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ミクロスフェア及び非イオン性造影剤を用いた組成物及び方法
説明

ミクロスフェア及び非イオン性造影剤を用いた組成物及び方法

本発明は、ミクロスフェアを用いた薬物送達及び/又は治療的塞栓形成により、癌及びその他の様々な血管新生依存性疾患、血管機能不全、動静脈奇形(AVM)、出血性過程、及び疼痛、特に腫瘍関連疼痛の治療を含む疾患及び障害を治療するための組成物及び方法に関する。より詳細には、本発明は、非イオン性造影剤を含むミクロスフェア、これらのミクロスフェアを含む組成物、並びに塞栓療法用のかかる組成物を調製及び使用するための方法に関する。本発明はさらに、塞栓形成も必要であるかどうかに関係なく、標的化薬物送達のために検出可能なミクロスフェアを用いる組成物及び方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2005年5月9日に出願された米国仮出願シリアル番号第60/679,348号の優先権を主張する、これは、その全体において、本明細書中に引用により取り込まれている。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ミクロスフェアを用いた薬物送達及び/又は治療的塞栓形成により、癌及びその他の様々な血管新生依存性疾患、血管機能不全、動静脈奇形(AVM)、出血性過程、及び疼痛、特に腫瘍関連疼痛の治療を含む疾患及び障害を治療するための組成物及び方法に関する。より詳細には、本発明は、非イオン性造影剤を含むミクロスフェア、これらのミクロスフェアを含む組成物、並びに薬物送達及び/又は塞栓療法用の前記組成物を調製及び使用するための方法に関する。さらに、本発明は、塞栓形成も必要であるかどうかに関係なく、標的化薬物送達のために検出可能なミクロスフェアを用いる組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
治療的血管閉塞(塞栓形成)はある特定の病態をin situで治療するために用いられる技術であり、塞栓材料を関連する血管に注入することを必要とする。例えば、腫瘍を助長する血管は、その血管へ塞栓材料を注入することにより意図的に遮断される。特に腫瘍の場合では、血管閉塞は、痛みを抑制し、塞栓形成に続く外科的介入における出血を制限し、又は腫瘍壊死すら引き起こし、手術を回避することができる。
AVM又は動静脈瘻などの血管奇形の場合、血管閉塞は、組織への血流を正常化させ、外科手術を補助し、出血の危険性を制限する。出血性過程では、血管閉塞は、血流量を減少させ、それにより動脈開口部の瘢痕形成が促進される。
【0004】
塞栓形成は、子宮筋腫、分娩後及び/帝王切開後出血、術後膣出血の治療において、異所性妊娠による出血の予防及び/又は治療において、筋腫摘出の前に予防的に(prophilatically)、並びに前置胎盤、癒着胎盤、及び双生胎児死産の患者のような出血の危険性が高い産科の患者において用いることができる。塞栓形成はまた、制御されない出血を止めるためにも、又は手術の前もしくは間の出血を遅らせるためにも、及び動脈瘤嚢内へ内部漏出を塞ぐためにも用いることができる。疾患又は障害のそれぞれは本発明の範囲内である。
【0005】
さらに、治療される病態によって、薬物送達及び/又は治療的塞栓形成は、一時的な目的だけでなく永久的な目的にも行うことができる。
塞栓形成は、一般に、循環系中において粒子状閉塞物質(塞栓)を適当な位置に置くことができるカテーテルを用いて行われる。正確に位置決定するためには何らかの視覚的管理が必要である。そのため、造影剤を加えることにより適切に標識される塞栓材料を用いることが望ましい。カテーテルへの障害を低減するためには、カテーテルに付着し得る液体塞栓材料よりも固体塞栓材料が好ましい。ミクロスフェアは、好適な固体材料として受動的塞栓形成、すなわち、in vivoでの特定の血管又は部位の機械的閉塞において用いられてきた。
【0006】
ミクロスフェアのさらなる利点は、薬物送達用又は能動的塞栓療法用薬剤としてのそれらの可能性である。薬物送達では、機械的な閉塞が望ましいかどうかに関係なく、ミクロスフェアは、後にin vivoで所望の部位においてそのミクロスフェアから放出される薬物/治療薬又は活性薬剤の担体として用いられる。能動的塞栓療法では、ミクロスフェアは二重機能を有する:機械的な閉塞(塞栓形成)及び高度に限局されたin situでの治療薬の送達である。この薬剤は、例えば、化学療法薬又は放射線治療薬を用いた腫瘍の治療において用いることができる。この種の局所的療法は、処置を腫瘍の部位に限局することができる。そのため、健常組織に対する潜在的部位影響及び損傷は、特に細胞傷害性の化学療法薬又は放射線治療薬を用いる場合に、低減され得る。薬物/薬剤の(能動的塞栓形成又は薬物送達による)局所的投与は標的組織に対するピーク薬物濃度を上昇させるといったさらなる利点を有する。これは、化学療法薬又は放射線治療薬の投与についてだけでなく、例えば、化学療法薬又は疼痛緩和薬の投与についても有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ミクロスフェアに添加される造影剤の種類はミクロスフェアの特性を変更する(例えば、膨潤可能な材料の膨潤性、薬物などの追加成分の添加能力、又はカテーテルによる注入に対する適合性を低下させること)ことが分かった。よって、標識されるだけでなく、さらになお薬物を吸着あるいは運搬することができる、塞栓形成に適したミクロスフェアを提供することが有利である。同様に、本発明のミクロスフェアは、薬物又は他の治療薬の特定の細胞、組織、又は器官への送達に有用である。
【0008】
従って、造影剤、薬物、及び/又は別の治療薬を含み、所望により、初期サイズよりも大きなサイズまで膨潤し得るミクロスフェアをさらに開発する明らかな必要性がある。よって、本発明の1つの目的は、薬物添加及び/又は送達についてより優れた能力を有する造影剤含有ミクロスフェアを提供することである。本発明のもう1つの目的は、より優れた膨潤特性を有する造影剤含有ミクロスフェアを提供することである。本発明のさらなる目的は、ヒドロゲル様挙動をとる造影剤含有ミクロスフェアを提供することである。この造影剤含有ミクロスフェアは、能動的塞栓療法において、及び/又は薬物送達において、並びに特に血管新生依存性疾患の治療及び/又は腫瘍関連疼痛の緩和に好適であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の概要)
治療では、一般に、投与の間医師が視覚確認できるミクロスフェアであり、薬物を含み、その薬物がその薬物に関連する副作用を最小限に抑えるために低濃度でゆっくりと放出されるといったミクロスフェアを用いることが望ましい。このミクロスフェアはその薬物が送達される場所又は標的に既に存在するため、ゆっくりとした放出は所望の治療に十分なものとなる。さらに、このミクロスフェアはより優れた添加能力を有するはずである、すなわち、これらのミクロスフェアは造影剤の存在下で最大量の薬物を添加することができる。
【0010】
能動的塞栓形成及び/又は薬物送達において最も好適なミクロスフェアは、ヒオドロキシ(hyodroxy)基及び/又はアミン基を含む親水性ポリマーなどの親水性ポリマーに基づくものである。いくつかの実施態様では、正荷電基又は負荷電基、もしくは両方を有するポリマー又はコポリマーを用いることができる。
【0011】
ミクロスフェアは、ポリマー又はコポリマー、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA系ポリマー、PVAコポリマー、又はアクリル酸、アクリルアミド、アクリレート、すなわち、アクリル酸エステル及び/もしくは例えば、メタクリルアミド、メタクリレート、メタクリル酸などといったそれらの誘導体に基づくモノマーから調製されたポリマー又はコポリマーを含んでよい。ポリマー及び/又はコポリマーは、架橋されていても又は架橋されていなくてもよい。
【0012】
アクリルアミドが用いられるある実施態様では、正荷電基を作出するためにアミノ官能基はプロトン化され得る。アクリル酸が用いられる実施態様では、負荷電基は、酸性官能基を脱プロトン化することにより作出され得る。アクリル酸エステルが用いられる実施態様では、イオン基は、エステル基を加水分解することにより生み出され得る。イオン基はまた、好適な架橋剤を用いることによっても生み出され得、この場合に得られたポリマー又はコポリマーは架橋されている。ミクロスフェアはまたさらに、下記に記載する特性の1以上又はすべてを有する。
【0013】
ある特定の実施態様では、送達される薬物は水溶性である。特定の実施態様では、薬物は、塩酸塩、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、又は硫酸カリウムからなる群から選択される塩などの塩形態である。さらに、薬物は発明の詳細な説明に記載されている特性の1以上又はすべてを有することができる。
【0014】
本発明の1つの目的は、能動的塞栓療法及び/又は薬物送達に適したミクロスフェアであって、(a)1以上の親水性又はイオン性ポリマーと、(b)薬物(塩形態の薬物など)とを含み、薬物の所望の持続放出特性、ある特定の実施態様では、造影剤の存在下でより優れた薬物添加能力及び該ミクロスフェアをその標的に投与する際の医師による視覚確認可能性を有するミクロスフェアを提供することである。
【0015】
上記システムに好適な造影剤は非イオン性造影剤である。造影剤は発明の詳細な説明に記載されている特性の1以上又はすべてを有することができる。
1つの実施態様では、本発明は、担体としてミクロスフェアを用いた、薬物、ワクチン、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、多糖類、及び/又は診断用薬もしくは造影剤の哺乳類への送達のための組成物及び方法を提供する。最も好ましい実施態様では、本発明は、少なくとも1種の薬物、造影剤、又はそれらの組合せの送達のための、非イオン性造影剤を含むミクロスフェアを提供する。
【0016】
1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)PVAを含む生体適合性ポリマー材料と、(b)非イオン性造影剤とを含み;例えば、医薬として許容し得る溶液に膨潤可能であり、かつ膨潤前に直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。いくつかの実施態様では、非イオン性造影剤は、X線造影剤、コンピューター断層撮影(CT)用造影剤、常磁性造影剤、又は超常磁性造影剤からなる群から選択され、ある特定の実施態様では、造影剤はヨウ素を含む。
【0017】
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)PVAを含む生体適合性ポリマー材料と、(b)非イオン性造影剤と、及び/又は(c)薬物とを含み、例えば、医薬として許容し得る溶液に膨潤可能であり、かつ膨潤前に直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。いくつかの実施態様では、非イオン性造影剤は、X線造影剤、CT用造影剤、常磁性造影剤、又は超常磁性造影剤からなる群から選択され、ある特定の実施態様では、造影剤はヨウ素を含む。
【0018】
さらなる実施態様では、本発明は、医薬組成物であって、(a)(i)PVAを含む生体適合性ポリマー材料と、(ii)非イオン性造影剤と、(iii)薬物とを含む、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアを含み、該ミクロスフェアはサイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであり;さらに(b)医薬として許容し得る液体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様では、非イオン性造影剤は、X線造影剤、CT用造影剤、常磁性造影剤、又は超常磁性造影剤からなる群から選択され、ある特定の実施態様では、造影剤はヨウ素を含む。
【0019】
もう1つの実施態様では、本発明は、医薬組成物であって、(a)(i)PVAを含む生体適合性ポリマー材料と、(ii)非イオン性造影剤と、(iii)薬物とを含む、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアを含み、該ミクロスフェアはサイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであり;さらに(b)医薬として許容し得る液体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様では、非イオン性造影剤は、X線造影剤、CT用造影剤、常磁性造影剤、又は超常磁性造影剤からなる群から選択され、ある特定の実施態様では、造影剤はヨウ素を含む。
【0020】
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)非架橋PVAと、(b)非イオン性造影剤と、(c)薬物とを含み;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。ある特定の実施態様では、薬物は化学療法薬又は疼痛緩和薬である。
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)非架橋PVAと、(b)非イオン性X線造影剤と、(c)薬物とを含み;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。
【0021】
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)非架橋PVAと、(b)非イオン性造影剤と、(c)ドキソルビシン、シスプラチン、マイトマイシンC、タモキシフェン、及びパクリタキセルからなる群から選択される薬物とを含み;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。
【0022】
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)架橋PVAと、(b)非イオン性造影剤と、(c)ドキソルビシン、シスプラチン、マイトマイシンC、タモキシフェン、及びパクリタキセルからなる群から選択される薬物とを含み;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。
【0023】
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)架橋PVAと、(b)非イオン性X線造影剤と、(c)薬物とを含み、サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)架橋PVAと、(b)非イオン性造影剤と、(c)ドキソルビシン、シスプラチン、マイトマイシンC、タモキシフェン、及びパクリタキセルからなる群から選択される薬物とを含み;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。
【0024】
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)ポリビニルアルコール−アクリル酸コポリマーと、(b)非イオン性造影剤と、(c)化学療法薬又は疼痛緩和薬などの薬物とを含み;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、例えば、医薬として許容し得る溶液に膨潤可能である。ある特定の実施態様では、ポリマーは高吸水性ポリマーである。特定の実施態様では、ポリビニルアルコール−アクリル酸コポリマーは、ビニルアルコール及びアクリレートコポリマー(アクリル酸ナトリウムポリマーなど)である。
【0025】
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)ポリビニルアルコール−アクリル酸コポリマーと、(b)非イオン性X線造影剤と、(c)薬物とを含み;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、例えば、医薬として許容し得る溶液に膨潤可能である。ある特定の実施態様では、ポリマーは高吸水性ポリマーである。特定の実施態様では、ポリビニルアルコール−アクリル酸コポリマーは、ビニルアルコール及びアクリレートコポリマー(アクリル酸ナトリウムポリマーなど)である。
【0026】
