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ミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法
説明

ミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法

【課題】簡便なミゾリビン及び/又はリバビリンを測定する方法を提供する方法等を提供することを課題とした。
【解決手段】ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する反応を触媒し得る第一の酵素と該第一の反応とは別異の第二の反応を触媒し得る第二の酵素であり、その第二の反応は、ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応である該第二の反応を触媒し得る第二の酵素を用いて簡便なミゾリビン及び/又はリバビリンを測定する方法が提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミゾリビン及び/又はリバビリンを測定する方法、及びそのリン酸化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4−carbamoyl−1−β−D−ribofuranosylimidazolium−5−olate(5-Hydroxy-1-β-D-ribofuranosyl-1H-imidazole-4-carboxamideともいう、以下ミゾリビン(Mizoribine)と記載する場合がある)は、腎移植における拒絶反応の抑制等に有用性が認められ、既に市販されている免疫抑制剤である(特許文献1、2)。
また、ミゾリビンについては種々のメカニズムの研究が行われている(非特許文献1)。なお、従来のミゾリビンの測定方法としては、HPLC、LC/MS/MSによる測定方法が知られている(非特許文献2)。
【0003】
1−β−D−ribofuranosyl−1H−1,2,4−tri−azole−3−carboxamide(以下リバビリン(Ribavirin)と記載する場合がある)は、インターフェロンαとの併用によりC型慢性肝炎等の治療効果を向上させる、既に市販されている抗ウィルス薬である。従来のリバビリンの測定方法としては、HPLC、LC/MS/MSによる測定方法が知られている(非特許文献3、4)。
また、後述するが本件発明の第一の酵素の好ましい例として挙げられているBurkholderia thailandensis由来の蛋白質の情報としてその塩基配列やリボキナーゼかも知れない旨の開示がある(非特許文献5)。
【特許文献1】USP3888843
【特許文献2】USP5442051
【非特許文献1】Pediatr. Int., 44, 196-198, 2002年
【非特許文献2】J.Chromato.、222巻、156頁、1981年
【非特許文献3】Yeh L. T.ら、J.Chromatogr. Sci.、41巻、255頁、2003年
【非特許文献4】Yeh L. T.ら、J. Pharm. Biomed. Anal.、43巻、1057頁、2007年
【非特許文献5】BMC Genomics 6, 174-187, 2005年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
簡便なミゾリビン及び/又はリバビリンを測定する方法を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ミゾリビン及び/又はリバビリンを効率的にリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素を新たに見出し、ミゾリビン及び/又はリバビリンのリン酸化方法を完成した。更に、該第一の酵素を用いるミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法を完成するに至った。すなわち、この第一の酵素に加えて、該第一の反応とは別異の第二の反応であって、ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応である該第二の反応を触媒し得る第二の酵素を利用したミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法、及びその組成物を創出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下に関する。
[0]下記(1)の工程を含むミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
(1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を含む工程。
[1]下記(1)、(2)及び(3)の各工程を含む[0]に記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
(1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を含む工程、
(2)上記第一の反応とは別異の反応であって以下<a>〜<c>のいずれかの第二の反応を触媒し得る第二の酵素の存在下、第二の反応を進行させるに際して、上記第一の反応の結果生じた該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンと第二の酵素を接触させて該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの存在量に応じて第二の反応が阻害される工程、
<a>ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応
<b>リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応
<c>ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応
(3)第二の反応の阻害程度を検出する工程。
[1−1]下記(1)、(2)及び(3)の各工程を含む[0]または[1]に記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
(1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を含む工程、
(2)上記第一の反応とは別異の反応であって、ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される第二の反応を進行させるに際して、上記第一の反応の結果生じた該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンと第二の酵素を接触させて該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの存在量に応じて第二の反応が阻害される工程、
(3)第二の反応の阻害程度を検出する工程。
[1−1−1]上述の(2)工程が、以下である[1−1]に記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
(2)上記第一の反応とは別異の反応であって、以下<a>〜<c>のいずれかの第二の反応を触媒し得る第二の酵素、
<a>ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応
<b>リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応
<c>ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応。
[1−2]第一の酵素が、〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、又は、〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、のいずれかの酵素である[0]、[1]〜[1−1]のいずれかに記載の測定方法。
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;または、
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[1−3]第一の酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素である[0]、[1]〜[1−2]のいずれかに記載の測定方法。
[1−4]第一の酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、のいずれかの酵素である[0]、[1]〜[1−3]のいずれかに記載の測定方法。
[1−5]第一の酵素をコードする塩基配列が、配列表配列番号2で表される塩基配列である[0]、[1]〜[1−4]のいずれかに記載の測定方法。
[1−6]第一の酵素が、下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素である[0]、[1]〜[1−5]のいずれかに記載の測定方法。
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;または、
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[1−7]該リン酸供与体が、ATPである[1−6]に記載の測定方法。
[1−8]第一の酵素が、Burkholderia属由来である[0]、[1]〜[1−7]のいずれかに記載の測定方法。
[1−9]第一の酵素が、Burkholderia thailandensis由来である[0]、[1]〜[1−8]のいずれかに記載の測定方法。
[1−10]第一の酵素が、Burkholderia thailandensis DSM13276株由来である[0]、[1]〜[1−9]のいずれかに記載の測定方法。
[1−11]第一の酵素の、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、約34kDaである[0]、[1]〜[1−10]のいずれかに記載の測定方法。
[1−12]第二の酵素が、リン酸化ミゾリビンで阻害される、リン酸化リバビリンで阻害される、又はリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される酵素である[0]、[1]〜[1−11]のいずれかに記載の測定方法。
[1−13]第二の酵素が、リン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される酵素である[0]、[1]〜[1−12]のいずれかに記載の測定方法。
[1−14]第二の酵素が、イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼである[0]、[1]〜[1−13]のいずれかに記載の測定方法。
[1−15]第二の酵素が、《1》配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列からなり、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素、《2》配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号11のアミノ酸配列及び配列表配列番号12のアミノ酸配列を含む、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素、又は、《3》下記の<i>〜<v>の理化学的性質を有する酵素、のいずれかの酵素である[0]、[1]〜[1−14]のいずれかに記載の測定方法。
<i>作用
NAD(P)類とイノシン5’一リン酸に作用して、NAD(P)H類とキサントシン5’一リン酸を生ずる反応を触媒する;
<ii>至適pH
pH8〜9;
<iii>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜11の範囲で70%以上の活性を保持する;
<iv>熱安定性
1mM DTTを含む50mMリン酸カリウム緩衝液pH7の水溶液中、60℃、30分間の熱処理で85%以上の活性を保持する;
<v>阻害作用
少なくとも、リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで作用が阻害される;
[1−16]第二の酵素が、更に、下記の<vi>の理化学的性質を有する酵素である[0]、[1]〜[1−15]のいずれかに記載の測定方法。
<vi>分子量
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、52〜54kDa;
[1−17]第二の酵素が、配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列からなり、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素である[0]、[1]〜[1−16]のいずれかに記載の測定方法。
[1−18]第二の酵素が、配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号11のアミノ酸配列及び配列表配列番号12のアミノ酸配列を含む、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素である[0]、[1]〜[1−17]のいずれかに記載の測定方法。
[1−19]第二の酵素をコードする塩基配列が、配列表配列番号8又は配列表配列番号10で表される塩基配列である[0]、[1]〜[1−18]のいずれかに記載の測定方法。
[1−20]第二の酵素が、下記の<i>〜<v>の理化学的性質を有する酵素である[0]、[1]〜[1−19]のいずれかに記載の測定方法。
<i>作用
NAD(P)類とイノシン5’一リン酸に作用して、NAD(P)H類とキサントシン5’一リン酸を生ずる反応を触媒する;
<ii>至適pH
pH8〜9;
<iii>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜11の範囲で70%以上の活性を保持する;
<iv>熱安定性
1mM DTTを含む50mMリン酸カリウム緩衝液pH7の水溶液中、60℃、30分間の熱処理で85%以上の活性を保持する;
<v>阻害作用
少なくとも、リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで作用が阻害される;
[1−21]第二の酵素が、更に、下記の<vi>の理化学的性質を有する酵素である[0]、[1]〜[1−20]のいずれかに記載の測定方法。
<vi>分子量
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、52〜54kDa;
[1−22]第二の酵素が、Bacillus属又はOceanobacillus属由来である[0]、[1]〜[1−21]のいずれかに記載の測定方法。
[1−23]第二の酵素が、Bacillus subtilis又はOceanobacillus iheyensis由来である[0]、[1]〜[1−22]のいずれかに記載の測定方法。
[1−24]第二の酵素が、Bacillus subtilis ATCC23857株又はOceanobacillus iheyensis DSM14731株由来である[0]、[1]〜[1−23]のいずれかに記載の測定方法。
[1−25](1)の工程が、更に、リン酸供与体を含む工程である[0]、[1]〜[1−24]のいずれかに記載の測定方法。
[1−26](1)の工程が、更に、金属イオンを含む工程である[0]、[1]〜[1−25]のいずれかに記載の測定方法。
[1−27]該リン酸供与体がATPである[1−26]に記載の測定方法。
[1−28]金属イオンがマグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン及びマンガンイオンのうち、いずれか1つ以上である[1−27]に記載の測定方法。
[1−29](2)の工程が、更に、イノシン5’一リン酸を含む工程である[0]、[1]〜[1−28]のいずれかに記載の測定方法。
[1−30](2)の工程が、更に、NAD(P)類を含む工程である[0]、[1]〜[1−29]のいずれかに記載の測定方法。
[1−31]該リン酸化ミゾリビンとリン酸化リバビリンが、モノリン酸化ミゾリビンとモノリン酸化リバビリンである[0]、[1]〜[1−30]のいずれかに記載の測定方法。
[1−32](3)の工程における阻害程度の検出が、第二の酵素の反応速度を測定する工程である[0]、[1]〜[1−31]のいずれかに記載の測定方法。
[1−33](3)の工程における阻害程度の検出が、NAD(P)類の変化量を測定する工程である[0]、[1]〜[1−32]のいずれかに記載の測定方法。
[1−34](3)の工程における阻害程度の検出が、工程(1)及び(2)で処理した後の既知量のミゾリビン及び/又はリバビリンと、測定対象の変化量を検出して比較し、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンを定量する工程である[0]、[1]〜[1−33]のいずれかに記載の測定方法。
[2]下記(1)、(2)及び(3)の各工程を含むミゾリビンの測定方法。
(1)ミゾリビンをリン酸化し得る酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビンをリン酸化する第一の反応を含む工程、
(2)上記第一の反応とは別異の反応であって、ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応である該第二の反応を触媒し得る第二の酵素の存在下、第二の反応を進行させるに際して、上記第一の反応の結果生じた該リン酸化ミゾリビンと第二の酵素を接触させて該リン酸化ミゾリビンの存在量に応じて第二の反応が阻害される工程、
(3)第二の反応の阻害程度を検出する工程。
[2−1]上記[0]、[1]〜[1−34]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[2]に記載のミゾリビンの測定方法。
[3]下記(1)、(2)及び(3)の各工程を含むリバビリンの測定方法。
(1)リバビリンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるリバビリンをリン酸化する第一の反応を含む工程、
(2)上記第一の反応とは別異の反応であって、リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応である該第二の反応を触媒し得る第二の酵素の存在下、第二の反応を進行させるに際して、上記第一の反応の結果生じた該リン酸化リバビリンと第二の酵素を接触させて該リン酸化リバビリンの存在量に応じて第二の反応が阻害せしめられる工程、
(3)第二の反応の阻害程度を検出する工程。
[3−1]上記[0]、[1]〜[1−34]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[3]に記載のリバビリンの測定方法。
[4]下記(a)〜(c)の各工程を含むミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
(a)下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素と、ATPの存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとADPとする反応Iを含む工程、
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともATP存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとADPとする反応を触媒する;または、
少なくともATP存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
(b)上記反応Iとは別異の反応II又は複数の反応IIを触媒する酵素B又は複数の酵素Bの存在下、上記反応Iにより生ずるADPの量に応じて反応IIにより生じる測定対象の変化を生じさせる工程、
(c)該測定対象の変化量を検出し、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンの量を測定する工程、
[4−1]該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンが、モノリン酸化ミゾリビン及び/又はモノリン酸化リバビリンである[4]に記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−2](a)工程における該酵素が、配列表配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる酵素である[4]〜[4−1]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−3](a)工程における該酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列における1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなる酵素である[4]〜[4−2]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−4](a)工程における該酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素である[4]〜[4−3]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−5](a)工程における該酵素が、下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素である[4]〜[4−4]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
<1>作用
少なくともATP存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとADPとする反応を触媒する;または、
少なくともATP存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[4−6](a)工程における該酵素が、Burkholderia thailandensis由来である[4]〜[4−5]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−7](a)工程における該酵素が、Burkholderia thailandensis DSM13276株由来である[4]〜[4−6]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−8](a)工程における該酵素が、少なくともマグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン又はマンガンイオンを利用する[4]〜[4−7]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−9](b)工程において、(b−1)ADP依存性ヘキソキナーゼの存在下、該反応IIがグルコースとADPをグルコース−6−リン酸とAMPとする反応と、(b−2)グルコース−6−リン酸脱水素酵素の存在下、NAD(P)類及び前記反応により生ずるグルコース−6−リン酸を、NAD(P)H類とグルクノラクトン−6−リン酸とする反応を含み、上記反応Iにより生ずるADPの量に応じてNAD(P)H類が増加しており、(c)工程において、NAD(P)H類の増加量を検出する工程、である[4]〜[4−8]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−10](b)工程において、(b−1)ピルビン酸キナーゼの存在下、ADPとホスソエノールピルビン酸(本明細書ではPEPと記載する場合がある)をATPとピルビン酸に変化させる反応と、(b−2)乳酸脱水素酵素の存在下、NAD(P)H類及び前記の反応により生ずるピルビン酸を、NAD(P)類と乳酸とする反応を含み、上記反応Iにより生ずるADPの量に応じてNAD(P)H類が減少しており、(c)工程において、NAD(P)H類の減少量を検出する工程、である[4]〜[4−9]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−11](b)工程において、(b−1)ピルビン酸キナーゼの存在下、ADPとPEPをピルビン酸とATPに変化させる反応と、(b−2)ピルビン酸オキシダーゼの存在下、酸素、リン酸及び前記の反応により生ずるピルビン酸を、過酸化水素とアセチルリン酸とする反応を含み、上記反応Iにより生ずるADPの量に応じて過酸化水素が増加しており、(c)工程において、過酸化水素の量を過酸化水素指示薬等で検出する工程、である[4]〜[4−10]のいずれかに記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−12](c)工程における変化量の検出が、工程(a)及び(b)で処理した後の既知量の該ミゾリビン及び/又はリバビリンと、測定対象の変化量を検出して比較し、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンを定量する工程である[4]〜[4−11]のいずれかのミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[4−13]該酵素の、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、約34kDaである[4]〜[4−12]のいずれかのミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
[5]下記(a)〜(c)の各工程を含むミゾリビンの測定方法。
(a)下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素と、ATPの存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとADPとする反応Iを含む工程、
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともATP存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとADPとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
(b)上記反応Iとは別異の反応II又は複数の反応IIを触媒する酵素B又は複数の酵素Bの存在下、上記反応Iにより生ずるADPの量に応じて反応IIにより生じる測定対象の変化を生じさせる工程、
(c)該測定対象の変化量を検出し、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビンの量を測定する工程、
