説明

ミネラル調整水

【課題】
本発明は、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用することにより、その症状を効果的に抑制ないしは改善することのできるミネラル調整水を提供することを課題とする。
【解決手段】
カルシウムイオン濃度が200ng/ml未満、マグネシウムイオン濃度が50ng/ml以上2,500ng/ml未満となるように含有せしめてなるミネラル調整水を提供することにより前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アトピー性皮膚炎を効果的に抑制ないしは改善することのできるミネラル調整水に関する。
【背景技術】
【0002】
水は、生体の細胞質量の約70%を占め、生体を構成する主要成分である。周知のとおり、水は比熱が物質の中で最大であることから、生体の温度を一定に保つ上で重要な役割を担っている。また、水は表面張力が大きく、毛細管現象により、血液や体液を生体の末梢まで行き渡らせる機能を有している。さらに、水は生体にとって重要な蛋白質、核酸、糖質などを溶解し、生体内物質の代謝やエネルギー生成など、生命維持活動のための生体内化学反応における反応溶媒としても重要な役割を有している。このように、水は、生体にとって必要不可欠の成分である。
【0003】
ヒトは水を直接又は各種食品から経口的に摂取する。ヒトが日常的に飲用する水の中には、例えば、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)などの各種ミネラルイオンが含まれている。これらミネラルイオン含量は、それが採取される地域、地形、地質、或いは、採取後の調製方法によって異なる。水に含まれるミネラルイオンの内、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、水の呈味を最も左右すると言われ、そのためか、水の中に含まれるそれら2種のミネラルイオン含量は、下記に示す硬度で表示される。水の硬度の表示法としては、ドイツ硬度、アメリカ硬度、フランス硬度、イギリス硬度などがあり、例えば、ドイツ硬度は、水100mlに含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの合計量を、これに対応する酸化カルシウム(CaO)の量に換算した質量(mg)と定義されている。また、アメリカ硬度は、水1L中に含まれるカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計量を、これに対応する炭酸カルシウム(CaCO)の量に換算した質量(mg)と定義されている。ドイツ硬度(単位は、「°dH」)とアメリカ硬度(単位は、「ppm」)とは、1°dH=17.8ppmの関係にある。硬度は水を分類するための指標とされ、例えば、アメリカ硬度に基づく水の分類については、『洗剤・洗浄百科事典』、皆川基、藤井富美子、大矢勝編、株式会社朝倉書店発行、282〜284頁、2004年1月10日、第2刷などに示されている。
【0004】
一般に、硬度が低い水、つまり、カルシウムイオンとマグネシウムイオンとを含有し、それらミネラルイオン濃度の合計量が少ない水は、喉越しが爽やかであると言われ、殊に、硬度10〜100ppmの水は、所謂、「おいしい水」と言われている。
【0005】
水に含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオンは呈味を左右するだけでなく、生体に対し種々の作用を有していることが知られている。例えば、飲用水に含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度と疾患、特に心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症との関連性について、従来より多くの疫学的な調査結果が報告されている。それによれば、一般に、カルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度の高い水(いわゆる、硬度の高い水)を飲用している地域では、心筋梗塞による死亡率が低いという報告が散見される(非特許文献1、2参照)。水に含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度と心筋梗塞による死亡率に関する報告(非特許文献3参照)によれば、心臓発作あるいは心血管障害による死亡率と高い負の相関関係にあるのは、マグネシウムイオン濃度であると言われている。また、日本国や欧州において、カルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度の高い水をヒトが日常的に用いると、アトピー性湿疹の発症率が高くなるという疫学的な調査結果が報告されている(非特許文献4、5参照)。非特許文献5によれば、6歳から12歳の児童を対象に行なった調査結果において、アトピー性湿疹の頻度は、カルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度の高い水を摂取している児童の方が、それらミネラルイオン含量の低い水を摂取している児童よりも有意に高かったことが報告されている。同様の疫学的な調査結果は、英国のグループからも報告されている(非特許文献6参照)。水がアトピー性湿疹を誘発する原因やメカニズムについての解明はなされていないものの、カルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度の多い水を用いている地域では、石鹸の泡立ちが悪いため、その使用量が多くなり、その結果、皮膚と接触ないしは皮膚に残留する石鹸の量が増え、それにより、皮膚が刺激されるためではないかとの推測もなされている。
【0006】
斯かる状況下、斯界においては、水とアトピー性皮膚炎との間には何らかの関連性があると考えられ、ヒトが日常的に用いることにより、アトピー性皮膚炎を抑制ないしは改善し得る水が鶴首されていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】エス・ジェイ・ポコック(S.J.Pocock)等、『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』(British Medical Journal)、第280巻、第6226号、1243乃至1249頁(1980年)
【非特許文献2】アールエフ・ラセイ(RF Lacey)等、『インターナショナル・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー』(International Journal of Epidemiology)、第13巻、第1号、18乃至24頁(1984年)
【非特許文献3】『ミネラルの事典』、糸川嘉則編、株式会社朝倉書店発行、492乃至494頁(2004年)
