説明

ムスカリン受容体のモジュレーター

本発明は、ムスカリン受容体のモジュレーターに関する。本発明はまた、かかるモジュレーターを含む組成物、およびそれを用いてムスカリン受容体により仲介される疾患を処置するための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本発明は、2004年11月29日出願の米国仮特許出願番号第60/631,403号(参照により本明細書中に包含される。)の利益を主張する。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、ムスカリン受容体のモジュレーターに関する。本発明はまた、かかるモジュレーターを含む組成物、およびそれを用いるムスカリン受容体により仲介される疾患を処置するための方法を提供する。
【発明の開示】
【0003】
発明の背景
神経伝達物質アセチルコリンは、2つのタイプのコリン作動性受容体:イオンチャネル型ファミリーのニコチン性受容体および代謝調節型ファミリーのムスカリン受容体と結合する。ムスカリン受容体は、細胞膜結合性Gタンパク質共役受容体(GPCR)の大きなスーパーファミリーに属する。今日までに、ムスカリン受容体(M−M)の5個のサブタイプが様々な種からクローニングされ、配列決定され、種間および受容体サブタイプ間の極めて高度の相同性を示す。これらのM−Mムスカリン受容体は、主に、中枢および末梢組織に興奮および阻害制御をもたらし、心拍数、興奮、認識、感覚処理、および運動制御を含む、多くの生理的機能に関与する、副交換神経系内に発現される。
【0004】
ムスカリンおよびピロカルピンのようなムスカリンアゴニスト、ならびにアトロピンのようなアンタゴニストが、1世紀以上前から公知であるが、受容体サブタイプ−選択化合物の発見にはほとんど進展がなく、故に、個々の受容体に特異的な機能を決定するのを困難にしている。例えば、DeLapp, N. et al.,“Therapeutic Opportunities for Muscarinic Receptors in the Central Nervous System” J. Med. Chem., 43(23), pp. 4333−4353 (2000);Hulme, E. C. et al.,“Muscarinic Receptor Subtypes” Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol., 30, pp. 633−673 (1990);Caulfield, M. P. et al.,“Muscarinic Receptors − Characterization, Coupling, and Function” Pharmacol. Ther., 58, pp. 319−379 (1993);Caulfield, M. P. et al., “International Union of Pharmacology. XVII. Classification of Muscarinic Acetylcholine Receptors” Pharmacol. Rev., 50, pp. 279−290 (1998)(参照によりその開示内容が本明細書中に包含される。)を参照のこと。
【0005】
受容体のムスカリンファミリーは、COPD、喘息、尿失禁、緑内障、アルツハイマー病のための主要な薬物(AchEインヒビター)を含む、様々な疾患に用いる多くの薬剤の標的である。このファミリーの大きな治療的価値にもかかわらず、コリン作動性薬物は、これらの薬剤が選択性を欠き、副交感神経自律系の顕著な活性化および副作用の高発生を伴うことにより、制限される。ムスカリン受容体の分子クローニングおよびノックアウトマウスを用いる特定のイソ型の生理的役割の同定が、最近、ムスカリンリガンドの選択に新しい機会を示し、効果の増大および副作用の減少に必要な選択性プロフィールを定義するのに役立っている。
【0006】
ムスカリン受容体M−Mのモジュレーターが必要とされる。また、ムスカリン受容体により仲介される疾患を処置するための方法が必要とされる。
【0007】
また、サブタイプM−Mに選択性であるムスカリン受容体のモジュレーターが必要とされる。
【0008】
発明の概要
本発明は、式I:
【化1】


[式中、R、R、R、R、L、n、m、pおよびqは、下記に記載される。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を用いて、ムスカリン受容体(例えば、M、M、M、M、M、またはそれらの組み合わせ)の活性を調節する方法を提供する。
【0009】
詳細な説明
I.定義
本発明の目的に関して、化学元素は、元素の周期表(CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed)に従い分類される。さらに、有機化学の一般原則が、“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999、および“March’s Advanced Organic Chemistry”, 5th Ed., Ed.: Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001(その内容全体は、参照により本明細書中に包含される。)に記載される。
【0010】
受容体サブタイプをその前に特定していない用語“ムスカリン受容体”は、5個の受容体サブタイプM−Mのうちの1個以上を意味する。
【0011】
本明細書で用いる用語“調節”は、例えば、活性の、測定可能な量による増加または減少を意味する。ムスカリン受容体の活性を増加することによりムスカリン活性を調節する化合物は、アゴニストと称される。ムスカリン受容体の活性を減少することによりムスカリン活性を調節する化合物は、アンタゴニストと称される。アゴニストは、ムスカリン受容体と相互作用し、内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルに変換する受容体の能力を増加する。アンタゴニストは、ムスカリン受容体と相互作用し、受容体上の結合部位(複数可)に対して内因性リガンド(複数可)または基質(複数可)と競合し、内因性リガンドの結合に応答して細胞内シグナルに変換する受容体の能力を減少する。
【0012】
用語“ムスカリン受容体により仲介される疾患の処置または疾患の重症度の軽減”は、ムスカリン活性によって直接引き起こされる疾患の処置、およびムスカリン活性により直接引き起こされない疾患の症状の緩和の両方を意味する。その症状がムスカリン活性の影響を受け得る疾患の例には、認識障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性痴呆のような様々な認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含む精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的うつ病、パーキンソン病を含むCNS由来の病状、緑内障における眼内圧の低下およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの処置、徐脈(bradhycardia)、胃酸分泌、喘息、GI障害(GI disturbance)、ならびに創傷治癒のような末梢障害が含まれるが、それらに限定されない。
【0013】
本明細書に記載の通り、本発明の化合物は、所望により、本明細書に記載の本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種により説明または例示されるような、1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0014】
本明細書で用いる用語“脂肪族基”は、用語アルキル、アルケニル、アルキニルを包含する。脂肪族基は、所望により、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、ヘテロアリール、アルキルカルボニル、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、それらの組み合わせなどの1個以上で置換されていてよい。
【0015】
本明細書で用いる“アルキル”基は、1−8個(例えば、1−6または1−4個)の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、または2−エチルヘキシルが含まれるが、それらに限定されない。アルキル基は、所望により、上記の1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0016】
本明細書で用いる、“アルケニル”基は、2−10個(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個)の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を含む脂肪族炭素基を意味する。アルキル基のように、アルケニル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。アルケニル基の例には、アリル、イソプレニル、2−ブテニル、および2−ヘキセニルが含まれるが、それらに限定されない。アルケニル基は、所望により、上記の1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0017】
本明細書で用いる“アルキニル”基は、2−8個(例えば、2−6または2−4個)の炭素原子および少なくとも1個の三重結合を含む脂肪族炭素基を意味する。アルキル基のように、アルキニル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。アルキニル基は、所望により、上記の1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0018】
本明細書で用いる“アミノ”基は、−NR(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、スルホニル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキル(それらはそれぞれ、本明細書中で定義される。)である。)を意味し、所望により置換されていてよい。用語“アミノ”が、末端基(例えば、アルキルカルボニルアミノ)ではないとき、それは、−NR−で表される。Rは、上記に定義の意味と同じ意味を有する。
【0019】
本明細書で用いる、単独で、または“アラルキル”、“アラルコキシ”、または“アリールオキシアルキル”のようなより大きな部分の一部として用いられる“アリール”基は、単環式基(例えば、フェニル);二環式基(例えば、インデニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロインデニル);三環式基(例えば、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、アントラセニル、またはテトラヒドロアントラセニル);または、3環を有する縮合ベンゼンを意味する。例えば、縮合ベンゼン基には、2個以上のC4−8炭素環部分と縮合したフェニルが含まれる。アリールは、所望により、1個以上の置換基で置換されていてよい。限定することなく、アリールは、所望により、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、脂肪族基、脂環式基、アリール、ヘテロ脂環式基、ヘテロアリール、アルキルスルホニル、脂肪族アミノカルボニル、アルコキシ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、(ヘテロアリールアミノ)カルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、脂環式スルホニル、ヘテロ脂環式スルホニル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、(アルコキシアルキル)アミノカルボニル、それらの組み合わせなどで置換されていてよい。
【0020】
本明細書で用いる“芳香脂肪族”基は、アリール基で置換される脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基、C1−4アルケニル基、またはC1−4アルキニル基)を意味する。“脂肪族”および“アリール”は両方とも、上記で定義される。
【0021】
本明細書で用いる“アラルキル”基は、アリール基で置換されるアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“アルキル”および“アリール”は両方とも、本明細書中で定義される。アラルキル基の例は、ベンジルである。
【0022】
本明細書で用いる“二環式環系”には、少なくとも1個の原子を共通して有する(例えば、2原子が共通する)2つの環を形成する、5−12(例えば、7、8、9、10、または11)員構造が含まれる。二環式環構造には、ビシクロ脂肪族(例えば、ビシクロアルキルまたはビシクロアルケニル)、ビシクロヘテロ脂肪族(例えば、ビシクロヘテロアルキルまたはビシクロヘテロアルケニル)、二環式アリール、および二環式ヘテロアリールが含まれる。二環式環系にはまた、架橋二環式環および縮合二環式環(例えば、縮合ベンゼン)が含まれる。
【0023】
用語“脂環式基”は、飽和または残りの分子と結合する単一点を有する部分的不飽和単環式、二環式、または三環式炭化水素環を意味する。脂環式環は、3−8員の単環式環(例えば、3−6員環)である。脂環式環にはまた、5−12員の二環式環が含まれる。二環式脂環基(すなわち、ビシクロ脂肪族環)には、架橋二環式脂環式環および脂環式縮合二環式環が含まれる。脂環式基にはまた、“シクロアルキル”基および“シクロアルケニル”基が包含される。
【0024】
脂環式基上の置換基の例には、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、脂肪族基、アルコキシ、アルコキシイミノ、アルコキシアミノ、オキソ、アリールオキシイミノが含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書で用いる“シクロアルキル”基は、3−10個(例えば、5−10個)の炭素原子の、飽和炭素環モノ−、ジ−、またはトリ−、または多環式(縮合または架橋)環を意味する。限定することなく、単環式シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれる。二環式シクロアルキル基の例には、架橋二環式シクロアルキルおよび縮合二環式シクロアルキルが含まれる。限定することなく、二環式シクロアルキルには、オクタヒドロ−インデニル、デカヒドロ−ナフチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2.]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニルなどが含まれる。限定することなく、多環式基には、アダマンチル、キュビル(cubyl)、ノルボルニルなどが含まれる。シクロアルキル環は、所望により、何れかの化学的に可能な環の位置で置換されていてよい。
【0026】
本明細書で用いる“シクロアルケニル”基は、3−10個(例えば、5−10個)の炭素原子の、部分的不飽和炭素環モノ−、ジ−またはトリ−、または多環式(縮合または架橋)環を意味する。限定することなく、単環式シクロアルケニル基の例には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルなどが含まれる。限定することなく、二環式シクロアルケニル基には、例えば、ビシクロ[3.2.1]オクテニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、ビシクロ[3.3.1]ノネニル、ビシクロ[3.3.2.]デセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、またはビシクロ[3.1.1]ヘプテニルが含まれる。
【0027】
本明細書で用いる、用語“ヘテロ脂環式基”および“ヘテロ環式基”には、ヘテロシクロアルキル基およびヘテロシクロアルケニル基が包含される。ヘテロ脂環式基には、1−3個のヘテロ原子を有する3−10員の単環式環構造が含まれる。ヘテロ脂環式基にはまた、5−10員の二環式ヘテロ脂環式(すなわち、ビシクロヘテロ脂環式基)が含まれる。ビシクロヘテロ脂肪族基には、架橋二環式構造、および縮合二環式構造が含まれる。縮合二環式構造には、単環式脂環式環または単環式ヘテロ脂環式環と縮合した単環式ヘテロ脂環式基が含まれ得る。
【0028】
本明細書で用いる“ヘテロシクロアルキル”基は、3−10員の単環式または二環式(縮合または架橋)(例えば、5から10員の単環式または二環式)飽和環構造を意味し、ここで、1個以上の環原子が、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、またはそれらの組み合わせ)である。二環式ヘテロシクロアルキルには、架橋および縮合二環式ヘテロシクロアルキルが含まれる。ヘテロシクロアルキルの非限定的例には、所望により置換されていてよいピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1,4−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、1,3−ジオキソラニル、オキサゾリジル、イソキサゾリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、オクタヒドロ−ベンゾフラニル、オクタヒドロ−クロメニル、オクタヒドロ−チオクロメニル、オクタヒドロ−インドリル、オクタヒドロ−ピリジニル(pyrindinyl)、デカヒドロ−キノリニル、オクタヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル、またはトロパンが含まれる。単環式ヘテロシクロアルキル基は、テトラヒドロイソキノリンのようなフェニル部分と縮合し得る。ヘテロシクロアルキル環構造は、所望により、何れかの化学的に可能な環または複数の環の位置で置換されていてよい。
【0029】
ヘテロシクロアルキル基は、何れかの化学的に可能な位置で置換されていてよい。ヘテロシクロアルキル置換基には、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、脂肪族(例えば、アルキル、アルケニルまたはアルキニル)、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式基、アリールカルボニル、それらの組み合わせなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で用いる“ヘテロシクロアルケニル”基は、1個以上の二重結合を有する単環式または二環式(例えば、5から10員の単環式または二環式)非芳香環構造を意味し、ここで、環原子の1個以上が、ヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)である。二環式ヘテロシクロアルケニルには、架橋および縮合二環式ヘテロシクロアルケニルが含まれる。ヘテロシクロアルケニルの例には、2−ピロリル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、または2−ピラゾリルが含まれる。単環式ヘテロ脂環式基は、標準的化学命名法に従い番号が付けられる。ヘテロシクロアルケニル置換基には、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、脂肪族(例えば、アルキル、アルケニルまたはアルキニル)、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式基、アリールカルボニル、それらの組み合わせなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0031】
本明細書で用いる“ヘテロアリール”基は、4から15個の環原子(ここで、環原子の1個以上が、ヘテロ原子(例えば、N、O、Sまたはそれらの組み合わせ)である。)を有する単環式、二環式、または三環式環系を意味し、ここで、二環式または三環式環構造の1個以上の環が、芳香族性である。ヘテロアリール基には、2から3環を有する縮合ベンゼン環系が含まれる。例えば、縮合ベンゼン基は、1個または2個のC4−8ヘテロ環式部分(例えば、インドリジニル(indolizyl)、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニルまたはイソキノリニル)との縮合ベンゼンを含む。ヘテロアリールのいくつかの例は、アゼチジニル、ピリジニル、1H−インダゾリル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、イソキノリニル、ベンズチアゾリル、キサンテン、チオキサンテン、フェノチアジン、ジヒドロインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリル(puryl)、シンノリニル、キノリニル、シンノリニル、フタラジル、キナゾリニル、キノキサリニル、イソキノリニル、4H−キノリジニル(quinolizyl)、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾリル、または1,8−ナフチリジル(naphthyridyl)である。ヘテロアリールは、所望により、何れかの化学的に可能な位置で置換されていてよい。
【0032】
限定することなく、単環式ヘテロアリールには、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、または1,3,5−トリアジルが含まれる。
【0033】
限定することなく、二環式ヘテロアリールには、インドリジニル(indolizyl)、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリジニル(indolizyl)、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H−キノリジニル(quinolizyl)、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8−ナフチリジル、またはプテリジルが含まれる。
【0034】
限定することなく、ヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、ヘテロアリール、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、脂肪族アミノカルボニル、アルコキシ、それらの組み合わせなどで置換され得る。
【0035】
本明細書で用いる“ヘテロ芳香脂肪族”基は、ヘテロアリール基で置換される脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基、C1−4アルケニル基、またはC1−4アルキニル基)を意味する。“脂肪族”および“ヘテロアリール”は両方とも、上記に定義されている。
【0036】
本明細書で用いる“ヘテロアラルキル”基は、ヘテロアリール基で置換されるアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“アルキル”および“ヘテロアリール”は両方とも、上記に定義されている。
【0037】
本明細書で用いる“環式基”には、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、またはヘテロアリール(それらはそれぞれ、上記に定義されている。)を含む、単環式、二環式、および三環式構造が含まれる。
【0038】
本明細書で用いる“アシル”基は、ホルミル基またはアルキル−C(=O)−(“アルキルカルボニル”とも称される)を意味し、ここで“アルキル”は、上記に定義されている。アセチルおよびピバロイルは、アシル基の例である。
【0039】
本明細書で用いる“カルボニル”基は、単独または別の構造の一部として用いるとき、構造−C(O)−を意味する。
【0040】
本明細書で用いる“カルバモイル”基は、構造−O−CO−NRまたは−NR−CO−O−R(ここで、RおよびRは、上記に定義されており、Rは、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり得る。)を有する基を意味する。
【0041】
本明細書で用いる“カルボキシ”および“スルホ”基は、それぞれ−C(O)OHまたは−C(O)OR、および−SOHまたは−SOを意味する。
【0042】
本明細書で用いる“アルコキシ”基は、アルキル−O−基を意味し、ここで“アルキル”は、上記に定義される。さらに、アルコキシ基には、同じ原子または隣接原子上に2個のアルコキシ基を含み、それらが結合する原子(複数可)と共に環を形成する構造が含まれる。
【0043】
本明細書で用いる“アルコキシカルボニル”基は、構造−C(O)O−アルキルを意味する。
【0044】
本明細書で用いる“ニトロ”基は、−N(O)Oを意味する。
【0045】
本明細書で用いる“スルホキシ”基は、−O−SO−Rまたは−SO−O−R(ここで、Rは、上記に定義されている。)を意味する。
【0046】
本明細書で用いる“メルカプト”基は、−SHを意味する。
【0047】
本明細書で用いる“スルホニル”基は、−S(O)−を意味する。
【0048】
本明細書で用いる“スルフィニル”基は、−S(O)−を意味する。
【0049】
本明細書で用いる“スルファニル”基は、−S−を意味する。
【0050】
本明細書で用いる“ハロゲン”または“ハロ”基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0051】
本明細書で用いる“ハロ脂肪族”基は、1−3個のハロゲンで置換される脂肪族基を意味する。例えば、用語ハロアルキルには、基−CFが含まれる。
【0052】
本明細書で用いる“スルファモイル”基は、構造−S(O)−NRまたは−NR−S(O)−R(ここで、R、R、およびRは、上記に定義されている。)を意味する。
【0053】
本明細書で用いる“スルファミド”基は、構造−NR−S(O)−NR(ここで、R、R、およびRは、上記に定義されている。)を意味する。
【0054】
本明細書で用いる、単独でまたは別の基と関連して用いられる“カルボニルアミノ”基は、R−C(O)−NR−のようなアミド基を意味する。例えば、アルキルカルボニルアミノには、アルキル−C(O)−NR−(ここで、Rは、上記に定義されている。)が含まれる。
【0055】
本明細書中で用いる、単独でまたは別の基と関連して用いられる“アミノカルボニル”基は、N(R−C(O)−のようなアミド基を意味する。
【0056】
本明細書で用いる、単独でまたは別の基と関連して用いられる“アルコキシカルボニル”は、アルキル−O−C(O)−のようなカルボニル基を意味する。
【0057】
本明細書で用いる“アルコキシアルキル”は、アルキル−O−アルキル−(ここで、アルキルは、上記に定義されている。)のようなアルキル基を意味する。
【0058】
本明細書で用いる“アミノカルボニル”は、−NR−C(O)−(ここで、Rは、上記に定義されている。)のようなアミド基を意味する。
【0059】
本明細書で用いる“アミノスルホニル”は、構造−N(R−S(O)−(ここで、Rは、上記に定義されている。)を意味する。
【0060】
本明細書で用いる、“オキソ”は=Oを意味する。
【0061】
本明細書で用いる、“アミノアルキル”は、構造N(R−アルキル−を意味する。
【0062】
本明細書で用いる、“シアノアルキル”は、構造(CN)−アルキル−を意味する。
【0063】
本明細書で用いる、“アルキルスルホニル”基は、構造アルキル−S(O)−を意味する。
【0064】
本明細書で用いる、“スルホニルアミノ”基は、構造R−S(O)−N(R−(ここで、Rは、上記に定義されている。)を意味する。
【0065】
本明細書で用いる、“イミノ”基は、官能基=N−を意味し、構造=N−R、および構造=N−OR(Rは、上記に定義される。)を有するオキシムを包含する。
【0066】
本明細書で用いる、“ヒドロキシ”基は、構造−OHを意味する。
【0067】
本明細書で用いる、“グアニジニル”基は、構造NHC(NH)NH−を意味する。
【0068】
本明細書で用いる、“脂肪族鎖”は、分枝鎖または直鎖脂肪族基(例えば、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基)を意味する。直鎖脂肪族鎖は、構造−[CH−(ここで、pは1−6である。)を有する。分枝鎖脂肪族鎖は、1個以上の脂肪族基で置換される直鎖脂肪族鎖である。分枝鎖脂肪族鎖は、構造−[CHW]−(ここで、Wは、水素または脂肪族基である;しかしながら、Wは、少なくとも一例において脂肪族基でなければならない。)を有する。用語、脂肪族鎖には、アルキル鎖、アルケニル鎖、およびアルキニル鎖(ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、上記に定義される。)が含まれる。
【0069】
本明細書で用いる、“尿素”基は、構造−NR−CO−NRを意味し、“チオ尿素”基は、構造−NR−CS−NRを意味する。R、R、およびRは、上記に定義されている。
【0070】
概して、用語“隣接”は、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基(ここで、置換基は、隣接炭素原子に結合する。)の位置を意味する。
【0071】
概して、用語“ジェミナル”は、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基(ここで、置換基は、同じ炭素原子に結合する。)の位置を意味する。
【0072】
概して、用語“所望により”が前に付くかまたは付かない、用語“置換”は、所定の構造中、特定の置換基のラジカルでの水素ラジカルの置換を意味する。特定の置換基が、上記の定義ならびに下記の化合物の説明およびその例に記載される。他に特に記載がなければ、所望により置換されていてよい基は、基のそれぞれの置換可能な位置で置換基を有していてよく、何らかの所定の構造における2個以上の位置が、特定の基から選択される2個以上の置換基で置換され得るとき、該置換基は、それぞれの位置で同じかまたは異なり得る。ヘテロシクロアルキルのような環置換基は、シクロアルキルのような他の環と結合して、例えば、両方の環を1個の共通原子で共有するスピロ−二環式環系を形成し得る。当業者には認識され得るように、本発明において想定される置換基の組み合わせは、安定なまたは化学的に可能な化合物の形成に至る組み合わせである。
【0073】
本発明で用いる用語“安定または化学的に可能な”は、それらの製造、検出、および好ましくは、本明細書中に開示の1個以上の目的のためのそれらの回収、精製、および使用を可能にする条件にされるとき、実質的に変化しない化合物を意味する。いくつかの態様において、安定な化合物または化学的に可能な化合物は、水分の不存在下、40℃以下の温度で、または他の化学的反応条件で、少なくとも1週間維持されるとき、実質的に変化しない化合物である。
【0074】
本明細書で用いる、有効量は、処置した患者に治療的効果を与えるのに必要な量であると定義され、典型的に、患者の年齢、表面積、体重および状態に基づき決定される。動物およびヒトに関する投与量(体表面の平方メートル当たりの数ミリグラムに基づく)の相互関係は、Freireich et al., Cancer Chemother. Rep., 50: 219 (1966)に記載される。体表面積は、患者の身長および体重からほぼ決定され得る。例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardsley, New York, 537 (1970)を参照のこと。本明細書で用いる“患者”は、ヒトを含む動物を意味する。
【0075】
本明細書で用いる“患者”は、ヒトを含む動物を意味する。
【0076】
他に特に記載がなければ、本明細書中に示す構造はまた、構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何異性体(または、立体異性体))形態;例えば、各不斉中心についてのRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)立体異性体を包含することを意味する。故に、本発明の化合物の、単一の立体化学的異性体ならびにエナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または、立体異性体)混合物は、本発明の範囲内である。他に特に記載がなければ、本発明の化合物の全ての互変異性体は、本発明の範囲内である。さらに、他に特に記載がなければ、本明細書に記載の構造はまた、1個以上の同位体に富む原子の存在下にのみ異なる化合物を包含することを意味する。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置換、または13C−もしくは14C−に富む炭素による炭素の置換を除く本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、分析ツールまたは生物学的分析におけるプローブとして有用である。
【0077】
II.化合物:
A.一般的な化合物
本発明は、ムスカリン受容体の活性を調節する方法であって、該受容体を式I:
【化2】

