本体10のプレート部11の裏面中央部に円形の囲み部12を形成し、その囲み部12外には、放射状に直線状の補強リブ13を設け、囲み部12内にも同じく直線状の補助リブ14,14を設け、該補助リブ14,14は、図10に示すように下縁をアーチ状とし、中央部の高さhには、囲み部11の高さHよりも略半分程度を低くしたものである。
【0032】
図9と図10に示した実施例4の場合も、実施例2及び3と同様にマンホール蓋の荷重強度を高めることができ、しかも軽量化を図ることができる。
【実施例5】
【0033】
図11と図12は実施例5の底面図とそのF−F線断面図を示すもので、15はマンホール蓋本体、16はマンホール蓋本体14のプレート部、17は前記プレート部16の下面に設けられた井桁状の補強リブ、18は補強リブ17の中央部に形成された囲み部、19,19は囲み部18の内側に卍状に設けた湾曲した補助リブである。
【0034】
この実施例5では図12に示すように、補助リブ19の高さhは、囲み部18の高さHよりも略半分程度低く設けられている。
【0035】
実施例5は補助リブを直線状とした前記実施例1〜4に対し、補助リブ19,19を湾曲したリブとしたものであるが,前記実施例1〜4と同様の荷重強度の強化並びに軽量化を図ることができるという効果を有すると共に、リブを湾曲したものとしたので、他の直線状の補強リブを設けた部分と振動特性が異なるため、その影響で車両通過時の振動音が低減させる効果がある。
【実施例6】
【0036】
図13と図14は、実施例6の底面図とそのG−G線断面図を示すもので、この実施例の場合は、マンホール蓋本体20のプレート部21の裏面中央部に円形の囲み部22を形成し、その囲み部22外には、放射状に直線状の補強リブ23を設け、囲み部22内には湾曲した補助リブ24,24を卍状に設けたもので、その効果は実施例4と同様である。
【0037】
実施例5及び実施例6の補助リブ19,24の下縁は直線状としたが、アーチ状とすることによって一層軽量化を図ることもできる。
【実施例7】
【0038】
図15と図16は、実施例7の底面図とそのH−H線断面図を示すもので、この実施例は、前記図3及び図4に示す実施例1のマンホール蓋の補助リブ9,9の交叉部に更に、強度強化肉付部9a,9a,9a,9aを設け、且つ囲み部8の外側のプレート部6の裏面に補強リブ7または補助リブ9の高さよりも低い補強リブ7a,7a,7a,7a(実施例では2mmの高さ)を設けたものである。
【0039】
この構成によると、プレート部6の厚さを実施例1の場合よりも更に薄くすることができ、従って、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
【実施例8】
【0040】
図17、図18と図19は、実施例8の底面図とそのI−I線断面図、J−J線一部截断面図を示すもので、この実施例は、前記図3及び図4に示す実施例1のマンホール蓋の補助リブ7と囲み部8の交叉部に強度強化肉付部7bを設けたものである。
【0041】
マンホール蓋にかかる荷重は補助リブ7と囲い部8の交叉部に集中するため、この構成によると、実施例1の場合よりもマンホール蓋の強度を高くすることができる。
【符号の説明】
【0042】
5 マンホール蓋本体
6 プレート部
7 補強リブ
8 囲い部
9 補助リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に下縁を囲み部の高さより低くした補助リブを放射状に設けたことを特徴とするマンホール蓋。
【請求項2】
プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に下縁をアーチ状とした補助リブを放射状に設けたことを特徴とするマンホール蓋。
【請求項3】
プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に湾曲した補助リブを卍状に設けたことを特徴とするマンホール蓋。
【請求項4】
前記補助リブの下縁をアーチ状としたことを特徴とする請求項1又は3記載のマンホール蓋。
【請求項5】
プレート部の裏面中央に設けた多角形状または環状の囲み部に設けた補助リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補助リブとプレート部に一体に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマンホール蓋。
【請求項6】
前記囲み部の外側のプレート部の裏面に他の補強リブまたは補助リブより高さの低い補強リブを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマンホール蓋。
【請求項7】
プレート部の裏面中央に設けた多角形状または環状の囲み部と補強リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補強リブ、囲い部とプレート部に一体に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のマンホール蓋。
【請求項1】
プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に下縁を囲み部の高さより低くした補助リブを放射状に設けたことを特徴とするマンホール蓋。
【請求項2】
プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に下縁をアーチ状とした補助リブを放射状に設けたことを特徴とするマンホール蓋。
【請求項3】
プレート部の裏面に補強リブを設け、且つ裏面中央に多角形状または環状の囲み部を形成すると共に、前記囲み部内に湾曲した補助リブを卍状に設けたことを特徴とするマンホール蓋。
【請求項4】
前記補助リブの下縁をアーチ状としたことを特徴とする請求項1又は3記載のマンホール蓋。
【請求項5】
プレート部の裏面中央に設けた多角形状または環状の囲み部に設けた補助リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補助リブとプレート部に一体に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマンホール蓋。
【請求項6】
前記囲み部の外側のプレート部の裏面に他の補強リブまたは補助リブより高さの低い補強リブを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマンホール蓋。
【請求項7】
プレート部の裏面中央に設けた多角形状または環状の囲み部と補強リブの交叉部に、強度強化用肉付部を前記補強リブ、囲い部とプレート部に一体に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のマンホール蓋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−37935(P2010−37935A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49760(P2009−49760)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(591116092)株式会社福原鋳物製作所 (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(591116092)株式会社福原鋳物製作所 (23)
【Fターム(参考)】
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