ミストサウナ装置
【課題】ミスト用水の給水管路内部に圧力上昇が生じず、しかも排水が不用となり、さらに液−液熱交換器中のリーク発生箇所に関らずリークの有無を検出すること。
【解決手段】液−液熱交換器7の一次側からの温水戻り温度を検出する戻り温水サーミスタTHMと、ミスト噴霧時に戻り温水サーミスタTHMによる検出温度により液−液熱交換器7の一次側と二次側との間のリークの有無の判定を行うリーク判定手段とを備え、リーク判定手段は、ミスト噴霧時に戻り温水サーミスタTHMによる検出温度が所定温度より低い場合は液−液熱交換器7の一次側と二次側との間にリーク有りと判定し、このリーク有りの判定結果に応じて機器の運転を停止させる安全装置を備えたミストサウナ装置である。
【解決手段】液−液熱交換器7の一次側からの温水戻り温度を検出する戻り温水サーミスタTHMと、ミスト噴霧時に戻り温水サーミスタTHMによる検出温度により液−液熱交換器7の一次側と二次側との間のリークの有無の判定を行うリーク判定手段とを備え、リーク判定手段は、ミスト噴霧時に戻り温水サーミスタTHMによる検出温度が所定温度より低い場合は液−液熱交換器7の一次側と二次側との間にリーク有りと判定し、このリーク有りの判定結果に応じて機器の運転を停止させる安全装置を備えたミストサウナ装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミストサウナ装置に関し、詳しくは例えば浴室に温水をミスト状に噴霧してミストサウナ浴ができるミストサウナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、浴室の天井等に設置して浴室の暖房や浴室の乾燥や浴室の換気や浴室に送風を行う浴室暖房乾燥機において、給水部から供給される二次側のミスト用水を熱源機からの一次側の温水により加熱する液−液熱交換器を備え、液−液熱交換器で加熱したミスト用水をミストノズルから浴室内にミスト状に噴霧させるミストサウナ装置を付加した、ミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、液−液熱交換器においては、例えば一次側の温水と、二次側のミスト用水との間を伝熱可能に仕切る隔壁に孔明き等の損傷が万一発生し、その孔を通じて一次側と二次側との間でリークが生じてしまったとしても、外部に見える状態での液漏れが生じる訳でもなく、このため、リーク発生の発見が著しく遅れてしまったり、もしくは、困難になったりするという不都合がある。
【0004】
そこで前記特許文献1に開示されている従来例では、ミストサウナ運転に先立って熱源機からの温水を液−液熱交換器の一次側に循環させる温水循環運転を行いながら、液−液熱交換器の二次側の上流に位置する給水開閉弁を閉じた状態で、二次側のミスト用水の温度を監視し、ミスト用水の温度上昇が所定値以上認められたときは液−液熱交換器での一次側から二次側への温水のリークが生じていると判定する。
【0005】
しかし、もし液−液熱交換器の二次側の下流に位置するノズル開閉弁を閉じた状態で上記判定を行つたときに液−液熱交換器にリークがない場合には、温水循環運転による二次側のミスト用水の温度上昇により、ミストサウナ装置の給水部の入口側に設けられる逆止弁とノズル開閉弁との間のミスト用給水管路内部で水の膨張による圧力上昇が生じ、この圧力上昇が大きい時にはノズル開閉弁の開弁に支障を来たすおそれがあった。
【0006】
また前記従来例では、液−液熱交換器の二次側の下流側から排水開閉弁で開閉される排水管路を分岐接続し、給水開閉弁及びノズル開閉弁を閉じ且つ排水開閉弁を開いた状態で、ミストサウナ運転に先立って行う温水循環運転中は二次側のミスト用水を排水管路から排出させ、給水部からの一次側の温水温度が所定温度に上昇してから二次側のミスト用水の温度を監視して、リークを検出する場合も開示されているが、この場合、排水管路を別途設ける必要があり、構成部品の増加を招くという課題があった。
【0007】
さらに前記従来例では、二次側のミスト用水の温度の上昇を検出して液−液熱交換器のリークを検出しているため、液−液熱交換器のリークの発生場所が、例えば一次側水路の最下流箇所である場合は、二次側の温度上昇が判別しにくくなり、リークの発見が困難になるという課題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−68129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ミスト用水の給水管路内部に圧力上昇が生じず、排水経路を設ける必要がなく、そのうえ液−液熱交換器中のリーク発生箇所に関らずリークの有無を検出できるミストサウナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、本発明は、給水部から供給される二次側のミスト用水を熱源機からの一次側の温水により加熱する液−液熱交換器を備え、液−液熱交換器で加熱したミスト用水をミスト状に噴霧させるミストサウナ装置であって、前記液−液熱交換器の一次側からの温水戻り温度を検出する戻り温水サーミスタと、ミスト噴霧時に前記戻り温水サーミスタによる検出温度により前記液−液熱交換器の一次側と二次側との間のリークの有無の判定を行うリーク判定手段とを備え、前記リーク判定手段は、ミスト噴霧時に前記戻り温水サーミスタによる検出温度が所定温度より低い場合は前記液−液熱交換器の一次側と二次側との間にリーク有りと判定し、このリーク有りの判定結果に応じて機器の運転を停止させる安全装置を備えたことを特徴としている。
【0011】
このような構成とすることで、ミスト噴霧を行いながらリークの有無の判定を実行するので、リークがない場合でも、ミスト用水の給水管路内部の圧力上昇を生じることがなく、また排水経路を別途設ける必要もなく、そのうえ、リーク判定を液−液熱交換器からの戻り温水の温度に基づいて行うので、温度が変化しにくい液−液熱交換器の入側で温度監視を行う場合と異なり、正確にリークの有無を判定できるようになる。
【0012】
前記二次側のミスト用水の水温を求め、求めたミスト用水の水温に応じて設定したリーク判定用閾値を前記所定温度とするのが好ましい。この場合、季節によりミスト用水の水温が変動したときにも、水温に応じたリーク判定用閾値を基準にすることで、季節(水温)に影響されずにリークの有無を正確に判定できるようになる。
【0013】
前記熱源機からの一次側の温水の供給を所定期間以上受けていない場合において、熱源機からの温水供給開始後に前記戻り温水サーミスタにより検出される温水の最低温度を前記二次側のミスト用水の水温とするのが好ましい。この場合、所定期間経過後の熱源機からの初期温水温度をミスト用水の水温とみなすことで、ミスト用水の水温を求めるための特別なセンサが不要である。
【0014】
前記熱源機から前記液−液熱交換器の一次側に温水を供給する温水循環管路に前記熱源機からの温水を分岐して供給する分岐点を設け、前記分岐点から前記熱源機からの温水が分岐して供給される温水循環管路により循環用ファンにて通風される空気を加熱して温風を発生させるための暖房用熱交換器を備えると共に、前記分岐点から前記熱源機からの温水が分岐して供給されるミスト加熱用管路と、このミスト加熱用管路から前記液−液熱交換器の一次側への循環温水の供給量を調整する水比例弁とを備えており、前記二次側のミスト用水の水温を求める際は、前記分岐点から液−液熱交換器の一次側に流れる温水循環流量が通常のミストサウナ装置の運転時における温水循環流量の範囲の中で下限に近い少ない目となるように前記水比例弁の開度を調整するのが好ましい。この場合、熱源機からの温水の供給開始後に検出される温水の最低温度を求めている間は、水比例弁によって液−液熱交換器の一次側への温水流量が低く抑えられるので、暖房用熱交換器に流れる温水流量を多くすることができ、暖房運転時における浴室温度の立上がりを早くすることが出来る。
【0015】
前記二次側のミスト用水の水温が所定の温度範囲であるときのみ、リーク判定手段によるリークの有無の判定を実行するのが好ましい。この場合、水温が低い季節には、リークがないにも関わらずリーク有りと誤判定することを回避できるようになり、一方、水温が高い季節には、リークがあるにも関わらずリーク無しと誤判定することを回避できるようになる。
【0016】
前記安全装置は、リーク判定手段によるリーク有りとの判定結果が所定回数以上連続したときに、機器の運転を強制停止させるのが好ましい。この場合、誤判定による不用な運転停止を回避できる。
【0017】
前記熱源機からの一次側の温水が循環する温水循環管路により循環用ファンにて通風される空気を加熱して温風を発生させるための暖房用熱交換器を備えると共に、前記液−液熱交換器の一次側出口と前記温水循環管路の戻り側とが合流点において合流し、前記液−液熱交換器の一次側出口と前記合流点との間に、前記戻り温水サーミスタを設けてなるのが好ましい。この場合、暖房運転を並行して行った場合にも、暖房用熱交換器の温水出口から熱源機に戻る温水の流量や温度の影響を受けずに、液−液熱交換器の出側において精度良くリークの有無が検出できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、ミストサウナ装置の運転を行いながらリークの有無を判定するので、リークがない場合でも、給水管路内部の不用な圧力上昇がなく、また排水経路を別途設ける必要もなく、そのうえ、液−液熱交換器からの戻り温水の温度を監視してリーク判定を行うので、温度が変化しにくい液−液熱交換器の入側で温度を監視する場合と比較して、リークの発生箇所に関わらず、正確にリークの有無を判定できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の一例のミストサウナ機能を有する浴室暖房乾燥機の配管図である。