で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む方法を提供する。
【0078】
は、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、またはヘテロアリール(それらはそれぞれ、所望により、1−3個のRで置換されていてよい。)であるか、またはRは、水素である。
【0079】
は、それぞれ独立して、=Oまたは−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−6脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)である。
【0080】
は、独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、=NR、=NOR、または−OCFである。
【0081】
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0082】
はそれぞれ、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)である。
【0083】
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、−NH、−NO、または−OCFである。
【0084】
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0085】
およびRは、それぞれ独立して、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)である。あるいは、RおよびRは、共にオキソ基を形成する。
【0086】
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFである。
【0087】
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0088】
Wは、−NR−または−O−である。
【0089】
は、−Z10(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりおよび独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)である。
【0090】
10は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFである。
【0091】
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0092】
mは0−3であり、pは0−3であり、かつm+pは3、4、5または6である。
【0093】
nは0−2である。
【0094】
qは0−4である。
【0095】
LはZである。
【0096】
1.−L−R基:
1a.置換基R
は、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、またはヘテロアリール(それらはそれぞれ、所望により、1−3個のRで置換されていてよい。)であるか、またはRは、水素である。Rは、それぞれ独立して、=Oまたは−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−6脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)である。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、=NR、=NOR、または−OCFである。Rはそれぞれ、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0097】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよい脂環式基である。例えば、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい単環式脂環式である。いくつかの例において、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。他の態様において、Rは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、またはシクロオクテニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。いくつかの態様において、Rは、所望により、1−3個のハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、または所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルコキシイミノ、所望により置換されていてよいアルキルカルボニル、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアラルキル、所望により置換されていてよいヘテロアラルキル、所望により置換されていてよいアラルキルオキシイミノ、所望により置換されていてよいアリールオキシイミノ、所望により置換されていてよいアリールカルボニルオキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。
【0098】
いくつかの態様において、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい二環式(例えば、縮合または架橋)脂環式基である。いくつかの例において、Rは、架橋ビシクロアルキルまたは架橋ビシクロアルケニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。例えば、Rは、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、またはビシクロ[3.3.3]ウンデシル(それらはそれぞれ、所望により、1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、ビシクロ[1.1.1]ペンテニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプテニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、ビシクロ[3.2.1]オクテニル、ビシクロ[3.3.1]ノネニル、またはビシクロ[3.3.3]ウンデセニル(それらはそれぞれ、所望により、1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0099】
いくつかの例において、Rは、所望により置換されていてよい三環式脂環式基である。例えば、Rは、所望により置換されていてよいアダマンチルである。
【0100】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基である。例えば、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい単環式ヘテロ脂環式基である。いくつかの態様において、Rは、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロオキサゾリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラン、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、ピペラジニル、1,2,3−トリアゾリジニル、ジオキサニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チエパニル(thiepanyl)、ジチアニル、オクタヒドロピラニル、トリチアニル、チオモルホリニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、またはチオカニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよい(シクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルキルアミノカルボニル、所望により置換されていてよい(ヘテロシクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアリールカルボニル、所望により置換されていてよい(アルコキシ)アルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0101】
いくつかの例において、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい二環式(例えば、架橋または縮合)ヘテロ脂環式基である。例えば、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい架橋ビシクロヘテロ脂肪族基である。例えば、Rは、2−アザビシクロ[1.1.1]ペンチル、5−アザビシクロ[2.1.1]ヘキシル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、または9−アザビシクロ[3.3.1]ノニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(シクロアルキルオキシ)カルボニル、(ヘテロシクロアルキルオキシ)カルボニル、(アルコキシ)アルコキシカルボニル、(アルキニルオキシ)カルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0102】
いくつかの態様において、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよいアリールである。例えば、Rは、フェニルまたは二環式アリール(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。例えば、Rは、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいフェニルである。他の例において、Rは、ナフチレニル、インデニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0103】
いくつかの態様において、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよいヘテロアリールである。例えば、Rは、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリール(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。いくつかの例において、Rは、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、1H−ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、または1,3,5−トリアジニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせにより置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾフラニル、インドリル、3H−インドリル、イソインドリル、インドリニル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル、シンノリニル、フタラジニル、またはキナゾリニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0104】
いくつかの態様において、Rは、水素、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい(アルキルスルフィニル)アルキル、所望により置換されていてよいアルコキシアルキル、または(アルキルカルボニル)アルキルである。
【0105】
1b.結合基L:
Lは、Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−6脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)である。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。いくつかの態様において、Lは、結合、所望により置換されていてよいメチレン基、または所望により置換されていてよいエチレン基である。
【0106】
1c.−L−R基:
いくつかの態様において、−L−Rは、水素;シクロヘキシルメチル−;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル−;ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;4−プロピルシクロヘキシル−;テトラヒドロピラン−4−イル−;1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;ベンゾフラン−2−イル−;(ベンゾチオフェン−2−イル)メチル−;1,2−ジヒドロインダン−2−イル−;シクロヘキシル−;8−アザ−8−メトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(1−メチルエトキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;(1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(1−メチル)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−シクロブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−シクロペントキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(2−メトキシ)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;8−アザ−8−プロポキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−ブトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(2−メトキシ)エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(1−メチル)エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;1−プロポキシカルボニルピペリジン−4−イル−;1−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルピペリジン−4−イル−;1−(2−メトキシ)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;1−(1,1−ジメチル)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;(1−エトキシカルボニルピロリジン−3−イル)メチル−;(1−エトキシカルボニル−4−メチルピペリジン−4−イル)メチル−;8−アザ−8−(3−プロパルギルオキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−6−イル−;8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イル)メチル−;4−メトキシベンジル−;3−メトキシベンジル−;2−メトキシベンジル−;4−エトキシベンジル−;1,2−ジヒドロベンゾフラン−5−イル−;3−フルオロ−4−メトキシベンジル−;4−フルオロベンジル−;3−フルオロベンジル−;2−フルオロベンジル−;2,4−ジフルオロベンジル−;ピリジン−4−イルメチル−;ピリジン−3−イルメチル−;ピリジン−2−イルメチル−;4−アセチルベンジル−;1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル−;4−オキソシクロヘキシル−;4−カルボエトキシシクロヘキシル−;6−メトキシピリジン−3−イル−;3−アセトキシベンジル−;4−プロピオンオキシベンジル−;4−アセトキシベンジル−;4−(1−ヒドロキシエチル)ベンジル−;ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル−;
【0107】
テトラヒドロチオピラン−4−イル−;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル−;シクロヘプチル−;ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル−;2−アダマンチル−;2−クロロベンジル−;2−シアノベンジル−;2−ヒドロキシベンジル−;2−メトキシカルボニルベンジル−;2−フルオロ−5−メチルベンジル−;(6−メチルピリジン−2−イル)メチル−;2,6−ジメトキシベンジル−;2−メトキシエチル−;2−エトキシエチル−;(テトラヒドロピラン−2−イル)メチル−;2−オキソブチル−;2−オキソプロピル−;(テトラヒドロピラン−3−イル)メチル−;(チアゾール−2−イル)メチル−;(3−メチルチオフェン−2−イル)メチル−;(4,5−ジメチルフラン−2−イル)メチル−;(2,4−ジメチルチオフェン−5−イル)メチル−;フラン−3−イルメチル−;(3,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−2−イル)メチル−;(1,3−ジメチルシクロヘキセン−4−イル)メチル−;(2,2−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−5−エン−5−イル)メチル−;4−エトキシイミノシクロヘキシル−;3,3−ジメチルブチル−;1−ベンゾイルピペリジン−4−イル−;2−(テトラヒドロチオピラン−4−イル)エチル−;テトラヒドロフラン−3−イルメチル−;1−(ピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(チアゾール−2−イル)ピペリジン−4−イル−;2−アザ−3−メチル−1−オキサスピロ[4.5]デセ−2−エン−8−イル−;1−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(3,6−ジメチルピペラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(3−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(4−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(2−メトキシフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(4−メトキシフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(ピリミジン−5−イル)ピペリジン−4−イル−;(1−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−3−イル)メチル−;(1−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)メチル−;1−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(チオフェン−3−イル)ピペリジン−4−イル−;および、3−メチルスルファニルブチル−から選択される1つである。
【0108】
2.置換基R
はそれぞれ、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−O−、−OCONR−、−S−、−SO−、−SO−、または−SONR−で置換されていてよい。)である。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、−NH、−NO、または−OCFである。Rはそれぞれ、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0109】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよい脂環式基である。例えば、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい単環式脂環式基である。いくつかの例において、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。他の態様において、Rは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、またはシクロオクテニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。いくつかの態様において、Rは、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、または所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルコキシイミノ、所望により置換されていてよいアルキルカルボニル、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアラルキル、所望により置換されていてよいヘテロアラルキル、所望により置換されていてよいアラルキルオキシイミノ、所望により置換されていてよいアリールオキシイミノ、所望により置換されていてよいアリールカルボニルオキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。
【0110】
いくつかの態様において、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい二環式(例えば、縮合または架橋)脂環式基である。いくつかの例において、Rは、架橋ビシクロアルキルまたは架橋ビシクロアルケニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。例えば、Rは、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、またはビシクロ[3.3.3]ウンデシル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、または所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、ビシクロ[1.1.1]ペンテニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプテニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、ビシクロ[3.2.1]オクテニル、ビシクロ[3.3.1]ノネニル、またはビシクロ[3.3.3]ウンデセニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、または所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0111】
いくつかの例において、Rは、所望により置換されていてよい三環式脂環式基である。例えば、Rは、所望により置換されていてよいアダマンチルである。
【0112】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基である。例えば、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい単環式ヘテロ脂環式基である。いくつかの態様において、Rは、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロオキサゾリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラン、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、ピペラジニル、1,2,3−トリアゾリジニル、ジオキサニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チエパニル(thiepanyl)、ジチアニル、オクタヒドロピラニル、トリチアニル、チオモルホリニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、またはチオカニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよい(シクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルキルアミノカルボニル、所望により置換されていてよい(ヘテロシクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアリールカルボニル、所望により置換されていてよい(アルコキシ)アルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0113】
いくつかの例において、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい二環式ヘテロ脂環式基である。例えば、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよい架橋ビシクロヘテロ脂肪族基である。例えば、Rは、2−アザビシクロ[1.1.1]ペンチル、5−アザビシクロ[2.1.1]ヘキシル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、または9−アザビシクロ[3.3.1]ノニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(シクロアルキル)オキシカルボニル、(ヘテロシクロアルキルオキシ)カルボニル、(アルコキシ)アルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0114】
いくつかの態様において、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよいアリールである。例えば、Rは、フェニルまたは二環式アリール(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。例えば、Rは、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいフェニルである。他の例において、Rは、ナフチレニル、インデニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0115】
いくつかの態様において、Rは、所望により1−3個のRで置換されていてよいヘテロアリールである。例えば、Rは、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリール(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。いくつかの例において、Rは、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、または1,3,5−トリアジル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾフラニル、インドリル、3H−インドリル、イソインドリル、インドリニル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル、シンノリニル、フタラジニル、またはキナゾリニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0116】
いくつかの態様において、Rは、水素、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい(アルキルスルフィニル)アルキル、所望により置換されていてよいアルコキシアルキル、または(アルキルカルボニル)アルキルである。いくつかの態様において、Rは、水素、クロロ、フルオロ、メチルおよびエチルから選択される1つである。
【0117】
3.置換基RおよびR
およびRは、それぞれ独立して、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−ONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)である。あるいは、RおよびRは、共に、オキソ基を形成する。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基;所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0118】
いくつかの態様において、RまたはRは、所望により置換されていてよい脂環式基である。例えば、RまたはRは、所望により1−3個のRで置換されていてよい単環式脂環式基である。いくつかの例において、RまたはRは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。他の態様において、RまたはRは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、またはシクロオクテニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。いくつかの態様において、RまたはRは、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、または所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルコキシイミノ、所望により置換されていてよいアルキルカルボニル、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアラルキル、所望により置換されていてよいヘテロアラルキル、所望により置換されていてよいアラルキルオキシイミノ、所望により置換されていてよいアリールオキシイミノ、所望により置換されていてよいアリールカルボニルオキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。
【0119】
いくつかの態様において、RまたはRは、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基である。例えば、RまたはRは、所望により1−3個のRで置換されていてよい単環式ヘテロ脂環式基である。いくつかの態様において、RまたはRは、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロオキサゾリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラン、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、ピペラジニル、1,2,3−トリアゾリジニル、ジオキサニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チエパニル(thiepanyl)、ジチアニル、オクタヒドロピラニル、トリチアニル、チオモルホリニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、またはチオカニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよい(シクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルキルアミノカルボニル、所望により置換されていてよい(ヘテロシクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアリールカルボニル、所望により置換されていてよい(アルコキシ)アルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0120】
いくつかの態様において、RまたはRは、所望により1−3個のRで置換されていてよいアリールである。例えば、RまたはRは、フェニルまたは二環式アリール(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)である。例えば、RまたはRは、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいフェニルである。
【0121】
いくつかの態様において、RまたはRは、所望により1−3個のRで置換されていてよいヘテロアリールである。例えば、RまたはRは、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリール(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい、)である。いくつかの例において、RまたはRは、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、または1,3,5−トリアジル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0122】
いくつかの態様において、RまたはRは、水素、ヒドロキシ、シアノ、または所望により置換されていてよい脂肪族基である。いくつかの態様において、RまたはRは、水素、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、メチル、およびエチルから選択される。別の態様において、RおよびRは、共にオキソ基を形成する。さらに別の態様において、RはHである。
【0123】
4.基W
Wは、−NR−または−O−である。Rは、−Z10(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRで置換されていてよい。)である。R10は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基;所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0124】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり;Rは、−Z10であり;Zは、−C(O)−、−SO−、−C(O)NR−、−SONR−、−C(O)O−、または−OC(O)NR−であり;そして、R10は、脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、またはアリールオキシ(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。
【0125】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり;Rは、−Z10であり;Zは、−C(O)−、−SO−、−C(O)NR−、−SONR−、−C(O)O−、または−OC(O)NR−であり;そして、R10は、所望により置換されていてよい脂環式基である。例えば、R10は、所望により置換されていてよい単環式脂環式基または所望により置換されていてよい二環式脂環式基である。いくつかの態様において、R10は、単環式シクロアルキルまたは単環式シクロアルケニル(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの例において、R10は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。他の例において、R10は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、またはシクロオクテニル(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの態様において、R10は、架橋または縮合ビシクロ脂肪族(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。例えば、R10は、架橋ビシクロアルキルまたは架橋ビシクロアルケニル(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの例において、R10は、2−アザビシクロ[1.1.1]ペンチル、5−アザビシクロ[2.1.1]ヘキシル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、または9−アザビシクロ[3.3.1]ノニル(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの態様において、R10は、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アリール、脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。
【0126】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり;Rは、−Z10であり;Zは、−C(O)−、−SO−、−C(O)NR−、−SONR−、−C(O)O−、または−OC(O)NR−であり;そして、R10は、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基である。いくつかの例において、R10は、所望により置換されていてよい単環式ヘテロ脂環式基である。他の態様において、R10は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロオキサゾリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラン、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、ピペラジニル、1,2,3−トリアゾリジニル、ジオキサニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チエパニル(thiepanyl)、ジチアニル、オクタヒドロピラニル、トリチアニル、チオモルホリニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、またはチオカニル(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。
【0127】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり;Rは、−Z10であり;Zは、−C(O)−、−SO−、−C(O)NR−、−SONR−、−C(O)O−、または−OC(O)NR−であり;そして、R10は、所望により置換されていてよいアリールである。いくつかの例において、R10は、所望により置換されていてよい単環式アリールまたは所望により置換されていてよい二環式アリールである。例えば、R10は、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいアルコキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいフェニルである。他の例において、R10は、ナフチレニル、インデニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。
【0128】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり;Rは、−Z10であり;Zは、−C(O)−、−SO−、−C(O)NR−、−SONR−、−C(O)O−、または−OC(O)NR−であり;そして、R10は、所望により置換されていてよいヘテロアリールである。いくつかの例において、R10は、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリール(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。例えば、R10は、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、1H−ピロリル、オキサゾリニル(oxazolineyl)、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、または1,3,5−トリアジル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。他の例において、R10は、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾフラニル、インドリル、3H−インドリル、イソインドリル、インドリニル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル、シンノリニル、フタラジニル、またはキナゾリニル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0129】
いくつかの態様において、R10は、所望により置換されていてよいアルコキシである。例えば、R10は、所望により置換されていてよいC1−6アルコキシである。他の例において、R10は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、またはtert−ブトキシ(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、アルコキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0130】
いくつかの態様において、R10は、所望により置換されていてよい(脂環式)オキシである。例えば、R10は、所望により置換されていてよいシクロアルキルオキシである。他の例において、R10は、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、またはシクロヘプチルオキシ(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、脂肪族基、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0131】
いくつかの態様において、R10は、所望により置換されていてよいアロイルである。いくつかの例において、R10は、単環式アロイルまたは二環式アロイル(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)でる。例えば、R10は、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいフェニルオキシである。
【0132】
いくつかの別の態様において、Wは、−NR−であり;Rは、−Z10であり;Zは、−C(O)NR−または−SONR−であり;そして、R10は、水素、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0133】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり、Rは、−Z10であり、Zは、−C(O)NR−または−SONR−であり、そしてR10は、所望により置換されていてよい脂肪族基である。多くの例において、R10は、所望により置換されていてよいC1−6脂肪族基である。例えば、R10は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アリール、脂環式基、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0134】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり、Rは、−Z10であり、Zは、−C(O)NR−または−SONR−であり、そしてR10は、所望により置換されていてよい脂環式基である。例えば、R10は、単環式脂環式基または二環式脂環式基(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの例において、R10は、単環式シクロアルキルまたは単環式シクロアルケニル(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。他の例において、R10は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、脂肪族基、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0135】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり、Rは、−Z10であり、Zは、−C(O)NR−または−SONR−であり、そしてR10は、所望により置換されていてよいアリールである。例えば、R10は、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいアルコキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいフェニルである。
【0136】
いくつかの態様において、Wは、−NR−であり、Rは、−Z10であり、Zは、−C(O)NR−、−SONR−、−C(O)O−、または−OC(O)NR−であり;そして、R10は、所望により置換されていてよいヘテロアリールである。いくつかの例において、R10は、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリール(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である。例えば、R10は、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、または1,3,5−トリアジル(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアリール、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい。)である。
【0137】
他の態様において、Wは、−NR−であり;Rは、水素;アセチル−;2−メチルプロピオニル−;シクロブチルカルボニル−;4−フルオロベンゾイル−;(イソキサゾール−5−イル)カルボニル−;(1H−1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)カルボニル−;エチルアミノカルボニル−;1−メチルエチルアミノカルボニル−;4−フルオロフェニルカルボニル−;((3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)アミノ)カルボニル−;メトキシカルボニル−;1−メチルエトキシカルボニル−;メチルスルホニル−;プロピルスルホニル−;4−フルオロフェニルスルホニル−;(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)スルホニル−;(1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)カルボニル−;(2,5−ジメチルオキサゾール−4−イル)カルボニル−;(1H−1−メチルイミダゾール−4−イル)カルボニル−;(4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−イル)カルボニル−;(2,5−ジメチルフラン−3−イル)カルボニル−;((1H−1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチルピラゾール−5−イル)カルボニル−;シクロプロピルカルボニル−;シクロペンチルカルボニル−;シクロヘキシルカルボニル−;((2,2−ジメチル)プロピオン−1−イル)カルボニル−;(ピリジン−3−イル)カルボニル−;(ピリジン−4−イル)カルボニル−;(チオフェン−2−イル)カルボニル−;シクロブチルオキシカルボニル−;シクロペンチルオキシカルボニル−;2−メトキシエトキシカルボニル−;ジメチルアミノカルボニル−;シクロペンチルアミノカルボニル−;ジメチルアミノスルホニル−;チオフェン−2−スルホニル−;(2−アセチルアミノ−4−メチルチアゾール−5−イル)スルホニル−;ベンゼンスルホニル−;4−メチルベンゼンスルホニル−;4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル−;4−クロロベンゼンスルホニル−;4−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル−;4−メトキシベンゼンスルホニル−;4−シアノベンゼンスルホニル−;
【0138】
4−フェニルベンゼンスルホニル−;4−アセトキシアミノベンゼンスルホニル−;3,4−ジクロロベンゼンスルホニル−;3−メチルベンゼンスルホニル−;3−フルオロベンゼンスルホニル−;3−クロロベンゼンスルホニル−;2−フルオロベンゼンスルホニル−;2−クロロベンゼンスルホニル−;ベンジルスルホニル−;プロピオニル−;ブタノイル−;ベンゾイル−;(チオフェン−2−イル)カルボニル−;(ベンズチオフェン−2−イル)カルボニル−;フェニルアミノカルボニル−;4−フルオロフェノキシカルボニル−;2,2,2−トリフルオロプロピオニル−;1−メチルシクロプロピルカルボニル−;ペンタノイル−;3−メチルブタノイル−;1−メチルシクロヘキサノイル−;(5−メチルイソキサゾール−4−イル)カルボニル−;(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)カルボニル−;(2−メチルチアゾール−4−イル)カルボニル−;(1H−1−フェニル−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル)カルボニル−;シクロヘキシルアミノカルボニル−;プロピルアミノカルボニル−;ブチルアミノカルボニル−;シクロペンチルアミノカルボニル−;ジエチルアミノカルボニル−;ピペリジニルカルボニル−;エトキシカルボニル−;プロポキシカルボニル−;ブトキシカルボニル−;(2−メチル−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)カルボニル−;(4−(1−メチルエチル)−1,2,3−チアジアゾール−5−イル)カルボニル−;1,1−ジメチルエチルアミノカルボニル−;1−トリフルオロメチルシクロプロピルカルボニル−;1−トリフルオロメチルシクロブチルカルボニル−;(1H−1,2−ジメチルイミダゾール−4−イル)スルホニル−;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル−;2−エチル−2−ヒドロキシブタノイル−;3−フルオロフェニル−;2,3−ジフルオロフェニル−;3−メトキシフェニル−;4−クロロフェニル−;3−メチル−4−クロロフェニル−;3−クロロフェニル−;3−フルオロ−4−メチルフェニル−;3,4,−ジメチルフェニル−;3−メチルフェニル−;3−メチルブチル−;シクロヘキシルメチル−;1−フェニルプロピン−3−イル−;2−メチルシクロヘキシル−;シクロヘプチル−;ビシクロ[2.2.1]−2−イル−;ベンジル−;およびエチル−から選択される1つである。
【0139】
他の態様において、Wは、−NR−であり、nは0である。
いくつかの態様において、Wは酸素であり、nは0である。
いくつかの態様において、Zは結合である。
【0140】
4.変数n、m、p、およびq
mおよびpは、それぞれ独立して、0−3である;しかしながら、m+pは、3、4、5または6である。いくつかの態様において、mおよびpは、両方とも2である。いくつかの態様において、mは1であり、pは3であるか、またはmは3であり、pは1である。
【0141】
各nは、0−2(例えば、0、1、または2)である。
各qは、0−4(例えば、0、1、2、3、または4)である。
いくつかの態様において、mおよびpはそれぞれ、0、1、または2である。他の態様において、nは、0または1である。いくつかの態様において、qは、1または2である。
【0142】
B.下位の一般的化合物
本発明の他の局面は、ムスカリン受容体の活性を調節するさらなる方法であって、該受容体を式Ia:
【化3】