[5−1]上記[4]〜[4−13]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[5]に記載の測定方法。
[6]下記(a)〜(c)の各工程を含むリバビリンの測定方法。
(a)下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素と、ATPの存在下、試料中に含まれている可能性のあるリバビリンをリン酸化リバビリンとADPとする反応Iを含む工程、
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、リバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、リバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともATP存在下で、リバビリンをリン酸化リバビリンとADPとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
(b)上記反応Iとは別異の反応II又は複数の反応IIを触媒する酵素B又は複数の酵素Bの存在下、上記反応Iにより生ずるADPの量に応じて反応IIにより生じる測定対象の変化を生じさせる工程、
(c)該測定対象の変化量を検出し、試料中に含まれている可能性のあるリバビリンの量を測定する工程、
[6−1]上記[4]〜[4−13]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[6]に記載の測定方法。
[7]下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、ミゾリビン及び/又はリバビリンのリン酸化方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;または、
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[7−1]該リン酸供与体がATPである[7]に記載のリン酸化方法。
[7−2]該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンが、モノリン酸化ミゾリビン及び/又はモノリン酸化リバビリンである、[7]〜[7−1]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[7−3]ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が約34kDaである、[7]〜[7−2]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[7−4]配列表配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる酵素を用いる、[7]〜[7−3]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[7−5]配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素を用いる、[7]〜[7−4]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[7−6]該酵素をコードする塩基配列が、配列表配列番号2で表される塩基配列である[7]〜[7−5]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[7−7]下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素を用いる、[7]〜[7−6]のいずれかに記載のリン酸化方法。
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[7−8]該リン酸供与体が、ATPである[7−7]に記載のリン酸化方法。
[7−9]該蛋白質の、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、約34kDaである[7]〜[7−8]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[7−10]該酵素が、Burkholderia属由来である[7]〜[7−9]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[7−11]該酵素が、Burkholderia thailandensis由来である[7]〜[7−10]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[7−12]該酵素が、Burkholderia thailandensis DSM13276株由来である[7]〜[7−11]のいずれかに記載のリン酸化方法。
[8]下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、ミゾリビンのリン酸化方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[8−1]上記[7]〜[7−12]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[8]に記載のミゾリビンのリン酸化方法。
[9]下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、リバビリンのリン酸化方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、リバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、リバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、リバビリンをリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[9−1]上記[7]〜[7−12]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[9]に記載のリバビリンのリン酸化方法。
[10]下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとするリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの製造方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;または、
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[10−1]上記[7]〜[7−12]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[10]に記載の製造方法。
[11]下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとするリン酸化ミゾリビンの製造方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[11−1]上記[7]〜[7−12]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[11]に記載の製造方法。
[12]下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、リバビリンをリン酸化リバビリンとするリン酸化リバビリンの製造方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、リバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、リバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、リバビリンをリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[12−1]上記[7]〜[7−12]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[12]に記載の製造方法。
[13]下記の成分を含む組成物。
(A1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4−1)上記第一の反応とは別異の反応であって以下<a>〜<c>のいずれかの第二の反応を触媒し得る第二の酵素、
<a>ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応
<b>リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応
<c>ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
[13−0−1]ミゾリビン及び/又はリバビリン測定用である[13]に記載の組成物。
[13−0−2]下記の(A)と(B)を含むミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物。
(A)少なくとも以下の(A1)〜(A4)を含む第1の試薬。
(A1)有効量のミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4)第一の反応とは別異の第二の反応を触媒し有効量のリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで阻害される第二の酵素、イノシン5’一リン酸及びNAD(P)類のうちいずれか1つ又は2つの成分
(B)少なくとも有効量のリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで阻害される第二の酵素、イノシン5’一リン酸、及びNAD(P)類のうち、第1の試薬には含まれない成分を含む第2の試薬。
[13−0−3]下記の成分を含むミゾリビン測定用の組成物である[13]に記載の組成物。
(A1)ミゾリビンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4−1)上記第一の反応とは別異の第二の反応を触媒し、ミゾリビンには阻害されず、リン酸化ミゾリビンで阻害される第二の酵素
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び、
(A4−3)NAD(P)類。
[13−0−4]下記の成分を含むリバビリン測定用の組成物である[13]に記載の組成物。
(A1)リバビリンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4−1)上記第一の反応とは別異の第二の反応を触媒し、リバビリンには阻害されず、リン酸化リバビリンで阻害される第二の酵素
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
[13−0−5]下記の成分を含むリン酸化ミゾリビン測定用の組成物である[13]に記載の組成物。
(A4−1)上記第一の反応とは別異の第二の反応を触媒し、リン酸化ミゾリビンで阻害される第二の酵素
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び、
(A4−3)NAD(P)類。
[13−0−6]下記の成分を含むリン酸化リバビリン測定用の組成物である[13]に記載の組成物。
(A4−1)上記第一の反応とは別異の第二の反応を触媒し、リン酸化リバビリンで阻害される第二の酵素
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
[13−0−7]該測定用の組成物において、下記の3成分のうち、いずれかひとつ以上が測定直前に合一される[13]〜[13−0−6]のいずれかに記載の組成物。
(A4−1)第二の酵素、
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
[13−1]該リン酸供与体がATPである[13]に記載の組成物。
[13−2]金属イオンがマグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン及びマンガンイオンのうちいずれか1つ以上である[13]〜[13−1]に記載の組成物。
[13−3]下記の(A)と(B)を含むミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物。
(A)少なくとも以下の(A1)〜(A4)を含む第1の試薬。
(A1)有効量のミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4)有効量のリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで阻害される第二の酵素、及びNAD(P)類を含む第1の試薬
(B)少なくとも有効量のイノシン5’一リン酸を含む第2の試薬。
[13−4]該リン酸供与体がATPである[13−3]に記載の組成物。
[13−5]金属イオンがマグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン及びマンガンイオンのうちいずれか1つ以上である[13−3]〜[13−4]のいずれに記載の組成物。
[13−6]更に下記(C)を含む[13]〜[13−5]のいずれかに記載の組成物。
(C)少なくとも既知量のミゾリビン及び/又はリバビリンを含むキャリブレーション試薬。
[13−7]第一の酵素が、〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなる酵素、〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む酵素、又は、〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、のいずれかである[13]〜[13−6]のいずれかに記載の組成物。
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;または、
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[13−8]第一の酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列からなる酵素である[13]〜[13−7]のいずれかに記載の組成物。
[13−9]第一の酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む酵素である[13]〜[13−8]のいずれかに記載の組成物。
[13−10]第一の酵素をコードする塩基配列が、配列表配列番号2で表される塩基配列である[13]〜[13−9]のいずれかに記載の組成物。
[13−11]第一の酵素が下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素である、[13]〜[13−10]のいずれかに記載の組成物。
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;または、
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[13−12]該リン酸供与体が、ATPである[13−11]に記載の組成物。
[13−13]該リン酸化ミゾリビンとリン酸化リバビリンが、モノリン酸化ミゾリビンとモノリン酸化リバビリンである[13−11]〜[13−12]のいずれかに記載の組成物。
[13−14]第一の酵素が、Burkholderia属由来である[13]〜[13−13]のいずれかに記載の組成物。
[13−15]第一の酵素が、Burkholderia thailandensis由来である[13]〜[13−14]のいずれかに記載の組成物。
[13−16]第一の酵素が、Burkholderia thailandensis DSM13276株由来である[13]〜[13−15]のいずれかに記載の組成物。
[13−17]第二の酵素が、リン酸化ミゾリビンで阻害される、リン酸化リバビリンで阻害される、又はリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される酵素である[13]〜[13−16]のいずれかに記載の組成物。
[13−18]第二の酵素が、リン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される酵素である[13]〜[13−17]のいずれかに記載の組成物。
[13−19]第二の酵素が、イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼである[13]〜[13−18]のいずれかに記載の組成物。
[13−20]第二の酵素が、《1》配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列からなり、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素、《2》配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号11のアミノ酸配列及び配列表配列番号12のアミノ酸配列を含む、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素、又は、《3》下記の<i>〜<v>の理化学的性質を有する酵素、のいずれかの酵素である[13]〜[13−19]のいずれかに記載の組成物。
<i>作用
NAD(P)類とイノシン5’一リン酸に作用して、NAD(P)H類とキサントシン5’一リン酸を生ずる反応を触媒する;
<ii>至適pH
pH8〜9;
<iii>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜11の範囲で70%以上の活性を保持する;
<iv>熱安定性
1mM DTTを含む50mMリン酸カリウム緩衝液pH7の水溶液中、60℃、30分間の熱処理で85%以上の活性を保持する;
<v>阻害作用
少なくとも、リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで作用が阻害される;
[13−21]第二の酵素が、更に、下記の<vi>の理化学的性質を有する酵素である[13]〜[13−20]のいずれかに記載の組成物。
<vi>分子量
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、52〜54kDa;
[13−22]第二の酵素が、配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列からなり、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素である[13]〜[13−21]のいずれかに記載の組成物。
[13−23]第二の酵素が、配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号11のアミノ酸配列及び配列表配列番号12のアミノ酸配列を含む、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素である[13]〜[13−22]のいずれかに記載の組成物。
[13−24]第二の酵素をコードする塩基配列が、配列表配列番号8又は配列表配列番号10で表される塩基配列である[13]〜[13−23]のいずれかに記載の組成物。
[13−25]第二の酵素が、下記の<i>〜<v>の理化学的性質を有する酵素である[13]〜[13−24]のいずれかに記載の組成物。
<i>作用
NAD(P)類とイノシン5’一リン酸に作用して、NAD(P)H類とキサントシン5’一リン酸を生ずる反応を触媒する;
<ii>至適pH
pH8〜9;
<iii>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜11の範囲で70%以上の活性を保持する;
<iv>熱安定性
1mM DTTを含む50mMリン酸カリウム緩衝液pH7の水溶液中、60℃、30分間の熱処理で85%以上の活性を保持する;
<v>阻害作用
少なくとも、リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで作用が阻害される;
[13−26]第二の酵素が、更に、下記の<vi>の理化学的性質を有する酵素である[13]〜[13−25]のいずれかに記載の組成物。
<vi>分子量
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、52〜54kDa;
[13−27]第二の酵素が、Bacillus属又はOceanobacillus属由来である[13]〜[13−26]のいずれかに記載の組成物。
[13−28]第二の酵素が、Bacillus subtilis又はOceanobacillus iheyensis由来である[13]〜[13−27]のいずれかに記載の組成物。
[13−29]第二の酵素が、Bacillus subtilis ATCC23857株又はOceanobacillus iheyensis DSM14731株由来である[13]〜[13−28]のいずれかに記載の組成物。
[14]以下の〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素の製造方法であって、
該酵素をコードする塩基配列に基づき該酵素を形成する工程と、該酵素を取得する工程を含む該酵素の製造方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素。
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;または、
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[14−1]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を含む細胞を用いることを含む[14]に記載の製造方法。
[14−2]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体を用いることを含む[14]〜[14−1]のいずれかに記載の製造方法。
[14−3]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を有する微生物を用いることを含む[14]〜[14−2]のいずれかに記載の製造方法。
[15]該酵素を形成させる工程が、Burkholderia属に属し、且つ、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒し得る酵素を産生する微生物を用いることを含む[14]〜[14−3]のいずれかに記載の製造方法。
[15−1]該酵素を形成させる工程が、Burkholderia thailandensisを用いることを含む[14]〜[15]のいずれかに記載の製造方法。
[15−2]該酵素を形成させる工程が、Burkholderia thailandensis DSM13276株を用いることを含む[14]〜[15−1]のいずれかに記載の製造方法。
[16]該酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素である[14]〜[15−2]のいずれかに記載の製造方法。
[16−1]該酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列における1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素である[14]〜[16]のいずれかに記載の製造方法。
[16−2]該酵素が、配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素である[14]〜[16−1]のいずれかに記載の製造方法。
[17]該酵素をコードする塩基配列に基づき、該酵素を形成する工程において形成された該酵素を取得するに際して、酵素を精製し取得する工程をさらに含む[14]〜[16−2]のいずれかに記載の製造方法。
[17−1]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を含む細胞を用いることを含む[14]〜[17]のいずれかに記載の製造方法。
[17−2]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体を用いることを含む[14]〜[17−1]のいずれかに記載の製造方法。
[18]該酵素をコードする塩基配列が、配列表配列番号2で表される塩基配列である[14]〜[17−2]のいずれかに記載の製造方法。
[21]該酵素が下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素である、[14]〜[18]のいずれかに記載の製造方法。
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;または、
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
[19−1]該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンがモノリン酸化ミゾリビン及び/又はモノリン酸化リバビリンである[19]に記載の製造方法。
[19−2]該リン酸供与体が、ATPである[19]〜[19−1]のいずれかに記載の製造方法。
[19−3]該酵素の、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、約34kDaである[14]〜[19−2]のいずれかに記載の製造方法。
[20]以下の《1》〜《3》のいずれかの酵素の製造方法であって、該酵素をコードする塩基配列に基づき該酵素を形成する工程と、該酵素を取得する工程を含む該酵素の製造方法。
《1》配列表配列番号9のアミノ酸配列からなり、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素、
《2》配列表配列番号9のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号11のアミノ酸配列及び配列表配列番号12のアミノ酸配列を含む、イノシン5’一リン酸を酸化し得る酵素、
《3》下記の<i>〜<v>の理化学的性質を有する酵素、
<i>作用
NAD(P)類とイノシン5’一リン酸に作用して、NAD(P)H類とキサントシン5’一リン酸を生ずる反応を触媒する;
<ii>至適pH
pH8〜9;
<iii>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜11の範囲で70%以上の活性を保持する;
<iv>熱安定性
1mM DTTを含む50mMリン酸カリウム緩衝液pH7の水溶液中、60℃、30分間の熱処理で85%以上の活性を保持する;
<v>阻害作用
少なくとも、リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで作用が阻害される;
