説明

マーキング装置

【課題】簡単な構成で、迅速且つ確実にノズルへのインクと洗浄液と供給の切り換えを行って、ノズル内の洗浄液による洗浄を短時間で確実に行えるマーキング装置を得る。
【解決手段】先端からマーキング用インクを噴射するノズル1と、該ノズル1が軸方向に摺動自在に挿入された挿入孔3を有するノズル用基体部2と、一端側が挿入孔3の内周面に開口して、洗浄液を挿入孔3内の空間を通じてノズル1内に供給させる洗浄液供給流路4と、インク室23のインクの上記ノズル用基体部2への供給と供給停止を行うインク供給手段5と、上記挿入孔3で上記洗浄液供給流路4の開口よりも挿入孔の奥側に連通して、インク供給手段5からのインクをノズル1内に流入させるインク用流路6と、ノズル1を基端方向及び先端方向に直線的に移動させて、ノズル1が上記洗浄液供給流路4の開口を気密に塞ぐ位置及び該開口を開放する位置に切り換えるノズル移動手段7とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットマトリックス印字あるいは、鉄鋼の検査工程において発見された疵位置に対する疵マーキング等に用いられるマーキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりドットマトリックス印字や疵マーキングに使用されるマーキング装置は広く知られており、この種のマーキング装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、加圧されたインク室のインクを印字対象に向けて噴射するノズルと、電磁ソレノイドへの通電・遮断することにより弁を開閉してインク室のインクをノズルに供給あるいは供給を停止するインク供給手段とを備えているのが一般的である。
このようなマーキング装置においては、使用されるインク(顔料)が非常に高い速乾性を有しているため、印字と印字の合間等、ノズルへのインクの供給が停止した際に、ノズル内に残留したインクが乾燥して固まってしまうことが多く、これにより、該ノズルがインク詰まりを起こしてしまい、装置の印字性能あるいは印字の品質が著しく低下するという問題が生じていた。
【0003】
この問題を解消するため、印字対象への印字の前に、予めインクをノズルから噴射させてノズル内に固まったインクを強制的に排出する、いわゆる捨て吹きを行うことによりインク詰まりを解消する方法が取られることがあった。しかしながら、この捨て吹きでは完全にインク詰まりを除去することができないことが多く、その除去できなかったインク詰まりが徐々に大きくなることにより、最終的にはノズルが完全に塞がってしまい、印字そのものができなくなってしまうことがあった。
そこで、捨て吹きに変わる方法として、インク室内のインクをすべて抜く一方で、該インク室内に、インクのうすめ液等、インクを溶かして除去洗浄するための洗浄液をインクの代わりに充填し、その洗浄液をノズル内に流し込んでインク詰まりを除去、その後再度インクをインク室に充填するという方法が考えられた。この方法は、吹き捨ての場合に比べてノズル内のインク詰まりを効果的に解消することができものの、インク室に対するインクと洗浄液との入れ替えに多大な時間を要するため、洗浄の度に印字作業を長時間中止する必要があり、作業効率が非常に悪いという欠点があった。また、インクと洗浄液の入れ替え作業自体も手間がかかるため、非常に面倒であるという問題もあった。
【0004】
一方で、特許文献2のように、インク室内のインクを洗浄液に入れ替えることなく、洗浄液をノズルのノズル内に供給することができるマーキング装置も存在している。
具体的にこの特許文献2のマーキング装置は、先端部に弁体が設けられて電磁ソレノイドの可動鉄心と一緒に直線的に往復動する中空のプランジャーと、可動鉄心及びプランジャーの基端側が収容された洗浄液室と、該洗浄液室と気密に隔てられたインク室と、プランジャーの先端方向に設けられたノズルとを備えている。そして、上記プランジャーの先端側は洗浄室からインク室内に気密に導出されていて、電磁ソレノイドに通電した際には、該プランジャーが後退して先端部の弁体がノズルの基端側にある環状の弁座から離れてインク室のインクをノズル内に供給する一方、電磁ソレノイドの通電を遮断すると、プランジャーの弁体が弁座に接してインクのノズルへの供給を遮断すると共に、洗浄室内の洗浄液をプランジャーの中空部分を通じてノズル内に供給する構成となっている。
【0005】
しかしながら、この特許文献2のものは、洗浄液をタイミングよくノズル内に供給するためには、マーキング装置とは別に、マーキング装置の洗浄室内へ洗浄液を供給してノズルに流出させ、あるいは供給を遮断して洗浄液のノズルへの流出を止めるための洗浄液専用の供給制御機構が必要となることから、ノズルに供給するインクと洗浄液とを切り換えるための構成が大掛かりで非常に複雑であるという大きな欠点があった。
