説明

ミストサウナ装置

【課題】浴室内のカビの繁殖を抑制するミストサウナ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】換気および暖房換気循環機能を備えた浴室のミストサウナ装置1であって、ミストサウナ装置1内に浴室内の温度を検出する温度検知センサ手段10と、浴室内の湿度を検出する湿度検知センサ手段11と、ミストサウナ装置1が設置してある屋根裏の温度を検知する屋根裏空気温度検知手段7と、浴室の内面に気流を発生させる気流発生手段と、運転モードを選定する運転制御指示回路4とを設け、温度検知センサ手段10と湿度検知センサ手段11と屋根裏空気温度検出手段7から気流発生手段をもとに前記浴室の水滴の蒸発を検知し、カビの繁殖しない温湿度に設定することで、浴室内を清潔に保ち、浴室内の清掃の頻度を低減するミストサウナ装置を得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内にミストを発生させるミストサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のミストサウナ装置として、蒸発したミストを浴室内へ供給するミストサウナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、そのミストサウナ装置について図8を参照しながら説明する。
【0004】
図8に示すように、ミストサウナ装置101は、給湯暖房機102とループ状の循環管路で接続している熱交換器103と熱交換器上に流されて加熱され、蒸発してミストとなる温水を供給する給湯配管104から構成され、給湯配管104には、給湯加熱部に入る前の一に流水スイッチ105が設けられ、お湯流量調整弁106が設けてある。また、乾燥、暖房運転を制御する手段として浴室内の温度、湿度を検出する温湿度検出手段107が設けてある。これにより、温湿度検出手段107の出力により、カビを抑制するものである。
【0005】
また、カビを抑制する為に浴室内を乾燥させても高温と高湿とならない制御を行った浴室空調機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
これは、浴室の空調を暖房モード及び換気モードで行う空調手段と暖房モードでの空調が終了した場合、換気モードのみのモードに自動的に切り換わる空調手段を制御する制御手段を備えた浴室空調機である。
【0007】
また、カビの抑制に関しては、温湿度検出手段107を用い、相対湿度を40%〜60%の範囲内に収まるようにすること圧縮機を運転することを特徴とする除湿機に関するものもある。(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特許第3699289号公報
【特許文献2】特開2000−314537号公報
【特許文献3】特開2001−248880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来のミストサウナ装置や除湿機では、壁面から発生する水滴からの水蒸気の発生を考慮せず、浴室内の湿度でカビを抑制するため、乾燥手段時に壁面からの水蒸気が発生し、処理終了後に浴室内湿度が上昇し、カビも繁殖し、カビの繁殖を抑制することができないという課題があり、壁面の水滴を除去した後にカビの繁殖を抑制することが要求されている。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、乾燥手段時に壁面からの水蒸気の発生を防止するため、壁面から発生する水蒸気を浴室の温度と湿度と屋根裏の温度で検出し、カビの繁殖を抑制するミストサウナ装置を提供することを目的としている。
【0010】
また、ミスト発生することで、入浴時よりも天井・壁面の水滴の量が増加し、カビが繁殖しやすい状態になり、ミスト運転によりカビが繁殖しやすい状態に保たれるという課題があり、ミスト運転後すぐにカビを抑制することが要求されている。
【0011】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、カビが繁殖しやすい状態抑制するため、ミスト発生後浴室内の温度を利用しカビの菌糸が成長する前にカビを抑制することのできる防カビミストサウナ装置を提供することを目的としている。
【0012】
また、カビも高湿度で育成したカビは低湿度で生育したカビよりも耐乾性が弱いが、季節に応じて種類も異なるという課題があり、カビを抑制するためには季節に応じたカビを抑制することが要求されている。
