ミスト発生装置及び美容装置
【課題】電極部に滞留する液体を排出することで放電部分の放電を安定して行うことができるミスト発生装置を備えた美容装置を提供する。
【解決手段】第1電極部80,81において、付着する液体を放電部分から排出するための排出手段として第1電極部80,81の周囲に吸液体90を設け、吸液体90は第1電極部80,81に付着した液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体の外部への滴下を誘発させる延出部90bを有する構成とした。
【解決手段】第1電極部80,81において、付着する液体を放電部分から排出するための排出手段として第1電極部80,81の周囲に吸液体90を設け、吸液体90は第1電極部80,81に付着した液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体の外部への滴下を誘発させる延出部90bを有する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体からミストを生成するミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ミスト発生装置は、液体をヒータにて沸騰させて気化させたスチーム(温ミスト)や、超音波にて霧化させたミスト(冷ミスト)を顔などの人体に向けて放出することで、肌に潤いを与えるなどの美容効果やスキンケアを目的とした装置として用いられている。尚、ミストとは、前述のように液体を気化させたスチーム(温ミスト)や、液体を霧化させた冷ミスト等のことを指し、これ以降同様の意味として使用する。
【0003】
特許文献1のミスト発生装置は、液体からミストを生成するミスト発生機構と、該ミスト発生機構にて生成されたミストを放電により微細化する放電部とで構成されていて、放電部は、一対の第1電極部と、該第1電極部の間に配置される第2電極部とを備えている。そして、第1電極部及び第2電極部間で放電を行うことで、生成されたミストを微細化して使用者に向けて放出し、微細化されたミストは使用者の肌に潤いとハリを与えて高い美容作用や健康作用が得られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−295813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなミスト発生装置において、放電部に設けられる電極部に液体(ミスト)の付着が生じ、電極部での放電が不安定になる。そのため、特許文献1では第1電極部に別途吸水体が装着されて第1電極部に付着した液体を吸収し、放電の阻害が抑止されるようになっている。
【0006】
しかしながら、吸液体の吸液量が飽和量に達すると、吸液体は電極部に付着した液体を飽和量以上吸収することができないため、放電部分に液体が滞留して放電が不安定になる場合があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電極部に滞留する液体を排出することで放電部分の放電を安定して行うことができるミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、液体からミストを生成するミスト発生機構と、前記ミスト発生機構にて生成されたミストを放電により微細化するための電極部を有する放電部とを備えたミスト発生装置であって、前記電極部において、付着する液体を排出するための排出手段が備えられたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、電極部において、付着する液体を排出するための排出手段が備えられるため、この排出手段による電極部からの液体の排出により電極部に液体が滞留することが防止され、安定して放電を行うことが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミスト発生装置において、前記排出手段は、前記電極部の周囲に設けられてその電極部に付着する液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体の外部への排出を誘発させる延出部を有する吸液体にて構成されたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、排出手段は、電極部の周囲に設けられてその電極部に付着する液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体の外部への排出を誘発させる延出部を有する吸液体にて構成される。このため、吸液体の液体吸収量が飽和量に達しても、吸収した液体が延出部より滴下する等して外部に排出されるため、吸液体での液体の吸収が継続可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のミスト発生装置において、前記電極部を支持する電極ホルダに前記吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、前記排出手段は、前記筒状部材に設けた排出口に前記吸液体の延出部を挿入して構成されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、電極部を支持する電極ホルダに吸液体を内包支持する筒状部材が装着され、排出手段は、筒状部材に設けた排出口に吸液体の延出部を挿入して構成される。このため、吸液体は筒状部材にて支持されながら、吸液体にて吸収された液体は延出部から排出口を介して外部に排出される。つまり、吸液体を筒状部材にて支持する構成においても、吸液体にて吸収された液体の好適な排出が可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のミスト発生装置において、前記吸液体の延出部は、前記筒状部材の排出口から突出させて構成されたことをその要旨とする。
この発明では、吸液体の延出部は、筒状部材の排出口から突出させて構成されるため、吸液体にて吸収された液体は、筒状部材の排出口から突出する延出部からより確実に外部に排出される。このため、筒状部材にて支持された吸液体において、吸収された液体のより好適な排出が可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のミスト発生装置において、前記筒状部材は弾性部材よりなり、前記排出口は前記筒状部材の軸方向の途中に設けられるものであって、前記筒状部材の周方向にその排出口に連続して切欠き部が形成されたことをその要旨とする。
【0016】
この発明では、筒状部材は弾性部材よりなり、排出口は筒状部材の軸方向の途中に設けられるものであって、筒状部材の周方向にその排出口に連続して切欠き部が形成される。このため、筒状部材の排出口よりも端部側は、その排出口に周方向に連続する切欠き部により可撓性が向上するため、その端部側を捲り上げることで筒状部材内への吸液体の装着が容易となり、装置の組立性の向上に寄与する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載のミスト発生装置において、前記吸液体の延出部は、先細形状をなしていることをその要旨とする。
この発明では、吸液体の延出部は先細形状をなしているため、吸収された液体が延出部の先端から滴下する等の外部排出がより確実となる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のミスト発生装置において、前記電極部を支持する電極ホルダに前記吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、前記排出手段は、前記吸液体が吸収した液体の外部への排出が可能な前記筒状部材に設けた排出口にて構成されたことをその要旨とする。
【0019】
この発明では、電極部を支持する電極ホルダに吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、排出手段は、吸液体が吸収した液体の外部への排出が可能な筒状部材に設けた排出口にて構成される。このため、吸液体に吸収された液体は筒状部材の排出口を介して滴下する等して外部に排出される。つまり、このように吸液体を筒状部材にて支持する構成においても、吸液体にて吸収された液体の好適な排出が可能となる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のミスト発生措置において、前記放電部は、一対の第1電極部と、前記第1電極部の間に配置される第2電極部とを備え、少なくとも一方の前記電極部に前記排出手段を備えたことをその要旨とする。
