説明

ミキサ

【課題】 種々の混合材料を混合や混練、造粒する場合にも柔軟に対応可能な汎用性の高いミキサを提供する。
【解決手段】 混合槽3の対向する側壁にそれぞれ混合軸6a、6bを貫通させて回転自在に軸支し、この混合軸6a、6bを回転駆動させる駆動モータ12a、12bを各混合軸6a、6bに個別に備えると共に、各駆動モータ12a、12bの回転動作を個別に制御する制御装置13を備える。また、各混合軸6a、6bの先端部には一対のアーム8を固着し、その一方には擦り潰し羽根9を、他方には掻き取り羽根10をそれぞれ取り付ける。そして、混合材料を混合、混練、或いは造粒処理するときには、制御装置13に各駆動モータ12a、12bの高速・低速回転動作の組み合わせから成る複数の混合パターンを登録し、これら複数の混合パターンから最適な一つの混合パターンを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種混合材料を混合、混練、及び造粒処理可能な汎用型のミキサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、上端部に各種混合材料を投入する投入口を有した混合槽を備え、該混合槽の対向する側壁にそれぞれ混合軸を貫通させて回転自在に軸支すると共に、混合槽内に突出した各混合軸の先端部には混合羽根を取り付け、各混合軸を一基の駆動モータの回転動作に連動させて所定速度で回転駆動させ、それに伴い回転する各混合羽根により混合槽内の各種混合材料を攪拌し混合処理するミキサがある。
【0003】
このような従来のミキサは、特定の混合材料をそれに応じた所定の速度にて回転する混合羽根で所定時間攪拌して混合処理することにより、常に一定の性状の混合物を安定して得られる専用のミキサとして用いられている。
【特許文献1】実開昭57−54285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、様々な現場における種々の混合材料の混合処理に用いられるミキサを全て専用化するとなると、当然コスト高となる上、メンテナンスも煩雑なものとなるため、種々の混合材料の混合処理に対して容易にかつ柔軟に対応できる汎用性の高いミキサが求められている。また、混合材料の種類やその用途によっては、単なる攪拌による混合処理だけでなく、十分な練り混ぜを加味した混練処理、更には取り扱いやすいように適宜粒度に調整する造粒処理等も要求される場合があり、上記ミキサではこれらの要望に対応することができない。
【0005】
本発明は上記の点に鑑み、種々の混合材料を混合や混練、造粒する場合にも柔軟に対応可能な汎用性の高いミキサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載のミキサでは、上端部に混合材料の投入口を有した混合槽を備え、該混合槽の対向する側壁にそれぞれ混合軸を貫通させて回転自在に軸支し、該混合軸を回転駆動させる駆動モータを各混合軸に個別に備え、各駆動モータの回転動作を個別に制御する制御装置を備えると共に、混合槽内に突出した各混合軸の先端部には複数のアームを半径方向に固着し、該アームのうち少なくとも一本には擦り潰し羽根を、残りのアームには掻き取り羽根をそれぞれ取り付け、前記擦り潰し羽根は、材料を混合槽内壁に押し付けて擦り潰すように羽根の回転方向前面と混合槽内壁とが成す角度を鋭角とし、かつ材料を対向する混合軸側に送り出すように羽根先端部を折曲させて成る一方、前記掻き取り羽根は混合槽内壁に付着する材料を掻き取るように羽根先端部を混合槽内壁と略平行にかつ近接させて成ることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2記載のミキサでは、前記擦り潰し羽根は、混合材料を造粒可能なように羽根外周縁と混合槽内壁との間に所定幅の隙間を設けたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項3記載のミキサでは、前記制御装置には、各駆動モータの異なる複数の回転速度の組み合わせから成る複数の混合パターンを登録し、これら複数の混合パターンから一つの混合パターンを選択する操作部を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る請求項1記載のミキサによれば、上端部に混合材料の投入口を有した混合槽を備え、該混合槽の対向する側壁にそれぞれ混合軸を貫通させて回転自在に軸支し、該混合軸を回転駆動させる駆動モータを各混合軸に個別に備え、各駆動モータの回転動作を個別に制御する制御装置を備えると共に、混合槽内に突出した各