【0013】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、季節に応じてカビの種類を特定し、最小限のエネルギーでカビを抑制することのできる防カビミストサウナ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、換気および暖房換気循環機能を備えた浴室のミストサウナ装置であって、前記ミストサウナ装置内に前記浴室内の温度を検出する温度検知手段と、前記浴室内の湿度を検出する湿度検知手段と、前記ミストサウナ装置が設置してある屋根裏の温度を検知する屋根裏空気温度検知手段と、前記浴室の内面に気流を発生させる気流発生手段と、運転モードを選定する運転制御手段とを設け、前記運転制御手段により前記気流発生手段を制御し、前記気流発生手段により前記浴室の内面に気流を発生させ、前記温度検知手段により検知された前記浴室内の温度と前記湿度検出手段により検知された前記浴室内の湿度と前記屋根裏空気温度検出手段により検知された前記屋根裏の温度とにより浴室内の内面の水滴の有無を前記運転制御手段で判断し、前記運転制御手段により、カビの繁殖しない温湿度に設定することを特徴とするミストサウナ装置としたものであり、浴室の壁面の水滴を蒸発させたことを検出し、浴室内にカビの繁殖しない温湿度に維持するために浴室内の温湿度と屋根裏の空気の温度を定期的に計測し運転制御するものとしたものである。
【0015】
この手段により浴室壁面の水滴から発生する水蒸気を湿度として検出し、カビを抑制する温湿度を再度設定し、浴室内のカビの繁殖を抑制することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0016】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、カビの繁殖しやすい状態として、ミスト運転開始後になるため、ミスト運転開始後にカビの繁殖しない温湿度に設定する運転制御としたものである。
【0017】
これにより、ミスト発生後の浴室内の温度を生かし、低温育成菌を抑制しカビを抑制することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0018】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、常時換気で浴室内に流入する空気の温湿度を計測し、季節を判定し、季節に応じたカビを抑制する運転制御としたものである。
【0019】
これにより、季節に応じてカビの種類を特定し、最小限のエネルギーでカビを抑制することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0020】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、入浴する前の温湿度で浴室内の状態を把握し、入浴後に必要なエネルギーを算出する制御としたものである。
【0021】
これにより、加熱が必要のない浴室環境温湿度を計測することで、加熱エネルギーを不必要にすることのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0022】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、不必要な運転パターンをなくし、効率的に運転制御を行うこととしたものである。
【0023】
これにより、換気、乾燥、循環の運転パターンにより、必要最小限のエネルギーでカビの抑制することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0024】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、温度手段を耐水性の高い熱電対としたものである。
【0025】
これによりミストや水滴が発生しても正確に温度を検出することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0026】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、湿度手段の耐久性の高い高分子を用いたものである。
【0027】
これによりミストや水滴が発生しても正確に湿度を検出することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0028】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、浴室内で温度範囲を限定したものである。
【0029】
これにより必要な温度検出範囲を限定することで、過剰な制御ロジックを減らし、制御ソフトのバグを防止することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0030】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、カビの抑制に浴室内で湿度範囲を限定したものである。
【0031】
これにより必要な湿度検出範囲を限定することで、過剰な制御ロジックを減らし、制御ソフトのバグを防止することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0032】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、浴室内に流入する空気の温度と湿度で運転するモードを選択するものである。
