説明

マークカード処理装置

【課題】装置の小型化により狭いスペースでも設置でき、また、マークカード処理装置の操作者や設置場所に応じた仕様のマークカード処理装置を提供する。
【解決手段】マークカード処理装置1Kの読み取り搬送路31に光学読み取りセンサ32を設けて、マークカード挿入排出口11から挿入されたマークカード2の読み取りと、印刷部46で印刷されたチケット3の読み取りと、をこの光学読み取りセンサ32で行う。また、マークカード2はチケット3よりも大きいので、購入者がマークカード2とチケット3の両方を確実に視認できるように、マークカード挿入排出口11と同じ側面1aのマークカード挿入排出口11よりも上部にチケット排出口21を設ける。また、チケット排出口21と異なる側面1bに第2チケット排出口71を設けて、マークカード処理装置1Kの操作者や設置場所に応じてチケット3の排出先の設定を切り替え可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マークカードの情報を読み取り、その情報に基づいてくじ等のチケットを発行するマークカード処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マークカードの情報を読み取り、その情報に基づいてくじ等のチケットを発行する装置としては、マークカードの情報を読み取るマーク読み取り部と、読み取った情報から処理結果を出力するプリンタ部と、が別の装置として構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。また、同一装置で投票カードの読み取り、投票券の読み取り、及び投票券の発券等を行う装置もあった(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平10−49365号公報
【特許文献2】特開平2004−164330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載のマークカード処理装置は、前記のように、マーク読み取り部と、プリンタ部と、が別の装置として構成されているので、各部を設置するためには広いスペースが必要となる。また、特許文献2に記載の投票券発券・払戻装置は、外観が一体化されているが、マークカードの情報を読み取る読み取り部と、読み取った情報から処理された結果を印刷し発券する発券部(プリンタ部)と、が別の装置からなる構成であるため、装置の構成が大型になり、やはり広い設置スペースが必要である。
【0004】
一方、マークカード処理装置や投票券発券・払戻装置を設置するくじ等の販売窓口やコンビニエンスストア等では、周知のように空きスペースがほとんど無いので、これらの装置を設置する広いスペースを確保するのが困難であるという問題があった。
【0005】
また、マークカード処理装置の操作を、販売者が主に行う場合と購入者が主に行う場合とでは求められる装置の構成が異なり、マークカード処理装置の設置場所によっても求められる装置の構成が異なるが、従来の装置はこれらを満たす構成になっているとは必ずしも言えなかった。
【0006】
そこで、本発明は、装置の小型化により狭いスペースでも設置でき、また、マークカード処理装置の操作者や設置場所に応じた構成のマークカード処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0008】
(1)マークが記録されているマークカードが搬送され、または、マークカードが搬送された後にこのマークカードの情報に基づいて発行されるチケットが搬送され、搬送中にこれらマークカードとチケットの各情報を読み取るための読み取り搬送路と、
前記読み取り搬送路に設けられ、この読み取り搬送路を通過する前記マークカードまたは前記チケットの情報を読み取る読み取り手段と、
マークカードの挿入直後の搬送または排出直前の搬送が行われるマークカード挿入排出路と、チケットの排出直前の搬送が行われるチケット排出路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の前方側を接続する第1接続切り替え手段と、
前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したマークカードを一時的に退避させ、その後、前方向に送り出す退避路と、チケットを発行するチケット発行路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の後方側を接続する第2接続切り替え手段と、
マークカードが前記マークカード挿入排出路に挿入されると、前記第1接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の前方側を前記マークカード挿入排出路に接続するとともに、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するマークカードの情報を読み取り、
続いて、前記第1接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の前方側を前記チケット排出路に接続するとともに、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記チケット発行路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するチケットの情報を読み取る制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
従来のマークカード処理装置では、マークカードの読み取り手段とチケットの発行手段とが別体となっていたので、狭いスペースに設置できないサイズであり、また、チケットの発行手段で発行されたチケットの内容を装置本体で確認することができなかった。この構成においては、処理装置は、読み取り搬送路に読み取り手段が設けられており、マークカード挿入排出路に挿入されたマークカードの読み取りと、このマークカードの情報に基づいてチケット発行路で発行されたチケットの読み取りと、を行うようにしている。したがって、本発明のマークカード処理装置では、マークカードの読み取りとチケットの発行を1つの装置で実行でき、また装置の構成を簡素化できるので、装置を小型化して狭いスペースにでも設置が可能となる。また、発行するチケットの内容を装置で確認することができ、内容の間違いや汚れ等の不良があった場合には、速やかにチケットを再発行することができる。
【0010】
(2)前記チケット排出路においてチケットの排出が行われるチケット排出口と、
前記マークカード挿入排出路においてマークカードの挿入または排出が行われるマークカード挿入排出口と、を備え、
前記チケット排出口は、装置本体の前記マークカード挿入排出口と同じ側面に、かつ前記マークカード挿入排出口よりも上部に設けられたことを特徴とする。
【0011】
マークカード処理装置において、利用者にマークカードとチケットの内容が一致していることを確認してもらうためにマークカードを返却する場合、マークカードのサイズはチケットのサイズよりも一般的に大きいので、マークカードとチケットを重ねて同じチケット排出口から排出する構成にすると、搬送手段が複雑となりコストがかかるという問題が発生する。また、マークカードとチケットを順にチケット排出口から排出する構成にすると、利用者が一方のみを取って他方を取り忘れるという問題が発生する。この構成においては、読み取り手段がマークカードを読み取ると、マークカード挿入排出口からマークカードを排出し、このマークカードの情報に基づいて発行されたチケットが、マークカード挿入排出口と同じ側面であって、マークカード挿入排出口よりも上部に配置されたチケット排出口から排出される。したがって、マークカードよりもサイズの小さなチケットがマークカードの上側に排出されるので、利用者はマークカード及びチケットを確実に視認でき、マークカード及びチケットの取り忘れが発生すること無く、また、搬送手段の構成が複雑になることも無いので、装置のコストを抑制できる。