しかも、部品点数が大幅に増大するため、メンテナンス性が悪いだけでなく、洗浄液室への洗浄液の供給制御機構を含めた装置自体が全体として大型化してしまうという問題があった。特に、大型化に関しては、この特許文献2のものを複数ドットのヘッドに採用すると、装置がさらに大きくなってしまうため、複数ドットのヘッドへの使用は不向きであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭58−128658号公報
【特許文献2】特開平11−104536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、簡単な構成でありながら、迅速且つ確実にノズルへのインクと洗浄液と供給の切り換えを行って、ノズル内の洗浄液による洗浄を短時間で確実に行うことができるマーキング装置を提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、装置全体としてコンパクト化を図ることができ、しかもメンテナンス性に優れて運用が容易なマーキング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のマーキング装置は、直棒状に形成されて、先端からマーキング用のインクを噴射するノズルと、上記ノズルが軸方向に摺動自在に挿入された挿入孔を有するノズル用基体部と、上記挿入孔の内周面に開口して、ノズル内を洗浄する加圧された洗浄液を該挿入孔内の空間を通じてノズル内に供給させる洗浄液供給流路と、
インクが加圧状態で充填されたインク室を有し、該インク室のインクの上記ノズル用基体部への供給と供給停止とを行うインク供給手段と、上記挿入孔における上記洗浄液供給流路の開口よりも挿入孔の奥側に連通して、インク供給手段からのインクを上記ノズル内に流入させるインク用流路と、上記ノズルを基端方向及び先端方向に直線的に移動させて、ノズルが洗浄液供給流路の開口を気密に塞ぐ位置及び該開口を開放する位置に切り換えるノズル移動手段とを備え、上記ノズルを上記洗浄液供給流路の開口を塞ぐ位置に移動させた場合に、上記インクがノズルに供給される一方で、該ノズルを洗浄液供給流路の開口を開放する位置に移動させた場合に、上記洗浄液がノズルに供給される構成であることを特徴とするものである。
【0009】
本発明においては、上記ノズル移動手段は、上記ノズルの外周面を保持して該ノズルと一緒に移動する保持部材と、流体圧によりピストンロッドを往復動させるシリンダと、該ピストンロッドの往復動を上記保持部材に伝達して、該保持部材をノズルの軸方向に往復動させる伝達機構とを備えているものとすることができる。
この場合において、上記シリンダは、ピストンロッドが上記ノズルの軸方向と平行に往復動する構成であると共に、上記伝達機構は、上記ノズルを間に挟んで相対する位置に配設され、先端側が上記保持部材に取付けられた、上記ノズルの軸方向と平行に往復動自在である一対の軸部材と、これら一対の軸部材の各基端側と上記ピストンロッドとを相互に連結して、該ピストンロッドの往復動を一対の軸部材に同時に伝達する連結部材とを有しているものとすることができる。
また、上記ノズルは、先端側が上記挿入孔から外部に気密に導出され、その導出部分に上記連結部材が取付けられているものとすることができる。
【0010】
さらに、本発明の具体な構成態様によれば、上記ノズル用基体部は、下方向けに開口された凹部と、該凹部内に嵌入され、鉛直方向に延びて上記挿入孔の一部を形成する中空部を有する筒状部材とを備えていて、該筒状部材の中空部内に上記ノズルが摺動自在に挿入されていると共に、該筒状部材の中空部の内周面に上記洗浄液供給流路の一端が開口している。
【0011】
また、本発明においては、上記マーキング装置は、ノズル内に残留する洗浄液をノズルの外部に強制排出させる圧縮ガスを上記洗浄液供給流路を通じてノズル内に供給するガス供給手段を備えていることが好ましい。
さらに、本発明においては、上記ノズルには、該ノズルの先端外部に洗浄液を供給して該先端外部を洗浄する外部洗浄手段が取付けられているものとすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ノズル移動手段によってノズルを挿入孔内において基端方向及び先端方向に移動させることにより、ノズルが洗浄液供給流路の開口を気密に塞ぐ位置及び該開口を開放する位置に切り換えることができるため、迅速且つ確実にノズルへのインクの供給と洗浄液の供給の切り換えを行うことが可能であり、これにより、ノズル内の洗浄液による洗浄を短時間で簡単且つ確実に行うことができる。
しかも、ノズルの位置を直線的に移動させることによってインクと洗浄液との供給の切り換えを行うという、従来に比べて簡単な構成であるため、全体としての部品点数を少なくすることができる上、メンテナンス性にも優れる。さらに、装置の構造が比較的簡単であり部品点数も少ない分、装置全体のコンパクト化を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にマーキング装置を概略的に示す断面図である。ただし、背面側から見た状態を示す。
【図2】同側面図である平面図である。ただし、上部側の一部を省略している。
