説明

ムスカリン受容体アンタゴニストとして活性のある新規化合物

本発明は、式(I)の化合物、その調製のための方法および中間体、ムスカリンアンタゴニストとしてのその使用、ならびにそれを含有する医薬組成物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)の化合物:
【0002】
【化1】

[式中、R〜RおよびXは、以下で示す意味を有する]、そうした誘導体を調製するための方法および中間体、それを含有する組成物、ならびにその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
コリン作動性のムスカリン受容体は、Gタンパク質共役受容体スーパーファミリーのメンバーであり、M〜Mの5種のサブタイプにさらに分類される。ムスカリン受容体サブタイプは、体内で広範かつ示差的に発現する。5種すべてのサブタイプの遺伝子がクローニングされており、その中で、M、M、およびM受容体は、動物およびヒトの組織において薬理学的な特徴付けが徹底的になされている。M受容体は、脳(皮質および海馬)、腺、ならびに交感神経および副交感神経の神経節において発現する。M受容体は、心臓、後脳、平滑筋、および自律神経系のシナプスにおいて発現する。M受容体は、脳、腺、および平滑筋において発現する。気道では、M受容体を刺激すると、気道平滑筋の収縮が引き起こされ、気管支収縮がもたらされるが、唾液腺では、M受容体を刺激すると、体液および粘液分泌が増加し、唾液分泌が増加するようになる。平滑筋上に発現するM受容体は、収縮促進性であることがわかっており、シナプス前M受容体は、副交感神経からのアセチルコリン放出をモジュレートする。心臓において発現するM受容体を刺激すると、徐脈が引き起こされる。
【0004】
短時間および長時間作用型のムスカリンアンタゴニストは、喘息およびCOPDの管理に使用され、そのような薬剤としては、短時間作用型薬剤のAtrovent(登録商標)(臭化イプラトロピウム)およびOxivent(登録商標)(臭化オキシトロピウム)、ならびに長時間作用型薬剤のSpiriva(登録商標)(臭化チオトロピウム)が挙げられる。こうした化合物は、吸入投与後に気管支拡張を引き起こす。慢性閉塞性肺疾患(COPD)における抗ムスカリン薬の使用は、肺活量計の数値の上昇に加えて、健康状態および生活の質のスコアの向上とも関連付けられる。
【0005】
ムスカリン受容体は身体に広く分布しているために、ムスカリンアンタゴニストに著しく全身がさらされることには、口内乾燥、便秘、散瞳、尿閉(すべて主にM受容体の遮断が媒介となる)、頻脈(M受容体の遮断が媒介となる)などの影響が随伴する。現用の臨床的に使用される非選択的ムスカリンアンタゴニストを治療量吸入投与した後の、一般に報告されている副作用は口内乾燥であり、この副作用は、強度が軽いものでしかないと報告されているが、吸入薬の投与量を制限するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、たとえば効力、薬物動態学、または作用期間に関して、また特に吸入経路による投与にとって適切な薬理学的プロフィールを有することになるM受容体アンタゴニストが依然として求められている。さらに、ムスカリン受容体アンタゴニストは、喘息やCOPDなどの慢性疾患の治療に適するので、少なくとも時々は、他の化合物と共投与されるものと思われる。すなわち、そのような化合物は、共投与される化合物との相互作用の可能性が低いことが好ましいことになる。これに関して、本発明は、新規なM受容体アンタゴニストに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式(I)の化合物
【0008】
【化2】

もしくは薬学的に許容できるその塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物に関する。式中、
Xは、−CH−、−C(=O)CH−、−C(=O)−から選択され、
は、Hもしくはメチルであり、または別法として、Xが−CH−であるとき、Rは、式:
【0009】
【化3】

の基を表していてもよく、式中、R、R、RおよびRの1つはOHであり、R、R、RおよびRの1つはハロであり、R、R、RおよびRの1つはHであり、R、R、RおよびRの1つは、Hまたはハロから選択され、
、R、RおよびRの1つはOHであり、R、R、RおよびRの1つはHであり、R、R、RおよびRの1つはハロであり、R、R、RおよびRの1つはHもしくはハロであり、または別法として、Xが−C(=O)CH−であり、Rがメチルであるとき、RはOHであってもよく、R、RおよびRはHである。
【0010】
ここで上記一般式(I)において、用語「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードからなる群から選択されるハロゲン原子を意味する。好ましいハロ基は、フルオロまたはクロロである。
【0011】
本発明による好ましい化合物は、以下のものである。
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル ナフタレン−1,5−二スルホン酸塩;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−5−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−ヒドロキシ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−ヒドロキシ−3−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[ビス−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステルおよび
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
もしくはこれらの薬学的に許容できる塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物。
【0012】
本発明によるより好ましい化合物は、以下のものである。
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−ヒドロキシ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[ビス−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;および
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
もしくはこれらの薬学的に許容できる塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物。
【0013】
本発明によるさらにより好ましい化合物は、以下のものである。
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステルおよび
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
もしくはこれらの薬学的に許容できる塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物。
【0014】
最も好ましい化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステルおよびビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル、もしくはこれらの薬学的に許容できる塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
式(I)の化合物は、様々な方法で調製することができる。以下の経路は、そうした化合物を調製するそのような方法の1つを例示するものであり、当業者ならば、他の経路も可能な限り同等に実施できることがわかるであろう。
【0016】
【化4】


式中、
10は、メチル、またはtert−ブトキシカルボニルなどの適切な保護基であり、
11は、tert−ブトキシカルボニルなどの適切な保護基であり、
10およびR11は、一緒になって、フタルイミドなどの適切な保護基を形成していてもよく、
12は、Hまたはメチルであり、
n=0または1であり、
LGは、臭化物やメシラートなどの適切な脱離基を表し、
〜RおよびXは、別段記述しない限り、式(I)の化合物について規定したとおりである。
【0017】
式(II)の化合物は、US2006/205779に記載のとおりに調製することができる。
【0018】
LGが臭化物であり、R10およびR11が両方ともtert−ブトキシカルボニルである式(III)の化合物は、WO2007/107828に記載のとおりに調製することができる。
【0019】
LGがメシラートであり、R10がメチルであり、R11がtert−ブトキシカルボニルである式(III)の化合物は、スキーム2に記載のとおりに調製することができる。
【0020】
【化5】

式中、R10はメチルであり、R11はtert−ブトキシカルボニルであり、LGはメシラートである。
【0021】
式(VIII)の化合物は、市販されている。
【0022】
式(IX)の化合物は、市販されている。
【0023】
式(X)の化合物は、式(VIII)および(IX)の化合物から、臭化物置換によって調製することができる(作業ステップ(vi))。典型的な条件は、化合物(VIII)を過剰な化合物(IX)と室温で18時間反応させる(メチルアミン、33%エタノール溶液)ことを含む。
【0024】
式(XI)の化合物は、式(X)の化合物から、Boc保護によって調製することができる(作業ステップ(vii))。典型的な条件は、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中にて、化合物(X)をBoc無水物と0℃〜室温で4時間反応させることを含む。
【0025】
式(III)の化合物は、式(XI)の化合物から、メシル化によって調製することができる(作業ステップ(viii))。典型的な条件は、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中にて、化合物(XI)を、塩化メタンスルホニル、およびトリエチルアミンなどの適切な塩基と、5℃〜室温で1時間反応させることを含む。
【0026】
LGが臭化物であり、R10がメチルであるか、またはLGがメシラートであり、R10がtert−ブトキシカルボニルであるか、またはLGがメシラートもしくは臭化物であり、R10およびR11が、一緒になってフタルイミドである式(III)の化合物は、スキーム2に記載の手順と同様の手順を使用して調製することができる。
【0027】
式(IV)の化合物は、式(II)の化合物と式(III)の化合物から、アルキル化によって調製することができる(作業ステップ(i))。典型的な条件は、ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中にて、化合物(II)を、化合物(III)、およびトリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの適切な塩基と、60℃〜70℃の間の温度で18〜48時間反応させることを含む。
【0028】
式(V)の化合物は、式(IV)の化合物から、T.W.GreeneおよびP.Wutzによる「Protecting Groups in Organic Synthesis」に記載されているような標準の方法を使用する脱保護によって調製することができる(作業ステップ(ii))。R10およびR11、またはR11がtert−ブトキシカルボニルであるとき、典型的な条件は、ジオキサンなどの適切な溶媒中にて、化合物(IV)を室温で18時間塩化水素と反応させることを含む。R10およびR11がフタルイミドを表すとき、典型的な条件は、エタノールなどの適切な溶媒中にて、化合物(IV)を90℃で3時間ヒドラジン水和物と反応させることを含む。
【0029】
式(VI)の化合物は、市販されており、文献で知られており、または当業者によって標準の手順に従い容易に調製することができる。
【0030】
式(VII)および(VIIa)の化合物は、市販されており、文献で知られており、または当業者によって標準の手順に従い容易に調製することができる。
【0031】
Xが−C(=O)CH−または−C(=O)−である式(I)の化合物は、式(V)の化合物と式(VI)の化合物から、アシル化によって調製することができる(作業ステップ(iii))。典型的な条件は、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1−メチル−2−ピロリジノン、2−メチルテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中にて、場合により1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物やN,N−ジメチルアミノピリジンなどの適切な添加剤の存在下、化合物(V)と化合物(VI)を、トリエチルアミンやN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの適切な塩基と共に、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩やO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートなどの適切なカップリング剤を用いて室温〜60℃で18〜72時間反応させることを含む。
【0032】
XがCHであり、RがHまたはメチルである式(I)の化合物は、式(V)の化合物と式(VII)の化合物から、還元的アミノ化によって調製することができる(作業ステップ(iv))。典型的な条件は、エタノール、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどの適切な溶媒中にて、場合により酢酸やチタンテトライソプロポキシドなどの適切な触媒の存在下、場合により硫酸ナトリウムなどの乾燥剤の存在下、さらに場合によりトリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下、化合物(V)を化合物(VII)と室温で1〜18時間反応させた後、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤を0℃〜室温で18〜24時間加えることを含む。
【0033】
XがCHであり、R
【0034】
【化6】

