説明

ミクロフィブリル状多糖の調製方法

【課題】ミクロフィブリル状多糖、特にミクロフィブリル状セルロース(MFC)の調製方法、および前記方法から得られるミクロフィブリル状多糖の提供。
【解決手段】酸化剤及び少なくとも一種の遷移金属を含む水性懸濁液中で多糖を処理し、前記多糖を機械的に離層し、その結果、ミクロフィブリル状多糖を生成するミクロフィブリル状多糖の調製方法。また、その方法により得られるミクロフィブリル状多糖。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミクロフィブリル状多糖、特にミクロフィブリル状セルロース(MFC)の調製方
法、前記方法から得られるミクロフィブリル状多糖、及びこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
最も普通のミクロフィブリル状多糖である、ミクロフィブリル状セルロース(MFC)は、
覆われていない繊維壁の大きな比率のミクロフィブリルを含む小さい断片に離層された木
材繊維から調製される。
【0003】
製造されたMFCは紙及び繊維構造における強い結合能、高い保水、水分散液中の良好な
安定性だけでなく、高粘度を付与する高い比表面積を有する。
【0004】
セルロース繊維は酵素処理、特にWO 2004/055268に開示されているセルラーゼによる処
理によりミクロフィブリル状セルロースに離層し得る。しかしながら、酵素処理による繊
維の離層は多くの場合に高価かつ/又は非効率である。
【0005】
とりわけ繊維目詰まりがこのような試みを阻害していた従来技術の方法に鑑みて生産能
力を増大し得る方法を提供することが望ましいであろう。また、増大された製品コンシス
テンシーを有するミクロフィブリル状セルロースの調製方法を提供し、即ち、繊維目詰ま
り、生産の中断をもたらす温度及び/又は圧力の上昇を問題としないで一層高い濃度のミ
クロフィブリルを有する懸濁液を提供することが望ましいであろう。更なる目的は当業界
で知られているMFC製品に鑑みて増大された表面電荷及び安定性を有するMFCの調製方法を
提供することである。本発明はまたこのような方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は酸化剤及び少なくとも一種の遷移金属を含む水性懸濁液中で多糖を処理し、前
記多糖を機械的に離層し、その結果、ミクロフィブリル状多糖を生成することを特徴とす
るミクロフィブリル状多糖の調製方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
多糖という用語はセルロース、ヘミセルロース、キチン、キトサン、グアーガム、ペク
チン、アルギン酸塩、寒天、キサンタン、澱粉、アミロース、アミロペクチン、アルテマ
ン、ゲラン、ムタン、デキストラン、プルラン、フラクタン、ローカストビーンガム、カ
ラゲナン、グリコーゲン、グリコサミノグリカン、ムレイン、細菌きょう膜多糖、及びこ
れらの誘導体を含むが、これらに限定されず、セルロースが好ましい。多糖はそのまま使
用されてもよく、又はスピニングが繊維構造を生成又は改良するのに使用されてもよい。
【0008】
しかしながら、セルロースが本発明における使用に好ましい多糖である。本発明におけ
る使用のためのセルロースの源として下記のものが挙げられる:(a)例えば、広葉樹及び
針葉樹、例えば、ケミカルパルプ、メカニカルパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカ
ル-サーマルメカニカプパルプ、リサイクルされた繊維、新聞紙から誘導された、木材繊
維、(b)例えば、綿からの種子繊維、(c)例えば、大豆外皮、豆外皮、トウモロコシ外皮か
らの種子外皮繊維、(d)例えば、亜麻、大麻、ジュート、ラミー、ケナフからのじん皮繊
維、(e)例えば、マニラ大麻、サイザル麻からの葉繊維、(f)例えば、バガス、トウモロコ
シ、小麦からの茎又はわら繊維、(g)例えば、竹からの草繊維、(h)藻類、例えば、ベロニ
ア(velonia)からのセルロース繊維、(i)細菌又は真菌、及び(j)例えば、野菜及び果実、
そして特にビート、及び柑橘類果実、例えば、レモン、ライム、オレンジ、グレープフル
ーツからの柔細胞。これらのセルロース材料の微結晶性形態がまた使用されてもよい。好
ましいセルロース源は(1)亜硫酸パルプ化方法、クラフト(硫酸)パルプ化方法、又は予
