説明

マークジャンプ制御装置およびその方法

【課題】画面の表示状況に基づいて区別表示すべきマークを判断することにより、ユーザの操作意図を反映した制御を行うことのできるマークジャンプ制御装置を提供する。
【解決手段】ハイライト表示中のマークM1および通常表示中のM2が表示されている。その後、ユーザが画面スクロールを行うことにより、5ページ目に設定されているマークM6、M7、M8を表示させたとする。この状態において、ユーザがボタンMC3をクリックすると、ハイライト表示中のマークM1の次のマークであるマークM2ではなく、マークM6をハイライト表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画面上において所定マークを区別表示するマークジャンプ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書やソースプログラム等の作成に用いられるエディタ装置において、ユーザが指定した検索文字列を順に区別表示させる機能が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
このような機能は、一般に検索機能と呼ばれており、(1)検索文字列を入力し、(2)検索方向を指定し、(3)検索ボタンを押下することにより、最初の検索文字列が反転表示等により区別表示される。そして、継続して同様の検索を行う場合には、所定のキー(例えば、F5キー。)を押すことにより、次の検索文字列を区別表示することができる。
【0004】
【非特許文献1】株式会社ジャストシステム、一太郎2006、検索機能
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような検索機能を継続して使用する前段階において、ユーザが画面スクロールを行っている場合がある。このような場合、従来においては、画面の表示状況を考慮されていなかった。このため、ユーザの操作意図を反映した区別表示が行われておらず、エディタ装置の操作性が低下するという問題があった。
【0006】
例えば、図14に示すように、検索文字列「A」を文頭から検索した場合、最初の画面991においては、文字「A」91が反転表示される。その後、ユーザが画面をスクロールして画面993を表示させている場合において、次の検索文字列を反転表示させる操作(例えば、F5キー95を押下する操作。)を行うと、画面を上部に自動スクロールさせ、文字「A」92を反転表示する。
【0007】
このような状況においては、ユーザは画面993における文字「A」93を注目していたにもかかわらず、文字「A」92を含む画面が表示されることになり、文字「A」93を表示させるには再度スクロール操作を行わなくてはならず、操作が煩雑となる。
【0008】
また、上記の例においては、文字列を順次反転表示させる場合を説明したが、
図13に示すように、文字行ごとに設定されたブックマークを順次ハイライト表示させる場合についても同様である。すなわち、第1ページのマークM1をハイライト表示させた後(図13のB)、第5ページに画面スクロールしてマークM6〜M8を表示させ(図13のC)、「次のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC3をクリックすると(図13のA)、第1ページに戻ってマークM2をハイライト表示してしまうため(図13のD)、第5ページ目を再度表示させる場合には操作が煩雑となる。
【0009】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、区別表示に関する操作性を向上させたマークジャンプ制御装置の提供を目的とする。詳しくは、画面の表示状況に基づいて区別表示すべきマークを判断することにより、ユーザの操作意図を反映した制御を行うことのできるマークジャンプ制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)(2)(8)この発明に係るマークジャンプ制御装置は、ユーザからのジャンプ指示を受けて、複数のマークの中から所定マークを区別表示させるマークジャンプ制御装置であって、(a1)画面上に表示可能なマークの順序を記録した記録部と、(a2)区別表示すべきマークについてのジャンプ指示を受け付けるマークジャンプ指示手段と、(a3)ジャンプ指示を受けると、記録部に記録されたマークの順序に基づいて、区別表示すべきマークを仮決定する表示マーク仮決定手段と、(a4)画面の表示領域を記憶する表示領域記憶部を参照して、仮決定したマークが画面に表示されていると判断した場合には、当該マークを区別表示すべきマークとして本決定し、仮決定したマークが画面に表示されてないと判断した場合には、現に画面上に表示されているマークを優先して区別表示すべきマークとして本決定する表示マーク本決定手段と、(a6)前記表示マーク本決定手段が区別表示すべきマークとして本決定したマークを、他のマークと区別して表示させるマーク区別表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。したがって、画面の表示状況を考慮して、区別表示すべきマークの表示を適切に行うことができる。これにより、マークジャンプの操作性を向上させることができる。
【0011】
(3)この発明に係るマークジャンプ制御装置においては、表示マーク本決定手段は、ユーザから受けたジャンプ指示の方向と、現に区別表示しているマークおよび前記表示領域記憶部を参照して判断される画面スクロールの方向とが一致する場合に、現に画面上に表示されているマークを優先して区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とする。したがって、ユーザの操作意思に応じて所定マークを適切に区別表示することができる。
【0012】
(4)この発明に係るマークジャンプ制御装置においては、表示マーク本決定手段は、現に画面上に表示されているマークが複数ある場合には、仮決定した区別表示すべきマークに最も近い順序に記録されているマークを区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とする。したがって、ユーザの操作意思に応じて所定マークを適切に区別表示することができる。これにより、ユーザはより直感的にマーク表示操作を行うことができる。
【0013】
(5)この発明に係るマークジャンプ制御装置においては、表示マーク本決定手段は、現に画面上に表示されているマークが複数ある場合には、仮決定した区別表示すべきマークに最も近い距離にあるマークを区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とする。したがって、ユーザの操作意思に応じて所定マークを適切に区別表示することができる。これにより、ユーザはより直感的にマーク表示操作を行うことができる。
【0014】
(6)この発明に係るマークジャンプ制御装置においては、表示マーク本決定手段は、仮決定した区別表示すべきマークが画面に表示されていない場合であって、現に画面上に表示されているマークが一つもない場合には、仮決定した区別表示すべきマークを区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とするもの。したがって、ユーザの操作意思に応じて所定マークを区別表示する処理を、マークが表示されている場合に限定して実行させることができる。
【0015】
(7)この発明に係るマークジャンプ制御装置においては、記録部は、テキスト文字を画面表示する場合における行番号を含む情報をマーク順序として記録しており、表示マーク仮決定手段は、行番号を含む情報に基づいて区別表示すべきマークを仮決定し、表示マーク本決定手段は、行番号を含む情報に基づいて現に画面上に表示されているマークを区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とする。したがって、テキスト行ごとにマークを設定して表示することができる。これにより、文書等の作成中にブックマークを使用することができる。
