説明

ミニゲーム装置及び遊技機

【課題】ゲームが単調にないようにすること。
【解決手段】ミニゲームが開始されるとき、前扉3のメダル投入部からメダル700を投入すると、そのメダル700が前扉3のメダル排出口12側に案内するガイド手段としてのガイド部材612内に設けられている振り分け手段としての振り分け板640によって検知手段としてのメダル検知センサ650が設けられていない通路600a又はメダル検知センサ650が設けられている迂回路600bのいずれかに振り分けられて前扉3のメダル排出口12側から排出され、また、メダル700が振り分け板640によって迂回路600b側に振り分けられてメダル検知センサ650によりメダル700の通過が検知されると、その検知結果が出力されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばスロットマシンでの回転体としての複数のメインリールの回転中やリプレイ入賞時等でのメダルの受付不可時に、メダル投入部からメダルを投入させてミニゲームを行わせるミニゲーム装置及び遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として回胴式遊技機である、たとえばスロットマシンがある。スロットマシンは、複数の図柄が付された回転体としての複数のメインリールを備え、遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各メインリールが回転を開始する。なお、現状のスロットマシンでは、各メインリールが回転を開始した後、ストップボタンを操作するか、あるいは所定時間が経過すると、各メインリールの回転が停止されるものが多い。
【0003】
また、スロットマシンでは、メダル(又はコインとも呼ばれている)の投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行い、その抽選結果が当選であり、かつ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選した図柄を停止させることを条件としてその図柄に応じた所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)が発生する。
【0004】
また、このようなスロットマシンは、前面側に開口を有する箱形の筐体と、この筐体の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉とを備え、筐体の内部に遊技構成装置が配設されて、前扉が開口を覆う状態で遊技に供されるようになっている。また、その筐体の内部には、スロットマシンの各部に電力を供給するための電源装置が設けられており、この電源装置から供給される電力によりスロットマシンが作動するようになっている。
【0005】
また、このようなスロットマシンでは、ゲームの演出に係る制御を主に行うサブ制御基板と、回胴装置のリールの回転駆動を制御する回胴装置基板と、ベットボタン、スタートレバー及びストップボタンによる操作信号を転送する中央表示基板と、各駆動部等への電力供給を制御する電源装置基板とを備え、これらの基板は主制御基板により集中制御されている。
【0006】
また、主制御基板には、システムプログラムやスロットマシンゲーム用のプログラム等が書き込まれているROM(Read Only Memory)、このROMから所定のプログラムを読み出して所定の制御を行うCPU(Central Processing Unit)、このCPUによる演算結果等を保持するRAM(Random Access Memory)等の電子素子等が搭載されており、ゲームの進行に合わせそのROMから読み出したプログラムに基づき、上述した各種基板への制御が行われるようになっている。
【0007】
ところで、このようなスロットマシンでは、上述したように、メダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選が行われ、その抽選結果が当選となって、有効ライン上に遊技者が当選した図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)が発生するようになっている。
【0008】
ところが、このようにスロットマシンの内部処理(抽選)によって遊技の結果(勝敗)がすべて決定されてしまうと、遊技結果に遊技者の技量が反映せず、たとえば熟練者は遊技を行う意欲が減退し、遊技自体も単調になって飽きられやすいという問題を生じてしまう。
【0009】
このような問題を解消するようにしたものとして、特許文献1では、遊技機に、図柄表示装置、操作装置、遊技制御手段、画像表示装置、操作受付手段、ミニゲーム制御手段を備え、操作受付手段により、図柄表示装置による遊技の待機状態において操作装置の操作を受け付け、ミニゲーム制御手段により、図柄表示装置による遊技の待機状態において画像表示装置にミニゲームを表示し、操作装置を用いてミニゲームを行わせるようにした遊技機を提案している。
【0010】