【非特許文献4】ジュアン・フェランジ(Juan Ferrandiz)等、『エンバイアラメンタル・ヘルス・パースペクティブズ』(Environ Health Perspectives)、第112巻、第9号、1037乃至1044頁(2004年)
【非特許文献5】ミヤケ・ヨシヒロ等、『エンバイアラメンタル・リサーチ』(Environmental Research)、第94巻、33〜37頁(2004年)
【非特許文献6】ケー・エス・トーマス(K.S.Thomas)等、『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ダーマトロジー』(Britich Journal of Dermatology)、第159巻、561乃至566頁(2008年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、アトピー性皮膚炎を効果的に抑制ないしは改善することのできるミネラル調整水を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、天然に存在する水や市販されている各種飲用水の硬度を左右するミネラルイオン濃度、すなわち、それら飲用水中に含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度と、アトピー性皮膚炎との関連性に着目し、鋭意研究した。その結果、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンをその濃度が所定の範囲となるように含有せしめてなるミネラル調整水、殊に、カルシウムイオンを含まないか、所定濃度未満のカルシウムイオンと所定濃度範囲のマグネシウムイオンを含み、さらに、他のミネラルイオンとして、カリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、及び亜鉛イオンから選ばれる1種又は2種以上を合計で所定量含有せしめてなるミネラル調整水が前記課題を解決することを新規に見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、カルシウムイオン濃度が200ng/ml未満、マグネシウムイオン濃度が50ng/ml以上2,500ng/ml未満となるように含有せしめてなるミネラル調整水を提供することにより、前記課題を解決するものである。
【0011】
好適な一実施態様において、本発明のミネラル調整水は、さらに、他のミネラルイオンとして、カリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、及び亜鉛イオンから選ばれる1種又は2種以上のミネラルイオンを合計で50ng/ml以上1,000ng/ml未満含有せしめてなるミネラル調整水である。
【0012】
また、好適な一実施態様において、本発明のミネラル調整水は、蒸留水、脱イオン水、及び超純水から選ばれる実質的にミネラルイオンを含まない1種又は2種以上の水に、マグネシウム、又は、マグネシウムとともに、カルシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛、及び酵母エキスから選ばれる1種又は2種以上を添加する工程を経由して得られたミネラル調整水である。
【0013】
さらに、好適な一実施態様において、本発明のミネラル調整水は、アトピー性皮膚炎を抑制ないしは改善するためのミネラル調整水であり、飲用水又は皮膚外用水として日常的に好適に使用することができる。
【0014】
本発明のミネラル調整水は、我々の身の回りにある河川水、水道水、地下水、伏流水、井戸水、湧き水、鉱水、温泉水、冷泉水、湖沼水、海水、及び市販品として市場に供給されている、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターなどの水と比べ、カルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度のいずれもが、数分の一乃至数百分の一以下と著しく低いという特徴を有している。
【発明の効果】
【0015】
本発明のミネラル調整水は、これをヒトが日常的に用いることにより、アトピー性皮膚炎を効果的に抑制ないしは改善することができる。本発明のミネラル調整水は、水道水や市販されている飲用水とは違って、水の呈味を左右するカルシウムイオンを含まないか、カルシウムイオン濃度及びマグネシウムイオン濃度が著しく低いにも係らず、爽やかな喉ごしを有し、飲用し易く、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全な水である。また、本発明のミネラル調整水は、洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本発明のミネラル調整水は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、適宜容器に充填し、密栓して、室温下で保存したときには、通常、1年以上、好適には、2年以上にも亘って、製造直後の品質がそのまま維持される、保存安定性に優れた水である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、試験群のA乃至J群マウス及び対照群のK群マウスの脾臓細胞を、抗CD3抗体で刺激したときのインターロイキン−2(IL−2)産生量を示す図である。
【図2】図2は、試験群のA乃至J群マウス及び対照群のK群マウスの脾臓細胞を、抗CD3抗体で刺激したときのインターロイキン−4(IL−4)産生量を示す図である。
【図3】図3は、試験群のA乃至J群マウス及び対照群のK群マウスの脾臓細胞を、抗CD3抗体で刺激したときのインターフェロン−γ(IFN−γ)産生量を示す図である。
【図4】図4は、試験群のA乃至J群マウス及び対照群のK群マウスの脾臓細胞を、LPSで刺激したときのインターロイキン−1β(IL−1β)産生量を示す図である。
【図5】図5は、試験群のA乃至J群マウス及び対照群のK群マウスの脾臓細胞を、LPSで刺激したときのインターロイキン−6(IL−6)産生量を示す図である。
【図6】図6は、試験群のA乃至J群マウス及び対照群のK群マウスの脾臓細胞を、LPSで刺激したときのインターロイキン−10(IL−10)産生量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のミネラル調整水は、蛋白質、炭水化物、脂質などの不純物を含まず、ミネラルイオンを実質的に含まない、蒸留水、脱イオン水、及び超純水などの水(以下、これらを纏めて「原料用水」と言う)から選ばれる1種又は2種以上の水と、マグネシウム、又は、マグネシウムとともに、マグネシウム以外の他のミネラル及び酵母エキスから選ばれる1種又は2種以上とを用いて調製することができる。なお、超純水とは、理論的に純度100%の水(HO)に限りなく近い水を意味する。本発明で用いる原料用水は、ヒトが飲用することのできる河川水、水道水、地下水、伏流水、井戸水、湧き水、鉱水、温泉水、冷泉水、湖沼水、海水(深層海水を含む)、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターなどの水(以下、「原水」と言う。)から、例えば、蒸留法、H型及びOH型イオン交換樹脂を用いる脱塩法、及びRO膜などを用いる膜濾過法などの1種又は2種以上の公知の方法を適宜用いて製造することができる。なお、本発明において、「ミネラルイオンを実質的に含まない」とは、斯界において通常用いられる誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)などの手段により分析したとき、各種のミネラルイオン濃度が、その検出限界を下回る濃度であることを意味する。
