ミクロ構造を形成する方法
本開示は、ミクロ構造を形成する物品及び方法を記載する。方法は、くぼんだ表面を伴う1つ以上のくぼんだ形状を含む構造化表面領域を有する基材を提供する工程を含む。構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。方法は、機能材料及び液体を含む流体組成物を構造化表面領域上に配置する工程を含む。方法は、液体を流体組成物から蒸発させる工程を含む。機能材料は、構造化表面領域の残余が、実質的に機能材料を有さないように、くぼんだ表面上に集まる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年6月30日出願の米国仮出願第61/076,731号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、ミクロ構造を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
導電性材料グリッドを伴う高分子フィルムは、様々な商業的用途を有する。いくつかの用途では、肉眼では見えず又はほぼ見えず、透明な高分子基材上に支持される導電性グリッドを有することが望ましい。透明な導電性シートは、抵抗加熱ウィンドウ、電磁波(EMI)シールド層、静電気消散構成要素、アンテナ、コンピュータディスプレイ用のタッチ画面、及びエレクトロクロミックウィンドウ用、光起電デバイス用、エレクトロルミネッセント素子用、及び液晶表示用の表面電極のための用途を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電性形状を有する基材を記載した。フォトリソグラフィー技術に基づく基材上でのミクロン規模形状のパターン形成は、特に可撓性基材に対して、一貫性のないパターン形成及びパターンサイズに対する上限をもたらしている。特に小さい形状サイズを伴う大きいパターン、及び特に可撓性基材に対して、フォトリソグラフィーを使用せずに一貫した方法で基材上にミクロン規模形状を選択的に形成する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、ミクロ構造を形成するための物品及び方法を記載する。より具体的に、構造化表面領域を有する基材上に機能材料を選択的に配置するための方法を提供する。
【0006】
一態様では、ミクロ構造を形成する方法を提供する。方法は、くぼんだ表面を伴う1つ以上のくぼんだ形状を含む構造化表面領域を有する基材を提供する工程を含む。構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。方法は、機能材料及び液体を含む流体組成物を構造化表面領域上に配置する工程を含む。方法は、構造化表面領域の残余が実質的に機能材料を有さないように、流体組成物から液体を蒸発させる工程、及びくぼんだ表面上の機能材料を収集する工程を含む。
【0007】
別の態様では、ミクロ構造を形成する方法を提供する。方法は、構造化表面領域の表面上に配置される金属層を含む金属化構造化表面領域を含む基材を提供する工程を含む。金属化構造化表面領域は、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を含む。金属化構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。方法は、機能材料及び液体を含む流体組成物を金属化構造化表面領域上に配置する工程を含む。方法は、金属化構造化表面領域の残余が実質的に抵抗材料を有さないように、流体組成物から液体を蒸発させる工程、及びくぼんだ表面上の抵抗材料を収集する工程を含む。
【0008】
別の態様では、ミクロ構造を含む物品を提供する。物品は、構造化表面領域を有する主表面を含む透明な基材を含む。構造化表面領域は、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を備え、実質的に平坦域を有さない。物品は、構造化表面領域と隣接し、接触する導電性材料を含む。物品は、実質的に導電性材料を有さない構造化表面の残余を含む。物品は、接着剤又は屈折率整合材料を含む。接着剤又は屈折率整合材料は、第1の表面及び第2の表面を含む。第1の表面は、構造化表面領域に接触し、第2の表面は、主表面と平行である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】構造化表面領域を有する基材の略図。
【図2A】構造化表面領域の略図。
【図2B】構造化表面領域の略図。
【図2C】構造化表面領域の略図。
【図2D】構造化表面領域の略図。
【図3A1】それぞれ、平坦域を含む2層構造化表面領域、及び塗布されたコーティングを伴う平坦域を含む2層構造化表面領域の略図。
【図3B1】それぞれ、平坦域を含む2層構造化表面領域、及び塗布されたコーティングを伴う平坦域を含む2層構造化表面領域の略図。
【図3A2】それぞれ、構造化表面領域、及び塗布されたコーティングを伴う構造化表面領域の略図。
【図3B2】それぞれ、構造化表面領域、及び塗布されたコーティングを伴う構造化表面領域の略図。
【図4A】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図4B】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図4C】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図4D】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5A】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5B】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5C】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5D】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5E】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6A】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6B】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6C】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6D】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6E】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6F】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7A】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7B】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7C】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7D】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7E】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7F】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7G】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図8】構造化表面領域を含む物品(例えば、可撓性シート)の略図。
【図9】ミクロ構造及び埋め戻し材料を含む物品の略図。
【図10】断面において2層構造を有する構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図11】図12の断面における構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図12】図11の構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図13】構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図14】屈折率整合材料を有する図13のミクロ構造を含む物品の光学顕微鏡写真。
【図15】構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図16】金属エッチング(metal-etch)プロセスを使用する構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図17】導電性インクを使用する構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は具体的な実施形態に関して本明細書に記載されるが、本発明の趣旨から逸脱することなく様々な変更、再構成及び代替を行うことができることが当業者には容易に明らかになるであろう。本発明の範囲はしたがって、本明細書において添付される請求項によってのみ制限される。
【0011】
端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包括される全ての数が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5を含む)。
【0012】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に含まれるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば「化合物」を含有する組成物の言及は、二種以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
【0013】
特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用されている成分の量、性質の測定値などを表す全ての数は、全ての例において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、特に指示がない限り、先行の本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値的パラメータは、本開示の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低でも、各数値的パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法の適用によって少なくとも解釈されるべきである。本開示の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかし、いずれの数値もそれらの試験測定値それぞれにおいて見られる標準偏差から必然的に生じる誤差を本来含有する。
【0014】
本開示のミクロ構造を形成するために有用な基材は、くぼんだ表面を伴う1つ以上のくぼんだ形状を有する構造化表面領域を含み、構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。流体組成物は、基材の構造化表面領域上に配置される。流体組成物は、液体及び機能材料を含む。流体組成物からの液体の少なくとも一部分は、機能基材がくぼんだ表面上に集まるように、蒸発する。流体組成物の体積が、構造化表面領域上で減少するにつれて、構造化表面領域の残余は、実質的に機能材料を有さない状態になる。流体組成物及び基材の構造化表面領域の組み合わせは、液体が流体組成物から蒸発するにつれて、くぼんだ形状への流体組成物のディウェッティングを引き起こし得る。
【0015】
図1は、構造化表面領域10、15を有する基材5を示す。いくつかの実施形態では、基材5は、基材5の異なる領域に位置付けられる構造化表面領域10、15を有することができる。基材5は、主表面輪郭25を有する主表面20を含む。
【0016】
構造化表面領域を有する基材は、例えば、フィルム、シート、ウェブ、ベルト、ローラー、ドラム、リボン、又は他の3次元形状若しくは構造等であり得る。基材は、例えば、高分子材料、金属材料、セラミック材料、又はこれらの組み合わせから形成することができる。基材用に選択される材料は、概して特定の用途のために好適な特性を有する。これらの特性のいくつかとしては、物理的、化学的、光学的、電気的、及び熱的なものが挙げられる。基材用の好適な高分子材料としては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好適な金属材料としては、例えば、インジウム、銀、金、鉛等が挙げられる。好適なセラミック材料としては、例えば、オキシド、窒化物、ホウ化物、炭化物等が挙げられる。
【0017】
基材の構造化表面領域は、概して平均隆起に関して記載することができる。構造化表面領域の平均隆起は、i)突出形状又は貫入形状が欠損していること、ii)構造化表面領域における基材の主表面輪郭と平行であること、及びiii)近隣の突出形状及び貫入形状を画定する点に関して計算可能な平均の隆起と同等である、構造化表面領域の投影面積内の隆起に存在することに関連する想像上の表面として画定することができる。基材の主表面輪郭は、構造化表面領域の突出形状及び貫入形状の形状にかかわらず、基材表面の形状と称することができる。例えば、平坦フィルムは、平坦なシートの形態の平面である、主表面輪郭を有する。本開示では、基材の構造化表面領域内の平均隆起は、点の数によって分割される領域内の点の隆起(例えば、基材の平面に直交する座標に沿ったその位置として画定される任意の点の隆起)の合計として画定することができる。
【0018】
構造化表面領域は、突出形状及び貫入形状を含む。構造化表面領域の突出形状は、概して構造化表面領域の平均隆起の上にある表面点を有する形状として記載することができる。構造化表面領域の貫入形状(例えば、くぼんだ形状)は、概して構造化表面領域の平均隆起の下にある表面点を有する形状として記載することができる。いくつかの実施形態では、構造化表面領域の表面との平均隆起の交点自体を、概して突出形状と貫入形状との間の境界として記載することができる。
【0019】
図2A〜Dは、平均隆起27、43、58、69を有する構造化表面領域31、41、56、66Aを含む基材10、40、55、66のいくつかの例をそれぞれ示す。平均隆起27、43、58、69は、突出形状30、50、65、67上にある点の隆起と隣接した貫入形状35、45、60、68上にある点の隆起との間にある。より具体的に、図2Aは、角柱又は角錘型突出形状30を含む構造化表面領域31を示す。図2Bは、半球形突出形状50等を含む構造化表面領域41を示す。図2Cは、銃弾様突出形状65を含む構造化表面領域56を示す。図2Dは、突出平坦域形状68を含む2層構造化表面領域66Aを示す。
【0020】
場合によっては、構造化表面領域を含む基材は、湾曲を比較的有さない形状(例えば、平坦な形状)を有することができる。湾曲を比較的有さない形状は、本明細書において平坦として称される。いくつかの平坦な形状は、概して基材の主表面輪郭と平行であるようにも記載することができる。後者の平坦な形状は、本明細書において「平坦かつ平行」と称される。他の実施形態では、平坦な形状は、主表面輪郭に対して歪んでいる又はほぼ非平行であり得る。平坦な形状のいくつかの部分は、概して100m−1未満、1m−1未満、又はさらに0.1m−1未満である湾曲を有することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、平坦かつ平行の領域が「ランド」領域と称され得るように、突出形状と組み合わせて、平坦かつ平行である拡張面積を含むように記載することができる。拡張とは、平坦かつ平行の「ランド」領域又は面積が複数の突出形状の基端に沿って存在することを意味する。いくつかの実施形態では、拡張された平坦かつ平行の「ランド」領域は、例えば、直径Dより大きい寸法によって離間される直径Dの突出半球の六角形アレイのそれぞれを囲む平坦な「ランド」領域の場合のように、1つ以上の突出形状を囲む。いくつかの実施形態では、基材の構造化表面領域は、貫入形状又はくぼんだ形状と組み合わせて、平坦かつ平行な拡張面積を含むように記載することができる。いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、表面が主表面輪郭に対して湾曲を有する又は歪んでいるように、概して平坦かつ平行の部分を欠損しているように記載することができる。他の実施形態では、主表面輪郭に対して湾曲を有し、歪んでいる表面の組み合わせは、概して平坦かつ平行の部分を欠損している構造化表面領域に対して記載される。一般的に、平坦かつ平行の部分又は表面積を有する突出形状は、本明細書において「平坦域」として記載される。
【0022】
構造化表面領域を有する基材は、概して突出形状及び貫入形状の組み合わせを含む。これらの形状のいくつかは、構造化表面領域上に配置される流体組成物を除去すること又は保持することの組み合わせを除去、保持、又は提供するように機能することができる。突出又は貫入形状の表面は、滑らか、部分的に滑らか、非平坦、又はこれらの組み合わせであり得る。形状は、ナノ複製、ミクロ複製、マクロ複製等であることができる。いくつかの構造化表面領域は、米国特許第6,649,249号(Engleら)及び米国特許第7,105,809号(Woodら)において同様に記載される、ナノ複製、ミクロ複製、及びマクロ複製された形状及びパターンを含むことができる。いくつかの実施形態では、基材の構造化表面領域は、一定又は無作為な形状を含むことができる。これらの形状は、構造化表面領域にわたって空間的に位置することができる。
【0023】
貫入形状を有する構造化表面領域は、くぼんだ形状又は凹部と称され得る。くぼんだ形状は、例えば、凹部、ウェル、空洞、領域、ポケット、チャネル等と称され得る。くぼんだ表面を有するくぼんだ形状は、流体組成物、及び液体の蒸発後の機能材料を保持するための、構造化表面領域内又はその上の場所を提供する。くぼんだ形状は、直径、半径、高さ、幅、及び長さ等の寸法を伴う体積を有することができる。流体組成物は、構造化表面領域上又はその中に位置する壁及び他の形状によって保持することができる。くぼんだ形状の基部(例えば、最も低い隆起)は、概して平均隆起から最も遠くにある点を有するくぼんだ形状内の場所を指すことができる。いくつかの実施形態では、くぼんだ形状は、隣接した突出形状によって別のくぼんだ形状から離れて位置付けることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、中間のくぼんだ形状(例えば、中間の隆起を有するくぼんだ形状)を含む。中間のくぼんだ形状は、概して平均隆起の下にある点を有し、1つ以上のくぼんだ形状の隆起に対する中間の隆起を有する貫入形状として記載することができる。例えば、構造化表面領域は、第1の隆起を有する第1のくぼんだ形状、及び第2の隆起を有する第2のくぼんだ形状を提供することができる。第1の隆起は、第1の隆起が第2の隆起より大きいように、第2の隆起と区別することができる。第2のくぼんだ形状の第2の隆起は、中間のくぼんだ形状であり得る。
【0025】
構造化表面領域の突出形状は、他の平坦な表面領域から離れる逸脱又は偏位を表す形状であり得る。構造化表面領域の突出形状は、基材への流体組成物の流量及び送達に影響を与え得る。いくつかの実施形態では、突出形状は、くぼんだ形状を分離し、液体が流体組成物から蒸発するにつれて、くぼんだ形状への流体組成物の動きに対する方向を誘導する又は提供することができる。実質的に平坦域を有さない構造化表面領域は、流体組成物の流量、及びくぼんだ形状への機能材料のその後の収集に影響を与え得る。構造化表面領域上又はその中に位置付けられる突出形状のいくつかの例としては、例えば、ピーク、結節、柱、こぶ、隆起部等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。隆起部の例としては、例えば、平坦な表面上に長方形の平坦な面を下にして半円筒を配列することによって画定される、丸い上部を伴う隆起した線状形状が挙げられる。隆起部のいくつかの他の例としては、平坦な表面上に平坦な面を下にして三角形の角柱を配列することによって画定される、先の尖った頂点及び2つの小平面を伴う隆起した線状形状が挙げられる。
【0026】
「実質的に平坦域を有さない」構造化表面領域は、概して上記で画定されるように、平坦かつ平行なそれらの表面積の一部分を含む突出形状を欠損している又は実質的に欠損していると称され得る。好ましい実施形態では、構造化表面領域は、平坦域を含有しない。「実質的に平坦域を有さない」構造化表面領域は、くぼんだ表面上への流体組成物に含有される機能材料の配置を制御するために特に効果的である。本開示の構造化表面領域は、液体が流体組成物から蒸発するにつれて、流体組成物がくぼんだ形状へ流れる又は方向付けられるように、流体組成物と組み合わせて選択することができる。流体組成物の体積が、構造化表面領域の突出形状から減少する又はディウェットするにつれて、機能材料は、突出部によって方向付けられるようにくぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができる。平坦域ではない突出形状は、突出形状が、くぼんだ形状に流体組成物の機能材料を単離するように機能する限り、平坦かつ平行なその表面の一部分を、ある程度、例えば、原子スケールで含むことが可能であることが当業者によって理解されるであろう。
【0027】
構造化表面領域を記載した。突出形状及び貫入形状の組み合わせを有する構造化表面領域のいくつかの好適な例としては、線状角柱、角錐、半楕円体、円錐、非線状角柱等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、線状角柱としては、例えば、三角形の角柱、五角形の角柱等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、角錐は、例えば、四角錐、五角錐、六角錐等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。線状角柱を含むような表面の説明は、表面トポグラフィーが、平坦な表面への線状角柱の融合から生じるものであることを意味し、平坦な表面への各線状角柱の接触表面は、角柱の軸に平行である面である。角錐を含むような表面の説明は、表面トポグラフィーが、平坦な表面への角錐の融合から生じるものであることを意味し、角錐の接触表面は、角錐の面である。
【0028】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域の形状は、階層的であると記載することができる。例えば、構造化表面領域内において、くぼんだ形状は、くぼんだ形状の表面又は壁上、くぼんだ形状の隆起した領域、又はくぼんだ形状内に位置付けられる、無作為な、部分的に無作為な、又は正確に離間された形状を有することができる。くぼんだ形状の表面は、例えば、くぼんだ形状自体に特有のものより短い長さスケールでの突出形状を含むことができる。本明細書におけるいくつかの内容では、突出形状及び貫入形状は、一般的にトポグラフィー形状と称される。
【0029】
平坦域ではない突出形状は、頂点での湾曲又は鋭さにおいて異なり得る。鋭さは、例えば、120度未満、さらに90度未満、さらに45度未満、又はさらに20度未満の角度で頂点で合流する2つ以上の小平面によって画定される突出形状の結果として記述可能な1つの極端までの最高範囲であり得る。鋭さは、突出部が、例えば、約150m−1(約6.7mmの湾曲の半径)の湾曲を伴う円筒、球体、又は楕円体のその頂点を有する別の極端までの最低範囲であり得る。平坦域ではない突出形状の頂点の鋭さは、前述の極端の間に存在してもよい。
【0030】
くぼんだ形状の他の例としては、角度のある平面凹部を有する円錐形のくぼんだ形状、及び角度のある平面壁を伴う切頭角錐のくぼんだ形状が挙げられる。いくつかの実施形態では、構造化表面領域のくぼんだ形状は、実質的に平坦域を有さない突出形状によって相互から別々に位置することができる。突出形状及び貫入形状の組み合わせは、流体組成物のディウェッティングを促進し、方向付けることができる。液体が除去されるにつれて、機能材料は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができ、構造化表面領域の残余(例えば、突出領域)は、実質的に機能材料を有さない状態にすることができる。
【0031】
構造化表面領域の形状のいくつかは、ナノスケール、ミクロスケール、マクロスケール等で形成される又は位置付けることができる。同様に、形状は、突出形状、貫入形状等、又はこれらの組み合わせの表面上に提供することができる。概して、構造化表面領域は、形状の少なくとも2つの寸法が顕微鏡で見えるような形状を含む。ミクロの形状は、肉眼でその形状を判別するのに視覚補助具が必要であるほどに十分に小さい。いくつかの実施形態では、トポグラフィー形状の寸法は、3つの可能な寸法のうち少なくとも2つにおいて(構造化表面領域の平面の中/外において、及び構造化表面領域の平面に沿った各方向において)約1ミリメートル以下までの最高範囲であり得る。他の実施形態では、トポグラフィー形状の寸法は、3つの可能な寸法のうち少なくとも2つにおいて約500マイクロメートルまでの最高範囲であり得る。更なる他の実施形態では、トポグラフィー形状の寸法は、3つの可能な寸法のうち少なくとも2つにおいて約250マイクロメートルまでの最高範囲であり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域の一部として、トポグラフィー形状の1つ以上の寸法は、所望の大きさ未満であることが好ましい。例えば、いくつかの実施形態では、チャネルの形態のくぼんだ形状の幅は、100マイクロメートル未満、より好ましくは50マイクロメートル未満、さらにより好ましくは25マイクロメートル未満、及び最も好ましくは10マイクロメートル未満であることが好ましい。