混合軸の先端部には複数のアームを半径方向に固着し、該アームのうち少なくとも一本には擦り潰し羽根を、残りのアームには掻き取り羽根をそれぞれ取り付け、前記擦り潰し羽根は、材料を混合槽内壁に押し付けて擦り潰すように羽根の回転方向前面と混合槽内壁とが成す角度を鋭角とし、かつ材料を対向する混合軸側に送り出すように羽根先端部を折曲させて成る一方、前記掻き取り羽根は混合槽内壁に付着する材料を掻き取るように羽根先端部を混合槽内壁と略平行にかつ近接させて成るので、混合や混練処理に適した形状の羽根を備えた各混合軸をそれぞれ独立してかつ多様に回転制御させることができ、種々の混合材料を混合や混練処理する場合でも容易にかつ柔軟に対応可能な汎用性の高いミキサとすることができる。
【0010】
また、請求項2記載のミキサによれば、前記擦り潰し羽根は、混合材料を造粒可能なように羽根外周縁と混合槽内壁との間に所定幅の隙間を設けたので、混合材料を造粒処理する場合にも柔軟に対応でき、より汎用性の高いミキサとすることができる。
【0011】
また、請求項3記載のミキサによれば、前記制御装置には、各駆動モータの異なる複数の回転速度の組み合わせから成る複数の混合パターンを登録し、これら複数の混合パターンから一つの混合パターンを選択する操作部を備えたので、極めて容易に混合材料に適した、また用途に応じた混合や混練、或いは造粒処理が実行でき、より取り扱いやすくなって一層汎用性の高いミキサとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係るミキサにあっては、上端部に混合材料の投入口を有した混合槽を架台上に搭載し、前記混合槽の対向する側壁にはそれぞれ混合軸を貫通させて回転自在に軸支すると共に、該混合軸を回転駆動させる駆動モータを各混合軸に個別に備え、これら各駆動モータの回転速度や、回転時間等の各種回転動作を個別に制御可能とする、例えば、インバータやプログラマブルロジックコントローラ(以下PLCと言う)等を内蔵した制御装置を備えている。また、この制御装置には、各駆動モータの異なる複数の回転速度、例えば高速・低速回転の組み合わせから成る複数の混合パターンを登録し、これら複数の混合パターンから一つの混合パターンを選択可能とする操作部として、操作パネルを備えている。
【0013】
また、混合槽内に突出した各混合軸の先端部には一対のアームを半径方向にかつ混合軸に対して対向位置にそれぞれ固着していると共に、一方のアームには擦り潰し羽根を、他方のアームには掻き取り羽根をそれぞれ取り付けている。また、前記擦り潰し羽根は、混合材料を掻き上げて混合しながら、混合材料を混合槽内壁に押し付けて擦り潰せるように、羽根の回転方向前面と混合槽内壁とが成す角度が鋭角となるように形成していると共に、材料を造粒可能なように羽根外周縁と混合槽内壁との間に所定幅の隙間を設けており、かつ材料を対向する混合軸側に送り出せるように羽根先端部を折曲させている。一方、掻き取り羽根は、混合槽内壁に付着した材料を効率よく掻き取れるように、羽根先端部を混合槽内壁と略平行にかつ近接させて取り付けている。
【0014】
そして、先ず、制御装置内のPLCを操作して、各駆動モータの高速・低速回転動作を適当に組み合わせて、例えば3パターン程度の混合パターンを作成して登録しておき、これら各混合パターンをそれぞれ操作パネル上の個別の選択スイッチに割り当てておく。そして、このミキサを使用して、各種混合材料を混合・混練処理する場合には、混合槽内に前記混合材料を投入した後、この混合条件に適した混合パターンが割り当てられた選択スイッチを選択操作する。すると、各駆動モータは選択された混合パターンに従ってそれぞれ独立して高速・低速回転し、それに伴って回転する擦り潰し羽根と掻き取り羽根により、混合材料は攪拌されて混合処理されると共に、更に擦り潰し羽根によって混合槽内壁に押し付けられて擦り潰され、この混合槽内壁に付着した材料は続いて回転してくる掻き取り羽根によって直ぐに掻き取られた後、再び回転してくる擦り潰し羽根にて再度擦り潰され、これらの作用を繰り返し受けるうちに効果的に混練処理されて所望性状の混練物が得られる。
【0015】
また、このミキサを使用して、別の混合材料を混合・混練し、更に造粒処理する場合には、混合槽内に前記混合材料を投入した後、この混合条件に適した混合パターンが割り当てられた別の選択スイッチを選択操作する。なお、前記混合材料は、造粒化が行われやすいように水分量を抑えた配合としておく。すると各駆動モータは選択された別の混合パターンに従ってそれぞれ独立して高速・低速回転し、それに伴って回転する擦り潰し羽根と掻き取り羽根により、混合材料は前記同様に混合・混練処理されつつ、水分量が抑えられていることによって擦り潰し羽根の外周縁と混合槽内壁との間に設けられた隙間に応じて造粒処理がなされ、やがて取り扱いやすい所望粒径の粒状物が得られる。