【0018】
原水の内、水道水は、日本国内においては、水道法第4条第2項の規定に基づいて定められた『水質基準に関する省令』で規定された水質基準を満たす、ヒトが安心して飲用することのできる安全な水である。その詳細については割愛するが、上記水質基準によれば、例えば、水道水に含まれるミネラルとして許容されるカルシウム(Ca)濃度は300mg/l(リットル)以下、マグネシウム(Mg)濃度は300mg/l以下、ナトリウム(Na)濃度は200mg/l以下、マンガン(Mn)濃度は0.05mg/l以下、鉄(Fe)濃度は0.3mg/l以下、亜鉛(Zn)濃度は1.0mg/l以下、銅(Cu)濃度は1.0mg/l以下、クロム(Cr)濃度は六価クロムの量に関して0.05mg/l以下、セレン(Se)濃度は0.01mg/l以下とされている。
【0019】
なお、日本国内の主要都市の水道水に含まれるミネラル濃度は都市毎に異なるものの、それら水道水は、カルシウムとマグネシウムとを他のミネラルと比べ多く含んでおり、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンをそれぞれ、約4〜30mg/l(=約4,000〜30,000ng/ml)、及び約1〜8mg/l(=約1,000〜8,000ng/ml)含んでいる(『ミネラルの事典』、糸川嘉則編、株式会社朝倉書店発行、512頁(2004年)参照)。
【0020】
また、原水の内、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、及びボトルドウォーターなどの水は、日本国内においては、食品衛生法によりその水質が規定されている、ヒトが安心して飲用することのできる安全な水であり、本発明においては、原料用水を調製するための原料(原水)として好適に用いることができる。
【0021】
本発明のミネラル調整水は、原料用水として、蒸留水、脱イオン水、及び超純水から選ばれる1種又は2種以上の水に、マグネシウム、又は、マグネシウムとともに、マグネシウム以外の他のミネラル、殊に、カルシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛及び酵母エキスから選ばれる1種又は2種以上を所定量、添加する工程を経由して得られるミネラル調整水である点、また、既述したとおり、本発明のミネラル調整水に含まれるカルシウムイオン濃度及びマグネシウムイオン濃度は、我々の身の回りにある原水に含まれるカルシウムイオン濃度及びマグネシウムイオン濃度の数分の一乃至数百分の一以下と著しく低い点で、本発明のミネラル調整水は、我々の身の回りにある原水とは明らかに異なる。なお、出願人が知る限り、本発明のミネラル調整水と同じミネラル組成を有する原水は、存在しない。
【0022】
本発明のミネラル調整水が含む、マグネシウムイオンの給源としては、例えば、マグネシウムの水酸化物及び塩類(塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、臭素酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩など)、さらには、マグネシウムイオンを含む原水などの1種又は2種以上を適宜用いることができる。
【0023】
本発明のミネラル調整水が含む、マグネシウムイオン以外の他のミネラルイオンとしては、例えば、カルシウム、カリウム、ナトリウム、リン、硫黄、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、バナジウム、ケイ素、スズ、アルミニウム、ルビジウム、ホウ素、リチウム、クロム、セレンなどのミネラルのイオン(カチオン)を例示できる。上記マグネシウムイオン以外のミネラルイオンの給源としては、例えば、上記ミネラルの水酸化物及び塩類(塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、臭素酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩など)、さらには、上記ミネラルイオンを含む原水を用いることができる。
【0024】
また、上記マグネシウムイオン以外の他のミネラルイオンの内、カルシウムイオン、カリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、及び亜鉛イオンはいずれも、本発明のミネラル調整水が必須成分とするマグネシウムイオンと組み合わせてより好適なミネラルイオンである。なお、本発明のミネラル調整水においては、カルシウムイオン濃度は200ng/ml未満であることが必要である。
【0025】
本発明で用いる酵母エキスは、清酒酵母、ブドウ酒酵母、アルコール酵母、ビール酵母、パン酵母、さらには、ミネラル酵母、例えば、マンガン酵母、亜鉛酵母、銅酵母、クロム酵母、及びセレン酵母などから選ばれる1種又は2種以上を適宜溶媒で抽出して得られるエキス(乾燥エキスを含む)を意味する。より詳細には、無水物換算で、上記1種又は2種以上の酵母1質量部を、原料用水又は原料用水を主体とする溶媒5乃至500質量部、好適には、10乃至100質量部、より好適には、30乃至70質量部に添加し、分散させ、80乃至150℃、好適には、100乃至130℃の温度下で、5分間以上、好適には、10乃至300分間抽出し、遠心分離法、イオン交換法、ゲル濾過法、膜濾過法(例えば、孔径1μm以下、好適には、孔径0.5μm以下の膜を用いる膜濾過法)を用いて得られる液状の酵母エキスを例示できる。斯かる液状の酵母エキスは、必要に応じて、濃縮し、乾燥し、固状の乾燥酵母エキスとして用いることも随意である。本発明のミネラル調整水を調製するに当たり、酵母エキスは、原料用水1t(1,000kg)に対し、通常、0.001乃至500g、好適には、0.01乃至100gの範囲で添加する。なお、上記ミネラル酵母、例えば、マンガン酵母、亜鉛酵母、銅酵母、クロム酵母、及びセレン酵母はそれぞれ、マンガン化合物、亜鉛化合物、銅化合物、クロム化合物、及びセレン化合物を酵母に取り込ませたものである。本発明においては、上記酵母から調製された酵母エキスの内、例えば、マンガン酵母エキス、亜鉛酵母エキスはそれぞれ、マンガンイオン、亜鉛イオンの給源として好適に用いることができる。
【0026】
以下、本発明のミネラル調整水の製造方法について、好ましい実施態様を具体的に述べる。
【0027】
