説明

ミクロトームのための温度調節装置

本発明は、クリオスタット(5)のミクロトーム(4)のオブジェクトキャリア(3)に設けられたオブジェクト(2)のための温度調節装置(1)であって、オブジェクトキャリア(3)に配置された冷却装置または冷却/加熱装置(7)に通じる運転媒体供給部(6)と、温度制御部とが設けられている形式のものに関する。そのような温度調節装置(1)は、運転媒体供給部(6)がミクロトーム(4)での作業時に障害とならないように、かつ切断精度が可能な限り引き下げられないように形成されるべきである。このことは、運転媒体供給部(6)が、オブジェクトヘッド(11)の送り運動(9)および切断運動(10)のためのガイドキャリッジ(8)に配置されていて送り運動(9)の方向に対して平行に方向付けられているガイド(12)内に摺動可能に支承されて、オブジェクトヘッド(11)から導き出されていることにより達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリオスタットのミクロトームのオブジェクトキャリアに設けられたオブジェクトのための温度調節装置であって、オブジェクトキャリアに配置された冷却装置または冷却/加熱装置に通じる運転媒体供給部と、温度制御部とが設けられている形式のものに関する。
【0002】
この種の温度調節装置は、オブジェクト、ここでは凍結した組織学的な試料の切断をクリオスタット内で種々異なる温度で実施可能であるにもかかわらず、クリオスタットのチャンバを別の温度にもたらす必要がないようにするために役立つ。背景として、種々異なる組織種、例えば脂肪または脳髄がそれぞれ異なる温度で、例えば−30℃〜−35℃の範囲または−15℃の範囲で最適に切断可能であることが挙げられる。クリオスタットチャンバ全体の温度を所望の温度にもたらさねばならない場合、このことは多くの時間を要求する。それゆえ、パンフレット『Universal−Mikrotom−Kryostate Serie HM500(ユニバーサルミクロトームクリオスタットシリーズHM500)』は、冒頭で挙げた温度調節装置に相当する装備バリエーション「O」を提供する。この場合、クリオスタットチャンバは平均的な温度にあり、温度調節装置は所望のオブジェクト温度を提供する。
【0003】
この温度調節装置の場合、運転媒体供給部は直接、オブジェクトキャリアに配置された冷却装置または冷却/加熱装置から側方に、ある角度を保って導き出されて、ケーブルおよびチューブ束としてクリオスタットチャンバの内壁に向かって案内される。この配置の欠点はまず、運転媒体供給部がミクロトームでの作業時に障害となる点にある。それというのも、運転媒体供給部が過度に大きなスペースを、ミクロトームでの作業、例えば試料交換およびナイフ交換を実施しなければならない領域に必要とするからである。さらに、この運転媒体供給部はその側方での配置に基づいて、重量と、冷熱に起因する硬直とにより、力をオブジェクトキャリアに及ぼしてしまう。ただし、直接オブジェクトキャリアに加わり、そればかりか片側だけで作用するそのような力は、極薄の切断のためにμ領域になければならない切断精度に影響を及ぼす。
【0004】
運転媒体供給部をオブジェクトキャリアから側方に導き出すようにした、冒頭で述べた形式の温度調節装置はドイツ連邦共和国特許出願公開第19640044号明細書からも公知である。ドイツ連邦共和国実用新案第1962263号明細書から、運転媒体供給部が、詳細には開示されていない形式でオブジェクトキャリアから導き出されている温度調節装置が公知である。
【0005】
さらに、ドイツ連邦共和国特許第19528180号明細書から、オブジェクトヘッドの前進を検出するための装置の計測増幅器のための電流供給部が公知である。ただし、この計測エレメントはオブジェクトヘッドの後方に、絶縁体内に配置されている。絶縁体は固く、オブジェクトヘッドキャリアとして役立つ中空シリンダに支承されている。電流供給部は、自由に懸架されたケーブルハーネスとして、中空シリンダおよびシリンダガイドから下面で抜け出る。この場合、その都度の切欠きは、ケーブルが一連の作動運動時に引っ掛かることのない大きさで構成されている。
【0006】
