説明

ミスト発生装置

【課題】自動的に所望の濃度の液体を送液してミストを生成することができるミスト発生装置を提供すること。
【解決手段】美顔器1は、液体が通水される液体供給路3と、液体供給路3から分岐され、液体供給路3から液体を吸引するポンプ13を備えた第1分岐路12と、第1分岐路12から分岐され、剤を含む液体を貯留する貯留部15を備えた第2分岐路14とを備えている。液体供給路3、第1分岐路12及び第2分岐路14を通過した液体は、混合部8にて混合され、混合部8の液体はミスト発生部30により噴霧される。制御部11は、濃度センサ10により混合部8に貯留された液体の濃度を検出しながら、ポンプ13を駆動し、混合部8の液体が所定の濃度となればポンプ13を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体からミストを生成して放出するミスト発生装置は、人体に向けて用いられることで、人体を洗浄するための装置や、肌に潤いを与える等の美容効果を目的とした装置として広く用いられている。このようなミスト発生装置において、放出するミストにミネラルを含有させるために、ミストを生成するための液体にミネラルを混入させることが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているように、ミネラルを含む溶液を生成するために、流量を制御可能な汎用の電磁ポンプにより、電解質を貯蔵したタンクに通水させる技術が提案されている。更には、電解質溶液の濃度を制御するために、通水路に複数個の電解質タンクを切り替え可能に設置する技術が提案されている。この構成により、切り替え制御により電解質濃度を所望の濃度とすることが可能となっている。
【特許文献1】特開2006−75723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術であると、1つの電解質タンクに通水される構成であれば、そのタンクに通水される水に対して電解質が溶解してしまい、所望の濃度よりも高い電解質溶液が生成される場合があった。また、所望の濃度の電解質を生成するために、通水路に複数個の電解質タンクを設け、複数個の電解質タンクの間で切り替え制御を行うと、構成が複雑になるとともに、制御が煩雑となってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、自動的に所望の濃度の液体を送液してミストを生成することができるミスト発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、液体が通水される通水路と、前記通水路から分岐され、前記通水路から液体を吸引する液体供給手段を備えた第1分岐路と、前記第1分岐路から分岐され、剤を含む液体を貯留する貯留部を備えた第2分岐路と、前記通水路、前記第1分岐路及び前記第2分岐路を通過した液体を混合する混合部と、前記混合部の液体を噴霧する噴霧手段とを備えた。
【0007】
同構成によれば、通水路に液体を供給すると、液体供給手段により第1分岐路に吸引された液体の一部が第2分岐路に供給され、第2分岐路を通過する液体に剤が混入される。このため、第1分岐路及び第2分岐路の径をそれぞれ設定することで、自動的に所望の濃度の液体を送液してミストを生成することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミスト発生装置において、前記混合部の水質を検知する水質検知部と、前記検知部の検出結果に基づいて、前記液体供給手段を所定時間駆動する制御部とを備えた。同構成によれば、混合部の液体が所望の水質となるまで液体供給手段を駆動することで、自動的に所望の水質の液体を生成することが可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のミスト発生装置において、前記貯留部には、該貯留部の空気を排出する空気排出弁を設けた。同構成によれば、初期通水時に、空気排出弁から貯留部内の余分な空気が排出され、貯留部は水で満たされるため、貯留部内の空気が液体供給手段を動かしたときに生じる圧を吸収することがなく、剤を含む溶液の精度を向上することができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうち何れか1項に記載のミスト発生装置において、前記第2の分岐路に、逆止弁を設けた。同構成によれば、剤が濃度拡散により逆流して第1の分岐路内に混入するのを防止することができ、混合部の剤濃度を一定に保つことが可能となる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のうち何れか1項に記載のミスト発生装置において、前記貯留部には、前記剤を生成するための固形剤が充填されている。同構成によれば、貯留部に通水させることで、剤を含んだ溶液を生成することができる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のミスト発生装置において、前記固形剤は亜鉛塩である。同構成によれば、混合部にて亜鉛イオンを含んだ混合液が生成され、噴霧手段により亜鉛イオンを含んだミストが噴霧される。