で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む方法を提供する。
【0143】
は、脂環式基またはヘテロ脂環式基(それらはそれぞれ、所望により1−3個の、Rで置換されていてよい。)である。各Rは、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)と定義される。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、=O、−OH、−NH、−NO、−CN、−CF、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基;所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0144】
各Lは、結合、メチレン基、またはエチレン基である。
各R、R、R、W、m、n、p、およびqは、式Iで定義される。
【0145】
本発明の他の局面は、ムスカリン受容体の活性を調節するさらなる方法であって、該受容体を式Ib:
【化4】


で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む方法を提供する:
【0146】
各R、R、R、R、R、Lおよびqは、式Iで定義される。
【0147】
本発明のさらなる局面は、ムスカリン受容体の活性を調節するのに有用な式Ic:
【化5】


で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0148】
各R、R、R、R、Lおよびqは、式Iで定義される。
【0149】
本発明のさらなる局面は、ムスカリン受容体の活性を調節するのに有用な式Id:
【化6】


で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する:
【0150】
各R、R、R、R、R、Lおよびqは、式Iで定義される。
【0151】
C.例示的化合物
本発明の例示的化合物には、下記の表1に記載される化合物が含まれるが、それらに限定されない。
【表1】

【0152】
【表2】

【表3】

【0153】
【表4】

【表5】

【0154】
【表6】

【表7】

【0155】
【表8】

【表9】

【0156】
【表10】

【表11】

【0157】
【表12】

【表13】

【0158】
【表14】

【表15】

【0159】
【表16】

【表17】

【0160】
【表18】

【表19】

【0161】
【表20】

【表21】

【0162】
【表22】

【表23】

【0163】
【表24】

【表25】

【0164】
【表26】

【表27】

【0165】
【表28】

【表29】

【0166】
【表30】

【0167】
III.合成スキーム
式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を、公知の方法を用いて、市販されているかまたは公知の出発物質から容易に合成することができる。式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を製造するための例示的合成経路は、下記の製造法A−Cおよびスキーム1−5にて提供される。説明を簡単にするために、スキーム1−5は、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の縮合フェニル環上のR置換基を1つだけ示す;しかしながら、本発明の化合物には、縮合フェニル環上に1から4個のR置換基が含まれ得る。
【0168】
下記のスキーム1は、式Iの化合物の合成のための一般的条件を示す。
【化7】