ただし上記明細書から、温度調節装置の運転媒体供給部の構成に関する提起は得られない。そのような温度調節装置は、オブジェクトを冷却することができるように、直接オブジェクトキャリアに存在していなければならない。冒頭で挙げた形式の温度調節装置の運転媒体供給部を上記電流供給部に類似の形式で、オブジェクトヘッドキャリアの背面に配置しようとすると、運転媒体供給部はオブジェクトヘッドキャリアおよびガイドキャリッジを通して案内されねばならなくなる。その際、当業者は、オブジェクトヘッドが交換可能かつ整合可能でなければならないという未解決の問題に直面する。オブジェクトヘッドが交換可能かつ整合可能でなければならないために、運転媒体供給部は断続可能にオブジェクトキャリア収容部を通して案内されねばならず、しかもオブジェクトキャリアを整合するためのオブジェクトキャリアの傾動(上記明細書ではジョイントボールとして形成されている)を阻害してはならない。このことから結果的に、温度調節装置のための運転媒体供給部の配置を上記電流供給部と同様に構成することは全く不可能であるか、多大な技術的手間をもってしてのみ可能であることになる。この場合むしろ、運転媒体供給部は直接、温度調節装置から導き出されなければならない。ただしこのようにすると、冒頭で述べた形式のクリオスタットの構成バリエーション「O」の温度調節装置に関して記載した問題が発生する。
【0007】
それゆえ本発明の課題は、冒頭で挙げた形式の温度調節装置を改良して、ミクロトームでの作業時に可能な限り障害とならず、かつ切断精度を可能な限り阻害しないようにすることができる温度調節装置を提供することである。
【0008】
上記課題は本発明により、運転媒体供給部が、オブジェクトヘッドの送り運動および切断運動のためのガイドキャリッジに配置されていて送り運動の方向に対して平行に方向付けられているガイド内に摺動可能に支承されて、オブジェクトヘッドから導き出されていることにより解決される。
【0009】
本発明による配置により、運転媒体供給部は、オブジェクトヘッドに設けられた冷却装置または冷却/加熱装置を起点として、一部では支持されて一部では架け渡されてクリオスタットチャンバを横切って案内されるのではなく、相対的にオブジェクトヘッドの近傍でガイドキャリッジの方向に案内されることができる。この敷設により、運転媒体供給部がミクロトームでの作業時に邪魔になることはもはやなくなる。ガイドキャリッジが切断運動をオブジェクトヘッドおよびオブジェクトと共に実行するので、運転媒体管路は切断運動に起因して事実上オブジェクトヘッドに力を及ぼさない。その結果、精度がもはやそのような力により影響を及ぼされることはなくなる。
【0010】
オブジェクトヘッドとガイドキャリッジとの間で必要な相対運動は、切断前に実施される送り運動である。この送り運動は、運転媒体供給部がガイド内で摺動可能に支承されており、送り運動に応じて摺動することができることにより配慮される。この場合、ガイドは運転媒体供給部が簡単にガイド内で運動するように形成されていなければならないが、その上、ガイドキャリッジ以後の運転媒体供給部の後方案内より、言及すべき程の引張り力がガイドを通してオブジェクトヘッドに加わることのないように保持されるように形成されていなければならない。それにより、オブジェクトヘッドは精度に影響を及ぼしかねない力から解放されている。後方案内される運転媒体案内部の力がオブジェクトヘッドではなく、ガイドキャリッジに、特にオブジェクトヘッドから離れた領域に作用するので、この力作用は切断精度に対してもはや言及すべき程に影響を及ぼすことはない。それというのも、そのような引張り力の作用点が切断領域からかなり離れており、もはや切断領域の側方には存在しないからである。
【0011】
有利な構成によれば、運転媒体供給部が冷却装置または冷却/加熱装置の下面から導き出される。それというのも、運転媒体供給部がこのようにして、ミクロトームのオブジェクトヘッドまたはナイフキャリアでの作業時に邪魔にならない領域を延在するからである。運転媒体供給部は、冷却装置または冷却/加熱装置に、必要な運転媒体が供給されるように構成される。一般に、液体供給部、液体排出部ならびに少なくとも1つのケーブル接続部が必要とされる。ケーブル接続部は温度を制御するために役立つ。さらに、もちろん電気が運転媒体として役立つことも考えられる。
【0012】