【0012】
(3)前記退避路に接続され、不良のチケットを回収する回収手段を備え、
前記制御手段は、前記読み取り手段による前記チケットの読み取り結果が不良の場合には、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避路に接続し、そのチケットを前記回収手段に回収することを特徴とする。
【0013】
この構成においては、読み取り手段が読み取りを行ったチケットに不良がある場合には、そのチケットを回収手段へ搬送する。したがって、内容の間違いや汚れ等の不良の無いチケットのみを発行することができる。
【0014】
(4)マークが記録されているマークカードが搬送され、または、マークカードが搬送された後にこのマークカードの情報に基づいて発行されるチケットが搬送され、搬送中にこれらマークカードとチケットの各情報を読み取るための読み取り搬送路と、
前記読み取り搬送路に設けられ、この読み取り搬送路を通過する前記マークカードまたは前記チケットの情報を読み取る読み取り手段と、
マークカードの挿入直後の搬送または排出直前の搬送が行われるマークカード挿入排出路と、チケットの排出直前の搬送が行われるチケット排出路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の前方側を接続する第1接続切り替え手段と、
前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したマークカードを一時的に退避させた後の前方向への送り出し、前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したチケットを前記チケット排出路と異なる方向へ排出する直前の搬送が行われる退避排出路と、チケットを発行するチケット発行路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の後方側を接続する第2接続切り替え手段と、
前記チケット排出路からチケットを排出する第1のモード、または前記退避排出路からチケットを排出する第2のモードに設定する設定手段と、
前記設定手段が前記第1モードに設定された場合には、マークカードが前記マークカード挿入排出路に挿入されると、前記第1接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の前方側を前記マークカード挿入排出路に接続するとともに、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避排出路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するマークカードの情報を読み取るマークカード読み取り処理と、
続いて、前記第1接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の前方側を前記チケット排出路に接続するとともに、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記チケット発行路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するチケットの情報を読み取るチケット読み取り処理と、を行い、
前記設定手段が前記第2モードに設定された場合には、前記マークカード読み取り処理と、前記チケット読み取り処理と、を行った後に、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避排出路に接続する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
販売者がマークカード処理装置の全ての操作を行う場合には、装置本体の販売者に対向する面側からマークカードを挿入し、この販売者に対向する面側からマークカード及びチケットが排出されると、販売者はスムーズに操作を行うことができる。一方、購入者がマークカード処理装置の全ての操作を行う場合には、装置本体の購入者に対向する面側からマークカードを挿入し、この購入者に対向する面側からマークカード及びチケットが排出されると、購入者が代金の支払いを済まさずにチケットを持ち帰る可能性がある。この構成においては、マークカード処理装置は、読み取り搬送路に読み取り手段が設けられており、マークカード挿入排出路に挿入されたマークカードの読み取りと、チケット発行路で発行されたチケットの読み取りと、を行うようにしている。また、チケット発行路で発行されたチケットを、読み取り手段で読み取った後に、チケット排出路へ搬送させることも、チケット排出路と異なる方向にチケットを排出する退避排出路へ搬送させることもできる。したがって、本発明のマークカード処理装置では、マークカードの読み取りとチケットの発行を1つの装置で実行でき、また装置の構成を簡素化できるので、装置を小型化して狭いスペースにでも設置が可能となる。また、チケットの発行手段が発行したチケットの内容を装置で確認することができ、内容の間違いや汚れ等があった場合には、速やかにチケットを再発行することができる。さらに、マークカード処理装置の設置場所や主な操作者が誰かに応じて、チケットの排出先を切り替えることができる。加えて、マークカード処理装置の設置場所を変更した場合等に、チケットの排出口を変更する場合には、チケットの排出先を設定し直すだけで良く、マークカード処理装置を排出先の位置が異なる別の装置に交換する必要が無いので、ユーザの利便性を向上できる。
【0016】
(5)マークが記録されているマークカードが搬送され、または、マークカードが搬送された後にこのマークカードの情報に基づいて発行されるチケットが搬送され、搬送中にこれらマークカードとチケットの各情報を読み取るための読み取り搬送路と、
前記読み取り搬送路に設けられ、この読み取り搬送路を通過する前記マークカードまたは前記チケットの情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り搬送路の前方側に接続され、マークカードの挿入直後の搬送または排出直前の搬送が行われるマークカード挿入排出路と、
前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したマークカードを一時的に退避させた後の前方向への送り出し、前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したチケットを前記チケット排出路と異なる方向へ排出する直前の搬送が行われる退避排出路と、チケットを発行するチケット発行路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の後方側を接続する接続切り替え手段と、
マークカードが前記マークカード挿入排出路に挿入されると、前記接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避排出路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するマークカードの情報を読み取り、
続いて、前記接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記チケット発行路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するチケットの情報を読み取り、
さらに、前記接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避排出路に接続する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