【図2】同上の浴室暖房乾燥機の断面図である。
【図3】同上の浴室暖房乾燥機を浴室に設置した状態を示す斜視図である。
【図4】同上のミスト用熱交換器を構成する液−液熱交換器の内部構造を説明する断面図である。
【図5】同上の浴室暖房乾燥機の制御部に関連するブロック図である。
【図6】同上のリーク検査シーケンスを説明するフローチャートである。
【図7】同上の季節の水温に応じたリーク判定用閾値の一例を示すデータである。
【図8】同上のミストサウナ装置の運転開始後のリーク有り・無しを判別するための時間経過と温度上昇との関係を示すグラフである。
【図9】同上のミストサウナ装置の運転開始毎にリーク有りの判定結果が3回数以上連続したときは、機器の運転停止とエラー報知機器の運転停止を行う場合の説明図である。
【図10】3回数以上連続してリーク有りを検出しないときは機器の運転停止もエラー報知も行わない場合の説明図である。
【図11】リーク有りとリーク無しとが交互に検出したときは機器の運転停止もエラー報知も行わない場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本実施形態の一例のミストサウナ機能を有する浴室暖房乾燥機Aの配管図であり、図2は浴室暖房乾燥機Aの断面図であり、図3は浴室暖房乾燥機Aを浴室に設置した状態を示す斜視図である。
【0022】
浴室暖房乾燥機本体10の機器ケーシング40の上部にはミスト用熱交換器7を収納するミストボックス50が設けられている。これらは天井裏に配置してあり、吊り金具12にて天井スラブに吊り支持してあり、浴室暖房乾燥機本体10の下面を天井板13の開口に臨ませてある。天井板13の下から開口を覆うようにグリル板11が配置され、グリル板11が浴室暖房乾燥機本体10の下面側に取り付けられている。ここでは浴室暖房乾燥機本体10の周縁の下面とグリル板11の周縁との間に天井板13の開口の周縁を挟むようにしてグリル板11が取り付けられている。
【0023】
浴室暖房乾燥機本体10の機器ケーシング40の内部には、暖房用熱交換器14や送風機15を内装してある。この暖房用熱交換器14は内部に温水を通すことで外部を流れる空気と熱交換するようになっている。またこの暖房用熱交換器14は浴室暖房乾燥機本体10に配管した温水循環管路2の途中に配置してあり、温水循環管路2には熱源機1から温水が供給されて温水が循環するようになっている。本例においては熱源機1の内部に大気開放形の貯湯タンク(図示せず)を備えており、この貯湯タンクに温水循環管路2の上流端が接続されている。温水循環管路2には、暖房用熱交換器14への温水の供給調整を行う熱動弁25と、温水循環管路2を流れる温水の温度を検出する暖房温水サーミスタTH2とを配置してある。
【0024】
また上記送風機15は循環用ファン15aと換気用ファン15bとからなる。浴室暖房乾燥機本体10の吹き出し口16と対応する位置には吹き出し口16を開閉する可動ルーバー17を回転自在に装着してある。グリル板11には浴室3内の空気を吸い込む吸い込み口18を設けてあり、この吸い込み口18の近傍には浴室3内の温度を検出する浴室温度サーミスタTH3を配置してある。
【0025】
浴室3内を暖房する暖房運転をする場合、熱動弁25を開いて暖房用熱交換器14に温水を供給し、換気用ファン15bを停止状態にすると共に循環用ファン15aを駆動し、可動ルーバー17を開状態にして吹き出し口16を開いておく。すると、浴室3内の空気が吸い込み口18から浴室暖房乾燥機本体10内に吸い込まれ、暖房用熱交換器14で温水と熱交換することで加熱された温風が吹き出し口16から吹き出されるように空気が循環し、浴室3内が暖房される。
【0026】
浴室3内の換気をする換気運転する場合、熱動弁25を閉じて暖房用熱交換器14への温水の供給を停止し、循環用ファン15aを停止すると共に換気用ファン15bを駆動し、可動ルーバー17を閉状態にして吹き出し口16を閉じておく。すると、浴室3内の空気が吸い込み口18から浴室暖房乾燥機本体10に吸い込まれ、排気ダクト30を介して外部に排気され、浴室3内の換気が行われる。
【0027】
浴室3内を乾燥したり、浴室3内に干した洗濯物を乾燥したりする乾燥運転を行う場合、熱動弁25を開いて暖房用熱交換器14に温水を供給し、循環用ファン15a及び換気用ファン15bを駆動し、可動ルーバー17を開状態にして吹き出し口16を開いておく。すると、浴室3内の空気が吸い込み口18から浴室暖房乾燥機本体10内に吸い込まれ、暖房用熱交換器14で温水と熱交換することで加熱された温風が吹き出し口16から吹き出すように空気が循環し、一方、浴室暖房乾燥機本体10内に吸い込まれた空気の一部が排気ダクト30(図3)を介して外部に排気される。これにより浴室3内の湿度が下がり、浴室3内の乾燥や浴室3内に干した洗濯物の乾燥が行われる。
【0028】
浴室3内に涼風を送風する場合は、熱動弁25を閉じて暖房用熱交換器14への温水の供給を停止し、換気用ファン15bを停止状態にすると共に循環用ファン15aを駆動し、可動ルーバー17を開状態にして吹き出し口16を開いておく。すると、浴室3内の空気が吸い込み口18から浴室暖房乾燥機本体10内に吸い込まれ、吹き出し口16からその空気が吹き出されるように空気が循環し、浴室3内に涼風の送風が行われる。
【0029】
一方、ミストボックス50の内部には、ミスト用給水管路5の一部が配管されており、ミスト用給水管路5の途中には後述するミスト用熱交換器7が配置されている。ミスト用熱交換器7よりも上流側は、電磁弁からなる給水開閉弁6及びストレーナ22を介して、外部の水道管に接続されている。
【0030】
ミスト用給水管路5のミスト用熱交換器7よりも下流側の部分は浴室暖房乾燥機本体10の機器ケーシング40内に配管されていると共に、機器ケーシング40内に設置されるノズル開閉弁21を介して、ミストサウナ用の水を噴霧するミストノズル4に接続されている。(図2では、ノズル開閉弁21の記載を省略している。)このようにミストボックス50から機器ケーシング40にまたがって配管されるミスト用給水管路5と、ミストボックス50のミスト用熱交換器7及び給水開閉弁6と、機器ケーシング40内のノズル開閉弁21a,21b及びミストノズル4とで、ミストサウナ装置20が構成されている。
【0031】
本例の場合、ミストノズル4としては2つのミストノズル4a,4bがあり、各ミストノズル4a,4bは例えば0.5リットル/miN程度の流量で温水のミストを噴霧するようになっている。ミストノズル4a,4bはそれぞれ2つのノズル開閉弁21a,21bで個別に開閉され、ミストノズル4aやミストノズル4bから選択的にミストが噴霧されるようになっている。2つのミストノズル4a,4bから温水のミストを噴霧するとミストサウナ強で運転でき、一方のミストノズル4aまたはミストノズル4bから温水のミストを噴霧するとミストサウナ弱で運転できるようになっている。本例の場合、ミスト用熱交換器7を浴室暖房乾燥機本体10の機器ケーシング40とは別体のミストボックス50内部に収納しているが、ミスト用熱交換器7を機器ケーシング40の内部に組み込んでもよい。
【0032】
上記浴室暖房乾燥機本体10の温水循環管路2の往き側には、上記暖房用熱交換器14と並列になるようにミスト加熱用管路23を分岐させてある。つまり、熱源機1からミスト用熱交換器7の一次側に温水を供給する温水循環管路2に熱源機1からの温水を分岐して供給する分岐点9aを設け、この分岐点9aとミスト用熱交換器7の一次側入口7bとの間をミスト加熱用管路23により接続してある。ミスト加熱用管路23の途中に、ミスト加熱用管路23を流れる温水の流れを制御する水比例弁24を設けてある。
【0033】
ここで、ミスト用熱交換器7の内部には、ミスト加熱用管路23からの一次側の温水が流れる一次側水路と、給水部から供給される二次側のミスト用水が流れる二次側水路とが設けられ、ミスト加熱用管路23からの温水によりミスト用給水管路5からのミスト用水を加熱するものである。加熱されたミスト用水の温度はミスト温度サーミスタTH1により検出される。本例のミスト用熱交換器7は、図4に示すように複数枚の波状をした伝熱プレート7aを介して一次側水路と二次側水路とを積層したプレート式の液−液熱交換器で構成される。
【0034】
ミストサウナ浴をする場合、給水開閉弁6が開かれてミスト用給水管路5にミスト用水が給水されると共に、水比例弁24が開かれてミスト加熱用管路23に温水が循環供給される。これによりミスト用熱交換器7にてミスト用給水管路5に流れるミスト用水が加熱されて温水となってミストノズル4側に流れる状態になる。この状態でノズル開閉弁21が開かれると、温水のミストがミストノズル4a,4bから選択的に噴霧されてミストサウナ浴が行われる。このとき2つのノズル開閉弁21a,21bの両方を開くと両方のミストノズル4a,4bからミストを噴霧するとミストサウナ強で運転することができてハードなミストサウナ浴ができ、またノズル開閉弁21a,21bの一方のみを開くと、一方のミストノズル4aまたはミストノズル4bからミストを噴霧するとミストサウナ弱で運転できてソフトなミストサウナ浴ができる。またこのようにミストサウナ浴をするときは浴室暖房乾燥機本体10が後述のように暖房運転されて浴室3内の温度が上げられ、快適にミストサウナ浴ができるようになっている。
【0035】
図5は浴室3の制御部8に関連するブロック図であり、操作器19の操作にて上記暖房・乾燥・換気・送風の各運転並びにミストサウナ運転が行われるようになっている。
【0036】
次に、上記液−液熱交換器からなるミスト用熱交換器7のリークの有無を判定するためのリーク判定手段を具体的に説明する。
【0037】
