説明

ミスト発生装置及び美容装置

【課題】回路基板に部品を固定させるために用いられた半田への加熱部による悪影響を低減させることができるミスト発生装置及び美容装置を提供する。
【解決手段】美顔器10は、給水タンクから供給された水を加熱するヒーター21と、ヒーター21を制御する制御装置30とを備え、水を気化させることにより生成されたスチームをハウジング11外に放出させる。制御装置30には、ヒーター21に対向する第1の面32aと、第1の面32aの反対側に位置する第2の面32bとを有する回路基板32が設けられており、回路基板32に実装される複数の部品50のうち最も背の高い部品を、第1の面32a側に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト発生装置及びこれを備える美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水などの液体を気化させた温ミスト(「スチーム」ともいう。)を放出するミスト発生装置として、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。このミスト発生装置には、図7に示すように、液体を貯留する液体貯留部100と、該液体貯留部100から供給された液体を加熱するヒーターなどの加熱部101とが設けられている。また、ミスト装置を構成するハウジング102内には、加熱部101などを制御するための制御装置103が設けられている。
【0003】
この制御装置103は、第1の面104が加熱部101に対向すると共に、第1の面104の反対側に位置する第2の面105がハウジング102の内面に対向するように配置された回路基板106を備えている。そして、回路基板106の第2の面105側には、部品の背の高さに関係なく、コンデンサ、抵抗及びコネクタなどの各種部品110が設けられている。そして、部品110が回路基板106に基板挿入により実装されているため、第1の面104には部品110を回路基板106に固定させるために用いられた半田が設けられている。なお、ここでいう「背の高さ」とは、回路基板の実装面(即ち、第1の面104や第2の面105)に直交する方向における長さのことを示している。また、「基板挿入による実装」とは、回路基板に設けられた貫通孔を挿通した部品の端子を、該部品が設けられる面(例えば、第1の面)の反対側の面(例えば、第2の面)側で半田を用いて固定させる実装方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−187764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、ミスト発生装置を備える美容装置の更なる小型化が望まれている。しかしながら、背の高い部品を第2の面105側に設けた回路基板106を搭載させる場合には、以下に示す問題が発生し得る。すなわち、美容装置の小型化に伴いハウジング102が小型化されるため、回路基板106と加熱部101との距離を短くする必要がある。しかも、回路基板106において加熱部101に対向する第1の面104には、部品110を回路基板106に固定させるための半田が設けられている。そのため、半田は、加熱部101との距離が近くなる分、該加熱部101からの熱の影響を大きく受けることになる。
【0006】
なお、こうした問題は、ヒーターなどの加熱部を備えたミスト発生装置であれば、温ミストではなく冷ミストを発生する装置であっても同様に発生し得る。冷ミストを発生する装置では、液体貯留部から供給された液体が加熱部による加熱によって殺菌され、殺菌後の液体から冷ミストが生成される。こうした液体の殺菌用の加熱部と回路基板との距離が近いと、回路基板に各種部品を固定させるために用いられる半田は、加熱部からの熱による影響を受けやすくなる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路基板に部品を固定させるために用いられた半田への加熱部による悪影響を低減させることができるミスト発生装置及び美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、液体貯留部から供給された液体を加熱する加熱部と、該加熱部を制御する制御装置と、を備え、液体を気化させることにより生成されたミストを、前記加熱部及び前記制御装置が収容されるハウジング外に放出させるミスト発生装置において、前記制御装置には、前記加熱部に対向する第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面とを有する回路基板が設けられており、前記回路基板に実装される複数の部品のうち最も背の高い部品を、前記第1の面側に設けたことを要旨とする。
