ムチリン誘導体
【課題】抗菌剤として有用な新規化合物およびその製造中間体の提供。
【解決手段】多剤耐性菌に対する抗菌剤として有用な式(I)で表されるムチリン誘導体およびその製造中間体。R1はエチル基、ビニル基を、P1はH、ヒドロキシ基の保護基等を、R2およびR3はH等を、mは0〜4の整数を、Q1環は飽和ヘテロ環状基を、R4はH、低級アルキル基等を、Wは、プリン環等を含む基またはアミノ保護基を意味する。
【解決手段】多剤耐性菌に対する抗菌剤として有用な式(I)で表されるムチリン誘導体およびその製造中間体。R1はエチル基、ビニル基を、P1はH、ヒドロキシ基の保護基等を、R2およびR3はH等を、mは0〜4の整数を、Q1環は飽和ヘテロ環状基を、R4はH、低級アルキル基等を、Wは、プリン環等を含む基またはアミノ保護基を意味する。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表される化合物またはその生理的に許容される塩:
【化1】
[式中、R1はビニル基またはエチル基であり、
P1は水素原子またはヒドロキシ基の保護基であり、
R2およびR3は、同一または異なって、水素原子またはフッ素原子であり、
mは0〜4の整数であり、
Q1環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R4は、Q1環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり(但し、R4がQ1環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ1環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R4は水素原子または低級アルキル基である。)、
Wは、下記式(W−1)で表される基、またはアミノ基の保護基である〔但し、式(I)において、R1がビニル基であり、R2、R3およびR4が水素原子であり、mが0である場合、(1)Q1環がピペリジン環であり(ここにおいて、該ピペリジン環の3位または4位がカルボニル基に結合する。)、P1が水素原子またはジクロロアセチル基であり、Wがtert−ブトキシカルボニル基である化合物;(2)Q1環がピペリジン環であり(ここにおいて、該ピペリジン環の4位がカルボニル基に結合する。)、P1が水素原子であり、Wがベンジル基、4−メトキシベンジル基または4−フルオロベンジル基である化合物;および(3) Q1環がアゼチジン環であり(ここにおいて、該アゼチジン環の3位が、カルボニル基に結合する。)、P1が水素原子またはトリフルオロアセチル基であり、Wがtert−ブトキシカルボニル基である化合物、を除く。〕:
【化2】
[式中、Xは単結合、低級アルキレン鎖、C2-C6アルケニレン鎖〔該低級アルキレン鎖および該C2-C6アルケニレン鎖は、フッ素原子、低級アルキル基およびアミノ基(該アミノ基は、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルスルホニル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基で置換されていてもよい。)の群より選択される任意の基で置換されていてもよい。〕または−(CH2)p−Y3−で表される基であり、
Y3は酸素原子またはNHであり(ここにおいて、該酸素原子または該NHは、カルボニル基に結合する。)、
pは、Y3が酸素原子のとき1〜4の整数であり、Y3がNHのとき2〜4の整数であり、
Z1は窒素原子またはCR5であり、
R5は低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基で置換されていてもよいアミノ基、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、または置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニル基であり、
Z2、Z3およびZ4は同一または異なって窒素原子またはCHであり、
Y1は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、アミノ基[該アミノ基は、置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基;置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよい。]、または下記式(Y-1)で表される基
【化3】
[式中、Q2環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R6は、Q2環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基〔該アミノ基は、置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基;およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよい。〕、シアノ基、または置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は水素原子、低級アルコキシカルボニル基または置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基である。)、
R7は、Q2環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、または低級アルキル基である。]であり、
Y2は低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または前掲の式(Y−1)で表される基である:
[置換基群α]
低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、低級アルカノイル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニル基および該フェニル基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基
[置換基群β]
低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、トリフルオロメチル基、シアノ基およびニトロ基]。 ]。
【請求項2】
下記式(I−1)で表される請求項1に記載の化合物またはその生理的に許容される塩:
【化4】
[式中、R1はビニル基またはエチル基であり、
R2およびR3は、同一または異なって、水素原子またはフッ素原子であり、
mは0〜4の整数であり、
Q1環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R4は、Q1環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり(但し、R4がQ1環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ1環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R4は水素原子または低級アルキル基である。)、
Xは単結合、低級アルキレン鎖、C2-C6アルケニレン鎖〔該低級アルキレン鎖および該C2-C6アルケニレン鎖は、フッ素原子、低級アルキル基およびアミノ基(該アミノ基は、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルスルホニル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基で置換されていてもよい。)の群より選択される任意の基で置換されていてもよい。〕または−(CH2)p−Y3−で表される基であり、
Y3は酸素原子またはNHであり(ここにおいて、該酸素原子または該NHは、カルボニル基に結合する。)、
pは、Y3が酸素原子のとき1〜4の整数であり、Y3がNHのとき2〜4の整数であり、
Z1は窒素原子またはCR5であり、
R5は低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基で置換されていてもよいアミノ基、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、または置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニル基であり、
Z2、Z3およびZ4は同一または異なって窒素原子またはCHであり、
Y1は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、アミノ基[該アミノ基は、置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基;置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよい。]、または下記式(Y-1)で表される基
