説明

ムチリン派生物および調合薬としてのそれらの使用

14−O−[(((C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[(((C1−6)モノ−またはジアルキルアミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ヒドロキシ−(C1−6)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ホルミル−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((グアニジノ−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((チオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((イソチオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、および調合薬としてのそれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、プレウロムチリン(Pleuromutilin)のような有機化合物に関する。
【0002】
プレウロムチリンすなわち、化学式Aの化合物
【0003】
【化1】

は、天然に存在する抗生物質であり、例えば、担子菌類(basidomycetes)であるプレウロタス・ムチラス(Pleurotus mutilus)およびP.パセケリアナス(P.passeckerianus)によって産生される(例えば、The Merck Index, 12th edition, item 7694を参照)。プレウロムチリンの環状構造原則(ring structure principle)を含有し、かつヒドロキシ基において置換される多くのさらなるプレウロムチリンは、例えば抗菌剤として開発されてきた。
【0004】
今回、我々は、興味深い活性を有するプレウロムチリンを見出した。
【0005】
一実施態様において、本発明は、例えば、プレウロムチリンのような化合物を提供する。当該化合物は、
14−O−[(((C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(((C1−6)モノ−またはジアルキルアミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ヒドロキシ−(C1−6)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ホルミル−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((グアニジノ−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((チオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((イソチオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((シアノ−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((アジド−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(((C1−6)アシルオキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ベンゾイルオキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
から成る群から選択され、当該化合物において、フェニル環、または5−もしくは6−員環のヘテロアリール環が、ハロゲン、(C1−6)アルキル基、アリール基、アリール(C1−6)−アルキル基、(C1−6)アルコキシ基、(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキル基、ハロ(C1−6)アルキル基、アリール(C1−6)アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、モノ−またはジ−N−(C1−6)アルキルカルバモイル基、(C1−6)−アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ウレイド基、グアニジノ基、(C1−6)アルキルグアニジノ基、アミジノ基、(C1−6)アルキルアミジノ基、スルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、(C1−6)アルキルチオ基、(C1−6)−アルキルスルフィニル基、(C1−6)アルキルスルホニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル(C1−6)アルキル基、およびヘテロアリール(C1−6)アルキル基から任意に独立して選択される4つ以下の基によってさらに置換される。または、2つの隣接環の炭素原子は、(C3−5)アルキレン鎖によって連結されて、炭素環を形成してもよい。
【0006】
好ましくは、本発明は、
14−O−[(((C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(((C1−6)モノ−またはジアルキルアミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(((C1−6)−アシルアミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ヒドロキシ−(C1−6)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ホルミル−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((グアニジノ−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
に関する。
【0007】
より好ましくは、本発明は、化学式Iの化合物を提供する。
【0008】
【化2】

(式中、nは1〜6である。Xは、酸素、Rが水素または直鎖もしくは分岐(C1−6)−アルキル基であるNR、ヒドロキシ−(C1−6)アルキル基、または(C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル基である。
は、水素、直鎖もしくは分岐(C1−6)−アルキル基、モノ−あるいはジハロゲン化(C1−6)−アルキル基、アミノ(C1−6)−アルキル基、ヒドロキシ(C1−6)−アルキル基、フェニル(C1−6)−アルキル基、(C1−6)−アルキレン基、フラニル(C1−6)−アルキル基、(C3−6)−シクロアルキル基、および対応するアンモニウム塩(例えば、塩化物)である。或いは、RおよびRは、これらの基が付けられる窒素とともにに1つ以上の窒素原子を含む5〜7員環の複素環を形成する。或いは、XRはピペラジニル基もしくはモルホリニル基である。)
【0009】
他の実施態様において、本発明は、化学式IIの化合物を提供する。
【0010】
【化3】

[式中、nは0〜5である。Yは酸素またはNRである。
は、
【0011】
【化4】

(R中、Xは酸素、硫黄、NH、またはNRである。)
または、対応する陰イオン、例えば塩化物を有する
【0012】
【化5】

である。R、R、R、Rは水素、直鎖もしくは分岐C1−6アルキル基、またはC3−8シクロアルキル基である。RはC1−4アルキル基である。]
【0013】
好ましくは、本発明は、以下の化学式IIの化合物を提供する。
【0014】
化学式II中、YはNRである。XはNRである。Rは、
【0015】
【化6】

であり、
かつRおよびRは、これらの基が付けられる窒素とともに2つ以上の窒素原子を含む5〜7員環の複素環を形成する。一方、RおよびRは上記のものと同義である。
【0016】
または、かつRおよびRは、これらの基が付けられる窒素とともに2つ以上の窒素原子を含む5〜7員環の複素環を形成する。一方、RおよびRは上記のものと同義である。
【0017】
または、かつRおよびRは、これらの基が付けられる窒素とともに1つ以上の窒素原子を含む5〜7員環の複素環を形成する。一方、RおよびRは上記のものと同義である。
【0018】
より好ましくは、本発明は、以下の化学式IIの化合物を提供する。
【0019】
化学式II中、YはNRである。XはNRである。Rは、
【0020】
【化7】

であり、R中、RおよびRは上記のものと同義である。Rは水素、直鎖もしくは分岐C1−6アルキル基、またはアシル基(例えば、C1−6アシル基)である。
【0021】
本発明によって提供されるプレウロムチリンは、化学式PLEUにおいて設計されるようなムチリン環系の基本的な構造的要素を有するプレウロムチリンを含む。
【0022】
【化8】

(化学式PLEU中、RPLEUはビニル基またはエチル基であり、かつ破線は結合または非結合を表す。)
【0023】
以下の付番方式は、本明細書中において用いられる。
【0024】
【化9】