【0009】
本発明のミスト発生装置において、前記回路基板の前記第1の面側に設けられた部品は、前記回路基板に基板挿入により実装されていることが好ましい。
本発明のミスト発生装置において、前記回路基板の前記第2の面側に設けられた部品は、前記回路基板に面実装されていることが好ましい。
【0010】
本発明のミスト発生装置において、前記回路基板の前記第2の面側には、電力供給によって発熱する電子部品が設けられていることが好ましい。
本発明のミスト発生装置において、前記回路基板の前記第2の面側には、チップ抵抗が設けられていることが好ましい。
【0011】
本発明のミスト発生装置は、前記ハウジング内を前記加熱部が設置される領域と前記回路基板が設置される領域とに区画する区画部をさらに備え、前記回路基板の前記第1の面は、前記区画部から離れていることが好ましい。
【0012】
本発明のミスト発生装置において、前記回路基板の前記第1の面側に設けられた部品の先端と前記区画部との間には、隙間が介在していることが好ましい。
本発明のミスト発生装置において、前記制御装置は、前記回路基板を内部に収容する収容ケースをさらに有し、前記収容ケースにおいて前記回路基板と前記加熱部との間に位置する部分が、前記区画部として機能することが好ましい。
【0013】
本発明のミスト発生装置において、前記収容ケースは、前記回路基板の厚み方向に沿って配置される複数の分割ケース片を含んだ構成となっており、前記回路基板は、前記各分割ケース片のうち最も前記加熱部に近い位置に配置される分割ケース片以外の特定の分割ケース片に支持されていることが好ましい。
【0014】
本発明のミスト発生装置において、前記特定の分割ケース片は、前記各分割ケース片のうち最も前記加熱部から離れた位置に位置する分割ケース片であることが好ましい。
本発明のミスト発生装置において、前記特定の分割ケース片は、前記収容ケースの前記厚み方向における中央よりも、前記加熱部から遠い位置に配置されていることが好ましい。
【0015】
本発明のミスト発生装置において、前記特定の分割ケース片の前記厚み方向における長さは、前記特定の分割ケース片以外の他の分割ケース片の前記厚み方向における長さよりも短いことが好ましい。
【0016】
本発明のミスト発生装置において、前記回路基板の前記第1の面は、前記回路基板の厚み方向において前記収容ケースの中央よりも前記加熱部から遠い位置に位置していることが好ましい。
【0017】
本発明の美容装置は、上記ミスト発生装置を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回路基板に部品を固定させるために用いられた半田への加熱部による悪影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のミスト発生装置を備える美容装置の一実施形態である美顔器を示す斜視図。
【図2】美顔器を示す断面図。
【図3】美顔器を示す断面図。
【図4】美顔器に設けられた回路基板の側面図。
【図5】回路基板の第2の面を示す平面図。
【図6】回路基板の第1の面を示す平面図。
【図7】従来のミスト発生装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を、ミスト発生装置を備える美容装置としての美顔器に具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合には、図中における矢印に示す方向を示すものとする。
【0021】
図1に示すように、美顔器10における略徳利形状のハウジング11の上端には、ハウジング11内外を連通させる開口部12が形成されている。そして、この開口部12からは、ミストの一例であるスチーム(「温ミスト」ともいう。)が放出される。また、ハウジング11の前側には、美顔器10の駆動を開始させたり、駆動を停止させたりする際にユーザーに操作されるスイッチ13が設けられている。
【0022】