まず、本発明で用いる原料用水として、蛋白質、炭水化物、脂質などの不純物を含まず、ミネラルイオンを実質的に含まない、蒸留水、脱イオン水、及び超純水から選ばれる1種又は2種以上の水を準備する。本発明で用いる原料用水は、原水に、蒸留法、脱塩法、RO膜を用いる膜濾過法などの1種又は2種以上の公知の手法を適用して調製される。上記原料用水の要件を満たす限り、市販されている蒸留水、脱イオン水、及び超純水から選ばれる1種又は2種以上の水を原料用水として用いることができる。
【0028】
次いで、上記原料用水に、マグネシウムイオンの給源をマグネシウムイオン濃度が50ng/ml以上2,500ng/ml未満となるように含有せしめるか、マグネシウムイオンの給源とともに、1種又は2種以上の他のミネラルイオンの給源を他のミネラルイオン濃度の合計が50ng/ml以上1,000ng/ml未満となるように含有せしめる。上記他のミネラルイオンとしては、カルシウムイオン、カリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、及び亜鉛イオンが最も好適に用いられ、それらミネラルイオン濃度の合計が上記濃度範囲となるように、それらミネラルイオンの給源を原料用水に添加し、均一に攪拌混合する。上記操作は、通常、90℃以下、より好適には、90乃至50℃の温度下で行うのが望ましい。マグネシウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン及び/又は亜鉛イオン濃度が所望の濃度範囲の上限を超えた場合には、所定の濃度範囲となるように原料用水で適宜希釈すればよく、また、逆に下限を下回った場合には、マグネシウムイオン給源、及び/又は、他のミネラルイオン給源の1種又は2種以上を添加し、所定の濃度範囲となるように調整すればよい。なお、本発明のミネラル調整水を製造する過程で、マグネシウムイオン濃度、又は、カリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン及び/又は亜鉛イオン濃度の合計が上記濃度範囲の下限を下回る場合には、調製途中のミネラル調整水を減圧濃縮して、所定の濃度範囲となるように調整することも可能である。この操作も上記したと同じ条件下で行うのが望ましい。
【0029】
本発明のミネラル調整水に含まれるミネラルイオン濃度は、既述したとおり、斯界において汎用される誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)などの手段により測定できる。上記分析法によれば、各種ミネラルイオンを、通常、誤差±5%未満(n=3)の精度で測定することができる。また、上記分析法の検出限界は、測定対象ミネラルイオンの種類によって若干の違いはあるものの、通常、5ng/ml未満である。
【0030】
本発明のミネラル調整水におけるミネラルイオン濃度が、所定の濃度範囲を逸脱する場合には、本発明における所期の作用効果の一部又は全部が著しく低減するか発揮されなくなることから、本発明のミネラル調整水が得られるまでの各工程で得られる中間製品及び最終製品のミネラルイオン濃度を上記ICP−AESやICP−MSなどの手段により正確に分析し、その分析結果に基づいて、本発明のミネラル調整水におけるミネラルイオン濃度が所定の範囲となるように調整する。
【0031】
本発明のミネラル調整水を、例えば、飲用水として用いる場合には、必要に応じて、公知の手法により、脱気したり、酸素及び/又は水素を溶解させたり、或いは、炭酸ガスを添加して炭酸水とすることも随意である。本発明のミネラル調整水のpHは、飲用水として用いる場合の呈味、化粧用水として用いる場合の皮膚や頭皮への親和性などを考慮して、通常、pH3乃至11、好適には、pH3.5乃至9、より好適には、pH4.5乃至8.5、さらにより好適には、pH5.0乃至7.5の範囲とするのが望ましい。本発明のミネラル調整水のpH調整は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、公知の適宜のpH調整剤又は電気分解などの1種又は2種以上の手法を適用して、所望のpHに調整することも随意である。
【0032】
また、本発明のミネラル調整水は、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲で、必要に応じて、有機酸、アミノ酸、ビタミン、糖類、甘味料、食物繊維、色素、香料などから選ばれる1種又は2種以上の成分を、適宜の濃度、望ましくは、合計で0.001乃至50質量%、より望ましくは、0.001乃至20質量%、よりさらに望ましくは、0.001乃至5質量%配合することを妨げない。
【0033】
本発明のミネラル調整水は、その安全性、保存安定性を高めるために、通常、斯界において公知の遠心分離法、膜濾過法、精密濾過法、紫外線滅菌法、加熱滅菌法、放射線滅菌法、加圧滅菌法、及び加圧蒸気滅菌法から選ばれる1種又は2種以上の公知の方法により除菌・滅菌した後、適宜の材質、形状、容量の容器に無菌的に充填し、本発明のミネラル調整水とするか、適宜の容器に充填した後、紫外線滅菌法、加熱滅菌法、放射線滅菌法、加圧滅菌法、及び加圧蒸気滅菌法から選ばれる1種又は2種以上の方法により、除菌・滅菌することも随意である。上記容器としては、保存期間中に当該ミネラル調整水のミネラルイオン組成、pH、或いは、電気伝導度などを実質的に変化させることのない、透明ないしは遮光性のガラス製容器、金属製容器、紙製容器、さらには、ポリエチレン製容器、ポリエチレンテレフタレート製容器、及びポリプロピレン製容器などのプラスチック容器及びパウチ容器などを例示できる。これら容器の容量に制限はないが、例えば、1ml以上、50ml以上、0.1乃至2リットル、5乃至25リットル、或いは100乃至2,000リットルなどの容器を適宜選択して用いることができる。さらに、本発明のミネラル調整水を大量に輸送する場合には、適宜容積のコンテナ、タンクローリーなどに充填して、さらには、タンカー内に設けたタンクに充填して輸送することも随意である。
【0034】
本発明のミネラル調整水は、原料用水や原水とは明らかに異なるミネラルイオン組成を有するとともに、後述する実験例に示すとおり、アトピー性皮膚炎を抑制ないしは改善する作用を有する水である。なお、本発明のミネラル調整水を飲用水として用いる場合、その推奨される飲用量は、摂取する対象者の年齢、性別、症状等によって変動し得るものの、通常、成人一日当たり、約25乃至1,000ml、好適には、約50乃至500mlの量である。この範囲の量を日常的に飲用することにより、本発明の所期の効果が効果的に達成される。なお、本発明のミネラル調整水は、使用時、液状のみならず、必要に応じて、液滴状、噴霧状、シャーベット状、又は氷状などの形態で、さらには、適宜増粘剤を用いてゼリー状、ペースト状の形態にして、経口、経皮のみならず、経管・経鼻投与することも可能である。
【0035】