運転媒体供給部の、クリオスタットの内壁に向かっての後方案内に起因する引張り力をも受容する、スムーズに運動可能な、ただし可能な限り遊びのないガイドを達成するために、ガイドが少なくとも1つの管から成っており、該管が3つの線接触部により案内されていることが提案される。その際、運転媒体供給部が1つの管内に収容されてもよいし、ガイドが3つの個別ガイドから成り、個別ガイドのうちの2つがそれぞれ液体供給部および液体排出部のために設けられており、個別ガイドのうちの1つが少なくとも1つのケーブル接続部のために設けられているようになっていてもよい。管が金属から成り、線接触部がプラスチックから形成されると、摩耗が少なくて、良好に運動可能で、しかも遊びがない支承が達成される。この支承は大きな温度差による材料の収縮および膨張に起因する影響をほとんど被らない。
【0013】
頻繁に、ガイドキャリッジに対するオブジェクトキャリアの傾動によるオブジェクトキャリアの整合が必要となるので、有利には、運転媒体供給部が冷却装置または冷却/加熱装置とガイドとの間に少なくとも1つの弾性的なベンドを有しており、該ベンドがこの傾動を許可するようになっている。オブジェクトキャリアのこの種の整合時、運転媒体供給部の摺動も発生するが、この摺動は既に、運転媒体供給部がガイド内で摺動可能に支承されていることにより可能である。
【0014】
所要スペース、頻繁な作業を実施する必要のない領域での配置、かつ作用する力に関して、運転媒体供給部がガイドキャリッジの背面でガイドから抜け出し、少なくとも1つの大きな弾性的なベンドにより、クリオスタットの内壁に設けられたホルダに向かって案内されていると有利である。これにより、ガイドキャリッジがオブジェクトヘッドと共に実行する切断運動の結果として、僅かな引張り力が生ぜしめられるにすぎず、この僅かな引張り力は、切断領域から遠く離れた作用点を通して、事実上もはや切断品質に影響のない程度で作用するにすぎない。
【0015】
ミクロトームでの様々な作業のためにミクロトームが一旦クリオスタットチャンバから取り外されねばならないので、少なくとも1つのカップリングが設けられており、該カップリングにより、クリオスタットチャンバ内を延在する運転媒体供給部が断続可能であると有利である。このようにして、カップリングを解除し、ミクロトームをクリオスタットチャンバから取り外し、所定の作業の実施後に再度冷却チャンバに戻して接続することが可能である。
【0016】
冷却装置または冷却/加熱装置は種々異なる形式で形成されていることができる。純粋な冷却装置として、例えばエバポレータが設けられていることができ、エバポレータ内で、冷却液が蒸発し、こうしてオブジェクトの所望の温度低下が実施される。別の可能性は、熱交換器が設けられており、熱交換器内を案内される液体がクリオスタットチャンバの温度よりも低いか高いかに応じて、熱交換器が冷却装置としても加熱装置としても運転されることができる点にある。
【0017】
冷却装置または冷却/加熱装置は少なくとも1つのペルティエ素子を有していてもよい。それにより簡単に、電流ターミナルの極性の反転により、熱または冷熱を、ペルティエ素子の、オブジェクト側のプレートに発生させることが可能である。極めて有利な構成によれば、ペルティエ素子がオブジェクトキャリアにおける熱または冷熱放出のために役立ち、ペルティエ素子がオブジェクトの冷却のために使用される場合には、熱交換器がペルティエ素子からの熱導出のために役立つようになっている。このようにして、ペルティエ素子の簡単な温度制御が利用されると同時に、ペルティエ素子の、オブジェクトのための冷熱発生と同時に発生する熱発生がクリオスタットチャンバの温度を上昇させることがないようになっている。熱発生はさもなければクリオスタットの冷却装置により再補償されねばならず、このことはエネルギ収支および調整精度に関して不利となり得る。
【0018】
もちろん、別の形式で、純粋な冷却装置または冷却/加熱装置が形成されていてもよい。そうすると、この具体的な構成に応じて、運転媒体供給部も、その詳細な構成の形式も決定される。これとは無関係に、本発明は、切断品質に影響を及ぼしかねない力も回避する、空間的に好都合な配置を保証する。
【0019】
以下に図面を参照しながら本発明の実施例について詳説する。
図1:一実施例の原理図である。
図2:同実施例の詳細図である。
【0020】