【0021】
この発明では、放電部は、一対の第1電極部と、この第1電極部の間に配置される第2電極部とを備え、少なくとも一方の電極部に排出手段を備える。このため、防止手段が備えられた第1又は第2電極部において液体の滞留が防止されて安定的に放電を行うことが可能となる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えた美容装置である。
この発明では、この発明では、請求項1〜8のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えることで、請求項1〜8のいずれか一項に記載の効果と同様の効果を奏することができる美容装置を提供できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電極部に滞留する液体を排出することで放電部分の放電を安定して行うことができるミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態における美顔器を示す斜視図。
【図2】同美顔器を前後方向で切断し右側から見た断面図。
【図3】同美顔器を左右方向で切断し背面側から見た断面図。
【図4】同美顔器のマイナスイオン生成部部分の拡大断面図。
【図5】同美顔器の管路及び整流部部分の拡大断面図。
【図6】同美顔器の機能の概略構成を示すブロック図。
【図7】同美顔器の放電部の断面図。
【図8】同美顔器の放電部の断面図。
【図9】同美顔器の第2電極部の取り付け構造を説明するための斜視図。
【図10】同美顔器の電極チューブの斜視図。
【図11】同美顔器の第1電極部の正面図。
【図12】同美顔器の放電部の側面図。
【図13】別例における放電部の断面図。
【図14】別例における第1電極部の正面図。
【図15】別例における放電部の断面図。
【図16】別例における第1電極部の正面図。
【図17】別例における放電部の断面図。
【図18】別例における放電部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のミスト発生装置を備える美容装置としての美顔器10を示す。有底略円筒状の本体ケース11には美顔器本体12が収容されて固定され、その本体ケース11の開口部と面一をなす美顔器本体12の上面にはノズル部13及びスイッチ部14が設置されている。ノズル部13及びスイッチ部14を有する美顔器本体12の上面は、本体ケース11に対し開閉可能(傾動可能)に取り付けられたメインカバー15にて露出・隠蔽が可能とされている。
【0026】
ノズル部13は、美顔器本体12の上面中央に設けられており、スチーム(温ミスト)を放出する一対のスチームノズル(温ミストノズル)21a,21b、冷ミストを放出するミストノズル(冷ミストノズル)22、及びマイナスイオンを放出するイオンノズル23を有し、ミストノズル22が左右方向中央位置に、スチームノズル21aがその右側に、スチームノズル21bが左側に、そしてイオンノズル23がミストノズル22の上側にそれぞれ配置されている。尚、スチームノズル21a及び21bは、互いの間隔が例えば70mmに設定されている。
【0027】
またスチームノズル21a,21b、ミストノズル22、及びイオンノズル23の各放出方向は前側斜め上方の同一方向に向くように設定され、美顔器10の前側と使用者と対向するように使用した時のその使用者の顔表面に向けて放出方向が向くように設定されている。また、このノズル部13にもノズルカバー16が開閉可能(傾動可能)に取り付けられ、その開閉にて各ノズル21a,21b,22,23の露出・隠蔽が可能とされている。
【0028】
また、ノズル部13の手前右側には、スイッチ部14として、それぞれ押しボタンスイッチにて構成される電源スイッチ25、運転制御スイッチ26、及びコース選択スイッチ27が設けられている。電源スイッチ25は、美顔器10のオンオフ操作を行うものであり、運転制御スイッチ26及びコース選択スイッチ27は、その操作にて、スチームと冷ミストとを組み合わせて対象体に向けて放出するコースやスチームのみを放出するコースといった各種のコースの選択、及びその決定(動作開始)を行うものである。
【0029】
また、ノズル部13の左側には、美顔器本体12の上面から凹設されてなるタンク収容部17が設けられており、該タンク収容部17内には、開口部と面一となるように給水タンク18が着脱可能に収容されている。給水タンク18は、使用者が美顔器10から取り外しての給水が可能となっており、貯留した水からスチームや冷ミストのそれぞれの生成が行われる。
【0030】
美顔器本体12には、図2に示すように、スチーム発生機構を構成するスチーム生成部31と、ミスト発生機構を構成するミスト生成部32と、マイナスイオンを生成するマイナスイオン生成部33が備えられている。
【0031】
ミスト発生機構を構成するスチーム生成部31は、美顔器本体12の前側に備えられており、スチーム(温ミスト)を生成する。スチーム生成部31は、駆動電流の供給に基づいて発熱しその発熱の自己制御機能を有する殺菌機構及び加熱装置としてのPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ35,36を前側と後側にそれぞれ備え、給水タンク18から給水管路19を介してPTCヒータ35,36内側のボイラ室37内に供給された水を沸騰させてスチームの生成を行っている。因みに、前側のPTCヒータ35の外側面には、給水タンク18から延びる給水管路19の一部が当接させて配置されており、ボイラ室37への流入の前に温められ該ボイラ室37内で効率良くスチームが生成されるようになっている。尚、給水管路19は、排水管路38(図6参照)を介して美顔器10の排水口38aに接続されており、排水スイッチの操作によって制御される排水管路38上の止水弁39にて美顔器10内の排水を行うことが可能となっている。
【0032】
ボイラ室37の上部には、図2及び図3に示すように、生成したスチームを一対のスチームノズル21a,21bまで案内させるためのスチーム案内管路41が接続されている。スチーム案内管路41は、その途中に分岐部42を有している。スチーム案内管路41は、図5に示すように、分岐部42から二股に分かれるように分岐部42からスチームノズル21aまでを接続する第1案内管路41aと,分岐部42からスチームノズル21bまでを接続する第2案内管路41bとを有し、第1案内管路41aの長さ(距離)L1及び第2案内管路41bの長さ(距離)L2が等しくなるように構成されている。そのため、ボイラ室37にて生成したスチームが分岐部42から分かれて第1案内管路41a及び第2案内管路41bを通って各スチームノズル21a,21bまでそれぞれ案内される。そして、ボイラ室37やスチーム案内管路41内は高圧となるため、各スチームノズル21a,21bの放出孔からはある程度の勢いを以てスチームが放出されるようになっている。尚、スチームノズル21a,21bの放出孔の内径は例えば3.6mmに設定されている。
【0033】
また、スチーム案内管路41の分岐部42の若干手前位置には、スチーム用放電部43が備えられている。スチーム用放電部43は、自身の放電により、この放電部43を通過するスチームをより微細化するとともに、放電を利用して金属微粒子(例えばPtなど)を発生させるものである。尚、スチーム用放電部43については詳しく後述する。
【0034】
スチーム用放電部43の下流側で分岐部42の直前位置には、整流機構としての整流部44が備えられている。この整流部44は、図5に示すように、スチーム案内管路41内に中空形状の中空部としての円筒部44aと、該円筒部44aから延出形成されて円筒部44aを管路41の径方向中心で支持する3本のリブ44bとが設けられて構成されている。そして、放電部43にて微細化したスチームが、その円筒部44aの内部及び3本のリブ44b間を通過する際に整流され、分岐部42から先の各スチームノズル21a,21bに同量のスチームが分岐されるようなっている。尚、円筒部44aの内径は、スチームノズル21a,21bの放出孔の内径より大きく、且つ該放出孔の内径の1.5倍以下の大きさである例えば4.5mmに設定されている。
【0035】