19位と20位との間(および1位と2位との間)の破線は、結合または非結合を表す。化学式Aまたは化学式PLEUの化合物において、上記環系の4位、7位、および/または8位における水素原子は、重水素によって置換されてもよく、かつもし1位と2位との間の破線が非結合(1位と2位との間が1重結合)であるなら、上記環系は、1位および/または2位において、例えばハロゲン、重水素、または水酸基によってさらに置換されてもよい。14位における−O−基は、置換カルボニル基によって、好適にさらに置換される。
【0025】
上記プレウロムチリン派生物の臨床関連病原菌(黄色ブドウ球菌、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、肺炎連鎖球菌、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、および大腸菌:後述の表1を参照)に対する抗菌活性は、フェニル環が、
(a)フェニル環ヘの硫黄結合に関してメタ位における飽和または不飽和炭素原子、
または、
(b)フェニル基は請求項1において指名されるような4つ以下の基によってさらに置換されることで提供される、当該フェニル環への硫黄結合に関してオルト位における飽和または不飽和炭素原子、
を有するときに、特に増強されることが明らかになった。
【0026】
それゆえに、上記(CH−基が、フェニル環への硫黄結合に関してメタ位にある化合物が好ましい。また、上記フェニル環が、ハロゲン、(C1−6)アルキル基、アリール基、アリール(C1−6)−アルキル基、(C1−6)アルコキシ基、(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキル基、ハロ(C1−6)アルキル基、アリール(C1−6)アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、モノ−またはジ−N−(C1−6)アルキルカルバモイル基、(C1−6)−アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ウレイド基、グアニジノ基、(C1−6)アルキルグアニジノ基、アミジノ基、(C1−6)アルキルアミジノ基、スルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、(C1−6)アルキルチオ基、(C1−6)−アルキルスルフィニル基、(C1−6)アルキルスルホニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル(C1−6)アルキル基、およびヘテロアリール(C1−6)アルキル基から独立して選択される4つ以下の基によってさらに置換される、または、2つの隣接環の炭素原子は、(C3−5)アルキレン鎖によって連結されて、炭素環を形成してもよいという条件において、上記(CH−基がフェニル環への硫黄結合に関してオルト位にある化合物も好ましい。
【0027】
他の実施態様において、本発明は、
14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−ホルミル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−{[(アミノイミノ−メチル)−ヒドラゾノ]メチル}−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−{[2−(イミノ−N−ピペラジニル−メチル)−2−メチル−ヒドラゾノ]メチル}−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−[(3−エチル−2−メチルイミノ−イミダゾリジン−1イル−イミノ)−メチル]−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−{[(イミノ−N−ピペラジニル−メチル)−ヒドラゾノ]−メチル}−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
から成る群から選択される化合物を、例えば塩酸塩のような塩の形態において提供する。
【0028】
さらなる実施態様において、本発明は、
14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−{[3−(アミノイミノ−メチル)−ヒドロゾノメチル−フェニルスルファニル]−アセチル}−ムチリン、
14−O−[{3−[((1−ピペラジノイミノメチル)−メチルヒドラゾノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[{3−[(3−エチル−(2−エチルイミノ)−イミダゾイリジン−1−イルイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[{3−[(1−ピペラジノイミノメチル)−ヒドラゾノメチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[{3−[(2−モルホリン−4−イル−エトキシイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[3−{[(2−ピロリジン−1−イル−エトキシイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−アミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−アリルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[3−{[(フラン−2イルメチル)−アミノ]−メチル}−フェニルスルファニル−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−シクロプロピルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
から成る群から選択される化合物を、例えば、塩酸塩のような塩の形態において提供する。
【0029】
本発明によって提供される化合物は、本明細書中において「本発明の(本発明に係る)化合物(群)」としても表される。本発明の化合物は、ムチリン−14−イル酢酸エステル群、例えば上記で明確に明示されるような、かつ化学式IまたはIIの化合物、を含有する。本発明の化合物は、例えば、遊離型、塩の形態、溶媒和物の形態、並びに塩および溶媒和物の形態のような、いずれの形態における化合物も含有する。
【0030】
本発明の化合物は、結晶性形態または非結晶性形態であってもよく、かつもし結晶性形態であるなら、本発明の化合物は、任意に水和されるまたは溶媒和されてもよい。本発明の化合物のいくつかが、結晶化され得るまたは有機溶媒から再結晶化され得る場合、結晶化の溶媒は、結晶化物において存在してもよい。
【0031】
本発明は、発明の範囲内に上記のような溶媒和物を含む。同様に、本発明の化合物のいくつかは、水を含む溶媒から結晶化または再結晶化されてもよい。そのような場合において、水和水は結晶化物において存在してもよい。本発明は、発明の範囲内に、凍結乾燥のような工程によって製造されることができる不定量の水を含有する化合物と同様に、化学式どおりの水和物を含む。
【0032】
他の実施態様において、本発明は、塩の形態の化合物を提供する。
【0033】
上記塩は、薬事上許容される塩を含むことが好ましい。しかしながら、例えば、調製工程/単離工程/精製工程のため、薬事上許容されない塩が含まれる。
【0034】
本発明の化合物の塩は、金属塩または酸付加塩を含む。金属塩は、例えばアルカリ塩または土類アルカリ塩を含む。酸付加塩は、例えば水素フマル酸、フマル酸、ナフタリン−1,5−スルホン酸、塩酸、塩化重水素酸のような酸、好ましくは塩酸と本発明の化合物との塩を含む。
【0035】
本発明の遊離型化合物は、対応する化合物の塩に変換されてもよく、逆の場合もよい。本発明の遊離型化合物または化合物の塩および溶媒和物の形態の化合物は、対応する遊離型化合物または非溶媒和物状の化合物の塩に変換されてもよく、逆の場合もよい。
【0036】
本発明の化合物は、もし適宜置換されるなら、異性体の形で存在してもよいし、例えば光学異性体、ジアステレオ異性体、およびシス/トランス配座異性体の混合物の形で存在してもよい。
【0037】
本発明の化合物は、例えば不斉炭素原子を含んでいてもよいし、かつそれ故に鏡像異性体またはジアステレオ異性体の形で存在してもよいし、かつ例えばラセミ化合物のように鏡像異性体とジアステレオ異性体の混合体の形で存在してもよい。いずれの不斉炭素原子における置換基も、(R)−配位、(S)−配位、または(R,S)−配位において存在してもよく、(R)−配位または(S)−配位において存在することが好ましい。例えば、もし化学式Iの化合物において、Rがアルキル基に置換され、上記の置換基が当該アルキル基の側鎖の炭素原子に付けられるなら、そのような置換基がつけられる当該炭素原子は不斉炭素原子となり、かつそのような置換基は(R)−配位および(S)−配位において存在してもよく、それらの混合体を含んでもよい。ムチリン環の不斉炭素原子に付けられる置換基の配位は、天然のプレウロムチリンにおける配位と同じであることが好ましい。
【0038】
異性体混合物は、例えば、従来の方法にしたがって、例えば従来の方法と同じようにして必要に応じて分離されて純粋な異性体を得てもよい。本発明は、いずれの異性体型における本発明の化合物も、いずれの異性体混合物おける本発明の化合物も含む。
【0039】
本発明は、互変異性体が存在しうる場合に、本発明の化合物の互変異性体も含む。
【0040】
例えば、本発明の化合物およびそれらの製造における中間体のような本明細書中で記載されるいずれの化合物も、例えば、従来の方法にしたがって、例えば従来の方法と同じようにして、または例えば本明細書中で指定されるような方法で必要に応じて調製されてもよい。
【0041】
他の実施態様において、本発明は以下の化合物を調製するのための工程を提供する。以下の化合物とは、14−O−[(((C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[(((C1−6)モノ−またはジアルキルアミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ヒドロキシ−(C1−6)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ホルミル−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((グアニジノ−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((チオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((イソチオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[(((C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル)−5−または6−員環ヘテロアリールスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ヒドロキシ−(C1−6)−アルキル)−5−または6−員環ヘテロアリールスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ホルミル−(C0−5)−アルキル)−5−または6−員環ヘテロアリールスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((グアニジノ−イミノ−(C1−6)アルキル)−5−または6−員環ヘテロアリールスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[(((C1−6)アルキルグアニジノ−イミノ−(C1−6)アルキル)−5−または6−員環ヘテロアリールスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((ウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−5−または6−員環ヘテロアリールスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((チオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−5−または6−員環ヘテロアリールスルファニル)−アセチル]−ムチリン、14−O−[((イソチオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−5−または6−員環ヘテロアリールスルファニル)−アセチル]−ムチリンである。本発明が提供する工程は、以下の一連の反応を含む;
a.塩基の存在下において、14−O−プレウロムチリントシレートをヒドロキシ−(C1−6)−アルキル−チオフェニル、または5−もしくは6−員環ヒドロキシ−(C1−6)−アルキル−チオヘテロアリールとともに混合する(もしさらなる変換が必要とされないなら、最終化合物は適切な方法において単離され、かつ精製される)、
b1.適切な酸化剤を用いて選択的に水酸基をホルミル基に酸化する(もしさらなる変換が必要とされないなら、最終化合物は適切な方法において単離され、かつ精製される)、
b2.上記水酸基を対応するメシラートに変換する、
c1.ホルミル基を有する化合物を、遊離アミノ基を有する化合物とともに濃縮
c2.アジドを用いた上記メシラートの置換
c2a.置換1級アミンまたは置換2級アミンを用いた上記メシラートの置換
d2.上記アジドのアミンへの還元
e2.上記アミンのアシル化。
【0042】
反応段階に加わることが意図されない置換基を有する化合物は、保護された形態で用いられてもよい。官能基の保護は、その後、残りの分子を分離することなく取り除くことができる。
【0043】
本発明によって提供される工程によって得られる化合物は、従来の方法に例えば同じようにしたがって、例えば酸、または金属塩基をそれぞれ用いた処理によって、対応する塩に変換されて、酸付加塩または金属塩をそれぞれ得てもよい。かつ、逆の場合も同じで、本発明によって提供される工程によって得られる化合物の塩は、従来の方法に例えば同じようにしたがって、対応する遊離塩基の形態における化合物に変換されてもよい。もし金属塩が得られるなら、例えば、酸を用いた処理によって変換されてもよいし、かつ酸付加塩が得られるなら、例えば金属水酸化物のような金属塩基を用いた処理によって変換されてもよい。
【0044】
例えば上記で明示されるような本発明によって提供されるフェニルスルファニル−または5−6員環ヘテロアリールスルファニル−ムチリンを含む本発明の化合物、および化学式IまたはIIの化合物は、薬理活性を示し、かつそれ故に、調合薬として有用である。
【0045】
例えば、本発明の化合物は、例えば、グラム陽性細菌に対する抗菌活性のような抗菌性を示す。上記のようなグラム陽性細菌として、例えば、コアグラーゼ陽性スタフィロコッカス属およびコアグラーゼ陰性スタフィロコッカス属、例えば、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス・ヘモリティクス(Staphylococcus haemolyticus);ストレプトッコッカス属、例えば、化膿性連鎖球菌、肺炎連鎖球菌、ストレプトコッカス・アガラクチカ(Streptococcusus agalacticae);エンテロコッカス属、例えば、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium);および、モラクセラ科、例えば、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis);パスツレラ科、例えば、インフルエンザ菌を挙げることができる。グラム陽性細菌に対する抗菌活性は、マイコプラズマ科;クラミジア科、例えばトラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、クラミジア肺炎菌;および、偏性嫌気性菌(obligatory anaerobes)、例えば、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、クロストリジウム・デフィシル(Clostridium difficile)に対する活性と同様である。本発明の化合物は、臨床検査標準委員会(Climical and Laboratory Standards Institute(CLSI))、つまり以前の臨床検査標準委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS))の2006 ,Document M7-A7 Vol.26, No.2:“Methods for dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically Seventh Edition, Approved Standards”にしたがって行った、インビトロにおける寒天希釈テスト(Agar Dilution Test)または寒天微量希釈テストにおいて抗菌性を示し、かつ臨床検査標準委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS))のVOL. 24, No. 2, M11-A5, Methods for Antimicrobal Susceptibility Testing of Anaerobic Bacteria; Approved Standard; Sixth Edition (2004)にしたがって行ったインビトロにおける嫌気性細菌に対する抗菌活性の測定において抗菌性を示し、かつインビボにおける黄色ブドウ球菌に対する敗血症マウスモデルにおいて抗菌活性を示す。
【0046】
それ故に、本発明の化合物は、病原菌、例えば細菌、によって媒介される疾病の治療および予防に適している。例えば、ヘリコバクター・ピロリのようなヘリコバクター属によって媒介される疾病、およびヒト結核菌によって媒介される疾病、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)またはネイセリア科(Neisseriaceae)によって媒介される疾病を含む疾病は治療されることができる。一般に、病原菌が上記炎症を媒介する炎症性疾患(例えば、にきびを含む)を含む疾病も治療されることができる。
【0047】
本発明の化合物は、皮膚感染症および軟組織感染を治療するために好適に用いることができる。皮膚感染症および軟組織感染とは、例えば、膿痂疹、水疱性膿痂、または膿瘡疹のような表皮性感染症;丹毒、蜂巣炎、紅色陰癬、または壊疽性筋膜炎のような真皮性感染症;毛嚢炎、せつ腫症、またはカルブンケル症のような毛包性感染;爪周囲炎、指炎、ボトリオミセス症、乳腺炎、二次的に感染した皮膚損傷、二次的に感染した皮膚病のような他の感染症である。さらに、細菌保菌者の非コロニー化、例えば鼻黄色ブドウ球菌保菌者の非コロニー化のための治療に好適に用いることができ、かつ局所適用によって、にきびの治療のために好適に用いることができる。したがって、さらなる実施態様において、本発明は、皮膚感染症および軟組織感染症の治療における使用、およびヒトにおけるにきびの治療における使用のための局所性投与に適合する薬剤の調製における本発明の化合物の使用、または薬事上許容できる塩の使用、または派生物の使用、またはそれらの溶媒和物の使用を提供する。皮膚感染症または軟組織感染症において用いるための薬剤の製造において、本発明は、本発明の化合物の使用、または薬事上許容できるそれらの派生物の使用も提供する。
【0048】
他の実施態様において、本発明は、調合薬として用いるための本発明の化合物、好ましくは抗生物質のような抗菌剤、例えば抗嫌気性菌剤として用いるための本発明の化合物を提供する。
【0049】
他の実施態様において、本発明は、にきび治療において用いるための本発明の化合物を提供する。
【0050】
さらなる実施態様において、本発明は、細菌のような病原菌によって媒介される疾病の治療のための薬剤の調製において用いるための本発明の化合物を提供する。例えば、
−例えば、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属から選択される細菌によって媒介される疾病、
−ヘリコバクター属によって媒介される疾病、
−レジオネラ属、ネイセリア科、モラクセラ科、パスツレラ科、コリネバクテリア属によって媒介される疾病、
−ヒト結核菌によって媒介される疾病、
−例えば、マイコプラズマ科、クラミジア科、および偏性嫌気性菌によって媒介される疾病、
−にきびの治療、およびバクテリアによってコロニー化された個人の非コロニー化のため。
【0051】
さらなる実施態様において、本発明は病原菌によって媒介される疾病の治療方法を提供する。当該治療方法は、効果的な量の本発明の化合物を、例えば医薬組成の形態において、そのような治療を必要とする被検体に投与することを含む。
【0052】
さらなる実施態様において、本発明はにきびの治療方法を提供する。当該にきびの治療方法は、効果的な量の本発明の化合物を、例えば医薬組成の形態において、そのような治療を必要とする被検体に投与することを含む。
【0053】
治療は、治療と予防を含む。
【0054】
病原菌治療およびにきび治療のために、適切な用量は、例えば用いられる本発明の化合物の化学的性質および薬物動態データ、個々の宿主、投与方法、および治療される病気の性質および重篤性に応じて、もちろん変更されるだろう。しかしながら、一般に、より大きい哺乳類、例えばヒトにおいて満足な結果を得るために、指示される1日の服用量は、例えば1日あたり4回以下に分割される用量において、好適に投与される本発明の化合物の約0.01〜3gの範囲にある。
【0055】
本発明の化合物は、いずれの従来経路によって投与されてもよい。例を挙げると、例えば経鼻投与、口腔投与、直腸投与、経口投与を含む経腸的投与;例えば静脈内投与、筋内投与、皮下投与を含む非経口投与;または、例えば、経皮投与、鼻内投与、気管内投与を含む局所的投与のいずれの従来経路によって投与されてもよい。
【0056】
例えば、被覆錠剤もしくは非被覆錠剤、カプセル;例えば、アンプル、バイアルの形態における注射用溶液もしくは注射用懸濁液;例えば軟膏、クリーム、ゲル、ペーストのような半固形製剤の形態において;吸引用粉末、発泡体、チンキ剤、口紅、コンシーラー、液滴、スプレーの形態において;または、エリスロマイシン(例えばクラリスロマイシンまたはアジスロマイシン)のように、マクロライドに類似の方法において、坐薬の形態において、投与されてもよい。
【0057】
本発明の化合物は、薬事上許容できる塩、例えば酸付加塩または金属塩の形態において;または、遊離の形態において;任意に溶媒和物の形態において投与されてもよい。本発明の化合物の塩は、遊離型の化合物;任意に溶媒和物の形態における化合物と同等の活性を示す。
【0058】
本発明の化合物は、本発明に記載の薬品治療のために単独で用いられてもよいし、または1つ以上の他の薬学的活性剤(pharmaceutically active agent)と組み合わせて用いてもよい。そのような他の薬学的活性剤は、例えば他の抗生物質および抗炎症剤を含み、かつもし本発明の化合物がにきびの治療において用いられるなら、他の薬学的活性剤はにきびに対して活性がある薬剤をさらに含む。または、そのような他の薬学的活性剤は、細菌保菌者の非コロニー化/殺菌の為に用いられる。
【0059】
組み合わせは、2つ以上の薬学的活性剤が同じ製剤中にある一定の組み合わせ;個別の製剤における2つ以上の薬学的活性剤が、例えば共投与のための使用説明書とともに、同じパッケージにおいて売られるキット;および、薬学的活性剤は個別に梱包される自由な組み合わせであるが、同時投与または連続投与のための使用説明書は与えられる組み合わせ、を含む。
【0060】
他の実施態様において、本発明は、医薬組成を提供する。当該医薬組成は、例えば充填剤、結合剤、分解剤、流量調整剤、潤滑剤、糖質および甘味料、香料、保存料、安定剤、湿潤剤および/または湿潤乳化剤、浸透圧を制御するための塩および/または緩衝液を含む、例えば担体または希釈剤といった少なくとも一つの薬学的賦形剤とともに、例えば、遊離型または薬事上許容できる塩の形態において;および/または、例えば溶媒和物の形態において、化学式Iの化合物を含む本発明の化合物を含む。
【0061】
他の実施態様において、本発明は、さらに他の薬学的活性剤を含む本発明に記載の医薬組成を提供する。
【0062】
そのような医薬組成は、例えば従来の方法、例えば、混合工程、造粒工程、被覆工程、溶解工程、または凍結乾燥工程による方法に従って同じように製造されてもよい。
【0063】
単位剤形当たり、例えば約0.01mgから約3000mg、例えば1mgから約100mg含んでいてもよい。
【0064】
本発明の化合物は、さらに動物用薬剤、例えば動物用に活性のある化合物として適している。例えば、家禽、豚、子牛等の動物における、微生物性疾患(例えば、細菌性疾病)の予防および治療において;かつ、例えば、人工授精のための希釈液および卵浸漬技術のための希釈液のために、動物用に活性のある化合物として適している。
【0065】
他の実施態様において、本発明は、動物用薬剤として用いるための本発明の化合物を提供する。
【0066】
さらなる実施態様において、本発明は、動物用薬剤として使用できる動物用組成の調製のための本発明の化合物を提供する。
【0067】
他の実施態様において、本発明は、微生物性疾患(例えば、細菌性疾病)の予防および治療のための動物用の方法を提供する。当該動物用の方法は、当該治療方法は、効果的な量の本発明の化合物を、例えば動物用組成の形態において、そのような治療を必要とする被検体に投与することを含む。
【0068】
動物用薬剤として本発明の活性のある化合物を用いるために、用量は、動物の大きさおよび年齢、および所望の効果に応じてもちろん変更されるだろう;例えば、予防的治療のためには、比較的少ない用量が、より長い期間(例えば、1週間から4週間)投与される。飲用水における好ましい用量は、0.0125〜0.05w/v(weight by volume)であり、0.0125〜0.025w/vが特に好ましい;かつ、飼料における用量は、20〜400g/メートルトンであり、20〜200g/メートルトンが好ましい。メンドリには飲用水において、豚には飼料において、および子牛には経口的にまたは非経口的に(例えば、経口用製剤または非経口用製剤の形態において)、動物用薬剤として本発明の活性のある化合物を投与することが好ましい。
【0069】
本発明は、以下の実施例を参照することによってさらに述べられる。これらの実施例は、説明目的のためだけに提供されるのであって、決して本発明を限定することを目的とするものではない。
【実施例】
【0070】
実施例1:14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
ステップ1:プレウロムチリントシレート
1400mLのメチルエチルケトン中の18.63g(49.2mmol)のプレウロムチリンと9.39g(49.2mmol)のトルエンスルホニルクロライドとの溶液に、300mLのメチルエチルケトン中の4.98g(49.2mmol)のトリエチルアミンの溶液が室温においてゆっくりと加えられる。反応物は24時間、室温において攪拌され、形成される沈殿はろ過され、かつ2800mLの水は溶液に加えられる。溶液は、酢酸エチルを用いて3回抽出され、有機層はNaSOを用いて乾燥され、かつ減圧下において蒸発されて乾燥される。粗生成物はさらに精製されることなく、次のステップのために用いられる。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.49(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.8(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.02(s,3H,CH−18);1.29(s,3H,CH−15);2.38(bs,1H,H−4);AB−system(υ=4.75,υ=4.62,J=50Hz,CH−22);5,00(m,2H,H−20);5.52(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.46(d,2H,J=8Hz,H−24);7.79(d,2H,J=8Hz,H−23)。
【0071】
【化10】

