説明

ミクロ化タナプロゲットを含む組成物

【課題】タナプロゲット含有医薬組成物の提供。
【解決手段】組成物の約0.1%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩、約90.05%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、約2%(wt/wt)のラウリル硫酸ナトリウム、約0.1%(wt/wt)のブチル化ヒドロキシアニソール、約1.5%(wt/wt)のポビドン、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
ミクロ化タナプロゲットおよび同タナプロゲットを含む組成物が提供される。
細胞内レセプター(IR)は、「リガンド依存性転写因子」として公知の構造的に関連
する遺伝子調節因子のクラスを形成する。ステロイドレセプターファミリーはIRファミ
リーの一部分集合であり、プロゲステロンレセプター(PR)、エストロゲンレセプター
(ER)、アンドロゲンレセプター(AR)、グルココルチコイドレセプター(GR)、
およびミネラルコルチコイドレセプター(MR)が挙げられる。
【0002】
PRに対する天然のホルモンまたはリガンドはステロイドのプロゲステロンであるが、
合成化合物(例えば、酢酸メドロキシプロゲステロンまたはレボノルゲストレル)が作製
されており、これらもまたリガンドとして役立つ。一旦リガンドが細胞を囲む流体中に存
在すると、このリガンドは受動拡散によって細胞膜を通過し、IRに結合してレセプター
/リガンド複合体を形成する。この複合体は細胞のDNAに存在する特異的な遺伝子プロ
モーターに結合する。一旦DNAに結合すると、この複合体はその遺伝子によってコード
されるmRNAおよびタンパク質の生産を調節する。
【0003】
IRに結合し、そして天然のホルモンの作用を模倣する化合物はアゴニストと称され、
一方、そのホルモンの効果を阻害する化合物はアンタゴニストである。
【0004】
PRアゴニスト(天然物および合成物)は、女性の健康に重要な役割を果たすことが公
知である。PRアゴニストは、代表的にERアゴニストの存在下で出生管理組成物(birt
h control composition)において使用されるか、あるいはそれらアゴニストはPRアン
タゴニストと組合せて使用され得る。ERアゴニストは、更年期症状を処置するために使
用されるが、子宮に対する増殖効果を伴っており、この増殖効果は子宮癌のリスク増大を
導き得る。PRアゴニストの同時投与は、このリスクを低減/除去する。
【0005】
タナプロゲット(tanaproget)、5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒ
ドロ−2H−3,1−ベンゾキサジン(benzoazin)−6−イル)−1H−ピロール−2
−カルボニトリルは、プロゲステロンレセプター調節因子であり、避妊、ホルモン補充療
法において、ならびに癌および腺癌、機能不全性出血、子宮平滑筋種(uterine leiomyom
ata)、子宮内膜症、および多嚢胞性卵巣症候群を処置するのに効果的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
哺乳動物被験体への投与のためのタナプロゲット含有組成物が、当該分野で必要とされ
ている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
1局面において、ミクロ化タナプロゲット、結晶セルロース、クロスカルメロースナト
リウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポビドン(povidone)、ステアリン酸マグネシウムお
よびブチル化ヒドロキシアニソールを含む組成物が提供される。
【0008】
別の局面において、ミクロ化タナプロゲットを含む組成物を調製するためのプロセスが
提供される。
【0009】
さらなる局面において、ミクロ化タナプロゲットを含む組成物を備えるキットが提供さ
れる。
【0010】
他の局面および利点は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明にさらに記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
ミクロ化タナプロゲットを含む有効な医薬組成物が提供される。ミクロ化タナプロゲッ
トは、経口投薬単位に容易に処方でき、そして直接圧縮可能な単位に特によく適合する。
本発明者らは、本発明のミクロ化タナプロゲット組成物を直接圧縮することにより調製さ
れる錠剤もしくはカプセル、または本発明のミクロ化タナプロゲット組成物を含むカプセ
ルが、非ミクロ化タナプロゲットと比較して、急速かつ完全な薬物放出を示すことを見出
した。従って、本発明の組成物は、急速な薬物放出をもたらす。
【0012】
簡潔に述べると、タナプロゲットは、1実施形態において窒素下で、従来のミクロ化技
術(例えば、Trostまたはジェットミルを用いる技術)を非ミクロ化タナプロゲット
に適用してミクロ化される。非ミクロ化タナプロゲットを調製する1方法は、米国特許第
6,436,929号に記載され、そして一般的には2005年12月8日に公開された米国特許出願公開
第2005/0272702号に記載されている。しかしながら、本発明は非ミクロ化タナプロゲット
が製造される方法に限定されない。
【0013】
別の実施形態において、非ミクロ化タナプロゲットは再結晶により精製される。1実施
形態において、このタナプロゲットはアセトンおよび水から再結晶される。さらなる実施
形態において、このタナプロゲットをアセトン中に溶解し、このアセトン溶液を加熱し、
この加熱したアセトン溶液に水を加え、そしてこのアセトン/水溶液を冷却して、精製タ
ナプロゲットを提供する。この精製は具体的には、アセトン中に粗製タナプロゲットを溶
解する工程、および約45℃〜約51℃にこの溶液を加熱する工程を含む。カーボンフィ
ルターに通してこの加熱した溶液を少なくとも約4時間循環させた後、当業者に公知の手
順を使用してその濾液を濃縮した。1実施形態において還流中のアセトン溶液を冷やさな
い速度でこの濃縮溶液に水を添加した後、このアセトン/水溶液を約−6℃〜約0℃に冷
却した。1実施形態において、このアセトン/水溶液を毎分約0.5℃未満の速度で冷却
した。このバッチを低温で少なくとも約3時間保持した後、沈殿し精製されたタナプロゲ
ットを濾過を用いて収集する。収集した固体を水/アセトン混合物により洗浄する。1実
施形態において、1:1の水/アセトン混合物で2回洗浄する。次いで、洗浄し精製した
タナプロゲットを35℃未満の温度で約4時間乾燥させた。約50℃未満でのさらなる乾
燥工程を実施して、分光学的方法により測定されるアセトン/水の残渣を除去した。
【0014】
1実施形態において、使用のために調製されるミクロ化タナプロゲットは、約20μm
未満の粒子サイズ、約15μm未満の粒子サイズ、または約10μm未満の粒子サイズを
有する。さらなる実施形態において、マルバーン法(この方法は当業者に容易に理解され
る)により測定される場合、粒子の90%は約20μm以下であり、かつ粒子の50%が
約15μm以下または約10μm以下であった。
【0015】
ミクロ化タナプロゲットは、タナプロゲットの互変異性体形態および薬学的または生理
学的に許容可能な酸、塩基、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から誘導される塩を包
含する。また、タナプロゲットの誘導体を含み、この誘導体としては、エステル、カルバ