備加水分解クラフトパルプ化方法から製造された精製され、必要により漂白されていても
よい木材パルプ、(2)精製リンター(綿繊維)、及び(3)果実及び野菜、特にビート(サト
ウダイコン)及び柑橘類果実である。このセルロースの源は限定されず、合成セルロース
又はセルロース類似体を含む、あらゆる源が使用されてもよい。
【0009】
一実施態様によれば、多糖が前記水性懸濁液中で処理され、同時に離層される。これは
製品の性質を劣化しないでその方法を一層時間効率の良いものにする。
【0010】
一実施態様によれば、多糖が離層の前に処理される。
【0011】
一実施態様によれば、その処理が多糖の繊維の離層を促進するのに充分な時間にわたっ
て酸性又は中性のpH、例えば、約1から約8まで、もしくは約2から約6まで、又は約3
から約5までで行なわれる。一実施態様によれば、この多糖の処理がアルカリ性薬品、例
えば、苛性ソーダ等の不在下又は実質的に不在下で行なわれる。
【0012】
一実施態様によれば、前記酸化剤が多糖の重量を基準として約0.1重量%から約5重量
%まで、もしくは約0.5重量%から約3重量%まで、又は約0.5重量%から約1.5重量%ま
での量で添加される。
【0013】
広範囲の酸化剤が使用されてもよく、その中でラジカル発生酸化剤が好ましい。このよ
うな酸化剤の例として、無機又は有機ペルオキシ化合物、オゾン、ジメチルオキシランの
ようなオゾニド、ハロゲン(例えば、塩素又は臭素)含有酸化剤、酸素が挙げられる。無
機ペルオキシ化合物が特に好ましく、例えば、過酸化水素又は過炭酸、過ホウ酸、ペルオ
キシ硫酸、ペルオキシリン酸もしくはペルオキシケイ酸、又は相当する弱酸のアルカリ金
属塩のような過酸化水素生成化合物から選ばれてもよい。有益な有機ペルオキシ化合物と
して、過酢酸又は過安息香酸のようなペルオキシカルボン酸が挙げられる。有益なハロゲ
ン含有酸化剤として、アルカリ金属塩素酸塩、アルカリ金属次亜塩素酸塩、二酸化塩素及
びシアヌル酸のクロロナトリウム塩が挙げられる。また、異なる酸化剤の組み合わせを使
用することが可能である。前記水性懸濁液に添加し得る更なる添加剤として、塩酸の如き
鉱酸が挙げられる。このような酸の濃度は約0.1モル濃度から約3モル濃度、好ましくは
約0.5モル濃度から約1.5モル濃度までである。イオン形態の遷移金属が、例えば、水溶液
中で、前記酸化剤の前、後又は同時に前記多糖繊維に添加し得る。有益な金属の例として
、鉄、銅、マンガン、タングステン及びモリブデンが挙げられ、その中で鉄(例えば、Fe
2+又はFe3+)が特に好ましい。これらの金属イオンは塩又は普通の錯生成剤、例えば、ED
TA、DTPA、リン酸塩もしくはリン酸、シュウ酸、アスコルビン酸、酢酸ニトリト、ガーリ
ック酸、フルボ酸もしくはポリオキソメタレートをベースとする錯生成剤との錯体の形態
で使用されてもよい。使用し得る更なる開始剤として、TAED、シアナミド及び紫外線が挙
げられる。また、異なる遷移金属の組み合わせを使用することが可能である。使用される
遷移金属の量は使用される酸化剤の量に依存するが、殆どの場合にはこの酸化剤の重量を
基準として約0.000001重量%から約20重量%まで、もしくは約0.00001重量%から約5重
量%まで、又は約0.0001重量%から約1重量%までである。
【0014】
鉄イオン及び過酸化水素の場合、Feの好適な量は前記酸化剤の重量を基準として約0.00
0001重量%から約20重量%まで、又は約0.00001重量%から約10重量%までであることが
好ましい。
【0015】
一つの好ましい実施態様によれば、前記多糖が1時間中に70℃でpH4.5で酸化剤の重量
を基準として約0.00001重量%から約10重量%までのFeSO4及び多糖の重量を基準として約
0.5重量%から約1.5重量%までのH2O2の溶液で処理される。
【0016】
前記酸化剤及び遷移金属は水、アルコール又はあらゆるその他の好適な無機もしくは有
機溶媒に分散された前記多糖に添加されてもよい。
【0017】
一実施態様によれば、この処理中の水性多糖懸濁液の乾燥重量が約5重量%から約15重
量%まで、もしくは約8重量%から約12重量%まで、又は約9重量%から約11重量%まで
である。
【0018】
一実施態様によれば、前記水性懸濁液の温度が約20℃から約100℃まで、更に好ましく
は約60℃から約80℃までである。一実施態様によれば、前記ミクロフィブリル状多糖が約