である式(I)の化合物は、XがCHであり、RがHである式(I)の化合物と、式(VIIa)の化合物から、還元的アミノ化によって調製することができる(作業ステップ(v))。典型的な条件は、化合物(I)を、作業ステップ(iv)について以前に記載したのと同様にして化合物(VIIa)と反応させることを含む。
【0035】
式(I)の化合物の調製には、すでに述べた方法に加えて、潜在する反応性官能基の保護が必要となる場合もある。そのような場合では、適合した保護基の例ならびにその特定の保護および脱保護方法が、T.W.GreeneおよびP.Wutzによる「Protecting Groups in Organic Synthesis」(Wiley−Interscience Publication、1981)またはP.J.Kocienskiによる「Protecting groups」(Georg Thieme Verlag、1994)に記載されている。
【0036】
式(I)の化合物ならびにその調製のための中間体は、よく知られた様々な方法、たとえば、結晶化またはクロマトグラフィーによって精製および単離することができる。
【0037】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩および塩基の塩が含まれる。
【0038】
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から生成されるものである。例として、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシノホ酸塩(xinofoate)が挙げられる。
【0039】
適切な塩基の塩は、非毒性の塩を形成する塩基から生成されるものである。例として、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オールアミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛の塩が挙げられる。
【0040】
酸および塩基の半塩、たとえば、半硫酸塩および半カルシウム塩を生成してもよい。
【0041】
適切な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、2002)を参照されたい。
【0042】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、以下の3通りの方法の1つまたは複数によって調製することができる。
(i)式(I)の化合物を所望の酸または塩基と反応させることによる方法、
(ii)所望の酸または塩基を使用して、式(I)の化合物の適切な前駆体から、酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去するか、または適切な環状前駆体、たとえば、ラクトンもしくはラクタムを開環することによる方法、または
(iii)式(I)の化合物のある塩を、適切な酸もしくは塩基との反応によって、または適切なイオン交換カラムによって、別の塩に変換することによる方法。
3通りの反応はすべて、通常は溶液中で実施する。得られる塩は、析出する場合もあり、濾過によって収集してもよいし、または溶媒を蒸発させて回収してもよい。得られる塩のイオン化の程度は、完全なイオン化からほとんどイオン化していない程度まで様々となり得る。
【0043】
本発明の化合物は、完全な非晶質から完全な結晶の範囲の一連の固体状態で存在してよい。用語「非晶質」とは、材料が分子レベルで長距離秩序を欠き、温度に応じて、固体または液体の物理的性質を示し得る状態を指す。通常、このような材料は、特有のX線回折パターンを与えず、固体の性質を示しながらも、より正式には液体であると記述される。加熱すると、固体の性質から液体の性質への変化が起こるが、通常は二次の状態変化を特徴とする(「ガラス転移」)。用語「結晶」とは、材料が、分子レベルで規則的な整った内部構造を有し、明確なピークを伴う特有のX線回折パターンを与える固相を指す。このような材料も、十分に加熱すると液体の性質を示すが、固体から液体への変化は、通常は一次の相変化を特徴とする(「融点」)。
【0044】
本発明の化合物はまた、溶媒和していない形態で存在しても、溶媒和した形態で存在してもよい。用語「溶媒和物」とは、本明細書では、本発明の化合物と、1個または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、たとえばエタノールとを含む分子錯体を述べるのに使用する。用語「水和物」は、前記溶媒が水であるときに用いる。
【0045】
有機水和物について現在受け入れられている分類系統は、隔離部位水和物、チャネル水和物、または金属イオン配位水和物を規定するものである。K.R.Morrisによる「Polymorphism in Pharmaceutical Solids」(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995)を参照されたい。隔離部位水和物は、水分子が、介在する有機分子によって互いとの直接の接触から隔離されている水和物である。チャネル水和物では、水分子は、格子チャネルの中に位置し、そこで他の水分子と隣り合っている。金属イオン配位水和物では、水分子は金属イオンに結合している。
【0046】
溶媒または水が堅く結合しているとき、錯体は、湿度に関係なく明確な化学量論性を有することになる。しかし、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物でのように溶媒または水の結合が弱いとき、水/溶媒含量は、湿度および乾燥条件に左右されることになる。そのような場合では、非化学量論性が標準となる。
【0047】
本発明の範囲内には、薬物および少なくとも1種の他の構成要素が化学量論量または非化学量論量で存在する(塩および溶媒和物以外の)多構成要素の錯体も含まれる。この種類の錯体としては、クラスレート(薬物−ホスト包接錯体)および共結晶が挙げられる。後者は通常、非共有結合性の相互作用によって結合し合った中性の分子成分からなる結晶性錯体であると定義されるが、中性分子と塩の錯体になる場合もあるはずである。共結晶は、溶融結晶化によって、溶媒から再結晶させて、または構成要素を物理的に擦り合わせて調製することができる。O.AlmarssonおよびM.J.ZaworotkoによるChem Commun、17、1889〜1896(2004)を参照されたい。多構成要素錯体の一般的な総説については、HaleblianによるJ Pharm Sci、64(8)、1269〜1288(1975年8月)を参照されたい。
【0048】
本発明の化合物は、適切な条件下に置かれたとき、中間状態で(中間相または液晶として)存在してもよい。中間状態とは、真の結晶状態と真の液体状態(融解物または溶液)の中間である。温度変化の結果として生じる中間状態は、「温度転移型」であると記述され、水や別の溶媒などの第二の成分を加えた結果として生じる中間状態は、「濃度転移型」であると記述される。「濃度転移型」の中間相を生成する潜在的可能性を有する化合物は、「両親媒性」であると記述され、イオン性(−COONa、−COO、−SONaなど)または非イオン性(−N(CHなど)の極性頭部基を有する分子からなる。これ以上の情報については、N.H.HartshorneおよびA.Stuartによる「Crystals and the Polarizing Microscope」、第4版(Edward Arnold、1970)を参照されたい。
【0049】
以下では、式(I)の化合物への言及はすべて、その塩、溶媒和物、多構成要素錯体、および液晶、ならびにその塩の溶媒和物、多構成要素錯体、および液晶への言及を包含する。
【0050】
本発明の化合物は、そのすべての多形体および晶癖を含めた、上で規定したような式(I)の化合物、プロドラッグ、および同位体標識された式(I)の化合物を包含する。
【0051】
指摘したように、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も、本発明の範囲内である。すなわち、それ自体は薬理活性をほとんどまたはまったくもたなくてもよい式(I)の化合物の特定の誘導体が、身体中または身体上に投与されたとき、たとえば、加水分解による切断によって、所望の活性を有する式(I)の化合物に変換されてもよい。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。プロドラッグの使用に関するこれ以上の情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)、ならびに「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(E.B.Roche、米国薬剤師会編)で見ることができる。
【0052】
本発明によるプロドラッグは、たとえば、式(I)の化合物中に存在する適切な官能基を、たとえばH.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されているように、当業者に「pro−部分」として知られている特定の部分と交換することにより生成できる。
【0053】
本発明によるプロドラッグのいくつかの例として、以下のものが挙げられる。
(i)式(I)の化合物がアルコール官能基(−OH)を含んでいる場合、そのエーテル、たとえば、式(I)の化合物のアルコール官能基の水素が(C〜C)アルカノイルオキシメチルと交換されている化合物、および
(ii)式(I)の化合物が第一級または第二級アミノ官能基(−NHまたは−NHR(R≠Hである))を含んでいる場合、そのアミド、たとえば、式(I)の化合物のアミノ官能基の、場合により一方または両方の水素が、(C〜C10)アルカノイルと交換されている化合物。
【0054】
前述の例に従う交換基(replacement group)の別の例、および他のプロドラッグタイプの例は、前掲の参照文献で見ることができる。
【0055】
また、特定の式(I)の化合物は、それ自体が他の式(I)の化合物のプロドラッグとして働く場合もある。
【0056】
本発明の範囲内には、式(I)の化合物の代謝産物、すなわち、薬物が投与されるとin vivoで生成される化合物も含まれる。本発明による代謝産物の一部の例として、以下のものが挙げられる。
(i)式(I)の化合物がメチル基を含んでいる場合、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH→−CHOH)、
(ii)式(I)の化合物がフェニル部分を含んでいる場合、そのフェノール誘導体(−Ph→−PhOH)
【0057】
本発明は、1個または複数の原子が、原子番号は同じであるが原子質量または質量数が自然界で優位を占める原子質量または質量数と異なる原子で置き換えられている、薬学的に許容できるすべての同位体標識された式(I)の化合物を包含する。
【0058】
本発明の化合物に含めるのに適する同位体の例としては、HやHなどの水素、11C、13C、14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iや125Iなどのヨウ素、13Nや15Nなどの窒素、および15O、17O、18Oなどの酸素の同位体が挙げられる。
【0059】
ある種の同位体標識された式(I)の化合物、たとえば、放射性同位体が組み込まれている式(I)の化合物は、薬物および/または基質の組織分布調査において有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわちH、およびカーボン14、すなわち14Cは、組み込みやすく、検出手段が手近にあることから、この目的に特に有用である。
【0060】
ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、代謝安定性がより高いために生じる特定の治療上の優位点、たとえば、in vivo半減期の延長または投与必要量の削減をもたらす場合があり、したがって、状況によっては好ましい場合もある。
【0061】
11C、18F、15O、13Nなどの陽電子放射同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影(PET)研究において有用となり得る。
【0062】
同位体標識された式(I)の化合物は、一般に、以前から用いられている標識されていない試薬の代わりに同位体標識された適切な試薬を使用し、当業者に知られている従来の技術によって、または付属の実施例および調製例に記載の方法と類似した方法によって調製することができる。
【0063】
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物としては、結晶化の溶媒が同位体によって置換されているもの、たとえばDO、d−アセトン、d−DMSOでよい溶媒和物が挙げられる。
【0064】
式(I)の化合物は、企図される適応症の治療に最適な剤形および投与経路を選択するために、(pH全域での)溶解性および溶液安定性、浸透性などの、その生物薬剤学的性質について評価すべきである。
【0065】
薬剤としての使用が企図される本発明の化合物は、結晶生成物または非晶質生成物として投与することができる。こうした化合物は、たとえば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法によって、固体充填物、粉末、またはフィルムとして得ることができる。マイクロ波乾燥または高周波乾燥をこの目的に使用してもよい。本発明による化合物は、結晶生成物として投与することが好ましい。
【0066】
本発明の化合物は、単独で、または1種または複数の他の本発明の化合物と組み合わせて、または1種または複数の他の薬物と組み合わせて(またはこれらのいずれかの組合せとして)投与することができる。一般に、本発明の化合物は、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤と共に、製剤として投与される。用語「賦形剤」は、本明細書では、本発明の(1種または複数の)化合物以外の任意の成分を述べるのに使用する。賦形剤の選択は、特定の投与方式、賦形剤が溶解性および安定性に及ぼす影響、剤形の種類などの要素に応じて決まるところが大きい。
【0067】
本発明の化合物の送達に適する医薬組成物およびその調製方法は、当業者には容易に明らかとなろう。そのような組成物およびその調製方法は、たとえば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995)で見ることができる。
【0068】
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るように飲み込むものでもよいし、かつ/または化合物が口から直接血流に入る頬側、舌側、または舌下投与を含んでもよい。
【0069】
経口投与に適する製剤としては、固体、半固体、および液体の系、たとえば、錠剤;多粒子、ナノ粒子、液体、または粉末を含有する軟または硬カプセル剤;(液体充填型を含めた)トローチ剤;咀嚼剤;ゲル;急速分散型剤形;フィルム;膣坐剤;スプレー;ならびに頬側/粘膜付着型パッチが挙げられる。
【0070】
液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。このような製剤は、(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製の)軟または硬カプセル中に充填剤として用いることもでき、通常は、担体、たとえば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油と、1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤とを含む。液体製剤は、たとえば、小袋から出した固体を再懸濁して調製することもできる。
【0071】
本発明の化合物は、LiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986(2001)に記載のものなどの、急速溶解急速崩壊型の剤形にして使用することもできる。
【0072】
錠剤剤形では、薬物は、用量に応じて、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的な例では剤形の5重量%〜60重量%を占めてよい。薬物に加えて、錠剤は一般に、崩壊剤も含有する。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を占めることになる。
【0073】
結合剤は一般に、錠剤製剤に粘着性の性質を与えるのに使用される。適切な結合剤としては、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成のゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、第二リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤も含有してよい。
【0074】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素やタルクなどの滑剤も場合により含んでよい。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%〜5重量%を占めてよく、滑剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%を占めてよい。
【0075】
錠剤は一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの滑沢剤も含有する。滑沢剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を占める。
【0076】
考えられる他の成分として、抗酸化剤、着色剤、着香剤、保存剤、および矯味剤が挙げられる。
【0077】
例となる錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の滑沢剤を含有する。
【0078】
錠剤ブレンドを直接にまたはローラーによって圧縮すると、錠剤を形成することができる。別法として、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部分を、湿式、乾式、もしくは溶融造粒、溶融凝固、または押出し成形の処理にかけた後に打錠することもできる。最終製剤は、1重または複数の層を含んでもよく、コーティングされていてもされていなくてもよく、さらにはカプセル封入されていてもよい。
【0079】
錠剤の製剤については、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets」、第1巻(Marcel Dekker、ニューヨーク、1980)において論述されている。
【0080】
ヒトまたは獣医学での使用向けの摂取可能な経口フィルムは通常、急速溶解型でも粘膜付着型でもよい可撓性の水溶性または水膨張性薄膜剤形であり、通常は式Iの化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調整剤、および溶媒を含む。製剤の構成成分には、複数の機能を果たし得るものもある。
【0081】
式(I)の化合物は、水溶性でも不溶性でもよい。水溶性化合物は通常、溶質の1重量%〜80重量%、より典型的な例では20重量%〜50重量%を占める。それほど可溶性でない化合物は、組成のより高い割合、通常は溶質の88重量%までを占めてよい。別法として、式(I)の化合物は、多粒子ビーズの形でもよい。
【0082】
フィルム形成ポリマーは、天然の多糖、タンパク質、または合成親水コロイドから選択されるものでよく、通常は、0.01〜99重量%の範囲、より典型的な例では30〜80重量%の範囲で存在する。
【0083】
考えられる他の成分としては、抗酸化剤、着色剤、着香剤および香味剤、保存剤、唾液腺刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を含める)、緩和剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤、ならびに矯味剤が挙げられる。
【0084】
本発明によるフィルムは通常、可剥性の支持担体または紙に塗布された水溶性薄膜を蒸発乾燥させて調製する。これは、乾燥オーブンもしくは乾燥トンネル、通常は複合塗工乾燥機にて、または凍結乾燥もしくは真空乾燥によって行うことができる。
【0085】
経口投与用の固体製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0086】
本発明の目的に適する変更型放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散や浸透性粒子および被覆粒子などの他の適切な放出技術の詳細は、VermaらによるPharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14(2001)で見られるはずである。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
【0087】
本発明の化合物は、血流中、筋肉中、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内、および皮下が挙げられる。非経口投与に適する装置としては、(微細針を含めた)針注射器、無針注射器、および注入技術が挙げられる。
【0088】
非経口製剤は通常、塩、炭水化物、(好ましくはpH3〜9にするための)緩衝剤などの賦形剤を含有してもよい水溶液であるが、一部の適用例では、無菌の非水性溶液として、または発熱物質を含まない無菌水などの適切な媒体と共に使用する乾燥形態として製剤することがより適切な場合もある。
【0089】
たとえば凍結乾燥による、無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準の製薬技術を使用して容易に実現することができる。
【0090】
非経口溶液の調製で使用する式(I)の化合物の溶解性は、溶解性改善剤を混ぜるなどの適切な製剤技術を使用して増大させることができる。
【0091】
非経口投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。したがって、本発明の化合物は、懸濁液として、または活性化合物の変更型放出をもたらす移植デポー剤として投与するための固体、半固体、もしくは揺変性液体として製剤することもできる。そのような製剤の例として、薬物でコートされたステント、ならびに薬物を内包したdl−乳酸−グリコール酸共重合体(PGLA)マイクロスフェアを含む半固体および懸濁液が挙げられる。
【0092】
本発明の化合物は、局所的に、すなわち皮膚上(内)に、または皮膚もしくは粘膜に経皮的に投与することもできる。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームを使用してもよい。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透性改善剤を混ぜてもよい。たとえば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。
【0093】
局所投与の他の手段としては、電気穿孔法、イオン導入法、音波泳動法、超音波導入法、および微細針または無針(たとえばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が挙げられる。
【0094】
局所投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0095】
本発明の化合物は、通常は(単独、たとえばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、もしくはたとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から;1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しもしくは使用せずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーからエアロゾルスプレーとして;または点鼻薬として、鼻腔内にまたは吸入によって投与することもできる。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
【0096】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、たとえば、エタノール、エタノール水溶液、または活性物を分散させ、可溶化し、もしくはその放出を延長するのに適する別の物質、溶媒としての(1種または複数の)噴射剤、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、オリゴ乳酸などの随意選択の界面活性剤を含む、本発明の(1種または複数の)化合物の溶液または懸濁液を含有する。
【0097】
乾燥粉末または懸濁液製剤にして使用する前に、薬物製品は、吸入による送達に適する大きさ(通常は5ミクロン未満)に超微粉砕される。これは、スパイラルジェット粉砕、流動層ジェット粉砕、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ、噴霧乾燥などの任意の適切な微粉砕法によって実現することができる。
【0098】
吸入器または注入器に入れて使用するためのカプセル(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製のもの)、ブリスター、およびカートリッジは、本発明の化合物の混合粉末、ラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤、およびl−ロイシン、マンニトール、ステアリン酸マグネシウムなどの性能改質剤を含有するように製剤することができる。ラクトースは、無水でも一水和物の形でもよいが、後者であることが好ましい。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが挙げられる。
【0099】
電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザーでの使用に適する溶液製剤は、1作動あたり1μg〜20mgの本発明の化合物を含有してよく、作動体積は1μl〜100μlと様々でよい。典型的な製剤は、式Iの化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含むものでよい。プロピレングリコールの代わりに使用することのできる別の溶媒としては、グリセロールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0100】
吸入/鼻腔内投与を目的とするこうした本発明の製剤に、メントールやl−メントールなどの適切な着香剤、またはサッカリンやサッカリンナトリウムなどの甘味剤を加えてもよい。
【0101】
吸入/鼻腔内投与用の製剤は、たとえばPGLAを使用して、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0102】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合では、投与量単位は、充填済のカプセル、ブリスター、もしくはポケットによって、または重量測定供給式投薬チャンバーを使用するシステムによって決定される。本発明による単位は通常、1〜5000μgの本発明による式(I)の化合物またはその塩を含有する計量された用量または「ひと吹き」を投与するように整えられる。全体としての1日量は通常、1μg〜20mgの範囲となり、これを1回で、またはより普通にはその日を通して数回に分けて投与することができる。
【0103】
式(I)の化合物は、吸入による投与に特に適する。好ましい実施形態によれば、本発明による化合物を乾燥粉末吸入器から投与する。この場合では、乾燥粉末が生成されるように、本発明による化合物にラクトースを配合すると好都合である。
【0104】
本発明の化合物は、たとえば坐剤、膣坐剤、または浣腸の形で、直腸または膣に投与することもできる。カカオ脂が旧来の坐剤基剤であるが、様々な代替品を適宜使用してよい。
【0105】
直腸/経膣投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0106】
本発明の化合物は、通常はpH調整された等張性無菌食塩水中の微粒子化懸濁液または溶液の液滴の形で、眼または耳に直接に投与することもできる。眼および耳への投与に適する他の製剤としては、軟膏、ゲル、生分解性(たとえば、吸収性のゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(たとえばケイ素樹脂)の植込錠、ウェーハ、レンズ、ならびにニオソームやリポソームなどの微粒子系またはベシクル系が挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸などのポリマー、セルロース系ポリマー、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖体ポリマー、たとえばゲランガムを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に混ぜてもよい。このような製剤は、イオン導入法によって送達することもできる。
【0107】
眼/耳への投与に向けた製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、またはプログラム放出が挙げられる。
【0108】
本発明の化合物は、上述の投与方式のいずれかでの使用に向けてその溶解性、溶解速度、矯味、生体利用度、および/または安定性を向上させるために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体やポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性の高分子物質と組み合わせることもできる。
【0109】
たとえば、薬物−シクロデキストリン錯体は、一般にほとんどの剤形および投与経路に有用であることがわかっている。包接錯体および非包接錯体のどちらを使用することもできる。薬物との直接の錯形成に代わるものとして、シクロデキストリンを、補助添加剤として、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用することもできる。そうした目的に最も一般的に使用されるのは、α、βおよびγシクロデキストリンであり、その例は、国際特許出願第WO91/11172号、第WO94/02518号、および第WO98/55148号で見ることができる。
【0110】
たとえば特定の疾患または状態を治療する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合もあるので、その少なくとも1種が本発明による化合物を含有する2種以上の医薬組成物を、組成物の共投与に適するキットの形で好都合に組み合わせてよいことは、本発明の範囲内である。
【0111】
したがって、本発明のキットは、その少なくとも1種が本発明による式(I)の化合物を含有する2種以上の別個の医薬組成物と、容器、分割されたボトル、分割されたホイル製袋などの、前記組成物を別々に保持するための手段とを含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用される、なじみ深いブリスターパックである。
【0112】
本発明のキットは、たとえば経口と非経口の、異なる剤形を投与する、別個の組成物を異なる投与間隔で投与する、または別個の組成物の用量を互いに対して漸増するのに特に適する。服薬遵守を援助するために、キットは通常、投与の説明書を含み、いわゆるメモリーエイドを添えて提供してもよい。
【0113】
ヒト患者への投与では、本発明の化合物の合計1日量は通常、当然のことながら投与方式に応じて、0.001mg〜5000mgの範囲にある。たとえば、経口投与には、0.1mg〜1000mgの合計1日量が必要となるが、静脈内用量には、0.001mg〜100mgしか必要とならない場合もある。合計1日量は、1用量または分割用量で投与することができ、医師の指示のもとで、ここで示す通常の範囲から外れてもよい。こうした投与量は、体重が約60kg〜70kgである平均的なヒト対象に基づいている。医師は、乳幼児や高齢者などの、体重がこの範囲外にある対象のための用量を容易に決定することができよう。
【0114】
疑いを避けるために、本明細書における「治療」への言及は、治癒的、姑息的、および予防的治療への言及を包含する。
【0115】
式(I)の化合物は、ムスカリン受容体と相互作用する能力を有し、そのために、以下でさらに述べるように、治療適応症が広範囲に及ぶが、それは、ムスカリン受容体が、すべての哺乳動物の生理機能において不可欠な役割を果たしているからである。
【0116】
したがって、本発明の別の態様は、ムスカリン受容体が関与する疾患、障害、および状態の治療において使用するための、式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物に関する。
【0117】
したがって、本発明はまた、ムスカリン受容体が関与する疾患、障害、および状態の治療または予防において有用な医薬を製造するための、式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物の使用に関する。
【0118】
本発明はさらに、ヒトを含めた哺乳動物をムスカリン受容体アンタゴニストで治療する方法であって、前記哺乳動物を、有効量の式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物で治療することを含む方法に関する。
【0119】
より詳細には、本発明は、以下のものからなる群から選択される疾患、障害、および状態の治療に使用するための、式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物に関する。
●慢性または急性気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞(small airways obstruction)、および肺気腫、
●あらゆる種類、病因、または病原の閉塞性または炎症性気道疾患、特に、慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を包含するCOPD、COPDに関連しまたは関連しない肺気腫または呼吸困難、不可逆性の進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法の結果として生じる気道反応亢進の増悪、および肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択されるメンバーである閉塞性または炎症性気道疾患、
●あらゆる種類、病因、または病原の気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管気管支炎、アラキジン気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息性気管支炎、増殖性気管支炎、ブドウ球菌気管支炎または連鎖球菌気管支炎、および小胞性気管支炎からなる群から選択されるメンバーである気管支炎、
●あらゆる種類、病因、または病原の喘息、特に、アトピー型喘息、非アトピー型喘息、アレルギー性喘息、アトピー型IgE仲介気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的障害によって引き起こされる内因性喘息、環境因子によって引き起こされる外因性喘息、原因が不明または未詳の本態性喘息、非アトピー型喘息、気管支炎性喘息、肺気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲン誘発喘息、冷気誘発喘息、職業喘息、細菌、真菌、原虫、またはウイルス感染によって引き起こされる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発喘息、乳児喘鳴症候群、および細気管支炎からなる群から選択されるメンバーである喘息、
●急性肺傷害、および
●あらゆる種類、病因、または病原の気管支拡張症、特に、円柱状気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、細気管支拡張症、嚢胞性気管支拡張、乾性気管支拡張、および濾胞性気管支拡張からなる群から選択されるメンバーである気管支拡張症。
【0120】
式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物は、COPDまたは喘息の治療において使用することが好ましい。
【0121】
本発明による化合物によって治療することのできる疾患、障害、および状態の他の例は、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、憩室疾患、動揺病、胃潰瘍、腸の放射線検査、BPH(良性前立腺肥大症)の対症治療、NSAIDによって誘発される胃潰瘍形成、尿失禁(切迫、頻尿、切迫尿失禁、過活動膀胱、夜間頻尿、および下部尿路症状を含む)、毛様体筋麻痺、散瞳、およびパーキンソン病である。
【0122】
COPDおよび喘息は慢性疾患であるので、治療に使用される化合物は、しばしば他の薬物と共投与される。したがって、薬物−薬物相互作用の潜在的可能性は、分子の全体としての安全性において重要な役割を果たし得る。複数の代謝経路、すなわち第I相および第II相(たとえばグルクロン酸抱合)を示す化合物は、重大な薬物−薬物相互作用を引き起こす潜在的可能性が低い。化合物の薬物−薬物相互作用の潜在的可能性は、in vitro代謝データを使用し、市販されているソフトウェア、たとえばSimcyp(登録商標)を用いてシミュレートすることができる。本発明の化合物は、第I相および第II相の両方の代謝という利点を示し、そのため薬物−薬物相互作用の潜在的可能性が先行技術と比べて低くなる。
【0123】
式(I)の(1種または複数の)化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物と組み合わせて使用することのできる他の治療薬の適切な例としては、決して限定はしないが、以下のものが挙げられる。
(a)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、
(b)LTB、LTC、LTD、およびLTEのアンタゴニストを含めたロイコトリエンアンタゴニスト(LTRA)、
(c)H1およびH3アンタゴニストを含めたヒスタミン受容体アンタゴニスト、
(d)うっ血除去薬として使用するためのα−およびα−アドレナリン受容体作動薬血管収縮薬交感神経様作動薬、
(e)PDE3、PDE4、およびPDE5阻害剤を含めたPDE阻害剤、
(f)β2受容体作動薬、
(g)テオフィリン、
(h)クロモグリク酸ナトリウム、
(i)COX阻害剤、非選択的および選択的の両方のCOX−1またはCOX−2阻害剤(NSAID)、
(j)プロスタグランジン受容体アンタゴニストおよびプロスタグランジン合成酵素の阻害剤、
(k)経口および吸入糖質コルチコステロイド、
(l)コルチコイド受容体(DAGR)の解離性作動薬、
(m)内因性の炎症性存在物に対して活性のあるモノクローナル抗体、
(n)抗腫瘍壊死因子(抗TNF−α)薬、
(o)VLA−4アンタゴニストを含めた接着分子阻害剤、
(p)キニンBおよびキニンB受容体アンタゴニスト、
(q)IgE経路の阻害剤およびシクロスポリンを含めた免疫抑制薬、
(r)マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、
(s)タキキニンNK、NK、およびNK受容体アンタゴニスト、
(t)エラスターゼ阻害剤などのプロテアーゼ阻害剤、
(u)アデノシンA2a受容体作動薬およびA2bアンタゴニスト、
(v)ウロキナーゼの阻害剤、
(w)D2作動薬などの、ドーパミン受容体に作用する化合物、
(x)IKK阻害剤などの、NFκβ経路のモジュレーター、
(y)p38MAPキナーゼ、PI3キナーゼ、JAKキナーゼ、sykキナーゼ、EGFR、MK−2などの、サイトカインシグナル伝達経路のモジュレーター、
(z)粘液溶解薬または鎮咳薬として分類することのできる薬剤、
(aa)吸入されたコルチコステロイドに対する応答を高める薬剤、
(bb)呼吸路にコロニー形成し得る微生物に対して有効な抗生物質および抗ウイルス薬、
(cc)HDAC阻害剤、
(dd)CXCR2アンタゴニスト、
(ee)インテグリンアンタゴニスト、
(ff)ケモカイン、
(gg)上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)遮断薬または上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)阻害剤、
(hh)P2Y2作動薬および他のヌクレオチド受容体作動薬、
(ii)トロンボキサンの阻害剤、
(jj)PGD合成およびPGD受容体(DP1およびDP2/CRTH2)の阻害剤、
(kk)ナイアシン、ならびに
(ll)VLAM、ICAM、およびELAMを含めた接着因子。
【0124】
本発明によれば、式(I)の化合物と、H3アンタゴニスト、β作動薬、PDE4阻害剤、ステロイド、特に糖質コルチコステロイド、アデノシンA2a受容体作動薬、p38MAPキナーゼやsykキナーゼなどのサイトカインシグナル伝達経路のモジュレーター、またはLTB、LTC、LTDおよびLTEのアンタゴニストを含めたロイコトリエンアンタゴニスト(LTRA)との組合せが好ましい。
【0125】
本発明によれば、式(I)の化合物と、
−プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニド、およびフロ酸モメタゾンを含めた、糖質コルチコステロイド、特に、全身副作用が低減されている吸入糖質コルチコステロイド、または
−特に、サルブタモール、テルブタリン、バンブテロール、フェノテロール、サルメテロール、ホルモテロール、ツロブテロールなどを含めたβ2作動薬およびその塩
との組合せがさらに好ましい。
【0126】
以下の実施例では、式(I)の化合物の調製を例示する。
【0127】
調製例
調製例1
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−(ビス(tert−ブトキシカルボニル))アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル
【0128】
【化7】

