説明

ミスト発生装置およびこれを備えた浴室空調装置

【課題】運転停止時にハウジングの上壁部の下面に多くの液体が付着したまま残留することを好適に抑制することが可能なミスト発生装置を提供する。
【解決手段】ミスト発生装置MGは、ロータ2を収容するハウジングHの上壁部60の下面60aの全体または一部が、この下面60aの外周縁寄り領域から中央寄り領域に向けて進むほど高さが低くなるように傾斜した傾斜面60a'とされ、下面60aに付着した液体をこの下面60aの中央寄り領域に進行させてからその下方に流れ落とすことが可能な構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回転するロータを利用して液体のミスト化を図るタイプのミスト発生装置、およびこれを備えた浴室空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミスト発生装置の具体例として、特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載されたミスト発生装置は、水平状の上壁部および底壁部を有する所定形状のハウジング内に、駆動回転自在な円板状のロータが設けられており、このロータ上にその上方から水が供給されると、この水は遠心力によって前記ロータの周囲に飛散するように構成されている。前記ロータの周囲には、複数の衝突壁部が設けられており、これら複数の衝突壁部に前記の水が衝突することにより、この水の微細水滴化が図られ、ミストが発生する。このミストは、前記ハウジングの上壁部に形成されている開口部を通過して前記ハウジングの上方に噴出する。また、ハウジングの下部には、排水口が設けられており、ロータの周囲に飛散した水のうち、ハウジングの上方にミストとして噴出されなかったものは、前記排水口からハウジングの外部に排出されるように構成されている。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき点があった。
【0004】
すなわち、ミスト発生装置をたとえば浴室に設置してミストシャワー用途などに用いる場合には、このミスト発生装置が不衛生な状態になることを防止し、このミスト発生装置によって発生されるミストを清浄なものにすることが要請される。このような要請に的確に応えるには、ミスト発生装置の運転終了後に、ハウジング内に多くの水が残留しないようにし、ハウジング内を早期に乾燥し得るように構成することが要請される。ハウジング内の残留水は、ハウジング内においてカビや雑菌が繁殖することを助長する要因となるからである。
【0005】
これに対し、前記従来技術においては、ハウジングの上壁部の下面が水平状とされている。このため、この上壁部の下面に水が掛かると、ある程度の量の水は、重力によってハウジングの底壁部上に流れ落ちるものの、それ以外の水は、適当な大きさの水滴となって上壁部の下面に残り易い。このように水滴が付着した下面は、乾燥させ難い。ハウジング内の残留水を少なくして衛生に優れたものとするには、ハウジングの上壁部以外の箇所の残留水についても少なくすることが望まれるものの、上壁部の下面は、ハウジングの内面の全面積のうち、比較的大きな割合を占める場合もあるため、上壁部の下面に多くの水が残留しないようにすることは重要な課題として挙げることができる。前記従来技術においては、このような点において改善すべき余地があった。
【0006】
【特許文献1】特開平8−182727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、運転停止時にハウジングの上壁部の内面に多くの液体が付着したまま残留することを適切に抑制することができ、ハウジング内を早期に乾燥させて衛生などに優れたものとするのに好適なミスト発生装置、およびこれを備えた浴室空調装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置は、駆動回転自在なロータと、このロータを内部に収容し、かつ前記ロータの上方に位置する上壁部を有しているハウジングと、このハウジングに形成されたミスト噴出口と、を備えており、前記ハウジング内に供給されてきた液体を前記ロータによってその周囲に飛散させることによりミストを発生させて、このミストを前記ミスト噴出口から前記ハウジングの外部に噴出させるように構成されている、ミスト発生装置であって、前記ハウジングの上壁部の下面の全体または一部は、この下面の外周縁寄り領域から中央寄り領域に向けて進むほど高さが低くなるように傾斜した傾斜面とされ、前記下面に付着した液体をこの下面の中央寄り領域に進行させてからその下方に流れ落とすことが可能な構成とされていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、ハウジングの上壁部の下面に付着した液体は、この下面の傾斜面に沿って中央寄り領域に進行してからその下方に流れ落ちることとなる。したがって、ミスト発生装置の運転停止後に、ハウジングの上壁部の下面に多くの液体が付着したまま長期間にわたって残留することが防止される。その結果、ハウジングの内面全域を早期に乾燥させ易くなり、ハウジング内を衛生的なものにするのに好ましいものとなる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記下面の中央寄り領域の最下部には、前記傾斜面に繋がって下向きに突出し、かつ前記ロータの上方に位置する凸部が設けられている。