【特許文献1】特開2006−150136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、上述した特許文献1に示されている遊技機では、ミニゲーム制御手段により、図柄表示装置による遊技の待機状態において画像表示装置にミニゲームを表示し、操作装置を用いてミニゲームを行わせるようにしているので、遊技の待機状態を活用して、ミニゲームを楽しむことができる。
【0012】
ここで、遊技の待機状態とは、図柄表示装置による遊技の終了後、投入口から投入されたメダルが、メダルセンサで検出されるか、あるいはメダル投入スイッチが操作される迄の間となっている。また、ミニゲームの結果は、たとえば告知演出の開始条件や告知演出の終了条件に反映されるようになっている。
【0013】
ところが、このような遊技機でのミニゲームは、操作装置の操作により図柄表示装置に表示されている内容を選択し、その操作内容がたとえば正解であれば「当たり」又は「はずれ」となるような結果が得られるゲーム内容であるため、ゲームが単調になってしまうという問題があった。
【0014】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、たとえばスロットマシンでの回転体としての複数のメインリールの回転中やリプレイ入賞時等でのメダルの受付不可時に、メダル投入部からメダルを投入させてミニゲームを行わせることで、ゲームが単調にないようにすることができるミニゲーム装置及び遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のミニゲーム装置は、筐体に開閉自在に取り付けられている前扉を有する遊技機での通常ゲームの進行に応じてミニゲームを行わせるミニゲーム装置であって、前記前扉のメダル投入部からの投入により落下するメダルを、前記前扉のメダル排出口側にダイレクトに案内する通路及び該通路から迂回させる迂回路を有するガイド手段と、前記迂回路を通過する前記メダルを検知する検知手段と、前記メダルを前記通路又は前記迂回路のいずれかに振り分ける振り分け手段と、該振り分け手段による振り分け動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、ミニゲームが開始されると、前記振り分け手段を制御して前記メダル投入部からの投入により落下するメダルを振り分けさせ、前記検知手段によって検知される検知結果を出力することを特徴とする。
【0016】
また、前記振り分け手段の上方に前記メダルの落下タイミングをランダムに行わせるためのゲート手段が設けられ、前記制御手段は、前記ゲート手段を介して前記落下タイミングを制御するようにしてもよい。
【0017】
また、前記振り分け手段は、前記ミニゲームが開始されるときに前記通路を閉塞する側と前記迂回路を閉塞する側との間で回動し、前記ミニゲームが行われないときに前記迂回路を閉塞する側に回動するようにしてもよい。
【0018】
また、前記ゲート手段は、回転ゲート又はフラップゲートであるようにしてもよい。
また、前記ミニゲームは、前記メダルの受付不可時に行われるものであるようにしてもよい。
【0019】
本発明の遊技機は、請求項1〜5のいずれかに記載のミニゲーム装置を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明のミニゲーム装置及び遊技機では、ミニゲームが開始されるとき、前扉のメダル投入部からメダルを投入すると、そのメダルが前扉のメダル排出口側に案内するガイド手段内に設けられている振り分け手段によって検知手段が設けられていない通路又は検知手段が設けられている迂回路のいずれかに振り分けられて前扉のメダル排出口側から排出され、また、メダルが振り分け手段によって迂回路側に振り分けられて検知手段によりメダルの通過が検知されると、その検知結果が出力される。
【0021】
このようなミニゲームでは、前扉のメダル投入部からのメダル投入といった通常のストップボタン等の操作とは異なる行為によってゲームが進行するため、振り分け手段による検知手段を有した迂回路への振り分けがメダル投入のタイミング毎に異なることから、遊技者の技量によってゲームの結果が異なるようにすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のミニゲーム装置及び遊技機によれば、前扉のメダル投入部からのメダル投入といった通常のストップボタン等の操作とは異なる行為によってゲームが進行するため、振り分け手段による検知手段を有した迂回路への振り分けがメダル投入のタイミング毎に異なり、遊技者の技量によってゲームの結果が異なるようにすることができることから、ゲームが単調にないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本実施形態では、ミニゲームが開始されるとき、前扉のメダル投入部からメダルを投入すると、そのメダルが前扉のメダル排出口側に案内するガイド手段内に設けられている振り分け手段によって検知手段が設けられていない通路又は検知手段が設けられている迂回路のいずれかに振り分けられて前扉のメダル排出口側から排出され、また、メダルが振り分け手段によって迂回路側に振り分けられて検知手段によりメダルの通過が検知されると、その検知結果が出力されるようにした。
【0024】