【図3】ノズルを降下させた状態を示す図1の要部拡大断面図である。
【図4】ノズルを上昇させた状態を示す図1の要部拡大断面図である。
【図5】本発明に係るノズル用基体部及び筒状部材を該筒状部材の外周溝の部分で切断した状態を示す要部拡大横断面図である。
【図6】本発明にマーキング装置を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図6は、本発明のマーキング装置の一実施の形態を示すもので、マーキング対象物に対して上方から鉛直に印字する場合の実施の形態をあらわしている。
即ち、この実施の形態のマーキング装置は、先端からマーキング用のインクを噴射するノズル1と、該ノズルがその軸方向に摺動自在に挿入された挿入孔3を有するノズル用基体部2と、ノズル内を洗浄する洗浄液をノズル1内に供給させる洗浄液供給流路4と、インクを上記ノズル用基体部2に供給あるいは供給を停止するインク供給手段5と、該インク供給手段5からのインクを上記ノズル1内に流入させるインク用流路6と、上記ノズル1を基端方向及び先端方向に直線的に移動させるノズル移動手段7とを備えている。
【0015】
上記ノズル1は、略円筒形の直棒状に形成されたもので、該ノズル1の基端側、即ちノズル上端側の流入口1aからインクや洗浄液等の流体を流入させ、ノズル1の先端側、即ちノズル下端側の噴射口1bから流体をノズル外部に噴射・排出するようになっている。
このノズル1の上下両端部分の外周面は面取りがされており、端部に行くに従って次第に外径が小さくなるように形成されている。より具体的に、上端部分の面取りは、ノズル1の移動に際して、該ノズル1を後述する第1シール部材16の内周面内に、該第1シール部材16を傷つけることなくスムーズに抜き差しさせるためのものである。一方、下端側の面取りは、後述する外面洗浄手段45による洗浄液がノズル下端面及びその周辺に集まりやすくすることにより、ノズル先端(特に噴射口1b周辺)の洗浄効果を向上させるためである。
【0016】
上記ノズル用基体部2は、略直方体状に形成されたもので、上記挿入孔3が上下両面のほぼ中央を鉛直方向に貫通するように設けられている。
より具体的に、このノズル用基体部2は、該ノズル用基体部2の下面側に設けられ、下方向けに開口された断面略円形状の凹部8と、該凹部8内に嵌入され、鉛直方向に延びる中空部10を有する略円筒状の筒状部材9と、ノズル用基体部2の上面側に設けられ、上記インク用流路6が設けられた後述の弁座基台部材29が嵌合される平面視円形状の窪み11とをそれぞれ備えている。そして、上記凹部8の底部中央と窪み11の底部中央とが貫通されて、上記挿入孔3の一部を構成する貫通孔12を形成した態様となっている。なお、上記凹部8及び窪み11の内周の径は、貫通孔12の内径よりも十分に大きく形成され、また、凹部8は上記筒状部材9の高さよりも十分に深く形成されている。
また、上記ノズル用基体部2の正面側には、上記洗浄液供給流路4の一部を形成する基体部側流路が、前後方向に略水平且つ直線状に穿設されている。この基体部側流路13は、一端側が上記凹部8内に開口し、他端側がノズル用基体部2の外方側に開口するように構成されていて、該ノズル用基体部2の外方側の開口部13aに、図示しない洗浄液タンクからの洗浄液を基体部側流路13の内部に流入させる洗浄液チューブ14が、管継手15を介して取付けられるようになっている。
【0017】
上記挿入孔3は、上記ノズル用基体部2に設けられた上述の貫通孔12と、上記凹部8内に嵌入された上記筒状部材9の中空部10、さらに後述するガイド部材22のガイド孔22cとで形成されたもので、ノズル1内の空間と連通している。
また、この挿入孔3は、挿入孔全体として上記ノズル1が該ノズル1の軸方向、即ち鉛直方向に摺動自在であるような内径を有していて、ノズル1の外周面と面接触して該ノズル1の鉛直方向の往復動をガイドするようになっている。
さらに、上記挿入孔3は、上記ノズル1の軸方向長さよりも浅く形成されていて、ノズル1の挿入孔3に挿入された以外の部分は気密に挿入孔3の外部に導出された態様となっている。この実施の形態においては、挿入孔3の深さは、全体として、ノズル1の軸方向長さの約半分程度に設定されていて、該ノズル1の下半側の部分のほとんどが挿入孔3外に気密に導出されたものとなっている。
【0018】
上記筒状部材9は、上下方向に長く形成されていて、外径が上記凹部8の内径と略同径であり、中空部10の内径が上記ノズルの外周面と接触しない程度に若干大きい径となっている。
また、この筒状部材9は、上端側が凹部8の底部に密着した状態で該凹部8内に嵌入されていて、該筒状部材9の上端側であって中空部10の上端側開口縁部分に設けられたOリング状の第1シール部材16によって、貫通孔12の周縁と筒状部材9の中空部10との継ぎ目が気密にシールされている。さらに、筒状部材9外周における後述の外周溝19と上記基体部側流路13の凹部8側の開口部13bよりも下側の部分、及び筒状部材9の下端側であって中空部10の下端側の開口縁部分には、Oリング状の第2及び第3シール部材17,18がそれぞれ配設されている。なお、上記第1シール部材16及び第3シール部材18は、上記ノズル1の外周径よりも小さい内周径を有しており、これら第1シール部材16及び第3シール部材18の各内周面内に挿入されるノズル1の外周面に気密に密着されるようになっている。