【0033】
トポグラフィー形状は、所望の特徴的長さ(既定の方向に沿って測定される長さ等)及び所望の形状付けられた密度(構造化表面領域の単位投影面積当たりの形状)を有してもよい。いくつかの実施形態では、形状は、3つの直行方向における(例えば、構造化表面領域の平面に垂直、及び構造化表面領域の平面に沿う2つの直行方向のそれぞれにおける)その寸法が同等であるため、全てその特徴的長さと同等であり得る。いくつかの実施形態では、形状は、1つ以上の方向における特徴的長さが、他の方向におけるその寸法より幾分長い又はさらにより長いものであり得る。いくつかの実施形態では、形状は、1つ以上の方向における特徴的長さが、他の方向におけるその寸法より幾分短い又はさらにより短いものであり得る。トポグラフィー形状に対する特徴的長さの例としては、チャネルの長さ、チャネルの幅、半球形突出部の幅、隆起部の長さ、隆起部の幅、角錘突出形状の高さ、及び半球形突出形状の高さが挙げられる。
【0034】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域のトポグラフィー形状は、500マイクロメートル以下の1つ以上の方向における特徴的長さを有する。他の実施形態では、特徴的長さは、100マイクロメートル以下であり、他の実施形態では、1つ以上の方向における特徴的長さは、10マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、1つ以上の方向における特徴的長さは、少なくとも1ナノメートルである。他の実施形態では、1つ以上の方向における特徴的長さは、少なくとも10ナノメートルであり、別の実施形態では、特徴的長さは、少なくとも100ナノメートルである。いくつかの実施形態では、構造化表面領域の1つ以上のトポグラフィー形状の1つ以上の方向における特徴的長さは、約500マイクロメートル〜約1ナノメートルの範囲、他の実施形態では、約100マイクロメートル〜約10ナノメートルの範囲、及び更なる他の実施形態では、約10マイクロメートル〜約100ナノメートルの範囲にある。異なる実施形態は、前述の特徴的長さ及び形状の記述(例えば、隆起部、チャネル、半球、及び角錐の幅、長さ、及び高さ)との前述の値及び値の範囲の組み合わせから生じる。
【0035】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域のトポグラフィー形状密度は、1平方ミリメートル(mm2)当たり少なくとも10の形状又はそれ以上の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、1mm2当たり100の形状以上を超えるトポグラフィー形状密度、他の実施形態では、1mm2当たり1,000の形状以上を超えるトポグラフィー形状密度、及び他の実施形態では、1mm2当たり10,000の形状を超えるトポグラフィー形状密度を有することができる。トポグラフィー形状密度の例として、115マイクロメートルで両反復方向に離間される100マイクロメートルの半球形突出形状の正方形アレイを有する構造化表面領域は、1mm2当たり約75の突出形状の突出形状密度を有する。同じ形状に対して、隣接した半球の間にある狭いくぼんだチャネルの密度は、1mm2当たり約150である。
【0036】
いくつかの実施形態では、トポグラフィー形状は、構造化表面領域をわたるアレイ(例えば、1次元アレイ又は2次元アレイ、例えば、正方形アレイ又は六角形アレイ)として分配される。そのような実施形態のいくつかでは、構造化表面領域のトポグラフィー形状の寸法の均一性(例えば、再現性)が高いことが好ましい。均一性の測定として、繰り返し形状の特定の寸法の長さの標準偏差は、好ましくはその長さの平均大きさの25パーセント未満、より好ましくは10パーセント未満、さらにより好ましくは5パーセント未満である。いくつかのそのような実施形態では、構造化表面領域のトポグラフィー形状の密度の均一性が高いことが好ましい。構造化表面領域におけるトポグラフィー形状の密度に対する高い均一性の測定として、構造化表面領域自体の10分の1以上を有さない準領域に対して測定される、トポグラフィー形状の密度の標準偏差は、好ましくは25パーセント未満、より好ましくは10パーセント未満、最も好ましくは5パーセント未満である。
【0037】
いくつかの実施形態では、構造化基材領域の形状は、定期的に繰り返して、無作為に等、又はこれらの組み合わせで存在し得る。他の実施形態では、形状は、構造化表面領域の面積全体の一部分にわたって存在する又は構造化表面領域の面積全体にわたって存在することができる。いくつかの実施形態では、形状は、構造化表面領域のくぼんだ形状に存在するか、構造化表面領域の突出形状上に存在する等、又はこれらの組み合わせで存在することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、貫入形状及び突出形状が概して均一であるように、1つ以上の貫入形状(例えば、くぼんだ形状)を含む。いくつかの実施形態では、構造化表面領域の貫入形状及び突出形状は、不均一である。例えば、構造化表面領域は、構造化表面領域の一部分にわたって異なる寸法を有する貫入形状及び突出形状を有することができる。いくつかの実施形態では、第1のセットの貫入形状及び突出形状は、第1のセットの寸法を有することができ、第2のセットの貫入形状及び突出形状は、第2のセットの寸法を有することができる。第1のセットの貫入形状及び突出形状並びに第2のセットの貫入形状及び突出領域は、基材の構造化表面領域にわたって均一に分布される又は無作為に分布することができる。いくつかの実施形態では、流体組成物は、流体組成物を保持するために好適な寸法を有するくぼんだ形状の一部分に存在することができる。
【0039】
一実施形態では、構造化表面領域を有する基材は、米国特許出願第11/283,307号(Richardら)において記載される輝度強化フィルム(BEF)であり得る。別の実施形態では、構造化表面領域を有する基材は、米国特許出願第11/193,052号(US20070024994)において記載される角錐を含む表面を伴うポリマーフィルムであり得る。別の実施形態では、構造化表面領域を有する基材は、Leister Process Technologies,Axetris Microsystems Division of Riedstrasse,SwitzerlandよりMICRO OPTICS MICROLENS ARRAYの商品名で市販されているマイクロレンズフィルムであり得る。マイクロレンズアレイは、米国特許第5,300,263号(Hoopmanら)、米国特許第5,439,621号(Hoopman)、及び米国特許出願公開第2006/0072199号(Morishitaら)において記載されている。一実施形態では、基材は、マイクロ複製された基材を含む。
【0040】
流体組成物がくぼんだ形状へ流れるように促進する又は提供する形状を伴う構造化表面領域を有する基材を選択することができる。液体が、構造化表面領域上に配置される流体組成物から蒸発するにつれて、流体組成物は、毛細管圧勾配のために構造化表面領域の突出形状からディウェットすることができる。毛細管圧勾配は、流体組成物が構造化表面領域上で乾燥するにつれて形成する湾曲の気液界面の結果として形成することができる。突出形状からの流体組成物のディウェッティングは、流体組成物のレオロジー(例えば、粘度)及び表面張力並びに基材の表面エネルギーを調整することによって操作することができる。流体組成物からの液体の蒸発中、流体組成物によって占有される体積は、減少し得、機能材料をくぼんだ表面を有するくぼんだ形状内に付着させる。
【0041】
本開示の方法では、流体組成物は、構造化表面を有する基材上に配置される。流体組成物は、機能材料及び液体を含む。液体は、概して機能材料と反応しない。液体は、流体組成物の体積が、最初に構造化表面領域上に配置されたときの流体組成物の体積に対して減少し、機能材料の濃度が増加するように、流体組成物から蒸発する。流体組成物は、構造化表面領域の突出領域からディウェットする。流体組成物は、くぼんだ形状の少なくとも一部分へ流れ、突出領域から離れて流れる又は方向付けられる。機能材料は、液体の蒸発中、くぼんだ形状のくぼんだ表面の少なくとも一部分に集まる。構造化表面領域の残余は、実質的に機能材料を有さない状態になる。
【0042】
いくつかの実施形態では、流体組成物は、流体組成物の表面張力が、基材の構造化表面領域の表面エネルギーに一致するように、調合することができる。これにより、基材の構造化表面領域上への流体組成物の低接触角及び強い湿潤を引き起こすことができる。結果として、流体組成物は、液体が蒸発するにつれて、突出領域(例えば、ピーク)から流れる傾向があり、突出領域を実質的に流体組成物を有さない状態にする。「実質的に有さない」という用語は、基材の突出領域上に存在する、蒸発後の流体組成物の残余の5重量%未満を指す。いくつかの実施形態では、流体組成物の1パーセント未満は、基材の突出領域上に存在することができる。液体が蒸発するにつれて、機能材料は、構造化表面領域のくぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができる。
【0043】
液体組成物の好適な液体としては、機能材料を溶解、分散、又は懸濁するために好適な液体が挙げられる。液体のいくつかの例としては、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、芳香族炭化水素等、及びこれらの混合物を挙げることができる。液体は、流動性材料、又は例えば、23℃以上の溶融固体であり得る。流体組成物のレオロジー及び表面エネルギーは、概して流体組成物を構造化表面領域上に配置するために十分である。液体は、液体が流体組成粒から蒸発することができるように、沸点を有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、液体は、流体組成物中に存在する1つ以上の液体の混合物であり得る。液体は、概して構造化表面領域への流体組成物の用途のために、十分に溶解、懸濁、又は分散することが可能である。
【0045】
流体組成物の機能材料は、構造化基材領域の化学的又は物理的修正のために好適な材料であり得る。機能材料は、金属、金属前駆体、無電解めっき触媒、無電解めっき触媒前駆体、マスク材料、生物材料、天然油、脂肪族炭化水素等又はこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0046】
流体組成物における機能材料の濃度は、多数の要因に基づいて選択される。考慮すべきこれらの要因のいくつかとしては、流体組成物の表面張力、構造化表面領域のくぼんだ形状における機能材料の所望の厚さ、構造化表面領域上のポグラフィー形状の寸法、及び構造化表面領域の表面エネルギーが挙げられるが、これらに限定されない。機能材料は、単一の材料又は複数の材料を含むことができる。
【0047】
流体組成物は、異なる技術によって基材の構造化表面領域上に配置又は塗布することができる。好適な技術としては、例えば、飽和又は浸水技術、スプレーコーティング、カーテンコーティング、スライドコーティング、フラッドコーティング、ダイコーティング、ロールコーティング、付着、又は他の周知のコーティング若しくは塗布方法が挙げられる。くぼんだ形状を選択的に充填する又は部分的に充填するための量で構造化表面領域の一部分上に均一又は非均一に流体組成物を配置する技術を選択することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域上に配置されている流体組成物は、くぼんだ形状を充填し、構造化表面領域の残余(すなわち、突出形状)をあふれさせる。他の実施形態では、流体組成物は、構造化表面領域上に配置され、くぼんだ形状の一部分を充填する。別の実施形態では、流体組成物は、空気間隙が、くぼんだ表面の少なくとも一部分とくぼんだ形状内に配置される流体組成物との間に存在するように、くぼんだ表面を有するくぼんだ形状の一部分を占有する。構造化表面領域のトポグラフィー形状(くぼんだ形状及び突出形状を含む)は、流体組成物の全てを受容する又はその一部分のみを受容することが可能な異なる寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、構造化表面領域のトポグラフィー形状の一部分は、流体組成物の空所であり得る。
【0049】
流体組成物は、少なくとも50重量%の液体、少なくとも60重量%の液体、又は少なくとも70重量%の液体を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体組成物は、99重量%までの液体、98重量%までの液体、又は97重量%までの液体を含むことができる。流体組成物の液体は、50〜99重量%の範囲、60〜98重量%、又は70〜97重量%の範囲であり得る。
【0050】
液体は、基材の構造化表面領域上に配置される流体組成物から蒸発する。液体が流体組成物から蒸発するにつれて、流体組成物の体積は減少し、機能材料はくぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まる。機能材料は、機能材料が、くぼんだ表面に接触する別の媒質中にさらに分散されても、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができる(他の媒質の例は、ポリマー結合剤である)。液体が流体組成物から蒸発するにつれて、機能材料は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができ、構造化表面領域の残余は、実質的に機能材料を有さない状態にすることができる。「液体を蒸発させる」という用語は、液体の少なくとも一部分を除去すること、又は実質的に液体の全てを流体組成物から除去することを指す。流体組成物から蒸発する液体は、流体組成物における液体の総重量の少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、又は少なくとも50重量%であり得る。いくつかの実施形態では、流体組成物から蒸発する液体は、99重量%まで、98重量%まで、又は97重量%までであり得る。流体組成物から蒸発する液体は、流体組成物における液体の総重量に基づいて、50〜99重量%の範囲、60〜98重量%の範囲、又は70〜97重量%の範囲であり得る。流体組成物の液体は、周囲条件下で低温で容易に除去することができる又はそれは高温で除去することができる。
【0051】
図3A1は、コーティングし、めっきをする前の平坦域73及びくぼんだ形状75を含む構造化表面領域71を有する基材70を示す。図3B1は、液体及び機能材料を含む流体組成物でコーティングし、液体を蒸発させ、その後、ミクロ構造76を形成するためにめっきをした後の基材70を示す。ミクロ構造76は、構造化表面領域の平坦域73上及びくぼんだ形状75内に位置付けられる。光学顕微鏡写真、図10は、基材の平坦域及び凹部上に配置された機能材料を有する2層基材の断面図を示す。
【0052】
図3A2は、突出形状83、及びくぼんだ形状86のくぼんだ表面85を含む構造化表面領域81を有する基材80を示す。図3B2は、液体及び機能材料を含む流体組成物でコーティングし、液体を蒸発させ、その後、ミクロ構造88を形成するためにめっきをした後の基材80を示す。ミクロ構造88は、くぼんだ形状86内及びくぼんだ表面85上に位置付けられる。コーティングし、めっきをした後の突出形状83は、実質的にミクロ構造88を有さない。光学顕微鏡写真、図11は、輝度強化フィルムのくぼんだ形状に配置された機能材料を有する実施例1(図12)の断面図を示す。
【0053】
図3B1及び図10は、構造化表面領域の平坦域上及びくぼんだ形状内に存在する機能材料を示す。対照的に、図3B2及び図11は、本開示において記載される実質的に平坦域を有さない構造化表面領域のくぼんだ形状内に存在する機能材料を示す。
【0054】
液体は、異なる技術によって流体組成物から蒸発することができる。液体を除去するためのいくつかの好適な蒸発方法としては、例えば、対流、減圧、加熱、又は他の周知の方法が挙げられる。
【0055】
本開示の方法の一実施形態では、機能材料は、金属又は金属前駆体である。金属又は金属前駆体は、基材の構造化表面領域上に導電性ミクロ構造を形成するために有用であり得る。金属のいくつかの好適な例としては、例えば、銀、ニッケル、白金、金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、アルミニウム、亜鉛、鉄、タングステン、モリブデン、ルテニウム、鉛ビスマス、及び同様の金属が挙げられる。有用ないくつかの好適な金属前駆体としては、例えば、カルボキシレート、アルコキシド、又は上述の金属の組み合わせが挙げられる。金属前駆体は、配位子を排除する処理中に金属、金属酸化物、又は混合金属酸化物に変換することができる。
【0056】
一実施形態では、流体組成物は、導電性インクを含む。導電性インクは、金属又は金属前駆体を含むことができる。好適な導電性インクは、金属の液体若しくは液体散液、金属合金、又はこれらの混合物を含む。導電性インクに有用な金属及び金属合金のいくつかの例としては、例えば、米国特許公開第2003/0108664号(Kodasら)において同様に記載される、銀、スズ、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
導電性インクは、例えば、500nm未満、400nm未満、250nm未満、100nm未満、又は50nm未満の平均粒子サイズを有するナノ粒子を含むことができる。ナノ粒子は、概して非凝集であることが好ましい。ナノ粒子は、任意に表面処理することができる。表面処理を使用して、ナノ粒子の凝集及びクラスタ化を防止することができ、導電性インクの安定性及び構造化表面領域上への配置に役立つ。
【0058】
いくつかの実施形態では、導電性インクは、高分子材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、高分子材料としては、2つ以上のポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンドが挙げられる。好適な高分子材料は、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーであり得る。高分子材料としては、例えば、導電性ポリマー、非導電性ポリマー、又はこれらの組み合わせが挙げられる。好適な導電性ポリマーとしては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリアニリン(PAni)、ポリピロール(PPy)、ポリチオフェン(PT)、ポリジアセチレン、ポリアセチレン(PAc)、ポリイソチアナフテン(PITN)、ヘテロアリーレン基が、例えば、チオフェン、フラン、又はピロールであり得るポリヘテロアリーレン−ビニレン(PArV)、ポリ−p−フェニレン(PpP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリペリナフタレン(PPN)、ポリフタロシアニン(PPc)、及びこれらの誘導体、これらのコポリマー等、並びにこれらの物理的混合物が挙げられる。好適な熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリイミド、ポリオレフィン、アクリル、スチレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な熱硬化性ポリマーとしては、例えば、ポリアミド、ポリエポキシド、フェノールポリマー、ポリイミド、アクリルポリマー、ポリウレタン、及びシリコーンポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、導電性ポリマーと熱硬化性及び/又は熱可塑性ポリマーの混合物を使用することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、導電性インクは、例えば、金属ナノ粒子を分散し、ポリマーを溶解するために十分な量の液体を含む。好適な液体としては、例えば、水、有機液体(例えば、モノ、ジ、若しくはトリエチレングリコール又は高級エチレングリコール、プロピレングリコール、そのようなグリコールの1,4−ブタンジオール又はエーテル、チオジグリコール、グリセロール並びにそのエーテル及びエステル、ポリグリセロール、モノ、ジ、及びトリエタノールアミン、プロパノールアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレンカーボネート)等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。他の有機液体としては、例えば、エステル、アセテート等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、液体はケトンである。いくつかの実施形態では、液体はアルコールである。
【0060】
いくつかの実施形態では、高分子材料は、液体を流体組成物から蒸発させた後に硬化させる。高分子材料は、液体を除去すること、固くすること、又は高分子材料を架橋することによって「硬化」することができる。いくつかの実施形態では、高分子材料は、高分子材料の鎖延長及び/又は架橋を容易にするために架橋剤又は添加剤を含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、くぼんだ形状内に配置された導電性インクを伴う構造化表面領域は、接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。「埋め戻し」は、概して材料でのくぼんだ形状の充填を指す。
【0062】
埋め戻しは、機能材料で占有されていないくぼんだ形状の体積を充填する工程を含むことができる。他の実施形態では、埋め戻しは、くぼんだ形状の一部分を充填することを含み、更なる実施形態では、埋め戻しは、構造化表面領域のくぼんだ形状及び突出領域(例えば、ピーク)を過剰充填する工程を含む。くぼんだ形状における機能材料の配置後に構造化表面領域を埋め戻す理由がいくつか存在し得る。透明な基材の場合、光が、基材の構造化表面領域を通過する際の屈折又は反射の効果を回避することが望ましい場合がある。これは、基材と同じ又は同様の屈折率(すなわち、屈折率が整合した)を有する材料で構造化表面領域を埋め戻すことによって到達することができる。任意に、埋め戻し材料は、構造化表面領域を画定する基材の材料と同じであり得る。あるいは、例えば、環境劣化から機能材料を保護するために、構造化表面領域を埋め戻すことは有用であり得る。最後に、構造化表面領域を伴う基材を含む最終物品の表面を滑らかにするために、構造化表面領域を埋め戻すことが望ましい場合がある。
【0063】
埋め戻しのために有用な接着剤又は屈折率整合材料は、導電性インク、高分子材料を有する導電性インク、又は硬化高分子材料を有する導電性インクを含む構造化表面領域に塗布することができる。接着剤又は屈折率整合材料は、概して基材の屈折率と同じ又は実質的に同じ屈折率を有するため、構造化表面領域を有する基材を通過する光の反射又は屈折がほとんどない又はない。いくつかの実施形態では、埋め戻されたくぼんだ形状を有する基材は、透明である。接着剤又は屈折率整合材料等の好適な材料としては、光波長の所望の範囲にわたって透明である熱可塑性及び熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0064】
基材と接着剤又は屈折率整合材料との屈折率の差異は、0.2まで、0.1まで、0.05まで、又は0.01までであり得る。基材と接着剤又は屈折率整合材料との屈折率の差異は、好ましくは低くても0.005、より好ましくは低くても0.001、より好ましくは低くても0.0005、及びさらにより好ましくは低くても0.0001であり得る。いくつかの実施形態では、基材の屈折率と接着剤又は屈折率整合材料の屈折率との差異は、0.0001〜0.2、0.0005〜0.1、0.001〜0.05の範囲、又は0.005〜0.01の範囲であり得る。
【0065】