購入者がマークカード処理装置の全ての操作を行う場合には、装置本体の購入者に対向する面側からマークカードを挿入し、この購入者に対向する面側からマークカード及びチケットが排出されると、購入者が代金の支払いを済まさずにチケットを持ち帰る可能性がある。この構成においては、マークカード処理装置は、読み取り搬送路に読み取り手段が設けられており、マークカード挿入排出路に挿入されたマークカードの読み取りと、チケット発行路で発行されたチケットの読み取りと、を行うようにしている。また、マークカード挿入排出路が読み取り搬送路の前方側に接続され、チケット発行路が読み取り搬送路の後方側に接続されており、チケットは、装置本体のマークカードが挿入排出される方向とは異なる方向に排出される。したがって、本発明のマークカード処理装置では、マークカードの読み取りとチケットの発行を1つの装置で実行でき、また装置の構成を簡素化できるので、装置を小型化して狭いスペースにでも設置が可能となる。また、発行するチケットの内容を装置で確認することができ、内容の間違いや汚れ等の不良があった場合には、速やかにチケットを再発行することができる。さらに、購入者に対してマークカードとチケットの両方が排出されることが無く、購入者が代金の支払いを済まさずにチケットを持ち帰るのを防止できる。
【0018】
(6)不良のチケットを回収する回収手段と、
前記退避排出路と前記回収手段を接続する第3切り替え手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記読み取り手段による前記チケットの読み取り結果が不良の場合には、前記第3接続切り替え手段により前記退避排出路を前記回収手段に接続し、そのチケットを前記回収手段に回収することを特徴とする。
【0019】
この構成においては、読み取り手段が読み取りを行ったチケットに不良がある場合には、そのチケットを回収手段へ搬送する。したがって、内容の間違いや汚れ等の不良の無いチケットのみを発券することができる。
【発明の効果】
【0020】
マークカード処理装置は、マークカードの読み取りとチケットの発行を1つの装置で実行でき、また装置の構成を簡素化できるので、装置を小型化して狭いスペースにでも設置できる。また、マークカード処理装置の操作者や設置場所に応じて、チケットの排出先が異なるものを用いたり、排出先を切り替えたりすることができるので、マークカードやチケットを取り忘れたり、代金未払いのままチケットを持ち帰られたりするのを防止できる。さらに、発行するチケットの内容を装置で確認することができ、内容の間違いや汚れ等の不良があった場合には、不良のチケットを回収手段に回収して、良品のチケットを速やかに再発行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、マークカード処理装置の概略の構成図及びマークカード処理装置の斜視図である。マークカード処理装置1は、マークカード2に記録されたマークなどの情報を読み取り、この情報に基づいてチケット3を発券する装置である。
【0022】
図1(A)に示すように、マークカード処理装置1は、マークカード2を挿入・排出するためのマークカード挿入排出口11、マークカード2の搬送路であるマークカード挿入排出路12、マークカード2を搬送するローラ対13・14、及びマークカード2の挿入または排出を検出するマークカードセンサ15を備えている。また、マークカード処理装置1は、チケット3を排出するチケット排出口21、チケット3の搬送路であるチケット排出路22、チケット3を搬送するローラ対23・24、及びチケット3の排出を検出するチケットセンサ25を備えている。さらに、マークカード処理装置1は、マークカード2及びチケット3の搬送路である読み取り搬送路31、マークカード2及びチケット3を読み取る光学読み取りセンサ32、マークカード2及びチケット3を搬送するローラ対33・34、並びにマークカード2及びチケット3の位置検出用のセンサ35・36を備えている。加えて、マークカード処理装置1は、チケット3を発行する印刷部46を備えた搬送路であるチケット発行路41、ロール紙4を支持・回転させるローラ42・43、ロール紙4から繰り出された用紙先端部4aを搬送するローラ対44・45、ロール紙4から繰り出された用紙先端部4aにマークカード2の内容に応じた情報を印刷する印刷部46、ロール紙4の用紙先端部4aの位置を検出するセンサ47、及びロール紙4から繰り出された用紙を切断するカッタ48を備えている。また、マークカード処理装置1は、光学読み取りセンサ32が読み取りを行ったマークカード2を一時的に退避させる退避路51、マークカード2及びチケット3を搬送するローラ対52・53、内容の間違いや汚れなどの不良があるチケット3を回収する回収ボックス54、退避路51内のマークカード2及びチケット3の有無を検出するセンサ55を備えている。
【0023】
さらに、マークカード処理装置1は、アクチュエータ61、モータ62、モータ63、図1(A)には不図示の制御部64、読み取り搬送路31の前方側と、マークカード挿入排出路12またはチケット排出路22と、の接続を切り替える第1切り替え部65、及び読み取り搬送路31の後方側と、チケット発行路41または退避路51と、の接続を切り替える第2切り替え部66を備えている。第1切り替え部65と第2切り替え部66は、図中実線の位置と点線の位置とに切り替えることが可能である。第1切り替え部65と第2切り替え部66は、ソレノイド等のアクチュエータ61を利用する機構により切り替える構成である。また、ローラ対13・14・23・24・33・34はモータ62により駆動される。さらに、ローラ42・43、ローラ対44・45・52・53は、モータ63により駆動される。
【0024】
ここで、マークカード処理装置1に挿入するマークカード2と、マークカード処理装置1から発行されるチケット3と、では、一般的にマークカード2の方がチケット3よりも大きく、マークカード処理装置1では、このようなサイズのマークカード2とチケット3を取り扱う。また、マークカード処理装置1では、利用者(購入者)にマークカードとチケットの内容が一致していることを確認してもらうために、マークカード挿入排出口11からマークカード2を排出して、マークカード2を利用者(購入者)に返却する。そこで、マークカード処理装置1では、図1(A),(B)に示したように、マークカード挿入排出口11よりも上部にチケット排出口21を配置した構成としている。これにより、マークカード処理装置1において、発券処理が終了したときに、マークカード2がマークカード挿入排出口11に排出され、チケット3がチケット排出口21に排出された状態のときに、マークカード2よりもサイズの小さなチケット3がマークカード2の上部に位置することになるので、マークカード処理装置1の操作者は同図の矢印方向からマークカード2とチケット3の両方を確実に視認できる。
【0025】
仮に、図1(C)に示すように、マークカード処理装置1において、マークカード挿入排出口11よりもチケット排出口21が下部に配置される構成とした場合には、発券処理が終了したときにマークカード2がマークカード挿入排出口11へ排出され、チケット3がチケット排出口21に排出された状態のときに、マークカード2よりもサイズの小さなチケット3がマークカード2の下部に位置することになる。この場合、マークカード処理装置1の操作者は同図の矢印方向からマークカード2のみを視認することになり、チケット3の取り忘れが発生する可能性がある。そのため、本発明では、上記のように、マークカード挿入排出口11と同じ側面であって、マークカード挿入排出口11よりも上部にチケット排出口21を配置しているのである。
【0026】
次に、図2は、マークカード処理装置の制御系統のブロック図である。図2に示すように、制御部64は、マークカード処理装置1の各部を制御する。すなわち、制御部64は、マークカードセンサ15、チケットセンサ25、光学読み取りセンサ32、センサ35・36、センサ47、及びセンサ55から出力された信号を検出し、この信号に応じて印刷部46、カッタ48、アクチュエータ61、モータ62、及びモータ63の動作を制御する。