本発明のミネラル調整水は、生体にとって安全で、安価かつ大量に、しかも、容易に入手可能な原料を用いて製造されるものであること、また、その製造に際しては、斯界において用いられている、液体混合容器・装置、濾過装置、殺菌装置、液体充填装置などを転用できることから、本発明のミネラル調整水は、工業的に安価、大量、かつ、容易に製造することができる実益を有する。また、本発明のミネラル調整水は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、適宜容器に充填し、密栓し、室温下で保存したとき、通常、1年以上、好適には、2年以上にも亘って、製造直後の品質がそのまま維持される優れた保存安定性を有する。
【0036】
以下、実験例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【0037】
<実験例:アトピー性皮膚炎の抑制ないしは改善作用試験>
1.実験の概要
ミネラルイオン組成が異なる複数種類の試験水を準備し、これら試験水がアトピー性皮膚炎に及ぼす影響を動物実験により調べた。すなわち、リノール酸を欠乏させた特殊飼料(商品名『HR−AD飼料』、オリエンタル酵母社製)で飼育すると、ヒトにおけるアトピー性皮膚炎様の症状(以下、「ヒトアトピー性皮膚炎様の症状」と略記する場合がある。)を示すことが知られているHR−1マウスを用い、当該マウスを、HR−AD飼料と上記各試験水とを用いて、10週間に亘って飼育し、ヒトアトピー性皮膚炎様の症状を発症させ、その症状を観察とするとともに、マウスから採取した脾臓細胞におけるインターロイキン−1β(IL−1β)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−10(IL−10)、及びインターフェロン−γ(IFN−γ)などの炎症性、抗炎症性、及びアレルギー亢進性のサイトカイン類の産生量を調べた。さらに、各群マウスの臀部皮膚組織を採取し、それぞれ組織学的に解析した。
【0038】
2.試験水の調製
表1に示すミネラルイオン組成となるように、実質的にミネラルイオンを含まない超純水に、塩化カルシウム2水和物(富田製薬株式会社販売、医薬品級、純度96.7%以上)、塩化マグネシウム6水和物(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、純度93.0%)、塩化カリウム(赤穂化成株式会社販売、食品添加物級、純度98.8%)、塩化マンガン4水和物(昭和化学株式会社販売、試薬特級、純度99.0%)、塩化第二鉄6水和物(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、純度94.5%)、及び硫酸亜鉛7水和物(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、純度98.0%)から選ばれる1種又は2種以上を添加し、均一に攪拌混合し、溶解し、得られた水溶液を膜濾過(0.22μm)し、0.1N−水酸化カリウム水溶液又は0.1N−塩酸水溶液を用いてpH7.3に調整して試験水1乃至7を得た。なお、対照の水として、岡山市の水道水(pH7.3)(以下、「対照水」と言う。)を用いた。試験水1乃至10及び対照水からそれぞれサンプリングし、それらのミネラルイオン組成を『マルチ CCD−ICP発光分析装置』(スペクトロ社製)を用いる誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)にて分析した。結果は表2に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

註:表2中、「同等」、「抑制傾向」、「低下傾向」、「増加傾向」、「有意に低下」及び「有意に増加」はいずれも、各評価項目における対照群であるK群マウスとの相対評価に基づく評価である。また、「0ng/ml」は、検出限界以下の濃度であることを意味する。
【0041】
3.ヒトアトピー性皮膚炎様症状の発症及び試験水の投与
HR−1雌マウス(6週齢)66匹を日本SLC株式会社より購入し、その後、1週間に亘ってマウス飼育用通常飼料(商品名『NMF』、オリエンタル酵母社製)を用いて予備飼育を行った。予備飼育期間の飲用水としては、対照水を自由摂取させた。予備飼育終了後、マウスを無作為にA乃至K群の11群(各群6匹)に分け、ヒトアトピー性皮膚炎様症状を発症させるために、HR−AD飼料を用いて10週間飼育した。その間、飲用水として、試験群であるA乃至J群のマウスには試験水1乃至10をそれぞれ自由摂取させ、対照群であるK群のマウスには対照水を自由摂取させた。10週間に亘る飼育試験において、一定期間毎に、各群マウスそれぞれにつき、体重、飼料摂取量、及び飲用水摂取量を測定した。なお、皮膚の水分含量は、皮表角層水分量測定装置(『SKICON(登録商標)−200EX』、IBS社製)により測定した。また、10週間に亘る飼育試験後、各群マウスにおけるヒトアトピー性皮膚炎様症状の発症の有無、及び斯かる症状が表れたときに認められる表皮の皮厚化の観察と評価は、獣医師が行った。また、10週間に亘る飼育試験終了後、各群それぞれのマウスから採血し、脾臓及び臀部皮膚を摘出した。臀部皮膚は、常法により、中性緩衝ホルマリン固定後、病理組織切片を作成し、ヘマトキシリン−エオジン染色(H−E染色)し、組織学的解析を行った。
【0042】
4.脾臓細胞におけるサイトカイン類産生誘導能の測定
各群マウスからそれぞれ摘出した脾臓から、脾臓細胞を採取し、細胞培養液(RPMI1640培地、pH7.3)に濃度5×10個/mlとなるように懸濁し、24穴マイクロプレート(商品名『MULTIEWELLTM 24 WELL』(ベクトンディッキンソン・ラブウエア社製))に分注し、これに抗CD3抗体を2μg/ml(セダレーン社製)又はリポポリサッカライド(LPS)(シグマ社製)を5μg/ml添加し、37℃、5%(v/v)COインキュベーター中で2日間培養し、培養上清中のインターロイキン−1β(IL−1β)は、マウスIL−1βEIAキット(商品名『ELISA・BD OptEIATM』、日本ベクトン・ディッキンソン社製)を用いて測定した。インターロイキン−2(IL−2)は、ラット抗マウスIL−2抗体とビオチン標識ラット抗マウスIL−2抗体(いずれもBDファーミジン社製)、及びホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO)標識ストレプトアビジン(アマシャム社製)を用いて測定した。インターロイキン−4(IL−4)は、ラット抗マウスIL−4抗体とビオチン標識ラット抗マウスIL−4抗体(いずれもBDファーミジン社製)、及びHRPO標識ストレプトアビジン(アマシャム社製)を用いて測定した。インターロイキン−6(IL−6)は、ラット抗マウスIL−6抗体とビオチン標識ラット抗マウスIL−6抗体(いずれもBDファーミジン社製)、及びHRPO標識ストレプトアビジン(アマシャム社製)を用いて測定した。インターロイキン−10(IL−10)は、ラット抗マウスIL−10抗体とビオチン標識ラット抗マウスIL−10抗体(いずれもBDファーミジン社製)、及びHRPO標識ストレプトアビジン(アマシャム社製)を用いて測定した。また、インターフェロン−γ(IFN−γ)は、ラット抗マウスIFN−γ抗体とビオチン標識ラット抗マウスIL−10抗体(いずれもBDファーミジン社製)、及びHRPO標識ストレプトアビジン(アマシャム社製)を用いて測定した。