もう1つの実施態様では、本発明は、塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)ポリビニルアルコール−アクリル酸コポリマーと、(b)非イオン性造影剤と、(c)ドキソルビシン、シスプラチン、マイトマイシンC、タモキシフェン、及びパクリタキセルからなる群から選択される薬物とを含み;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、例えば、医薬として許容し得る溶液に膨潤可能である。ある特定の実施態様では、ポリマーは高吸水性ポリマーである。特定の実施態様では、ポリビニルアルコール−アクリル酸コポリマーは、ビニルアルコール及びアクリレートコポリマー(アクリル酸ナトリウムポリマーなど)である。
【0027】
もう1つの実施態様では、本発明は、実質的に球状のミクロスフェアであって、(a)ポリビニルアルコール−アクリル酸コポリマーと、(b)イオパミドール(Isovue(商標))、イオジキサノール(Visipaque(商標))、イオヘキソール(Omnipaque(商標))、イオプロミド(Ultravist(商標))、及びイオベルソール(Optiray(商標))からなる群から選択される非イオン性造影剤と、(c)化学療法薬などの薬物とを含み;好ましくは、該薬物がドキソルビシン、シスプラチン、マイトマイシンC、タモキシフェン、及びパクリタキセルからなる群から選択され;サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであるミクロスフェアを提供する。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、例えば、医薬として許容し得る溶液に膨潤可能である。ある特定の実施態様では、ポリマーは高吸水性ポリマーである。特定の実施態様では、ポリビニルアルコール−アクリル酸コポリマーは、ビニルアルコール及びアクリレートコポリマー(アクリル酸ナトリウムポリマーなど)である。
【0028】
さらなる実施態様では、本発明は、上記ミクロスフェアと、医薬として許容し得る液体とを含む注射可能な医薬組成物を提供する。
さらなる実施態様では、本発明はまた、医薬組成物を調製するための方法であって、(a)(i)PVAを含む生体適合性ポリマー材料と、(ii)非イオン性造影剤とを含む、能動的塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアを含み、該ミクロスフェアはサイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであり;さらに(b)医薬として許容し得る液体を含む、医薬組成物を調製するための方法も提供する。この方法は、約10μm〜約1000μmの直径を有するミクロスフェアを、医薬として許容し得る液体中に非イオン性造影剤を含有する溶液と接触させることを含む。ある特定の実施態様では、ミクロスフェアは、例えば、医薬として許容し得る溶液に膨潤可能であり、かつ膨潤前に直径が10μm〜1000μmである。ミクロスフェアは、所望により、例えば、照射(例えば、γ−又はβ線照射)により滅菌されていてよい。
【0029】
もう1つの実施態様では、本発明は、医薬組成物を調製する方法であって、(a)(i)PVAを含む生体適合性ポリマー材料と、(ii)非イオン性造影剤と、(iii)薬物とを含む、能動的塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアを含み;該ミクロスフェアは、例えば、医薬として許容し得る溶液に膨潤可能であり、サイズが均一であり、かつ直径が約10μm〜約1000μmであり;さらに(b)医薬として許容し得る液体を含む医薬組成物を調製する方法を提供する。この方法は、(a)約10μm〜約1000μmの直径を有する前記ミクロスフェアを、前記ミクロスフェアを飽和状態にするのに必要と思われる量の約10%〜約90%の量において、医薬として許容し得る液体中の非イオン性造影剤の溶液と接触させることと、(b)前記ミクロスフェアが飽和状態になるまで、医薬として許容し得る溶液中の薬物の溶液を加えることとを含む。ミクロスフェアは、所望により、例えば、照射(例えば、γ−又はβ線照射)により滅菌されていてよい。
【0030】
もう1つの実施態様では、本発明は、ミクロスフェアを含む注射可能な医薬組成物を調製する方法であって、(a)ポリビニルアルコールを含む生体適合性ポリマー材料を含む、10μm〜1000μmの直径を有する膨潤可能なミクロスフェアを、該ミクロスフェアを飽和状態にするのに必要と思われる量の約10〜約90%の量において、薬物の溶液と接触させることと、(b)該ミクロスフェアが飽和状態になるまで、医薬として許容し得る液体中の非イオン性造影剤の溶液を加えることとを含む方法を提供する。ミクロスフェアは、その後、所望により、例えば、照射(例えば、γ−又はβ線照射)により滅菌されていてよい。
【0031】
もう1つの実施態様の範囲内において、哺乳類における能動的塞栓形成のための方法が提供され、この方法は、哺乳類に、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を投与することを含む。
もう1つの実施態様の範囲内において、哺乳類における能動的塞栓形成のための方法が提供され、この方法は、血管新生依存性疾患を有する哺乳類に、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を投与することを含む。
【0032】
もう1つの実施態様の範囲内において、塞栓形成を伴う又は伴わない、哺乳類における薬物送達のための方法が提供され、この方法は、哺乳類に、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を投与することを含む。
もう1つの実施態様の範囲内において、塞栓形成を伴う又は伴わない、哺乳類における薬物送達のための方法が提供され、この方法は、血管新生依存性疾患を有する哺乳類に、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を投与することを含む。
【0033】
もう1つの実施態様の範囲内において、塞栓形成を伴う又は伴わない、哺乳類における薬物送達のための方法が提供され、この方法は、腫瘍又は他の種類の癌を有する哺乳類に、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を投与することを含む。ある特定の実施態様では、ミクロスフェア又は医薬組成物は、腫瘍又は他の種類の癌の部位において局所的に、例えば、腫瘤中に直接投与される。
【0034】
他の実施態様では、哺乳類における腫瘍又は他の癌の治療のための方法が提供され、この方法は、腫瘍又は他の種類の癌を有する哺乳類に、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を投与することを含む。ある特定の実施態様では、ミクロスフェア又は医薬組成物は、腫瘍又は他の種類の癌の部位において局所的に、又はその中に直接投与される。いくつかの実施態様では、腫瘍又は他の種類の癌は局所的薬物送達により治療される。他の実施態様では、腫瘍又は他の種類の癌は塞栓形成と組み合わせた局所的薬物送達により治療される。
【0035】
本発明のもう1つの態様の範囲内において、腫瘍切除部位を治療するのための方法が提供され、これらの方法は、癌の局所再発及び該部位における新生血管形成が阻害されるように、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を、切除後の腫瘍の切除マージンに投与することを含む。
【0036】
他の態様の範囲内において、非腫瘍形成性血管新生依存性疾患における血管に塞栓を形成するのための方法が提供され、これらの方法は、該血管が効果的に閉塞されるように、該血管に本発明のミクロスフェア又は医薬組成物を送達することを含む。
他の態様の範囲内において、器官の新生血管疾患を治療するのための方法が提供され、これらの方法は、新生血管形成が阻害されるように、それが必要な患者に、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を投与することを含む。
【0037】
他の態様の範囲内において、腫瘍に関連する疼痛を治療するのための方法が提供され、これらの方法は、それが必要な患者に、本発明のミクロスフェア又は本発明の医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様では、疼痛は、本発明のミクロスフェアを用いた薬物送達単独、又は塞栓形成との組合せにより治療される。
本発明のこれらの態様及び他の態様は、次の詳細な説明及び添付の図面を参照することにより明らかになるであろう。加えて、様々な参照文献が下記に示されるが、これらは引用によりそのまま本明細書中に組み込まれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(発明の詳細な説明)
限定する目的ではなく開示内容を明確にするために、本発明の詳細な説明は次に続くサブセクションで構成される。
【0039】
(定義)
本明細書において、「ミクロスフェア」とは、様々なサイズの物体になったポリマー又はポリマーの組合せを意味する。ミクロスフェアは、いずれの形態もとり得るが、多くの場合において、実質的に球状の形態をとる。ある特定の実施態様では、ミクロスフェアは単独又は注射可能な溶液の形態で無菌である。ミクロスフェアは、当技術分野で公知の任意の方法により、例えば、照射(γ-又はβ線照射など)により滅菌してよい。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアの表面は1000倍未満の倍率では滑らかに見える。本発明のミクロスフェアは、本明細書において記載され、定義される他の材料を含んでよい。
【0040】
本明細書において、「実質的に球状の」とは、一般に、最小の外表面積を提示する容積として定義される完全な球体に近い形態を意味する。具体的には、本発明における「実質的に球状の」とは、ミクロスフェアの任意の断面を見たときに、より大きい直径とより小さい直径との差は、用いる実施態様に応じて20%未満、10%未満、又は5%未満であるということを意味する。
【0041】
本明細書において、用語「約」とは、又は「およそ」とは、任意の値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内(又は1%以下)であるということを意味する。
本明細書において、本発明における「細胞接着プロモーター」とは、その材料がミクロスフェア中に存在していること又はミクロスフェアと結合していることにより、それらのミクロスフェアの表面への細胞の接着性が促進又は増強されるいずれもの材料を意味する。これらの材料は、多くの場合、共有結合により又は相互浸透型高分子法(an interpenetrated polymeric manner)によりミクロスフェアの表面と結合されているタンパク質である。
【0042】
本明細書において、本発明における「治療薬」とは、血管新生依存性疾患の過程に対する治療効果又は血管新生依存性疾患に対する生物学的もしくは生理学的応答をもたらすいずれもの物質を指す。治療薬の一例は、血管新生依存性疾患に関連する炎症の影響を予防又は軽減する抗炎症薬である。
【0043】
本明細書において、「親水性相互作用」とは、実質的に、水と結合することができ、水を吸収することができ、かつ/又は水に溶解することができ分子又は分子の一部を指す。これは膨潤及び/又は可逆ゲルの形成をもたらし得る。
本明細書において、「疎水性相互作用」とは、実質的に、水と結合せず、水を吸収せず、かつ/又は水に溶解しない分子又は分子の一部を指す
【0044】
本明細書において、「膨潤可能な」ミクロスフェアとは、水性液又は生理液を接触させるなどのある特定の条件においてサイズが増大し得るが、それにもかかわらず実質的に同じ形態を保持するミクロスフェアを指す。ある特定の実施態様では、膨潤可能なミクロスフェアは、それらの元のサイズの約15倍まで又はそれらの元の容積の約64倍まで大きくなり得る。ある特定の実施態様では、膨潤可能なミクロスフェアは、生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム溶液)と接触することで、それらの元のサイズの約4倍まで又は容積は64倍まで大きくなる。いくつかの実施態様では、「膨潤可能な」ミクロスフェアとは、吸水する能力を有するミクロスフェアを指す。例えば、ある特定の実施態様では、膨潤可能なミクロスフェアの吸水速度は少なくとも約750g/gである。この膨潤度は、例えば、ミクロスフェアが懸濁される溶媒、及びミクロスフェアを作製するのに用いられる特定のポリマーなどの因子を制御することにより制御することができる。ある特定の実施態様では、この架橋度は調整されるが、他の実施態様では、架橋は調整されないか、又は存在しない。この特性は、ミクロスフェアが、例えば、18〜30ゲージ又はより小さい注射針で注射され、その上拡大され、かつ注射部位において哺乳類のリンパ系又は免疫系により排除される機会を回避又は低減するのに十分な大きさを確保することを可能にする。
【0045】
本明細書において、「高吸水性ポリマー」とは、少なくとも5重量%の水を吸収することができるポリマー又は吸水させた場合にそれらの乾重をそれらの元の重量の約20倍まで増加させることができるポリマーを指す。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、生理液中のそれらの初期重量の約300倍まで、約400倍まで、約500倍まで、約600倍まで、約700倍まで、又は約750倍まで、もしくはそれより多くを吸収することができる「高吸収性(superabsorbant)ポリマー」である。例えば、1gの乾燥ミクロスフェアは、大気圧下、室温(25℃)で脱イオン水を約300gまで、約400gまで、約500gまで、約600gまで、約700gまで、又は約750gまで、もしくはそれより多くを吸収することができる。
【0046】
本発明のミクロスフェアは、ある特定の実施態様では、「親水性の」粒子を含み得る。本明細書において、用語「親水性の」とは、粒子が水もしくは水溶液に溶解することができ、水もしくは水溶液を吸収することができ、又は水もしくは水溶液と容易に混合することができるということを意味する。
【0047】
本明細書において、「注射可能な」とは、シリンジ、カテーテル、注射針、又は液体培質中のミクロスフェアを注射もしくは注入するためのその他の手段を介して体内に投与、送達、又は運搬され得ることを意味する。
本明細書において、「治療する」、「治療」、及び「治療すること」とは、1以上の療法(限定されるものではないが、本発明のミクロスフェアの投与を含む)を投与した結果として生じる特定の疾患の進行、重篤度、及び/又は罹病期間の短縮の軽減又は改善を指す。ある特定の実施態様では、これらの用語は、1以上の疾患又は状態に関連する疼痛の軽減を指す。
【0048】
本明細書において、「投与する」又は「投与」とは、体外に存在する物質(例えば、本発明の抗体)を、限定されるものではないが、肺(例えば、吸入)、粘膜(例えば、鼻腔内)、皮内、静脈内、筋肉内送達、及び/又は本明細書に記載されているか、もしくは当技術分野で公知の他の任意の物理的送達法などにより患者に注射あるいは物理的送達する行為を指す。疾患又はその症候の治療では、一般に、その疾患又はその症候の発現後に療法(本発明のミクロスフェアなど)が投与される。疾患又はその症候の予防では、一般に、その疾患又はその症候の発現前に療法(本発明のミクロスフェアなど)が投与される。
【0049】
本明細書において用語「有効な量」とは、特定の疾患及び/又はそれに関連する症候の重篤度及び/又は罹患期間を軽減及び/又は改善するのに十分である療法(例えば、本発明のミクロスフェア又は組成物)の量を指す。
本明細書において用語「宿主」とは、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを指す。
本明細書において用語「乳児」とは、24ヶ月齢未満、好ましくは16ヶ月齢未満、12ヶ月齢未満、6ヶ月齢未満、3ヶ月齢未満、2ヶ月齢未満、又は1ヶ月齢未満のヒトを指す。
【0050】
本明細書において、他の療法の投与との関連で用語「組み合わせて」とは、2以上の療法の使用を指す。用語「組み合わせて」の使用は、療法が感染症の対象に投与される順序を限定しない。第1の療法は、特定の疾患に罹患していた、罹患している、又は罹患しやすい対象への第2の療法の投与の(例えば、1分、45分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間)前に、同時に、又は(例えば、1分、45分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間)後に投与することができる。任意の付加療法は、他の付加療法とともに任意の順序で投与することができる。ある特定の実施態様では、本発明のミクロスフェアは、1以上の療法(例えば、本発明のミクロスフェアではない、特定の疾患又はそれに関連する他の症候を予防、治療、管理、及び/又は改善するために一般に投与されている療法)と組み合わせて投与することができる。本発明のミクロスフェアと組み合わせて投与することができる療法の限定されない例には、鎮痛薬、麻酔薬、抗生物質、又は免疫調節薬、あるいは「米国薬局方(U.S. Pharmacopoeia)」及び/又は「医師用卓上参考書(Physician's Desk Reference)」に記載されている他の任意の薬剤が含まれる。