これらの埋め戻し材料は、無定形、結晶性、又は半結晶性であり得、例えば、ホモポリマー、コポリマー、又はこれらのブレンドを含むことができる。好適な材料は、ポリ(カーボネート)(PC);シンジオタクチック(光学的等方性の形態で使用されない)及びアイソタクチックポリ(スチレン)(PS);C1〜C8アルキルスチレン;ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)及びPMMAコポリマーを含む、アルキル、芳香族、及び脂肪族環含有(メタ)アクリレート;エトキシル化及びプロポキシル化(メタ)アクリレート;多官能性(メタ)アクリレート;アクリレート化エポキシ;エポキシ;及び他のエチレン性不飽和物質;環状オレフィン及び環状オレフィン性コポリマー;アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS);スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN);エポキシ;ポリ(ビニルシクロヘキサン);PMMA/ポリ(ビニルフロライド)ブレンド;ポリ(フェニレンオキシド)合金;スチレン系ブロックコポリマー;ポリイミド;ポリサルフォン;ポリ(塩化ビニル);ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS);ポリウレタン;飽和ポリエステル;低複屈折性ポリエチレンを含む、ポリ(エチレン);ポリ(プロピレン)(PP);ポリ(アルカンテレフタレート)、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET);ポリ(アルカンナフタレート)、例えば、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN);ポリアミド;アイオノマー;ビニルアセテート/ポリエチレンコポリマー;セルロースアセテート;セルロースアセテートブチレート;フルオロポリマー;ポリ(スチレン)−ポリ(エチレン)コポリマー;ポリオレフィン性PET及びPENを含む、PET及びPENコポリマー;並びにポリ(カーボネート)/脂肪族PETブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。(メタ)アクリレートという用語は、対応するメタクリレート又はアクリレート化合物のいずれかとして定義される。
【0066】
図4Aは、構造化表面領域105を有する基材100を示す。図4Bは、構造化表面領域105上に配置された液体及び金属又は金属前駆体を含む流体組成物110を有する基材100を示す。図4Cは、流体組成物110の金属又は金属前駆体が、くぼんだ形状115のくぼんだ表面112上に集まるように液体を蒸発させた後の流体組成物110の金属又は金属前駆体を有する基材を示す。図4Dは、接着剤又は屈折率整合材料120及び流体組成物110の金属若しくは金属前駆体又は流体組成物110の金属前駆体由来の金属の界面125を提供する、流体組成物110の金属若しくは金属前駆体、又は流体組成物110の金属前駆体由来の金属を封入する接着剤若しくは屈折率整合材料120で基材100を埋め戻すことを示す。
【0067】
いくつかの実施形態では、導電性インク、高分子材料を含む導電性インク、又はくぼんだ形状内に収集される硬化高分子材料を含む導電性インクは、無電解にめっきされる。無電解めっきは、本開示内で以下に記載する。
【0068】
いくつかの実施形態では、導電性インク、高分子材料を含む導電性インク、又はくぼんだ形状内に収集される硬化高分子材料を含む導電性インクは、電解でめっきされる。電解めっきは、Mohler,J.B.,Electroplating and Related Processes,Chemical Publishing Company,New York(1969)、米国特許第5137611号(Robertsら)、及び米国特許第6,632,343号(Farnsworthら)において記載される。
【0069】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域の無電解にめっきされた導電性インク、高分子材料を有する無電解にめっきされた導電性インク、又は硬化高分子材料を有する無電解にめっきされた導電性インクは、上述のように接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。
【0070】
本開示の方法のいくつかの実施形態では、機能材料は、無電解めっき触媒である。他の実施形態では、機能材料は、無電解めっき触媒前駆体である。いくつかの好適な無電解めっき触媒としては、例えば、パラジウム、白金、ロジウム、銀、金、銅、ニッケル、コバルト、鉄、及びスズ、並びに元素の相互の又は他の元素との合金及び化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、無電解めっき触媒は、銀、白金等、又はこれらの組み合わせを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、機能材料は、無電解めっき触媒前駆体である。好適な無電解めっき触媒前駆体としては、例えば、アルコキシド、カルボキシレート、並びにパラジウム、白金、ロジウム、銀、金、銅、ニッケル、コバルト、鉄、及びスズのハロゲン化物、並びに元素の相互の又は他の元素との合金及び化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、無電解めっき触媒前駆体は、パラジウムアセテートを含む。いくつかの実施形態では、無電解めっき触媒前駆体は、パラジウム2,4−ペンタンジオナト等のパラジウムジケトナートを含む金属有機パラジウム化合物を含む。無電解めっき触媒前駆体は、以下に記載される変換工程によって無電解めっき触媒に変換することができる。
【0072】
無電解めっき触媒を含む流体組成物は、構造化表面領域上に配置することができる。上述のように、液体は、流体組成物から蒸発し、機能材料は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まる。くぼんだ形状のくぼんだ表面上に収集される無電解めっき触媒は、導電性材料で無電解にめっきすることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に収集される無電解めっき触媒は、例えば、無電解めっき浴で無電解にめっきされる。無電解めっき又は付着は、金属等の導電性材料の自己触媒めっきのためのプロセスを指す。このプロセスは、典型的には可溶性形態の付着金属を還元剤とともに含有する無電解めっき溶液の使用を伴う。可溶性形態の付着金属は、通常は、イオン種又は無機錯体(すなわち、1つ以上の配位子に配位した金属種)である。無電解析出は、コーティングされている加工物への電流印加を必要としない。無電解めっきのプロセスは、Electroless Plating−Fundamentals and Applications,ed.G.O.Norwich(1990)においてMallory及びJ.B.Hajduによって記載されている。
【0074】
無電解めっきに伴う工程のいくつかは、触媒表面を伴う構造化表面領域(すなわち、無電解めっき触媒)を調製する工程、及び構造化表面領域を有する基材を適切なめっき浴へ浸漬する工程を含む。無電解めっき触媒の触媒表面は、無電解めっき溶液から金属の付着を触媒する。開始されると、めっきは、それ自体の金属表面によって触媒される溶液金属源の継続的還元によって進展し、そのため、「自己触媒」という用語がある。無電解めっきを用いて形成可能な金属付着物には、例えば、銅、ニッケル、金、銀、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、スズ、コバルト、亜鉛、並びにこれらの金属の相互の又はリン若しくはホウ素との合金、及びこれらの金属の相互の又はリン若しくはホウ素との化合物が挙げられる。好適な還元剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、アミノボラン、及び次亜リン酸塩が挙げられる。基材の構造化表面領域上に収集される無電解でめっきされた金属及び無電解めっき触媒の金属は、同じであり得る又は異なり得る。無電解めっきは、米国特許第7,160,583号(Freyら)においてさらに記載される。
【0075】
いくつかの実施形態では、流体組成物は、無電解めっき触媒前駆体を含む。無電解めっき触媒前駆体は、無電解めっき触媒を形成するために液体を流体組成物から蒸発させた後に加熱される。無電解めっき触媒前駆体を加熱するために有用な技術としては、例えば、対流、放射線、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、無電解めっき触媒前駆体は、無電解めっき触媒を形成するために光分解を受けることができる。いくつかの実施形態では、得られた無電解めっき触媒は、無電解にめっきされた構造化表面領域を形成するために、上述のように無電解にめっきすることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、無電解にめっきされた構造化表面領域は、上述のように接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、流体組成物は、高分子材料を含む。無電解めっき触媒を有する流体組成物に好適な高分子材料としては、例えば、ポリイミド、ポリオレフィン、アクリル、スチレン等の熱可塑性ポリマー、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの好適な熱硬化性ポリマーとしては、例えば、ポリアミド、ポリエポキシド、フェノールポリマー、ポリイミド、アクリルポリマー、ポリウレタン、シリコーンポリマー等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0078】
無電解めっき触媒を有する流体組成物に存在する高分子材料は、硬化することができる。高分子材料は、液体を除去すること、固くすること、又は高分子材料を架橋することによって硬化することができる。いくつかの実施形態では、高分子材料は、高分子材料の鎖延長及び/又は架橋を容易にするために架橋剤又は添加剤を含むことができる。流体組成物の硬化高分子材料と組み合わせた無電解めっき触媒は、上述のように無電解にめっきすることができる。
【0079】
図5Aは、構造化表面領域155を有する基材150を示す。図5Bは、構造化表面領域155上に配置された液体及び無電解めっき触媒又は無電解めっき触媒前駆体を含む流体組成物160を有する基材150を示す。図5Cは、無電解めっき触媒又は無電解めっき触媒前駆体163が、くぼんだ形状154のくぼんだ表面152上に集まるように、液体を流体組成物160から蒸発された後の無電解めっき触媒又は無電解めっき触媒前駆体163を保持する基材150を示す。図5Dは、無電解めっき触媒163上にめっきされた金属170を示す。図5Eは、金属170及び無電解めっき触媒163を封入し、金属170及び接着剤又は屈折率整合材料180との界面165を提供する接着剤又は屈折率整合材料180を示す。
【0080】
本開示の方法のいくつかの実施形態では、機能材料は、マスク材料である。マスク材料は、処理中に基材の保護を提供するために基材に塗布され、後に基材を暴露するために除去することができる材料を指す。マスク材料は、基材の構造化表面領域上のミクロ構造を含有する金属層又は金属を被覆するために有用であり得る。マスク材料は、例えば、高分子材料、無機材料、粒子を充填した合成物、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの好適な高分子材料としては、例えば、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。高分子材料は、構造化表面領域の表面の化学的又は物理的修正の前に、構造化表面領域の保護又は単離を提供することができる。高分子材料としては、例えば、1つ以上のポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンドを挙げることができる。粒子を充填した合成物は、セルロース系材料、高分子結合剤等と組み合わせた、マイクロ粒子、ナノ粒子、又はこれらの組み合わせを含むことができる。粒子は、粒子オキシド、表面修飾された粒子等又はこれらの組み合わせであり得る。
【0081】
一実施形態では、マスク材料は、高分子材料である。流体組成物に存在する高分子マスク材料(例えば、高分子材料)は、液体が流体組成物から蒸発した後に硬化することができる。いくつかの実施形態では、マスク材料は、粒子を充填した合成物である。
【0082】
いくつかの実施形態では、金属層は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に収集されるマスク材料上、及び実質的にマスク材料を有さない構造化表面領域の残余上に付着することができる。金属層は、例えば、スパッタリング又は蒸発方法を含む、物理又は化学蒸着技術によって付着することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に位置するマスク材料上に付着される金属層は、除去することができる。本明細書において記載される方法では、マスクは、リフトオフマスクとして見なされてもよい。金属層は、構造化表面領域の残余(例えば、突出領域)(すなわち、マスク材料を伴わない領域)上に残ることができる。マスク材料、及びマスク材料上に付着される金属層は、溶解、加熱、分解、又はこれらの組み合わせによって構造化表面領域から除去することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域の残余上に存在する金属層を有する構造化表面領域は、接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。
【0085】
図6Aは、構造化表面領域205を有する基材200を示す。図6Bは、構造化表面領域205上に配置されたマスク材料及び液体を含む流体組成物210を有する基材200を示す。図6Cは、マスク材料211が、くぼんだ形状215のくぼんだ表面212上に集まるように液体を蒸発させた後の流体組成物210を保持する基材200を示す。図6Dは、i)第1の界面219を有するマスク材料211、及びii)第2の界面221を有する構造化表面領域205の突出形状218上で蒸発する又はスパッタされる金属220を示す。図6Eは、マスク材料211及び除去されたマスク材料211上に付着した金属220を有する基材200を示し、金属220は、構造化表面領域205の界面221での突出形状218上に存在する。図6Fは、金属220、及びくぼんだ形状215のくぼんだ表面212と接着剤又は屈折率整合材料230との間の第3の界面245を有する基材200の構造化表面領域205を封入する第2の接着剤又は屈折率整合材料230を示す。第4の界面240は、金属220と接着剤又は屈折率整合材料230との間に存在する。
【0086】
別の態様では、ミクロ構造を形成する方法を提供する。方法は、構造化表面領域の表面上に配置される金属層を含む金属化構造化表面領域を含む基材を提供する工程を含む。金属化構造化表面領域は、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を含む。金属化構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。方法は、抵抗材料及び液体を含む流体組成物を金属化構造化表面領域上に配置する工程、液体を流体組成物から蒸発させる工程、及び金属化構造化表面領域の残余が実質的に抵抗材料を有さないように、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に抵抗材料を収集する工程を含む。
【0087】
金属化とは、構造化表面領域が、金属含有材料層を含むことを意味する。本明細書において、金属含有材料層という用語は、金属層という用語と同じ意味で使用される。金属化構造化表面領域に対する金属含有材料のいくつかの例としては、元素金属、金属合金、金属混合物、金属間化合物、金属酸化物、金属硫化物、金属炭化物、金属窒化物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ロジウム、銅、ニッケル、鉄、インジウム、スズ、タンタル、チタン、クロム、タングステンが挙げられる。
【0088】
流体組成物の抵抗材料は、くぼんだ形状のうちの1つ以上の、金属化表面であるくぼんだ表面上に集まることができる。本明細書において使用されるように、「抵抗材料」は、化学的及び/又は物理的作用(例えば、減法混色の金属エッチング)から金属含有層を保護する金属含有層のコーティングとして使用される材料を指す。抵抗材料の好適な例としては、高分子材料、無機材料等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。抵抗材料は、米国特許第6,077,560号(Moshrefzadehら)において記載される。
【0089】
商業用抵抗材料のいくつかの例としては、Shipley Company of Marlborough,MassachusettsからSHIPLEY RESIST 1400−37の商品名で市販されているレジスト、LeaRonal of Freeport,New YorkからRONASCREEN 2400の商品名で市販されているレジスト、及びUCB Chemicals Corporation of Smyrna,GeorgiaからDANOCURE 1173(光開始剤を伴うアクリル酸イソボルニル)の商品名で市販されている別のフォトレジスト等のフォトレジストが挙げられる。
【0090】
無機抵抗材料のいくつかの例としては、例えば、金属酸化物及び金属窒化物、無機半導体、金属等が挙げられる。有用な金属酸化物及び金属窒化物の代表例としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、シリコン窒化物、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ジルコニウムバリウム等を挙げることができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、抵抗材料は、液体を流体組成物から蒸発させた後に硬化することができる。付着し、後に硬化することができる単量体前駆体(反応性モノマー)(例えば、UV又は電子ビーム硬化)を使用することもできる。さらに、例えば、有機ガラス、結晶性有機物等の小分子を使用することができる。
【0092】
減法混色を使用して、金属化構造化表面領域の暴露された金属含有材料層を除去することができる。金属化構造化表面領域の暴露された金属含有材料層を除去するためのいくつかの有用な減法混色としては、例えば、湿式化学エッチング、液体材料の使用、乾式エッチング(例えば、プラズマ/反応性イオンエッチング)、及びレーザー切断が挙げられる。湿式化学エッチングは、典型的には金属化基材を化学腐食液の液体浴に浸漬すること、又は金属化構造化表面領域上の金属含有材料層と反応する化学腐食液を金属化構造化表面領域に噴霧することによる材料の除去を伴う。腐食液の代表例としては、例えば、シリコン用のHF、HF:NH4F、KOH、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)、CsOH、NaOH、及びヒドラジン(N2H4−H2O)、金属用のHCl:グリセリン、ヨウ素、KI:I2−H2O、及びHNO3、及び金属酸化物又は窒化物用のHF及びHClが挙げられる。金属含有材料層の液体除去は、典型的には、金属化構造化表面領域を液体に暴露させることを伴い、層は可溶性である。有用な液体としては、例えば、水ベースの溶液等の水性及び有機溶液、アセトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等、及びこれらの混合物が挙げられる。乾式エッチングは、プラズマ又は反応性イオンのいずれかによって行われる。乾式エッチングは、概して除去される金属化構造化表面領域の金属含有材料層を反応性プラズマに暴露させることを伴い、物理的及び化学的プロセスの組み合わせによって金属含有材料層をエッチングする。プラズマは、例えば、高周波エネルギー、マイクロ波エネルギー、又は磁気閉じ込めを組み合わせたマイクロ波エネルギー等の技術を使用して腐食ガス中で生成することができる。有用な腐食ガスとしては、例えば、塩化炭化水素(例えば、CFCl3、CF2Cl2、及びCF3Cl)、ハロカーボン(例えば、CCl4、CF4、CHCl3、及びCHF3)、フッ素ベースのガス(例えば、SF6、NF3、及びSiF4)、クロリンベースのガス(例えば、Cl2、BCl3、及びSiCl4)、及び臭素ベースのガス(例えば、Br2及びHBr)が挙げられる。レーザー切断は、金属の部分を、金属を分解するために十分な強度及び波長のレーザー光線に暴露することによる金属層の直接除去を伴う。典型的には、紫外線(UV)レーザーを使用するが、照明は、赤外線又は可視光線等の任意の種類の光であり得る。例えば、CO2レーザー又はエキシマレーザー等の任意の種類の好適なレーザーを使用することができる。エキシマレーザーは、特に有用である。任意の種類のエキシマレーザー(例えば、F2、ArF、KrC、XeCl、又はKrF)を使用することができる。選択される減法混色は、金属化構造化表面領域及び使用する抵抗材料に依存し得る。選択された減法混色は、金属層の除去と抵抗材料の除去との間の特定の減法混色の選択性の程度に依存し得(すなわち、除去プロセスは、抵抗材料ではなく金属化構造化表面領域の金属層を選択的に除去すべきである)、WO 2005061752号(Theiss)に記載される。適切な減法混色は、当業者にとって明らかである。
【0093】
いくつかの実施形態では、抵抗材料は、液体を流体組成物から蒸発させた後に硬化することができる。抵抗材料の硬化は、液体を除去すること、抵抗材料を乾燥させること又は架橋によって生じることができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、金属化構造化表面領域のくぼんだ形状又はくぼんだ形状の少なくとも一部分は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に収集される抵抗材料、又は抵抗材料及び高分子材料、又は抵抗材料及び硬化高分子材料を含む。金属化構造化表面領域の残余は、実質的に抵抗材料を有さない。金属化構造化表面領域の残余の金属層は、金属化構造化表面領域から除去される金属層の少なくとも一部分を有することによってエッチングすることができる。金属化構造化表面領域の金属層の残余を除去する又はエッチングするための材料が記載されている。くぼんだ形状のくぼんだ表面の抵抗材料は、エッチング処理中に抵抗材料の下に配置される金属層を保護する。
【0095】
いくつかの実施形態では、流体組成物は、抵抗材料及び高分子材料を含む、又は流体組成物は、金属化構造化表面領域の残余から金属層をエッチングした後に金属化構造化表面領域のくぼんだ形状のくぼんだ表面から除去することができる抵抗材料及び硬化高分子材料を含む。くぼんだ形状の抵抗材料の除去の後、金属化構造化表面領域の金属層は、くぼんだ形状内で暴露することができる。抵抗材料は、加熱、溶解、分解、又は当業者に周知の他の方法によって除去することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、金属含有材料層及びエッチング後にくぼんだ形状に残る抵抗材料を有する構造化表面領域は、接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。他の実施形態では、くぼんだ形状に残る金属含有材料層及び除去される抵抗材料を有する構造化表面領域は、接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。
【0097】
図7Aは、構造化表面領域305を有する基材300を示す。図7Bは、金属基材界面315を有する構造化表面領域305上に付着した金属層310を有する基材300を示す。図7Cは、金属層310上に配置された抵抗材料及び液体を含む流体組成物320を示す。図7Dは、流体組成物320からの液体の蒸発後の抵抗材料321が、抵抗材料321及び金属層310との間の界面325を有する金属化くぼんだ形状327の金属化くぼんだ表面312上に集まるように、構造化表面領域305上に付着した金属層310を有する基材300を示す。図7Eは、金属層310を突出領域318から選択的にエッチングし、流体組成物320の抵抗材料及び金属化くぼんだ形状327の金属化くぼんだ表面312を残すことを示す。図7Fは、抵抗材料321の除去の後に残る金属化くぼんだ形状327の金属層310を有する基材300を示す。図7Gは、金属化くぼんだ形状327の金属層310及び基材300の構造化表面領域305を封入する接着剤又は屈折率整合材料340を示す。金属接着剤又は屈折率整合材料界面350及び基材接着剤又は屈折率整合材料界面330が形成される。
【0098】
いくつかの実施形態では、物品を提供する。物品は、構造化表面領域を伴う透明な基材、構造化表面領域のくぼんだ形状に選択的に配置される導電性の機能材料(導電性材料)、及び構造化表面領域のくぼんだ形状に埋め戻された接着剤又は屈折率整合材料の水平化層を含む。構造化基材領域は、実質的に平坦域を有さない。構造化表面領域のくぼんだ形状に選択的に配置されるとは、導電性材料が、くぼんだ形状に、くぼんだ表面に接触して存在し、構造化表面領域の残余の少なくとも一部分、例えば、突出形状の表面上に存在しないことを意味する。
【0099】
導電性材料は、本開示の前述の方法に従って、くぼんだ表面と接触する状態にされる導電性材料のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。物品の基材材料は、透明であり、上述の方法のために有用である前述の基材材料のうちのいずれかから選択されてもよい。特に有用な基材材料としては、成形ポリマー基材、例えば、熱的型押し又は硬化による物理的ツールに対してポリマーフィルムを形作ることによって構造化表面領域で製造される基材材料が挙げられる。
【0100】