【0043】
5.統計学的解析
対照群と試験群との比較は、市販の統計解析ソフト[『JMP Ver.4』(エス・エー・エス・インスティチュート(SAS Institute)社製]を用い、ダネット(Dunnett)法にて多重比較検定を行い、p<0.05のとき、有意差ありと判定した。
【0044】
6.結果と考察
(1)体重、飼料摂取量、飲用水摂取量、及び皮膚水分含量
対照水を摂取させたK群マウスと、試験水1乃至10を摂取させたA乃至J群マウスにおいて、飲用水の違いによる、体重、飼料摂取量、飲用水摂取量、及び皮膚水分含量に有意差は認められなかった。
【0045】
(2)ヒトアトピー性皮膚炎様症状の発症
対照水を摂取させたK群マウス、及び試験水1乃至10のいずれかを摂取させたA乃至J群マウスのいずれにおいても、ヒトアトピー性皮膚炎様の症状を認めた。試験水1、7又は10を摂取させたA群、G群又はJ群マウスの症状(乾燥肌、真皮への炎症性細胞の浸潤の程度など)はいずれも、対照水を摂取させたK群マウスと「同等」であったのに対し、試験水2乃至6、8又は9を摂取させたB乃至F群、H群及びI群マウスの症状はいずれも、対照水を摂取させたK群マウスと比べ、明らかに抑制傾向にあった(表2の「結果」欄を参照)。
【0046】
(3)臀部皮膚の組織学的解析
10週間に亘る飼育試験終了後、対照水を摂取させたK群マウスと、試験水1乃至10のいずれかを摂取させたA乃至J群のマウスの臀部皮膚につき組織学的解析を行ったところ、試験水2乃至6、8又は9を摂取させたB乃至F群、H群又はI群マウスにおける症状(表皮層の肥厚化=ヒトアトピー性皮膚炎様の症状が進行すると厚さが増す)はいずれも、対照水を摂取させたK群マウスと比べ、明らかに「抑制傾向」にあった(表2の「結果」欄を参照)。
【0047】
(4)脾臓細胞におけるサイトカイン類の産生
10週間に亘る飼育試験終了後、A乃至K群マウスからそれぞれ摘出した脾臓から調製した脾臓細胞をそれぞれ、常法により、抗CD3抗体又はLPSにて刺激し、IL−1β、IL−2、IL−4、IL−6、IL−10、又はIFN−γ産生を誘導し、各群マウス由来の脾臓細胞の上記サイトカイン類産生量をそれぞれ測定した。
【0048】
その結果、脾臓細胞を抗CD3抗体で刺激したとき、T細胞増殖因子であって、アレルギー疾患に関与するIL−2の産生量は、対照水を摂取させたK群マウスと、試験水1乃至10を摂取させたA乃至J群マウスとの間で有意差は認められなかった(図1参照)。
【0049】
アレルギー亢進作用を有するIL−4の産生量は、対照水を摂取させたK群マウスと、試験水1、2、7又は10を摂取させたA群、B群、G群及びJ群マウスとの間で有意差は認められなかった。しかしながら、試験水2を摂取させたB群マウスのIL−4産生量は、対照水を摂取させたK群マウスと比べ「低下傾向」を示した。一方、試験水3乃至6、8又は9を摂取させたB乃至F群、H群及びI群マウスはいずれも、対照水を摂取させたK群マウスと比べ、IL−4産生量が「有意に低下」した(図2及び表2の「結果」欄を参照)。
【0050】
炎症性サイトカインであるIFN−γの産生量は、対照水を摂取させたK群マウスと、試験水1乃至10のいずれかを摂取させたA乃至J群マウスとの間で有意差は認められなかった(図3参照)。
【0051】
また、脾臓細胞をLPSで刺激したとき、炎症性サイトカインであるIL−1β及びIL−6の産生量は、対照水を摂取させたK群マウスと、試験水1、2、7又は10を摂取させたA群、B群、G群及びJ群マウスとの間で有意差は認められなかった。しかしながら、試験水2を摂取させたB群マウスのIL−1β及びIL−6の産生量はいずれも、対照水を摂取させたK群マウスと比べ、「低下傾向」を示した。一方、試験水3乃至6、8又は9を摂取させたB乃至F群、H群及びI群マウスはいずれも、対照水を摂取させたK群マウスと比べ、IL−1β及びIL−6の産生量のいずれも「有意に低下」した(図4、図5及び表2の「結果」欄を参照)。
【0052】
さらに、抗炎症性サイトカインであるIL−10産生量は、対照水を摂取させたK群マウスと、試験水1、2、7又は10を摂取させたA群、B群、G群及びJ群マウスとの間で有意差は認められなかった。しかしながら、試験水2を摂取させたB群マウスのIL−10産生量は、対照水を摂取させたK群マウスと比べ「増加傾向」を示した。一方、試験水3乃至6、8又は9を摂取させたB乃至F群、H群及びI群マウスはいずれも、対照水を摂取させたK群マウスと比べ、IL−10産生量がいずれも「有意に増加」した(図6及び表2の「結果」欄を参照)。
【0053】
(5)まとめ
上記(1)乃至(4)に示す結果から、マウスを用いた動物実験において、試験水2乃至6、8又は9は、ヒトアトピー性皮膚炎様の症状、及びヒトアトピー性皮膚炎様の症状が表れたときに認められる表皮層の肥厚化を抑制ないしは改善する作用が認められた。この抑制作用は、試験水2乃至6、8又は9を摂取させたB乃至F群、H群及びI群マウスにおいて、アレルギー亢進作用を有するIL−4の産生量、炎症性サイトカインであるIL−1β及びIL−6産生量のいずれもが「低下傾向」又は「有意に低下」したこと、また、抗炎症性サイトカインであるIL−10産生量が「増加傾向」又は「有意に増加」したことから、試験水2乃至6、8又は9はいずれも、ヒトアトピー性皮膚炎の病態形成に関与するヘルパーT(Th)2細胞(IL−4などのサイトカイン産生細胞として知られている)優位な免疫応答を改善し、その結果として奏されたものであると判断される。また、試験水2乃至6、8又は9を摂取させたB乃至F群、H群及びI群マウスにおける各種サイトカイン類の挙動からみて、試験水2乃至6、8及び9は、ヒトアトピー性皮膚炎のみならず、細菌等の感染による炎症反応をも抑制ないしは改善する作用を有すると判断される。
【0054】
本実験結果から、ミネラルイオン組成として、カルシウムイオン濃度が200ng/ml未満、マグネシウムイオン濃度が50ng/ml以上2,500ng/ml未満となるように含有せしめてなるミネラル調整水、殊に、カルシウムイオン濃度が200ng/ml未満、マグネシウムイオン濃度が50ng/ml以上2,500ng/ml未満であって、他のミネラルイオンとして、カリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、及び亜鉛イオンから選ばれる1種又は2種以上のミネラルイオンを合計で50ng/ml以上1,000ng/ml未満含有せしめてなるミネラル調整水は、ヒトアトピー性皮膚炎を効果的に抑制ないしは改善する作用を有するとともに、細菌等の感染による炎症反応を抑制ないしは改善する作用をも有する水であると判断される。
【0055】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これら実施例によりなんら限定されるものではない。
【実施例1】
【0056】
<ミネラル調整水>
