説明

ミスト発生装置

【課題】使用者の意図に反して大径ミストが放出されることを防止できるミスト発生装置を提供する。
【解決手段】制御基板は、電源が投入されてから最初の運転が開始される迄の間、及び非運転時には、帯電微粒子ミスト(小径ミスト)を生成するための準備期間となる帯電微粒子ミストモードを必ず設定する。これにより、使用者が意図的に温ミスト(大径ミスト)を放出させるための操作を行わなければ、次回放出されるミストは、帯電微粒子ミストモードが設定されることに従って帯電微粒子ミストとなる。したがって、使用者の意図に反して温ミストが放出されることがなくなり、べとつき等の不快感を与えることがない。つまり、使用者の意図に反して温ミストが放出されることを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミストを放出可能なミスト発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、供給される液体からマイクロサイズの大径ミストを生成するとともに、静電霧化機構を用いてナノサイズの小径ミストを生成するミスト発生装置が提案されている(例えば、特許文献1)。小径ミストは、その粒径が1〜数十nm程度となっているため、角質層や毛髪への浸透効果が高くなっている。その一方、大径ミストは、その粒径が1〜数十μm程度となっており、小径ミストほど浸透効果は期待できないが、適温の大径ミストであれば、肌や毛髪に潤いを与えたり、新陳代謝を向上させたりすることに期待できる。そして、このようなミスト発生装置では、大径ミスト及び小径ミストが同時に放出される場合と、どちらか一方のミストが放出される場合とがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−17293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述したように、大径ミストの粒径は、小径ミストの粒径よりも大きいため、その大部分が肌表面や毛髪表面に付着しやすい。したがって、使用者が意図して大径ミスト放出モードを選択し、それに伴って大径ミストが放出されるのであれば、使用者の意思によって大径ミストの被浴量を調節することができる。すなわち、使用者が肌表面に過剰に大径ミストが付着したことによって液垂れを感じたのであれば、使用を中止する等して適切な対応を行うことができる。一方、使用者の意図に反して大径ミスト放出モードが選択され、それに伴って大径ミストが放出される場合、使用者の意思によって大径ミストの被浴量を調節することができない。例えば、使用者が意図せずモードを切り替えるための切替操作部を操作してしまった場合や、所定時間(例えば1時間)小径ミストが放出された後に自動的にモードが大径ミストを放出させるモードに切り替わった場合、使用者の意思によって大径ミストの被浴量を調節することができない。これにより、就寝時などに大径ミストが放出された場合、使用者が気付かない間に肌表面に過剰に大径ミストが付着して液垂れを起こしてしまい、べとつき等の不快感を与える虞があった。また、ミスト発生装置の周辺にも大径ミストが付着して液垂れを起こしてしまう虞もあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、使用者の意図に反して大径ミストが放出されることを防止できるミスト発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、供給される液体から大径ミストを発生させる大径ミスト発生部と、静電霧化により前記大径ミストよりも小さい小径ミストを発生させる小径ミスト発生部と、各ミスト発生部を制御する制御部と、各ミスト発生部での運転開始を指示する指示手段と、を備え、前記制御部は、運転モードとして小径ミスト発生モードが設定されている場合に前記指示手段が操作されたときには前記小径ミスト発生部を制御して前記小径ミストを発生させる一方で、前記運転モードとして大径ミスト発生モードが設定されている場合に前記指示手段が操作されたときには前記大径ミスト発生部を制御して前記大径ミストを発生させ、電源が投入されてから最初の運転が開始される迄の間、及び非運転時には、前記小径ミスト発生モードで待機することをその要旨とする。
【0007】
この発明では、電源が投入されてから最初の運転が開始される迄の間、及び非運転時には、制御部は、小径ミスト発生モードで待機することになる。これにより、待機中に指示手段によって運転開始が指示された場合、次回放出されるミストは、小径ミスト発生モードが設定されていることに従って小径ミストとなる。したがって、使用者の意図に反して大径ミストが放出されることがなくなり、べとつき等の不快感を与えることがない。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミスト発生装置において、前記制御部は、前記待機中に、予め定めた複数の操作部が使用者によって操作されることを条件として運転モードを前記小径ミスト発生モードから前記大径ミスト発生モードへモード切り替えを行うことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、制御部は、予め定めた複数の操作部が使用者によって操作された場合に、小径ミスト発生モードから大径ミスト発生モードへ切り替えることになる。つまり、小径ミスト発生モードから大径ミスト発生モードへ切り替えるには、複数の操作が必要とされる。これにより、大径ミスト発生モードに切り替えるには、複数の操作を実行しなければならなくなり、この操作を実行するということは、使用者に大径ミストを使用する意思があることになる。したがって、例えば、誤って予め定めた複数の操作部のうち何れか1つの操作部を操作してしまったとしても、その操作のみに基づいて大径ミストが放出されることがないので、より安全にミスト発生装置を使用することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のミスト発生装置において、前記複数の操作部には、前記大径ミストの放出口を開閉する開閉手段を含み、前記モード切り替えの条件には、前記開閉手段が開操作されることを含むことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、開閉手段を開状態とすることが複数の操作に含まれるので、使用者は、大径ミストの放出を意識して開閉手段を開放することになる。これにより、開閉手段を開動作しなければ大径ミストが放出されないので、誤って大径ミストが放出されることを防止できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載のミスト発生装置において、前記制御部は、前記モード切り替え後、所定時間の経過時までに、少なくとも前記指示手段が操作されること含む1以上の操作が行われることを条件として前記大径ミスト発生モードによる運転を開始させることをその要旨とする。