【0072】
ステップ2:14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
90mLの無水エタノール中の1.96g(14mmol)の(3−メルカプト−フェニル)−メタノール(Chemistry Express, Vol 7, No.11, pp.865-868(1992)にしたがって、3−メルカプト安息香酸から調製された)に、322mg(14mmol)のナトリウムが加えられる。30分間、室温において反応物を攪拌した後に、130mLのメチルエチルケトン中の7.45g(14mmol)のプレウロムチリントシレートの溶液が加えられ、かつ反応物は室温において16時間攪拌された。反応混合物は減圧下において蒸発されて乾燥され、酢酸エチルに溶解され、かつ水を用いて3回抽出される。有機層はNaSOを用いて乾燥され、減圧下において蒸発されて乾燥され、かつ残留物は、移動相として100:1.5の比のジクロロメタン/メタノールを用い、シリカゲルにおいてクロマトグラフ分離される。
【0073】
得られた物質は結晶状であった(Fp.139〜141℃)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ,ppm,characteristic signals):0.68(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.88(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.12(s,3H,CH−18);1.42(s,3H,CH−15);2.06(bs,1H,H−4);3.32(t,1H,J=6Hz,H−11);3.59(s,2H,CH−22);4.66(s,2H,CH−27);5.15および5.30(2×m,2H,H−20);5.72(d,1H,J=8Hz,H−14);6.41(dd,1H,J=11および17Hz,H−19);7.19および7.28(2×m,3H,H−24,25および26);7.38(s,1H,H−23)。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.98(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.81,υ=3.74,J=29Hz,CH−22);4.44(d,2H,J=6Hz,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(m,1H,H−19),7.10−7.27(4×m,4H,H−23,24,25および26)。
【0074】
【化11】

