説明

ムスカリン受容体アンタゴニストとして有用な第四級アンモニウムジフェニルメチル化合物

本発明は、塩形態または双性イオン形態の式(I)の化合物であって、式中、R1〜6、a〜eおよびQは本明細書に定義するとおりである、化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。これら化合物は、ムスカリン受容体アンタゴニストである。本発明はまた、そうした化合物を含む医薬組成物、そうした化合物を調製するプロセスおよび、たとえば、慢性閉塞性肺疾患および喘息などの肺障害を処置するためのそうした化合物の使用方法も提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩形態または双性イオン形態の式I:
【化57−1】

の化合物であって、式中:
aおよびbは独立に0または1〜5の整数であり;
およびRは各々独立に、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−C3〜6シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR、−CHOH、−COOH、−C(O)−O−C1〜4アルキル、−C(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)および−NRから選択され;Rは各々独立に、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニルおよび−C3〜6シクロアルキルから選択され;RおよびRは各々独立に、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニルまたは−C3〜6シクロアルキルから選択され;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になってC3〜6複素環を形成し;または隣接する2つのR基または隣接する2つのR基は、一緒になって−C3〜6アルキレン、−C2〜4アルキレン−O−または−O−C1〜4アルキレン−O−を形成し;
は、−C(O)NR3a3b、−C(O)O−C1〜4アルキル、−CN、−OH、−CHOHおよび−CHNHから選択され;R3aおよびR3bは独立に、水素、−C1〜6アルキル、−C2〜6アルケニル、−C2〜6アルキニル、−C3〜6シクロアルキル、−C6〜10アリール、−C2〜9ヘテロアリール、−C3〜6複素環および−(CH1〜2−R3cから選択され、R3cは、−OH、−O−C1〜6アルキル、−C3〜6シクロアルキル、−C6〜10アリール、−C2〜9ヘテロアリールおよび−C3〜6複素環から選択され;またはR3aおよびR3bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から選択されるさらに1個のヘテロ原子を任意に含むC3〜6複素環を形成し;
cは0または1〜3の整数であり;
は各々独立に、フルオロまたは−C1〜4アルキルであり;
dは1または2であり、
【化57−2】