[20−1]《3》に規定する酵素が、更に、下記の<vi>の理化学的性質を有する酵素である[20]に記載の製造方法。
<vi>分子量
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、52〜54kDa;
[20−2]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を含む細胞を用いることを含む[20]〜[20−1]のいずれかに記載の製造方法。
[20−3]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体を用いることを含む[20]〜[20−2]のいずれかに記載の製造方法。
[20−4]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を有する微生物を用いることを含む[20]〜[20−3]のいずれかに記載の製造方法。
[20−5]該酵素を形成させる工程が、Oceanobacillus属に属する微生物を用いることを含む[20]〜[20−4]のいずれかに記載の製造方法。
[20−6]該酵素を形成させる工程が、Oceanobacillus iheyensis株を用いることを含む[20]〜[20−5]のいずれかに記載の製造方法。
[20−7]該酵素を形成させる工程が、Oceanobacillus iheyensis DSM14731株を用いることを含む[20]〜[20−6]のいずれかに記載の製造方法。
[20−8]該酵素をコードする塩基配列に基づき、該酵素を形成させる工程において形成された該酵素を取得するに際して、精製し取得する[20]〜[20−7]のいずれかに記載の製造方法。
[20−9]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を含む細胞を用いて、その細胞を用いることを含む[20]〜[20−8]のいずれかに記載の製造方法。
[20−10]該酵素を形成させる工程が、該酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体を用いることを含む[20]〜[20−9]のいずれかに記載の製造方法。
[21]該酵素をコードする塩基配列が、配列表配列番号10で表される塩基配列である[20]〜[20−10]のいずれかに記載の製造方法。
[22]下記『1』及び『2』の各工程を含むリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの測定方法。
『1』以下<A>〜<C>のいずれかの第二の反応を触媒し得る第二の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンと第二の酵素を接触させて該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの存在量に応じて第二の反応が阻害される工程、
<A>試料中に含まれている可能性のあるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応
<B>試料中に含まれている可能性のあるリン酸化リバビリンで阻害される反応
<C>試料中に含まれている可能性のあるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応
『2』第二の反応の阻害程度を検出する工程。
[22−1]第二の酵素が、上記[1−12]〜[1−22]に記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[22]に記載の測定方法。
[22−2]『1』の工程が、上記[1−29]〜[1−30]のいずれかに記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[22]〜[22−1]に記載の測定方法。
[22−3]該リン酸化ミゾリビンとリン酸化リバビリンが、モノリン酸化ミゾリビンとモノリン酸化リバビリンである上記[22]〜[22−2]に記載の測定方法。
[22−4]『2』の工程における阻害程度の検出が、上記[1−32]〜[1−33]いずれかに記載の少なくともいずれか1つの特徴を有する上記[22]〜[22−3]に記載の測定方法。
[22−5]『2』の工程における阻害程度の検出が、既知量のリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンと、測定対象の変化量を検出して比較し、試料中に含まれている可能性のあるリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンを定量する工程である[22]〜[22−4]のいずれかに記載の測定方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、少なくとも、簡便なミゾリビン及び/又はリバビリンを測定する方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は下記(1)の工程を含むミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法である。(1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を含む工程。
本発明のミゾリビン又はリバビリンは、公知のミゾリビン又はリバビリン(CAS Number 50924−49−7又は36791−04−5)を含み、由来、剤型、結晶型、添加物、商品名等により限定されない。
本発明のリン酸化ミゾリビン又はリン酸化リバビリンは、ミゾリビン又はリバビリンにリン酸基が結合した物質である。リン酸基の数は1、2、又は3であっても良いが、1、すなわち、モノリン酸化ミゾリビン又はモノリン酸化リバビリンが好ましい。リン酸化され得る部位は特に限定されず、その糖部分、すなわちリボース部分の任意の水酸基であって良く、それには1’位、2’位、又は5’位が挙げられ、場合によってはリングを形成しても良いが、例えばモノリン酸化ミゾリビン又はモノリン酸化リバビリンの場合は、5’位が好ましい。すなわち、該モノリン酸化ミゾリビン又はモノリン酸化リバビリンは、ミゾリビン5’一リン酸又はリバビリン5’一リン酸が好ましい。
【0009】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素は、上記理化学的性質のうち<1>作用の性質を有する酵素を含む。本明細書では、上記第一の反応を含む、該ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素を第一の酵素と記載する場合がある。本発明の測定方法の工程(1)には、該第一の酵素を存在させる事ができ、その理化学的性質はミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素であれば良く、酵素名、EC番号、又は製造方法等により限定されない。該第一の酵素としては、上記の<1>〜<4>の理化学的性質や本願明細書に記載された該第一の酵素の性質のいずれかを有する酵素であれば好ましい。すなわち、上記の<1>〜<4>の理化学的性質のうち、<1>作用と<2>基質特異性を有すれば好ましく、その他の性質の有無は特に限定されないが、上記の<1>〜<4>の理化学的性質や本願明細書に記載された該第一の酵素の性質のうち、任意の1つ又は2つ以上を備えていることも好ましい。本発明の第一の酵素においては、本願明細書に記載された該第一の酵素の性質のその他の理化学的性質や物性等を採用する事も出来る。
本発明の第一の酵素は、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素であれば特に限定されず、少なくとも測定する対象物をリン酸化する酵素を選択すればよい。例えば、ミゾリビン及びリバビリンをリン酸化し得る酵素、又は、ミゾリビン又はリバビリンのどちらか一方をリン酸化し得る酵素が挙げられる。すなわち本発明の第一の酵素には、ミゾリビン及びリバビリンを等しくリン酸化し得る酵素、ミゾリビン及びリバビリンをリン酸化し得るがミゾリビン又はリバビリンのどちらか一方をより効率的にリン酸化し得る酵素、ミゾリビン又はリバビリンのどちらか一方のみを選択的にリン酸化し得る酵素が含まれる。
【0010】
本発明の第一の酵素は、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素であれば由来は限定されず、例えば天然の生物由来であっても良いが、培養等が容易で酵素の取得が容易となる点で、微生物由来である酵素が好ましい。好ましい微生物由来の本発明の第一の酵素としては、例えばBurkholderia属やその近縁のXanthomonas属等、好ましくはBurkholderia thailandensis、最も好ましくは、Burkholderia thailandensis DSM13276株由来の各酵素が例示される。該菌株は後述の菌株バンクで購入できるし、他の菌株バンクで購入できる該菌株との同等株や、Epidemiol.Infect.、118巻137−148頁、1995年に記載の方法で分離した同等株を用いて、本発明の酵素の各性質を有する酵素を生産し得ることを確認して、本発明の測定方法に使用することもできる。
さらに、本発明の第一の酵素としては、アデノシンキナーゼやホスホフルクトキナーゼ−Bを含むヌクレオシドキナーゼ、またはホスファターゼ等も利用可能である。微生物由来の本発明の第一の酵素としては、大腸菌由来のグアノシンイノシンキナーゼ、Methanocaldococcus jannaschii由来のホスホフルクトキナーゼ−B、Archaeoglobus fulgidus由来のホスホフルクトキナーゼ−Bと予想されるタンパク質が挙げられる。その他の微生物由来の本発明の第一の酵素としては、パン酵母やマイコバクテリウム由来のミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得るアデノシンキナーゼが挙げられる。また、入手が困難であり必ずしも効率が高いとは言えないものの、哺乳類由来の酵素であっても良く、例えば、ヒト由来のアデノシンキナーゼやマウス、ラット、ウサギなどの、公知のアデノシンキナーゼが挙げられる。
【0011】
本発明の第一の酵素は、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素であればアミノ酸配列は限定されず、例えば配列表配列番号1のアミノ酸配列の場合は、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列であっても良い。該アミノ酸配列は、配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む配列が好ましく(但し、配列表配列番号5及び6中、Xaaは任意のアミノ酸を示す)、最も好ましくは配列表配列番号1のアミノ酸配列である。配列表配列番号1のアミノ酸配列におけるアミノ酸の欠失、置換もしくは付加の例としては、第一の酵素のN末端側及び/又はC末端側にチオレドキシン酵素等機能性酵素やその他のアミノ酸配列からなる部分を付加する例が挙げられ、融合蛋白質とすることも好ましく、その付加する部分により精製や確認等をすることのできるタグと呼ばれる部分を融合させ、場合によっては、そのタグ部分を削除しても、場合によってはその全部又は一部が残る場合も例示される。例えば、第一の酵素を菌体外やペリプラズムへ輸送する為の約20個のシグナルペプチドや、効率的な精製を行う為の5〜10個のHisの付加でも良いし、それらを直列して付加しても良い。又、それらのアミノ酸配列の間等に数個のプロテアーゼ認識アミノ酸配列を配置して付加することもできる。上述の付加の例と同様に、欠失、又は置換を行うことができ、例えば、本発明の第一の酵素の本質的な機能とは無関係の数個のアミノ酸からなるドメインが存在する場合や、配列表配列番号1のアミノ酸配列中の複数個のアミノ酸からなるギャップが存在する場合、それらの欠失を組み合わせることもできる。又、欠失、置換もしくは付加を適宜組み合わせることも可能である。このようなアミノ酸配列としては、RREFGGCA(G、A、又はT)NI(A、又はG)(Y、又はF)(A、S、T、又はN)L、及びDPTG(C、A、V、又はI)GDA(F、Y、W、又はH)R(G、A、又はS)Gの配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素であれば更に好ましい。更に、配列表配列番号1のアミノ酸配列において、その配列表配列番号1のアミノ酸配列のN末端側、及びC末端側は、アミノ酸残基又はポリペプチド残基を含む、すなわち付加していても良く、その付加アミノ酸残基としてはシグナルペプチド、TEE配列、Sタグ、又はHisタグ等が挙げられる。配列表配列番号1のアミノ酸を欠失する場合は、例えば、N末端側又はC末端側から順に削除する例が挙げられる。配列表配列番号1のアミノ酸配列において、N末端のMetの欠失や、N末端がアシル基やアルキル基等による修飾を受ける等の翻訳後修飾された酵素も本発明の第一の酵素である。又、第一の酵素を公知の方法で無水コハク酸やPEG等により化学修飾して、第一の酵素の至適pHや安定性等の性質を利用しやすいように変化させることも可能である。上記の場合、第一の酵素の分子量は変化する場合があり、例えば、後述のpTip QC1やpTip QC2を利用してN末端にHisタグを付加すると分子量が約1,000大きくなる。本発明の第一の酵素のアミノ酸配列の二次構造、三次構造、及び四次構造は、特に限定されない。
【0012】
本発明の第一の酵素の塩基配列は、本発明の第一の酵素をコードする塩基配列であれば特に限定されないが、例えば配列表配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩基配列の場合、配列表配列番号1と実質的に均等なアミノ酸配列をコードする塩基配列であっても良く、例えば配列表配列番号1のアミノ酸配列のうち、上記第一の反応の触媒作用に関与しない一部のアミノ酸を変異させたもの、例えば1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列の均等物をコードする塩基配列であっても良い。好ましくは、配列表配列番号5及び配列表配列番号6のそれぞれのアミノ酸配列をコードする塩基配列が含まれるように行うことが特に好ましい。配列表配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列表配列番号2の塩基配列や配列表配列番号2の塩基配列を大腸菌や放線菌等宿主のコドン使用頻度に合わせて変更した塩基配列が例示される。
【0013】
第一の酵素をコードする塩基配列の調製においては、通常用いられる公知の遺伝子操作手段を利用することができ、例えば、部位特異的変異法や、目的遺伝子の特定塩基の断片を人工変異塩基で置換する等の種々の方法が例示される。
【0014】
本明細書では、配列表配列番号1のアミノ酸配列からなる第一の酵素を特にBthNKと記載する場合がある。
【0015】
本発明の測定方法の工程(1)において使用する第一の酵素の量は、ミゾリビン及び/又はリバビリンが測定できれば特に限定されず、試料に含まれるミゾリビン及び/又はリバビリンの存在量、目的とするミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する程度、使用する装置、第一の酵素の純度、及び/又は経済的な事情等に応じて好ましい結果が得られるように決定し得る。本発明の測定方法の工程(1)において、更に、リン酸供与体や金属イオンの使用する場合、その種類と量についても同様である。
【0016】
本発明の測定方法の工程(1)において使用する第一の酵素の量は、例えば、原料や試料に含まれるミゾリビン及び/又はリバビリンの存在量が1mM以下で、その全てをリン酸化する条件の場合、下限が0.01U/ml以上、好ましくは0.05U/ml以上、更に好ましくは0.1U/ml以上、上限は特に設けないが、5U/ml以下、好ましくは2U/ml以下、更に好ましくは1U/ml以下である。
【0017】
本発明の測定方法の工程(1)は、少なくともリン酸供与体の存在下であることが好ましく、該リン酸供与体はCTP、GTP、TTP、又はポリリン酸等であっても良いが、ATPが特に好ましい。上記条件下で使用するリン酸供与体の量は、例えば、ATPの場合、下限が0.1mM以上、好ましくは1mM以上、更に好ましくは5mM以上、上限は特に設けないが好ましくは500mM以下、更に好ましくは200mM以下、特に好ましくは50mM以下である。
【0018】
本発明の測定方法の工程(1)は、少なくとも金属イオンの存在下であることが好ましく、マグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン又はマンガンイオンのうちいずれか一つ以上の金属イオンであっても良いがマグネシウムイオンが特に好ましい。上記条件下で使用する金属イオンの量は、例えば、マグネシウムイオンの場合、下限がリン酸供与体の濃度に対して0.1当量以上、好ましくは0.5当量以上、更に好ましくは1当量以上であり、上限が10当量以下、好ましくは5当量以下、更に好ましくは3当量以下である。最も好ましい濃度はリン酸供与体の2当量である。
【0019】
本件明細書実施例にも支持される通り、本件の測定方法は、種々の条件にて測定が正確に、精度よく実施できるものであり、本発明の試料は、特に限定されないが、全血、血漿、血清、血球、髄液、リンパ液、尿等を含む生体試料や研究用試料及びそれらの抽出物等を挙げることができ、それらの試料は、ミゾリビン及び/又はリバビリンを含有すると予想される試料であれば好ましいし、ミゾリビン又はリバビリンのどちらか一方を含有すると予想される試料であれば更に好ましい。試料が生体試料の場合、ミゾリビン及び/又はリバビリンの標的臓器、例えば、白血球、肝細胞、ウィルス感染細胞等を選別して試料とする事も好ましいし、試料が白血球の場合は、更に、T細胞、B細胞、リンパ球等を選別して試料とする事も好ましい。ミゾリビン及び/又はリバビリンを含有すると予想される生体試料を取得する場合、取得方法は公知の方法で良いが、全血を取得する場合には、分離剤や抗プラスミン剤等の使用の有無には限定されず、EDTA、フッ化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ヘパリンナトリウム等の抗凝固剤や解糖阻止剤の使用の有無にも限定されない。その他の試料としては、例えば、海水、天然水、果汁、飲料、廃液等が挙げられる。
【0020】
ミゾリビン及び/又はリバビリンが試料中に含まれている可能性の有無の判断には、本発明の測定方法を実施する前にミゾリビン及び/又はリバビリンが試料中に含まれている可能性の有無が判断できる場合を含み、例えば、薬歴や食歴等で可能性の有無を判断する事ができるし、HPLCやLC/MS/MS等上記の従来技術により可能性の有無を判断しても良い。又、本発明の測定方法の実施により試料中に含まれている可能性の有無を判断する事もできる。同様に、リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンが試料中に含まれている可能性の有無の判断も、従来技術や後述する方法により可能である。ミゾリビン及び/又はリバビリンが試料中に含まれている可能性の有無は、通常は薬歴で判断できる。
【0021】
本発明においては、試料中にはミゾリビン、リバビリン、リン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンが混在していても良く、ミゾリビン、リバビリン、リン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンが混在している試料中のミゾリビン又はリバビリンの存在量を測定する場合は、本発明の測定方法と、従来技術や後述するリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの存在量を測定する方法、及び/又は、上記のHPLCやLC/MS/MSによりミゾリビン又はリバビリンの存在量を測定する方法を、適宜組み合わせて実施してそれらの数値の差し引き等により算出すれば良い。通常は、ミゾリビン又リバビリンが単独で存在している試料について測定する場合であることが望ましい。
本発明は、さらに下記(2)の工程を含むミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法である。(2)上記第一の反応とは別異の反応であって次の<a>〜<c>のいずれかの第二の反応を触媒し得る第二の酵素の存在下、第二の反応を進行させるに際して、上記第一の反応の結果生じた該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンと第二の酵素を接触させて該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの存在量に応じて第二の反応が阻害される工程。
<a>ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応
<b>リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応
<c>ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応
本明細書では、該第二の反応を触媒し得る酵素を第二の酵素と記載する場合がある。本発明の測定方法の工程(2)には、該第二の酵素を存在させる事ができ、その理化学的性質は上記第二の反応を触媒し得る酵素であれば良く、酵素名、EC番号、及び/又は製造方法等により限定されない。該第二の酵素は、ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応を触媒し得る酵素でもよい。又、該第二の酵素は、ミゾリビンで阻害されず、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応を触媒し得る酵素でもよい。さらに、該第二の酵素は、リバビリンで阻害されず、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応を触媒し得る酵素でもよい。該第二の酵素としては、上記の<i>〜<vi>の理化学的性質や本願明細書に記載された該第二の酵素の性質のいずれかを有する酵素であれば好ましいが、上記の<i>〜<vi>の理化学的性質のうち、<v>阻害作用を有すれば好ましく、その他の性質の有無は特に限定されないが、上記の<i>〜<vi>の理化学的性質や本願明細書に記載された該第二の酵素の性質のうち、任意の1つ又は2つ以上を備えていることも好ましい。更に好ましくは第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの存在量に応じて反応が阻害される反応を触媒し得る酵素で、最も好ましくは、イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼである。イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼはEC 1.1.1.205と表現されることもある。本発明の第二の酵素としてイノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼを採用する場合、由来は限定されず、例えば天然の生物由来であっても良いが、微生物由来の場合は、例えば、ヒト、大腸菌、Candida albicans、Tritrichomonas foetus、Brrelia burgdorferi、ラット、ウサギ、Bacillus sereus由来等公知のイノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼであっても良いし、それらのアイソザイムであっても良い(S.F.Carrら、J.Biol.Chem.,268巻、27286頁、1993年、H.J.Gilbertら、Biochem.J.、183巻、481頁、1979年、G.A.Koehlerら、J.Bacteriol.、179巻、2331頁、1997年、F.G.Whitbyら、36巻、10666頁、1997年、X.Zhouら、J.Biol.Chem.,272巻、21977頁、1997年等)。第二の酵素として使用され得るイノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼを形成する、天然の微生物の典型的な例としては、Bacillus属やOceanobacillus属に属する微生物を、更に好ましくは、Bacillus subtilis又はOceanobacillus iheyensisを、最も好ましくは、Bacillus subtilis ATCC23857株又はOceanobacillus iheyensis DSM14731株を例示できる。又、他の菌株バンクで購入できる該株との同等株を用いたり、上記の方法で自然界から分離した同等株を用いたりして、本発明の酵素の各性質を有する酵素を生産し得ることを確認して、本発明の測定方法に使用することもできる。
【0022】
本発明の第二の酵素は、上記第二の反応を触媒し得る酵素であればアミノ酸配列は限定されず、例えば配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列の場合は、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列であっても良いが、該アミノ酸配列は配列表配列番号11のアミノ酸配列及び配列表配列番号12のアミノ酸配列を含む配列が好ましく、配列表配列番号23を含む配列がより好ましく、配列表配列番号24の配列を含む配列が更に好ましく、特に好ましくは配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列である。本発明の配列表配列番号7又は配列表配列番号9における複数個のアミノ酸の欠失、置換もしくは付加、翻訳後修飾、化学修飾について、その結果の分子量の変化について、アミノ酸配列の構造については、上記の第一の酵素の場合と同様である。本発明の第二の酵素が例えば配列表配列番号7のアミノ酸配列の場合、1又は複数個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列の例として、V432I(配列表配列番号7の432番目のVがIに置換したことを示す。以下同様。)、K449I、K345N、D29N、S33Y、T158S、T270A、V387E、及びL367Iとこれらの置換の任意の組み合わせが挙げられる。該任意の組み合わせは、例えば、[V432I、K449I](配列表配列番号7の432番目のVがI、及び449番目のKがIに同時に置換したことを示す。以下同様。)や[D29N、S33Y、T158S、T270A、V387E]が挙げられる。
【0023】
本発明の第二の酵素の塩基配列は、本発明の第二の酵素をコードする塩基配列であれば特に限定されないが、配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列をコードする塩基配列や、上記の第一の酵素の場合と同様の変異や変更を含む塩基配列が例示される。
【0024】