【0012】
このような構成によれば、ハウジングの上壁部の下面を伝ってその中央寄り領域に進行した液体が下向きの凸部に到達する結果、この液体は前記凸部からその下方に流れ落ち易くなる。また、凸部がロータの上方に配置されていれば、ロータの回転に伴ってその上方に発生する旋回空気流が凸部に付着している液体に作用し、この液体が凸部から離反し易くなるといった効果も得ることができる。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記凸部と前記ロータとの隙間は、前記凸部から液滴が垂れ下がったときにこの液滴を前記凸部と前記ロータとの間でブリッジさせることが可能な寸法である。ミスト化対象の液体が水の場合、前記隙間の寸法は、たとえば3mm以下とされ、より好ましくは、たとえば2〜3mmとされる。
【0014】
このような構成によれば、上壁部の下面の凸部から液滴が垂れ下がって、この液滴が凸部とロータとの間にブリッジした状態において、ロータが回転すると、このロータが液滴の下端側を引っ張ることとなり、この液滴を凸部から積極的に引き離す作用が得られる。したがって、凸部からロータ上に液体が移動することを促進し、下面の液体残留量を少なくするのにより好適となる。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記凸部として、互いに分離した複数の凸部が設けられており、これら複数の凸部は、底面視において前記ロータの回転中心を囲む複数の線状または帯状である。
【0016】
このような構成によれば、上壁部の下面を伝ってその中央寄り領域に進行してきた液体が、複数の凸部のいずれかに到達し易くなり、液体が凸部に到達する割合を多くすることができる。また、複数の凸部は互いに分離しているために、それらのエッジ部分(端部)から液体が下方に流れ落ち易い。このようなことから、上壁部の下面の液体残留量をより少なくすることが可能となる。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の凸部のそれぞれは、前記ロータの回転方向の上流側に位置する一端部からこれとは反対の下流側の他端部に進むほど、前記ロータの回転中心からの距離が大きくなるように設けられている。
【0018】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。すなわち、各凸部に付着している液体が、ロータの回転に伴って発生する旋回空気流によって各凸部の一端部から他端部に向けて押される場合、前記の液体はロータの回転中心から離反する方向に移動し易い。これに対し、前記構成によれば、各凸部は、一端部から他端部に進むほどロータの回転中心から離反した構成とされているために、各凸部の一端部から他端部に向けて液体を円滑に進行させ易く、この他端部から多くの液体を下方に流れ易くすることができる。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記上壁部の下面は、親水処理面とされている。
【0020】
このような構成によれば、上壁部の下面に水滴などの液滴を生じ難くすることができる。前記構成とは異なり、上壁部の下面が撥水面とされている場合には、この下面に液滴が生じ易くなる。液滴は、その体積に比較して全体の表面積が小さいために、蒸発させ難い。これに対し、前記構成によれば、液滴の発生が抑制されるために、上壁部の下面を早期に乾燥させるのに、より好ましいものとなる。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ロータの回転動作を制御する制御手段を備えており、この制御手段は、前記ロータが回転することにより実行されているミスト発生動作を終了させる場合には、第1の所定時間にわたって前記ロータの回転動作を一時的に停止させ、または前記ロータの回転速度をミスト発生時よりも低速の第1の所定速度に減速させた後に、第2の所定時間にわたって前記ロータを再回転させ、または前記ロータの回転速度を前記第1の所定速度よりも高速の第2の所定速度とし、その後に前記ロータの回転動作を終了させる制御を実行するように構成されている。
【0022】