【発明の効果】
【0013】
従って、上記記載の発明によれば、自動的に所望の濃度の液体を送液してミストを生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、ミスト発生装置としての美顔器1は冷ミスト発生部2を備えている。冷ミスト発生部2は通水路としての液体供給路3を介してミストを生成するための液体が貯留された液体貯留部4に接続されている。
【0015】
液体貯留部4のタンクホルダ5にはタンク6が装着される。タンク6は、図示しない止水ピンが設けられた蓋部7により開口部が閉止され、その蓋部7が下側となるようにタンクホルダ5に設置されている。タンクホルダ5には、止水ピンに対応する形状の突出ピン(図示略)が設けられている。タンク6は液体が注入された状態でタンクホルダ5に設置されることで、止水ピンが突出ピンにより押し込まれて水密性が解除され液体を流出させるものであり、タンクホルダ5にはタンク6から流出した液体が貯留される。
【0016】
タンクホルダ5は、液体供給路3を介して、冷ミスト発生部2の下部に形成された液体を貯留する混合部8に接続されている。混合部8には、液体供給路3を介してタンクホルダ5の液体が供給され、タンクホルダ5と同じ水位まで貯留されている。また、混合部8には、混合部8に貯留された液体を加熱するヒータ9が設けられている。また、混合部8には、混合部8に貯留された液体の水質を検知する水質検知手段としての濃度センサ10が設けられている。濃度センサ10は混合部8に貯留された液体の濃度を検出し、検出信号を制御部11に出力する。
【0017】
また、液体供給路3には、液体供給路3から分岐された第1分岐路12が接続されている。第1分岐路12の両端部は液体供給路3に接続されている。第1分岐路12には液体供給路3の液体を吸引する液体供給手段としてのポンプ13が設けられており、ポンプ13は制御部11により駆動制御される。
【0018】
また、第1分岐路12のポンプ13よりも下流側には、第1分岐路12から分岐された第2分岐路14が接続されている。第2分岐路14は、一端側が第1分岐路12に接続され、他端側が混合部8に接続されている。本実施形態では、第2分岐路14の断面積は、第1分岐路12の断面積の10分の1とされている。第2分岐路14の途中には、剤を含む液体を貯留する貯留部15が設けられている。第2分岐路14の貯留部15よりも上流側には逆止弁16が設けられている。貯留部15の天井部には空気を排出する空気排出弁17が設けられている。
【0019】
貯留部15には、冷ミストを吹き付ける肌に適した剤として亜鉛イオンを含む液体が貯留されている。勿論、貯留部15に貯留される液体に含まれる剤は亜鉛イオンに限定されず、例えばマグネシウムイオン等の他のミネラルであってもよい。
【0020】
液体供給路3に液体が供給されると、ポンプ13の駆動により、第1分岐路12に液体が吸引され、第1分岐路12に流入した液体は更に第1分岐路12から分岐されて第2分岐路14に流入する。そして、第2分岐路14に流入した液体は貯留部15にて剤(亜鉛イオン)が混入され、混合部8へと流入する。制御部11は、混合部8に貯留された液体の濃度を濃度センサ10により検知しながらポンプ13を駆動し、混合部8に貯留された液体が所望の濃度に達すればポンプ13を停止する。
【0021】
また、冷ミスト発生部2内には、筒状に形成された冷却部21が、冷ミスト発生部2の上下方向に沿って延びるとともに、その下端が混合部8に貯留された液体内となるように固定されている。冷却部21の上端は、縮径されてテーパ状に形成されている。そして、冷却部21は、口述するベンチュリ効果により、混合部8の液体を上端まで上昇させるようになっている。
【0022】
冷却部21の外周には、放射状に複数の放熱フィン22が設けられている。上記冷ミスト発生部2にはファン23及び駆動部24が収容されており、ファン23は駆動部24により駆動されることで冷却部21に向けて空気を送風する。そして、冷ミスト発生部2内部には、ファン23による空気流が冷却部21に向かうように送風供給路2aが形成されている。
【0023】