ミスト生成部32は、前記スチーム生成部31よりも後側に備えられており、ベンチュリー効果を用いて冷ミストを生成する。給水タンク18から延びる給水管路19内の水は前記スチーム生成として利用される他に冷ミストとしても利用され、その給水管路19からの水の一部をミストノズル22まで送水する管路部材としての送水管路51が備えられている。送水管路51は、後側のPTCヒータ36の放熱面(垂直面)36aの平面(放熱面)方向に大きく3度蛇行(屈曲)して該放熱面36aに当接させて配置される管路部材としての当接管路51aを有している。尚、当接管路51aを蛇行させることで当接管路51a内で液体の層流が抑制されるようになっている。
【0036】
図2に示すように、送水管路51の当接管路51aは、その全体が前記放熱面36aから離間されないように離間防止部材RBにて放熱面36a側に押し付け固定されている。更に、送水管路51の当接管路51aは、図2に示すように、その径方向断面が楕円形状とされ、PTCヒータ36の放熱面36aの平面(放熱面)方向に送水管路51の断面の長手方向(図2において紙面上下方向)が沿うように配置されている。このように構成された当接管路51aの内部には、所定の水量(例えば所定コース中において放出するミスト量よりも多い水量)が保持されており、前記スチーム生成時の後側のPTCヒータ36の熱(余熱)により、冷ミスト用の水が例えば80度、30秒以上で殺菌処理されるようになっている。そのため、前記ミストノズル22から放出される冷ミストは、美容に適した衛生状態が保たれている。
【0037】
また、送水管路51のミストノズル22の直前位置にはその管内に濾過機構としてのフィルタ52が装着されている。このフィルタ52は、管路部材としての送水管路51や当接管路51a等で発生した水垢やゴミ、カスと、ミストを生成するための液体(水)自身に含まれるゴミやカスなどがミストノズル22に流れ込むことを抑制させるものであり、このためミストノズル22のつまりを抑えることができるため、ミストノズル22からミストが安定して放出されるようになっている。そのため、本装置10を使用するにあたって使用者の肌(顔面)に対して快適にミストをあて、美容効果(スキンケア効果)を高めることができる。
【0038】
また、ミスト生成部32として、美顔器本体12内には空気圧送路53が設けられており、該空気圧送路53内には電動モータを駆動源としたポンプ54の動作により空気の圧送が行われる。この圧送空気はミストノズル22の放出孔に向けて供給され、放出孔手前で送水管路51内の水と合流させることでベンチュリー効果が生じ、圧送空気とともに送水管路51内の水が吸い出されて冷ミストが生成されて放出されるようになっている。
【0039】
マイナスイオン生成部33は、図2及び図4に示すようにノズル部13内に備えられており、コロナ放電を発生させてマイナスイオンを生成する。イオン生成部33は、ノズル部13のイオンノズル23に形成される収容凹部23aに、ユニット化されたマイナスイオン放電部61が収容保持されてなる。イオン放電部61は、その収容凹部23aに収容保持されるべく所定形状をなす電極ホルダ62に対して針電極63が支持されるとともに、針電極63の先端側においてその針電極63の軸線上に円環状の中心が位置するように円環状の対向電極64が支持されて構成されている。針電極63と対向電極64とはそれぞれリード線65が接続されて電極ホルダ62から導出され、美顔器本体12の上面近傍の制御回路基板71に接続されている。
【0040】
因みに、このイオン生成部33(イオン放電部61)では、針電極63周りの空間X2は外部への開放のみで、その針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とが仕切られている。これは、美顔器本体12内の空間X1に設けられるシリコン素材を使用した部材(例えば送水管路51の一部等)がPTCヒータ35,36といった熱源にて加熱されるとその空間X1内にシリコンが浮遊し、この浮遊シリコンが針電極63に付着するとコロナ放電の妨げとなりマイナスイオンの発生量が減少してしまうためであって、浮遊シリコンの針電極63への付着が未然に防止されている。
【0041】
制御回路基板71は、電源コード70(図1参照)にて外部から電源供給を受け、基板71上に搭載される各種の回路部品よりなる制御回路72の制御に基づいて、スチーム生成部31、ミスト生成部32、及びイオン生成部33のそれぞれに動作電源を供給する。図6に示すように、制御回路72は、電源スイッチ25のオンオフ操作に基づいて美顔器10の動作可能状態と及び停止状態との切り替えを行い、動作可能状態において運転制御スイッチ26及びコース選択スイッチ27の組み合わせ操作による各種使用コースの設定に基づいて、スチーム生成部31(PTCヒータ35,36、スチーム用放電部43等)と、ミスト生成部32(ポンプ54等)との動作を制御し、またイオン生成部33(イオン放電部61)を先の各生成部31,32の動作と合わせて動作させている。そのため、マイナスイオン及びスチーム(温ミスト)による美容効果やマイナスイオン及びミスト(冷ミスト)による美容効果を得ることができる。
【0042】
そして、マイナスイオン生成時において、針電極63に高電圧が印加されると、対向電極64との電位差によって針電極63の先端周囲にコロナ放電が発生し、マイナスイオンが発生する。発生したマイナスイオンは、針電極63よりも低電位の対向電極64に引き寄せられ、イオンノズル23から外部に放出される。
【0043】
次に、上記のように構成された美顔器10の放電部としてのスチーム用放電部43について図7〜12を用いて詳細に説明する。
図7に示すように、第1電極部80,81は、細長円柱状をなし、それぞれの軸中心が軸線Ln上、つまり同一軸線上となるように、スチーム案内管路41の両側に固定される電極ホルダ83によって支持されている。第1電極部80,81を支持する電極ホルダ83は、その基端側(第1電極部80,81を支持している方向とは反対側)が図示しない防水パッキンにて防水されており、スチーム案内管路41からスチーム(温ミスト)が流出することが防止されている。
【0044】
第1電極部80,81の放電部分である先端部80a,81aを除く基端部周囲にはフェルト材よりなる吸液体90がそれぞれ備えられていて、各第1電極部80,81に付着する液体を吸収及び排出できるようになっている。吸液体90は、円盤状の吸液体本体90aと吸液体本体90aの外周面から延出される延出部90bとを備え、吸液体本体90aの中央に厚み方向に貫通形成された貫通孔90cに第1電極部80,81が挿通されている。延出部90bは平面視で三角形状、側方視でも三角形状をなす先細形状をなし、装着状態では下方に向けられている。尚、本実施形態の吸液体90においては、貫通孔90cが直径0.5mm、厚みが1.2mmに設定されている。
【0045】
略円柱形状をなす各電極ホルダ83には、吸液体90を内包支持する筒状部材としての円筒状の電極チューブ91が外嵌装着されている。電極チューブ91(図10参照)は、シリコンゴム等の弾性部材で形成されていて、外径が4.4mm、壁面の厚みは0.5mmである。電極チューブ91において、第1電極部80,81の先端部80a,81a側の一端から、0.8mmの位置には幅1.2mm、電極チューブ91の最下点から高さ1.7mmの略長方形に電極チューブ91の下方部分が開口された排出口91aが形成されている。因みに、排出口91aの周方向の開口長さは、電極チューブ91の肉厚を最低限確保する長さであればよい。また、排出口91aの上方には排出口91aに周方向に連続して切欠き部91bが形成されている。つまり、電極チューブ91の排出口91aよりも先端部側は、その排出口91aに周方向に連続する切欠き部91bにより可撓性が向上するため、電極チューブ91に吸液体90を内包支持させる際に、チューブ91の先端部側を捲り上げることでチューブ91内への吸液体90の装着を容易としている。
【0046】
各第1電極部80,81の電極ホルダ83に電極チューブ91及び吸液体90を装着すると、図12に示すように、吸液体本体90aが電極ホルダ83の先端面に当接するように電極チューブ91内に内包されるとともに、延出部90bが排出口91aに挿入されて電極チューブ91から突出するようになっている。この場合、排出口91a及び延出部90bは下方に向けられる。これにより、吸液体90を電極チューブ91にて支持する本構成においても吸液体90にて吸収された液体の好適な排出(滴下)が可能で、しかも延出部90bの下方に向けられた先端部90dが先細形状なため、より確実である。尚、延出部90bはその先端部を垂下方向に向けるのが液体の滴下を誘発する観点からより好ましいが、垂下方向から左右に90度以下で、例えば−30度から30度の間で装着しても十分な効果が得られる。
【0047】