このような構成によれば、ロータの回転が一時的に停止され、またはロータの回転速度がミスト発生時よりも低速の第1の所定速度とされた期間中においては、上壁部の下面に付着していた液体を傾斜面に沿わせてこの下面の中央寄り領域に進行させ、ロータ上に流れさせることができる。その際、ミストの発生は停止され、またはその発生量は抑制されるために、ハウジングの上壁部の下面に液体が新たに付着することもない。また、その後にロータが再回転し、またはロータの回転速度が第1の回転速度よりも高速の第2の回転速度で回転する期間中においては、ロータ上に流れた液体を遠心力によってこのロータの周囲に飛散させ、このロータ上から排除することができる。したがって、ロータ上に多くの液体が残留したままになることも適切に抑制することができる。
【0023】
本発明の第2の側面により提供される浴室空調装置は、浴室の上部または上方に設置され、前記浴室の空調を行なうのに用いられる浴室空調装置であって、本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置を備えていることを特徴としている。
【0024】
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置について述べたのと同様な効果が得られる。また、浴室暖房装置をミスト発生装置のブラケットとして利用することが可能となり、ミスト発生装置の施工作業の省略化あるいは簡略化を図ることもできる。
【0025】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
図1〜図7は、本発明が適用されたミスト発生装置を備えた浴室空調装置、およびこれに関連する構成の一例を示している。図1に示す浴室空調装置Aは、浴室暖房乾燥機として構成されており、ユニットバスなどの浴室の天井部80に取り付けられている。浴室空調装置Aの下部に設けられているパネル41には、ミスト発生装置MGが取り付けられている。
【0028】
図2によく表われているように、ミスト発生装置MGは、ハウジングH、ロータ2、このロータ2の駆動回転用のモータM、ミスト発生用の湯水(温水または非加熱の水)をハウジングH内に供給するための給水管92、およびハウジングHの底部に接続された排水管99を備えている。給水管92および排水管99には、給水や排水のオン・オフ切り替えを行なうための開閉バルブV1,V2が設けられている(図1も参照)。
【0029】
ハウジングHは、ロータ2を収容する空間部を形成する上壁部60と底壁部11とを具備している。また、ハウジングHには、それら以外として、ロータ2の周囲に位置する複数の衝突壁部12、および複数のミスト噴出口13も設けられている。このハウジングHは、全体の概略形状が上面開口のカップ状とされたハウジング本体1上に、カバー体6が組み付けられることにより構成されている。ハウジング本体1およびカバー体6は、ともに合成樹脂製である。ハウジングHは、たとえばパネル41の下面にその上部が当接するように配置され、図示されていないネジ部材あるいは適当なブラケットを用いてパネル41に固定されている。ハウジング本体1とカバー体6との組み付けは、ハウジング本体1の最上部のリング状部18上に、カバー体6の外周縁部を重ね合わせて、この部分をネジ止め(図示略)するなどして行なわれている。
【0030】
ハウジングHの上壁部60は、カバー体6を利用して構成されており、ハウジング本体1の上面開口からその上方にミストが噴出することを防止する役割を果たす。また、この上壁部60は、その上面にモータMをネジ止めするための複数の上向き凸状部68を有しており、モータ支持部材としての役割をも果たす。上壁部60の中央部には、空気流入口61が設けられており、モータMと上壁部60との隙間を進行してきた外部空気をハウジングH内に進行させることが可能である。上壁部60の上面には、電熱式のヒータ66が設けられている。このヒータ66は、上壁部60を加熱してその下面60aを早期に乾燥させるのに役立つ。もちろん、ヒータ66の熱はハウジングHの他の部分にも伝達するため、ハウジングHの全体を早期に乾燥させるのにも役立つ。
【0031】
上壁部60の下面60aの略全体は、外周縁寄り領域から中央部寄り領域に進むほど高さが低くなる傾斜面60a'とされている。下面60aのうち、空気流入口61の周縁部付近は、高さが最も低い最下部となっており、この部分には、下向きに突出した複数の凸部62が設けられている。したがって、下面60aに液体が付着すると、この液体は傾斜面60a'を伝って複数の凸部62の形成箇所に到達することとなる。複数の凸部62は、ロータ2の後述する回転板20の上方に位置している。回転板20と各凸部62との隙間の寸法s1は、たとえば2〜3mmである。このような寸法であると、前記の隙間を通過する空気量をある程度多くしつつ、各凸部62から水滴が下方に垂れ下がった際には、この水滴の下部を回転板20に接触させて、それらの間に水滴をブリッジさせることができる。このようなブリッジを生じさせると、後述するように、ロータ2の回転を利用して各凸部62から湯水を引き離すのに好ましいものとなる。
【0032】