以下の化合物は同様の方法において調製される。
【0075】
実施例2(比較例):14−O−[(4−メチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.98(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.24(s,3H,CH−27);2.35(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.75,υ=3.68,J=28Hz,CH−22);4.96(m,2H,H−20);5.48(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11,および20Hz,H−19);7.09および7.23(2×d,4H,J=8Hz,arom−H)。
【0076】
【化12】

【0077】
実施例3:14−O−[(5−ヒドロキシメチル−2−フルオロ−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(400MHz,CDOD,δ,ppm,characteristic signals):0.67(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.89(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.18(s,3H,CH−18);1.35(s,3H,CH−15);2.29(bs,1H,H−4);3.42(d,1H,J=7Hz,H−11);AB−system(υ=3.70,υ=3.60,J=39Hz,CH−22);4.53(s,2H,CH−26);5.07(m,2H,H−20);5.64(d,1H,J=8Hz,H−14);6.19(dd,1H,J=7および19Hz,H−19);7.08,7.27および7.44(3×m,3H,H−23,24および25)。
【0078】
所要の(4−フルオロ−3−メルカプト−フェニル)−メタノールは、Chemistry Express, Vol 7, No.11, pp.865-868に記載の(3−メルカプト−フェニル)−メタノールの調製のための手順の後に3−クロロスルホニル−4−フルオロ−安息香酸から2段階において調製される。
【0079】
【化13】

【0080】
実施例4:14−O−[(2−ヒドロキシメチル−4−フルオロ−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.51(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.78(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.97(s,3H,CH−18);1.27(s,3H,CH−15);2.34(bs,1H,H−4);3.37(d,1H,J=7Hz,H−11);AB−system(υ=3.78,υ=3.70,J=29Hz,CH−22);4.56(d,2H,J=5Hz,CH−26);4.92(m,2H,H−20);5.45(d,1H,J=8Hz,H−14);6.19(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.02および7.44(2×m,2H,H−24および25);7.20(m,1H,H−23)。
【0081】
所要の(5−フルオロ−2−メルカプト−フェニル)−メタノールは、Chemistry Express, Vol 7, No.11, pp.865-868に記載の(3−メルカプト−フェニル)−メタノールの調製のための手順の後に5−フルオロ−2−メルカプト−安息香酸から調製される。
【0082】
【化14】

【0083】
実施例5:14−O−[(3−シアノ−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.78(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.97(s,3H,CH−18);1.28(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);3.36(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=4.00,υ=3.93,J=31Hz,CH−22);4.97(m,2H,H−20);5.48(d,1H,J=8Hz,H−14);6.01(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7,45−7.86(3×m,4H,H−23,24,25および26)。
【0084】
所要の3−メルカプト−ベンゾニトリルは、Journal of Heterocyclic Chemistry (1982), 19(4), 961-5.に記載の3−メルカプト安息香酸の調製のための手順の後に3−シアノ−ベンゼンスルホニル塩化物から調製される。
【0085】
【化15】

実施例6:14−O−[(4−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(400MHz,CDCl,δ,ppm,characteristic signals):0.68(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.86(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.12(s,3H,CH−18);1.40(s,3H,CH−15);2.06(bs,1H,H−4);3.32(dd,1H,J=7および11Hz,H−11);3.56(s,2H,CH−22);4.66(d,2H,J=4Hz,CH−25);5.16および5.30(2×m,2H,H−20);5.73(d,1H,J=8Hz,H−14);6.41(dd,1H,J=11および17Hz,H−19);7.28および7.38(2×d,4H,J=8Hz,H−23および24);9.91(s,1H,H−25)。
【0086】
所要の(4−メルカプト−フェニル)−メタノールは、Chemistry Express, Vol 7, No.11, pp.865-868に記載の(3−メルカプト−フェニル)−メタノールの調製のための手順の後に4−メルカプト−安息香酸から調製される。
【0087】
【化16】

【0088】
実施例7:14−O−[(2−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(500MHz,CDCl,δ,ppm,characteristic signals):0.60(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.85(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.09(s,3H,CH−18);1.39(s,3H,CH−15);2.04(bs,1H,H−4);3.30(t,1H,J=7Hz,H−11);AB−system(υ=3.62,υ=3.58,J=21Hz,CH−22);AB−system(υ=4.82,υ=4.78,J=19Hz,CH−27);5.12および5.28(2×m,2H,H−20);5.67(d,1H,J=8Hz,H−14);6.35(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.24および7.42(2×m,4H,arom−H)。
【0089】
所要の(2−メルカプト−フェニル)−メタノールは、Chemistry Express, Vol 7, No.11, pp.865-868に記載の(3−メルカプト−フェニル)−メタノールの調製のための手順の後に2−メルカプト−安息香酸から調製される。
【0090】
【化17】

【0091】
実施例8:14−O−[(2−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.99(s,3H,CH−18);1.29(s,3H,CH−15);2.34(bs,1H,H−4);3.36(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.70,υ=3.59,J=26Hz,CH−22);4.32(d,2H,J=5Hz,CH−26);4.95(m,2H,H−20);5.47(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);6.75(d,1H,J=8Hz,H−25);6.98(dd,1H,J=2および8Hz,H−24);7.11(d,1H,J=2Hz,H−23)。
【0092】
【化18】

所要の4−ヒドロキシメチル−2−メルカプト−フェノールは、Chemistry Express, Vol 7, No.11, pp.865-868に記載の(3−メルカプト−フェニル)−メタノールの調製のための手順の後に3−クロロクスルホニル−4−ヒドロキシ−安息香酸から調製される。
【0093】
実施例9:14−O−[(3−ホルミル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
70mLのジクロロメタン中の2.38g(4.75mmol)の14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンに2.02g(4.75mmol)のデス−マーチン試薬が加えられる。反応物は、60分間、室温において攪拌された後に、反応物混合物はろ過され、減圧下において蒸発されて乾燥され、かつ移動相として100:1の比のジクロロメタン/メタノールを用い、シリカゲルにおいてクロマトグラフ分離される。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ,ppm,characteristic signals):0.68(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.86(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.11(s,3H,CH−18);1.39(s,3H,CH−15);2.06(bs,1H,H−4);3.32(m,1H,H−11);3.64(s,2H,CH−22);5.12および5.26(2×m,2H,H−20);5.74(d,1H,J=8Hz,H−14);6.36および6.40(dd,1H,J=11および17Hz,H−19);7.45(t,1H,J=8Hz,H−25);7.62(m,1H,H−26);7.71(m,1H,H−24);7.85(m,1H,H−23);9.97(s,1H,H−27)。
【0094】
【化19】