図1には、本発明による温度調節装置1を備えたクリオスタット(クライオスタット)5の一実施例の原理図が示されている。一般的には組織学的な試料であるオブジェクト2を低温で切断するために、ミクロトーム4がクリオスタット5のクリオスタットチャンバ26内に配置される。クリオスタットチャンバ26は、図示されていない冷却装置により、平均的な作業温度に冷却される。オブジェクト2を切断するのに最適な作業温度を設定するために、オブジェクト2のためのオブジェクトキャリア3に配置されている冷却装置または冷却/加熱装置7が役立つ。運転媒体供給部6は冷却装置または冷却/加熱装置7を運転するために役立ち、冷却装置または冷却/加熱装置7に冷却媒体ならびに電気を供給する。
【0021】
図示の実施例で、オブジェクトキャリア3はペルティエ素子(Peltierelement)24上に存在する。ペルティエ素子24は、オブジェクト2がクリオスタットチャンバ温度を上回る温度域で切断されねばならないか、またはこれを下回る温度域で切断されねばならないかに応じて、オブジェクト2を冷却したり加熱したりするために役立つ。ペルティエ素子24が冷却のために使用されると、オブジェクト2とは反対側のプレートに、無視することのできない量の熱が発生する。この熱は導出されるのが有利である。この目的のために、熱交換器23が配置されている。熱交換器23は例えば低温のブラインにより貫流されて、ペルティエ素子24の熱を導出する。これにより、クリオスタットチャンバ26の温度上昇は回避される。
【0022】
オブジェクトキャリア3を備えた冷却装置または冷却/加熱装置7はオブジェクトヘッド11に配置されている。オブジェクトヘッド11はガイドキャリッジ8内に支承されており、矢印9の方向でのオブジェクト2の送り運動が可能であるようになっている。この送り運動は、切断毎の切片の厚さを指定する。ガイドキャリッジ8はミクロトーム4内に支承されており、双方向矢印10で示した切断運動を実施することができるようになっている。このようにして、オブジェクト2はナイフ25を備えたナイフホルダに沿って案内される。図中、作動エレメント、キャリッジガイドおよび駆動部は省略されている。
【0023】
冒頭に挙げた背景技術によれば、運転媒体供給部6は冷却装置または冷却/加熱装置7から側方にクリオスタットチャンバ26の内壁21に向かって導き出されていた。本発明により、この点に由来する、冒頭で述べた欠点は、運転媒体供給部6が直接冷却装置または冷却/加熱装置7から、ガイドキャリッジ8内に支承されているガイド12に向かって案内されることにより回避される。ただしここでは、弾性的なベンド16が設けられている。ベンド16は、オブジェクトキャリア3がオブジェクトヘッド11上で僅かに傾動して、ナイフ25に対するオブジェクト2の整合を執り行うことができるようにするために役立つ。
【0024】
ガイド12はガイドキャリッジ8の背面でガイドキャリッジ8から抜け出る。その後、運転媒体供給部6は大きな弾性的なベンド19,19′,19′′でホルダ20に向かって案内される。ホルダ20はクリオスタットチャンバ26の内壁21に取り付けられている。このホルダ20にはカップリング22が存在する。カップリング22により、冷却装置または冷却/加熱装置7の運転媒体供給部6および有利にはミクロトーム4のその他の供給線路が断続されることができ、それによりミクロトーム4をクリオスタットチャンバ26から取り外すことができる。ホルダ20に存在する定置のカップリング半部から、管路もしくは線路がさらに外部に導かれ、それにより相応の、図示されていないユニットおよびターミナルに接続されることができる。もちろん、カップリング22は、クリオスタットチャンバ26内を延在する運転媒体供給部6の別の箇所に配置されてもよい。
【0025】
さらに、クリオスタット5の前面に、スライド式ドアまたはフラップ式ドアの形の開口27が設けられていることが暗に示されている。開口27は、オブジェクトキャリア3にオブジェクト2を送給するもしくはナイフホルダ25のナイフを交換するために役立つ。この点についてもここでは象徴的に図示されているにすぎない。開口27はもちろんミクロトーム4の前記取り外しのためにも役立つ。これにより、ミクロトーム4での作業を実施することができる。
【0026】