埋め戻し材料、例えば、接着剤又は屈折率整合材料は、前述の方法において有用であるとして本開示に既に記載されるものから選択されてもよい。接着剤又は屈折率整合材料の層に関して水平化とは、それは、i)導電性材料によって占有されていない構造化表面領域のくぼんだ形状の任意の体積を完全に充填し、ii)構造化表面領域の突出形状を任意に覆い、iii)基材の主表面輪郭と平行である構造化表面領域の表面を伴う、その界面の反対に表面を有することを意味する。いくつかの実施形態では、埋め戻し材料の屈折率と基材の屈折率との間の差異は、0.2以下である。
【0101】
物品の基材の構造化表面領域のトポグラフィーの形状は、上記の方法のために有用な基材の前述の説明に従って選択されてもよい。物品のための好ましい基材は、トポグラフィー形状のサイズ及び形状、トポグラフィー形状の均一性、及びトポグラフィー形状の密度の均一性に関して、前述の方法のために有用な基材に関して上述される優先傾向に従って選択されてもよい。
【0102】
基材のトポグラフィー形状のための優先傾向に加えて、好ましい物品は、くぼんだ表面の接触における導電性材料のパターンに関して画定されてもよい。少なくとも一部においてくぼんだ形状のパターンに登録される伝導性材料のパターンとしては、反復する幾何学的形状、例えば、周期的に離間した線が挙げられる。導電性材料は、2次元ネットワーク、グリッド、又はメッシュの形態をとることができる。2次元ネットワーク、グリッド、又はメッシュは、一定の周期的形状を含むことができる又は無作為の形状を含むことができる。導電性材料は、一連の平行線の形態をとることができる。導電性材料が、2次元ネットワーク、グリッド、若しくはメッシュ、又は一連の平行線の形態をとるいくつかの実施形態に対して、これらのパターンを画定する線の幅は、好ましくは均一、好ましくは10ナノメートル〜500マイクロメートルの範囲内、より好ましくは50ナノメートル〜100マイクロメートルの範囲内、より好ましくは100ナノメートル〜25マイクロメートルの範囲内、より好ましくは250ナノメートル〜10マイクロメートルの範囲ない、より好ましくは500ナノメートル〜5マイクロメートルの範囲内、最も好ましくは1マイクロメートル〜4マイクロメートルの範囲内である。導電性材料が、線の2次元ネットワーク、グリッド、若しくはメッシュ、又は一連の平行線の形態をとるいくつかの実施形態に対して、導電性材料によって占有される又は覆われる構造化表面領域の面積割合は、好ましくは0.01〜50パーセント、より好ましくは0.1〜25パーセント、より好ましくは1〜15パーセントである。
【0103】
図8は、断面で示される構造化表面領域515を含む、一実施形態による物品500を示す。物品500は、主表面輪郭510を有する主表面505を伴う可撓性シートの形態である。
【0104】
図9は、主表面輪郭510を有する構造化表面領域515を伴う基材520を含む物品500を示す。構造化表面領域515は、くぼんだ形状530及び突出形状535を含む。くぼんだ表面525を有するくぼんだ形状530は、くぼんだ表面530及びくぼんだ表面525と接触する導電性材料540を含む。構造化表面領域は、基材埋め戻し材料界面550及び導電性材料埋め戻し材料界面560で埋め戻し材料545に接触する。埋め戻し材料は、主表面輪郭510と平行である第1の表面555も含む。
【0105】
本開示のミクロ構造は、多くの用途において利用することができる。いくつかの実施形態では、ミクロ構造は、肉眼では見えない又はほぼ見えない、十分に小さい最小寸法を有する導電性形状(例えば、線の幅)を含む。ミクロ構造を使用するいくつかの用途としては、電子回路、例えば、可撓性電気回路が挙げられる。ミクロ構造を使用する他の用途としては、電極を必要とする装置が挙げられる。電極の例としては、大きい面積(例えば、1cm2、500cm2、又は1m2より大きい面積)にわたって伝導性であり、光を伝達する本質的に平面な電極、可撓性電極等を含む。電極を含む装置のいくつかの例としては、エレクトロクロミックウィンドウ及びディスプレー、エレクトロルミネセントランプ、抵抗加熱ウィンドウ、及びタッチ画面表示が挙げられる。ミクロ構造を含む他の用途としては、遮蔽電磁放射線、例えば、電磁干渉(EMI)における使用が挙げられる。後者の例としては、電子情報表示、例えば、プラズマ表示パネル(PDP)が挙げられる。
【0106】
本開示は、例示的なものであり、本開示の範囲を制限することを意図しない以下の実施例により、さらに明らかになるであろう。
【実施例】
【0107】
本開示について以下の実施例でより具体的に説明するが、本開示の範囲内での多数の修正及び変更が当業者には明らかとなるため、以下の実施例は例示のみを目的としたものである。別に言及のない限り、以下の実施例で報告されている全ての部、百分率、及び比率は重量基準であり、実施例で用いられる全ての試薬は、下記の化学薬品供給元から得た又は入手できる、あるいは従来の技術により合成することができる。
【0108】
(実施例1)
前めっき溶液を調製した。パラジウムアセテート(Pd(OAc)2)、0.24グラム、Alfa Aesar,Ward Hill,Massachusetts)及び酢酸セルロース(1.36グラム、Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)を、アセトン(98.4グラム、Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解し、前めっき溶液を形成した。前めっき溶液を、VIKUITI 90/24 BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM II(3M Company,Display and Graphics Division,Maplewood,Minnesota)の商品名で市販されている角柱フィルム上へピペットで付着させた。その後、前めっき溶液を巻き線型Meyer Rod(100マイクロメートル(4mil)、R.D.Specialties,Incorporated,Webster,New York)で引き下げ、コーティングを提供した。基材上のコーティングは、基材がタッチドライし、サンプルを形成するように、アセトンがコーティングから蒸発するまで、そのままにした。サンプルを室温及び大気圧で約30秒乾燥させた。サンプルが乾燥した後、銅含有無電解めっき浴(M85−System;MacDermid Incorporated,Waterbury,Connecticutt)に約4分配置した。サンプルを無電解めっき浴から取り出し、脱イオン水(Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)で洗浄し、室温及び大気圧で空気中で乾燥させた。乾燥後、ミクロ構造を有するサンプルを、3M EAGLE Resin(3M Company,St.Paul,Minnesota)の商品名で市販されているUV(紫外線)硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。角柱フィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートと角柱フィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。
【0109】
PETシートを積層構造から除去した。角柱フィルムのくぼんだ形状内にある銅ミクロ構造(例えば、銅痕跡)を光学顕微鏡(Leica Reichert Polyvar 2;Leica,Allendale,New Jersey)で測定した。くぼんだ形状に配置された銅ミクロ構造の断面の幅は、光学顕微鏡写真、図11に示されるように約4〜8マイクロメートルであった。銅ミクロ構造の2.54cm幅のアレイの電気シート抵抗は、光学顕微鏡写真、図12に示されるように約0.25〜約2.5オーム/平方の範囲で測定された。
【0110】
(実施例2)
前めっき溶液を調製した。パラジウムアセテート(Pd(OAc)2);0.24グラム;Alfa Aesar,Ward Hill,Massachusetts)及び酢酸セルロース(1.36グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)を、アセトン(98.4グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解し、前めっき溶液を形成した。前めっき溶液をMICRO OPTICS MICROLENS ARRAYS(Leister Process Technologies;Sarnen,Switzerland)の商品名で市販されているものと同様のマイクロレンズアレイフィルム上にピペットで付着させた。その後、前めっき溶液を巻き線型Meyer Rod(100マイクロメートル(4mil);R.D.Specialties,Incorporated,Webster,New York)で引き下げ、コーティングを提供した。基材上のコーティングは、基材が触れて乾燥するように、アセトンがコーティングから蒸発し、サンプルを形成するまで、そのままにした。サンプルを室温及び大気圧で30秒乾燥させた。サンプルが乾燥した後、銅含有無電解めっき浴(M85−System;MacDermid Incorporated,Waterbury,Connecticutt)に約4分配置した。サンプルを無電解めっき浴から取り出し、脱イオン水(Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)で洗浄し、室温及び大気圧で空気中で乾燥させた。光学顕微鏡写真、図13は、金属層を含有するくぼんだ形状を示す。乾燥後、ミクロ構造を有するサンプルを、3M EAGLE Resin(3M Company,St.Paul,Minnesota)の商品名で市販されているUV(紫外線)硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。マイクロレンズアレイフィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートとマイクロレンズアレイフィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。光学顕微鏡写真、図14は、埋め戻し後の図13のマイクロレンズアレイ基材を示す。
【0111】
PETシートを積層構造から除去した。マイクロレンズアレイフィルムのくぼんだ形状内にある銅ミクロ構造(例えば、銅痕跡)を光学顕微鏡(Leica Reichert Polyvar 2;Leica,Allendale,New Jersey)で測定した。銅ミクロ構造の幅は、約5〜15マイクロメートルであった。マイクロレンズアレイフィルムの銅ミクロ構造の電気シート抵抗は、約0.25〜2.5オーム/平方と測定された。
【0112】
(実施例3)
抵抗溶液を調製した。Futurrex NR9−1000PY溶液(15グラム;Futurrex,Inc.,Franklin,New Jersey)をメチルエチルケトン((MEK)85グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解し、抵抗溶液を形成した。基材上の金属化構造化表面領域は、均一の銅の層をVIKUITI 90/24 BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM II(3M Company,Display and Graphics Division,Maplewood,Minnesota)の商品名で市販されている角柱フィルム上に蒸発コーティングすることによって調製し、金属化角柱フィルムを形成した。電気シート抵抗は、約0.5〜約5.0オーム/平方と測定された。
【0113】
抵抗溶液を上述の金属化角柱フィルム上にダイコーティングした。フィルムは、1.6cm3/分の流量を有する抵抗溶液で2m/分の率で動いていた。抵抗溶液を約10.5cmの幅に塗布した。基材上の抵抗溶液は、基材がタッチドライし、周囲条件下でサンプルを形成するように、MEKがコーティングから蒸発するまで、そのままにした。
【0114】
水性腐食液浴は、100グラムの腐食液(Microclean Etch;Rohm & Haas,Philadelphia,Pennsylvania)を1リットルの脱イオン水に添加することによって調製した。水性腐食液浴を45秒攪拌し、腐食液を脱イオン水に混合した。水性腐食液浴を混合した後、金属化角柱フィルムを水性腐食液浴に約20秒配置し、エッチングされた金属化角柱フィルムを形成した。エッチングされた金属化角柱フィルムを水性腐食液浴から取り出し、脱イオン水で2分洗浄し、室温及び大気圧で乾燥させた。乾燥後、エッチングされた金属化角柱フィルムを、3M EAGLE Resin(3M Company,St.Paul,Minnesota)の商品名で市販されているUV(紫外線)硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。エッチングされた金属化角柱フィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートとエッチングされた金属化角柱フィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。
【0115】
PETシートを積層構造から除去した。エッチングされた金属化角柱フィルムのくぼんだ形状内にある銅ミクロ構造(例えば、銅痕跡)を光学顕微鏡(Leica Reichert Polyvar 2;Leica,Allendale,New Jersey)で測定した。銅ミクロ構造の幅は、光学顕微鏡写真、図15に示されるように約4〜10マイクロメートルであった。銅ミクロ構造の2.54cm(1インチ)幅のアレイの電気シート抵抗は、約4〜約10オーム/平方と測定された。
【0116】
(実施例4)
抵抗溶液を調製した。Futurrex NR9−1000PY溶液(25グラム;Futurrex,Inc.,Franklin,New Jersey)をメチルエチルケトン((MEK)85グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解し、抵抗溶液を形成した。基材上の金属化構造化表面領域は、85ミクロンの中心間距離を伴う半球形状のレンズレット(例えば、「マイクロレンズレット」)の周期的アレイを含む基材上に均一な銅の層を蒸発コーティングすることによって調製した。金属化基材のシート抵抗は、約0.5オーム/平方〜5オーム/平方であった。
【0117】
抵抗溶液を上述の金属化基材上にダイコーティングした。基材は、約3.5cm3/分の流量を有する抵抗溶液で約2m/分の率で動いていた。メチルエチルケトンを室温及び圧力でコーティングから蒸発させた。
【0118】
金属化基材を実施例4の水性腐食液浴に約2分配置し、室温及び圧力で乾燥させた。乾燥かつエッチングされた金属化基材を、上記の実施例4に記載されるようにUV硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。エッチングされた金属化角柱フィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートとエッチングされた金属化角柱フィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。
【0119】
PETシートを積層構造から除去した。エッチングされた金属化角柱フィルムのくぼんだ形状内にある銅ミクロ構造(例えば、銅痕跡)を、光学顕微鏡写真、図16に示されるように光学顕微鏡(Leica Reichert Polyvar 2;Leica,Allendale,New Jersey)で測定した。埋め戻された基材のくぼんだ形状において見られる銅ミクロ構造の幅は、約5〜15ミクロンであった。
【0120】
(実施例5)
銀インク溶液を調製した。Cabot CCI−300銀導電性インク(1グラム;Cabot Superior MicroPowders,Albuquerque,New Mexico)を15gの重さのメチルエチルケトン((MEK)85グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)と混合し、銀インク溶液を形成した。
【0121】
銀インク溶液を、VIKUITI 90/50 BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM II(3M Company,Display and Graphics Division,Maplewood,Minnesota)の商品名で市販されている角柱フィルム上へピペットで付着させた。その後、銀インク溶液を巻き線型Meyer Rod(100マイクロメートル(4mil);R.D.Specialties,Incorporated,Webster,New York)で引き下げ、コーティングされた角柱フィルムを提供した。メチルエチルケトンをフィルムから室温及び大気圧で約1分蒸発させた。
【0122】
コーティングされた角柱フィルムが乾燥した後、基材を100℃まで15分加熱し、銀インクを硬化させた。乾燥後、フィルムを、3M EAGLE Resin(3M Company,St.Paul,Minnesota)の商品名で市販されているUV(紫外線)硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。角柱フィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートと角柱フィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。その後、積層構造物をFusion UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN,Fusion UV Systems,Gaithersburg,MD)に配置し、アクリレートをHバルブから発せられる紫外線で重合した。光学顕微鏡((Leica Reichert Polyvar 2,Leica,Allendale,NJ)で測定された角柱フィルムのくぼんだ形状に位置する銀ミクロ構造の幅は、光学顕微鏡写真、図17に示されるように約10〜25マイクロメートルであった。
【0123】
予想される実施例
「リフトオフ」処置を使用するミクロ構造を形成するための方法を開示する。溶液は、Futurrex NR9−1000PY(25グラム;Futurrex,Inc.,Franklin,New Jersey)等のリフトオフ材料を含有し、リフトオフ溶液を形成するためにメチルエチルケトン((MEK)85グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解する。リフトオフ溶液は、VIKUITI 90/50 BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM II(3M Company,Display and Graphics Division,Maplewood,Minnesota)の商品名で市販されている角柱フィルム上にコーティングすることができる。銀インク溶液は、巻き線型Meyer Rod(100マイクロメートル(4mil);R.D.Specialties,Incorporated,Webster,New York)で引き下げ、コーティングされた角柱フィルムを提供することができる。メチルエチルケトンは、リフトオフ材料が、フィルムのくぼんだチャネルに存在する用に、フィルムから蒸発させることができる。銅は、コーティングされた角柱フィルム上に蒸発塗工機によって付着することができる。銅は、角柱フィルムのくぼんだチャネルに付着したリフトオフ材料を含むフィルム全体を等角的に覆うことができる。金属でコーティングされた角柱フィルムは、リフトオフ材料、及びくぼんだチャネルにあるリフトオフ材料に付着した銅を溶解するためにメチルエチルケトンで洗浄することができる。銅の層は、突出表面(例えば、リフトオフ材料を有さない表面)に残ることができる。
【0124】
本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく本開示の様々な修正形態及び変更形態が、当業者には、明らかとなろう。また、本発明は、本明細書に記載した例示的な要素に限定されないことが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年6月30日出願の米国仮出願第61/076,731号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、ミクロ構造を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
導電性材料グリッドを伴う高分子フィルムは、様々な商業的用途を有する。いくつかの用途では、肉眼では見えず又はほぼ見えず、透明な高分子基材上に支持される導電性グリッドを有することが望ましい。透明な導電性シートは、抵抗加熱ウィンドウ、電磁波(EMI)シールド層、静電気消散構成要素、アンテナ、コンピュータディスプレイ用のタッチ画面、及びエレクトロクロミックウィンドウ用、光起電デバイス用、エレクトロルミネッセント素子用、及び液晶表示用の表面電極のための用途を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電性形状を有する基材を記載した。フォトリソグラフィー技術に基づく基材上でのミクロン規模形状のパターン形成は、特に可撓性基材に対して、一貫性のないパターン形成及びパターンサイズに対する上限をもたらしている。特に小さい形状サイズを伴う大きいパターン、及び特に可撓性基材に対して、フォトリソグラフィーを使用せずに一貫した方法で基材上にミクロン規模形状を選択的に形成する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、ミクロ構造を形成するための物品及び方法を記載する。より具体的に、構造化表面領域を有する基材上に機能材料を選択的に配置するための方法を提供する。
【0006】
一態様では、ミクロ構造を形成する方法を提供する。方法は、くぼんだ表面を伴う1つ以上のくぼんだ形状を含む構造化表面領域を有する基材を提供する工程を含む。構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。方法は、機能材料及び液体を含む流体組成物を構造化表面領域上に配置する工程を含む。方法は、構造化表面領域の残余が実質的に機能材料を有さないように、流体組成物から液体を蒸発させる工程、及びくぼんだ表面上の機能材料を収集する工程を含む。
【0007】
別の態様では、ミクロ構造を形成する方法を提供する。方法は、構造化表面領域の表面上に配置される金属層を含む金属化構造化表面領域を含む基材を提供する工程を含む。金属化構造化表面領域は、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を含む。金属化構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。方法は、機能材料及び液体を含む流体組成物を金属化構造化表面領域上に配置する工程を含む。方法は、金属化構造化表面領域の残余が実質的に抵抗材料を有さないように、流体組成物から液体を蒸発させる工程、及びくぼんだ表面上の抵抗材料を収集する工程を含む。
【0008】
別の態様では、ミクロ構造を含む物品を提供する。物品は、構造化表面領域を有する主表面を含む透明な基材を含む。構造化表面領域は、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を備え、実質的に平坦域を有さない。物品は、構造化表面領域と隣接し、接触する導電性材料を含む。物品は、実質的に導電性材料を有さない構造化表面の残余を含む。物品は、接着剤又は屈折率整合材料を含む。接着剤又は屈折率整合材料は、第1の表面及び第2の表面を含む。第1の表面は、構造化表面領域に接触し、第2の表面は、主表面と平行である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】構造化表面領域を有する基材の略図。
【図2A】構造化表面領域の略図。
【図2B】構造化表面領域の略図。
【図2C】構造化表面領域の略図。
【図2D】構造化表面領域の略図。
【図3A1】それぞれ、平坦域を含む2層構造化表面領域、及び塗布されたコーティングを伴う平坦域を含む2層構造化表面領域の略図。
【図3B1】それぞれ、平坦域を含む2層構造化表面領域、及び塗布されたコーティングを伴う平坦域を含む2層構造化表面領域の略図。
【図3A2】それぞれ、構造化表面領域、及び塗布されたコーティングを伴う構造化表面領域の略図。
【図3B2】それぞれ、構造化表面領域、及び塗布されたコーティングを伴う構造化表面領域の略図。