図7に示すように、複数(たとえば3箇所)の凸部62は、底面視円弧状の線状または帯状であり、ロータ2の回転中心Oaを囲む配置に設けられている。ただし、各凸部62のうち、ロータ2の回転方向N1の上流側の一端部62aから回転中心Oaまでの距離r1と、回転方向N1の下流側に位置する他端端部62bから回転中心Oaまでの距離r2とは、r1<r2の関係にあり、一端部62aから他端部62bに向かうほど、回転中心Oaからの距離が大きくなっている。空気流入口61は、そのような複数の凸部62に対応した非円形状とされている(図6も参照)。
【0033】
上壁部60の下面60aは、各凸部62の表面をも含めて、親水処理面とされており、水滴を発生させ難い仕様となっている。好ましくは、下面60a以外にも、ハウジンHの内外面の略全体が親水処理面とされている。ハウジングHの各部の面を親水処理面にするための手段としては、たとえばコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理など、対象表面に活性種を生成させる手段、プライマやその他の親水性に優れる物質を対象表面に塗布する手段、あるいは対象表面にエッチングやブラスト処理などを施して対象表面を粗面化する手段などを採用することができる。また、これ以外としては、ハウジング本体1やカバー体6を樹脂成形する場合に、その成形材料として、親水性材料を含んだ樹脂を用いる手段を採用することもできる。
【0034】
ハウジングHの底壁部11は、その中央寄り部分が窪み、適当量の湯水を貯留可能な貯液部14を形成している。給水管92は、この貯液部14に湯水供給を行なうことが可能にハウジングH内に差し込まれている。底壁部11の上面11aのうち、少なくとも貯液部14の周囲に位置する外周縁寄り領域は、中央寄り部分ほど高さが低くなる傾斜面である。この傾斜面は、ミスト化されてハウジングHの外部に噴出されなかった湯水を貯液部14に流入させて回収するのに役立つ。
【0035】
ロータ2は、モータMの駆動軸30に支持されて回転自在であり、円板状の回転板20と、この回転板20の中央部から下向きに突出した湯水汲み上げ用の軸状部21とを有している。軸状部21は、上部寄りほど大径となる円錐状または円錐台状である。軸状部21がこのような形状であると、この軸状部21を高速で回転させた際に、貯液部14に貯留されている湯水をこの軸状部21の外周面に沿った膜状にして上昇させることが可能である。前記湯水が軸状部21に沿って上昇し、回転板20の下面まで汲み上げられると、この湯水は、遠心力によって回転板20の中央寄り領域から外周方向に向けて加速され、回転板20の周囲に飛散する。このようなロータ2の作用自体は、従来公知のもの(たとえば、特開2001−289470号公報に記載のロータ)と同様である。
【0036】
軸状部21の下部は、ハウジングHの底部に設けられた液体排出用の孔部16に挿通している。この孔部16と軸状部21の外周面との間には、たとえば1〜3mmほどの隙間が形成されている。この隙間に存在する湯水は、前記したようにロータ2の回転時において軸状部21がその外周面に沿って湯水を上昇させる作用によって、常時上方に汲み上げられる。その結果、貯液部14の湯水が孔部16から下方に漏れることは適切に防止される。もちろん、ロータ2の回転を停止させた際には、貯液部14内の湯水は孔部16からその下方に流出する。この孔部16には、開閉バルブV2を備えた排水管99が接続され、孔部16から流出した湯水は、この排水管99を介して浴室の外部または浴室内の適当な箇所に導かれる。もちろん、このような排水管99を設けることなく、湯水を孔部16の下方にそのまま流れ落ちるようにしてもよい。この孔部16は、たとえばミスト発生装置MGの運転停止中において、浴室で使用されるシャワー水がハウジングH内に進入した場合に、この水をハウジングHの外部に排出させるのにも役立つ。
【0037】
複数の衝突壁部12は、ロータ2が回転して回転板20からその周囲に水が飛散したときにこの水を衝突させるための部位であり、この衝突により粒径が微小なミストを発生させることが可能である。各衝突壁部12の上端および下端は、リング状部18と底壁部11とに繋がっている(図4も参照)。図3に示すように、複数の衝突壁部12は、ハウジングHの中心軸周りに略等間隔で放射状に並んだリブ状である。互いに隣り合う衝突壁部12どうしの隙間は、略水平方向および下方を向いて開口しており、この開口部分がミスト噴出口13である。複数の衝突壁部12に水が衝突することにより発生したミストは、複数の衝突壁部12どうしの隙間から複数のミスト噴出口13をそのまま通過して、ハウジングHの周囲に噴出する。
【0038】
底壁部11には、1または複数の筒状部15aが上向きに起立して設けられており、この筒状部15aの孔部は、外部空気をハウジングH内に流入させるための空気流入口15となっている(図5も参照)。この空気流入口15からハウジングH内に外部空気が流入すると、ロータ2の周辺空気が乱流状態になることを抑制し、貯液部14の湯水が軸状部21に沿って汲み上げられてから回転板20の周囲に向けて進行する動作を安定させるのに役立つ。上壁部60に設けられている空気流入口61も、ハウジングH内に乱流が生じることを抑制するのに役立つ。
