説明

ミスト発生装置及びこれを備えた美容装置

【課題】操作性の向上を図ることのできるミスト発生装置及びこれを備えた美容装置を提供する。
【解決手段】美容装置1は、液体をミスト化するミスト生成機構と、生成されたミストを放出する放出口2を有するノズルが固定される円筒状のハウジング12と、ハウジング12の軸方向へ移動して放出口2を開閉する放出口カバー13とを備えた。そして、放出口カバー13をハウジング12の周方向に延び、同ハウジング12の外周を回り込むように形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト発生装置及びこれを備えた美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミスト発生装置で発生させたミストを顔等に向けて放出することで、肌に潤いを与えるといった美容効果やスキンケアを目的とした美容装置がある。例えば、特許文献1に記載のミスト発生装置を備えた美容装置では、化粧水等の液体をミスト化するミスト生成機構が扁平箱形の本体ケース内に収容されており、生成されたミストは本体ケースに設けられた放出口から放出されるようになっている。また、本体ケースにおける放出口が開口する側面には、当該側面と平行に移動して放出口を開閉するカバーが設けられている(特許文献1、第1及び第2図参照)。そして、装置の使用時以外には、カバーで放出口を閉じた状態とすることで、放出口内に塵等の異物が侵入することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再公表特許2006−40981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の構成では、カバーが略平板状に形成されているため、使用者は、カバーを本体ケースに押し付けるようにして同カバーを移動させることになる。そのため、カバーを確実に移動させようとすると、使用者がカバーを本体ケースに押し付ける力が大きくなり、これらカバーと本体ケースとの間に発生する摩擦抵抗が大きくなる。その結果、カバーを移動させづらくなる虞があり、その操作性の改善が望まれていた。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、操作性の向上を図ることのできるミスト発生装置及びこれを備えた美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、液体をミスト化するミスト生成機構と、前記ミスト生成機構で生成されたミストを放出する放出口が設けられた筒状の本体ケースと、前記本体ケースの軸方向へ移動して前記放出口を開閉する放出口カバーと、を備えたミスト発生装置において、前記放出口カバーは、前記本体ケースの周方向に延び、該本体ケースの外周を回り込むように形成されたことを特徴とする。
【0007】
前記ミスト発生装置において、前記放出口カバーは、前記本体ケースの径方向への移動が規制されるような周方向範囲に亘って形成されることが好ましい。
前記ミスト発生装置において、前記ミスト生成機構への電力供給のオンオフを切り替える電源スイッチは、前記放出口カバーの位置に応じて非接触で操作されるように構成されることが好ましい。
【0008】
前記ミスト発生装置において、前記ミスト生成機構でミスト化される液体を貯留する貯留タンクを備え、前記放出口カバーは、前記放出口を閉じた状態で、前記貯留タンクが着脱可能となるように形成されることが好ましい。
【0009】
前記ミスト発生装置において、前記放出口カバーの移動を規制するロック状態と、前記放出口カバーの移動を許容するロック解除状態とを切り替え可能なロック機構を備えることが好ましい。
【0010】
前記ミスト発生装置において、前記ミスト生成機構でミスト化されるミスト量を設定する設定手段と、前記設定手段により設定されたミスト量に応じて前記ミスト生成機構の作動を制御する制御手段と、を備えることが好ましい。
【0011】
前記ミスト発生装置において、前記設定手段は、使用者によって操作される操作部を備え、前記本体ケースには、前記操作部を覆う操作部カバーが設けられることが好ましい。
前記ミスト発生装置において、前記設定手段は、前記放出口カバーの位置に応じてミスト量が変更されるように構成されることが好ましい。
【0012】
前記ミスト発生装置において、前記放出口カバーの内側面には、液体を吸収する吸液材が設けられることが好ましい。
本発明の美容装置は、上記ミスト発生装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、操作性の向上を図ることのできるミスト発生装置及びこれを備えた美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)本発明のミスト発生装置を備えた美容装置の放出口を閉じた状態を示す斜視図、(b)同美容装置の放出口を開いた状態を示す斜視図。