すなわち、このようなミニゲームでは、前扉のメダル投入部からのメダル投入といった通常のストップボタン等の操作とは異なる行為によってゲームが進行することになり、振り分け手段による検知手段を有した迂回路への振り分けがメダル投入のタイミング毎に異なるため、遊技者の技量によってゲームの結果が異なるようにすることができることから、ゲームが単調にないようにすることができる。
【0025】
なお、このようなミニゲームは、スロットマシンでの回転体としての複数のメインリールの回転中やリプレイ入賞時等でのメダルの受付不可時に行わせることができる。
また、ミニゲームの内容にあっては、たとえば「60秒以内に10枚入賞させろ」としたミッションに対するものなどのように、遊技者の技量によってゲームの結果が異なるようなものとすることができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は本発明のミニゲーム装置が適用される回胴式遊技装置の一例を示す正面図、図2は図1の回胴式遊技装置の前扉の背面側を示す正面図、図3は図2の前扉をA−A線に沿って示す断面図である。
【0027】
これらの図に示すように、回胴式遊技装置であるスロットマシン1は、遊技者側に面する、いわゆるフロントマスクを構成する前扉3が略矩形状の箱体である図示しない筐体の開口側に対し、蝶番機構3aにより左側端部側を回動支点として開閉可能に取り付けられている。前扉3は、上部パネル部3A、中部パネル部3B、操作卓部3C及び下部パネル部3Dに概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。
【0028】
図示しない筐体の内部には、スロットマシン1全体の動作を統括制御する後述の主制御基板300と、3個の円筒状のメインリール521,522,523を備える回胴装置520と、スロットマシン1の各部に電力を供給するための後述の電源装置530と、ゲームの入賞に応じてメダル700の払い出しを行う後述のホッパ装置540と、ホッパ装置540から溢れたメダル700を収納する図示しない補助貯留部等とが設けられている。
【0029】
ここで、回胴装置520は、後述の主制御基板300からの回転駆動開始制御信号や回転駆動停止制御信号等を受ける後述の回胴装置基板420によって各メインリール521,522,523の回転や回転停止が制御されるようになっている。
【0030】
また、図示しない筐体の内部に設けられている電源装置530のたとえば側面には、いわゆる配電盤に相当する後述の電源装置制御基板430が設けられている。この電源装置制御基板430には、電源装置530で発生される各種電源電圧を回胴装置520や後述のホッパ装置540等の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する。
【0031】
また、前扉3は、図示しない筐体の開口を閉塞する位置で、操作卓部3Cに設けられている鍵穴4を有する図示しない施錠装置によりロックされ、ホールスタッフ等が後述の主制御基板300上の各電子素子等の状態の確認を含むメンテナンス作業や出玉管理作業等を行う場合、前扉3の鍵穴4に専用鍵を差し込んでそのロックを解除すると、前扉3が開放されるようになっている。
【0032】
前扉3の上部パネル部3Aには、遊技に伴った演出を行う演出表示部100が取り付けられている。演出表示部100には、たとえばゲームの進行に応じた動画像等を表示する表示部101と、この表示部101を覆う表示パネル102とが設けられている。この表示パネル102は、中央部に表示部101を視認可能とする略長方形の透明窓103を有し、その透明窓103の周囲が映像を表示可能な液晶パネルで構成されている。また、演出表示部100には、意匠的に遊技者の視覚に訴える形状及び色彩、模様、絵柄等を施してデザイン設計された複数の演出用ランプ104〜108と、演出用の効果音を発するスピーカ109a,110aを有する放音部109,110が設けられている。
【0033】
そして、前扉3の上部パネル部3Aの背面に設けられているサブ制御基板400に、後述の主制御基板300から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、そのサブ制御基板400により表示部101による動画像等の表示と、演出用ランプ104〜108による点滅又は点灯によっての演出と、放音部109,110からの効果音による演出とが行われるようになっている。
【0034】
前扉3の中部パネル部3Bには、回胴装置520の各メインリール521,522,523の確認を行える確認窓201を有するパネル202を備えたメイン演出部200が設けられている。また、中部パネル部3Bの両側には、高輝度発光ダイオードを内蔵したサイドランプ5a,5bが配置されている。これらのサイドランプ5a,5bは、リーチや大当たり等の際に点灯又は点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行うものである。
【0035】
前扉3の操作卓部3Cには、ゲームに使用するメダル700を投入するための投入口を有するメダル投入部6、メダル700をベットするベットボタン7、ゲームの操作を指示するスタートレバー8、演出表示部100のメインリール521,522,523をストップさせるストップボタン9a,9b,9c等が設けられている。