【0039】
図1に示すように、浴室空調装置Aは、ケース4、ファン50、加熱手段としての熱交換器51、および制御部7を備えている。ケース4は、ファン50および熱交換器51を内部に収容し、かつ浴室の天井板80の上面側に設置される下部開口状であり、このケース4の下部開口は、パネル41により塞がれている。パネル41には、給気口41aと、送風口41bを有するルーバ42とが設けられている。
【0040】
この浴室空調装置Aにおいては、ファン50が駆動すると、給気口41aからケース4内に空気が吸入され、この空気が熱交換器51により加熱される。熱交換器51は、たとえば浴室の外部に設置された給湯装置などの熱源機(図示略)から温水供給がなされる複数のフィン付チューブを用いて構成されており、ファン50による吸入空気はそれら複数のフィン付チューブ間を通過する際に加熱される。この加熱された空気は、ルーバ42までガイドされてその送風口41bから吹き出される。この送風口41bから吹き出される空気の流れは、ミスト発生装置MGから噴出されるミストを所望領域に効率良く供給するのに利用することができる。ルーバ42は、揺動動作および角度調整が可能であるが、好ましくは、ミスト発生装置MGのハウジングHに向けて温風を吹きつけることが可能な角度にも設定可能である。このような構成によれば、ミスト発生装置MGの運転停止時に、温風を利用してハウジングH1やロータ2などを早期に乾燥させることができる。したがって、ミスト発生装置MGにヒータ66が具備されていない場合には、とくに好ましいものとなる。
【0041】
制御部7は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されており、図示されない操作リモコンからの動作指令などに対応し、浴室空調装置Aの各部の動作制御を実行する。ミスト発生装置MGのモータM、開閉バルブV1,V2、およびヒータ66などの動作も、この制御部7により制御される。この制御の具体的な内容については、後述する。
【0042】
次に、ミスト発生装置MGを備えた浴室空調装置Aの作用について説明する。
【0043】
まず、ミスト発生装置MGを運転させる場合には、給水管92から貯液部14に湯水を供給するとともに、モータMを駆動させてロータ2を回転させる。貯液部14に貯留された湯水の一部は、既述したように、ロータ2の軸状部21の回転作用によってこの軸状部21の外周面に沿って回転板20の下面まで上昇してからその周囲に飛散し、複数の衝突壁部12に衝突する。この衝突により、複数の衝突壁部12どうしの隙間において多くの微細なミストが発生し、このミストがミスト噴出口13をそのまま通過してハウジングHの周囲に噴出される。したがって、ハウジングH内において発生したミストの多くが外部に噴出されないままハウジングH内において水滴化することが適切に抑制され、ミスト噴出量を多くすることができる。ハウジングHの周囲に噴出されたミストは、その後浴室の上部から重力を利用して徐々に下降させることが可能であるが、送風口41aから吹き出されるエア流れを利用してミスト発生装置MGの直下以外の領域に積極的に供給することもできる。このようなことから、たとえば入浴者がミストシャワーを浴びる際のミスト量を多くし、入浴者にとって快適なものとすることができる。
【0044】
前記したミスト発生時においては、一部のミストが上壁部60の下面60aに触れ、この部分に湯水が付着する。このような湯水は、下面60aの傾斜面60a'に沿って複数の凸部62に向けて円滑に流れ、これら複数の凸部62からロータ2の回転板20上に流れる。複数の凸部62は、図7を参照して説明したように、ロータ2の回転中心Oaの周囲の略全周を囲む略円弧状であるために、傾斜面60a'に沿って下面60aの中央寄りに向けて流れてきた湯水は、複数の凸部62のいずれかに略確実に到達する。したがって、複数の凸部62に湯水が有効に集められ、これらの凸部62から回転板20上に流れる湯水の割合が多くなる。ミスト発生時には、ロータ2が高速で回転しているため、回転板20上に流れた湯水は、遠心力によって複数の衝突壁部12に向けて飛散することとなり、ミスト発生に再利用される。
【0045】