図1の運転媒体供給部6について、図2のより詳細な図面を参照しながら詳説する。運転媒体供給部6は弾性的なベンド16でガイド12に向かって案内された後、そこでガイド12に接続される。図示の実施例で、ガイド12は個別ガイド12′,12′′,12′′′である。この場合、液体供給部13、液体排出部14ならびに図示のケーブル接続部15はその都度別個に案内されている。
【0027】
これらの3つの個別ガイド12′,12′′,12′′′は管17として形成されている。管内には、個別ガイド12′,12′′に関して言えば、ブラインが冷却装置または冷却/加熱装置7の供給のために案内されている。これに対して、個別ガイド12′′′内には、必要なケーブル接続部15が敷設されている。ケーブル接続部15は例えばペルティエ素子24の電流供給部であると共に、温度制御部のために役立つセンサの線路である。
【0028】
ガイド12もしくは個別ガイド12′,12′′,12′′′において重要であることは、これらのガイドがスムーズに案内可能であるにもかかわらず、大きな弾性的なベンド19,19′,19′′を用いて運転媒体供給部6を後方に案内することより発生し得る力を受容することができるように案内されている点にある。このために、管17がその都度線接触部18,18′,18′′を有するようになっている。その際、管17は有利には金属から成り、線接触部18,18′,18′′を有する構成エレメントは、前記金属に対して低い摩擦力を有するプラスチックから成る。このプラスチックはまた可撓性であるべきである。これにより、このプラスチックは大きな温度変動に基づく収縮および膨張を受容することができる。これらのプラスチックエレメントはガイドキャリッジ8内に支承されているが、詳細には図示されていない。
【0029】
もちろん、このことは本発明による解決策の一実施例にすぎない。例えば、ガイド12を異なる形式で構成することも可能である。重要なのは上に挙げた特性である。例えば、ガイド12を1つの管17として構成し、1つの管17内に、液体供給部13、液体排出部ならびにケーブル接続部15を支承することも可能である。ペルティエ素子24だけを設けて、これにより、運転媒体供給部6が電気的なケーブル接続部15だけから成っていて、ケーブル接続部15が相応の形式で案内されているようにすることも当然可能である。ガイド12以後の、運転媒体供給部6の後方案内はもちろんやはり異なる形式で構成されていてもよい。その際重要なのは、この種の後方案内が、双方向矢印10で示した切断運動を受容して、クリティカルに力がガイドキャリッジ8に作用することがないようにすることである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施例の原理図である。
【図2】同実施例の詳細図である。
【符号の説明】
【0031】
1 温度調節装置、 2 オブジェクト、 3 オブジェクトキャリア、 4 ミクロトーム、 5 クリオスタット、 6 運転媒体供給部、 7 冷却装置または冷却/加熱装置、 8 ガイドキャリッジ、 9 矢印:送り運動、 10 双方向矢印:切断運動、 11 オブジェクトヘッド、 12 ガイド、 12′,12′′,12′′′ 個別ガイド、 13 液体供給部、 14 液体排出部、 15 ケーブル接続部、 16 弾性的なベンド、 17 管、 18,18′,18′′ 線接触部、 19,19′,19′′ 大きな弾性的なベンド、 20 ホルダ、 21 クリオスタットチャンバの内壁、 22 カップリング、 23 熱交換器、 24 ペルティエ素子、 25 ナイフを備えたナイフホルダ、 26 クリオスタットチャンバ、 27 ミクロトーム操作のためのクリオスタットチャンバの開口(例えばスライド式ドアまたはフラップ式ドア)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリオスタット(5)のミクロトーム(4)のオブジェクトキャリア(3)に設けられたオブジェクト(2)のための温度調節装置(1)であって、オブジェクトキャリア(3)に配置された冷却装置または冷却/加熱装置(7)に通じる運転媒体供給部(6)と、温度制御部とが設けられている形式のものにおいて、
運転媒体供給部(6)が、オブジェクトヘッド(11)の送り運動(9)および切断運動(10)のためのガイドキャリッジ(8)に配置されていて送り運動(9)の方向に対して平行に方向付けられているガイド(12)内に摺動可能に支承されて、オブジェクトヘッド(11)から導き出されていることを特徴とする、ミクロトームのための温度調節装置。