【0027】
図3は、マークカード処理装置を店舗に設置する際の構成を示すブロック図である。図3には、販売者が、購入者からマークカード2を受け取って、全ての操作を行う場合の構成を示している。マークカード処理装置1は、制御装置101に接続されている。また、制御装置101には、メッセージを表示する表示装置102、料金などの明細書を印刷するプリンタ103が接続されている。制御装置101は、接続されている各装置の制御を行う。また、制御装置101は、不図示のホスト装置と、不図示の通信回線を介して接続されており、くじ等のデータをやりとりする。マークカード処理装置1、制御装置101、表示装置102、及びプリンタ103から成る構成をチケット発券装置100と称する。
【0028】
次に、マークカード処理装置1の動作をフローチャートに基づいて説明する。図4は、マークカード処理装置のマークカードの読み取り処理を説明するためのフローチャートである。また、図5は、マークカード処理装置のチケット発券処理を説明するためのフローチャートである。マークカード処理装置1の制御部64は、まず、マークカード2の読み取り処理を行う。すなわち、図4に示すように、制御部64は、マークカード2がマークカード挿入排出口11から挿入されたことを、マークカードセンサ15で検出すると(s1)、アクチュエータ61により、第1切り替え部65及び第2切り替え部66を図1中の実線の位置に切り替えて、読み取り搬送路31の前方側をマークカード挿入排出路12に接続し、読み取り搬送路31の後方側を退避路51に接続した状態にする(s2)。そして、制御部64は、モータ62によりローラ対13・14・33・34を駆動して、マークカード2をマークカード挿入排出路12から読み取り搬送路31の光学読み取りセンサ32の設置位置へ搬送する(s3)。続いて、制御部64は、マークカード2が読み取り搬送路31へ搬送されるとセンサ35によりマークカード2の先端部2aが通過したことを検知すると(s4)、光学読み取りセンサ32を起動して、搬送されるマークカード2の情報の読み取りを開始する。また、制御部64は、モータ63によりローラ対52・53の駆動を開始する(s5)。
【0029】
ここで、光学読み取りセンサ32の起動に関しては、マークカード2が挿入されたことをマークカードセンサ15で検出したタイミングでも問題は無い。また、マークカード2の読み取りを開始するタイミングは、センサ35によるマークカード2の先端部2aの検知情報を利用しても、光学読み取りセンサ32によるマークカード2の先端部2aの検知情報を利用しても良い。
【0030】
制御部64は、光学読み取りセンサ32でマークカード2の情報の読み取ると、ローラ対33・34、ローラ対52・53、及び第2切り替え部66により、マークカード2を退避路51へ搬送する(s6)。このとき、制御部64は、チケット3を印刷するのに必要なマークカード2に記録された全ての情報を光学読み取りセンサ32が読み取ることができる位置まで、マークカード2を搬送する。制御部64は、光学読み取りセンサ32でマークカード2におけるチケット3を印刷するのに必要な全ての情報の読み取りが完了すると(s7)、モータ62・63を制御して、マークカード2の搬送を停止する(s8)。
【0031】
制御部64は、マークカード2から読み取った情報を解析し、チケット3を印刷するのに必要な情報を全て読み取れていれば(s9)、モータ62・63を制御して、ローラ対52・53、ローラ対33・34、ローラ対13・14により、マークカード2を退避路51から読み取り搬送路31を経由してマークカード挿入排出路12へ搬送し、マークカードセンサ15でマークカード2の位置を検出して、マークカード挿入排出口11からマークカード2の一部を突出した状態にする(s10)。そして、モータ62・63を停止して、マークカード2の読み取り処理を終了する(s11)。
【0032】
一方、制御部64は、ステップs9において、マークカード2におけるマークのマーク漏れ等により、チケット3を印刷するのに必要な情報が不足していたり、マークミスがある場合には、ステップs9・s10と同様に、マークカード2を搬送し、マークカードセンサ15でマークカード2の位置を検出して、マークカード挿入排出口11からマークカード2の一部を突出した状態にする(s12)。そして、制御部64は、モータ62・63を停止し(s13)、チケット3を印刷するのに必要な情報が不足している旨の信号をチケット発券装置100の制御装置101へ出力する(s14)。
【0033】
制御装置101は、この信号を受信すると(s21)、表示装置102に、マークカード2においてチケット3を印刷するのに必要な情報が不足しているか、またはマークミスがある旨の内容を表示させ(s22)、処理を終了する。販売者は、この場合、マークカード挿入排出口11からマークカード2を抜き取って、購入者にマークカード2にマーク漏れか、マークミスがあったことを伝えて、マークカード2の情報を修正してもらう。そして、修正されたマークカード2を再度マークカード処理装置1のマークカード挿入排出口11に挿入する。制御部64は、マークカード2がマークカード挿入排出口11から挿入されたことを、マークカードセンサ15で検出すると(s15)、ステップs2以降の処理を実行する。
【0034】
次に、制御部64は、チケット3の発券処理を行う。すなわち、図5に示すように、制御部64は、マークカード2の読み取り処理が終了すると、アクチュエータ61を制御して、第1切り替え部65と第2切り替え部66を図1中の破線の位置に切り替えて、読み取り搬送路31の前方側をチケット排出路22に接続し、読み取り搬送路31の後方側をチケット発行路41に接続した状態にする(s31)。そして、制御部64は、モータ63によりローラ42・43、ローラ対44・45を駆動し、モータ62によりローラ対33・34、ローラ対23・24を駆動して、ロール紙4の用紙先端部4aを繰り出して、ロール紙4の搬送を開始する(s32)。
【0035】
ここで、ロール紙4の初期位置は、ローラ対45により挟持されていて、且つ、チケット発行路41から読み取り搬送路31へ搬送されるロール紙4に印刷部46で印刷を行うことができる最適な位置とする。また、第1切り替え部65が、読み取り搬送路31の前方側とマークカード挿入排出路12とを接続しているときには、モータ62がローラ対13・14を駆動し、第1切り替え部65が、読み取り搬送路31の前方側とチケット排出路22とを接続しているときには、モータ62がローラ対23・24を駆動するように、不図示のクラッチにより切り替えられる。さらに、第2切り替え部66が読み取り搬送路31の後方側とチケット発行路41とを接続しているときには、モータ63がローラ42・43、ローラ対44・45を駆動し、第1切り替え部65が読み取り搬送路31の後方側と退避路51とを接続しているときには、モータ63がローラ対52・53を駆動するように、不図示のクラッチにより切り替えられる。ここで、ロール紙4の位置は、ロール紙4の用紙先端部4aをセンサ47により検知する方法の他に、ロール紙4に予め印刷されているタイミングマークをセンサで検知することでも検出できる。
【0036】
制御部64は、ロール紙4の用紙先端部4aが印刷部46に対向する位置に搬送されたことを、センサ47により検知すると(s33)、前述のマークカード読み取り処理においてマークカード2から読み取った情報に応じた内容を、印刷部46によりロール紙4へ印刷する(s34)。また、制御部64は、印刷が終了したロール紙4を、ローラ対44・45、ローラ対33・34により読み取り搬送路31へ搬送し、センサ36によりロール紙4の用紙先端部4aを検知すると(s35)、モータ62・63を制御して、ローラ対33・34、ローラ42・43、ローラ対44・45を停止され、カッタ48により、ロール紙4を切断する(s36)。続いて、制御部64は、モータ62を制御して、ローラ対23・24、ローラ対33・34を動作させて、ロール紙4を切断した用紙であるチケット3を光学読み取りセンサ32に対向する位置へ搬送するとともに、光学読み取りセンサ32を起動して、ロール紙4に印刷した情報の読み取りを開始する(s37)。また、制御部64は、モータ63を制御して、ローラ42・43、ローラ対44・45により、ロール紙4から繰り出した用紙を巻き上げて、ロール紙4の用紙先端部4aが印刷開始前の初期位置まで搬送されて、モータ63を停止する。