10分間から約120分間まで、もしくは約20分間から約80分間まで、又は約40分間から約60
分間までにわたって離層される。
【0019】
一実施態様によれば、前記多糖の少なくとも約70重量%、もしくは少なくとも約80重量
%、又は少なくとも約90重量%がミクロフィブリル状多糖に変換される。
【0020】
添加された酸化剤の補足として、超音波又は光もしくは電気フェントン反応(放射線又
は電流によるヒドロキシルラジカルの現場での(in situ)発生)を使用することがまた
可能である。
【0021】
本発明の目的のために、多糖ミクロフィブリルは小直径の、高い長さ対直径の比の基礎
構造を表し、これらは自然に生じるセルロースミクロフィブリルの寸法に寸法において匹
敵する。本明細書はミクロフィブリル及びミクロフィブリル化につき言及するが、これら
の用語はここではまたナノフィブリル(セルロース又はその他の)を含むことを意味する

【0022】
本発明に従う好ましい多糖であるセルロースは組織及び配向の幾つかの階層的レベルに
おいて自然に見られる。セルロース繊維は層状の二次の壁構造(その中にマクロフィブリ
ルが配置される)を含む。
【0023】
マクロフィブリルは結晶性領域及び無定形領域に配置されたセルロース分子を更に含む
多くのミクロフィブリルを含む。セルロースミクロフィブリルは植物の異なる種について
直径が約5ナノメートルから約100ナノメートルまでの範囲であり、最も典型的には直径
が約25ナノメートルから約35ナノメートルまでの範囲である。これらのミクロフィブリル
は無定形ヘミセルロース(特にキシログルカン)、ペクチン多糖、リグニン、及びヒドロ
キシプロリンに富む糖タンパク質(エクステンシンを含む)のマトリックス内に平行に走
る束中に存在する。ミクロフィブリルは先にリストされたマトリックス化合物により占有
されたスペースで約3-4nm離れて隔置される。これらのマトリックス物質の特定の配置及
び位置並びにそれらがセルロースミクロフィブリルと相互作用する方法は未だ充分に知ら
れていない。
【0024】
好ましくは、前記多糖は生成されたミクロフィブリル状多糖の最終比表面積が約1m2/g
から約100m2/gまで、もしくは約1.5m2/gから約15m2/gまで、又は約3m2/gから約10m2/gま
でであるような程度に離層される。ミクロフィブリル状多糖の得られる水性懸濁液の粘度
は好適には約200mPasから約4000mPasまで、もしくは約500mPasから約3000mPasまで、又は
約800mPasから約2500mPasまでである。この安定性(これは懸濁液の沈降の程度の目安で
ある)は好ましくは約60%から100%まで、又は約80%から約100%までであり、この場合
、100%は少なくとも2週(6ヶ月)の期間にわたって沈降のないことを示す。
【0025】
本発明に従って製造されたミクロフィブリル状多糖は好適には約0.05mmから約0.9mmま
で、もしくは約0.1mmから約0.5mmまで、又は約0.2mmから約0.3mmまでの長さを有する。
【0026】
離層されていない木材繊維、例えば、セルロース繊維はミクロフィブリル状繊維とは区
別される。何とならば、木材繊維の繊維長さは通常約0.7mmから約2mmまでの範囲であるか
らである。このような繊維の比表面積は通常約0.5-1.5m2/gである。
【0027】
離層は前記多糖の繊維を離層するのに適した種々の装置中で行ない得る。これらの繊維
の加工の前提条件はフィブリルが繊維壁から開放されるような方法で装置が可能であり、
又は制御されることである。これは繊維を互いに対し、又は離層が起こる装置の壁もしく
はその他の部分に対しこすることにより達成し得る。この離層はポンプ操作、混合、加熱
、スチーム暴露、加圧-減圧サイクル、衝撃、粉砕、超音波、マイクロウェーブ暴露、微
粉砕、及びこれらの組み合わせにより達成されることが好ましく、その機械的離層が粉砕
、微粉砕又はこれらの組み合わせにより行なわれることが最も好ましい。本明細書に開示
された機械的操作のいずれにおいても、ミクロフィブリル状多糖が製造されるように充分
なエネルギーが適用されることが重要である。また、本発明は本明細書に開示された方法
により得られるミクロフィブリル状多糖に関する。好ましくは、このミクロフィブリル状
多糖がミクロフィブリル状セルロース、最も好ましくは、未漂白パルプから誘導されたミ
クロフィブリル状セルロースを含む。このミクロフィブリル状セルロースは当業界で知ら