メート、スルフェート、エーテル、オキシム、カルボネートなどが挙げられるが、これら
に限定されない。
【0016】
生理学的に許容可能な酸としては、無機酸および有機酸から誘導されるものが挙げられ
る。多くの無機酸が当該分野で公知であり、これら無機酸としてはとりわけ、塩酸、臭化
水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。同様に、種々の有機酸が
当該分野で公知であり、これら有機酸としては、非限定的に、とりわけ乳酸、ギ酸、酢酸
、フマル酸、クエン酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、グルクロン
酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、酒石
酸、マロン酸、リンゴ酸(mallic acid)、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(emb
onic acid)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸(panthenoic acid)
、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン
酸、およびガラクツロン酸が挙げられる。
【0017】
生理学的に許容可能な塩基としては、無機塩基および有機塩基から誘導されるものが挙
げられる。多くの無機塩基が当該分野で公知であり、これら無機塩基としては、とりわけ
、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜
鉛の硫酸化合物またはリン酸化合物が挙げられる。多くの有機塩基が当該分野で公知であ
り、これら有機塩基としては、非限定的に、とりわけN,N−ジベンジルエチレンジアミ
ン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、
およびプロカインが挙げられる。
【0018】
生理学的に許容可能なアルカリ塩およびアルカリ土類金属塩としては、非限定的に、エ
ステル形態およびカルバメート形態のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびマ
グネシウム塩が挙げられる。
【0019】
これらの塩ならびに非ミクロ化タナプロゲットおよびミクロ化タナプロゲットは、エス
テル形態、カルバメート形態および他の従来の「プロドラッグ」形態であり得、このプロ
ドラッグ形態は、その形態で投与される場合、インビボで活性部分へと変換する。1実施
形態において、プロドラッグはエステルである。例えば、B.TestaおよびJ.Caldwell,「Pr
odrugs Revisited:The "Ad Hoc" Approach as a Complement to Ligand Design」,Medici
nal Research Reviews,16(3):233-241、版、John Wiley & Sons(1996)を参照のこと。
【0020】
本明細書中に考察されるミクロ化タナプロゲットはまた、「代謝物」を含み、これは、
細胞または患者によりタナプロゲットを処理することにより形成される固有の産物である
。1実施形態において、代謝物はインビボで形成される。
【0021】
1実施形態において、本発明の組成物は、単位用量の総重量に基づき、ミクロ化タナプ
ロゲットと組成物の他成分とを湿式混合する工程(wet mixing)により調製される。
【0022】
本明細書中以下に示されるように、用語「wt/wt」は、その組成物の総重量に基づく1
成分の重量を指す。1実施形態において、この比率は、利用される場合、カプセルの重量
、カプセルに利用される任意の増量剤の重量、およびシールコーティングの重量を含まな
い。
【0023】
(A.組成物)
組成物は、タナプロゲットの迅速な放出をもたらし、同時に保存条件下で安定であるよ
うに処方される。1実施形態において、組成物はミクロ化タナプロゲット、または薬学的
に許容可能なその塩、結晶セルロース(MCC)、クロスカルメロースナトリウム、ラウ
リル硫酸ナトリウム(SLS)、ポビドン、ステアリン酸マグネシウムおよびブチル化ヒ
ドロキシルアニソール(BHA)(ブチル化ヒドロキシアニソールとして公知)を含む。
【0024】
1実施形態において、ミクロ化タナプロゲットは本発明の組成物において、組成物の0
.01%(wt/wt)〜25%(wt/wt)の量で存在する。この量は、患者に送達されるべき
ミクロ化タナプロゲットの量に依存して変動し得る。別の実施形態において、過量のタナ
プロゲット(例えば5%過量)が利用される。
【0025】
望ましい治療レジメンは、本発明の組成物を処方する場合に考慮に入れることができる
。1例では、ミクロ化タナプロゲットは単位用量の総重量に基づき、約0.01%(wt/w
t)にて処方物中に存在する。さらなる例において、ミクロ化タナプロゲットは、単位用
量の総重量に基づき約0.10%(wt/wt)で処方物中に存在する。別の例において、ミ
クロ化タナプロゲットは、単位用量の総重量に基づき約1%(wt/wt)で組成物中に存在
する。さらなる例において、ミクロ化タナプロゲットは、単位用量の総重量に基づき約5
%(wt/wt)で組成物中に存在する。なお別の例において、ミクロ化タナプロゲットは、
単位用量の総重量に基づき約25%(wt/wt)で組成物中に存在する。
【0026】
本発明の組成物はまた、結晶セルロース(MCC)を含む。1実施形態において、MC
Cの量は組成物中の約65%〜約97%(wt/wt)、または約65%〜約90%(wt/wt)
である。1例において、組成物は約65%(wt/wt)のMCCを含む。さらなる例におい
て、組成物は約85%(wt/wt)のMCCを含む。別の例において、組成物は約89%(w
t/wt)のMCCを含む。なおさらなる例において、組成物は約90%(wt/wt)のMCC
を含む。さらに別の例において、組成物は約97%(wt/wt)のMCCを含む。
【0027】
本発明の組成物はさらにステアリン酸マグネシウムを含み、1実施例において組成物の
約0.25%(wt/wt)である。
【0028】
クロスカルメロースナトリウムもまた本発明の組成物中に存在し、そして1実施形態に
おいて、組成物の約2%〜約7%(wt/wt)で存在する。1例において、組成物は約2.
4%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウムを含む。別の例において、組成物は約6
%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0029】
組成物のさらなる成分は、ラウリル硫酸ナトリウムであり、これは1実施形態では組成
物の約0.1%〜約3%(wt/wt)で存在する。1例において、ラウリル硫酸ナトリウム
は組成物の約2%(wt/wt)で存在する。別の例において、ラウリル硫酸ナトリウムは組
成物の約0.2%で存在する。
【0030】
組成物のさらに別の成分としてはポビドンが挙げられ、これは1実施形態では組成物の
約0.1%〜約2%(wt/wt)で存在する。1例において、ポビドンは組成物の約1.5
%(wt/wt)で存在する。別の例において、ポビドンは組成物の約0.16%(wt/wt)で
存在する。
【0031】
ブチル化ヒドロキシアニソールは、本発明の組成物の任意の成分であり、1実施形態で
は組成物の約0.10%(wt/wt)(すなわち約0.1%(wt/wt))までの量である。
【0032】
本発明の組成物の調製方法に関する限定なしに、適切なミクロ化タナプロゲット組成物
の例が表1に提供される。
【表1】