また、開口部12よりも後側には、図1及び図2に示すように、液体の一例としての水を貯留する給水タンク(液体貯留部)14が着脱可能に収容されるタンクホルダー15が凹設されている。このタンクホルダー15の下方には、該タンクホルダー15内に収容された給水タンク14から流出した水を一時貯留する一時貯留部16が設けられている。この一時貯留部16の下部からは、該一時貯留部16の前側に配置されるスチーム発生機構17に水を供給するための給水流路18が前方に延設されている。
【0023】
図2及び図3に示すように、スチーム発生機構17には、ボイラーブロック20と、該ボイラーブロック20の左側に配置される加熱部としてのヒーター21とが設けられている。ボイラーブロック20の下部には、給水流路18の下流端18aが接続されると共に、該給水流路18の下流端18aとの連通部位から左方に向けて延びる連通路22が形成されている。そして、給水流路18及び連通路22内を流動した水は、ボイラーブロック20とヒーター21との間に形成されたボイラー室23内に流入する。
【0024】
本実施形態のヒーター21は、駆動電流の供給によって発熱しその発熱の自己制御機能を有するPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーターである。このヒーター21は平板状をなしており、その加熱面21aがボイラー室23を介してボイラーブロック20の対向部20aと対向している。そして、ボイラー室23内に流入した水は、ヒーター21によって加熱される。
【0025】
ボイラー室23の上端部からは、ボイラー室23内で沸騰した水(即ち、スチーム)をボイラー室23外に流出させるためのスチーム流路24が右方に延設されている。このスチーム流路24の下流端(右端)には、該スチーム流路24よりも下方に位置する連通路22と給水流路18との連通部位に連結される還流流路25が接続されている。この還流流路25は上下方向に沿って延設されており、スチーム流路24の下流端に至った時点で液体化した水は、還流流路25を介して連通路22側に戻される。
【0026】
また、スチーム流路24の下流端の上側には、放電によって、スチーム流路24から供給されたスチームを微細化させたり、金属微粒子(例えば白金)を発生させたりするための放電部26が設けられている。この放電部26は、細長円柱状の一対の第1電極部26aを備えている。これら両第1電極部26aは、それらの先端同士が対向するようにそれぞれ配置されている。また、両第1電極部26aの間には、上下方向に沿って配置される細長円柱状の第2電極部26bが設けられている。この第2電極部26bは、白金含有の金属部材にて構成されている。そして、第2電極部26bと第1電極部26aとの間で放電させることにより、放電部26内に供給されたスチームが微細化されると共に、金属微粒子が発生する。その後、放電部26を通過したスチーム(及び金属微粒子)は、放電部26の上方に配置される放出部27及びハウジング11の開口部12を介してハウジング11外に放出される。
【0027】
また、図3に示すように、ハウジング11内の右側には、美顔器10を統括的に制御する制御装置30が設けられている。この制御装置30は、ボイラーブロック20を介してヒーター21の加熱面21aと対向するように配置されている。
【0028】
本実施形態の制御装置30は、複数種類の部品50(50A,50B)が実装される回路基板32と、回路基板32を収容する収容ケース40とを備えている。この収容ケース40内において、回路基板32は、ヒーター21の加熱面21aに対向する第1の面32aと、第1の面32aの反対側に位置する第2の面32bとを有している。つまり、本実施形態では、回路基板32は、その厚み方向が左右方向と一致するように配置されている。
【0029】
収容ケース40は、左右方向に沿って配置される複数(本実施形態では2つ)の分割ケース片41,42を含んだ構成となっている。これら各分割ケース片41,42は、ポリカーボネート(PC)及びABS樹脂などの耐熱性に優れた材料によって構成されている。各分割ケース片41,42のうちヒーター21に近い位置に配置される第1の分割ケース片41は、有底略四角筒状をなしており、第1底壁部41aと、該第1底壁部41aの右側に位置する四角筒状の第1筒状部41bとを有している。この第1筒状部41bの先端41c(即ち、右端)は、収容ケース40の左右方向における中央を示す中央線L1よりも右側(即ち、ヒーター21から離れた側)に位置している。また、第1筒状部41bの外側面において先端41c近傍には、外側に突出する係止用凸部41dが形成されている。