本発明の第二の酵素をコードする塩基配列の調製においては、上記の第一の酵素の場合と同様の遺伝子操作手段を利用することができる。
【0025】
本明細書では、配列表配列番号7のアミノ酸配列からなる第二の酵素をBsuIMPDHと、配列表配列番号9のアミノ酸配列からなる第二の酵素をObIMPDHと記載する場合がある。
【0026】
本発明の測定方法の工程(2)において使用する第二の酵素の量は、ミゾリビン及び/又はリバビリンが測定できれば特に限定されず、試料に含まれるミゾリビン及び/又はリバビリンの存在量、目的とするミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する程度、使用する装置、第二の酵素の純度、及び/又は経済的な事情等に応じて好ましい結果が得られるように決定し得る。本発明の測定方法の工程(2)において、使用する第二の酵素に応じた基質や補酵素を使用する場合や、イノシン5’一リン酸やNAD(P)類を使用する場合、その種類と量についても同様である。
【0027】
本発明の測定方法の工程(2)において使用する第二の酵素の量は、例えば、原料や試料に含まれるミゾリビン及び/又はリバビリンの存在量が1mM以下で、その全てをリン酸化し、第二の酵素としてイノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼを使用する場合、下限が0.01U/ml以上、好ましくは0.05U/ml以上、更に好ましくは0.1U/ml以上、上限は特に設けないが、1U/ml以下、好ましくは0.5U/ml以下、更に好ましくは0.3U/ml以下である。
【0028】
本発明の測定方法の工程(2)は、少なくともイノシン5’一リン酸の存在下であることが好ましく、該イノシン5’一リン酸は塩の種類や結晶水の有無には限定されない。上記条件下で使用するイノシン5’一リン酸の量は、下限が1mM以上、好ましくは3mM以上、更に好ましくは5mM以上、上限は特に設けないが好ましくは100mM以下、更に好ましくは50mM以下、特に好ましくは30mM以下である。
【0029】
本発明の測定方法の工程(2)は、少なくともNAD(P)類の存在下であることが好ましく、NAD(P)類には、NAD(P)、デアミドNAD(P)(NAAD(P))、チオNAD(P)、ニコチンアミドグアニンジヌクレオチド(リン酸)、ニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド(リン酸)等が挙げられ、そのうちいずれか一つ以上であっても良いがNADが特に好ましい。上記条件下で使用するNAD(P)類の量は、例えばNADの場合、下限が0.1mM以上、好ましくは0.5mM以上、更に好ましくは1mM以上、上限は特に設けないが好ましくは50mM以下、更に好ましくは10mM以下、特に好ましくは7mM以下である。
【0030】
本発明の測定方法は、下記(3)の工程を含むミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法である。(3)第二の反応の阻害程度を検出する工程。
【0031】
本発明の検出方法の工程(3)は、定性反応により阻害程度を検出する工程でも良く、好ましくは、阻害程度の検出が、第二の反応を触媒し得る第二の酵素の反応速度を検出する工程であり、更に好ましくは、阻害程度の検出が、NAD(P)類の変化量を検出する工程であり、最も好ましくは、阻害程度の検出が、NAD(P)類の変化量を検出し定量する工程である。
【0032】
定量する測定方法とは次の通りである。ミゾリビン及び/又はリバビリンが含まれている可能性のある試料と、ミゾリビン及び/又はリバビリンを既知の濃度で含む試料を、それぞれ単独に工程(1)〜(3)で処理し、工程(3)でそれぞれの変化量を検出する。ミゾリビン及び/又はリバビリンが含まれている可能性のある試料中のミゾリビン及び/又はリバビリンの濃度は、ミゾリビン及び/又はリバビリンが含まれている可能性のある試料について工程(3)で検出した変化量と、ミゾリビン及び/又はリバビリンを既知の濃度で含む試料について工程(3)で検出した変化量とを比較することにより定量する。
【0033】
NAD(P)類の変化量を検出する方法は、該測定対象の変化量を公知の方法で検出する。一般的には該測定対象の変化に伴うそれら該測定対象の吸収スペクトルや吸光強度の変化を、装置を用いて光学的方法で検出する方法が例示され、NAD(P)類の酸化還元に伴う吸収スペクトルや特定波長における吸光強度の変化を検出する方法でも良い。又、NAD(P)H類の蛍光の変化を検出することも可能である。感度向上や目視での検出等を目的としてDI(P)(Diaphorase)やホルマザン色素を存在させても良い。又、更に感度向上等を目的としてNAD(P)類サイクリング反応を用いることもできる。NAD(P)類の酸化還元に伴う電位差を測定する場合は電極を使用する。使用する酵素をカーボンペースト等に固定して電極にし、ミゾリビン及び/又はリバビリンの測定に使用する事もできる。
【0034】
本発明の測定方法は、液相、気相、又は固相等やそれぞれの臨界面で実施すれば良いが、液相で実施する事が好ましい。液相には水相、有機溶媒相等が考えられ、本発明の測定方法を水相で実施する場合、水相には例えば水、水溶液や適宜の有機溶媒を含有した水性媒体が例示されるが、適宜のpH緩衝剤を用いることが好ましい。pH緩衝剤を使用する場合、その種類は目的のpHを保つことができ、試料中のミゾリビン及びリバビリンが測定できれば特に限定されないが、グッドのpH緩衝液、Tris/HCl緩衝液、リン酸カリウム緩衝液、酢酸/NaOH緩衝液、クエン酸/NaOH緩衝液が例示できる。本発明の測定方法を実施する際のpHは、試料中のミゾリビン及び/又はリバビリンが測定できれば特に限定されないが、工程(1)は、下限としてpH4以上、好ましくはpH4.8以上、更に好ましくはpH5.2以上が例示され、上限としてはpH8.5以下、好ましくはpH8以下が、更に好ましくはpH7.5以下が例示される。工程(2)及び(3)は、下限としてpH5.5以上、好ましくはpH6以上、更に好ましくはpH7以上が例示され、上限としてはpH10.5以下、好ましくはpH9.5以下が、更に好ましくはpH8.5以下が例示される。pH緩衝剤の濃度は目的のpHを保つことができ、ミゾリビン及びリバビリンが測定できれば特に限定されないが、下限として3mM以上、好ましくは5mM以上、更に好ましくは10mM以上が例示され、上限としては500mM以下、好ましくは200mM以下が、更に好ましくは100mM以下が例示される。
【0035】
本発明の測定方法のその他の好ましい液相として、例えばゾル・ゲルが挙げられる。ゾル・ゲルとするためには、例えば、寒天等の多糖類を利用すれば良い。ゾル・ゲルと乳濁液を区別する場合は、乳濁液として実施しても良い。乳濁液とするためには、例えば、有機溶媒等を利用すれば良いし、両親媒性物質を利用すればミセルとしても実施できる。いずれの場合も、pH緩衝剤を用いる場合は上記と同様である。
【0036】
本発明の測定方法における、(1)〜(3)の各工程はそれぞれ別異の反応槽(相)で実施できるが、同一反応槽(相)で実施する事が好ましい。又、(1)〜(3)の各工程は、不連続に実施できるが、連続して実施する事が好ましい。又、(1)〜(3)の各工程は、(1)、(2)、(3)の順に行っても良く、(1)と(2)を同時に行って次いで(3)を行ったり、まず(1)を行い、次いで(2)と(3)を同時に行ったり、(1)、(2)、(3)を同時に行ったりする等、目的、試料、使用する装置等に応じて好ましい結果が得られるように決定し得る。又、本発明の測定方法の工程(1)を実施せずに工程(2)と工程(3)の方法を実施すれば、リン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの存在量を測定できる。
【0037】
本発明の工程(1)〜(3)の反応時間は、試料中のミゾリビン及び/又はリバビリンが測定できれば特に限定されないが、それぞれ、下限が15秒以上、好ましくは1分以上、更に好ましくは3分以上である。上限は特に設けないが、好ましくは30分以下、更に好ましくは15分以下、特に好ましくは10分以下である。(1)〜(3)の各工程の反応時間は不均等であっても良い。
【0038】
本発明の測定方法を実施する温度は、試料中のミゾリビン及び/又はリバビリンが測定できる温度であれば特に限定されないが、使用する酵素の作用温度の範囲内が好ましく、下限は15℃以上、好ましくは20℃以上、更に好ましくは25℃以上が、上限は70℃以下、好ましくは50℃以下、更に好ましくは40℃以下である。(1)〜(3)の各工程の温度は不均等であっても良い。
【0039】
本発明の上記(1)〜(3)の工程を含むミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法と別異な測定方法としては、下記(a)〜(c)の各工程を含む測定方法であってもよい。(a)上記の第一の酵素とATPの存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとADPとする反応Iを含む工程、(b)上記反応Iとは別異の反応II又は複数の反応IIを触媒する酵素B又は複数の酵素Bの存在下、上記反応Iにより生ずるADPの量に応じて反応IIにより生じる測定対象の変化を生じさせる工程、(c)該測定対象の変化量を検出し、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンの量を測定する工程。
【0040】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法におけるミゾリビン及び/又はリバビリンの由来は限定されないが、上記の試料であれば好ましい。本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法を実施する相、液相で実施する場合はpH緩衝剤の条件、時間や温度の条件、反応槽(相)の条件、工程を実施する順番等は上記と同様である。
【0041】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(a)において使用する第一の酵素の量、リン酸供与体や金属イオンの使用する場合、その種類と量等の条件等は、上記の工程(1)と同様である。すなわち、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(a)は、本発明の測定方法における工程(1)と同様の条件で実施する事もできる。
【0042】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(b)は、上記反応Iとは別異の反応II又は複数の反応IIを触媒する酵素B又は複数の酵素Bの存在下、上記反応Iにより生ずるADPの量に応じて反応IIにより生じる測定対象の変化を生じさせる工程である。
【0043】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(b)の例として、(b−1)ADP依存性ヘキソキナーゼの存在下、該反応IIがグルコースとADPをグルコース−6−リン酸とAMPとする反応と、(b−2)グルコース−6−リン酸脱水素酵素の存在下、NAD(P)類及び前記反応により生ずるグルコース−6−リン酸を、NAD(P)H類とグルクノラクトン−6−リン酸とする反応を含み、上記の反応Iにより生ずるADPの量に応じてNAD(P)H類が増加しており(本明細書では工程(b(α))と記載する場合がある)、(c)工程において、NAD(P)H類の増加量を検出する工程が挙げられる。
【0044】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(b(α))におけるADP依存性ヘキソキナーゼ及びグルコース−6−リン酸脱水素酵素の由来や起源は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されない。工程(b(α))におけるADP依存性ヘキソキナーゼ及びグルコース−6−リン酸脱水素酵素の濃度は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されないが、下限として0.1U/ml以上、好ましくは1U/ml以上、更に好ましくは2U/ml以上であり、上限は特に設けないが、好ましくは20U/ml以下、更に好ましくは10U/ml以下が例示される。工程(b(α))にはADP依存性ヘキソキナーゼが反応に要求する基質、金属イオンが存在しても良い。基質や金属イオンの種類や濃度は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されないが、使用するADP依存性ヘキソキナーゼの由来や起源により異なる。一例として、基質としてグルコースを0.01mM以上、好ましくは0.1mM以上、更に好ましくは1mM以上、上限は特に設けないが、好ましくは500mM以下、更に好ましくは100mM以下が例示される。金属イオンとして塩化マグネシウムを0.1mM以上、好ましくは1mM以上、更に好ましくは5mM以上、上限は特に設けないが、好ましくは100mM以下、更に好ましくは10mM以下が例示される。工程(b(α))にはグルコース−6−リン酸脱水素酵素の補酵素であるNAD(P)類が存在しても良い。NAD(P)類の種類や濃度は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されないが、使用するグルコース−6−リン酸脱水素酵素の由来や起源により異なる。一例として、補酵素としてNAD(P)を0.1mM以上、好ましくは1mM以上、更に好ましくは3mM以上、上限は特に設けないが、好ましくは50mM以下、更に好ましくは10mM以下が例示される。NAD(P)類の種類は上記と同様である。
【0045】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(b)の別異な例として、(b−1)ピルビン酸キナーゼの存在下、ADPとPEPをピルビン酸とATPに変化させる反応と、(b−2)乳酸脱水素酵素の存在下、NAD(P)H類及び前記の反応により生ずるピルビン酸を、NAD(P)類と乳酸とする反応を含み、上記第一の反応により生ずるADPの量に応じてNAD(P)H類が減少しており(本明細書では工程(b(β))と記載する場合がある)、(c)工程において、NAD(P)H類の減少量を検出する工程が挙げられる。
【0046】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(b(β))におけるピルビン酸キナーゼ及び乳酸脱水素酵素の由来や起源は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されない。工程(b(β))におけるピルビン酸キナーゼ及び乳酸脱水素酵素の濃度は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されないが、下限として1U/ml以上、好ましくは5U/ml以上、更に好ましくは10U/ml以上であり、上限は特に設けないが、好ましくは100U/ml以下、更に好ましくは50U/ml以下が例示される工程(b(β))にはピルビン酸キナーゼが反応に要求する基質、金属イオンが存在しても良い。基質や金属イオンの種類や濃度は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されないが、使用するピルビン酸キナーゼの由来や起源により異なる。一例として、基質として、PEPを0.1mM以上、好ましくは0.5mM以上、更に好ましくは1mM以上、上限は特に設けないが、好ましくは50mM以下、更に好ましくは10mM以下が例示される。金属イオンとしては、塩化マグネシウムを0.1mM以上、好ましくは0.5mM以上、更に好ましくは1mM以上、上限は特に設けないが、好ましくは50mM以下、更に好ましくは10mM以下が例示される。工程(b(β))には乳酸脱水素酵素の補酵素であるNAD(P)H類が存在しても良い。NAD(P)H類の種類や濃度は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されないが、使用する乳酸脱水素酵素の由来や起源により異なり、使用するキュベットの光路長や比色計の性能によっても異なる。一例として、光路長1cmのキュベットの場合、0.01mM以上、好ましくは0.03mM以上、更に好ましくは0.07mM以上、上限は0.2mM以下、好ましくは0.17mM以下、更に好ましくは0.15mM以下が例示される。
【0047】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(b)の更に別異な例として、(b−1)ピルビン酸キナーゼの存在下、ADPとPEPをピルビン酸とATPに変化させる反応と、(b−2)ピルビン酸オキシダーゼの存在下、酸素、リン酸及び前記の反応により生ずるピルビン酸を、過酸化水素とアセチルリン酸とする反応を含み、上記第一の反応により生ずるADPの量に応じて過酸化水素が増加しており(本明細書では工程(b(γ))と記載する場合がある)、(c)工程において、過酸化水素の量を過酸化水素指示薬等で検出する工程が挙げられる。
【0048】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(b(γ))におけるピルビン酸キナーゼ及びピルビン酸オキシダーゼの由来や起源は、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法が実施できれば特に限定されない。工程(b(γ))におけるピルビン酸キナーゼ及びピルビン酸オキシダーゼの濃度は、上記のピルビン酸キナーゼ及び乳酸脱水素酵素の場合と同様である。工程(b(γ))におけるピルビン酸キナーゼが反応に要求する基質、金属イオンの種類や濃度は、上記と同様である。工程(b(γ))における過酸化水素指示薬は、ペルオキシダーゼとともに、4−アミノアンチピリンや3−メチル−2−ベンゾチアゾリンヒドラシゾン等のカップラーとクロロフェノール等のフェノール類又はTOOSやN,N−ジメチルアニリン等のアニリン類及びそれらの誘導体等の色原体との縮合反応やロイコ型の色原体を使用する等当業者なら容易に想達し得る。
【0049】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(c)における該測定対象の変化量を検出する方法において、NAD(P)類の変化量を検出する方法は上記と同様である。過酸化水素指示薬を使用する場合は該過酸化水素指示薬の変化に伴う吸収スペクトルや特定波長における吸光強度の変化を検出しても良い。又、消費する酸素を検出する場合は酸素電極を利用する。
【0050】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法の工程(c)における検出する方法は、上記本発明の測定方法の工程(3)と同様であっても良い。
【0051】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンのリン酸化方法は、本発明の第一の酵素を用いてミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする方法である。
【0052】
又、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンのリン酸化方法は、例えば、本発明の第一の酵素を用い、少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする方法であれば好ましく、好ましくは、少なくともマグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン又はマンガンイオンのうちいずれか一つ以上の金属イオン、ミゾリビン及び/又はリバビリン、リン酸供与体、及び本発明の第一の酵素を接触させることが例示される。接触させる順番は特に限定されない。
【0053】
本発明のリン酸化方法におけるミゾリビン及び/又はリバビリンの由来は上記と同様である。本発明のリン酸化方法を実施する相、液相で実施する場合はpH緩衝剤の条件等、時間や温度の条件等は上記と同様である。又、該方法において使用する第一の酵素の量、リン酸供与体や金属イオンの使用する場合、その種類と量等の条件等は上記と同様である。すなわち、本発明のリン酸化方法は、本発明の測定方法における工程(1)と同様の条件で実施する事もできる。
【0054】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリバビリンとするリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの製造方法においては、上記本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンのリン酸化方法により、ミゾリビン及び/又はリバビリンからリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンが製造される。製造されたリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンは、原料や他の製造物等が混在したままであっても良いが、目的や用途等場合によっては実質的に不純物を包含しないようにすることも好ましく、通常は、例えば50%以上、70%以上、95%以上の各種の純度にすることが例示される。リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンは、公知の精製方法を行うことができるが、例えば、溶剤等を用いた抽出、シリカゲル、アルミナ、及び/又はセライト等を用いたクロマトグラフィー、及び/又は再結晶等による精製方法が例示できる。
【0055】
本発明の第一の酵素及び/又は第二の酵素は、ミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物となり得る。本発明のミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物は、上記の本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法及び本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの別異な測定方法に用いることができる。又、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする方法やミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとするリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの製造する方法に用いることができる。
【0056】
本発明の組成物は下記の(A1)〜(A4−3)の成分を含む組成物が例示される。該組成物はミゾリビン測定用の組成物、リバビリン測定用の組成物、ミゾリビン及びリバビリン測定用の組成物、のいずれであっても良い。
(A1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4−1)上記第一の反応とは別異の反応であって以下<a>〜<c>のいずれかの第二の反応を触媒し得る第二の酵素、
<a>ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応
<b>リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応
<c>ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
本発明の組成物には、前記(A1)〜(A3)及び下記の(A4−1)〜(A4−3)の成分を含む組成物が含まれる。該組成物はリン酸化ミゾリビン測定用の組成物、リン酸化リバビリン測定用の組成物、リン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリン測定用リバビリン測定用の組成物であっても良い。
(A4−1)上記第一の反応とは別異の反応を触媒し、リン酸化リバビリンで阻害される第二の酵素
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
さらに本発明の組成物は、下記の3成分のうち、いずれかひとつ以上の成分が測定直前に合一されて本発明の組成物となることが好ましい。すなわち、測定時には必要な全ての成分を有する本発明の組成物とするに当たり、その測定以前においては、少なくとも、下記の3成分、またはそのいずれかひとつまたは2つがその組成物から分離されていることが好ましい。下記の3成分のうち、いずれかひとつ、2つまたは3つを測定直前に組成物に合一する場合、合一する順序は任意であり、ひとつずつ合一しても良く、2つまたは3つを同時に合一しても良い。
(A4−1)第二の酵素、
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物は下記の(A)と(B)を含む組成物である。
(A)少なくとも以下の(A1)〜(A4)を含む第1の試薬。
(A1)有効量の本発明の第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4)有効量の本発明の第二の酵素、イノシン5’一リン酸、及び、NAD(P)類のいずれか1つ以上の成分
(B)少なくとも有効量のリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンで阻害される第二の酵素、イノシン5’一リン酸、及び、NAD(P)類のうち第1の試薬には含まれない成分を含む第2の試薬。
【0057】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物は、好ましくは下記の(A)と(B)を含む。
(A)少なくとも以下の(A1)〜(A4)を含む第1の試薬。
(A1)有効量の本発明の第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4)本発明の第二の酵素及びNAD(P)類
(B)少なくとも有効量のイノシン5’一リン酸を含む第2の試薬
【0058】
上記本発明のミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物(A)と(B)は適宜pH緩衝剤を含む事も好ましい。
【0059】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物は、更に下記の(C)を含んでも良い。(C)少なくとも既知量のミゾリビン及び/又はリバビリンを含んでなるキャリブレーション試薬。
【0060】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物に含まれる、本発明の第一の酵素、本発明の第二の酵素、リン酸供与体、金属イオン、イノシン5’一リン酸、及び、NAD(P)類の種類と有効量、すなわち、該組成物がミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物となり得る為に有効な添加量及びpH緩衝剤の条件等は、上記の本発明の測定方法と同様である。
【0061】
