ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置、並びにミストを誘導するデヴアイスを有する携帯型ミスト発生装置

【課題】薬液をミスト化して吐出することができ、ミストを吐出する出口を洗浄することによって、ミストが固形化・結晶化することなく安定したシステム利用が可能な携帯型ミスト発生装置及び薬液等のミストの吐出方向を誘導するデヴアイスを提供する。
【解決手段】携帯型ミスト発生装置1は、薬液を収容する薬液収容部18及び洗浄液を収容する洗浄液収容部17と、液体収容部18から流出された液体を貯留する貯留部19と、貯留部19から流出された液体を超音波振動によって霧状にするミスト発生部12と、を有し、霧状にした液体に気体を吹き付けて噴射ノズル11aから吐出する薬液工程を実行する。洗浄液は、薬液が流れる流路内を洗浄するための洗浄工程にて使用する。洗浄工程と薬液工程とは自動又は手動によって実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液等の液体を霧状にミスト化して吐出することのできるミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置、並びにミストを誘導するデヴアイスを有する携帯型ミスト発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野においては、薬液を直接患部に塗布する方法と薬液をミスト化して直接患部に噴霧して沈着させる方法とによる治療が広く行われている。特に後者はネブライザー治療と呼ばれており、ミスト化したミスト薬液の分子量が小さいことに起因して、ミスト薬液を遠くに飛ばしたり、患部に浸透しやすくさせたりする効果が期待される。
【0003】
一方、一般家庭おいても、ミスト薬液を患部に噴霧できる市販医薬品等を入手可能になっている。この種の医薬品等は、複数の微細孔から薬液を高圧噴出させることでミスト化を実現している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−274019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の微細孔から薬液を噴出させてミスト化を実現する方法では、本来のミスト化に期待されるような、ミスト化したミスト薬液の分子量が小さいことに起因して、ミスト薬液を遠くに飛ばしたり、患部に浸透しやすくさせたりする効果は薄いと考えられている。例えば、特許文献1記載の除菌・消臭噴霧器は可搬可能なコンパクトなものではあるものの、除菌、消毒、消臭の各作用が可能な程度のミスト化で足り、皮膚や皮膚粘膜に浸透しやすいミスト化までは必要がない。
【0006】
また、複数の微細孔から薬液を噴出させてミスト化を実現する方法では、薬液が微細孔に詰まって固形化・結晶化する目詰まりが発生しやすく、霧を吐出する場合に出口を塞ぎ、或いは出にくくすることの欠陥が生じるばかりではなく、不衛生でもある。また、ネブライザー治療に用いられる装置においても、ミスト薬液を噴霧した後は薬液の流路に薬液が残存していることがあり、上記の欠陥が生じ、また、不衛生でもある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、薬液をミスト化して吐出することができ、ミストを吐出する出口を洗浄することによって、ミストが固形化・結晶化することなく安定したシステム利用が可能なミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置、並びにミストを誘導するデヴアイスを有する携帯型ミスト発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
【0009】
(1) 薬液を収容する薬液収容部及び洗浄液を収容する洗浄液収容部から構成され、液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部から流出された液体を貯留する貯留部と、前記貯留部から流出された液体を超音波振動によって霧状にするミスト発生部と、霧状にした液体を噴射する噴射部と、を備え、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【0010】
本発明によれば、超音波振動によって霧状にされた液体に気体を吹き付けて噴射することにより、薬液等の液体をミスト化して吐出することができる。ここで、液体収容部の液体全てを超音波振動させるのではなく、必要量だけを貯留部に貯めてミスト発生部に流入することができ、また、貯留部からミスト発生部に流入させる流入速度の調整を図ることで、効率よくかつ短時間で液体を超音波振動させて霧状にすることができる。
【0011】
また、薬液収容部及び洗浄液収容部が一体又は別体として構成された液体収容部について、どちらか一方の液体(薬液又は洗浄液)がミスト発生部に流出されることから、薬液をミスト化して噴霧することや洗浄液を流路内に流して洗浄することができ、薬液が流れる流路内を洗浄液で洗浄できる衛生面を担保したシステムを提供することができる。
【0012】