【図2】美容装置の軸方向に沿った断面図。
【図3】美容装置の分解斜視図。
【図4】美容装置における放出口カバー近傍の軸方向に沿った拡大断面図。
【図5】図2における美容装置のA−A断面図。
【図6】タンクキャップを取り外した状態の美容装置を後側から見た斜視図。
【図7】(a)美容装置の放出口カバー近傍を後側から見た側面図、(b)(a)における美容装置のB−B断面図。
【図8】(a)放出口が閉じた状態での磁石と電源スイッチとの位置関係を示す断面図、(b)放出口が開いた状態での磁石と電源スイッチとの位置関係を示す断面図。
【図9】装置本体をベースホルダ側から見た斜視図。
【図10】別例の放出口カバーの位置に応じてミスト量を変更する構成を説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明をミスト発生装置を備えた美容装置に具体化した一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1(a),(b)に示すように、美容装置1は、小型の略円柱状に形成されており、例えば鞄等に入れて持ち運びが可能な携帯用に構成されている。そして、美容装置1は、使用者が手に持ち、同美容装置1に設けられた放出口2から所望の部位(顔や腕等)にミストが放出されるように、その姿勢や位置が適宜変更される態様で主に使用される。なお、以下の説明において、美容装置1の外周面における放出口2が設けられた側を前側、その反対側を後側とする。
【0016】
図2及び図3に示すように、美容装置1は、装置本体11の一部を収容する略円筒状のハウジング12と、ハウジング12の軸方向に移動して放出口2を開閉する放出口カバー13とを備えている。装置本体11におけるハウジング12の一端側(図2における上側)には、ミスト化される液体(本実施形態では、化粧水)を貯留する貯留タンク14及び貯留タンク14を覆うタンクキャップ15が着脱可能に設けられている。一方、装置本体11におけるハウジング12の他端側(図2における下側)には、電池交換用カバー16が着脱可能に設けられている。なお、ハウジング12の外周面における後側部分には、電池の挿入方向等が記載された電池シール17、及び美容装置1の使用上の注意事項等が記載された警告シール18が貼り付けられている。
【0017】
詳述すると、装置本体11は、ハウジング12内に収容される略長方形板状の基台21を備えている。基台21は、ハウジング12の一端側から挿入され、その他端側から抜け出ないように形成されている。基台21の前側には、第1の回路基板23が固定されるとともに、第1の回路基板23にリード線24を介して固定される第2の回路基板25がネジ26により固定されている。一方、基台21の後側には、電源となる電池(本実施形態では、単四電池)27が収容されるようになっている。
【0018】
基台21の一端部(図2における上端部)には、電池27の陰極が接触する陰極端子31が設けられている。一方、基台21の他端部(図2における下端部)には、後述する陽極端子41を介して電池27の陽極に接続される可動接点端子32が設けられている。なお、陰極端子31及び可動接点端子32は、それぞれ第1の回路基板23に接続されている。
【0019】
基台21の他端側には、略有底円筒状のベースホルダ33がネジ34により固定されている。ベースホルダ33は、基台21に対してハウジング12から他端側に突出するように固定されている。そして、ベースホルダ33とハウジング12及び電池交換用カバー16との間には、ゴム等の弾性材料からなるOリング35,36がそれぞれ介在されている。これにより、ベースホルダ33とハウジング12との間、及びベースホルダ33と電池交換用カバー16との間が液体の浸入を防止した状態で封止されている。ベースホルダ33の底部には、電池27を挿入可能な挿入孔37、及び可動接点端子32の陽極端子41との接触部32aが突出する端子孔38が形成されている。
【0020】
電池交換用カバー16は、ベースホルダ33のハウジング12から突出した部分を覆うように形成されており、電池交換用カバー16の開口端はハウジング12の他端に当接している。電池交換用カバー16の内側には、略平板状の陽極端子ホルダ39が設けられており、電池交換用カバー16の底部と陽極端子ホルダ39との間に電池27の陽極が接触する陽極端子41が固定されている。そして、電池交換用カバー16をベースホルダ33に取着することにより、電池27の陽極及び可動接点端子32の接触部32aが陽極端子41に接触するようになっている。また、電池交換用カバー16の外底面には、美容装置1の品番等が記載された定格シール42が貼り付けられている。なお、電池交換用カバー16と定格シールとの間には、液体の通過を遮断しつつ、気体の通過を許容するシート状部材43が設けられている。