【0033】
これにより乾燥と換気の運転のみとして、過剰な制御ロジックを減らし、制御ソフトのバグを防止することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0034】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、浴室内に流入する空気の温度と湿度がカビの繁殖する条件の時に湿度を低下させ運転するモードを選択するものである。
【0035】
これにより湿度検出による運転として、過剰な制御ロジックを減らし、制御ソフトのバグを防止することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0036】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、浴室内に流入する空気の温度と湿度がカビの繁殖する条件の時に温度を上昇させ運転するモードを選択するものである。
【0037】
これにより温度検出による運転として、過剰な制御ロジックを減らし、制御ソフトのバグを防止することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0038】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、浴室内に流入する空気の温度と湿度がカビの繁殖する条件の時に温度を上昇させ、湿度を低下させる運転するモードを選択するものである。
【0039】
これにより壁面の水滴を除去した後に、温湿度検出による運転として、過剰な制御ロジックを減らし、制御ソフトのバグを防止することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0040】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、浴室内に流入する空気の温度と湿度がカビの繁殖する条件の時に温度を上昇させ、湿度を低下させる運転モードを選択し、浴室内をその温湿度状況で維持するものである。
【0041】
これにより、壁面の水滴を除去した後に、温湿度検出による運転として、さらに時間を設定し、過剰な制御ロジックを減らし、制御ソフトのバグを防止することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【0042】
また、本発明の防カビミストサウナ装置は上記目的を達成するために、装置内に繁殖するカビを乾燥により抑制したものである。
【0043】
これにより浴室内にある機器の水を乾燥させ、カビの繁殖を抑制することのできる防カビミストサウナ装置が得られる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、浴室内に繁殖するカビを抑制し、浴室内を清潔に保ち、浴室内の清掃の頻度を低減できるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0045】
また、運転制御手段の動作の開始を、ミストサウナ装置の運転開始後にすることにより、浴室内に繁殖するカビを抑制し、浴室内を清潔に保ち、浴室内の清掃の頻度を低減できるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0046】
また、温度検出手段と湿度検出手段によって、ミストサウナ装置の運転開始前に温湿度を検出することにより、季節に応じたカビの繁殖を抑制することができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0047】
また、運転制御手段を、入浴する前の温湿度に応じたことにより、制御する時間を短縮し、省エネ、かつ、短時間で抑制することができという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0048】
また、運転制御手段として、換気、乾燥、循環、乾燥換気運転のいずれかを2つを含む運転をすることにより、制御ソフトを簡便化することができるという効果のあるミストサウナ装置が得られる。
【0049】
また、温度検知手段として、熱電対を用いたことにより、水滴による故障を防止し、装置本体のメンテ期間を延ばすことができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0050】
また、湿度検知手段として、高分子を用いたことことにより、水滴による故障を防止し、装置本体のメンテ期間を延ばすことができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0051】
また、温度検知手段の温度の検知範囲を、5℃〜60℃の範囲とすることにより、制御ソフトを簡易化することができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0052】