本例では、ミスト加熱用管路23は熱源機1内部に備える大気開放型の貯湯タンク(図示せず)に接続されているため、ミスト用熱交換器7内部にリークが発生したときは、一次側(ミスト加熱用管路23側)の水圧が二次側(ミスト用給水管路5側)の水圧よりも低くなることから、一次側のミスト用の低温水が二次側の温水中に流れ込むようになり、このときミスト用熱交換器7の一次側出口7cに接続される温水戻り管路23aに戻る温水温度が低くなることを検出することで、ミスト用熱交換器7のリークの検査を行うものである。ミスト用熱交換器7のリークを検出した場合には後述のように運転を強制終了させるようにしている。
【0038】
図1に示すように、ミスト用熱交換器7の一次側出口7cと温水循環管路2の戻り側とが合流点9bにおいて合流し、ミスト用熱交換器7の一次側出口7cと合流点9bとが温水戻り管路23aを介して接続されており、この温水戻り管路23aの途中に、戻り温水サーミスタTHMが設けられている。この戻り温水サーミスタTHMは、ミスト用熱交換器7の一次側出口7cから熱源機1側に戻る温水戻り温度の低下を検出するものであり、後述のように温度低下を検出したときにリーク検査シーケンスが実行されて、ミスト用熱交換器7のリークの有無が判定されるものである。
【0039】
ところで、リークの有無を判定する基準として、予め決められた水温を固定値として基準にすると、季節の水温変化により誤検出を行う可能性があるため、後述のように、温水循環管路2により循環供給される温水を使用する運転が終了してから所定時間(たとえば24時間)以上経過したときの、熱源機1から温水循環管路2に供給される運転初期の温水温度により季節(水温)を推定し、季節に応じたリーク判定用閾値を求め、求めたリーク判定用閾値を基準にしてリークの有無を判定するようにしている。
【0040】
<リーク検査シーケンスの開始条件>
図6のフローチャートはリーク検査シーケンスの一例を示している。
【0041】
以下の2条件a、bをリーク検査シーケンスの実行開始条件とする(図6のステップN1)。
【0042】
条件a:温水循環管路2により循環供給される温水を使用する暖房運転、乾燥運転、ミストサウナ運転などの運転が終了してから、所定時間(たとえば24時間)を経過した以降のミストサウナ運転開始であること。
【0043】
条件b:電源が投入されてから始めてミストサウナ運転を行う場合は、電源投入から24時間経過するまではリーク検査シーケンスを実行せず、ミストサウナ運転を開始する時点において電源投入から24時間経過していること。
【0044】
これら条件a又はbのどちらか一方を満たしている場合は、ミストサウナ運転開始時に後述するリーク検査シーケンスを実行する。本例では季節(水温)の推定とリークの判定とを順次行う。
【0045】
<季節(水温)の推定>
季節(水温)の推定は以下の手順で行う。
【0046】
熱源機1をオンにすると共に熱動弁25を開いて温水循環管路2に熱源機1からの温水を循環させる暖房運転を行う(図6のステップN2)。
【0047】
このとき、水比例弁24の開度を、リーク検査シーケンスを行わない通常のミストサウナ運転時における温水循環流量の範囲の中で下限に近い少ない目となる季節推定用開度(たとえばステッピングモータの5000ステップの位置に相当)に調整固定する。因みに、水比例弁24は通常の運転時にはステッピングモータにより駆動されて、ミスト加熱用管路23からミスト用熱交換器7に供給される水温が適切になったときに温水の出湯量の調節を行うものであり、これによりミストの温度が調整されるものである。
【0048】
水比例弁24の開度が上記季節推定用開度に調整固定されると、ミスト用熱交換器7の一次側(ミスト加熱用管路23側)には、リーク検査シーケンスを行わないときの通常のミストサウナ運転時における温水循環供給流量の範囲の中で下限に近い少ない目の季節推定用温水循環供給流量に保持される。
【0049】
このように水比例弁24の開度を季節推定用開度に調整固定する理由は以下による。すなわち、リーク検査シーケンスを実行する場合を含め、ミストサウナ運転時には暖房運転を並行して行うことで浴室を暖房することができ、ミストサウナ運転開始時において使用者が肌寒さを感じることを防止できるようになり、水比例弁24の開度を季節推定用開度とすることでミスト用熱交換器7の一次側に流れる温水の流量を出来るだけ少なくして、暖房用熱交換器14に流れる温水の流量を出来るだけ多くすることができ、季節(水温)の推定時の暖房運転における浴室温度の立上がりを出来るだけ早くするためである。
【0050】
上記季節推定用開度に調整固定した状態で、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmを検出して記憶する。この記憶した値をTxとする。そして、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが50℃以上を検出するまではtmとTxとを比較し、tm<Txとなった場合はTxをtmで更新する。つまり、検出温度tmが50℃以上となるまで検出される温度tmがそれまでに記憶されているTxを下回ったときは、この下回ったtmを新たなTxとして更新する。そして、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが50℃以上を検出した時点でのTxを、ミストサウナ運転の開始から戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが50℃に達するまでの間の最低温度とする(図6のステップN3、N4、N5)。
【0051】
そして、戻り温水サーミスタTHMが検出温度tmとして50℃以上を検出した時点で、リークの判定を開始する(図6のステップN3)。
【0052】
<リークの判定>
戻り温水サーミスタTHMが検出温度tmとして50℃以上を検出した時点のTxが、所定の下限温度(たとえば5℃)より低い場合は、強制的に「リーク無し」と判定する(図6のステップN6、N7)。その理由は、水温が下限温度(たとえば5℃)より低い季節には、ミストの噴霧により戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが下がるものであるから、リーク無しであるにも関わらずリーク有りと誤判定することによる不用な運転の終了を回避するためである。
【0053】
上記とは逆に、戻り温水サーミスタTHMが検出温度tmとして50℃以上を検出した時点のTxが、所定の上限温度(たとえば30℃)より高い場合にも、リーク検出は行わず、強制的に「リーク無し」と判定する(図6のステップN6、N7)。その理由は、本例においては誤判定による不用な運転の終了を回避するために、後述のようにリーク有り判定が所定回数(たとえば3回)連続した場合だけリークしていることが確実であると判断してミストサウナ運転を終了するようにしてあるが、水温が上限温度より高い季節には、リークがあるにも関わらずリーク無しと誤判定することにより、「リーク有り」の判定が所定回数(たとえば3回)連続して発生することを妨げてしまうことがあり、結果、リークが検出できなくなるのを防止するためである。
【0054】
すなわち、水温が高い季節には、リークがあるにも関わらずリークがないと誤判定することを回避できる。
【0055】
一方、戻り温水サーミスタTHMが検出温度tmとして50℃以上を検出した時点のTxが、所定の下限温度以上で且つ上限温度以下の場合(たとえば5℃〜30℃)は、リーク判定用閾値に基づいてリークの有無の判定を行う(図6のステップN6、N8〜N17)。
【0056】
つまり、制御部8に予めデータとして記憶されている図7に示すリーク検出閾値の一覧から、最低温度として記憶されているTxに対応するリーク判定用閾値Tyを求める(図6のステップN8)。なお、図7のリーク判定用閾値の一覧では、0.5℃刻みのTxについてTyが設定されているが、制御部8に備えるマイクロコンピュータが戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmを読み込む時には0.5℃刻みで量子化される。すなわち、マイクロコンピュータによる戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmの読み込み分解能が0.5℃であることによる。
【0057】
上記リーク判定用閾値Tyを求め終わった時点で、水比例弁24の開度を、リーク判定用開度(たとえばステッピングモータの7000ステップの位置に相当)に調整固定する(図6のステップN9)。水比例弁24の開度がリーク判定用開度に調整固定されると、ミスト用熱交換器7の一次側(ミスト加熱用管路23側)には、リーク検査シーケンスを行わないときの通常のミストサウナ運転時における通常のミスト噴霧時の温水循環供給流量程度、すなわち通常のミストサウナ運転時における温水循環供給流量の範囲の中で上限に近い多い目のリーク判定用温水循環供給流量に保持される。
【0058】
ここで、水比例弁24の開度をリーク判定用開度に調整固定する理由は、リークの判定時にミスト噴霧を行った場合に、ミスト用熱交換器7にリークがないときにもミスト噴霧によるミスト用供給水との熱交換により戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが低下するため、仮りにミスト用熱交換器7の一次側(ミスト加熱用管路23側)の温水循環供給量が少ないと、ミスト用熱交換器7のリークの有無の判定が困難となるからであり、そこでミスト用熱交換器7の一次側に供給される温水循環供給流量を多い目にすることで、ミスト用熱交換器7にリークがない場合のミスト噴霧時の戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmの低下と、ミスト用熱交換器7にリークがある場合のミスト噴霧時の戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmの低下とを峻別しやすくするためである。