【0021】
図3及び図4に示すように、基台21の一端側には、上記放出口2を有するノズル51が固定されている。ノズル51は、光透過性を有する半透明材料からなり、略有底円筒状の固定部52と、固定部52における前側部分から一端側に延出される湾曲板状の放出口形成部53とを有している。固定部52とハウジング12との間には、Oリング54が介在されており、ハウジング12とノズル51の固定部52との間が液体の浸入を防止した状態で封止されている。そして、放出口2は、放出口形成部53の厚み方向(図4における左右方向)両側に開口した略円筒状に形成されている。
【0022】
なお、ノズル51には、固定部52を貫通し、放出口形成部53に隣接するようにしてポリカーボネート等からなる導光部材56が設けられている。そして、図2に示すように、導光部材56により、第1の回路基板23に実装されたLED(発光ダイオード)57の光が放出口2内に導光されるようになっている。
【0023】
図3及び図4に示すように、放出口形成部53の後側には、貯留タンク14に貯留された液体をミスト化するミスト生成機構58を挟み込むように、略平板状のノズルホルダ59が配置されている。ノズルホルダ59には、放出口2と同軸上に貫通孔60が形成されており、ネジ61によりノズル51に固定されている。
【0024】
本実施形態のミスト生成機構58は、超音波振動により貯留タンク14から供給される液体をミスト化させるように構成されている。具体的には、ミスト生成機構58は、円環状の振動子62と、振動子62に固定された薄い円板状の振動板63とを有しており、これら振動子62及び振動板63は、放出口2と同軸上に配置されている。振動板63には、多数の微小な孔(図示略)が形成されている。また、本実施形態の振動子62は、ピエゾ素子(圧電素子)からなり、リード線64を介して第1の回路基板23に接続されている。そして、振動子62は、印加される電圧に応じて径方向に拡大・縮小することにより、振動板63を超音波振動させる構成となっている。
【0025】
振動子62と、ノズル51の放出口形成部53及びノズルホルダ59との間には、それぞれパッキン65,66が介在されている。これにより、振動子62と放出口形成部53の間、及びノズルホルダ59との間が液体の浸入を防止した状態で封止されている。また、振動子62の後側に配置されるパッキン66には、ノズルホルダ59の貫通孔60内に挿入される筒状の挿入部67が形成されている。
【0026】
一方、放出口形成部53の前側には、湾曲板状のフロントカバー68が、同放出口形成部53の前側を覆うように配置されている。フロントカバー68には、放出口2と同軸上に貫通孔69が形成されている。そして、フロントカバー68は、貫通孔69に放出口2の前側端部が挿入された状態で、ネジ70によりノズルホルダ59に固定されている。なお、本実施形態では、上記ハウジング12及びフロントカバー68によって、放出口2が設けられる略円筒状の本体ケースが構成されている。また、フロントカバー68の一端には、半円形状の天板部71が形成されており、天板部71には、係合孔72が形成されている。さらに、フロントカバー68の外側面における前側部分には凸部73が形成されている。
【0027】
貯留タンク14は、光透過性を有する透明材料からなり、略直方体状に形成されている。そして、貯留タンク14は、ハウジング12の軸心よりも後側の位置において、その長手方向がハウジング12の軸方向と平行になるように配置されている。貯留タンク14のハウジング12側の端部には、前側に開口する円筒状の供給口81が形成されている。つまり、供給口81は、美容装置1の一端側が重力方向上側となる状態で、貯留タンク14の重力方向下側に位置するように形成されている。また、貯留タンク14におけるハウジング12と反対側の端壁部82には、突起83が形成されている。そして、貯留タンク14は、供給口81がパッキン66の挿入部67内に圧入されるとともに突起83がフロントカバー68の係合孔72に係合することで、装置本体11に取着されている。
【0028】
タンクキャップ15は、貯留タンク14を覆うような略有底円筒状に形成されている。タンクキャップ15の内周面には、フロントカバー68の凸部73と対応する位置に凹部85が形成されている。そして、タンクキャップ15は、凹部85に凸部73が係合することにより、フロントカバー68に取着されている。
【0029】
図1及び図5に示すように、放出口カバー13は、ハウジング12の周方向に延び、その外周を回り込むような略円弧状に形成されている。なお、本実施形態では、放出口カバー13は、移動範囲における一端に位置(図1(a)に示す位置)した状態で放出口2を覆い(閉じ)、その他端に位置(図1(b)に示す位置)した状態で放出口2を外部に露出させる(開く)ようになっている。