は任意の二重結合を示し;
は、−C1〜6アルキル、−CH−C2〜6アルケニル、−CH−C2〜6アルキニルおよび−CHCOR5aから選択され;R5aは、−OH、−O−C1〜6アルキルおよび−NR5b5cから選択され;R5bおよびR5cは独立に、Hおよび−C1〜6アルキルから選択され;
Qは、−C0〜5アルキレン−Q’−C0〜1アルキレン−であり、Q’は、−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SO−NRQ1−、−NRQ1−SO−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−NRQ1C(O)−、−C(O)NRQ1−、NRQ2−C(O)−NRQ3−、−NRQ2−C(S)−NRQ3−、−C=N−O−、−S−S−および−C(=N−O−RQ4)−から選択され、RQ1は、水素または−C1〜4アルキルであり、RQ2およびRQ3は独立に、水素、−C1〜4アルキルおよび−C3〜6シクロアルキルから選択され、またはRQ2およびRQ3は一緒になって−C2〜4アルキレンまたは−C2〜3アルケニレンを形成し、RQ4は、−C1〜4アルキルまたはベンジルであり;
eは0または1〜5の整数であり;
は各々独立に、ハロ、−C1〜4アルキル、−C0〜4アルキレン−OH、シアノ、−C0〜2アルキレン−COOH、−C(O)O−C1〜4アルキル、−O−C1〜4アルキル、−S−C1〜4アルキル、−NH−C(O)−C1〜4アルキル、−N(C1〜4アルキル)および−N(O)Oから選択され;
1〜3、R3a〜3c、R4〜6およびRa〜におけるアルキル基、アルケニル基、アルキレン基、アルキニル基およびシクロアルキル基はそれぞれ任意に、1〜5個のフルオロ原子で置換されており;Rにおけるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基はそれぞれ任意に、−O−C1〜6アルキル、−OHおよびフェニルから独立に選択される1〜2個の置換基で置換されており;R1〜2、R3a〜3cおよびRa〜cにおけるシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基および複素環基はそれぞれ任意に、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、シアノ、ハロ、−O−C1〜4アルキル、−S−C1〜4アルキル、−S(O)(C1〜4アルキル)、−S(O)(C1〜4アルキル)、−NH、−NH(C1〜4アルキル)および−N(C1〜4アルキル)から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基はそれぞれ任意に、1〜5個のフルオロ置換基で置換されており;Qにおける−CH−基はそれぞれ任意に、−C1〜2アルキル、−OHおよびフルオロから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されている、化合物
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
aは0または1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
bは0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
は−C(O)NR3a3bである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
3aおよびR3bは独立に、水素および−C1〜4アルキルから選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
3aおよびR3bは水素である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
cは0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
aおよびbは0である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
aは1であり、bは0である、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
dは1であり、前記二重結合が存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
dは2であり、前記二重結合が存在する、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
は−C1〜6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
は−CHである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
−C0〜5アルキレン−Q’−C0〜1アルキレン−は、−C1〜3アルキレン−Q’−C0〜1アルキレン−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
−C0〜5アルキレン−Q’−C0〜1アルキレン−は、−Cアルキレン−Q’−C0〜1アルキレン−である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
Q’は、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−NRQ1C(O)−、−NRQ2−C(O)−NRQ3−、−NRQ2−C(S)−NRQ3−および−C(=N−O−RQ4)−から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Q’は−NRQ1C(O)−であり、RQ1は水素である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
Q’は−NRQ2−C(O)−NRQ3−および−NRQ2−C(S)−NRQ3−から選択され、RQ2およびRQ3は水素である、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
Q’は−C(=N−O−RQ4)−であり、RQ4は−CHまたはベンジルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
Q’は、−O−、−S−、−C(O)−および−OC(O)−から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項21】
−C0〜5アルキレン−Q’−C0〜1アルキレン−は、−(CH)、−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−CH=CH−、−(CH−C≡C−、−(CH−O−CH−、−(CH−O−、−CH−CH(OH)−CH−O−、−(CH−O−CH−、−(CH−S−、−(CH−S(O)−、−(CH−SO−、−(CH−C(O)−、−(CH−OC(O)−、−(CH−C(O)O−、−CH−C(O)O−CH−、−(CH−NRQ1C(O)−、−CH−C(O)NRQ1−CH、−(CH−NRQ2−C(O)−NRQ3−、−CH−C=N−O−、−(CH−S−S−および−(CH−C(=N−O−RQ4)−から選択され、式中、RQ1、RQ2およびRQ3は水素であり、RQ4は−C1〜4アルキルまたはベンジルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
−C0〜5アルキレン−Q’−C0〜1アルキレン−は、−C0〜5アルキレン−Q’−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
eは0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
eは1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
は、ハロ、−C1〜4アルキル、−OH、シアノ、−C(O)O−C1〜4アルキル、−O−C1〜4アルキル、−S−C1〜4アルキル、−NH−C(O)−C1〜4アルキル、−N(C1〜4アルキル)および−N(O)Oから選択される、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
eは2であり、Rの1個はハロであり、第二のRはハロおよび−O−C1〜4アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
式I’:
【化58】

を持つ化合物であって、式中、Xは薬学的に許容される酸の陰イオンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
Xは、アセタート、ベンゼンスルホナート、ベンゾアート、ブロミド、ブチラート、クロリド、p−クロロベンゾアート、シトラート、ジフェニルアセタート、ホルマート、フッ化物、o−ヒドロキシベンゾアート、p−ヒドロキシベンゾアート、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキシラート、3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキシラート、ヨウ化物、ラクタート、マラート、マレアート、メタンスルホナート、ニトラート、ホスファート、プロピオナート、スクシナート、スルファート、タルトラート、トリフルオロアセタートおよびトリフェニルアセタートから選択される、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
Xは、ブロミド、ヨウ化物およびトリフルオロアセタートから選択される、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
以下の式I’aを持つ、請求項27に記載の化合物。
【化59】