4−ピペリジニルN−(2−ビフェニルイル)カルバメート塩酸塩(US2006205779、46.6g)およびN,N−(ビス(tert−ブトキシカルボニル)−9−ブロモノニルアミン(WO2007107828、36.1g)をジメチルホルムアミド(120ml)およびトリエチルアミン(60ml)に溶かした溶液を、窒素中にて60℃で18時間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルと水(各250ml)とに分配した。有機層を分離し、水(100ml)、次いでブライン(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を蒸発乾燥させて、褐色の油状物(71.77g)を得、これを、ヘプタン:酢酸エチル:880アンモニアを60:40:0.5〜30:70:0.5(体積)で溶離液として使用する順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色の泡沫38.9gとして得た。
1H NMR
(400MHz, CDCl3) δ = 1.20-1.25 (m, 10H),
1.30-1.70 (m, 6H), 1.50 (s, 18H), 1.80-1.95 (m, 2H), 2.08-2.23 (m, 2H),
2.50-2.78 (m, 3H), 2.80-2.95 (m, 1H), 3.48-3.54 (m, 2H), 4.78-4.90 (m, 1H),
6.82 (s, 1H), 7.10-7.58 (m, 8H), 8.03-8.16 (d, 1H) ppm.
【0129】
調製例2
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩
【0130】
【化8】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−(ビス(tert−ブトキシカルボニル))アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例1、38.9g)をジクロロメタン(120ml)に溶かした後、塩酸(4Mジオキサン溶液、177ml)を少量ずつ加え、室温で18時間撹拌した。真空中で溶媒および過剰の酸を除去し、残渣を数回メタノールと共沸させて、表題化合物を無色の粉末31.98gとして得た。
1H NMR
(CDCl3, 400MHz) δ =1.25-1.43 (m, 10H),
1.75-1.89 (m, 4H), 1.99-2.08 (m, 1H), 2.13-2.17 (m, 2H), 2.24-2.33 (m, 1H),
2.48-2.52 (m, 2H), 2.82-2.91 (m, 2H), 2.93-3.06 (m, 2H), 3.48-3.52 (m, 1H),
3.63-3.67 (m, 1H), 4.77-4.85 (m, 1H), 5.06 (s, 1H), 6.77 (d, 1H), 7.11-7.24 (m,
3H), 7.31-7.51 (m, 5H), 8.00 (d, 1H), 8.31 (br s, 1H) ppm.
【0131】
調製例2a
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル
【0132】
【化9】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、5g、9.8mmol)をジクロロメタンに溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、表題化合物3.11gを得た。
1H NMR
(CDCl3, 400MHz) δ =1.26-1.30 (m, 10H),
1.38-1.48 (m, 4H), 1.64-1.73 (m, 2H), 1.91-1.97 (m, 2H), 2.15-2.20 (m, 2H),
2.27-2.31 (m, 2H), 2.65-2.69 (t, 2H), 2.70-2.74 (m, 2H), 4.70-4.75 (m, 1H),
6.59 (s, 1H), 7.11-7.14 (m, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.33-7.51 (m, 7H), 8.10 (d, 1H)
ppm.
【0133】
調製例3
9−メチルアミノ−ノナン−1−オール
【0134】
【化10】