【0030】
詳しくは、図5に示すように、放出口カバー13は、ハウジング12の半周よりも大きな周方向範囲に亘って延び、ハウジング12の後側が切り欠かれた略円弧状に形成されている。換言すれば、放出口カバー13は、ハウジング12の外周面における後側部分の一部まで覆うように形成されている。これにより、放出口カバー13は、その両端部がハウジング12に係止することで、その径方向(ハウジング12の軸方向と直交する方向)への移動が規制されるようになっている。
【0031】
放出口カバー13における周方向両端には、その内側に折り返されたフック部91がそれぞれ形成されている。そして、放出口カバー13は、ハウジング12に形成された軸方向に延びる直線状のレール部92にフック部91が嵌合することにより、ハウジング12の軸方向に沿った移動がガイドされる。図6に示すように、放出口カバー13における周方向両端間の間隔は、貯留タンク14の短手方向(図6における左右方向)に沿った幅よりも若干大きく形成されている。これにより、放出口カバー13が放出口2を閉じた状態で、貯留タンク14が装置本体11に対して着脱可能になっている。また、図4に示すように、放出口カバー13の内側面13aにおける放出口2と対向する位置には、液体を吸収する吸液材93が設けられている。なお、本実施形態の吸液材93は、不織布により構成されている。
【0032】
美容装置1には、図4及び図7(a),(b)に示すように、放出口2を閉じる位置にある放出口カバー13の移動を規制するロック状態と、同放出口カバー13の移動を許容するロック解除状態とを切り替え可能なロック機構94が設けられている。
【0033】
具体的には、ロック機構94は、ノズル51に配置されるロックベース101と、ロックベース101の貫通孔102から後側に露出するロックボタン103と、ロックボタン103を後側に付勢するバネ部材104とを備えている。図4に示すように、ロックベース101は、ネジ105によりノズル51の固定部52に固定されている。なお、ネジ105と固定部52との間には、Oリング106が介在されており、ネジ105と固定部52との間が液体の浸入を防止した状態で封止されている。図7(b)に示すように、ロックボタン103には、放出口カバー13のフック部91に形成されたロック凹部91aに係合する爪部103aが形成されている。ロック凹部91aは、放出口カバー13が放出口2を閉じる位置で、爪部103aが係合するように形成されている。そして、ロック機構94は、バネ部材104によりロックボタン103が付勢されて爪部103aがロック凹部91aに係合することにより、放出口カバー13の移動が規制されるロック状態となる。一方、ロックボタン103が押圧され、爪部103aとロック凹部91aとの係合が解除されることにより、放出口カバー13の移動が許容されるロック解除状態となる。
【0034】
そして、美容装置1は、ミスト生成機構58への電力供給のオンオフを切り替える電源スイッチ111が放出口カバー13の位置に応じて非接触で操作されるように構成されている。具体的には、図3及び図8(a),(b)に示すように、第1の回路基板23には、リードスイッチからなる電源スイッチ111が実装されている。放出口カバー13には、電源スイッチ111と対応する位置に磁石112が固定されている。なお、本実施形態では、磁石112は、放出口カバー13の内側面13aに形成された四角枠状の設置部113に配置されており、同設置部113がかしめられることで放出口カバー13に固定されている。これにより、図8(a)に示すように、放出口カバー13が放出口2を閉じ、磁石112が電源スイッチ111から離れた状態では、電源スイッチ111がオフする。一方、図8(b)に示すように、放出口カバー13がハウジング12の他端側に移動して放出口2を開き、磁石112が電源スイッチ111に近づいた状態では、同磁石112の磁力により電源スイッチ111がオンする。そして、電源スイッチ111がオンした状態で、第1の回路基板23に実装されたマイコン114(図3参照)により電池27からミスト生成機構58へ電力供給が制御され、ミストが生成されるようになっている。
【0035】
また、美容装置1は、ミスト生成機構58でミスト化されるミスト量が変更可能に構成されている。具体的には、本実施形態のマイコン114は、PWM制御の実行によりミスト生成機構58(振動子62)に印加される電圧を変更可能に構成されている。また、図2に示すように、第2の回路基板25には、ミスト生成機構58でミスト化されるミスト量を設定する設定手段としての切り替えスイッチ115が実装されている。
【0036】