【0016】
以下、実施形態との対応について説明する。
【0017】
「区別表示」とは、実施形態においては所定のマークをハイライト表示すること等が該当する。「画面上に表示可能なマークの順序を記録した記録部」とは、実施形態においてはマーキング情報3051(図10または図10a)に示したを記録するメモリ305(図3)が該当する。
【0018】
「マークジャンプ指示手段」は、実施形態においては図6のAに示したマークコントローラMCにおいてボタンMC3をクリックされる操作が該当する。「表示マーク仮決定手段」は、実施形態においては図4に示したステップS805の機能が該当する。「表示マーク本決定手段」は、実施形態においては図4に示したステップS807〜S811の機能が該当する。「マーク区別表示制御手段」は、実施形態においては図4に示したステップS815またはS817の機能が該当する。「表示領域記憶部」は、実施形態においては図9に示したマーク表示制御情報3053が該当する。
【0019】
「ユーザから受けたジャンプ指示の方向と、現に区別表示しているマークおよび前記表示領域記憶部を参照して判断される画面スクロールの方向とが一致する場合」とは、実施形態においては図4に示したステップS811において、ボタンMC3を押下したときに画面がページ順方向にスクロールされた画面が表示されている場合が該当する。
【0020】
「仮決定した区別表示すべきマークに最も近い順序に記録されているマーク」とは、実施形態においては図4に示したステップS805において、図10のマーキング情報3051を参照してマークM1の次にハイライト表示すべきマークとしてマークM2を取得する例が該当する。「仮決定した区別表示すべきマークに最も近い距離にあるマーク」とは、実施形態においては図4に示したステップS805において、図11のBのマーキング情報3051を参照してマークM1の次にハイライト表示すべきマークとしてマークM3を取得する例が該当する。「仮決定した区別表示すべきマークが画面に表示されていない場合であって、現に画面上に表示されているマークが一つもない場合」とは、実施形態においては図4に示したステップS807において、図8のAの画面について判断する場合が該当する。「テキスト文字を画面表示する場合における行番号を含む情報」とは、実施形態においては図10のマーキング情報3051においてマーク位置としてページ番号および行番号を記録した情報がこれに該当する。
【0021】
この発明において、「〜手段」とは、プログラムによって実現されるCPUの機能を含む概念である。ここで、「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
1.第1の実施形態
1−1.全体構成
図1は、マーキング装置2またはマークジャンプ制御装置3として機能させることができるエディタ装置1の全体構成である。本実施形態においては、このエディタ装置1をマークジャンプ制御装置3として機能させた場合の処理について説明する。なお、エディタ装置1は、いわゆるワードプロセッサ(ワープロ)であって、文字入力を行うことのできるコンピュータ装置または専用機等である。
【0023】
1−2.処理概要
図13を用いて、この発明の一実施形態の処理概要を説明する。上述したように、文書作成ソフトの文書中に設定されたブックマークのハイライト表示をジャンプさせる機能について説明する。
【0024】
図13のBにおいては、ハイライト表示中のマークM1および通常表示中のM2が表示されている。その後、ユーザが画面スクロールを行うことにより、5ページ目に設定されているマークM6、M7、M8を表示させたとする(図13のC)。この状態において、ユーザがマークコントローラMCにおいて、「次のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC3をクリックすると、ハイライト表示中のマークM1の次のマークであるマークM2ではなく、マークM6をハイライト表示させる。
【0025】
1−3.機能ブロック図
図1に示したマークジャンプ制御装置3の機能ブロック図の一例を、図2に示す。この図において、マークジャンプ指示手段201は、区別表示すべきマークについてのジャンプ指示を受け付けるためのものである。表示マーク仮決定手段203は、記録部に記録されたマークの順序に基づいて、区別表示すべきマークを仮決定するためのものである。表示マーク本決定手段205は、仮決定したマークが画面に表示されている場合には、当該マークを区別表示すべきマークとして本決定し、仮決定したマークが画面に表示されていない場合には、現に画面上に表示されているマークを優先して区別表示すべきマークとして本決定するためのものである。マーク区別表示制御手段207は、区別表示すべきマークとして本決定したマークを他のマークと区別して表示させるためのものである。表示領域記憶部211は、現在ディスプレイ301に表示している画面の表示領域を記憶しておくためのものである。
【0026】
座標入力デバイス103は、ユーザが座標入力を行うためのものである。記録部107は、マーキング対象として特定された文字行を記録しておくためのものである。画面表示制御手段121は、画面表示デバイス119において表示するための情報を制御するためのものである。画面変更手段209は、ユーザが画面スクロールを行うためのものである。画面表示デバイス119は、マークを含む情報を視覚可能に表示するためのものである。
【0027】
1−4.ハードウエア構成
図2に示したエディタ装置1を、CPUを用いて実現するハードウェア構成の一例を図3に示す。このエディタ装置1は、ディスプレイ301、CPU303、メモリ305、キーボード307、マウス308、ハードディスク309、光学式ドライブ311および通信回路315等を備えている。
【0028】
CPU303は、オペレーティングシステム(OS)およびマークジャンプ制御プログラム3093等に基づいた処理を行う。ハードディスク209は、マークジャンプ制御プログラム3093を記録する。このプログラムは、光学式ドライブ311を介してCD−ROM312またはDVD−ROM等に記録されたプログラムを読み出してインストールされたものである。なお、上記インストールは、通信回路315を用いてインターネット等のネットワークからダウンロードしたプログラムを使用して行うようにしてもよい。
【0029】
マークジャンプ制御プログラム3093は、ユーザからの操作指示を受けてマークジャンプにかかる処理を実行する。また、マークジャンプ制御プログラム3093は、メモリ305におけるマーク表示制御情報3053を取り扱う。
【0030】
マーク表示制御情報3053の例を図9に示す。マーク表示制御情報3053は、設定された各マークについてディスプレイ301における「表示方法」および「表示状態」を管理するものである。「表示方法」は、マークジャンプ制御プログラム3093によって更新される。「表示状態」は、ディスプレイドライバ等の出力情報に基づいてリアルタイムに更新される。
【0031】
なお、本実施形態においては、「マークID」、「表示方法」および「表示状態」の表示情報を管理するマーク表示制御情報3053を用いて上記表示領域記憶部211(図2)を構成する例を説明するが、画面全体の表示情報を上記表示領域記憶部211(図2)に記憶しておき、上記マーク表示制御情報3053を都度演算することにより取得してもよい。
【0032】
図3のマウス308は、図2の座標入力デバイス103に該当する。図3のマークジャンプ制御プログラム3093は、図2のマークジャンプ指示手段201、表示マーク仮決定手段203、表示マーク本決定手段205、マーク区別表示制御手段207および表示領域記憶部211に該当する。図3のメモリ305は、図2の記録部107に該当する。図3のディスプレイ301は、図2の画面表示デバイス119に該当する。OSのディスプレイドライバ等が、図2の画面表示制御手段121に該当する。OSのスクロール表示ドライバ等が画面変更手段209に該当する。