【0013】
この発明では、制御部は、モード切り替え後、所定時間の経過時までに少なくとも指示手段が操作されることを含む1以上の操作が行われた場合に大径ミスト発生モードによる運転を開始させることになる。例えば、1つの操作を行った後、何も操作せずに放置し、次の操作が実行されることなく所定期間が経過したということは、非運転状態となるので、小径ミスト発生モードが設定されることになる。これにより、大径ミストを放出させるための1つ目の操作が行われたとしても、所定時間内に次の操作が行われない限り、大径ミストが放出されることがない。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のミスト発生装置において、各ミスト発生部での運転開始を指示する指示手段と、前記小径ミスト発生モードから前記大径ミスト発生モードへ切り替えるために操作する切替操作部と、を備え、前記モード切り替えの条件には、前記切替操作部が操作されることを含み、前記切替操作部の操作を有効とするための操作有効時間は、前記指示手段の操作を有効とするための操作有効時間よりも長い時間に設定されていることをその要旨とする。
【0015】
この発明では、切替操作部の操作を有効とするための操作有効時間を、指示手段の操作を有効とするための操作有効時間よりも長い時間とした。これにより、例えば、誤って切替操作部を操作したとしても、その操作時間が規定時間に到達しなければ大径ミスト発生モード制御に切り替わらないので、誤って大径ミストが放出されることを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用者の意図に反して大径ミストが放出されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a),(b)は、第1の実施形態における美容器を示す斜視図である。
【図2】図1(b)に示すA−A線部分断面図である。
【図3】第1の実施形態における美容器の制御構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態における制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】第3の実施形態における制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明を美容器に具体化した実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、以下の説明において、「前(手前)」「後」「上」「下」「左」「右」は、美容器の使用者が、美容器を使用する際に美容器に向いた状態を基準とした場合の「前(手前)」「後」「上」「下」「左」「右」を示すものとする。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の美容器10(ミスト発生装置)を構成する有底略円筒状の本体ケース11には美容器本体12が収容されて固定されている。美容器本体12において、上ハウジング13の上面13aの前側中央部には、上方に開口する開口部13bが形成されている。上ハウジング13には、この開口部13bと整合させて凹部14を形成するベース部材15が組み付けられている。
【0020】
ベース部材15には、美容器本体12に対し所定角度(例えば、25〜55°)で矢印Ya方向(上下方向)に回動可能となるように図示しない支持軸を介して、温ミスト(大径ミスト)を放出(噴射)するミストノズル20が取着されている。ミストノズル20は、温ミストを放出するミスト放出口21(大径ミスト放出口)の周りを覆うように形成されたノズルカバー22が一体形成されて構成されている。本実施形態では、ミストノズル20を上下方向に回動させることで、ミスト放出口21から放出される温ミストの放出方向を上下方向に調整可能となっている。
【0021】
ノズルカバー22においてミスト放出口21の下方には、ノズルカバー22の外面の法線方向に延びるように、端面視略U字状のミストガイド23が立設されている。ミストガイド23は、ミスト放出口21の下方及び左右側方を囲うように形成されており、左右方向及び下方向から使用者の手指がミストノズル20に接近することを防止するようになっている。ミストガイド23の基端部であってミスト放出口21の下方に対応する位置には、ミストガイド23を上下方向に貫通する逃がし孔23aが設けられており、ミストガイド23の上部で結露した液体(水など)が滞留しないようになっている。なお、図2に示すように、ミストノズル20は、ミストノズル20(ミストガイド23の下面)が、ベース部材15に形成された規制部25に当接することにより下方への回動が規制されている。
【0022】
また、図1に示すように、ベース部材15においてミストノズル20の後方には、ミストノズル20を保護するためのノズルガード(開閉手段)24が上下方向(矢印Ybに示す)に回動可能に取着されている。ノズルガード24は、ミストノズル20を覆う閉位置(図1(a)に示す)と、ノズルガード24の開位置(図1(b)に示す)との間で上下方向に回動可能に構成されている。つまり、ノズルガード24が開状態となっているときには、ミスト放出口21が開放される一方で、ノズルガード24が閉状態となっているときには、ミスト放出口21が閉塞されることになる。