また、前記したミスト発生時においては、各凸部62とロータ2の回転板20との隙間に、ロータ2の回転方向と同一方向の旋回空気流が発生する。したがって、各凸部62に到達した湯水は、前記した旋回空気流により押され、図7の矢印n1に示すように、凸部62の一端部62aから他端部62bに向けて移動する。さらに、前記した旋回空気流は、ロータ2の回転中心Oa側から回転板20の周囲に向けて広がる傾向があるために、凸部62に到達した湯水は、この旋回空気流によって徐々に回転中心Oaから遠ざかるように押される。これに対し、各凸部62は、一端部62a側から他端部62b側になるほど、回転中心Oaからの距離が長くなるように形成されているために、各凸部62に到達した湯水を前記した旋回空気流を利用して他端部62bに移動させることがより確実化される。このように、他端部62bに湯水が集められれば、この部分からロータ2上に湯水が流れ易くなる。各凸部62と回転板20との隙間は、湯水がブリッジ可能な寸法とされているために、各凸部62からその下方に水滴がある程度垂れ下がると、この水滴は回転板20に接触し、この回転板20の回転に引きずられて各凸部62から離脱し易くなる効果も得られる。
【0046】
このように、本実施形態のミスト発生装置MGは、ミスト発生時において、上壁部60の下面60aに付着した湯水をロータ2上に流れさせることが積極的に、かつ効率良く行なわれ、下面60aは、いわゆる水捌け性が良いものとなる。したがって、ロータ2の回転を停止させた直後に多くの湯水が下面60aに残留しないようにすることができる。また、ロータ2の回転停止直後において下面60aに残留していた湯水についても、その後に傾斜面60a'や凸部62を利用して迅速にロータ2上に導くことが可能となる。その結果、下面60aを早期に乾燥させることが可能となる。下面60aは、既述したように、親水処理面とされ、蒸発させ難い水滴が下面60aに多く発生しないようにすることができるために、下面60aの乾燥はより早期に行なわれることとなる。
【0047】
次に、ミスト発生動作を終了させる場合の制御部7の動作処理手順の具体例について、図9のフローチャートを参照して説明する。また、その際の作用を、図8を参照して説明する。
【0048】
まず、ロータ2が回転してミスト発生動作が行なわれている状態において、操作リモコンが利用されて、ミスト運転を終了する旨のスイッチ操作がなされると、制御部7は、ヒータ66をオンにして上壁部60の加熱を開始させるとともに、開閉バルブV1を閉状態としてハウジングH内への給水を停止させる(S1:YES,S2,S3)。また、排水用の開閉バルブV2を開状態とする(S4)。制御部7は、その後にロータ2の回転を停止させる(S5)。このステップS5の停止は、本発明でいう一時的な停止に相当する。ロータ2の回転を停止させると、ミストの発生も停止されるが、その際には、図8(a)に示すように、上壁部60の下面60aに付着していた湯水Wが傾斜面60a'に沿って流れ、凸部62に向けて進行する。凸部62に到達した湯水Wは、その後に下方に垂れて回転板20上に導かれるが、その一部は、図8(b)に示すように、凸部62と回転板20との隙間にブリッジした状態となる。
【0049】
制御部7は、その後に第1の所定時間が経過した時点で、ロータ2を再回転させる(S6:YES,S7)。前記第1の所定時間は、好ましくは、図8(a),(b)に示した現象を行なわせるのに必要かつ充分な時間である。下面60aのサイズや、傾斜面60a'の傾斜角度などにもよるが、前記第1の所定時間は、たとえば2〜3秒程度から10秒前後程度の範囲内とすることができる。ロータ2を前記したように再回転させると、図8(c)に示すように、凸部62と回転板20との間にブリッジしていた湯水Wを凸部62から離反させて回転板20の外周に向けて進行させることができる。したがって、下面60aの湯水残留をより少なくすることが可能である。
【0050】
好ましくは、ロータ2が再回転する際の回転速度は、湯水Wを遠心力によって回転板20の周囲に飛散させることが可能な速度であって、ミスト発生動作時よりも低速である。より好ましくは、湯水Wが回転板20の周囲に飛散して衝突壁部12に衝突した際に、この湯水Wを殆どミスト化させない速度である。このような速度でロータ2が回転すると、図8(d)に示すように、湯水Wが衝突壁部12に衝突した後に、その殆どが衝突壁部12に沿って底壁部11上に流れ落ちる。この湯水Wについては、その後に液体排出用の孔部16に到達させて、ハウジングHの外部に排出することができる。
【0051】
制御部7は、ロータ2の再回転開始時から第2の所定時間が経過した時点で、ロータ2の回転を停止させ、その後にヒータ66をオフとする(S8:YES,S9,S10)。ロータ2の再回転は、既述したように、回転板20上に既に溜まっている湯水Wをロータ2の周囲に排出させる動作であるために、本来的には、瞬間的な回転動作でよい。したがって、第2の所定時間は、前記した第1の所定時間よりも短い時間とすることが好ましい。
【0052】
前記した一連の動作制御によれば、ロータ2の回転動作を終了させた後に、上壁部60の下面60aに付着している湯水をロータ2上に流れさせ、その後ロータ2を再回転させることによって前記湯水を下面60aから離反させるとともに、ロータ2上にその湯水が残留することも解消される。したがって、下面60aのみならず、ロータ2の上面に多くの湯水が残留することも好適に回避され、これらの部分を早期に乾燥させるのに好ましいものとなる。もちろん、このミスト発生装置MGでは、底壁部11上に存在する湯水についても、孔部16から外部に排出することができるために、ハウジングH内の略全域を早期に乾燥させ易いものとなり、カビや雑菌の繁殖を抑制し、衛生に優れたものとすることができる。