【0019】
ここで、上記筒状部材9は、図3〜図5に示すように、該筒状部材9の外周面に略水平に設けられて、上記基体部側流路13の凹部8側の開口部13bと連通する上述の外周溝19と、該外周溝19の溝底から中空部10に略水平に連通する複数の連通孔20とを備えていて、上記凹部8内に嵌入された状態において、上記洗浄液供給流路4の一部をなす筒状部材側流路21が形成された構成となっている。この筒状部材側流路21は、上記基体部側流路13の凹部8側の開口部13bから流出した洗浄液が、外周溝19内を通って上記複数の連通孔20それぞれから中空部10内に流入するようになっており、中空部10側の開口部21a、即ち各連通孔20の中空部10側の開口部が、実質的に上記洗浄液供給流路4の挿入孔3側の開口部4aを形成している。
なお、この実施の形態においては、上記外周溝19は、上記基体部側流路13の凹部8側の開口部13bの内径よりもやや小さく形成されている。さらに、上記連通孔20は、4本設けられていて、図5に示すように、筒状部材9の軸線と直交し且つ該筒状部材9を前後方向及び左右方向に貫通するように、平面視において90度ずつずれた位置にそれぞれ配設されている。また、これらの4本の連通孔20は、上記外周溝9の溝幅よりも小さく且つすべて同径に設定されている。
【0020】
上記洗浄液供給流路4は、上述した基体部側流路13と筒状部材側流路21とで構成されたもので、一端側が上記ノズル用基体部2の正面の外方側に開口し、他端側が上記挿入孔3の内周面(筒状部材9の中空部10の内周面)に開口して、全体としてノズル用基体部2の正面から背面の方向に略水平方向且つ直線的に延びている。
この洗浄液供給流路4は、図4及び図5に示すように、上記ノズル1の上方又は下方への移動によって、挿入孔3の内周面に開口した開口部(実際には、上記筒状部材側流路21の中空部10側の開口部21a、即ち該筒状部材9の各連通孔20の中空部10側の開口部)が該ノズル1の外周面によって閉塞又は開放されることにより該挿入孔3と連通又は連通が遮断され、これにより、洗浄液がノズル1に供給又は供給が遮断される構成となっている。
具体的には、上記ノズル1を挿入孔3内に下方に移動させて、挿入孔3側の開口部4aを開放させた時に洗浄液を該挿入孔3内に流入させ、該挿入孔3を介して洗浄液をノズル1内に供給させる。
一方、上記ノズル1が上方に移動して該ノズル1の外周面によって該開口部4aが塞がれる状態、より厳密には、筒状部材9の上端側及び下端側に設けた第1及び第3シール部材16,18によって、ノズル1の外周面と筒状部材9の中空部10の内周面との間の空間が気密にシールされ、該空間が密閉された状態となった時、洗浄液の供給が遮断される。
【0021】
上記ノズル用基体部2の下面側には、上記凹部8を塞ぐと共に、上記挿入孔3から突出しているノズル1の一部分を下方に導出したガイド部材22が取付けられている。
このガイド部材22は、上記ノズル1の鉛直方向への移動をガイドするものであり、これにより、ノズル1はより安定的に鉛直方向に移動することができる。
具体的に、上記ガイド部材22は、全体として板状に形成され、上下両面の中央部分には段状に立ち上がった段部22a,22bを有すると共に、これらの段部22a,22bの中心部分に、上記ノズル1を摺動自在に導出するガイド孔22cが鉛直に穿設されている。
上記ガイド孔22cは、上記ノズル1が摺動可能な内径を有していて、内周面がノズル1の外周面と面接触するようになっており、これにより、ノズル1を安定的にガイドすることができるようになっている。また、上記段部のうち、上面側に位置する段部22aは、上記ノズル用基体部2の凹部8に嵌入可能な形状となっていて、該段部22aは、上端面が上記筒状部材9の第3シール部材18に密着し、且つガイド部材22上面の段部以外の部分がノズル用基体部2の下面に当接した状態で凹部8内に嵌入されている。
【0022】
上記インク供給手段5は、インクが加圧状態で充填されたインク室23と、該インク室23の底部において開弁・閉弁を行う弁部材24と、上記インク室23上に設けられた電磁ソレノイド25とを備えている。そして、電磁ソレノイド25のコイル25aに通電・通電遮断してプランジャー25bを鉛直方向に往復駆動させることにより弁部材24を開弁・閉弁させ、該インク室23内のインクを、弁部材24の一部をなす上述の弁座基台部材24aに設けた上記インク用流路6を通じて上記ノズル用基体部2(実際には挿入孔3内)に供給することができるようになっている。
【0023】