RO膜を用いて水道水から調製した、実質的にミネラルイオンを含まない超純水1,000,000質量部に、塩化マグネシウム6水和物(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、純度93.0%)2.60質量部、塩化カリウム(赤穂化成株式会社販売、食品添加物級、純度98.8%)0.21質量部、マンガン酵母(マンガン含有量5.03%、食品添加物級、グロウ社販売)2.15質量部、クエン酸鉄アンモニウム(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、鉄含有量17.4%)0.48質量部、及び亜鉛酵母(亜鉛含有量5.03%、食品添加物級、グロウ社販売)1.24質量部を添加し、均一に攪拌混合し、85℃にて加熱溶解し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを5L容のポリエチレン容器に無菌的に充填し、本発明のミネラル調整水(pH約6)を得た。
【0057】
本品をサンプリングし、そのミネラルイオン組成を『マルチ CCD−ICP発光分析装置』(スペクトロ社製)を用いる誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)により分析したところ、マグネシウムイオン濃度は300ng/ml、カリウムイオン濃度は105ng/ml、マンガンイオン濃度は101ng/ml、鉄イオン濃度は100ng/ml、及び亜鉛イオン濃度は60ng/mlであった。
【0058】
本品は、そのまま、或いは、前記超純水で約2乃至5倍希釈(体積比)した後、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例2】
【0059】
<ミネラル調整水>
RO膜を用いて水道水から調製した、実質的にミネラルを含まない超純水1,000,000質量部に、塩化マグネシウム6水和物(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、純度93.0%)8.60質量部、塩化カリウム(赤穂化成株式会社販売、食品添加物級、純度98.8%)0.25質量部、マンガン酵母(マンガン含有量5.03%、食品添加物級、グロウ社販売)2.61質量部、クエン酸鉄アンモニウム(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、鉄含有量17.4%)0.61質量部、及び亜鉛酵母(亜鉛含有量5.03%、食品添加物級、グロウ社販売)2.70質量部を添加し、混合し、90℃にて加熱溶解し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを2L容のペットボトルに無菌的に充填し、本発明のミネラル調整水(pH約6)を得た。
【0060】
本品をサンプリングしてそのミネラル組成を『マルチ CCD−ICP発光分析装置』(スペクトロ社製)を用いる誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)により分析したところ、マグネシウムイオン濃度993ng/ml、カリウムイオン濃度125ng/ml、マンガンイオン濃度は121ng/ml、鉄イオン濃度125ng/ml、及び亜鉛イオン濃度は124ng/mlであった。
【0061】
本品は、そのまま、或いは、前記超純水で約2乃至6倍希釈(体積比)し、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例3】
【0062】
<ミネラル調整水>
RO膜を用いて水道水から調製した、実質的にミネラルを含まない超純水1,000,000質量部に、塩化マグネシウム6水和物(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、純度93.0%)13.74質量部を添加し、均一に攪拌混合し、80℃にて加熱溶解し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを1L容のポリエチレン容器に無菌的に充填し、本発明のミネラル調整水(pH約6)を得た。
【0063】
本品をサンプリングしてそのミネラル組成を『マルチ CCD−ICP発光分析装置』(スペクトロ社製)を用いる誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)により分析したところ、マグネシウムイオン濃度は1,490ng/mlであった。
【0064】
本品は、そのまま、或いは、前記超純水で約2乃至25倍希釈(体積比)し、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例4】
【0065】
<ミネラル調整水>
RO膜を用いて水道水から調製した、実質的にミネラルを含まない超純水1,000,000質量部に、塩化カルシウム2水和物(富田製薬株式会社販売、医薬品級、純度96.7%以上)0.40質量部、及び塩化マグネシウム6水和物(富田製薬株式会社販売、食品添加物級、純度93.0%)9.62質量部を添加し、均一に攪拌混合し、50℃にて加熱溶解し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを1L容のポリエチレン容器に無菌的に充填し、本発明のミネラル調整水(pH約6)を得た。
【0066】
本品をサンプリングしてそのミネラル組成を『マルチ CCD−ICP発光分析装置』(スペクトロ社製)を用いる誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)により分析したところ、カルシウムイオン濃度は102ng/ml、マグネシウムイオン濃度は1,040ng/mlであった。
【0067】
本品は、そのまま、或いは、前記超純水で約2乃至15倍希釈(体積比)し、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例5】
【0068】
<ミネラル調整水>
実施例1で得た本発明のミネラル調整水に、予め、『トレハ(登録商標)』(トレハロース、純度98%以上、株式会社林原商事販売)を蒸留水中で再結晶化させる操作を複数回行って調製した純度99.9%以上のトレハロースを用いて、トレハロース濃度が0.3%(w/w)となるように添加し、10℃で攪拌混合して、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これらをそれぞれ500ml容のペットボトルに無菌的に充填し、本発明のミネラル調整水(pH約6)を得た。
【0069】
本品は、そのまま、或いは、実施例1で用いたと同じ超純水で2乃至6倍希釈(体積比)し、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例6】
【0070】
<ミネラル調整水>