【0033】
1−5.処理内容
図4〜12を用いて、本実施形態における処理内容を説明する。本実施形態においては、コンピュータ装置にインストールされた文書作成ソフトウェア(例えば、一太郎(商標)。)に組み込まれたマークジャンプ制御プログラム3093(図3参照)を実行する例について説明する。
【0034】
1−5−1.マークジャンプ制御処理
図5に示すように、文書中にブックマークとしてマークM1〜M8が設定されている場合において、文書中に設定された複数のマークの中から、ユーザが注目するマークを他のマークと区別するためにハイライト表示させる例について説明する。
【0035】
図4は、文書作成ソフトウェアの実行中において、ハイライト表示するマークのジャンプ制御を行う場合のフローチャートの例である。本実施形態においては、マークジャンプ制御プログラム3093は文書作成ソフトウェアの起動と同時に、CPU303において起動されているものとする。
【0036】
ディスプレイ301(図3参照)には、図6のAに示すマークコントローラMCが表示されている。マークコントローラMCは、「最初のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC1、「前のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC2、「次のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC3、「最後のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC4から構成される。
【0037】
図10のDは、図5に示した文書中の所定文字行に複数のマークM1〜マークM8に対応するマーク位置(ページ番号,行番号)を記録するものである。すなわち、現在の文書中には8つのマークが設定されている。
【0038】
図6のBは、文書の先頭ページである1ページ目の画面を示しており、マークM1およびM2が表示されている。なお、この画面では、マークM1がデフォルトとしてハイライト表示されている。以下、ユーザがボタンMC3を押下して、所定マークをハイライト表示させる例について説明する。
【0039】
ユーザは、マウス308を用いてディスプレイ301上に表示された座標カーソル51を操作してMC3ボタンをクリックする。これを受けてマークジャンプ制御処理プログラム3093は、図4のフローチャートにかかる処理を実行する。
【0040】
1−5−2.マークジャンプ制御のフローチャート
MC3ボタンのクリックを受けると、CPU303は、順方向へのジャンプ指示がなされたと判断する(ステップS801)。
【0041】
CPU303は、マーク表示制御情報3053を参照し、現在ハイライト表示しているマークのマークIDを取得する(ステップS803)。この場合、図9のAに示すように、マークM1がハイライト表示、マークM2が通常表示されていることがわかる。したがって、CPU303は、マークM1を現在ハイライト表示しているマークのマークIDとして取得する。
【0042】
CPU303は、現在ハイライト表示しているマークに基づいてマーキング情報3051を参照し、次の順序にあるマークを取得して仮決定する(ステップS805)。この場合、図9のAに示すように、マークM1の次の順序として記録されているマークM2を取得し、マークM2(5行目)を次にハイライト表示すべきマークとして仮決定する。
【0043】
以下に示すステップS807〜S819については、先のハイライト表示からMC3ボタンをクリックするまでに行われた画面のスクロール状況によって、行われる処理が異なるため、場合を分けて説明する。
【0044】
(1)スクロールありの場合
所定マークをハイライト表示している画面についてページ順方向のスクロールが行われ、その後にボタンMC3が押下された場合は、画面の表示状況を考慮してハイライトすべきマークを決定し、決定したマークにハイライト表示をジャンプさせる処理を行う。すなわち、設定されたマーク順序ではなく、表示画面の状況に基づいてハイライト表示させるマークを決定する。
【0045】
例えば、図6のBの画面においてマークM1がハイライト表示されてる場合に、ユーザが画面を下方に手動スクロールを行い、図7のAの画面に示すように、マークM6、M7およびM8を表示させたとする。その状態で、ユーザがボタンMC3を押下して、ハイライト表示するマークを次のマークへジャンプさせる指示を行うと、CPU303は、図4のフローチャートにおいて以下の処理を実行する。
【0046】
上述したように、CPU303は、マーキング情報3051を参照して、現在ハイライト表示しているマークM1から次にハイライト表示すべきマークであるマークM2を取得する(ステップS803〜S805)。
【0047】
図7のAの画面には、マークM6、M7およびM8が表示されており、マークM2は表示されていない。この場合、図9のマーク表示制御情報3053において、マークM6、M7およびM8の「表示状態」のみが「表示」であり、マークM1およびマークM2の「表示状態」は「非表示」となる。よって、CPU303は、マーク表示制御情報3053を参照して、画面に仮決定したマークM2がないと判断する(ステップS807,NO)。
【0048】
図7のAの画面には、マークM6、M7およびM8が表示されている。よって、CPU303は、上述したマーク表示制御情報3053の情報に基づいて、画面に何れかのマークがあると判断する。
【0049】
図7のAの画面は、1ページ目を示す図6のBの画面をスクロールして、5ページ目を表示させたものである。よって、CPU303は、現在ページが仮決定したマークのページ位置よりも大きいと判断する(ステップS811,YES)。なお、この場合において現在のページは、メモリ305上に記憶した画面表示情報(図示しない)から取得すればよい。
【0050】
したがって、CPU303は、図7のAの画面に表示されている先頭のマークであるマークM6をハイライト表示する(ステップS815)。これにより、マーク表示制御情報3053は、図9aのDに示す状態に更新される(ステップS819)。
【0051】
このように、マークについてのハイライト表示のジャンプ指示を受けた場合において、画面のマーク表示状況を考慮することにより、明らかに表示する必要のないマークをハイライト表示することなく、所望のマークにハイライト表示をジャンプさせることができる。これにより、マークジャンプ操作における操作性を向上させることができる。
【0052】
(2)スクロールなしの場合
スクロールがされていない場合にボタンMC3が押下された場合は、従来の処理を行う。すなわち、設定されたマーク順序通りにマークをハイライト表示させる。
【0053】
例えば、図6のBの画面においてマークM1がハイライト表示されてる場合に、ユーザが画面を下方に手動スクロールを行い、図6のCの画面に示すように、マークM1およびM2を表示させたとする。その状態で、ユーザがボタンMC3を押下して、ハイライト表示するマークを次のマークへジャンプさせる指示を行うと、CPU303は、図4のフローチャートにおいて以下の処理を実行する。
【0054】
上述したように、CPU303は、マーキング情報3051を参照して、現在ハイライト表示しているマークM1から次にハイライト表示すべきマークであるマークM2を取得する(ステップS803〜S805)。
【0055】
図6のCの画面には、マークM1およびM2が表示されている。よって、CPU303は、この画面状況に対応するマーク表示制御情報3053の情報に基づいて、画面に仮決定したマークM2があると判断する(ステップS807,YES)。
【0056】
したがって、CPU303は、図6のCの画面に示すように、マークM2(5行目)をハイライト表示させる(ステップS817)。これにより、マーク表示制御情報3053は、図9のBに示す状態に更新される(ステップS819)。
【0057】