【0059】
水比例弁24の開度がリーク判定用開度に調整固定されると、ミスト噴霧開始条件c〜eが全て満たされるまで待機する(図6のステップN10)。
【0060】
<ミスト噴霧開始条件> 条件c:暖房温水サーミスタTH2の検出温度t2が58℃以上を5秒継続、浴室温度サーミスタTH3の検出温度t3が25℃以上を5秒継続したこと。
【0061】
条件d:水比例弁24の開度がリーク判定時ミスト噴霧開始開度(たとえばステッピングモータの6000ステップの位置に相当)以上に達したこと。
【0062】
条件e:戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが70℃以上を30秒継続して検出した場合、或いは、上記条件cとdの両方が成立してから5分経過した場合のどちらか一方であること。
【0063】
上記3つの条件c〜eが全て満たされた段階で、ミスト噴霧を開始する(図6のステップN11)。この段階では浴室内温度が所定以上に暖められているため、ミスト噴霧開始時から使用者が肌寒さを感じることを防止できる。
【0064】
なお、噴霧開始後に暖房温水サーミスタTH2の検出温度t2が70℃未満を検出することも考えられ、その場合はリークの有無を誤判定する惧れがあるため、噴霧開始後に検出温度t2が70℃未満に低下した場合は、強制的に「リーク無し」と判定する(図6のステップN12、N13)。
【0065】
そして、ミスト噴霧開始時点から25秒間は、水比例弁24を前述のリーク判定用開度に維持する。図8は、Tx=15℃のときのリーク判定用閾値Ty(=34.5)を基準とする戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmの変化の一例を示している。
【0066】
ミスト噴霧開始から25秒経過時で戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが、リーク判定用閾値Ty以下である状態を5秒継続した場合は、「リーク有り」と判定し、リーク検査シーケンスを終了する(図6のステップN14、N15、N16)。このリーク有り判定は制御部8に記憶される。戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmがTy以下である状態を5秒継続することなしに25秒経過した場合は、「リーク無し」と判定し、リーク検査シーケンスを終了する(図6のステップN17)。
【0067】
リーク検査シーケンスの終了後は、水比例弁24のリーク判定用開度の調整固定は解除され、それ以降は通常の開閉制御動作に切り換えられる。
【0068】
<リーク有り判定に基づく運転停止とエラー報知>
上記リーク検査シーケンスは、温水循環管路2により循環供給される温水を使用する運転が終了してから所定時間(たとえば24時間)以降のミストサウナ運転開始時に1回行う。本例では、運転開始毎にリーク検査シーケンスによる判定結果で「リーク有り」と判定された回数をカウントし、図9〜図11に示すように3回連続して「リーク有り」と判定された場合においてのみ、機器の運転停止とエラー報知とを行う。
【0069】
このように、リーク検査シーケンスにおいて万が一誤判定があった場合にも、「リーク有り」の判定が所定回数(たとえば3回)連続した場合のみリーク有り判定を行うことで、確実にリーク有りの場合においてのみ運転停止とエラー報知とを行う仕様とすることで、誤判定による不用な運転停止を回避している。
【0070】
上記構成によれば、ミスト噴霧を行いながらリークの有無を判定するので、従来のようなミスト用給水管路5内部の圧力上昇が生じることがなく、しかも、従来のような排水管路を別途設ける必要もなくなる。さらに、ミスト用熱交換器7からの戻り温水の温度を監視してリーク判定を行うものであるから、ミスト用熱交換器7中のリーク発生箇所の位置に関らず、リークの有無の検出が正確にできるようになる。
【0071】
しかも季節によりミスト用水の水温が変動したときにも、季節に応じたリーク判定用閾値を基準にすることで、季節(水温)に関わらず、正確にリークの有無が判定できる。従って、誤判定による不用な運転停止を回避できると共に、ミスト用水の水温を求めるための特別なセンサを設ける必要もなくなる。
【0072】
また、熱源機1からの温水が流入する位置であるために、リークがあっても温度が変化しにくいミスト用熱交換器7の入側で温度監視を行う場合と異なり、また、ミスト用熱交換器7の出側で温度監視を行うので、暖房運転を並行して行った場合であっても、暖房用熱交換器14の温水出口から熱源機1に戻る温水の流量や温度の影響を受けることなく、ミスト用熱交換器7の出側において精度良くリークの有無が検出できる利点もある。
【0073】
前記実施形態では、リーク検査シーケンスの季節(水温)の推定において、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmとして50℃以上を検出するまで、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmとTxを比較し、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tm<Txの場合、Txを戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmで更新したが、他の実施形態として、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmとして下限温度(たとえば5℃)より低い温度を検出した時点で、「リーク無し」と判定してもよいものである。
【0074】
本発明の実施においては、上記実施例で用いた数値により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 熱源機
2 温水循環管路
3 浴室
4 ミストノズル
5 ミスト用給水管路
6 給水開閉弁
7 液−液熱交換器(ミスト用熱交換器)
7b 一次側入口
7c 一次側出口
8 制御部
9a 分岐点
9b 合流点
10 浴室暖房乾燥機本体
14 暖房用熱交換器
15 送風機
19 操作器
20 ミストサウナ装置
21 ノズル開閉弁
23 ミスト加熱用管路
23a 温水戻り管路
24 水比例弁
25 熱動弁
A 浴室暖房乾燥機
TH1 ミスト温度サーミスタ
TH2 暖房温水サーミスタ
TH3 浴室温度サーミスタ
THM 戻り温水サーミスタ
Ty リーク判定用閾値
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミストサウナ装置に関し、詳しくは例えば浴室に温水をミスト状に噴霧してミストサウナ浴ができるミストサウナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、浴室の天井等に設置して浴室の暖房や浴室の乾燥や浴室の換気や浴室に送風を行う浴室暖房乾燥機において、給水部から供給される二次側のミスト用水を熱源機からの一次側の温水により加熱する液−液熱交換器を備え、液−液熱交換器で加熱したミスト用水をミストノズルから浴室内にミスト状に噴霧させるミストサウナ装置を付加した、ミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、液−液熱交換器においては、例えば一次側の温水と、二次側のミスト用水との間を伝熱可能に仕切る隔壁に孔明き等の損傷が万一発生し、その孔を通じて一次側と二次側との間でリークが生じてしまったとしても、外部に見える状態での液漏れが生じる訳でもなく、このため、リーク発生の発見が著しく遅れてしまったり、もしくは、困難になったりするという不都合がある。
【0004】
そこで前記特許文献1に開示されている従来例では、ミストサウナ運転に先立って熱源機からの温水を液−液熱交換器の一次側に循環させる温水循環運転を行いながら、液−液熱交換器の二次側の上流に位置する給水開閉弁を閉じた状態で、二次側のミスト用水の温度を監視し、ミスト用水の温度上昇が所定値以上認められたときは液−液熱交換器での一次側から二次側への温水のリークが生じていると判定する。
【0005】
しかし、もし液−液熱交換器の二次側の下流に位置するノズル開閉弁を閉じた状態で上記判定を行つたときに液−液熱交換器にリークがない場合には、温水循環運転による二次側のミスト用水の温度上昇により、ミストサウナ装置の給水部の入口側に設けられる逆止弁とノズル開閉弁との間のミスト用給水管路内部で水の膨張による圧力上昇が生じ、この圧力上昇が大きい時にはノズル開閉弁の開弁に支障を来たすおそれがあった。
【0006】
また前記従来例では、液−液熱交換器の二次側の下流側から排水開閉弁で開閉される排水管路を分岐接続し、給水開閉弁及びノズル開閉弁を閉じ且つ排水開閉弁を開いた状態で、ミストサウナ運転に先立って行う温水循環運転中は二次側のミスト用水を排水管路から排出させ、給水部からの一次側の温水温度が所定温度に上昇してから二次側のミスト用水の温度を監視して、リークを検出する場合も開示されているが、この場合、排水管路を別途設ける必要があり、構成部品の増加を招くという課題があった。
【0007】