9−ブロモノナノール(25g)にメチルアミン(33%エタノール溶液、200ml)を加え、溶液を窒素中にて室温で18時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、得られる無色の固体をジクロロメタン(200mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液(2M、100ml)、水(100ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で濃縮すると、表題化合物が黄色の油状物として得られ、放置すると凝固した。14.95g。前記化合物を調製例4でそのまま使用した。
【0135】
調製例4
(9−ヒドロキシ−ノニル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0136】
【化11】

9−メチルアミノ−ノナン−1−オール(調製例3、14.95g)を、ジクロロメタン(250ml)とトリエチルアミン(17.6g)の混合物に懸濁させ、撹拌しながら氷浴で冷却した。Boc無水物(18.8g)を5分間かけて少量ずつ加え、反応液を氷浴で1時間、次いで室温で4時間撹拌した。反応液を水(150ml)、10%クエン酸水溶液(50ml)、飽和ブライン(50ml)で洗浄し、次いで乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で濃縮して、表題化合物を黄色の液体22.95g、97%として得た。
1H NMR
(400MHz, CDCl3) δ = 1.20-1.38 (m, 10H), 1.47
(s, 9H), 1.47-1.60 (m, 4H), 2.80 (s, 3H), 3.10-3.22 (t, 2H), 3.78-3.83 (t, 2H)
ppm.
【0137】
調製例5
メタンスルホン酸9−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−ノニルエステル
【0138】
【化12】

(9−ヒドロキシ−ノニル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(調製例4、22.95g)をジクロロメタン(230mL)およびトリエチルアミン(18mL)に溶かした5℃の溶液に、塩化メタンスルホニル(7.2mL)を滴下し、粘稠な濁った溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空中で蒸発にかけて、表題化合物を淡黄色の油状物29.30gとして得た。
1H NMR
(400MHz, CDCl3) δ = 1.20-1.45 (m, 10H), 1.44
(s, 9H), 1.44-1.52 (m, 2H), 1.70-1.79 (m, 2H), 2.82 (s, 3H), 2.98 (s, 3H),
3.14-3.24 (m, 2H), 4.20-4.4.24 (t, 2H) ppm.
【0139】
調製例6
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0140】
【化13】

4−ピペリジニル−N−(2−ビフェニルイル)カルバメート塩酸塩(US2006205779、29.3g)を、ジメチルホルムアミド(250ml)中にて炭酸カリウム(46g)と共に0.5時間撹拌した。次いでメタンスルホン酸9−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−ノニルエステル(調製例5、27.7g)およびヨウ化カリウム(277mg)を加えた。反応混合物を65℃で24時間撹拌し、次いで追加のジメチルホルムアミド(100mL)を加えて、65℃でさらに24時間の撹拌を促進した。真空中で溶媒を除去し、残渣を水と酢酸エチル(各500ml)とに分配した。水層を分離し、さらなる酢酸エチル(200ml)で抽出した。有機層を合わせて飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で濃縮した。未精製の残渣(46.46g)を、酢酸エチル:ヘプタン:880アンモニア(80:20:0.5体積)を溶離液として使用する順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が無色の油状物として得られ、放置すると結晶した。30g、65%。
1H NMR
(400MHz, CDCl3) δ = 1.22-1.38 (m, 12H), 1.44
(s, 9H), 1.44-1.56 (m, 2H), 1.61-1.73 (m, 2H), 1.88-1.97 (m, 2H), 2.12-2.24 (t,
2H), 2.23-2.30 (t, 2H), 2.64-2.72 (m, 2H), 2.82 (s, 3H), 3.16-3.24 (m, 2H),
4.63- 4.78 (m, 1H), 6.60 (s, 1H), 7.08-7.56 (m, 8H), 8.03-8.15 (d, 1H) ppm.
【0141】
調製例7
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩
【0142】
【化14】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル(調製例6、18.5g)を、塩酸ジオキサン溶液(85ml、4M)中にて室温で18時間撹拌した。真空中で溶媒および過剰の酸を除去し、残渣をジクロロメタン(100ml)と2回共沸させて、表題化合物を白色の固体18.0gとして得た。
1H NMR
(400MHz, CDCl3) δ = 1.22-1.38 (m, 10H),
1.54-2.10 (m, 8H), 2.78-2.97 (m, 4H), 3.29-3.42 (m, 2H), 3.53-3.65 (m, 2H),
3.57 (s, 3H), 4.57- 4.67 (m, 1H), 4.74 (bs, 1H), 7.30-7.45 (m, 8H), 8.80-8.90
(m, 3H) 10.71-10.87 (m, 1H) ppm.
【0143】
調製例7a
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル
【0144】
【化15】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、1.355g、2.583mmol)を水(20ml)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液(6ml、6mmol)で処理した。得られる白色の懸濁液をジクロロメタン(40ml)、次いでジクロロメタン:メタノール(40ml、95:5体積)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空中で濃縮すると、表題化合物が無色のガラスとして収率96%で得られ、放置すると結晶した。1.116g。
1H NMR
(CDCl3, 400MHz): δ =1.25-1.34 (m, 10H),
1.45-1.51 (m, 2H), 1.67-1.80 (m, 4H), 1.95-1.99 (m, 2H), 2.23-2.28 (m, 2H),
2.32-2.36 (t, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.71-2.76 (m, 2H), 2.81-2.85 (t, 2H),
4.70-4.75 (m, 1H), 6.58 (s, 1H), 7.10-7.14 (t, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.33-7.50 (m,
6H), 8.08 (d, 1H) ppm.
【0145】
調製例8
4−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
【0146】
【化16】

トリフルオロ酢酸(3.6L)にヘキサメチレンテトラミン(210g、1.5mol)を少量ずつ加え、得られる混合物を78℃で加熱還流した。次いで3−クロロ−4−フルオロフェノール(210g、1.43mol)のトリフルオロ酢酸(1.4L)溶液を滴下し、混合物をもう1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣を氷水(2L)中に注ぎ、終夜撹拌した。混合物を濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル(500mL)に溶解させ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。未精製の残渣を酢酸エチル/石油エーテル(10:1体積)で洗浄して、表題化合物を白色の固体56.5g、23%として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ = 7.00-7.01 (m, 1H),
7.19-7.26 (m, 1H), 9.75 (s, 1H), 10.82 (s, 1H) ppm.
LCMS: m/z 172.9 M-
調製例9
(2,6−ジクロロ−フェノキシ)−トリエチル−シラン
【0147】
【化17】

2,6−ジクロロフェノール(16.3g、100mmol)をテトラヒドロフラン(300ml)に溶解させた。この溶液に、無水ピリジン(16.2ml、200mmol)およびクロロトリエチルシラン(22.7ml、135mmol)を加えた。得られる反応混合物を室温で18時間、次いで80℃で5時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150ml)上に注ぎ、ジクロロメタン(3×80ml)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。残渣を、ヘプタンを溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色の油状物15gとして収率54%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ = 0.83-0.89 (q, 6H),
0.99-1.03 (t, 9H), 6.80-6.84 (m, 1H), 7.23-7.26 (m, 2H) ppm.
【0148】
調製例10
2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
【0149】
【化18】