【0037】
制御部64は、光学読み取りセンサ32によりチケット3に印刷された情報を読み取ると、モータ62を制御して、ローラ対23・24、ローラ対33・34を停止させて、チケット3の搬送を一旦停止する(s38)。そして、制御部64は、チケット3から読み取った情報が、マークカード2から読み取った情報と一致しているか否かの確認や汚れ等の印刷ミスの有無等について確認を行う(s39)。
【0038】
制御部64は、チケット3から読み取った情報が、マークカード2から読み取った情報に応じたものであり、汚れ等の無い良品であれば、モータ62を制御して、ローラ対33・34、ローラ対23・24により、チケット3を読み取り搬送路31からチケット排出路22へ搬送して、チケットセンサ25でチケット3の端部を検出して、チケット排出口21からチケット3の一部を突出した状態にする(s40)。そして、モータ62を停止して、チケット3の発券処理を終了する(s41)。
【0039】
一方、制御部64は、ステップs39において、チケット3から読み取った情報が、マークカード2から読み取った情報に応じたものでない場合や、汚れ等がある不良品であれば、アクチュエータ61を制御して、第2切り替え部66を図1における実線の位置に切り替えて、読み取り搬送路31の後方側と退避路51とを接続した状態にする(s42)。続いて、制御部64は、モータ62・63を制御して、ローラ対23・24、ローラ対33・34、ローラ対52・53により、印刷ミス等があったチケット3を読み取り搬送路31から退避路51へ搬送し、回収ボックス54へこのチケット3を回収する(s43)。
【0040】
制御部64は、印刷ミス等のあったチケット3の回収が完了すると、アクチュエータ61を制御して、第1切り替え部65及び第2切り替え部66を図1における点線の位置に切り替えて、読み取り搬送路31の前方側をチケット排出路22に接続し、読み取り搬送路31の後方側をチケット発行路41に接続した状態にする(s44)。そして、制御部64は、再度ステップs32以降の処理を実行する。
【0041】
上記の説明では、マークカード2の内容を正常に読み取れなかった場合は、直ちにマークカード2を排出するように処理する例を説明したが、これに限るものではなく、以下のように処理することも可能である。すなわち、マークカード2の内容を正常に読み取れなかった場合には、直ちにマークカード2をマークカード挿入排出口11から排出するのではなく、光学読み取りセンサ32に対向する位置にマークカード2を搬送して、光学読み取りセンサ32で再度マークカード2の内容を読み取る。このとき、制御部64は、光学読み取りセンサ32の感度を補正したり、搬送速度を変更したりして読み取りを行うようにする。これにより、マークカード2の内容の読み取りを一度失敗しても、再度読み取りを行うことで、マークカード2の内容を正常に読み取ることができる可能性を高くできる。
【0042】
次に、マークカード処理装置を、コンビニエンスストアのカウンタに設置する場合を例に挙げて説明する。図6は、マークカード処理装置をコンビニエンスストアのカウンタに設置する際の構成を示すブロック図である。図6には、購入者が全ての操作を行い、マークカード処理装置からマークカードを抜き取り、プリンタから出力された明細書に印刷された請求金額を販売者に支払い、販売者からチケットを受け取る場合の構成を示している。
【0043】
図6(A)に示すように、マークカード処理装置1は、制御装置111に接続されている。また、制御装置111には、販売者122に対してメッセージを表示する販売者用表示装置112、購入者121に対してメッセージを表示する購入者用表示装置113、料金の明細書を印刷するプリンタ114が接続されている。制御装置111は、接続されている各装置の制御を行う。また、制御装置111は、不図示のホスト装置と、不図示の通信回線を介して接続されており、くじ等のデータをやりとりする。マークカード処理装置1、制御装置111、販売者用表示装置112、購入者用表示装置113、及びプリンタ114から成る構成をチケット発券装置110と称する。
【0044】
図6(B)に示すように、チケット発券装置110をカウンタ115におけるレジスタ兼販売者用表示装置112から離れた位置に設置する場合には、マークカード処理装置1、購入者用表示装置113、及びプリンタ114の各正面が、購入者121の側を向くように設置する。また、制御装置111及び販売者用表示装置112の各正面が販売者122の側を向くように設置する。
【0045】
図3に基づいて説明したように、販売者がマークカード処理装置1の全ての操作を行う場合や、チケット発券装置110をカウンタ115におけるレジスタ102のすぐ近くに設置する場合には、マークカード処理装置1の構成は図1に示した構成が適している。しかしながら、図6に示したように、コンビニエンスストアのカウンタ115におけるレジスタ102から離れた位置にチケット発券装置110を設置する場合には、図1に示した構成のマークカード処理装置1では問題が発生する可能性がある。例えば、マークカード処理装置1における実行可能な全ての操作を、購入者121に、実施してもらう運用方法を想定する。この場合には、購入者121は、マークカード処理装置1に対してマークカード2を挿入し、購入者用表示装置113で購入内容を確認して、マークカード処理装置1でチケット3を発券し、プリンタ114から出力される明細書を販売者のところへ持って行き、代金を支払うことになる。このような運用方法では、マークカード処理装置1のマークカード挿入排出口11と同じ側面にチケット排出口21が設けられているので、購入者121がチケット3を発券するとチケット3の代金を販売者122に支払わずにそのままマークカード2とチケット3を持ち帰ってしまう可能性がある。そこで、コンビニエンスストアのカウンタ等にマークカード処理装置を設置した場合でも、上記の問題が発生しない構成を以下に説明する。
【0046】
図7は、図1とは異なるマークカード処理装置の概略構成図である。図7に示すマークカード処理装置1Kは、図1に示したマークカード処理装置1に対して、チケット3の排出口として、マークカード挿入排出口11及びチケット排出口21を設けた側面1aとは異なる側面(反対側の面)1bに、第2チケット排出口71を設けた構成であり、チケット3の排出先をチケット排出口21と第2チケット排出口71とのいずれにも設定できるようにしたものである。
【0047】
以下に、その詳細を説明する。なお、マークカード処理装置1Kにおいて、マークカード処理装置1と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0048】