上記電磁ソレノイド25は、図1に示すように、鉛直方向に延びる鉄心孔を備えたボビン25cと、該ボビン25cに導線を巻付けることにより形成された上記コイル25aと、鉄心孔25d内の上端側に配設され、プランジャー25bの位置及び摺動距離の調整可能な固定鉄心25e、及び鉄心孔25d内に摺動自在に挿入された可動鉄心を兼ねた上記プランジャー25bと、該プランジャー25bを下方向きに弾性的に付勢する復帰用ばね25fとを有している。そして、この電磁ソレノイド25は、上記コイル25aに通電することにより、プランジャー25bが固定鉄心25eに吸着駆動されて上方に移動し、逆に通電を遮断すると、プランジャー25bの吸着が解かれると共に復帰ばね25fの弾性力によって下方に押し下げられ、元の位置に戻るようになっている。
【0024】
上記弁部材24は、上記プランジャー25bの先端に固定された弁体26と、該弁体26の接離によって上記インク用流路6に通じる連通路27を閉開する弁座28と、該弁座28及び連通路27を上端面に有する上記弁座基台部材29を備えたもので、上記電磁ソレノイド25のコイル25aに通電した場合にはプランジャー25bが弁体26を上方に引っ張って開弁することにより連通路27を開き、非通電である場合には、プランジャー25bが弁体26を押し下げて弁座28に当接させて閉弁し、連通路27を閉じるように構成されている。
上記弁体26は、上記プランジャー25bの先端からインク室23内を通って弁座28にまで至る、鉛直方向に長い直棒状に形成され、また、上記弁座28は、上記弁座基台部材29の上端面の中央に一体的に形成されている。この弁座28は、上記インク用流路6の上端周縁に設けられた傾斜面状に形成されたもので、上記プランジャー25bの先端部分が安定的に接離自在であり、且つインクをこの弁座28の部分に滞留させることなくスムーズにインク用流路6内に流入させることが可能な構成となっている。
さらに、上記弁座基台部材29は、上端面に上記弁座28及び連通路27が設けられた円柱状の本体部29aと、該本体部29aの下端に設けられた、本体部29aよりも大径の基部29bとを有しており、該基部29bが上記ノズル用基体部2の上面の窪み11に嵌入されている。
【0025】
上記電磁ソレノイド25と弁座基台部材29とは、これら電磁ソレノイド25と弁座基台部材29との間に配設されたブロック部材30にそれぞれ連結されている。
上記ブロック部材30は、上面側中央に電磁ソレノイド25の連結に供する窪み30aと、ブロック部材30の中央を鉛直方向に貫通すると共に、上側の開口部が該窪み30aの底部中央に開設された、窪み30aの内径より小径且つ弁座基台部材29の本体部29aの高さより十分に長く形成された貫通孔30bとを有している。そして、上記窪み30a内には、電磁ソレノイド25の下端部が嵌入されることより、該電磁ソレノイド25がブロック部材30の上端側に連結され、貫通孔30bの下側の開口部には、上記弁座基台部材29の本体部29aが嵌入されている。
なお、上記窪み30の内周面と電磁ソレノイド25の下端部外周の間、及び弁座基台部材29の基部29bとブロック部材30の下端面との間にはそれぞれOリング状のシール部材31,32が配設されていて、貫通孔内を気密化している。
【0026】
上記インク室23は、上記ブロック部材30の貫通孔30b内における電磁ソレノイド25と弁座基台部材29とに挟まれた空間によって形成されたもので、図示しないインクタンクからインク用ポンプによって常にインクが加圧状態で充填されていて、上記弁部材24が開弁した際にはインクが連通路27から室外に吐出される。
なお、上記ブロック体30には、インクタンクからのインクをインク室23内に供給させるための、略水平方向に延びるインク供給用の流路23aが形成されており、この流路23aのブロック体30の外部側の開口部にインクタンクに連通するインクチューブ34を管継手35を介して取付けることにより、インクタンクのインクをインク室23内に常時充填させることができるようになっている。
【0027】
上記インク用流路6は、上記弁座基台部材29の中央を鉛直方向に貫通したもので、上端側が弁座基台部材29の上面、即ち上記インク室23の底部に開口し、下端側が上記挿入孔3の最奥である上端部の中央、即ち上記洗浄液供給流路4の開口よりも挿入孔3の奥側に開口、連通している。
このインク用流路6は、上記弁部材24が開弁されることによりインク室23内の加圧されたインクを連通路27を通じて上側の開口からインク用流路6内に流入させるようになっていて、このインク用流路6内に流入したインクは、下側の開口からノズル用基体部2の上記挿入孔3内に吐出されて、該挿入孔3を通じてノズル1内に流入されることとなる。
【0028】
一方、上記ノズル移動手段7は、上記ノズル1を上下に移動させることにより、該ノズル1が外周面によって洗浄液供給流路4の挿入孔3側の開口部4aを塞ぐ位置と該開口部4aを開放する位置とに切り換えるものである。
即ち、このノズル移動手段7は、図1及び図6に示すように、ノズル1の外周面を保持して該ノズル1と一緒に移動する保持部材36と、流体圧によりピストンロッド37aを往復動させる単一の流体圧シリンダ37と、該ピストンロッド37aの往復動を上記保持部材36に伝達して、該保持部材36をノズル1の軸方向に往復動させる伝達機構38とを備えている。
【0029】