(2) 前記貯留部には、前記液体収容部からの液体の流出を制御する電磁バルブが設けられていることを特徴とする、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【0013】
本発明によれば、液体収容部から貯留部への流出量を正確に制御することが可能となり、必要量だけを流出し無駄を防止することができる。なお、液体収容部が複数設けられている場合には、個々の液体収容部からの流出量を正確に制御することができる。
【0014】
(3) 前記液体収容部に形成された凸状の開口部と前記貯留部の上部とは、着脱可能に嵌合されていることを特徴とする、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【0015】
本発明によれば、凸状の開口部が形成された液体収容部が貯留部の上部に嵌合されており、それが着脱可能に構成されていることから、液体収容部(薬液収容部、洗浄液収容部)を簡易に取り付け・取り外し可能であり、不便さから古い液体を使用せざるをえないなど衛生面を阻害することはなく、むしろ衛生面を維持しやすいシステムを提供することができる。
【0016】
(4) 前記噴射部は、前記ミスト発生部によって霧状にされた液体を噴射するとともに、前記液体収容部からの液体の流路内に気体を吹き付けて流路内を乾燥させることを特徴とする、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【0017】
本発明によれば、流路内に気体(エアー)を吹き付けて流路内の表面を乾燥させることにより、流路内に液体が残余することを低減するシステムを提供することができる。
【0018】
(5) 前記噴射部の噴射ノズル近傍には、前記システムに取り付け可能なミスト誘導デヴアイスを接合するための接合凹部が形成されていることを特徴とする、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【0019】
本発明によれば、薬液ミストが適切に患部に届きやすくするデヴアイスを簡易にシステムに取り付け可能にすることができる。
【0020】
(6) 本システムを有する携帯型ミスト発生装置に取り付けられ、先端は開口され、後端に前記システムの前記接合凹部と接合するための接合凸部が形成されていることを特徴とする、ミストを誘導するデヴアイスを有する携帯型ミスト発生装置。
【0021】
本発明によれば、本システムに取り付け可能に構成されたデヴアイスを提供することができる。
【0022】
(7) 本システムを有する携帯型ミスト発生装置に取り付けられ、閉口された先端近傍には、円周方向の開口部が複数形成されていることを特徴とする、ミストを誘導するデヴアイスを有する携帯型ミスト発生装置。
【0023】
本発明によれば、本システムに取り付け可能に構成されたデヴアイスを提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のシステムを有する携帯型ミスト発生装置によれば、薬液等の液体をミスト化して吐出することができるとともに、薬液が流れる流路内を洗浄液で洗浄して衛生面を担保することができる。また、本発明のデヴアイスによれば、薬液ミストが適切に患部に届きやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム構成を示す図である。
【図6】電磁バルブによって制御している例を示す図である。
【図7】電磁バルブによって制御している例を示す図である。
【図8】電磁バルブによって制御している例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るデヴアイスを説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るデヴアイスを説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム動作を示す流れ図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム動作を示す流れ図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム動作を示す流れ図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム動作を示す流れ図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム動作を示す流れ図である。
【図16】電磁バルブによって制御している例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム概要を示す図であり、(a)は不使用時の状態、(b)は使用時の状態、(c)は使用時・使用後の状態を示している。
【0028】