【0033】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のなおさらなる例が表2に提供される。
【表2】

【0034】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物の別の例が表3に提供される。
【表3】

【0035】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のなおさらなる例が表4に提供される。
【表4】

【0036】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のさらに別の例が表5に提供される。
【表5】

【0037】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のさらに別の例が表6に提供される。
【表6】

本発明の組成物は代表的に、ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩
、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポビドン
、ステアリン酸マグネシウムおよび1実施形態ではブチル化ヒドロキシアニソールを混合
することによって調製される。1実施形態において、組成物はそれら成分を水と湿式混合
することによって調製される。さらなる実施形態において、本発明の方法における使用前
に、ラウリル硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびポビドンは、独立し
て水と混ぜ合わされるかまたは一緒にまとめて水と混ぜ合わされる。
【0038】
このような組成物は、本明細書中に記載されるように利用できるか、または使用のため
に以下に記載する賦形剤に加えてさらなる賦形剤(例えば、結晶セルロース、クロスカル
メロースナトリウムおよび/またはステアリン酸マグネシウム)と混ぜ合わされ得る。こ
れらの成分はまた、当業者に測定される場合およびプロセスの必要要件により決定される
場合、顆粒外在性(extragranular)形態であっても顆粒内在性(intragranular)形態で
あってもよい。
【0039】
種々の装置を利用して本発明のプロセスを実施し得、それら装置としては、とりわけ小
サイズ、中サイズおよび大サイズの袋、種々のサイズのスクリーン(篩)、およびブレン
ダーが挙げられる。
【0040】
プロセスはまた、組成物を粉末成形する(compact)工程または粉砕工程を含み得、代
表的には当業者により選択されるコンパクターおよびミルを使用する。粉砕工程は代表的
に種々のサイズの粒子(すなわち、巨大粒子、粉末および微細粉末)について実施され、
より好ましくより均一な粒子サイズを得る。粉砕工程は、分離工程、再利用工程(recycl
ing)および篩過工程をいくつか含み、所望の粒子サイズを達成することができる。
乾燥工程は一般に当業者により選択される適切な乾燥器具(例えば、流動床ドライヤー
)を使用して実施される。
【0041】
さらなる実施形態において、組成物は、この組成物を賦形剤により希釈することによっ
て調製される。希釈に有用な賦形剤としては以下に記載されるものが挙げられ、そして好
ましくはMCC、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムが挙げ
られる。
【0042】
例えば、より少量のタナプロゲットを含む組成物は、より多量のタナプロゲットを含む
組成物を希釈することによって調製される。例えば、0.01mg、1mgまたは5mg
のタナプロゲットを含む組成物を調製することができる。1実施形態において、0.01
mgのタナプロゲットを含む本発明の組成物は、0.10mg、1mg、5mgまたは2
5mgのタナプロゲットを含む本発明の組成物を希釈することによって調製される。さら
なる実施形態において、0.01mgのタナプロゲットを含む本発明の組成物は、0.1
0mgのタナプロゲットを含む組成物を希釈することによって調製される。別の実施形態
において、1mgのタナプロゲットを含む本発明の組成物が、5mgまたは25mgのタ
ナプロゲットを含む組成物を希釈することによって調製される。なおさらなる実施形態に
おいて、5mgのタナプロゲットを含む本発明の組成物は、25mgのタナプロゲットを
含む組成物を希釈することによって調製される。1実施形態において、より多量のタナプ
ロゲットを含む組成物を希釈することによって調製される本発明の組成物は、MCC、ク
ロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを用いて希釈される。
【0043】
これらの経路に従って調製される組成物は、1カプセル中にカプセル充填されてもよい
し、または錠剤もしくはカプレットへと圧縮されてもよく、これらは必要に応じて1カプ
セル中にカプセル充填することができる。1実施形態において、カプセルはヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)カプセルである。
【0044】
錠剤またはカプレットへと圧縮される場合、当業者は、使用に適した打錠機を容易に選
択することができる。しかしながら、そのような打錠機の1例としては、とりわけStokes
(登録商標)B2 Tablet Pressが挙げられる。
【0045】
1実施形態において、調製された錠剤が1カプセル中にカプセル充填される。さらなる
実施形態において、カプセルはヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)
カプセルである。このカプセルは必要に応じて錠剤をその中に入れたままシールすること
ができるか、または錠剤を含むカプセルに増量剤を添加することができる。1実施形態に
おいて、増量剤としてはMCC、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグ
ネシウムが挙げられる。別の実施形態において、増量剤を添加する前にカプセル中に錠剤
が入れられる。
【0046】
組成物が錠剤またはカプレットへと圧縮される場合、錠剤またはカプレットは、必要に
応じてフィルムコーティングすることができる。適切なフィルムコーティングは当業者に
公知である。例えば、フィルムコーティングは、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、エチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせの適切なポリ
マーの中から選択され得る。他の適切なフィルムコーティングは、当業者に容易に選択さ
れ得る。1実施形態において、錠剤またはカプレットは、Opadry(登録商標)シールコー
トによりコーティングされる。利用される場合、フィルムコートの重量パーセントは一般
に、錠剤またはカプレットの2%(wt/wt)〜6%(wt/wt)の範囲にある。
【0047】
組成物を含む錠剤、カプレット、カプセルまたは錠剤入りカプセルは、約90分後に約
86%〜約99%のタナプロゲットを放出する。さらなる実施形態において、85%また
は約90%のタナプロゲットが約15分内に放出される。
【0048】
1実施形態において、組成物はその組成物の溶解を可能にするのに最適なサイズの粒子
を含み、そしてさらなる実施形態において、それら粒子は約125μm以下であるか、ま
たはなおさらなる実施形態において125μm未満である。組成物の粒子サイズは、代表
的に、固体組成物を種々のサイズのスクリーンに通すことによって測定される。1実施形
態において、約1%の粒子は約150μm以上;約19%の粒子が約74μm以上;そし
て約65%の粒子が約44μm以上である。別の実施形態において、約1%の粒子は約3
50μm以上;約1.7%の粒子が約180μm以上;約2%の粒子が約150μm以上
;約21%の粒子が75μm以上;そして約66%の粒子が約45μm以上である。さら
なる実施形態において、約9%の粒子は約350μm以上;約17%の粒子が約180μ
m以上;約20%の粒子が約150μm以上;約60%の粒子が約75μm以上;そして
約90%の粒子が約45μm以上である。さらに別の実施形態において、約21%の粒子
は約350μm以上;約64%の粒子が約180μm以上;約74%の粒子が約150μ
m以上;約87%の粒子が約75μm以上;そして約8%の粒子が約45μm以上である