【0169】
典型的に、室温でDCE/AcOH/TEA中NaBH(OAc)を用いて、還元的アミノ化条件下、アミン(A)と適当なアルデヒドまたはケトンの反応(工程a)を、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の望ましい化合物を提供するために用いることができる。ケトンの低い反応性のために、別の条件を用いることができる。例えば、Ti(OiPr)の未希釈(neat)溶液中アミン(A)およびケトンの処理後、MeOH中NaBHとの処理を、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の望ましい化合物を提供するために用いることができる。Abdel−Magid, A.F. et al., “Reductive Amination of Aldehydes and Ketones with Sodium Triacetoxyborohydride. Studies on Direct and Indirect Reductive Amination Procedures” J. Org. Chem., 61, pp. 3849−3862 (1996)、およびそこで引用される参考文献を参照のこと。
【0170】
あるいは、(A)の窒素を、適当な塩基の存在下でハロゲン化アルキルを用いてアルキル化し、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の望ましい化合物を提供することができる。典型的に、アミン(A)を、適当な塩基の存在下でヨウ化アルキル、臭化アルキル、または塩化アルキルと反応させ、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を得る。塩基は、トリエチルアミンのような有機物、またはNaCOもしくはCsCOのような無機物であり得る。典型的な反応溶媒には、DMF、アセトンおよびアセトニトリルが含まれるが、これらに限定されない。
【0171】
スキーム2は、式(IおよびIc)の化合物(ここで、nは0であり、pは2であり、mは2であり、Wは−O−であり、そしてRおよびRは、共にオキソ基を形成する。)の化合物の合成のための条件を説明する。
【化8】

【0172】
スキーム2において2−ivタイプの化合物を、WO200310191“Method of substituent introduction through halogen−metal exchange reaction”に記載の方法と同様の方法を用いて、2−i型の化合物(ここで、Tは、−OHまたは−NHPhであり得る。)から製造することができる。例えば、
工程aにおいて、ブロモアリール化合物2−iを、例えばブチルリチウムと金属交換反応させ、次いでケトン2−iiと反応させ、イソベンゾフラノン2−iiiを得る。2−iiiの脱保護を、特定の保護基に依存して公知の条件を用いて達成する。例えば、2−iiiを、PGがベンジルであるとき、1−クロロギ酸クロロエチルと反応させる。上記のスキーム1に記載のように、2−ivの還元的アミノ化は、本発明の化合物を提供する。
【0173】
スキーム3は、式(IおよびId)の化合物(ここで、nは0であり、pは2であり、mは2であり、Wは、−N(R)−であり、そしてRおよびRは、共にオキソ基を形成する。)の合成のための別の条件を説明する。
【化9】

【0174】
スキーム3において3−vi型のアミン(ここで、nは0である。)を、US2002188124“Preparation of spiroisoindolinepiperidinecarboxamides, spirocyclohexaneisobenzofurancarboxamides, spiroazaisobenzofurancyclohexanecarboxamides, and related compounds as neuropeptide Y antagonist”に記載の方法を用いて製造した。スキーム3に関して、触媒、例えば三フッ化ホウ素エーテル錯体の存在下、ケトン3−iとHN−PG(ここで、PGは、例えば、ベンジルである。)の反応は、イミン3−iiを提供する。ハロゲン化アロイルでの3−iiのアシル化は、エナミン3−iiiを提供する。3−iiiの環化は、例えば炭酸カリウムのような無機塩基、および例えばトリフェニルホスフィンのようなリン配位子の存在下、例えば酢酸パラジウムのようなパラジウム触媒を用いて達成される。例えば、液体アンモニア中ナトリウムを用いるPGベンジル保護基の除去は、中間体3−viを提供する。
【0175】
式3−viの化合物を、さらに、PGがBocであるとき、TFAのような適する条件下、PGを脱保護し、次いでさらに、ピペリジン窒素を置換して合成し、スキーム1に記載の通りに式(IおよびIc)の化合物を得ることができる。
【0176】
あるいは、ラクタム窒素を、初めに、NaHのような塩基性条件下、Rの適当なハロゲン化物と置換し、次いでPGを脱保護し、上記の条件下で適する求電子剤とカップリングすることにより、式(IおよびIc)(ここで、Rは、アルキルである。)の化合物を得ることができる。
【0177】
スキーム4は、式(IおよびIa)の化合物(ここで、Wは、−N(R)−であり、nは1であり、RおよびRは、水素である。)の合成のための別の条件を説明する。
【0178】
【化10】

【0179】
スキーム4において4−i型のアミンを、当技術分野で公知の方法から、および参考文献:Berney, D. and Jauner, T., Helvetica Chimica Acta 1975, 59, 74;Chiavarelli, S. et al., Gazzetta Chimica Italiana 1960, 90, 189;CN1535967 “Preparation of spirocyclic template 1,2,3,4−tetrahydro−spiro[isoquinoline−4,4’−piperidine] compounds”に見られる方法と同様の方法を用いて、製造することができる。スキーム4に関して、工程aにおいて、2−アミノ位を、上記に記載の通りにPGで保護する。その後、工程bにおいて、PGの除去を、上記に記載の通りに、PGがBocであるとき、例えば−10℃で塩化メチレン中トリフルオロ酢酸を用いて達成する。4−iiから式4−iiiの化合物への変換を、スキームIに記載の通り、還元的アミノ化またはアルキル化により達成する。上記に記載の通りに、保護基PGの除去、次いで、2−窒素での誘導体化により、本発明の化合物を供する。あるいは、一連の脱保護および誘導体化を、4−iが4−vに変換され(工程d)、次いで上記の通り工程bおよびcを用いて本発明の化合物に変換する、スキームIに示す通りに達成することができる。
【0180】
スキーム5は、式5−iの化合物から式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物への変換を説明する。
【0181】
【化11】

【0182】
スキーム5に関して、式5−iの化合物は、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)のさらなる化合物を製造するため、保持、脱保護と保持、または脱保護とさらなる合成の何れかを受け得る、保護された官能基で置換されるRを含む。故に、本明細書中に記載の方法を用いて、式5−iにおける保護基PGの除去により、式5−iiの化合物を提供する。例えば、RにおけるPGがケタールであるとき、例えば、酢酸水溶液での加水分解は、対応する5−ii(ここで、Rは、公知の条件下、例えば対応するオキシムまたはオキシムエーテルに変換され得るケトンを含む。)をもたらし、例に記載の通り(工程b)、式5−iiiの化合物(ここで、Rは、オキシムまたはオキシムエーテルである。)を提供する。さらなる例として、式5−iのPGが、N−PGであるとき、保護基の除去は、公知の条件を用いて、アルキル、アシル、カルバモイルまたはスルホニル誘導体にさらに変換され得るアミンを提供し、式5−ivの化合物(ここで、Rは、アミン、アルキル、アシル、カルバモイルまたはスルホニル誘導体を含む。)を得る(工程c)。
【0183】
IV.製剤、投与および使用
A.薬学的に許容される組成物
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグをその範囲内に包含する。“薬学的に許容されるプロドラッグ”は、本発明の化合物の何らかの薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味し、それらは、受容者に投与されることにより、(直接的または間接的に)本発明の化合物またはその活性代謝物もしくは残基を提供することができる。好ましいプロドラッグは、そのような化合物が哺乳動物に投与されるとき本発明の化合物の生物学的利用能を増加するか、または親種と比較して、生物学的区分への親化合物の送達を増強するものである。
【0184】
用語“薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル”は、それと共に製剤される化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを意味する。本発明の化合物に用いられ得る薬学的に許容される担体類、アジュバント類またはビヒクル類には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清タンパク質、ホスフェートのような緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミンのような塩または電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、それらに限定されない。
【0185】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機および有機の酸および塩基に由来するものが含まれる。適する酸塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。それ自体薬学的に許容されないが、シュウ酸のような他の酸を、本発明の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩を得るのに中間体として有用な塩の製造に用いることができる。
【0186】
適当な塩基に由来する塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびN(C1−4アルキル)塩類が含まれる。本発明はまた、本明細書に記載の化合物の何れかの塩基性窒素含有基の四級化を意図する。水または油に溶解性または分散性の生成物を、かかる四級化により得ることができる。
【0187】
本発明の組成物を、経口、非経腸、吸入スプレーにより、局所、経直腸、経鼻的、口腔内、膣内または埋め込み容器により投与することができる。本明細書で用いる用語“非経腸的”には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術が含まれる。好ましくは、該組成物を、経口、腹腔内または静脈内に投与する。本発明の組成物の滅菌注射形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液を、適する分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、当技術分野で公知の技術に従い製剤することができる。滅菌注射製剤はまた、非毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒中、滅菌注射溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール溶液であり得る。許容されるビヒクル類および溶媒類のうち用い得るものは、水、リンゲル溶液および等張食塩水である。さらに、滅菌不揮発性油を、溶媒または懸濁媒体として常套的に用いることができる。
【0188】
本目的に関して、合成モノまたはジグリセリドを含む何れかの無刺激性不揮発性油を用いることができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体のような脂肪酸は、オリーブ油またはヒマシ油のような天然の薬学的に許容される油、とりわけそれらのポリオキシエチル化型であるような、注射用の製剤に有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えばカルボキシメチルセルロース、またはエマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に許容される剤形の製剤に通常用いられる同様の分散剤を含んでいてよい。トゥイーンのような他の通常用いられる界面活性剤、スパン(Span)および他の乳化剤、または薬学的に許容される固体、液体もしくは他の剤形の製造に通常用いられる生物学的利用性のエンハンサーもまた、製剤の目的に用いることができる。
【0189】
本発明の薬学的に許容される組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液を含むが、それらに限定されない何らかの経口的に許容される剤形で経口的に投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、通常用いられる担体には、ラクトースおよびコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤をまた、典型的に添加する。カプセル形態での経口投与について、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液が経口使用に必要なとき、活性成分を、乳化剤および懸濁化剤と併用する。要すれば、任意の甘味剤、香味剤または着色剤も添加してよい。
【0190】
あるいは、本発明の薬学的に許容される組成物を、直腸投与のための坐剤の形態で投与することができる。これらを、該薬物を、室温で固体であるが直腸温度で液体であり、故に直腸で溶解し、薬剤を放出し得る、適する無刺激性賦形剤と混合することにより製造することができる。かかる物質には、カカオ脂、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0191】
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、とりわけ処置の標的が、眼、皮膚、または下部消化管の疾患を含む、局所適用により容易に到達可能な領域または臓器を含むとき、局所的に投与され得る。適する局所製剤は、これらの領域または臓器のそれぞれのために容易に製造される。
【0192】
下部消化管のための局所適用を、肛門坐剤形態(上記を参照のこと)または適する浣腸剤形態で行うことができる。局所的経皮パッチも、用いることができる。
【0193】
局所適用に関して、薬学的に許容される組成物を、1個以上の担体中に懸濁または溶解される活性成分を含む、適する軟膏に製剤することができる。本発明の化合物の局所投与のための担体には、鉱物油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水が含まれるが、それらに限定されない。あるいは、薬学的に許容される組成物を、1個以上の薬学的に許容される担体中に懸濁または溶解される活性成分を含む、適するローションまたはクリームに製剤することができる。適する担体には、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれるが、それらに限定されない。
【0194】
点眼使用に関して、薬学的に許容される組成物を、塩化ベンザルコニウムのような保存剤と共にまたはなしで、等張のpH調整滅菌食塩水の微粉化懸濁物として、または好ましくは等張のpH調節滅菌食塩水の溶液として製剤することができる。あるいは、点眼使用に関して、薬学的に許容される組成物を、ワセリンのような軟膏に製剤することができる。
【0195】
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、鼻エアロゾルまたは吸入により投与することができる。かかる組成物を、製剤分野でよく知られている技術に従い製造し、ベンジルアルコールまたは他の適する保存剤、生物学的利用性を増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の常套的可溶化剤または分散剤を用いて、食塩水の溶液として製造することができる。
【0196】
最も好ましくは、本発明の薬学的に許容される組成物は、経口投与用に製剤される。
【0197】
単一剤形に組成物を製造するために担体物質と組み合わされ得る本発明の化合物の量は、処置される宿主、投与の特定の形態に依存して変わり得る。好ましくは、組成物は、0.01−100mg/kg体重/日の投与量のモジュレーターが、これらの組成物を受容する患者に投与され得るように、製剤されるべきである。
【0198】
何らかの特定の患者のための特定の投与量および処置レジメンは、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、全身的健康、性別、食事、投与の時間、排出速度、薬物の組み合わせ、担当医の判断、および処置すべき特定の疾患の重症度を含む、様々な因子に依存して変化し得ることも理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量はまた、組成物中の特定の化合物に依存して変化し得る。
【0199】
処置または予防すべき特定の状態または疾患に依存して、状態を処置または予防するために通常投与されるさらなる薬剤も、本発明の組成物中に存在していてよい。本明細書で用いる通り、特定の疾患または状態の処置または予防のために通常投与されるさらなる治療剤は、“処置すべき疾患、または状態に適当”として公知である。
【0200】
好ましい態様に従い、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物は、M、MおよびMの選択的モジュレーターである。より好ましくは、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物は、Mおよび/またはMの選択的モジュレーターである。さらにより好ましくは、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の任意の化合物は、Mの選択的モジュレーターである。または、好ましくは、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の任意の化合物は、Mの選択的モジュレーターである。
【0201】
本発明者らは、ムスカリン受容体の活性を調節する本発明の化合物の能力は、ムスカリン受容体に対するこれらの化合物の親和性に由来すると考える。本発明者らは、かかる親和性は、ムスカリン受容体を活性にする(すなわち、アゴニスト)か、またはムスカリン受容体の活性を阻害すると考える。
【0202】
本明細書で用いる用語“選択的”は、他のムスカリン受容体サブタイプと比較したとき、1つのムスカリン受容体サブタイプを調節するある程度大きな能力を意味する。例えば、用語“選択的Mアゴニスト”は、化合物のアゴニスト活性を有する他のムスカリン受容体サブタイプ(複数可)と比較したとき、Mアゴニストとして作用するある程度大きな能力を有する化合物を意味する。
【0203】
別の態様に従い、本発明は、ヒトのような哺乳動物におけるムスカリン受容体により仲介される疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物、または本明細書に記載のその態様を含む組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0204】
他の態様に従い、本発明は、ムスカリン受容体により仲介される疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物、または上記のその他の態様を含む組成物を投与する工程を含む方法を提供する。好ましくは、該疾患は、Mにより仲介されるか、または該疾患は、Mにより仲介される。
【0205】
さらに他の態様に従い、本発明は、患者において疾患を処置するまたは疾患の重症度を軽減する方法を提供し、ここで、該疾患は、認識障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性痴呆のような様々な認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含む精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的うつ病、パーキンソン病を含むCNS由来の病状、緑内障における眼内圧の低下およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの処置のような末梢障害から選択され、該方法が、該患者を本発明の化合物と接触させる工程を含む。
【0206】
別の態様に従い、本発明は、患者において疾患を処置するまたは重症度を軽減する方法を提供し、該疾患は、疼痛、精神病(統合失調症、幻覚および妄想を含む)、アルツハイマー病、パーキンソン病、緑内障、徐脈(bradhycardia)、胃酸分泌、喘息、またはGI障害(GI disturbance)から選択される。
【0207】
好ましい態様に従い、本発明は、精神病、アルツハイマー病、疼痛、またはパーキンソン病の処置またはそれらの重症度の軽減に有用である。
本明細書中に引用される全ての参考文献は、参照により本明細書中に包含される。
【0208】
IV.製造法および実施例
本明細書に記載の本発明をより十分に理解し得るために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、説明の目的だけであり、いかなる方法においても本発明を制限すると解釈されてはならないことが理解されるべきである。
【0209】
製造法A:エチル4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレートの合成
【化12】

【0210】
1.0当量の4−ピペリジンメタノール(10.00g、86.8mmol)をジクロロメタン(350mL)中に溶解させ、氷冷HO浴中で冷却し、ジクロロメタン(50mL)中1.05当量のエチルクロロホルメート(9.89g、91.1mmol)の溶液を滴下し、次いでジクロロメタン(50mL)中1.0当量のトリエチルアミン(8.78g)の溶液をさらに滴下した。反応物を、約0℃で15分間撹拌し、その後、室温で10分間撹拌した。反応物を、ジクロロメタン(250mL)で希釈し、順に(各150mL)のHO、0.1N HCl(水溶液)(×2)、飽和塩水で洗浄し、その後乾燥させ(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、粘性で淡青色がかった緑色の油として15.60gのエチル 4−(ヒドロキシメチル)−ピペリジン−1−カルボキシレートを得た。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.15 (br m, 2H), 4.09 (q,J=7.1 Hz, 2H), 3.46 (d, J=6.4 Hz, 2H), 2.72 (br t, J=12.4 Hz, 2H), 2.07 (s, 1H), 1.70 (m, 2H), 1.63 (m, 1H), 1.23 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.12 (m, 2H); LC/MS [M+H] m/z 188.0、保持時間1.56分(10−99%CHCN−HO勾配、0.1%TFA含有、5分)。
【0211】
ジクロロメタン(150mL)中1.2当量の塩化オキサリル(12.69g、0.10mol)の溶液を、約−78℃まで冷却し、窒素下で、ジクロロメタン(50mL)中2.4当量の無水ジメチルスルホキシド(15.63g、0.20mol)の溶液を滴下した。添加完了の15分後、ジクロロメタン(50mL)中1.0当量のエチル 4−(ヒドロキシメチル)−ピペリジン−1−カルボキシレート(15.60g、83.3mmol)の溶液を滴下した。添加完了の30分後、ジクロロメタン(50mL)中3.0当量のトリエチルアミン(25.30g、0.25mol)の溶液を滴下し、反応物を室温まで温めた。反応物を室温で1時間撹拌し、その後、飽和重炭酸ナトリウム(500mL)でクエンチする。層を分離し、水層をジクロロメタン(200mL)で一度抽出する。集めた有機層をHO(3×100mL)、飽和重炭酸ナトリウム(1×100mL)および飽和塩水で洗浄し、その後乾燥させ(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮し、粘性の琥珀油として13.84gのエチル 4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレートを得た。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.64 (s, 1H), 4.10 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.00 (br m, 2H), 2.97 (m, 2H), 2.40 (m, 1H), 1.87 (br m, 2H), 1.54 (m, 2H), 1.23 (t, J=7.0 Hz, 3H)。
【0212】
製造法B:エチル 4−ホルミル−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレートの合成
【化13】