第2電極部82は、Pt含有の細長円柱状の金属部材にて構成されており、スチーム案内管路41に固定されるピンプレート84の先端部に第1電極部80,81の軸線Lnと同一軸線上となるように着脱可能に支持されている。因みに、第2電極部82を支持するピンプレート84は、スチーム案内管路41の内壁面間に跨って形成される支持部85に装着されている。この支持部85には保持片85a及び係止突起85bが形成され、またピンプレート84の基端部にはU字状装着部84a及び係止孔84bが形成されている。そして、U字状装着部84aが支持部85を下側から抱え込むようにして保持片85aにて保持されるとともに係止孔84bが係止突起85bと係止することで、ピンプレート84が支持部85に対して着脱可能に装着される。
【0048】
このようなスチーム用放電部43では、スチーム案内管路41内、即ちスチーム(温ミスト)の流動経路中に位置することから、第1電極部80,81及び第2電極部82に液体が付着する。しかしながら、電極部80〜82への液体の付着は放電を阻害する要因となるため、第1電極部80,81の基端部周囲に備えられた吸液体90は、第1電極部80,81に付着した液体を吸収する。そして、吸液体90にて吸収した液体の吸液量が飽和量に達しても、吸液体90の延出部90bの先端部90dから液体が滴下して外部に排出でき継続的に液体を吸収することができるため、安定的に第1電極部80,81及び第2電極部82間において放電を行うことができる。
【0049】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、第1電極部80,81において、付着する液体を排出するための排出手段として延出部90bを有する吸液体90が備えられている。この吸液体90は、第1電極部80,81の放電部分である先端部80a,81aを除く基端部周囲に設けられてその第1電極部80,81に付着する液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体を延出部90bから滴下させて外部に排出させている。また、延出部90bは先細形状をなしているため、液体の外部排出がより確実となっている。こうして、吸液体90による第1電極部80,81からの液体の排出により第1電極部80,81に液体が滞留することが防止され、安定して放電を行うことができる。
【0050】
(2)本実施形態では、第1電極部80,81を支持する電極ホルダ83に吸液体90を内包支持する筒状部材としての電極チューブ91が装着され、吸液体90は、電極チューブ91に設けた排出口91aに吸液体90の延出部90bを挿入して構成されている。このため、吸液体90は電極チューブ91にて支持されながら、吸液体90にて吸収された液体は延出部90bから排出口91aを介して外部に排出される。また、延出部90bは、電極チューブ91の排出口91aから突出させて構成されているため、吸収された液体のより好適な排出が可能である。こうして、吸液体90を電極チューブ91にて支持する本構成においても、吸液体90にて吸収された液体を好適に排出することができる。
【0051】
(3)本実施形態では、電極チューブ91の排出口91aは軸方向の途中に設けられており、電極チューブ91の周方向にその排出口91aに連続して切欠き部91bが形成されている。このため、電極チューブ91の排出口91aよりも先端部側は、その排出口91aに周方向に連続する切欠き部91bにより可撓性が向上するため、その先端部側を捲り上げることで電極チューブ91内への吸液体90の装着が容易となり、装置の組立性の向上に寄与する。
【0052】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、電極チューブ91の先端側から軸方向の途中位置に排出口91aを形成したが、排出口91aを形成する位置を適宜変更してもよく、例えば図13及び図14に示すように電極チューブ91の先端側から下方部分を切り欠いて排出口91aを構成してもよい。因みにこの場合、吸液体90が増厚されている。
【0053】
・上記実施形態では、排出口91aに連続して切欠き部91bを設けたが、排出口91aの形状等によっては省略してもよい。
・上記実施形態では、吸液体90の延出部90bを先細形状としたが、例えば図15及び図16に示すように直方体状にし、先細形状としなくてもよい。またこれ以外の形状を採用してもよい。
【0054】
また、図17に示すように吸液体90の延出部90bを設けない構成としてもよい。この場合、吸液体90にて吸収した液体は電極チューブ91の排出口91aから滴下して排出される。
【0055】
・上記実施形態では、吸液体90を第1電極部80,81に装着したが、図18に示すように第2電極部82側に吸液体90を装着してもよい。この場合、第2電極部82に液体が滞留することを防止して安定して放電を行うことができる。また、第1電極部80,81及び第2電極部82のそれぞれに吸液体90を装着してもよく、両電極部80〜82での液体の滞留が防止される。
【0056】
・上記実施形態では、電極チューブ91をシリコンゴムにて構成したが、これに限らず他の弾性部材でもよい。尚、耐熱性及び絶縁性を有する弾性部材が好ましい。また、吸液体90を電極部80,81やホルダ83に安定して装着できれば、電極チューブ91を省略してもよい。
【0057】
・上記実施形態では、吸液体90をフェルトにて構成したが、液体を吸収する他の材料を用いて構成してもよい。
・上記実施形態では、第1電極部80,81を2つ、つまり一対の電極を設けたが、例えば電極部80,81を1つとしてもよい。また、第2電極部82を省略する構成でもよい。
【0058】
・上記実施形態では、美顔器10にて美容装置を構成したが、美顔器10以外の美容装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…美容装置としての美顔器、31…ミスト発生機構及びミスト発生装置を構成するスチーム生成部、43…放電部としてのスチーム用放電部、80,81…電極部としての第1電極部、82…電極部としての第2電極部、83…電極ホルダ、90…排出手段としての吸液体、90b…延出部、91…筒状部材としての電極チューブ、91a…排出口、91b…切欠き部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体からミストを生成するミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ミスト発生装置は、液体をヒータにて沸騰させて気化させたスチーム(温ミスト)や、超音波にて霧化させたミスト(冷ミスト)を顔などの人体に向けて放出することで、肌に潤いを与えるなどの美容効果やスキンケアを目的とした装置として用いられている。尚、ミストとは、前述のように液体を気化させたスチーム(温ミスト)や、液体を霧化させた冷ミスト等のことを指し、これ以降同様の意味として使用する。
【0003】
特許文献1のミスト発生装置は、液体からミストを生成するミスト発生機構と、該ミスト発生機構にて生成されたミストを放電により微細化する放電部とで構成されていて、放電部は、一対の第1電極部と、該第1電極部の間に配置される第2電極部とを備えている。そして、第1電極部及び第2電極部間で放電を行うことで、生成されたミストを微細化して使用者に向けて放出し、微細化されたミストは使用者の肌に潤いとハリを与えて高い美容作用や健康作用が得られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−295813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなミスト発生装置において、放電部に設けられる電極部に液体(ミスト)の付着が生じ、電極部での放電が不安定になる。そのため、特許文献1では第1電極部に別途吸水体が装着されて第1電極部に付着した液体を吸収し、放電の阻害が抑止されるようになっている。
【0006】