冷却部21の上部側方には、噴霧手段としてのミスト発生部30が配置されている。ミスト発生部30のエアポンプ31は冷ミスト発生部2の内部に形成された中段2bに設置されており、エアポンプ31からの空気流は、冷ミスト発生部2に形成された送風供給路(図示略)を介して、冷却部21の先端近傍に配置された筒状に形成された送風路32内に導かれる。送風路32の先端には径が漸減する細径部32aが形成されている。その細径部32aの前方(図において左方)には、放出口2cが開口形成されている。その放出口2cの内径は、細径部32aの先端内径よりも大きく設定されている。そして、エアポンプ31から送風路供給路内に導かれ細径部32aから放出された空気は、冷却部21の先端上方を通過し、放出口2cから外部へと放出される。
【0024】
また、美顔器1は、放出口2cから放出されるミストよりも高温のミストを生成して放出する温ミスト発生部40を備えている。温ミスト発生部40は、液体供給路41を介して液体供給路3に接続され、タンクホルダ5に接続されている。温ミスト発生部40は、上下方向に延びる略筒状に形成されており、下端が液体供給路41に接続され、上端部は直角方向に屈曲されて放出口43が形成されている。温ミスト発生部40の下端は液体供給路41が接続され、温ミスト発生部40内にタンクホルダ5と同じ水位で液体が貯留されている。
【0025】
温ミスト発生部40の内部において放出口32付近に隔壁44が設けられることで、温ミスト発生部40の下側には温ミスト発生室45が形成されている。なお、隔壁44には、開口44aが形成されている。そして、温ミスト発生室45には、貯留された液体に接触する位置にヒータ46が設置されている。
【0026】
次に、上述した美顔器1の動作について説明する。
まず、タンク6内に所定量の精製水を注入してタンクホルダ5に設置すると、タンクホルダ5に設けられた突出ピンによってタンク6の蓋部7の止水ピンがタンク6の内側に押し込まれ、蓋部7の水密性が解除され、タンク6内の水はタンクホルダ5に貯留され、液体供給路3に通水され混合部8に水が貯留される。
【0027】
この美顔器1の使用を開始するとき、第1分岐路12のポンプ13より下流側、第2分岐路14内には水が満たされていないため、分岐路12,14内等に水を供給する初期通水が必要となる。この初期通水時において、ポンプ13が駆動されると、液体供給路3を通過する水の一部が第1分岐路12に吸い込まれ、更に、第1分岐路12を流れる水の一部が第2分岐路14に流入する。なお、第1分岐路12を通過した水は、再び液体供給路3に戻される。第2分岐路14に流入した水は、貯留部15を通過することで剤(亜鉛イオン)が混入され、混合部8に送り込まれる。なお、このとき、貯留部15の天井部には空気排出弁17が設けられているため、貯留部15内の空気は排出され、貯留部15は液体で満たされる。また、第2分岐路14には逆止弁16が設けられているため、第2分岐路14から第1分岐路12に液体が逆流することは防止される。
【0028】
つまり、分岐路12,14及び貯留部15が水で満たされた後は、空気排出弁17を開閉する必要はない。換言すると、空気排出弁17は、初期通水時のみ開閉制御される。初期通水後、即ち貯留部15内が液体(貯留部15に貯留された剤を含む液体、及び第2分岐路14を介して供給される水)で満たされた後は、貯留部15内に空気が含まれないので、貯留部15内の空気が液体ポンプ13を駆動したときに生じる圧を吸収することはなく、剤を含む液体が貯留部15から滞りなく流出され、混合部8へ供給される。
【0029】
そして、液体供給路3(第1分岐路12)及び第2分岐路14を通過した水は、混合部8にて混合され、混合部8にて剤を含む溶液が生成される。制御部11は、混合部8に貯留された液体の濃度を濃度センサ10により検知しながらポンプ13を所定時間だけ駆動するものであり、混合部8に貯留された液体が所定の濃度となればポンプ13を停止する。混合部8に貯留された液体が所定の濃度となることは、分岐路12,14内が液体で満たされたこととなる。つまり、濃度センサ10により、貯留部15から剤を含む液体が混合部8に確実に供給されることを確認する。
【0030】
第2分岐路14の断面積は第1分岐路12の断面積の10分の1であるため、第2分岐路14には第1分岐路12の10分の1の水が流入する。例えば、ポンプ13が第1分岐路12に50(μL)の水を吸引した場合、第2分岐路14には5(μL)の水が流入する。従って、液体ポンプ13を所定時間駆動することで、貯留部15から剤を含む所定量の液体を混合部8に供給することができる。そして、混合部8に貯留可能な液体の量は、混合部8の容積とタンクホルダ5に貯留される水の液面の高さにより決定される。このように、第1分岐路12と第2分岐路14の断面積(内径)を設定するともに、液体ポンプ13の駆動時間を設定することで、所望の流量の水を第2分岐路14、即ち貯留部15に流入させ、混合部8にて所望の濃度の剤の水溶液を生成することが可能である。このため、混合部8の貯留される液体に含まれる剤の濃度を調整するためには上記濃度センサ10の検知結果に基づく液体ポンプ13の駆動は必要がない。つまり、濃度センサ10検知結果に基づく液体ポンプ13の制御は、初期通水時のみ必要となり、通常使用時では液体ポンプ13を一定時間駆動するのみとなる。