【0053】
図10は、制御部7の動作処理手順の他の例を示している。ミスト発生装置MGについては、ミスト発生動作を終了させる場合に、先の図9に示した動作処理に代えて、図10に示したような動作処理を実行する構成とすることも可能である。なお、図10のフローチャートのうち、図9に示されたステップと同一のステップについては、図9と同一の符号を付している。
【0054】
図10に示す動作処理においては、ミスト発生動作時に、ミスト運転を停止する旨のスイッチ操作がなされると(S1:YES)、図9の場合と同様に、ステップS2〜S4が実行される。ただし、制御部7は、その後にロータ2を直ちに停止させることなく、ロータ2の回転速度を減速させて第1の所定速度とする(S5’)。この第1の所定速度は、ロータ2から衝突壁部12に向けて湯水を勢い良く飛散させることなく、ミストの発生量をゼロ、または殆どゼロとする低速である。ロータ2の回転速度がそのような低速にされると、ロータ2を停止させた場合と同様に、上壁部60の下面60aに湯水が新たに付着することを回避しつつ、下面60aに既に付着していた湯水をロータ2上に流れさせることができる。
【0055】
次いで、制御部7は、前記したロータ2の低速回転を第1の所定時間にわたって継続させた後には、ロータ2の回転速度を加速させて、第1の所定速度よりも高速の第2の所定速度とする(S6:YES,S7’)。このように、ロータ2の回転速度を加速させれば、回転板20上に存在する湯水を回転板20の周囲に確実に飛散させることができる。第2の所定速度は、好ましくは、図9のステップS7においてロータ2を再回転させる場合と同様に、回転板20上の湯水を衝突壁部12に向けて勢いよく衝突させることなく、回転板20の周囲に飛散させ得る速度とされる。ロータ2が第2の所定速度で回転する動作は、図9の場合と同様に、第2の所定時間にわたって実行され、その後はロータ2が停止され、ヒータ66もオフとされる(S8:YES,S9,S10)。
【0056】
前記した動作処理では、図9の動作処理とは異なり、ロータ2の回転を一次的に停止させることなく、ロータ2の回転速度を一時的に減速させてからその後に加速させているが、図9に示した動作処理の場合と同様な効果を得ることができる。
【0057】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るミスト発生装置、およびこれを備えた浴室空調装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0058】
たとえば、ハウジングの上壁部の下面に形成される傾斜面は、排水性を高める観点からすると、下面の略全体に形成することが好ましいものの、これに限定されず、上壁部の下面に部分的に設けられた構成とすることもできる。上壁部の下面に形成される凸部としては、互いに分離した複数の凸部を設けることが好ましいものの、やはりこれに限定されず、たとえば底面視リング状の凸部を1つのみ設けた構成とすることもできる。
【0059】
ロータとしては、特許文献1と同様に、その上面上に給水管などを利用して直接給水がなされ、この水がそのまま遠心力によってロータの周囲に飛散するようにしたものを採用することもできる。また、ロータから飛散した湯水を衝突壁部に衝突させれば、粒径が微小なミストを好適に発生させることが可能であるが、ロータを利用して湯水を高速でその周囲に飛散させるだけであっても、ミストを発生させることは可能である(この場合に発生するミストは、粒径が大きく、かなり粗いものとなる)。したがって、本発明のミスト発生装置は、衝突壁部が設けられていない構成とすることもできる。なお、衝突壁部を設ける場合、この衝突壁部は、必ずしも厚みが一定のリブ状でなくてもよい。たとえば、厚みを不均一としたり、平面視において屈曲した形状とすることもできる。ミスト噴出量を多くする観点からすると、ハウジングの外周の略全域にミストを噴出させるようにすることが好ましいものの、やはりこれに限定されない。たとえば、複数の衝突壁部の周囲の一部にミスト噴出口から進行してくるミストを遮断する手段、あるいはミスト噴出口を塞ぐ手段を設けて、ハウジングの外周の一部の領域には、ミストが噴出されないようにすることもできる。
【0060】