しかしながら、吸液体の吸液量が飽和量に達すると、吸液体は電極部に付着した液体を飽和量以上吸収することができないため、放電部分に液体が滞留して放電が不安定になる場合があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電極部に滞留する液体を排出することで放電部分の放電を安定して行うことができるミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、液体からミストを生成するミスト発生機構と、前記ミスト発生機構にて生成されたミストを放電により微細化するための電極部を有する放電部とを備えたミスト発生装置であって、前記電極部において、付着する液体を排出するための排出手段が備えられたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、電極部において、付着する液体を排出するための排出手段が備えられるため、この排出手段による電極部からの液体の排出により電極部に液体が滞留することが防止され、安定して放電を行うことが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミスト発生装置において、前記排出手段は、前記電極部の周囲に設けられてその電極部に付着する液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体の外部への排出を誘発させる延出部を有する吸液体にて構成されたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、排出手段は、電極部の周囲に設けられてその電極部に付着する液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体の外部への排出を誘発させる延出部を有する吸液体にて構成される。このため、吸液体の液体吸収量が飽和量に達しても、吸収した液体が延出部より滴下する等して外部に排出されるため、吸液体での液体の吸収が継続可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のミスト発生装置において、前記電極部を支持する電極ホルダに前記吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、前記排出手段は、前記筒状部材に設けた排出口に前記吸液体の延出部を挿入して構成されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、電極部を支持する電極ホルダに吸液体を内包支持する筒状部材が装着され、排出手段は、筒状部材に設けた排出口に吸液体の延出部を挿入して構成される。このため、吸液体は筒状部材にて支持されながら、吸液体にて吸収された液体は延出部から排出口を介して外部に排出される。つまり、吸液体を筒状部材にて支持する構成においても、吸液体にて吸収された液体の好適な排出が可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のミスト発生装置において、前記吸液体の延出部は、前記筒状部材の排出口から突出させて構成されたことをその要旨とする。
この発明では、吸液体の延出部は、筒状部材の排出口から突出させて構成されるため、吸液体にて吸収された液体は、筒状部材の排出口から突出する延出部からより確実に外部に排出される。このため、筒状部材にて支持された吸液体において、吸収された液体のより好適な排出が可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のミスト発生装置において、前記筒状部材は弾性部材よりなり、前記排出口は前記筒状部材の軸方向の途中に設けられるものであって、前記筒状部材の周方向にその排出口に連続して切欠き部が形成されたことをその要旨とする。
【0016】
この発明では、筒状部材は弾性部材よりなり、排出口は筒状部材の軸方向の途中に設けられるものであって、筒状部材の周方向にその排出口に連続して切欠き部が形成される。このため、筒状部材の排出口よりも端部側は、その排出口に周方向に連続する切欠き部により可撓性が向上するため、その端部側を捲り上げることで筒状部材内への吸液体の装着が容易となり、装置の組立性の向上に寄与する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載のミスト発生装置において、前記吸液体の延出部は、先細形状をなしていることをその要旨とする。
この発明では、吸液体の延出部は先細形状をなしているため、吸収された液体が延出部の先端から滴下する等の外部排出がより確実となる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のミスト発生装置において、前記電極部を支持する電極ホルダに前記吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、前記排出手段は、前記吸液体が吸収した液体の外部への排出が可能な前記筒状部材に設けた排出口にて構成されたことをその要旨とする。
【0019】
この発明では、電極部を支持する電極ホルダに吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、排出手段は、吸液体が吸収した液体の外部への排出が可能な筒状部材に設けた排出口にて構成される。このため、吸液体に吸収された液体は筒状部材の排出口を介して滴下する等して外部に排出される。つまり、このように吸液体を筒状部材にて支持する構成においても、吸液体にて吸収された液体の好適な排出が可能となる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のミスト発生措置において、前記放電部は、一対の第1電極部と、前記第1電極部の間に配置される第2電極部とを備え、少なくとも一方の前記電極部に前記排出手段を備えたことをその要旨とする。
【0021】
この発明では、放電部は、一対の第1電極部と、この第1電極部の間に配置される第2電極部とを備え、少なくとも一方の電極部に排出手段を備える。このため、防止手段が備えられた第1又は第2電極部において液体の滞留が防止されて安定的に放電を行うことが可能となる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えた美容装置である。
この発明では、この発明では、請求項1〜8のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えることで、請求項1〜8のいずれか一項に記載の効果と同様の効果を奏することができる美容装置を提供できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電極部に滞留する液体を排出することで放電部分の放電を安定して行うことができるミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態における美顔器を示す斜視図。
【図2】同美顔器を前後方向で切断し右側から見た断面図。
【図3】同美顔器を左右方向で切断し背面側から見た断面図。
【図4】同美顔器のマイナスイオン生成部部分の拡大断面図。
【図5】同美顔器の管路及び整流部部分の拡大断面図。
【図6】同美顔器の機能の概略構成を示すブロック図。
【図7】同美顔器の放電部の断面図。
【図8】同美顔器の放電部の断面図。
【図9】同美顔器の第2電極部の取り付け構造を説明するための斜視図。
【図10】同美顔器の電極チューブの斜視図。
【図11】同美顔器の第1電極部の正面図。
【図12】同美顔器の放電部の側面図。
【図13】別例における放電部の断面図。
【図14】別例における第1電極部の正面図。
【図15】別例における放電部の断面図。
【図16】別例における第1電極部の正面図。
【図17】別例における放電部の断面図。
【図18】別例における放電部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のミスト発生装置を備える美容装置としての美顔器10を示す。有底略円筒状の本体ケース11には美顔器本体12が収容されて固定され、その本体ケース11の開口部と面一をなす美顔器本体12の上面にはノズル部13及びスイッチ部14が設置されている。ノズル部13及びスイッチ部14を有する美顔器本体12の上面は、本体ケース11に対し開閉可能(傾動可能)に取り付けられたメインカバー15にて露出・隠蔽が可能とされている。
【0026】
ノズル部13は、美顔器本体12の上面中央に設けられており、スチーム(温ミスト)を放出する一対のスチームノズル(温ミストノズル)21a,21b、冷ミストを放出するミストノズル(冷ミストノズル)22、及びマイナスイオンを放出するイオンノズル23を有し、ミストノズル22が左右方向中央位置に、スチームノズル21aがその右側に、スチームノズル21bが左側に、そしてイオンノズル23がミストノズル22の上側にそれぞれ配置されている。尚、スチームノズル21a及び21bは、互いの間隔が例えば70mmに設定されている。
【0027】