【0051】
本明細書において、用語「管理する」、「管理すること」、及び「管理」とは、感染は治癒しないが対象が療法(例えば、本発明のミクロスフェア)から得る有益な効果を指す。ある特定の実施態様では、対象には、特定の疾患又はそれに関連する1以上の症候を「管理する」ための1以上の療法が投与され、疾患の進行又は悪化が予防される。
【0052】
本明細書において用語「医薬として許容し得る」とは、動物、より特にはヒトでの使用が連邦政府又は州政府の規制機関により認可されているということ、あるいは米国薬局方(the U.S. Pharmacopeia)、欧州薬局方(European Pharmacopeia)、又は他の一般に認識されている薬局方に記載されているということを意味する。
【0053】
本明細書において、用語「予防する」、「予防すること」、及び「予防」とは、特定の疾患の完全又は部分抑制;対象における特定の疾患又はそれに関連する症候の発生又は疾患進行の徴候の完全又は部分抑制;特定の疾患又はそれに関連する症候の進行の完全又は部分抑制を指す。
【0054】
本明細書において、用語「対象」及び「患者」とは、同義的に用いられる。本明細書において、対象は、好ましくは非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)及び霊長類(例えば、サル及びヒト)などの哺乳類、最も好ましくはヒトである。いくつかの実施態様では、対象は乳児、小児、成人、又は高齢者である。
【0055】
本明細書において、用語「療法」とは、特定の疾患又はそれに関連する症候の管理、治療、及び/又は改善に用いることができるいずれものプロトコール、方法、及び/又は薬剤を指す。ある特定の実施態様では、用語「複数の療法」及び「療法」とは、特定の疾患又はそれに関連する症候の管理又は治療に有用な生物療法、支持療法、及び/又は医療関係者などの当業者に公知の他の療法を指す。
【0056】
(ミクロスフェア)
ある特定の実施態様では、本発明のミクロスフェアは蛍光透視検査により観察できる。換言すれば、いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは非イオン性造影剤などの好適な造影剤が添加され、非イオン性造影剤などの好適な造影剤と結合され、又は非イオン性造影剤などの好適な造影剤が含まれる。いくつかの実施態様では、本発明のミクロスフェアは蛍光透視検査により観察でき、薬物を含むものである。かかる1つの実施態様は、非イオン性造影剤と、抗癌剤とを含む実質的に球状のPVA含有膨潤可能ミクロスフェアである。もう1つの実施態様は、非イオン性造影剤と、化学療法薬又は疼痛緩和薬とを含む実質的に球状のPVA含有膨潤可能ミクロスフェアである。
【0057】
ある特定の実施態様では、本発明に用いるためのミクロスフェアは、生体適合性で、親水性で、実質的に球状で、毒性がなく、かつ少なくとも1種のポリマーを含む。いくつかの実施態様では、ポリマーは親水性ポリマーである。特定の実施態様では、ポリマーは高吸水性又は高吸収性ポリマーである。いくつかの実施態様では、乾燥状態のミクロスフェアは、水、食塩溶液、バッファー、もしくは生理液などの液体への接触又は別の曝露を介して膨潤可能である。
【0058】
ある特定の実施態様では、ミクロスフェアは、18ゲージ以下の注射針で注射可能であり、かつ免疫系又はリンパ系により排除され得ないものである。いくつかの実施態様では、ポリマーは細胞接着を促進する薬剤でコーティングされる。特定の実施態様では、生細胞はミクロスフェアに付着し、ミクロスフェア中に又はミクロスフェア上に、周囲組織と連結し、ビーズの長期間安定性を高めることができる細胞層を形成する。
【0059】
ミクロスフェアは懸濁状態で安定しており、このことによりミクロスフェアを懸濁状態で製剤し、保存し、かつ異なる液体とともに注射することが可能である。さらに詳しくは、ミクロスフェアの親水性は、凝集体の形成又は貯蔵容器及び植込み装置(例えば、カテーテル、シリンジ、注射針など)の内壁への付着を回避しながら、それらを懸濁状態で、特に、滅菌済の発熱性(発熱物質フリー)注射可能溶液の形態で置くことを可能にする。
【0060】
本発明のミクロスフェアは、注射によるなど、体の様々な場所に植え込むことができる。本発明に用いるためのポリマー材料は、組織及び細胞に対して毒性がなく、かつ生体適合性である、すなわち、一般には炎症を引き起こさない。ミクロスフェアは、一度所望の部位に植え込まれたら、それらの全体の形状及び位置を維持することができる。本発明のミクロスフェアは圧縮可能であり、特定の実施態様では、18ゲージ以下の注射針で注射することができる。
【0061】
これらの特性は、2つの段階を通じて得ることができる。第1に、注射前のミクロスフェアのサイズは、適当な溶媒、塩濃度、及びpH値を用いること、及び飽和時点でのミクロスフェアの最終サイズを決定することにより慎重に制御することができる。最終サイズ及び飽和に達するのに必要な液体の量が決定したら、注射前のミクロスフェアを、それらの元のサイズを保つか、又は溶媒に接触することである程度まで膨潤するように調整することができる。膨潤は、用いられる溶媒(溶媒のpH及びイオン強度を含む)に応じる。注射前膨潤は、ミクロスフェアが18ゲージ以下の注射針(例えば、30ゲージ)で容易に注射可能であるように制御される。第2に、注射後、注射部位で組織と接触した時点で、ミクロスフェアは、所定サイズまでさらに膨潤し得るか、又はそれらの注射前サイズを保ち得、これらのサイズはいずれも、ミクロスフェアを注射部位において確保することを可能にするサイズである。ある特定の実施態様では、ミクロスフェアはまた、塞栓形成効果も達成する。注射前膨潤の程度、それを受けての注射後の膨潤は、用いられる特定のミクロスフェア、並びに治療下の欠陥の性質及び場所、並びに膨潤に用いられる溶媒により決定することができる。
【0062】
本発明に用いるためのミクロスフェアは、永久的に変更されることなく、注射器具及び小型カテーテルに容易に入って通り抜け得るように柔軟であるが、これらのミクロスフェアはまた、植込み過程の間又は後に起こる筋肉収縮応力に対する抵抗性も有する。これらのミクロスフェアはまた、熱的に安定でもあり、そのため、便宜で容易な滅菌、及び室温保存、冷蔵保存、又は冷凍保存が可能である。
【0063】
ある特定の実施態様では、ミクロスフェアは実質的に球状である、すなわち、最小の外表面積を提示する容積として定義される完全な球体に近い形態を有する。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアの表面は1000倍未満の倍率では滑らかに見える。
ミクロスフェアは、水、バッファー溶液、生理食塩水、体液、塩水溶液などの医薬として許容し得る液体に膨潤可能である。いくつかの実施態様では、乾燥ミクロスフェアは、室温(25℃)で脱イオン水などの液体で飽和させた場合、その乾燥ミクロスフェアの直径の約2倍、約5倍、又は約10倍まで膨潤することができる。
【0064】
ある特定の実施態様では、乾燥ミクロスフェアは高吸水性ポリマー及び/又は高吸収性ポリマーである。本明細書において、「高吸収性」とは、1gの乾燥ミクロスフェアは、大気圧下、室温(25℃)で脱イオン水を約300gまで、約500gまで、又は約700gまで吸収することができるということを意味する。
【0065】
ある特定の実施態様では、ミクロスフェアはサイズが均一である。これは、個々のミクロスフェア間の直径の差は、約0μm〜約100μm、約0μm〜約50μm、又は約0μm〜約25μmであるということを意味する。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアの直径の差は、100μm以下、約50μm以下、約25mm以下、約10mm以下、又は約5μm以下である。
【0066】
本発明の個々のミクロスフェアは、その乾燥状態で、すなわち、膨潤前に、約10μm〜約1000μm、約10μm〜約400μm、約50μm〜約100μm、約100μm〜約150μm、約150μm〜約200μm、又は約100μm〜約400μmの直径を有し得る。本明細書において、「乾燥」ミクロスフェアとは、約10%未満、約7%未満、約5%未満(約4%〜5%など)、約3%未満、又は約1%未満の液体(水など)を含むミクロスフェアである。乾燥ミクロスフェアは粉末形態であってよい。いくつかの実施態様では、膨潤前にミクロスフェアの直径は、約40μm〜約1000μm、約40μm〜約400μm、約50μm〜約300μm、約50μm〜約200μm、約70μm〜約120μm、約10μm〜約400μm、約10μm〜約200μm、約10μm〜約120μm、約10μm〜約50μm、約53μm〜約106μm、約106μm〜約150μm、約150μm〜約212μm、約200μm〜約250μm、約212μm〜約250μm、約250μm〜約300μm、約300μm〜約350μm、約350μm〜約400μm、約400μm〜約450μm、又は約450μm〜約500μmである。
【0067】
最も好ましくは、ミクロスフェアは、直径が平均直径±20%、平均直径±10%、又は平均直径±5%であるものが68%を超えている集団である。1つの実施態様では、ミクロスフェアは、直径が平均直径±20%、平均直径±10%、又は平均直径±5%であるものが75%を超えている集団である。例えば、1つの実施態様では、ミクロスフェアは直径が約200μm〜約250μm間、又は約212μm〜約250μm間である。ある特定の実施態様では、ミクロスフェアは平均直径が225μmであり、いくつかの実施態様では、集団の75%は平均直径225μm10%の範囲(すなわち、225μm22.5μm)である。
【0068】
特定の実施態様では、乾燥ミクロスフェアは、医薬として許容し得る液体と接触した際に膨潤する。それらの膨潤した形態又は部分的に膨潤した形態(すなわち、ミクロスフェアはもはや乾燥粉末ではないが、その代わりに懸濁液又はヒドロゲル形態である場合)では、ミクロスフェアは、約40μm〜約2000μm、約200μm〜約2000μm、約500μm〜約1500μm、又は約1000μm〜約1500μmの直径を有し得る。ミクロスフェアの直径は、例えば、顕微鏡により決定することができる。ミクロスフェアの直径はまた、当業者に公知の数多くの方法のうちのいずれか1つ(レーザーシステムなど)によっても決定することができる。いくつかの実施態様では、乾燥ミクロスフェアは、膨潤前の乾燥ミクロスフェアの直径の約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又は約6倍まで膨潤する。よって、いくつかの実施態様では、膨潤したミクロスフェアの直径は、乾燥ミクロスフェアの直径いずれかの約2倍〜約6倍の直径、又は本明細書において他の場所で開示されているその直径の範囲であってもよい。
【0069】
本発明の1つの態様は、(a)ポリマー材料と、(b)非イオン性造影剤と、(c)薬物(塩形態の薬物など)とを含むミクロスフェアを提供することである。ある特定の実施態様では、ポリマー材料は、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、又はポリアクリレートからなる群から選択されるポリマー又はコポリマーを含む。好ましくは、ポリマー材料は、荷電基(正荷電基又は負荷電基など)をさらに含み、この荷電基は、例えば、コポリマー又は架橋ユニットの官能基として存在していてよいし、又はポリマーの化学修飾により導入してよい。イオン基は、正荷電基、負荷電基、又は両方であってよい。ある特定の実施態様では、イオン基は、プロトン化されたアミノ基又は脱プロトン化されたカルボン酸基(例えば、加水分解されたエステル基)であり得る。
【0070】
本発明のポリマー材料は、限定されるものではないが、アクリルポリマーもしくはコポリマー、ポリアクリルアミドポリマーもしくはコポリマー、又はポリビンリアセテートポリマーもしくはコポリマーを含む。ポリマー材料はまた、ポリ乳酸ポリマーもしくはコポリマー、ポリ無水物ポリマーもしくはコポリマー、ポリアクリロニトリルポリマーもしくはコポリマー、多糖類ポリマーもしくはコポリマー、及びそれらの混合物も含み得る。
【0071】
いくつかの実施態様では、ポリマー材料はPVAを含む。より好ましくは、ポリマー材料はPVAコポリマーを含む。ポリマー材料はまた、ポリアクリレートポリマー又はコポリマーも含んでよい。ある特定の実施態様では、ポリマー材料はPVA−ポリアクリレートコポリマーである。他の実施態様では、ポリマー材料はPVA−アクリル酸ナトリウムコポリマーである。
【0072】
もう1つの好適なポリマーはアクリル酸ポリマー又はコポリマーである。さらにもう1つの好適な材料はアクリルアミドポリマー又はコポリマーである。
【0073】
ポリマー材料は、1以上のポリマー、1以上のポリマー混合物、コポリマー、コポリマー混合物、又はポリマー−コポリマー混合物を含んでよい。
ある特定の実施態様では、ポリマー材料は実質的に親水性である。これは、ミクロスフェアは少なくとも1つの親水性ポリマー又はコポリマーを含むが、ミクロスフェアの総合特性が疎水性ではなく実質的に親水性である限り、疎水性ポリマー又はコポリマーの存在も含んでよいということを意味する。いくつかの実施態様では、親水性ポリマーは、-OH及び/又は-NH2基を含むポリマーである。他の実施態様では、親水性ポリマーはイオン基を含む。
【0074】
ポリマー材料が含んでよい好適なポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、又はポリビニルアセタールである。
本発明のポリマーは、ポリビニルアルコール又はポリ酢酸ビニルユニット及びアクリルアミド基を含むポリマーである。
【0075】
本発明のもう1つのポリマーは、プロトン化型又は脱プロトン型(対イオンを含む)の、ポリビニルアルコール又はポリ酢酸ビニルユニット及びアクリル酸を含むポリマーである。
1つの実施態様では、ポリアクリレートは、加水分解されたポリアクリル酸エステルである。ポリアクリレートの例は、限定されるものではないが、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、又はそれらの混合物である。
【0076】
PVAなどのポリマー材料は、架橋されている場合も又は架橋されていない場合もある。
いくつかの実施態様では、PVA−ポリアクリレートコポリマーを含むポリマー材料が用いられる場合には、PVAユニットとポリアクリレートユニットとの比率は、約2対8(約2:8)〜約8対2(約8:2)である。いくつかの実施態様では、例えば、アクリル酸ナトリウム及びビニルアルコールコポリマーにおいてなど、アクリレート部分とビニルアルコール部分との比率は、約2対8〜約8対2である。
【0077】
PVAが架橋される場合、ポリマー材料は、約0.5重量%〜20重量%の架橋剤を含み得る。架橋剤の量は、ポリマーユニットの約0%〜約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、又は約90%以上と様々である。
いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、約1重量%〜約95重量%のポリビンリルアルコールを含む。ある特定の実施態様では、ミクロスフェアは、約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、及び約95重量%からなる群から選択される量においてポリビニルアルコールを含む。
【0078】
いくつかの実施態様では、PVAコポリマーの調製物中の親水性アクリルモノマーは、アクリルアミド及びその誘導体、メタクリルアミド及びその誘導体、アクリル酸エステル酸、並びに/又はメタクリル酸ヒドロキシメチルからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、得られたコポリマーは鹸化される。
【0079】
架橋は、ポリマー材料の合成において二官能性又は多官能性モノマーを用いることにより行うことができる。あるいは、その合成後に、例えば、ポリマー(例えば、PVAなど)をアルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒドなど)で処理することにより、ポリマーを架橋してもよい。架橋コポリマーの調製に用いることができる二官能性モノマーの例には、限定されるものではないが、単−又は二官能性アクリルアミド、例えば、N,N'−メチレン−ビス−アクリルアミド、N',N'−ジアリルアクリリアミド、又はグリオキサール−ビス−アクリルアミドが含まれる。
【0080】