【0036】
ここで、現状のスロットマシン1では、1ゲームに必要とされるメダル700がたとえば3枚となっているため、メダル投入部6から3枚を超えてメダル700が連続投入されると、最大50枚までクレジットされるようになっている。
【0037】
ベットボタン7は、スロットマシン1のゲームに賭けるメダル700の枚数を提示するための押圧式の操作スイッチであり、MAXベットボタンと呼ばれている。すなわち、メダル700がクレジットされているとき、ゲーム開始時にベットボタン7を操作すると、そのクレジットされているメダル700のうち3枚がベットされるようになっている。
【0038】
スタートレバー8は、演出表示部100の後述のメインリール521,522,523を一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に設けられている球形の操作ノブを上下左右のいずれかの方向に傾倒操作するとオン作動し、その操作ノブから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフするように構成されている。
【0039】
ストップボタン9a,9b,9cは、回胴装置520の各メインリール521,522,523の回転停止を個別に指示するための押圧式スイッチであり、各メインリール521,522,523の配列に対応してそれぞれ並設されている。
【0040】
また、前扉3の操作卓部3Cの背面には、操作卓部3Cのベットボタン7、スタートレバー8、ストップボタン9a,9b,9c等の各種メインスイッチが電気的に接続された中央表示制御基板410が設けられており、これらのスイッチの出力信号が中央表示制御基板410から後述の主制御基板300に転送されるようになっている。
【0041】
前扉3の下部パネル部3Dには、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるため、たとえば登場キャラクターの絵等を表示するパネル10が設けられている。また、そのパネル10には、後述のガイド機構部600のメダル700を振り分ける振り分け板640の回動動作を確認できる確認窓10aが設けられている。この確認窓10aを通して振り分け板640の回動動作を確認することにより、ミニゲーが行われるときにはメダル投入部6からの後述のメダル700の投入タイミングをコントロールすることができる。
【0042】
下部パネル部3Dの下方には、入賞時等においてメダル700を排出するメダル排出口12を有する受皿ユニット11と、スピーカ13a,13bを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる演出効果音部13,14と、灰皿15等とがそれぞれ配設されている。
【0043】
また、前扉3の下部パネル部3Dの背面には、ガイド機構部600が設けられている。このガイド機構部600は、メダル投入部6より投入される投入物を正規のメダル700か異物かを判別して振り分けるセレクト機構610と、このセレクト機構610で振り分けられたメダル700を図示しない筐体内に設けられている後述のホッパ装置540へ案内するホッパガイド部材611と、セレクト機構610で振り分けられた異物をメダル排出口12へ案内するガイド手段としてのガイド部材612と、後述のホッパ装置540の図示しないメダル排出スリットから排出されたメダル700を受皿ユニット11のメダル排出口12側にガイドする払出ガイド部材613とが設けられている。
【0044】
なお、セレクト機構610は、たとえばスロットマシン1での回胴装置520の各メインリール521,522,523の回転中やリプレイ入賞時等での後述のメダル700の受付不可時に、メダル投入部6から投入された後述のメダル700をガイド部材612側に振り分けるようになっている。そして、ガイド部材612側に振り分けられた後述のメダル700はメダル排出口12側から排出されるようになっている。
【0045】
また、そのガイド部材612には、上述したメダル700の受付不可時に、駆動モータ620の駆動力により回転し、メダル700の落下タイミングをランダムに行わせるためのゲート手段としての回転ゲート630と、この回転ゲート630を通過したメダル700をそのまま落下させるか、あるいは傾斜板651上に配置されている検知手段としてのメダル検知センサ650側に移動させるかを振り分ける振り分け手段としての振り分け板640とが設けられている。
【0046】
すなわち、振り分け板640は、回転ゲート630を通過したメダル700をそのまま落下させる通路600aを閉塞する方向とメダル検知センサ650が設けられている迂回路600bを閉塞する方向との間で、回動自在となるように設けられているが、その詳細については後述する。
ここで、少なくとも、回転ゲート630、振り分け板640、メダル検知センサ650及び中央表示制御基板410によりミニゲーム装置が構成されている。
【0047】
図4〜図7は、上述した回転ゲート630の詳細について説明するための図である。ここで、図4は回転ゲート630を示す斜視図であり、図5〜図7は図4の回転ゲート630の動作を説明するための図である。なお、図5〜図7は、回転ゲート630を前扉3の正面側から見た場合を示している。