【0016】
このように、混合槽の対向する側壁にそれぞれ備えた各混合軸に対し、個別に駆動モータを備え、制御装置にて各駆動モータの回転動作を個別に制御可能とすると共に、各混合軸に擦り潰し羽根と掻き取り羽根とを備えたので、各混合軸をそれぞれ独立してかつ多様に回転制御させることが可能となり、種々の混合材料を混合や混練、或いは造粒処理する場合にも容易にかつ柔軟に対応可能な汎用性の高いミキサとすることができる。
【0017】
また、制御装置には、各駆動モータの異なる回転速度の組み合わせから成る複数の混合パターンを登録し、これら複数の混合パターンから混合材料に適した混合パターンを選択する操作パネルを備えたので、取り扱いが極めて容易となってより一層汎用性の高いミキサとすることができる。このとき、制御装置に登録させる混合パターンとしては、できるだけ広範囲の混合材料の混合や混練、造粒処理に対応可能なものを優先的に作成して登録すれば、更に汎用性を高めることができて好適である。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0019】
図中の1は、本発明に係る汎用型のミキサであって、上端部に混合材料の投入口2を有した混合槽3を、キャスター4付きの架台5上に搭載している。前記混合槽3は、図2の二点鎖線で示すように、架台5に対して傾倒自在としており、混合や混練、造粒処理を終えた混合物を容易に排出可能としている。なお、混合槽3から混合物を排出する手段として、混合槽3の底部にダンパーゲート等のゲート装置を備えるようにしてもよい。
【0020】
また、前記混合槽3の対向する側壁には、それぞれ混合軸6a、6bを貫通させて軸受7にて回転自在に軸支していると共に、混合槽3内に突出した各混合軸6a、6bの先端部には、一対のアーム8を半径方向にかつ混合軸6a、6bに対して対向位置にそれぞれ固着しており、このうち一方のアーム8には擦り潰し羽根9を、他方のアーム8には掻き取り羽根10をそれぞれ取り付けている。なお、前記アーム8の数を三本以上とし、それぞれのアーム8を各混合軸6a、6bの先端部に半径方向にかつ等角度置きに固着し、そのうちの少なくとも一本には擦り潰し羽根9を、残りには掻き取り羽根10を取り付けるようにしてもよい。また、これら左右の擦り潰し羽根9と掻き取り羽根10の先端部同士が干渉し合わないように、若干離間させて取り付けている。
【0021】
前記擦り潰し羽根9は、混合材料を攪拌・混合しながら混合槽3内壁に押し付けて擦り潰せるように、擦り潰し羽根9の回転方向前面と混合槽3内壁とが成す角度が鋭角となるように形成していると共に、材料を造粒可能なように羽根外周縁と混合槽3内壁との間には適宜幅の隙間11を設けており、かつ材料を順次対向する混合軸6a、6b側に送り出して混合槽3内を滞りなく循環させることができるように羽根先端部を折曲させた構造としている。一方、掻き取り羽根10は、混合槽3内壁に付着した材料を効率よく掻き取れるように、羽根先端部を混合槽3内壁と略平行にかつ近接させた構造としている。
【0022】
なお、これら擦り潰し羽根9や掻き取り羽根10は、必ずしも図面に示される通りの形状に限定されるものではなく、要は擦り潰し羽根であれば、混合材料を攪拌・混合しながら混合槽3内壁に押し付けて効果的に擦り潰せると共に、羽根外周縁と混合槽3内壁との間に適宜幅の隙間11を設けて造粒可能とした構造であればよく、また掻き取り羽根であれば、混合槽3内壁に付着した混合材料を効率よくかつ極力残さずに掻き取れる構造であればよい。
【0023】
また、擦り潰し羽根9や掻き取り羽根10は、前記アーム8とボルト固定しており、このボルトの締緩操作により容易に着脱可能としている。したがって、例えば羽根細部の形状や、羽根外周縁と混合槽3内壁との隙間11の大きさが異なる擦り潰し羽根や掻き取り羽根を数種類用意しておけば、混合や混練、或いは造粒処理する混合材料の性状や用途に応じたものに適宜変更可能となって好適である。
【0024】