同様に、図6のCの画面において、ボタンMC3が押下された場合は、上述したように、CPU303は、マーキング情報3051を参照して、現在ハイライト表示しているマークM2から次にハイライト表示すべきマークであるマークM3を取得する(ステップS803〜S805)。
【0058】
図6のCの画面にはマークM3が表示されていないため、マークM3を画面表示できるように、画面を順方向へ自動スクロールして、図6のDの画面を表示する。これにより、マーク表示制御情報は、図9のCに示す状態となる。
【0059】
以上のようにして、マークコントローラMCのボタンMC3を押下することにより、文書内に設定したブックマークを順次ハイライト表示させることができる。
【0060】
(3)マークがない場合
画面のスクロール後にマークが1つも表示されていないときにも、従来の処理を行う。すなわち、直近にハイライト表示していたマークに基づいて、設定されたマーク順序通りにマークをハイライト表示させる。
【0061】
例えば、図7のBの画面に示すように、マークM6(5ページ、5行目)をハイライト表示している状態において、ユーザがページ逆方向に手動スクロールを行い、図8のAの画面に示すように、文書の4ページ目を表示させたとする。図10のDのマーキング情報3051に示したように、文書の4ページにはマークが1つも設定されていないため、図8のAの画面にはマークが1つも表示されていない。
【0062】
この状況において、ユーザがボタンMC3を押下すると、上述したように、CPU303は、マーキング情報3051を参照して、現在ハイライト表示しているマークM6から次にハイライト表示すべきマークであるマークM7を取得する(ステップS803〜S805)。
【0063】
図8のAの画面には、マークが1つも表示されていない。この場合、図9のマーク表示制御情報3053において、すべてのマーク(マークM1〜M8)の「表示状態」は「非表示」となる。よって、CPU303は、画面に仮決定したマークM7がないと判断する(ステップS807,NO)。また、画面に何れかのマークがないと判断する。在し(ステップS809,NO)。
【0064】
したがって、CPU303は、仮決定したマークM7をハイライト表示する(ステップS817)。これにより、マーク表示制御情報3053は、図9aのEに示す状態に更新される(ステップS819)。
【0065】
このように、画面が逆スクロールされている場合には、スクロールがなされていない場合と同様に、記録されたマークIDを順序通りハイライト表示する。つまり、マークのジャンプ方向とページのスクロール方向が一致する場合に、表示画面に応じてマークのハイライト表示をジャンプをするようにしている。これにより、ユーザの操作意図を考慮してハイライト表示するマークを適切に決定することができる。
【0066】
2.その他の実施形態
2−1.マーク順序
上記実施形態においては、図10のマーキング情報3051から次にハイライト表示すべきマークのマークIDを決定する場合に、マークIDの小さい順から大きい順にしたがって決定するように構成したが、図10aに示すようにマークの順序を示すデータであるマーク順序77に基づいて次にハイライト表示すべきマークを仮決定するようにしてもよい。この場合、マーク順序77は、マークの入力順序やユーザの任意操作により予め設定しておけばよい。
【0067】
例えば、図10aにおいて、マークM1の次にハイライト表示すべきマークは、マーク順序77が「2」であるマークM3となる。したがって、マークM1をハイライト表示している場合においては、マークM3が次にハイライト表示すべきマークとして仮決定される(図4、ステップS805)。
【0068】
2−2.マーク距離
上記実施形態においては、文書の各行頭に順次設定されたブックマークをハイライト表示する例について説明したが、本発明は地図上に設定されたマークを順次ハイライト表示させる場合にも適用可能である。図11のAは、マークM1〜M5が設定された地図全体を示している。130および131は、ディスプレイ301に表示される画面枠である。つまり、画面130においては、地図上にマークM1、M3およびM5を表示しており、画面131においては、マークM1およびM2を表示している。また、図11のBは、マークIDに対応するマーク位置として住所が表示されている。
【0069】
画面131においては、マークM1(1丁目)がハイライト表示されている。この場合にマークコントローラMCのボタンMC3を押下すると、マークM1に最も距離の近いマークM2(3丁目)がハイライト表示される。
【0070】
一方、マークM1がハイライト表示されている状態において、ユーザが画面枠をスクロールして画面130が表示されている場合、マークM1に最も近い距離にあるのはマークM3(5丁目)であることにより、CPU303は、マークM3をハイライト表示させる。なお、一旦ハイライト表示させたマークについては距離が近くであってもハイライト表示しない。
【0071】
このように、マークをハイライト表示させる場合において、画面に表示されたマークの中から前にハイライト表示していたマークに最も近い距離にあるマークを抽出してハイライト表示させてもよい。これにより、例えば、巡回ルートとしてのマークを効率的にハイライト表示することができる。
【0072】
2−3.スクロール方向
上記実施形態においては、ページ順方向にスクロールがされている場合にのみ、表示中のマークにハイライト表示をジャンプさせる処理を実行したが、ページ逆方向にスクロールがされている場合にも同様の処理を実行するようにしてもよい。
【0073】
具体的に説明すると、上記実施形態においては、「次のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC3が押下された場合に、ページの順方向にスクロールがされているか否かによってマークジャンプの要否を判断するように制御している。これと同様に、「前のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC2が押下された場合に、ページの逆方向にスクロールがされているか否かによってマークジャンプの要否を判断するようにしてもよい。すなわち、マーク指示の方向とスクロール方向が一致しているか否かによって、マークジャンプの要否を判断するように構成してもよい。
【0074】
例えば、図12のAに示すように、マークM8がハイライト表示されている場合、ユーザがページの上方向にスクロールを行い、図12のBに示すように、マークM1およびM2を表示させたとする。この状態において、ユーザがマークコントローラMCにおいて、「前のマーク」をハイライト表示させるためのボタンMC2をクリックすると、ハイライト表示中のマークM8の前のマーク以前に存在するマークM7〜M3をジャンプして、マークM2をハイライト表示する。
【0075】
2−4.マーキング処理
上記においては、文書中にブックマークとしてマークM1〜M8が設定されている場合において、文書中に設定された複数のマークの中から、ユーザが注目するマークを他のマークと区別するためにハイライト表示させる例について説明した(図5)。そこで、このようなブックマークの設定処理(マーキング処理)の一例について説明する。
【0076】
2−4−1.全体構成
上述したように、図1に示したエディタ装置1は、マーキング装置2またはマークジャンプ制御装置3として機能するものである。以下において、このマーキング装置2における処理について説明する。
【0077】
2−4−2.処理概要
図16を用いて、この発明の一実施形態のマーキング装置2の処理概要を説明する。図16は、文書作成中の画面5であり、文字カーソル50および座標カーソル(マウスカーソル)51が表示されている。画面5には、マーキング操作を行うことのできる所定領域としてマーク領域500が画面5の左部分に表示される。
【0078】
現在、文字カーソル50が文書の7行目にある。この状態にて、マーク領域500内の座標P1の位置で、座標カーソル51の入力操作(マウスクリック)が行われると、文字カーソル50は7行目に保持されたまま、座標P1に対応する文字行が5行目であると特定され、5行目の行頭付近にブックマーク55が表示される。以下、この処理の詳細について説明する。