上記保持部材36は、上記ブロック部材30の左右方向長さとほぼ同じ左右方向長さを有する横長の板状に形成されていて、上記ノズル1における上記挿入孔3から外部に導出された部分の外周面を保持している。この実施の形態においては、図1、図3及び図4に示すように、保持部材36が上記ノズル1の先端近傍の部分の外周面を保持したものとなっている。なお、上記ブロック部材30の下端面には、この保持部材36の上昇を制限するボルト状のストッパ30eが配設されていて、ノズル1の上昇時に保持部材36の上面が該ストッパ30eの下端面に接触することによりノズル1の上昇が強制的に停止させること構成となっている。したがって、このストッパ30eの突出長さを調整することにより、ノズル1の上方側の移動端の位置の調整をすることが可能となっている。
上記シリンダ37は、上記ブロック部材の背面側に取付けられた取付台37b上に固定されたもので、内部に上下方向に往復動するピストン(図示せず)を有し、該ピストンに基端側が取付けられたピストンロッド37aが、そのピストンと同期して上下方向、即ち上記ノズル1の軸方向と平行に往復動するようになっている。
【0030】
上記伝達機構38は、上記ノズル1を間に挟んで相対する位置に配設され、ノズルの軸方向と平行、即ち上下方向に往復動自在である一対の軸部材39,39と、上記ピストンロッド37aの往復動を一対の軸部材39,39に同時に伝達する連結部材40とを備えている。
上記一対の軸部材39,39は、下端側(先端側)が、上記保持部材36の左右両端寄りの部分に相互に平行となるようにそれぞれ取付けられていて、該保持部材36と一体に上下動するようになっている。さらに、各軸部材39の中間部分は、上記ブロック部材30の左右に設けられたガイド機構30c,30cにおいて鉛直方向に延びる左右一対のガイド孔30d,30dに摺動自在に挿通され、鉛直方向に往復動するようにガイドされている。
【0031】
また、上記連結部材40は、図6に示すように、上記一対の軸部材39,39の各上端側(基端側)と上記ピストンロッド37aとを相互に連結する平面視略U型の板状に形成されたもので、二股に分かれた一対のアーム部40a,40aの各先端部に、対応する位置にある軸部材39,39の上端側がそれぞれ取付けられ、一対のアーム部40a,40aの基端側に設けられた基部40bに上記ピストンロッド37aの先端が取付けられた構成となっている。
したがって、上記シリンダ37が駆動してピストンロッド37aが上下動すると、連結部材40がそれに同期して上下動し、一対の軸部材39,39を同時に上方に引き上げあるいは下方に押し下げるため、保持部材36はほぼ水平な状態を維持しながら上下に移動し、これによりノズル1が鉛直方向に直線的に安定的に上下動することとなる。
なお、この連結部材40の各アーム部40a,40aの下端部には、スプリング41が配設されていて、ノズル1を上昇させる際には該連結部材40を上方に弾性的に付勢して、ノズル1の上昇に伴うピストンロッド37aや連結部材40、軸部材39、あるいは保持部材36の上方への移動を補助し、逆にノズル1を下降させる際には、連結部材40の下降によってノズル1が急激に下降しないよう緩衝的な機能が作用するようにしている。
【0032】
ところで、この実施の形態のマーキング装置は、上記ノズル1内に残留する洗浄液をノズル1の外部に強制排出させる圧縮エア等の圧縮ガスを、上記洗浄液供給流路4を通じてノズル1内に供給するガス供給手段42を備えている。
このガス供給手段42は、図2に示すように、圧縮ガス源42aから延びるガス用チューブ42bを洗浄液チューブ14の途中に連通させることにより、圧縮ガスを該洗浄液チューブ14及び洗浄液供給流路4、挿入孔3を通じてノズル1内に供給可能としたものである。
なお、ガス用チューブ42b及び洗浄液チューブ14におけるガス用チューブ42aの連通部分よりも上流側には、それぞれ逆止弁43a,43bが取付けられている。これにより、洗浄液がノズル1に供給されるときには圧縮ガス側の逆止弁43aが機能して、洗浄液が圧縮ガス源側の方に流入しないようする一方、圧縮ガスがノズル1に供給されるときは、洗浄液を洗浄液供給流路4に圧送する洗浄液用ポンプ44側の逆止弁が機能して圧縮ガスが洗浄液用ポンプ44の方に流入しないようにしている。
【0033】
さらに、この実施の形態のマーキング装置には、ノズル1の下端部に洗浄液を供給して下端面、あるいは下端側付近の外周面にこびり付いたインクや塵埃等を洗浄して除去する外面洗浄手段45が取付けられている。
上記外面洗浄手段45は、上記保持部材36の下面側に設けられてノズルの先端側が導入された、下方向きの開口部46aを有する洗浄用空間部46と、該保持部材36の外部から該空間部46内に連通される外面洗浄用流路47と、該外面洗浄用流路47に洗浄液タンク(図示せず)から洗浄液を外部洗浄用チューブ48を通して圧送する外面洗浄用の洗浄液ポンプ49とを有している。