以下の化合物は、同様の方法において調製される。
【0095】
実施例10:14−O−[(2−ホルミルフェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.54(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.97(s,3H,CH−18);1.32(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.95,υ=3.88,J=21Hz,CH−22);4.92(m,2H,H−20);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);6.02(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.38および7.57(2×t,2H,J=8Hz,H−24および25);7.50および7.89(2×d,2H,J=8Hz,H−23および26);10.19(s,1H,H−27)。
【0096】
【化20】

【0097】
実施例11:14−O−[(4−ホルミルフェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(500MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.78(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.96(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.36(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=4.03,υ=3.98,J=24Hz,CH−22);4.95(m,2H,H−20);5.51(d,1H,J=8Hz,H−14);6.02(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.49および7.78(2×d,4H,J=8Hz,H−23および24);9.91(s,1H,H−25)。
【0098】
【化21】

【0099】
実施例12:14−O−{[3−(アミノイミノ−メチル)−ヒドラゾノメチル−フェニルスルファニル]−アセチル}−ムチリン塩酸塩
4mLのN,N−ジメチルアセトアミド中の381mg(0.61mmol)の14−O−[(3−ホルミル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンに83mg(0.61mmol)のアミノグアニジン−ジヒドロ炭酸塩および0.61mlの2N塩酸が加えられる。反応物は、12時間、室温において攪拌された後に、反応物混合物は、減圧下において蒸発されて乾燥され、かつ移動相として1%の酢酸を含む4:1:1の比のジクロロメタン/メタノール/イソプロピルエーテルを用い、シリカゲルにおいてクロマトグラフ分離される。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.78(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.95(s,3H,CH−18);1.27(s,3H,CH−15);2.33(bs,1H,H−4);3.36(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.94,υ=3.85,J=36Hz,CH−22);4.90(m,2H,H−20);5.48(d,1H,J=8Hz,H−14);6.00(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.32(m,1H,H−25);7.32および7.58(2×m,2H,H−24および26);7.83(s,1H,H−23);8.05(s,1H,H−27)。
【0100】
【化22】

以下の化合物は、同様の方法において調製された。
【0101】
実施例13:14−O−[{3−[((1−ピペラジノイミノメチル)−メチルヒドラゾノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(500MHz,CDOD,δ,ppm,characteristic signals):0.65(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.89(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.03(s,3H,CH−18);1.37(s,3H,CH−15);3.34(s,3H,N−CH);3.41−3.58(m,8H,N−CH);AB−system(υ=3.78,υ=3.73,J=24Hz,CH−22);5.01(m,2H,H−20);5.64(d,1H,J=8Hz,H−14);6.15(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.40,7,48および7,64(3×m,3H,H−24,25および26);7.86(s,1H,H−23);8.14(bs,1H,H−27)。
【0102】
【化23】

【0103】
実施例14:14−O−[{3−[(3−エチル−(2−エチルイミノ)−イミダゾリジン−1−イルイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,CDCl,δ,ppm,characteristic signals):0.66(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.87(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.10(s,3H,CH−18);1.32(t,3H,J=7Hz,CH−31);1.39(s,3H,CH−15);2.06(bs,1H,H−4);3.46(d,3H,J=5Hz,CH−32);3.62(s,2H,CH−22);3.85および4.05(2×m,4H,CH−28および29);3.97(q,2H,J=7Hz,CH−30);5.12および5.25(2×m,2H,H−20);5.70(d,1H,J=8Hz,H−14);6.37(dd,1H,J=11および17Hz,H−19);7.30−7.55(3×m,3H,H−24,25および26);7.56(s,1H,H−23);7.64(s,1H,H−27)。
【0104】
【化24】

実施例15:14−O−[{3−[(1−ピペラジノイミノメチル)−ヒドラゾノメチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(500MHz,CDCl,δ,ppm,characteristic signals):0.63(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.87(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.04(s,3H,CH−18);1.35(s,3H,CH−15);2.25(bs,1H,H−4);3.05(m,4H,N−CH);3.64(m,6H,N−CH,H−22);5.02および5.12(2×m,2H,H−20);5.65(d,1H,J=8Hz,H−14);6.21(dd,1H,J=11および17Hz,H−19);7.31(t,1H,H−25);7.38および7.52(2×m,2H,H−24および26);7.77(bs,1H,H−23);8.26(s,1H,H−27)。
【0105】
【化25】

【0106】
実施例16:14−O−[{3−[(2−モルホリン−4−イル−エトキシイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.78(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.95(s,3H,CH−18);1.28(s,3H,CH−15);2.34(bs,1H,H−4);2.40(m,4H,CH−30);2.60(t,2H,J=6Hz,CH−29),3.42(t,1H,J=6Hz,H−11);3.55(t,4H,J=5Hz,CH−31);AB−system(υ=3.88,υ=3.70,J=30Hz,CH−22);4.21(t,2H,J=6Hz,CH−28);4.90(m,2H,H−20);5.48(d,1H,J=8Hz,H−14);6.00(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.30−7.90(m,4H,H−23,24,25および26);8.17(s,1H,H−27)。
【0107】
【化26】

【0108】
実施例17:14−O−[3−{[(2−ピロリジン−1−イル−エトキシイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(500MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.78(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.96(s,3H,CH−18);1.28(s,3H,CH−15);2.34(bs,1H,H−4);2.60−3.00(bm,10H,CH−29,30および31);3.36(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.88,υ=3.70,J=35Hz,CH−22);4.26(t,2H,J=6Hz,CH−28);4.90(m,2H,H−20);5.48(d,1H,J=8Hz,H−14);6.00(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.30−7.43(m,3H,H−24,25および26);7.58(s,1H,H−23);8.19(s,1H,H−27)。
【0109】
【化27】

【0110】
実施例18:14−O−[{4−[(1−ピペラジノイミノメチル)−ヒドラゾノメチル}−フェニルスルファニル]−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.51(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.77(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.97(s,3H,CH−18);1.24(s,3H,CH−15);2.33(bs,1H,H−4);3.18(m,4H,CH−29);3.36(t,1H,J=6Hz,H−11);3.81(m,4H,CH−28);AB−system(υ=3.90,υ=3.81,J=34Hz,CH−22);4.91(m,2H,H−20);5.47(d,1H,J=8Hz,H−14);6.00(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.10−7.51(m,5H,H−23,24,25,26および27)。
【0111】
【化28】

【0112】
実施例19:14−O−[{2−[(アミノイミノメチル)−ヒドラゾノメチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.52(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.75(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.96(s,3H,CH−18);1.27(s,3H,CH−15);2.33(bs,1H,H−4);3.36(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.87,υ=3.78,J=26Hz,CH−22);4.92(m,2H,H−20);5.47(d,1H,J=8Hz,H−14);5.99(m,1H,H−19);7.25(m,2H,H−24および25);7.44および7.96(2×m,2H,H−23,および26);8.54(s,1H,H−27)。
【0113】
【化29】

【0114】
実施例20:14−O−[{4−[(アミノイミノメチル)−ヒドラゾノメチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.97(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.36(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.94,υ=3.88,J=24Hz,CH−22);4.96(m,2H,H−20);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.38および7.78(2×d,4H,J=8Hz,H−23および24);8.10(s,1H,H−25)。
【0115】
【化30】

【0116】
実施例21:14−O−[{4−[(1−ピペラジノイミノメチル)−ヒドラゾノメチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.78(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.98(s,3H,CH−18);1.29(s,3H,CH−15);2.36(bs,1H,H−4);3.22(m,4H,CH−27);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);3.85(m,4H,CH−26);AB−system(υ=3.95,υ=3.89,J=24Hz,CH−22);4.94(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.40および7.79(2×d,4H,J=8Hz,H−23および24);8.54(s,1H,H−25)。
【0117】
【化31】

【0118】
実施例22:14−O−[{4−[(1−ピペラジノイミノメチル)−メチルヒドラゾノメチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.99(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.36(bs,1H,H−4);3.24(m,4H,CH−28);3.37(s,3H,CH−26),3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);3.70(m,4H,CH−27);AB−system(υ=3.94,υ=3.88,J=21Hz,CH−22);4.95(m,2H,H−20);5.51(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.40および7.73(2×d,4H,J=8Hz,H−23および24);8.10(s,1H,H−25)。
【0119】
【化32】

【0120】
実施例23:14−O−[{3−[(1−アセチルピペラジノイミノメチル)−ヒドラゾノメチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,CDOD,δ,ppm,characteristic signals):0.63(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.87(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.04(s,3H,CH−18);1.34(s,3H,CH−15);2.13(s,3H,CH−30),AB−system(υ=3.51,υ=3.33,J=67Hz,CH−22);3.50(t,1H,J=6Hz,H−11);3.55−3.69(m,8H,CH−28および29);5.01および5.12(2×m,2H,H−20);5.65(d,1H,J=8Hz,H−14);6.21(dd,1H,J=11および17Hz,H−19);7.28(m,1H,H−25);7.33および7.48(2×m,2H,H−24および26);7.74(m,1H,H−23);8.18(s,1H,H−27)。
【0121】
所要の1−アセチルピペラジノイミノメチル−ヒドラジンは、以前に記載された1−ホルミルピペラジノイミノメチル−ヒドラジン(国際公開第9635692号パンフレット)と同様に調製される。
【0122】
【化33】