れている種々の応用のいずれにおいても使用されてもよい。
【0028】
こうして、本発明が記載されたので、本発明が多くの方法で変化されてもよいことが明
らかであろう。このような変化は本発明の主旨及び範囲からの逸脱と見なされるべきでは
なく、当業者に明らかであるような全ての変更は特許請求の範囲内に含まれることが意図
されている。以下に示される実施例は反応の更なる特別な詳細を示すが、以下の一般原理
がここに開示し得る。以下の実施例は記載された発明がその範囲を限定しないで行ない得
る方法を更に説明するであろう。
【0029】
全ての部数及び%は、特にことわらない場合には、重量部及び重量%を表す。
【実施例1】
【0030】
a)これらの実験に使用したパルプは紙製造を目的とするドムショー(Domsjo)からの漂白
亜硫酸パルプ(15%のヘミセルロース含量)であった。
【0031】
1.基準ドムショー亜硫酸パルプ
2.前処理されたドムショー亜硫酸パルプ:前処理工程で使用した条件は、10%のパルプ
コンシステンシー、乾燥パルプの重量を基準として0.01%のFeSO4、乾燥パルプの重量を
基準として1%のH2O2、70℃で1時間及び硫酸で調節された、pH4.5。
b)1%の繊維懸濁液を下記の条件下でパールミル(ドライス(Drais)PMC 25TEX)に通すこ
とにより、MFCをパルプサンプル1及び2から製造した。酸化ジルコニウムパール(65%
の充填等級)、1200回転/分のローター速度及び100l/hの流量。エネルギー要求及び運転
性を試験中に観察した。
c)試験b)からのMFC製品を200 l/hである流量以外は同じ条件で別の時間でミルに通した。
d)下記のMFC製品の性質を特性決定した。繊維長さ、粘度、保水度(WRV)、安定性、及び電
荷。これらの結果が表1に見られる。
【0032】
【表1】

【実施例2】
【0033】
a)実験に使用したパルプは完全漂白パルプの製造を目的とするソーダラ・セルAB(Sodra
Cell AB)からの未漂白針葉樹クラフトパルプであった。
【0034】
1.基準ヴァロ(Varo)クラフトパルプ
2.前処理されたヴァロクラフトパルプ:前処理工程で使用した条件は、10%のパルプコ
ンシステンシー、乾燥パルプの重量を基準として0.01%のFeSO4、乾燥パルプの重量を基
準として2%のH2O2、70℃で1時間及び硫酸で調節された、pH4.5。
b)1%の繊維懸濁液を下記の条件下でパールミル(ドライスPMC 25TEX)に通すことによ
り、MFCをパルプサンプル1及び2から製造した。酸化ジルコニウムパール(65%の充填
等級)、1200回転/分のローター速度及び100 l/hの流量。エネルギー要求(表2を参照
のこと)及び運転性を試験中に観察した。
c)試験b)からのMFC製品を200 l/hである流量以外は同じ条件で別の時間でミルに通した。
d)下記のMFC製品の性質を特性決定した。WRV、粘度、安定性及びZ-電位(表2を参照のこ
と)。
【0035】
【表2】

【実施例3】
【0036】
a)これらの実験に使用したパルプはドムショーからの溶解亜硫酸パルプ(5%のヘミセル
ロース含量)であった。
【0037】
1.基準ドムショー溶解パルプ(5%のヘミセルロース)
2.0.1%のカルボキシメチルセルロース(アクセル(Akucell)AF 1985、DS:0.85及びMW:3
40,000)を添加した基準ドムショー溶解パルプ(5%のヘミセルロース)
3.前処理されたドムショー溶解パルプ(5%のヘミセルロース):前処理工程で使用し
た条件は、10%のパルプコンシステンシー、酸化剤の重量を基準として0.01%のFeSO4
乾燥パルプの重量を基準として1%のH2O2、70℃で1時間及び硫酸で調節された、pH4.5
4. 0.1%のカルボキシメチルセルロース(アクセルAF 1985、DS:0.85及びMW:340,000)
を添加して上記3のように前処理したドムショー溶解パルプ(5%のヘミセルロース)
b)1.5%の繊維懸濁液を下記の条件下でパールミル(ドライスPMC 25TEX)に通すことによ
り、MFCをパルプサンプル1及び2から製造した。酸化ジルコニウムパール(65%の充填
等級)、1200回転/分のローター速度及び100 l/hの流量。エネルギー要求及び運転性を
試験中に観察した。
c)試験b)からのMFC製品を200 l/hである流量以外は同じ条件で別の時間でミルに通した。