【0023】
図1及び図2に示すように、ノズルガード24は、略半円形の平板状に形成されているとともに、左右の両基端部24aが、ベース部材15に対して回転可能に支持された回転軸Z(図2に示す)に固定されている。
【0024】
図2に示すように、ノズルガード24は、屈曲形成された平板状のリンク部材30によってミストノズル20と連結されている。リンク部材の屈曲角度Dは鈍角(本実施形態では132°)に設定されている。リンク部材30は、回転軸Zに固定されてノズルガード24と一体に回動する第1リンク基台31、及びミストノズル20に形成された第2リンク基台32に対してそれぞれ回動可能に組み付けられている。
【0025】
このような構成により、図2に示す第2の可動範囲H2において、ミストノズル20は、ノズルガード24が回動操作された場合であっても、ミストノズル20(ミストガイド23の下面)が規制部25に接触した状態を維持するようになっている。すなわち、ノズルガード24は、第2の可動範囲H2において、ミストノズル20から独立して動作可能に構成されている。一方、図2に示す第1の可動範囲H1において、ミストノズル20(ノズルカバ−22)は、ノズルガード24の回動操作に連動して中心軸線Xを回動中心として上下方向に回動する。このため、第1の可動範囲H1では、ノズルガード24を回動操作することで、ミストノズル20(ミスト放出口21)からの温ミストの放出方向を調整することができるようになっている。なお、第1の可動範囲H1において、ノズルガード24は、図示しない付勢手段によって外力を付与しなくても回動位置を維持(保持)できるように構成されており、調整したミストノズル20の回動位置(温ミストの放出方向)を維持(保持)可能となっている。また、第1の可動範囲H1において、ノズルガード24は、このノズルガード24がミストノズル20の上方に配置され、且つこのノズルガード24によって温ミストの放出が遮られない位置を維持するようになっている。
【0026】
また、図1に示すように、ノズルガード24の後側には、ミストノズル20から放出する温ミストを発生するのに使用される液体(水)を、所定量(約100ml)貯蔵する給水タンク33が、美容器本体12に収容された状態で設置されている。給水タンク33は、美容器本体12に対し上下(垂直)方向に挿入及び取り出し可能に収納されている。
【0027】
上ハウジング13の上面13aにおいて、ミストノズル20(ノズルガード24)の左前方には、美容器10の電源をオン及びオフする際に操作される電源ボタン34が設けられている。また、上ハウジング13の上面13aにおいて、ミストノズル20の右前方には、複数種類用意された美容器10の運転モードのうちから1つの運転モードを選択する際に操作されるモード切替ボタン35(切替操作部)が設けられている。モード切替ボタン35が操作されると、ボタン操作される度に「帯電微粒子ミストモード(小径ミスト発生モード)」と「温ミストモード(大径ミスト発生モード)」とが切り替えて設定されるようになっている。なお、帯電微粒子ミストモードとは、帯電微粒子ミスト放出口37から帯電微粒子ミストを放出させるための準備期間(前段階)となる運転モードである。一方、温ミストモードとは、温ミストをミストノズル20(ミスト放出口21)から放出させるための準備期間(前段階)となる運転モードである。
【0028】
また、上ハウジング13の上面13aには、モード切替ボタン35と前後方向に並ぶように、モード切替ボタン35の操作によって選択された運転モードで美容器10の運転開始させる際、及び運転停止をする際に操作される運転制御ボタン36(指示手段)が設けられている。ちなみに、選択された運転モードで美容器10の運転が開始されている場合に運転制御ボタン36が操作されたとき、美容器10の運転が停止される。一方、美容器10の運転停止中に運転制御ボタン36が操作された場合、美容器10の運転が開始される。
【0029】
また、美容器10(本体ケース11)の前面側において、上下方向の略中央には、静電霧化装置37a(点線で示す)により液体(本実施形態では、水)を霧化させて発生させた帯電微粒子ミスト(小径ミスト)を放出するための帯電微粒子ミスト放出口37が設けられている。
【0030】
次に、本体ケース11の内部構造について図3に従って説明する。
本体ケース11内部には、温ミストを発生させる温ミスト発生装置41(大径ミスト発生部)を構成するヒータ42が備え付けられたボイラ室43と、が収容されている。
【0031】
この温ミスト発生装置41では、給水タンク33に貯水された水を、図示しない水供給路を介してボイラ室43に供給するとともに、ボイラ室43においてヒータ42で加熱することにより、温ミストが生成される。そして、生成されたされた温ミストは、図示しない分岐誘導路を介して、ミスト放出口21側に送出される。
【0032】
また、本体ケース11内部には、静電霧化装置37a(小径ミスト発生部)を構成するファンモータMと、帯電微粒子ミストを生成するための機構となる静電霧化機構Kと、が収容されている。そして、静電霧化機構Kは、放電を生じさせる放電電極44と、放電電極44との間に放電を生じさせる対向電極45と、放電電極44に水を供給するためのペルチェユニット46と、で構成されている。
【0033】
この静電霧化装置37aでは、ペルチェユニット46によって放電電極44を冷却させることで、放電電極44の表面に結露水を生じさせる。そして、放電電極44と対向電極45との間に高電圧を印加することで、放電電極44の周りに放電を生じさせる。これにより、放電電極44に供給された水がレイリー効果によって静電霧化されて帯電微粒子ミストが生成される。そして、ファンモータMの回転によって生じた空気流により、図示しない分岐誘導路を介して、生成された帯電微粒子ミストを帯電微粒子ミスト放出口37側に送出させる。ちなみに、帯電微粒子ミストは、温ミストよりもその粒径が小さくなっているとともに、温ミストよりもその温度が低い冷ミストとなっている。
【0034】