(2,6−ジクロロ−フェノキシ)−トリエチル−シラン(調製例7、12.17g、43.89mmol)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液に、sec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(1.4M、34.5ml、48.3mmol)を−72℃でゆっくりと加えた。加え終えたとき、反応液を−72℃で1時間撹拌した。次いで、反応液の温度を−65℃未満に保ちながら無水ジメチルホルムアミド(4.42ml、57.1mmol)を加えた。撹拌を−65℃で10分間、次いで−65℃から室温へと0.5時間続けた。塩化ナトリウムで飽和させた2N塩酸溶液(100ml)を加えて反応を失活させ、得られる混合物を酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層をブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。ヘプタン:ジクロロメタン(10:1体積、220ml)中で摩砕すると、表題化合物が白色の固体5.5gとして収率65%で得られた。
LCMS: m/z 188 M-
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6 ) δ 7.32 (d, 1H), 7.49 (d,
1H), 10.23 (s, 1H) ppm.
【実施例】
【0150】
(実施例1)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0151】
【化19】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、200mg、457μmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に、トリエチルアミン(191μl、1.37mmol)、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸(91.3mg、503μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(84mg、548μmol)、および(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(105mg、548μmol)を加え、混合物を室温で72時間撹拌した。得られる透明な溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)、水(5ml)、ブライン(5ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で溶媒を除去して、無色のゴム質を得た。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(99:1:0.1〜90:10:1体積)を溶離液としながらRediSep(登録商標)シリカゲルカートリッジを使用して精製して、表題化合物を白色の泡沫、収率73%、198mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.27-1.40 (m, 10H), 1.46-1.55 (m, 2H), 1.56 - 1.68 (m, 4H),
1.82-1.90 (m, 2H), 2.32-2.42 (m, 4H), 2.66-2.76 (m, 2H), 3.31-3.35 (t, 2H),
4.58-4.66 (m, 1H), 6.92 (d, J=8.19 Hz, 1H), 7.23-7.45 (m, 8H), 7.52-7.56 (m,
1H), 7.60 (dd, J=8.39, 2.15 Hz, 1H), 7.80 (d, 1H) ppm.
LCMS: m/z 592 [M+H]+, 590 M-
【0152】
(実施例2)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0153】
【化20】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2、150mg、343μmol)のエタノール(5ml)溶液に、2−フルオロ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(Synthesis、(9)、710〜12、1988;48.1mg、343μmol)、酢酸(0.02ml、343μmolより多く)、および硫酸ナトリウム(乾燥剤)を加え、混合物を窒素中にて室温で1時間撹拌した。次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加え(145mg、686μmol)、混合物を窒素中にて室温で24時間撹拌した。混合物を水(2ml)で希釈し、真空中で溶媒を除去し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)とジクロロメタン(10ml)とに分配した。有機層を分離し、ブライン(5ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で溶媒を除去して、無色のゴム質を得た。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(99:1:0.1〜95:5:0.5体積)を溶離液としながらRediSep(登録商標)シリカゲルカートリッジを使用して精製して、表題化合物を無色のゴム質、収率47%、90mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.27-1.36 (m, 10H), 1.45-1.56 (m, 4H), 1.56-1.66 (m, 2H),
1.81-1.89 (m, 2H), 2.23-2.35 (m, 4H), 2.58-2.71 (m, 4H), 3.80 (s, 2H) 4.56-4.63
(m, 1H), 6.75-6.78 (td, 1H), 6.80-6.85 (td, 1H), 6.91-6.95 (td, 1H), 7.23-7.44
(m, 8H), 7.52-7.56 (m, 1H) ppm.
LRMS: m/z 562 [M+H]+, 560 M-
【0154】
(実施例3)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0155】
【化21】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2、130mg、297μmol)と3−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(51.8mg、297μmol)から、実施例2に記載したのと同じ方法を使用して調製した。生成物をメタノール中でさらに結晶化すると、表題化合物が結晶性の白色固体、収率43%、77mgとして得られた。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26-1.41 (m, 10H), 1.45-1.53 (m, 2H), 1.57-1.67 (m, 4H),
1.80-1.89 (m, 2H), 2.23-2.35 (m, 4H), 2.62-2.70 (m, 2H), 2.74-2.78 (t, 2H),
4.00 (s, 2H), 4.56-4.63 (m, 1H), 6.76-6.79 (dd, 1H), 6.99-7.02 (dd, 1H),
7.23-7.44 (m, 8H), 7.52-7.56 (m, 1H) ppm.
LRMS: m/z 596 [M+H]+, 594 M-
【0156】
(実施例4)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0157】
【化22】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、100mg、229μmol)と3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル酢酸(46.9mg、251μmol)から、実施例1に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を白色の泡沫、収率72%、100mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.27-1.35 (m, 10H), 1.46-1.55 (m, 4H), 1.58-1.68 (m, 2H),
1.82-1.90 (m, 2H), 2.28-2.37 (m, 4H), 2.66-2.74 (m, 2H), 3.15-3.19 (t, 2H),
3.35 (s, 2H), 4.58-4.66 (m, 1H), 6.82-6.84 (d, 1H), 7.01-7.04 (1H, dd),
7.23-7.45 (m, 9H), 7.52-7.56 (m, 1H) ppm.
LCMS: m/z 606 [M+H]+
【0158】
(実施例5)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0159】
【化23】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2、130mg、297μmol)と2−クロロ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(46.5mg、297μmol)から、実施例2に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を無色のガラス、収率39%、67mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26-1.381 (m, 10H), 1.45-1.68 (m, 6H), 1.80-1.89 (m, 2H),
2.23-2.35 (m, 4H), 2.60-2.72 (m, 4H), 3.88 (s, 2H), 4.56-4.63 (m, 1H),
6.85-6.89 (2xd, 2H), 7.08-7.12 (dd, 1H), 7.23-7.44 (m, 8H), 7.52-7.56 (m,
1H) ppm.
LRMS: m/z 578-80 [M+H]+, 576-578 M-
【0160】
(実施例6)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0161】
【化24】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、2.20g、4.31mmol)と3−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(740mg、4.74mmol)から、実施例1に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を白色の泡沫、収率51%、1.26gとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.27-1.41 (m, 10H), 1.46-1.54 (m, 2H), 1.55-1.68 (m, 4H),
1.81-1.89 (m, 2H), 2.30-2.42 (m, 4H), 2.65-2.75 (m, 2H), 3.31-3.35 (t, 2H),
4.58-4.65 (m, 1H), 6.90-6.95 (dd, 1H), 7.23-7.56 (m, 11H) ppm.
LCMS: m/z 576 [M+H]+, 574 M-
【0162】
(実施例7)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0163】
【化25】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、30.0mg、68.6μmol)と4−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(11.8mg、75.4μmol)から、撹拌を5日間とする、実施例1に記載したのと同じ方法を使用して調製した。炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)を加え、混合物を2時間撹拌し、相分離カートリッジで濾過した。有機層を真空中で煮詰め、未精製の材料をHPLC方法Dによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法D 保持時間2.53分(100%面積)
ES m/z 576.316 [M+H]+
【0164】
(実施例8)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0165】
【化26】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、30.0mg、68.6μmol)と3−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(11.8mg、75.4μmol)から、実施例7に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法D:保持時間2.69分(100%面積)
ES m/z 576.316 [M+H]+
【0166】
(実施例9)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0167】
【化27】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、30.0mg、68.6μmol)と5−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(11.8mg、75.4μmol)から、実施例7に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法D:保持時間2.69分(100%面積)
ES m/z 576.316 [M+H]+
【0168】
(実施例10)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0169】
【化28】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、30.0mg、68.6μmol)と3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル酢酸(12.8mg、75.4μmol)から、実施例7に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法D:保持時間2.32分(100%面積)
ES m/z 590.332 [M+H]+
【0170】
(実施例11)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0171】
【化29】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、30.0mg、68.6μmol)と3−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸(13.0mg、75.4μmol)から、実施例7に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法D:保持時間2.68分(100%面積)
ES m/z 592.28 [M+H]+
【0172】
(実施例12)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0173】
【化30】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、30.0mg、68.6μmol)と3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(13.1mg、75.4μmol)から、実施例7に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法D:保持時間2.61分(100%面積)
ES m/z 594.307 [M+H]+
【0174】
(実施例13)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0175】
【化31】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、30.0mg、68.6μmol)と3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ安息香酸(15.6mg、75.4μmol)から、実施例7に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法D:保持時間2.91分(100%面積)
ES m/z 626.247 [M+H]+
【0176】
(実施例14)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0177】
【化32】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、45.0mg、88μmol)と4−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸(15.2mg、88μmol)から、実施例7に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法D:保持時間2.62分(100%面積)ES m/z 592.28
[M+H]+
【0178】
(実施例15)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル
【0179】
【化33】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、20.0mg、44μmol)のジクロロメタン(2ml)溶液に、トリエチルアミン(9.26μl、66μmol)、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル酢酸(8.26mg、44μmol)、およびO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート(21.8mg、58μmol)を加え、室温で5日間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、未精製の残渣を、メタノールに続いて2Mアンモニアメタノール溶液を溶離液としながらIsolute(登録商標)SCX−1カートリッジを使用して精製した。塩基性画分を減圧下で蒸発にかけ、残渣をHPLC方法Fによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法F:保持時間2.7分(100%面積)
ES m/z 620.318 [M+H]+
【0180】
別法として、表題化合物はまた、以下の手順によって調製した。
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、3.0g、5.72mmol)のジメチルホルムアミド(30ml)溶液に、トリエチルアミン(1.63ml、11.7mmol)、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル酢酸(1.28g、6.86mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(210mg、1.72mmol)、および(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(1.32g、6.86mmol)を加えた。反応液を室温で18時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)とに分配した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(96:4:0.4〜92:8:0.8体積)を溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色の泡沫1.77gとして収率50%で得た。
【0181】
50mgの表題化合物をイソプロピルアルコール、イソプロピルアセテート、または酢酸エチル(1ml、hot)に可溶化した後、室温で72時間放置し、濾過すると、表題化合物が結晶性固体として得られた。
LCMS: APCI ESI m/z 621 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.17-1.34 (m, 10H), 1.37-1.55 (m, 2H), 1.59-1.67 (m, 4H),
1.80-1.89 (m, 2H), 2.24-2.35 (m, 4H), 2.62-2.72 (m, 2H), 2.90-3.00 (d, 3H),
3.34-3.39 (m, 2H), 3.62-3.65 (d, 2H), 4.57-4.63 (m, 1H), 6.84 (d, 1H), 6.99 (d,
1H), 7.18-7.44 (m, 9H), 7.56 (d, 1H) ppm.
【0182】
(実施例16)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0183】
【化34】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、20.0mg、44μmol)と4−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(6.91mg、44μmol)から、実施例15に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法F:保持時間2.59分(100%面積)
ES m/z 590.332 [M+H]+
【0184】
(実施例17)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0185】
【化35】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、20.0mg、44μmol)と3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸(7.64mg、44μmol)から、実施例15に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法F:保持時間2.67分(100%面積)
ES m/z 606.302 [M+H]+
【0186】
別法として、表題化合物はまた、以下の手順によって調製した。
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、4.0g、8.856mmol)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液に、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸(1.69g、9.30mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(433mg、3.54mmol)、および(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(2.04g、10.6mmol)を加えた。反応液を室温で18時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(75ml)と水(75ml)とに分配した。水層を酢酸エチル(75ml)でさらに抽出し、有機層を合わせてブライン(75ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をメタノール/水(100ml/20ml)に溶解させ、炭酸カリウム(9.8g、70.9mmol)で処理し、50℃で3時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(75ml)と水(75ml)とに分配した。塩酸水溶液を加えて水層をpH8に調整し、酢酸エチル(75ml)でさらに抽出した。有機抽出物を合わせてブライン(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチル:メタノール:880アンモニア(100:0:0〜90:10:1体積)を溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色の泡沫1.1gとして収率25%で得た。
【0187】
150mgの表題化合物をアセトニトリル(4ml)に懸濁させ、加熱還流し、次いで室温に冷ました。得られる油状物/溶媒の混合物を、結晶化が起こるまで80℃に加熱し、次いで室温に冷ました。固体を濾過によって収集して、表題化合物を白色の結晶性固体102mgとして得た。
LCMS: APCI ESI m/z 606 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ = 1.11-1.23 (m, 10H),
1.30-1.44 (m, 4H), 1.46-1.54 (m, 2H), 1.65-1.73 (m, 2H), 1.99-2.07 (m, 2H),
2.15-2.21 (m, 2H), 2.51-2.58 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 3.15-3.19 (m, 2H),
4.37-4.45 (m, 1H), 6.95 (d, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.24-7.42 (m, 9H), 8.54 (d, 1H)
ppm.
【0188】
(実施例18)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル
【0189】
【化36】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、20.0mg、44μmol)と3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル酢酸(8.29mg、49μmol)から、実施例15に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法F:保持時間2.6分(100%面積)
ES m/z 604.347 [M+H]+
【0190】
(実施例19)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0191】
【化37】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2、159mg、0.363mmol)、4−クロロ−3−ヒドロキシ安息香酸(56.4mg、0.327mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(55.6mg、0.363mmol)をジクロロメタン(2ml)とジメチルホルムアミド(1ml)の混合物に溶かした溶液に、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(69.6mg、0.363mmol)を加え、窒素中にて室温で24時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン(40ml)と飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30ml)とに分配した。層を分離し、水層をさらなるジクロロメタン(40ml)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空中で溶媒を除去し、未精製の残渣を、酢酸エチル:メタノール:880アンモニア、98:2:0.2〜90:10:1(体積)を溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色の泡沫、収率63%、135mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26-1.41 (m, 10H), 1.47-1.54 (m, 2H), 1.56-1.66 (m, 4H), 1.80-1.89
(m, 2H), 2.26-2.37 (m, 4H), 2.63-2.72 (m, 2H), 3.28-3.35 (m, 2H), 4.58-4.64 (m,
1H), 7.18-7.44 (m, 11H), 7.56 (d, J=7.80 Hz, 1H) ppm.
LCMS: APCI ESI m/z 592 [M+H]+
【0192】
(実施例20)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0193】
【化38】


表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2、159mg、0.363mmol)と2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(51.0mg、0.327mmol)から、実施例19に記載したのと同じ方法を使用して、無色のガラス、収率70%、147mgとして調製した。
1H NMR (400
MHz, メタノール-d4) δ =
1.26-1.41 (m, 10 H), 1.47-1.54 (m, 2 H), 1.56 - 1.69 (m, 4 H), 1.79-1.89 (m, 2
H), 2.26-2.37 (m, 4 H), 2.63-2.72 (m, 2 H), 3.30-3.32 (m, 2 H), 4.58-4.64 (m, 1
H), 6.52-6.55 (m, 1 H), 6.63-6.66 (m, 1 H), 7.24 - 7.44 (m, 8 H), 7.56 (d,
J=7.80 Hz, 1 H) 7.59-7.63 (m, 1H) ppm.
LCMS: APCI ESI m/z 576 [M+H]+
【0194】
(実施例21)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0195】
【化39】


表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2、159mg、0.363mmol)と2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸水和物(62.3mg、0.327mmol)から、実施例19に記載したのと同じ方法を使用して、無色のガラス、収率75%、162mgとして調製した。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.27-1.44 (m, 10 H), 1.47-1.54 (m, 2 H), 1.56-1.68 (m, 4 H),
1.80-1.90 (m, 2 H), 2.27-2.37 (m, 4 H), 2.65-2.72 (m, 2 H), 3.30 - 3.31 (m, 2
H), 4.56-4.65 (m, 1 H), 6.72-6.75 (m, 1 H), 6.82-6.83 (m, 1 H), 7.23-7.44 (m, 9
H), 7.54-7.56 (m, 1H) ppm.
LCMS: ESI m/z 592 [M+H]+
【0196】
(実施例22)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0197】
【化40】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2、0.5g)および3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.187g)を、室温でジクロロメタン(9ml)に溶解させた。酢酸(一滴)を加えた後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを、100mgずつ、約20分隔てて3回で加えた。得られる混合物を窒素中にて室温で21時間撹拌し、次いでジクロロメタン(20mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)とに分配した。有機相を分離し、ブライン(2×10ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発にかけて、白色の固体を得、これを、ジクロロメタン:メタノール:880アンモニア、96:4:0.5〜90:10:0.5(体積)を溶離液として使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色の固体312mgとして得た。
1H NMR
(400Mhz, CD3OD) δ = 1.24-1.70 (m, 14H),
1.83-1.94 (m, 2H), 2.24-2.38 (m, 4H), 2.61-2.63 (m, 2H), 2.63-2.75 (m, 2H),
2.81-2.86 (m, 2H), 3.82 (s, 2H), 4.60-4.64 (m, 1H), 7.19 (s, 2H), 7.23-7.44 (m,
8H), 7.52-7.60 (d, 1H) ppm.
【0198】
別法として、表題化合物はまた、以下の手順によって単離した。
表題化合物(306mg)のメタノール(5ml)溶液を加熱して、透明な溶液を得、次いで室温に冷ました。得られる固体を濾過し、真空乾燥して、表題化合物を結晶性の白色固体190mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d) δ =: 1.15-1.28 (m, 10H), 1.32-1.47
(m, 6H), 1.67-1.75 (m, 2H), 2.01-2.10 (m, 2H), 2.17-2.23 (m, 2H), 2.54-2.60 (m,
2H), 3.16 (s, 2H), 3.60 (s, 2H), 4.39-4.47 (m, 1H), 7.19 (s, 2H), 7.25-7.43 (m,
9H), 8.60 (s, 1H) ppm.
【0199】
(実施例22a)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル ナフタレン−1,5−二スルホン酸塩
【0200】
【化41】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル(実施例22、306mg)をメタノール(3ml)中で加熱して、透明な溶液を得た後、ナフタレン−1,5−二スルホン酸(180mg)のメタノール(1ml)溶液を加えた。室温で2時間経過後、得られる固体を濾過し、真空乾燥して、表題化合物を結晶性固体412mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d) δ = 1.13-1.25 (m, 10H), 1.48-1.58 (m,
4H), 1.73-2.03 (m, 2H), 2.79-3.03 (m, 6H), 3.27-3.50 (m, 4H), 4.03-4.08 (t,
2H), 4.72-4.77 (m, 1H), 7.30-7.45 (m, 11H), 7.54 (m, 2H), 7.93-7.95 (d, 2H),
8.54-8.61 (bs, 2H), 8.86-8.88 (d, 2H) ppm.
【0201】
(実施例23)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0202】
【化42】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に、トリエチルアミン(28.7μl、206μmol)、2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(12.5mg、72μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(12.6mg、82.3μmol)、および(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(15.8mg、82.3μmol)を加え、室温で18時間撹拌した。得られる透明な溶液をジクロロメタン(5ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)で希釈し、10分間激しく撹拌した。得られる二相性の溶液を、相分離カートリッジを使用して分離し、有機層を濃縮して、白色の泡沫を得た。残渣をHPLC方法Dによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法D:保持時間2.61分(100%面積)ES m/z 594.307
[M+H]+
【0203】
(実施例24)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0204】
【化43】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と5−クロロサリチル酸(12.4mg、72μmol)から、実施例23に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が橙色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Dによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法D:保持時間2.87分(100%面積)
ES m/z 590.286 [M+H]+
【0205】
(実施例25)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0206】
【化44】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−安息香酸(14.9mg、72μmol)から、実施例23に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が白色の泡沫として得られた。残渣をHPLC方法Dによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法D:保持時間2.68分(100%面積)
ES m/z 626.247 [M+H]+
【0207】
(実施例26)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0208】
【化45】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と2−ヒドロキシ−4−フルオロ−安息香酸(10.7mg、72μmol)から、実施例23に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が無色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Dによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法D:保持時間2.82分(100%面積)
ES m/z 576.316 [M+H]+
【0209】
(実施例27)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0210】
【化46】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)およびトリエチルアミン(9.5μl、68.5μmol)をエタノール(1ml)に溶かした溶液に、3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(10.8mg、68.5μmol)、酢酸(4μl、68.5μmolより多く)、および硫酸ナトリウムを加え、窒素中にて室温で1時間撹拌した。次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え(8.6mg、137μmol)、混合物を窒素中にて室温で18時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン(3ml)および炭酸水素ナトリウム溶液(3ml)で溶解させた。得られる二相性の溶液を10分間激しく撹拌し、次いで相分離カートリッジを使用して分離し、有機層を真空中で濃縮して、黄色のゴム質を得た。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.42分(100%面積)
ES m/z 580.327[M+H]+
【0211】
(実施例28)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0212】
【化47】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロ−ベンズアルデヒド(13.1mg、68.5μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.34分(100%面積)
ES m/z 612.268 [M+H]+
【0213】
(実施例29)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0214】
【化48】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と3,5−ジフルオロ−サリチルアルデヒド(10.8mg、68.5μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.28分(100%面積)
ES m/z 580.327 [M+H]+
【0215】
(実施例30)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0216】
【化49】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と2−ヒドロキシ−3−フルオロ−ベンズアルデヒド(9.6mg、68.5μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.19分(100%面積)
ES m/z 562.337 [M+H]+
【0217】
(実施例31)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0218】
【化50】