【0048】
まず、図4及び図5(a),(b)に示すように、回転ゲート630は、芯部631を中心としてたとえば矢印方向に回転するようになっている。回転ゲート630の回転力は、上述した駆動モータ620の駆動力により得られるようになっている。なお、駆動モータ620からの駆動力は、ベルト又は駆動力を伝達するギヤ等によって回転ゲート630に与えられるようにすることができる。
【0049】
ここで、回転ゲート630には、メダル700を収容するメダル収容部632と、メダル700の侵入を阻止するメダル侵入阻止部633とが設けられている。また、メダル収容部632及びメダル侵入阻止部633にあっては、芯部631を中心としてほぼ90度に区分けされるとともに、それぞれが点対称の位置となるように設けられている。
【0050】
なお、メダル収容部632にあっては、図示のように2個に限らず、1個又は3個とすることも可能である。すなわち、メダル収容部632が図示のようにメダル700を収容するために、芯部631からの角度が少なくともほぼ90度程度必要である場合、メダル侵入阻止部633の芯部631からの角度を変更することで、メダル収容部632を1個又は3個とすることができる。
【0051】
また、回転ゲート630は、主としてミニゲームが開始されるとき、メダル700の落下タイミングをランダムに行わせるものであるが、セレクト機構610の下方のガイド部材612の上述した通路600a及び迂回路600bを閉塞する位置に設けられている。そのため、通常ゲーム時でのたとえばスロットマシン1での回胴装置520の各メインリール521,522,523の回転中やリプレイ入賞時等での後述のメダル700の受付不可時に、メダル投入部6から投入された後述のメダル700をメダル排出口12側に排出させる必要があることから、ミニゲームが行われないときであっても、回転ゲート630を常に回転させておく必要がある。
【0052】
なお、回転ゲート630の回転速度にあっては、通常ゲーム時であってもミニゲーム時であっても一定としておいてもよく、また通常ゲーム時とミニゲーム時とで速度が変えられるようにしてもよい。さらに、ミニゲーム時において、時間の経過とともに、回転ゲート630の回転速度が変化するようにしてもよい。
【0053】
また、回転ゲート630の代わりに、フラップゲートを設けるようにしてもよい。この場合、ミニゲーム時においては、そのフラップゲートがガイド部材612の上述した通路600aを開閉するような動きをするものとすればよい。このようなフラップゲートの開閉動作により、メダル700の落下タイミングをランダムに行わせることができる。また、通常ゲーム時では、そのフラップゲートがガイド部材612の上述した通路600aを開放するような動きをするものとすればよい。
【0054】
そして、上述した回転ゲート630が回転することで、たとえばスロットマシン1での回胴装置520の各メインリール521,522,523の回転中やリプレイ入賞時等でのメダルの受付不可時に、メダル投入部6から投入されたメダル700がセレクト機構610を通過し、図6に示すように、回転ゲート630まで落下して回転ゲート630のメダル収容部632に収まると、回転ゲート630の回転とともに下方に移動した後、図7に示すように、そのメダル収容部632から落下してメダル排出口12側から排出される。
【0055】
図8及び図9は、回転ゲート630を通過したメダル700をそのまま落下させるか、あるいは傾斜板651上に配置されているメダル検知センサ650側に移動させるかを振り分ける振り分け板640を説明するための図である。
【0056】
これらの図に示すように、振り分け板640は、回転軸641を支点として、回転ゲート630を通過したメダル700をそのまま落下させる通路600aを閉塞する方向とメダル検知センサ650が設けられている迂回路600bを閉塞する方向との間で、回動自在となるように設けられている。
【0057】
すなわち、振り分け板640は、通常ゲーム時では図9のようにメダル検知センサ650が設けられている迂回路600bを閉塞する方向に止まっているが、ミニゲームが開始されるとき、後述の振分駆動機構642によって上述した通路600aを閉塞する方向と迂回路600bを閉塞する方向との間で、回動するものである。
【0058】
なお、振り分け板640は、上述した通路600aを閉塞する方向に回動するとき、水平位置まで回動するようにしてもよいし、図8のように、迂回路600b側に傾斜するように水平位置の直前まで回動するようにしてもよい。ここで、振り分け板640を水平位置まで回動するようにすると、回転ゲート630を通過したメダル700が振り分け板640上に乗り上げて迂回路600b側に移動しないこともあるが、振り分け板640が迂回路600bを閉塞する方向に回動することに伴い、メダル700が迂回路600b側に滑り落ちることになり、メダル700が振り分け板640上で詰まったりするような不具合は発生しない。
【0059】
これにより、通常ゲーム時であって、上述したメダル700の受付不可時のときでは、セレクト機構610及び回転ゲート630を通過して落下してくるメダル700が振り分け板640に邪魔されることなく、ガイド部材612によってメダル排出口12へ案内されることになる。