【0049】
組成物の粒子が最適サイズより大きい場合、かつ同粒子が未だカプセル中にカプセル充
填されていない場合、同粒子はとりわけ、さらなる粉砕工程および篩過工程に供されてそ
の粒子サイズを低減させることができる。
【0050】
組成物が既にカプセル中にカプセル充填されている場合、組成物は、カプセルから手作
業で取り出すことができ、そしてさらなる粉砕工程および篩過工程に供されて、その組成
物の粒子サイズを低減させることができる。さらなる実施形態において、組成物を含むカ
プセルは、1つ以上のブレードまたはナイフを使用して供給でき、組成物が単離でき、そ
してその組成物はさらなる粉砕工程および篩過工程に供されてその組成物の粒子サイズを
低減させることができる。一旦最適粒子サイズが得られると、組成物は使用のためのカプ
セルに再度カプセル充填される。
【0051】
(B.組成物の安定性)
組成物は、変動性の温度および湿度において保存したサンプルに関して、約1ヶ月の期
間にわたって安定である。本明細書中で使用する場合、用語「安定である」とは、本発明
の組成物の分解が約4%未満であることをいう。代表的に、タナプロゲットは組成物中で
分解する。1実施形態において、組成物は約20℃/相対湿度50%から約45℃/相対
湿度75%まで安定である。1実施形態において、本発明の組成物は、温度約25℃かつ
相対湿度約60%以上において1ヶ月を超える期間にわたって分解するのが約4%未満で
ある。
【0052】
1実施形態において、本発明の組成物は低温で保存され、さらなる実施形態において約
5℃の温度で保存された。この組成物は、水、大気および湿度なしに保存されることが望
ましい。
【0053】
(C.本発明の組成物の追加成分)
他の適切な成分を組成物に添加することができる。但し、同成分は既に存在しているわ
けではなく、当業者に容易に明らかとなるであろう。代表的に、追加成分は不活性であり
、組成物の必要成分の機能を妨害しない。従って、組成物はさらに、とりわけ、他のアジ
ュバント、シロップ、エリキシル、希釈剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、顆粒化剤、分
解剤(disintegrating agent)、軟化剤、金属キレート剤、pH調整剤、界面活性剤、増
量剤、崩壊剤(disintegrant)、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0054】
アジュバントとしては、非限定的に、矯味矯臭剤、着色剤、保存剤および補充の酸化防
止剤(これらとしては、ビタミンE、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン(B
HT)およびブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられ得る)が挙げられ得る