表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と3,5−ジクロロ−サリチルアルデヒド(13.1mg、68.5μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.28分(100%面積)
ES m/z 612.268 [M+H]+
【0219】
(実施例32)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0220】
【化51】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と2−ヒドロキシ−5−クロロ−ベンズアルデヒド(10.7mg、68.5μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.51分(100%面積)
ES m/z 578.307 [M+H]+
【0221】
(実施例33)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0222】
【化52】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−フルオロ−ベンズアルデヒド(調製例8、12.0mg、68.5μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.34分(100%面積)ES m/z 596.298
[M+H]+
【0223】
(実施例34)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0224】
【化53】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(10.7mg、68.5μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.20分(100%面積)
ES m/z 578.307 [M+H]+
【0225】
(実施例35)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−5−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0226】
【化54】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、35mg、68.5μmol)と2−ヒドロキシ−5−フルオロ−ベンズアルデヒド(9.6mg、68.5μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質として得られた。残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.27分(100%面積)
ES m/z 562.337 [M+H]+
【0227】
(実施例36)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−ヒドロキシ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0228】
【化55】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、100mg、196μmol)と3−ヒドロキシ−4−フルオロ−ベンズアルデヒド(27.4mg、196μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物が黄色のゴム質(110mg)として得られた。残渣を、酢酸エチル:メタノール:0.88アンモニア(95:5:0.5〜90:10:1.0体積)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を無色のゴム質、収率68%、75mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.27-1.34 (m, 10H), 1.46-1.55 (m, 4H), 1.58-1.65 (m, 2H),
1.81-1.88 (m, 2H), 2.23-2.34 (m, 4H), 2.58-2.62 (t, 2H), 2.64-2.69 (m, 2H),
3.68 (s, 2H), 4.56-4.62 (m, 1H), 6.67-6.71 (m, 1H), 6.85-6.88 (dd, 1H),
6.93-6.98 (m, 1H), 7.23-7.44 (m, 8H), 7.53-7.57 (m, 1H) ppm.
LCMS: APCI ESI m/z 562 [M+H]+
【0229】
(実施例37)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0230】
【化56】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、100mg、196μmol)と3−ヒドロキシ−2,4−ジクロロベンズアルデヒド(37.4mg、196μmol)から、実施例27に記載したのと同じ方法を使用して調製すると、粗生成物がオフホワイトの泡沫(127mg)として得られた。残渣を、酢酸エチル:メタノール:0.88アンモニア(95:5:0.5〜85:15:1.5体積)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を橙色のゴム質、収率76%、91mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 1.26-1.40 (m, 10H), 1.47-1.54 (m, 2H), 1.58-1.66 (m, 4H),
1.83-1.91 (m, 2H), 2.38-2.42 (m, 4H), 2.74-2.78 (m, 2H), 2.82-2.84 (m, 2H),
4.02 (s, 2H), 4.60-4.64 (m, 1H), 6.58-.6.51 (m, 1H), 7.17-7.19 (d, 1H),
7.22-7.48 (m, 8H), 7.56-7.60 (m, 1H).
LCMS: APCI ESI m/z 612 [M+H]+,
610 [M-]
【0231】
別法として、表題化合物を以下の手順によって調製した。
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2a、3.11g、7.116mmol)をエタノール(60ml)に溶解させ、これに3−ヒドロキシ−2,4−ジクロロベンズアルデヒド(2.04g、10.7mmol)を加えた後、チタンテトライソプロポキシド(4.17ml、14.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(808mg、21.3mmol)を30分間かけて少量ずつ加えた。反応液を室温に温め、4時間撹拌した。水(10ml)を滴下して反応を失活させ、室温で18時間放置しておいた。混合物をジクロロメタン(200ml)と1N塩酸水溶液とに分配した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150ml)、ブライン(150ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(95:5:0.5〜90:10:1体積)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を白色の泡沫1.99gとして収率46%で得た。
【0232】
70mgの表題化合物を熱メタノール(5ml)に溶解させ、次いでゆっくりと室温に冷まし、18時間放置しておいた。得られる固体を濾過によって収集して、表題化合物を白色の結晶性固体50mgとして得た。
LCMS: APCI ESI m/z 612 [M+H]+,
610 [M-]
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26-1.40 (m, 10H), 1.47-1.54 (m, 2H), 1.58-1.66 (m, 4H),
1.83-1.91 (m, 2H), 2.38-2.42 (m, 4H), 2.74-2.78 (m, 2H), 2.82-2.84 (m, 2H),
4.02 (s, 2H), 4.60-4.64 (m, 1H), 6.58-.6.51 (m, 1H), 7.17-7.19 (d, 1H),
7.22-7.48 (m, 8H), 7.56-7.60 (m, 1H) ppm.
【0233】
(実施例38)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−ヒドロキシ−3−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル
【0234】
【化57】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例2、100mg、196μmol)と4−ヒドロキシ−3−フルオロ−ベンズアルデヒド(27.4mg、196μmol)から、実施例37に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を無色のゴム質、収率68%、75mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.21-1.36 (m, 10H), 1.44-1.55 (m, 4H), 1.56-1.65 (m, 2H),
1.78-1.87 (m, 2H), 2.21-2.35 (m, 4H), 2.57-2.68 (m, 4H), 3.67 (s, 2H),
4.56-4.63 (m, 1H), 6.79-6.84 (m, 1H), 6.89-6.93 (m, 1H), 7.00-7.03 (m, 1H),
7.23-7.42 (m, 8H), 7.53-7.58 (m, 1H) ppm.
LCMS: APCI ESI m/z 562 [M+H]+,
584 [M+Na]+
【0235】
(実施例39)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[ビス−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0236】
【化58】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−アミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例2、130mg、297μmol)と2−クロロ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(46.5mg、297μmol)から、実施例2に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を白色の泡沫、収率15%、32mgとして得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.16-1.32 (m, 10H), 1.45-1.55 (m, 4H), 1.58-1.69 (m, 2H),
1.79-1.92 (m, 2H), 2.24-2.37 (m, 4H), 2.45-2.48 (t, 2H), 2.63-2.74 (m, 2H),
3.67 (s, 4H), 4.57-4.64 (m, 1H), 6.77-6.79 (m, 2H), 7.02-7.07 (m, 4H),
7.23-7.44 (m, 8H), 7.53-7.57 (m, 1H) ppm.
LCMS: m/z 718-20 [M+H]+, 716-717 M-
【0237】
(実施例40)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0238】
【化59】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.0mg、89μmol)をエタノール(0.5ml)に溶解させ、3−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(12.5mg、89μmol)を含有する反応容器に加えた。次いで反応混合物に酢酸(5.1μl、90μmol)および硫酸ナトリウム(乾燥剤)を加え、得られる混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(38mg、178μmol)を含有するエタノール(0.5ml)を加え、反応液を室温で18時間撹拌した。さらなるトリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(19mg、89μmol)を加え、反応液をさらに24時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン(2ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2ml)とに分配した。水相を分離し、さらなるジクロロメタン(1ml)で抽出した。有機層を合わせて真空中で濃縮し、残渣をHPLC方法Aによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法A:保持時間2.28分(100%面積)
ES m/z 576 [M+H]+.
【0239】
(実施例41)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0240】
【化60】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.0mg、89μmol)と4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(17.0mg、89μmol)から、実施例40に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法A:保持時間2.27分(100%面積)
ES m/z 626 [M+H]+.
【0241】
(実施例42)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0242】
【化61】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、150mg、0.332mmol)をジクロロメタン(3ml)に溶解させた。これに、4−フルオロ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(Bioorg.Med.Chem、2001、9、677;51.1mg、0.365mmol)、酢酸(19.0μl、0.332mmol)、およびトリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(141mg、0.664mmol)を加えた。得られる混合物を室温で18時間撹拌した。2M炭酸ナトリウム水溶液(5ml)で反応を失活させ、次いで酢酸エチル(20ml)と水(20ml)とに分配した。有機層をブライン(20ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で濃縮した。未精製の残渣を、ジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(100:0:0〜90:10:1体積)を溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色の油状物53mgとして収率28%で得た。
LCMS: ESI m/z 576 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.27-1.34 (m, 10H), 1.46-1.55 (m, 4H), 1.59-1.67 (m, 2H),
1.81-1.89 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.25-2.39 (m, 6H), 2.63-2.71 (m, 2H), 3.43 (s,
2H), 4.57-4.63 (m, 1H), 6.69-6.74 (m, 1H), 6.88 (d, 1H), 6.94-6.99 (m, 1H),
7.23-7.44 (m, 8H), 7.55 (d, 1H) ppm.
【0243】
(実施例43)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0244】
【化62】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、200mg、0.443mmol)をジクロロエタン(5ml)に溶解させた。これに4−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(調製例8、73.7mg、0.422mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(125mg、0.591mmol)を加え、混合物を室温でさらに18時間撹拌した。水(1ml)を滴下して反応を失活させ、真空中で溶媒を除去した。残渣をジクロロメタン(20ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)とに分配し、有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、次いで真空中で濃縮した。未精製の残渣を、ジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(100:0:0〜95:5:0.5体積)を溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色の油状物121mgとして収率45%で得た。
LCMS: ESI m/z 610 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.28-1.35 (m, 10H), 1.48-1.68 (m, 6H), 1.82-1.89 (m, 2H), 2.29
(s, 3H), 2.32-2.40 (m, 4H), 2.48-2.52 (m, 2H), 2.67-2.74 (m, 2H), 3.68 (s, 2H),
4.59-4.65 (m, 1H), 6.77 (d, 1H), 6.93 (d, 1H), 7.23-7.44 (m, 8H), 7.56 (d, 1H)
ppm.
【0245】
(実施例44)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0246】
【化63】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、150mg、0.332mmol)と3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(57.2mg、0.365mmol)から、実施例42に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を白色の泡沫142mgとして収率72%で得た。
LCMS: ESI m/z 592 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26-1.33 (m, 10H), 1.46-1.55 (m, 4H), 1.57-1.67 (m, 2H),
1.80-1.89 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.24-2.39 (m, 6H), 2.62-2.71 (m, 2H), 3.42 (s,
2H), 4.56-4.63 (m, 1H), 6.85 (d, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.23-7.44 (m, 9H), 7.55 (d,
1H) ppm.
【0247】
(実施例45)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0248】
【化64】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、150mg、0.332mmol)と3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(51.1mg、0.365mmol)から、実施例42に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を白色の泡沫37mgとして収率19%で得た。
LCMS: ESI m/z 576 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26-1.34 (m, 10H), 1.47-1.56 (m, 4H), 1.58-1.67 (m, 2H),
1.81-1.89 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.25-2.40 (m, 6H), 2.63-2.72 (m, 2H), 3.44 (s,
2H), 4.57-4.65 (m, 1H), 6.82-6.92 (m, 2H), 7.02 (d, 1H), 7.23-7.44 (m, 8H), 7.55
(d, 1H) ppm.
【0249】
(実施例46)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0250】
【化65】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.0mg、89μmol)と5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(13.9mg、89μmol)から、実施例40に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法A:保持時間2.43分(100%面積)
ES m/z 592 [M+H]+.
【0251】
(実施例47)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0252】
【化66】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.0mg、89μmol)と5−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(12.5mg、89μmol)から、実施例40に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法A:保持時間2.27分(100%面積)
ES m/z 576 [M+H]+.
【0253】
(実施例48)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0254】
【化67】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル(調製例7a、1.116g、2.583mmol)をジクロロエタン(25ml)に溶解させ、これに、2−クロロ−3−ヒドロキシベンズアルデヒドを加えた。得られる混合物を室温で15分間撹拌してから、トリ(アセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(733mg、3.46mmol)を加えた。次いで反応液を室温で18時間撹拌した。水(2ml)を加えて反応を失活させ、真空中で溶媒を除去した。残渣をジクロロメタン:メタノール(50ml、95:5体積)と水(20ml)とに分配した。有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空中で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(97:3:0.3〜94:6:0.6体積)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を無色のガラス1.12gとして収率77%で得た。
LCMS: ESI m/z 592 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26-1.35 (m, 10H), 1.45-1.66 (m, 6H), 1.81-1.87 (m, 2H), 2.23
(s, 3H), 2.24-2.34 (m, 4H), 2.42-2.45 (m, 2H), 2.62-2.70 (m, 2H), 3.61 (s, 2H),
4.57-4.63 (m, 1H), 6.83 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 7.06-7.10 (m, 1H), 7.22-7.44 (m,
8H), 7.55 (d, 1H) ppm.
【0255】
(実施例48a)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル ナフタレン−1,5−二スルホン酸塩
【0256】
【化68】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル(実施例48、87mg、0.15mmol)をメタノール(5ml)に溶解させ、これにナフタレン−1,5−二スルホン酸(42.4mg、0.15mmol)を加えた。混合物を2.5時間撹拌し、真空中で溶媒を減らして白色の沈殿を得、これを濾過によって収集して、表題化合物を白色の固体101mgとして収率78%で得た。
【0257】
(実施例49)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0258】
【化69】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.0mg、89μmol)と3−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(15.5mg、89μmol)から、実施例40に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法A:保持時間2.37分(100%面積)
ES m/z 610 [M+H]+.
【0259】
(実施例50)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0260】
【化70】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、150mg、0.332mmol)と3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(69.7mg、0.365mmol)から、実施例42に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を白色の泡沫91mgとして収率44%で得た。
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.23-1.34 (m, 10H), 1.45-1.56 (m, 4H), 1.64-1.75 (m, 2H),
1.89-1.97 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.42-2.52 (m, 6H), 2.72-2.81 (m, 2H), 3.53 (s,
2H), 4.62-4.69 (m, 1H), 7.19 (s, 2H), 7.23-7.44 (m, 8H), 7.55 (d, 1H) ppm.
LCMS: ESI m/z 624 [M-H]-
【0261】
(実施例51)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0262】
【化71】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、200mg、0.443mmol)と2−フルオロ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(Journal of Medicinal Chemistry、1986、29(10)、1982〜8;59.1mg、0.422mmol)から、実施例43に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物を、酢酸エチル:メタノール:0.88アンモニア(100:0:0〜95:5:0.5体積)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を無色の油状物156mgとして収率61%で得た。
LCMS: ESI m/z 576 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.27-1.33 (m, 10H), 1.46-1.66 (m, 6H), 1.81-1.87 (m, 2H), 2.21
(s, 3H), 2.24-2.34 (m, 4H), 2.37-2.41 (m, 2H), 2.61-2.69 (m, 2H), 3.56 (s, 2H),
4.56-4.63 (m, 1H), 6.76-6.79 (m, 1H), 6.81-6.86 (m, 1H), 6.90-6.94 (m, 1H),
7.22-7.44 (m, 8H), 7.56 (d, 1H) ppm.
【0263】
(実施例52)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0264】
【化72】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.0mg、89μmol)と3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(17.0mg、89μmol)から、実施例40に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法A:保持時間2.34分(100%面積)
ES m/z 626 [M+H]+.
【0265】
(実施例53)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0266】
【化73】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、150mg、0.332mmol)と3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(57.7mg、0.365mmol)から、実施例42に記載したのと同じ方法を使用して調製して、表題化合物を白色の泡沫80mgとして収率41%で得た。
LCMS: ESI m/z 592 [M-H]-
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.25-1.34 (m, 10H), 1.46-1.56 (m, 4H), 1.61-1.71 (m, 2H),
1.83-1.92 (m, 2H), 2.26 (s, 3H), 2.35-2.46 (m, 6H), 2.68-2.77 (m, 2H), 3.48 (s,
2H), 4.60-4.66 (m, 1H), 6.85 (d, 2H), 7.22-7.44 (m, 8H), 7.55 (d, 1H) ppm.
【0267】
(実施例54)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0268】
【化74】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、200mg、0.443mmol)と2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(調製例10、80.6mg、0.422mmol)から、実施例43に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物を、酢酸エチル:メタノール:0.88アンモニア(100:0:0〜95:5:0.5体積)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を無色の油状物176mgとして収率63%で得た。
LCMS: ESI m/z 626 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26-1.34 (m, 10H), 1.46-1.59 (m, 4H), 1.63-1.71 (m, 2H),
1.85-1.93 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.39-2.43 (m, 4H), 2.53-2.57 (m, 2H),
2.69-2.77 (m, 2H), 3.70 (s, 2H), 4.60-4.66 (m, 1H), 6.77 (d, 1H), 7.18 (d, 1H),
7.23-7.44 (m, 8H), 7.55 (d, 1H) ppm.
【0269】
(実施例55)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0270】
【化75】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.0mg、89μmol)と3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(14.1mg、89μmol)から、実施例40に記載したのと同じ方法を使用して調製した。
LCMS方法A:保持時間2.19分(100%面積)
ES m/z 594 [M+H]+.
【0271】
(実施例56)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0272】
【化76】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)をジメチルホルムアミド(0.5ml)に溶解させ、3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ安息香酸(18.4mg、89μmol)を含有する反応容器に加えた。次いで反応混合物に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(16.4mg、107μmol)のジメチルホルムアミド(0.2ml)溶液、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(20.5mg、107μmol)のジメチルホルムアミド(0.4ml)溶液、およびジイソプロピルエチルアミン(38.7μl、222μmol)を加えた。反応液を室温で24時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン(2ml)と水(2ml)とに分配した。水相をさらなるジクロロメタン(1ml)で抽出し、有機層を合わせて真空中で濃縮した。未精製の残渣をHPLC方法Gによって精製して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間2.98分(100%面積)
ES m/z 640 [M+H]+.
【0273】
(実施例57)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0274】
【化77】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と3−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸(15.4mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.06分(100%面積)
ES m/z 606 [M+H]+.
【0275】
(実施例58)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0276】
【化78】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(15.5mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間2.87分(100%面積)
ES m/z 608 [M+H]+.
【0277】
(実施例59)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0278】
【化79】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と3−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(13.9mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.13分(100%面積)
ES m/z 590 [M+H]+.
【0279】
(実施例60)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0280】
【化80】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と4−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸(15.4mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.45分(100%面積)
ES m/z 606 [M+H]+.
【0281】
(実施例61)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0282】
【化81】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(13.9mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.47分(100%面積)
ES m/z 590 [M+H]+.
【0283】
(実施例62)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0284】
【化82】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と4−クロロ−3−ヒドロキシ安息香酸(15.4mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.15分(95%面積)
ES m/z 606 [M+H]+.
【0285】
(実施例63)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0286】
【化83】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(13.9mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.32分(94%面積)
ES m/z 590 [M+H]+.
【0287】
(実施例64)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0288】
【化84】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、2.5g、5.5mmol)をテトラヒドロフラン(85ml)に溶解させた。この溶液に、2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(1.16g、6.64mmol)、トリエチルアミン(1.0ml、7.21mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(235mg、1.92mmol)、および(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(1.49g、7.75mmol)を加えた。反応混合物を室温で15分間、次いで60℃で18時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(100ml)と水(75ml)とに分配した。水層を酢酸エチル(100ml)でさらに抽出し、有機層を合わせて乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空中で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(100:0:0〜95:5:0.5体積)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を無色の油状物1.36gとして収率40%で得た。
LCMS: ESI m/z 608 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.29-1.41 (m, 10H), 1.47-1.54 (m, 4H), 1.61-1.73 (m, 2H),
1.81-1.95 (m, 2H), 2.35-2.54 (m, 4H), 2.68-2.83 (m, 2H), 2.94-3.07 (m, 3H),
3.25-3.28 (m, 1H), 3.50-3.54 (m, 1H), 4.58-4.69 (m, 1H), 6.69-6.76 (m, 1H),
6.85-6.93 (m, 1H), 7.23-7.44 (m, 7H), 7.55 (d, 1H), 8.06 (d, 1H) ppm.
【0289】
(実施例65)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0290】
【化85】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸水和物(17.0mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.54分(95%面積)
ES m/z 606 [M+H]+.
【0291】
(実施例66)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル
【0292】
【化86】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、2.50g、5.54mmol)と3−ヒドロキシフェニル酢酸(1.01g、6.64mmol)から、実施例64に記載したのと同じ方法を使用して調製した。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(100:0:0〜90:10:1体積)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、表題化合物を無色の油状物1.01gとして収率31%で得た。
【0293】
100mgの表題化合物をヘプタンに懸濁させ、50℃で18時間、次いで室温で2日間かけてスラリーにした。固体を濾過によって収集して、表題化合物を白色の結晶性固体57mgとして得た。
LCMS: ESI m/z 586 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.22-1.33 (m, 10H), 1.36-1.54 (m, 4H), 1.58-1.67 (m, 2H),
1.80-1.88 (m, 2H), 2.24-2.35 (m, 4H), 2.63-2.70 (m, 2H), 2.90-2.99 (m, 3H),
3.33-3.39 (m, 2H), 3.66-3.68 (d, 2H), 4.57-4.62 (m, 1H), 6.64-6.71 (m, 3H),
7.09-7.13 (m, 1H), 7.23-7.44 (m, 8H), 7.55 (d, 1H) ppm.
【0294】
(実施例67)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0295】
【化87】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と5−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(13.9mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.95分(100%面積)
ES m/z 590 [M+H]+.
【0296】
(実施例68)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0297】
【化88】