いくつかの実施態様では、本発明のミクロスフェアは、非イオン性造影剤を含む。造影剤は、ミクロスフェアに添加することができ、ミクロスフェアと結合することができ、ミクロスフェアに吸収させることができ、ミクロスフェアに吸着させることができ、あるいは、ミクロスフェア中又は上に含めることができる。また、造影剤はミクロスフェアの担体溶液である。好ましくは、造影剤はミクロスフェア内に添加される。他の実施態様では、ミクロスフェアは、非イオン性造影剤などの造影剤を含まない。
【0081】
本発明の非イオン性造影剤は、X線造影剤、CT造影剤、MRI造影剤、又はそれらの組合せであり得る。造影剤は常磁性又は超常磁性であり得る。いくつかの実施態様では、本発明の造影剤はX線造影剤(蛍光透視剤又は放射線不透過体とも呼ばれる)又はCT造影剤である。ある特定の実施態様では、造影剤はヨウ素を含むものである。非イオン性造影剤はモノマー、ダイマー、又はポリマーであり得る。
【0082】
本発明の非イオン性造影剤の例は、限定されるものではないが、メトリザミド、イオパミドール(Isovue(商標)又はIopamiron(商標))、イオジキサノール(Visipaque(商標))、イオヘキソール(Omnipaque(商標))、イオプロミド(Ultravist(商標))、イオブチリドール(iobtiridol)、イオメプロール、イオペントール、イオパミロン、イオキシラン、イオトロラン、ガドジアミド、ガドテリドール、イオトロール(iotrol)、イオベルソール(Optiray(商標))、又はそれらの組合せである。ある特定の実施態様では、造影剤はイオパミドールではない。他の実施態様では、ミクロスフェアは、イオパミドール、少なくとも1つのさらなる非イオン性造影剤、及び/又は少なくとも1種の薬物を含む。特定の実施態様では、用いることができる非イオン性造影剤は、イオジキサノール、イオヘキサール(iohexal)、イオプロミド、及びイオベルソールである。もう1つの実施態様では、非イオン性造影剤はガドジアミド又はガドテリドールである。
【0083】
本発明のミクロスフェアは、まず、ポリマー材料からなるミクロスフェアを合成することにより調製することができる。かかるミクロスフェアの例は、例えば、引用により本明細書中に組み込まれている、EP 1 128 816 Bl; WO 01/72281; JP 6-56676、JP 54-37994; 並びに米国特許第4,320,040号及び同第4,367,323号に示されている。
【0084】
ミクロスフェアは、懸濁重合、滴下重合、又は当業者に公知の他の任意の方法により調製することができる。選択されるミクロスフェア調製様式は、通常、結果として得られるミクロスフェアに所望の特徴、例えば、ミクロスフェアの直径及び化学組成によって決まる。本発明のミクロスフェアは、当技術分野で記載されている標準的な重合方法により作製することができる(例えば、引用により本明細書中に組み込まれている、John Wiley & Sonsの著書「ミクロスフェア、マイクロカプセル封入、及びリポソーム(Microspheres, Microencapsulation and Liposomes)」(Arshady R.編, vol. 2, p.171-189 (1999))中のE. Boschettiの論文「バイオクロマトグラフィー及び生体医学向けミクロスフェア(Microspheres for Biochromatography and Biomedical Applications)」。第1部、マイクロビーズの調製を参照されたい)。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、モノマーの水溶液から出発し、所望により、コラーゲン又はゼラチン(ゼラチンは変性コラーゲンである)などの細胞接着因子を含めて、調製される。この溶液は、次いで、液滴懸濁液を作り出すために、非水性相溶性溶媒と混合することができ、この液滴懸濁液は、その後、適当な触媒の手段によるモノマーの重合により固体ゲルに変えられる。その後、ミクロスフェアは、濾過又は遠心分離により集められ、洗浄し、任意に、滅菌することができる。エマルジョン又は懸濁重合は分散した液滴から出発するため、重合後に球状のミクロスフェアが得られる。攪拌速度は、形成される液滴のサイズを決定する。よって、得られるミクロスフェアのサイズは、重合時に用いられる攪拌速度によって制御することができる。ある特定の実施態様では、攪拌速度は、約100RPM〜約250RPMの間、例えば、約100RPM、約125RPM、約150RPM<約200RPM、約225RPM、又は約250RPMである。
【0085】
細胞接着プロモーター又はマーキング剤は、任意に、用語「リガンド固定化」と呼ばれるアフィニティークロマトグラフィーにおいて周知の化学的結合手法によりミクロスフェアの上に又は中に導入することができる。もう1つの導入方法は、ミクロスフェアを構成するゲルネットワーク内で拡散させた後、その拡散分子を適当な位置で沈降又は化学的架橋により捕捉することによる。
【0086】
本発明のミクロスフェアはまた、当技術分野で記載されている標準的な重合方法(例えば、仏国特許第2,378,808号、米国特許第5,648,100号、同第5,635,215号、及び同第4,480,044号、これらはそれぞれ、引用により本明細書中に組み込まれている)によっても得ることができる。一般に、溶液中のモノマーの重合は、重合反応開始剤の存在下、約0℃〜約100℃間及び約40℃〜約60℃間の温度で実施される。
重合開始剤は、有利には酸化還元系の中から選択される。
【0087】
また、アルカリ金属過硫酸塩と、N,N,N',N'テトラメチルエチレンジアミンとの、又はジメチルアミノプロピオニトリル、有機過酸化物(過酸化ベンゾイル又は2,2'−アゾ−ビス−イソブチロニトリルなど)との組合せも用いることができる。用いられる開始剤の量は、当業者により、求められるモノマーの量及び重合の速度に合わせられ得る。重合は、塊状で又はエマルジョンもしくは懸濁液中で実施することができる。
塊状重合の場合、異なる溶存成分及び開始剤を含む水溶液は、均質媒質中で重合を受ける。これにより水性ゲルの塊りにアクセスできるようになり、この水性ゲルの塊りは、後に、例えば、スクリーンのメッシュに通すことによりミクロスフェアに分けることができる。
【0088】
特定の実施態様では、調製方法はエマルジョン又は懸濁重合による。これにより所望のサイズの球状のミクロスフェアに直接アクセスできるようになる。例えば、異なる溶存成分(例えば、異なるモノマーと選択の細胞接着因子)を含む水溶液は、水に混和しない液体有機相と、任意に、乳化剤の存在下で、攪拌により混合することができる。攪拌速度は、所望の直径の液滴を形成する、有機相中水相エマルジョンが得られるように調整することができる。重合は、その後、開始剤を加えることにより開始させることができる。重合は発熱反応を伴う可能性があり、その発生を受けて、反応媒質の温度の測定を行うことがある。
【0089】
いくつかの実施態様では、有機相植物油又は鉱油として、ある特定の石油蒸留物、塩素化炭化水素、又はこれらの異なる溶液の混合物を用いることができる。
さらに、重合開始剤がいくつかの成分(酸化還元系)を含む場合、乳化前にそれらのうちの1つを水相に加えることができる。
【0090】
このようにして得られたミクロスフェアは、その後、冷却、デカンテーション、及び濾過により回収することができる。これらのミクロスフェアは、さらに、サイズカテゴリーにより、例えば、特定のサイズのメッシュ又は篩を用いることにより分離し、副産物を跡形なく除去するために洗浄することができる。
重合段階の後には、細胞接着因子の細網化段階、あるいは合成後に移植により確認可能にしたミクロスフェアの場合にはマーキング剤段階を続けることができる。
【0091】
ミクロスフェアは、その後、任意に、非イオン性造影剤などの造影剤を含む溶液と接触させてよい。ミクロスフェアに薬物も添加すべき場合には、造影剤の添加は完全飽和までは行われない。このために、ミクロスフェアが吸収することができる液体の量がまず決定される。次いで、乾燥ミクロスフェアを造影剤含有溶液により、完全飽和に必要な溶液の量の約10重量%、約20重量%、約30重量%、約40重量%、約50重量%、又は約60重量%〜約70重量%まで、又は約80重量%で飽和させる。さらに、ミクロスフェアに、1種以上の薬物又は他の薬剤を含む溶液を部分的又は完全飽和まで添加することができる。あるいは、ミクロスフェアに、まず薬物溶液を部分的又は完全飽和まで添加し、続いて(又は同時に)造影剤を添加してもよい。
【0092】
本明細書において他の場所で記述されているように、完全飽和に必要な溶液の一部にのみ添加を行い、ミクロスフェアを植え込み、注射し、あるいは投与する予定の組織部位内で完全飽和(膨潤)させることができる。
そのため、ミクロスフェアは、薬物が既に添加されたもの、又は薬物溶液の投与の前に、同時に、もしくは後に無添加のものもしくは一部にのみ添加されたものも、以下に記載する方法で投与することができる。ミクロスフェア及び薬物を、例えば、同時に、別々に、又は順に投与する場合には、(a)ミクロスフェア、(b)造影剤、及び(c)1種以上の薬物を含むキットが企図される。
【0093】
特定の実施態様では、100mgの本発明の乾燥ミクロスフェアには、約4ml〜約12ml、好ましくは約5ml〜約10mlの食塩溶液(0.9重量%のNaCl)を添加することができる。
一般には、本発明のミクロスフェアには、100mgの乾燥ミクロスフェア当たり約1mg〜約800mg、約10mg〜約400mg、又は約20mg〜約300mgの薬物を添加することができる。
【0094】
一般には、ミクロスフェアには、100gの乾燥ミクロスフェア当たり約100mg〜約1500mgヨウ素の、非イオン性造影剤(例えば、ヨウ素含有造影剤)などの造影剤を添加することができる。
ミクロスフェアには、ヨウ素含有造影剤を用いて1mgの乾燥ミクロスフェア当たり約100mg〜約1500mgヨウ素を、さらに100mg乾燥ミクロスフェア当たり1〜約800mg、約10〜約400mg、約20mg〜約300mgの薬物を添加することができる。
【0095】
添加量は、添加されるべき材料の既知溶液を既知量(例えば、100mg)の乾燥ミクロスフェアに加えることにより決定することができる。溶液は飽和に達するまで、すなわち、上清が生じるまで加えられる。次いで、この上清を分離し、添加材料の量について分析する。その結果、この量を、ミクロスフェアに添加される材料の量を与える添加に用いられる材料の総量から差し引く。
【0096】
(医薬組成物)
本発明はまた、上記ミクロスフェアのいずれかと、医薬として許容し得る液体又は他の生体適合性担体とを含む医薬組成物にも関する。組成物は懸濁液形態、ヒドロゲル形態、又はエマルジョン形態であり得る。組成物はまた、前記液体中の前記ミクロスフェアの懸濁液であってもよい。いくつかの実施態様では、組成物は無菌である。
【0097】
医薬として許容し得る液体は、限定されるものではないが、生理食塩水、バッファー溶液、水、等張液、体液、又はそれらの混合物であり得る。この液体はまた、好ましくはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、及びアンモニウムからなる群から選択される陽イオンからなる、例えば、約0.01M〜約5Mの量の塩溶液であってもよい。
【0098】
組成物は、約10重量%〜約90重量%の量のミクロスフェアと、約10重量%〜約90重量%の量の液体(又は他の生体適合性担体)とをを含み得る。組成物はまた、約10重量%〜約50重量%の量のミクロスフェアと、約50重量%〜約90重量%の量の液体(又は他の生体適合性担体)とを含んでもよい。
【0099】
いくつかの実施態様では、生体適合性担体は、水性溶液、ヒドロ−オーガニック溶液(hydro-organic solution)、有機溶液、非水溶液、又はそれらの混合物である。ある特定の実施態様では、生体適合性担体は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、アンモニウム、及びそれらの混合物などの陽イオンからなる塩を、例えば、約0.01M〜約5Mの量で含む。
【0100】
ミクロスフェア中又は上に添加された化合物は、生理学的過程によりin vivoで放出され得る。ミクロスフェア上に添加された薬物又は他の薬剤の放出は、pH及び塩濃度により影響を受け得る。例えば、薬物放出は、ミクロスフェア周囲の環境においてpH変化又はイオン強度変化を確立することにより促進することができる。例えば、ドキソルビシンの薬物放出は、pH約7.5においてpH約5.3の場合よりもゆっくりと放出され得る。このような最適薬物放出条件の決定は、当業者ならば容易に行うことができる。
【0101】
いくつかの実施態様では、薬物は、一定の時間数、日数、又は週間数をかけて放出される。1つの実施態様では、一定期間後、例えば、約3時間、約6時間、約12時間、約18時間後、又は約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日後、又は約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間後、もしくは約10週間以上経過後、ミクロスフェアから約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%の薬物は放出されている。薬物放出特性は、ある程度、用いられる特定の薬物の特性によって決まるが、当業者ならば容易に決定できる。
【0102】
いくつかの実施態様では、薬物はミクロスフェアから一定の日数、又は週間数をかけて放出される。1つの実施態様では、約72時間の期間、約96時間の期間、1週間内の期間、2週間内の期間、又は4週間内の期間内に、約1%より多く約5%より少ない薬物が放出されている。
もう1つの実施態様では、約72時間の期間、約96時間の期間、1週間内の期間、2週間内の期間、及び4週間内の期間内に、約1%より多く約15%より少ない薬物が放出されている。
【0103】
さらにもう1つの実施態様では、約72時間の期間、約96時間の期間、1週間内の期間、2週間内の期間、及び4週間内の期間内に、約1%より多く約20%より少ない薬物が放出されている。
さらにもう1つの実施態様では、約72時間の期間、約96時間の期間、1週間内の期間、2週間内の期間、及び4週間内の期間内に、約1%より多く約25%より少ない薬物が放出されている。
【0104】
さらにもう1つの実施態様では、約72時間の期間、約96時間の期間、1週間内の期間、2週間内の期間、及び4週間内の期間内に、約1%より多く約30%より少ない薬物が放出されている。
上記のような放出は、in vitroにおいて0.9%生理食塩水(NaCl溶液)の存在下、室温(25℃)で攪拌しながら測定することができる。一般的な放出測定については、実施例5に記載されている。
【0105】
(治療方法)
本発明は、腫瘍もしくは他の癌、非腫瘍形成性血管新生依存性疾患、又は疼痛、例えば、腫瘍もしくは他の癌の存在に関連する疼痛の治療に適した組成物及び方法を提供する。かかる癌には、限定されるものではないが、肝臓癌、卵巣癌、乳癌、腎臓癌、肺癌、膵癌、甲状腺癌、前立腺癌、子宮癌、皮膚癌、頭頸部腫瘍、乳房腫瘍、及びカポジ肉腫、並びに表在性膀胱癌が含まれる。治療方法は、薬物添加ミクロスフェアから放出される局所的(又は全身)薬物送達の成果単独であるか、又はミクロスフェアの塞栓形成効果(“能動的塞栓形成)との組合せであってよい。ある特定の実施態様では、本発明の薬物添加ミクロスフェアは血管以外の部位特異的な場所に(例えば、直接腫瘤中に)投与されるが、血管塞栓形成は起こらない。
【0106】
しかしながら、癌に加えて、血管の異常増殖を特徴とする多くの他の非腫瘍形成性血管新生依存性疾患もまた、本発明のミクロスフェア又は医薬組成物で治療することができる。かかる非腫瘍形成性血管新生依存性疾患の代表的な例には、限定されるものではないが、過形成性瘢痕及びケロイド、増殖性糖尿病性網膜症、関節リウマチ、動静脈奇形、アテローム斑、創傷治癒遅延、血友病性関節、癒着不能骨折、オシエル−ウェーバー症候群(Osier-Weber syndrome)、乾癬、化膿性肉芽腫、硬皮症、トラコーマ(tracoma)、月経過多、並びに血管癒着が含まれる。
【0107】
同様に、本発明のミクロスフェア及び組成物は、薬物を、それを必要とする様々な細胞、組織、又は器官に送達するのに用いることができる。例えば、ミクロスフェア及び組成物は、腫瘍もしくは癌、炎症性疾患もしくは炎症に関連する他の疾患、又はその症候を治療するのに用いることができる。
【0108】
本発明のミクロスフェアを用いた受動的塞栓形成、能動的塞栓形成、又は薬物送達に適した患者には、ヒト及び動物、好ましくは男性及び女性の乳児、小児、及び成人(高齢者を含む)を含むヒトが含まれるということは理解されるべきである。肝炎もしくは肝臓癌などの肝細胞疾患の危険性があるか、又は現在肝炎もしくは肝臓癌などの肝細胞疾患に罹患している患者は、特に好ましい患者集団、例えば、白色人種又はアジア人(例えば、限定されるものではないが、ジャパニーズヘリテージの人々を含む)のヒト患者、18〜75歳である。いくつかの実施態様では、患者は25-75歳、25-50歳、50-75歳、又は18-25歳である。1つの実施態様では、患者は18歳未満(例えば、1-5歳、5-10歳、10-15歳、15-18歳)である。もう1つの実施態様では、患者は75歳を超えている。