【0030】
また、第1底壁部41aは、ハウジング11内を、ヒーター21が設置される領域と回路基板32が設置される領域とに区画するように位置している。つまり、第1底壁部41aは、ヒーター21と回路基板32との間に位置している。したがって、本実施形態では、第1の分割ケース片41の第1底壁部41aが、区画部として機能する。
【0031】
一方、各分割ケース片41,42のうちヒーター21から最も離れた位置に配置される第2の分割ケース片(特定の分割ケース片)42は、有底略四角筒状をなしている。具体的には、第2の分割ケース片42は、回路基板32の第2の面32bに対向する第2底壁部42aと、該第2底壁部42aの左側に位置する四角筒状の第2筒状部42bとを有している。この第2筒状部42bは、その内側面が第1筒状部41bの外側面と対向するように形成されている。また、第2筒状部42bの内側面には、第1筒状部41bの外側面に形成された係止用凸部41dを係止する係止用爪部42cが形成されている。そして、第1の分割ケース片41の係止用凸部41dに係止用爪部42cが係止されると、各分割ケース片41,42によって回路基板32を収容する空間43が、ほぼ密閉された状態になる。なお、第1の分割ケース片41に組み付けられた第2の分割ケース片42の第2筒状部42bの先端は、中央線L1よりも右側(ヒーター21から遠い位置)に位置している。
【0032】
また、第2の分割ケース片42は、回路基板32を支持している。例えば、回路基板32は、第2の分割ケース片42の第2筒状部42bに嵌入されている。このように第2の分割ケース片42に支持される回路基板32の第1の面32aは、第1の分割ケース片41の第1底壁部41aから離間している。さらに、回路基板32の第1の面32a側に設けられた各部品50A(50)の先端(即ち、左端)と第1底壁部41aとの間には、隙間44が介在している。
【0033】
同様に、回路基板32の第2の面32bは、第2の分割ケース片42の第2底壁部42aから離間している。また、回路基板32の第2の面32b側に設けられた各部品50B(50)の先端(即ち、右端)と第2底壁部42aとの間には、隙間45が介在している。
【0034】
次に、本実施形態の回路基板32について、図4〜図6を参照して説明する。
図4に示すように、回路基板32の各面32a,32bには、部品50A,50B(50)がそれぞれ設けられている。なお、以降の記載において、各種部品50のうち第1の面32a側に設けられる部品のことを「第1の部品50A」といい、第2の面32b側に設けられる部品のことを「第2の部品50B」というものとする。
【0035】
図4及び図5に示すように、第1の面32aには、回路基板32に実装される全ての部品50のうち最も背の高い部品を含んだ複数種類の第1の部品50Aが設けられている。第1の部品50Aとしては、例えば、コンデンサなどの電子部品及びコネクタなどが挙げられる。また、全ての第1の部品50Aは、回路基板32に対して基板挿入により実装されている。そのため、第1の面32aには、第1の部品50Aを回路基板32に固定させるための半田が設けられていない。なお、本実施形態において「背の高さ」とは、回路基板32の実装面(第1の面32a及び第2の面32b)に直交する方向(即ち、左右方向)における部品の長さのことを示している。
【0036】
一方、第2の面32bには、図4及び図6に示すように、回路基板32に実装される全ての部品50のうち第1の部品50Aと比較して背の低い第2の部品50Bが設けられている。第2の部品50Bとしては、例えば、電流が流れることにより自身で発熱する発熱部品である抵抗が挙げられる。また、回路基板32にマイクロコンピューターを実装する場合には、発熱部品となるマイクロコンピューターを第2の部品50Bとして第2の面32b側に設けることが好ましい。こうした全ての第2の部品50Bは、回路基板32に対して面実装(「表面実装」ともいう。)されている。例えば、第2の部品50Bの一例である抵抗は、チップ抵抗である。なお、本実施形態では、回路基板32に実装される全ての抵抗は、ヒーター21に対向することを回避するために、第2の面32b側に設けられている。
【0037】
次に、ヒーター21で発生した熱の回路基板32への影響について説明する。