本発明に係るミスト発生装置は、天井取り付けタイプの浴室空調装置に代えて、たとえば浴室の側壁部の天井部に近い箇所などに取り付けられる壁掛けタイプの浴室空調装置に具備させた構成とすることもできる。また、これとは異なり、ミスト発生装置を、浴室空調装置以外の装置・機器、あるいはブラケットなどを利用して浴室の上部や上方に設置し、浴室空調装置の有無には関係なく、それ単独で使用することもできる。本発明に係るミスト発生装置は、浴室(シャワールームを含む)での温水または非加熱水のミスト発生用途に適するが、浴室以外の箇所に設置し、湯水または湯水以外の液体の霧化、噴霧用途(たとえば、加湿用途、薬液などの液体散布の用途、ミスト発生に伴うマイナスイオン効果を目的とする用途など)に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係るミスト発生装置を備えた浴室空調装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1に示されたミスト発生装置の要部断面図である。
【図3】図2のIII−III要部平面断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】図1に示されたミスト発生装置のハウジング本体を示す平面図である。
【図6】図1に示されたミスト発生装置のハウジングのカバー体を示す平面図である。
【図7】図6に示すカバー体の底面図である。
【図8】(a)〜(d)は、ミスト発生動作を終了する場合の作用の一例を示す要部断面説明図である。
【図9】図1に示されたミスト発生装置の制御部の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図1に示されたミスト発生装置の制御部の動作処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
A 浴室空調装置
MG ミスト発生装置
H ハウジング(ミスト発生装置の)
2 ロータ
13 ミスト噴出口
60 上壁部(ハウジングの)
60a 下面(上壁部の)
60a' 傾斜面(下面の)
62 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回転自在なロータと、このロータを内部に収容し、かつ前記ロータの上方に位置する上壁部を有しているハウジングと、このハウジングに形成されたミスト噴出口と、を備えており、
前記ハウジング内に供給されてきた液体を前記ロータによってその周囲に飛散させることによりミストを発生させて、このミストを前記ミスト噴出口から前記ハウジングの外部に噴出させるように構成されている、ミスト発生装置であって、
前記ハウジングの上壁部の下面の全体または一部は、この下面の外周縁寄り領域から中央寄り領域に向けて進むほど高さが低くなるように傾斜した傾斜面とされ、前記下面に付着した液体をこの下面の中央寄り領域に進行させてからその下方に流れ落とすことが可能な構成とされていることを特徴とする、ミスト発生装置。
【請求項2】
前記下面の中央寄り領域の最下部には、前記傾斜面に繋がって下向きに突出し、かつ前記ロータの上方に位置する凸部が設けられている、請求項1に記載のミスト発生装置。
【請求項3】
前記凸部と前記ロータとの隙間は、前記凸部から液滴が垂れ下がったときにこの液滴を前記凸部と前記ロータとの間でブリッジさせることが可能な寸法である、請求項2に記載のミスト発生装置。
【請求項4】
前記凸部として、互いに分離した複数の凸部が設けられており、
これら複数の凸部は、底面視において前記ロータの回転中心を囲む複数の線状または帯状である、請求項2または3に記載のミスト発生装置。
【請求項5】
前記複数の凸部のそれぞれは、前記ロータの回転方向の上流側に位置する一端部からこれとは反対の下流側の他端部に進むほど、前記ロータの回転中心からの距離が大きくなるように設けられている、請求項4に記載のミスト発生装置。
【請求項6】
前記上壁部の下面は、親水処理面とされている、請求項1ないし5のいずれかに記載のミスト発生装置。
【請求項7】
前記ロータの回転動作を制御する制御手段を備えており、
この制御手段は、前記ロータが回転することにより実行されているミスト発生動作を終了させる場合には、第1の所定時間にわたって前記ロータの回転動作を一時的に停止させ、または前記ロータの回転速度をミスト発生時よりも低速の第1の所定速度に減速させた後に、第2の所定時間にわたって前記ロータを再回転させ、または前記ロータの回転速度を前記第1の所定速度よりも高速の第2の所定速度とし、その後に前記ロータの回転動作を終了させる制御を実行するように構成されている、請求項1ないし6のいずれかに記載のミスト発生装置。
【請求項8】
浴室の上部または上方に設置され、前記浴室の空調を行なうのに用いられる浴室空調装置であって、
請求項1ないし7のいずれかに記載のミスト発生装置を備えていることを特徴とする、浴室空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−291482(P2009−291482A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149344(P2008−149344)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】