【0213】
ジイソプロピルアミン(3.14mL;22.23mmol;1.1当量)を、THF(60mL)中に溶解し、−78℃まで冷却した。その後、ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M;8.89mL;22.23mmol;1.1当量)を添加し、溶液を−78℃で30分間撹拌した。エチル 1−ベンジルピペリジン−4−カルボキシレート(5g;20.21mmol;1当量)を、THF(40mL)中に溶解し、LDA溶液に−78℃で添加した。溶液を−78℃で30分間撹拌し、ヨードメタン(1.32mL;21.22mmol;1.05当量)を添加した。溶液を、ゆっくり室温まで温め、室温で1時間撹拌した。その後、水(100mL)を反応物に添加し、次いでEtOAc(50mL)を添加した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×50mL)。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、油として生成物(5.0g)を得た。生成物は、分析的に純粋であって、さらに精製することなく用いた。LC/MS m/z [M+H] 262.0、保持時間1.78分。(10−99%CHCN−HO勾配、0.03%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.24−7.14 (m, 5H), 4.08 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.40 (s, 2H), 2.60−2.57 (m, 2H), 2.08−2.02 (m, 4H), 1.47−1.40 (m, 2H), 1.17 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.10 (s, 3H)。
【0214】
1−ベンジル−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(5.0g;19.15mmol)を、EtO(50mL)中に溶解し、0℃まで冷却した。LiAlH(1.0g;26.3mmol)を、ゆっくりと少しずつ溶液に添加した。添加の完了後、溶液をゆっくりと室温まで温め、1時間撹拌した。溶液を0℃まで冷却し、ゆっくりと1N NaOH(6mL)でクエンチした。得られた白色沈殿をろ過し、EtOAc(100mL)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、油として生成物(3.9g)を得、それをさらに精製することなく用いた。LC/MS m/z [M+H] 220.0、保持時間0.64分(10−99%CHCN−HO勾配、0.03%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.25−7.16 (m, 5H), 3.46 (s, 2H), 3.30 (d, J=3.9 Hz, 2H), 2.51−2.46 (m, 2H), 2.26−2.20 (m, 2H), 1.52−1.45 (m, 3H), 1.30−1.25 (m, 2H), 0.87 (s, 3H)。
【0215】
(1−ベンジル−4−メチルピペリジン−4−イル)メタノール(3.9g;17.8mmol)を、MeOH(50mL)中に溶解し、NHCOH(12.5g;178.0mmol)を添加した。その後、Pd/C(10重量%、湿潤;5.5g)を添加し、システムを窒素でフラッシュし、次いで水素でフラッシュした。反応物を、室温で一晩(18時間)撹拌し、その後セライトパッドを通してろ過した。溶媒を、高真空下で除去し、アミノアルコールとNHCOHの混合物である固体を得た。粗生成物(NHCOOHとの混合物として2.4g)を、さらに精製することなく次工程に用いた。LC/MS m/z [M+H] 130.0、保持時間0.35分(10−99%CHCN−HO勾配、0.03%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.17 (s, 2H), 3.03−2.98 (m, 2H), 2.95−2.88 (m, 2H), 1.64−1.57 (m, 2H), 1.36−1.31 (m, 2H), 0.89 (s, 3H)。
【0216】
(4−メチルピペリジン−4−イル)メタノール(2.4g、アミノアルコールとNHCOHの混合物)を、DCM(70mL)中に懸濁した。その後、EtN(5mL;37.2mmol)を添加し、次いでエチルクロロホルメート(1.05mL、13mmol、1.4当量)を少しずつ滴下した。室温で1時間後、1N HCl(70mL)を添加し、層を分けた。水層をDCM(70mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、高圧下で濃縮した。生成物(2工程で1.7g)を、油として分析的に純粋に得、さらに精製することなく用いた。LC/MS m/z [M+H] 202.2、保持時間1.89分(10−99%CHCN−HO勾配、0.03%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 4.05 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.66 (dt, J=13.6, 4.7 Hz, 2H), 3.32 (s, 2H), 3.11 (t, J=5.2 Hz, 1H), 3.11 (dd, J=23.9, 3.5 Hz, 1H), 1.44−1.37 (m, 3H), 1.26−1.22 (m, 2H), 1.19 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.93 (s, 3H)。
【0217】
100mLの丸底フラスコに、DCM(30mL)および塩化オキサリル(0.88mL;10.13mmol)を添加した。溶液を−78℃まで冷却し、DMSO(1.19mL;16.88mmol)で処理した。溶液を−78℃で20分間撹拌し、その後、エチル 4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(1.7g;8.44mmol、10mLのDCM中に溶解した)で処理した。溶液を−78℃で30分間撹拌し、その後、EtN(3.53mL;25.32mmol)で処理した。溶液を−78℃で20分間撹拌し、その後、ゆっくりと室温まで温め、室温でさらに2時間撹拌した。その後、溶液を飽和NaHCO水溶液(50mL)で処理し、DCM(50mL)で希釈し、層を分けた。有機層を塩水で洗浄し(50mL)、NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、油として1.6gの生成物を得、それをさらなる精製なしに用いた。LC/MS m/z [M+H] 200.0、保持時間2.23分(10−99%CHCN−HO勾配、0.03%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.40 (s, 1H), 4.06 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.66 (dt, J=13.6, 4.7 Hz, 2H), 3.09 (dd, J=10.1, 3.5 Hz, 1H), 3.06 (dd, J=10.2, 3.4 Hz, 1H), 1.86 (dt, J=13.6, 4.4 Hz, 2H), 1.42−1.30 (m, 2H), 1.19 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.02 (s, 3H)。
【0218】
製造法C:ベンジル 3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの合成
【化14】

【0219】
トロピノン(10.0g;71.84mmol)を、DCE(60mL)中に溶解し、1−クロロエチルクロロホルメートACE−Cl(14.5mL;19.11g;133.7mmol)で少しずつ処理した。反応物を、室温で一晩撹拌し、その後、EtO(400mL)で希釈し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗クロロエチルカルバメートを得た。この化合物を、MeOH(200mL)中に入れ、室温で1時間撹拌し、その後、減圧下で濃縮し(55℃)、HCl塩として粗デスメチルトロピノンを得た(黄褐色固体、11.4g、収率98%)。粗物質を、アセトニトリルから再結晶し、白色結晶性固体として純粋な生成物を得た(5g)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.00 (br s, 2H), 4.23 (s, 2H), 3.02 (dd, J=17.1, 4.3 Hz, 2H), 2.40 (d, J=16.7 Hz, 2H), 2.09 (m, 2H), 1.79 (dd, J=15.0, 6.9 Hz, 2H)。
【0220】
8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン(5.10g;31.55mmol)を、CHCl(50mL)中に溶解し、ベンジルクロロホルメート(4.29mL;5.11g;29.98mmol)で処理し、DIPEA(16.48mL;12.23g;94.66mmol)を、少しずつ滴下した(発熱反応)。得られた透明溶液を、室温で30分間撹拌し、その後CHCl100mLで希釈した。有機層を、1N HClで洗浄し(2×100mL)、NaSOで乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た(7.2g)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38 (m, 5H), 5.22 (s, 2H), 4.62 (s, 2H), 2.67 (m, 2H), 2.38 (d, J=15.9 Hz, 2H), 2.12 (m, 2H), 1.71 (dd, J=15.0, 7.2 Hz, 2H)。
【実施例】
【0221】
実施例1:エチル 4−(3−オキソ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号314)
【化15】

【0222】
THF(200mL)中2−ブロモ安息香酸(20.12g、0.1mol)の溶液を、−78℃で、n−BuLi(2.5M、80mL)と共に滴下した。混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでTHF(100mL)中N−ベンジルピペリジン−4−オン(26g、137mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を、−78℃で30分間撹拌し、その後、室温まで温め、一晩撹拌した。反応を水(100mL)でクエンチし、得られた混合物をエーテルで洗浄した(100mL)。水層を1時間還流し、その後、pH2.5まで酸性化した。混合物をCHClで抽出し(3×50mL)、合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固し、1’−ベンジル−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン 1bを得た(6g)。
【0223】
ジクロロメタン(30mL)中、1’−ベンジル−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン 1b(6g、20.4mmol)の溶液に、1−クロロエチルクロロホルメート(2.9g、20.4mmol)を滴下した。混合物を、25℃で5時間撹拌し、その後、減圧下で濃縮乾固した。残渣をメタノール中に溶解し、混合物を30分間加熱還流した。混合物を濃縮乾固し、エーテルを添加した。沈殿した固体をろ過により集め、エーテルで洗浄し、空気中で乾燥させ、3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン 1cをそのHCl塩として得た(3.6g)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 9.16 (br, 2 H), 7.86−7.81 (m, 2 H), 7.63 (t, J=7.6 Hz, 1 H), 7.56 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 3.39−3.42 (m, 2 H), 3.11−3.14 (m, 2 H), 2.47−2.48 (m, 2 H), 1.85 (d, J=14.4 Hz, 2 H)。MS (ESI) m/z (M+H): 203.24。
【0224】
3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン 塩酸塩 1c(2.7g、11.05mmol)およびエチル 4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(1.46g、13.26mmol)を、25mLフラスコに添加し、無水ジクロロエタン5.0mL中に溶解し、トリエチルアミン(233uL、1.68mmol)および氷酢酸(200uL、3.36mmol)で処理し、透明な淡琥珀色の溶液として生成物を得た。その後、NaBH(OAc)(4.68g、22.10mmol)を一度に添加した。フラスコを窒素でフラッシュし、堅く密封し、約40時間撹拌した。反応物を、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、1.0N NaOH(50mL)、50%飽和重炭酸ナトリウム(50mL)、および塩水(100mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、約100mLまで濃縮した。Silicycle社の酸塩化物レジンを添加し(2.5当量)、次いで、過剰量のトリエチルアミンを添加し、溶液を1時間撹拌し、その後、全ての残りの出発アミンを除いた。レジンをろ過し、有機層を上記の通りに処理し、透明油として遊離塩基を得た。該油を、1:1のエーテル/ヘキサン中に入れ、1.0当量のエーテルHClで処理し、ろ過およびヘキサン洗浄後、オフホワイト色の固体を得た(350mg)。固体を、最少量のアセトニトリル(1mL)中に入れ、エーテル(15mL)を用いて粉砕し、白色固体を得、それをろ過し、エーテルで洗浄し、真空乾燥させ、330mgのエチル 4−(3−オキソ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩を白色固体として得た。LC/MS m/z [M+H] 359.2、保持時間1.63分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 11.21 (s, 1H), 7.89 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.87 (dt, J=10.3, 3.8 Hz, 1H), 7.67 (dt, J=10.2, 3.8 Hz, 1H), 7.54 (d, J=7.6 Hz, 1H), 4.14 (d, J=12.5 Hz, 2H), 4.06 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.62 (d, J=11.1 Hz, 2H), 3.56−3.49 (m, 1H), 3.24 (q, J=11.2 Hz, 2H), 2.82 (dt, J=19.7, 7.2 Hz, 4H), 2.19 (d, J=11.4 Hz, 2H), 1.99 (d, J=14.4 Hz, 2H), 1.67 (q, J=12.2 Hz, 2H), 1.20 (t, J=7.1 Hz, 3H)。
【0225】
実施例2:エチル 4−(2−ベンジル−3−オキソスピロ[イソインドリン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号20)
【化16】

【0226】
10%パラジウム炭素(1g)を、エタノール(50mL)中、2−ベンジル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イソインドリン−1,4’−ピリジン]−3−オン 2a(2g、6.9mmol)およびギ酸アンモニウム(8.7g、138mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を、3時間加熱還流し、その後、室温まで冷却した。溶液をセライトを通してろ過し、ろ液を濃縮し、白色固体を得た。該固体を酢酸エチルで洗浄し(4×25mL)、洗浄物を濃縮し、2−ベンジルスピロ[イソインドリン−1,4’−ピペリジン]−3−オン 2bを黄色油として得た(2.0g、99%)。FIA m/z [M+H] 293。
【0227】
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(21mg、0.102mmol)を、室温で、1,2−ジクロロエタン(0.5mL)中、2−ベンジルスピロ[イソインドリン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(20mg、0.068mmol)、エチル 4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(17mg、0.10mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.06mL、0.205mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を、35℃で24時間撹拌した。アセトニトリル/水(1:1、5mL)の溶液を添加し、黄色沈殿をろ過し、有機層を蒸発させた。生成物を、分取HPLCにより精製し(5−70%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、15分)、エチル 4−(2−ベンジル−3−オキソスピロ[イソインドリン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートをTFA塩として得た。LC/MS m/z [M+H] 448.0、保持時間2.5分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (500MHz, CD3OD) δ 7.95(d, 2H), 7.43(t, 1H), 7.66(t,1H), 7.31(d, H), 7.20(m, 1H), 4.84(brs,2H), 4.33(s, 2H), 4.14(q, 2H), 3.62(m, 2H), 3.59(m, 3H), 2.90(m, 2H), 2.60(m, 2H), 2.20(m, 2H), 1.72(m, 4H), 1.26(t, 3H)。
【0228】
実施例3:1’−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル)スピロ[イソインドリン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(化合物番号267)
【化17】

【0229】
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(31mg、0.15mmol)を、1,2−ジクロロエタン(1mL)中、スピロ[イソインドリン−1,4’−ピペリジン]−3−オン 3a(20mg、0.10mmol)およびビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルバルデヒド(18mg、0.15mmol)の撹拌溶液に添加し、混合物を室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を、分取HPLCにより精製し(5−70%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、15分)、化合物番号267を得た。LC/MS m/z [M+H] 309.0、保持時間1.7分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有。5分)。
【0230】
実施例4:(R)−テトラヒドロフラン−3−イル 3−(2−(ジメチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(化合物番号48)
【化18】