【0060】
一方、ミニゲームが開始されると、上述したように、振り分け板640が後述の振分駆動機構642によって上述した通路600aを閉塞する方向と迂回路600bを閉塞する方向との間で回動する。ここで、図8のように、振り分け板640がガイド部材612の通路600aを閉塞する方向に回動するタイミングに合わせて回転ゲート630を通過したメダル700が落下すると、そのメダル700が振り分け板640によって傾斜板651上に配置されているメダル検知センサ650を有した迂回路600b側に振り分けられることになる。また、迂回路600b側に振り分けられたメダル700は、傾斜板651に沿って滑り落ちてメダル排出口12から排出されることになる。
【0061】
このとき、迂回路600b側に振り分けられたメダル700はメダル検知センサ650によって検知される。そして、このメダル検知センサ650によるメダル700の検知結果は、中央表示制御基板410から主制御基板300に通知される。
【0062】
ここで、ミニゲームとしては、たとえば「60秒以内に10枚入賞させろ」としたミッションに対するものなどのように、遊技者の技量によってゲームの結果が異なるようなものとすることができる。
【0063】
このようなミニゲームは、たとえば主制御基板300が特定リプレイ入賞時となったことを判断したとき、サブ制御基板400に対し、たとえば表示部101での表示や、複数の演出用ランプ104〜108及びスピーカ109a,110a等での光や音によってその開始を知らせるようにする。また、ミニゲームが開始されるときには、上述したセレクト機構610を受付不可としておき、メダル投入部6から投入されたメダル700が振り分け板640によって迂回路600b側に振り分けられてメダル検知センサ650によって検知された後、その検知結果が主制御基板300に通知されるようにする。
【0064】
なお、上述の特定リプレイ入賞は、たとえば通常ゲームでのリプレイ入賞が数回連続したことを条件として判断することができる。また、このようなミニゲームによる結果は、遊技者の技量によって異なるものであるため、たとえば特定条件下でリプレイの確率が大幅にアップするリプレイタイム(RT)の抽選に反映させたりすることができる。
【0065】
また、ミニゲームの開始は、たとえば通常ゲームでのリプレイ入賞となった時点とし、スタートレバー8が操作されたらミニゲームが無効となるようにしてもよい。このように、スタートレバー8が操作されたらミニゲームが無効となるようにすることで、たとえばミニゲームを好まない遊技者に対してミニゲームをスルーし直ちに通常ゲームに移行させるような選択を行わせることも可能となる。
【0066】
図10は、スロットマシン1に設けられている制御システムを説明するためのブロック図である。制御システムは、主として主制御基板300、サブ制御基板400、回胴装置基板420、中央表示制御基板410、電源装置制御基板430、外部集中端子基板440を備え、それぞれが配線ケーブルによって接続されている。
【0067】
主制御基板300は、CPU(Central Processing Unit)301、半導体メモリであるROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303等を備えている。
【0068】
主制御基板300のCPU301は、ROM302に予め記憶されているシステムプログラムやスロットマシンゲーム用のプログラム等を読み込み、ゲームの進行に合わせて、サブ制御基板400、回胴装置基板420、中央表示制御基板410、電源装置制御基板430等に対する分散制御を行う。
【0069】
ここで、CPU301による主な制御としては、中央表示制御基板410からの上述したスタートレバー8の操作に応じた出力信号を受けると、各メインリール521,522,523を回転させるように回胴装置基板420を制御することである。また、中央表示制御基板410からの上述したストップボタン9a,9b,9cの操作に応じた出力信号を受けると、その操作に応じたいずれかのメインリール521,522,523を停止させるように回胴装置基板420を制御することである。
【0070】
また、CPU301による主な制御としては、メダル700の投入(又はベットボタン7によるベット)とスタートレバー8の操作を条件として抽選を行い、その抽選結果が当選であり、かつ予め設定された有効ライン上にストップボタン9a,9b,9cの操作でその当選した図柄が停止したことを条件として所定枚数のメダル700が払い出されるように、電源装置制御基板430を介してホッパ装置540を制御することである。
【0071】
また、CPU301による主な制御としては、上述したたとえば通常ゲームにおいて、たとえばリプレイ入賞が数回連続したときに、中央表示制御基板410に対しミニゲームの開始を指示することである。また、これに併せて、サブ制御基板400に対して、たとえば表示部101での表示や、複数の演出用ランプ104〜108及びスピーカ109a,110a等での光や音によってミニゲームの開始を知らせるようにすることである。
【0072】