【0123】
実施例24:14−O−[(3−アセトキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
10mLのCHCl中の1g(2mmol)の14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンの溶液に、351μL(3.2mmol)のN−メチルモルホリンおよび302μL(3.2mmol)の無水酢酸が触媒量の4−ジメチルアミノピリジンとともに加えられる。反応物混合物は、16時間、室温において静置され、減圧下において濃縮され、かつ移動相として100:0.5から100:1の比のCHCl/メタノールを用い、シリカにおいてクロマトグラフ分離された。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.98(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.05(s,3H,CH−28);2.35(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.85,υ=3.78,J=29Hz,CH−22);4.97(m,2H,H−20);5.00(s,2H,CH−27);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.13−7.28(m,3H,H−24,25,および26);7.33(bs,1H,H−23)。
【0124】
【化34】

【0125】
実施例25:14−O−{[3−(2−ヒドロキシフェニルカルボニル)−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル]−アセチル}−ムチリン
15mLのCHClに懸濁された276mg(2mmol)のサリチル酸に、122mg(1mmol)の4−ジメチルアミノピリジン、500mg(1mmol)の14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、および515mg(2.5mmol)のジクロロヘキシルカルボジイミドが加えられる。反応混合物は、24時間、室温において静置される。減圧下において濃縮後、水および酢酸エチルが加えられ、かつ有機相は、水と塩水とを用いて数回洗浄される。減圧下で濃縮後、残留物は、移動相として100:1の比のCHCl/メタノールを用い、シリカにおいてクロマトグラフ分離される。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.53(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.77(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.95(s,3H,CH−18);1.27(s,3H,CH−15);2.30(bs,1H,H−4);3.34(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.88,υ=3.79,J=26Hz,CH−22);4.92(m,2H,H−20);5.46(d,1H,J=8Hz,H−14);6.02(m,1H,H−19);6.88−7.80(m,8H,arom−H)。
【0126】
【化35】

【0127】
実施例26:14−O−[(3−メルカプトメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
ステップ1:14−O−[(3−メタンスルホニルオキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
250mLの乾燥THF中の6g(12mmol)の14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンに、2.17mL(20mmol)のN−メチルモルホリンおよび3.06g(18mmol)のメタンスルホン無水物が触媒量の4−ジメチルアミノピリジンとともに加えられる。反応混合物は、2時間、室温において静置される。水を加えた後に、混合物は、酢酸エチルを用いて抽出され、かつその後、有機相は水および塩水を用いて数回洗浄される。有機相は、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥され、かつ減圧下において濃縮される。粗生成物は、さらに精製することなく次のステップのために用いられる。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ,ppm,characteristic signals):0.68(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.87(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.12(s,3H,CH−18);1.40(s,3H,CH−15);2.08(bs,1H,H−4);2.96(s,3H,CH−28);3.34(d,1H,J=6Hz,H−11);3.59(s,2H,CH−22);5.15および5.30(2×m,2H,H−20);5.72(d,1H,J=8Hz,H−14);6.40(dd,1H,J=11および17Hz,H−19);7.23−7.43(m,4H,arom−H)。
【0128】
【化36】

【0129】
ステップ2:14−O−[(3−トリチルスルファニルメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
5mLの無水エタノール中の118mg(1.73mmol)のNaOEtに、8mLの無水エタノール中の478mg(1.73mmol)のトリフェニルメタンチオールが加えられ、かつ生じた溶液は室温において攪拌される。45分後に、9mLのアセトン中の1g(1.73mmol)の14−O−[(3−メタンスルホニルオキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンが加えられ、かつ反応物は、室温において3時間保持される。減圧下において濃縮後、水および酢酸エチルが加えられ、かつ有機相は、水および塩水を用いて数回洗浄される。減圧下において濃縮後、組成生物は、さらに精製することなく次のステップのために用いられる。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ,ppm,characteristic signals):0.66(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.85(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.07(s,3H,CH−18);1.38(s,3H,CH−15);2.03(bs,1H,H−4);3.26(s,2H,CH−27);3.29(d,1H,H−11,J=6Hz);3.54(d,2H,J=8Hz,CH−22);5.09および5.26(2×m,2H,H−20);5.68(d,1H,J=8Hz,H−14);6.38(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);6.95,および7.20(2×m,2H,H−24および26);7.10(m,1H,H−23);7.13(t,1H,J=7Hz,H−25);7.22−7.30(m,15H,Trityl−H)。
【0130】
【化37】

【0131】
ステップ3:14−O−[(3−メルカプトメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
15mLの1:1の比のTFA/CHCl混合液に溶解された600mg(0.79mmol)の14−O−[(3−トリチルスルファニルメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンに、630μL(3.95mmol)のトリエチルシランが加えられる。反応混合物は、室温において2時間静置される。減圧下において濃縮後、残留物は、移動相として7:3の比のシクロヘキサン/酢酸エチルを用い、シリカにおいてクロマトグラフ分離される。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.98(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.37(bs,1H,H−4);3.38(t,1H,J=6Hz,H−11);3.66(d,2H,J=8Hz,CH−27);AB−system(υ=3.84,υ=3.77,J=27Hz,CH−22);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.12−7.26(m,3H,H−24,25および26);7.31(bs,1H,H−23)。
【0132】
【化38】

【0133】
実施例27:14−O−[(3−アセチルチオメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
100mLのTHF中の579mg(1mmol)の14−O−[(3−メタンスルホニルオキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンに、114mgのチオ酢酸カリウムが加えられる。24時間室温において攪拌後、反応混合物は、減圧下において濃縮される。酢酸エチルおよび水が加えられ、かつ有機相は、水および塩水を用いて数回洗浄される。減圧下において濃縮後、残留物は、移動相として100:1の比のCHCl/メタノールを用い、シリカにおいてクロマトグラフ分離される。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.98(s,3H,CH−18);1.29(s,3H,CH−15);2.33(s,3H,CH−28);2.35(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.82,υ=3.76,J=26Hz,CH−22);4.04(s,2H,CH−27);4.94(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.08(m,1H,H−25);7.22(m,2H,H−24および26);7.26(bs,1H,H−23)。
【0134】
【化39】

【0135】
実施例28:14−O−[(3−アジドメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
10mLのDMF中の1g(1.73mmol)の14−O−[(3−メタンスルホニルオキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンに、449mgのNaNが加えられた。生じた懸濁液は、4.5時間、50℃において攪拌され、かつ室温において一晩放置される。水と酢酸エチルとが加えられ、かつ有機相は、水と塩水を用いて数回洗浄される。減圧下において濃縮後、残留物は、移動相として100:1の比のCHCl/メタノールを用い、シリカにおいてクロマトグラフ分離される。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.34(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.85,υ=3.78,J=27Hz,CH−22);4.39(s,2H,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.18(m,1H,H−25);7,32(m,2H,H−24および26);7,34(bs,1H,H−23)。
【0136】
【化40】

【0137】
実施例29:14−O−[(3−アミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
30mLのTHFに溶解された1g(1.9mmol)の14−O−[(3−アジドメチル)−フェニルスルファニル−アセチル]−ムチリンに、900mgのリンドラー触媒が加えられ、かつ、反応混合物は6時間、水素添加される。反応混合物は、セリットを通してろ過され、減圧下において濃縮され、かつ残留物は、移動相として10:1の比のCHCl/メタノールを用い、シリカにおいてクロマトグラフ分離される。塩酸塩は、3mLのCHClにおいて125mgの14−O−[(3−アミノメチル)−フェニルスルファニル−アセチル]−ムチリンを溶解し、かつ2mLの塩酸飽和EtOを加えることにより得られた。45分後、反応物は減圧下において蒸発されて乾燥された。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18),1.31(s,3H,CH−15);2.38(bs,1H,H−4);3.38(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.89,υ=3.82,J=26Hz,CH−22);3.95(s,2H,CH−27);4.98(m,2H,H−20);5.51(d,1H,J=8Hz,H−14);6.05(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7,30(m,3H,H−24,25および26);7,48(s,1H,H−23)。
【0138】
【化41】

【0139】
実施例30:14−O−[(3−アセチルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
3mLのCHCl中の300mg(0.6mmol)の14−O−[(3−アミノメチル)−フェニルスルファニル−アセチル]−ムチリンに、106μL(0.96mmol)のN−メチルモルホリン、91μL(0.96mmol)の無水酢酸、および触媒量の4−ジメチルアミノピリジンが加えられる。生じた溶液は、5時間、室温において静置される。減圧下において蒸発されて乾燥された後、残留物は、移動相として100:1から100:1.2の比のCHCl/メタノールを用い、シリカにおいてクロマトグラフ分離される。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.99(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);1,85(s,3H,CH−28);2.35(bs,1H,H−4);3.38(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.82,υ=3.75,J=28Hz,CH−22);4,18(d,2H,J=6Hz,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=11および19Hz,H−19);7.03−7.26(m,4H,H−23,24,25および26)。
【0140】
【化42】