【0079】
2−4−3.機能ブロック図
図1に示したマーキング装置2の機能ブロック図の一例を、図15に示す。この図において、座標入力デバイス103は、ユーザが座標入力を行うためのものである。マーキング操作判断手段118は、マーキング操作が行われたか否かを判断するためのものである。文字入力デバイス101は、ユーザが文字入力を行うためのものである。画面表示デバイス119は、マークを含む情報を視覚可能に表示するためのものである。座標位置取得手段111は、座標カーソルの位置を取得するためのものである。処理制御手段114は、マーキング対象特定手段または文字カーソル制御手段に座標カーソルの位置を出力するためのものである。
【0080】
マーキング対象記録手段105は、マーキング対象として特定された文字行を記録部に記録するためのものである。マーキング対象特定手段113は、入力された座標位置に基づいてマーキングを行う文字行を特定するためのものである。文字カーソル制御手段109は、取得した座標カーソルの位置に文字カーソルを移動させるためのものである。画面表示制御手段121は、画面表示デバイス119において表示するための情報を制御するためのものである。記録部107は、マーキング対象として特定された文字行を記録しておくためのものである。マーク表示制御手段115は、マーキング対象として特定された文字行の近傍に、これに対応する所定マークを表示させるためのものである。
【0081】
2−4−4.ハードウエア構成
ハードウェア構成は、図3に示したものと同様である。CPU303は、オペレーティングシステム(OS)およびマーキング処理プログラム3091等に基づいた処理を行う。ハードディスク209は、マーキング処理プログラム3091を記録する。マーキング処理プログラム3091は、ユーザからの操作指示を受けて、マーキング装置においてマークの付加や削除等に関するマーキング処理を実行する。また、マーキング処理プログラム3091は、メモリ305における文字行特定テーブル60およびマーキング情報3051を取り扱う。
【0082】
文字行特定テーブル60の例を図17に示す。また、表示画面の例を図16に示す。文字行特定テーブル60は、図16に示す画面5に表示中の文字行ごとに、Y座標の範囲を記録する。画面5において画面スクロールが行われると、これに連動して、文字行特定テーブル60において各文字行に対応するY座標の範囲が更新される。
【0083】
なお、文字行特定テーブル60の更新は、文書作成ソフトウェアに含まれるプログラムによって制御される。例えば、図16の画面5においては「2ページの1行目(2,1)」は表示されていないため、Y座標の範囲は「未表示」であるが、スクロールにより「2ページの1行目(2,1)」が表示されると、これに連動してY座標の範囲が更新される。また、文字行特定テーブル60の使用の具体例については後述する。
【0084】
マーキング情報3051の例は図10に示したとおりである。マーキング情報3051は、図16に示した画面5に表示中のマークを識別するための「マークID」および「マーク位置(ページ番号,行番号)」を記録する。例えば、図10のAには、マークID「M1」に対応するマーク位置「1,2」が、マーキング情報として記録されている。なお、マーキング情報3051の使用の具体例については後述する。
【0085】
図3のキーボード307は、図15の文字入力デバイス101に該当する。図3のマウス308は、図15の座標入力デバイス103に該当する。
【0086】
図3のマーキング処理プログラム3091は、図15の座標位置取得手段111、マーキング操作判断手段118、処理制御手段114、マーキング対象記録手段105、マーキング対象特定手段113、文字カーソル制御手段109およびマーク表示制御手段115に該当する。
【0087】
図3のメモリ305は、図15の記録部107に該当する。図3のディスプレイ301は、図15の画面表示デバイス119に該当する。OSのディスプレイドライバ等が、図15の画面表示制御手段121に該当する。
【0088】
2−4−5.処理内容
図15a〜図17aを用いて、本実施形態における処理内容を説明する。本実施形態においては、マークジャンプ制御装置3におけるマークジャンプ制御プログラム3093の場合と同様に、文書作成ソフトウェアに組み込まれたマーキング処理プログラム3091(図3参照)を実行する例について説明する。
【0089】
2−4−5−1.マーキング処理
図15aは、文書作成ソフトウェアの実行中において、文書作成画面内にマーキングを行う場合のフローチャートの例である。本実施形態においては、マーキング処理プログラム3091は文書作成ソフトウェアの起動と同時に、CPU303において起動されているものとする。
【0090】
ディスプレイ301(図3参照)には、図16に示す画面5が表示されている。画面5は、文字表示領域550および、文字表示領域550の左部に隣接するマーク領域500から構成される。
【0091】
画面5の文字表示領域550には、入力中の文字列が文字行ごとに並べて表示されている。例えば、1行目には文字列511、5行目には文字列513が表示されている。これらの文字列は、文字カーソル50の存在する位置でキーボード307から入力されたキーに基づいて、かな漢字変換処理等を行うことによって生成されたものである。
【0092】
以下、図16に示すように、カーソル50が7行目に位置している場合において、ユーザが文字列513の属する5行目の文字行にマーキング操作を行う例について説明する。
【0093】
ユーザは、マウス308(図3参照)を用いてディスプレイ301上に表示された座標カーソル51を操作し、その先端を座標P1(35,36)の位置に移動させる。その後、ユーザがマウス308のボタンをクリックすると、これを受けて、CPU303は、マーキング処理プログラム3091により、図15aのフローチャートにかかる処理を実行する。
【0094】
2−4−5−2.マーク追加のフローチャート
マウス308がクリックされた旨を示す信号を受けると(図15a,ステップS401,YES)、CPU303は、座標カーソルがクリックされた座標位置を取得する(ステップS403)。例えば、座標カーソル51を座標P1においてクリックした場合には、座標P1の座標位置(35,36)を取得する。なお座標位置の値は、Windows(商標)OSであれば、Win32API等を用いて取得すればよい。
【0095】
CPU303は、マーキング操作がなされたか否かを判断する(ステップS404)。本実施形態においては、マーク領域500(図16参照)内において座標カーソルがクリックされた場合に、マーキング操作がなされたと判断するようにした。この場合、図16の座標P1は、マーク領域500内にあるので、マーキング操作が行われたと判断する。
【0096】
CPU393は、マーキング操作が行われたと判断する場合には、下記ステップS409〜S417の処理を実行する(ステップS405,YES)。詳しくは、CPU303は、文字カーソルの移動は必要でないと判断して、マウス308がクリックされたときの座標カーソルの座標位置P1に基づいてマーキング対象となる文字行を特定する(ステップS409)。
【0097】
この特定は、図17に示した文字行特定テーブル60を用いて行う。例えば、図16の座標P1の座標位置(35,36)はY座標が「36」であるので、図17の文字行特定テーブル60を参照すると、マーキング対象となる文字行は「1,5」であることがわかる。すなわち、1ページの5行目が、マーキング対象の文字行であると特定される。
【0098】
CPU303は、特定した文字行を検索キーにして、図10に示したマーキング情報3051を検索する(図15a,ステップS411)。CPU303は、特定した文字行と同一のマーク位置にマーキング情報が記録されていなければ(ステップS413,NO)、特定した文字行をマーキング情報3051(図10参照)に記録してマーキング情報を追加する(ステップS415)。