【0231】
tert−ブチル 1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 4a(2.80g、8.263mmol)およびベンジル 3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(2.014g、7.767mmol)を、DCE(10mL)およびDME(10mL)の混合物中に溶解し、窒素雰囲気下に置いた。トリエチルアミン(1.149mL、834.5mg、8.263mmol)を添加し、次いで、Ti(OPr)(7.2mL、6.9g、24.6mmol)を添加し、反応物を、室温で60時間撹拌した。反応混合物を、30mL MeOHで希釈し、−40℃から−50℃まで冷却した。NaBH(1.223g、33.051mmol、4.0当量)を、30分かけて少しずつ添加し、反応物を泡がなくなるまで(約3時間)−40℃で撹拌し、室温までゆっくりと温め、2時間撹拌した。粘性の懸濁液をセライトパッドを通してろ過し、ろ過ケイクをMeOH(2×30mL)およびEtO(3×50mL)で洗浄した。ろ液を、対応する層に分離し、水層をEtOで抽出した(2×50mL)。合わせた有機抽出物を、NaSOで乾燥させ、濃縮し、粗生成物を白色泡状物として得た。反応していない出発物質を、CHCN(30mL)中に該粗生成物を懸濁し、その後、エチルクロロホルメート(1mL)およびトリエチルアミン(2mL)で処理することにより、対応するエチルカルバメートに変換した。10分後、混合物をEtO(300mL)で希釈し、1N HCl水溶液(300mL)に注いだ。二相性の懸濁液をろ過し、沈殿を1N HCl(2×30mL)、HO(2×30mL)およびEtO(3×30mL)で洗浄し、乾燥させ、tert−ブチル 1’−(8−(ベンジルオキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 4bを塩酸塩として得た(2.7g、収率56%)。LC/MS m/z [M+H] 546.4、保持時間2.92分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0232】
tert−ブチル 1’−(8−(ベンジルオキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 4b(2.700g、4.638mmol)を、メタノール(30mL)中に溶解し、10%湿式Pd/C(2.7g)およびNHCOOH(5.844g、92.756mmol)で処理した。混合物を、空のバルーン下(通気をよくするため)で、しっかりと一晩撹拌した。LC/MS分析が、所望の生成物への完全な変換を示す。反応混合物を、窒素雰囲気下でセライトパッドを通してろ過し、ろ過ケイクをメタノールで洗浄した(4×30mL)。ろ液を濃縮し、粗生成物を得、それを、EtOAc(100mL)および飽和NaHCO(100mL)の混合物中に入れた。いくつかの生成物が、両方の層に溶解せずに残る。二相性の混合物をろ過し、沈殿をHO(20mL)で洗浄し、一晩真空乾燥させ、1.01gの純粋なtert−ブチル 1’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 4cを得た。ろ液を、層を分離し、水層をEtO(100mL)およびCHCl(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮し、さらなる生成物4cを得た(600mg)。LC/MS m/z [M+H] 412.4、保持時間2.16分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0233】
tert−ブチル 1’−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 4c(205mg、0.5mmol)を、EtO(10mL)中に懸濁し、(R)−テトラヒドロフラン−3−イル カルボノクロリダート(150mg、1mmol)およびトリエチルアミン(0.21mL、1.5mmol、3当量)で処理した。反応物を室温で30分間撹拌し、その後、1N HCl水溶液で処理した。相を分離し、水相を、固形KOHの添加により塩基性pHとし、得られた懸濁物をCHClで抽出した(3×10mL)。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、粗tert−ブチル 1’−(8−(((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 4dを無色の粘性油として得た(230mg、88%収率)。LC/MS m/z [M+H] 526.2、保持時間2.54分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0234】
tert−ブチル−1’−(8−(((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 4d(230mg、0.43mmol、1当量)を、CHCl(10mL)中に溶解し、TFA(4mL)で処理した。反応物を、LC/MSで測定して出発物質が完全に消費されるまで(約1時間)室温で撹拌した。混合物をHO(50mL)で希釈し、固形KOHの添加により塩基性のpHとした。水相をCHCl(2×50mL)およびEtO(50mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮して、粗(R)−テトラヒドロフラン−3−イル 3−(2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(171mg、92%収率)を得て、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0235】
(R)−テトラヒドロフラン−3−イル 3−(2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(20mg、0.047mmol)を、CHCl(1mL)中に溶解し、CHCl(100μL)中塩化ジメチルカルバモイル(20mg、0.13mmol)の溶液で処理した。ジイソプロピルエチルアミン(20μL、14.8mg、0.11mmol)の溶液を添加した。得られる混合物を、室温で10分間立てておき、その後LC/MS(10−99%CHCN−HO勾配、0.03%TFA含有、9分)により精製し、(R)−テトラヒドロフラン−3−イル 3−(2−(ジメチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートを得た。LC/MS m/z [M+H] 497.4、保持時間2.15分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0236】
実施例5:エチル 3−(2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(化合物番号197)
【化19】

【0237】
tert−ブチル 1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 5a(2.071g、6.11mmol)およびエチル 3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(1.51g、7.66mmol)を、100mLの丸底フラスコ中、無水ジクロロメタン(10mL)中に溶解し、トリエチルアミン(618mg、6.11mmol)で処理し、次いでチタンテトライソプロポキシド(5.21g、18.3mmol)で処理した。反応物を、窒素下、室温で21時間撹拌し、その後、ドライアイス/イソプロパノール浴中で−40℃まで冷却し、メタノール(10mL)でクエンチした。反応物を、同じ温度で数分間撹拌し、水素化ホウ素ナトリウム(462mg、12.2mmol)で一度に処理した。反応物を、−40℃で30分間撹拌し、その後、室温まで温めた。その後、反応物を1N NaOH(12mL)で処理し、メタノール(50mL)で希釈し、室温で10分間しっかりと撹拌した。反応物をセライトを通してろ過し、固体をジクロロメタンですすいだ(4×25mL)。ろ液をHO、飽和塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を、減圧下で濃縮し、3.641gのtert−ブチル 1’−(8−(エトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 5bを淡黄色油として得た。LC/MS m/z [M+H] 484.3、保持時間2.32分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0238】
粗tert−ブチル 1’−(8−(エトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート 5b(3.641g)を、ジクロロメタン(10mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(10mL)で処理した。反応物を室温で45分間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。得られた油を、アセトニトリル中に再溶解し、減圧下で再濃縮し、2N NaOH(25mL)で処理し、ジクロロメタンで抽出した(2×50mL)。合わせた抽出物を飽和NaHCO、飽和塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、2.55gの粗エチル 3−(2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート 5cを淡黄色油として得、それを室温で一晩立てておき固化した。LC/MS m/z [M+H] 384.2、保持時間1.34分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.60 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.29 (t, J=7.3 Hz, 1H), 7.19 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.07 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.06 (br s, 2H), 4.37 (br s, 2H), 4.25 (s, 2H), 4.12 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.47 (m, 3H), 3.24 (m, 2H), 2.93 (m, 2H), 2.53 (m, 2H), 1.96 (m, 8H), 1.71 (m, 2H), 1.26 (t, J=7.1 Hz, 3H)。
【0239】
粗エチル 3−(2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート 5c(1.00g、2.6mmol)を、無水ジクロロメタン(12mL)中に溶解し、氷/HO浴中で冷却し、無水ジクロロメタン(2mL)中塩化アセチル(214mg、2.73mmol)の溶液を滴下した。その後、反応物を、無水ジクロロメタン(2mL)中1.1当量のトリエチルアミン(289mg、2.86mmol)の溶液を滴下し、氷/HO浴中で30分間撹拌した。反応物を、EtOAc(50mL)で希釈し、50%飽和NaHCO(3×20mL)、飽和塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、1.063gの粗生成物を淡黄色油として得た。粗生成物を、逆相HPLC(2−99%CHCN−H2O勾配、0.03%TFA含有、15分)により精製した。合わせた純粋画分を、減圧下で濃縮し、1N NaOH(25mL)で処理した。生成物をジクロロメタンで抽出し(2×50mL)、合わせた抽出物を飽和塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮した。遊離塩基を、無水ジエチルエーテル(〜10mL)中に溶解し、1.0当量のHCl(500μL、2NエーテルHCl)で処理した。懸濁液を氷/HO浴中で冷却し、ろ過し、EtOですすぎ(3×10mL)、乾燥させ、エチル 3−(2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートを得た。LC/MS m/z [M+H] 426.2、保持時間1.89分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.88 (br s, 1 H), 7.46 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.23 (m, 3 H), 4.70 (s, 2 H), 4.25 (br s, 2H), 4.05 (br q, 2H), 3.81 (s, 2H), 3.78 (m, 1 H), 3.46 (m, 3H), 3.12 (br m, 2H), 2.46 (br m, 1H), 2.13 (s, 3H), 2.12 (br s, 2H), 1.87 (br m, 4H), 1.69 (br m, 4H), 1.21 (t, J=7.1 Hz, 3H)。
【0240】
実施例6:1−(1’−(4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノン(化合物番号196)
【化20】

【0241】
tert−ブチル 2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート 6a(2.128g、6.28mmol)を、無水ジクロロメタン(30mL)中に溶解し、氷HO浴中で冷却し、無水ジクロロメタン(5mL)中塩化アセチル(518mg、6.59mmol)の溶液を滴下した。その後、反応物を、無水ジクロロメタン(5mL)中トリエチルアミン(1.335g、13.2mmol)の溶液で滴下した。反応物を、氷HO浴中15分間撹拌し、その後、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、HO、飽和NaHCO(3×)、飽和塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗tert−ブチル 2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート 6bを無色油として得た(2.732g、定量的収率)。LC/MS m/z [M+H] 345.2、保持時間2.98分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0242】
tert−ブチル 2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート 6b(2.732g、6.28mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中に溶解し、氷HO浴中で冷却し、氷冷トリフルオロ酢酸(20mL)でゆっくりと処理し、約0℃で30分間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、アセトニトリル中に再溶解し、再濃縮した。得られた油を、氷HO浴中で冷却し、1N NaOH(50mL)でゆっくりと処理し、ジクロロメタンで抽出した(2×100mL)。集めた抽出物を、HO、飽和塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られる遊離塩基を、無水ジエチルエーテル(50mL)および無水エタノール(3mL)中に溶解し、少し過剰量のエーテル中1N HCl(6.5mL)を滴下した。得られた懸濁液を、エーテル(30mL)で希釈し、室温で10分間しっかりと撹拌した。沈殿をろ過し、エーテル(2×10mL)およびヘキサン(2×10mL)ですすぎ、減圧下で乾燥させ、1−(1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノン 6cを対応するHCl塩として得た(1.640g、93%収率)。LC/MS m/z [M+H] 245.2、保持時間1.36分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0243】
1−(1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノン 6c(300mg;1.068mmol)および1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(250mg;1.6mmol)を、DCE(5mL)中に溶解し、TEA(148uL;107mg;1.068mmol)で処理した。10分後、NaBH(OAc)(452mg;2.13mmol)を添加し、次いでAcOH(61uL;64mg;1.06mmol)を添加し、混合物を室温で75時間撹拌した。反応物を、MeOH(10mL)の添加によりクエンチし、24時間撹拌した。得られる懸濁物をDCM(30mL)で希釈し、1N NaOH(10mL)を添加した。層を分離し、水層をDCMで抽出した(3×30mL)。合わせた有機抽出物を、NaSOで乾燥させ、濃縮した。得られる油を、EtO中に溶解し、過剰量のエーテル中1N HCl(5mL)で処理した。得られる懸濁液をろ過し、沈殿をエーテルで洗浄し(3×20mL)、乾燥させ、1−(1’−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノン 6dの塩酸塩を得た(382mg、85%収率)。LC/MS m/z [M+H] 385.2、保持時間1.7分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0244】
1−(1’−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノン 6d(350mg;0.83mmol)を、80%AcOH水溶液(20mL)中に溶解し、該溶液を一晩還流した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、氷浴上で冷却し、固形KOHの添加により中和した。得られる懸濁液を、DCM(3×30mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、粗4−(2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)シクロヘキサノン 6e(200mg、70%収率)を白色泡状物として得た。LC/MS m/z [M+H] 341.0、保持時間1.47分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0245】
4−(2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)シクロヘキサノン 6e(100mg;0.29mmol)を、ピリジン(1mL)中に溶解し、O−エチルヒドロキシアミン塩酸塩(34mg;0.35mmol)で処理した。バイアルを密封し、60℃で1時間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をDMSO(2mL)中に溶解し、LC/MS(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、9分)により精製し、1−(1’−(4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノンを得た。LC/MS m/z [M+H] 384.4、保持時間1.80分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.69 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.26 (t, J=7.3 Hz, 1H), 7.19−7.15 (m, 1 H), 7.01 (d, J=7.5 Hz, 1H), 4.63 (s, 2H), 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.79 (dd, J=13.4, 18.1 Hz, 2H), 3.41 (d, J=13.0 Hz, 1H), 3.33 (d, J=9.3 Hz, 2H), 3.17 (m, 2H), 3.04−2.98 (m, 2H), 2.59−2.47 (m, 4H), 2.14 (s, 3H), 1.76−1.69 (m, 6H), 1.21−1.14 (t, J=7 Hz, 3H)。
【0246】
実施例7:エチル 4−((2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル)−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩(化合物番号103)
【化21】

【0247】
1−(1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノン 6c(遊離塩基、200mg、0.82mmol)を、シンチレーションバイアル中、無水ジクロロエタン3mL中に溶解し、次いで、エチル 4−ホルミル−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(245mg、1.23mmol)および酢酸(150uL、2.46mmol)を添加した。NaBH(OAc)(260mg、1.23mmol)を一度に添加し、反応物を24時間撹拌した。反応物を、約25−30%に進展させた。3.5当量のアルデヒドをさらに添加し、反応物を36時間撹拌した(約70%が生成物に変換)。反応物をメタノール1.0mLでクエンチし、ろ過し、HPLC(5−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)により精製した。精製したTFA塩を、ジクロロメタン20mL中に溶解し、1N NaOH水溶液(1×5mL)、50%飽和重そう(1×5mL)、飽和塩水(1×5mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空除去し、生成物を無色油として得た。遊離塩基をジエチルエーテル5mL中に溶解し、0℃まで冷却した。1当量の1.0NエーテルHClを添加し、溶液をすばやく撹拌し、塩酸塩の沈殿を白色固体として得た。懸濁液を、30分間撹拌し、ろ過し、沈殿をエーテル(1×25mL)、ヘキサン(1×25mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、エチル 4−((2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル)−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩を白色固体として得た(100mg、26%収率)。LC/MS m/z [M+H] 428.0、保持時間1.97分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0248】
実施例8:1−(1’−(1−メチルシクロヘキシル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノン(化合物番号4)
【化22】

【0249】
1−(1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノン 6c(140mg、0.50mmol)およびシクロヘキサノン(48mg、0.55mmol)を、シンチレーションバイアル中で合わせ、無水1,2−ジクロロエタン(1.0mL)を添加し、次いでトリエチルアミン(51mg、0.5mmol)およびチタンテトライソプロポキシド(205μL、199mg、0.70mmol)を添加した。該バイアルを窒素でフラッシュし、室温で約48時間撹拌した。その後、反応物を減圧下で濃縮し、シアン化ジエチルアンモニウム(750μL、トルエン中1.0M溶液、0.75mmol)で処理した。該バイアルを窒素でフラッシュし、室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(5mL)で希釈し、HO(1mL)でクエンチし、室温でさらに1時間撹拌した。得られた懸濁液を遠心し、上清をろ過し、減圧下で濃縮した。粗1−(2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)シクロヘキサンカルボニトリル中間体 8aを、さらなる精製なしに次工程に用いた。
【0250】
粗1−(2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)シクロヘキサンカルボニトリル 8aを、無水テトラヒドロフラン(1.0mL)中に溶解し、臭化メチルマグネシウム(1.0mL、ブチルエーテル中1.0M溶液、1.0mmol)で処理した。バイアルを窒素でフラッシュし、室温で3時間撹拌した。反応物を、酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(1.0mL)でクエンチし、室温で一晩撹拌した。層を分離し、有機層を減圧下で濃縮し、逆相HPLC(1−25%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、15分)により精製し、1−(1’−(1−メチルシクロヘキシル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−イル)エタノンを得た。LC/MS m/z [M+H] 341.2、保持時間1.83分(10−99%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0251】
実施例9:エチル 4−(2−イソペンチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号313)
【化23】

【0252】
無水THF(30mL)中、tert−ブチル−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−2(3H)−カルボキシレート塩酸塩 9a(2.0g、5.9mmol)、1−カルボエトキシ−4−ピペリドン(1.35g、8.9mmol)およびチタンテトライソプロポキシド(3.5mL、11.7mmol)の懸濁液を、室温で1時間撹拌した。ポイ(メチルヒドロシロキサン)(PHMS、1.1g、18.3mmol)を添加し、反応物を室温で4日間撹拌した。MeOH(5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空除去し、粗生成物をCHCl中に再溶解し、セライト上に吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィーにより、2%NHOHを含むCHCl中3−10%MeOHで溶出して精製し、tert−ブチル 1’−(1−(エトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1−イル)−2(3H)−カルボキシレート 9bを黄色固体として得た(1.55g、58%収率)。LC-MS m/z [M+H] 458.31、保持時間2.26分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0253】
Tert−ブチル 1’−(1−(エトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1−イル)−2(3H)−カルボキシレート 9b(0.63g、1.38mmol)を、CHCl(5mL)中に溶解し、TFAを添加した(5mL)。反応混合物を室温で40分間撹拌した。溶媒を真空除去し、CHCl(2×10mL)で共沸した。混合物を0℃に冷却し、1N NaOHで塩基性化し、次いでEtOAcで抽出した(3×20mL)。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させ、エチル 4−(2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート 9cを黄色油として得た(0.432g、88%収率)。FIA m/z [M+H] 358.3。
【0254】
無水THF(1mL)中4−(2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート 9c(0.040g、0.112mmol)の溶液に、チタンテトライソプロポキシド(0.067mL、0.22mmol)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。PHMS(20uL、0.33mmol)を添加し、反応物を室温で2日間撹拌した。MeOH(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空除去し、化合物をAgilent 1100 semi-prep HPLC(15−35%CHCN−HO勾配、0.1%TFA含有、20分)により精製し、エチル 4−(2−イソペンチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号313)を油として得た。LC-MS: m/z [M+H] 428.6、保持時間1.65分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (DMSO−d6, 500 MHz ) δ 9.58−9.22 (m, 2H), 7.46 (s, 2H), 7.39−7.22 (m, 2H), 4.62−4.50 (m, 1H), 4.40−4.27 (m, 1H), 4.19−3.99 (m, 5H), 3.5−3.03 (m, 8H), 2.93−2.76 (m, 2H), 2.39−2.25 (m, 2H), 2.18−2.00 (m, 3), 1.90−1.79 (m, 1H), 1.77−1.50 (m, 5H), 1.20 (t, 3H), 1.01−0.88 (m, 6H)。
【0255】
実施例10:エチル 3−(2−(3−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(化合物番号141)
【化24】