【図4A】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図4B】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図4C】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図4D】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5A】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5B】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5C】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5D】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図5E】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6A】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6B】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6C】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6D】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6E】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図6F】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7A】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7B】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7C】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7D】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7E】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7F】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図7G】構造化表面領域上にミクロ構造を形成するプロセスの略図。
【図8】構造化表面領域を含む物品(例えば、可撓性シート)の略図。
【図9】ミクロ構造及び埋め戻し材料を含む物品の略図。
【図10】断面において2層構造を有する構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図11】図12の断面における構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図12】図11の構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図13】構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図14】屈折率整合材料を有する図13のミクロ構造を含む物品の光学顕微鏡写真。
【図15】構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図16】金属エッチング(metal-etch)プロセスを使用する構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【図17】導電性インクを使用する構造化表面領域上のミクロ構造の光学顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は具体的な実施形態に関して本明細書に記載されるが、本発明の趣旨から逸脱することなく様々な変更、再構成及び代替を行うことができることが当業者には容易に明らかになるであろう。本発明の範囲はしたがって、本明細書において添付される請求項によってのみ制限される。
【0011】
端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包括される全ての数が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5を含む)。
【0012】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に含まれるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば「化合物」を含有する組成物の言及は、二種以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
【0013】
特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用されている成分の量、性質の測定値などを表す全ての数は、全ての例において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、特に指示がない限り、先行の本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値的パラメータは、本開示の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低でも、各数値的パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法の適用によって少なくとも解釈されるべきである。本開示の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかし、いずれの数値もそれらの試験測定値それぞれにおいて見られる標準偏差から必然的に生じる誤差を本来含有する。
【0014】
本開示のミクロ構造を形成するために有用な基材は、くぼんだ表面を伴う1つ以上のくぼんだ形状を有する構造化表面領域を含み、構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。流体組成物は、基材の構造化表面領域上に配置される。流体組成物は、液体及び機能材料を含む。流体組成物からの液体の少なくとも一部分は、機能基材がくぼんだ表面上に集まるように、蒸発する。流体組成物の体積が、構造化表面領域上で減少するにつれて、構造化表面領域の残余は、実質的に機能材料を有さない状態になる。流体組成物及び基材の構造化表面領域の組み合わせは、液体が流体組成物から蒸発するにつれて、くぼんだ形状への流体組成物のディウェッティングを引き起こし得る。
【0015】
図1は、構造化表面領域10、15を有する基材5を示す。いくつかの実施形態では、基材5は、基材5の異なる領域に位置付けられる構造化表面領域10、15を有することができる。基材5は、主表面輪郭25を有する主表面20を含む。
【0016】
構造化表面領域を有する基材は、例えば、フィルム、シート、ウェブ、ベルト、ローラー、ドラム、リボン、又は他の3次元形状若しくは構造等であり得る。基材は、例えば、高分子材料、金属材料、セラミック材料、又はこれらの組み合わせから形成することができる。基材用に選択される材料は、概して特定の用途のために好適な特性を有する。これらの特性のいくつかとしては、物理的、化学的、光学的、電気的、及び熱的なものが挙げられる。基材用の好適な高分子材料としては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好適な金属材料としては、例えば、インジウム、銀、金、鉛等が挙げられる。好適なセラミック材料としては、例えば、オキシド、窒化物、ホウ化物、炭化物等が挙げられる。
【0017】
基材の構造化表面領域は、概して平均隆起に関して記載することができる。構造化表面領域の平均隆起は、i)突出形状又は貫入形状が欠損していること、ii)構造化表面領域における基材の主表面輪郭と平行であること、及びiii)近隣の突出形状及び貫入形状を画定する点に関して計算可能な平均の隆起と同等である、構造化表面領域の投影面積内の隆起に存在することに関連する想像上の表面として画定することができる。基材の主表面輪郭は、構造化表面領域の突出形状及び貫入形状の形状にかかわらず、基材表面の形状と称することができる。例えば、平坦フィルムは、平坦なシートの形態の平面である、主表面輪郭を有する。本開示では、基材の構造化表面領域内の平均隆起は、点の数によって分割される領域内の点の隆起(例えば、基材の平面に直交する座標に沿ったその位置として画定される任意の点の隆起)の合計として画定することができる。
【0018】
構造化表面領域は、突出形状及び貫入形状を含む。構造化表面領域の突出形状は、概して構造化表面領域の平均隆起の上にある表面点を有する形状として記載することができる。構造化表面領域の貫入形状(例えば、くぼんだ形状)は、概して構造化表面領域の平均隆起の下にある表面点を有する形状として記載することができる。いくつかの実施形態では、構造化表面領域の表面との平均隆起の交点自体を、概して突出形状と貫入形状との間の境界として記載することができる。
【0019】
図2A〜Dは、平均隆起27、43、58、69を有する構造化表面領域31、41、56、66Aを含む基材10、40、55、66のいくつかの例をそれぞれ示す。平均隆起27、43、58、69は、突出形状30、50、65、67上にある点の隆起と隣接した貫入形状35、45、60、68上にある点の隆起との間にある。より具体的に、図2Aは、角柱又は角錘型突出形状30を含む構造化表面領域31を示す。図2Bは、半球形突出形状50等を含む構造化表面領域41を示す。図2Cは、銃弾様突出形状65を含む構造化表面領域56を示す。図2Dは、突出平坦域形状68を含む2層構造化表面領域66Aを示す。
【0020】
場合によっては、構造化表面領域を含む基材は、湾曲を比較的有さない形状(例えば、平坦な形状)を有することができる。湾曲を比較的有さない形状は、本明細書において平坦として称される。いくつかの平坦な形状は、概して基材の主表面輪郭と平行であるようにも記載することができる。後者の平坦な形状は、本明細書において「平坦かつ平行」と称される。他の実施形態では、平坦な形状は、主表面輪郭に対して歪んでいる又はほぼ非平行であり得る。平坦な形状のいくつかの部分は、概して100m−1未満、1m−1未満、又はさらに0.1m−1未満である湾曲を有することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、平坦かつ平行の領域が「ランド」領域と称され得るように、突出形状と組み合わせて、平坦かつ平行である拡張面積を含むように記載することができる。拡張とは、平坦かつ平行の「ランド」領域又は面積が複数の突出形状の基端に沿って存在することを意味する。いくつかの実施形態では、拡張された平坦かつ平行の「ランド」領域は、例えば、直径Dより大きい寸法によって離間される直径Dの突出半球の六角形アレイのそれぞれを囲む平坦な「ランド」領域の場合のように、1つ以上の突出形状を囲む。いくつかの実施形態では、基材の構造化表面領域は、貫入形状又はくぼんだ形状と組み合わせて、平坦かつ平行な拡張面積を含むように記載することができる。いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、表面が主表面輪郭に対して湾曲を有する又は歪んでいるように、概して平坦かつ平行の部分を欠損しているように記載することができる。他の実施形態では、主表面輪郭に対して湾曲を有し、歪んでいる表面の組み合わせは、概して平坦かつ平行の部分を欠損している構造化表面領域に対して記載される。一般的に、平坦かつ平行の部分又は表面積を有する突出形状は、本明細書において「平坦域」として記載される。
【0022】
構造化表面領域を有する基材は、概して突出形状及び貫入形状の組み合わせを含む。これらの形状のいくつかは、構造化表面領域上に配置される流体組成物を除去すること又は保持することの組み合わせを除去、保持、又は提供するように機能することができる。突出又は貫入形状の表面は、滑らか、部分的に滑らか、非平坦、又はこれらの組み合わせであり得る。形状は、ナノ複製、ミクロ複製、マクロ複製等であることができる。いくつかの構造化表面領域は、米国特許第6,649,249号(Engleら)及び米国特許第7,105,809号(Woodら)において同様に記載される、ナノ複製、ミクロ複製、及びマクロ複製された形状及びパターンを含むことができる。いくつかの実施形態では、基材の構造化表面領域は、一定又は無作為な形状を含むことができる。これらの形状は、構造化表面領域にわたって空間的に位置することができる。
【0023】
貫入形状を有する構造化表面領域は、くぼんだ形状又は凹部と称され得る。くぼんだ形状は、例えば、凹部、ウェル、空洞、領域、ポケット、チャネル等と称され得る。くぼんだ表面を有するくぼんだ形状は、流体組成物、及び液体の蒸発後の機能材料を保持するための、構造化表面領域内又はその上の場所を提供する。くぼんだ形状は、直径、半径、高さ、幅、及び長さ等の寸法を伴う体積を有することができる。流体組成物は、構造化表面領域上又はその中に位置する壁及び他の形状によって保持することができる。くぼんだ形状の基部(例えば、最も低い隆起)は、概して平均隆起から最も遠くにある点を有するくぼんだ形状内の場所を指すことができる。いくつかの実施形態では、くぼんだ形状は、隣接した突出形状によって別のくぼんだ形状から離れて位置付けることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、中間のくぼんだ形状(例えば、中間の隆起を有するくぼんだ形状)を含む。中間のくぼんだ形状は、概して平均隆起の下にある点を有し、1つ以上のくぼんだ形状の隆起に対する中間の隆起を有する貫入形状として記載することができる。例えば、構造化表面領域は、第1の隆起を有する第1のくぼんだ形状、及び第2の隆起を有する第2のくぼんだ形状を提供することができる。第1の隆起は、第1の隆起が第2の隆起より大きいように、第2の隆起と区別することができる。第2のくぼんだ形状の第2の隆起は、中間のくぼんだ形状であり得る。
【0025】
構造化表面領域の突出形状は、他の平坦な表面領域から離れる逸脱又は偏位を表す形状であり得る。構造化表面領域の突出形状は、基材への流体組成物の流量及び送達に影響を与え得る。いくつかの実施形態では、突出形状は、くぼんだ形状を分離し、液体が流体組成物から蒸発するにつれて、くぼんだ形状への流体組成物の動きに対する方向を誘導する又は提供することができる。実質的に平坦域を有さない構造化表面領域は、流体組成物の流量、及びくぼんだ形状への機能材料のその後の収集に影響を与え得る。構造化表面領域上又はその中に位置付けられる突出形状のいくつかの例としては、例えば、ピーク、結節、柱、こぶ、隆起部等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。隆起部の例としては、例えば、平坦な表面上に長方形の平坦な面を下にして半円筒を配列することによって画定される、丸い上部を伴う隆起した線状形状が挙げられる。隆起部のいくつかの他の例としては、平坦な表面上に平坦な面を下にして三角形の角柱を配列することによって画定される、先の尖った頂点及び2つの小平面を伴う隆起した線状形状が挙げられる。
【0026】
「実質的に平坦域を有さない」構造化表面領域は、概して上記で画定されるように、平坦かつ平行なそれらの表面積の一部分を含む突出形状を欠損している又は実質的に欠損していると称され得る。好ましい実施形態では、構造化表面領域は、平坦域を含有しない。「実質的に平坦域を有さない」構造化表面領域は、くぼんだ表面上への流体組成物に含有される機能材料の配置を制御するために特に効果的である。本開示の構造化表面領域は、液体が流体組成物から蒸発するにつれて、流体組成物がくぼんだ形状へ流れる又は方向付けられるように、流体組成物と組み合わせて選択することができる。流体組成物の体積が、構造化表面領域の突出形状から減少する又はディウェットするにつれて、機能材料は、突出部によって方向付けられるようにくぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができる。平坦域ではない突出形状は、突出形状が、くぼんだ形状に流体組成物の機能材料を単離するように機能する限り、平坦かつ平行なその表面の一部分を、ある程度、例えば、原子スケールで含むことが可能であることが当業者によって理解されるであろう。
【0027】
構造化表面領域を記載した。突出形状及び貫入形状の組み合わせを有する構造化表面領域のいくつかの好適な例としては、線状角柱、角錐、半楕円体、円錐、非線状角柱等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、線状角柱としては、例えば、三角形の角柱、五角形の角柱等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、角錐は、例えば、四角錐、五角錐、六角錐等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。線状角柱を含むような表面の説明は、表面トポグラフィーが、平坦な表面への線状角柱の融合から生じるものであることを意味し、平坦な表面への各線状角柱の接触表面は、角柱の軸に平行である面である。角錐を含むような表面の説明は、表面トポグラフィーが、平坦な表面への角錐の融合から生じるものであることを意味し、角錐の接触表面は、角錐の面である。
【0028】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域の形状は、階層的であると記載することができる。例えば、構造化表面領域内において、くぼんだ形状は、くぼんだ形状の表面又は壁上、くぼんだ形状の隆起した領域、又はくぼんだ形状内に位置付けられる、無作為な、部分的に無作為な、又は正確に離間された形状を有することができる。くぼんだ形状の表面は、例えば、くぼんだ形状自体に特有のものより短い長さスケールでの突出形状を含むことができる。本明細書におけるいくつかの内容では、突出形状及び貫入形状は、一般的にトポグラフィー形状と称される。
【0029】
平坦域ではない突出形状は、頂点での湾曲又は鋭さにおいて異なり得る。鋭さは、例えば、120度未満、さらに90度未満、さらに45度未満、又はさらに20度未満の角度で頂点で合流する2つ以上の小平面によって画定される突出形状の結果として記述可能な1つの極端までの最高範囲であり得る。鋭さは、突出部が、例えば、約150m−1(約6.7mmの湾曲の半径)の湾曲を伴う円筒、球体、又は楕円体のその頂点を有する別の極端までの最低範囲であり得る。平坦域ではない突出形状の頂点の鋭さは、前述の極端の間に存在してもよい。
【0030】
くぼんだ形状の他の例としては、角度のある平面凹部を有する円錐形のくぼんだ形状、及び角度のある平面壁を伴う切頭角錐のくぼんだ形状が挙げられる。いくつかの実施形態では、構造化表面領域のくぼんだ形状は、実質的に平坦域を有さない突出形状によって相互から別々に位置することができる。突出形状及び貫入形状の組み合わせは、流体組成物のディウェッティングを促進し、方向付けることができる。液体が除去されるにつれて、機能材料は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができ、構造化表面領域の残余(例えば、突出領域)は、実質的に機能材料を有さない状態にすることができる。
【0031】
構造化表面領域の形状のいくつかは、ナノスケール、ミクロスケール、マクロスケール等で形成される又は位置付けることができる。同様に、形状は、突出形状、貫入形状等、又はこれらの組み合わせの表面上に提供することができる。概して、構造化表面領域は、形状の少なくとも2つの寸法が顕微鏡で見えるような形状を含む。ミクロの形状は、肉眼でその形状を判別するのに視覚補助具が必要であるほどに十分に小さい。いくつかの実施形態では、トポグラフィー形状の寸法は、3つの可能な寸法のうち少なくとも2つにおいて(構造化表面領域の平面の中/外において、及び構造化表面領域の平面に沿った各方向において)約1ミリメートル以下までの最高範囲であり得る。他の実施形態では、トポグラフィー形状の寸法は、3つの可能な寸法のうち少なくとも2つにおいて約500マイクロメートルまでの最高範囲であり得る。更なる他の実施形態では、トポグラフィー形状の寸法は、3つの可能な寸法のうち少なくとも2つにおいて約250マイクロメートルまでの最高範囲であり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域の一部として、トポグラフィー形状の1つ以上の寸法は、所望の大きさ未満であることが好ましい。例えば、いくつかの実施形態では、チャネルの形態のくぼんだ形状の幅は、100マイクロメートル未満、より好ましくは50マイクロメートル未満、さらにより好ましくは25マイクロメートル未満、及び最も好ましくは10マイクロメートル未満であることが好ましい。
【0033】
トポグラフィー形状は、所望の特徴的長さ(既定の方向に沿って測定される長さ等)及び所望の形状付けられた密度(構造化表面領域の単位投影面積当たりの形状)を有してもよい。いくつかの実施形態では、形状は、3つの直行方向における(例えば、構造化表面領域の平面に垂直、及び構造化表面領域の平面に沿う2つの直行方向のそれぞれにおける)その寸法が同等であるため、全てその特徴的長さと同等であり得る。いくつかの実施形態では、形状は、1つ以上の方向における特徴的長さが、他の方向におけるその寸法より幾分長い又はさらにより長いものであり得る。いくつかの実施形態では、形状は、1つ以上の方向における特徴的長さが、他の方向におけるその寸法より幾分短い又はさらにより短いものであり得る。トポグラフィー形状に対する特徴的長さの例としては、チャネルの長さ、チャネルの幅、半球形突出部の幅、隆起部の長さ、隆起部の幅、角錘突出形状の高さ、及び半球形突出形状の高さが挙げられる。
【0034】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域のトポグラフィー形状は、500マイクロメートル以下の1つ以上の方向における特徴的長さを有する。他の実施形態では、特徴的長さは、100マイクロメートル以下であり、他の実施形態では、1つ以上の方向における特徴的長さは、10マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、1つ以上の方向における特徴的長さは、少なくとも1ナノメートルである。他の実施形態では、1つ以上の方向における特徴的長さは、少なくとも10ナノメートルであり、別の実施形態では、特徴的長さは、少なくとも100ナノメートルである。いくつかの実施形態では、構造化表面領域の1つ以上のトポグラフィー形状の1つ以上の方向における特徴的長さは、約500マイクロメートル〜約1ナノメートルの範囲、他の実施形態では、約100マイクロメートル〜約10ナノメートルの範囲、及び更なる他の実施形態では、約10マイクロメートル〜約100ナノメートルの範囲にある。異なる実施形態は、前述の特徴的長さ及び形状の記述(例えば、隆起部、チャネル、半球、及び角錐の幅、長さ、及び高さ)との前述の値及び値の範囲の組み合わせから生じる。
【0035】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域のトポグラフィー形状密度は、1平方ミリメートル(mm2)当たり少なくとも10の形状又はそれ以上の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、1mm2当たり100の形状以上を超えるトポグラフィー形状密度、他の実施形態では、1mm2当たり1,000の形状以上を超えるトポグラフィー形状密度、及び他の実施形態では、1mm2当たり10,000の形状を超えるトポグラフィー形状密度を有することができる。トポグラフィー形状密度の例として、115マイクロメートルで両反復方向に離間される100マイクロメートルの半球形突出形状の正方形アレイを有する構造化表面領域は、1mm2当たり約75の突出形状の突出形状密度を有する。同じ形状に対して、隣接した半球の間にある狭いくぼんだチャネルの密度は、1mm2当たり約150である。
【0036】
いくつかの実施形態では、トポグラフィー形状は、構造化表面領域をわたるアレイ(例えば、1次元アレイ又は2次元アレイ、例えば、正方形アレイ又は六角形アレイ)として分配される。そのような実施形態のいくつかでは、構造化表面領域のトポグラフィー形状の寸法の均一性(例えば、再現性)が高いことが好ましい。均一性の測定として、繰り返し形状の特定の寸法の長さの標準偏差は、好ましくはその長さの平均大きさの25パーセント未満、より好ましくは10パーセント未満、さらにより好ましくは5パーセント未満である。いくつかのそのような実施形態では、構造化表面領域のトポグラフィー形状の密度の均一性が高いことが好ましい。構造化表面領域におけるトポグラフィー形状の密度に対する高い均一性の測定として、構造化表面領域自体の10分の1以上を有さない準領域に対して測定される、トポグラフィー形状の密度の標準偏差は、好ましくは25パーセント未満、より好ましくは10パーセント未満、最も好ましくは5パーセント未満である。
【0037】
いくつかの実施形態では、構造化基材領域の形状は、定期的に繰り返して、無作為に等、又はこれらの組み合わせで存在し得る。他の実施形態では、形状は、構造化表面領域の面積全体の一部分にわたって存在する又は構造化表面領域の面積全体にわたって存在することができる。いくつかの実施形態では、形状は、構造化表面領域のくぼんだ形状に存在するか、構造化表面領域の突出形状上に存在する等、又はこれらの組み合わせで存在することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域は、貫入形状及び突出形状が概して均一であるように、1つ以上の貫入形状(例えば、くぼんだ形状)を含む。いくつかの実施形態では、構造化表面領域の貫入形状及び突出形状は、不均一である。例えば、構造化表面領域は、構造化表面領域の一部分にわたって異なる寸法を有する貫入形状及び突出形状を有することができる。いくつかの実施形態では、第1のセットの貫入形状及び突出形状は、第1のセットの寸法を有することができ、第2のセットの貫入形状及び突出形状は、第2のセットの寸法を有することができる。第1のセットの貫入形状及び突出形状並びに第2のセットの貫入形状及び突出領域は、基材の構造化表面領域にわたって均一に分布される又は無作為に分布することができる。いくつかの実施形態では、流体組成物は、流体組成物を保持するために好適な寸法を有するくぼんだ形状の一部分に存在することができる。