さて、ヒーター21で発生した熱は、制御装置30との間に介在する空気などを介して収容ケース40に伝達される。この際、収容ケース40においてヒーター21に最も近い第1の分割ケース片41の第1底壁部41aが最も高温となる。そして、第1底壁部41aによって受熱された熱は、第1筒状部41b、第2筒状部42b、第2底壁部42aと徐々に伝わっていく。本実施形態では、収容ケース40内に収容される回路基板32は、第2筒状部42bに支持されている。そのため、回路基板32には、第2筒状部42bによって受熱された熱の一部が伝達される。
【0038】
ここで、回路基板32の支持方法としては、第2筒状部42bではなく第1筒状部41bに支持させる方法が考えられる。この場合、回路基板32は、第1筒状部41bによって受熱された熱の一部が伝達されることになる。第1筒状部41bは、ヒーター21からの熱の伝達経路において第2筒状部42bよりも上流側に位置している。そのため、第1筒状部41bの受熱量は、第2筒状部42bの受熱量よりも多く、結果として、回路基板32が温度上昇しやすい。この点、本実施形態では、回路基板32は、第2筒状部42bに支持されている。そのため、回路基板32を第1筒状部41bに支持させる場合と比較して、回路基板32の受熱量を少なくでき、回路基板32の温度上昇が抑制される。
【0039】
また、本実施形態では、回路基板32に実装される各部品50のうち最も背の高い部品を第1の面32a側に設けている。そのため、全ての部品を第2の面32b側に設ける従来の場合と比較して、ヒーター21と回路基板32との間の距離が長くなり、該回路基板32の温度上昇が抑制される。
【0040】
しかも、回路基板32の第1の面32aは、収容ケース40の左右方向における中央を示す中央線L1よりもヒーター21から遠い位置に位置している。さらに、第1の面32a及び該第1の面32a側に設けられる第1の部品50Aは、収容ケース40のうち最も高温となる第1底壁部41aから離れている。つまり、回路基板32及び第1の部品50Aには、第1底壁部41aとの間に介在する空気を介して熱が伝達されるものの、第1底壁部41aから熱が直接伝達されない。そのため、回路基板32及び第1の部品50Aの温度上昇が抑制される。
【0041】
また、回路基板32に実装される部品50の中には、電力供給によって自身が発熱する発熱部品(例えば、抵抗)が含まれている。本実施形態では、こうした発熱部品は、第2の部品50Bとして第2の面32b側に設けられている。つまり、発熱部品は、ヒーター21に対向していない。そのため、発熱部品が第1の面32a側に設けられる場合と比較して、発熱部品の過度の温度上昇が抑制される。
【0042】
回路基板32において温度上昇及び温度変化に対して最も弱い箇所は、部品50を回路基板32に固定させる際に用いられる半田である。本実施形態では、第1の部品50Aは回路基板32に基板挿入により実装されると共に、第2の部品50Bは回路基板32に面実装されている。つまり、第1の面32aには半田が設けられていない。そのため、半田を第1の面32a側に設ける場合と比較して、半田に加わるストレスが低減される。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)回路基板32に実装される全ての部品50のうち最も背の高い部品が第1の部品50Aとして第1の面32a側に設けられている。そのため、全ての部品が第2の面側に設けられる従来の場合と比較して、回路基板32を、ヒーター21から離れた位置に配置することができる。その結果、ヒーター21からの受熱に基づく回路基板32の温度上昇を抑制できる。したがって、回路基板32に各部品50(50A,50B)を固定させるために用いられた半田を上記従来の場合よりもヒーター21から離して配置できる分、半田へのヒーター21による悪影響を低減させることができる。
【0044】
(2)しかも、第1の面32a側に設けられる各第1の部品50Aは、回路基板32に基板挿入により実装されている。つまり、第1の部品50Aを回路基板32に固定させるための半田は、第2の面32b側に設けられている。そのため、第1の部品50Aが回路基板32に面実装される場合と比較して、第1の部品50Aを回路基板32に固定させるための半田をヒーター21に対向させない分、該半田に加わるストレスを低減させることができる。
【0045】
(3)また、第2の面32b側に設けられる各第2の部品50Bは、回路基板32に面実装されている。そのため、第2の部品50Bが回路基板32に基板挿入により実装される場合と比較して、第2の部品50Bを回路基板32に固定させるための半田をヒーター21に対向させない分、該半田に加わるストレスを低減させることができる。