さらに前記従来例では、二次側のミスト用水の温度の上昇を検出して液−液熱交換器のリークを検出しているため、液−液熱交換器のリークの発生場所が、例えば一次側水路の最下流箇所である場合は、二次側の温度上昇が判別しにくくなり、リークの発見が困難になるという課題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−68129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ミスト用水の給水管路内部に圧力上昇が生じず、排水経路を設ける必要がなく、そのうえ液−液熱交換器中のリーク発生箇所に関らずリークの有無を検出できるミストサウナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、本発明は、給水部から供給される二次側のミスト用水を熱源機からの一次側の温水により加熱する液−液熱交換器を備え、液−液熱交換器で加熱したミスト用水をミスト状に噴霧させるミストサウナ装置であって、前記液−液熱交換器の一次側からの温水戻り温度を検出する戻り温水サーミスタと、ミスト噴霧時に前記戻り温水サーミスタによる検出温度により前記液−液熱交換器の一次側と二次側との間のリークの有無の判定を行うリーク判定手段とを備え、前記リーク判定手段は、ミスト噴霧時に前記戻り温水サーミスタによる検出温度が所定温度より低い場合は前記液−液熱交換器の一次側と二次側との間にリーク有りと判定し、このリーク有りの判定結果に応じて機器の運転を停止させる安全装置を備えたことを特徴としている。
【0011】
このような構成とすることで、ミスト噴霧を行いながらリークの有無の判定を実行するので、リークがない場合でも、ミスト用水の給水管路内部の圧力上昇を生じることがなく、また排水経路を別途設ける必要もなく、そのうえ、リーク判定を液−液熱交換器からの戻り温水の温度に基づいて行うので、温度が変化しにくい液−液熱交換器の入側で温度監視を行う場合と異なり、正確にリークの有無を判定できるようになる。
【0012】
前記二次側のミスト用水の水温を求め、求めたミスト用水の水温に応じて設定したリーク判定用閾値を前記所定温度とするのが好ましい。この場合、季節によりミスト用水の水温が変動したときにも、水温に応じたリーク判定用閾値を基準にすることで、季節(水温)に影響されずにリークの有無を正確に判定できるようになる。
【0013】
前記熱源機からの一次側の温水の供給を所定期間以上受けていない場合において、熱源機からの温水供給開始後に前記戻り温水サーミスタにより検出される温水の最低温度を前記二次側のミスト用水の水温とするのが好ましい。この場合、所定期間経過後の熱源機からの初期温水温度をミスト用水の水温とみなすことで、ミスト用水の水温を求めるための特別なセンサが不要である。
【0014】
前記熱源機から前記液−液熱交換器の一次側に温水を供給する温水循環管路に前記熱源機からの温水を分岐して供給する分岐点を設け、前記分岐点から前記熱源機からの温水が分岐して供給される温水循環管路により循環用ファンにて通風される空気を加熱して温風を発生させるための暖房用熱交換器を備えると共に、前記分岐点から前記熱源機からの温水が分岐して供給されるミスト加熱用管路と、このミスト加熱用管路から前記液−液熱交換器の一次側への循環温水の供給量を調整する水比例弁とを備えており、前記二次側のミスト用水の水温を求める際は、前記分岐点から液−液熱交換器の一次側に流れる温水循環流量が通常のミストサウナ装置の運転時における温水循環流量の範囲の中で下限に近い少ない目となるように前記水比例弁の開度を調整するのが好ましい。この場合、熱源機からの温水の供給開始後に検出される温水の最低温度を求めている間は、水比例弁によって液−液熱交換器の一次側への温水流量が低く抑えられるので、暖房用熱交換器に流れる温水流量を多くすることができ、暖房運転時における浴室温度の立上がりを早くすることが出来る。
【0015】
前記二次側のミスト用水の水温が所定の温度範囲であるときのみ、リーク判定手段によるリークの有無の判定を実行するのが好ましい。この場合、水温が低い季節には、リークがないにも関わらずリーク有りと誤判定することを回避できるようになり、一方、水温が高い季節には、リークがあるにも関わらずリーク無しと誤判定することを回避できるようになる。
【0016】
前記安全装置は、リーク判定手段によるリーク有りとの判定結果が所定回数以上連続したときに、機器の運転を強制停止させるのが好ましい。この場合、誤判定による不用な運転停止を回避できる。
【0017】
前記熱源機からの一次側の温水が循環する温水循環管路により循環用ファンにて通風される空気を加熱して温風を発生させるための暖房用熱交換器を備えると共に、前記液−液熱交換器の一次側出口と前記温水循環管路の戻り側とが合流点において合流し、前記液−液熱交換器の一次側出口と前記合流点との間に、前記戻り温水サーミスタを設けてなるのが好ましい。この場合、暖房運転を並行して行った場合にも、暖房用熱交換器の温水出口から熱源機に戻る温水の流量や温度の影響を受けずに、液−液熱交換器の出側において精度良くリークの有無が検出できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、ミストサウナ装置の運転を行いながらリークの有無を判定するので、リークがない場合でも、給水管路内部の不用な圧力上昇がなく、また排水経路を別途設ける必要もなく、そのうえ、液−液熱交換器からの戻り温水の温度を監視してリーク判定を行うので、温度が変化しにくい液−液熱交換器の入側で温度を監視する場合と比較して、リークの発生箇所に関わらず、正確にリークの有無を判定できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の一例のミストサウナ機能を有する浴室暖房乾燥機の配管図である。
【図2】同上の浴室暖房乾燥機の断面図である。
【図3】同上の浴室暖房乾燥機を浴室に設置した状態を示す斜視図である。
【図4】同上のミスト用熱交換器を構成する液−液熱交換器の内部構造を説明する断面図である。
【図5】同上の浴室暖房乾燥機の制御部に関連するブロック図である。
【図6】同上のリーク検査シーケンスを説明するフローチャートである。
【図7】同上の季節の水温に応じたリーク判定用閾値の一例を示すデータである。
【図8】同上のミストサウナ装置の運転開始後のリーク有り・無しを判別するための時間経過と温度上昇との関係を示すグラフである。
【図9】同上のミストサウナ装置の運転開始毎にリーク有りの判定結果が3回数以上連続したときは、機器の運転停止とエラー報知機器の運転停止を行う場合の説明図である。
【図10】3回数以上連続してリーク有りを検出しないときは機器の運転停止もエラー報知も行わない場合の説明図である。
【図11】リーク有りとリーク無しとが交互に検出したときは機器の運転停止もエラー報知も行わない場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本実施形態の一例のミストサウナ機能を有する浴室暖房乾燥機Aの配管図であり、図2は浴室暖房乾燥機Aの断面図であり、図3は浴室暖房乾燥機Aを浴室に設置した状態を示す斜視図である。
【0022】
浴室暖房乾燥機本体10の機器ケーシング40の上部にはミスト用熱交換器7を収納するミストボックス50が設けられている。これらは天井裏に配置してあり、吊り金具12にて天井スラブに吊り支持してあり、浴室暖房乾燥機本体10の下面を天井板13の開口に臨ませてある。天井板13の下から開口を覆うようにグリル板11が配置され、グリル板11が浴室暖房乾燥機本体10の下面側に取り付けられている。ここでは浴室暖房乾燥機本体10の周縁の下面とグリル板11の周縁との間に天井板13の開口の周縁を挟むようにしてグリル板11が取り付けられている。
【0023】
浴室暖房乾燥機本体10の機器ケーシング40の内部には、暖房用熱交換器14や送風機15を内装してある。この暖房用熱交換器14は内部に温水を通すことで外部を流れる空気と熱交換するようになっている。またこの暖房用熱交換器14は浴室暖房乾燥機本体10に配管した温水循環管路2の途中に配置してあり、温水循環管路2には熱源機1から温水が供給されて温水が循環するようになっている。本例においては熱源機1の内部に大気開放形の貯湯タンク(図示せず)を備えており、この貯湯タンクに温水循環管路2の上流端が接続されている。温水循環管路2には、暖房用熱交換器14への温水の供給調整を行う熱動弁25と、温水循環管路2を流れる温水の温度を検出する暖房温水サーミスタTH2とを配置してある。
【0024】
また上記送風機15は循環用ファン15aと換気用ファン15bとからなる。浴室暖房乾燥機本体10の吹き出し口16と対応する位置には吹き出し口16を開閉する可動ルーバー17を回転自在に装着してある。グリル板11には浴室3内の空気を吸い込む吸い込み口18を設けてあり、この吸い込み口18の近傍には浴室3内の温度を検出する浴室温度サーミスタTH3を配置してある。
【0025】
浴室3内を暖房する暖房運転をする場合、熱動弁25を開いて暖房用熱交換器14に温水を供給し、換気用ファン15bを停止状態にすると共に循環用ファン15aを駆動し、可動ルーバー17を開状態にして吹き出し口16を開いておく。すると、浴室3内の空気が吸い込み口18から浴室暖房乾燥機本体10内に吸い込まれ、暖房用熱交換器14で温水と熱交換することで加熱された温風が吹き出し口16から吹き出されるように空気が循環し、浴室3内が暖房される。
【0026】
浴室3内の換気をする換気運転する場合、熱動弁25を閉じて暖房用熱交換器14への温水の供給を停止し、循環用ファン15aを停止すると共に換気用ファン15bを駆動し、可動ルーバー17を閉状態にして吹き出し口16を閉じておく。すると、浴室3内の空気が吸い込み口18から浴室暖房乾燥機本体10に吸い込まれ、排気ダクト30を介して外部に排気され、浴室3内の換気が行われる。
【0027】