マークカード処理装置1Kは、マークカード処理装置1と同様の構成として、以下の構成を備えている。すなわち、マークカード処理装置1Kは、マークカード2を挿入・排出するためのマークカード挿入排出口11、マークカード2の搬送路であるマークカード挿入排出路12、マークカード搬送用のローラ対13・14、及びマークカード2の挿入または排出を検出するマークカードセンサ15を備えている。また、マークカード処理装置1Kは、チケット3を排出するチケット排出口21、チケット3の搬送路であるチケット排出路22、チケット3を搬送するローラ対23・24、及びチケット3の排出を検出するチケットセンサ25を備えている。さらに、マークカード処理装置1Kは、マークカード2及びチケット3の搬送路である読み取り搬送路31、マークカード2及びチケット3を読み取る光学読み取りセンサ32、マークカード2及びチケット3の搬送用のローラ対33・34、並びにマークカード2及びチケット3の位置検出用のセンサ35・36を備えている。加えて、マークカード処理装置1は、チケット3を発行する印刷部46を備えた搬送路であるチケット発行路41、ロール紙4を支持・回転させるローラ42・43、ロール紙4から繰り出された用紙先端部4aを搬送するローラ対44・45、ロール紙4から繰り出された用紙先端部4aに、マークカード2の内容に応じた情報を印刷する印刷部46、ロール紙4の用紙先端部4aの位置を検出するセンサ47、及びロール紙4から繰り出された用紙先端部4aを切断するカッタ48を備えている。また、マークカード処理装置1Kは、読み取り搬送路31の前方側と、マークカード挿入排出路12またはチケット排出路22と、の接続を切り替える第1切り替え部65を備えている。
【0049】
また、マークカード処理装置1Kは、マークカード処理装置1とは異なる構成として、退避路51、ローラ対52・53、回収ボックス54、第2切り替え部66、及びセンサ55に替えて、以下の構成を備えている。すなわち、マークカード処理装置1Kは、チケット3を排出する第2チケット排出口71、光学読み取りセンサ32が読み取りを行ったマークカード2を一時的に退避路と、チケット3を第2チケット排出口71へ搬送する搬送路とを兼ねた退避排出路72、チケット3を搬送するローラ対73・74・75、不良のチケット3を回収する回収ボックス76、退避排出路72内のマークカード2及びチケット3の有無を検出するセンサ77・78を備えている。
【0050】
また、マークカード処理装置1Kは、読み取り搬送路31の後方側と、チケット発行路41または退避排出路72と、の接続を切り替える第2切り替え部66、及び退避排出路72に搬送された不良のチケット3を回収ボックス76に導く第3切り替え部67を備えている。
【0051】
第1切り替え部65、第2切り替え部66、及び第3切り替え部67は、図中実線の位置と点線の位置とに切り替えることが可能である。第1切り替え部65、第2切り替え部66、及び第3切り替え部67は、ソレノイド等のアクチュエータ61を利用する機構により切り替える構成である。また、ローラ対13・14・33・34はモータ62により駆動される。さらに、ローラ42・43,ローラ対44・45・73・74・75は、モータ63により駆動される。
【0052】
次に、図8は、マークカード処理装置の制御系統のブロック図である。図8に示すように、制御部64は、マークカード処理装置1Kの各部を制御する。すなわち、制御部64は、マークカードセンサ15、チケットセンサ25、光学読み取りセンサ32、センサ35・36、センサ47、及びセンサ77・78から出力された信号を検出し、この信号に応じて印刷部46、カッタ48、アクチュエータ61、モータ62、及びモータ63の動作を制御する。また、制御部64には、マークカード処理装置1Kにおいて、チケット3の排出先を設定するための操作部69が接続されている。
【0053】
図3に示したように、販売者がマークカード処理装置1Kについての操作を全て行う場合や、チケット発券装置110のマークカード処理装置1Kをカウンタ115におけるレジスタ102のすぐ近くに設置して、購入者の操作を販売者が把握できる場合には、マークカード処理装置1Kの操作部69において、チケット3をチケット排出口21から排出するように設定することで、販売者は問題なく操作や販売の対応を行うことができる。
【0054】
一方、図6に示したように、コンビニエンスストアのカウンタ115におけるレジスタ兼販売者用表示装置112から離れた位置にマークカード処理装置1Kを設置する場合には、販売者122が別の購入者123と対応するために、チケット発券装置110の操作を行っている購入者121に対して対応できない場合がある。そこで、マークカード処理装置1Kの操作部69において、チケット3を第2チケット排出口71から排出するように予め設定することで、チケット3はカウンタ115の販売者122の側に排出される。したがって、購入者がチケット発券装置110のマークカード処理装置1Kにおける全ての操作を行う場合でも、購入者121はマークカード処理装置1Kからマークカード2を抜き取り、プリンタ114から出力された明細書に印刷された請求金額を販売者122に支払わないと、販売者122からチケット3を受け取ることができない。これにより、購入者121が、代金の支払いなしにチケットを持ち帰るのを防止できる。
【0055】
次に、マークカード処理装置1Kの動作について説明する。マークカード処理装置1Kは、マークカード2の読み取り処理を行う場合、及びチケット3の発券処理を行い、チケット3をチケット排出口21に排出するように操作部69で設定された場合には、図4・図5に基づいて説明した処理と同様の手順で処理を行う。すなわち、退避路51を退避排出路72に、ローラ対52・53をローラ対73・74に、回収ボックス54を回収ボックス76に、それぞれ読み替えた動作を行う。
【0056】
一方、マークカード処理装置1Kは、チケット3の発券処理を行った後に、チケット3を第2チケット排出口71に排出するように操作部69で設定された場合には、以下の手順で処理を行う。図9は、マークカード処理装置のチケット発券処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
図9に示すように、制御部64は、マークカード2の読み取り処理が終了すると、アクチュエータ61を制御して、第1切り替え部65と第2切り替え部66を図7中の破線の位置に切り替えて、読み取り搬送路31の前方側をチケット排出路22に接続し、読み取り搬送路31の後方側をチケット発行路41に接続した状態にする(s51)。このとき、第3切り替え部67は、図7中の実線の位置に停止している。
【0058】
制御部64は、モータ63によりローラ42・43、ローラ対44・45を駆動し、モータ62によりローラ対33・34、ローラ対23・24を駆動して、ロール紙4の用紙先端部4aを繰り出して、ロール紙4の搬送を開始する(s52)。ロール紙4の初期位置は、ローラ対45により挟持されていて、且つ、チケット発行路41から読み取り搬送路31へ搬送されるロール紙4に印刷部46で印刷を行うことができる最適な位置とする。また、第1切り替え部65が、読み取り搬送路31の前方側とマークカード挿入排出路12とを接続しているときには、モータ62がローラ対13・14を駆動し、第1切り替え部65が、読み取り搬送路31の前方側とチケット排出路22とを接続しているときには、モータ62がローラ対23・24を駆動するように、不図示のクラッチにより切り替えられる。さらに、第2切り替え部66が読み取り搬送路31の後方側とチケット発行路41とを接続しているときには、モータ63がローラ42・43、ローラ対44・45を駆動し、第1切り替え部65が読み取り搬送路31の後方側と退避排出路72とを接続しているときには、モータ63がローラ対73・74・75を駆動するように、不図示のクラッチにより切り替えられる。
【0059】
制御部64は、ロール紙4の用紙先端部4aが印刷部46に対向する位置に搬送されたことを、センサ47により検知すると(s53)、マークカード読み取り処理においてマークカード2から読み取った情報に応じた内容を、印刷部46によりロール紙4へ印刷する(s54)。また、制御部64は、印刷が終了したロール紙4を、ローラ対44・45、ローラ対33・34により読み取り搬送路31へ搬送し、センサ36によりロール紙4の用紙先端部4aを検知すると(s55)、モータ62・63を制御して、ローラ対33・34、ローラ42・43、ローラ対44・45を停止され、カッタ48により、ロール紙4を切断する(s56)。続いて、制御部64は、モータ62を制御して、ローラ対23・24、ローラ対33・34を動作させて、ロール紙4を切断した用紙であるチケット3を光学読み取りセンサ32に対向する位置へ搬送するとともに、光学読み取りセンサ32を起動して、ロール紙4に印刷した情報の読み取りを開始する(s57)。また、制御部64は、モータ63を制御して、ローラ42・43、ローラ対44・45により、ロール紙4から繰り出した用紙を巻き上げて、ロール紙4の用紙先端部4aが印刷開始前の初期位置まで搬送されて、モータ63を停止する。