実施例2で得たミネラル調整水に、予め『AA2G(登録商標)』(L−アスコルビン酸2−グルコシド、純度98%以上、株式会社林原生物化学研究所販売)を蒸留水中で再結晶化させる操作を複数回行って調製した純度99.9%以上のL−アスコルビン酸2−グルコシドを用いて、L−アスコルビン酸2−グルコシド濃度が0.2%(w/w)となるように添加し、均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを350ml容の遮光性ペットボトルに無菌的に充填し、本発明のミネラル調整水(pH約4)を得た。
【0071】
本品は、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例7】
【0072】
<ミネラル調整水>
実施例1乃至6で得たミネラル調整水のいずれかに、予め『食品添加物プルラン』(株式会社林原商事販売)を脱塩処理しておいた精製プルランを乾燥固形物当たり1%(w/v)となるように添加し、均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを500ml容のペットボトルに無菌的に充填し、5種類の本発明のミネラル調整水を得た。
【0073】
本品は、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例8】
【0074】
<ミネラル調整水>
実施例1乃至6で得たミネラル調整水のいずれかに、『αGルチンP』(糖転移ルチン粉末、株式会社林原商事販売)又は『αGヘスペリジン』(糖転移ヘスペリジン、東洋精糖株式会社販売)を予め脱塩処理しておいた、精製αGルチンP又は精製αGヘスペリジンを乾燥固形物当たり、濃度1%(w/v)となるように添加し、均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを350ml容の遮光性ペットボトルに無菌的に充填し、10種類の本発明のミネラル調整水を得た。
【0075】
本品は、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、糖転移ルチン又は糖転移ヘスペリジンによる血行促進作用とあいまって、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例9】
【0076】
<ミネラル調整水>
実施例1乃至6で得たミネラル調整水のいずれかに、アラニン、グルタミン、オルニチン、バリン、ロイシン及びイソロイシンから選ばれる1種以上のアミノ酸をそれぞれ濃度1%(w/v)となるように添加し、均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを100ml容の遮光性ペットボトルに無菌的に充填し、複数種類の本発明のミネラル調整水を得た。
【0077】
本品は、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に飲用すると、アミノ酸による血行促進作用とあいまって、その症状を効果的に抑制ないしは改善することができる。また、本品は、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【実施例10】
【0078】
<ミネラル調整水>
実施例7で得たミネラル調整水のいずれかと、実施例8で得たミネラル調整水のいずれかと、実施例9で得たミネラル調整水のいずれかとをそれぞれ等量ずつ均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを200ml容の遮光性ペットボトルに無菌的に充填し、複数種類の本発明のミネラル調整水を得た。
【0079】
本品は、呈味性に優れ、ヒトが日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全なミネラル調整水として、さらには、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。本品は無菌水であることから、室温下で保存しても雑菌汚染の心配がなく、1年以上もの長期間に亘って製造直後のミネラル組成、pHが安定に保たれる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明したとおり、本発明のミネラル調整水は、アトピー性皮膚炎のヒトが日常的に用いると、その症状を効果的に抑制ないしは改善する作用を有する水である。当該ミネラル調整水は、ヒトが飲用し易い喉ごしを有し、日常的に比較的多量飲用しても、腹痛や下痢などを誘発し難い安全な水である。また、当該ミネラル調整水は、皮膚外用のための洗顔用水、肌用保湿水、頭髪用水などの化粧用水としても好適に用いることができる。また、当該ミネラル調整水は無菌水であることから、適宜容器に充填し、密栓して保存する場合には、室温下でも1年以上もの長期間に亘って、製造直後の品質がそのまま維持される、保存安定性に優れたミネラル調整水である。このように、当該ミネラル調整水は自体、飲用水、皮膚外用の化粧用水として用いることができるだけでなく、従来、食品、化粧品、医薬品、医薬部外品などの製造に用いられている水の一部又は全部と置き換えて用いることができる。
【0081】
本発明は、斯くも顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に貢献すること誠に多大な意義のある発明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウムイオン濃度が200ng/ml未満、マグネシウムイオン濃度が50ng/ml以上2,500ng/ml未満となるように含有せしめてなるミネラル調整水。
【請求項2】
さらに、他のミネラルイオンとして、カリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、及び亜鉛イオンから選ばれる1種又は2種以上のミネラルイオンを合計で50ng/ml以上1,000ng/ml未満含有せしめてなる請求項1に記載のミネラル調整水。
【請求項3】
蒸留水、脱イオン水、及び超純水から選ばれる実質的にミネラルイオンを含まない1種又は2種以上の水に、マグネシウム、又は、マグネシウムとともに、カルシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛、及び酵母エキスから選ばれる1種又は2種以上を添加する工程を経由して得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のミネラル調整水。
【請求項4】
アトピー性皮膚炎を抑制ないしは改善するための請求項1乃至3のいずれかに記載のミネラル調整水。
【請求項5】
飲用水又は皮膚外用水としての請求項1乃至3のいずれかに記載のミネラル調整水。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−126646(P2012−126646A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276549(P2010−276549)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(510327965)
【Fターム(参考)】