携帯型ミスト発生装置1は、ミスト液体を噴出する噴射ノズル11aが設けられ、デヴアイス2,4がスライドによって着脱可能な平滑なスライド部1aと、使用時に把持する把時部1bと、から構成される。デヴアイス2は、不使用時には、噴射ノズル11aを覆い、先端にキャップ3を被せることができる形状を呈している。デヴアイス4は、用途に応じてミスト薬液の噴霧方向を誘導するミスト誘導デヴアイスである。なお、不使用時にキャップ3をデヴアイス2,4に被せることができる形状であれば、デヴアイス2とデヴアイス4は不使用時であっても使用時であっても用いることができる。キャップ3は、不使用時にはデヴアイス2の先端に被せられ、使用時には把時部1bの後端に被せることができる形状を呈している。
【0029】
図2〜図5は、本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム構成を示す図であり、図2は、携帯型ミスト発生装置1にデヴアイス4を取り付けた状態における正面断面図、図3は、携帯型ミスト発生装置1にデヴアイス4とカバー3を取り付けた状態における平面断面図、図4は、図2における右側面図、図5は、図3における右側面断面図である。
【0030】
本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置1は楕円形状を呈しており、スライド部1aと把時部1bとの境目は段部が形成されている。この段部によって、デヴアイス4の右方向へのスライドを規制することができる(図2)。また、スイッチ制御部20側には把時部1bの後端には一部が開口されて凹んだ押圧部21aが設けられ、キャップ3を後端に取り付けたときにキャップとの間に隙部21が形成される。
【0031】
携帯型ミスト発生装置1の最先端に設けられる噴射ノズル11aは、ミスト発生部12によって霧状にされた液体(薬液,洗浄液)をミスト誘導ポンプ13のエアー圧力によって噴射する。ミスト発生部12を構成する超音波振動体としては圧電セラミックスがあり、圧電セラミックスに高周波の交流電圧を印加することによって超音波を発生させることができる。なお、ミスト誘導ポンプ13がなくても、霧状にされた液体(薬液,洗浄液)の霧滴の運動力によって、ミストの噴射は可能である。
【0032】
また、携帯型ミスト発生装置1には、洗浄液を収容する洗浄液収容部17と薬液を収容する薬液収容部18とが設けられ、それらの下流には洗浄液収容部17又は薬液収容部18から流出された洗浄液又は薬液を貯留する貯留部19が設けられている。すなわち、洗浄液は、洗浄液収容部17の流出ノズル17aから流出されて貯留部19の流出ノズル19aから流出されるまでの間、貯留部19に留められることになる。また、薬液は、薬液収容部18の流出ノズル18aから流出されて貯留部19の流出ノズル19aから流出されるまでの間、貯留部19に留められることになる。
【0033】
また、スライド部1aを把時部1bから抜き取るか、或いは、半割にされたスライド部1aを開くことで収容部上部が開放されて、洗浄液収容部17又は薬液収容部18の交換が可能となる。

【0034】
また、携帯型ミスト発生装置1は、洗浄液収容部17と薬液収容部18からの洗浄液又は薬液の流出を、ソレノイド16を用いた電磁バルブによって制御している。これについては、後述する。
【0035】
さらに、システム1には、各機構へ電力を供給するための充電器15、各機構の制御を司るICチップが設けられている。
【0036】
なお、洗浄液収容部17に収容する洗浄液としては、超純水,エタノール水のような殺菌性や揮発性に優れた液体を挙げることができる。また、薬液収容部18に収容する液体としては、点眼薬や経鼻薬等、その用途に応じたものに変更可能である。また、洗浄液収容部17及び薬液収容部18は一体型であってもよく別体型であってもよい。
【0037】
図6〜図8は、洗浄液収容部17と薬液収容部18からの洗浄液又は薬液の流出を、ソレノイド16を用いた電磁バルブによって制御している例を示す図である。
【0038】
すなわち、電磁バルブは、流路を開閉するための開閉路16a,16b,16cが形成されている。開路16cが流出ノズル17a側にきたときは、洗浄液収容部17からの洗浄液が下流に流れていくことになり、このときには、流出ノズル18aは閉路16bで閉じられているため、薬液収容部18からの薬液が下流に流れていくことはない(図6)。また、閉路16bが流出ノズル17a,18a側にきたときは、いずれの液体も下流に流れていくことはない(図7)。さらに、開路16aが流出ノズル18a側にきたときは、薬液収容部18からの薬液が下流に流れていくことになり、このときには、流出ノズル17aは閉路16bで閉じられているため、洗浄液収容部17からの洗浄液が下流に流れていくことはない(図7)。
【0039】
また、洗浄液収容部には凸状の開口部17bが形成され、貯留部19の上部外周面19bと嵌合するための爪が形成されている。また、薬液収容部には凸状の開口部18bが形成され、貯留部19の上部外周面19bと嵌合するための爪が形成されている。
【0040】
なお、図16に示すように、1回ごとの使用量が少ない場合には、必要以上に貯留部に貯留することのないように、貯留部19'の容積を小さくすることができる。また、洗浄液収容部17及び薬液収容部18の下流側に弁を設けておき、その弁をソレノイド16の作用によって開閉することも可能である。洗浄液収容部17及び薬液収容部18に液体の残余があっても、洗浄液収容部17及び薬液収容部18側の弁を閉じてから交換作業を行うことにより、液漏れを防ぎつつ容易に交換が可能となる。