【0038】
【表3】

【0039】
0.23〜0.37mmの算術平均繊維長さ、少なくとも400%の保水度及び高い安定性を有する
ミクロフィブリル化セルロースを製造した。レドックス処理パルプから製造されたMFC製
品は基準製品と較べて高い電荷(Z-電位)を有する。エネルギー要求はパルプをフェント
ン試薬で前処理した場合に約40%減少した。更に、パールミルの運転性が改良された(目
詰まり、温度又は圧力停止なし)。これらの結果における同様の傾向が未漂白針葉樹クラ
フトパルプ及び漂白溶解パルプによる試験につき得られる。漂白亜硫酸パルプ(15%のヘ
ミセルロース含量)及び未漂白クラフトパルプの粘度が前処理にかけられた場合に47〜66
%減少した(表4を参照のこと)。
【0040】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤及び少なくとも一種の遷移金属を含む水性懸濁液中で多糖を処理し、前記多糖を
機械的に離層し、その結果、ミクロフィブリル状多糖を生成することを特徴とするミクロ
フィブリル状多糖の調製方法。
【請求項2】
前記多糖を前記水性懸濁液中で処理し、同時に離層する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記水性懸濁液の温度が約20℃から約100℃までである、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記ミクロフィブリル状多糖を約10分間から約120分間までにわたって離層する、請求
項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記多糖の少なくとも70重量%をミクロフィブリル状多糖に変換する、請求項1から4
のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記多糖がセルロース繊維を含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記多糖を約3から約5までのpHで処理する、請求項1から6のいずれかに記載の方法

【請求項8】
前記遷移金属が前記酸化剤の重量を基準として約0.000001重量%から約50重量%までの
量で水性懸濁液中に存在する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記酸化剤が前記多糖の重量を基準として約0.1重量%から約5重量%までの量で水性
懸濁液中に存在する、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記多糖をポンプ操作、混合、加熱、スチーム暴露、加圧-減圧サイクル、衝撃、粉砕
、超音波、マイクロウェーブ暴露、微粉砕、及びこれらの組み合わせにより離層する、請
求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記酸化剤が過酸化水素であり、かつ前記遷移金属が鉄である、請求項1から10のい
ずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記多糖の水性懸濁液の乾燥重量が約5重量%から約15重量%までである、請求項1か
ら11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の方法により得られるミクロフィブリル状多糖。
【請求項14】
請求項13記載の未漂白ミクロフィブリル状セルロース。

【公開番号】特開2011−94287(P2011−94287A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264268(P2010−264268)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【分割の表示】特願2008−519230(P2008−519230)の分割
【原出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(390009612)アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ (132)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel N.V.
【Fターム(参考)】