サブ制御基板400には、演出用ランプ104〜108と、サイドランプ5a,5bと、スピーカ13a,14a,109a,110aと、表示部101とが接続されている。そして、サブ制御基板400は、主制御基板300のCPU301からのゲームの進行に合わせた制御に基づき、上述した演出用ランプ104〜108を点滅又は点灯させたり、サイドランプ5a,5bを点滅又は点灯させたり、スピーカ13a,14a,109a,110aから効果音等を発生させたり、表示部101での所定の演出映像等の表示を行わせたりする。
【0073】
これにより、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行うことができる。また、サブ制御基板400は、主制御基板300からのミニゲームの開始指示を受け取ると、表示部101に対し、たとえば「60秒以内に10枚入賞させろ」としたミニゲームにおけるミッションの内容を表示したり、ミニゲーム時に上述のメダル検知センサ650によって検知されたミニゲームの結果を表示したりする。
【0074】
回胴装置基板420には、上述したメインリール521,522,523を回転駆動するステッピングモータ521b,522b,523bと、メインリール521,522,523の各回転位置を検出する、たとえばフォトセンサ521a,522a,523aとが接続されている。
【0075】
そして、回胴装置基板420は、フォトセンサ521a,522a,523aからの検出信号と、ステッピングモータ521b,522b,523bへ出力した駆動パルス信号のパルス数との情報に基づいて、メインリール521,522,523の回転と制動、及び停止の制御を適切に行うようになっている。
【0076】
また、回胴装置基板420は、上述したスタートレバー8、ストップボタン9a,9b,9c等の操作に伴って、主制御基板300からメインリール521,522,523のそれぞれの回転又は停止させるべき旨の制御信号が供給されると、フォトセンサ521a,522a,523aからの検出信号を取り込みながら、各メインリール521,522,523の回転位置を適切に把握しつつ、ステッピングモータ521b,522b,523bへの駆動パルス信号を制御して各メインリール521,522,523の回転動作を制御する。
【0077】
中央表示制御基板410には、上述したベットボタン7、スタートレバー8、ストップボタン9a,9b,9c及びセレクタ機構500が接続されている。中央表示制御基板410は、これらベットボタン7、スタートレバー8及びストップボタン9a,9b,9cからの出力信号を主制御基板300へ転送する中継基板として機能する。
【0078】
また、中央表示制御基板410には、上述の回転ゲート630を駆動させる駆動モータ620と、上述の振り分け板640を回動させる振分駆動機構642と、上述のメダル検知センサ650とが接続されている。
【0079】
電源装置基板430には、ホッパ装置540と、電源装置530とが接続されている。電源装置基板430は、電源装置530で発生される各種電源電圧をホッパ装置540等の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する。また、電源装置基板430は、主制御基板300からメダルの払い出しをすべき旨の指令を受けると、ホッパ装置540を制御してメダルの払い出しを行わせる。
【0080】
このように、本実施例では、ミニゲームが開始されるとき、前扉3のメダル投入部6からメダル700を投入すると、そのメダル700が前扉3のメダル排出口12側に案内するガイド手段としてのガイド部材612内に設けられている振り分け手段としての振り分け板640によって検知手段としてのメダル検知センサ650が設けられていない通路600a又はメダル検知センサ650が設けられている迂回路600bのいずれかに振り分けられて前扉3のメダル排出口12側から排出され、また、メダル700が振り分け板640によって迂回路600b側に振り分けられてメダル検知センサ650によりメダル700の通過が検知されると、その検知結果が出力されるようにした。
【0081】
すなわち、このようなミニゲームでは、前扉3のメダル投入部6からのメダル投入といった通常のストップボタン9a,9b,9c等の操作とは異なる行為によってゲームが進行することになり、振り分け板640によるメダル検知センサ650を有した迂回路600bへの振り分けがメダル投入のタイミング毎に異なるため、遊技者の技量によってゲームの結果が異なるようにすることができることから、ゲームが単調にないようにすることができる。
【0082】
また、本実施例では、振り分け板640の上方にメダル700の落下タイミングをランダムに行わせるためのゲート手段としての回転ゲート630を設けているので、メダル投入部6からのメダルの投入タイミングと回転ゲート630の落下タイミングとが振り分け板640による振り分けに影響を与えることになり、ゲームが単調にないないばかりか、通常のゲームとは異なった面白味を与えることができる。
【0083】