また、本体ケース11内部には、美容器10全体を制御する制御基板50(制御部)が収容されている。制御基板50には、電源ボタン34、モード切替ボタン35、及び運転制御ボタン36が電気的に接続されている。そして、制御基板50は、温ミスト発生装置41及び静電霧化装置37aによる各ミストの放出タイミングや放出期間などを制御する。
【0035】
以下、制御基板50が実行する制御内容について図4に従って説明する。
なお、この例では、水が貯蔵された給水タンク33が既に美容器10にセットされているものとする。また、この例では、ノズルガード24がどのタイミングで開放されたとしても、温ミストの放出を決定している場合には、温ミストが放出されるものとする。
【0036】
制御基板50は、図示しない電源コードを介して外部から電源供給を受けるとともに、電源ボタン34のオン操作によって電源が投入されると、回路に通電する。その後、制御基板50は、電源ボタン34がオフ操作されたか否か、すなわち、オフ操作に従って出力される操作信号を入力したか否かを判定する(ステップS0)。ステップS0の判定結果が肯定(オフ操作された)の場合、制御基板50は、図4に示す処理を終了するとともに、回路への通電を停止する。一方、ステップS0の判定結果が否定(オフ操作されていない)の場合、制御基板50は、ステップS1の処理に移行する。
【0037】
ステップS1の処理において制御基板50は、初期運転モードとして帯電微粒子ミストモードを初期設定する。
その後、制御基板50は、モード切替ボタン35が操作されたか否か、すなわち、モード切替ボタン35が押下操作された際に出力される切替操作信号を入力したか否かを判定する(ステップS2)。この判定結果が否定(モード切替ボタンが操作されていない)の場合、制御基板50は、ステップS3の処理に移行する。なお、ステップS2では、モード切替ボタン35の操作を有効とみなす操作有効時間が規定時間(本実施形態では2秒)以上押下操作された場合に、切替操作信号が制御基板50に出力されるようになっている。したがって、モード切替ボタン35が全く操作されなかった場合や、モード切替ボタン35の押下操作時間が規定時間未満(例えば、1秒)の場合、ステップS2の判定は否定判定されることになる。ちなみに、電源ボタン34や運転制御ボタン36の操作時間は、モード切替ボタン35の操作を有効とみなす操作有効時間よりも短い時間(0.5秒)に設定されている。
【0038】
ステップS3において制御基板50は、運転制御ボタン36が操作されたか否か、すなわち、運転制御ボタン36が操作されたことに従って出力される開始信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定(運転制御ボタンが操作された)の場合、制御基板50は、帯電微粒子ミストの生成及び放出を決定する。そして、制御基板50は、静電霧化装置37aに電源を供給し、静電霧化装置37aを制御する(ステップS4)。これにより、帯電微粒子ミストが生成され、ミスト放出口21から放出される(ステップS5)。なお、制御基板50は、ステップS4において、静電霧化装置37aの制御開始に伴って、タイマの計測を開始する。
【0039】
その後、制御基板50は、運転制御ボタン36が操作されたか否か、すなわち、運転制御ボタン36が操作されたことに従って出力される停止信号を入力したか否かを判定する(ステップS6)。この判定結果が否定(運転制御ボタン36が操作されていない)の場合、制御基板50は、タイマの値を参照し、帯電微粒子ミストの最大放出時間として定められた規定時間(本実施形態では「8時間」)が経過したか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定結果が否定(規定時間が経過していない)の場合、制御基板50は、ステップS4の処理に戻る。その一方、ステップS7の判定結果が肯定(規定時間が経過した)の場合、制御基板50は、帯電微粒子ミストの生成及び放出の停止を決定する(ステップS8)。これに伴い制御基板50は、静電霧化装置37aの制御を終了するとともに、静電霧化装置37aへの電源供給を停止することになる。ちなみに、ステップS8では、静電霧化装置37aへの電源供給が停止されるだけであって、回路全体への通電が停止されるわけではない。本実施形態では、ステップS4〜ステップS8に示す処理内容が、静電霧化装置37aにおいて帯電微粒子ミストを生成及び放出するための運転の開始を意味している。
【0040】
その後、制御基板50は、ステップS0の処理に戻る。これにより、規定時間の経過に伴って帯電微粒子ミストの放出が終了した場合、電源ボタン34がオフ操作されていないのであれば、その後、帯電微粒子ミストモードが必ず設定されることになる。したがって、帯電微粒子ミストモード設定中に運転制御ボタン36が操作された場合には、再度、帯電微粒子ミストが生成及び放出されることになる。
【0041】
また、ステップS3の判定結果が否定運転制御ボタン36が操作されていないの場合、制御基板50は、ステップS2の処理に戻る。これにより、帯電微粒子ミストモード中に運転制御ボタン36が操作されるまで、帯電微粒子ミストモードが継続して設定されることになる。また、ステップS6の判定結果が肯定(停止操作された)の場合、制御基板50は、規定時間が経過するよりも前に帯電微粒子ミストの生成及び放出を停止させることになる。この場合、制御基板50は、ステップS8の処理に移行する。これにより、規定時間が経過する前に停止操作されたことに伴って帯電微粒子ミストの放出が終了した場合、電源ボタン34がオフ操作されていないのであれば、その後、帯電微粒子ミストモードが必ず設定されることになる。
【0042】
また、ステップS2の判定結果が肯定(モード切替ボタンが操作された)の場合、制御基板50は、温ミストモードを設定する(ステップS9)。つまり、帯電微粒子ミストモード中にモード切替ボタン35が操作された場合、帯電微粒子ミストモードから温ミストモードに切り替えられることになる。また、制御基板50は、帯電微粒子ミストモードが設定されていない場面でモード切替ボタン35が規定時間以上操作されたことに基づいて切替操作信号を入力したとしても、温ミストモードを設定しないようになっている。
【0043】