また、湿度検知手段の湿度の検出範囲を、40〜80%RHの範囲とすることにより、制御ソフトを簡易化することができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0053】
また、運転制御手段として、浴室内壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以下の場合に換気のみの運転することにより、効率的に良くカビの繁殖を抑制することができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0054】
また、運転制御手段として、浴室内壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に湿度40%RH以下に運転をすることにより、湿度のみで効率良くカビの繁殖を抑制することができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0055】
また、運転制御手段として、浴室内壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に温度35℃以上にする運転をすることにより、温度のみで効率良くカビの繁殖を抑制することができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0056】
また、壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に、温度35℃以上、湿度40%RH以下にする運転をすることにより、湿度と湿度でさらに効率良くカビの繁殖を抑制することができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0057】
また、運転制御手段として、浴室内壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に、温度35℃以上、湿度40%RH以下に2時間以上を持続する運転することにより、制御ソフトを容易に作製できるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【0058】
また、ミストサウナ装置内を、乾燥させる乾燥工程を設けることにより、ミストサウナ装置ないでカビの繁殖を抑制し、浴室内の壁面や天井に繁殖するカビの発生を抑制することができるという効果のあるミストサウナ装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明の請求項1記載のミストサウナ装置は、換気および暖房換気循環機能を備えた浴室のミストサウナ装置であって、前記ミストサウナ装置内に前記浴室内の温度を検出する温度検知手段と、前記浴室内の湿度を検出する湿度検知手段と、前記ミストサウナ装置が設置してある屋根裏の温度を検知する屋根裏空気温度検知手段と、前記浴室の内面に気流を発生させる気流発生手段と、運転モードを選定する運転制御手段とを設け、前記運転制御手段により前記気流発生手段を制御し、前記気流発生手段により前記浴室の内面に気流を発生させ、前記温度検知手段により検知された前記浴室内の温度と前記湿度検出手段により検知された前記浴室内の湿度と前記屋根裏空気温度検出手段により検知された前記屋根裏の温度とにより浴室内の内面の水滴の有無を前記運転制御手段で判断し、前記運転制御手段により、カビの繁殖しない温湿度に設定することを特徴とするミストサウナ装置としたものであり、温度検知手段と湿度検出手段と屋根裏空気温度検出手段から気流発生手段をもとに前記浴室の水滴の蒸発を検知し、カビの繁殖しない温湿度に設定することにより、カビの活動が停止されるという作用を有する。
【0060】
また、運転制御手段の動作の開始を、ミストサウナ装置の運転開始後としたものであり、カビの胞子が栄養源を吸収するために必要な水分を低下させるという作用を有する。
【0061】
また、温度検出手段と湿度検出手段によって、ミストサウナ装置の運転開始前に温湿度を検出することを特徴としたものであり、浴室に流入する空気の温湿度を検知し、季節を読取り、繁殖するカビを推定するという作用を有する。
【0062】
また、運転制御手段を入浴する前の温湿度に応じたものであり、浴室の環境を読取り、運転制御に必要な浴室の断熱性能や浴室の漏れを判断するという作用を有する。
【0063】
また、運転制御手段として、換気、乾燥、循環、乾燥換気運転のいずれかを2つを含む運転としたものであり、運転制御手段でいずれか2つの機能のみ限定するという作用を有する。
【0064】
また、温度検知手段として、熱電対を用いたものであり、水滴が熱電対の吸収することなく流れていくという作用を有する。
【0065】
また、湿度検知手段として、高分子を用いたものであり、高分子の外側に結露しにくいという作用を有する。
【0066】
また、温度検知手段の温度の検知範囲を、5度〜60度の範囲としたものであり、検出温度範囲を5℃〜60℃に限定するという作用を有する。
【0067】