またスチームノズル21a,21b、ミストノズル22、及びイオンノズル23の各放出方向は前側斜め上方の同一方向に向くように設定され、美顔器10の前側と使用者と対向するように使用した時のその使用者の顔表面に向けて放出方向が向くように設定されている。また、このノズル部13にもノズルカバー16が開閉可能(傾動可能)に取り付けられ、その開閉にて各ノズル21a,21b,22,23の露出・隠蔽が可能とされている。
【0028】
また、ノズル部13の手前右側には、スイッチ部14として、それぞれ押しボタンスイッチにて構成される電源スイッチ25、運転制御スイッチ26、及びコース選択スイッチ27が設けられている。電源スイッチ25は、美顔器10のオンオフ操作を行うものであり、運転制御スイッチ26及びコース選択スイッチ27は、その操作にて、スチームと冷ミストとを組み合わせて対象体に向けて放出するコースやスチームのみを放出するコースといった各種のコースの選択、及びその決定(動作開始)を行うものである。
【0029】
また、ノズル部13の左側には、美顔器本体12の上面から凹設されてなるタンク収容部17が設けられており、該タンク収容部17内には、開口部と面一となるように給水タンク18が着脱可能に収容されている。給水タンク18は、使用者が美顔器10から取り外しての給水が可能となっており、貯留した水からスチームや冷ミストのそれぞれの生成が行われる。
【0030】
美顔器本体12には、図2に示すように、スチーム発生機構を構成するスチーム生成部31と、ミスト発生機構を構成するミスト生成部32と、マイナスイオンを生成するマイナスイオン生成部33が備えられている。
【0031】
ミスト発生機構を構成するスチーム生成部31は、美顔器本体12の前側に備えられており、スチーム(温ミスト)を生成する。スチーム生成部31は、駆動電流の供給に基づいて発熱しその発熱の自己制御機能を有する殺菌機構及び加熱装置としてのPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ35,36を前側と後側にそれぞれ備え、給水タンク18から給水管路19を介してPTCヒータ35,36内側のボイラ室37内に供給された水を沸騰させてスチームの生成を行っている。因みに、前側のPTCヒータ35の外側面には、給水タンク18から延びる給水管路19の一部が当接させて配置されており、ボイラ室37への流入の前に温められ該ボイラ室37内で効率良くスチームが生成されるようになっている。尚、給水管路19は、排水管路38(図6参照)を介して美顔器10の排水口38aに接続されており、排水スイッチの操作によって制御される排水管路38上の止水弁39にて美顔器10内の排水を行うことが可能となっている。
【0032】
ボイラ室37の上部には、図2及び図3に示すように、生成したスチームを一対のスチームノズル21a,21bまで案内させるためのスチーム案内管路41が接続されている。スチーム案内管路41は、その途中に分岐部42を有している。スチーム案内管路41は、図5に示すように、分岐部42から二股に分かれるように分岐部42からスチームノズル21aまでを接続する第1案内管路41aと,分岐部42からスチームノズル21bまでを接続する第2案内管路41bとを有し、第1案内管路41aの長さ(距離)L1及び第2案内管路41bの長さ(距離)L2が等しくなるように構成されている。そのため、ボイラ室37にて生成したスチームが分岐部42から分かれて第1案内管路41a及び第2案内管路41bを通って各スチームノズル21a,21bまでそれぞれ案内される。そして、ボイラ室37やスチーム案内管路41内は高圧となるため、各スチームノズル21a,21bの放出孔からはある程度の勢いを以てスチームが放出されるようになっている。尚、スチームノズル21a,21bの放出孔の内径は例えば3.6mmに設定されている。
【0033】
また、スチーム案内管路41の分岐部42の若干手前位置には、スチーム用放電部43が備えられている。スチーム用放電部43は、自身の放電により、この放電部43を通過するスチームをより微細化するとともに、放電を利用して金属微粒子(例えばPtなど)を発生させるものである。尚、スチーム用放電部43については詳しく後述する。
【0034】
スチーム用放電部43の下流側で分岐部42の直前位置には、整流機構としての整流部44が備えられている。この整流部44は、図5に示すように、スチーム案内管路41内に中空形状の中空部としての円筒部44aと、該円筒部44aから延出形成されて円筒部44aを管路41の径方向中心で支持する3本のリブ44bとが設けられて構成されている。そして、放電部43にて微細化したスチームが、その円筒部44aの内部及び3本のリブ44b間を通過する際に整流され、分岐部42から先の各スチームノズル21a,21bに同量のスチームが分岐されるようなっている。尚、円筒部44aの内径は、スチームノズル21a,21bの放出孔の内径より大きく、且つ該放出孔の内径の1.5倍以下の大きさである例えば4.5mmに設定されている。
【0035】
ミスト生成部32は、前記スチーム生成部31よりも後側に備えられており、ベンチュリー効果を用いて冷ミストを生成する。給水タンク18から延びる給水管路19内の水は前記スチーム生成として利用される他に冷ミストとしても利用され、その給水管路19からの水の一部をミストノズル22まで送水する管路部材としての送水管路51が備えられている。送水管路51は、後側のPTCヒータ36の放熱面(垂直面)36aの平面(放熱面)方向に大きく3度蛇行(屈曲)して該放熱面36aに当接させて配置される管路部材としての当接管路51aを有している。尚、当接管路51aを蛇行させることで当接管路51a内で液体の層流が抑制されるようになっている。
【0036】
図2に示すように、送水管路51の当接管路51aは、その全体が前記放熱面36aから離間されないように離間防止部材RBにて放熱面36a側に押し付け固定されている。更に、送水管路51の当接管路51aは、図2に示すように、その径方向断面が楕円形状とされ、PTCヒータ36の放熱面36aの平面(放熱面)方向に送水管路51の断面の長手方向(図2において紙面上下方向)が沿うように配置されている。このように構成された当接管路51aの内部には、所定の水量(例えば所定コース中において放出するミスト量よりも多い水量)が保持されており、前記スチーム生成時の後側のPTCヒータ36の熱(余熱)により、冷ミスト用の水が例えば80度、30秒以上で殺菌処理されるようになっている。そのため、前記ミストノズル22から放出される冷ミストは、美容に適した衛生状態が保たれている。
【0037】
また、送水管路51のミストノズル22の直前位置にはその管内に濾過機構としてのフィルタ52が装着されている。このフィルタ52は、管路部材としての送水管路51や当接管路51a等で発生した水垢やゴミ、カスと、ミストを生成するための液体(水)自身に含まれるゴミやカスなどがミストノズル22に流れ込むことを抑制させるものであり、このためミストノズル22のつまりを抑えることができるため、ミストノズル22からミストが安定して放出されるようになっている。そのため、本装置10を使用するにあたって使用者の肌(顔面)に対して快適にミストをあて、美容効果(スキンケア効果)を高めることができる。
【0038】
また、ミスト生成部32として、美顔器本体12内には空気圧送路53が設けられており、該空気圧送路53内には電動モータを駆動源としたポンプ54の動作により空気の圧送が行われる。この圧送空気はミストノズル22の放出孔に向けて供給され、放出孔手前で送水管路51内の水と合流させることでベンチュリー効果が生じ、圧送空気とともに送水管路51内の水が吸い出されて冷ミストが生成されて放出されるようになっている。
【0039】
マイナスイオン生成部33は、図2及び図4に示すようにノズル部13内に備えられており、コロナ放電を発生させてマイナスイオンを生成する。イオン生成部33は、ノズル部13のイオンノズル23に形成される収容凹部23aに、ユニット化されたマイナスイオン放電部61が収容保持されてなる。イオン放電部61は、その収容凹部23aに収容保持されるべく所定形状をなす電極ホルダ62に対して針電極63が支持されるとともに、針電極63の先端側においてその針電極63の軸線上に円環状の中心が位置するように円環状の対向電極64が支持されて構成されている。針電極63と対向電極64とはそれぞれリード線65が接続されて電極ホルダ62から導出され、美顔器本体12の上面近傍の制御回路基板71に接続されている。
【0040】