【0109】
いくつかの実施態様では、本発明のミクロスフェアは、患者における肝細胞疾患の治療、管理、又は予防に用いられる。1つの実施態様では、患者はチャイルド・ピュークラスAである。もう1つの実施態様では、患者はチャイルド・ピュークラスBである。さらに他の実施態様では、患者はチャイルド・ピュークラスCである。チャイルド・ピュー分類は当技術分野で周知であり、例えば、「肝臓及び門脈圧亢進症(liver and portal hypertension)」((Child CG編). Philadelphia, Saunders 1964, 50-64)中のChild and Turcotteの論文「手術及び門脈圧亢進症(Surgery and portal hypertension)」(1964)を参照されたい;これは後にPughらの論文「出血性食道静脈瘤における食道離断術(Transection of the esophagus in bleeding oesophageal varices)」((1973) Br. J. Surg. 60:648-652)により修正された。いくつかの実施態様では、患者はC型肝炎ウイルスに感染している。
【0110】
本発明のミクロスフェア及び医薬組成物は、受動的塞栓形成療法においても能動的塞栓形成療法においても用いることができる。ミクロスフェアはまた、塞栓形成を伴う又は伴わない、送達系として、例えば、薬物送達系としても用いることができる。
ミクロスフェアは、非イオン性造影剤などの造影剤と、少なくとも1種の(例えば、1種、2種、3種、4種以上の)薬物又は他の薬剤とを含み得る。かかる薬物は、抗新生物薬、抗血管新生薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗菌薬、細胞傷害性薬、化学療法薬もしくは疼痛緩和薬、及び/又は抗ヒスタミン薬のうちの任意の1種以上であり得る。薬物はまた、例えば、ホルモン、ステロイド、ビタミン、サイトカイン、ケモカイン、増殖因子、インターロイキン、酵素、抗アレルギー薬、循環器官用薬、抗結核薬、抗狭心症薬、抗原虫薬、抗リウマチ薬、麻薬、強心配糖体薬、鎮静薬、局所麻酔薬、全身麻酔薬、及びそれらの組合せのうちの任意の1種以上であってもよい。疼痛の治療に用いる場合には、本発明のミクロスフェアに疼痛緩和薬を添加することが好ましい。
【0111】
1つの実施態様では、ミクロスフェアは抗血管新生薬又は抗新生物薬を含む。もう1つの実施態様では、ミクロスフェアは化学療法薬又は疼痛緩和薬を含む。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは1種以上の抗新生物薬と1種以上の化学療法薬又は疼痛緩和薬とを含む。
【0112】
抗血管新生薬又は抗新生物薬の例としては、限定されるものではないが、アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、代謝拮抗物質、ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗薬、アンドロゲン、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、エストロゲン、及びそれらの組合せが挙げられる。具体的な例としては、限定されるものではないが、アクチノマイシンD、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノグルテヒミド(aminoglutehimide)、アンホテルシンB(amphotercin B)、アムサクリン、アナストロゾール、アンサミトシン、アラビノシルアデニン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、エルウィニア属(Erwinia)アスパラギナーゼ、BCG生菌、ベンズアミド、ベバシズマブ、ベキサロテン、ブレオマイシン、3-ブロモピルビン酸塩、ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルゼレシン、カルムスチン、セレコキシブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、シトシンアラビノシド、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダウノルビシン、ダウノマイシン、デニロイキンディフチトクス、デクスラゾキサン、デキサメトソン(dexamethosone)、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロモスタノロン、エピルビシン、エポエチンアルファ、エストラムスチン、エストラムスチン、エトポシド、VP-16、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(5-FU)、フルタミド、フルベストラント、デムシタビン(demcitabine)、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、酢酸ゴセレリン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ、イダルビシン、イフォスファミド、イマチニブ、インターフェロン(例えば、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b)、イルニオテカン(irniotecan)、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、ロムスチン、メシオルタミン(meciorthamine)、メゲストロール、メルファラン(例えば、PAM、L-PAM又はフェニルアラニンマスタード)、メルカプトプリン、メルカプトポリリジン、メスナ、メシラート、メトトレキサート、メトキサレン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、ノルバデックス、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸ナトリウム、ペグアデマーゼ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プロカルバジン、キナクリン、ラルチトレキセド、ラスブリケース、リボシド、リツキシマブ、サルグラモスチム、スピロプラチン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テガフール−ウラシル、テモゾロマイド、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、組織プラスミノーゲン活性化因子、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ゾレドロネート、それらの塩、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0113】
いくつかの実施態様では、白金化合物はスピロプラチン、シスプラチン、又はカルボプラチンである。特定の実施態様では、薬物はシスプラチン、マイトマイシン、パクリタキセル、タモキシフェン、ドキソルビシン、タモキシフェン、又はそれらの混合物である。
【0114】
他の抗血管新生薬又は抗新生物薬としては、限定されるものではないが、AGM-1470(TNP-470)、血管静止性ステロイド、アンジオスタチン、avβ3に対する抗体、bFGFに対する抗体、IL-1に対する抗体、TNF-αに対する抗体、VEGFに対する抗体、オーラノフィン、アザチオプリン、BB-94及びBB-2516、塩基性FGF−可溶性受容体、カルボキシアミド−トリゾール(carboxyamido-trizole)(CAI)、軟骨由来阻害剤(CDI)、キチン、キオロキン(chioroquine)、CM 101、コルチゾン/ヘパリン、コルチゾン/ヒアルロフラン(cortisone/hyaluroflan)、コルテキソロン/ヘパリン、CT-2584、シクロホスファミド、シクロスポリンA、デキサメタゾン、ジクロフェナク/ヒアルロナン、好酸球性主要塩基性タンパク質、フィブロネクチンペプチド、グリオーマ由来血管新生阻害因子(GD-AIF)、GM 1474、塩化金、金チオリンゴ酸塩、ヘパリナーゼ、ヒアルロナン(高分子量種及び低分子量種)、ヒドロコルチゾン1β−シクロデキストラン、イブプロフェン、インドメタシン、インターフェロン−α、インターフェロンγ誘導タンパク質10、インターフェロン−γ、IL-1、IL-2、IL-4、IL-12、ラミニン、レバミゾール、リノミド(linomide)、LM609、マルトマスタト(martmastat)(BB-2516)、メドロキシプロゲステロン、メトトレキサート、ミノサイクリン、酸化窒素、オクトレオチド(ソマトスタチン類似体)、D−ペニシラミン、ポリ硫酸ペントサン、胎盤プロリフェリン関連タンパク質、胎盤RNアーゼ阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤(PAIs)、血小板因子−4(PF4)、プレドニゾロン、プロラクチン(16-kDa断片)、プロリフェリン関連タンパク質、プロスタグランジンシンターゼ阻害剤、プロタミン、レチノイド類、ソマトスタチン、サブスタンスP、スラミン、SU101、テコガランナトリウム(05-4152)、テトラヒドロコルチゾール−ストロンボスポンジンズ(tetrahydrocortisol-sthrombospondins)(TSPs)、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMP 1、2、3)、サリドマイド、3−アミノサリドマイド、3−ヒドロキシサリドマイド、サリドマイド、3−アミノサリドマイド、3−ヒドロキシサリドマイドの代謝産物又は加水分解産物、ビタミンA、及び硝子体液が挙げられる。もう1つの好ましい実施態様では、抗血管新生薬は、サリドマイド、3−アミノサリドマイド、3−ヒドロキシサリドマイド、及びサリドマイド、3−アミノサリドマイド、3−ヒドロキシサリドマイドの代謝産物又は加水分解産物からなる群から選択される。好ましい実施態様では、抗血管新生薬はサリドマイドである。上記抗血管新生薬は、米国特許第5,593,990号; 同第5,629,327号;及び同第5,712,291号; Norrbyの論文(APMIS, 1997, 105:417-437); O'Reillyの論文「研究新薬(investigational New Drugs)」(1997, 15:5-13);並びにJ. Nat 'I Cancer Instil, 1996, 88(12):786-788に開示されており、それらの内容は引用により本明細書中に組み込まれている。
【0115】
疼痛レリビング薬(pain-reliving drugs)の例は、限定されるものではないが、鎮痛薬又は抗炎症薬、例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、イブプロフェン、ケトプロフェン、デキスケトプロフェン、フェニルトロキサミン、クロロフェニラミン、フルビプロフェン(furbiprofen)、バイオックス、セレブレックス、ベクスクススター(bexxstar)、ナブメトン、アスピリン、コデイン、リン酸コデイン、アセトアミノフェン、パラセタモール、キシロカイン、及びナプロキシン(naproxin)である。
【0116】
いくつかの実施態様では、疼痛緩和薬はオピオイドである。オピオイドは、それらの有効な鎮痛作用又は疼痛緩和作用から、一般に処方されている。このクラスの範囲に入る化合物には、麻薬、例えば、モルヒネ、コデイン、及び関連医薬が含まれる。オピオイドの他の例としては、オキシコドン、プロポキシフェン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、及びメペリジンが挙げられる。
本発明のミクロスフェアを、塞栓形成を伴う又は伴わない、送達系として用いることができる他の化合物、薬物、又は他の薬剤は、限定されるものではないが、以下に記載されている。
【0117】
血液製剤:
血液製剤としては、例えば、限定されるものではないが、エリスロポエチン、非経口鉄剤、ヘミン、及びヘマトポルフィリン、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
【0118】
生物反応修飾物質:
生物反応修飾物質としては、例えば、限定されるものではないが、ムラミルジペプチド、ムラミルトリペプチド、リンホカイン(例えば、細菌内毒素(リポ多糖など)、マクロファージ活性化因子)、細菌(マイコバクテリア属(Mycobacteria)、コリネバクテリウム属(Corynebacteria)など)のサブユニット、合成ペプチド、N−アセチル−ムラミル−L-アラニル−Dイソグルタミン、及びプロスタグランジンが挙げられる。
【0119】
抗真菌薬:
抗真菌薬としては、例えば、限定されるものではないが、ケトコナゾール、ナイスタチン、グリセオフルビン、フルシトシン(5-fc)、ミコナゾール、アムホテリシンB、リシン、及びβ−ラクタム系抗生物質(例えば、スルファゼシン(sulfazecin))が挙げられる。
【0120】
ホルモン及びステロイド:
ホルモン及びステロイドとしては、例えば、限定されるものではないが、成長ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、アドレノコルチオトロピックホルモン(adrenocortiotropic hormone)、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、コルチゾン、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、プレドニゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン、ピバル酸プレドニゾロン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、酢酸トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、フルンソリド(flunsolide)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾン二ナトリウム(vetamethasone disodium phosphate)、リン酸ベタメタゾンナトリウム(vetamethasone sodium phosphate)、酢酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾン二ナトリウム、酢酸クロロプレドニゾン、コルチコステロン、デソキシコルチコステロン、酢酸デソキシコルチコステロン、ピバル酸デソキシコルチコステロン、デソキシメタソン(desoximethasone)、エストラジオール、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸ジクロリソン(dichlorisone acetate)、フルオロヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、フルプレドニゾロン、パラメタゾン、酢酸パラメタゾン、アンドロステロン、フルオキシメステロン、アルドステロン、メタンドロステノロン、メチルアンドロステンジオール、メチルテストステロン、ノルエタンドロロン、テストステロン、エナント酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、エキレニン、エキリン、安息香酸エストラジオール、ジプロピオン酸エストラジオール、エストリオール、エストロン、安息香酸エストロン、アセトキシプレグネノロン、酢酸アナゲストン、酢酸クロルマジノン、酢酸フルロゲストン(flurogestone acetate)、ヒドロキシメチルプロゲステロン、酢酸ヒドロキシメチルプロゲステロン、ヒドロキシプロゲステロン、酢酸ヒドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メレンゲステロール、ノルメチステロン(normethisterone)、プレグネノロン、プロゲステロン、エチニルエストラジオール、メストラノール、ジメチステロン、エチステロン、二酢酸エチノジオール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチステロン、フルオシノロンアセトニド、フルランドレノロン(flurandrenolone)、フルニソリド、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロキシジオンナトリウム スピロノラクトン、オキサンドロロン、オキシメトロン、プロメトロン(prometholone)、シピオン酸テストステロン、フェニル酢酸テストステロン、シピオン酸エストラジオール、及びノルエチノドレルが挙げられる。