図9に示すように、切り替えスイッチ115の操作レバー116は、ベースホルダ33に形成された操作孔117から突出している。本実施形態の操作レバー116は、使用者により操作されることにより、振動子62に高い電圧が印加されてミスト量が多くなる「Hi」位置と、振動子62に低い電圧が印加されてミスト量が少なくなる「Lo」位置とに切り替え可能に構成されている。そして、マイコン114は、切り替えスイッチ115の操作レバー116の位置を認識し、その位置に応じた電圧を振動子62に供給することで、ミスト生成機構58でミスト化されるミスト量を変更するようになっている。
【0037】
ここで、上記のようにベースホルダ33は、電池交換用カバー16により覆われているため、操作レバー116は電池交換用カバー16により覆われている。すなわち、本実施形態では、電池交換用カバー16が操作部カバーに相当し、ベースホルダ33が取着部材に相当し、Oリング36が封止部材に相当する。
【0038】
なお、本実施形態の美容装置1は、上記のように電池27や貯留タンク14等の重量部品がハウジング12の軸心よりも後側に配置されることにより、その重心がハウジング12の軸心よりも後側に位置するように構成されている。これにより、美容装置1を横にした状態(軸方向が重力方向に対して略直交した状態)で、同美容装置1は、その後側が重力方向下方に位置し、放出口2が重力方向下方へ向きにくくなっている。
【0039】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)放出口カバー13をハウジング12の周方向に延び、同ハウジング12の外周を回り込むように形成したため、使用者は放出口カバー13をつまむようにして持つことが可能になる。したがって、放出口カバー13をハウジング12に押し付けなくても、同放出口カバー13をしっかりと持って確実に移動させることができ、その操作性を向上させることができる。
【0040】
(2)放出口カバー13をハウジング12の半周よりも大きな周方向範囲に亘って延びる円弧状に形成し、ハウジング12の径方向への移動が規制されるようにしたため、ハウジング12から放出口カバー13がハウジング12から外れることをより確実に防止できる。
【0041】
(3)電源電力の供給を入り切りする電源スイッチ111をリードスイッチにより構成し、放出口カバー13に磁石112を設けることで、同放出口カバー13の位置に応じて非接触で電源スイッチ111のオンオフが切り替わるようにした。したがって、放出口カバー13を移動させることで、電源スイッチ111のオンオフが切り替えられるため、別途使用者により操作される電源スイッチを設ける場合に比べ、利便性を向上させることができる。また、放出口カバー13の位置に応じて電源スイッチ111が非接触で操作されるため、放出口カバー13が放出口2を閉じた状態でミストが放出されることをより確実に防止でき、放出口カバー13の内面にミストが付着して液だれが生じることを抑制できる。さらに、非接触で電源スイッチ111のオンオフが切り替えられるため、電源スイッチが外部に露出する構成に比べ、美容装置1の防水性を向上させることができる。
【0042】
(4)放出口カバー13が放出口2を閉じた状態で、貯留タンク14が装置本体11に対して着脱可能となるように放出口カバー13を形成したため、その位置に関係なく貯留タンク14を着脱することができ、利便性を向上させることができる。特に、本実施形態のように放出口カバー13の位置に応じて電源スイッチ111のオンオフが切り替えられる構成では、貯留タンク14を着脱する際に、誤って電源スイッチ111がオンすることを抑制できるため、効果的である。
【0043】
(5)美容装置1は、放出口2を閉じる位置にある放出口カバー13の移動を規制するロック機構94を備えたため、意図せずに放出口カバー13が移動して放出口2が開くことを抑制でき、放出口2内に塵等の異物が侵入することをより確実に防止できる。特に、本実施形態のように放出口カバー13の位置に応じて電源スイッチ111のオンオフが切り替えられる構成では、意図しないミストの放出を抑制することができるため、効果的である。
【0044】
(6)切り替えスイッチ115の操作レバー116の位置を切り替えることでミスト生成機構58でミスト化されるミスト量を変更できるため、使用者は、好みに応じて放出されるミスト量を調節でき、利便性を向上させることができる。
【0045】
(7)切り替えスイッチ115は、ベースホルダ33に形成された操作孔117から突出する操作レバー116を有し、ベースホルダ33に同操作レバー116を覆う電池交換用カバー16を着脱可能に設けた。そして、ベースホルダ33と電池交換用カバー16との間にOリング36を介在させた。したがって、操作レバー116は液体を被りにくくなるため、誤って液体をこぼした場合に、操作レバー116(操作孔117)を介してハウジング12内部に液体が浸入することを抑制でき、防水性を向上させることができる。
【0046】