【0046】
(4)本実施形態では、電力供給によって発熱する抵抗などの発熱部品は、ヒーター21に対向しない第2の面32b側に設けられている。そのため、発熱部品を第1の面32a側に設ける場合と比較して、発熱部品の過度の温度上昇を抑制することができる。
【0047】
(5)ハウジング11内において、ヒーター21が設けられる領域と、回路基板32が設けられる領域との間には、収容ケース40の第1底壁部41aが配置されている。そのため、各領域間に第1底壁部41aを設けない場合と比較して、ヒーター21で発生した熱を、回路基板32に伝わりにくくすることができ、ひいては回路基板32の温度上昇を抑制することができる。
【0048】
(6)また、回路基板32の第1の面32aは、第1底壁部41aから離間している。そのため、第1の面32aが第1底壁部41aに直接接触する場合と比較して、第1底壁部41aによって受熱された熱を、回路基板32に伝わりにくくすることができ、ひいては回路基板32の温度上昇を抑制することができる。
【0049】
(7)さらに、第1の面32a側に設けられる第1の部品50Aの先端は、第1底壁部41aから離間している。そのため、第1の部品50Aの先端が第1底壁部41aと接触する場合と比較して、第1底壁部41aから回路基板32を離して配置することができる。その結果、第1底壁部41aと回路基板32の第1の面32aとの間の空気層を厚くできる分、回路基板32の温度上昇を抑制することができる。
【0050】
(8)本実施形態の回路基板32は、収容ケース40によって略密閉された空間43内に設けられている。そのため、回路基板32の防水性を向上させることができる。
(9)回路基板32は、収容ケース40を構成する各分割ケース片41,42のうち、ヒーター21から最も離れた位置に位置する第2の分割ケース片42に支持されている。そのため、回路基板32を第1の分割ケース片41に支持させる場合と比較して、回路基板32に熱が伝わりにくくなり、該回路基板32の温度上昇を抑制することができる。
【0051】
(10)回路基板32の第1の面32aは、収容ケース40の左右方向における中央よりもヒーター21から離れた位置に位置している。そのため、第1の面32aが収容ケース40の左右方向における中央よりもヒーター21に近い位置に位置する場合と比較して、第1底壁部41aと回路基板32との間の空気層を厚くできる分、回路基板32の温度上昇を抑制することができる。
【0052】
(11)また、各分割ケース片41,42のうち、回路基板32を支持する第2の分割ケース片42よりもヒーター21に近い位置に位置する第1の分割ケース片41の厚みは、第2の分割ケース片42よりも厚い。つまり、第1の分割ケース片41の熱容量は、第2の分割ケース片42の熱容量よりも多い。そのため、第1の分割ケース片41の熱容量が第2の分割ケース片42の熱容量と同等以下である場合と比較して、第2の分割ケース片42には、第1の分割ケース片41側から伝達される熱量が少なくなる。その結果、第2の分割ケース片42によって支持される回路基板32に伝達される熱量が少なくなり、該回路基板32の温度上昇を抑制することができる。
【0053】
(12)また、本実施形態では、第2の面32b側に設けられる第2の部品50Bは、第2底壁部42aに接触していない。そのため、第2の部品50Bが第2底壁部42aと接触する場合と比較して、第2の分割ケース片42から回路基板32に熱が伝わりにくい。その結果、回路基板32の温度上昇を抑制することができる。
【0054】
なお、本実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、第2の分割ケース片42は、各第2の部品50Bのうち少なくとも一つの第2の部品の先端が第2底壁部42aに接触するように回路基板32を支持してもよい。
【0055】
・実施形態において、第2の分割ケース片42は、断熱部材を介して回路基板32を支持してもよい。
・実施形態において、回路基板32を、第2の分割ケース片42に支持されるのであれば、第1の面32aが左右方向において収容ケース40の中央よりもヒーター21に近い位置に位置するように配置してもよい。この場合、第2の分割ケース片42は、支持機構を介して回路基板32を支持してもよい。
【0056】