表題化合物は、ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、40.2mg、89μmol)と5−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸(15.4mg、89μmol)から、実施例56に記載したのと同じ方法を使用して調製した。粗生成物をHPLC方法Fによって精製し、HPLC方法Gによって分析して、表題化合物を得た。
LCMS方法G:保持時間3.78分(100%面積)
ES m/z 606 [M+H]+.
【0298】
(実施例69)
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
【0299】
【化89】

ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−メチルアミノ−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル二塩酸塩(調製例7、4.47g、9.90mmol)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液に、3−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(1.85g、11.9mmol)、トリエチルアミン(2.07ml、14.8mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(484mg、3.96mmol)、および(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(2.66g、13.9mmol)を加えた。混合物を室温で15分間、次いで60℃で18時間撹拌した。さらなる3−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(308mg、2.0mmol)を加え、反応液を60℃でさらに18時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(200ml)と水(150ml)とに分配した。水層を酢酸エチル(200ml)でさらに抽出し、有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をメタノール/水(115ml/23ml)に溶解させ、炭酸カリウム(12.9g、93.2mmol)で処理し、50℃で18時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン(200ml)と水(200ml)とに分配した。有機層をブライン(100ml)で洗浄し、真空中で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(100:0:0〜95:5:0.5体積)を溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を油性の泡沫3.01gとして収率52%で得た。
LCMS: APCI ESI m/z 590 [M+H]+
1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.12-1.40 (m, 10H), 1.45-1.54 (m, 2H), 1.56-1.68 (m, 4H),
1.81-1.91 (m, 2H), 2.29-2.40 (m, 4H), 2.64-2.75 (m, 2H), 3.01 (s, 3H),
3.34-3.53 (m, 2H), 4.58-4.65 (m, 1H), 6.92-6.96 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.12 (d,
1H), 7.23-7.44 (m, 8H), 7.55 (d, 1H) ppm.
【0300】
HPLC方法
【0301】
【表1】

【0302】
【表2】

【0303】
【表3】

【0304】
【表4】

【0305】
ヒト組換え型Mムスカリン受容体における細胞ベースの効力評価
効力を、NFAT−βラクタマーゼ遺伝子をトランスフェクトしたCHO−K1細胞において測定した。ヒトムスカリンM受容体を組換え発現するCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞に、NFAT_β−Lac_Zeoプラスミドをトランスフェクトした。10%のFCS(ウシ胎児血清、Sigma F−7524)、1nMのピルビン酸ナトリウム(Sigma S−8636)、NEAA(非必須アミノ酸、Invitrogen 11140−035)、および200μg/mlのZeocin(Invitrogen R250−01)を含有する、25mMのHEPES(Life Technologies 32430−027)を補充したGlutamax−1添加DMEMにおいて、細胞を増殖させた。
【0306】
hMβ−ラクタマーゼアッセイプロトコール
細胞は、集密度が80〜90%に到達したとき、酵素を含有しない細胞解離液(Life technologies 13151−014)を、5%のCOを含んでいる雰囲気中にて37℃で5分間細胞と共にインキュベートして使用して、アッセイ用に回収した。引き離された細胞を、温めた増殖培地に収集し、2000rpmで10分間遠心分離し、PBS(リン酸緩衝溶液、Life Technologies 14190−094)で洗浄し、直前に記載のとおりに再び遠心分離した。細胞を増殖培地(上述したとおりの組成)に2×10細胞/mlで再懸濁した。この細胞懸濁液20μlを、384ウェル黒色透明底プレート(Greiner Bio One 781091−PFI)の各ウェルに加えた。使用するアッセイ緩衝液は、0.05%のPluronic F−127(Sigma 9003−11−6)および2.5%のDMSOを補充したPBSとした。80nMのカルバミルコリン(Aldrich N240−9)を37℃/5%COで4時間細胞と共にインキュベートして使用して、ムスカリンM受容体シグナル伝達を刺激し、インキュベート期間の終わりに、Tecan SpectraFluor+プレートリーダー(λ−励起405nm、発光450nmおよび503nm)を使用してモニターした。4時間のインキュベート期間の始めに、試験対象のM受容体アンタゴニストをアッセイに加え、化合物活性を、カルバミルコリンによって誘発されるシグナルの濃度依存的な阻害として測定した。阻害曲線をプロットし、4パラメータシグモイドフィットを使用してIC50値を生成し、Cheng−Prusoff補正およびアッセイにおけるカルバミルコリンのK値を使用してKi値に変換した。
【0307】
ヒト組換え型Mムスカリン受容体における結合親和性評価
膜調製
ヒトムスカリンM受容体を組換え発現するCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞の細胞ペレットを20mMのHEPES(pH7.4)中でホモジナイズし、4℃で20分間48000×gで遠心分離した。ペレットを緩衝液に再懸濁し、ホモジナイズおよび遠心分離ステップを繰り返した。得られるペレットを、パックされた細胞のもとの体積1mlあたり1mlの緩衝液に再懸濁し、ホモジナイズステップを繰り返した。懸濁液のタンパク質評価を実施し、約1mg/mlの1mlずつの分割量を−80℃で凍結させた。
【0308】
hM競合結合アッセイプロトコール
膜(5μg/ウェル)を、(5×Kの濃度の)H−NMSプラス/マイナス試験化合物と共に、1ml容ポリスチレン製96ウェル深型ウェルブロックにおいてRT(室温)で24時間インキュベートした。最終アッセイ体積は200μlとし、20μlのプラス/マイナス試験化合物、20μlのH−NMS(Perkin Elmer NEN 636)、および160μlの膜溶液からなるものであった。全結合は0.1%のDMSOを用いて明確化し、非特異的結合は1μMのアトロピンを用いて明確化した。アッセイ緩衝液は、20mMのHepes(pH7.4)とした。
【0309】
すべてのアッセイ構成要素を加えたなら、プレートにカバーをかけ、振盪させながら室温で24時間インキュベートした。Packard filtermateハーベスターを使用しながら、0.5%ポリエチレンイミンに予浸したGF/B Unifilterプレートで速やかに濾過することによりアッセイを終了させ、次いでフィルタープレートを3×1mlの4℃のアッセイ緩衝液で洗浄した。フィルタープレートを45℃で1時間乾燥させた。フィルタープレートの底面をシールし、50μl/ウェルのMicroscint‘0’を加え、プレートの上面をTopsealでシールした。90分経過後、プレートをNXT Topcountでの読取りにかけた(1ウェルにつき1分の読み時間)。
【0310】
得られるデータは、特異的結合(特異的結合=全結合−非特異的結合)のパーセンテージとして示された。特異的結合%を試験化合物濃度に対してプロットして、シグモイド曲線から、社内のデータ解析プログラムを使用してIC50を決定した。IC50値は、Cheng−Prussoff式に当てはめることによりKi値に直した。
Cheng−Prussoff式:
【0311】
【数1】