また、混合軸6a、6bを回転駆動させる駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)を各混合軸6a、6bに対して個別に備えており、混合軸6a、6bの基端部を各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)の出力軸と連結している。13は各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)の起動・停止や、回転速度、回転時間等の各種回転動作を個別に制御可能とする、例えばインバータやPLC等を内蔵した制御装置であって、該制御装置13には、例えば、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)の高速・低速回転動作の組み合わせから成る複数の混合パターンを登録し、これら複数の混合パターンから一つの混合パターンを選択可能とする操作部として、操作パネル14を備えている。
【0025】
操作パネル14には、図4に示すように、電源スイッチ15、非常停止スイッチ16と並んで、混合パターン選択スイッチ17−1、17−2、17−3をそれぞれ配置している。そして、内蔵したPLCを操作して、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)の高速・低速回転動作を適当に組み合わせて、例えば図5に示すように、混合パターン1〜3を作成して登録しておき、これら各混合パターン1〜3をそれぞれ個別の選択スイッチ17−1、17−2、17−3に割り当てている。
【0026】
なお、これら各混合パターン1〜3は単なる一実施例に過ぎず、特にこれに限定されるものではなく、図5に記載した以外の組み合わせも適宜採用できる。また、登録させる混合パターンの個数も、特に必要がなければ2パターンに減らしたり、或いは汎用性を高めるために4パターン以上登録してもよく、その場合、それらを割り当てる選択スイッチの数を増減調整するとよい。
【0027】
そして、上記構成のミキサ1を使用して、例えば、小麦粉や食塩水等の混合材料を混合・混練処理して麺生地を作るような場合には、混合槽3内に前記小麦粉や食塩水等の混合材料を投入した後、この混合条件に適した、例えば混合パターン1が割り当てられた選択スイッチ17−1を選択操作する。すると、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)は選択された混合パターン1に従い、何れのモータも先ず低速回転を所定時間行い、それに伴って低速回転する擦り潰し羽根9、掻き取り羽根10にて、小麦粉や食塩水等の混合材料は混合槽3内を比較的ゆっくりと循環しながら攪拌・混合処理され、次第に粘性を帯びた塊状となっていく。
【0028】
続いて、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)は選択された混合パターン1に従い、所定時間経過後、高速回転へと切り換わる。すると、塊状となった小麦粉や食塩水等の混合材料は、高速回転する擦り潰し羽根9にて混合槽3内壁に押し付けられて擦り潰されていくと共に、この混合槽3内壁に付着した材料は続いて回転してくる掻き取り羽根10によって直ちに掻き取られた後、再び回転してくる擦り潰し羽根9にて再度擦り潰され、これらの作用を短時間で繰り返し受けるうちに効果的に混練処理がなされ、やがて十分に熟成された上質な麺生地が得られる。
【0029】
こうして、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)の高速・低速回転動作が混合パターン1の最後まで達すると、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)は自動的に停止し、混合・混練処理を終える。そして、作業員は混合槽3を傾倒させて混練物である麺生地を排出させて回収し、次回の混合・混練処理に備える。
【0030】
また、このミキサ1を使用して、例えば、薬剤等の粉体原料や液体原料等の混合材料を混合・混練し、更に造粒処理するような場合には、前記同様に、混合槽3内に前記粉体原料と液体原料とを投入した後、この混合条件に適した、例えば混合パターン2が割り当てられた選択スイッチ17−2を選択操作する。なお、前記混合材料のうち液体原料の量は、造粒化させやすいように比較的少なめに配合している。すると、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)は選択された混合パターン2に従い、駆動モータ12a(モータA)は高速回転から始まって、その後、低速回転、高速回転へと切り換わる一方、駆動モータ12b(モータB)は低速回転から始まって、その後、高速回転、低速回転へと切り換わり、それに伴って回転する擦り潰し羽根9、掻き取り羽根10にて、粉体原料や液体原料等の混合材料は前記同様に混合・混練処理されつつ、液体原料、即ち水分量が抑えられていることによって擦り潰し羽根9の外周縁と混合槽3内壁との間に設けられた隙間11の大きさに応じて造粒処理がなされ、やがて取り扱いやすい所望粒径の薬剤原料が得られる。