【請求項2】
運転媒体供給部(6)が冷却装置または冷却/加熱装置(7)の下面から導き出される、請求項1記載の温度調節装置。
【請求項3】
運転媒体供給部(6)が液体供給部(13)と液体排出部(14)と少なくとも1つのケーブル接続部(15)とから成る、請求項1または2記載の温度調節装置。
【請求項4】
ガイド(12)が少なくとも1つの管(17)から成っており、該管(17)が3つの線接触部(18,18′,18′′′)により案内されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の温度調節装置。
【請求項5】
少なくとも1つの管(17)の内部が運転媒体供給部(6)のために役立つ、請求項4記載の温度調節装置。
【請求項6】
ガイド(12)が3つの個別ガイド(12′,12′′,12′′′)から成り、個別ガイドのうちの2つがそれぞれ液体供給部(13)および液体排出部(14)のために設けられており、個別ガイドのうちの1つが少なくとも1つのケーブル接続部(15)のために設けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載の温度調節装置。
【請求項7】
管(17)が金属から成り、線接触部(18,18′,18′′)がプラスチックから形成される、請求項4から6までのいずれか1項記載の温度調節装置。
【請求項8】
運転媒体供給部(6)が冷却装置または冷却/加熱装置(7)とガイド(12)との間に少なくとも1つの弾性的なベンド(16)を有しており、該ベンド(16)が、ガイド部分(8)に対するオブジェクトキャリア(3)の傾動によるオブジェクトキャリア(3)の整合を許可する、請求項1から7までのいずれか1項記載の温度調節装置。
【請求項9】
運転媒体供給部(6)がガイドキャリッジ(8)の背面でガイド(12)から抜け出し、少なくとも1つの大きな弾性的なベンド(19,19′,19′′′)により、クリオスタット(5)の内壁(21)に設けられたホルダ(20)に向かって案内されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の温度調節装置。
【請求項10】
少なくとも1つのカップリング(22)が設けられており、該カップリング(22)により、クリオスタットチャンバ(26)内を延在する運転媒体供給部(6)が断続可能である、請求項9記載の温度調節装置。
【請求項11】
エバポレータとして形成された冷却装置(7)が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の温度調節装置。
【請求項12】
熱交換器(23)として形成された冷却装置または冷却/加熱装置(7)が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の温度調節装置。
【請求項13】
冷却装置または冷却/加熱装置(7)が少なくとも1つのペルティエ素子(24)を有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の温度調節装置。
【請求項14】
ペルティエ素子(24)が熱放出または冷熱放出のためにオブジェクトキャリア(3)に設けられており、熱交換器(23)が熱導出のためにペルティエ素子(24)に配置されている、請求項12または13記載の温度調節装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−510000(P2006−510000A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538867(P2004−538867)
【出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【国際出願番号】PCT/EP2003/009856
【国際公開番号】WO2004/029588
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(504178269)ミクロム インテルナチオナール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (5)
【Fターム(参考)】