ギ酸無水物(acetic formic anhydride)を用いて、以下の実施例は、同様の方法において調製される。
【0141】
実施例31:14−O−[(3−ホルミルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.80(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.85,υ=3.77,J=26Hz,CH−22);4,24(d,2H,J=6Hz,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.05(dd,1H,J=11および19Hz,H−19);7,03−7.38(m,4H,H−23,24,25および26),8.11(s,1H,H−28)。
【0142】
【化43】

【0143】
実施例32:14−O−[{3−[(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
20mLのTHF中の579mg(1mmol)の14−O−[(3−メタンスルホニルオキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンに、112mg(2mmol)の2−アミノ−エタノールが加えられ、かつ反応物は、室温において16時間攪拌される。減圧下において濃縮後、酢酸エチルおよび水が加えられ、かつ有機相は、水および塩水を用いて数回洗浄される。有機相は、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥され、減圧下において蒸発され、かつ残留物は、移動相として100:5:0.05の比のCHCl/メタノール/アンモニア水を用い、シリカにおいてクロマトグラフ分離される。塩酸塩は、実施例29に例示されたようにして得られた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.98(s,3H,CH−8);1.30(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);2.53(t,2H,J=6Hz,CH−28);3.38(m,5H,H−11,CH−28および29);3.44(q,2H,J=6および10Hz,CH−29);3.65(S,3H,CH−27);AB−system(υ=3.82,υ=3.74,J=27Hz,CH−22);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.18(m,3H,H−24,25および26);7.29(s,1H,H−23)。
【0144】
【化44】

以下の化合物は、同様の方法において調製される。
【0145】
実施例33:14−O−[{3−[(3−アミノ−プロピルアミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.98(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);2.48および2.57(2×m,4H,CH−28および30);3.36(t,1H,J=6Hz,H−11);3.60(s,2H,CH−27);AB−system(υ=3.81,υ=3.743,J=28Hz,CH−22);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および17Hz,H−19);7.10−7.23(m,3H,H−24,25および26);7.28(s,1H,H−23)。
【0146】
【化45】

【0147】
実施例34:14−O−[(3−{[3−(3−アミノ−プロピルアミノ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.31(s,3H,CH−15);2.38(s,1H,H−4);2.86−3.05(m,8H,CH−28,30,31および33);3.76(bt,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.92,υ=3.84,J=27Hz,CH−22);4.06(bs,2H,CH−27);4.97(m,2H,H−20);5.51(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7,36(m,3H,H−24,25および26);7,60(s,1H,H−23)。
【0148】
【化46】

【0149】
実施例35:14−O−[{3−[(2,2−ジフルオロ−エチルアミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.97(s,3H,CH−18);1.29(s,3H,CH−15);2.34(bs,1H,H−4);2.79(bt,2H,J=16Hz,CH−28);3.48(t,1H,J=6Hz,H−11);3.68(s,2H,CH−27);AB−system(υ=3.83,υ=3.77,J=30Hz,CH−22);4.94(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);5,97(tt,1H,J=4および56Hz,H−29);6.03(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7,10−7.28(m,3H,H−24,25および26);7,30(s,1H,H−23)。
【0150】
【化47】

【0151】
実施例36:14−O−[(3−ベンジルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.89,υ=3.83,J=26Hz,CH−22);4.09(m,4H,CH−27および28);4.95(m,2H,H−20);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=8および20Hz,H−19);7,32−7,56(m,9H,arom−H)。
【0152】
【化48】

【0153】
実施例37:14−O−[(3−アリルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);3.54(d,2H,J=7Hz,CH−28);AB−system(υ=3.90,υ=3.83,J=26Hz,CH−22);4.04(s,2H,CH−27);4.97(m,2H,H−20);5.43(m,2H,H−30);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);5,90(m,1H,H−29);6.04(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7,35(m,3H,H−24,25および26);7,53(d,1H,J=1Hz,H−23)。
【0154】
【化49】

【0155】
実施例38:14−O−{[3−(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル−フェニルスルファニル]−アセチル}−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.80(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.99(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.36(bs,1H,H−4);3,01(t,2H,J=5Hz,CH−28);3.28(s,3H,CH−30);3.38(t,1H,J=6Hz,H−11);3.59(t,2H,J=5Hz,H−29);AB−system(υ=3.89,υ=3.83,J=26Hz,CH−22);4.07(s,2H,CH−27);4.97(m,2H,H−20);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=10および21Hz,H−19);7,34(m,3H,H−24,25および26);7,56(bs,1H,H−23)。
【0156】
【化50】

【0157】
実施例39:14−O−[(3−{[2−(2−アミノ−エチルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(500MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.31(s,3H,CH−15);2.37(bs,1H,H−4);3,13−3,36(m,8H,CH−28,29,30および31);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.92,υ=3.84,J=32Hz,CH−22);4.15(s,2H,CH−27);4.96(m,2H,H−20);5.52(d,1H,J=8Hz,H−14);6.06(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7,37(m,3H,H−24,25および26);7,59(s,1H,H−23)。
【0158】
【化51】

【0159】
実施例40:14−O−[3−{[(フラン−2イルメチル)−アミノ]−メチル}−フェニルスルファニル−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.99(s,3H,CH−18);1.31(s,3H,CH−15);2.36(bs,1H,H−4);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.90,υ=3.83,J=26Hz,CH−22);4.07および4.18(2×s,4H,CH−27および28);4.95(m,2H,H−20);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);6.05(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);6.53および6.63(2×m,2H,H−30および31);7,34(m,3H,H−24,25および26);7,52(s,1H,H−23);7.76(m,1H,H−32)。
【0160】
【化52】

【0161】
実施例41:14−O−[(3−メチルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.81(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.99(s,3H,CH−18);1.31(s,3H,CH−15);2.36(bs,1H,H−4);2,50(s,3H,CH−28);3.38(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.90,υ=3.83,J=26Hz,CH−22);4.07(s,2H,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);6.05(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7,33(m,3H,H−24,25および26);7,53(s,1H,H−23)。
【0162】
【化53】

【0163】
実施例42:14−O−[(3−シクロプロピルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.57(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.70,0.85(2×m,4H,CH−29,30);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.31(s,3H,CH−15);2.37(bs,1H,H−4);2.60(m,1H,H−28);3.37(t,1H,J=6Hz,H−11);AB−system(υ=3.90,υ=3.83,J=27Hz,CH−22);4,14(s,2H,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.51(d,1H,J=8Hz,H−14);6.05(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.34(s,3H,H−24,25および26);7.53(s,1H,H−28)。
【0164】
【化54】

【0165】
実施例43:14−O−[(3−モルホリン−4−イル−メチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.99(s,3H,CH−18);1.29(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);2.98−3.23(m,4H,CH−28および31);3.35(t,1H,J=6Hz,H−11);3.70−3.96(m,6H,CH−22,29および30);4,27(m,2H,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および19Hz,H−19);7.40(m,3H,H−24,25および26),7.63(s,1H,H−28)。
【0166】
【化55】

【0167】
実施例44:14−O−[(3−ピペラジン−1−イルメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.28(s,3H,CH−15);2.23および2.66(m,t,8H,J=5Hz,CH−28,29,30および31);2.34(bs,1H,H−4);3.35(m,3H,H−11,CH−27);AB−system(υ=3.80,υ=3.73,J=24Hz,CH−22);4,27(m,2H,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.02(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.08−7.27(m,4H,H−23,24,25および26)。
【0168】
【化56】

【0169】
実施例45:14−O−{3−[(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−メチル]−フェニルスルファニル−アセチル}−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);1.00(s,3H,CH−18);1.31(s,3H,CH−15);2.37(bs,1H,H−4);2.82(s,6H,CH−30および31);3.38(m,5H,H−11,CH−28および29);AB−system(υ=3.92,υ=3.83,J=27Hz,CH−22);4,13(m,2H,CH−27);4.97(m,2H,H−20);5.51(d,1H,J=8Hz,H−14);6.05(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.38(m,3H,H−24,25および26);7.59(s,1H,H−23)。
【0170】
【化57】

【0171】
実施例46:14−O−{3−[(2−アミノ−エチルアミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.80(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.97(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.35(bs,1H,H−4);2.45および2.58(2×m,4H,CH−28および29);3.34(d,1H,J=6Hz,H−11);3.62(s,2H,CH−27);AB−system(υ=3.82,υ=3.73,J=27Hz,CH−22);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.18(m,3H,H−24,25および26);7.29(s,1H,H−23)。
【0172】
【化58】

【0173】
実施例47:14−O−[(3−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチル}−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.56(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.99(s,3H,CH−18);1.30(s,3H,CH−15);2.36(bs,1H,H−4);2.53(t,2H,J=6Hz,CH−28);3.13および3.23(2×m,4H,CH−28および30);3.38(bt,1H,H−11,J=6Hz);3.78(m,4H,CH−29および31);AB−system(υ=3.92,υ=3.84,J=31Hz,CH−22);4.48(bd,2H,J=4Hz,CH−27);4.95(m,2H,H−20);5.50(d,1H,J=8Hz,H−14);6.04(dd,1H,J=11および18Hz,H−19);7.38(m,4H,arom−H)。
【0174】
【化59】