・実施形態において、第2の分割ケース片42の左右方向における長さ(即ち、厚み)を、第1の分割ケース片41の左右方向における長さ(即ち、厚み)以上としてもよい。
・実施形態において、回路基板32の第1の面32aが中央線L1よりもヒーター21から遠い位置に位置するのであれば、回路基板32を第1の分割ケース片41に支持させてもよい。
【0057】
・実施形態において、各分割ケース片41,42の当接部分の間には、分割ケース片を構成する部材よりも断熱性の高いシール材を介在させてもよい。
・実施形態において、収容ケース40を、左右方向に沿って配置される3つ以上の任意数の分割ケース片で構成してもよい。この場合、各分割ケース片のうち最もヒーター21に近い位置に配置される分割ケース片及び最もヒーター21から離れた位置に配置される分割ケース片以外の分割ケース片を、回路基板32を支持する特定の分割ケース片としてもよい。このように構成しても、回路基板32を、最もヒーター21に近い位置に配置される分割ケース片に支持させる場合と比較して、回路基板32の温度上昇を抑制することができる。
【0058】
・実施形態において、収容ケース40を、電磁シールド性を有する材料(例えば、金属)で被覆してもよい。この場合、収容ケース40内に収容される回路基板32に実装された電子部品から発生する電磁波が収容ケース40外に漏れ出ることを抑制することができる。
【0059】
・実施形態において、各第1の部品50Aのうち少なくとも一つの部品の先端が第1底壁部41aに接触するように、回路基板32を収容ケース40内に配置してもよい。
・実施形態において、第1の面32aが第1底壁部41aに接触するように、回路基板32を収容ケース40内に配置してもよい。この場合、第1底壁部41aには、第1の部品50Aを収容ケース40外に突出させるための貫通孔を設けることが好ましい。
【0060】
・実施形態において、ヒーター21が設けられる領域と、回路基板32が設けられる領域とを区画するための区画部を、収容ケース40とは別途設けてもよい。この場合の区画部は、平板状をなす区画板であってもよい。また、こうした区画板を設けた場合には、回路基板32を収容する収容ケース40を設けなくてもよい。
【0061】
・実施形態において、ヒーター21が設けられる領域と、回路基板32が設けられる領域とを区画するための区画部を設けなくてもよい。
・実施形態において、第2の面32b側に設けられる各第2の部品50Bのうち少なくとも一つを、回路基板32に対して基板挿入により実装する部品としてもよい。例えば、第2の面32b側に第2の部品50Bとして設けられる抵抗を、チップ抵抗としなくてもよい。
【0062】
・実施形態において、回路基板32に実装される各抵抗のうち少なくとも一つを、第1の面32a側に設けてもよい。この場合、第1の面32a側に設けられる抵抗は、回路基板32に基板挿入により実装可能な抵抗であることが好ましい。
【0063】
・実施形態において、回路基板32に実装される全ての部品50を、第1の面32a側に設けてもよい。
・実施形態において、各部品50のうち最も背の高い部品のみを第1の面32a側に設け、それ以外の他の部品を第2の面32b側に設けてもよい。
【0064】
・実施形態において、給水タンク14から供給させる液体を、水以外の任意の液体としてもよい。液体としては、例えば、アルカリイオン水、美容液を含んだ水、電解水、芳香剤を含んだ水などが挙げられる。
【0065】
・本発明のミスト発生装置を、液体を加熱する加熱部を備えた構成であれば、スチームではなく冷ミストを発生可能な装置に具体化してもよい。冷ミストを発生する装置では、液体貯留部から供給された液体が加熱部による加熱によって殺菌され、殺菌後の液体から冷ミストが生成される。また、冷ミストを発生させる方法としては、ベンチュリー効果を利用する方法や超音波を利用する方法などが挙げられる。
【0066】
・また、ミスト発生装置は、スチーム及び冷ミストの両方を発生可能な装置であってもよい。
・本発明のミスト発生装置を、美顔器10以外の他の任意の装置(例えば、ミストドライヤーや加湿器等)に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0067】