【0060】
制御部64は、光学読み取りセンサ32によりチケット3に印刷された情報を読み取ると、再度モータ62を制御して、ローラ対23・24、ローラ対33・34を停止させて、チケット3の搬送を一旦停止する(s58)。そして、制御部64は、チケット3から読み取った情報が、マークカード2から読み取った情報と一致しているか否かの確認や、汚れ等の印刷ミスの有無等について確認を行う(s59)。
【0061】
制御部64は、チケット3から読み取った情報が、マークカード2から読み取った情報に応じたものであり、汚れ等の無い良品であれば、アクチュエータ61を制御して、第2切り替え部66を図7中の実線の位置に切り替えて、読み取り搬送路31の前方側をチケット排出路22に接続し、読み取り搬送路31の後方側を退避排出路72に接続した状態にする(s60)。続いて、制御部64は、モータ62・63を制御して、ローラ対23・24、ローラ対33・34、ローラ対73・74・75により、チケット3をチケット排出路22から読み取り搬送路31を介して退避排出路72へ搬送して、センサ78でチケット3の端部を検出して、第2チケット排出口71からチケット3の一部を突出した状態にする(s61)。そして、モータ62・63を停止して、チケット3の発券処理を終了する(s62)。
【0062】
一方、制御部64は、ステップs59において、チケット3から読み取った情報が、マークカード2から読み取った情報に応じたものでない場合や、汚れ等がある不良品であれば、アクチュエータ61を制御して、第2切り替え部66を図7における実線の位置に切り替え、また第3切り替え部67を図7における点線の位置に切り替える。そして、読み取り搬送路31の後方側を退避排出路72に接続するとともに、退避排出路72と回収ボックス76を接続した状態、つまり退避排出路72から回収ボックス76へチケット3を搬送する状態にする(s63)。続いて、制御部64は、モータ62・63を制御して、ローラ対23・24、ローラ対33・34、及びローラ対73・74により、印刷ミス等があったチケット3を読み取り搬送路31から退避排出路72へ搬送し、さらに回収ボックス76へこのチケット3を回収する(s64)。
【0063】
制御部64は、印刷ミス等のあったチケット3の回収が完了すると、アクチュエータ61を制御して、第2切り替え部66はそのまま図7における点線の位置に切り替え、第3切り替え部67を図8における実線の位置に切り替えて、退避排出路72から回収ボックス76を切り離した状態にする(s65)。そして、制御部64は、再度ステップs52以降の処理を実行する。
【0064】
図10は、図1・図7とは異なるマークカード処理装置の概略構成図である。次に、マークカード処理装置1Kを、図6に示したように、コンビニエンスストアのカウンタ設置専用の装置とする場合には、図8において、チケット排出口21、チケット排出路22、ローラ対23・24、チケットセンサ25、及び第1切り替え部65を取り除いた構成にすると良い。すなわち、図10に示すマークカード処理装置1Hのような構成にすると良い。
【0065】
マークカード処理装置1Hは、マークカード処理装置1Kにおいてチケット3を第2チケット排出口71から排出するように設定された場合と同様の動作を行う。そのため、マークカード処理装置1Hの動作の詳細説明を省略する。
【0066】
マークカード処理装置1Kと同様に、コンビニエンスストアのカウンタ115におけるレジスタ兼販売者用表示装置112から離れた位置にマークカード処理装置1Hを設置した場合に、チケット3は第2チケット排出口71から排出されるので、販売者は問題なく操作でき、また、購入者が代金の支払いなしにチケットを持ち帰るのを防止できる。
【0067】
以上のように、マークカード処理装置1,1K,1Hは、光学読み取りセンサ32と印刷部46とが一体的に構成されており、読み取り搬送路31に設けられた光学読み取りセンサ32によって、マークカード挿入排出口11から挿入されたマークカード2の読み取り処理と、印刷部46で印刷されたチケット3の読み取り処理と、を行うので、装置を小型化することができ、狭い設置スペースでも装置を設置できる。また、マークカード処理装置の操作者や設置場所に応じて、チケット3の排出先が異なるものを用いたり、チケット3の排出先を切り替えたりすることができるので、チケット3の取り忘れやチケット3の代金未収を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】マークカード処理装置の概略の構成図及びマークカード処理装置の斜視図である。
【図2】マークカード処理装置の制御系統のブロック図である。
【図3】マークカード処理装置を店舗に設置する際の構成を示すブロック図である。
【図4】マークカード処理装置のマークカードの読み取り処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】マークカード処理装置のチケット発券処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】マークカード処理装置をコンビニエンスストアのカウンタに設置する際の構成を示すブロック図である。
【図7】図1とは異なるマークカード処理装置の概略構成図である。
【図8】マークカード処理装置の制御系統のブロック図である。
【図9】マークカード処理装置のチケット発券処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図1・図7とは異なるマークカード処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0069】
1,1K,1H−マークカード処理装置 1a,1b−側面 2−マークカード 3−チケット 4−ロール紙 11−マークカード挿入排出口 12−マークカード搬送路 13・14・23・24・33・34・44・45・52・53・73・74・75−ローラ対 15−マークカードセンサ
21−チケット排出口 22−チケット搬送路 25−チケットセンサ 31−読み取り搬送路 32−光学読み取りセンサ 35・36・47・55・77・78−センサ 41−チケット発行路 42・43−ローラ 46−印刷部 48−カッタ 51−退避路 54・76−回収ボックス 61−アクチュエータ 62・63−モータ 64−制御部 65−第1切り替え部 66−第2切り替え部 67−第3切り替え部 71−第2チケット排出口 72−退避排出路 100・110−チケット発券装置 101・111−制御装置 102−表示装置 103・114−プリンタ 113−購入者用表示装置 115−カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マークが記録されているマークカードが搬送され、または、マークカードが搬送された後にこのマークカードの情報に基づいて発行されるチケットが搬送され、搬送中にこれらマークカードとチケットの各情報を読み取るための読み取り搬送路と、
前記読み取り搬送路に設けられ、この読み取り搬送路を通過する前記マークカードまたは前記チケットの情報を読み取る読み取り手段と、
マークカードの挿入直後の搬送または排出直前の搬送が行われるマークカード挿入排出路と、チケットの排出直前の搬送が行われるチケット排出路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の前方側を接続する第1接続切り替え手段と、