【0256】
CHCl1mL中、3−メトキシフェニルボロン酸(30mg、0.2mmol)、Cu(OAc)O(2mg、5mol%)、3Åモレキュラー・シーブ(75mg)の懸濁液を、室温で5分間撹拌した。エチル 3−(2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート塩酸塩 5c(42mg、0.1mmol)を反応物に添加し、混合物を室温で24時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、ろ過し、逆相HPLC精製(2−50%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、15分)を行い、純粋なエチル 3−(2−(3−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートを得た。LC-MS: m/z [M+H] 490.0、保持時間2.61分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。
【0257】
実施例11:[エチル 3−(2−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ−[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]−オクタン−8−カルボキシレート塩酸塩](化合物番号205)
[エチル 3−(2−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ−[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]−オクタン−8−カルボキシレート塩酸塩]を、公知の方法および上記の方法を用いて合成した。LC-MS: m/z [M+H] 542.4、保持時間2.58分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 11.09 (br s, 1H), 8.05 (m, 2H), 7.56 (m, 3H), 7.29 (t, J=7.5 Hz, 1H), 7.19 (m, 2H), 4.28 (m, 2H), 4.15 (s, 2H), 4.08 (m, 2H), 3.74 (m, 1H), 3.53 (m, 2H), 3.37 (m, 2H), 3.08 (m, 3H), 2.57 (m, 1H), 2.13 (m, 2H), 1.86 (m, 6H), 1.70 (m, 2H), 1.22 (t, J=7.1 Hz, 3H)。
【0258】
実施例12:[エチル 4−((2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩](化合物番号198)
[エチル 4−((2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩]を、公知の方法および上記の方法を用いて合成した。LC-MS: m/z [M+H] 414.4、保持時間1.94分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.21 (br s, 1H), 7.76 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.33 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.25 (t, J=7.3 Hz, 1H), 7.08 (d, J=7.5 Hz, 1H), 4.71 (s, 2H), 4.22 (m, 2H), 4.12 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.89 (m, 2H), 3.52 (m, 2H), 3.13 (m, 4H), 2.91 (m, 2H), 2.79 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 2.16 (m, 2H), 1.68 (m, 2H), 1.32 (m, 3H), 1.26 (t, J=7.1 Hz, 3H)。
【0259】
実施例13:[エチル 3−(2−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート塩酸塩](化合物番号233)
[エチル 3−(2−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート塩酸塩]を、公知の方法および上記の方法を用いて合成した。LC-MS: m/z [M+H] 522.5、保持時間2.29分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.44 (br s, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.46 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.30 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.25 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.16 (d, J=7.4 Hz, 1H), 4.75 (s, 2H), 4.25 (m, 2H), 4.08 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.86 (m, 3H), 3.51 (m, 2H), 3.29 (m, 2H), 2.42 (m, 2H), 2.23 (s, 3H), 2.10 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.85 (m, 4H), 1.71 (m, 4H), 1.21 (t, J=7.1 Hz, 3H)。
【0260】
実施例14:[プロピル 4−(2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩](化合物番号129)
[プロピル 4−(2−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩]を、公知の方法および上記の方法を用いて合成した。LC-MS: m/z [M+H] 414.4、保持時間1.87分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 11.13 (br s, 1H), 7.52 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.24 (m, 3H), 4.72 (s, 2H), 4.13 (m, 2H), 3.97 (t, J=6.6 Hz, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.45 (m, 3H), 3.19 (m, 2H), 2.83 (br s, 2H), 2.60 (m, 2H), 2.21 (m, 2H), 2.12 (s, 3H), 1.66 (m, 6H), 0.91 (t, J=7.4 Hz, 3H)。
【0261】
実施例15:[エチル 3−(2−(シクロプロパンカルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4'−ピペリジン]−1'−イル)−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート塩酸塩](化合物番号224)
[エチル 3−(2−(シクロプロパンカルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)−8−アザビシクロ−[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート塩酸塩]を、公知の方法および上記の方法を用いて合成した。LC-MS: m/z [M+H] 452.4、保持時間2.05分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.31 (br s, 1H), 7.74 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.32 (t, J=7.1 Hz, 1H), 7.25 (t, J=7.5 Hz, 1H), 7.11 (d, J=7.5 Hz, 1H), 4.93 (s, 2H), 4.47 (br s, 2H), 4.17 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.86 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.38 (m, 2H), 3.15 (m, 2H), 3.01 (m, 2H), 2.21 (m, 2H), 2.04 (m, 4H), 1.70 (m, 4H), 1.28 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.99 (m, 2H), 0.87 (m, 3H)。
【0262】
実施例16:[エチル 4−((2−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩](化合物番号147)
[エチル 4−((2−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩]を、公知の方法および上記の方法を用いて合成した。LC-MS: m/z [M+H] 476.2、保持時間2.21分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.62 (br s, 1H), 7.61 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.47 (m, 5H), 7.29 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.17 (t, J=7.3 Hz, 1H), 7.02 (m, 1H), 4.64 (br s, 2H), 4.04 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.99 (m, 4H), 3.49 (m, 2H), 3.36 (m, 2H), 3.09 (m, 2H), 2.82 (m, 2H), 2.71 (m, 2H), 2.11 (m, 1H), 1.90 (m, 2H), 1.71 (m, 2H), 1.19 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.12 (m, 2H)。
【0263】
実施例17:エチル 4−(2−シクロヘプチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号172)。
エチル 4−(2−シクロヘプチル−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[イソキノリン−4,4−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを、公知の方法および上記の方法を用いて合成した。LC-MS: m/z [M+H] 453.3、保持時間1.70分(10−90%CHCN−HO勾配、0.05%TFA含有、5分)。1H−NMR (DMSO−d6, 500 MHz) δ 9.66−9.22 (m, 1H), 9.16−8.97 (m, 1H), 7.52−7.41 (m, 2H), 7.39−7.30 (m, 1H), 7.29−7.20 (m, 1H), 4.61−4.45 (m, 1H), 4.39−4.26 (m, 1H), 4.21−4.00 (m, 4H), 3.94−3.82 (m, 1H), 3.75−3.04 (m, 8H), 2.94−2.75 (m, 4H), 2.40−2.31 (m, 1H), 2.25−1.99 (m, 5H), 1.95−1.70 (m, 5H), 1.66−1.42 (m, 8H), 1.20 (t, 3H)。
【0264】
実施例18:
公知の方法と共に、本明細書に記載の実施例および合成スキームは、下記の表2の化合物を含む、本発明のさらなる化合物の製造に有用である。
【0265】
【表31】

【表32】

【0266】
【表33】

【表34】

【0267】
【表35】

【0268】
【表36】

【表37】

【0269】
実施例19:化合物の調節特性を検出および測定するための分析
ムスカリン受容体活性を決定するための細胞内カルシウムの機能的動員:
ムスカリン受容体(MからM)を発現するCHO細胞を、5%COを含む加湿雰囲気中、37℃にて、組織培養フラスコ中に単層で増殖させ、3−5日毎に継代した。増殖培地は、25mM Hepesを含み、ウシ胎仔血清(Hyclone、カタログ番号SH30071.03)、0.1mMのMEM非必須アミノ酸(GIBCO、カタログ番号11140-050)、1mM MEMピルビン酸ナトリウム(GIBCO、カタログ番号11360-070)ならびに100単位/mlのペニシリンGおよび100μg/mlのストレプトマイシン(GIBCO、カタログ番号15140-122)を添加した、ダルベッコの修飾イーグルス培地(DMEM、Gibcoカタログ番号12430−054)である。組み換えムスカリン受容体細胞株を、抗生物質使用下、25μg/ml ゼオシンおよび500μg/ml G418(M1−CHO)、4μg/mlピューロマイシン、50μg/mlゼオシンおよび2.5μg/mlブラストサイジン(M2およびM4−CHO)または50μg/mlゼオシンおよび4μg/mlピューロマイシン(M3およびM5−CHO)を含む培地で増殖させる。
【0270】
細胞を、ベルセン(GIBCO、カタログ番号15040-066)を用いて80−90%コンフルエンスで採取し、遠心して集め、カルシウム分析を行う18−24時間前に、バックウォールの、底の透明な384ウェルプレート(BD Biocoat、ポリ−D−リシン、カタログ番号356663)中5,000−10,000細胞/ウェルの密度で播く。実験日に、細胞を1mMプロベネシッド含有bath 1緩衝液(140mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM Hepes−Na、10mM グルコース、NaOHを用いてpH7.4とする)を用いて、プレートウォッシャー(Bioteck Instruments、ELX 405)で洗浄する。次に、カルシウム色素Fluo−3(Fluo−3AMを25μl/ウェル、1mMプロベネシッド含有Bath 1緩衝液中4μM分子プローブF−1241)を、プレート洗浄後各ウェルに残る25μlのBath 1に添加し、該色素を、37℃にて、組織培養インキュベーター中60−90分間、負荷する。蛍光色素を、1mM プロベネシッド含有Bath 1を用いてプレートウォッシャーを用いて除去し、洗浄後この溶液の25μl/ウェルを残す。あるいは、細胞を、5μlの、1mMプロベネシッド含有Bath 1中5×溶液色素(20×溶液を作製するため、色素フラスコ、カタログ番号R7182につき10ml)を20μlの同じ緩衝液に添加して、Molecular Devicesのカルシウムインジケーター(カルシウム3分析試薬、カタログ番号R7181)を用いて負荷し得る。60分間負荷後、実験を、色素を除くことなく行うことができる。
【0271】
化合物を、1mMプロベネシッド含有bath 1中、前もって印を付けた化合物を再構成することにより、96ウェルプレート(丸底、Costar Corning カタログ番号3656)中、2倍濃度で製造する。DMSOの最終濃度は、0.5%であり、DMSOの量は、分析プレート中で標準化する。ムスカリン受容体に対する該化合物のアゴニスト作用を決定するため、再構成した化合物を、FLIPR3装置(Molecular Devices、Sunnyvale, CA)の多重チャネルロボットシステム(multi-channel robotic system)を用いて、細胞分析プレート(25μl/ウェル含有)に添加する(25μl化合物/ウェル)。ムスカリン受容体に対する該化合物の機能的阻害活性を決定するため、再構成した化合物を、分析プレートに添加し(25μl化合物/ウェル)、各ムスカリンサブタイプについて3×EC80にて25μlのカルバコールを添加する前に、15分間、予めインキュベートする。あるいは、化合物を、アゴニストと同時に併用することができる。両分析方法において、蛍光を、FLIPR3装置を用いて、60秒間(励起波長が488nM、放射波長が540nm)記録する。
【0272】
ムスカリン化合物の効力、有効性および選択性を、全ファミリー(MからM細胞)にて化合物活性をスクリーニングすることにより評価した。化合物をまた、M受容体に対する選択性を決定するため、他のGPCRおよびイオンチャネルのような他のタンパク質に対する活性をスクリーニングした。
【0273】
本発明の化合物は、他の受容体型に対して選択性のMおよび/またはMムスカリン受容体を調節することが見出された。
【0274】
およびM受容体の調節における、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)のムスカリン化合物の活性および有効性の例を、下記の表3に示す。MおよびMに対する化合物活性を、活性が、1.0μM未満であると測定されるとき“+++”、活性が、1.0μMから5.0μMであると測定されるとき“++”、活性が、5.0μMより大きいと測定されるとき“+”、そしてデータが得られないとき“−”と示す。M、M調節についての有効性を、有効性が、100%より大きいと計算されるとき“+++”、有効性が、100%から25%であると計算されるとき“++”、有効性が、25%未満であると計算されるとき“+”、そしてデータが得られないとき“−”と示す。100%有効性は、対照としてカルバコールを用いて得られた最大応答である。
【0275】
【表38】

【表39】

【0276】
【表40】

【表41】

【表42】

【0277】
VIII.他の態様
本発明は、その詳細な説明と併せて記載されているが、上記の記載が、説明することを意図し、本発明の範囲を限定することを意図しないことが、理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲により定義される。他の局面、利点、および修飾は、本特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムスカリン受容体の活性を調節する方法であって、該受容体を式I:
【化1】


[式中、
は、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリールまたはヘテロアリール(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRで置換されていてよい。)であるか、またはRは、水素であり;
は、それぞれ独立して、=Oまたは−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−6脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)であり;
は、独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、=NR、=NOR、または−OCFであり;
は、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;
は、それぞれ独立して、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)であり;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、−NH、−NO、または−OCFであり;
はそれぞれ、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;
およびRは、それぞれ独立して、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)であるか、または
およびRは、共にオキソ基を形成し;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;
Wは、−NR−または−O−であり;
は、−Z10(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるかまたは所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりおよび独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRにより置換されていてよい。)であり;
10はそれぞれ、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;
mは0−3であり、pは0−3であり、かつm+pは3、4、5または6であり;
nは0−2であり;
qは0−4であり;そして
LはZである。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む、方法。
【請求項2】
が、所望により1−3個のRで置換されていてよい脂環式基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルコキシイミノ、所望により置換されていてよいアルキルカルボニル、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアラルキル、所望により置換されていてよいヘテロアラルキル、所望により置換されていてよいアラルキルオキシイミノ、所望により置換されていてよいアリールオキシイミノ、所望により置換されていてよいアリールカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいアルコキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいモノ脂環式基である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、または所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいビシクロ脂肪族基である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
が、所望により1−3個のRで置換されていてよいヘテロ脂環式基である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよい(シクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルキルアミノカルボニル、所望により置換されていてよい(ヘテロシクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアリールカルボニル、所望により置換されていてよい(アルコキシ)アルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい単環式ヘテロ脂環式基である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
が、所望により1−3個の、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(シクロアルキルオキシ)カルボニル、(ヘテロシクロアルキルオキシ)カルボニル、(アルコキシ)アルコキシカルボニル、(アルキニルオキシ)カルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい二環式ヘテロ脂環式基である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいアリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいヘテロアリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
Lが、結合であるか、またはメチレン基である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
−L−Rが、水素;シクロヘキシルメチル−;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル−;ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;4−プロピルシクロヘキシル−;テトラヒドロピラン−4−イル−;1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;ベンゾフラン−2−イル−;(ベンゾチオフェン−2−イル)メチル−;1,2−ジヒドロインダン−2−イル−;シクロヘキシル−;8−アザ−8−メトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(1−メチルエトキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;(1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(1−メチル)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−シクロブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−シクロペントキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(2−メトキシ)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;8−アザ−8−プロポキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−ブトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(2−メトキシ)エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(1−メチル)エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;1−プロポキシカルボニルピペリジン−4−イル−;1−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルピペリジン−4−イル−;1−(2−メトキシ)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;1−(1,1−ジメチル)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;(1−エトキシカルボニルピロリジン−3−イル)メチル−;(1−エトキシカルボニル−4−メチルピペリジン−4−イル)メチル−;8−アザ−8−(3−プロパルギルオキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−6−イル−;8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イル)メチル−;4−メトキシベンジル−;3−メトキシベンジル−;2−メトキシベンジル−;4−エトキシベンジル−;1,2−ジヒドロベンゾフラン−5−イル−;3−フルオロ−4−メトキシベンジル−;
4−フルオロベンジル−;3−フルオロベンジル−;2−フルオロベンジル−;2,4−ジフルオロベンジル−;ピリジン−4−イルメチル−;ピリジン−3−イルメチル−;ピリジン−2−イルメチル−;4−アセチルベンジル−;1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル−;4−オキソシクロヘキシル−;4−カルボエトキシシクロヘキシル−;6−メトキシピリジン−3−イル−;3−アセトキシベンジル−;4−プロピノキシベンジル−;4−アセトキシベンジル−;4−(1−ヒドロキシエチル)ベンジル−;ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル−;テトラヒドロチオピラン−4−イル−;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル−;シクロヘプチル−;ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル−;2−アダマンチル−;2−クロロベンジル−;2−シアノベンジル−;2−ヒドロキシベンジル−;2−メトキシカルボニルベンジル−;2−フルオロ−5−メチルベンジル−;(6−メチルピリジン−2−イル)メチル−;2,6−ジメトキシベンジル−;2−メトキシエチル−;2−エトキシエチル−;(テトラヒドロピラン−2−イル)メチル−;2−オキソブチル−;2−オキソプロピル−;(テトラヒドロピラン−3−イル)メチル−;(チアゾール−2−イル)メチル−;(3−メチルチオフェン−2−イル)メチル−;(4,5−ジメチルフラン−2−イル)メチル−;(2,4−ジメチルチオフェン−5−イル)メチル−;フラン−3−イルメチル−;(3,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−2−イル)メチル−;(1,3−ジメチルシクロヘキセン−4−イル)メチル−;(2,2−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−5−エン−5−イル)メチル−;4−エトキシイミノシクロヘキシル−;3,3−ジメチルブチル−;1−ベンゾイルピペリジン−4−イル−;2−(テトラヒドロチオピラン−4−イル)エチル−;テトラヒドロフラン−3−イルメチル−;1−(ピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(チアゾール−2−イル)ピペリジン−4−イル−;2−アザ−3−メチル−1−オキサスピロ[4.5]デセ−2−エン−8−イル−;1−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(3,6−ジメチルピペラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(3−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(4−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(2−メトキシフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(4−メトキシフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペリジン−4−イル−;1−(ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(ピリミジン−5−イル)ピペリジン−4−イル−;(1−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−3−イル)メチル−;(1−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)メチル−;1−(ピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル−;1−(チオフェン−3−イル)ピペリジン−4−イル−;および、3−メチルスルファニルブチル−から選択される1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
が、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、脂肪族基、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
およびRが、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、またはそれらの組み合わせであるか、またはRおよびRが、共にオキソ基を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
Wが、−NR−であり、Rが、水素または所望により置換されていてよい脂肪族基である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
Wが、−NR−であり、Rが、−Z10であり、Zが、−C(O)−、−SO−、−C(O)NR−、−SONR−、−C(O)O−、または−OC(O)NR−であり;そして、R10が、脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、ヘテロアリール、脂環式基、またはアリール(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
10が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいアルコキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいフェニルである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
10が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよい(アルキルカルボニル)アミノ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいヘテロアリールである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
10が、所望により1−3個の、ハロ、アルコキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい脂肪族基である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
10が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、脂肪族基、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい脂環式基である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
10が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アリール、脂環式基、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいアルキルである、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
Wが、−NR−であり、Rが、水素;アセチル−;2−メチルプロピオニル−;シクロブチルカルボニル−;4−フルオロベンゾイル−;(イソキサゾール−5−イル)カルボニル−;(1H−1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)カルボニル−;エチルアミノカルボニル−;1−メチルエチルアミノカルボニル−;4−フルオロフェニルカルボニル−;((3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)アミノ)カルボニル−;メトキシカルボニル−;1−メチルエトキシカルボニル−;メチルスルホニル−;プロピルスルホニル−;4−フルオロフェニルスルホニル−;(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)スルホニル−;(1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)カルボニル−;(2,5−ジメチルオキサゾール−4−イル)カルボニル−;(1H−1−メチルイミダゾール−4−イル)カルボニル−;(4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−イル)カルボニル−;(2,5−ジメチルフラン−3−イル)カルボニル−;((1H−1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチルピラゾール−5−イル)カルボニル−;シクロプロピルカルボニル−;シクロペンチルカルボニル−;シクロヘキシルカルボニル−;((2,2−ジメチル)プロピオン−1−イル)カルボニル−;(ピリジン−3−イル)カルボニル−;(ピリジン−4−イル)カルボニル−;(チオフェン−2−イル)カルボニル−;シクロブチルオキシカルボニル−;シクロペンチルオキシカルボニル−;2−メトキシエトキシカルボニル−;ジメチルアミノカルボニル−;シクロペンチルアミノカルボニル−;ジメチルアミノスルホニル−;チオフェン−2−スルホニル−;(2−アセチルアミノ−4−メチルチアゾール−5−イル)スルホニル−;ベンゼンスルホニル−;
4−メチルベンゼンスルホニル−;4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル−;4−クロロベンゼンスルホニル−;4−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル−;4−メトキシベンゼンスルホニル−;4−シアノベンゼンスルホニル−;4−フェニルベンゼンスルホニル−;4−アセトキシアミノベンゼンスルホニル−;3,4−ジクロロベンゼンスルホニル−;3−メチルベンゼンスルホニル−;3−フルオロベンゼンスルホニル−;3−クロロベンゼンスルホニル−;2−フルオロベンゼンスルホニル−;2−クロロベンゼンスルホニル−;ベンジルスルホニル−;プロピオニル−;ブタノイル−;ベンゾイル−;(チオフェン−2−イル)カルボニル−;(ベンズチオフェン−2−イル)カルボニル−;フェニルアミノカルボニル−;4−フルオロフェノキシカルボニル−;2,2,2−トリフルオロプロピオニル−;1−メチルシクロプロピルカルボニル−;ペンタノイル−;3−メチルブタノイル−;1−メチルシクロヘキサノイル−;(5−メチルイソキサゾール−4−イル)カルボニル−;(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)カルボニル−;(2−メチルチアゾール−4−イル)カルボニル−;(1H−1−フェニル−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル)カルボニル−;シクロヘキシルアミノカルボニル−;プロピルアミノカルボニル−;ブチルアミノカルボニル−;シクロペンチルアミノカルボニル−;ジエチルアミノカルボニル−;ピペリジニルカルボニル−;エトキシカルボニル−;プロポキシカルボニル−;ブトキシカルボニル−;(2−メチル−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)カルボニル−;(4−(1−メチルエチル)−1,2,3−チアジアゾール−5−イル)カルボニル−;1,1−ジメチルエチルアミノカルボニル−;1−トリフルオロメチルシクロプロピルカルボニル−;1−トリフルオロメチルシクロブチルカルボニル−;(1H−1,2−ジメチルイミダゾール−4−イル)スルホニル−;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル−;2−エチル−2−ヒドロキシブタノイル−;3−フルオロフェニル−;2,3−ジフルオロフェニル−;3−メトキシフェニル−;4−クロロフェニル−;3−メチル−4−クロロフェニル−;3−クロロフェニル−;3−フルオロ−4−メチルフェニル−;3,4,−ジメチルフェニル−;3−メチルフェニル−;3−メチルブチル−;シクロヘキシルメチル−;1−フェニルプロピン−3−イル−;2−メチルシクロヘキシル−;シクロヘプチル−;ビシクロ[2.2.1]−2−イル−;ベンジル−;および、エチル−から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
Wが酸素であり、nが0である、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
Wが−NR−であり、nが0であり、そしてRおよびRが、共にオキソ基を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
式Ia:
【化2】