因みに、このイオン生成部33(イオン放電部61)では、針電極63周りの空間X2は外部への開放のみで、その針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とが仕切られている。これは、美顔器本体12内の空間X1に設けられるシリコン素材を使用した部材(例えば送水管路51の一部等)がPTCヒータ35,36といった熱源にて加熱されるとその空間X1内にシリコンが浮遊し、この浮遊シリコンが針電極63に付着するとコロナ放電の妨げとなりマイナスイオンの発生量が減少してしまうためであって、浮遊シリコンの針電極63への付着が未然に防止されている。
【0041】
制御回路基板71は、電源コード70(図1参照)にて外部から電源供給を受け、基板71上に搭載される各種の回路部品よりなる制御回路72の制御に基づいて、スチーム生成部31、ミスト生成部32、及びイオン生成部33のそれぞれに動作電源を供給する。図6に示すように、制御回路72は、電源スイッチ25のオンオフ操作に基づいて美顔器10の動作可能状態と及び停止状態との切り替えを行い、動作可能状態において運転制御スイッチ26及びコース選択スイッチ27の組み合わせ操作による各種使用コースの設定に基づいて、スチーム生成部31(PTCヒータ35,36、スチーム用放電部43等)と、ミスト生成部32(ポンプ54等)との動作を制御し、またイオン生成部33(イオン放電部61)を先の各生成部31,32の動作と合わせて動作させている。そのため、マイナスイオン及びスチーム(温ミスト)による美容効果やマイナスイオン及びミスト(冷ミスト)による美容効果を得ることができる。
【0042】
そして、マイナスイオン生成時において、針電極63に高電圧が印加されると、対向電極64との電位差によって針電極63の先端周囲にコロナ放電が発生し、マイナスイオンが発生する。発生したマイナスイオンは、針電極63よりも低電位の対向電極64に引き寄せられ、イオンノズル23から外部に放出される。
【0043】
次に、上記のように構成された美顔器10の放電部としてのスチーム用放電部43について図7〜12を用いて詳細に説明する。
図7に示すように、第1電極部80,81は、細長円柱状をなし、それぞれの軸中心が軸線Ln上、つまり同一軸線上となるように、スチーム案内管路41の両側に固定される電極ホルダ83によって支持されている。第1電極部80,81を支持する電極ホルダ83は、その基端側(第1電極部80,81を支持している方向とは反対側)が図示しない防水パッキンにて防水されており、スチーム案内管路41からスチーム(温ミスト)が流出することが防止されている。
【0044】
第1電極部80,81の放電部分である先端部80a,81aを除く基端部周囲にはフェルト材よりなる吸液体90がそれぞれ備えられていて、各第1電極部80,81に付着する液体を吸収及び排出できるようになっている。吸液体90は、円盤状の吸液体本体90aと吸液体本体90aの外周面から延出される延出部90bとを備え、吸液体本体90aの中央に厚み方向に貫通形成された貫通孔90cに第1電極部80,81が挿通されている。延出部90bは平面視で三角形状、側方視でも三角形状をなす先細形状をなし、装着状態では下方に向けられている。尚、本実施形態の吸液体90においては、貫通孔90cが直径0.5mm、厚みが1.2mmに設定されている。
【0045】
略円柱形状をなす各電極ホルダ83には、吸液体90を内包支持する筒状部材としての円筒状の電極チューブ91が外嵌装着されている。電極チューブ91(図10参照)は、シリコンゴム等の弾性部材で形成されていて、外径が4.4mm、壁面の厚みは0.5mmである。電極チューブ91において、第1電極部80,81の先端部80a,81a側の一端から、0.8mmの位置には幅1.2mm、電極チューブ91の最下点から高さ1.7mmの略長方形に電極チューブ91の下方部分が開口された排出口91aが形成されている。因みに、排出口91aの周方向の開口長さは、電極チューブ91の肉厚を最低限確保する長さであればよい。また、排出口91aの上方には排出口91aに周方向に連続して切欠き部91bが形成されている。つまり、電極チューブ91の排出口91aよりも先端部側は、その排出口91aに周方向に連続する切欠き部91bにより可撓性が向上するため、電極チューブ91に吸液体90を内包支持させる際に、チューブ91の先端部側を捲り上げることでチューブ91内への吸液体90の装着を容易としている。
【0046】
各第1電極部80,81の電極ホルダ83に電極チューブ91及び吸液体90を装着すると、図12に示すように、吸液体本体90aが電極ホルダ83の先端面に当接するように電極チューブ91内に内包されるとともに、延出部90bが排出口91aに挿入されて電極チューブ91から突出するようになっている。この場合、排出口91a及び延出部90bは下方に向けられる。これにより、吸液体90を電極チューブ91にて支持する本構成においても吸液体90にて吸収された液体の好適な排出(滴下)が可能で、しかも延出部90bの下方に向けられた先端部90dが先細形状なため、より確実である。尚、延出部90bはその先端部を垂下方向に向けるのが液体の滴下を誘発する観点からより好ましいが、垂下方向から左右に90度以下で、例えば−30度から30度の間で装着しても十分な効果が得られる。
【0047】
第2電極部82は、Pt含有の細長円柱状の金属部材にて構成されており、スチーム案内管路41に固定されるピンプレート84の先端部に第1電極部80,81の軸線Lnと同一軸線上となるように着脱可能に支持されている。因みに、第2電極部82を支持するピンプレート84は、スチーム案内管路41の内壁面間に跨って形成される支持部85に装着されている。この支持部85には保持片85a及び係止突起85bが形成され、またピンプレート84の基端部にはU字状装着部84a及び係止孔84bが形成されている。そして、U字状装着部84aが支持部85を下側から抱え込むようにして保持片85aにて保持されるとともに係止孔84bが係止突起85bと係止することで、ピンプレート84が支持部85に対して着脱可能に装着される。
【0048】
このようなスチーム用放電部43では、スチーム案内管路41内、即ちスチーム(温ミスト)の流動経路中に位置することから、第1電極部80,81及び第2電極部82に液体が付着する。しかしながら、電極部80〜82への液体の付着は放電を阻害する要因となるため、第1電極部80,81の基端部周囲に備えられた吸液体90は、第1電極部80,81に付着した液体を吸収する。そして、吸液体90にて吸収した液体の吸液量が飽和量に達しても、吸液体90の延出部90bの先端部90dから液体が滴下して外部に排出でき継続的に液体を吸収することができるため、安定的に第1電極部80,81及び第2電極部82間において放電を行うことができる。
【0049】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、第1電極部80,81において、付着する液体を排出するための排出手段として延出部90bを有する吸液体90が備えられている。この吸液体90は、第1電極部80,81の放電部分である先端部80a,81aを除く基端部周囲に設けられてその第1電極部80,81に付着する液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体を延出部90bから滴下させて外部に排出させている。また、延出部90bは先細形状をなしているため、液体の外部排出がより確実となっている。こうして、吸液体90による第1電極部80,81からの液体の排出により第1電極部80,81に液体が滞留することが防止され、安定して放電を行うことができる。
【0050】
(2)本実施形態では、第1電極部80,81を支持する電極ホルダ83に吸液体90を内包支持する筒状部材としての電極チューブ91が装着され、吸液体90は、電極チューブ91に設けた排出口91aに吸液体90の延出部90bを挿入して構成されている。このため、吸液体90は電極チューブ91にて支持されながら、吸液体90にて吸収された液体は延出部90bから排出口91aを介して外部に排出される。また、延出部90bは、電極チューブ91の排出口91aから突出させて構成されているため、吸収された液体のより好適な排出が可能である。こうして、吸液体90を電極チューブ91にて支持する本構成においても、吸液体90にて吸収された液体を好適に排出することができる。
【0051】
(3)本実施形態では、電極チューブ91の排出口91aは軸方向の途中に設けられており、電極チューブ91の周方向にその排出口91aに連続して切欠き部91bが形成されている。このため、電極チューブ91の排出口91aよりも先端部側は、その排出口91aに周方向に連続する切欠き部91bにより可撓性が向上するため、その先端部側を捲り上げることで電極チューブ91内への吸液体90の装着が容易となり、装置の組立性の向上に寄与する。