前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したマークカードを一時的に退避させ、その後、前方向に送り出す退避路と、チケットを発行するチケット発行路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の後方側を接続する第2接続切り替え手段と、
マークカードが前記マークカード挿入排出路に挿入されると、前記第1接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の前方側を前記マークカード挿入排出路に接続するとともに、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するマークカードの情報を読み取り、
続いて、前記第1接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の前方側を前記チケット排出路に接続するとともに、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記チケット発行路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するチケットの情報を読み取る制御手段と、
を備えたことを特徴とするマークカード処理装置。
【請求項2】
前記チケット排出路においてチケットの排出が行われるチケット排出口と、
前記マークカード挿入排出路においてマークカードの挿入または排出が行われるマークカード挿入排出口と、を備え、
前記チケット排出口は、装置本体の前記マークカード挿入排出口と同じ側面に、かつ前記マークカード挿入排出口よりも上部に設けられた請求項1に記載のマークカード処理装置。
【請求項3】
前記退避路に接続され、不良のチケットを回収する回収手段を備え、
前記制御手段は、前記読み取り手段による前記チケットの読み取り結果が不良の場合には、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避路に接続し、そのチケットを前記回収手段に回収する請求項1または2に記載のマークカード処理装置。
【請求項4】
マークが記録されているマークカードが搬送され、または、マークカードが搬送された後にこのマークカードの情報に基づいて発行されるチケットが搬送され、搬送中にこれらマークカードとチケットの各情報を読み取るための読み取り搬送路と、
前記読み取り搬送路に設けられ、この読み取り搬送路を通過する前記マークカードまたは前記チケットの情報を読み取る読み取り手段と、
マークカードの挿入直後の搬送または排出直前の搬送が行われるマークカード挿入排出路と、チケットの排出直前の搬送が行われるチケット排出路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の前方側を接続する第1接続切り替え手段と、
前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したマークカードを一時的に退避させた後の前方向への送り出し、前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したチケットを前記チケット排出路と異なる方向へ排出する直前の搬送が行われる退避排出路と、チケットを発行するチケット発行路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の後方側を接続する第2接続切り替え手段と、
前記チケット排出路からチケットを排出する第1のモード、または前記退避排出路からチケットを排出する第2のモードに設定する設定手段と、
前記設定手段が前記第1モードに設定された場合には、マークカードが前記マークカード挿入排出路に挿入されると、前記第1接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の前方側を前記マークカード挿入排出路に接続するとともに、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避排出路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するマークカードの情報を読み取るマークカード読み取り処理と、
続いて、前記第1接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の前方側を前記チケット排出路に接続するとともに、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記チケット発行路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するチケットの情報を読み取るチケット読み取り処理と、を行い、
前記設定手段が前記第2モードに設定された場合には、前記マークカード読み取り処理と、前記チケット読み取り処理と、を行った後に、前記第2接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避排出路に接続する制御手段と、
を備えたことを特徴とするマークカード処理装置。
【請求項5】
マークが記録されているマークカードが搬送され、または、マークカードが搬送された後にこのマークカードの情報に基づいて発行されるチケットが搬送され、搬送中にこれらマークカードとチケットの各情報を読み取るための読み取り搬送路と、
前記読み取り搬送路に設けられ、この読み取り搬送路を通過する前記マークカードまたは前記チケットの情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り搬送路の前方側に接続され、マークカードの挿入直後の搬送または排出直前の搬送が行われるマークカード挿入排出路と、
前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したマークカードを一時的に退避させた後の前方向への送り出し、前記読み取り搬送路を後方側に向けて通過したチケットを前記チケット排出路と異なる方向へ排出する直前の搬送が行われる退避排出路と、チケットを発行するチケット発行路と、のいずれかに、前記読み取り搬送路の後方側を接続する接続切り替え手段と、
マークカードが前記マークカード挿入排出路に挿入されると、前記接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避排出路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するマークカードの情報を読み取り、
続いて、前記接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記チケット発行路に接続し、それにより前記読み取り手段によって前記読み取り搬送路を通過するチケットの情報を読み取り、
さらに、前記接続切り替え手段により前記読み取り搬送路の後方側を前記退避排出路に接続する制御手段と、
を備えたことを特徴とするマークカード処理装置。
【請求項6】
不良のチケットを回収する回収手段と、
前記退避排出路と前記回収手段を接続する第3切り替え手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記読み取り手段による前記チケットの読み取り結果が不良の場合には、前記第3接続切り替え手段により前記退避排出路を前記回収手段に接続し、そのチケットを前記回収手段に回収する請求項4または5に記載のマークカード処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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