式中、IC50は、特異的放射リガンド結合を50%阻害する未標識薬物の濃度である。[L]は、遊離放射リガンドの濃度であり、KおよびKは、それぞれ放射リガンドおよび未標識薬物の平衡解離定数である。
【0312】
このように、上記アッセイで試験した本発明による式(I)の化合物は、以下の表で一覧にするようなhM受容体アンタゴニスト活性を示すことがわかった。
【0313】
【表5−1】

【0314】
【表5−2】

【0315】
【表5−3】

【0316】
モルモット気管アッセイ
体重が350〜450gである雄Dunkin−Hartleyモルモットを、CO濃度を高める中で屠殺した後、大静脈から放血する。気管を喉頭から胸腔入口部へと切開し、次いで、室温の酸素添加した新鮮な改良型クレブス緩衝液(10μMのプロプラノロール、10μMのグアネチジン、および3μMのインドメタシンを含有するクレブス)中に入れる。気管筋の向かい側の軟骨に切り込んで気管を開いた。軟骨の環約3〜5本の幅の細片にカットする。力変換器に取り付けるために軟骨の細片の一端に綿糸を取り付け、組織を器官浴中に固定するために他方の端に綿糸の環を作る。細片を、曝気した温(37℃)改良型クレブスで満たした5ml容器官浴に乗せる。ポンプ流量を1.0ml/分に設定し、組織を絶え間なく洗浄する。組織に1000mgの初期張力をかける。15分および30分後に組織に張力をかけ直し、次いで、さらに30〜45分間かけて平衡に達するようにする。
【0317】
組織を、以下のパラメータ、すなわち、2分毎に10秒の列、0.1ミリセカンドのパルス幅、10Hz、および10〜30Vの電場刺激(EFS)にさらす。電圧は、各組織の極大収縮応答が観察されるまで、記載する範囲内で10分毎に5V上げる。そこで、各組織のその適正な最大電圧を、残りの実験で終始使用する。EFSに対して20分間平衡させた後、ポンプを止め、15分後に8〜10分間かけて対照の測定を行う(4〜5応答)。次いで各組織に化合物をボーラス量として30×Ki(濾過結合アッセイにおいてCHO細胞中で発現させたヒトM受容体で求めたもの)で加え、2時間インキュベートしておく。次いで化合物を改良型クレブスで1分間速やかに洗浄して組織から洗い流し、残りの実験のために流れを1ml/分に戻す。実験の終わりに、組織にヒスタミン(1μM)を負荷して、生存能を判定した。Notocord(登録商標)ソフトウェアを使用して、実験の間に測定される読みを自動的に収集する。生データは、EFS応答の阻害の測定を考慮に入れて、反応パーセントに変換する。洗浄開始後、組織が、誘発された阻害から25%回復するのにかかる時間を記録し、化合物の作用持続時間の尺度として使用する。組織の生存能により、実験の継続時間は、化合物の洗浄後16時間に限られる。化合物を通常はn=2〜5で試験して、作用持続時間を推定する。
【0318】
別法として、以下のモルモット気管アッセイを使用することもできる。
雄Dunkin−Hartleyモルモット(体重350〜450g)の気管を取り出し、付着性の結合組織を除去した後、気管筋の向かい側の軟骨から切開を行い、軟骨の環3〜5本の幅の気管細片を準備した。気管細片を、筋肉が5ml容組織浴中で水平面になり1gの初期張力がかかるようにして、等大のひずみゲージと固定された組織フックの間に吊し、3μMのインドメタシンおよび10μMのグアネチジンを含有する、温め(37℃)曝気した(95%O/5%CO)クレブス液に浸した。組織を平行な白金線電極(約1cmの間隔)の間に配置した。蠕動ポンプを使用して、組織浴全体に、新鮮なクレブス液(上記組成のもの)の1ml/分の一定の流れを維持した。組織は、1時間かけて平衡に達するようにし、平衡化期間の開始から15分および30分の時点で1gに張力をかけ直した。平衡化の終わりに、組織を、以下のパラメータ、すなわち、10V、10Hz、パルス幅0.1ミリセカンド、2分毎に10秒の列を使用して、電場刺激(EFS)にさらした。各組織で、10v〜30Vの範囲にかけて(他のすべての刺激パラメータは一定のままとする)電圧応答曲線を作成して、適正な極大刺激を求めた。1μMのテトロドトキシンまたは1μMのアトロピンによる遮断によって確認したところ、これらの刺激パラメータを使用してのEFS応答は、100%神経によって媒介され、100%コリン作用性のものであった。次いで、応答が再現性をもつまで組織を2分間隔で繰返し刺激した。試験化合物を加える20分前に蠕動ポンプを止め、最後の10分間にわたり平均単収縮を対照応答として記録した。各組織に単一濃度の化合物が与えられるようにして組織浴に試験化合物を加え、2時間かけて平衡に達するようにした。加えた後2時間の時点で、同じ動物の複数にわたる気管細片で一定範囲の化合物濃度を使用して、EFS応答の阻害を記録し、IC50曲線を作成した。次いで、組織を速やかに洗浄し、クレブス液による1ml/分の潅流を確立し直した。組織をさらに16時間刺激し、EFS応答の回復を記録した。16時間の終わりに、浴に10μMのヒスタミンを加えて、組織の生存能を確認した。アンタゴニストの適正な最大濃度(70%超100%未満の阻害の反応を示す試験濃度)をIC50曲線から割り出し、その濃度が与えられている組織では、誘発された阻害から25%回復する時間(T25)を算出した。化合物を通常はn=2〜5で試験して、作用持続時間を推定する。
【0319】
薬物−薬物相互作用の潜在的可能性についての評価
上文ですでに述べたとおり、化合物の薬物−薬物相互作用の潜在的可能性は、市販のソフトウェア、たとえばSimcyp(登録商標)を用い、Simcyp(登録商標)ソフトウェアのユーザーガイドおよび当業者によく知られている標準のプロトコールに従って容易に生成することのできるin vitro代謝データを使用して、シミュレートすることができる。例として、Kilfordら、Drug metabolism and Disposition、第37巻、第1号、82〜89頁に記載の参考方法に類似した方法を使用して、グルクロン酸抱合データを求めることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物
【化1】

もしくは薬学的に許容できるその塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物[式中、
Xは、−CH−、−C(=O)CH−、−C(=O)−から選択され、
は、Hもしくはメチルであり、または別法として、Xが−CH−であるとき、Rは、式:
【化2】

の基を表していてもよく、式中、R、R、RおよびRの1つはヒドロキシであり、R、R、RおよびRの1つはハロであり、R、R、RおよびRの1つはHであり、R、R、RおよびRの1つは、Hまたはハロから選択され、
、R、RおよびRの1つはヒドロキシルであり、R、R、RおよびRの1つはHであり、R、R、RおよびRの1つはハロであり、R、R、RおよびRの1つはHもしくはハロであり、または別法として、Xが−C(=O)CH−であり、Rがメチルであるとき、Rはヒドロキシルであってもよく、R、RおよびRはHである]。
【請求項2】
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル ナフタレン−1,5−二スルホン酸塩;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2−ヒドロキシ−5−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(3−ヒドロキシ−4−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(4−ヒドロキシ−3−フルオロ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[ビス−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステルおよび
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
から選択される、請求項1に記載の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物。
【請求項3】
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−[9−(2,4−ジクロロ−3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ノニル]−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステルおよび
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステル
から選択される、請求項1に記載の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物。
【請求項4】
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−(9−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−メチル−アミノ}−ノニル)−ピペリジン−4−イルエステルもしくは薬学的に許容できるその塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
ビフェニル−2−イル−カルバミン酸1−{9−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−ノニル}−ピペリジン−4−イルエステルもしくは薬学的に許容できるその塩、または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
少なくとも有効量の、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項7】
医薬として使用するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物。
【請求項8】
●慢性または急性気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞、および肺気腫、
●あらゆる種類、病因、または病原の閉塞性または炎症性気道疾患、特に、慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を包含するCOPD、COPDに関連しまたは関連しない肺気腫または呼吸困難、不可逆性の進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法の結果として生じる気道反応亢進の増悪、および肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択されるメンバーである閉塞性または炎症性気道疾患、
●あらゆる種類、病因、または病原の気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管気管支炎、アラキジン気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息性気管支炎、増殖性気管支炎、ブドウ球菌気管支炎または連鎖球菌気管支炎、および小胞性気管支炎からなる群から選択されるメンバーである気管支炎、
●あらゆる種類、病因、または病原の喘息、特に、アトピー型喘息、非アトピー型喘息、アレルギー性喘息、アトピー型IgE仲介気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的障害によって引き起こされる内因性喘息、環境因子によって引き起こされる外因性喘息、原因が不明または未詳の本態性喘息、非アトピー型喘息、気管支炎性喘息、肺気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲン誘発喘息、冷気誘発喘息、職業喘息、細菌、真菌、原虫、またはウイルス感染によって引き起こされる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発喘息、乳児喘鳴症候群、および細気管支炎からなる群から選択されるメンバーである喘息、
●急性肺傷害、および
●あらゆる種類、病因、または病原の気管支拡張症、特に、円柱状気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、細気管支拡張症、嚢胞性気管支拡張、乾性気管支拡張、および濾胞性気管支拡張からなる群から選択されるメンバーである気管支拡張症
からなる群から選択される疾患、障害、および状態の治療において使用するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物。
【請求項9】
炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、憩室疾患、動揺病、胃潰瘍、腸の放射線検査、BPH(良性前立腺肥大症)の対症治療、NSAIDによって誘発される胃潰瘍形成、尿失禁(切迫、頻尿、切迫尿失禁、過活動膀胱、夜間頻尿、および下部尿路症状を含む)、毛様体筋麻痺、散瞳、およびパーキンソン病からなる群から選択される疾患、障害、および状態の治療の治療において使用するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または前記化合物もしくは塩の薬学的に許容できる溶媒和物と、
(a)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、
(b)LTB、LTC、LTD、およびLTEのアンタゴニストを含めたロイコトリエンアンタゴニスト(LTRA)、
(c)H1およびH3アンタゴニストを含めたヒスタミン受容体アンタゴニスト、
(d)うっ血除去薬として使用するためのα−およびα−アドレナリン受容体作動薬血管収縮薬交感神経様作動薬、
(e)PDE3、PDE4、およびPDE5阻害剤を含めたPDE阻害剤、
(f)β2受容体作動薬、
(g)テオフィリン、
(h)クロモグリク酸ナトリウム、
(i)COX阻害剤、非選択的および選択的の両方のCOX−1またはCOX−2阻害剤(NSAID)、
(j)プロスタグランジン受容体アンタゴニストおよびプロスタグランジン合成酵素の阻害剤、
(k)経口および吸入糖質コルチコステロイド、
(l)コルチコイド受容体(DAGR)の解離性作動薬、
(m)内因性の炎症性存在物に対して活性のあるモノクローナル抗体、
(n)抗腫瘍壊死因子(抗TNF−α)薬、
(o)VLA−4アンタゴニストを含めた接着分子阻害剤、
(p)キニンBおよびキニンB受容体アンタゴニスト、
(q)IgE経路の阻害剤およびシクロスポリンを含めた免疫抑制薬、
(r)マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、
(s)タキキニンNK、NK、およびNK受容体アンタゴニスト、
(t)エラスターゼ阻害剤などのプロテアーゼ阻害剤、
(u)アデノシンA2a受容体作動薬およびA2bアンタゴニスト、
(v)ウロキナーゼの阻害剤、
(w)D2作動薬などの、ドーパミン受容体に作用する化合物、
(x)IKK阻害剤などの、NFκβ経路のモジュレーター、
(y)p38MAPキナーゼ、PI3キナーゼ、JAKキナーゼ、sykキナーゼ、EGFR、MK−2などの、サイトカインシグナル伝達経路のモジュレーター、
(z)粘液溶解薬または鎮咳薬として分類することのできる薬剤、
(aa)吸入されたコルチコステロイドに対する応答を高める薬剤、
(bb)呼吸路にコロニー形成し得る微生物に対して有効な抗生物質および抗ウイルス薬、
(cc)HDAC阻害剤、
(dd)CXCR2アンタゴニスト、
(ee)インテグリンアンタゴニスト、
(ff)ケモカイン、
(gg)上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)遮断薬または上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)阻害剤、
(hh)P2Y2作動薬および他のヌクレオチド受容体作動薬、
(ii)トロンボキサンの阻害剤、
(jj)PGD合成およびPGD受容体(DP1およびDP2/CRTH2)の阻害剤、
(kk)ナイアシン、ならびに
(ll)VLAM、ICAM、およびELAMを含めた接着因子
から選択される他の(1種または複数の)治療薬との組合せ。

【公表番号】特表2011−528346(P2011−528346A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518038(P2011−518038)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052859
【国際公開番号】WO2010/007552
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(597014501)ファイザー・リミテッド (107)
【氏名又は名称原語表記】Pfizer Limited
【住所又は居所原語表記】Ramsgate Road, Sandwich, Kent, England
【Fターム(参考)】