【0121】
ビタミン:
ビタミンとしては、例えば、限定されるものではないが、シアノコバラミン ネイン酸(neinoic acid)、レチノイド及びそれらの誘導体(パルミチン酸レチノールなど)、α−トコフェロール、ナフトキノン、コレカルシフェロール、葉酸、並びにテトラヒドロ葉酸塩が挙げられる。
【0122】
ペプチド及びペプチド類似体:
ペプチド及びペプチド類似体としては、例えば、限定されるものではないが、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)、グルタチオン、インスリン、ドーパミン、RGD、AGD、RGE、KGD、KGE、又はKQAGDVを含むペプチドリガンド(GPEXma受容体に対する親和性を有するペプチド)、オピエートペプチド、エンケファリン、エンドルフィン及びそれらの類似体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、コルチコトロピン放出因子(CRF)、コレシストキニン及びそれらの類似体、ブラジキニン及びそれらの類似体及びプロモーター及び阻害剤、エラスチン、バソプレシン、ペプシン、グルカゴン、サブスタンスP、インテグリン、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、及び他のACE阻害剤、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、オキシトシン、カルシトニン、IgG又はそのフラグメント、IgA又はそのフラグメント、IgM又はそのフラグメント、エフェクター細胞プロテアーゼ受容体(すべてのサブタイプ)のリガンド、トロンビン、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、t-PA及びすべての活性断片又は類似体、プロテインキナーゼC及びその結合リガンド、インターフェロン(α-IFN、β-IFN、γ-IFN)、コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子、リンホトキシン、上皮細胞増殖因子、繊維芽細胞増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、エリスロポエチン、形質転換増殖因子、オンコスタチンM、インターロイキン(IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16、IL-17、IL-18、IL-19、IL-20など)、メタロプロテインキナーゼリガンド、コラゲナーゼ、並びにアゴニスト及びアンタゴニストが挙げられる。
【0123】
抗体:
抗体としては、例えば、限定されるものではないが、実質的に精製された抗体又はそのフラグメント(非ヒト抗体又はそのフラグメントを含む)が挙げられる。様々な実施態様では、実質的に精製された抗体又はそのフラグメントは、ヒト抗体、非ヒト抗体、キメラ抗体、及び/又はヒト化抗体であり得る。かかる非ヒト抗体は、ヤギ抗体、マウス抗体、ヒツジ抗体、ウマ抗体、ニワトリ抗体、ウサギ抗体、又はラット抗体であり得る。また、本発明の非ヒト抗体は、キメラ抗体及び/又はヒト化抗体であってよい。完全ヒト抗体(Completely human antibodies)は、ヒト患者の治療上の処置に特に望ましい。キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種を由来とする分子、例えば、ネズミモノクローナル抗体(mAb)由来の可変領域とヒト免疫グロブリン定常領域を有するものである(Cabillyら、米国特許第4,816,567号; 及びBossら、米国特許第4,816397号、これらは引用によりそのまま本明細書中に組み込まれている)。加えて、非ヒト抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体でもあり得る。本発明のミクロスフェアに関して用いられる抗体はいずれも、治療用成分と、又は検出可能な物質とコンジュゲートすることができる。本発明の抗体とコンジュゲートすることができる検出可能な物質の限定されない例は、酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、及び放射性物質である。本明細書において、用語「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成物」とは、特定のエピトープと免疫反応することができる唯一の抗原結合部位種を含む抗体分子の集団を指す。ポリクローナル抗体は、上記のように、好適な対象を、免疫原としての本発明のポリペプチドで免疫することにより調製することができる。好ましいポリクローナル抗体組成物は、例えば、本発明の組成物により治療しようとする腫瘍の癌細胞表面の受容体の、ポリペプチド又は複数のポリペプチドに対して向けられる抗体について選択されたものである。
【0124】
細胞分裂抑制因子:
細胞分裂抑制因子としては、限定されるものではないが、エストラムスチン及びそのリン酸化誘導体、エストラムスチン-リン酸塩、ドキソルビシン、アンフェチニル(amphethinile)、コンブレタスタチンA4、並びにコルヒチンが挙げられる。
【0125】
ワクチン:
ワクチンとしては、例えば、限定されるものではないが、肺炎球菌ワクチン、灰白髄炎ウイルスワクチン、炭疽ワクチン、結核(BCG)ワクチン、A型肝炎ワクチン、コレラワクチン、髄膜炎菌A群、C群、Y群ワクチン、W135群ワクチン、ペストワクチン、狂犬病(ヒト2倍体)ワクチン、黄熱病ワクチン、日本脳炎ワクチン、腸チフス(フェノール及び加熱死菌)ワクチン、B型肝炎ワクチン、ジプテリアワクチン(diptheria vaccine)、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、インフルエンザ菌B型ワクチン、ポリオワクチン、麻疹ワクチン、流行性耳下腺炎ワクチン、風疹ワクチン、水痘ワクチン、肺炎連鎖球菌Ty(変異生細菌)ワクチン、Vi(Vi莢膜多糖類)ワクチン、DT(トキソイド)ワクチン、Td(トキソイド)ワクチン、aP(不活性細菌抗原/無細胞性(accelular)(DtaP))ワクチン、Hib(細菌多糖類−タンパク複合体)ワクチン、B型肝炎ウイルス(不活性血清由来ウイルス抗原/組換え抗原)ワクチン、インフルエンザワクチン、ロタウイルスワクチン、呼吸器多核体ウイルス(RSV)ワクチン、ヒトアストロウイルスワクチン、ロタウイルスワクチン、ヒトインフルエンザA型及びB型ウイルスワクチン、A型肝炎ウイルスワクチン、弱毒化生パラインフルエンザウイルス3型ワクチン、エンテロウイルスワクチン、レトロウイルスワクチン、及びピコルナウイルスワクチンが挙げられる。
【0126】
抗アレルギー薬:
抗アレルギー薬としては、例えば、限定されるものではないが、アメレキサノキス(amelexanox)が挙げられる。
抗凝固薬:
抗凝固薬としては、例えば、限定されるものではないが、フェノクロプモン及びヘパリンが挙げられる。
【0127】
循環器官用薬:
循環器官用薬としては、例えば、限定されるものではないが、プロプラノロールが挙げられる。
抗結核薬:
抗結核薬としては、例えば、限定されるものではないが、パラアミノサリチル酸、イソニアジド、硫酸カプレオマイシン サイクロセリン、塩酸エタンブトール エチオナミド、ピラジナミド、リファンピン、及び硫酸ストレプトマイシンが挙げられる。
【0128】
抗ウイルス薬:
抗ウイルス薬としては、例えば、限定されるものではないが、アシクロビル、アマンタジン アジドチミジン(AZT又はジドブジン)、リバビリン、及びビダラビン一水和物(アデニンアラビノシド,ara-A)が挙げられる。
【0129】
抗狭心症薬:
抗狭心症薬としては、例えば、限定されるものではないが、ジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、テトラ硝酸エリトリトール、硝酸イソソルビド、ニトログリセリン(三硝酸グリセリン)、及びペンタエリトリトールテイラニトレート(pentaerythritolteiranitrate)が挙げられる。
【0130】
抗生物質:
抗生物質としては、例えば、ダプソーン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セフラジン エリスロマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、アモキシシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カーベニシリン、ジクロキサシリン、シクラシリン、ピクロキサシリン(picloxacillin)、ヘタシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、チカルシリン、リファンピン、及びテトラサイクリンが挙げられる。.
【0131】
抗炎症薬及び鎮痛薬:
抗炎症薬及び鎮痛薬としては、例えば、ジフルニサル、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナム酸塩、メフェナム酸、ナプロキセン、オキシフェンブタゾン、フェニールブタゾン、ピロキシカム、スリンダック、トルメチン、アスピリン、及びサリチル酸塩が挙げられる。
【0132】
抗原虫薬:
アンチプロゾアン薬(Anti-prozoan agents)としては、例えば、限定されるものではないが、クロロキン、メトロニダゾール、ヒドロキシクロロキン、キニーネ、及びアンチモン酸メグルミンが挙げられる。
【0133】
抗リウマチ薬:
抗リウマチ薬としては、例えば、限定されるものではないが、ペニシラミンが挙げられる。
麻薬:
麻薬としては、例えば、限定されるものではないが、アヘン安息香チンキ及びオピエート(コデイン、ヘロイン、メタドン、モルヒネ、及びアヘンなど)が挙げられる。
【0134】
強心配糖体薬:
強心配糖体薬としては、例えば、限定されるものではないが、デスラノシド、ジギトキシン、ジゴキシン、ジギタリン、及びジギタリスが挙げられる。
神経筋遮断薬:
神経筋遮断薬としては、例えば、限定されるものではないが、メシル酸アトラキュリウム、ガラミントリエチオダイド、臭化ヘキサフルオレニウム、ヨウ化メトクリン、臭化パンクロニウム、塩化サクシニルコリン(塩化スキサメトニウム)、塩化ツボクラリン、及び臭化ベクロニウムが挙げられる。
【0135】
鎮静薬(催眠薬):
鎮静薬としては、例えば、限定されるものではないが、アモバルビタール、アモバルビタールナトリウム、アプロバルビタール、ブタバルビタールナトリウム、抱水クロラール、エトクロルビノール、エチナメート、塩酸フルラゼパム、グルテチミド、塩酸メトトリメプラジン、メチプリロン、塩酸ミダゾラム パラアルデヒド、ペントバルビタール、ペントバルビタールナトリウム、フェノバルビタールナトリウム、セコバルビタールナトリウム、タルブタール、テマゼパム、及びトリアゾラムが挙げられる。
【0136】
局所麻酔薬:
局所麻酔薬としては、例えば、限定されるものではないが、塩酸ブピバカイン、塩酸クロロプロカイン、塩酸エチドカイン、塩酸リドカイン、塩酸メピバカイン、塩酸プロカイン、及び塩酸テトラカインが挙げられる。
【0137】
全身麻酔薬:
全身麻酔薬としては、例えば、限定されるものではないが、ドロペリドール、エトミデート、クエン酸フェンタニル・ドロペリドール合剤、塩酸ケタミン、メトヘキシタルナトリウム、及びチオペンタールナトリウムが挙げられる。
【0138】
放射性粒子又はイオン:
放射性粒子又はイオンとしては、例えば、限定されるものではないが、ストロンチウム、レニウム、イットリウム、テクネチウム、及びコバルトが挙げられる。
細胞接着プロモーター:
いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、細胞接着プロモーターを含み得る。本発明においては、当技術分野で周知の様々な種類の細胞接着プロモーターを用いることができる。特に、細胞接着プロモーターは、コラーゲン、ゼラチン、グルコサミノグリカン、フィブロネクチン、レクチン、ポリカチオン(例えば、ポリリジン、キトサンなど)、又は他の任意の天然もしくは合成生体細胞接着因子から選択することができる。好ましくは、細胞接着プロモーターは、ミクロスフェア又は他の固体基板中、1mlの固定されたミクロスフェア当たり約0.1〜1gの間の量で存在する。
【0139】
本発明のターゲッティング態様は、治療部位における有効な濃度は体内で希釈されないままであることから、療法に低用量を適用することをさらに可能にする。患者に投与すべき本発明の薬物又は薬剤の量は、例えば、用いられる特定の薬物又は薬剤、薬物/薬剤が投与される方法、並びに患者の年齢、性別、重量、及び健康状態によって決まる。一般に、治療は少量から開始され、その後、このような状況下で所望の効果が得られるまで、その投薬量を少しずつ増やすことができる。さらに、当業者は、特定の薬物/薬剤の適量を決定するために、Montvale, NJのMedical Economics Company出版の「医師用卓上参考書(Physician's Desk Reference)」などの参考資料に頼ることもできるため、本発明の方法を用いて患者にかかる用量又はより少ないもしくはより多い用量を投与することができる。本発明によれば、プロドラッグは、例えば、患者における状態(すなわち、病態、病気、障害など)を治療する目的のために、患者に(例えば、患者のある領域に)送達される。プロドラッグは、上記のように用いることができ、又はエマルジョンなどの他の実施態様に組み込むことができる。
【0140】
本発明の組成物及び方法を用いた治療について企図される疾患としては、例えば、限定されるものではないが、肝臓、腎臓に関連する腫瘍、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、妊娠性絨毛性癌腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫 瀰漫性大細胞型リンパ腫、混合濾胞性リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、横紋筋肉腫、精巣癌、ウィルムス腫瘍、肛門癌、膀胱癌、乳癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、毛様細胞性白血病、頭頸部癌、髄膜腫、ニューロフィブロソーマ(neuro fibrosoma)、アンギオフィブロソーマ(angio fibrosoma)、肺(小細胞)癌、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、卵巣癌、脳腫瘍(星状細胞腫)、子宮頸癌、結腸直腸癌、肝細胞癌、ヒト大肝細胞癌、カポジ肉腫、肺(非小細胞)癌、黒色腫、膵臓癌、前立腺癌、軟部組織肉腫、乳癌、結腸直腸癌(第II期)、骨腫瘍、骨原性肉腫、卵巣癌、子宮筋腫、精巣癌、又はそれらの組合せが挙げられる。
【0141】
本発明の塞栓形成療法及び/又は薬物送達は、新生物の管理又は治療を手助けする少なくとも3つの主な点において利用し得る:(1)腫瘍(通常は良性)の決定的治療;(2)術前塞栓形成目的;及び(3)待機的塞栓形成目的。簡潔には、良性腫瘍は、塞栓療法単独での治療に成功することがある。かかる腫瘍の例としては、血管起源の単純腫瘍(例えば、血管腫)、副甲状腺腺腫などの内分泌腫瘍、及び良性骨腫瘍が挙げられる。
【0142】
他の腫瘍(例えば、腎腺癌)の場合、術前塞栓形成及び/又は薬物送達は、手術による血液喪失を減少させ、手術時間を短縮させ、かつ腫瘍の外科的処置により生存悪性細胞を播腫する危険性を低下させるために、外科的切除の数時間又は数日前に使用してよい。多くの腫瘍に対しては、塞栓形成に成功し得、かつ/又は薬物を術前に送達することができる。そのような腫瘍には、例えば、鼻咽頭腫瘍、頸静脈球腫瘍、髄膜腫、非クロム親和性傍神経節腫、及び迷走神経が含まれる。
【0143】
本発明の方法及び組成物を用いて、例えば、塞栓形成により及び/又は薬物送達により、幅広い種類の腫瘍を治療し得ることは明らかであるはずである。簡潔には、腫瘍は、一般には2種類:良性及び悪性に分類される。良性腫瘍では、細胞は、分化特徴を有し、全く制御されない様式では分化しない。加えて、この腫瘍は限局性かつ非転移性である。悪性腫瘍では、細胞は、未分化となり、身体発育及びホルモン信号には応じず、かつ制御されない様式で増殖する;この腫瘍は浸潤性であり、遠位部位に広がる(転移する)能力がある。
【0144】