【請求項31】
以下の式I’bを持つ、請求項30に記載の化合物。
【化60】

【請求項32】
式I’d:
【化61】

を持つ化合物であって、aおよびbは独立に、0または1であり;RおよびRはそれぞれ−ORであり、式中、Rは水素であり;
Qは、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−CH=CH−、−(CH−C≡C−、−(CH−O−CH−、−(CH−O−、−CH−CH(OH)−CH−O−、−(CH−O−CH−、−(CH−S−、−(CH−S(O)−、−(CH−SO−、−(CH−C(O)−、−(CHOC(O)−、−(CH−C(O)O−、−CH−C(O)O−CH−、−(CH−NRQ1C(O)−、−CH−C(O)NRQ1−CH、−(CH−NRQ2−C(O)−NRQ3−、−CH−C=N−O−、−(CH−S−S−および−(CH−C(=N−O−RQ4)−から選択され、RQ1、RQ2およびRQ3は水素であり、RQ4は−C1〜4アルキルまたはベンジルであり;eは0、1または2であり;Rは各々独立に、ハロ、−C1〜4アルキル、−C0〜4アルキレン−OH、シアノ、−C(O)O−C1〜4アルキル、−O−C1〜4アルキル、−S−C1〜4アルキル、−NH−C(O)−C1〜4アルキル、−N(C1〜4アルキル)および−N(O)Oから選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
における前記アルキルは任意に3個のフルオロ原子で置換されており;Qにおける−CH−基の1個は任意に−OHで置換されている、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
式I’e:
【化62】

を持つ化合物であって、aは0または1であり;Rは−ORであり、式中、Rは水素であり;Qは、−(CH−、−(CH−CH=CH−、−(CH−C≡C−、−(CH−O−、−(CH−S−、−(CH−C(O)−および−(CHOC(O)−から選択され;eは0、1または2であり;Rは各々独立に、ハロ、−C1〜4アルキル、−OHおよび−S−C1〜4アルキルから選択される、請求項32に記載の化合物。
【請求項35】
任意に置換されていない、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
以下の式I’cを持つ、請求項27に記載の化合物。
【化63】

【請求項37】
式I’’a:
【化64】

を持つ化合物であって、式中、Xは薬学的に許容される酸の陰イオンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
請求項1に記載の化合物および薬学的に許容されるキャリアを含む、医薬組成物。
【請求項39】
前記化合物は微粉化された形態である、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
第二の治療薬をさらに含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記第二の治療薬は、βアドレナリン受容体アゴニスト、ステロイド系抗炎症薬、ホスホジエステラーゼ−4阻害剤およびこれらの組み合わせから選択される、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
βアドレナリン受容体アゴニストおよびステロイド系抗炎症薬をさらに含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項43】
請求項1に記載の化合物を調製するプロセスであって、
(a)式II:
【化65】

の化合物を式III:
【化66】

の化合物と反応させて、式中、Lは脱離基を表し、式IV:
【化67】

の化合物を生成し、式IVの化合物をR基を含む有機基質と反応させるプロセス;または
(b)式V:
【化68】

の化合物を式IIIの化合物と反応させるプロセス;または
(c)式Vの化合物を式VI:
【化69】

の化合物と反応させ、式中、Lは脱離基を表し、式VII:
【化70】

の化合物を生成し、式VIIの化合物を式VIII:
【化71】

の化合物と反応させ、式中、Lは脱離基を表し、Q’、AおよびBは:
【化72】

と定義され、塩形態または双性イオン形態の前記生成物を回収するプロセス
を含む、プロセス。
【請求項44】
請求項43に記載のプロセスにより調製される、化合物。
【請求項45】
薬物の製造のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項46】
前記薬物は肺障害の処置に有用である、請求項45に記載の使用。
【請求項47】
前記肺障害は慢性閉塞性肺疾患または喘息である、請求項46に記載の使用。
【請求項48】
前記薬物は気管支を拡張させるのに有用である、請求項45に記載の使用。
【請求項49】
前記薬物は哺乳動物のムスカリン受容体に拮抗するのに有用である、請求項45に記載の使用。
【請求項50】
請求項1に記載の化合物のリサーチツールとしての使用。

【公表番号】特表2010−519299(P2010−519299A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550918(P2009−550918)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/002321
【国際公開番号】WO2008/103426
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(500154711)セラヴァンス, インコーポレーテッド (129)
【Fターム(参考)】