本発明のキャリブレーション試薬は、少なくとも既知量のミゾリビン及び/又はリバビリンを含む試薬が良いが、好ましくはpH緩衝剤、アジ化ナトリウムや抗性物等の防腐剤、糖等の安定化剤を含む試薬である。pH緩衝剤を含む場合、種類や濃度等の条件等は本発明の測定方法の工程(1)の場合と同様である。アジ化ナトリウムや抗性物等を含む場合、種類や濃度は防腐効果があれば限定されないが、例えばアジ化ナトリウムの場合、下限は0.005%以上、好ましくは0.01%以上、更に好ましくは0.03%以上、上限は1%以下、好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.1%以下である。例えば抗生物質の場合、下限は5μg/ml以上、好ましくは10μg/ml以上、更に好ましくは30μg/ml以上、上限は100μg/ml以下、好ましくは75μg/ml以下、更に好ましくは60μg/ml以下である。安定化剤を含む場合、種類や濃度等の条件等は上記の第一の酵素の安定化剤と同様である。キャリブレーション方法は、一点検量の他、多点検量(折れ線やスプライン)や多点検量の直線回帰などが選択できる。
【0062】
該既知量は特に限定されず、試料中のミゾリビン及び/又はリバビリンを正確に測定するために選択すれば良い。又、複数のキャリブレーション試薬を使用する場合のキャリブレーション試薬の既知量も同様である。例えばミゾリビンの場合、下限は0.00μg/ml以上、好ましくは0.005μg/ml以上、更に好ましくは0.01μg/ml以上、上限は20μg/ml以下、好ましくは10μg/ml以下、更に好ましくは8μg/ml以下である。
【0063】
本発明のミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物及びキャリブレーション試薬は、液状品、液状品の凍結物、液状品の凍結乾燥品、又は液状品の乾燥品(加熱乾燥及び/又は風乾及び/又は減圧乾燥等による)として提供できる。液状品の凍結物が好ましく、液状品の凍結乾燥品が更に好ましく、液状品が最も好ましい。別の態様として、液状品の凍結物が好ましい場合もある。更に別の態様としては、液状品の凍結乾燥が好ましい場合もある。本発明のミゾリビン及び/又はリバビリン測定用の組成物は、一試薬の組成物としても良いが、通常は上記のように二試薬以上に分離するのが好ましい。又、試薬の品質向上等を目的としてNaClやKCl等の塩、TX−100やTween20等の界面活性剤、及び/又はアジ化ナトリウムや抗性物等防腐剤を混合しても良い。又、例えば、POCのキャピラリーへの使用、又は酵素センサーとしての使用の場合、各成分の濃度は通常よりも濃い濃度が好ましく、例えば、固定化したり、紙や膜に染み込ませたり、ゲル・ゾル状組成物としたりして使用することが好ましい。塩を混合する場合、種類や濃度は限定されないが、通常は5〜200mMの範囲であり、界面活性剤を混合する場合、種類や濃度は限定されないが、通常は0.001%〜2%であり、防腐剤を混合する場合は上記キャリブレーション試薬の場合と同様である。
【0064】
本発明の第一の酵素の製造方法について説明する。
本発明の第一の酵素は、公知の方法により、自然界から該第一の酵素を形成する天然の生物を探索(スクリーニング)し、該生物の細胞から取得すれば良い。該生物は第一の反応を触媒し得る酵素を形成する生物であれば限定されず、例えば真正細菌、真核生物、又は古細菌を含む微生物が挙げられる。微生物を探索の対象とする場合には、微生物は公知の方法に従って自然界から分離すれば良く、高温、低温、高圧、酸、アルカリ環境等の極限環境を含む土壌や水中、落下菌や氷核等を含む空中、又は、生物の体内等から得ることができる。特に高温環境から分離した微生物からは安定性の高い第一の酵素を得ることが期待できる。又、微生物はATCCやDSM等の菌株バンクから購入しても良い。分離した微生物は、限界希釈法やモノコロニーの形成等公知の方法に従って純粋分離し、最少培地、LB培地、ブイヨン培地等で純粋培養し、その培養物においてミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素活性の有無を確認する事により、第一の酵素を形成する生物を選別できる。又、ミゾリビン及び/又はリバビリンを用いた集積培養による微生物の取得、ミゾリビン及び/又はリバビリンを培地に添加することによる第一の酵素の誘導等、探索の効率を上げる工夫も可能である。第一の酵素の有無は、非特許文献1に示される方法等により当業者なら容易に確認できる。
【0065】
分離した菌株の同定は、実験書(鈴木健一朗ら、微生物の分類・同定実験法―分子遺伝学・分子生物学的手法を中心に、シュプリンガー・フェアラーク東京)等に従うことにより同定することができ、又、市販の各種菌株同定キット(日本ビオメリュー社等)を使用することによっても可能であり、さらには、財団法人日本食品分析センター(東京都渋谷区元代々木町52番1号)等に依頼して同定することも良い。
【0066】
かくして得られた第一の酵素を形成する天然の微生物は、さらにNTG等の薬剤、紫外線、及び/又は放射線で処理した変異株とすることもできる。該変異株によって、第一の酵素の生産性を向上することや、第一の酵素の変異体を形成させることが可能であり、安定性、生産性、反応性等が優れた性質を有する変異体を形成することも可能である。
【0067】
又、得られた該第一の酵素をコードする塩基配列やその情報は、上記の第一の酵素や該第一の酵素を形成する天然の微生物を用いた、プロテインシーケンス、DNAシーケンスや公知遺伝子工学手法で取得できる。
【0068】
本発明の第一の酵素は、公知のバイオインフォマティクス手法によっても取得可能である。配列表配列番号1及び配列表配列番号2は、本発明の測定方法の工程(1)において好ましい例である第一の酵素のアミノ酸配列及び塩基配列なので、これらの配列をクエリーとしてNCBI、EMBL、GenomeNet等のデータベースでBLASTサーチ等にてホモロジー検索を行い、配列表配列番号1や配列表配列番号2に一致する、あるいは類似するアミノ酸配列又は塩基配列をもった蛋白質又は遺伝子、すなわち、第一の酵素を生産する可能性のある生物の情報や遺伝子情報を得ることが可能である。
【0069】
上記の方法で得られた第一の酵素を形成する天然の微生物や、第一の酵素の塩基配列、又は塩基配列の情報に基づいて形成された該酵素を取得する工程を含む該酵素の製造方法にて、該第一の酵素を取得できる。該第一の酵素を形成する工程としては、該酵素をコードする塩基配列を含む無細胞酵素合成系が例示され、好ましくは該酵素をコードする塩基配列を含む細胞を用いる工程、天然の該酵素を形成する微生物等該酵素をコードする塩基配列を有する微生物を用いる工程、該酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体を用いる工程等が例示される。
【0070】
第一の酵素をコードする塩基配列を含む無細胞酵素合成系を採用する場合には、上記の第一の酵素をコードする塩基配列を、コムギ胚芽由来、大腸菌由来、ウサギ網状赤血球由来、又は昆虫細胞由来等の公知の無細胞酵素合成系に使用すれば良い。
【0071】
又、該酵素をコードする塩基配列を含む細胞を用いる工程を採用する場合には、上記の第一の酵素をコードする塩基配列をベクターに挿入して宿主微生物に導入させて形質転換体を作成し、その形質転換体を用いて該酵素を形成する例が示される。
【0072】
第一の酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体は、該塩基配列が挿入されたベクターである組換体ファージ又は組換体プラスミドを宿主に導入した細胞、又は微生物を含む。第一の酵素をコードする塩基配列は、一部又は全てを合成して使用することができ、好ましくは第一の酵素をコードする塩基配列を、遺伝子供与体から公知の方法で取得して使用する。遺伝子供与体としては、第一の酵素を形成する細胞であれば限定されないが、好ましくは上記の探索して選別した天然の微生物や、バイオインフォマティクス手法で情報を得た生物を含む第一の酵素を形成する生物が挙げられる。
【0073】
第一の酵素をコードする塩基配列を挿入するベクターとしては、宿主微生物体内で自律的に増殖しうるファージ又はプラスミドのうち遺伝子組換用として構築されたものが適しており、ファージベクターとしては、例えば、大腸菌に属する微生物を宿主とする場合にはλgt・λC、λgt・λB等が使用できる。又、プラスミドベクターとしては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、Novagen社のpETベクター、又はpBR322、pBR325、pACYC184、pUC12、pUC13、pUC18、pUC19、pUC118、pINI、BluescriptKS+、Bacillus subtilisを宿主とする場合にはpWH1520、pUB110、pKH300PLK、放線菌を宿主とする場合にはpIJ680、pIJ702、酵母、特にSaccharomyces cerevisiaeを宿主とする場合にはYRp7、pYC1、YEp13等が使用できる。本発明においては大腸菌を宿主とするプラスミドベクターが好ましい。プロモーターは宿主中で発現できるものであれば特に限定されない。
【0074】
このようなベクターを、第一の酵素をコードする塩基配列の切断に使用した制限酵素により生成する塩基配列の末端と、同じ末端を生成する制限酵素により切断してベクター断片を作成し、第一の酵素をコードする塩基配列の断片とベクター断片とを、DNAリガーゼにより常法に従って結合させて第一の酵素をコードする塩基配列を目的のベクターに挿入して、組換体ファージ又は組換体プラスミドとする。
【0075】
組換体プラスミドを導入する宿主としては、組換体プラスミドが安定かつ自律的に増殖可能な細胞、又は微生物であれば良く、例えば宿主微生物が大腸菌に属する微生物の場合、大腸菌BL21、大腸菌DH1、大腸菌 JM109、大腸菌JM101、大腸菌 W3110、大腸菌C600等を含む、大腸菌B株、K株、C株やそれらの溶原菌が利用できる。又、宿主微生物がBacillus属に属する微生物の場合、Bacillus subtilis、Bacillus megaterium等、放線菌に属する微生物の場合、Streptmyces lividansTK24等、Saccharomyces cerevisiaeに属する微生物の場合、Saccharomyces cerevisiaeINVSC1等が使用できる。本発明においては大腸菌を宿主微生物とする事が好ましい。
【0076】
第一の酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体を用いて該酵素を形成させる事ができる好適なその他の例としては、Rhodococcus属細菌における組換酵素を形成する方法が挙げられる(特許第3944577号公報、特許第3793812号公報)。具体的には、低温での組換酵素の形成に適したpTip QC1やpTip QC2等のプラスミドベクターに、第一の酵素をコードする塩基配列を挿入し、その組換体プラスミドをリゾチーム感受性微生物に導入した形質転換体を用いる方法が示される。リゾチーム感受性微生物としてはRhodococcus属に属する微生物が好ましい(特許第3876310号公報)。
【0077】
第一の酵素を形成する天然の微生物や、該酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体等の培養条件はその栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すれば良く、通常液体培養で行うが、工業的には深部通気撹拌培養を行うのが有利である。培地の栄養源としては、微生物の培養に通常用いられるものが広く使用され得る。培養温度は宿主となる微生物が発育し、第一の酵素が形成される範囲で適宜変更し得るが、大腸菌の場合、下限が10℃以上、好ましくは20℃以上、更に好ましくは25℃以上、上限が45℃以下、好ましくは42℃以下、更に好ましくは38℃以下である。放線菌の場合、下限が4℃以上、好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上、上限が50℃以下、好ましくは42℃以下、更に好ましくは37℃以下である。培養条件は、条件によって多少異なるが、第一の酵素が最高形成量に達する時期を見計らって適当な時期に培養を終了すれば良く、大腸菌の場合、通常は下限が10時間以上、好ましくは12時間以上、更に好ましくは17時間以上、上限が60時間以下、好ましくは48時間以下、更に好ましくは30時間以下である。放線菌の場合、通常は下限が17時間以上、好ましくは20時間以上、更に好ましくは24時間以上、上限が80時間以下、好ましくは72時間以下、更に好ましくは48時間以下である。培地のpHは菌が発育し、第一の酵素を形成する範囲で適宜変更し得るが、大腸菌や放線菌の場合、好ましくは下限としてpH5.8以上、好ましくはpH6.2以上で、上限としてpH8.5以下、好ましくはpH7.5以下である。
【0078】
第一の酵素は、上記のように形成された第一の酵素を取得する工程を含む方法によって製造できるが、簡便には殺菌、非殺菌を問わず菌体を含む細胞等のままであっても良いが、培養不純物や細胞破砕物等を軽く除いた不純物がある酵素とすることも好ましい。さらに第一の酵素の粗酵素は、目的や用途等場合によっては実質的に不純物を包含しないようにすることも好ましいが、通常は、例えば50%以上、70%以上、95%以上の各種の純度にすることが例示される。純度はSDS−PAGEやHPLC等の公知の方法で確認すれば良い。
【0079】
第一の酵素を、上記の探索し選別した天然の微生物や、該酵素をコードする塩基配列を導入した形質転換体の微生物等を培養し取得することによって製造する場合、まず、該微生物等を栄養培地で培養して菌体内又は培養液中に該酵素を形成させ、菌体内に形成される場合には培養終了後、得られた培養物を濾過又は遠心分離等の手段により菌体を採集する。次いでこの菌体を機械的方法又はリゾチーム等の酵素的方法で破壊し、又、必要に応じてEDTA、及び/又は適当な界面活性剤等を添加して該酵素を濃縮するか濃縮する事なく、アセトン、メタノール、エタノール等の有機溶媒による分別沈殿法、硫酸アンモニウム、食塩等による塩析法等を適用して第一の酵素を沈殿させ回収する。この沈殿物を必要に応じて透析、等電点沈殿を行った後、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィー等の吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーや疎水的クロマトグラフィーにより処理して、第一の酵素を得ることができる。又、これらの方法を適宜組み合わせて行うことができる。又、本発明の酵素が培養液中に形成される場合には、培養物を濾過又は遠心分離等の手段により菌体を除去し、培養液について、前記菌体内に形成される場合と同様の処理を行えばよい。
【0080】
かくして得られる第一の酵素は安定化剤又は賦型剤として、各種の塩類、糖類、酵素、脂質、界面活性化剤等を加え、あるいは加えることなく、限外濾過濃縮、凍結乾燥等の方法により、液状又は固形の第一の酵素を得ることができ、又、適宜凍結乾燥を行う場合、安定化剤又は賦型剤としてサッカロース、マンニトール、食塩、アルブミン等を0.5〜10%程度添加しても良い。
【0081】
本発明の第一の酵素を形成する天然の微生物の典型的な例は、Burkholderia thailandensis DSM13276株である。本発明の測定方法の工程(1)における第一の酵素のアミノ酸配列の典型的な例としては、配列表配列番号1のアミノ酸配列である。該アミノ酸配列をコードする塩基配列の一例は配列表配列番号2の塩基配列である。該塩基配列はH.S.Stanleyら、BMC Genomics、6巻、174頁、2005年によりBurkholderia thailandensis DSM13276株の全ゲノム解析で明らかにされていたが、該塩基配列がコードする酵素の性質はこれまでに解明されておらず、単にリボキナーゼらしいとして予想されていた。すなわち、配列表配列番号2の塩基がコードする配列表配列番号1のアミノ酸配列が、ミゾリビン及び/又はリバビリンに対する反応を触媒することは従来全く知られていなかった。
【0082】
本発明の第二の酵素の製造方法について説明する。
本発明の第二の酵素は、上記の第一の酵素の場合と同様に、公知の方法により、自然界から該第二の酵素を形成する天然の生物を探索し、該生物の細胞から取得すれば良い。ミゾリビン及び/又はリバビリンによる該第二の酵素の阻害は、例えば、ミゾリビン及び/又はリバビリンの存在下と非存在下における該第二の酵素の反応速度の差を比較して確認できる。リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンによる第二の酵素の阻害は、第二の酵素の反応速度を、例えば、リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの存在下と非存在下における該第二の酵素の反応速度の差を比較して確認できる。阻害定数を算出して比較する場合は、蛋白質・酵素の基礎実験法(改訂第2版、堀尾武一、1994年南光堂参照)に記載の方法等で算出して確認すれば良い。リン酸化ミゾリビン又はリン酸化リバビリンは、後述のミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとするリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの製造方法で製造すれば良いし、Shuto S.ら、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1巻、3603頁、2000年に記載の方法で合成しても良い。
【0083】
第二の酵素の塩基配列取得方法、バイオインフォマティクス手法による塩基配列と該酵素を生産する生物の情報の取得方法、形成方法、及び取得する工程を含む方法による製造方法等については上記の第一の酵素の場合と同様である。
【0084】
本発明の第二の酵素の典型的な例は、イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼである。本発明の第二の酵素を形成する天然の微生物の典型的な例は、Bacillus subtilis ATCC23857株又はOceanobacillus iheyensis DSM14731株である。本発明の測定方法の工程(2)における第二の酵素のアミノ酸配列の典型的な例としては、配列表配列番号7又は配列表配列番号9のアミノ酸配列である。該アミノ酸配列をコードする塩基配列の一例は配列表配列番号8又は配列表配列番号10の塩基配列である。配列表配列番号8の塩基配列は、Wu T.W.ら、Can. J. Biochem.、51巻、1391頁、1973年によりイノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼをコードする事は明らかにされていたが、該イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼがミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、リン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害されることは従来全く知られていなかった。又、配列表配列番号10の塩基配列は、Takamami H.ら、Nucleic. Acids. Res.、30巻、3927頁、2002年によりOceanobacillus iheyensis DSM14731株の全ゲノム解析で明らかにされていたが、該塩基配列がコードする酵素の性質はこれまでに解明されておらず、配列表配列番号10の塩基がコードする配列表配列番号9のアミノ酸配列が、イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼであることは従来知られていなかった。更に、該酵素がミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの両方で阻害されることは従来全く知られていなかった。
【実施例】
【0085】
以下、本発明を実施例等に基づいて説明するが、本発明の範囲は以下の実施例等に限定して解釈されない。尚、常法に従い、と記述した技術は、例えばマニアティスらの方法(Maniatis,T.,et al.Molecular Cloning.Cold Spring Harbor Laboratory 1982年、1989年)や上記の蛋白質・酵素の基礎実験法、市販の各種酵素、又は、キット類に添付された手順に従えば実施できるものである。又、以下に示した測定値等は測定の条件や使用機器の精度等によりその値は変化し得る。
【0086】
尚、本発明で使用する試薬類は、特に断らない限り、和光純薬工業株式会社製、シグマアルドリッチ社製、タカラバイオ株式会社製等であり、市販で容易に入手できるものを使用することができる。DSM菌株はDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHで購入できる。ATCC菌株はAmerican Type Culture Collectionで購入できる。試薬のメーカーや純度等は特に限定されない。又、本発明で使用した血清などの生体材料は、市販品、又は、インフォームド・コンセント(使用目的の情報を正しく伝えた上での合意)を得たものである。
【0087】
本発明の第一の酵素の活性量は下記の活性測定法1又は活性測定法3で、本発明の第二の酵素の活性量は下記の活性測定法2で測定した。本発明の第一の酵素の活性測定法3は、反応工程が少ないので簡便に正確な活性値が測定できる。本発明の第一の酵素の活性測定法1は任意の物質を基質として測定が可能である。尚、本明細書において、本発明の第一の酵素の活性量を特定する必要がある際には、測定法を特に断らない限り、全て活性測定法1における活性量として換算して表記する。換算に際しては、同じ検体を各測定方法で測定し、その値の変化量の比率から換算できる。変化量の比率は、測定の条件や使用機器の精度等によりその値は変化し得るが、測定法1:測定法3=0.7:3.0が例示される。
【0088】
[活性測定法1]
[反応試薬混合液]
20mM Tris/HCl緩衝液pH7.5
20mM グルコース
1mM ATP(pH7)
1mM 塩化マグネシウム
1mM NADP
50mM KCl
5U/ml グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ(旭化成ファーマ株式会社製)
5U/ml ADP依存性HK(旭化成ファーマ株式会社製)
1mM ミゾリビン
石英製の1.0cmキュベットに反応試薬混合液を1.3ml量りとり、37℃で2分間予備加温する。20mM Tris/HCl緩衝液pH7.5で適当な濃度に希釈した第一の酵素溶液を0.03ml加えて混和し37℃で反応を開始する。反応開始後340nmにおける吸光度を測定して直線的に反応している1分間当たりの吸光変化を求める。求められた吸光変化をAs/min、第一の酵素溶液の代わりに精製水を用いた盲検をAb/minとして、酵素活性(U/ml)は(式2)で算出する。
(式2)
酵素活性(U/ml)={(As/min−Ab/min)/6.22}×1.33/0.03×希釈倍数
【0089】
[活性測定法2]
[反応試薬混合液]
50mM Tris/HCl緩衝液pH8.0
2mM イノシン5’一リン酸
2mM NAD、50mM KCl
石英製の1.0cmキュベットに反応試薬混合液を2ml量りとり、37℃で2分間予備加温する。50mM Tris/HCl緩衝液pH8.0で適当な濃度に希釈した第二の酵素溶液を0.03ml加えて混和し37℃で反応を開始する。反応開始後340nmにおける吸光度を測定して直線的に反応している1分間当たりの吸光変化を求める。求められた吸光変化をAs/min、第二の酵素溶液の代わりに精製水を用いた盲検をAb/minとして、酵素活性(U/ml)は(式3)で算出する。
(式3)
酵素活性(U/ml)={(As/min−Ab/min)/6.22}×2.03/0.03×希釈倍数
【0090】
[活性測定法3]
[反応試薬混合液1]
30mM リン酸カリウム緩衝液 pH7.0
10mM ATP(pH7)
20mM 塩化マグネシウム
5mM イノシン
50mM 塩化カリウム
[反応試薬混合液2]
100mM Tris/HCl緩衝液 pH9.0
13U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
20mM NAD
50mM 塩化カリウム
1mM DTT
200mM EDTA(pH9)
石英製の1.0cmキュベットに反応試薬混合液を1.0ml量りとり、37℃で2分間予備加温する。30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0で適当な濃度に希釈した本発明の酵素溶液を0.01ml加えて混和し、37℃で反応を開始する。反応開始5分後に0.1Nの塩酸を2ml混和して反応を止め、550nmにおける吸光度を測定し、吸光変化を求める。求められた吸光変化をAs/min、第一の酵素溶液の代わりに精製水を用いた盲検をAb/minとして、酵素活性(U/ml)を下記(式4)で算出する。
(式4)
酵素活性(U/ml)={(As/min−Ab/min)/19}×3.01/0.01×希釈倍数
【0091】
[蛋白質濃度測定]
本発明の第一の酵素及び第二の酵素等の蛋白質濃度はバイオラッド社のプロテインアッセイキットを用いて常法にて測定し、BSAをスタンダードとして算出した。
【0092】
[実施例1]
<ミゾリビンをリン酸化し得る酵素の探索1>