ステップS9において温ミストモードを設定した制御基板50は、ステップS10において、開始信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が否定(運転制御ボタンが操作されていない)の場合、制御基板50は、ステップS9の処理に戻る。一方、ステップS10の判定結果が肯定(運転制御ボタンが操作された)の場合、制御基板50は、温ミストの生成及び放出を決定する。そして、制御基板50は、温ミスト発生装置41に電源を供給し、温ミスト発生装置41を制御する(ステップS11)。これにより、温ミストが生成され、ミスト放出口21から放出される(ステップS12)。なお、制御基板50は、ステップS11において、温ミスト発生装置41の制御開始に伴って、タイマの計測を開始する。
【0044】
その後、制御基板50は、運転制御ボタン36の操作に基づいて出力される停止信号を入力したか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が否定(運転制御ボタン36が操作されていない)の場合、制御基板50は、タイマの値を参照し、温ミストの最大放出時間として定められた規定時間(本実施形態では、「12分」)が経過したか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定結果が否定(規定時間が経過していない)の場合、制御基板50は、ステップS11の処理に戻る。その一方、ステップS14の判定結果が肯定(規定時間が経過した)の場合、制御基板50は、温ミストの生成及び放出を停止させることを決定する(ステップS15)。これに伴い制御基板50は、温ミスト発生装置41の制御を終了するとともに、温ミスト発生装置41への電源供給を停止することになる。ちなみに、ステップS15では、温ミスト発生装置41への電源供給が停止されるだけであって、回路全体への通電が停止されるわけではない。本実施形態では、ステップS11以降に示す処理内容が、温ミスト発生装置41において温ミストを生成及び放出するための運転の開始を意味している。
【0045】
その後、制御基板50は、ステップS0の処理に戻る。これにより、規定時間の経過に伴って温ミストの放出が終了した場合、電源ボタン34がオフ操作されていないのであれば、その後、帯電微粒子ミストモードが必ず設定されることになる。したがって、帯電微粒子ミストモード設定中に運転制御ボタン36が操作された場合には、帯電微粒子ミストが生成及び放出されることになる。
【0046】
また、ステップS13の判定経過が肯定(停止操作された)の場合、制御基板50は、規定時間が経過するよりも前に温ミストの生成及び放出を停止させることになる。この場合、制御基板50は、ステップS15の処理に移行する。これにより、規定時間が経過する前に停止操作されたことに伴って温ミストの放出が終了した場合、電源ボタン34がオフ操作されていないのであれば、帯電微粒子ミストモードが必ず設定されることになる。
【0047】
なお、ここでは図示しないが、温ミストの放出期間は、給水タンク33に貯蔵された水量にも影響される。このため、制御基板50は、ステップS14において規定時間が経過するよりも前に給水タンク33に貯蔵されている水がなくなった場合も、ステップS0の処理に戻ることになる。また、ステップS4〜S7に示す処理の実行中、及びステップS11〜S14に示す処理の実行中に、電源ボタン34がオフ操作された場合も、制御基板50は、回路への通電を停止することになる。このとき、制御基板50は、帯電微粒子ミストモードに基づく制御の実行中、又は温ミストモードに基づく制御の実行中であっても、次回、回路への通電が行われた場合には、必ず、ステップS1の処理で帯電微粒子ミストモードを設定するようになっている。
【0048】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)制御基板50は、電源が投入されてから最初の運転が開始される迄の間、及び非運転時には、帯電微粒子ミストモードで待機する。これにより、待機中に運転制御ボタン36が操作されたことによって運転開始が指示された場合、次回放出されるミストは、帯電微粒子ミストモードが設定されることに従って「帯電微粒子ミスト」となる。したがって、使用者の意図に反して温ミストが放出されることがなくなり、べとつき等の不快感を与えることがない。つまり、使用者の意図に反して温ミストが放出されることを防止することができる。
【0049】
(2)モード切替ボタン35の操作を有効とする操作有効時間を、運転制御ボタン36の操作を有効とする操作有効時間よりも長くなるように設定した。これにより、例えば、誤ってモード切替ボタン35に使用者の手が触れたとしても、その操作時間が規定時間に到達しなければ温ミストモードに切り替わらない。したがって、誤って温ミストが放出されることを防止できる。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図5に従って説明する。
本実施形態の美容器10では、モード切替ボタン35を操作したときにノズルガード24が開放されていないと、帯電微粒子ミストモードから温ミストモードに切り替わらないようになっている点が、第1の実施形態の美容器10と異なっている。このため、以下に説明する実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成(同一制御内容)については同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0051】
以下、制御基板50が実行する制御内容について図5に従って説明する。
なお、この例では、水が貯蔵された給水タンク33が既に美容器10にセットされているものとする。
【0052】