【0055】
結合剤としては、非限定的に、とりわけ以下が挙げられ得る:ポビドン、セルロース、
メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非結晶セルロース、ポリプロピルピロリドン、ポ
リビニルピロリドン(ポビドン、PVP)、ゼラチン、アラビアゴムおよびアカシアゴム
、ポリエチレングリコール、デンプン、糖(例えば、ショ糖、カオリン、デキストロース
およびラクトース)、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、ゼラチン、カゼイ
ン、レシチン(ホスファチド)、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、セチル
エステルワックス、デキストレート、デキストリン、モノオレイン酸グリセリン、モノス
テアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンアルキル
エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンステアリン酸、ポリ
ビニルアルコール、ならびにゼラチン。1実施形態において、結合剤はポビドンである。
【0056】
滑沢剤としては、とりわけ、軽質無水ケイ酸、タルク、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリルフマル酸ナトリウム(sodium s
tearyl furamate)が挙げられ得る。1実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネ
シウムである。
【0057】
顆粒化剤としては、非限定的に、とりわけ二酸化ケイ素、デンプン、炭酸カルシウム、
ペクチン、クロスポビドン、およびポリプラスドンが挙げられ得る。
【0058】
分解剤または崩壊剤としては、とりわけ、デンプン、カルボキシメチルセルロース、置
換ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カ
ルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファー化デンプン、またはクロスポビ
ドンが挙げられ得る。
【0059】
軟化剤としては、非限定的に、ステアリルアルコール、ミンクオイル、セチルアルコー
ル、オレイルアルコール、ラウリル酸イソプロピル、ポリエチレングリコール、オリーブ
油、ワセリン、パルミチン酸、オレイン酸、およびミリスチン酸ミリスチルが挙げられ得
る。
【0060】
界面活性剤としては、ポリソルビン酸、ソルビタンエステル、ポロキサマー(poloxame
r)またはラウリル硫酸ナトリウムが挙げられ得る。1実施形態において、界面活性剤は
ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0061】
金属キレート剤としては、生理学的に許容可能なキレート剤を挙げることができ、エデ
ト酸、リンゴ酸またはフマル酸が挙げられる。1実施形態において、金属キレート剤はエ
デト酸である。
【0062】
また、pH調整剤を利用して、タナプロゲットを含む溶液のpHを約4〜約6に調節す
ることができる。1実施形態において、タナプロゲットを含む溶液のpHは、約4.6の
pHに調整される。pH調整剤としては生理学的に許容可能な薬剤を挙げることができ、
クエン酸、アスコルビン酸、フマル酸、またはリンゴ酸、およびそれらの塩が挙げられる
。1実施形態において、pH調整剤はクエン酸である。
【0063】
組成物に使用され得るさらなる増量剤としては、マンニトール、リン酸カルシウム、ア
ルファー化デンプンおよびショ糖が挙げられる。
【0064】
(D.組成物を使用する方法)
本発明はさらに、患者にタナプロゲットを送達する方法を提供し、ここでこの方法は、
本発明に従ってミクロ化タナプロゲットの投与単位を投与する工程を含む。
【0065】
タナプロゲットの投薬量要件は、提示される症状の重篤度および処置されている特定の
被験体に基づき変動し得る。処置は最適用量のタナプロゲットよりも少ない小さな投薬量
で開始され得る。その後、この投薬量は、その状況下で最適な効果に至るまで増加される
。正確な投薬量は、処置される被験体個々が受ける体験に基づき、投薬する医者によって
決定される。一般に、本発明の組成物は最も望ましくは、許容できない損害性の(harmfu
l)副作用も有害な(deleterious)副作用も引き起こすことなく有効な結果を概ねもたら
す濃度にて投与される。例えば、ミクロ化タナプロゲットの有効量は、一般に、例えば約
0.05mg〜約1mg、約0.05mg〜約0.3mg、約0.05mg、約0.07
5mg、約0.1mg、約0.15mg、約0.2mgまたは約0.3mgである。
【0066】
従って、ミクロ化タナプロゲットを含むこれらの組成物は、避妊およびホルモン補充療
法に有効である。この組成物はまた、避妊、ならびに子宮筋層類線維腫(uterine myomet
rial fibroid)、良性前立腺肥大、良性および悪性の新生物疾患、機能不全性出血、子宮
平滑筋種、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、および下垂体、子宮内膜、腎臓、卵巣、乳
房、結腸および前立腺の癌および腺癌ならびに他のホルモン依存性腫瘍の処置および/ま
たは予防、ならびにそれらに有用な医薬の調製に有用である。この組成物のさらなる使用
としては、食物摂取の刺激が挙げられる。
【0067】
本発明の組成物は、患者に対する送達に適切な投薬単位に形成される。適切な投薬単位
としては、経口投薬単位、例えば、直接圧縮錠、カプレット、カプセル、粉末、懸濁物、
ミクロカプセル、分散性粉末、顆粒、懸濁物、シロップ、エリキシル、およびエアロゾル
が挙げられる。1実施形態において、組成物は、錠剤またはカプレットに圧縮され、これ
は必要に応じてカプセルに加えられるか、または組成物は直接カプセルに加えられる。本
発明の組成物はまた、他の適切な経路による送達のために処方することができる。これら
の投与単位は、本明細書中に記載される方法および当業者に公知の方法を使用して容易に
調製される。
【0068】
ミクロ化タナプロゲットを含む固体形態(錠剤、カプレットおよびカプセルが挙げられ
る)は、上記の成分とタナプロゲットとを乾式混合することにより形成することができる
。1実施形態において、利用されるカプセルとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース(ヒプロメロース)カプセルまたはハードシェルのゼラチンカプセルが挙げられる。
別の実施形態において、タナプロゲットを含む錠剤またはカプセルはフィルムコーティン
グされる。適切なフィルムコーティングは当業者に公知である。例えば、フィルムコーテ
ィングは、ポリマーの中から、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、およびこれらの組み合わせから選択することができる

【0069】
薬学的有効量のタナプロゲットは、組成物の成分、送達様式、処置される状態の重篤度
、患者の年齢および体重、ならびにその組成物中に使用される他の任意の活性成分に依存
して変動し得る。投薬量レジメンもまた、最適な治療応答をもたらすように調節すること
ができる。いくつかの分割用量(例えば、1日あたり2〜4回の分割用量)が毎日送達さ
れ得るか、または単回用量が送達され得る。しかしながら、この用量は、治療状態の緊急
性により必要性を示される場合、比率を低減しても増加してもよい。1実施形態において
、送達は毎日ベース、1週間ベース、または1ヶ月ベースである。別の実施形態において
、送達は、毎日の送達である。毎日の投薬量はまた、定期的な送達に基づき、低下されて
も上昇されてもよい。
【0070】
本発明の組成物が避妊またはホルモン補充療法において使用される場合、とりわけ、1
つ以上の他のプロゲステロンレセプターアゴニスト、エストロゲンレセプターアゴニスト
、プロゲステロンレセプターアンタゴニスト、および選択的エストロゲンレセプター調節
因子と組合せて投与され得ることが企図される。
【0071】
新生物疾患、癌および腺癌を処置するために利用される場合、本発明の組成物は、当業
者により容易に選択され得る1つ以上の化学療法剤と組み合わせて投与することができる