【0039】
一実施形態では、構造化表面領域を有する基材は、米国特許出願第11/283,307号(Richardら)において記載される輝度強化フィルム(BEF)であり得る。別の実施形態では、構造化表面領域を有する基材は、米国特許出願第11/193,052号(US20070024994)において記載される角錐を含む表面を伴うポリマーフィルムであり得る。別の実施形態では、構造化表面領域を有する基材は、Leister Process Technologies,Axetris Microsystems Division of Riedstrasse,SwitzerlandよりMICRO OPTICS MICROLENS ARRAYの商品名で市販されているマイクロレンズフィルムであり得る。マイクロレンズアレイは、米国特許第5,300,263号(Hoopmanら)、米国特許第5,439,621号(Hoopman)、及び米国特許出願公開第2006/0072199号(Morishitaら)において記載されている。一実施形態では、基材は、マイクロ複製された基材を含む。
【0040】
流体組成物がくぼんだ形状へ流れるように促進する又は提供する形状を伴う構造化表面領域を有する基材を選択することができる。液体が、構造化表面領域上に配置される流体組成物から蒸発するにつれて、流体組成物は、毛細管圧勾配のために構造化表面領域の突出形状からディウェットすることができる。毛細管圧勾配は、流体組成物が構造化表面領域上で乾燥するにつれて形成する湾曲の気液界面の結果として形成することができる。突出形状からの流体組成物のディウェッティングは、流体組成物のレオロジー(例えば、粘度)及び表面張力並びに基材の表面エネルギーを調整することによって操作することができる。流体組成物からの液体の蒸発中、流体組成物によって占有される体積は、減少し得、機能材料をくぼんだ表面を有するくぼんだ形状内に付着させる。
【0041】
本開示の方法では、流体組成物は、構造化表面を有する基材上に配置される。流体組成物は、機能材料及び液体を含む。液体は、概して機能材料と反応しない。液体は、流体組成物の体積が、最初に構造化表面領域上に配置されたときの流体組成物の体積に対して減少し、機能材料の濃度が増加するように、流体組成物から蒸発する。流体組成物は、構造化表面領域の突出領域からディウェットする。流体組成物は、くぼんだ形状の少なくとも一部分へ流れ、突出領域から離れて流れる又は方向付けられる。機能材料は、液体の蒸発中、くぼんだ形状のくぼんだ表面の少なくとも一部分に集まる。構造化表面領域の残余は、実質的に機能材料を有さない状態になる。
【0042】
いくつかの実施形態では、流体組成物は、流体組成物の表面張力が、基材の構造化表面領域の表面エネルギーに一致するように、調合することができる。これにより、基材の構造化表面領域上への流体組成物の低接触角及び強い湿潤を引き起こすことができる。結果として、流体組成物は、液体が蒸発するにつれて、突出領域(例えば、ピーク)から流れる傾向があり、突出領域を実質的に流体組成物を有さない状態にする。「実質的に有さない」という用語は、基材の突出領域上に存在する、蒸発後の流体組成物の残余の5重量%未満を指す。いくつかの実施形態では、流体組成物の1パーセント未満は、基材の突出領域上に存在することができる。液体が蒸発するにつれて、機能材料は、構造化表面領域のくぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができる。
【0043】
液体組成物の好適な液体としては、機能材料を溶解、分散、又は懸濁するために好適な液体が挙げられる。液体のいくつかの例としては、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、芳香族炭化水素等、及びこれらの混合物を挙げることができる。液体は、流動性材料、又は例えば、23℃以上の溶融固体であり得る。流体組成物のレオロジー及び表面エネルギーは、概して流体組成物を構造化表面領域上に配置するために十分である。液体は、液体が流体組成粒から蒸発することができるように、沸点を有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、液体は、流体組成物中に存在する1つ以上の液体の混合物であり得る。液体は、概して構造化表面領域への流体組成物の用途のために、十分に溶解、懸濁、又は分散することが可能である。
【0045】
流体組成物の機能材料は、構造化基材領域の化学的又は物理的修正のために好適な材料であり得る。機能材料は、金属、金属前駆体、無電解めっき触媒、無電解めっき触媒前駆体、マスク材料、生物材料、天然油、脂肪族炭化水素等又はこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0046】
流体組成物における機能材料の濃度は、多数の要因に基づいて選択される。考慮すべきこれらの要因のいくつかとしては、流体組成物の表面張力、構造化表面領域のくぼんだ形状における機能材料の所望の厚さ、構造化表面領域上のポグラフィー形状の寸法、及び構造化表面領域の表面エネルギーが挙げられるが、これらに限定されない。機能材料は、単一の材料又は複数の材料を含むことができる。
【0047】
流体組成物は、異なる技術によって基材の構造化表面領域上に配置又は塗布することができる。好適な技術としては、例えば、飽和又は浸水技術、スプレーコーティング、カーテンコーティング、スライドコーティング、フラッドコーティング、ダイコーティング、ロールコーティング、付着、又は他の周知のコーティング若しくは塗布方法が挙げられる。くぼんだ形状を選択的に充填する又は部分的に充填するための量で構造化表面領域の一部分上に均一又は非均一に流体組成物を配置する技術を選択することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域上に配置されている流体組成物は、くぼんだ形状を充填し、構造化表面領域の残余(すなわち、突出形状)をあふれさせる。他の実施形態では、流体組成物は、構造化表面領域上に配置され、くぼんだ形状の一部分を充填する。別の実施形態では、流体組成物は、空気間隙が、くぼんだ表面の少なくとも一部分とくぼんだ形状内に配置される流体組成物との間に存在するように、くぼんだ表面を有するくぼんだ形状の一部分を占有する。構造化表面領域のトポグラフィー形状(くぼんだ形状及び突出形状を含む)は、流体組成物の全てを受容する又はその一部分のみを受容することが可能な異なる寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、構造化表面領域のトポグラフィー形状の一部分は、流体組成物の空所であり得る。
【0049】
流体組成物は、少なくとも50重量%の液体、少なくとも60重量%の液体、又は少なくとも70重量%の液体を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体組成物は、99重量%までの液体、98重量%までの液体、又は97重量%までの液体を含むことができる。流体組成物の液体は、50〜99重量%の範囲、60〜98重量%、又は70〜97重量%の範囲であり得る。
【0050】
液体は、基材の構造化表面領域上に配置される流体組成物から蒸発する。液体が流体組成物から蒸発するにつれて、流体組成物の体積は減少し、機能材料はくぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まる。機能材料は、機能材料が、くぼんだ表面に接触する別の媒質中にさらに分散されても、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができる(他の媒質の例は、ポリマー結合剤である)。液体が流体組成物から蒸発するにつれて、機能材料は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まることができ、構造化表面領域の残余は、実質的に機能材料を有さない状態にすることができる。「液体を蒸発させる」という用語は、液体の少なくとも一部分を除去すること、又は実質的に液体の全てを流体組成物から除去することを指す。流体組成物から蒸発する液体は、流体組成物における液体の総重量の少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、又は少なくとも50重量%であり得る。いくつかの実施形態では、流体組成物から蒸発する液体は、99重量%まで、98重量%まで、又は97重量%までであり得る。流体組成物から蒸発する液体は、流体組成物における液体の総重量に基づいて、50〜99重量%の範囲、60〜98重量%の範囲、又は70〜97重量%の範囲であり得る。流体組成物の液体は、周囲条件下で低温で容易に除去することができる又はそれは高温で除去することができる。
【0051】
図3A1は、コーティングし、めっきをする前の平坦域73及びくぼんだ形状75を含む構造化表面領域71を有する基材70を示す。図3B1は、液体及び機能材料を含む流体組成物でコーティングし、液体を蒸発させ、その後、ミクロ構造76を形成するためにめっきをした後の基材70を示す。ミクロ構造76は、構造化表面領域の平坦域73上及びくぼんだ形状75内に位置付けられる。光学顕微鏡写真、図10は、基材の平坦域及び凹部上に配置された機能材料を有する2層基材の断面図を示す。
【0052】
図3A2は、突出形状83、及びくぼんだ形状86のくぼんだ表面85を含む構造化表面領域81を有する基材80を示す。図3B2は、液体及び機能材料を含む流体組成物でコーティングし、液体を蒸発させ、その後、ミクロ構造88を形成するためにめっきをした後の基材80を示す。ミクロ構造88は、くぼんだ形状86内及びくぼんだ表面85上に位置付けられる。コーティングし、めっきをした後の突出形状83は、実質的にミクロ構造88を有さない。光学顕微鏡写真、図11は、輝度強化フィルムのくぼんだ形状に配置された機能材料を有する実施例1(図12)の断面図を示す。
【0053】
図3B1及び図10は、構造化表面領域の平坦域上及びくぼんだ形状内に存在する機能材料を示す。対照的に、図3B2及び図11は、本開示において記載される実質的に平坦域を有さない構造化表面領域のくぼんだ形状内に存在する機能材料を示す。
【0054】
液体は、異なる技術によって流体組成物から蒸発することができる。液体を除去するためのいくつかの好適な蒸発方法としては、例えば、対流、減圧、加熱、又は他の周知の方法が挙げられる。
【0055】
本開示の方法の一実施形態では、機能材料は、金属又は金属前駆体である。金属又は金属前駆体は、基材の構造化表面領域上に導電性ミクロ構造を形成するために有用であり得る。金属のいくつかの好適な例としては、例えば、銀、ニッケル、白金、金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、アルミニウム、亜鉛、鉄、タングステン、モリブデン、ルテニウム、鉛ビスマス、及び同様の金属が挙げられる。有用ないくつかの好適な金属前駆体としては、例えば、カルボキシレート、アルコキシド、又は上述の金属の組み合わせが挙げられる。金属前駆体は、配位子を排除する処理中に金属、金属酸化物、又は混合金属酸化物に変換することができる。
【0056】
一実施形態では、流体組成物は、導電性インクを含む。導電性インクは、金属又は金属前駆体を含むことができる。好適な導電性インクは、金属の液体若しくは液体散液、金属合金、又はこれらの混合物を含む。導電性インクに有用な金属及び金属合金のいくつかの例としては、例えば、米国特許公開第2003/0108664号(Kodasら)において同様に記載される、銀、スズ、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
導電性インクは、例えば、500nm未満、400nm未満、250nm未満、100nm未満、又は50nm未満の平均粒子サイズを有するナノ粒子を含むことができる。ナノ粒子は、概して非凝集であることが好ましい。ナノ粒子は、任意に表面処理することができる。表面処理を使用して、ナノ粒子の凝集及びクラスタ化を防止することができ、導電性インクの安定性及び構造化表面領域上への配置に役立つ。
【0058】
いくつかの実施形態では、導電性インクは、高分子材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、高分子材料としては、2つ以上のポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンドが挙げられる。好適な高分子材料は、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーであり得る。高分子材料としては、例えば、導電性ポリマー、非導電性ポリマー、又はこれらの組み合わせが挙げられる。好適な導電性ポリマーとしては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリアニリン(PAni)、ポリピロール(PPy)、ポリチオフェン(PT)、ポリジアセチレン、ポリアセチレン(PAc)、ポリイソチアナフテン(PITN)、ヘテロアリーレン基が、例えば、チオフェン、フラン、又はピロールであり得るポリヘテロアリーレン−ビニレン(PArV)、ポリ−p−フェニレン(PpP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリペリナフタレン(PPN)、ポリフタロシアニン(PPc)、及びこれらの誘導体、これらのコポリマー等、並びにこれらの物理的混合物が挙げられる。好適な熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリイミド、ポリオレフィン、アクリル、スチレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な熱硬化性ポリマーとしては、例えば、ポリアミド、ポリエポキシド、フェノールポリマー、ポリイミド、アクリルポリマー、ポリウレタン、及びシリコーンポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、導電性ポリマーと熱硬化性及び/又は熱可塑性ポリマーの混合物を使用することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、導電性インクは、例えば、金属ナノ粒子を分散し、ポリマーを溶解するために十分な量の液体を含む。好適な液体としては、例えば、水、有機液体(例えば、モノ、ジ、若しくはトリエチレングリコール又は高級エチレングリコール、プロピレングリコール、そのようなグリコールの1,4−ブタンジオール又はエーテル、チオジグリコール、グリセロール並びにそのエーテル及びエステル、ポリグリセロール、モノ、ジ、及びトリエタノールアミン、プロパノールアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレンカーボネート)等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。他の有機液体としては、例えば、エステル、アセテート等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、液体はケトンである。いくつかの実施形態では、液体はアルコールである。
【0060】
いくつかの実施形態では、高分子材料は、液体を流体組成物から蒸発させた後に硬化させる。高分子材料は、液体を除去すること、固くすること、又は高分子材料を架橋することによって「硬化」することができる。いくつかの実施形態では、高分子材料は、高分子材料の鎖延長及び/又は架橋を容易にするために架橋剤又は添加剤を含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、くぼんだ形状内に配置された導電性インクを伴う構造化表面領域は、接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。「埋め戻し」は、概して材料でのくぼんだ形状の充填を指す。
【0062】
埋め戻しは、機能材料で占有されていないくぼんだ形状の体積を充填する工程を含むことができる。他の実施形態では、埋め戻しは、くぼんだ形状の一部分を充填することを含み、更なる実施形態では、埋め戻しは、構造化表面領域のくぼんだ形状及び突出領域(例えば、ピーク)を過剰充填する工程を含む。くぼんだ形状における機能材料の配置後に構造化表面領域を埋め戻す理由がいくつか存在し得る。透明な基材の場合、光が、基材の構造化表面領域を通過する際の屈折又は反射の効果を回避することが望ましい場合がある。これは、基材と同じ又は同様の屈折率(すなわち、屈折率が整合した)を有する材料で構造化表面領域を埋め戻すことによって到達することができる。任意に、埋め戻し材料は、構造化表面領域を画定する基材の材料と同じであり得る。あるいは、例えば、環境劣化から機能材料を保護するために、構造化表面領域を埋め戻すことは有用であり得る。最後に、構造化表面領域を伴う基材を含む最終物品の表面を滑らかにするために、構造化表面領域を埋め戻すことが望ましい場合がある。
【0063】
埋め戻しのために有用な接着剤又は屈折率整合材料は、導電性インク、高分子材料を有する導電性インク、又は硬化高分子材料を有する導電性インクを含む構造化表面領域に塗布することができる。接着剤又は屈折率整合材料は、概して基材の屈折率と同じ又は実質的に同じ屈折率を有するため、構造化表面領域を有する基材を通過する光の反射又は屈折がほとんどない又はない。いくつかの実施形態では、埋め戻されたくぼんだ形状を有する基材は、透明である。接着剤又は屈折率整合材料等の好適な材料としては、光波長の所望の範囲にわたって透明である熱可塑性及び熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0064】
基材と接着剤又は屈折率整合材料との屈折率の差異は、0.2まで、0.1まで、0.05まで、又は0.01までであり得る。基材と接着剤又は屈折率整合材料との屈折率の差異は、好ましくは低くても0.005、より好ましくは低くても0.001、より好ましくは低くても0.0005、及びさらにより好ましくは低くても0.0001であり得る。いくつかの実施形態では、基材の屈折率と接着剤又は屈折率整合材料の屈折率との差異は、0.0001〜0.2、0.0005〜0.1、0.001〜0.05の範囲、又は0.005〜0.01の範囲であり得る。
【0065】
これらの埋め戻し材料は、無定形、結晶性、又は半結晶性であり得、例えば、ホモポリマー、コポリマー、又はこれらのブレンドを含むことができる。好適な材料は、ポリ(カーボネート)(PC);シンジオタクチック(光学的等方性の形態で使用されない)及びアイソタクチックポリ(スチレン)(PS);C1〜C8アルキルスチレン;ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)及びPMMAコポリマーを含む、アルキル、芳香族、及び脂肪族環含有(メタ)アクリレート;エトキシル化及びプロポキシル化(メタ)アクリレート;多官能性(メタ)アクリレート;アクリレート化エポキシ;エポキシ;及び他のエチレン性不飽和物質;環状オレフィン及び環状オレフィン性コポリマー;アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS);スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN);エポキシ;ポリ(ビニルシクロヘキサン);PMMA/ポリ(ビニルフロライド)ブレンド;ポリ(フェニレンオキシド)合金;スチレン系ブロックコポリマー;ポリイミド;ポリサルフォン;ポリ(塩化ビニル);ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS);ポリウレタン;飽和ポリエステル;低複屈折性ポリエチレンを含む、ポリ(エチレン);ポリ(プロピレン)(PP);ポリ(アルカンテレフタレート)、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET);ポリ(アルカンナフタレート)、例えば、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN);ポリアミド;アイオノマー;ビニルアセテート/ポリエチレンコポリマー;セルロースアセテート;セルロースアセテートブチレート;フルオロポリマー;ポリ(スチレン)−ポリ(エチレン)コポリマー;ポリオレフィン性PET及びPENを含む、PET及びPENコポリマー;並びにポリ(カーボネート)/脂肪族PETブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。(メタ)アクリレートという用語は、対応するメタクリレート又はアクリレート化合物のいずれかとして定義される。
【0066】
図4Aは、構造化表面領域105を有する基材100を示す。図4Bは、構造化表面領域105上に配置された液体及び金属又は金属前駆体を含む流体組成物110を有する基材100を示す。図4Cは、流体組成物110の金属又は金属前駆体が、くぼんだ形状115のくぼんだ表面112上に集まるように液体を蒸発させた後の流体組成物110の金属又は金属前駆体を有する基材を示す。図4Dは、接着剤又は屈折率整合材料120及び流体組成物110の金属若しくは金属前駆体又は流体組成物110の金属前駆体由来の金属の界面125を提供する、流体組成物110の金属若しくは金属前駆体、又は流体組成物110の金属前駆体由来の金属を封入する接着剤若しくは屈折率整合材料120で基材100を埋め戻すことを示す。
【0067】
いくつかの実施形態では、導電性インク、高分子材料を含む導電性インク、又はくぼんだ形状内に収集される硬化高分子材料を含む導電性インクは、無電解にめっきされる。無電解めっきは、本開示内で以下に記載する。
【0068】
いくつかの実施形態では、導電性インク、高分子材料を含む導電性インク、又はくぼんだ形状内に収集される硬化高分子材料を含む導電性インクは、電解でめっきされる。電解めっきは、Mohler,J.B.,Electroplating and Related Processes,Chemical Publishing Company,New York(1969)、米国特許第5137611号(Robertsら)、及び米国特許第6,632,343号(Farnsworthら)において記載される。
【0069】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域の無電解にめっきされた導電性インク、高分子材料を有する無電解にめっきされた導電性インク、又は硬化高分子材料を有する無電解にめっきされた導電性インクは、上述のように接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。
【0070】
本開示の方法のいくつかの実施形態では、機能材料は、無電解めっき触媒である。他の実施形態では、機能材料は、無電解めっき触媒前駆体である。いくつかの好適な無電解めっき触媒としては、例えば、パラジウム、白金、ロジウム、銀、金、銅、ニッケル、コバルト、鉄、及びスズ、並びに元素の相互の又は他の元素との合金及び化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、無電解めっき触媒は、銀、白金等、又はこれらの組み合わせを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、機能材料は、無電解めっき触媒前駆体である。好適な無電解めっき触媒前駆体としては、例えば、アルコキシド、カルボキシレート、並びにパラジウム、白金、ロジウム、銀、金、銅、ニッケル、コバルト、鉄、及びスズのハロゲン化物、並びに元素の相互の又は他の元素との合金及び化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、無電解めっき触媒前駆体は、パラジウムアセテートを含む。いくつかの実施形態では、無電解めっき触媒前駆体は、パラジウム2,4−ペンタンジオナト等のパラジウムジケトナートを含む金属有機パラジウム化合物を含む。無電解めっき触媒前駆体は、以下に記載される変換工程によって無電解めっき触媒に変換することができる。
【0072】
無電解めっき触媒を含む流体組成物は、構造化表面領域上に配置することができる。上述のように、液体は、流体組成物から蒸発し、機能材料は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に集まる。くぼんだ形状のくぼんだ表面上に収集される無電解めっき触媒は、導電性材料で無電解にめっきすることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に収集される無電解めっき触媒は、例えば、無電解めっき浴で無電解にめっきされる。無電解めっき又は付着は、金属等の導電性材料の自己触媒めっきのためのプロセスを指す。このプロセスは、典型的には可溶性形態の付着金属を還元剤とともに含有する無電解めっき溶液の使用を伴う。可溶性形態の付着金属は、通常は、イオン種又は無機錯体(すなわち、1つ以上の配位子に配位した金属種)である。無電解析出は、コーティングされている加工物への電流印加を必要としない。無電解めっきのプロセスは、Electroless Plating−Fundamentals and Applications,ed.G.O.Norwich(1990)においてMallory及びJ.B.Hajduによって記載されている。