【0041】
図9及び図10は、本発明の実施の形態に係るミスト誘導デヴアイスを説明するための図であり、図9は経鼻用デヴアイス、図10は点眼用デヴアイスの例である。
【0042】
図9に示すミスト誘導デヴアイス5は、先端が開口されて先細りしており、後端は接合凸部が形成されている。この接合凸部とシステム1の接合凹部とが接合することによって、携帯型ミスト発生装置1にミスト誘導デヴアイス5を取り付けることができる。
【0043】
図10に示すミスト誘導デヴアイス6は、先端(図示左側)が閉口され、先端近傍には、円周方向の開口部が左右2つ形成されている(図示は、左右片側の1つのみ)。ミスト誘導デヴアイス6の楕円形状をスライド部1aの楕円形状よりも若干大きくすることによって、ミスト誘導デヴアイス6を携帯型ミスト発生装置1のスライド部1aにスライド可能に取り付けることができる。
【0044】
図11〜図13は、本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム動作を示す流れ図であり、特に、洗浄工程と薬液工程とを自動で行うために、自動モードが設定されている場合について説明する。以下に説明する一連の動作は、ICチップ14の制御指令の下で実行される。
【0045】
まず、本システム動作にあたっては、初期設定により自動モードを設定する(ステップS100)。自動モードの設定は一度行えば次回以降も同じ自動モードで起動が可能となる。また、電源を入れる度に自動モード又は手動モードの一方を選択するようにユーザに促してもよい。本実施の形態にあっては、自動にて種々の薬液を利用するために効果的な洗浄機能を有し、また効果的に洗浄が行えるように薬液と洗浄液の流路が設定されている。
【0046】
次に、ユーザがスタートSWを押圧してONにすると(ステップS101)、それを検知した充電記15より各機構に電力が供給されてシステムが起動する。このとき、ユーザがスタートSWを押圧してONにしても(ステップS101)、薬液収容部18及び洗浄液収容部17が正常にセットされていなければ、システムが起動しないとすることができる。これにより、不正常なセット状態でシステムを稼働することによる液漏れや、液漏れによる漏電、感電などの事故を防止することができる。また、薬液収容部18及び洗浄液収容部17が正常にセットされていなければ、ミスト誘導デヴアイスをセットできない構造とすることで、システムの運用を阻害するようにしてもよい。
【0047】
ステップS101にてスタートSWのONを検知して電力が供給されたICチップ14は、所定のプログラムに基づいてシステム状態の確認を行う(ステップS102)。すなわち、薬液収容部18及び洗浄液収容部17が正常にセットされているか、システムの稼働に必要な充電残量があるか等の確認を行う。確認の結果、異常と判定すれば、システムを停止して(ステップS103)、エラー表示を行う(ステップS104)。エラー表示としては、例えばLEDランプを高速点滅させることによって、ユーザに異常状態を知らせることができる。
【0048】
一方、ステップS102においてシステム状態の確認を正常と判定すれば、例えばLEDランプを低速点滅させることによって、ユーザに正常であることを知らせる状態表示を行う(ステップS105)。すなわち、ユーザは、LEDランプの点滅速度によってシステムの異常/正常を知ることができる。なお、このような状態表示はランプの種類を変えることによっても行うことができ、正常な場合は青のLEDランプ、異常な場合は赤のLEDランプを点滅又は点灯させることもでき、その他種々の方法によってユーザに知らせることが可能である。
【0049】
ステップS105における状態表示によって、ユーザが正常であることを認識して、再度ユーザがスタートSWを押圧してONにすると(ステップS106)、システムは自動洗浄工程を実行する。すなわち、電磁バルブによって洗浄液収容部17からの洗浄液の流出を開放し、薬液収容部18からの薬液の流出を停止するように、洗浄液側のバルブを開き、薬液側のバルブを閉じる(図6参照)。また、洗浄液をミスト化して噴霧するために、ミスト発生部12の超音波端子に電力を供給してON状態とし、ミスト誘導ポンプ13にも電力を供給してON状態とする(ステップS107)。これにより、薬液収容部18の流出ノズル18aから噴射ノズル11aまでの流路を洗浄することができる。なお、洗浄液の流出量としては該流路容積の約3倍など、任意に設定することができる。
【0050】
ステップS107において、規定の洗浄液の流出が終わると、洗浄液収容部17からの洗浄液の流出を停止するように、洗浄液側のバルブを閉じ、薬液側のバルブを閉じる(図7参照)。また、ミスト発生部12の超音波端子への電力の供給を停止してOFF状態とする(ステップS108)。このとき、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給は継続してON状態としている。すなわち、洗浄液の流出を停止した後でも、流出ノズル18aから噴射ノズル11aまでの流路に残存している洗浄液をミスト誘導ポンプ13のエアーによって排出させるとともに、流路内に洗浄液が残存しない状態となったときは、ミスト誘導ポンプ13のエアーを流路内に送り込むことによって、流路内を乾燥する。