【0072】
(E.キット)
ミクロ化タナプロゲットを備えるキットまたは包装物が提供される。キットは、上記で
考察した哺乳動物被験体への投与に適したタナプロゲットおよびキャリアを備え得る。1
実施形態において、錠剤、カプレットまたはカプセルはブリスターパックに包装され、さ
らなる実施形態においてはUltrxTM2000ブリスターパックに包装される。
【0073】
組成物を収容するキットまたは包装物は、本明細書中に記載されるレジメンにおける使
用のために設計される。1実施形態において、これらのキットは、とりわけ21日サイク
ル、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルにわたる毎日の経口送達のた
め、あるいは1日あたり1回の経口送達のために設計される。この組成物が連続的に送達
されるべき場合、包装物またはキットは、それぞれの錠剤またはカプレット中に組成物を
含み得る。組成物が定期てきな中止期間を伴って送達されるべき場合、包装物またはキッ
トは、組成物が送達されない日におけるプラセボを備え得る。
【0074】
さらなる成分を本発明の組成物と同時投与することができ、それらとしては、妊娠誘発
剤、エストロゲン、および選択的エストロゲンレセプター調節因子が挙げられる。
【0075】
1実施形態において、キットはまた好ましくは、サイクルのそれぞれの日に服用される
べき単回の経口処方物または経口処方物の組み合わせを示すように構成され、さらなる実
施形態では特定される各日に服用されるべき経口錠剤またはカプレットを備え、そしてさ
らなる実施形態では、1つの経口錠剤またはカプレットは指示される1日の各投薬量の組
合せを含む。
【0076】
1実施形態において、キットは、21日サイクル、28日サイクル、30日サイクルま
たは31日サイクルにわたる、本発明の組成物の1日投薬量について単一のフェーズ(ph
ase)を含み得る。あるいは、キットは、28日サイクル、30日サイクルまたは31日
サイクルのうちの最初の21日にわたる、本発明の組成物の1日投薬量について単一のフ
ェーズを含み得る。キットはまた、30日サイクルまたは31日サイクルのうちの最初の
28日にわたる、本発明の組成物の1日投薬量について単一のフェーズを含み得る。
【0077】
さらなる実施形態において、キットは、21日サイクル、28日サイクル、30日サイ
クルまたは31日サイクルにわたる、本発明の組成物および妊娠誘発剤の1日投薬量につ
いて単一の組合せのフェーズを含み得る。あるいは、キットは、28日サイクル、30日
サイクルまたは31日サイクルの最初の21日にわたる、本発明の組成物および妊娠誘発
剤の1日投薬量について単一の組合せのフェーズを含み得る。キットはまた、30日サイ
クルまたは31日サイクルの最初の28日にわたる、本発明の組成物および妊娠誘発剤の
1日投薬量について単一の組合せのフェーズを含み得る。
【0078】
別の実施形態において、28日キットは、本発明の組成物の14〜28回の1日投薬量
単位の第一フェーズ;妊娠誘発剤の1〜11回の1日投薬量単位の第二フェーズ;および
必要に応じて、このサイクルの残りの日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボの第
三フェーズを含み得る。
【0079】
なおさらなる実施形態において、28日キットは、本発明の組成物の14〜21回の1
日投薬量単位の第一フェーズ;妊娠誘発剤の1〜11回の1日投薬量単位の第二フェーズ
;および必要に応じて、そのサイクルの残りの日に対する経口の薬学的に許容可能なプラ
セボの第三フェーズを含み得る。
【0080】
別の実施形態において、28日キットは、本発明の組成物の18〜21回の1日投薬量
単位の第一フェーズ;妊娠誘発剤の1〜7回の1日用量単位の第二フェーズ;および必要
に応じて、その28日サイクルの残りの0〜9日の各日に対する経口の薬学的に許容可能
なプラセボを含み得る。
【0081】
なおさらなる実施形態において、28日キットは、本発明の組成物の21回の1日投薬
量単位の第一フェーズ;妊娠誘発剤の22〜24日目の間の3回の1日投薬量単位の第二
フェーズ;および必要に応じて、25〜28日目の各日に対する経口の薬学的に許容可能
なプラセボの4回の1日投薬量単位の第三フェーズを含み得る。
【0082】
別の実施形態において、28日キットは、約35μg〜約150μgのレボノルゲスト
レルと妊娠誘発活性が等しい妊娠誘発剤についての14〜21回の1日投薬量単位の第一
フェーズ;本発明の組成物についての1〜11回の1日投薬量単位の第二フェーズ;およ
び必要に応じて、抗プロゲスチンもプロゲスチンもエストロゲンも投与されないそのサイ
クルの残りの日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボの第三フェーズを含み得る。
【0083】
さらなる実施形態において、28日キットは、約35μg〜約100をμgのレボノル
ゲストレルと妊娠誘発活性が等しい妊娠誘発剤の14〜21回の1日投薬量単位の第一フ
ェーズ;本発明の組成物についての1〜11回の1日投薬量単位の第二フェーズ;および
必要に応じて、抗プロゲスチンもプロゲスチンもエストロゲンも投与されないそのサイク
ルの残りの日に対する経口の薬学的に許容可能なプラセボの第三フェーズを含み得る。
【0084】
1実施形態において、タナプロゲットの1日投薬量は、それが送達される特定の各期間
の中で固定されたままである。さらなる実施形態において、記載の1日用量単位が記載の
順番で送達され得、この第一フェーズは順に第二フェーズおよび第三フェーズへと続けら
れる。各々のレジメンを用いるコンプライアンスを容易にするのを助けるため、さらなる
実施形態において、キットはサイクルの最終日のために記されるプラセボを備える。
【0085】
経口使用のための医薬品を分配する使用のため、多くの包装物またはキットが当該分野
で公知である。1実施形態において、包装物は28日のサイクルの各日に対する指標を有
し、さらなる実施形態において包装物はラベルの付いたブリスター包装物であるか、ダイ
ヤル式ディスペンサー包装物であるか、またはボトルである。
【0086】
キットはさらに、タナプロゲット組成物を投与するための指示書を備え得る。
【0087】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を制限しない。当業
者は、特定の試薬および条件が以下の実施例に概説されているが、改変がなされ得、これ
ら改変が本発明の本質および範囲に包含されると意味されることを、理解する。
【実施例】
【0088】
(実施例1−ミクロ化タナプロゲットの調製)
米国特許出願公開第2005/0272702号(2005年12月8日公開)に従っ
て調製したタナプロゲットを、U-10 Comilミルを使用して粉砕し、EZFH−1.4フィーダー
を取付けたMC50 Jetpharma Micronizerを使用してミクロ化した。サンプル全体の50%
にわたって分布する約15μm未満の粒子サイズ、望ましくは約10μm未満について、
粒子サイズを定期的に試験した。このミクロ化タナプロゲットを三重にしたポリ袋を入れ
たファイバードラムに詰めた。最も外側の袋の間に乾燥剤を挿入し、この袋内の大気を窒
素ガスで置換した。
【0089】
(実施例2−ミクロ化タナプロゲットを含む0.10mgカプセルおよび1.0mgカ
プセルの調製)
この実施例は、0.1mgおよび1.0mgのミクロ化タナプロゲットを含むカプセル
の製造のための湿式造粒プロセスを提供する。
【0090】
SLSおよびBHAを精製水に溶解した。ポビドンを精製水に溶解した。顆粒内在分の
(intragranular)結晶セルロース(MCC)の一部をスクリーンに通して高剪断ミキサ
ーへと直接入れた。ミクロ化タナプロゲットを、顆粒内在分のMCCの一部と幾何学的に
(geometrically)予備混合し、そしてこの予備ブレンドをスクリーンに通して高剪断ミ
キサーに直接入れた。残りの顆粒内在分のMCCおよび顆粒内在分のクロスカルメロース
ナトリウムをスクリーンに通して高剪断ミキサーに直接入れた。タナプロゲット、MCC
およびクロスカルメロースナトリウムを含む組成物を、SLS/BHA溶液およびポビド
ン溶液を使用して混合し、その後精製水を混合した。追加の精製水を利用して造粒終点に
到達した。造粒終点に一旦到達すると、造粒物を乾燥させてスクリーンに通した。顆粒外
在分のMCCおよび顆粒外在分のクロスカルメロースナトリウムをスクリーンに通し、そ
してブレンダー中で乾燥した造粒物と混合した。ステアリン酸マグネシウムをスクリーン
に通し、顆粒外在分のMCC、粒子外在分のクロスカルメロースおよび乾燥した造粒物を
含む材料の一部と予備混合した。この予備混合物を、顆粒外在分のMCC、顆粒外在分の
クロスカルメロースおよび乾燥造粒物を含む材料の残りの部分と混合して、最終ブレンド
を形成した。次いで、この最終ブレンドを、充填重量100mgに標的化して、4号ハー
ドゲルカプセル(HGC)の中にカプセル充填した。この充填したカプセルをポリ袋で内
張りした(poly-lined)ドラム中で、光および水分なしで冷凍して保存した。
【0091】
(実施例3−タナプロゲットを含む0.01mgカプセルの調製)
この実施例は、0.01mgのタナプロゲットを含むカプセルを製造するための湿式造
粒プロセスを提供する。
0.10mgのタナプロゲットを含む実施例2由来の最終混合物を、結晶セルロース、
クロスカルメロースおよびステアリン酸マグネシウムと混合し、そして標的充填重量10
0mgへと4号HGCカプセル中にカプセル充填した。表7を参照のこと。充填したカプ
セルを、ポリ袋で内張りしたドラム中で光および水分なしで冷凍して保存した。
【表7】