また、湿度検知手段の湿度の検出範囲を、40〜80%RHの範囲としたものであり、検出湿度範囲を40%RH〜80%RHに限定するという作用を有する。
【0068】
また、運転制御手段として、壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以下の場合に換気のみの運転としたものであり、季節に応じた運転条件を限定するという作用を有する。
【0069】
また、運転制御手段として壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に、湿度40%RH以下にする運転としたものであり、季節に応じた運転条件を限定し、カビの成長を抑制するという作用を有する。
【0070】
また、運転制御手段として壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に、温度35℃以上にする運転としたものであり、季節に応じた運転条件を限定し、カビの成長に阻害するという作用を有する。
【0071】
また、壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に、温度35℃以上、湿度40%RH以下にする運転としたものであり、季節に応じた運転条件を限定し、カビの成長および阻害するという作用を有する。
【0072】
また、運転制御手段として壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に、温度35℃以上、湿度40%RH以下に2時間以上を持続する運転としたものであり、さらにカビの成長および阻害するという作用を有する。
【0073】
また、ミストサウナ装置内を乾燥させる乾燥工程を設けたものであり、乾燥により、ミスト装置内のカビの水分が低下するという作用を有する。
【0074】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0075】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるミストサウナ装置の構成を示す図である。
【0076】
ミストサウナ装置1は、浴室内の空気を排気する換気ボックス2と浴室内の乾燥、循環送風、ミストを発生するミスト発生乾燥循環ボックス3と換気ボックス2内の構成部品とミスト発生乾燥循環ボックス3内の構成部品を制御する運転制御指示回路4から構成されている。
【0077】
換気ボックス2内には、浴室に設置してあるミスト発生乾燥循環ボックス3を通過し、浴室内の空気を排気するための排気ファン5と浴室内の排気量を制御する排気ダンパー6と浴室天井の空気の温度を検出する屋根裏空気温度検知手段7を設けている。
【0078】
また、ミスト発生乾燥循環ボックス3内には、浴室内へ送風する送風機109と、ミストを発生するミスト噴霧器108と、ミストの大きな粒子を凝集するエルミネータ8と、エルミネータ8で凝集された水滴を排水する排水受110と、浴室に送風する方向を決める気流発生ガイド9と、浴室内の温度を検出する温度検知センサ手段10と、浴室内の湿度を検出する湿度検知センサ手段11と、浴室内の湯気を凝集させる水蒸気凝集フィルタ13と、凝集した水蒸気の水滴を受けて排水する水受けなどの水滴回収受12と、浴室内の空気を加熱する熱交換器103を設けている。水蒸気凝集フィルタ13としては、湯気、水蒸気などの微細水滴を捕集できればよく、フィルタなどがある。
【0079】
また、図には示していないが、運転制御指示回路4は、換気ボックス2の排気ファン5や排気ダンパー6や屋根裏空気温度検知手段7への運転を出力する配線で接続され、更にミスト発生乾燥循環ボックス3の送風機109や熱交換器103やミスト噴霧器108や気流発生ガイド9や温度を検出する温度検知センサ手段10や湿度検知センサ手段11に配線で接続されている。
【0080】
図2に気流発生ガイド9により浴室内に壁面にあたる気流の断面を示す。気流発生手段としては、運転制御指示回路4より運転モードの信号が熱交換器103や送風機109や排気ファン5や排気ダンパー6、気流発生ガイド9に送られ換気、乾燥、循環等の空気が浴室に送られる。そして、ミスト運転後に気流発生ガイド9の風向を変えることで、浴室内の天井面、壁面、床面に風があたり、各面の水滴を蒸発させることができる。
【0081】
しかし、このような構成だけでは、ミストサウナ装置1より、浴室内にミストが発生し、人にとって快適なミスト空間を作製できるが、ミスト発生により、壁面や天井に付着した水滴と浴室に存在する皮脂や石鹸糟を栄養源としてカビも繁殖することは言うまでもない。
【0082】
そのため、図3に示すような浴室壁面の水滴の蒸発させ、蒸発を確認させる方法が必要であり、確認させる方法について一例としてミストサウナ装置1内の温度検知センサ手段10の出力換算値と湿度検知センサ手段11の出力換算値と屋根裏空気温度検知手段7の出力換算値ならびにミストサウナ装置1の運転制御指示回路4から出力される運転モードを用いて説明する。
【0083】
