説明

ミトコンドリア活性型機能性食品

【課題】近年、環状重合乳酸を含む機能性食品が提供され免疫活性や各臓器の機能回復、自律神経調整、内分泌調整などの目的・用途に単一品で足りる事が期待される。しかし、環状重合乳酸は酸味や苦みが強く経口摂取時の負担となる。そこで錠剤状に成形する事が望ましいが、環状重合乳酸は吸湿性が強く、添加物を加えなければ打錠困難であり重合乳酸の含有率も低くなる。本発明は、細胞に含まれるミトコンドリアに対して賦活作用を有する環状重合乳酸を高純度に含有し経口摂取しやすい機能性食品を提供する。
【解決手段】環状重合乳酸の重合度分布解析によれば、重合度2乃至3迄の低重合度域の分布量を除外し、併せて環状重合乳酸のうち環鎖状重合乳酸を5パーセン以上含有する事により、最小限の添加物割合で打錠を実現し、経口摂取時の苦み・酸味等の負担を軽減し、ミトコンドリアに賦活作用を有する環状重合乳酸を高濃度に含有する機能性食品を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミトコンドリア活性を促す環鎖状重合乳酸を含む機能性食品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の機能性食品は、免疫活性や各臓器の機能回復、自律神経調整、内分泌調整など、目的・用途に応じた機能性食品を複数摂取する必要があり、消費者の負担であった。そこで、全身を構成する細胞に含まれるミトコンドリアに対して賦活作用を有する環状重合乳酸を含む機能性食品が提供され、理論的には単一品で様々な機能性食品の目的・用途を満たす事も可能となった。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
現在、環状重合乳酸を含有する製品として粉末状や液状の製品が多種提供されているが環状重合乳酸に由来する酸味と苦みがあり、子供や高齢者など摂取時の負担となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2007−112751号公報
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に示したように、環状重合乳酸には機能性食品の成分として優れた特徴を有しているが、酸味や苦みが経口摂取時の負担軽減が求められている。一般には錠剤に成形する事が望ましいが、飲食物への添加用途に生産される環状重合乳酸は吸湿性が強く、多量の添加物を加えなければ打錠が困難であり、環状重合乳酸の含有率も低くなる。
【0007】
本発明は、細胞に含まれるミトコンドリアのTCA回路におけるエネルギー産生に対する賦活作用を有する環状重合乳酸を、高純度に含有して経口摂取しやすい機能性食品を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、本発明において目的となる環状重合乳酸の摂取とミトコンドリアへの作用メカニズムについて述べる。
【0009】
環状重合乳酸は、経口摂取後に血液中の赤血球においてピルビン酸キナーゼを制御して、同じく赤血球中の2,3−ビスホスホグリセリン酸を補充的供給する為の経路を活性化する。これにより2,3−ビスホスホグリセリン酸が増加することでヘモグロビンの酸素放出がスムーズになる。その結果としてミトコンドリアにおけるTCAサイクルにおいてエネルギー産生が効率化され、細胞の集合体である臓器・組織の機能や免疫機能が活性化される。このメカニズムによって環状重合乳酸を含む機能性食品によって体内環境を整え健康を維持回復することが期待できる。
【0010】
以上のように環状重合乳酸は、当初は医業分野において抗がん剤治療と併用する免疫活性化を目的に用いられた後、機能性食品をはじめ飲食物への含有を目的として生産販売されるに至っている。
【0011】
しかし機能性食品の用途分野においては、実態として「環状」重合乳酸と称しているが多量の直鎖状重合乳酸と少量の環鎖状重合乳酸が混在した状態であり、総称として環状重合乳酸と称呼している。
【0012】
本発明において課題とする経口摂取に伴う酸味や苦みの原因について鋭意検討したところ、図1に示すように低重合度域1の直鎖状重合乳酸の含まれる割合が高いと様々な物質が結合しやすく、これが酸味や苦みの原因になると考えられる。また、吸湿性の原因について検討した結果、直鎖状重合乳酸が親水性であり、なおかつ重合度が6を境として、それ以下の低重合度域1では液状化し、それ以上の高重合度域2では固形化する特性があることから、図2に示す直鎖状重合乳酸の分布量4が高く、かつ低重合度域1の割合が高い場合に吸湿性が高まると考えられる。
【0013】
以上のように、直鎖状環状乳酸の割合が高く、かつ低重合度域1の割合が高く含まれる環状重合乳酸で打錠を行うとすれば、添加物を多量に必要とし、例えばサイクロデキストリンやプルラン(増粘多糖剤)など、本来不要の添加物を多量に混和して打錠成形しなければならない。試みに環状重合乳酸の含有率を60パーセント質量比以上に調整し、打錠成形機にて錠剤を成形すると頻繁に装置が故障するなどのトラブルを生じる。これは前述の通り環状重合乳酸に含まれる直鎖状重合乳酸の割合が高く、かつ低重合度域1の割合が多く存在している場合に吸湿性が高まり自己溶融や粘着状態を呈する事となり、打錠成形装置の連続動作を妨げるのである。
【0014】