(8)放出口カバー13の内側面13aにおける放出口2と対向する位置に液体を吸収する吸液材93を設けたため、例えばミスト放出時に放出口2の内面に付着した液体は、放出口カバー13を閉じたときに吸収される。これにより、ハウジング12の表面に液体が流れ出ることを抑制できる。
【0047】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、吸液材93を不織布により構成したが、これに限らず、例えばスポンジ等、液体を吸収することができれば、どのような部材により吸液材93を構成してもよい。また、放出口カバー13の内側面13aに吸液材を設けなくともよい。
【0048】
・上記実施形態では、切り替えスイッチ115によりミスト生成機構58でミスト化されるミスト量を変更するようにしたが、放出口カバー13の位置に応じてミスト量が変更される構成としてもよい。図10に示す例では、第1の回路基板23には、設定手段としてのリードスイッチ121a,121bがハウジング12の軸方向に沿って並置されている。リードスイッチ121a,121bは、同図において二点鎖線で示すように、放出口カバー13に固定された磁石112の位置に応じて独立してオンオフが切り替えられるようになっている。そして、マイコン114がオンされたリードスイッチ121a,121bに応じた電圧を振動子62に供給することで、ミスト生成機構58でミスト化されるミスト量が変更されるようになっている。
【0049】
この構成では、放出口カバー13を移動させることで、放出されるミスト量を調節できるため、ミストを放出させながら容易にミスト量を変更することが可能になり、利便性を向上させることができる。なお、図10に示す構成において、リードスイッチ121a,121bを上記電源スイッチ111と別に設けてもよく、また、リードスイッチ121a,121bを電源スイッチとして機能させてもよい。
【0050】
・上記実施形態では、マイコン114は、PWM制御の実行により振動子62に印加する電圧を変更することで、ミスト生成機構58でミスト化されるミスト量を変化させた。しかし、高低電圧の印加以外に、異なる周波数の入力や間欠電圧印加等によってミスト量を変化させてもよい。
【0051】
・上記実施形態では、操作レバー116の位置を切り替えることにより、ミスト生成機構58で生成されるミスト量を2段階で設定可能に構成したが、これに限らず、3段階以上で設定可能に構成してもよい。また、ミスト量を段階的でなく、連続的に設定できるようにしてもよい。さらに、ミスト生成機構58で生成されるミスト量を変更不能に構成してもよい。
【0052】
・上記実施形態では、ロック機構94をバネ部材104により付勢されるロックボタン103の爪部103aが放出口カバー13のフック部91に形成されたロック凹部91aに係合することで、放出口カバー13の移動を規制するように構成した。しかし、これに限らず、例えば放出口カバー13に凹部を設けるとともに、ハウジング12に凸部を設け、これら凹部と凸部とを係合させることにより、放出口カバー13の移動を規制するように構成してもよい。また、美容装置1にロック機構94を設けなくともよい。
【0053】
・上記実施形態では、放出口カバー13が放出口2を閉じた状態で、貯留タンク14が装置本体11に対して着脱可能となるように同放出口カバー13を形成した。しかし、これに限らず、例えば放出口カバー13を円筒状に形成し、同放出口カバー13をハウジング12の他端側に移動させなければ、貯留タンク14を装置本体11に対して着脱できないようにしてもよい。
【0054】
・上記実施形態では、電源スイッチ111をリードスイッチにより構成したが、これに限らず、例えば光電スイッチ等、他の非接触式のスイッチを用いてもよい。
・上記実施形態では、放出口カバー13を移動させることで、電源スイッチ111のオンオフが切り替えられるようにしたが、これに限らず、使用者により操作される電源スイッチを別途設けてもよい。
【0055】
・上記実施形態では、放出口カバー13をハウジング12の半周よりも大きな周方向範囲に亘って延びる略円弧状に形成したが、これに限らず、ハウジング12の半周以下としてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、ハウジング12を略円筒形状に形成したが、これに限らず、例えば四角筒状等の多角筒状に形成してもよい。なお、この場合には、放出口カバー13は、ハウジング12の外周を回り込むように形成されることにより、同ハウジング12の少なくとも二面を覆うように形成される。
【0057】
・上記実施形態では、振動板63を超音波振動させることにより液体からミストを生成するようにしたが、これに限らず、例えば液体を沸騰させることによりミストを生成したり、電極からの放電によりミストを生成(静電霧化)したりしてもよい。
【0058】