堆肥中から常法にて分離した微生物を0.5%のイノシンを含む100mlのLB培地で37℃17時間培養して遠心分離して菌体を得た。菌体を10mlの10mM Tris/HCl緩衝液pH7.5で懸濁して超音波破砕し、遠心分離して粗酵素液を得た。下記の反応液500μlに粗酵素液10μlを添加し37℃で30分間反応した。反応後の反応液を精製水で10倍希釈して、25μlをHPLCで分離した。HPLCは昭和電工社製のAsahipak GS−320を使用し、移動相は200mMリン酸ナトリウム緩衝液pH3.0、流速は0.5ml/minで室温でにおいて実施し、260nmの吸光をモニターしたところ、ミゾリビンをリン酸化し得る活性、すなわち、本発明の第一の酵素の活性が検出されたので、該微生物を第一の酵素を形成する微生物として選別した。上記の粗酵素液10mlを10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0で平衡化したQ sep.FF(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に吸着させた。10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0で充分に洗浄した後、0及び0.5MのKClを含む10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0を用いたリニアグラジェントにて溶出した。活性画分に最終濃度15%になるように硫酸アンモニウムを添加し、15%の硫酸アンモニウムを含む10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で平衡化したPhenyl sep.FF(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に吸着して15及び0%の硫酸アンモニウムを含む10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5を用いたリニアグラジェントにて溶出した。活性画分は10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で平衡化したG−25(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)で脱塩した後、10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で平衡化したResourceQ(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に吸着させた。10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で充分に洗浄した後、0及び0.5MのKClを含む10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5を用いたリニアグラジェントにて溶出した。活性画分は10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0で平衡化したG−25で脱塩して、第一の酵素を得た。該酵素をSDS−PAGEにて分離しメイン蛋白をPVDF膜にブロッティングしプロテインシーケンスした所、本実施例で得た本発明の第一の酵素は、大腸菌のグアノシンイノシンキナーゼであることが判明した。本実施例で得た第一の酵素の比活性は、0.01U/mg以下であった。そこで、H.Kawasakiら、Biosci.Biotechnol.Biochem.、64巻、972頁、2000年に記載の方法に従って、大腸菌JM109のグアノシンイノシンキナーゼを大量発現する形質転換体を調整し、該グアノシンイノシンキナーゼを取得し、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素活性を検出した所、上記と同様な結果が得られた。
[反応液]10mM Tris/HCl緩衝液pH7.5、30mM KCl、5mM 塩化マグネシウム、5mM ATP pH7、1mM DTT、1mMミゾリビン。
【0093】
[実施例2]
<ミゾリビンをリン酸化し得る酵素の探索2>
Thomas Hansenら、Extremophiles、11巻、105−114頁、2007年に記載の方法に従ってMethanocaldococcus jannaschii由来のホスホフルクトキナーゼ−B(Phosphofructokinase−B)を調整した。具体的には、Methanocaldococcus jannaschii DSM2661株をテンプレートに配列表配列番号13と配列表配列番号14のプライマーを用いてPCRで増幅した遺伝子をpET17bにライゲーションし、大腸菌BL21(DE3)に形質転換した。形質転換体をLB培地で培養しIPTGで該遺伝子がコードするホスホフルクトキナーゼ−Bを誘導発現し、該酵素を上記実施例1と同様の方法で精製した。精製酵素は上記実施例1と同様のHPLCにより、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素活性、すなわち、本発明の第一の酵素の活性があることを確認した。本実施例で得た第一の酵素の比活性は、約0.02U/mgであった。
【0094】
[実施例3]
<ミゾリビンをリン酸化し得る酵素の探索3>
Archaeoglobus fulgidus DSM4304株をテンプレートに配列表配列番号15と配列表配列番号16のプライマーを用いてPCRで増幅した遺伝子をpET21a(+)にライゲーションし、大腸菌BL21(DE3)に形質転換した。形質転換体をLB培地で培養しIPTGで該遺伝子がコードする酵素を誘導発現し、該酵素を上記実施例1と同様の方法で精製した。精製酵素は実施例1と同様のHPLCにより、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素活性、すなわち、本発明の第一の酵素の活性があることを確認した。本実施例で得た第一の酵素の比活性は、0.01U/mg以下であった。
【0095】
[実施例4]
<ミゾリビンをリン酸化し得る酵素の探索4>
B.Sahinら、Eur.J.Biochem、271巻、3547頁、2004年に記載の方法を参考にマウス由来アデノシンキナーゼを調整した。具体的には、マウスbrainのcDNA(Clontech社)をテンプレートに配列表配列番号17と配列表配列番号18のプライマーを用いてPCRで増幅した遺伝子をpET21a(+)にライゲーションし、大腸菌BL21(DE3)に形質転換した。形質転換体をLB培地で培養しIPTGで該遺伝子がコードする酵素を誘導発現し、該酵素を上記実施例1と同様の方法で精製した。精製酵素は実施例1と同様のHPLCにより、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素活性、すなわち、本発明の第一の酵素の活性があることを確認した。本実施例で得た第一の酵素の比活性は、0.01U/mg以下であり、実施例2で得た第一の酵素の反応速度と比較して、約二分の一であった。ところで、マウス由来のアデノシンキナーゼとヒト由来のアデノシンキナーゼは、アミノ酸配列における相同性が約90%と近似しており、活性中心のアミノ酸も保存されていることから、マウス由来のアデノシンキナーゼとヒト由来のアデノシンキナーゼは同様の性質であると予想できる(Structure、1998年、6巻、183−193頁等)。すなわち、ヒト由来のアデノシンキナーゼもマウス由来のアデノシンキナーゼと同様に本発明の第一の酵素となり得て、比活性は0.01U/mg以下と推定されるが、実施例2で得た第一の酵素の方が、反応速度として、約二倍良好であると予想できる。
【0096】
[実施例5]
<ミゾリビンをリン酸化し得る酵素の探索5>
Burkholderia thailandensis DSM13276株を0.5%のイノシンを含む100mlのLB培地で30℃2日間培養して遠心分離して菌体を得た。菌体を10mlの10mM Tris/HCl緩衝液pH7.5で懸濁して超音波破砕し、遠心分離して粗酵素液を得た。粗酵素液は実施例1と同様のHPLCにより、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素活性、すなわち、本発明の第一の酵素の活性があることを確認した。
【0097】
[実施例6]
<DNAの抽出>
LB培地を使用して30℃2日間培養して集菌したBurkholderia thailandensis DSM13276株の菌体を50mM Tris/HCl緩衝液pH8.0、50mM EDTA、15%シュークロースを含む1mg/mlリゾチーム溶液で37℃、10分処理した後、SDSを最終濃度0.25%になるよう添加して菌体を溶解した。更に等量のフェノール/クロロホルムの1:1混合液を加え、30分攪拌した後、遠心分離(12,000rpm、15分間)して水層を回収した。回収した水層に10分の1量の3Mの酢酸ナトリウム(pH5.5)を混合後、2倍量のエタノールを静かに重層し、ゲノムDNAをガラス棒に巻き付かせて分離した。分離したゲノムDNAを、10mM Tris/HCl緩衝液pH8.0、1mM EDTA水溶液(以下TEと記載する場合もある)に溶解し、適量のRNaseAを加え、37℃で1時間保温し、混在しているRNAを分解した。次いで、等量のフェノール/クロロホルムの1:1混合液を加え、前記と同様に処理して、水層を分取した。分取した水層に10分の1量の3Mの酢酸ナトリウム(pH5.5)と2倍量のエタノールを加えて前記の方法でもう一度ゲノムDNAを分離した。この染色体をTEに溶解し、TE飽和のフェノールとクロロホルムの1:1混合液を加え、全体を懸濁した後、同様の遠心分離を繰り返し、上層を再び別の容器に移した。この分離した上層に3Mの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)とエタノールを加え、撹拌後、−70℃で5分間冷却した後、遠心分離(2,000G、4℃、15分)し、沈澱した染色体を75%エタノールで洗い、減圧乾燥した。以上の操作によりBurkholderia thailandensis DSM13276株のDNA標品を得た。
【0098】
[実施例7]
<PCR法による配列表配列番号2に示す遺伝子の増幅>
pTip QC1又はpTip QC2(特許第3944577号公報、及び特許第3793812号公報)のマルチクローニングサイトNdeI及びBamHI部位に配列表配列番号2の遺伝子を挿入するように、配列表配列番号3と配列表配列番号4のプライマーを設計した。PCRは、KODDNAポリメラーゼ(東洋紡社製)を用いた。PCR条件は、使用説明書記載の方法に従った。得られた約1.0kbpのPCR産物は、常法に従って精製した。
【0099】
[実施例8]
<発現ベクターとのライゲーション>
実施例7で精製したPCR産物をNdeI及びBamHIにより常法に従って制限酵素処理しインサートとした。常法に従って精製したインサートはNdeI及びBamHIにより制限酵素処理し精製したpTip QC1又はpTip QC2と常法に従ってライゲーションし、pTip QC1/BthNK及びpTip QC2/BthNKを作成した。pTip QC1/BthNK及びpTip QC2/BthNKを大腸菌DH5αに常法に従って導入して形質転換し、コロニーダイレクトPCR法によるポジティブクローンから精製した組換体プラスミドは、DNAシーケンスによりインサート配列が正しい事を確認した。
【0100】
[実施例9]
<pTip QC1/BthNK、及びpTip QC2/BthNKのRhodococcus erythropolisへの形質転換>
pTip QC1/BthNK、及びpTip QC2/BthNKのRhodococcus erythropolisへの形質転換は特開2004−073116号公報等に記載の方法に従いエレクトロポレーション法(電気穿孔法)で実施した。エレクトロポレーション条件は次のようにした。コンピテントセルを融解し、pTip QC1/BthNK、又はpTip QC2/BthNKと混合して、2mmの専用チャンバーに入れ、7.5mS、2500V、25μF、400Ωでパルスをかけた。
【0101】
[実施例10]
<発現チェック>
実施例9で得た形質転換体を34μg/mlのクロラムフェニコールを含むLB培地に植菌し、30℃で2日間培養してシードとした。34μg/mlのクロラムフェニコールと1μg/mlのチオストレプトンを含むLB培地に上記のシードを1/10量植菌し、30℃で1日間培養した。培養液を遠心分離して集菌し、培養液の1/5倍量の20mM Tris/HCl緩衝液pH7.5に懸濁、超音波破砕して、遠心分離し、得られた上清を粗酵素液とした。粗酵素液のSDS−PAGE結果を図1に示すが、酵素の大量発現が確認された。尚、図1(A)中矢印がpTip QC1/BthNK、図1(B)中矢印がpTip QC2/BthNKの形質転換体で発現した第一の酵素(BthNK)(ミゾリビンをリン酸化し得る酵素)である。
【0102】
[実施例11]
<pTip QC1/BthNK形質転換体からミゾリビンをリン酸化し得る酵素の精製>
実施例10でpTip QC1/BthNK形質転換体を培養して得られた粗酵素液を0.1Mの塩化ニッケル、及び0.3Mの塩化ナトリウムを含む50mMのリン酸緩衝液pH8.0で平衡化したCherating Sepharose FF(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に吸着させた。0.3Mの塩化ナトリウムを含む50mMのリン酸緩衝液pH8.0で充分に洗浄した後、10%グリセロール及び0.3Mの塩化ナトリウムを含む50mMのリン酸緩衝液pH6.0で充分に洗浄した。0.4Mイミダゾール、10%グリセロール及び0.3Mの塩化ナトリウムを含む50mMのリン酸緩衝液pH6.0にて溶出した。活性画分は0.03Mの塩化ナトリウム、0.05MのKCl及び1mMのDTTを含む30mMのリン酸緩衝液pH7.0で透析して第一の酵素(BthNK)(ミゾリビンをリン酸化し得る酵素)を得た。本実施例で得たBthNKの比活性は、約0.04U/mgであった。1Lの培養で約80mgのBthNKを得た。
【0103】
[実施例12]
<pTip QC2/BthNK形質転換体からミゾリビンをリン酸化し得る酵素の精製>
実施例10でpTip QC2/BthNK形質転換体を培養して得られた粗酵素液を10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0で平衡化したQ sep.BB(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に吸着させた。10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0で充分に洗浄した後、0及び0.5MのKClを含む10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0を用いたリニアグラジェントにて溶出した。活性画分に最終濃度15%になるように硫酸アンモニウムを添加し、15%の硫酸アンモニウムを含む10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で平衡化したPhenyl sep.FFに吸着して15及び0%の硫酸アンモニウムを含む10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5を用いたリニアグラジェントにて溶出した。活性画分は10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で平衡化したG−25で脱塩した後、10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で平衡化したDEAE sep.FF(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に吸着させた。10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で充分に洗浄した後、0及び0.5MのKClを含む10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5を用いたリニアグラジェントにて溶出した。活性画分は10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0で平衡化したG−25で脱塩して第一の酵素(BthNK)(ミゾリビンをリン酸化し得る酵素)を得た。本実施例で得たBthNKの比活性は、約0.04U/mgであった。1Lの培養で約50mgのBthNKを得た。
【0104】
[実施例13]
<pETシステムを使用したミゾリビンをリン酸化し得る酵素の発現>
実施例7で得られたインサートは、NdeI及びBamHIにより制限酵素処理し精製したpET21a(+)と常法に従ってライゲーションし、pET21a(+)/BthNKを作成した。pET21a(+)/BthNKを大腸菌BL21(DE3)に常法に従って導入して形質転換し、コロニーダイレクトPCR法によるポジティブクローンから精製した組換体プラスミドは、DNAシーケンスしてインサート配列が正しい事を確認した。得られた形質転換体を50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地に植菌した。30℃で1日間培養してシードとした。50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地に上記のシードを1/100量植菌し、30℃で一日培養した。培養液中の濃度が1mMになるようにIPTGを加え、更に30℃で3時間培養した。培養液を遠心分離して集菌し、培養液の1/5倍量の20mM Tris/HCl緩衝液pH8.5に懸濁、超音波破砕して、遠心分離し、得られた上清を粗酵素液とした。粗酵素液のSDS−PAGE結果を図2に示すが、酵素の大量発現が確認された。尚、図中矢印が本発明の第一の酵素(ミゾリビンをリン酸化し得る酵素)である。粗酵素液は実施例12と同様の方法で精製した。本実施例で得た第一の酵素(BthNK)(ミゾリビンをリン酸化し得る酵素)の比活性は、約0.04U/mgであった。1Lの培養で約50mgのBthNKを得た。
【0105】
[実施例14]
<ミゾリビンのリン酸化方法とリン酸化ミゾリビンの製造>
実施例1に記載の反応液500μlに、10mM Tris/HCl緩衝液pH7.5で希釈した実施例12で調製したBthNKを10μl添加し37℃で30分間反応した。反応後の反応液を実施例1と同様にHPLCで分離した。反応後のクロマト図を図3の(C)、反応前のクロマト図を図3の(B)に示す。図3の(A)は同じHPLC条件で、標品のリン酸化ミゾリビンをHPLCで分離したクロマト図である。実施例12で調整したBthNKがミゾリビンをリン酸化し得る酵素活性があることが確認された。同様に実施例13で調製したBthNKがミゾリビンをリン酸化し得る酵素活性があることも確認した。
【0106】
[実施例15]
<基質特異性>
実施例12により調製したBthNKを用いた。上記の活性測定法1でミゾリビンの代わりに表1中の各基質を使用して、BthNKの相対活性を測定した。表1に、相対活性を比較した基質特異性を示す。
【0107】
【表1】

【0108】
本実施例の結果から明らかなように、BthNK、すなわち、本発明の第一の酵素(ミゾリビンをリン酸化し得る酵素)は、少なくともリン酸供与体存在下で、ヌクレオシドをリン酸化ヌクレオシドとする反応を触媒する。特に、アデノシン、イノシン、及びグアノシンに作用し、シチジン及びキサントシンに実質的に、すなわち本実施例の条件下、作用せず、リボースにも実質的に作用しない。
又、本実施例の結果から明らかなように、BthNK、すなわち、本発明の第一の酵素(ミゾリビンをリン酸化し得る酵素)は、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンとする反応を触媒する。
【0109】
[実施16]
<至適pH>
実施例12により調製したBthNKを用いた。活性測定法3における緩衝液をpH4.5〜6.0の範囲はクエン酸/NaOH(図4中○印)、pH6.0〜7.5の範囲はリン酸カリウム緩衝液(図4中●印)、pH7.0〜9.0の範囲はTris/HCl緩衝液(図4中△印)、pH9.5はグリシン/NaOH緩衝液(図4中□印)に変更して活性測定を行い、至適pHを測定した。図4に、最大活性を100%とした相対活性(%)を示した。BthNKが最大の活性を示す至適pHは、pH5.5〜7.5の範囲に存在した。
【0110】
[実施例17]
<pH安定性>
実施例12により調製したBthNKを用いてpH安定性を測定した。BthNKを0.475mg/mlになるように100mMのpH4.5〜6.0の範囲はクエン酸/NaOH(図5中○印)、pH6.0〜7.5の範囲はリン酸カリウム緩衝液(図5中●印)、pH7.0〜9.0の範囲はTris/HCl緩衝液(図5中△印)、pH9.5〜11.0はグリシン/NaOH緩衝液(図5中□印)に希釈して37℃で3時間加温処理した後、BthNKの残存活性を活性測定法3で測定した。図5に示す通り、BthNKは37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持した。
【0111】
[実施例18]
<熱安定性>
実施例12により調製したBthNKを用いて熱安定性を測定した。BthNKを0.475mg/mlになるように100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0中に希釈し、各温度で20分間熱処理した後、BthNKの残存活性を活性測定法3で測定した。図6に示す通り、BthNKは100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持した。
【0112】
[実施例19]
<BthNKの分子量>
実施例12により調製したBthNKのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE)による分子量は、図7に示すように約34kDaであった。配列表配列番号1のアミノ酸配列からの計算値は、33,994であった。
【0113】
[実施例20]
<BthNKの作用温度範囲>
実施例12により調製したBthNKを活性測定法3で、反応温度を15〜70℃まで変化して、BthNKのイノシンをリン酸化する反応速度を測定した(図8)。その結果をアレニウスプロットして図9に示した。図8で示した通り、作用温度の範囲は少なくとも15〜70℃であった。又、図9より、20〜45℃の間における活性化エネルギーは約64kJ/molであった。尚、図9中Tは絶対温度を示す。又、図8で50℃以上では相対活性が上がっていないように見えるが、反応液中におけるBthNKの安定性やATPの分解の結果と考えられる。
【0114】
[実施例21]
<金属の利用性>
実施例12により調製したBthNKを使用した下記の[混合物]において、表2に示した金属化合物を使用した場合の、BthNKによるAMPが生成する速度を測定し、結果を相対比として表2に示す。
[混合物]1mlに、最終濃度1mMとなるようにアデノシンを添加して37℃で30分間アデノシンをリン酸化した。リン酸化後の[混合物]を精製水で10倍に希釈して、25μlをHPLCで分離した。HPLCは昭和電工社製のAsahipak GS−320を使用し、移動相は200mMリン酸ナトリウム緩衝液pH3.0、流速は0.5ml/minで、室温で実施し、AMPの生成量を260nmの吸光で測定した。
[混合物]
50mM Tris/HCl緩衝液 pH 7.5
2.5mM ATP
5mM 表2に示す金属化合物
0.5mU/ml 実施例12により調製したBthNK
【0115】
【表2】

【0116】
BthNKは、少なくともマグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン又はマンガンイオンのうち、いずれか一つ以上利用することがわかった。
【0117】
[実施例22]
<VmaxとKm>
実施例12により調製したBthNKを活性測定法1で、Km値の1/10倍〜10倍の間で5つ以上の異なる濃度になるように基質濃度を調製して、ラインウェーバー・バーク逆数プロットにより各見かけのVmaxとKm値を算出した。その結果を表3に示す。
【0118】
【表3】

【0119】
更に、実施例12により調製したBthNKのイノシンに対するVmaxとKmを別法で測定した。
[反応試薬混合液1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
10mM ATP(pH7)
20mM 塩化マグネシウム
5mM イノシン
50mM KCl
[反応試薬混合液2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
13U/ml 実施例33で調整したBsuIMPDH
20mM NAD
50mM KCl
1mM DTT
200mM EDTA(pH9)
石英製の1.0cmキュベットに反応試薬混合液1を1.0ml量り、37℃で2分間予備加温する。30mMリン酸カリウム緩衝液pH7.0で適当な濃度に希釈したBthNKを0.05ml加えて混和し37℃で反応を開始する。5分後に反応試薬混合液2を1.0ml混和して、340nmにおける吸光度を測定して吸光変化を求める。イノシン濃度及びNAD濃度はKm値の1/10倍〜10倍の間で5つ以上の異なる濃度になるようにを調製し、ラインウェーバー・バーク逆数プロットによりイノシンに対するKmとVmaxを算出した。その結果、Vmax=1.59μmol/min/mg、Km=0.18μmol/min/mgであった。
【0120】
[実施例23]
<ヌクレオシドのリン酸化方法とリン酸化ヌクレオシド製造>
実施例12により調製したBthNKを使用し、ヌクレオシドのリン酸化剤として下記の[組成物]を調製し、アデノシンのリン酸化方法を実施して、アデノシンからリン酸化アデノシン(AMP)を製造した。[組成物]1mlに、最終濃度1mMとなるようにアデノシンを添加して37℃で30分間アデノシンのリン酸化方法を実施した。アデノシンのリン酸化方法を実施後の[組成物]を精製水で10倍に希釈して、25μlをHPLCで分離した。HPLCは実施例1に記載の方法と同様に実施した。アデノシンのリン酸化方法を実施後のクロマト図を図10の(C)、実施前のクロマト図を図10の(B)に示す。図10の(A)は同じHPLC条件で、標品のATP、ADP、AMP、及びアデノシン組成物をHPLCで分離したクロマト図である。本発明のミゾリビンをリン酸化し得る酵素酵素を使用したヌクレオシドのリン酸化剤で、アデノシンのリン酸化方法を実施して、アデノシンからリン酸化アデノシン(AMP)を製造することができた。盲検は実施例12により調製したBthNKの代わりに精製水を使用して実施し、実施前後のクロマト図が図10の(B)と変化無いことを確認した。
[組成物]
50mM Tris/HCl緩衝液pH7.5
2.5mM ATP
5mM 塩化マグネシウム
0.5mU/ml 実施例12により調製したBthNK
【0121】
[実施例24]
<ヌクレオシド混合物の測定>
実施例12により調製したBthNKを使用し、下記の[組成物]を作成し、アデノシン、イノシン、及びグアノシンの混合物の測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル5μl、R1として[組成物1]を100μl、R2として[組成物2]を100μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、1ポイントエンド、10分反応、0−31とし、精製水によるブランクを差し引いた。試料としてアデノシン、イノシン、及びグアノシンの1:1:1混合物を合計濃度で図11の横軸の範囲となるように調整して、測定した結果を図11に示した。BthNKを使用した組成物で、アデノシン、イノシン、及びグアノシン混合物の測定が実施できた。
[組成物1]
20mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
10mM ATP(pH7)
20mM 塩化マグネシウム
0.025U/ml BthNK
50mM KCl
[組成物2]
20mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
20mM グルコース
20mM 塩化マグネシウム
50mM KCl
5mM NADP
5U/ml グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ
5U/ml ADP依存性HK
【0122】
[実施例25]
<ヌクレオシドの測定>