本発明の1つの態様の範囲内において、肝臓の転移(二次性腫瘍)は、本発明の組成物及び方法を利用して、塞栓療法及び/又は薬物送達により治療してよい。簡潔には、カテーテルを大腿又は上腕動脈経由で挿入し、そのカテーテルを透視下でその動脈系を通して誘導することにより肝動脈内に進めることができる。このカテーテルは、正常構造に分布する動脈枝のできるだけ多くを損傷せずに、腫瘍に分布する血管を完全閉塞することが必要である限り、肝動脈樹内に進めることができる。ある特定の実施態様では、これは肝動脈の区域枝であり、腫瘍及びその個々の血液供給の程度に応じて、胃十二指腸動脈の起始部より遠位の肝動脈全体、あるいは複数の分離動脈を閉塞する必要があるということがあり得る。一度、所望のカテーテル位置が得られたら、動脈カテーテルを通じて抗血管新生治療組成物を注入することにより、閉塞すべき動脈中の流れが停止するまで、好ましくは5分間の観察の後も、動脈に塞栓形成することができる。動脈の閉塞は、そのカテーテルを通じて放射線不透過コントラスト(radiopaque contrast)を注入し、蛍光透視法又はX線フィルムにより、コントラスト(contrast)がすでに充填された血管はもはやそうしないことを示すことによりにより確認してよい。同じ手法を閉塞すべき各栄養動脈に繰り返してよい。
【0145】
本発明のもう1つの態様の範囲内において、能動的な治療的塞栓療法は、腫瘍もしくは血管塊又は癌性器官を除去する手術の間に用いることができる。さらに、本発明のもう1つの態様は、転移を予防又は改善するための能動的な治療的塞栓療法の使用に関する。
上記のとおり、良性腫瘍も悪性腫瘍も本発明の組成物及び方法の標的であり得る。良性肝腫瘍の代表的な例としては、肝細胞腺腫、海綿状血管腫、及び限局性結節性過形成が挙げられる。よりまれであり、臨床症状がないことの多い他の良性腫瘍もまた、治療し得る。これらとしては、胆管腺腫、胆管嚢胞腺腫、繊維腫、脂肪腫、平滑筋腫、中皮腫、奇形腫、粘液腫、及び結節性再生性過形成が挙げられる。
【0146】
悪性肝腫瘍は、一般には2つのカテゴリー:原発性及び続発性に細分される。原発性腫瘍は、それらが発見される組織から直接発生するものである。よって、原発性肝腫瘍は、もともと肝臓組織を構成する細胞(肝細胞及び胆管細胞など)から生じる。動脈塞栓形成により治療し得る原発性肝悪性腫瘍の代表的な例としては、肝細胞癌、胆管癌、血管肉腫、嚢胞腺癌、扁平上皮癌、及び肝芽細胞腫が挙げられる。
【0147】
続発性腫瘍又は転移は、体内の他の部位から発生し、その後に遠隔器官へと広がった腫瘍である。転移の一般的な経路は、隣接構造内への直接増殖、血管系又はリンパ系を通じての広がり、並びに組織平面及び体腔(腹水、脳脊髄液など)に沿ったトラッキングである。続発性肝腫瘍は、癌患者において最も多く見られる死因の1つであり、飛び抜けて最も多く見られる肝腫瘍である。実質的にいずれの悪性腫瘍も肝臓に転移する可能性があるが、肝臓に広がる可能性が最も高い腫瘍には以下が含まれる:胃、結腸、及び膵臓の癌;黒色腫;肺、口咽頭、及び膀胱の腫瘍;ホジキン及び非ホジキンリンパ腫;乳房、卵巣、及び前立腺の腫瘍。上記の原発腫瘍はそれぞれには数多くの異なる腫瘍タイプがあり、それらは動脈塞栓形成により治療し得る(例えば、限定されるものではないが、卵巣癌には32を超える様々なタイプがあると報告されている)。
【0148】
(投与方法)
上記疾患又は障害は、それを必要とする哺乳類に治療上有効な量の本発明のミクロスフェア又は医薬組成物を投与することにより治療又は予防することができる。ミクロスフェアは、完全に膨潤した状態で、又は部分的に膨潤した状態でも投与することができる。
【0149】
投与は、一般には注射により実施される。ある特定の実施態様では、ミクロスフェアはカテーテルにより投与される。他の実施態様では、ミクロスフェアは、シリンジに取り付けられた注射針を用いて注射される。いくつかの実施態様では、投与は血管中に行われる。他の実施態様では、投与は作用部位に直接、例えば、腫瘤中に、又はかかる治療が必要な細胞、器官、もしくは組織中に行われる。薬物が既に添加されている本発明のミクロスフェアが投与され得る。他の実施態様では、ミクロスフェアは薬物溶液と組み合わせて投与され、この際、この薬物溶液はミクロスフェアの投与の前に、同時に、又は後に投与される。
投与するには、ミクロスフェア又は医薬組成物は注射に適している。特定の実施態様では、ミクロスフェア又はミクロスフェアを含む組成物は無菌である。
【0150】
(キット)
本発明はさらに、上記の本発明の組成物の1以上の成分を入れた1以上の容器を含む医薬パック及びキットに関する。キットには、ミクロスフェアと、造影剤と、1種以上の薬物を含む溶液とが含まれ得、この際、1、2、3以上の成分は1、2、3以上のバイアル中に存在し得る。かかる容器に伴って、医薬品又は生物学的製剤の製造、使用、又は販売を規制する政府機関により定められた形式で、患者(例えば、ヒト又は他の哺乳類)への投与のための製品の製造、使用、又は販売についての機関による承認を示す情報も含み得る。本明細書において記載するアッセイ又は方法のいずれかの試薬もキットの成分として含められ得る。
【0151】
1つのキット形式では、本発明のミクロスフェアは液体、すなわち、1つのバイアルに入った生理的に適合する溶液中に存在する。もう1つのキット形式では、本発明のミクロスフェアは1つのバイアルに入った乾燥形態で提供され得、薬物溶液及び造影剤は第2のバイアル及び/又は所望により、第3のバイアルで提供され得る。ある特定の実施態様では、造影剤を含むミクロスフェアは1つのバイアル中に存在し、薬物は別のバイアルに入った溶液中に存在する。この形態では、2つのバイアルの内容物は、投与の前に又は投与と同時に、ともに混合することができる。他の実施態様では、造影剤及び薬物を含むミクロスフェアは1つのバイアルに入った乾燥形態で提供される。この粉末は、後に、投与の前に適当な液体に懸濁してよいし、あるいは注射可能な溶液の入った第2のバイアルを提供し、投与の前に又は投与と同時に両バイアルの内容物を合わせる。
【0152】
最後に、もう1つのキット形式では、本発明のミクロスフェアは1つのバイアル中に存在し、第2のバイアルに、造影剤を含む医薬として許容し得る溶液が含まれる。第1のバイアル中のミクロスフェアに薬物が予め添加されていてよいし、又はこの薬物溶液が、所望により、第3のバイアル中に存在していてもよい。ミクロスフェアは、後に、例えば、投与の前に又は投与と同時に、薬物溶液及び/又は造影剤とともに混合され得る。
次の実施例は、限定としてではなく、例示として示される。
【実施例】
【0153】
(実施例1−ミクロスフェアの調製)
重合開始剤としての1gの過酸化ベンゾイルの半分を60gの酢酸ビニル及び40gのアクリル酸メチルに加える。これを、分散安定剤としての3gの部分鹸化ポリビニルアルコール及び10gのNaClを含む300mlの水に分散させる。懸濁重合を65℃で6時間実施する。溶媒を除去した後、ポリマーを凍結乾燥機で24時間乾燥させる。20gの乾燥粉末を、200gのメタノール及び10gの水を含む鹸化液に懸濁する。次いで、反応物を10℃に維持することにより、40mlの10N NaOH溶液を滴加し、その後、反応を30℃で24時間実施した。鹸化反応が完了したら、反応生成物をメタノールで洗浄し、この後、乾燥後に粒径が約50μm〜約240μmの球状の乾燥鹸化生成物15.8gを得る。この生成物を、その後、篩にかけ、例えば、約50μm増分で測定し、いくつかのサイズ範囲、例えば、約50μm〜100μm、約100μm〜150μm、約150μm〜210μmを得る。篩にかけた生成物は、その後、凍結乾燥させることができる。
【0154】
(実施例2−非イオン性造影剤を含むミクロスフェアの調製)
上記実施例1に記載のとおり得られた100mgの乾燥ミクロスフェアを10mlのイオジキサノール溶液(例えば、Visipaque(商標), Nycomed社, 320mgヨウ素/ml)に加え、約1mlの上清が残る。
(湿潤)ミクロスフェアは、例えば、照射により滅菌することができ、その後、使用準備完了となる。また、ミクロスフェアは、凍結乾燥させ、保存してもよい。
【0155】
(実施例3−非イオン性造影剤を含む薬物添加ミクロスフェアの調製)
実施例1で得られた100mgのミクロスフェアに、5mlのドキソルビシン溶液(例えば、Adriamycin(商標)、2mg/ml)を加え、その溶液を完全に吸収させる。次いで、5mlのイオジキサノール溶液(例えば、Visipaque(商標), Amersham社, 320mg/mlヨウ素)を加える。約1mlの清澄な上清が残る。
ミクロスフェアは、所望により、滅菌することができ、患者への注射に用いることができる。
【0156】
(実施例4−造影剤を含む薬物添加ミクロスフェアの調製)
非イオン性造影剤とイオン性造影剤を含む薬物添加PVA含有ミクロスフェアの膨潤性、圧縮性、及び添加能力を比較するために、次の試験を実施することができる。この試験ではイオン性造影剤を用い、そして、並行試験を非イオン性造影剤を用いて行ってもよい(例えば、実施例5を参照されたい)。
【0157】
実施例1で得られた100μgのミクロスフェアを、5mlのドキソルビシン溶液(例えば、Adriamycin(商標), 2mg/ml)に加え、その溶液を完全に吸収させる。次いで、5mlのイオキサグレート(例えば、Hexabrix(登録商標)), Mallinckrodt社, 320mg/mlのヨウ素)溶液を加える。この上清はドキソルビシン溶液の赤色を示し、これは、イオン性造影剤を加えた後にミクロスフェアからドキソルビシンが漏出したということを示す。
【0158】
イオン性造影剤の存在下と非イオン性造影剤の存在下での薬物添加ミクロスフェアの結果を比較することにより、非イオン性造影剤を含むPVA含有ミクロスフェアがイオン性造影剤を含むものと比べて高い添加能力を有することを示す。例えば、場合によって、ミクロスフェアプラスヒト血清(例えば、5ml)とイオン性造影剤(50/50)では膨潤度約3.9となり、一方、非イオン性造影剤を含む同じ混合物では膨潤度約4.8(123%)となる。
【0159】
(実施例5−薬物放出比較)
典型的な放出試験は以下のとおり行われ得る:
実施例1に記載のとおり調製された100mgの乾燥ミクロスフェアに、塩酸ドキソルビシン(Haorui Pharma Chem社製、5mlの生理食塩水中50mg)の溶液を加える。サイズ範囲50μm〜100μmのミクロスフェアを用いた。25分後、5mlの造影剤を加えた。2つの異なる造影剤を個々の試験に用いた:Hexabrix 320(登録商標)(イオン性造影剤)及びVisipaque 320(登録商標)(非イオン性造影剤)。次いで、上清を除去せずにミクロスフェア懸濁液を10m透析膜(Spectrapor(登録商標), MW 100,000)に移し、透析膜をシールした。
【0160】
この透析膜を、450ml生理食塩水(0.9重量%NaCl)及び50mlメタノールの溶液を充填したグレーディッドシリンダー(a graded cylinder)に入れた。このシリンダーに攪拌子を入れ、攪拌速度を低速に設定した。異なる時間間隔で150μlのサンプルを採取し、ドキソルビシン濃度について調べた。サンプル中のドキソルビシン濃度はHPLCにより測定した(Waters社, Interchrom column Uptisphere, 480nmでUV検出)。
【0161】
これらの試験は、72時間後に、非イオン性造影剤が添加されたミクロスフェアから、もともと存在していたドキソルビシンの約0.8重量%が放出され、一方、イオン性造影剤を含むミクロスフェアからは3.0%ドキソルビシンが放出されたことを示した。
【0162】
上記の本発明の実施態様は単に例示的なものであって、当業者ならば、ルーチン実験程度を用いて、本明細書において記載される具体的な手法に対する数多くの等価物を見分け、又は突き止めることができるであろう。そのようなすべての等価物は本発明の範囲内であると見なされ、次の請求項に包含される。さらに、本明細書及び請求項において用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、特に明記されない限り複数形を包含する。よって、例えば、「1つの薬物」への言及は2つ以上のかかる薬物の混合物を包含し、「1つのミクロスフェア」への言及は2つ以上のかかるミクロスフェアの混合物を包含するなどである。さらに、当業者ならば、操作順序については、説明し、主張するためにいくつかの特定の順序で記載する必要があるが、本発明はそのような特定の順序の範囲を超えて様々な変形を企図するということが分かるであろう。
【0163】
本明細書において記載されるすべての参照文献の内容は、引用により本明細書中に組み込まれている。
他の実施態様は次の請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動的塞栓形成及び/又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、
非イオン性造影剤と、
少なくとも1種の薬物と、
ポリビニルアルコール、アクリル酸ポリマーもしくはコポリマー、アクリルアミドポリマーもしくはコポリマー、アクリルアミドポリマーもしくはコポリマー、又はアクリル酸エステルポリマーもしくはコポリマーを含む生体適合性ポリマー材料とを含み、
医薬として許容し得る溶液に膨潤可能であり、かつ膨潤前に直径が約10μm〜約2000μmである、前記ミクロスフェア。
【請求項2】
前記非イオン性造影剤がX線造影剤、CT造影剤、常磁性造影剤、又は超常磁性造影剤からなる群から選択される、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項3】
前記非イオン性造影剤がヨウ素を含む、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項4】
前記ポリマー材料が高吸収性である、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項5】
前記ポリマー材料が、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、多糖類、及びそれらの混合物をさらに含む、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項6】
前記ポリマー材料がポリビニルアルコールコポリマーを含む、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項7】
前記ポリマー材料がポリビニルアルコール−ポリアクリレートコポリマーを含む、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項8】
前記ポリアクリレートが、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸アンモニウム、又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7記載のミクロスフェア。
【請求項9】
前記ポリマー材料がポリビニルアルコール−ポリアクリレートコポリマーからなる、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項10】
前記ポリアクリレートが、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸アンモニウム、又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9記載のミクロスフェア。
【請求項11】
前記生体適合性ポリマー材料がポリビニルアルコール及びアクリル酸ナトリウムコポリマーからなる、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項12】
前記ポリビニルアルコールが架橋されていない、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項13】
前記ポリビニルアルコールが架橋されている、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項14】
前記ポリマー材料が約0.5%〜約20%の架橋剤を含む、請求項12記載のミクロスフェア。
【請求項15】
前記アクリレート部分とビニルアルコール部分との比率が、約2対8〜約8対2である、請求項7記載のミクロスフェア。
【請求項16】
前記薬物が抗新生物薬、抗血管新生薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗菌薬、抗ヒスタミン薬、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項17】
前記薬物が抗新生物薬である、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項18】