また、本実施例では、通常ゲーム時であって、上述したメダル700の受付不可時のときでは、振り分け板640をメダル検知センサ650を有した迂回路600bを閉塞する側に止めるようにしているので、セレクト機構610及び回転ゲート630を通過して落下してくるメダル700が振り分け板640に邪魔されることなく、ガイド部材612によってメダル排出口12から確実に排出されるようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
スロットマシンに限らず、パチンコ機、ピンボールゲーム機、アレンジボールゲーム機、じゃん球といった他の遊技機にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明のミニゲーム装置が適用される回胴式遊技装置の一例を示す正面図である。
【図2】図1の回胴式遊技装置の前扉の背面側を示す正面図である。
【図3】図2の前扉をA−A線に沿って示す断面図である。
【図4】図2の回転ゲートを示す斜視図である。
【図5】図4の回転ゲートの動作を説明するための図である。
【図6】図4の回転ゲートの動作を説明するための図である。
【図7】図4の回転ゲートの動作を説明するための図である。
【図8】図3の振り分け板を説明するための図である。
【図9】図3の振り分け板を説明するための図である。
【図10】図1のスロットマシンに設けられている制御システムを説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0086】
1 スロットマシン
3 前扉
3A 上部パネル部
3B 中部パネル部
3C 操作卓部
3D 下部パネル部
5a,5b サイドランプ
6 メダル投入部
7 ベットボタン
8 スタートレバー
9a,9b,9c ストップボタン
10 パネル
10a 確認窓
11 受皿ユニット
12 メダル排出口
100 演出表示部
101 表示部
102 表示パネル
103 透明窓
104〜108 演出用ランプ
109,110 放音部
109a,110a スピーカ
200 メイン演出部
201 確認窓
202 パネル
300 主制御基板
400 サブ制御基板
410 中央表示制御基板
420 回胴装置基板
430 電源装置制御基板
430 電源装置基板
440 外部集中端子基板
500 セレクタ機構
520 回胴装置
521,522,523 メインリール
530 電源装置
540 ホッパ装置
600 ガイド機構部
600a 通路
600b 迂回路
610 セレクト機構
612 ガイド部材
620 駆動モータ
630 回転ゲート
631 芯部
632 メダル収容部
633 メダル侵入阻止部
640 振り分け板
641 回転軸
642 振分駆動機構
650 メダル検知センサ
651 傾斜板
700 メダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に開閉自在に取り付けられている前扉を有する遊技機での通常ゲームの進行に応じてミニゲームを行わせるミニゲーム装置であって、
前記前扉のメダル投入部からの投入により落下するメダルを、前記前扉のメダル排出口側にダイレクトに案内する通路及び該通路から迂回させる迂回路を有するガイド手段と、
前記迂回路を通過する前記メダルを検知する検知手段と、
前記メダルを前記通路又は前記迂回路のいずれかに振り分ける振り分け手段と、
該振り分け手段による振り分け動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、ミニゲームが開始されると、前記振り分け手段を制御して前記メダル投入部からの投入により落下するメダルを振り分けさせ、前記検知手段によって検知される検知結果を出力する
ことを特徴とするミニゲーム装置。
【請求項2】
前記振り分け手段の上方に前記メダルの落下タイミングをランダムに行わせるためのゲート手段が設けられ、
前記制御手段は、前記ゲート手段を介して前記落下タイミングを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のミニゲーム装置。
【請求項3】
前記振り分け手段は、前記ミニゲームが開始されるときに前記通路を閉塞する側と前記迂回路を閉塞する側との間で回動し、前記ミニゲームが行われないときに前記迂回路を閉塞する側に回動することを特徴とする請求項1又は2に記載のミニゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲート手段は、回転ゲート又はフラップゲートであることを特徴とする請求項2又は3に記載のミニゲーム装置。
【請求項5】
前記ミニゲームは、前記メダルの受付不可時に行われるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のミニゲーム装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のミニゲーム装置を備えることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−295797(P2008−295797A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145923(P2007−145923)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】