美容器10の電源ボタン34がオン操作されると、制御基板50は、図4におけるステップS1と同じく、帯電微粒子ミストモードを設定する(ステップS1)。その後、制御基板50は、図4におけるステップS2と同じく、モード切替ボタン35が操作されたか否かを判定する。ステップS2の判定結果が否定(モード切替ボタンが操作されなかった)の場合、制御基板50は、図4におけるステップS3と同じく、開始信号を入力したか否かを判定する。その後、制御基板50は、図4におけるステップS4〜S8の処理と同一の処理を実行する。図1に示すように、帯電微粒子ミスト放出口37の前方には、ノズルガード24が形成されていない。したがって、帯電微粒子ミストの生成及び放出には、ノズルガード24の開閉の有無は関与せず、運転制御ボタン36の操作の有無が関与するようになっている(ステップS1,S3)。
【0053】
その一方、ステップS2の判定結果が肯定の場合、制御基板50は、モード切替ボタン35が操作されるまでにノズルガード24の開放動作が行われたか否かを判定する(ステップS2a)。すなわち、制御基板50は、ノズルガード24が開放されたことに従って出力される開放信号を入力していたか否かを判定する。ステップS2aの判定結果が否定(ノズルガードが開放されていない)の場合、制御基板50は、ステップS0の処理に戻る。
【0054】
その一方、ステップS2aの判定結果が肯定(ノズルガードが開放されていた)の場合、制御基板50は、図4におけるステップS9と同じく、温ミストモードを設定する。その後、制御基板50は、図4におけるステップS10〜S15の処理と同一の処理を実行する。このとき、制御基板50は、温ミストモードが設定されてからの時間経過に関係なく、運転制御ボタン36が操作されたのであれば、ステップS10の処理を肯定判定する。
【0055】
このような制御を実行することにより、温ミストモードは、ノズルガード24の開放動作が行われた後にモード切替ボタン35が操作された場合にしか移行し得なくなる。図1に示すように、ミスト放出口21の上面には、ノズルガード24が形成されているため、ノズルガード24を開放するということは、使用者に温ミストを使用する意思があるということになる。
【0056】
その一方で、ノズルガード24が開放されなかった(ステップS2aの判定結果が否定)場合、ステップS0の処理に戻る。したがって、ノズルガード24が開放されていない場合、モード切替ボタン35が操作されたか否かを問わず、温ミストモードが設定されることはない。これにより、使用者の手がモード切替ボタン35に偶然当たったことによって切替操作信号が出力されたとしても、ノズルガード24が開放されていないのであれば、温ミストが生成及び放出されることがない。つまり、温ミストを放出させるには、ノズルガード24の開動作と、モード切替ボタン35の操作と、運転制御ボタン36の操作が必要となる。本実施形態では、ノズルガード24及びモード切替ボタン35が、複数の操作部となる。
【0057】
次に、前記第1の実施形態の作用効果(1),(2)に加え、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(3)制御基板50は、ノズルガード24の開放が行われた後にモード切替ボタン35が操作された場合に、帯電微粒子ミストモードから温ミストモードへ切り替えることになる。これにより、帯電微粒子ミストモードから温ミストモードへ切り替えるには、複数の操作が必要とされる。言い換えると、温ミストモードに切り替えるには、複数の操作を実行しなければならなくなり、この操作を実行するということは、使用者に温ミストを使用する意思があることになる。したがって、例えば、使用者が誤ってモード切替ボタン35を操作してしまったとしても、その操作のみに基づいて温ミストが放出されることがないので、より安全に美容器10を使用することができる。
【0058】
(4)温ミストモードに切り替えるために必要な複数の操作の一つとして、ノズルガード24の開動作を設定した。これにより、使用者は、温ミストの使用を意識してノズルガード24を開放することになる。したがって、誤って温ミストが放出されることを防止でき、使用者が使用したい場面において温ミストを使用することができる。
【0059】
(5)ノズルガード24の開動作が行われてからどのタイミングで運転制御ボタン36が操作されたとしても、運転制御ボタン36が操作されたのであれば温ミストを発生させることができるようにした。これにより、ノズルガード24を開放した後に急いで運転制御ボタン36を操作する必要もなく、使用者の好きなタイミングで温ミストを発生させることができる。
【0060】
(6)ノズルガード24を開動作した後にモード切替ボタン35を操作しなければ、温ミストモードに切り替わらないようにした。これにより、複数の操作の操作手順も温ミストの発生に関与することになり、より安全に美容器10を使用することができる。
【0061】
(7)帯電微粒子ミストを使用したい場面では、ノズルガード24が開状態となったか否かを問わずに、運転制御ボタン36の操作に基づいて帯電微粒子ミストを発生させるようにした。これにより、帯電微粒子ミストの発生に係る必要動作を最小限に留めることができる。
【0062】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図6に従って説明する。
本実施形態の美容器10では、ノズルガード24を開放してからモード切替ボタン35を操作した上で、所定時間内に運転制御ボタン36を操作しないと、温ミストモードによる運転が開始されないようになっている。この点が、第1の実施形態及び第2の実施形態の美容器10と異なっている。このため、以下に説明する実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成(同一制御内容)については同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0063】
以下、制御基板50が実行する制御内容について図6に従って説明する。
なお、この例では、水が貯蔵された給水タンク33が既に美容器10にセットされているものとする。
【0064】