浴室3内を乾燥したり、浴室3内に干した洗濯物を乾燥したりする乾燥運転を行う場合、熱動弁25を開いて暖房用熱交換器14に温水を供給し、循環用ファン15a及び換気用ファン15bを駆動し、可動ルーバー17を開状態にして吹き出し口16を開いておく。すると、浴室3内の空気が吸い込み口18から浴室暖房乾燥機本体10内に吸い込まれ、暖房用熱交換器14で温水と熱交換することで加熱された温風が吹き出し口16から吹き出すように空気が循環し、一方、浴室暖房乾燥機本体10内に吸い込まれた空気の一部が排気ダクト30(図3)を介して外部に排気される。これにより浴室3内の湿度が下がり、浴室3内の乾燥や浴室3内に干した洗濯物の乾燥が行われる。
【0028】
浴室3内に涼風を送風する場合は、熱動弁25を閉じて暖房用熱交換器14への温水の供給を停止し、換気用ファン15bを停止状態にすると共に循環用ファン15aを駆動し、可動ルーバー17を開状態にして吹き出し口16を開いておく。すると、浴室3内の空気が吸い込み口18から浴室暖房乾燥機本体10内に吸い込まれ、吹き出し口16からその空気が吹き出されるように空気が循環し、浴室3内に涼風の送風が行われる。
【0029】
一方、ミストボックス50の内部には、ミスト用給水管路5の一部が配管されており、ミスト用給水管路5の途中には後述するミスト用熱交換器7が配置されている。ミスト用熱交換器7よりも上流側は、電磁弁からなる給水開閉弁6及びストレーナ22を介して、外部の水道管に接続されている。
【0030】
ミスト用給水管路5のミスト用熱交換器7よりも下流側の部分は浴室暖房乾燥機本体10の機器ケーシング40内に配管されていると共に、機器ケーシング40内に設置されるノズル開閉弁21を介して、ミストサウナ用の水を噴霧するミストノズル4に接続されている。(図2では、ノズル開閉弁21の記載を省略している。)このようにミストボックス50から機器ケーシング40にまたがって配管されるミスト用給水管路5と、ミストボックス50のミスト用熱交換器7及び給水開閉弁6と、機器ケーシング40内のノズル開閉弁21a,21b及びミストノズル4とで、ミストサウナ装置20が構成されている。
【0031】
本例の場合、ミストノズル4としては2つのミストノズル4a,4bがあり、各ミストノズル4a,4bは例えば0.5リットル/miN程度の流量で温水のミストを噴霧するようになっている。ミストノズル4a,4bはそれぞれ2つのノズル開閉弁21a,21bで個別に開閉され、ミストノズル4aやミストノズル4bから選択的にミストが噴霧されるようになっている。2つのミストノズル4a,4bから温水のミストを噴霧するとミストサウナ強で運転でき、一方のミストノズル4aまたはミストノズル4bから温水のミストを噴霧するとミストサウナ弱で運転できるようになっている。本例の場合、ミスト用熱交換器7を浴室暖房乾燥機本体10の機器ケーシング40とは別体のミストボックス50内部に収納しているが、ミスト用熱交換器7を機器ケーシング40の内部に組み込んでもよい。
【0032】
上記浴室暖房乾燥機本体10の温水循環管路2の往き側には、上記暖房用熱交換器14と並列になるようにミスト加熱用管路23を分岐させてある。つまり、熱源機1からミスト用熱交換器7の一次側に温水を供給する温水循環管路2に熱源機1からの温水を分岐して供給する分岐点9aを設け、この分岐点9aとミスト用熱交換器7の一次側入口7bとの間をミスト加熱用管路23により接続してある。ミスト加熱用管路23の途中に、ミスト加熱用管路23を流れる温水の流れを制御する水比例弁24を設けてある。
【0033】
ここで、ミスト用熱交換器7の内部には、ミスト加熱用管路23からの一次側の温水が流れる一次側水路と、給水部から供給される二次側のミスト用水が流れる二次側水路とが設けられ、ミスト加熱用管路23からの温水によりミスト用給水管路5からのミスト用水を加熱するものである。加熱されたミスト用水の温度はミスト温度サーミスタTH1により検出される。本例のミスト用熱交換器7は、図4に示すように複数枚の波状をした伝熱プレート7aを介して一次側水路と二次側水路とを積層したプレート式の液−液熱交換器で構成される。
【0034】
ミストサウナ浴をする場合、給水開閉弁6が開かれてミスト用給水管路5にミスト用水が給水されると共に、水比例弁24が開かれてミスト加熱用管路23に温水が循環供給される。これによりミスト用熱交換器7にてミスト用給水管路5に流れるミスト用水が加熱されて温水となってミストノズル4側に流れる状態になる。この状態でノズル開閉弁21が開かれると、温水のミストがミストノズル4a,4bから選択的に噴霧されてミストサウナ浴が行われる。このとき2つのノズル開閉弁21a,21bの両方を開くと両方のミストノズル4a,4bからミストを噴霧するとミストサウナ強で運転することができてハードなミストサウナ浴ができ、またノズル開閉弁21a,21bの一方のみを開くと、一方のミストノズル4aまたはミストノズル4bからミストを噴霧するとミストサウナ弱で運転できてソフトなミストサウナ浴ができる。またこのようにミストサウナ浴をするときは浴室暖房乾燥機本体10が後述のように暖房運転されて浴室3内の温度が上げられ、快適にミストサウナ浴ができるようになっている。
【0035】
図5は浴室3の制御部8に関連するブロック図であり、操作器19の操作にて上記暖房・乾燥・換気・送風の各運転並びにミストサウナ運転が行われるようになっている。
【0036】
次に、上記液−液熱交換器からなるミスト用熱交換器7のリークの有無を判定するためのリーク判定手段を具体的に説明する。
【0037】
本例では、ミスト加熱用管路23は熱源機1内部に備える大気開放型の貯湯タンク(図示せず)に接続されているため、ミスト用熱交換器7内部にリークが発生したときは、一次側(ミスト加熱用管路23側)の水圧が二次側(ミスト用給水管路5側)の水圧よりも低くなることから、一次側のミスト用の低温水が二次側の温水中に流れ込むようになり、このときミスト用熱交換器7の一次側出口7cに接続される温水戻り管路23aに戻る温水温度が低くなることを検出することで、ミスト用熱交換器7のリークの検査を行うものである。ミスト用熱交換器7のリークを検出した場合には後述のように運転を強制終了させるようにしている。
【0038】
図1に示すように、ミスト用熱交換器7の一次側出口7cと温水循環管路2の戻り側とが合流点9bにおいて合流し、ミスト用熱交換器7の一次側出口7cと合流点9bとが温水戻り管路23aを介して接続されており、この温水戻り管路23aの途中に、戻り温水サーミスタTHMが設けられている。この戻り温水サーミスタTHMは、ミスト用熱交換器7の一次側出口7cから熱源機1側に戻る温水戻り温度の低下を検出するものであり、後述のように温度低下を検出したときにリーク検査シーケンスが実行されて、ミスト用熱交換器7のリークの有無が判定されるものである。
【0039】
ところで、リークの有無を判定する基準として、予め決められた水温を固定値として基準にすると、季節の水温変化により誤検出を行う可能性があるため、後述のように、温水循環管路2により循環供給される温水を使用する運転が終了してから所定時間(たとえば24時間)以上経過したときの、熱源機1から温水循環管路2に供給される運転初期の温水温度により季節(水温)を推定し、季節に応じたリーク判定用閾値を求め、求めたリーク判定用閾値を基準にしてリークの有無を判定するようにしている。
【0040】
<リーク検査シーケンスの開始条件>
図6のフローチャートはリーク検査シーケンスの一例を示している。
【0041】
以下の2条件a、bをリーク検査シーケンスの実行開始条件とする(図6のステップN1)。
【0042】
条件a:温水循環管路2により循環供給される温水を使用する暖房運転、乾燥運転、ミストサウナ運転などの運転が終了してから、所定時間(たとえば24時間)を経過した以降のミストサウナ運転開始であること。
【0043】
条件b:電源が投入されてから始めてミストサウナ運転を行う場合は、電源投入から24時間経過するまではリーク検査シーケンスを実行せず、ミストサウナ運転を開始する時点において電源投入から24時間経過していること。
【0044】
これら条件a又はbのどちらか一方を満たしている場合は、ミストサウナ運転開始時に後述するリーク検査シーケンスを実行する。本例では季節(水温)の推定とリークの判定とを順次行う。
【0045】
<季節(水温)の推定>
季節(水温)の推定は以下の手順で行う。
【0046】
熱源機1をオンにすると共に熱動弁25を開いて温水循環管路2に熱源機1からの温水を循環させる暖房運転を行う(図6のステップN2)。
【0047】
このとき、水比例弁24の開度を、リーク検査シーケンスを行わない通常のミストサウナ運転時における温水循環流量の範囲の中で下限に近い少ない目となる季節推定用開度(たとえばステッピングモータの5000ステップの位置に相当)に調整固定する。因みに、水比例弁24は通常の運転時にはステッピングモータにより駆動されて、ミスト加熱用管路23からミスト用熱交換器7に供給される水温が適切になったときに温水の出湯量の調節を行うものであり、これによりミストの温度が調整されるものである。
【0048】
水比例弁24の開度が上記季節推定用開度に調整固定されると、ミスト用熱交換器7の一次側(ミスト加熱用管路23側)には、リーク検査シーケンスを行わないときの通常のミストサウナ運転時における温水循環供給流量の範囲の中で下限に近い少ない目の季節推定用温水循環供給流量に保持される。
【0049】
このように水比例弁24の開度を季節推定用開度に調整固定する理由は以下による。すなわち、リーク検査シーケンスを実行する場合を含め、ミストサウナ運転時には暖房運転を並行して行うことで浴室を暖房することができ、ミストサウナ運転開始時において使用者が肌寒さを感じることを防止できるようになり、水比例弁24の開度を季節推定用開度とすることでミスト用熱交換器7の一次側に流れる温水の流量を出来るだけ少なくして、暖房用熱交換器14に流れる温水の流量を出来るだけ多くすることができ、季節(水温)の推定時の暖房運転における浴室温度の立上がりを出来るだけ早くするためである。