さらに、図2に示すように、洗浄液による洗浄後にノズル外面に付着した洗浄液を吹き飛ばす圧縮エア等の圧縮ガスを、ガス用チューブ50及び該ガス用チューブ50が途中で連通された上記外部洗浄用チューブ48を通して上記洗浄用空間部46に供給する圧縮ガス源51とを備えている。なお、ガス用チューブ50及び該外部洗浄用チューブ48におけるガス用チューブ50の連通部分よりも上流側には、逆止弁52a,52bが取付けられている点、外部洗浄用チューブ48は管継手53を介して保持部材36の正面側の外面洗浄用流路の開口部に連結されている点等については、上述のガス供給手段42のとほぼ同等の構成である。
この外面洗浄手段45によるノズル1の下端外面の洗浄は、洗浄液タンクの洗浄液を洗浄液ポンプ49により洗浄用空間46に圧送し、該空間46内に位置するノズル1下端の外面(具体的には下端面及び外周面)に洗浄液を吹き付ける一方、使用した洗浄液及び除去したインク、塵埃等は洗浄用空間46の開口部46aから順次排出することにより行われる。この結果、ノズル1の下端外面に付着したインク等が確実に除去され、ノズル1の詰まりがより確実に防がれる。
【0034】
上記構成を有するマーキング装置は、マーキング対象物に印字を行う場合には、図4に示すように、ノズル移動手段7によってノズル全体を上昇させ、該ノズル1を、ノズル外周面が洗浄液供給流路4の挿入孔3側の開口部4aを気密に塞ぐ位置にまで移動させる。
そして、インク供給手段5の電磁ソレノイド25に対して通電・非通電の制御を行って弁部材24を開弁・閉弁させ、インク室23内のインクをインク用流路6から挿入孔3を通してノズル1内に供給、あるいは供給の遮断を繰り返すことにより所望の文字やマーク等の印字を行う。
一方、ノズル1内の洗浄を行う場合には、上記電磁ソレノイド25の通電を停止して弁部材を閉弁してノズル1へのインクの供給を停止すると共に、図3に示すように、ノズル移動手段7によってノズル全体を下降させて、ノズル1を該ノズル1が塞いでいた上記洗浄液供給流路4の挿入孔3側の開口部4aを完全に開放させる位置まで移動させて、該洗浄液供給流路4から洗浄液を挿入孔3内に流入させる。これにより、ノズル1内に洗浄液が供給され、該洗浄液によりノズル1内が洗浄されることとなる。ノズル1内に残留した洗浄液は、ガス供給手段42から洗浄液供給流路4を通じて供給された圧縮ガスによりノズル外部に強制的に排出される。なお、ノズル1内の洗浄を行う際には、必要に応じて、外面洗浄手段45によるノズル1の下端側の外面の洗浄も同時に行う。
【0035】
このとき、上記マーキング装置は、ノズル移動手段2によってノズル1を挿入孔3内において鉛直方向に上下動させることにより、ノズル1が洗浄液供給流路4の挿入孔3側の開口部4aを気密に塞ぐ位置及び該開口部4aを開放する位置に簡単に切り換えることができるため、迅速且つ確実にノズル1へのインクの供給と洗浄液の供給の切り換えを行うことが可能である。したがって、ノズル1内の洗浄液による洗浄を、一連の印字動作終了後次の印字動作が開始されるまでの間のごく短い時間内で素早く、しかも簡単且つ確実に行うことができる。
さらに、ノズル1の位置を移動させることによってインクと洗浄液との供給の切り換えを行うという、従来に比べて簡単な構成であるため、全体としての部品点数を少なくすることができる上、メンテナンス性にも優れる。また、装置の構造が比較的簡単であり部品点数も少ない分、装置全体のコンパクト化を容易に図ることができると共に、複数ドットのヘッドに採用する場合であっても、装置全体が大型化することを抑えることができる。
【0036】
上記実施の形態においては、マーキング対象物に対して上方から鉛直に印字する場合について述べているが、マーキング対象物に対して水平方向から印字する場合であっても、基本的には上記実施の形態のマーキング装置とほぼ同じ構成のものを使用することができる。なお、この場合はノズルは水平方向に移動することになる。
【0037】
さらに、上記実施の形態においては、洗浄液供給流路における筒状部材側流路を、筒状部材に外周溝及び連通孔を設けることにより形成した構成となっているが、これ以外であっても、筒状部材側流路は、例えば筒状部材に中空部にまで貫通する単一の孔を設けて、上記基体部側流路と直結させるもの等、洗浄液を筒状部材の中空部に流入させることができれば、任意の構成であってよい。また、上記実施の形態においては、挿入孔3は、その一部を筒状部材9の中空部10によって形成する構成となっているが、必ずしもこのような構成にする必要はなく、例えば凹部自体を挿入孔とするような構成等、上記ノズルがその軸方向に摺動自在であるような構成であれば任意の構成とすることができる。
【0038】
上記実施の形態のノズル移動手段7は、単一のシリンダ37の駆動によって移動する構成となっているが、複数のシリンダを用いる構成であってもよく、さらにシリンダ以外、例えばモータ等の各種アクチュエータの駆動力を利用するものであってもよい。また、ノズル移動手段7の伝達機構38は、上記実施の形態以外の構成であってもよく、ノズルを該ノズルの先端方向及び基端方向に確実に移動させる構成であれば任意のものを用いることができる。
【0039】