以上のことから、先ず環状重合乳酸を直鎖状重合乳酸と環鎖状重合乳酸に分けて、重合度2乃至3の低重合度域に分布する直鎖状重合乳酸と環鎖状重合乳酸をそれぞれ除外し、環鎖状重合乳酸の占める割合を高め最適化する事が出来れば苦みや酸味を軽減し、粉末であっても吸湿性が低下し打錠成形も容易に実施できる。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、本発明では、低重合度域を低減させた環状重合乳酸により粉末状では経口摂取時の負担となる苦みと酸味を大幅に軽減でき、かつ吸湿性の低減により打錠が困難であった課題を解決できる。これにより単一品で摂取しやすく、様々な目的・用途を満たす理想的な機能性食品が提供できる事となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 重合乳酸に占める低重合度域の分布例
【図2】 重合乳酸に占める低重合度域の低減後分布例
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を説明する。環状重合乳酸を直鎖状重合乳酸と環鎖状重合乳酸に分けて、重合度2乃至3の低重合度域に分布する直鎖状重合乳酸と環鎖状重合乳酸を除外し、当該環状重合乳酸に含まれる環鎖状重合乳酸と直鎖状重合乳酸の総質量に占める環鎖状重合乳酸の質量割合を5パーセント乃至30パーセントの範囲で調整する。更に粉末化または、打錠して製品とする場合の環状重合乳酸が総質量に占める割合を25パーセント乃至98パーセント含有させることで、苦みや酸味を軽減し、粉末であっても吸湿性が低下でき打錠成形も容易に実施できる。
【0018】
以上の形態で配合製造した環鎖状重合乳酸を主成分とする機能性食品を、医療機関において用いた実施例を以下に示す。
【0019】
事例1、C型肝炎患者が摂取したところ、ウィルス抑制とインターフェロンの副作用軽減の効果がみられた。
【0020】
事例2、B型肝炎患者(当時53歳男性)に平成14年4月から10月まで投与したところ、ウィルス抑制率100%であった。但しこの時点では判定が陽性であるため治癒に至っていないが、ウィルス増殖は抑制したと評価できた。
【0021】
事例3、糖尿病患者(当時53歳女性)は血糖値300でインシュリン6ml利用の状況であったが、摂取開始1ケ月後では血糖値が下がり、インシュリンを止めることができた。
【0022】
事例4、癌患者に対する抗ガン治療・放射線治療と並行して摂取したが、いずれも生じる副作用が、軽減(食欲・排便・睡眠において亢進作用)された。
【0023】
事例5、花粉症における鼻づまり・もやもや感の軽減効果が見られた。その他にもリューマチにおける痛みの軽減や便秘の改善・美肌効果などの効果を実感する報告が得られた。
【0024】
上記の他にも、例えば、経口摂取によって、制癌剤による副作用・自己免疫疾患・アレルギー性疾患などの免疫系の症状、糖尿病・高血圧・リューマチ・前立腺疾患・ウイルス性肝炎・自律神経失調症等、子宮内膜症や更年期障害・生理痛等の婦人病、その他の生活習慣病など、に対する症状の緩和ならびに改善に有効である。
【0025】
また、手術前後の体力回復および切開の傷跡回復にも有効であり、アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・火傷・あかぎれ・痔・にきび・いぼ・魚の目などの皮膚系疾患の場合では、患部へ塗布・貼布・挿入などの方法によって、症状の緩和ならびに改善に有効である。
【0026】
以上のとおり本発明による機能性食品に含まれる環状重合乳酸には、優れた特長があるが、安全性においても本来が生体内に存在する物質を利用して生体のメカニズムを活性化させるものであり、極めて過剰かつ不適切な摂取行為の他は毒性もほとんど示さない。その為、摂取量の決定も範囲が寛容であり、使用上の変化に応じて適宜加減しても差し支えない。摂取方法についても多様な選択肢が提供できる。これらの特徴により、様々な疾患とその症状に対する医療行為と併用すれば、改善・治癒・予防の効果を相乗的に高めることができる。
なお、本発明による機能性食品は、人間以外の愛玩動物や畜産動物の疾患に対する症状緩和及び改善の為に、給餌時に混和して用いても有効である。
【産業上の利用可能性】
本発明は、細胞に含まれるミトコンドリアのTCA回路におけるエネルギー産生に対する賦活作用を有する環状重合乳酸を高濃度に含有してなり、経口摂取しやすい機能性食品の提供を実現し、摂取した者の全身を構成する細胞のエネルギー産生を高めるとともに、免疫賦活および免疫バランスの調整効果による健康増進に利用可能性が高い。
【符号の説明】
1・・・ 低重合度の分布域
2・・・ 高重合度の分布域
3・・・ 環鎖状重合乳酸の分布量
4・・・ 直鎖状重合乳酸の分布量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主成分である環状重合乳酸に含まれる重合度2乃至3の低重合度域に分布する直鎖状重合乳酸と環鎖状重合乳酸を除外し、当該環状重合乳酸に含まれる環鎖状重合乳酸と直鎖状重合乳酸の総質量に占める環鎖状重合乳酸の質量割合が5パーセント以上である事を特徴とする機能性食品。
【請求項2】
環状重合乳酸を全質量の25パーセント乃至98パーセント含有し、打錠成形により錠剤を得る事を特徴とする請求項1に記載の機能性食品。
【請求項3】
請求項1に記載の機能性食品であって、環状重合乳酸を全質量の25パーセント乃至98パーセント含有し、細胞に含まれるミトコンドリアのエネルギー産生を賦活化させる事を特徴とする錠剤状または液状または粉末状の機能性食品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−39117(P2013−39117A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187952(P2011−187952)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(511212055)
【出願人】(505392488)
【出願人】(501250887)
【Fターム(参考)】