【0031】
通常使用時において、ヒータ9、エアポンプ31及び駆動部24が駆動される。エアポンプ31が駆動されると、エアポンプ31からの空気流は送風路32を通って放出口2cに向かう。このとき、送風路32において細径部32a側の開口は送風路32よりも充分小さい径とされるとともに放出口2cよりも充分小さい径とされているため、細径部32aは気体流路中の絞り部となりこの部分に負圧が発生する。このため、混合部8に貯留された液体が冷却部21を通って吸い上げられる。すると、エアポンプ31から送られてくる空気流と冷却部21の上端開口から吸引された液体とが混合され、ミストとなって放出口2cから放出される。このように、本実施形態のミスト発生部30は、ベンチュリ方式とされている。
【0032】
また、ヒータ9は、混合部8に貯留された液体を殺菌する程度の温度まで上昇させるように駆動される。また、駆動部24が駆動されることで、ファン23が回転し、冷ミスト発生部2の内部において送風供給路2aを介して冷却部21に向けて空気が送風される。このため、混合部8にて加熱された液体は、冷却部21を通過することで冷却されるとともに、ファン23からの風により放熱フィン22の熱が効率よく放熱され、ほぼ常温まで温度低下することとなる。
【0033】
一方、タンクホルダ5に貯留された水が液体供給路3を介して液体供給路41に供給され、温ミスト発生室45に水が貯留されると、ヒータ46が駆動される。すると、温ミスト発生室45に貯留された水が加熱沸騰されミストが発生し、放出口43を介して外部へと放出される。
【0034】
美顔器1は、ミスト発生部30にて生成された常温に近い温度の冷ミストの放出と、温ミスト発生部40にて生成された高温の温ミストの放出とを交互に行う。また、美顔器1は、放出口2cからの冷ミストの放出と放出口43からの温ミストの放出を複数回交互に行い、放出口43からの冷ミストの放出を行った後にミストの放出を終了する。
【0035】
制御装置は、この放出口43からの最後の冷ミストを放出するに先立って、液体ポンプ13を所定時間駆動する。この液体ポンプ13の駆動により、貯留部15から亜鉛イオンを含む所定量の液体が混合部8に供給され、この混合部8内にて亜鉛イオンを所定濃度含む液体が生成される。従って、放出口43から最後に放出される冷ミストに亜鉛イオンが含まれる。
【0036】
冷ミストに含まれた亜鉛イオンが肌に付着し、さらに肌内部に浸透することで、内因性タンパク質であるメタロチオネインが誘導生成される。メタロチオネインはチロシナーゼ活性を阻害し、活性酸素を消去する作用をもつ。チロシナーゼとはチロシンからメラニンを生成する過程にて作用する酵素であり、この酵素活性を阻害して活性酸素を消去することにより、メラニン生成を抑制することができる。
【0037】
最後の冷ミストに亜鉛イオンを含めることで、剤を有効に活用することが可能となる。即ち、顔面に亜鉛イオンを含む冷ミストを浴びせた後、更に温ミストを浴びせると、剤が肌に付着した状態で温ミストを浴びることになり、温ミストの水分とともに剤が肌表面から滴り落ち、肌内部に浸透する亜鉛イオンの量が少なくなる。つまり、同程度の効果を得るためには、より多くの亜鉛イオンを含む冷ミストを肌に浴びせる必要があり、剤の消費量が多くなる。これを防止するため、肌に対して温ミストと冷ミストを交互に浴びせて刺激した後、最後の冷ミストに剤を含めることで、剤の使用量を最小限に抑えることが可能となり、貯留部15の容量も小さくすることができ、美顔器1全体をコンパクトにすることができる。
【0038】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)美顔器1では、液体供給路3に液体を供給すると、ポンプ13により第1分岐路12に吸引された液体の一部が第2分岐路14に供給され、第2分岐路14を通過する液体に剤が混入される。このため、第1分岐路12及び第2分岐路14の径をそれぞれ設定することで、自動的に所望の濃度の液体を送液したミストを生成することができる。
【0039】
(2)制御部11は混合部8に貯留された液体の濃度が所定の濃度となるまでポンプ13を駆動するため、混合部8にて自動的に所望の濃度の液体を生成することができる。