また、上記実施の形態においては、上記インク用流路6は、挿入孔3の最も奥側に連通したものとなっているが、このインク用流路は、上記洗浄液供給流路の挿入孔側の開口よりも挿入孔の奥側に連通する構成であれば、挿入孔内のどこに連通させてもよい。
さらに、インク供給手段5は、上記実施の形態の構成のものに限らず、任意の構成のものを採用することができる。
【0040】
上記実施の形態においては、圧縮ガスを上記洗浄液供給流路4を通じてノズル1内に供給するガス供給手段42、及びノズル1の先端(下端)外面を洗浄する外面洗浄手段45を設けているが、これらのガス供給手段及び外面洗浄手段は必ずしも設ける必要はない。
【符号の説明】
【0041】
1 :ノズル
2 :ノズル用基体部
3 :挿入孔
4 :洗浄液供給流路
4a:開口部
5 :インク供給手段
6 :インク用流路
7 :ノズル移動手段
8 :凹部
9 :筒状部材
10:中空部
23:インク室
36:保持部材
37:シリンダ
38:伝達部材
39:軸部材
40:連結部材
42:ガス供給手段
43:外面洗浄手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
直棒状に形成されて、先端からマーキング用のインクを噴射するノズルと、
上記ノズルが軸方向に摺動自在に挿入された挿入孔を有するノズル用基体部と、
一端側が上記挿入孔の内周面に開口して、ノズル内を洗浄する加圧された洗浄液を該挿入孔内の空間を通じてノズル内に供給させる洗浄液供給流路と、
インクが加圧状態で充填されたインク室を有し、該インク室のインクの上記ノズル用基体部への供給と供給停止とを行うインク供給手段と、
上記挿入孔における上記洗浄液供給流路の開口よりも挿入孔の奥側に連通して、インク供給手段からのインクを上記ノズル内に流入させるインク用流路と、
上記ノズルを基端方向及び先端方向に直線的に移動させて、ノズルが上記洗浄液供給流路の開口を塞ぐ位置及び該開口を開放する位置に切り換えるノズル移動手段とを備え、
上記ノズルを上記洗浄液供給流路の開口を塞ぐ位置に移動させた場合に、上記インクがノズルに供給される一方で、該ノズルを洗浄液供給流路の開口を開放する位置に移動させた場合に、上記洗浄液がノズルに供給される構成であることを特徴とするマーキング装置。
【請求項2】
上記ノズル移動手段は、上記ノズルの外面を保持して該ノズルと一緒に移動する保持部材と、流体圧によりピストンロッドを往復動させるシリンダと、該ピストンロッドの往復動を上記保持部材に伝達して、該保持部材をノズルの軸方向に往復動させる伝達機構とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のマーキング装置。
【請求項3】
上記シリンダは、ピストンロッドが上記ノズルの軸方向と平行に往復動する構成であると共に、上記伝達機構は、上記ノズルを間に挟んで相対する位置に配設され、先端側が上記保持部材に取付けられた、上記ノズルの軸方向と平行に往復動自在である一対の軸部材と、これら一対の軸部材の各基端側と上記ピストンロッドとを相互に連結して、該ピストンロッドの往復動を一対の軸部材に同時に伝達する連結部材とを有していることを特徴とする請求項2に記載のマーキング装置。
【請求項4】
上記ノズルは、先端側が上記挿入孔から外部に気密に導出され、その導出部分に上記保持部材が取付けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のマーキング装置。
【請求項5】
上記ノズル用基体部は、下方向けに開口された凹部と、該凹部内に嵌入され、鉛直方向に延びて上記挿入孔の一部を形成する中空部を有する筒状部材とを備えていて、該筒状部材の中空部内に上記ノズルが摺動自在に挿入されていると共に、該筒状部材の中空部の内周面に上記洗浄液供給流路の一端が開口していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のマーキング装置。
【請求項6】
上記マーキング装置は、ノズル内に残留する洗浄液をノズルの外部に強制排出させる圧縮ガスを上記洗浄液供給流路を通じてノズル内に供給するガス供給手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のマーキング装置。
【請求項7】
上記ノズルには、該ノズルの先端外面に洗浄液を供給して該先端外面を洗浄する外面洗浄手段が取付けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のマーキング装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−189276(P2011−189276A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57591(P2010−57591)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(591138599)ニッテツ北海道制御システム株式会社 (21)
【Fターム(参考)】