【0051】
ステップS108における状態から所定時間経過するなどを条件として、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給を停止してOFF状態とする(ステップS109)。これにより、流路内の残存洗浄液の排出及び流路内の乾燥が終了する。以上のステップS105〜S109までの一連の工程によって洗浄工程は完了し、システムは一時停止状態となる(ステップS110)。
【0052】
洗浄工程が完了すると、LEDランプを点灯維持することによって、ユーザに洗浄工程が終了して、次の薬液工程にスタンバイしていることを知らせる状態表示を行う(ステップS111)。ユーザは、患部にデヴアイスを当ててスタートSWをONにすると(ステップS112)、薬液工程がスタートする。なお、スタートSWをONにしてから所定時間経過後に薬液工程がスタートするという設定の場合には、スタートSWをONにした後にユーザは患部にデヴアイスを当てるという順序であってもよい。
【0053】
ステップS112においてスタートSWを押圧してONにすることが確認されると、システムは自動薬液工程を実行する。すなわち、電磁バルブによって洗浄液収容部17からの洗浄液の流出を停止し、薬液収容部18からの薬液の流出を開放するように、洗浄液側のバルブを閉じ、薬液側のバルブを開く(図8参照)。また、薬液をミスト化して噴霧するために、ミスト発生部12の超音波端子に電力を供給してON状態とし、ミスト誘導ポンプ13にも電力を供給してON状態とする(ステップS107)。これにより、噴射ノズル11aからミスト化されたミスト薬液を噴霧することができる。なお、薬液の流出量としては、予めユーザによって設定された容量(ダイヤル式で容量を設定する、初期設定時に容量を入力する等)が流出されたところで自動的に停止したり、ステップS112においてスタートSWを離反せずに押圧し続けている限り薬液を流出させてミスト薬液を噴霧したり、と任意に設定することができる。
【0054】
ステップS113において、規定の薬液の流出が終わると、薬液収容部18からの薬液の流出を停止するように、洗浄液側のバルブを閉じ、薬液側のバルブを閉じる(図7参照)。また、ミスト発生部12の超音波端子への電力の供給を停止してOFF状態とする(ステップS114)。このとき、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給は継続してON状態としている。すなわち、薬液の流出を停止した後でも、流出ノズル18aから噴射ノズル11aまでの流路に残存している薬液をミスト誘導ポンプ13のエアーによって排出させる。
【0055】
ステップS114における状態から所定時間経過するなどを条件として、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給を停止してOFF状態とする(ステップS115)。これにより、流路内の残存薬液の排出が終了する。以上のステップS111〜S115までの一連の工程によって洗浄工程は完了し、薬液噴霧は自動停止状態となる(ステップS116)。
【0056】
薬液工程が完了すると、LEDランプを低速点滅することによって、ユーザに薬液工程が終了して、最後の洗浄工程を実行することを知らせる状態表示を行い(ステップS111)、システムは自動洗浄工程を実行する。すなわち、電磁バルブによって洗浄液収容部17からの洗浄液の流出を開放し、薬液収容部18からの薬液の流出を停止するように、洗浄液側のバルブを開き、薬液側のバルブを閉じる(図6参照)。また、洗浄液をミスト化して噴霧するために、ミスト発生部12の超音波端子に電力を供給してON状態とし、ミスト誘導ポンプ13にも電力を供給してON状態とする(ステップS118)。これにより、薬液収容部18の流出ノズル18aから噴射ノズル11aまでの流路を洗浄することができる。なお、洗浄液の流出量としては該流路容積の約3倍など、任意に設定することができる。
【0057】
ステップS118において、洗浄液の流出が終わると、洗浄液収容部17からの洗浄液の流出を停止するように、洗浄液側のバルブを閉じ、薬液側のバルブを閉じる(図7参照)。また、ミスト発生部12の超音波端子への電力の供給を停止してOFF状態とする(ステップS119)。このとき、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給は継続してON状態として、ミスト誘導ポンプによる送風を継続している(ステップS120)。すなわち、洗浄液の流出を停止した後でも、流出ノズル18aから噴射ノズル11aまでの流路に残存している洗浄液をミスト誘導ポンプ13のエアーによって排出させるとともに、流路内に洗浄液が残存しない状態となったときは、ミスト誘導ポンプ13のエアーを流路内に送り込むことによって、流路内を乾燥する。
【0058】
次に、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給を停止してOFF状態として、ミスト誘導ポンプを停止する。また、LEDランプを消灯することによって、洗浄工程の終了を状態表示する(ステップS121)。以上、洗浄工程→薬液工程→洗浄工程によって一連のワンサイクルの工程が完了する。