【0099】
この場合、図10のAに示すように、上記において特定した文字行「1,5」が記録されていないので、この文字列「1,5」をマークID「M2」に対応付け、これをマーキング情報3051に記録する。これにより、図10のBに示すように、マークID「M2」にかかるマーキング情報が追加される。なお、マークIDは連続番号または空き番号によって決定される。
【0100】
CPU303は、特定した文字行の先頭箇所にマークを表示する(ステップS417)。例えば、5行目の文字列513の「す」の左近傍の位置に、すでに表示されているマーク53と同様のマーク55を表示する。
【0101】
このように、上記ステップS404〜S417を実行することにより、ユーザが指定した座標位置に基づいて文字行を特定し、この文字行の近傍に所定マークを表示させることができる。
【0102】
2−4−5−3.マーク削除のフローチャート
上記においては、マークを追加する場合の処理について説明したが、一度表示させたマークを削除したい場合もあり得る。本実施形態においては、すでにマークが表示されている文字行に対して、マーク追加と同様の操作が行われた場合には、表示中のマークを削除する構成とした。以下にマークを削除する例について説明する。
【0103】
図15aに示したフローチャートにおいて、ステップS401〜409までの処理は、マーク追加の場合と同様である。例えば、図16の画面5において座標P2がクリックされた場合、座標P2の座標位置(64,65)のY座標は「65」であるので、図17の文字行特定テーブル60を参照すると、文字行は「1,2」であることがわかる。すなわち、1ページの2行目が、マーキング対象の文字行であると特定される(ステップS401〜409)。
【0104】
CPU303は、特定した文字行を検索キーにして、図10に示したマーキング情報3051を検索する(ステップS411)。CPU303は、特定した文字行と同一のマーク位置にマーキング情報が記録されていれば(ステップS413,YES)、マーク削除の指示がなされたと判断して当該文字行に関する情報をマーキング情報3051から削除する(ステップS419)。例えば、図10のBに示すように、マーキング情報3051には、上記において特定した文字行「1,2」が、マークID「M1」に対応付けて記録されているため、CPU303は、マークID「M1」およびマーク位置「1,2」にかかるデータを削除し、図10のCに示すようにマーキング情報3051を更新する。
【0105】
CPU303は、特定した文字行の先頭箇所に表示していたマークの表示を停止する(ステップS421)。例えば、2行目の文字列「拝啓」の「拝」の左近傍のマーク53を消去する。
【0106】
2−4−5−4.まとめ
上記ステップS404において、座標カーソルがクリックされた座標位置がマーク領域500内にないために、マーキング操作がなされていないと判断され(ステップS404)、マーキング処理を行わない場合には、CPU303は、文字カーソルを座標カーソルの位置に移動させる処理を行う(ステップS407)。すなわち、図16の画面5において、文字カーソル50をP1またはP2の行に移動させる処理を行う。
【0107】
このように、クリックされた時の座標カーソルが所定領域内に存在するか否かを判断し、所定領域に存在する場合にはクリック位置に所定マークを表示するように構成することにより、文字カーソルの位置に文字を入力している途中においても、文字カーソルを移動させることなく所望の位置をクリックしてブックマークを設定することができる。このため、文書入力作業とブックマーク挿入作業に関して操作性の高いマーキング装置を提供することができる。
【0108】
以上のように、マーキング処理を繰り返し行うことにより、図5に示したように、文書中の所定文字行に複数のマークM1〜マークM8を設定することができる。
【0109】
2−4−6.その他
2−4−6−1.右クリック
上記実施形態においては、マーキング操作の判断は、マーク領域500(図16参照)内において座標カーソルがクリックされたか否かにより判断するようにしている(図15a,ステップS404)。しかしながら、マーキング操作の判断を、キーボードまたはマウスから取得した信号の種類によってマーキング操作の有無を判断するようにしてもよい。
【0110】
例えば、図15aのステップS404において、CPU303は、マウスからの信号が右クリックを示すものであるか否かを判断し、右クリックを示すものであればマーキング操作が行われたと判断するようにしてもよい。
【0111】
この場合、図16aに示すように画面5の文書作成領域において、マーキングを行いたい文字行に座標カーソル51を移動させて右クリックを行えばよい。図16aに示すように、5行目の近傍に座標カーソル51を移動させて右クリックを行うことにより、5行目の先頭にマーク59を表示または表示停止することができる。この場合も上記実施形態と同様に、文字カーソル58は、座標カーソル57の位置に移動しない。なお、右クリックにてマーキングを行う場合には、図16に示したようなマーク領域500を必ずしも設ける必要はない。
【0112】
また、右クリック以外の所定信号を検知した場合にマーキング処理を行うようにしてもよい。例えば、座標カーソルがある座標にある場合において、所定の入力キーがキーボード307から押下されたことを検知してマーキング処理を行うようにしてもよい。
【0113】
2−4−6−2.マーキングモード
上記実施形態においては、座標カーソルが所定領域にある場合にマーキング処理を行うように構成したが(図15a,ステップS404)、これに代えて、画面上にマーキングモード切替ボタンを設けておき、このボタンの設定状態によってマーキング処理が行われる操作モードにあるか否かを判断してもよい。
【0114】
例えば、図15aのステップS404において、CPU303は、マーキングモード切替ボタンの設定状態を取得して、操作モードがマーキングモードであるか否かを判断するようにしてもよい。
【0115】
なお、マーキングモードに設定してマーキングを行う場合にも、図16に示したようなマーク領域500を必ずしも設ける必要はない。この場合、図16aに示すように画面5の文書作成領域において、マーキングを行いたい文字行に座標カーソル51を移動させてマウスのクリックを行えばよい。図16aに示すように、5行目の近傍に座標カーソル51を移動させてクリックを行うことにより、5行目の先頭にマーク59を表示または表示停止することができる。この場合も上記実施形態と同様に、文字カーソル58は、座標カーソル57の位置に移動しない。
【0116】
また、マーキング処理が行われる操作モードである場合に、上記右クリックにてマーキングを行うことができるようにしてもよい。
【0117】
2−4−6−3.文字行の特定
上記実施形態においては、Y座標に基づいてマーキング対象の文字行を特定するようにしたが、X座標とY座標に基づいてマーキング対象の文字を特定するようにしてもよい。
【0118】
例えば、上記実施形態においては、図17に示した文字行特定テーブル60におけるY座標の範囲に基づいて文字行を特定している。この文字行特定テーブル60に代えて、図17aに示す文字特定テーブル62を用いてもよい。
【0119】
文字特定テーブル62には、「文字」621ごとに、「X座標の範囲」623、「Y座標の範囲」625、「ページ番号,文字行」627が記録される。図16aに示す位置に座標カーソル57がある場合において、この座標位置が「105,38」であるとき、文字特定テーブル62のレコード66より、座標カーソル57は文字「。」に最も近いと判断できる。文字「。」は、5行目の文字であるため、文字行を「5行目」として特定することができる。
【0120】
このように、文書中の文字毎の表示領域を文字特定テーブルとして管理しておき、座標カーソルの座標位置が含まれるまたは座標位置に最も近い文字を、マーキング対象として特定してもよい。また、特定した文字の属する行を、マーキング対象の文字行としてもよい。これにより、各文字が同一文字行においてそれぞれ異なるサイズである場合であっても、ユーザの操作意図を適切に判断してマークを付加する文字または文字行を特定することができる。