(3)初期通水時に貯留部15に水が流入するとき、空気排出弁17から貯留部15内の余分な空気が排出され、貯留部15は水で満たされるため、貯留部15内の空気がポンプ13を動かしたときに生じる圧を吸収することがなく、剤を含む溶液の精度を向上することができる。
【0040】
(4)第2分岐路14の貯留部15よりも上流側に逆止弁16が設けられているため、剤が濃度拡散により逆流して第1分岐路12内に混入するのを防止することができ、混合部8の濃度を一定に保つことが可能となる。
【0041】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、貯留部15に剤(亜鉛イオン)を含む液体を貯留させるものとしたが、図2に示すように、初期通水前の貯留部51に剤を生成するための固形剤52を充填してもよい。この場合、貯留部51に、側面の上方から液体が流入し、側面の下方から流出するように、第2分岐路14を貯留部51に対して接続すればよい。亜鉛イオンを生成するための固形剤52は亜鉛塩であり、この亜鉛塩には、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛および酢酸亜鉛よりなる群から選択される少なくとも1種である。硫酸亜鉛は水に溶解し易い性質を持つため、初期通水前の貯留部51に充填する固形剤52には最適である。このように構成すると、貯留部51に通水するだけで、その都度、剤を含んだ飽和溶液を生成することができるため、貯留部51の容積を最小限に抑えることができる。例えば、貯留部15,51で剤を含む同量の冷ミストを生成する場合、剤を含む液体を充填した貯留部15の容積は約20(cm)となり、固形剤52を充填した貯留部51の容積は約5(cm)となる。
【0042】
・上記実施形態では、ミスト発生部30によりミストを発生させる方法としてベンチュリ方式を採用しているが、ミストを発生させる方法は、例えば超音波方式や放電方式等他の方法としてもよい。超音波方式や放電方式でミストを生成すると、ミストの粒径を小さくすることができ、ミストを顔全体にムラなくいきわたらせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一実施形態の美顔器の概略構成図である。
【図2】別例の美顔器の概略構成図である。
【符号の説明】
【0044】
1…ミスト発生装置としての美顔器、3…通水路としての液体供給路、8…混合部、10…水質検知部としての濃度センサ、11…制御部、12…第1分岐路、13…液体供給手段としてのポンプ、14…第2分岐路、15,51…貯留部、16…逆止弁、17…空気排出弁、30…噴霧手段としてのミスト発生部、52…固形剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が通水される通水路と、前記通水路から分岐され、前記通水路から液体を吸引する液体供給手段を備えた第1分岐路と、前記第1分岐路から分岐され、剤を含む液体を貯留する貯留部を備えた第2分岐路と、前記通水路、前記第1分岐路及び前記第2分岐路を通過した液体を混合する混合部と、前記混合部の液体を噴霧する噴霧手段とを備えたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスト発生装置において、
前記混合部の水質を検知する水質検知部と、前記検知部の検出結果に基づいて、前記液体供給手段を所定時間駆動する制御部とを備えたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のミスト発生装置において、
前記貯留部には、該貯留部の空気を排出する空気排出弁を設けたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうち何れか1項に記載のミスト発生装置において、
前記第2の分岐路に、逆止弁を設けたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか1項に記載のミスト発生装置において、
前記貯留部には、前記剤を生成するための固形剤が充填されていることを特徴とするミスト発生装置。
【請求項6】
請求項5に記載のミスト発生装置において、
前記固形剤は亜鉛塩であることを特徴とするミスト発生装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−125293(P2009−125293A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303193(P2007−303193)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】