【0059】
図14及び図15は、本発明の実施の形態に係る携帯型ミスト発生装置のシステム動作を示す流れ図であり、図14は洗浄工程を手動で行い、図15は薬液工程を手動で行うために、手動モードが設定されている場合について説明する。本実施の形態においては、手動にて種々の薬液を利用するために効果的な洗浄機能を有し、また効果的に洗浄が行えるように薬液と洗浄液の流路が設定されている。この手動モードでは、スタートSWを2秒以上押し続けると、2秒後から薬液の吐出を開始する。また、スタートSWを1秒以下で連続して2回押すと、洗浄工程を開始するなど、任意に設定することができる。なお、以下に説明する一連の動作は、ICチップ14の制御指令の下で実行される。
【0060】
まず、本システム動作にあたっては、初期設定により手動モードを設定する(ステップS200)。手動モードの設定は一度行えば次回以降も同じ手動モードで起動が可能となる。また、電源を入れる度に自動モード又は手動モードの一方を選択するようにユーザに促してもよい。
【0061】
次に、ユーザがスタートSWを押圧してONにすると(ステップS201)、それを検知した充電記15より各機構に電力が供給されてシステムが起動する。このとき、スタートSWの押圧回数及び押圧時間もカウントし、スタートSWを1秒以下で連続して2回押されたことを条件に、以下の洗浄工程に移行する。
【0062】
ステップS201にてスタートSWのONを検知して電力が供給されたICチップ14は、所定のプログラムに基づいてシステム状態の確認を行う(ステップS202)。すなわち、薬液収容部18及び洗浄液収容部17が正常にセットされているか、システムの稼働に必要な充電残量があるか等の確認を行う。確認の結果、異常と判定すれば、システムを停止して(ステップS203)、エラー表示を行う(ステップS204)。エラー表示としては、例えばLEDランプを高速点滅させることによって、ユーザに異常状態を知らせることができる。
【0063】
一方、ステップS202においてシステム状態の確認を正常と判定すれば、例えばLEDランプを低速点滅させることによって、ユーザに正常であることを知らせる状態表示を行う(ステップS205)。すなわち、ユーザは、LEDランプの点滅速度によってシステムの異常/正常を知ることができる。
【0064】
ステップS205における状態表示によって、ユーザが正常であることを認識して、再度ユーザがスタートSWを押圧してONにすると(ステップS206)、システムは洗浄工程を実行する(ステップS207)。この工程は、ステップS118と同様であるから、説明を省略する。なお、洗浄液の流出及び噴霧は、ユーザがスタートSWを押圧し続ける限り継続される。
【0065】
ステップS207において、規定の洗浄液の流出が終わると、洗浄液収容部17からの洗浄液の流出を停止するなど、ステップS119と同様の工程を実施する。ステップS207においては、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給は継続してON状態として、ミスト誘導ポンプによる送風を継続している(ステップS209)。
【0066】
次に、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給を停止してOFF状態として、ミスト誘導ポンプを停止する。また、LEDランプを消灯することによって、洗浄工程の終了を状態表示する(ステップS210)。以上で、洗浄工程が完了する。
【0067】
次に、手動モードで薬液工程を実行するためには、ユーザがスタートSWを押圧してONにすると(ステップS201)、それを検知した充電器15より各機構に電力が供給されてシステムが起動する。このとき、スタートSWの押圧回数及び押圧時間もカウントし、スタートSWを2秒以上押し続けることを条件に、以下の薬液工程に移行する。ここで、ステップS202〜S205の各工程は、前述した説明と同様である。
【0068】
ステップS205における状態表示によって、ユーザが正常であることを認識して、再度ユーザがスタートSWを押圧してONにすると(ステップS206)、システムは薬液工程を実行する(ステップS220)。この工程は、ステップS113と同様であるから、説明を省略する。なお、薬液の流出及び噴霧は、ユーザがスタートSWを押圧し続ける限り継続される。
【0069】
ステップS220において、規定の薬液の流出及び噴霧が終わると、薬液収容部18からの薬液の流出を停止するなど、ステップS114と同様の工程を実施する(ステップS221)。ユーザがスタートSWを押し続けることを止めて、スタートSWを離反すると、ミスト薬液の噴霧は停止し、自動的に洗浄工程を実行することとなる。このとき、LEDランプを低速点滅することによって、洗浄工程の開始を状態表示する(ステップS222)。
【0070】
洗浄工程においては、ステップS118〜S120における動作と同様に、ステップS223〜S225の一連の動作が実行され、その後、ミスト誘導ポンプ13への電力の供給を停止してOFF状態として、ミスト誘導ポンプを停止する。また、LEDランプを消灯することによって、洗浄工程の終了を状態表示する(ステップS226)。以上により、洗浄工程が完了する。