実施例12により調製したBthNKを使用し、下記の[組成物]を作成し、アデノシン、イノシン、及びグアノシンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル3μl、R1として[組成物]を130μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、5分反応、7−9とし、精製水によるブランクを差し引いた。試料としてアデノシン、イノシン、及びグアノシンを用い、それぞれ図12〜図14の横軸の濃度範囲となるように調整して測定した結果を図12〜図14に示した。BthNKを使用した組成物で、アデノシン、イノシン、及びグアノシンの測定が実施できた。尚、レートA(RATE−A)とは測定機器(日立7080形自動分析機)の測定方法の1つであり、日立7080形自動分析機の取扱説明書を参照すれば当業者なら理解出来る。
[組成物]
50mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
1mM ATP(pH7)
0.5mM 塩化マグネシウム
0.5mM PEP
0.1mM NADH
50U/ml ピルビン酸キナーゼ
15U/ml 乳酸脱水素酵素
2mM DTT
2.5mU/ml BthNK
【0123】
[実施例26]
<ヌクレオシドの測定>
実施例12により調製したBthNKを使用し、下記の[組成物]を作成し、アデノシン、イノシン、及びグアノシンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル3μl、R1として[組成物]を130μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、5分反応、7−9とし、精製水によるブランクを差し引いた。試料としてアデノシン、イノシン、及びグアノシンを用い、それぞれ図15〜図17の横軸の濃度範囲となるように調整して測定した結果を図15〜図17に示した。BthNKを使用した組成物で、アデノシン、イノシン、及びグアノシンの測定が実施できた。[組成物]:20mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0、20mM グルコース、1mM ATP(pH7)、1mM 塩化マグネシウム、1mM NADP、50mM KCl、5U/ml グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ、5U/ml ADP依存性HK、0.6mU/ml BthNK。
【0124】
[実施例27]
実施例11により調製したBthNK、実施例12により調製したBthNK及び実施例13により調製したBthNKについて、同時に上述の理化学的性質<1>〜<4>の測定を行い、比較した。その結果、該3種類のBthNKは、上述の理化学的性質<1>〜<4>を備える酵素であることが確認できた。
【0125】
[実施例28]
<DNAの抽出>
Nutrient 2.3%、ポテト抽出液 0.2%を含む培地を使用してBacillus subtilis ATCC23857株を26℃1日間培養して菌体を得た。ペプトン 5g/L、酵母エキス 1g/L、NaCl 20g/L、クエン酸鉄 0.1g/L、塩化マグネシウム 5.9g/L、硫酸ナトリウム 3.24g/Lを工業用水で溶解しpH7.6に調整した培地を使用してOceanobacillus iheyensis DSM14731株を25℃1日間培養して菌体を得た。これらの菌体から実施例5と同様の操作でBacillus subtilis ATCC23857株及びOceanobacillus iheyensis DSM14731株のDNA標品を得た。
【0126】
[実施例29]
<PCR法による配列表配列番号8に示す遺伝子の増幅>
実施例28で得たBacillus subtilis ATCC23857株のDNAをテンプレートに配列表配列番号19と配列表配列番号20のプライマーを用いてPCRで遺伝子増幅した。PCRはKODDNAポリメラーゼを用いて常法に従って行った。得られた約1.5kbpのPCR産物は常法に従って精製した。
【0127】
[実施例30]
<PCR法による配列表配列番号10に示す遺伝子の増幅>
実施例28で得たOceanobacillus iheyensis DSM14731株のDNAをテンプレートに配列表配列番号21と配列表配列番号22のプライマーを用いてPCRで遺伝子増幅した。PCRはKODDNAポリメラーゼを用いて常法に従って行った。得られた約1.5kbpのPCR産物は常法に従って精製した。
【0128】
[実施例31]
<発現ベクターとのライゲーション>
実施例29で精製したPCR産物をXbaI及びSacIにより常法に従って制限酵素処理しインサートとした。常法に従って精製したインサートはXbaI及びSacIにより制限酵素処理し精製したpHSG399と常法に従ってライゲーションし、pHSG399/BsuIMPDHを作成した。pHSG399/BsuIMPDHを大腸菌W3110に常法に従って導入して形質転換し、コロニーダイレクトPCR法によるポジティブクローンから精製した組換体プラスミドは、DNAシーケンスによりインサート配列が正しい事を確認した。
【0129】
[実施例32]
<発現ベクターとのライゲーション>
実施例29で精製したPCR産物をXbaI及びSacIにより常法に従って制限酵素処理しインサートとした。常法に従って精製したインサートはXbaI及びSacIにより制限酵素処理し精製したpHSG399と常法に従ってライゲーションし、pHSG399/ObIMPDHを作成した。pHSG399/ObIMPDHを大腸菌W3110に常法に従って導入して形質転換し、コロニーダイレクトPCR法によるポジティブクローンから精製した組換体プラスミドは、DNAシーケンスによりインサート配列が正しい事を確認した。
【0130】
[実施例33]
<BsuIMPDHの取得>
実施例31で得た形質転換体を34μg/mlのクロラムフェニコール及び1mM IPTGを含むLB培地に植菌し、30℃で1日間培養した。培養液を遠心分離して集菌し、培養液の1/5倍量の1mM DTTを含む20mM Tris/HCl緩衝液pH7.5に懸濁し、超音波破砕して遠心分離し、粗酵素液を得た。該粗酵素液を1mM DTTを含む10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0で平衡化したQ sep.BBに吸着させた。1mM DTTを含む10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0で充分に洗浄した後、1mM DTT及び0又は0.5MのKClを含む10mMのTris/HCl緩衝液pH8.0を用いたリニアグラジェントにて溶出した。活性画分に最終濃度15%になるように硫酸アンモニウムを添加し、1mM DTT及び15%の硫酸アンモニウムを含む10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で平衡化したPhenyl sep.FFに吸着して1mM DTT及び15又は0%の硫酸アンモニウムを含む10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5を用いたリニアグラジェントにて溶出した。活性画分は10mM リン酸カリウム緩衝液pH7.5で平衡化したG−25で脱塩して、Bacillus subtilis由来イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼ(BsuIMPDH)を得た。1Lの培養で約10mgのBsuIMPDHを得た。
【0131】
[実施例34]
<ObIMPDHの取得>
実施例32で得た形質転換体を用いて実施例33と同様にしてOceanobacillus iheyensis由来イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼ(ObIMPDH)を得た。1Lの培養で約10mgのObIMPDHを得た。
【0132】
[実施例35]
<BsuIMPDH及びObIMPDHの至適pH>
実施例33及び実施例34で調製したBsuIMPDH及びObIMPDHの至適pHを測定した。上記の活性測定法2における緩衝液をpH4.5〜6.0の範囲はクエン酸/NaOH(図18中○印)、pH6.0〜7.5の範囲はリン酸カリウム緩衝液(図18中●印)、pH7.0〜9.0の範囲はTris/HCl緩衝液(図18中△印)、pH9.5〜10.5はグリシン/NaOH(図18中□印)に変更して活性測定を行い、至適pHを測定した。図18に、最大活性を100%とした相対活性(%)を示した。図18で(A)がBsuIMPDHで、(B)がObIMPDHである。BsuIMPDH及びObIMPDHが最大の活性を示す至適pHは、pH8〜9の範囲に存在した。
【0133】
[実施例36]
<BsuIMPDH及びObIMPDHのpH安定性>
実施例33及び実施例34で調製したBsuIMPDH及びObIMPDHのpH安定性を測定した。BsuIMPDH及びObIMPDHが1mg/mlになるように100mMのpH4.5〜6.0の範囲はクエン酸/NaOH(図19中○印)、pH6.0〜7.5の範囲はリン酸カリウム緩衝液(図19中●印)、pH7.0〜9.0の範囲はTris/HCl緩衝液(図19中△印)、pH9.5〜11.0はグリシン/NaOH(図19中□印)、pH10.5〜12.5はリン酸ナトリウム緩衝液(図19中■印)に希釈して37℃で3時間加温処理した後、残存活性を活性測定法2で測定した。図19で(A)がBsuIMPDHで(B)がObIMPDHである。BsuIMPDH及びObIMPDHは37℃、3時間でpH6〜11の範囲で70%以上の活性を保持した。
【0134】
[実施例37]
<BsuIMPDH及びObIMPDHの熱安定性>
実施例33及び実施例34で調製したBsuIMPDH及びObIMPDHの熱安定性を測定した。BsuIMPDH及びObIMPDHが1mg/mlになるように1mMDTTを含む50mMリン酸カリウム緩衝液pH7.0中に希釈し、各温度で30分間熱処理した後、残存活性を活性測定法2で測定した。図20で(A)がBsuIMPDHで(B)がObIMPDHである。図20に示す通り、BsuIMPDH及びObIMPDHは1mMDTTを含む50mMリン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、60℃、30分間の熱処理で85%以上の活性を保持する。
【0135】
[実施例38]
<BsuIMPDH及びObIMPDHの分子量>
実施例33及び実施例34で調製したBsuIMPDH及びObIMPDHのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量は、図21に示すように52〜54kDaであった。図21で(A)がObIMPDHで(B)がBsuIMPDHである。配列表配列番号7及び配列表配列番号9のアミノ酸配列からの計算値では、BsuIMPDHが52,990、ObIMPDHが52,487であった。
【0136】
[実施例39]
<BsuIMPDH及びObIMPDHの活性に塩が与える影響>
実施例33及び実施例34で調製したBsuIMPDH及びObIMPDHの活性を、上記の活性測定法2におけるKClの濃度を変化して測定した結果を図22の(○)で、KClを塩化アンモニウムに換えて濃度を変化して測定しした結果を図22の(●)で示した。図22で(A)がObIMPDHで(B)がBsuIMPDHである。BsuIMPDH及びObIMPDHは50〜100mMのKClや塩化アンモニウムで最大活性になった。
【0137】
[実施例40]
<BsuIMPDH及びObIMPDHのカイネティックスパラメーター>
実施例33及び実施例34で調製したBsuIMPDH及びObIMPDHを使用した。上記の活性測定法2におけるNADとイノシン5’一リン酸(表中ではIMPと表記した)の濃度をKmの1/10倍〜10倍の間で5つ以上の異なる濃度になるように調製して、ラインウェーバー・バーク逆数プロットでBsuIMPDH及びObIMPDHのVmaxとKmを測定して表4に示した。
上記の活性測定法2の反応試薬混合液中にミコフェノール酸(表中ではMPAと表記した)をKi’の1/10倍〜10倍の間で5つ以上の異なる濃度になるように調製して、ラインウェーバー・バークプロットの2次プロットでBsuIMPDH及びObIMPDHのKi’を測定して表4に示した。
上記の活性測定法2の反応試薬混合液中にリン酸化ミゾリビン、キサントシン5’一リン酸(表中ではMZR−P、XMPと表記した)、ATP、ADP、AMPをKiの1/10倍〜10倍の間で5つ以上の異なる濃度になるように調製して、ディクソンプロットでBsuIMPDH及びObIMPDHのKiを測定して表4に示した。
BsuIMPDH及びObIMPDHはミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害され無かった。
阻害形式のUCは不拮抗阻害、COは拮抗阻害、NCは非拮抗阻害、CO+NCは拮抗阻害と非拮抗阻害の混合型であることを示す。
本実施例の結果より、BsuIMPDH及びObIMPDHは第二の反応を触媒し得る酵素、すなわち、第二の酵素であることが確認された。
【0138】
【表4】

【0139】
[実施例41]
<ミゾリビンの測定1>
実施例2により調製した第一の酵素を使用し、下記の[組成物]を作成し、ミゾリビンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル5μl、R1として[組成物1]を100μl、R2として[組成物2]を50μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、23−25とした。試料としてミゾリビンをPBSでそれぞれ0〜10μMの範囲で調整して測定した結果を図23に示した。実施例2により調製した第一の酵素を使用した組成物で、ミゾリビンの測定が実施できた。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
75mM KCl
5mM ATP(pH7)
10mM 塩化マグネシウム
1mM DTT
2mM イノシン5’一リン酸
[組成物2]
50mM Tris/HCl緩衝液pH8.5
75mM KCl
10mM NAD
1mM DTT
0.2U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
【0140】
[実施例42]
<リバビリンの測定>
実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を作成し、リバビリンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル10μl、R1として[組成物1]を200μl、R2として[組成物2]を100μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。試料としてリバビリンをPBSでそれぞれ0〜10mMの範囲で調整して測定した結果を図24に示した。実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、リバビリンの測定が実施できた。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
4U/ml 実施例12で調整したBthNK
0.2U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
1mM DTT
30mM NaCl
0.05% アジ化ナトリウム
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
0.05% アジ化ナトリウム
【0141】
[実施例43]
<ミゾリビンの測定2>
実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を作成し、ミゾリビンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル2μl、R1として[組成物1]を230μl、R2として[組成物2]を115μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。試料としてミゾリビンをPBSでそれぞれ0〜40μMの範囲で調整して測定した結果を図25に示した。実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、ミゾリビンの測定が実施できた。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
0.3U/ml 実施例11で調整したBthNK
0.29U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
1mM DTT
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
【0142】
[実施例44]
<ミゾリビンの測定3>
実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を作成し、ミゾリビンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル2μl、R1として[組成物1]を230μl、R2として[組成物2]を115μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。0〜2μMの範囲のミゾリビンを蒸留水で希釈した試料の測定結果を図26中○で、血清(Seronorm Human(Sero社))で希釈した試料の測定結果を図26中●で示した。実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、蒸留水中のミゾリビンと血清中のミゾリビンの測定が実施できた。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
0.3U/ml 実施例11で調整したBthNK
0.06U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
1mM DTT
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH7.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
【0143】
[実施例45]
<ミゾリビンの測定4>
実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDH又は実施例34で調製したObIMPDHを使用し、下記の[組成物]を作成し、ミゾリビンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル2μl、R1として[組成物1]を230μl、R2として[組成物2]を115μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。試料としてミゾリビンをPBSでそれぞれ0〜40μMの範囲で調整して、実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物1を使用した場合を図27中○、実施例34で調製したObIMPDHを使用した組成物1を使用した場合を図27中●で示した。実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDH又は実施例34で調製したObIMPDHを使用した組成物で、ミゾリビンの測定が実施できた。
[組成物1]:
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
0.3U/ml 実施例12で調整したBthNK
0.12U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH又は実施例34で調製したObIMPDH
1mM DTT
30mM NaCl
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
【0144】
[実施例46]
<ミゾリビンの測定5>
実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用して下記の[組成物]を作成し、干渉物質が測定値に与える影響を調べた。干渉物質には国際試薬社製の干渉チェックAを使用した。図28(A)〜(D)の横軸の濃度のビリルビンC、ビリルビンF、乳ビ、ヘモグロビンを混在した血清に、ミゾリビンを2μg/mlとなるように溶かして下記の[組成物]で測定した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル2.2μl、R1として[組成物1]を200μl、R2として[組成物2]を100μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、干渉物質の影響なくミゾリビンの測定が実施できた。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
0.4U/ml 実施例12で調整したBthNK
0.16U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
1mM DTT
30mM NaCl
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
【0145】
[実施例47]
<ミゾリビンの測定6>
実施例12で調整したBthNK又は実施例13で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を作成し、ミゾリビンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル2.2μl、R1として[組成物1]を200μl、R2として[組成物2]を100μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。試料としてミゾリビンをPBSでそれぞれ0〜5μg/mlの範囲で調整して、実施例12で調整したBthNKを使用した組成物1を使用した場合を図29中○、実施例13で調整したBthNKを使用した組成物1を使用した場合を図29中●で示した。実施例12で調整したBthNK又は実施例13で調整したBthNKを使用した組成物で、ミゾリビンの測定が実施できた。
[組成物1]:
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.4U/ml 実施例12で調整したBthNK又は実施例13で調整したBthNK0.16U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
2mM DTT
30mM NaCl
0.05% TX−100
0.05% アジ化ナトリウム
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
0.05% TX−100
2mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
0.05% アジ化ナトリウム
【0146】
[実施例48]
<ミゾリビンの測定7>
実施例13で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を作成し、ミゾリビンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。パラメーターをサンプル2μl、R1として[組成物1]を200μl、R2として[組成物2]を100μlとした場合は、0〜7.5μg/mlの範囲をPBSで調整した試料を測定した(図30(A))。パラメーターをサンプル5μl、R1として[組成物1]を100μl、R2として[組成物2]を50μlとした場合は、0〜0.5μg/mlの範囲をPBSで調整した試料を測定した(図30(B))。実施例13で調整したBthNKを使用した組成物で、0〜7.5μg/mlの範囲と0〜0.5μg/mlの範囲のミゾリビンが測定できた。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
0.4U/ml 実施例13で調整したBthNK
0.12U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
1mM DTT
30mM NaCl
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
【0147】
[実施例49]
<ミゾリビンの測定8>
実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を作成し、ミゾリビンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。パラメーターはサンプル5μl、R1として[組成物1]を100μl、R2として[組成物2]を50μlとした。試料としてミゾリビン(0〜2μM)を血清で希釈調整した場合を図31の●、血球を蒸留水で5倍希釈した血球破壊液で希釈調整した場合を図31の○で示した。実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、血清希釈の血球破壊液希釈のミゾリビンが0〜2μMの範囲のミゾリビンが測定できた。
[組成物1]
30mM Tris/HCl緩衝液pH7.5
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM イノシン5’一リン酸
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
0.1U/ml 実施例11で調整したBthNK
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
10mM NAD
0.05% TX−100
1mM DTT
0.06U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
【0148】
[実施例50]
<ミゾリビンの測定9>
ヒト血清40検体に0.5〜6.9μg/mlの範囲でミゾリビンを添加し試料とした。該試料を実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を使用して血清中ミゾリビンを測定した結果(本発明のミゾリビン測定方法)と、実施例1に記載のHPLCを使用する方法(HPLCによるミゾリビン測定)で血清中ミゾリビンを測定した結果を比較した。図32で示すように、本発明のミゾリビン測定方法(X軸)とHPLCによるミゾリビン測定(Y軸)は、相関式が約Y=1.1X+0.09だった。本発明のミゾリビン測定方法は、HPLCによるミゾリビン測定方法と同等の正確性であることが確認された。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
0.19U/ml 実施例12で調整したBthNK
0.16U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
1mM DTT
30mM NaCl
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