【0074】
無電解めっきに伴う工程のいくつかは、触媒表面を伴う構造化表面領域(すなわち、無電解めっき触媒)を調製する工程、及び構造化表面領域を有する基材を適切なめっき浴へ浸漬する工程を含む。無電解めっき触媒の触媒表面は、無電解めっき溶液から金属の付着を触媒する。開始されると、めっきは、それ自体の金属表面によって触媒される溶液金属源の継続的還元によって進展し、そのため、「自己触媒」という用語がある。無電解めっきを用いて形成可能な金属付着物には、例えば、銅、ニッケル、金、銀、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、スズ、コバルト、亜鉛、並びにこれらの金属の相互の又はリン若しくはホウ素との合金、及びこれらの金属の相互の又はリン若しくはホウ素との化合物が挙げられる。好適な還元剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、アミノボラン、及び次亜リン酸塩が挙げられる。基材の構造化表面領域上に収集される無電解でめっきされた金属及び無電解めっき触媒の金属は、同じであり得る又は異なり得る。無電解めっきは、米国特許第7,160,583号(Freyら)においてさらに記載される。
【0075】
いくつかの実施形態では、流体組成物は、無電解めっき触媒前駆体を含む。無電解めっき触媒前駆体は、無電解めっき触媒を形成するために液体を流体組成物から蒸発させた後に加熱される。無電解めっき触媒前駆体を加熱するために有用な技術としては、例えば、対流、放射線、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、無電解めっき触媒前駆体は、無電解めっき触媒を形成するために光分解を受けることができる。いくつかの実施形態では、得られた無電解めっき触媒は、無電解にめっきされた構造化表面領域を形成するために、上述のように無電解にめっきすることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、無電解にめっきされた構造化表面領域は、上述のように接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、流体組成物は、高分子材料を含む。無電解めっき触媒を有する流体組成物に好適な高分子材料としては、例えば、ポリイミド、ポリオレフィン、アクリル、スチレン等の熱可塑性ポリマー、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの好適な熱硬化性ポリマーとしては、例えば、ポリアミド、ポリエポキシド、フェノールポリマー、ポリイミド、アクリルポリマー、ポリウレタン、シリコーンポリマー等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0078】
無電解めっき触媒を有する流体組成物に存在する高分子材料は、硬化することができる。高分子材料は、液体を除去すること、固くすること、又は高分子材料を架橋することによって硬化することができる。いくつかの実施形態では、高分子材料は、高分子材料の鎖延長及び/又は架橋を容易にするために架橋剤又は添加剤を含むことができる。流体組成物の硬化高分子材料と組み合わせた無電解めっき触媒は、上述のように無電解にめっきすることができる。
【0079】
図5Aは、構造化表面領域155を有する基材150を示す。図5Bは、構造化表面領域155上に配置された液体及び無電解めっき触媒又は無電解めっき触媒前駆体を含む流体組成物160を有する基材150を示す。図5Cは、無電解めっき触媒又は無電解めっき触媒前駆体163が、くぼんだ形状154のくぼんだ表面152上に集まるように、液体を流体組成物160から蒸発された後の無電解めっき触媒又は無電解めっき触媒前駆体163を保持する基材150を示す。図5Dは、無電解めっき触媒163上にめっきされた金属170を示す。図5Eは、金属170及び無電解めっき触媒163を封入し、金属170及び接着剤又は屈折率整合材料180との界面165を提供する接着剤又は屈折率整合材料180を示す。
【0080】
本開示の方法のいくつかの実施形態では、機能材料は、マスク材料である。マスク材料は、処理中に基材の保護を提供するために基材に塗布され、後に基材を暴露するために除去することができる材料を指す。マスク材料は、基材の構造化表面領域上のミクロ構造を含有する金属層又は金属を被覆するために有用であり得る。マスク材料は、例えば、高分子材料、無機材料、粒子を充填した合成物、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの好適な高分子材料としては、例えば、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。高分子材料は、構造化表面領域の表面の化学的又は物理的修正の前に、構造化表面領域の保護又は単離を提供することができる。高分子材料としては、例えば、1つ以上のポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンドを挙げることができる。粒子を充填した合成物は、セルロース系材料、高分子結合剤等と組み合わせた、マイクロ粒子、ナノ粒子、又はこれらの組み合わせを含むことができる。粒子は、粒子オキシド、表面修飾された粒子等又はこれらの組み合わせであり得る。
【0081】
一実施形態では、マスク材料は、高分子材料である。流体組成物に存在する高分子マスク材料(例えば、高分子材料)は、液体が流体組成物から蒸発した後に硬化することができる。いくつかの実施形態では、マスク材料は、粒子を充填した合成物である。
【0082】
いくつかの実施形態では、金属層は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に収集されるマスク材料上、及び実質的にマスク材料を有さない構造化表面領域の残余上に付着することができる。金属層は、例えば、スパッタリング又は蒸発方法を含む、物理又は化学蒸着技術によって付着することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に位置するマスク材料上に付着される金属層は、除去することができる。本明細書において記載される方法では、マスクは、リフトオフマスクとして見なされてもよい。金属層は、構造化表面領域の残余(例えば、突出領域)(すなわち、マスク材料を伴わない領域)上に残ることができる。マスク材料、及びマスク材料上に付着される金属層は、溶解、加熱、分解、又はこれらの組み合わせによって構造化表面領域から除去することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、構造化表面領域の残余上に存在する金属層を有する構造化表面領域は、接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。
【0085】
図6Aは、構造化表面領域205を有する基材200を示す。図6Bは、構造化表面領域205上に配置されたマスク材料及び液体を含む流体組成物210を有する基材200を示す。図6Cは、マスク材料211が、くぼんだ形状215のくぼんだ表面212上に集まるように液体を蒸発させた後の流体組成物210を保持する基材200を示す。図6Dは、i)第1の界面219を有するマスク材料211、及びii)第2の界面221を有する構造化表面領域205の突出形状218上で蒸発する又はスパッタされる金属220を示す。図6Eは、マスク材料211及び除去されたマスク材料211上に付着した金属220を有する基材200を示し、金属220は、構造化表面領域205の界面221での突出形状218上に存在する。図6Fは、金属220、及びくぼんだ形状215のくぼんだ表面212と接着剤又は屈折率整合材料230との間の第3の界面245を有する基材200の構造化表面領域205を封入する第2の接着剤又は屈折率整合材料230を示す。第4の界面240は、金属220と接着剤又は屈折率整合材料230との間に存在する。
【0086】
別の態様では、ミクロ構造を形成する方法を提供する。方法は、構造化表面領域の表面上に配置される金属層を含む金属化構造化表面領域を含む基材を提供する工程を含む。金属化構造化表面領域は、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を含む。金属化構造化表面領域は、実質的に平坦域を有さない。方法は、抵抗材料及び液体を含む流体組成物を金属化構造化表面領域上に配置する工程、液体を流体組成物から蒸発させる工程、及び金属化構造化表面領域の残余が実質的に抵抗材料を有さないように、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に抵抗材料を収集する工程を含む。
【0087】
金属化とは、構造化表面領域が、金属含有材料層を含むことを意味する。本明細書において、金属含有材料層という用語は、金属層という用語と同じ意味で使用される。金属化構造化表面領域に対する金属含有材料のいくつかの例としては、元素金属、金属合金、金属混合物、金属間化合物、金属酸化物、金属硫化物、金属炭化物、金属窒化物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ロジウム、銅、ニッケル、鉄、インジウム、スズ、タンタル、チタン、クロム、タングステンが挙げられる。
【0088】
流体組成物の抵抗材料は、くぼんだ形状のうちの1つ以上の、金属化表面であるくぼんだ表面上に集まることができる。本明細書において使用されるように、「抵抗材料」は、化学的及び/又は物理的作用(例えば、減法混色の金属エッチング)から金属含有層を保護する金属含有層のコーティングとして使用される材料を指す。抵抗材料の好適な例としては、高分子材料、無機材料等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。抵抗材料は、米国特許第6,077,560号(Moshrefzadehら)において記載される。
【0089】
商業用抵抗材料のいくつかの例としては、Shipley Company of Marlborough,MassachusettsからSHIPLEY RESIST 1400−37の商品名で市販されているレジスト、LeaRonal of Freeport,New YorkからRONASCREEN 2400の商品名で市販されているレジスト、及びUCB Chemicals Corporation of Smyrna,GeorgiaからDANOCURE 1173(光開始剤を伴うアクリル酸イソボルニル)の商品名で市販されている別のフォトレジスト等のフォトレジストが挙げられる。
【0090】
無機抵抗材料のいくつかの例としては、例えば、金属酸化物及び金属窒化物、無機半導体、金属等が挙げられる。有用な金属酸化物及び金属窒化物の代表例としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、シリコン窒化物、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ジルコニウムバリウム等を挙げることができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、抵抗材料は、液体を流体組成物から蒸発させた後に硬化することができる。付着し、後に硬化することができる単量体前駆体(反応性モノマー)(例えば、UV又は電子ビーム硬化)を使用することもできる。さらに、例えば、有機ガラス、結晶性有機物等の小分子を使用することができる。
【0092】
減法混色を使用して、金属化構造化表面領域の暴露された金属含有材料層を除去することができる。金属化構造化表面領域の暴露された金属含有材料層を除去するためのいくつかの有用な減法混色としては、例えば、湿式化学エッチング、液体材料の使用、乾式エッチング(例えば、プラズマ/反応性イオンエッチング)、及びレーザー切断が挙げられる。湿式化学エッチングは、典型的には金属化基材を化学腐食液の液体浴に浸漬すること、又は金属化構造化表面領域上の金属含有材料層と反応する化学腐食液を金属化構造化表面領域に噴霧することによる材料の除去を伴う。腐食液の代表例としては、例えば、シリコン用のHF、HF:NH4F、KOH、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)、CsOH、NaOH、及びヒドラジン(N2H4−H2O)、金属用のHCl:グリセリン、ヨウ素、KI:I2−H2O、及びHNO3、及び金属酸化物又は窒化物用のHF及びHClが挙げられる。金属含有材料層の液体除去は、典型的には、金属化構造化表面領域を液体に暴露させることを伴い、層は可溶性である。有用な液体としては、例えば、水ベースの溶液等の水性及び有機溶液、アセトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等、及びこれらの混合物が挙げられる。乾式エッチングは、プラズマ又は反応性イオンのいずれかによって行われる。乾式エッチングは、概して除去される金属化構造化表面領域の金属含有材料層を反応性プラズマに暴露させることを伴い、物理的及び化学的プロセスの組み合わせによって金属含有材料層をエッチングする。プラズマは、例えば、高周波エネルギー、マイクロ波エネルギー、又は磁気閉じ込めを組み合わせたマイクロ波エネルギー等の技術を使用して腐食ガス中で生成することができる。有用な腐食ガスとしては、例えば、塩化炭化水素(例えば、CFCl3、CF2Cl2、及びCF3Cl)、ハロカーボン(例えば、CCl4、CF4、CHCl3、及びCHF3)、フッ素ベースのガス(例えば、SF6、NF3、及びSiF4)、クロリンベースのガス(例えば、Cl2、BCl3、及びSiCl4)、及び臭素ベースのガス(例えば、Br2及びHBr)が挙げられる。レーザー切断は、金属の部分を、金属を分解するために十分な強度及び波長のレーザー光線に暴露することによる金属層の直接除去を伴う。典型的には、紫外線(UV)レーザーを使用するが、照明は、赤外線又は可視光線等の任意の種類の光であり得る。例えば、CO2レーザー又はエキシマレーザー等の任意の種類の好適なレーザーを使用することができる。エキシマレーザーは、特に有用である。任意の種類のエキシマレーザー(例えば、F2、ArF、KrC、XeCl、又はKrF)を使用することができる。選択される減法混色は、金属化構造化表面領域及び使用する抵抗材料に依存し得る。選択された減法混色は、金属層の除去と抵抗材料の除去との間の特定の減法混色の選択性の程度に依存し得(すなわち、除去プロセスは、抵抗材料ではなく金属化構造化表面領域の金属層を選択的に除去すべきである)、WO 2005061752号(Theiss)に記載される。適切な減法混色は、当業者にとって明らかである。
【0093】
いくつかの実施形態では、抵抗材料は、液体を流体組成物から蒸発させた後に硬化することができる。抵抗材料の硬化は、液体を除去すること、抵抗材料を乾燥させること又は架橋によって生じることができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、金属化構造化表面領域のくぼんだ形状又はくぼんだ形状の少なくとも一部分は、くぼんだ形状のくぼんだ表面上に収集される抵抗材料、又は抵抗材料及び高分子材料、又は抵抗材料及び硬化高分子材料を含む。金属化構造化表面領域の残余は、実質的に抵抗材料を有さない。金属化構造化表面領域の残余の金属層は、金属化構造化表面領域から除去される金属層の少なくとも一部分を有することによってエッチングすることができる。金属化構造化表面領域の金属層の残余を除去する又はエッチングするための材料が記載されている。くぼんだ形状のくぼんだ表面の抵抗材料は、エッチング処理中に抵抗材料の下に配置される金属層を保護する。
【0095】
いくつかの実施形態では、流体組成物は、抵抗材料及び高分子材料を含む、又は流体組成物は、金属化構造化表面領域の残余から金属層をエッチングした後に金属化構造化表面領域のくぼんだ形状のくぼんだ表面から除去することができる抵抗材料及び硬化高分子材料を含む。くぼんだ形状の抵抗材料の除去の後、金属化構造化表面領域の金属層は、くぼんだ形状内で暴露することができる。抵抗材料は、加熱、溶解、分解、又は当業者に周知の他の方法によって除去することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、金属含有材料層及びエッチング後にくぼんだ形状に残る抵抗材料を有する構造化表面領域は、接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。他の実施形態では、くぼんだ形状に残る金属含有材料層及び除去される抵抗材料を有する構造化表面領域は、接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻すことができる。
【0097】
図7Aは、構造化表面領域305を有する基材300を示す。図7Bは、金属基材界面315を有する構造化表面領域305上に付着した金属層310を有する基材300を示す。図7Cは、金属層310上に配置された抵抗材料及び液体を含む流体組成物320を示す。図7Dは、流体組成物320からの液体の蒸発後の抵抗材料321が、抵抗材料321及び金属層310との間の界面325を有する金属化くぼんだ形状327の金属化くぼんだ表面312上に集まるように、構造化表面領域305上に付着した金属層310を有する基材300を示す。図7Eは、金属層310を突出領域318から選択的にエッチングし、流体組成物320の抵抗材料及び金属化くぼんだ形状327の金属化くぼんだ表面312を残すことを示す。図7Fは、抵抗材料321の除去の後に残る金属化くぼんだ形状327の金属層310を有する基材300を示す。図7Gは、金属化くぼんだ形状327の金属層310及び基材300の構造化表面領域305を封入する接着剤又は屈折率整合材料340を示す。金属接着剤又は屈折率整合材料界面350及び基材接着剤又は屈折率整合材料界面330が形成される。
【0098】
いくつかの実施形態では、物品を提供する。物品は、構造化表面領域を伴う透明な基材、構造化表面領域のくぼんだ形状に選択的に配置される導電性の機能材料(導電性材料)、及び構造化表面領域のくぼんだ形状に埋め戻された接着剤又は屈折率整合材料の水平化層を含む。構造化基材領域は、実質的に平坦域を有さない。構造化表面領域のくぼんだ形状に選択的に配置されるとは、導電性材料が、くぼんだ形状に、くぼんだ表面に接触して存在し、構造化表面領域の残余の少なくとも一部分、例えば、突出形状の表面上に存在しないことを意味する。
【0099】
導電性材料は、本開示の前述の方法に従って、くぼんだ表面と接触する状態にされる導電性材料のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。物品の基材材料は、透明であり、上述の方法のために有用である前述の基材材料のうちのいずれかから選択されてもよい。特に有用な基材材料としては、成形ポリマー基材、例えば、熱的型押し又は硬化による物理的ツールに対してポリマーフィルムを形作ることによって構造化表面領域で製造される基材材料が挙げられる。
【0100】
埋め戻し材料、例えば、接着剤又は屈折率整合材料は、前述の方法において有用であるとして本開示に既に記載されるものから選択されてもよい。接着剤又は屈折率整合材料の層に関して水平化とは、それは、i)導電性材料によって占有されていない構造化表面領域のくぼんだ形状の任意の体積を完全に充填し、ii)構造化表面領域の突出形状を任意に覆い、iii)基材の主表面輪郭と平行である構造化表面領域の表面を伴う、その界面の反対に表面を有することを意味する。いくつかの実施形態では、埋め戻し材料の屈折率と基材の屈折率との間の差異は、0.2以下である。
【0101】
物品の基材の構造化表面領域のトポグラフィーの形状は、上記の方法のために有用な基材の前述の説明に従って選択されてもよい。物品のための好ましい基材は、トポグラフィー形状のサイズ及び形状、トポグラフィー形状の均一性、及びトポグラフィー形状の密度の均一性に関して、前述の方法のために有用な基材に関して上述される優先傾向に従って選択されてもよい。
【0102】
基材のトポグラフィー形状のための優先傾向に加えて、好ましい物品は、くぼんだ表面の接触における導電性材料のパターンに関して画定されてもよい。少なくとも一部においてくぼんだ形状のパターンに登録される伝導性材料のパターンとしては、反復する幾何学的形状、例えば、周期的に離間した線が挙げられる。導電性材料は、2次元ネットワーク、グリッド、又はメッシュの形態をとることができる。2次元ネットワーク、グリッド、又はメッシュは、一定の周期的形状を含むことができる又は無作為の形状を含むことができる。導電性材料は、一連の平行線の形態をとることができる。導電性材料が、2次元ネットワーク、グリッド、若しくはメッシュ、又は一連の平行線の形態をとるいくつかの実施形態に対して、これらのパターンを画定する線の幅は、好ましくは均一、好ましくは10ナノメートル〜500マイクロメートルの範囲内、より好ましくは50ナノメートル〜100マイクロメートルの範囲内、より好ましくは100ナノメートル〜25マイクロメートルの範囲内、より好ましくは250ナノメートル〜10マイクロメートルの範囲ない、より好ましくは500ナノメートル〜5マイクロメートルの範囲内、最も好ましくは1マイクロメートル〜4マイクロメートルの範囲内である。導電性材料が、線の2次元ネットワーク、グリッド、若しくはメッシュ、又は一連の平行線の形態をとるいくつかの実施形態に対して、導電性材料によって占有される又は覆われる構造化表面領域の面積割合は、好ましくは0.01〜50パーセント、より好ましくは0.1〜25パーセント、より好ましくは1〜15パーセントである。
【0103】
図8は、断面で示される構造化表面領域515を含む、一実施形態による物品500を示す。物品500は、主表面輪郭510を有する主表面505を伴う可撓性シートの形態である。
【0104】
図9は、主表面輪郭510を有する構造化表面領域515を伴う基材520を含む物品500を示す。構造化表面領域515は、くぼんだ形状530及び突出形状535を含む。くぼんだ表面525を有するくぼんだ形状530は、くぼんだ表面530及びくぼんだ表面525と接触する導電性材料540を含む。構造化表面領域は、基材埋め戻し材料界面550及び導電性材料埋め戻し材料界面560で埋め戻し材料545に接触する。埋め戻し材料は、主表面輪郭510と平行である第1の表面555も含む。
【0105】
本開示のミクロ構造は、多くの用途において利用することができる。いくつかの実施形態では、ミクロ構造は、肉眼では見えない又はほぼ見えない、十分に小さい最小寸法を有する導電性形状(例えば、線の幅)を含む。ミクロ構造を使用するいくつかの用途としては、電子回路、例えば、可撓性電気回路が挙げられる。ミクロ構造を使用する他の用途としては、電極を必要とする装置が挙げられる。電極の例としては、大きい面積(例えば、1cm2、500cm2、又は1m2より大きい面積)にわたって伝導性であり、光を伝達する本質的に平面な電極、可撓性電極等を含む。電極を含む装置のいくつかの例としては、エレクトロクロミックウィンドウ及びディスプレー、エレクトロルミネセントランプ、抵抗加熱ウィンドウ、及びタッチ画面表示が挙げられる。ミクロ構造を含む他の用途としては、遮蔽電磁放射線、例えば、電磁干渉(EMI)における使用が挙げられる。後者の例としては、電子情報表示、例えば、プラズマ表示パネル(PDP)が挙げられる。
【0106】
本開示は、例示的なものであり、本開示の範囲を制限することを意図しない以下の実施例により、さらに明らかになるであろう。
【実施例】
【0107】
本開示について以下の実施例でより具体的に説明するが、本開示の範囲内での多数の修正及び変更が当業者には明らかとなるため、以下の実施例は例示のみを目的としたものである。別に言及のない限り、以下の実施例で報告されている全ての部、百分率、及び比率は重量基準であり、実施例で用いられる全ての試薬は、下記の化学薬品供給元から得た又は入手できる、あるいは従来の技術により合成することができる。
【0108】
(実施例1)
前めっき溶液を調製した。パラジウムアセテート(Pd(OAc)2)、0.24グラム、Alfa Aesar,Ward Hill,Massachusetts)及び酢酸セルロース(1.36グラム、Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)を、アセトン(98.4グラム、Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解し、前めっき溶液を形成した。前めっき溶液を、VIKUITI 90/24 BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM II(3M Company,Display and Graphics Division,Maplewood,Minnesota)の商品名で市販されている角柱フィルム上へピペットで付着させた。その後、前めっき溶液を巻き線型Meyer Rod(100マイクロメートル(4mil)、R.D.Specialties,Incorporated,Webster,New York)で引き下げ、コーティングを提供した。基材上のコーティングは、基材がタッチドライし、サンプルを形成するように、アセトンがコーティングから蒸発するまで、そのままにした。サンプルを室温及び大気圧で約30秒乾燥させた。サンプルが乾燥した後、銅含有無電解めっき浴(M85−System;MacDermid Incorporated,Waterbury,Connecticutt)に約4分配置した。サンプルを無電解めっき浴から取り出し、脱イオン水(Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)で洗浄し、室温及び大気圧で空気中で乾燥させた。乾燥後、ミクロ構造を有するサンプルを、3M EAGLE Resin(3M Company,St.Paul,Minnesota)の商品名で市販されているUV(紫外線)硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。角柱フィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートと角柱フィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。