【0071】
本実施形態に示す自動モードによれば、薬液工程の前後に洗浄工程が実行されることから、システム内の流路を洗浄液で洗浄でき、衛生面を担保することができる。また、本実施形態に示す手動モードによれば、薬液工程の後に洗浄工程が実行されることから、衛生面を担保することができる。そのため、例えば、使用頻度が高くて1日に何度も患部に噴霧するユーザにとっては、手動モードによっても衛生面の担保は十分であり、また、使用頻度が低いユーザにとっては、自動モードによって、まず洗浄工程を実行した後に薬液工程を実行することで衛生面の担保は十分となる。
【0072】
また、本実施形態に示す手動モード及び自動モードのいずれでも、洗浄液の流出を停止して超音波端子に電力を供給しなくなった後においても、ミスト誘導ポンプ13によるエアーをシステム流路内に流入させて乾燥をしていることから、流路内に洗浄液が残留することを低減している。また、これは薬液の流路内への残留についても同様に低減している
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る携帯型ミスト発生装置及び薬液等のミストの噴霧方向を誘導するミスト誘導デヴアイスは、衛生的に薬液等の噴霧を行うことができ、ミスト薬液がより適切に患部に届きやすいものとして有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 携帯型ミスト発生装置
2,4 デヴアイス
3 カバー
5,6 ミスト誘導デヴアイス
11a 噴射ノズル
12 ミスト発生部
13 ミスト誘導ポンプ
14 ICチップ
15 充電器
16 ソレノイド
17 洗浄液収容部
17a 流出ノズル
18 薬液収容部
18a 流出ノズル
19 貯留部
19a 流出ノズル
20 スイッチ制御部
21 隙部
21a 押圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を収容する薬液収容部及び洗浄液を収容する洗浄液収容部から構成され、液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部から流出された液体を貯留する貯留部と、
前記貯留部から流出された液体を超音波振動によって霧状にするミスト発生部と、
霧状にした液体を噴射する噴射部と、
を備え、
ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【請求項2】
前記貯留部には、前記液体収容部からの液体の流出を制御する電磁バルブが設けられていることを特徴とする請求項1記載の、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【請求項3】
前記液体収容部に形成された凸状の開口部と前記貯留部の上部とは、着脱可能に嵌合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【請求項4】
前記噴射部は、前記ミスト発生部によって霧状にされた液体を噴射するとともに、前記液体収容部からの液体の流路内に気体を吹き付けて流路内を乾燥させることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【請求項5】
前記噴射部の噴射ノズル近傍には、前記システムに取り付け可能なミスト誘導デヴアイスを接合するための接合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の、ミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか記載のミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置に取り付けられ、先端は開口され、後端に前記システムの前記接合凹部と接合するための接合凸部が形成されていることを特徴とする、ミストを誘導するデヴアイスを有する携帯型ミスト発生装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか記載のミスト発生部と噴射部双方の洗浄を自動的に行うシステムを有する携帯型ミスト発生装置に取り付けられ、閉口された先端近傍には、円周方向の開口部が複数形成されていることを特徴とする、ミストを誘導するデヴアイスを有する携帯型ミスト発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−94329(P2013−94329A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238411(P2011−238411)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(595077050)
【出願人】(511264445)
【出願人】(511264456)
【出願人】(503133737)
【出願人】(511264467)
【出願人】(507345217)
【出願人】(511264478)
【出願人】(500158340)
【Fターム(参考)】