【0052】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、電極チューブ91の先端側から軸方向の途中位置に排出口91aを形成したが、排出口91aを形成する位置を適宜変更してもよく、例えば図13及び図14に示すように電極チューブ91の先端側から下方部分を切り欠いて排出口91aを構成してもよい。因みにこの場合、吸液体90が増厚されている。
【0053】
・上記実施形態では、排出口91aに連続して切欠き部91bを設けたが、排出口91aの形状等によっては省略してもよい。
・上記実施形態では、吸液体90の延出部90bを先細形状としたが、例えば図15及び図16に示すように直方体状にし、先細形状としなくてもよい。またこれ以外の形状を採用してもよい。
【0054】
また、図17に示すように吸液体90の延出部90bを設けない構成としてもよい。この場合、吸液体90にて吸収した液体は電極チューブ91の排出口91aから滴下して排出される。
【0055】
・上記実施形態では、吸液体90を第1電極部80,81に装着したが、図18に示すように第2電極部82側に吸液体90を装着してもよい。この場合、第2電極部82に液体が滞留することを防止して安定して放電を行うことができる。また、第1電極部80,81及び第2電極部82のそれぞれに吸液体90を装着してもよく、両電極部80〜82での液体の滞留が防止される。
【0056】
・上記実施形態では、電極チューブ91をシリコンゴムにて構成したが、これに限らず他の弾性部材でもよい。尚、耐熱性及び絶縁性を有する弾性部材が好ましい。また、吸液体90を電極部80,81やホルダ83に安定して装着できれば、電極チューブ91を省略してもよい。
【0057】
・上記実施形態では、吸液体90をフェルトにて構成したが、液体を吸収する他の材料を用いて構成してもよい。
・上記実施形態では、第1電極部80,81を2つ、つまり一対の電極を設けたが、例えば電極部80,81を1つとしてもよい。また、第2電極部82を省略する構成でもよい。
【0058】
・上記実施形態では、美顔器10にて美容装置を構成したが、美顔器10以外の美容装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…美容装置としての美顔器、31…ミスト発生機構及びミスト発生装置を構成するスチーム生成部、43…放電部としてのスチーム用放電部、80,81…電極部としての第1電極部、82…電極部としての第2電極部、83…電極ホルダ、90…排出手段としての吸液体、90b…延出部、91…筒状部材としての電極チューブ、91a…排出口、91b…切欠き部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体からミストを生成するミスト発生機構と、前記ミスト発生機構にて生成されたミストを放電により微細化するための電極部を有する放電部とを備えたミスト発生装置であって、
前記電極部において、付着する液体を排出するための排出手段が備えられたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスト発生装置において、
前記排出手段は、前記電極部の周囲に設けられてその電極部に付着する液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体の外部への排出を誘発させる延出部を有する吸液体にて構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載のミスト発生装置において、
前記電極部を支持する電極ホルダに前記吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、
前記排出手段は、前記筒状部材に設けた排出口に前記吸液体の延出部を挿入して構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載のミスト発生装置において、
前記吸液体の延出部は、前記筒状部材の排出口から突出させて構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のミスト発生装置において、
前記筒状部材は弾性部材よりなり、前記排出口は前記筒状部材の軸方向の途中に設けられるものであって、前記筒状部材の周方向にその排出口に連続して切欠き部が形成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載のミスト発生装置において、
前記吸液体の延出部は、先細形状をなしていることを特徴とするミスト発生装置。
【請求項7】
請求項2に記載のミスト発生装置において、
前記電極部を支持する電極ホルダに前記吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、
前記排出手段は、前記吸液体が吸収した液体の外部への排出が可能な前記筒状部材に設けた排出口にて構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のミスト発生措置において、
前記放電部は、一対の第1電極部と、前記第1電極部の間に配置される第2電極部とを備え、少なくとも一方の前記電極部に前記排出手段を備えたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えた美容装置。
【請求項1】
液体からミストを生成するミスト発生機構と、前記ミスト発生機構にて生成されたミストを放電により微細化するための電極部を有する放電部とを備えたミスト発生装置であって、
前記電極部において、付着する液体を排出するための排出手段が備えられたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスト発生装置において、
前記排出手段は、前記電極部の周囲に設けられてその電極部に付着する液体を吸収するとともに、自身が吸収した液体の外部への排出を誘発させる延出部を有する吸液体にて構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載のミスト発生装置において、
前記電極部を支持する電極ホルダに前記吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、
前記排出手段は、前記筒状部材に設けた排出口に前記吸液体の延出部を挿入して構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載のミスト発生装置において、
前記吸液体の延出部は、前記筒状部材の排出口から突出させて構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のミスト発生装置において、
前記筒状部材は弾性部材よりなり、前記排出口は前記筒状部材の軸方向の途中に設けられるものであって、前記筒状部材の周方向にその排出口に連続して切欠き部が形成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載のミスト発生装置において、
前記吸液体の延出部は、先細形状をなしていることを特徴とするミスト発生装置。
【請求項7】
請求項2に記載のミスト発生装置において、
前記電極部を支持する電極ホルダに前記吸液体を内包支持する筒状部材が装着されるものであり、
前記排出手段は、前記吸液体が吸収した液体の外部への排出が可能な前記筒状部材に設けた排出口にて構成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のミスト発生措置において、
前記放電部は、一対の第1電極部と、前記第1電極部の間に配置される第2電極部とを備え、少なくとも一方の前記電極部に前記排出手段を備えたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えた美容装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−98166(P2011−98166A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256443(P2009−256443)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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