【0121】
2−4−6−4.マーキング対象
上記実施形態においては、マーキング対象として文字行を特定する場合を説明したが、操作が行われた座標位置に基づいてマーキング対象を特定することができれば文字行以外のものを用いてもよい。例えば、マーキング対象は、所定文字列、所定座標位置または所定オブジェクトを特定するものであってもよい。
【0122】
2−4−6−5.マークの種類
上記実施形態においては、マーク表示されるマーク53(図16)は、矩形形状のものとしたが、矩形以外の形状のマークとしてもよい。例えば、円形状、三角形状、星形形状としてもよい。また、ハイライト表示による区別表示に代えて、別形状にて表示するようにしてもよい。例えば、通常表示は、矩形形状で、区別表示は星形形状としてもよい。さらに、所定のアイコン画像をマークとして表示してもよい。また、反転表示によって区別表示してもよい。
【0123】
3.他の側面
上記マーキング処理は、以下に示す発明としても把握することができる。
【0124】
(1)(2)(10)この発明に係るマーキング装置は、文字カーソルの位置に文字入力を行うための文字入力デバイスおよび、座標カーソルの位置に操作指示を行うための座標入力デバイスを有するマーキング装置であって、(a1)座標入力デバイスからの信号を受けて、座標カーソルの位置を取得する座標位置取得手段と、(a2)座標カーソルの位置に文字カーソルを移動させる文字カーソル制御手段と、(a3)座標カーソルの位置に基づいてマーキング対象を特定するマーキング対象特定手段と、(a4)文字入力デバイスまたは座標入力デバイスからの信号を受けたときに、マーキング操作が行われたか否かを判断するマーキング操作判断手段と、(a5)前記マーキング操作判断手段がマーキング操作が行われたと判断した場合には、前記座標位置取得手段において取得された座標カーソルの位置を、前記マーキング対象特定手段に出力し、前記マーキング操作判断手段がマーキング操作が行われていないと判断した場合には、前記座標位置取得手段において取得された座標カーソルの位置を、前記文字カーソル制御手段に出力する処理制御手段と、を備えたことを特徴とする。したがって、座標入力デバイスの操作によって任意の行にマーキングすることができ、文字入力中であっても文字カーソルを移動させることなくブックマークの設定作業を容易に行うことができる。
【0125】
(3)この発明に係るマーキング装置においては、マーキング操作判断手段は、所定領域にて座標カーソルの操作指示が行われた場合に、マーキング操作が行われたと判断することを特徴とする。したがって、ブックマークの挿入作業とそれ以外の作業を、マウスカーソルの存在位置によって切り替えることができ、操作性がより向上する。
【0126】
(4)この発明に係るマーキング装置においては、マーキング操作判断手段は、文字入力デバイスまたは座標入力デバイスからの信号が所定種類であるときにマーキング操作が行われたと判断することを特徴とする。したがって、ブックマークの挿入作業とそれ以外の作業を、マウスボタンの種類によって切り替えることができ、操作性がより向上する。
【0127】
(5)この発明に係るマーキング装置においては、マーキング操作判断手段は、操作モードがマーキングモードである場合において座標カーソルの操作指示が行われたときに、マーキング操作が行われたと判断することを特徴とする。したがって、ブックマークの挿入作業とそれ以外の作業を、予め設定された操作モードによって切り替えることができ、操作性がより向上する。
【0128】
(6)この発明に係るマーキング装置においては、マーキング対象特定手段は、取得した座標カーソルの位置に最も近い文字に基づいてマーキング対象を特定することを特徴とする。したがって、マーキング対象を正確に指定しなくても、座標カーソルの位置に基づいてブックマークの挿入作業を容易に行うことができる。
【0129】
(7)この発明に係るマーキング装置においては、マーク表示制御手段は、前記マーキング対象特定手段において特定されたマーキング対象に対応付けて表示された所定マークがすでに存在する場合には、当該所定マークの表示を停止することを特徴とする。したがって、ブックマークの挿入と削除を同一の操作で容易に行うことができる。
【0130】
(8)この発明に係るマーキング装置においては、マーキング対象特定手段において特定されるマーキング対象は、文字行であることを特徴とする。したがって、文書中の文字行毎にブックマークを表示させることができる。
【0131】
(9)この発明に係るマーキング装置においては、マーキング対象特定手段において特定されたマーキング対象を、記録部に記録するマーキング対象記録手段をさらに備えたことを特徴とする。したがって、マーク表示すべきマーキング対象を保持することができる。このため、画面をスクロールした場合であっても、設定されたブックマークを適切に表示することができる。また、文書とともに記録することにより、文書を再読込した場合にもブックマークを表示することができる。
【0132】
以下、実施形態との対応について説明する。
【0133】
「文字入力デバイス」は、実施形態においては図3に示すキーボード307が該当する。「座標入力デバイス」は、実施形態においては図3に示すマウス308が該当する。「マーキング操作判断手段」は、実施形態においては図15aに示すステップS404の機能が該当する。「処理制御手段」は、実施形態においては図15aに示すステップS405の機能が該当する。「座標位置取得手段」は、実施形態においては図15aに示すステップS403の機能が該当する。「マーキング対象特定手段」は、実施形態においては図15aに示すステップS409の機能が該当する。「マーク表示制御手段」は、実施形態においては図15aに示すステップS417または421の機能が該当する。「マーキング対象記録手段」は、実施形態においては図15aに示すステップS415の機能が該当する。「文字カーソル制御手段」は、実施形態においては図15aに示すステップS407の機能が該当する。
【0134】
「マーキング操作」は、実施形態においては図16に示すマーク領域500上におけるマウスのクリック操作が該当する。「座標カーソルの位置」は、実施形態においては図16に示す座標P1またはP2が該当する。「操作指示が行われた座標カーソルが所定領域にある」とは、実施形態においては図16のマーク領域500内において座標カーソル51のクリックがされたことが該当する。「座標入力デバイスからの信号の種類」は、実施形態においてはマウス308からの右クリック信号であるか否かを示す信号が該当する。「操作モード」は、クリックされるとマーキング処理が行われるマーキングモードが該当する。「座標カーソルの位置に最も近い文字」は、実施形態においては図16aに示す座標カーソル57の近傍の文字「。」が該当する。
【0135】
4.その他
上記実施形態においては、図2および図15に示す各機能を実現する為に、CPUを用いソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。なお、プログラムの一部の処理をさらに、オペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】エディタ装置においてマーキング装置とマークジャンプ制御装置を構成する例を示す図である。
【図2】マークジャンプ制御手段の機能ブロック図である。
【図3】エディタ装置のハードウエア構成を示す図である。
【図4】マーキング処理のフローチャートである。
【図5】ブックマークの設定例を示す図である。
【図6】マークジャンプ制御の画面遷移を示す図である。
【図7】マークジャンプ制御の画面遷移を示す図である。
【図8】マークジャンプ制御の画面遷移を示す図である。
【図9】マーク表示制御情報を示す図である。
【図9a】マーク表示制御情報を示す図である。
【図10】マーキング情報を示す図である。