美容器10の電源ボタン34がオン操作されると、制御基板50は、図4及び図5におけるステップS1と同じく、帯電微粒子ミストモードを設定する(ステップS1)。その後、制御基板50は、図4及び図5におけるステップS2と同じく、モード切替ボタン35が操作されたか否かを判定する。ステップS2の判定結果が否定(モード切替ボタンが操作されなかった)の場合、制御基板50は、図4及び図5におけるステップS3と同じく、開始信号を入力したか否かを判定する。その後、制御基板50は、図4及び図5におけるステップS4〜S8の処理と同一の処理を実行する。
【0065】
その一方、ステップS2の判定結果が肯定の場合、制御基板50は、図5におけるステップS2aと同じく、モード切替ボタン35が操作されるまでにノズルガード24の開放動作が行われたか否かを判定する(ステップS2a)。ステップS2aの判定結果が否定(ノズルガードが開放されていない)の場合、制御基板50は、図5同様、ステップS0の処理に戻る。
【0066】
その一方、ステップS2aの判定結果が肯定(ノズルガードが開放されていた)の場合、制御基板50は、図4及び図5におけるステップS9と同じく、温ミストモードを設定する。
【0067】
その後、制御基板50は、温ミストモードに切り替わったことに伴って、タイマの計測を開始する(ステップS9a)。そして、制御基板50は、運転制御ボタン36の操作有効期間として定められた規定時間(本実施形態では、10秒)の間に、運転制御ボタン36が操作されたか否かを判定する(ステップS9b)。すなわち、制御基板50は、ステップS9bにおいて、温ミストモードが設定されてから10秒が経過するまでの間に開始信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定(規定時間内に操作された)の場合、制御基板50は、図4及び図5におけるステップS11と同じく、温ミストの生成及び放出を決定する。その後、制御基板50は、図4及び図5におけるステップS12〜S15に示す処理と同一の処理を実行する。
【0068】
その一方で、ステップS9bの判定結果が否定(規定時間内に操作されなかった)の場合、制御基板50は、ステップS0の処理に戻る。なお、ステップS9bの判定は、所定時間経過後に運転制御ボタン36が操作された場合も、否定判定され、ステップS0の処理に戻るようになっている。
【0069】
このような制御を実行することにより、温ミストモードは、ノズルガード24の開放動作が行われた後にモード切替ボタン35を操作することで設定されることになる。ところが、温ミストモード設定中に運転制御ボタン36が操作されたとしても、その操作が、温ミストモードが設定されてから10秒以内に行われないと、帯電微粒子ミストモードが再度設定されることになる。これにより、温ミストを放出させるには、運転制御ボタン36の操作を規定時間以内に実行する必要があるため、使用者が故意に操作しない限り温ミストが放出されることがない。言い換えると、ノズルガード24を解放し、かつモード切替ボタン35が操作された状態で放置されていたとしても、規定時間が経過していれば、使用者及び使用者以外の人物が何らかの拍子で運転制御ボタン36に触れたとしても、温ミストが放出されることはない。すなわち、ノズルガード24の開放後に、モード切替ボタン35の操作及び所定時間内の運転制御ボタン36の操作を経て始めて温ミストが放出されることになる。
【0070】
次に、前記第1の実施形態の作用効果(1),(2)及び前記第2の実施形態の作用効果(3)〜(7)に加え、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(8)制御基板50は、ノズルガード24の開放を経てモード切替ボタン35が操作された後、規定時間内に運転制御ボタン36が操作されなければ、温ミストモードによる運転を開始しない。これにより、例えばノズルガード24を開放した後何も操作せずに放置し、次の操作が実行されることなく規定時間が経過したということは、非運転状態となるので、帯電微粒子ミストモードが設定されることになる。したがって、温ミストを発生させるために必要な操作数を満たせなかったのであれば、温ミストが放出されることがない。
【0071】
尚、各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・各実施形態において、温ミストを微細化する手段を設けても良い。例えば、温ミスト発生装置41に放電部を設け、放電部への高電圧の印加によって温ミストを微細化するようにしても良い。
【0072】
・各実施形態において、モード切替ボタン35の操作時間を、電源ボタン34及び運転制御ボタン36の操作時間と同じ長さ(0.5秒)としても良い。
・第3の実施形態において、帯電微粒子ミストモードから温ミストモードに切り替える際にも時間制限を設けても良い。この場合、制御基板50は、ノズルガード24が開放されたことを指示する開放信号を入力したことを契機に、タイマの計測を開始し、例えば、10秒以内にモード切替ボタン35が操作された場合には、温ミストモードを設定するようにする。その一方で、所定時間以内(例えば、モード切替ボタン25の操作有効時間を含む10秒)にモード切替ボタン35が操作されなかった場合には、帯電微粒子ミストモードを継続して設定するようにしても良い。また、タイマ計測の開始契機を、モード切替ボタン35の操作に基づいて出力される切替操作信号を入力したこととしても良い。
【0073】
・第3の実施形態において、ステップS9bの後に、ステップS9の処理を実行するようにしても良い。この場合、温ミストモードに切り替えるためには、ノズルガード24の開放、モード切替ボタン35の操作、及び運転制御ボタン36の操作が行われることが条件となる。この場合、ノズルガード24が開放されてから所定時間が経過するまでの間に、モード切替ボタン35及び運転制御ボタン36が操作されたことをモード切り替え条件としても良い。また、帯電微粒子ミストモードが開始されてから所定時間が経過するまでの間に、ノズルガード24の開放、モード切替ボタン35及び運転制御ボタン36が操作されたことをモード切り替え条件としても良い。
【0074】