【0050】
上記季節推定用開度に調整固定した状態で、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmを検出して記憶する。この記憶した値をTxとする。そして、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが50℃以上を検出するまではtmとTxとを比較し、tm<Txとなった場合はTxをtmで更新する。つまり、検出温度tmが50℃以上となるまで検出される温度tmがそれまでに記憶されているTxを下回ったときは、この下回ったtmを新たなTxとして更新する。そして、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが50℃以上を検出した時点でのTxを、ミストサウナ運転の開始から戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが50℃に達するまでの間の最低温度とする(図6のステップN3、N4、N5)。
【0051】
そして、戻り温水サーミスタTHMが検出温度tmとして50℃以上を検出した時点で、リークの判定を開始する(図6のステップN3)。
【0052】
<リークの判定>
戻り温水サーミスタTHMが検出温度tmとして50℃以上を検出した時点のTxが、所定の下限温度(たとえば5℃)より低い場合は、強制的に「リーク無し」と判定する(図6のステップN6、N7)。その理由は、水温が下限温度(たとえば5℃)より低い季節には、ミストの噴霧により戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが下がるものであるから、リーク無しであるにも関わらずリーク有りと誤判定することによる不用な運転の終了を回避するためである。
【0053】
上記とは逆に、戻り温水サーミスタTHMが検出温度tmとして50℃以上を検出した時点のTxが、所定の上限温度(たとえば30℃)より高い場合にも、リーク検出は行わず、強制的に「リーク無し」と判定する(図6のステップN6、N7)。その理由は、本例においては誤判定による不用な運転の終了を回避するために、後述のようにリーク有り判定が所定回数(たとえば3回)連続した場合だけリークしていることが確実であると判断してミストサウナ運転を終了するようにしてあるが、水温が上限温度より高い季節には、リークがあるにも関わらずリーク無しと誤判定することにより、「リーク有り」の判定が所定回数(たとえば3回)連続して発生することを妨げてしまうことがあり、結果、リークが検出できなくなるのを防止するためである。
【0054】
すなわち、水温が高い季節には、リークがあるにも関わらずリークがないと誤判定することを回避できる。
【0055】
一方、戻り温水サーミスタTHMが検出温度tmとして50℃以上を検出した時点のTxが、所定の下限温度以上で且つ上限温度以下の場合(たとえば5℃〜30℃)は、リーク判定用閾値に基づいてリークの有無の判定を行う(図6のステップN6、N8〜N17)。
【0056】
つまり、制御部8に予めデータとして記憶されている図7に示すリーク検出閾値の一覧から、最低温度として記憶されているTxに対応するリーク判定用閾値Tyを求める(図6のステップN8)。なお、図7のリーク判定用閾値の一覧では、0.5℃刻みのTxについてTyが設定されているが、制御部8に備えるマイクロコンピュータが戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmを読み込む時には0.5℃刻みで量子化される。すなわち、マイクロコンピュータによる戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmの読み込み分解能が0.5℃であることによる。
【0057】
上記リーク判定用閾値Tyを求め終わった時点で、水比例弁24の開度を、リーク判定用開度(たとえばステッピングモータの7000ステップの位置に相当)に調整固定する(図6のステップN9)。水比例弁24の開度がリーク判定用開度に調整固定されると、ミスト用熱交換器7の一次側(ミスト加熱用管路23側)には、リーク検査シーケンスを行わないときの通常のミストサウナ運転時における通常のミスト噴霧時の温水循環供給流量程度、すなわち通常のミストサウナ運転時における温水循環供給流量の範囲の中で上限に近い多い目のリーク判定用温水循環供給流量に保持される。
【0058】
ここで、水比例弁24の開度をリーク判定用開度に調整固定する理由は、リークの判定時にミスト噴霧を行った場合に、ミスト用熱交換器7にリークがないときにもミスト噴霧によるミスト用供給水との熱交換により戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが低下するため、仮りにミスト用熱交換器7の一次側(ミスト加熱用管路23側)の温水循環供給量が少ないと、ミスト用熱交換器7のリークの有無の判定が困難となるからであり、そこでミスト用熱交換器7の一次側に供給される温水循環供給流量を多い目にすることで、ミスト用熱交換器7にリークがない場合のミスト噴霧時の戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmの低下と、ミスト用熱交換器7にリークがある場合のミスト噴霧時の戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmの低下とを峻別しやすくするためである。
【0059】
水比例弁24の開度がリーク判定用開度に調整固定されると、ミスト噴霧開始条件c〜eが全て満たされるまで待機する(図6のステップN10)。
【0060】
<ミスト噴霧開始条件> 条件c:暖房温水サーミスタTH2の検出温度t2が58℃以上を5秒継続、浴室温度サーミスタTH3の検出温度t3が25℃以上を5秒継続したこと。
【0061】
条件d:水比例弁24の開度がリーク判定時ミスト噴霧開始開度(たとえばステッピングモータの6000ステップの位置に相当)以上に達したこと。
【0062】
条件e:戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが70℃以上を30秒継続して検出した場合、或いは、上記条件cとdの両方が成立してから5分経過した場合のどちらか一方であること。
【0063】
上記3つの条件c〜eが全て満たされた段階で、ミスト噴霧を開始する(図6のステップN11)。この段階では浴室内温度が所定以上に暖められているため、ミスト噴霧開始時から使用者が肌寒さを感じることを防止できる。
【0064】
なお、噴霧開始後に暖房温水サーミスタTH2の検出温度t2が70℃未満を検出することも考えられ、その場合はリークの有無を誤判定する惧れがあるため、噴霧開始後に検出温度t2が70℃未満に低下した場合は、強制的に「リーク無し」と判定する(図6のステップN12、N13)。
【0065】
そして、ミスト噴霧開始時点から25秒間は、水比例弁24を前述のリーク判定用開度に維持する。図8は、Tx=15℃のときのリーク判定用閾値Ty(=34.5)を基準とする戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmの変化の一例を示している。
【0066】
ミスト噴霧開始から25秒経過時で戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmが、リーク判定用閾値Ty以下である状態を5秒継続した場合は、「リーク有り」と判定し、リーク検査シーケンスを終了する(図6のステップN14、N15、N16)。このリーク有り判定は制御部8に記憶される。戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmがTy以下である状態を5秒継続することなしに25秒経過した場合は、「リーク無し」と判定し、リーク検査シーケンスを終了する(図6のステップN17)。
【0067】
リーク検査シーケンスの終了後は、水比例弁24のリーク判定用開度の調整固定は解除され、それ以降は通常の開閉制御動作に切り換えられる。
【0068】
<リーク有り判定に基づく運転停止とエラー報知>
上記リーク検査シーケンスは、温水循環管路2により循環供給される温水を使用する運転が終了してから所定時間(たとえば24時間)以降のミストサウナ運転開始時に1回行う。本例では、運転開始毎にリーク検査シーケンスによる判定結果で「リーク有り」と判定された回数をカウントし、図9〜図11に示すように3回連続して「リーク有り」と判定された場合においてのみ、機器の運転停止とエラー報知とを行う。
【0069】
このように、リーク検査シーケンスにおいて万が一誤判定があった場合にも、「リーク有り」の判定が所定回数(たとえば3回)連続した場合のみリーク有り判定を行うことで、確実にリーク有りの場合においてのみ運転停止とエラー報知とを行う仕様とすることで、誤判定による不用な運転停止を回避している。
【0070】
上記構成によれば、ミスト噴霧を行いながらリークの有無を判定するので、従来のようなミスト用給水管路5内部の圧力上昇が生じることがなく、しかも、従来のような排水管路を別途設ける必要もなくなる。さらに、ミスト用熱交換器7からの戻り温水の温度を監視してリーク判定を行うものであるから、ミスト用熱交換器7中のリーク発生箇所の位置に関らず、リークの有無の検出が正確にできるようになる。
【0071】
しかも季節によりミスト用水の水温が変動したときにも、季節に応じたリーク判定用閾値を基準にすることで、季節(水温)に関わらず、正確にリークの有無が判定できる。従って、誤判定による不用な運転停止を回避できると共に、ミスト用水の水温を求めるための特別なセンサを設ける必要もなくなる。
【0072】