【0092】
(実施例4−タナプロゲットを含む5mgカプセルおよび25mgカプセルの調製)
この実施例は、5mgおよび25mgのタナプロゲットを含むカプセルを製造するため
の湿式造粒プロセスを提供する。
【0093】
SLSおよびBHAを精製水に溶解した。ポビドンを精製水に溶解した。ミクロ化タナ
プロゲット、顆粒内在分のMCC、顆粒内在分のクロスカルメロースナトリウムをスクリ
ーンに通して高剪断ミキサー中で混合した。タナプロゲット、顆粒内在分のMCCおよび
顆粒内在分のクロスカルメロースナトリウムを含むブレンドを、SLS/BHA溶液、ポ
ビドン溶液および精製水を使用して混合した。必要な場合、追加の精製水を利用して造粒
終点に到達した。この湿ったブレンドを乾燥させ、スクリーンに通した。顆粒外在分のM
CC、および顆粒外在分のクロスカルメロースをスクリーンに通して、乾燥して篩過した
ブレンドとブレンダー中で混合した。
【0094】
ステアリン酸マグネシウムをスクリーンに通した。このステアリン酸マグネシウムを顆
粒外在分のMCC、顆粒外在分のクロスカルメロースナトリウムおよびタナプロゲットを
含む組成物の一部と予備混合して予備混合物を形成した。次いでこの予備混合物を顆粒外
在分のMCC、顆粒外在分のクロスカルメロースナトリウムおよびタナプロゲットを含む
残りの部分に加え、そしてブレンダー中で混合して最終ブレンドを形成した。この最終ブ
レンドを、充填重量100mgを標的として4号HGCカプセルにカプセル充填した。こ
のカプセルを、ポリ袋で内張りしたドラム中で光および水分なしで冷凍して保存した。
【0095】
(実施例5−粒子サイズを低減したタナプロゲットを含む5mgカプセルおよび25m
gカプセルの調製)
この実施例は、実施例4において調製しカプセル充填した組成物の粒子サイズを低減す
るためのプロセスを提供する。
【0096】
実施例4由来のカプセルを、ナイフを順方向で中速(1分あたり2482回転(RPM))に
して2Åのメッシュスクリーンを取付けたFitzmil Model D6に通した。このブレンドを2
0メッシュのハンドスクリーンに通し、ゼラチン断片を除去した。次いで、収集したブレ
ンドを、50メッシュのスクリーンを1枚使用した、ハンマーを順方向にして高速(約46
80RPM)でFitzmilに通した。ハンマーで粉砕された(hammered)固形物を60メッシュの
ハンドスクリーンに通し、袋の中で2分間混合し、そして標的充填重量100mgにして
4号HGCカプセルにカプセル充填した。このカプセルを、ポリ袋で内張りしたドラム中
で光および水分なしで冷凍して保存した。
【0097】
(実施例6−粒子サイズを低減したタナプロゲットを含む5mgカプセルおよび25m
gカプセルの調製)
この実施例は、実施例4において調製しカプセル充填した組成物の粒子サイズを低減す
るためのプロセスを提供する。
【0098】
実施例4のカプセル中に含まれる組成物を、手作業でカプセルを空にすることにより収
集した。収集した組成物を、モーターおよびすりこぎ(pestle)を使用してハンドミル粉
砕し(hand milled)、次いで100メッシュ、200メッシュおよび325メッシュの
スクリーンならびにパンを取付けたRotapに通した。固形物を篩過するまでハンドミル工
程および篩過工程を実施した。次いで組成物を、バッグに詰めて混合し(bag blend)、
顆粒を均質にした。次いで混合した組成物を、標的充填重量100mgにして4号HGC
カプセルにカプセル充填した。このカプセルを、ポリ袋で内張りしたドラム中で光および
水分なしで冷凍して保存した。
【0099】
本明細書中に列挙した全ての文書は、本明細書中で参考として援用される。本発明は、
特定の好ましい実施形態を参照して記載されているが、本発明の本質から逸脱することな
く改変がなされ得ることが理解される。このような改変は、添付の特許請求の範囲に帰す
ることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タナプロゲットおよびその互変異性体および薬学的に許容可能な塩から選択されるミクロ
化化合物、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、
ポビドン、ステアリン酸マグネシウムならびにブチル化ヒドロキシアニソールを含む、医
薬組成物。
【請求項2】
さらに水を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
温度約25℃以上および相対湿度約60%以上において1ヶ月より長い期間にわたって分
解するのが約4%未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.01%〜約25%(wt/wt)を構成する、請求
項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.01%(wt/wt)を構成する、請求項1〜4の
いずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.10%(wt/wt)を構成する、請求項1〜4の
いずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記タナプロゲットが前記組成物の約1%(wt/wt)を構成する、請求項1〜4のいずれ
かに記載の組成物。
【請求項8】
前記タナプロゲットが前記組成物の約5%(wt/wt)を構成する、請求項1〜4のいずれ
かに記載の組成物。
【請求項9】
前記タナプロゲットが前記組成物の約25%(wt/wt)を構成する、請求項1〜4のいず
れかに記載の組成物。
【請求項10】
前記結晶セルロースが前記組成物の約65%〜約90%(wt/wt)を構成する、請求項1
〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記クロスカルメロースナトリウムが前記組成物の約6%(wt/wt)を構成する、請求項
1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記ステアリン酸マグネシウムが前記組成物の約0.25%(wt/wt)を構成する、請求
項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
前記ブチル化ヒドロキシアニソールが前記組成物の約0.10%(wt/wt)を構成する、
請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記ラウリル硫酸ナトリウムが前記組成物の約2%(wt/wt)を構成する、請求項1〜1
3のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記ポビドンが前記組成物の約1.5%(wt/wt)を構成する、請求項1〜14のいずれ
かに記載の組成物。
【請求項16】
前記ミクロ化タナプロゲットの粒子が約10μm未満である、請求項1〜15のいずれか
に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物の粒子が約125μm以下である、請求項1〜16のいずれかに記載の組成物