夏季の空気条件として空気温度28℃、湿度65%RHの時に、運転制御指示回路4よりミスト運転モードが信号出力され、ミスト噴霧器108から温まったミストが発生し、浴室内の温度検知センサ手段10の出力換算値は45℃以上に上昇し、t1時間後の湿度検知センサ手段11の出力換算値は100%まで上昇する。また浴室内の温度上昇により、屋根裏面の温度も上昇し屋根裏空気温度検知手段7の出力換算値も上昇する。ミスト運転後に浴室の上昇した温度を保ったまま、運転制御指示回路4より乾燥運転モード信号が出力され、換気ファン5と排気ダンパー6および、熱交換器103および送風機109が駆動し、強制的に換気と乾燥をt2時間運転することで、浴室内の湿度は低下する。その後、運転制御指示回路4から停止運転モード信号でt3時間動作を停止し、浴室内の温湿度の挙動を計測する。この間、壁面に付着した水滴から水蒸気が発生し壁面・浴室内の温度低下と伴い壁面の水滴が蒸発し、浴室内の湿度検知センサ手段11の出力換算値が徐々に上昇する。その後、運転制御指示回路4から換気運転モードの信号が送られ換気し、浴室壁面に蓄積した熱により、空気条件よりも乾燥した空気が浴室に流入され、浴室壁面を効果的に乾燥する。時間とともに夏季の条件である空気温湿度と浴室内の温度検知センサ手段10と湿度検知センサ手段11は同じ値となる。このように、乾燥後、一度停止し、換気するパターンにより、壁面の水滴を蒸発させることが可能である。また、壁面の水滴からの水蒸気の発生を温度検知センサ手段10と湿度検知センサ手段11で検出し、屋根裏空気温度検知手段7の出力換算値である温度と温度検知センサ手段10の出力換算値である温度が平衡状態になった時に浴室壁面の水滴からの水蒸気の発生がなくなるが検知でき、更にその後、カビ抑制範囲である浴室内を温湿度で維持することでカビの繁殖を抑制する。
【0084】
このようなに浴室壁面の熱を効率的に活用し浴室壁面の水滴を蒸発させ、更に蒸発したことを検知することが可能となる。勿論この手段は浴室内の壁面に蓄熱した温度を利用することで、乾燥するエネルギーを多く使用することない。
【0085】
また、壁面の水滴を蒸発させることで、直接石鹸糟や皮脂に付着しないカビへ栄養源が絶たれ、繁殖の広がりを抑制することが可能となる。
【0086】
即ち、浴室壁面の水滴を除去することで、直接石鹸糟や皮脂に付着したカビに対してもカビ繁殖を抑制する温湿度範囲を直接与えることが容易になることは言うまでもない。
【0087】
さらに、図3に示すようにミスト運転時の浴室内の温度は45℃と高温にあり、低温で生育するカビの繁殖を抑制する温度になることも、言うまでもない。
【0088】
また、t2を長時間することで、浴室壁面の水滴を蒸発することができるが、エネルギーを過剰に利用するため、停止後にミスト運転前の空気条件よりも高い湿度で高い温度での変化を検出することが有効な手段となる。
【0089】
また、一例として夏季の空気条件としたが、常時換気をしている場合、サウナ運転前に、ミスト発生乾燥循環ボックス3内の温度検知センサ手段10と湿度検知センサ手段11より、浴室の空気の温度と湿度すなわち脱衣場から換気される空気の温度と湿度が計測され、運転制御指示回路4に送られる。初期の温湿度としてミスト運転前の空気条件を検出し、同様な運転パターンにより、壁面の水滴から蒸発することができる。
【0090】
また、一例としてミスト発生時としたが、入浴時にも浴室内の温湿度が上昇し、同様内手段にて、壁面の水滴を蒸発させることは可能である。
【0091】
次にカビの繁殖しない温湿度に設定する運転制御手段について説明する。
【0092】
カビ抑制運転は、季節を判断し、季節ごとに繁殖するカビを抑制する条件にて運転する。
【0093】
運転条件の1例として梅雨時期の湿度が高く、温度が高い場合は、オーレオバシジウムのような中温時に繁殖しやすいカビを抑制する為には、ミストサウナ運転後に上記運転を行い、ミストサウナ装置1の本体内は勿論、浴室内の天井や壁面、床の水滴を蒸発させる。蒸発後、天井や壁面、床に残存するカビを抑制する為、再度乾燥運転モードに切り換わり、カビ表面の水分を除去する。その後、自動的に換気運転モード切り換わり、浴室内と室内の温湿度が、同じ状態になるようにする。
【0094】
この運転制御手段により壁面の水滴を蒸発させた後に、石鹸糟や皮脂に接したカビ胞子に直接、温湿度を与え、カビの繁殖を抑制することが可能となる。
【0095】
さらに、常時換気の温度と湿度から、事前に中間期、夏期、冬期、梅雨の季節を判断し、壁面の水滴の除去した後のカビ抑制運転を判断することができる。
【0096】
図4に空気線図を用い温湿度におけるカビ抑制運転を示す。図4は夏季の条件時の一例である。サウナ運転前は、浴室は夏期、梅雨の領域の温湿度となり、サウナ運転後の浴室は、サウナ運転の高温、高湿の状態となる。その後、壁面の水滴を蒸発した後、浴室は夏期、梅雨の領域の温湿度に戻る。この状態では、石鹸糟や皮脂に接したカビ胞子は繁殖することは言うまでもない。そのため、夏期、梅雨の条件の場合には、カビを抑制する浴室乾燥の領域の温湿度になるような運転パターンで制御する。そして、カビの抑制温湿度に一時的にすることで、カビを菌糸や胞子にダメージを与えた後、室内の温湿度に戻す。