[式中、
は、脂環式基またはヘテロ脂環式基(それらはそれぞれ、所望により1−3個のRにより置換されていてよい。)であり;
は、それぞれ独立して、=Oまたは−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRで置換されていてよい。)であり;
は、独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、=NR、=NOR、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;
は、それぞれ独立して、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−または−NRSONRで置換されていてよい。)であり;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、−NH、−NO、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;
およびRは、それぞれ独立して、−Z(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRで置換されていてよい。)であるか、または
およびRは、共にオキソ基を形成し;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基;所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;
Wは、−NR−または−O−であり;
は、−Z10(ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−4脂肪族鎖であり、ここでZの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONRで置換されていてよい。)であり;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基;所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;
mは0−3であり、pは0−3であり、かつm+pは、3、4、5、または6であり;
nは0−2であり;
qは0−4であり;そして
Lは、結合または−CH−である。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
が、所望により1−3個のRで置換されていてよい脂環式基である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、または所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい二環式脂環式基である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、または所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい架橋二環式脂環式基である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
が、所望により1−3個のRで置換されていてよいヘテロ脂環式基である、請求項24に記載の化合物。
【請求項29】
が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよい脂環式基、所望により置換されていてよいヘテロ脂環式基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、所望により置換されていてよいアルコキシカルボニル、所望により置換されていてよい(シクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアルキルアミノカルボニル、所望により置換されていてよい(ヘテロシクロアルキル)オキシカルボニル、所望により置換されていてよいアリールカルボニル、所望により置換されていてよい(アルコキシ)アルコキシカルボニル、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいヘテロ脂環式基である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
−L−Rが、水素;シクロヘキシルメチル−;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル−;ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;4−プロピルシクロヘキシル−;テトラヒドロピラン−4−イル−;1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;ベンゾフラン−2−イル−;(ベンゾチオフェン−2−イル)メチル−;1,2−ジヒドロインダン−2−イル−;シクロヘキシル−;8−アザ−8−メトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(1−メチルエトキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;(1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(1−メチル)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−シクロブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−シクロペントキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;(1−(2−メトキシ)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル−;8−アザ−8−プロポキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−ブトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(2−メトキシ)エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;8−アザ−8−(1−メチル)エトキシカルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;1−プロポキシカルボニルピペリジン−4−イル−;1−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)カルボニルピペリジン−4−イル−;1−(2−メトキシ)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;1−(1,1−ジメチル)エトキシカルボニルピペリジン−4−イル−;(1−エトキシカルボニルピロリジン−3−イル)メチル−;(1−エトキシカルボニル−4−メチルピペリジン−4−イル)メチル−;8−アザ−8−(3−プロパルギルオキシ)カルボニルビシクロ[3.2.1]オクタン−6−イル−;8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル−;(1−メトキシカルボニルアゼチジン−3−イル)メチル−;4−メトキシベンジル−;3−メトキシベンジル−;2−メトキシベンジル−;4−エトキシベンジル−;
1,2−ジヒドロベンゾフラン−5−イル−;3−フルオロ−4−メトキシベンジル−;4−フルオロベンジル−;3−フルオロベンジル−;2−フルオロベンジル−;2,4−ジフルオロベンジル−;ピリジン−4−イルメチル−;ピリジン−3−イルメチル−;ピリジン−2−イルメチル−;4−アセチルベンジル−;1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル−;4−オキソシクロヘキシル−;4−カルボエトキシシクロヘキシル−;6−メトキシピリジン−3−イル−;3−アセトキシベンジル−;4−プロピオンオキシベンジル−;4−アセトキシベンジル−;4−(1−ヒドロキシエチル)ベンジル−;ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル−;テトラヒドロチオピラン−4−イル−;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル−;シクロヘプチル−;ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル−;2−アダマンチル−;2−クロロベンジル−;2−シアノベンジル−;2−ヒドロキシベンジル−;2−メトキシカルボニルベンジル−;2−フルオロ−5−メチルベンジル−;(6−メチルピリジン−2−イル)メチル−;2,6−ジメトキシベンジル−;2−メトキシエチル−;2−エトキシエチル−;(テトラヒドロピラン−2−イル)メチル−;2−オキソブチル−;2−オキソプロピル−;(テトラヒドロピラン−3−イル)メチル−;(チアゾール−2−イル)メチル−;(3−メチルチオフェン−2−イル)メチル−;(4,5−ジメチルフラン−2−イル)メチル−;(2,4−ジメチルチオフェン−5−イル)メチル−;フラン−3−イルメチル−;(3,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−2−イル)メチル−;(1,3−ジメチルシクロヘキセン−4−イル)メチル−;(2,2−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−5−エン−5−イル)メチル−;4−エトキシイミノシクロヘキシル−;3,3−ジメチルブチル−;1−ベンゾイルピペリジン−4−イル−;2−(テトラヒドロチオピラン−4−イル)エチル−;テトラヒドロフラン−3−イルメチル−;および、3−メチルスルファニルブチル−から選択される1つである、請求項24に記載の化合物。
【請求項31】
が、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、脂肪族基、またはそれらの組み合わせである、請求項24に記載に記載の化合物。
【請求項32】
およびRが、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、またはそれらの組み合わせであるか、またはRおよびRが、共にオキソ基を形成する、請求項24に記載の化合物。
【請求項33】
Wが、−NR−であり、Rが、−Z10であり、そして−Z10が、水素または所望により置換されていてよい脂肪族基である、請求項24に記載の化合物。
【請求項34】
Wが、−NR−であり、Rが、−Z10であり、Zが、−C(O)−、−SO−、−C(O)NR−、−SONR−、−C(O)O−、または−OC(O)NR−であり;そして、R10が、脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール、ヘテロアリール、またはアリール(それらはそれぞれ、所望により置換されていてよい。)である、請求項24に記載の化合物。
【請求項35】
10が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アリール、脂環式基、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい脂肪族基である、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
10が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、脂肪族基、またはそれらの組み合わせで置換されていてよい脂環式基である、請求項34に記載の化合物。
【請求項37】
10が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいアルコキシ、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいフェニルである、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
10が、所望により1−3個の、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、所望により置換されていてよい脂肪族基、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアリール、またはそれらの組み合わせで置換されていてよいヘテロアリールである、請求項34に記載の化合物。
【請求項39】
Wが、−NR−であり、Rが、独立して、水素;アセチル−;2−メチルプロピオニル−;シクロブチルカルボニル−;4−フルオロベンゾイル−;(イソキサゾール−5−イル)カルボニル−;(1H−1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)カルボニル−;エチルアミノカルボニル−;1−メチルエチルアミノカルボニル−;4−フルオロフェニルカルボニル−;((3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)アミノ)カルボニル−;メトキシカルボニル−;1−メチルエトキシカルボニル−;メチルスルホニル−;プロピルスルホニル−;4−フルオロフェニルスルホニル−;(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)スルホニル−;(1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)カルボニル−;(2,5−ジメチルオキサゾール−4−イル)カルボニル−;(1H−1−メチルイミダゾール−4−イル)カルボニル−;(4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−イル)カルボニル−;(2,5−ジメチルフラン−3−イル)カルボニル−;((1H−1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチルピラゾール−5−イル)カルボニル−;シクロプロピルカルボニル−;シクロペンチルカルボニル−;シクロヘキシルカルボニル−;((2,2−ジメチル)プロピオン−1−イル)カルボニル−;(ピリジン−3−イル)カルボニル−;(ピリジン−4−イル)カルボニル−;(チオフェン−2−イル)カルボニル−;シクロブチルオキシカルボニル−;シクロペンチルオキシカルボニル−;2−メトキシエトキシカルボニル−;ジメチルアミノカルボニル−;シクロペンチルアミノカルボニル−;ジメチルアミノスルホニル−;チオフェン−2−スルホニル−;
(2−アセチルアミノ−4−メチルチアゾール−5−イル)スルホニル−;ベンゼンスルホニル−;4−メチルベンゼンスルホニル−;4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル−;4−クロロベンゼンスルホニル−;4−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル−;4−メトキシベンゼンスルホニル−;4−シアノベンゼンスルホニル−;4−フェニルベンゼンスルホニル−;4−アセトキシアミノベンゼンスルホニル−;3,4−ジクロロベンゼンスルホニル−;3−メチルベンゼンスルホニル−;3−フルオロベンゼンスルホニル−;3−クロロベンゼンスルホニル−;2−フルオロベンゼンスルホニル−;2−クロロベンゼンスルホニル−;ベンジルスルホニル−;プロピオニル−;ブタノイル−;ベンゾイル−;(チオフェン−2−イル)カルボニル−;(ベンズチオフェン−2−イル)カルボニル−;フェニルアミノカルボニル−;4−フルオロフェノキシカルボニル−;2,2,2−トリフルオロプロピオニル−;1−メチルシクロプロピルカルボニル−;ペンタノイル−;3−メチルブタノイル−;1−メチルシクロヘキサノイル−;(5−メチルイソキサゾール−4−イル)カルボニル−;(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)カルボニル−;(2−メチルチアゾール−4−イル)カルボニル−;(1H−1−フェニル−5−トリフルオロメチルピラゾール−4−イル)カルボニル−;シクロヘキシルアミノカルボニル−;プロピルアミノカルボニル−;ブチルアミノカルボニル−;シクロペンチルアミノカルボニル−;ジエチルアミノカルボニル−;ピペリジニルカルボニル−;エトキシカルボニル−;プロポキシカルボニル−;ブトキシカルボニル−;(2−メチル−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)カルボニル−;(4−(1−メチルエチル)−1,2,3−チアジアゾール−5−イル)カルボニル−;1,1−ジメチルエチルアミノカルボニル−;1−トリフルオロメチルシクロプロピルカルボニル−;1−トリフルオロメチルシクロブチルカルボニル−;(1H−1,2−ジメチルイミダゾール−4−イル)スルホニル−;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル−;2−エチル−2−ヒドロキシブタノイル−;3−フルオロフェニル−;2,3−ジフルオロフェニル−;3−メトキシフェニル−;4−クロロフェニル−;3−メチル−4−クロロフェニル−;3−クロロフェニル−;3−フルオロ−4−メチルフェニル−;3,4,−ジメチルフェニル−;3−メチルフェニル−;3−メチルブチル−;シクロヘキシルメチル−;1−フェニルプロピン−3−イル−;2−メチルシクロヘキシル−;シクロヘプチル−;ビシクロ[2.2.1]−2−イル−;ベンジル−;および、エチル−から選択される、請求項24に記載の化合物。
【請求項40】
Wが酸素であり、nが0である、請求項24に記載の化合物。
【請求項41】
Wが、−NR−であり、nが0であり、そしてRおよびRが、共にオキソ基を形成する、請求項24に記載の化合物。
【請求項42】
下記から選択される化合物。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【請求項43】
哺乳動物において、ムスカリン受容体により仲介される疾患を処置する、または疾患の重症度を軽減する方法であって、該動物に請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物を投与する工程を含む方法。
【請求項44】
該ムスカリン受容体がMである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
該ムスカリン受容体がMである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
患者において、疾患を処置するまたは疾患の重症度を軽減する方法であって、該疾患が、認識障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性痴呆のような様々な認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含むCNS障害と関係のある精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的うつ病、パーキンソン病を含むCNS由来の病状、緑内障における眼内圧の低下およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの処置、徐脈(bradhycardia)、胃酸分泌、喘息、GI障害(GI disturbance)、ならびに創傷治癒のような末梢障害から選択され、該方法が、該患者を、請求項1−42のいずれか一項に記載の化合物と接触させる工程を含む、方法。
【請求項47】
請求項24−42に記載の化合物および薬学的担体を含む、医薬組成物。

【公表番号】特表2008−521825(P2008−521825A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543577(P2007−543577)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/042967
【国際公開番号】WO2006/058303
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】