【請求項18】
組成物の約0.1%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその
塩、約90.05%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロース
ナトリウム、約2%(wt/wt)のラウリル硫酸ナトリウム、約0.1%(wt/wt)のブチル
化ヒドロキシアニソール、約1.5%(wt/wt)のポビドン、および約0.25%(wt/wt
)のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項19】
組成物の約1.0%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその
塩、約89.15%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロース
ナトリウム、約2%(wt/wt)のラウリル硫酸ナトリウム、約0.1%(wt/wt)のブチル
化ヒドロキシアニソール、約1.5%(wt/wt)のポビドン、および約0.25%(wt/wt
)のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項20】
組成物の約5.0%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその
塩、約85.15%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロース
ナトリウム、約2%(wt/wt)のラウリル硫酸ナトリウム、約0.1%(wt/wt)のブチル
化ヒドロキシアニソール、約1.5%(wt/wt)のポビドン、および約0.25%(wt/wt
)のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項21】
組成物の約25%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩
、約65.15%(wt/wt)の結晶セルロース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナ
トリウム、約2%(wt/wt)のラウリル硫酸ナトリウム、約0.1%(wt/wt)のブチル化
ヒドロキシアニソール、約1.5%(wt/wt)のポビドン、および約0.25%(wt/wt)
のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載の組成物を含むカプセル。
【請求項23】
請求項22に記載のカプセルを含む1日投薬量単位を備える、薬学的パック。
【請求項24】
ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容可能なその塩、結晶セルロース、クロスカル
メロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール、ポビド
ンおよびステアリン酸マグネシウムを混合する工程を含む、ミクロ化タナプロゲットまた
は薬学的に許容可能なその塩を含む組成物を調製するためのプロセス。
【請求項25】
前記組成物と水とを混合する工程をさらに含む、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記組成物を乾燥させる工程をさらに含む、請求項24または請求項25に記載のプロセ
ス。
【請求項27】
前記組成物をカプセル中にカプセル充填する工程をさらに含む、請求項24〜26のいず
れかに記載のプロセス。
【請求項28】
前記カプセルがヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルである、請求項27に記載
のプロセス。
【請求項29】
前記カプセルから組成物を取り出す工程、該組成物の粒子サイズを低減させる工程、およ
び該粒子サイズの低減した組成物をカプセル中にカプセル充填する工程をさらに含む、請
求項27または請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記組成物の粒子サイズが125μmよりも大きい、請求項24〜28のいずれかに記載
のプロセス。
【請求項31】
前記組成物の低減した粒子サイズが125μm以下である、請求項29に記載のプロセス


【公開番号】特開2012−254999(P2012−254999A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−169806(P2012−169806)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【分割の表示】特願2008−509120(P2008−509120)の分割
【原出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】