【0109】
PETシートを積層構造から除去した。角柱フィルムのくぼんだ形状内にある銅ミクロ構造(例えば、銅痕跡)を光学顕微鏡(Leica Reichert Polyvar 2;Leica,Allendale,New Jersey)で測定した。くぼんだ形状に配置された銅ミクロ構造の断面の幅は、光学顕微鏡写真、図11に示されるように約4〜8マイクロメートルであった。銅ミクロ構造の2.54cm幅のアレイの電気シート抵抗は、光学顕微鏡写真、図12に示されるように約0.25〜約2.5オーム/平方の範囲で測定された。
【0110】
(実施例2)
前めっき溶液を調製した。パラジウムアセテート(Pd(OAc)2);0.24グラム;Alfa Aesar,Ward Hill,Massachusetts)及び酢酸セルロース(1.36グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)を、アセトン(98.4グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解し、前めっき溶液を形成した。前めっき溶液をMICRO OPTICS MICROLENS ARRAYS(Leister Process Technologies;Sarnen,Switzerland)の商品名で市販されているものと同様のマイクロレンズアレイフィルム上にピペットで付着させた。その後、前めっき溶液を巻き線型Meyer Rod(100マイクロメートル(4mil);R.D.Specialties,Incorporated,Webster,New York)で引き下げ、コーティングを提供した。基材上のコーティングは、基材が触れて乾燥するように、アセトンがコーティングから蒸発し、サンプルを形成するまで、そのままにした。サンプルを室温及び大気圧で30秒乾燥させた。サンプルが乾燥した後、銅含有無電解めっき浴(M85−System;MacDermid Incorporated,Waterbury,Connecticutt)に約4分配置した。サンプルを無電解めっき浴から取り出し、脱イオン水(Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)で洗浄し、室温及び大気圧で空気中で乾燥させた。光学顕微鏡写真、図13は、金属層を含有するくぼんだ形状を示す。乾燥後、ミクロ構造を有するサンプルを、3M EAGLE Resin(3M Company,St.Paul,Minnesota)の商品名で市販されているUV(紫外線)硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。マイクロレンズアレイフィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートとマイクロレンズアレイフィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。光学顕微鏡写真、図14は、埋め戻し後の図13のマイクロレンズアレイ基材を示す。
【0111】
PETシートを積層構造から除去した。マイクロレンズアレイフィルムのくぼんだ形状内にある銅ミクロ構造(例えば、銅痕跡)を光学顕微鏡(Leica Reichert Polyvar 2;Leica,Allendale,New Jersey)で測定した。銅ミクロ構造の幅は、約5〜15マイクロメートルであった。マイクロレンズアレイフィルムの銅ミクロ構造の電気シート抵抗は、約0.25〜2.5オーム/平方と測定された。
【0112】
(実施例3)
抵抗溶液を調製した。Futurrex NR9−1000PY溶液(15グラム;Futurrex,Inc.,Franklin,New Jersey)をメチルエチルケトン((MEK)85グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解し、抵抗溶液を形成した。基材上の金属化構造化表面領域は、均一の銅の層をVIKUITI 90/24 BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM II(3M Company,Display and Graphics Division,Maplewood,Minnesota)の商品名で市販されている角柱フィルム上に蒸発コーティングすることによって調製し、金属化角柱フィルムを形成した。電気シート抵抗は、約0.5〜約5.0オーム/平方と測定された。
【0113】
抵抗溶液を上述の金属化角柱フィルム上にダイコーティングした。フィルムは、1.6cm3/分の流量を有する抵抗溶液で2m/分の率で動いていた。抵抗溶液を約10.5cmの幅に塗布した。基材上の抵抗溶液は、基材がタッチドライし、周囲条件下でサンプルを形成するように、MEKがコーティングから蒸発するまで、そのままにした。
【0114】
水性腐食液浴は、100グラムの腐食液(Microclean Etch;Rohm & Haas,Philadelphia,Pennsylvania)を1リットルの脱イオン水に添加することによって調製した。水性腐食液浴を45秒攪拌し、腐食液を脱イオン水に混合した。水性腐食液浴を混合した後、金属化角柱フィルムを水性腐食液浴に約20秒配置し、エッチングされた金属化角柱フィルムを形成した。エッチングされた金属化角柱フィルムを水性腐食液浴から取り出し、脱イオン水で2分洗浄し、室温及び大気圧で乾燥させた。乾燥後、エッチングされた金属化角柱フィルムを、3M EAGLE Resin(3M Company,St.Paul,Minnesota)の商品名で市販されているUV(紫外線)硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。エッチングされた金属化角柱フィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートとエッチングされた金属化角柱フィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。
【0115】
PETシートを積層構造から除去した。エッチングされた金属化角柱フィルムのくぼんだ形状内にある銅ミクロ構造(例えば、銅痕跡)を光学顕微鏡(Leica Reichert Polyvar 2;Leica,Allendale,New Jersey)で測定した。銅ミクロ構造の幅は、光学顕微鏡写真、図15に示されるように約4〜10マイクロメートルであった。銅ミクロ構造の2.54cm(1インチ)幅のアレイの電気シート抵抗は、約4〜約10オーム/平方と測定された。
【0116】
(実施例4)
抵抗溶液を調製した。Futurrex NR9−1000PY溶液(25グラム;Futurrex,Inc.,Franklin,New Jersey)をメチルエチルケトン((MEK)85グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解し、抵抗溶液を形成した。基材上の金属化構造化表面領域は、85ミクロンの中心間距離を伴う半球形状のレンズレット(例えば、「マイクロレンズレット」)の周期的アレイを含む基材上に均一な銅の層を蒸発コーティングすることによって調製した。金属化基材のシート抵抗は、約0.5オーム/平方〜5オーム/平方であった。
【0117】
抵抗溶液を上述の金属化基材上にダイコーティングした。基材は、約3.5cm3/分の流量を有する抵抗溶液で約2m/分の率で動いていた。メチルエチルケトンを室温及び圧力でコーティングから蒸発させた。
【0118】
金属化基材を実施例4の水性腐食液浴に約2分配置し、室温及び圧力で乾燥させた。乾燥かつエッチングされた金属化基材を、上記の実施例4に記載されるようにUV硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。エッチングされた金属化角柱フィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートとエッチングされた金属化角柱フィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。
【0119】
PETシートを積層構造から除去した。エッチングされた金属化角柱フィルムのくぼんだ形状内にある銅ミクロ構造(例えば、銅痕跡)を、光学顕微鏡写真、図16に示されるように光学顕微鏡(Leica Reichert Polyvar 2;Leica,Allendale,New Jersey)で測定した。埋め戻された基材のくぼんだ形状において見られる銅ミクロ構造の幅は、約5〜15ミクロンであった。
【0120】
(実施例5)
銀インク溶液を調製した。Cabot CCI−300銀導電性インク(1グラム;Cabot Superior MicroPowders,Albuquerque,New Mexico)を15gの重さのメチルエチルケトン((MEK)85グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)と混合し、銀インク溶液を形成した。
【0121】
銀インク溶液を、VIKUITI 90/50 BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM II(3M Company,Display and Graphics Division,Maplewood,Minnesota)の商品名で市販されている角柱フィルム上へピペットで付着させた。その後、銀インク溶液を巻き線型Meyer Rod(100マイクロメートル(4mil);R.D.Specialties,Incorporated,Webster,New York)で引き下げ、コーティングされた角柱フィルムを提供した。メチルエチルケトンをフィルムから室温及び大気圧で約1分蒸発させた。
【0122】
コーティングされた角柱フィルムが乾燥した後、基材を100℃まで15分加熱し、銀インクを硬化させた。乾燥後、フィルムを、3M EAGLE Resin(3M Company,St.Paul,Minnesota)の商品名で市販されているUV(紫外線)硬化型アクリレート樹脂で埋め戻した。角柱フィルムのミクロ構造は、UV硬化型アクリレート樹脂をポリエチレンテレフタレート((PET);Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee)のシートと角柱フィルムとの間に積層することによって埋め戻し、積層構造を形成した。積層構造を融合UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems,Gaithersburg,Maryland)に配置した。UV硬化型樹脂アクリレートを紫外線(Hバルブ)で重合した。その後、積層構造物をFusion UV硬化チャンバ(Model MC−6RQN,Fusion UV Systems,Gaithersburg,MD)に配置し、アクリレートをHバルブから発せられる紫外線で重合した。光学顕微鏡((Leica Reichert Polyvar 2,Leica,Allendale,NJ)で測定された角柱フィルムのくぼんだ形状に位置する銀ミクロ構造の幅は、光学顕微鏡写真、図17に示されるように約10〜25マイクロメートルであった。
【0123】
予想される実施例
「リフトオフ」処置を使用するミクロ構造を形成するための方法を開示する。溶液は、Futurrex NR9−1000PY(25グラム;Futurrex,Inc.,Franklin,New Jersey)等のリフトオフ材料を含有し、リフトオフ溶液を形成するためにメチルエチルケトン((MEK)85グラム;Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri)に溶解する。リフトオフ溶液は、VIKUITI 90/50 BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM II(3M Company,Display and Graphics Division,Maplewood,Minnesota)の商品名で市販されている角柱フィルム上にコーティングすることができる。銀インク溶液は、巻き線型Meyer Rod(100マイクロメートル(4mil);R.D.Specialties,Incorporated,Webster,New York)で引き下げ、コーティングされた角柱フィルムを提供することができる。メチルエチルケトンは、リフトオフ材料が、フィルムのくぼんだチャネルに存在する用に、フィルムから蒸発させることができる。銅は、コーティングされた角柱フィルム上に蒸発塗工機によって付着することができる。銅は、角柱フィルムのくぼんだチャネルに付着したリフトオフ材料を含むフィルム全体を等角的に覆うことができる。金属でコーティングされた角柱フィルムは、リフトオフ材料、及びくぼんだチャネルにあるリフトオフ材料に付着した銅を溶解するためにメチルエチルケトンで洗浄することができる。銅の層は、突出表面(例えば、リフトオフ材料を有さない表面)に残ることができる。
【0124】
本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく本開示の様々な修正形態及び変更形態が、当業者には、明らかとなろう。また、本発明は、本明細書に記載した例示的な要素に限定されないことが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
くぼんだ表面を伴う1つ以上のくぼんだ形状を含む構造化表面領域を有する基材を提供する工程であって、前記構造化表面領域が、実質的に平坦域を有さない工程と、
機能材料及び液体を含む流体組成物を前記構造化表面領域上に配置する工程と、
液体を前記流体組成物から蒸発させる工程であって、前記機能材料が、前記構造化表面領域の残余が実質的に前記機能材料を有さないように、前記くぼんだ表面上に集まる工程と、を含む、ミクロ構造を形成する方法。
【請求項2】
前記機能材料が、金属、金属前駆体、無電解めっき触媒、無電解めっき触媒前駆体、マスク材料、生物材料、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流体組成物が、導電性インクを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
液体を前記流体組成物から蒸発させた後に前記導電性インクを硬化させる工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記構造化表面領域を無電解にめっきする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
液体を前記流体組成物から蒸発させた後に前記機能材料を硬化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記機能材料を無電解にめっきする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記くぼんだ形状を接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻す工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
構造化表面領域上に配置される金属層を含む金属化構造化表面領域を含む基材を提供する工程であって、前記金属化構造化表面領域が、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を含み、前記金属化構造化表面領域が、実質的に平坦域を有さない工程と、
抵抗材料及び液体を含む流体組成物を前記金属化構造化表面領域上に配置する工程と、
液体を前記流体組成物から蒸発させる工程であって、前記抵抗材料が、前記金属化構造化表面領域の残余が実質的に前記抵抗材料を有さないように、前記くぼんだ表面上に集まる工程と、を含む、ミクロ構造を形成する方法。
【請求項10】
液体を前記流体組成物から蒸発させた後に前記抵抗材料を硬化させる工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記くぼんだ形状を接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻す工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記基材が、マイクロ複製された基材を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記構造化表面領域又は前記金属化構造化表面領域が、線状角柱、角錐、半楕円体、円錐、非線状角柱、又はこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記構造化表面領域又は前記金属化構造化表面領域が、線状角柱を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記構造化表面領域が、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐、又はこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記液体が、ケトン、アルコール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
主表面輪郭を伴う主表面を含み、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を含む構造化表面領域を有する透明な基材であって、前記構造化表面領域が、実質的に平坦域を有さない透明な基材と、
前記くぼんだ表面に隣接し、接触している導電性材料と、
第1の表面と第2の表面とを含む接着剤又は屈折率整合材料であって、前記第1の表面が、前記構造化表面領域に接触し、前記第2の表面が、前記透明な基材の前記主表面輪郭と平行であり、前記構造化表面領域の残余が、実質的に前記導電性材料を有さない接着剤又は屈折率整合材料と、を備える、物品。
【請求項18】
前記導電性材料が、線又は一連の平行線の2次元ネットワークであり、前記線が、10ナノメートル〜500マイクロメートルの範囲の幅を有する、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記導電性材料が、線の2次元ネットワークの形態であり、導電性材料によって覆われる前記構造化表面領域の面積割合が、0.01〜50パーセントの範囲である、請求項17に記載の物品。
【請求項20】
前記接着剤又は前記屈折率整合材料の屈折率と前記基材の屈折率との間の差異が、0.2以下である、請求項17に記載の物品。
【請求項21】
前記透明な基材が、マイクロ複製されたポリマーフィルムである、請求項17に記載の物品。
【請求項1】
くぼんだ表面を伴う1つ以上のくぼんだ形状を含む構造化表面領域を有する基材を提供する工程であって、前記構造化表面領域が、実質的に平坦域を有さない工程と、
機能材料及び液体を含む流体組成物を前記構造化表面領域上に配置する工程と、
液体を前記流体組成物から蒸発させる工程であって、前記機能材料が、前記構造化表面領域の残余が実質的に前記機能材料を有さないように、前記くぼんだ表面上に集まる工程と、を含む、ミクロ構造を形成する方法。
【請求項2】
前記機能材料が、金属、金属前駆体、無電解めっき触媒、無電解めっき触媒前駆体、マスク材料、生物材料、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流体組成物が、導電性インクを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
液体を前記流体組成物から蒸発させた後に前記導電性インクを硬化させる工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記構造化表面領域を無電解にめっきする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
液体を前記流体組成物から蒸発させた後に前記機能材料を硬化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記機能材料を無電解にめっきする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記くぼんだ形状を接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻す工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
構造化表面領域上に配置される金属層を含む金属化構造化表面領域を含む基材を提供する工程であって、前記金属化構造化表面領域が、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を含み、前記金属化構造化表面領域が、実質的に平坦域を有さない工程と、
抵抗材料及び液体を含む流体組成物を前記金属化構造化表面領域上に配置する工程と、
液体を前記流体組成物から蒸発させる工程であって、前記抵抗材料が、前記金属化構造化表面領域の残余が実質的に前記抵抗材料を有さないように、前記くぼんだ表面上に集まる工程と、を含む、ミクロ構造を形成する方法。
【請求項10】
液体を前記流体組成物から蒸発させた後に前記抵抗材料を硬化させる工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記くぼんだ形状を接着剤又は屈折率整合材料で埋め戻す工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記基材が、マイクロ複製された基材を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記構造化表面領域又は前記金属化構造化表面領域が、線状角柱、角錐、半楕円体、円錐、非線状角柱、又はこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記構造化表面領域又は前記金属化構造化表面領域が、線状角柱を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記構造化表面領域が、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐、又はこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記液体が、ケトン、アルコール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
主表面輪郭を伴う主表面を含み、くぼんだ表面を有する1つ以上のくぼんだ形状を含む構造化表面領域を有する透明な基材であって、前記構造化表面領域が、実質的に平坦域を有さない透明な基材と、
前記くぼんだ表面に隣接し、接触している導電性材料と、
第1の表面と第2の表面とを含む接着剤又は屈折率整合材料であって、前記第1の表面が、前記構造化表面領域に接触し、前記第2の表面が、前記透明な基材の前記主表面輪郭と平行であり、前記構造化表面領域の残余が、実質的に前記導電性材料を有さない接着剤又は屈折率整合材料と、を備える、物品。
【請求項18】
前記導電性材料が、線又は一連の平行線の2次元ネットワークであり、前記線が、10ナノメートル〜500マイクロメートルの範囲の幅を有する、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記導電性材料が、線の2次元ネットワークの形態であり、導電性材料によって覆われる前記構造化表面領域の面積割合が、0.01〜50パーセントの範囲である、請求項17に記載の物品。
【請求項20】
前記接着剤又は前記屈折率整合材料の屈折率と前記基材の屈折率との間の差異が、0.2以下である、請求項17に記載の物品。
【請求項21】
前記透明な基材が、マイクロ複製されたポリマーフィルムである、請求項17に記載の物品。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2011−526844(P2011−526844A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516638(P2011−516638)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048571
【国際公開番号】WO2010/002679
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048571
【国際公開番号】WO2010/002679
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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