前記抗新生物薬が、アクチノマイシンD、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノグルテヒミド、アンホテルシンB、アムサクリン、アナストロゾール、アンサミトシン、アラビノシルアデニン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、エルウィニア属アスパラギナーゼ、BCG生菌、ベンズアミド、ベバシズマブ、ベキサロテン、ブレオマイシン、3-ブロモピルビン酸塩、ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルゼレシン、カルムスチン、セレコキシブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、シトシンアラビノシド、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダウノルビシン、ダウノマイシン、デニロイキンディフチトクス、デクスラゾキサン、デキサメトソン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロモスタノロン、エピルビシン、エポエチンアルファ、エストラムスチン、エストラムスチン、エトポシド、VP-16、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(5-FU)、フルタミド、フルベストラント、デムシタビン、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、酢酸ゴセレリン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ、イダルビシン、イフォスファミド、イマチニブ、インターフェロン(例えば、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b)、イルニオテカン、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、ロムスチン、メシオルタミン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メルカプトポリリジン、メスナ、メシラート、メトトレキサート、メトキサレン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、ノルバデックス、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸ナトリウム、ペグアデマーゼ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プロカルバジン、キナクリン、ラルチトレキセド、ラスブリケース、リボシド、リツキシマブ、サルグラモスチム、スピロプラチン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テガフール−ウラシル、テモゾロマイド、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、組織プラスミノーゲン活性化因子、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ゾレドロネート、それらの塩、又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項17記載のミクロスフェア。
【請求項19】
前記抗新生物薬が白金化合物、ステロイド、又はそれらの混合物である、請求項17記載のミクロスフェア。
【請求項20】
前記白金化合物がスピロプラチン、シスプラチン、又はカルボプラチンである、請求項19記載のミクロスフェア。
【請求項21】
前記メルファランがPAM、L-PAM又はフェニルアラニンマスタードである、請求項18記載のミクロスフェア。
【請求項22】
前記薬物が、シスプラチン、マイトマイシン、パクリタキセル、タモキシフェン、ドキソルビシン、タモキシフェン、又はそれらの混合物である、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項23】
前記造影剤が、メトリザミド、イオジキサノール、イオヘキソール、イオベルソール、イオプロミド、イオブチリドール、イオメプロール、イオペントール、イオキシラン、イオトロラン、ガドジアミド、ガドテリドール又はそれらの混合物である、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項24】
膨潤前に前記直径が約40μm〜約1000μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項25】
膨潤前に前記直径が約40μm〜約400μmである、請求項24記載のミクロスフェア。
【請求項26】
膨潤前に前記直径が約50μm〜約300μmである、請求項25記載のミクロスフェア。
【請求項27】
膨潤前に前記直径が約50μm〜約200μmである、請求項26記載のミクロスフェア。
【請求項28】
膨潤前に前記直径が約70μm〜約120μmである、請求項27記載のミクロスフェア。
【請求項29】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約400μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項30】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約200μmである、請求項29記載のミクロスフェア。
【請求項31】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約120μmである、請求項30記載のミクロスフェア。
【請求項32】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約50μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項33】
膨潤前に前記直径が約50μm〜約100μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項34】
膨潤前に前記直径が約53μm〜約106μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項35】
膨潤前に前記直径が約100μm〜約150μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項36】
膨潤前に前記直径が約106μm〜約150μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項37】
膨潤前に前記直径が約150μm〜約200μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項38】
膨潤前に前記直径が約150μm〜約212μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項39】
膨潤前に前記直径が約200μm〜約250μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項40】
膨潤前に前記直径が約212μm〜約250μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項41】
膨潤前に前記直径が約250μm〜約300μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項42】
膨潤前に前記直径が約300μm〜約350μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項43】
膨潤前に前記直径が約350μm〜約400μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項44】
膨潤前に前記直径が約400μm〜約450μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項45】
膨潤前に前記直径が約450μm〜約500μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項46】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約2000μmである、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項47】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約1500μmである、請求項46記載のミクロスフェア。
【請求項48】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約1000μmである、請求項47記載のミクロスフェア。
【請求項49】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約500μmである、請求項48記載のミクロスフェア。
【請求項50】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約250μmである、請求項49記載のミクロスフェア。
【請求項51】
膨潤前に前記直径が約10μm〜約150μmである、請求項50記載のミクロスフェア。
【請求項52】
膨潤前に前記直径が約750μm〜約880μmである、請求項46記載のミクロスフェア。
【請求項53】
膨潤前に前記直径が約1050μm〜約1230μmである、請求項46記載のミクロスフェア。
【請求項54】
患者への注射前に膨潤する、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項55】
患者への注射後にさらに膨潤する、請求項53記載のミクロスフェア。
【請求項56】
患者への注射後に膨潤する、請求項53記載のミクロスフェア。
【請求項57】
元のサイズの約15倍まで膨潤する、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項58】
約1重量%〜約95重量%のポリビンリルアルコールを含む、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項59】
約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、及び約95重量%からなる群から選択される量においてポリビニルアルコールを含む、請求項58記載のミクロスフェア。
【請求項60】
2種以上の薬物を含む、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項61】
3種以上の薬物を含む、請求項60記載のミクロスフェア。
【請求項62】
請求項1記載のミクロスフェアと、生体適合性担体とを含む、注射可能な組成物。
【請求項63】
懸濁液形態である、請求項62記載の組成物。
【請求項64】
ヒドロゲル形態である、請求項62記載の組成物。
【請求項65】
約10重量%〜約90重量%の量の前記ミクロスフェアと、約90重量%〜約10重量%の量の前記生体適合性担体とを含む、請求項62記載の組成物。
【請求項66】
約10重量%〜約50重量%の量の前記ミクロスフェアと、約50重量%〜約90重量%の量の前記生体適合性担体とを含む、請求項62記載の組成物。
【請求項67】
前記生体適合性担体中の前記ミクロスフェアの懸濁液である、請求項62記載の組成物。
【請求項68】
前記生体適合性担体がエマルジョンである、請求項62記載の組成物。
【請求項69】
前記生体適合性担体が、水性溶液、ヒドロ−オーガニック溶液、有機溶液、及び非水溶液、並びにそれらの混合物からなる群から選択される溶液である、請求項62記載の組成物。
【請求項70】
前記生体適合性担体が、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、アンモニウム、及びそれらの混合物からなる塩を約0.01M〜約5Mの量で含む、請求項62記載の組成物。
【請求項71】
前記非イオン性造影剤がヨウ素を含む、請求項62記載の組成物。
【請求項72】
前記造影剤が、メトリザミド、イオジキサノール、イオヘキソール、イオベルソール、イオプロミド、イオブチリドール、イオメプロール、イオペントール、イオキシラン、イオトロラン、ガドジアミド、ガドテリドール又はそれらの混合物である、請求項62記載のミクロスフェア。
【請求項73】
約18ゲージ以下の注射針で注射可能である、請求項62記載の組成物。
【請求項74】
能動的塞栓形成又は薬物送達に適した実質的に球状のミクロスフェアであって、
非イオン性造影剤と、
少なくとも1種の薬物と、
ポリビニルアルコール及びアクリル酸ナトリウムコポリマーを含む生体適合性ポリマー材料とを含み、
医薬として許容し得る溶液に膨潤可能であり、かつ膨潤前に直径が約10μm〜約2000μmである、前記ミクロスフェア。
【請求項75】
少なくとも1種の薬物と、ポリビニルアルコールを含む生体適合性ポリマー材料とを含む、能動的塞栓形成に適した実質的に球状のミクロスフェアと、
非イオン性造影剤とを含み、
該ミクロスフェアが医薬として許容し得る溶液に膨潤可能であり、かつ膨潤前に直径が約10μm〜約2000μmである、組成物。
【請求項76】
少なくとも1種の薬物と、ポリビニルアルコールアクリル酸ナトリウムコポリマーを含む生体適合性ポリマー材料とを含む、能動的塞栓形成に適した実質的に球状のミクロスフェアと、
非イオン性造影剤とを含み、
該ミクロスフェアが医薬として許容し得る溶液に膨潤可能であり、かつ膨潤前に直径が約10μm〜約2000μmである、組成物。
【請求項77】
哺乳類における能動的塞栓形成のための方法であって、請求項1〜61及び請求項74のいずれか一項記載のミクロスフェアをその治療を必要とする哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【請求項78】
哺乳類における薬物送達のための方法であって、請求項1〜61及び請求項75〜76のいずれか一項記載のミクロスフェアをその治療を必要とする哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【請求項79】
哺乳類における能動的塞栓形成のための方法であって、請求項62〜73及び請求項75〜76のいずれか一項記載の組成物をその治療を必要とする哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【請求項80】
哺乳類における薬物送達のための方法であって、請求項62〜73及び請求項75〜76のいずれか一項記載の組成物をその治療を必要とする哺乳類に投与することを含む、前記方法。
【請求項81】
非イオン性造影剤で約10%〜約90%飽和状態であり、かつ少なくとも1種の薬物で約90%〜約10%飽和状態である、該百分率が該ミクロスフェアの最大飽和度を示す、請求項1〜61及び請求項75〜76のいずれか一項記載のミクロスフェア。
【請求項82】
非イオン性造影剤で約10%〜約90%飽和状態であり、かつ少なくとも1種の薬物で約90%〜約10%飽和状態である、該百分率が該ミクロスフェアの最大飽和度を示す、請求項62〜73及び請求項75〜76のいずれか一項記載の組成物。
【請求項83】
前記薬物が疼痛緩和薬である、請求項1記載のミクロスフェア。
【請求項84】
前記薬物が、イブプロフェン、ケトプロフェン、デキスケトプロフェン、フェニルトロキサミン、クロロフェニラミン、フルビプロフェン、バイオックス、セリブレックス、ベクスタン、ナルブメトン、アスペリン、コデイン、リン酸コデイン、アセトアミノフェン、フルビプロフェン、パラセタモール、キシロカイン、それらの塩及び組合せからなる群から選択される、請求項83記載のミクロスフェア。
【請求項85】
前記薬物が疼痛緩和薬である、請求項74記載のミクロスフェア。
【請求項86】
前記薬物が、イブプロフェン、ケトプロフェン、デキスケトプロフェン、フェニルトロキサミン、クロロフェニラミン、フルビプロフェン、バイオックス、セリブレックス、ベクスタン、ナルブメトン、アスペリン、コデイン、リン酸コデイン、アセトアミノフェン、フルビプロフェン、パラセタモール、キシロカインからなる群から選択される、請求項85記載のミクロスフェア。

【公表番号】特表2008−540478(P2008−540478A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510484(P2008−510484)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004334
【国際公開番号】WO2006/119968
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(507370725)ビオスフェレ メディカル エス.エー. (2)
【Fターム(参考)】