【0175】
実施例48:14−O−[(3−ジメチルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン塩酸塩
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ,ppm,characteristic signals):0.55(d,3H,J=7Hz,CH−16);0.79(d,3H,J=7Hz,CH−17);0.97(s,3H,CH−18);1.29(s,3H,CH−15);2.11(s,6H,CH−28および29);2.36(bs,1H,H−4);3.31(s,2H,CH−27);3.37(t,1H,H−11,J=6Hz);AB−system(υ=3.80,υ=3.74,J=25Hz,CH−22);4.95(m,2H,H−20);5.49(d,1H,J=8Hz,H−14);6.03(m,1H,H−19);7.08および7.22(2×m,4H,arom−H)。
【0176】
【化60】

【0177】
[新規プレウロムチリン派生物の抗菌活性]
最小阻害濃度(minimal inhibitory concentration(MIC))として表される抗菌活性は、CLSI(旧NCCLS)の認可標準参照推奨(approved standard reference recommendation)に従って決定された。
【0178】
実施例1の化合物および請求の範囲に記載される他の化合物は、臨床関連病原菌である黄色ブドウ球菌、エンテロコッカス・フェカリス、肺炎連鎖球菌、モラクセラ・カタラーリス、および大腸菌のうち少なくとも1種に対して非常に優れた活性を示した(表1を参照)。実施例1のMICは、表1において示される菌株のうち少なくとも1種に対して、実施例2のMICよりも少なくとも2倍低かったので、実施例1のインビトロ活性は、比較化合物2のインビトロ活性よりも非常に優れていた(表1を参照)。
【0179】
表1.最小阻害濃度(MIC,[μg/ml])として表される、選択された病原菌に対する実施例1および比較化合物実施例2の抗菌活性。
【0180】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
14−O−[(((C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(((C1−6)モノ−またはジアルキルアミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(((C1−6)アシルアミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ヒドロキシ−(C1−6)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ホルミル−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((グアニジノ−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((チオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((イソチオウレイド−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((シアノ−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((アジド−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(((C1−6)アシルオキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ベンゾイルオキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンから成る群から選ばれる化合物であって、
当該化合物のフェニル環は、ハロゲン、(C1−6)アルキル基、アリール基、アリール(C1−6)−アルキル基、(C1−6)アルコキシ基、(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキル基、ハロ(C1−6)アルキル基、アリール(C1−6)アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、モノ−またはジ−N−(C1−6)アルキルカルバモイル基、(C1−6)−アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ウレイド基、グアニジノ基、(C1−6)アルキルグアニジノ基、アミジノ基、(C1−6)アルキルアミジノ基、スルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、(C1−6)アルキルチオ基、(C1−6)−アルキルスルフィニル基、(C1−6)アルキルスルホニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル(C1−6)アルキル基、およびヘテロアリール(C1−6)アルキル基から独立して選択される4つ以下の基によって、任意にさらに置換される、または2つの隣接環の炭素原子は、(C3−5)アルキレン鎖によって連結されて、炭素環を形成してもよいことを特徴とする化合物。
【請求項2】
14−O−[(((C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(((C1−6)モノ−またはジアルキルアミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ヒドロキシ−(C1−6)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((ホルミル−(C0−5)−アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[((グアニジノ−イミノ−(C1−6)アルキル)−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
化学式(I)の化合物
【化1】

であって、
化学式(I)中、nは1〜6であって;
Xは、酸素、Rが水素または直鎖もしくは分岐(C1−6)−アルキル基であるNR、ヒドロキシ−(C1−6)アルキル基、または(C1−6)アルコキシ−(C1−6)アルキル基であって、
は、水素、直鎖状または分岐(C1−6)−アルキル基、モノ−またはジハロゲン化(C1−6)アルキル基、アミノ(C1−6)−アルキル基、ヒドロキシ(C1−6)−アルキル基、フェニル(C1−6)−アルキル基、(C1−6)−アルキレン基、フラニル(C1−6)−アルキル基、(C3−6)−シクロアルキル基、および対応するアンモニウム塩(例えば、塩化物)であるか、
或いは、RおよびRは、これらの基が付けられる窒素とともにに1つ以上の窒素原子を含む5〜7員環の複素環を形成するか、
或いは、XRはピペラジニル基もしくはモルホリニル基である。
【請求項4】
化学式(II)の化合物
【化2】

であって、
化学式(II)中、nは0〜5であって、
Yは酸素またはNRであり、
は、
【化3】

(R中、Xは酸素、硫黄、NH、またはNR
であるか、または、
対応する陰イオン、例えば塩化物を有する
【化4】

であって、
、R、R、Rは水素、直鎖もしくは分岐C1−6アルキル基、またはC3−8シクロアルキル基であって、
はC1−4アルキル基である。
【請求項5】
YはNR、XはNR、R
【化5】

であって、
かつRおよびRは、これらの基が付けられる窒素とともに2つ以上の窒素原子を含む5〜7員環の複素環を形成し、一方、RおよびRは請求項4のものと同義であるか、
または、かつRおよびRは、これらの基が付けられる窒素とともに2つ以上の窒素原子を含む5〜7員環の複素環を形成し、一方、RおよびRは請求項4のものと同義であるか、
または、かつRおよびRは、これらの基が付けられる窒素とともに1つ以上の窒素原子を含む5〜7員環の複素環を形成し、一方、RおよびRは請求項4のものと同義であることを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
YはNR、XはNR

【化6】

であって、
およびRは、請求項4のものと同義であって、
は水素、直鎖もしくは分岐C1−6アルキル基、またはアシル基(例えば、C1−6アシル基)であることを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
上記(CH−基は、フェニル環ヘの硫黄結合に関してメタ位にあることを特徴とする、請求項3、4、5、および6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
請求項3、4、5、および6のいずれか1項に記載の化合物であって、
当該化合物のフェニル環が、ハロゲン、(C1−6)アルキル基、アリール基、アリール(C1−6)−アルキル基、(C1−6)アルコキシ基、(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキル基、ハロ(C1−6)アルキル基、アリール(C1−6)アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、モノ−またはジ−N−(C1−6)アルキルカルバモイル基、(C1−6)−アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ウレイド基、グアニジノ基、(C1−6)アルキルグアニジノ基、アミジノ基、(C1−6)アルキルアミジノ基、スルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、(C1−6)アルキルチオ基、(C1−6)−アルキルスルフィニル基、(C1−6)アルキルスルホニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル(C1−6)アルキル基、およびヘテロアリール(C1−6)アルキル基から独立して選択される4つ以下の基によってさらに置換される、または、2つの隣接環の炭素原子は、(C3−5)アルキレン鎖によって連結されて、炭素環を形成してもよいという条件で、
上記(CH−基がフェニル環への硫黄結合に関してオルト位にあることを特徴とする化合物。
【請求項9】
14−O−[(3−ヒドロキシメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−{[3−(アミノイミノ−メチル)−ヒドラゾノメチル−フェニルスルファニル]−アセチル}−ムチリン、
14−O−[{3−[((1−ピペラジノイミノメチル)−メチルヒドラゾノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[{3−[(3−エチル−(2−エチルイミノ)−イミダゾリジン−1−イルイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[{3−[(1−ピペラジノイミノメチル)−ヒドラゾノメチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[{3−[(2−モルホリン−4−イル−エトキシイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[3−{[(2−ピロリジン−1−イル−エトキシイミノ)−メチル]−フェニルスルファニル}−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−アミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−アリルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリン、
14−O−[3−{[(フラン−2イルメチル)−アミノ]−メチル}−フェニルスルファニル−アセチル]−ムチリン、
14−O−[(3−シクロプロピルアミノメチル−フェニルスルファニル)−アセチル]−ムチリンからなる群から選択される化合物。
【請求項10】
塩の形態である、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
調合薬として用いるための、請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
病原菌によって媒介される疾病の治療が必要な被検体に、効果的な量の請求項1から11のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、病原菌によって媒介される疾病の治療方法。
【請求項13】
病原菌によって媒介される疾病の治療のための薬剤を調製するための、請求項1から11のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
細菌感染は皮膚感染または軟組織感染であることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
少なくとも1つの薬学的賦形剤とともに、請求項1から11のいずれか1項の化合物を含む医薬組成。
【請求項16】
他の薬学的活性剤をさらに含む、請求項15に記載の医薬組成。
【請求項17】
にきびの治療のための薬剤の調製で使用するための、請求項1から11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
細菌保菌者の非コロニー化のための薬剤の調製で使用するための化合物。

【公表番号】特表2009−531278(P2009−531278A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549710(P2008−549710)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000009
【国際公開番号】WO2007/079515
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(507421957)ナブリヴァ セラピュティクス アクチエンゲゼルシャフト (8)
【Fターム(参考)】