【0149】
[実施例51]
<リン酸化ミゾリビンの測定>
実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を作成し、リン酸化ミゾリビンの測定方法を実施した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル2μl、R1として[組成物1]を230μl、R2として[組成物2]を115μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。0〜35μMの範囲のリン酸化ミゾリビンを蒸留水で希釈した試料の測定結果を図33に示した。実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、蒸留水中のリン酸化ミゾリビンの測定が実施できた。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
50mM KCl
5mM NAD
0.05% TX−100
0.16U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
1mM DTT
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH7.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
【0150】
[実施例52]
<ミゾリビンの測定10>
ミゾリビンを投与されている患者から採血した血清47検体を試料とした。実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用し、下記の[組成物]を使用して血清中ミゾリビンを測定した結果(本発明のミゾリビン測定方法)と、Journal of chromatography、432巻、1988年、340−345頁に記載のHPLCを使用する方法(HPLCによるミゾリビン測定)で血清中ミゾリビンを測定した結果を比較した。図34で示すように、本発明のミゾリビン測定方法(Y軸)とHPLCによるミゾリビン測定(X軸)は、相関式が約Y=1.1X+0.06だった。本発明のミゾリビン測定方法は、HPLCによるミゾリビン測定方法と同等の正確性であることが確認された。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH6.0
50mM KCl
10mM ATP(pH7)
5mM NAD
20mM 塩化マグネシウム
0.05% TX−100
0.19U/ml 実施例12で調整したBthNK
0.16U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
1mM DTT
30mM NaCl
[組成物2]
100mM Tris/HCl緩衝液pH9.0
50mM KCl
0.05% TX−100
1mM DTT
20mM イノシン5’一リン酸
【0151】
[実施例53]
<第一の酵素の比較>
実施例33で調製したBsuIMPDH、実施例2で調製したMethanocaldococcus jannaschii由来の第一の酵素、又は、実施例3で調製したArchaeoglobus fulgidus由来の第一の酵素、又は、実施例12で調整したBthNKを使用し、下記の[組成物]を作成し、1μg/mlのミゾリビンを測定した。測定には日立7080形自動分析機を使用した。パラメーターはサンプル5μl、R1として[組成物1]を100μl、R2として[組成物2]を50μl、測定主波長は340nm、測定副波長は405nm、レートA、10分反応、20−22とした。
その結果、実施例2で調製したMethanocaldococcus jannaschii由来の第一の酵素を使用した場合、約80mAbs/分(9.3mAbs/分/mg)、実施例3で調製したArchaeoglobus fulgidus由来の第一の酵素を使用した場合、約80mAbs/分(16.7mAbs/分/mg)、実施例12で調整したBthNKを使用した場合、約200mAbs/分(100mAbs/分/mg)の感度が得られた。この結果から、実施例12で調整したBthNKは、少なくとも、実施例2で調製した第一の酵素に対して10.7倍以上、実施例3で調製した第一の酵素に対して6倍以上の効率でミゾリビンをリン酸化している事が分かった。又この結果と、実施例4の結果を考え合わせると、実施例12で調整したBthNKはマウス由来のアデノシンキナーゼ、又は、ヒト由来のアデノシンキナーゼの、21倍以上の効率でミゾリビンをリン酸化している事が予想される。このように、Archaeoglobus fulgidus由来の第一の酵素、Methanocaldococcus jannaschii由来の第一の酵素、マウス由来のアデノシンキナーゼ、ヒト由来のアデノシンキナーゼも、本発明のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法における第一の酵素として使用することが可能であるが、通常はその酵素の使用量を増やす必要があることから、BthNKが本発明の第一の酵素としては最適であることが分かった。
[組成物1]
30mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0
75mM KCl
5mM ATP(pH7)
5mM 塩化マグネシウム
1mM イノシン5’一リン酸
1mM DTT
8.6mg/ml 実施例2で調製した第一の酵素、又は、
4.8mg/ml 実施例3で調製した第一の酵素、又は、
2.0mg/ml 実施例12で調整したBthNK
[組成物2]
50mM Tris/HCl緩衝液pH8.5
75mM KCl
10mM NAD
1mM DTT
0.3U/ml 実施例33で調製したBsuIMPDH
【0152】
[実施例54]
<第二の酵素の変異体作成>
実施例28、実施例29、及び実施例31と同様の方法でpHSG399/BsuIMPDHを作成した。該pHSG399/BsuIMPDHをテンプレートとして、配列表配列番号25、配列表配列番号26、配列表配列番号27、及び配列表配列番号28のプライマーを用いて、PCRを用いた常法や実施例28、実施例29、及び実施例31と同様の方法にてBsuIMPDHの2アミノ酸変異体をコードする塩基配列を含むプラスミドであるpHSG399/BsuIMPDH[V432I、K449I]を調整した。同様に、配列表配列番号29、配列表配列番号30、配列表配列番号31、配列表配列番号32、配列表配列番号33、配列表配列番号34、配列表配列番号35、配列表配列番号36、配列表配列番号37、及び配列表配列番号38のプライマーを用いて、BsuIMPDHの5アミノ酸変異体をコードする塩基配列を含むプラスミドであるpHSG399/BsuIMPDH[D29N、S33Y、T158S、T270A、V387E]を調整した。同様に、BsuIMPDHの1アミノ酸変異体をコードする塩基配列を含むプラスミドであるpHSG399/BsuIMPDH K345N及びpHSG399/BsuIMPDH L367Iを調整した。実施例31と同様の方法で得たそれぞれの形質転換体を34μg/mlのクロラムフェニコール及び1mM IPTGを含むLB培地に植菌し、30℃で1日間培養した。その結果pHSG399/BsuIMPDH、pHSG399/BsuIMPDH[V432I、K449I]、pHSG399/BsuIMPDH K345N、pHSG399/BsuIMPDH[D29N、S33Y、T158S、T270A、V387E]、及びpHSG399/BsuIMPDH L367Iの形質転換体の培養力価はそれぞれ0.64U/ml、1.57U/ml,2.69U/ml、2.82U/ml、及び3.09U/mlであった。これらの置換により、本発明の第二の酵素の製造方法において、本発明の第二の酵素の生産量が向上した。
【0153】
[実施例55]
<赤血球中のミゾリビンの測定>
ヘパリン採血した全血5mlにミゾリビンを10μg/mlになるように添加し、37度でインキュベートした。インキュベート開始後、表5に示した時間に、インキュベートしている全血を0.5mlずつサンプリングして血漿と血球を遠心分離した。血球は生理的食塩水で3回洗浄した後、0.5mlの蒸留水に懸濁して超音波破砕し、Ultrafree−MC Centrifugal Filter Units Biomax−10でろ過した。得られた血漿とろ過液のミゾリビンの濃度を実施例52と同様の方法で測定した。結果を表5に示すように、赤血球中のミゾリビンの測定が出来た。
【0154】
【表5】

【0155】
[実施例56]
<白血球中のミゾリビンの測定>
マウスリンパ腫L5178Y細胞をDMEM(GIBCO)500ml、FBS(GIBCO)、ペニシリン100U、ストレプトマイシン100μg/mlからなる培地で培養し、細胞浮遊液濃度3×10個/mlとした。これにミゾリビンを5又は10μg/mlになるように添加し、さらに37度で3又は18時間培養した。培養液20mlを遠心上清と細胞に遠心分離した。細胞は1mlのPBSで3回洗浄した後、0.5mlの蒸留水に懸濁して超音波破砕し、Ultrafree−MC Centrifugal Filter Units Biomax−10でろ過した。得られた遠心上清とろ過液のミゾリビンの濃度を実施例52と同様の方法で測定した。結果を表6に示すように、白血球中のミゾリビンの測定が出来た。
【0156】
【表6】

【0157】
[実施例57]
<白血球中のリン酸化ミゾリビンの測定>
実施例56と同様のマウスリンパ腫L5178Y細胞浮遊液濃度3×10個/mlにミゾリビンを表8に示した濃度になるように添加して、さらに37度で4時間培養した。実施例56と同様の方法で細胞破砕ろ過液を得た。得られたろ過液のミゾリビンの濃度を実施例52と同様の方法で、リン酸化ミゾリビンの濃度を実施例51と同様の方法で測定した。ミゾリビンの濃度測定結果を表7に示し、リン酸化ミゾリビンの濃度測定結果を表8に示した。白血球中のミゾリビンとリン酸化ミゾリビンの測定が出来た。
【0158】
【表7】

【0159】
【表8】

【0160】
[実施例58]
<本発明の測定方法の同時再現性>
実施例52で使用したミゾリビンを投与されている患者から採血した血清47検体の中から任意の10検体を選び、本発明の測定方法の同時再現性(n=5)を測定した。ミゾリビンの測定方法は実施例52と同様の方法で行った。〔表9〕に平均、2S.D.(標準偏差)、CV(%)(変動係数)を示した。CV(%)が大きくても1%で、本発明のミゾリビン測定方法は、同時再現性の良い方法であることがわかった。
【0161】
【表9】

【0162】
[実施例59]
<キャリブレーション試薬の作成>
3.75%シュークロース、0.5%マンニトール、及び4.5%NaClからなる水溶液に約25、15、又は5μg/mlの濃度になるようにミゾリビンを溶解して、キャリブレーション試薬の凍結乾燥用母液を作成した。これらを0.6mlずつ凍結乾燥用バイアルに分注して、常法にて凍結乾燥視してキャリブレーション試薬を完成した。本キャリブレーション試薬は3mlの蒸留水で溶解して使用する。キャリブレーション試薬中のミゾリビン濃度をHPLC法にて測定したところ、25μg/mlの凍結乾燥用母液濃度で作成したキャリブレータは4.90μg/ml、15μg/mlの凍結乾燥用母液濃度で作成したキャリブレータは3.40μg/ml、5μg/mlの凍結乾燥用母液濃度で作成したキャリブレータは1.01μg/mlであった。
【0163】
[実施例60]
<本発明の測定方法の日内差と日間差>
実施例59で作成したキャリブレーション試薬を実施例52と同様の方法で測定して、本発明の測定方法の日内差と日間差を測定した。日内差は同日内5回測定、日間差は同日内1回測定を5日間連続して行い計算した。その結果、〔表10〕に示すように、日内差のCV(%)の平均は0.64%、日間差のCV(%)の平均は1.67%だった。J.Chromato.、432巻、340頁、1988年に記載のHPLC法の日内差と日間差が2.503%と3.898%と報告されているので、本発明のミゾリビン測定方法は、HPLC法と同等以上に精度良く測定できる方法であった。
【0164】
【表10】

【産業上の利用可能性】
【0165】
簡便なミゾリビン及び/又はリバビリンを測定する方法を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】(A)pTip QC1/BthNK形質転換Rhodococcus erythropolisを培養して得られた粗酵素液のSDS−PAGEを示す図である。(B)pTip QC2/BthNK形質転換Rhodococcus erythropolisを培養して得られた粗酵素液のSDS−PAGEを示す図である。
【図2】pET21a(+)/BthNK形質転換大腸菌BL21(DE3)を培養した、粗酵素液のSDS−PAGEを示す図である。
【図3】(A)標品のリン酸化ミゾリビンをHPLCで分離したクロマト図である。(B)実施例14の反応前の反応液をHPLCで分離したクロマト図である。(C)実施例14の反応後の反応液をHPLCで分離したクロマト図である。
【図4】BthNKの至適pHを示す図である。
【図5】BthNKのpH安定性を示す図である。
【図6】BthNKの熱安定性を示す図である。
【図7】BthNKのSDS−PAGEを示す図である。
【図8】BthNKの作用温度範囲を示す図である。
【図9】BthNKの作用温度範囲をアレニウスプロットした図である。
【図10】(A)標品のATP、ADP、AMP、及びアデノシン混合物をHPLCで分離したクロマト図である。(B)実施例23に記載のアデノシンのリン酸化方法を実施前のクロマト図である。(C)実施例23に記載のアデノシンのリン酸化方法を実施後のクロマト図である。
【図11】BthNKを使用した組成物で、アデノシン、イノシン、及びグアノシン混合物を測定した検量線を示す図である。
【図12】BthNKを使用した組成物で、アデノシンを測定した検量線を示す図である。
【図13】BthNKを使用した組成物で、イノシンを測定した検量線を示す図である。
【図14】BthNKを使用した組成物で、グアノシンを測定した検量線を示す図である。
【図15】BthNKを使用した組成物で、アデノシンを測定した検量線を示す図である。
【図16】BthNKを使用した組成物で、イノシンを測定した検量線を示す図である。
【図17】BthNKを使用した組成物で、グアノシンを測定した検量線を示す図である。
【図18】BsuIMPDH(A)とObIMPDH(B)の至適pHを示す図である。
【図19】BsuIMPDH(A)とObIMPDH(B)のpH安定性を示す図である。
【図20】BsuIMPDH(A)とObIMPDH(B)の熱安定性を示す図である。
【図21】BsuIMPDH(B)とObIMPDH(A)のSDS−PAGEを示す図である。
【図22】BsuIMPDH(B)及びObIMPDH(A)の活性にKCl(○)と塩化アンモニウム(●)が与える影響を示す図である。
【図23】実施例2により調製した第一の酵素と実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、ミゾリビンを測定した検量線を示す図である。
【図24】実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、リバビリンを測定した検量線を示す図である。
【図25】実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、ミゾリビンを測定した検量線を示す図である。
【図26】実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、蒸留水で希釈したミゾリビンを測定した検量線と(○)、血清で希釈したミゾリビンを測定した検量線(●)を示す図である。
【図27】実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDH(○)又は実施例34で調製したObIMPDH(●)を使用した組成物で、ミゾリビンを測定した検量線を示す図である。
【図28】実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、2μg/mlのミゾリビンを測定する際に干渉物質が与える影響を図である。干渉物質として、(A)ビリルビンC、(B)ビリルビンF、(C)乳ビ、(D)ヘモグロビンである。
【図29】実施例12で調整したBthNK(●)又は実施例13で調整したBthNK(○)と実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、ミゾリビンを測定した検量線を示す図である。
【図30】実施例13で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、ミゾリビンを測定した検量線を示す図である。測定範囲が(A)は0〜7.5μg/ml、(B)は0〜0.5μg/mlの範囲である。
【図31】実施例11で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、血清で希釈したミゾリビンを測定した検量線と(●)、血球破壊液で希釈したミゾリビンを測定した検量線(○)を示す図である。
【図32】実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物による本発明のミゾリビン測定方法(X軸)と実施例1に記載のHPLCによるミゾリビン測定(Y軸)の相関図である。
【図33】実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物で、リン酸化ミゾリビンを測定した検量線を示す図である。
【図34】実施例12で調整したBthNKと実施例33で調製したBsuIMPDHを使用した組成物による本発明のミゾリビン測定方法(Y軸)とJournal of chromatography、432巻、1988年、340−345頁に記載のHPLCを使用する方法によるミゾリビン測定(X軸)の相関図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)の工程を含むミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
(1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を含む工程。
【請求項2】
下記(1)、(2)及び(3)の各工程を含む請求項1に記載のミゾリビン及び/又はリバビリンの測定方法。
(1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を含む工程、
(2)上記第一の反応とは別異の反応であって以下<a>〜<c>のいずれかの第二の反応を触媒し得る第二の酵素の存在下、第二の反応を進行させるに際して、上記第一の反応の結果生じた該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンと第二の酵素を接触させて該リン酸化ミゾリビン及び/又はリン酸化リバビリンの存在量に応じて第二の反応が阻害される工程、
<a>ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応
<b>リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応
<c>ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応
(3)第二の反応の阻害程度を検出する工程。
【請求項3】
下記(1)、(2)及び(3)の各工程を含む請求項1又は2に記載のミゾリビンの測定方法。
(1)ミゾリビンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるミゾリビンをリン酸化する第一の反応を含む工程、
(2)上記第一の反応とは別異の反応であって、ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応である該第二の反応を触媒し得る第二の酵素の存在下、第二の反応を進行させるに際して、上記第一の反応の結果生じた該リン酸化ミゾリビンと第二の酵素を接触させて該リン酸化ミゾリビンの存在量に応じて第二の反応が阻害される工程、
(3)第二の反応の阻害程度を検出する工程。
【請求項4】
下記(1)、(2)及び(3)の各工程を含む請求項1又は2に記載のリバビリンの測定方法。
(1)リバビリンをリン酸化し得る第一の酵素の存在下、試料中に含まれている可能性のあるリバビリンをリン酸化する第一の反応を含む工程、
(2)上記第一の反応とは別異の反応であって、リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応である該第二の反応を触媒し得る第二の酵素の存在下、第二の反応を進行させるに際して、上記第一の反応の結果生じた該リン酸化リバビリンと第二の酵素を接触させて該リン酸化リバビリンの存在量に応じて第二の反応が阻害される工程、
(3)第二の反応の阻害程度を検出する工程。
【請求項5】
第一の酵素が、Burkholderia thailandensis由来である請求項1〜4のいずれかに記載の測定方法。
【請求項6】
第二の酵素が、イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼである請求項2〜5のいずれかに記載の測定方法。
【請求項7】
第二の酵素が、Bacillus subtilis又はOceanobacillus iheyensis由来である請求項2〜6のいずれかに記載の測定方法。
【請求項8】
下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、ミゾリビン及び/又はリバビリンのリン酸化方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応、又はリバビリンをリン酸化リバビリンとする反応の少なくともいずれかの反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
【請求項9】
下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、請求項8に記載のミゾリビンのリン酸化方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、ミゾリビンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、ミゾリビンをリン酸化ミゾリビンとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
【請求項10】
下記〔1〕〜〔3〕のいずれかの酵素を用いる、請求項8に記載のリバビリンのリン酸化方法。
〔1〕配列表配列番号1のアミノ酸配列からなり、リバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔2〕配列表配列番号1のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列は配列表配列番号5のアミノ酸配列及び配列表配列番号6のアミノ酸配列を含む、リバビリンをリン酸化し得る酵素、
〔3〕下記の<1>〜<4>の理化学的性質を有する酵素、
<1>作用
少なくともリン酸供与体存在下で、リバビリンをリン酸化リバビリンとする反応を触媒する;
<2>至適pH
pH5.5〜6.5;
<3>pH安定性
37℃、3時間でpH6〜10の範囲で70%以上の活性を保持する;
<4>熱安定性
100mM リン酸カリウム緩衝液pH7.0の水溶液中、50℃、20分間の熱処理で80%以上の活性を保持する;
【請求項11】
下記の成分を含む組成物。
(A1)ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4−1)上記第一の反応とは別異の反応であって以下<a>〜<c>のいずれかの第二の反応を触媒し得る第二の酵素、
<a>ミゾリビンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビンで阻害される反応
<b>リバビリンで阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化リバビリンで阻害される反応
<c>ミゾリビン及びリバビリンの両方で阻害されず、かつ、上記第一の反応により生ずるリン酸化ミゾリビン及びリン酸化リバビリンの両方で阻害される反応
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
【請求項12】
下記の成分を含むミゾリビン測定用の組成物である請求項11に記載の組成物。
(A1)ミゾリビンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4−1)上記第一の反応とは別異の反応を触媒し、ミゾリビンには阻害されず、リン酸化ミゾリビンで阻害される第二の酵素
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び、
(A4−3)NAD(P)類。
【請求項13】
下記の成分を含むリバビリン測定用の組成物である請求項11に記載の組成物。
(A1)リバビリンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素
(A2)リン酸供与体
(A3)金属イオン
(A4−1)上記第一の反応とは別異の反応を触媒し、リバビリンには阻害されず、リン酸化リバビリンで阻害される第二の酵素
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
【請求項14】
該測定用の組成物において、下記の3成分のうち、いずれかひとつ以上が測定直前に合一される請求項11〜13のいずれかに記載の組成物。
(A4−1)第二の酵素、
(A4−2)イノシン5’一リン酸、及び
(A4−3)NAD(P)類。
【請求項15】
ミゾリビン及び/又はリバビリンをリン酸化する第一の反応を触媒し得る第一の酵素が、Burkholderia thailandensis由来である請求項11〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
第二の反応を触媒し得る第二の酵素が、イノシン5’一リン酸デヒドロゲナーゼである請求項11〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
第二の反応を触媒し得る第二の酵素が、Bacillus subtilis又はOceanobacillus iheyensis由来である請求項11〜16のいずれかに記載の組成物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2009−142262(P2009−142262A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217000(P2008−217000)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(303046299)旭化成ファーマ株式会社 (105)
【Fターム(参考)】