【0097】
空気条件が、25℃、湿度75%RH以上の時は、上記例にて記載した運転が行われ浴室内のカビの繁殖を抑制し、浴室内を清潔に保ち、浴室内の清掃の頻度を低減するという作用を有する。
【0098】
また、図5に示すように、浴室に繁殖するカビの至適温度と最高温度を示す。
【0099】
夏期、梅雨のカビとして、オーレオバシジウムとして、中間期〜冬場のカビとして、フォーマやクラドスポリジウムを対象となる。
【0100】
至適温度から、浴室に繁殖しやすいカビは季節毎に異なることが分かる。また、中間期については、図5に示したカビが繁殖するが、一度、最高温度に上げることで、カビの繁殖を抑制することがわかる。また、冬期については、壁面の水滴を除去した後、室内の空気で換気することで室内の温度が低下し、至適温度以下となり、カビの繁殖を抑制することが可能となる。
【0101】
図6に示すように、浴室に繁殖するカビの湿度と繁殖しない湿度を示す。湿度の影響を確認するため、各カビの胞子を調製し、カビ胞子を卵黄に混合しカビ胞子液を調製する。調製したカビ胞子液を、ガーゼに塗布し、ガーゼ表面が乾燥させる。乾燥したカビ胞子液が塗布されたガーゼを温度25℃、40%RHと温度25℃、80%RHの恒温恒湿の状態に5日間放置して、カビの繁殖を確認する。湿度80%RHの時は全てのカビで繁殖が確認され、40%RHでは、全てのカビの繁殖しないことが確認される。湿度40%RH以下にすることで、カビの繁殖を抑制することがわかる。また、冬期については、室内の湿度が低下し、繁殖しない範囲になり、室内の空気によりカビの繁殖を抑制することが可能となる。
【0102】
図5、6に示すように、季節毎に浴室に繁殖しやすいカビの種類が分かり、また、繁殖を抑制する温湿度を設定することが可能となる。
【0103】
また、一般的にカビの繁殖には、湿度75%RHを境に繁殖することが言われている。よって、温度25℃、湿度75%RH以内にて、カビの繁殖を抑制することが可能であるが、夏場や梅雨時期になると、温度25℃、湿度75%RHを超えた環境となり、温度を上昇させるか、湿度を低下させる必要があり、カビの最高温度以上に浴室内の温度を上げることや、湿度を40%RH以下にすることで、カビの繁殖を抑制することが、可能となる。
【0104】
図7に示すように、22時間を温度25℃、湿度80%RHに放置し、温度35℃、湿度40%RHの状態に2時間放置を4回繰り返した時のカビの繁殖結果を示す。
【0105】
各カビに温度上昇と湿度低下の状態を2時間維持することで、カビの繁殖を抑制ことが可能となる。
【0106】
また、温度検知センサ手段10として、赤外線などで、表面温度を計測するものがあるが、結露を起こすと表面温度の計測ができないことがあり、水滴が流れやすく耐水性を施した熱電対を利用する方が良い。
【0107】
また、湿度検知センサ手段11としては、高分子湿度センサなどがある。湿度検知センサ手段11として、素材に塩化リチウムやセラミックなどがあるが、結露を起こし素材と結合し、湿度の計測ができないことがあり、素材に高分子を用いたこと湿度検知センサ手段を利用する方が良い。
【0108】
また、上記内容にて、温度検知センサ手段10の出力換算値を示しているが、温度検知センサ手段として、浴室内の温度を検出するだけでよく、必要以外例えば100℃を計測するにあたっては、実際の温度検知センサ手段出力に対し、係数×補正値等が必要になり、実際に利用する5度〜60度に下限上限を用いることで、容易に作成することは、言うまでもない。
【0109】
また、上記内容にて、湿度検知センサ手段11の出力換算値を示しているが、湿度検知センサ手段11として、水滴除去とカビ抑制で必要な湿度を検出するだけでよく、必要以外例えば100%RHを計測するにあたっては、実際の湿度検知センサ手段出力に対し、係数×補正値等が必要になり、実際に利用する40度〜80%RHに下限上限を用いることで、容易に作成することは、言うまでもない。
【0110】
また、ミストサウナ装置内を乾燥させ、温度検知センサ手段10および湿度検知センサ手段11に乾燥工程を設けることで、各手段表面の水滴付着を防止し、精度良く浴室内温度と湿度を計測できることは、言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0111】
ミストサウナ装置に取付けた防カビ抑制機能を用いて容易に浴室内を清潔に保つことができ、浴室内での衣類乾燥としてもカビの繁殖を抑制するカビを抑制する衣類乾燥庫等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施の形態1のミストサウナ装置を示す側面構成図
【図2】同ミストサウナ装置の浴室内気流の流れを示す側面構成図
【図3】同ミストサウナ装置の浴室壁面の水滴の蒸発させる手段を用いた浴室内の温湿度変化と運転モード図を示す図
【図4】同ミストサウナ装置の防カビミストサウナ装置の空気線図を示す図