また、熱源機1からの温水が流入する位置であるために、リークがあっても温度が変化しにくいミスト用熱交換器7の入側で温度監視を行う場合と異なり、また、ミスト用熱交換器7の出側で温度監視を行うので、暖房運転を並行して行った場合であっても、暖房用熱交換器14の温水出口から熱源機1に戻る温水の流量や温度の影響を受けることなく、ミスト用熱交換器7の出側において精度良くリークの有無が検出できる利点もある。
【0073】
前記実施形態では、リーク検査シーケンスの季節(水温)の推定において、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmとして50℃以上を検出するまで、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmとTxを比較し、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tm<Txの場合、Txを戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmで更新したが、他の実施形態として、戻り温水サーミスタTHMの検出温度tmとして下限温度(たとえば5℃)より低い温度を検出した時点で、「リーク無し」と判定してもよいものである。
【0074】
本発明の実施においては、上記実施例で用いた数値により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 熱源機
2 温水循環管路
3 浴室
4 ミストノズル
5 ミスト用給水管路
6 給水開閉弁
7 液−液熱交換器(ミスト用熱交換器)
7b 一次側入口
7c 一次側出口
8 制御部
9a 分岐点
9b 合流点
10 浴室暖房乾燥機本体
14 暖房用熱交換器
15 送風機
19 操作器
20 ミストサウナ装置
21 ノズル開閉弁
23 ミスト加熱用管路
23a 温水戻り管路
24 水比例弁
25 熱動弁
A 浴室暖房乾燥機
TH1 ミスト温度サーミスタ
TH2 暖房温水サーミスタ
TH3 浴室温度サーミスタ
THM 戻り温水サーミスタ
Ty リーク判定用閾値
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水部から供給される二次側のミスト用水を熱源機からの一次側の温水により加熱する液−液熱交換器を備え、液−液熱交換器で加熱したミスト用水をミスト状に噴霧させるミストサウナ装置であって、
前記液−液熱交換器の一次側からの温水戻り温度を検出する戻り温水サーミスタと、ミスト噴霧時に前記戻り温水サーミスタによる検出温度により前記液−液熱交換器の一次側と二次側との間のリークの有無の判定を行うリーク判定手段とを備え、前記リーク判定手段は、ミスト噴霧時に前記戻り温水サーミスタによる検出温度が所定温度より低い場合は前記液−液熱交換器の一次側と二次側との間にリーク有りと判定し、このリーク有りの判定結果に応じて機器の運転を停止させる安全装置を備えたことを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
前記二次側のミスト用水の水温を求め、求めたミスト用水の水温に応じて設定したリーク判定用閾値を前記所定温度とすることを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。
【請求項3】
前記熱源機からの一次側の温水の供給を所定期間以上受けていない場合において、熱源機からの温水供給開始後に前記戻り温水サーミスタにより検出される温水の最低温度を前記二次側のミスト用水の水温とすることを特徴とする請求項2記載のミストサウナ装置。
【請求項4】
前記熱源機から前記液−液熱交換器の一次側に温水を供給する温水循環管路に前記熱源機からの温水を分岐して供給する分岐点を設け、前記分岐点から前記熱源機からの温水が分岐して供給される温水循環管路により循環用ファンにて通風される空気を加熱して温風を発生させるための暖房用熱交換器を備えると共に、前記分岐点から前記熱源機からの温水が分岐して供給されるミスト加熱用管路と、このミスト加熱用管路から前記液−液熱交換器の一次側への循環温水の供給量を調整する水比例弁とを備えており、前記二次側のミスト用水の水温を求める際は、前記分岐点から液−液熱交換器の一次側に流れる温水循環流量が通常のミストサウナ装置の運転時における温水循環流量の範囲の中で下限に近い少ない目となるように前記水比例弁の開度を調整することを特徴とする請求項3記載のミストサウナ装置。
【請求項5】
前記二次側のミスト用水の水温が所定の温度範囲であるときのみ、リーク判定手段によるリークの有無の判定を実行することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のミストサウナ装置。
【請求項6】
前記安全装置は、リーク判定手段によるリーク有りとの判定結果が所定回数以上連続したときに、機器の運転を強制停止させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のミストサウナ装置。
【請求項7】
前記熱源機からの一次側の温水が循環する温水循環管路により循環用ファンにて通風される空気を加熱して温風を発生させるための暖房用熱交換器を備えると共に、前記液−液熱交換器の一次側出口と前記温水循環管路の戻り側とが合流点において合流し、前記液−液熱交換器の一次側出口と前記合流点との間に、前記戻り温水サーミスタを設けてなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のミストサウナ装置。
【請求項1】
給水部から供給される二次側のミスト用水を熱源機からの一次側の温水により加熱する液−液熱交換器を備え、液−液熱交換器で加熱したミスト用水をミスト状に噴霧させるミストサウナ装置であって、
前記液−液熱交換器の一次側からの温水戻り温度を検出する戻り温水サーミスタと、ミスト噴霧時に前記戻り温水サーミスタによる検出温度により前記液−液熱交換器の一次側と二次側との間のリークの有無の判定を行うリーク判定手段とを備え、前記リーク判定手段は、ミスト噴霧時に前記戻り温水サーミスタによる検出温度が所定温度より低い場合は前記液−液熱交換器の一次側と二次側との間にリーク有りと判定し、このリーク有りの判定結果に応じて機器の運転を停止させる安全装置を備えたことを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
前記二次側のミスト用水の水温を求め、求めたミスト用水の水温に応じて設定したリーク判定用閾値を前記所定温度とすることを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。
【請求項3】
前記熱源機からの一次側の温水の供給を所定期間以上受けていない場合において、熱源機からの温水供給開始後に前記戻り温水サーミスタにより検出される温水の最低温度を前記二次側のミスト用水の水温とすることを特徴とする請求項2記載のミストサウナ装置。
【請求項4】
前記熱源機から前記液−液熱交換器の一次側に温水を供給する温水循環管路に前記熱源機からの温水を分岐して供給する分岐点を設け、前記分岐点から前記熱源機からの温水が分岐して供給される温水循環管路により循環用ファンにて通風される空気を加熱して温風を発生させるための暖房用熱交換器を備えると共に、前記分岐点から前記熱源機からの温水が分岐して供給されるミスト加熱用管路と、このミスト加熱用管路から前記液−液熱交換器の一次側への循環温水の供給量を調整する水比例弁とを備えており、前記二次側のミスト用水の水温を求める際は、前記分岐点から液−液熱交換器の一次側に流れる温水循環流量が通常のミストサウナ装置の運転時における温水循環流量の範囲の中で下限に近い少ない目となるように前記水比例弁の開度を調整することを特徴とする請求項3記載のミストサウナ装置。
【請求項5】
前記二次側のミスト用水の水温が所定の温度範囲であるときのみ、リーク判定手段によるリークの有無の判定を実行することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のミストサウナ装置。
【請求項6】
前記安全装置は、リーク判定手段によるリーク有りとの判定結果が所定回数以上連続したときに、機器の運転を強制停止させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のミストサウナ装置。
【請求項7】
前記熱源機からの一次側の温水が循環する温水循環管路により循環用ファンにて通風される空気を加熱して温風を発生させるための暖房用熱交換器を備えると共に、前記液−液熱交換器の一次側出口と前記温水循環管路の戻り側とが合流点において合流し、前記液−液熱交換器の一次側出口と前記合流点との間に、前記戻り温水サーミスタを設けてなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のミストサウナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−193951(P2011−193951A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62130(P2010−62130)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(301071893)株式会社ハーマン (94)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(301071893)株式会社ハーマン (94)
【Fターム(参考)】
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