・第2の実施形態及び第3の実施形態において、帯電微粒子ミストモードの設定中にノズルガード24を開放した後にモード切替ボタン35が操作された場合にしか、温ミストモードに切り替わらないようにしても良い。例えば、前回、美容器10を使用した際にノズルガード24を閉め忘れたことにより、電源ボタン34を押下操作する前にノズルガード24が開放していた場合には、モード切替ボタン35を操作してもモードが切り替わらないことになる。このような場合、温ミストの発生条件に制限が生じるため、使用者の意思に反して大径ミストが放出されてしまうことを抑制することができる。
【0075】
・第3の実施形態において、運転制御ボタン36の操作有効期間は10秒に限られない。ただし、操作有効期間があまりにも短いと、運転制御ボタン36のボタン操作が操作有効期間内に間に合わないので、例えば、5秒以上であることが好ましい。
【0076】
・第2の実施形態において、温ミストを発生させるために必要な操作の数を3つ以上としても良い。例えば、ノズルガード24を開放してからモード切替ボタン35を操作した後、運転制御ボタン36を複数回操作させるようにしても良い。また、温ミストを発生させるための最終確認ボタンを別途設け、運転制御ボタン36の操作後に最終確認ボタンを操作しなければ、温ミストが放出されないようにしても良い。これにより、より温ミストを放出させるためには複数の操作を行わなければならなくなるため、より安全に美容器10を使用することができるとともに、誤って温ミストが放出されることを防止できる。
【0077】
・各実施形態において、ノズルガード24の開動作を行う前にモード切替ボタン35が操作された場合であっても、温ミストモードに切り替えるようにしても良い。つまり、温ミストを発生させるために必要な複数の操作が実行されたのであれば、その実行順序や各操作が行われるまでに要した時間は問わないようにしても良い。
【0078】
・第2の実施形態及び第3の実施形態において、温ミストを発生させるために必要な操作を、ノズルガード24の開動作ではなく複数のボタン操作としても良い。具体的には、ノズルガードが形成されていない美容器において、温ミストを発生させるために操作される第1操作ボタン及び第2操作ボタンを設ける。そして、帯電微粒子ミストモード中に第1操作ボタン及び第2操作ボタンが操作された場合に、温ミストモードに切り替えるようにしても良い。
【0079】
・各実施形態において、電源が投入されてから最初の運転が開始される迄の間、及び温ミストを放出させるための制御が終了した場合のみ、帯電微粒子ミストモードが設定されるようにしても良い。すなわち、帯電微粒子ミストを放出させるための制御が終了した後は、そのまま回路への通電が停止されるようにしても良い。
【0080】
・各実施形態では、給水タンク33の他に水を貯蔵するタンクを設置し、毛細管現象にて放電電極44の先端部に水を供給する構成としても良い。
・各実施形態では、水以外の液体(例えば、化粧水、薬液等)を霧化してナノメータサイズの帯電微粒子液体を生成するようにしても良い。
【0081】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)請求項2及び請求項3に記載のミスト発生装置において、前記モード切り替えの条件には、所定時間の経過時までに、予め定めた複数の操作部が使用者によって操作されることを含むことを特徴とするミスト発生装置。
【符号の説明】
【0082】
10…美容器、21…ミスト放出口、24…ノズルガード、34…電源ボタン、35…モード切替ボタン、36…運転制御ボタン、37…帯電微粒子ミスト放出口、37a…静電霧化装置、41…温ミスト発生装置、50…制御基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される液体から大径ミストを発生させる大径ミスト発生部と、静電霧化により前記大径ミストよりも小さい小径ミストを発生させる小径ミスト発生部と、各ミスト発生部を制御する制御部と、各ミスト発生部での運転開始を指示する指示手段と、を備え、
前記制御部は、運転モードとして小径ミスト発生モードが設定されている場合に前記指示手段が操作されたときには前記小径ミスト発生部を制御して前記小径ミストを発生させる一方で、前記運転モードとして大径ミスト発生モードが設定されている場合に前記指示手段が操作されたときには前記大径ミスト発生部を制御して前記大径ミストを発生させ、
電源が投入されてから最初の運転が開始される迄の間、及び非運転時には、前記小径ミスト発生モードで待機することを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスト発生装置において、
前記制御部は、
前記待機中に、予め定めた複数の操作部が使用者によって操作されることを条件として運転モードを前記小径ミスト発生モードから前記大径ミスト発生モードへモード切り替えを行うことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載のミスト発生装置において、
前記複数の操作部には、前記大径ミストの放出口を開閉する開閉手段を含み、
前記モード切り替えの条件には、前記開閉手段が開操作されることを含むことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のミスト発生装置において、
前記制御部は、前記モード切り替え後、所定時間の経過時までに、少なくとも前記指示手段が操作されること含む1以上の操作が行われることを条件として前記大径ミスト発生モードによる運転を開始させることを特徴とするミスト発生装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のミスト発生装置において、
前記小径ミスト発生モードから前記大径ミスト発生モードへ切り替えるために操作する切替操作部と、を備え、
前記モード切り替えの条件には、前記切替操作部が操作されることを含み、
前記切替操作部の操作を有効とするための操作有効時間は、前記指示手段の操作を有効とするための操作有効時間よりも長い時間に設定されていることを特徴とするミスト発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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