【図5】同ミストサウナ装置の浴室内のカビの繁殖温度の関係を示す図
【図6】同ミストサウナ装置の浴室内のカビの繁殖湿度の関係を示す図
【図7】同ミストサウナ装置の浴室内のカビの繁殖結果を示す図
【図8】従来のミストサウナ装置を示す側面構成図
【符号の説明】
【0113】
1 ミストサウナ装置
2 換気ボックス
3 ミスト発生乾燥循環ボックス
4 運転制御指示回路
5 排気ファン
6 排気ダンパー
7 屋根裏空気温度検知手段
8 エルミネータ
9 気流発生ガイド
10 温度検知センサ手段
11 湿度検知センサ手段
12 水滴回収受
13 水蒸気凝集フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気および暖房換気循環機能を備えた浴室のミストサウナ装置であって、前記ミストサウナ装置内に前記浴室内の温度を検出する温度検知手段と、前記浴室内の湿度を検出する湿度検知手段と、前記ミストサウナ装置が設置してある屋根裏の温度を検知する屋根裏空気温度検知手段と、前記浴室の内面に気流を発生させる気流発生手段と、運転モードを選定する運転制御手段とを設け、前記運転制御手段により前記気流発生手段を制御し、前記気流発生手段により前記浴室の内面に気流を発生させ、前記温度検知手段により検知された前記浴室内の温度と前記湿度検出手段により検知された前記浴室内の湿度と前記屋根裏空気温度検出手段により検知された前記屋根裏の温度とにより浴室内の内面の水滴の有無を前記運転制御手段で判断し、前記運転制御手段により、カビの繁殖しない温湿度に設定することを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
運転制御手段の動作の開始を、ミストサウナ装置の運転開始後にすることを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。
【請求項3】
温度検出手段と湿度検出手段によって、ミストサウナ装置の運転開始前に温湿度を検出することを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。
【請求項4】
運転制御手段を、入浴する前の温湿度に応じたことを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。
【請求項5】
運転制御手段として、換気、乾燥、循環、乾燥換気運転のいずれかを2つを含む運転をすることを特徴とする請求項1または2記載のミストサウナ装置。
【請求項6】
温度検知手段として、熱電対を用いたことを特徴とする請求項1または3記載のミストサウナ装置。
【請求項7】
湿度検知手段として、高分子を用いたことを特徴とする請求項1または3記載のミストサウナ装置。
【請求項8】
温度検知手段の温度の検知範囲を、5℃〜60℃の範囲とすることを特徴する請求項1、3または6記載のミストサウナ装置。
【請求項9】
湿度検知手段の湿度の検出範囲を、40%RH〜80%RHの範囲とすることを特徴とする請求項1、3または7記載のミストサウナ装置。
【請求項10】
運転制御手段として、浴室内壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以下の場合に換気のみの運転することを特徴とする請求項1、2、4または5記載のミストサウナ装置。
【請求項11】
運転制御手段として、浴室内壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に湿度40%RH以下に運転をすることを特徴とする請求項1、2、4、5または10記載のミストサウナ装置。
【請求項12】
運転制御手段として、浴室内壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に温度35℃以上にする運転をすることを特徴とする請求項1、2、4、5、10または11記載のミストサウナ装置。
【請求項13】
壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に、温度35℃以上、湿度40%RH以下にする運転をすることを特徴とする請求項1、2、5、10、11または12記載のミストサウナ装置。
【請求項14】
運転制御手段として、浴室内壁面の水滴を除去してから、ミスト運転前の温度が25℃、湿度が75%RH以上の場合に、温度35℃以上、湿度40%RH以下に2時間以上を持続する運転することを特徴とする請求項1、2、5、10、11または13記載のミストサウナ装置。
【請求項15】
運転制御手段として、ミストサウナ装置内を、乾燥させる乾燥工程を設けることを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−245690(P2008−245690A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87458(P2007−87458)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】