【0031】
このように、混合槽3の対向する側壁にそれぞれ備えた各混合軸6a、6bに対し、個別に駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)を備えると共に、制御装置13にて各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)の回転動作を個別に制御可能としたので、各混合軸6a、6bをそれぞれ独立してかつ多様に回転制御させることが可能となり、種々の混合材料を混合・混練、或いは造粒処理する場合にも容易にかつ柔軟に対応可能な汎用性の高いミキサとすることができる。
【0032】
また、制御装置13には、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)の高速・低速回転等の、異なる回転速度の組み合わせから成る複数の混合パターンを作成して登録し、これら複数の混合パターンから混合材料に適した混合パターンを選択する操作部として、操作パネル14を備えたので、取り扱いが極めて容易となってより一層汎用性の高いミキサとすることができる。
【0033】
なお、本実施例においては、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)の高速・低速回転動作が混合パターンの最後まで達すると、各駆動モータ12a(モータA)、12b(モータB)は自動停止するが、何度もその混合パターンを繰り返すようにしてもよく、その場合、作業員が目視等で完了かどうかを判断し、完了と判断すれば電源スイッチ15OFF操作すればよい。また、擦り潰し羽根9をアーム8に取り付ける位置をスライド可能とし、擦り潰し羽根9の外周縁と混合槽3内壁との間の隙間11の大きさを調整可能とすることにより、造粒させる混合材料の用途等に応じて適宜造粒物の粒径を調整させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る、ミキサの一実施例を示す一部切り欠き正面図である。
【図2】図1の一部切り欠き側面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】操作パネルの説明図である。
【図5】混合パターンの登録例を説明する図である。
【符号の説明】
【0035】
1…ミキサ 2…投入口
3…混合槽 5…架台
6a、6b…混合軸 8…アーム
9…擦り潰し羽根 10…掻き取り羽根
11…隙間 12a、12b…駆動モータ
13…制御装置 14…操作パネル
17−1、17−2、17−3…混合パターン選択スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に混合材料の投入口を有した混合槽を備え、該混合槽の対向する側壁にそれぞれ混合軸を貫通させて回転自在に軸支し、該混合軸を回転駆動させる駆動モータを各混合軸に個別に備え、各駆動モータの回転動作を個別に制御する制御装置を備えると共に、混合槽内に突出した各混合軸の先端部には複数のアームを半径方向に固着し、該アームのうち少なくとも一本には擦り潰し羽根を、残りのアームには掻き取り羽根をそれぞれ取り付け、前記擦り潰し羽根は、材料を混合槽内壁に押し付けて擦り潰すように羽根の回転方向前面と混合槽内壁とが成す角度を鋭角とし、かつ材料を対向する混合軸側に送り出すように羽根先端部を折曲させて成る一方、前記掻き取り羽根は混合槽内壁に付着する材料を掻き取るように羽根先端部を混合槽内壁と略平行にかつ近接させて成ることを特徴とするミキサ。
【請求項2】
前記擦り潰し羽根は、混合材料を造粒可能なように羽根外周縁と混合槽内壁との間に所定幅の隙間を設けたことを特徴とする請求項1記載のミキサ。
【請求項3】
前記制御装置には、各駆動モータの異なる複数の回転速度の組み合わせから成る複数の混合パターンを登録し、これら複数の混合パターンから一つの混合パターンを選択する操作部を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のミキサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−22929(P2010−22929A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186865(P2008−186865)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【Fターム(参考)】