10…美容装置としての美顔器(ミスト発生装置)、11…ハウジング、11a…内面、14…液体貯留手段としての給水タンク、21…加熱部としてのヒーター、30…制御装置、32…回路基板、32a…第1の面、32b…第2の面、40…収容ケース、41…第1の分割ケース片、41a…区画部としての第1底壁部、42…特定の分割ケース片としての第2の分割ケース片、44…隙間、50,50A,50B…部品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯留部から供給された液体を加熱する加熱部と、該加熱部を制御する制御装置と、を備え、液体を気化させることにより生成されたミストを、前記加熱部及び前記制御装置が収容されるハウジング外に放出させるミスト発生装置において、
前記制御装置には、前記加熱部に対向する第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面とを有する回路基板が設けられており、
前記回路基板に実装される複数の部品のうち最も背の高い部品を、前記第1の面側に設けたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
前記回路基板の前記第1の面側に設けられた部品は、前記回路基板に基板挿入により実装されていることを特徴とする請求項1に記載のミスト発生装置。
【請求項3】
前記回路基板の前記第2の面側に設けられた部品は、前記回路基板に面実装されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミスト発生装置。
【請求項4】
前記回路基板の前記第2の面側には、電力供給によって発熱する電子部品が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のミスト発生装置。
【請求項5】
前記回路基板の前記第2の面側には、チップ抵抗が設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のミスト発生装置。
【請求項6】
前記ハウジング内を前記加熱部が設置される領域と前記回路基板が設置される領域とに区画する区画部をさらに備え、
前記回路基板の前記第1の面は、前記区画部から離れていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のミスト発生装置。
【請求項7】
前記回路基板の前記第1の面側に設けられた部品の先端と前記区画部との間には、隙間が介在していることを特徴とする請求項6に記載のミスト発生装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記回路基板を内部に収容する収容ケースをさらに有し、
前記収容ケースにおいて前記回路基板と前記加熱部との間に位置する部分が、前記区画部として機能することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のミスト発生装置。
【請求項9】
前記収容ケースは、前記回路基板の厚み方向に沿って配置される複数の分割ケース片を含んだ構成となっており、
前記回路基板は、前記各分割ケース片のうち最も前記加熱部に近い位置に配置される分割ケース片以外の特定の分割ケース片に支持されていることを特徴とする請求項8に記載のミスト発生装置。
【請求項10】
前記特定の分割ケース片は、前記各分割ケース片のうち最も前記加熱部から離れた位置に位置する分割ケース片であることを特徴とする請求項9に記載のミスト発生装置。
【請求項11】
前記特定の分割ケース片は、前記収容ケースの前記厚み方向における中央よりも、前記加熱部から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のミスト発生装置。
【請求項12】
前記特定の分割ケース片の前記厚み方向における長さは、前記特定の分割ケース片以外の他の分割ケース片の前記厚み方向における長さよりも短いことを特徴とする請求項9〜請求項11のうち何れか一項に記載のミスト発生装置。
【請求項13】
前記回路基板の前記第1の面は、前記回路基板の厚み方向において前記収容ケースの中央よりも前記加熱部から遠い位置に位置していることを特徴とする請求項8〜請求項12のうち何れか一項に記載のミスト発生装置。
【請求項14】
請求項1〜請求項13のうち何れか一項に記載のミスト発生装置を備えることを特徴とする美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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