・上記実施形態では、本発明の美容装置1を用いて化粧水をミスト化したが、これに限らず、例えば水(純水)や他の液体をミスト化させてもよい。
・上記実施形態では、本発明をミスト発生装置を備えた美容装置1に具体化したが、ミスト発生装置を備えた他の任意の装置(携帯用の加湿器等)に具体化してもよい。
【0059】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)請求項7に記載のミスト発生装置において、前記操作部カバーと、前記操作部カバーが取着される取着部材との間には、液体の侵入を防止する封止部材が設けられたことを特徴とするミスト発生装置。上記構成によれば、より一層、装置の防水性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…ミスト発生装置を備えた美容装置、2…放出口、11…装置本体、12…ハウジング、13…放出口カバー、13a…内側面、14…貯留タンク、15…タンクキャップ、16…操作部カバーとしての電池交換用カバー、21…基台、33…ベースホルダ、51…ノズル、58…ミスト生成機構、59…ノズルホルダ、68…フロントカバー、81…供給口、93…吸液材、94…ロック機構、111…電源スイッチ、112…磁石、114…制御手段としてのマイコン、115…設定手段としての切り替えスイッチ、116…操作部としての操作レバー、121a,121b…設定手段としてのリードスイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体をミスト化するミスト生成機構と、
前記ミスト生成機構で生成されたミストを放出する放出口が設けられた筒状の本体ケースと、
前記本体ケースの軸方向へ移動して前記放出口を開閉する放出口カバーと、を備えたミスト発生装置において、
前記放出口カバーは、前記本体ケースの周方向に延び、該本体ケースの外周を回り込むように形成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスト発生装置において、
前記放出口カバーは、前記本体ケースの径方向への移動が規制されるような周方向範囲に亘って形成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のミスト発生装置において、
前記ミスト生成機構への電力供給のオンオフを切り替える電源スイッチは、前記放出口カバーの位置に応じて非接触で操作されるように構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のミスト発生装置において、
前記ミスト生成機構でミスト化される液体を貯留する貯留タンクを備え、
前記放出口カバーは、前記放出口を閉じた状態で、前記貯留タンクが着脱可能となるように形成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のミスト発生装置において、
前記放出口カバーの移動を規制するロック状態と、前記放出口カバーの移動を許容するロック解除状態とを切り替え可能なロック機構を備えたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のミスト発生装置において、
前記ミスト生成機構でミスト化されるミスト量を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されたミスト量に応じて前記ミスト生成機構の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項7】
請求項6に記載のミスト発生装置において、
前記設定手段は、使用者によって操作される操作部を備え、
前記本体ケースには、前記操作部を覆う操作部カバーが設けられたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項8】
請求項6に記載のミスト発生装置において、
前記設定手段は、前記放出口カバーの位置に応じてミスト量が変更されるように構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のミスト発生装置において、
前記放出口カバーの内側面には、液体を吸収する吸液材が設けられたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えたことを特徴とする美容装置。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−22200(P2013−22200A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159067(P2011−159067)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】