【図10a】マーキング情報を示す図である。
【図11】地図上のマークについてのマークジャンプ制御を示す図である。
【図12】マークジャンプ制御の画面遷移を示す図である。
【図13】マークジャンプ制御の画面遷移を示す図である。
【図14】従来の文字列検索の画面遷移を示す図である。
【図15】マーキング装置の機能ブロック図である。
【図15a】マーキング処理のフローチャートである。
【図16】マーキング処理の画面を示す図である。
【図16a】マーキング処理の画面を示す図である。
【図17】文字行特定テーブルを示す図である。
【図17a】文字特定テーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0137】
1:マーキング装置
2:マーキング装置
3:マークジャンプ制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからのジャンプ指示を受けて、複数のマークの中から所定マークを区別表示させるマークジャンプ制御装置であって、
(a1)画面上に表示可能なマークの順序を記録した記録部と、
(a2)区別表示すべきマークについてのジャンプ指示を受け付けるマークジャンプ指示手段と、
(a3)ジャンプ指示を受けると、記録部に記録されたマークの順序に基づいて、区別表示すべきマークを仮決定する表示マーク仮決定手段と、
(a4)画面の表示領域を記憶する表示領域記憶部を参照して、仮決定したマークが画面に表示されていると判断した場合には、当該マークを区別表示すべきマークとして本決定し、仮決定したマークが画面に表示されてないと判断した場合には、現に画面上に表示されているマークを優先して区別表示すべきマークとして本決定する表示マーク本決定手段と、
(a5)前記表示マーク本決定手段が区別表示すべきマークとして本決定したマークを、他のマークと区別して表示させるマーク区別表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするマークジャンプ制御装置。
【請求項2】
ユーザからのジャンプ指示を受けて、複数のマークの中から所定マークを区別表示させるマークジャンプ制御装置を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、コンピュータに以下の手段(a1)〜(a6)を構成させることを特徴とするプログラム:
(a1)画面上に表示可能なマークの順序を記録した記録部と、
(a2)区別表示すべきマークについてのジャンプ指示を受け付けるマークジャンプ指示手段と、
(a3)ジャンプ指示を受けると、記録部に記録された順序に基づいて、区別表示すべきマークを仮決定する表示マーク仮決定手段と、
(a4)画面の表示領域を記憶する表示領域記憶部を参照して、仮決定したマークが画面に表示されていると判断した場合には、当該マークを区別表示すべきマークとして本決定し、仮決定したマークが画面に表示されてないと判断した場合には、現に画面上に表示されているマークを優先して区別表示すべきマークとして本決定する表示マーク本決定手段と、
(a5)前記表示マーク本決定手段が区別表示すべきマークとして本決定したマークを、他のマークと区別して表示させるマーク区別表示制御手段。
【請求項3】
請求項1または2のマークジャンプ制御装置またはこれのプログラムにおいて、
前記表示マーク本決定手段は、ユーザから受けたジャンプ指示の方向と、現に区別表示しているマークおよび前記表示領域記憶部を参照して判断される画面スクロールの方向とが一致する場合に、現に画面上に表示されているマークを優先して区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とするもの。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかのマークジャンプ制御装置またはこれのプログラムにおいて、
前記表示マーク本決定手段は、現に画面上に表示されているマークが複数ある場合には、仮決定した区別表示すべきマークに最も近い順序に記録されているマークを区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とするもの。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかのマークジャンプ制御装置またはこれのプログラムにおいて、
前記表示マーク本決定手段は、現に画面上に表示されているマークが複数ある場合には、仮決定した区別表示すべきマークに最も近い距離にあるマークを区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とするもの。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかのマーク表示制御装置またはこれのプログラムにおいて、
前記表示マーク本決定手段は、仮決定した区別表示すべきマークが画面に表示されていない場合であって、現に画面上に表示されているマークが一つもない場合には、仮決定した区別表示すべきマークを区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とするもの。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかのマークジャンプ制御装置またはこれのプログラムにおいて、
前記記録部は、テキスト文字を画面表示する場合における行番号を含む情報をマーク順序として記録しており、
前記表示マーク仮決定手段は、行番号を含む情報に基づいて区別表示すべきマークを仮決定し、
前記表示マーク本決定手段は、行番号を含む情報に基づいて現に画面上に表示されているマークを区別表示すべきマークとして本決定することを特徴とするもの。
【請求項8】
ユーザからのジャンプ指示を受けて、複数のマークの中から所定マークを区別表示させるマークジャンプ制御方法であって、
(a1)画面上に表示可能なマークの順序を記録しておき、
(a2)区別表示すべきマークについてのジャンプ指示を受け付けるマークジャンプ指示ステップと、
(a3)ジャンプ指示を受けると、記録部に記録されたマークの順序に基づいて、区別表示すべきマークを仮決定する表示マーク仮決定ステップと、
(a4)画面の表示領域に基づいて、仮決定したマークが画面に表示されていると判断した場合には、当該マークを区別表示すべきマークとして本決定し、仮決定したマークが画面に表示されてないと判断した場合には、現に画面上に表示されているマークを優先して区別表示すべきマークとして本決定する表示マーク本決定ステップと、
(a5)前記表示マーク本決定ステップにおいて区別表示すべきマークとして本決定されたマークを、他のマークと区別して表示させるマーク区別表示制御ステップと、を実行すること
を特徴とするマークジャンプ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9a】
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【図10】
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【図10a】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図15a】
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【図16】
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【図16a】
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【図17】
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【図17a】
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