【化5】
[式中、Q2環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R6は、Q2環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基〔該アミノ基は、置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基;およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよい。〕、シアノ基、または置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は水素原子、低級アルコキシカルボニル基または置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基である。)、
R7は、Q2環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、または低級アルキル基である。]であり、
Y2は低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または前掲の式(Y−1)で表される基である:
[置換基群α]
低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、低級アルカノイル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニル基および該フェニル基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基
[置換基群β]
低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、トリフルオロメチル基、シアノ基およびニトロ基]。
【請求項3】
Q1環が、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式または2環式の飽和ヘテロ環であり、
Y1が、低級アルキル基またはアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、または下記式(Y-1)で表される基
【化6】
[式中、Q2環が、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、または2環式の飽和ヘテロ環であり、
R6が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、該アミノ基で置換されていてもよい低級アルキル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはシアノ基であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は水素原子、低級アルコキシカルボニル基または低級アルキル基である。)、
R7が、水素原子または低級アルキル基である。]であり、
Y2が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または前掲の式(Y−1)で表される基である請求項2に記載の化合物またはその生理的に許容される塩。
【請求項4】
R2およびR3が水素原子であり、
mが0〜2の整数であり、
R4が水素原子または低級アルキル基であり、
Xが、低級アルキル基で置換されていてもよい低級アルキレン鎖、または−(CH2)p−O−で表される基であり、
pが1〜4の整数であり、
R5が、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基であり、
Y1が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、または下記式(Y-1)で表される基
【化7】
[式中、Q2環が、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、または2環式の飽和ヘテロ環であり、
R6が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、該アミノ基で置換されていてもよい低級アルキル基、または水素原子であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は水素原子または低級アルキル基である。)、
R7が、水素原子または低級アルキル基である。]であり、
Y2が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、または前掲の式(Y−1)で表される基である請求項3に記載の化合物またはその生理的に許容される塩。
【請求項5】
R1がエチル基であり、
mが0または1であり、
Q1環が、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサヒドロアゼピン環またはモルホリン環であり、
R4が水素原子であり、
Xが、低級アルキル基で置換されていてもよい低級アルキレン鎖または−CH2O−であり、
Y1が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、または下記式(Y-1)で表される基
【化8】
[式中、Q2環が、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、1,4−ヘキサヒドロオキサゼピン環、ヘキサヒドロアゼピン環、アザビシクロ[3.2.1]オクタン環、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン環、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン環または2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン環であり、
R6が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、該アミノ基で置換されていてもよい低級アルキル基、または水素原子であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は低級アルキル基または水素原子である。)、
R7が、水素原子または低級アルキル基である。]である請求項4に記載の化合物またはその生理的に許容される塩。
【請求項6】
Q1環が、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環であり、
Y1が、下記式(Y-1)で表される基
【化9】
[式中、Q2環が、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環であり、
R6が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、該アミノ基で置換されてもよい低級アルキル基、または水素原子であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は低級アルキル基または水素原子である。)、
R7が、水素原子、または低級アルキル基である。]である請求項5に記載の化合物またはその生理的に許容される塩。
【請求項7】
化合物が次のいずれかである請求項2に記載の化合物またはその塩:
[[1−[3−〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(3−メチルアミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[[6−〔(3R)−3−アミノピロリジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル]アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[[6−〔(3S)−3−アミノピロリジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル]アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]アセチル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−[6−〔(3R)−3−アミノピロリジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル]プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−[6−〔(3S)−3−アミノピロリジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル]プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[3−〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔4−(3−アミノピロリジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−3−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル〕−2−フルオロ−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕カルボニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−メチル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[3−〔6−(3−アミノメチルピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[4−〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕ブチリル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−〔6−(3−メチルアミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔4−(ピペラジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[〔6−(ピペラジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−〔6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(4−メチルアミノピペリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;または
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕メチルオキシカルボニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 ムチリン14−エステル。
【請求項8】
下記式(II)で表される請求項1に記載の化合物またはその塩:
【化10】
[式中、R1はビニル基またはエチル基であり、
P1は水素原子またはヒドロキシ基の保護基であり、
R2およびR3は同一または異なって、水素原子またはフッ素原子であり、
mは0〜4の整数であり、
Q1環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R4はQ1環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり(但し、R4がQ1環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ1環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R4は水素原子または低級アルキル基である。)、
W1はアミノ基の保護基である〔但し、式(I)において、R1がビニル基であり、R2、R3およびR4が水素原子であり、mが0である場合、(1)Q1環がピペリジン環であり(ここにおいて、該ピペリジン環の3位または4位がカルボニル基に結合する。)、P1が水素原子またはジクロロアセチル基であり、W1がtert−ブトキシカルボニル基である化合物;(2)Q1環がピペリジン環であり(ここにおいて、該ピペリジン環の4位がカルボニル基に結合する。)、P1が水素原子であり、W1がベンジル基、4−メトキシベンジル基または4−フルオロベンジル基である化合物;および(3) Q1環がアゼチジン環であり(ここにおいて、該アゼチジン環の3位が、カルボニル基に結合する。)、P1が水素原子またはトリフルオロアセチル基であり、W1がtert−ブトキシカルボニル基である化合物、を除く。〕。]。
【請求項9】
P1が置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基または水素原子であり、
W1が置換基群βより選択される任意の基で置換されていてもよいフェニル基で置換されるメチル基、置換基群βより選択される任意の基で置換されていてもよいフェニル基で置換されるメトキシカルボニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基または低級アルコキシカルボニル基である請求項8に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
化合物が次のいずれかである請求項8に記載の化合物またはその塩:
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)カルボニル〕カルバミン酸 ムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 ムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−アセチルオキシムチリン14−エステル;
[〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル〕カルボニル]カルバミン酸 ムチリン14−エステル;
[(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)カルボニル]カルバミン酸 11−トリフルオロアセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−トリフルオロアセチルオキシムチリン14−エステル;
[〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル〕カルボニル]カルバミン酸 11−トリフルオロアセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピロリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 ムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピロリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−トリフルオロアセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−ジクロロアセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−アセチルピペリジン−4−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−アセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−ジクロロアセチルオキシムチリン14−エステル;
[〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル〕カルボニル]カルバミン酸 11−ジクロロアセチルオキシムチリン14−エステル;または
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピロリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−ジクロロアセチルオキシムチリン14−エステル。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその生理的に許容される塩を有効成分とする医薬。
【請求項12】
抗菌剤である請求項11に記載の医薬。
【請求項13】
抗菌剤が、抗ペニシリン耐性菌剤、抗多剤耐性菌剤、抗バンコマイシン耐性菌剤または抗メチシリン耐性菌剤である請求項12に記載の医薬。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその生理的に許容される塩および医薬上許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項15】
注射剤である請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項1】
下記式(I)で表される化合物またはその生理的に許容される塩:
【化1】
[式中、R1はビニル基またはエチル基であり、
P1は水素原子またはヒドロキシ基の保護基であり、
R2およびR3は、同一または異なって、水素原子またはフッ素原子であり、
mは0〜4の整数であり、
Q1環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R4は、Q1環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり(但し、R4がQ1環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ1環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R4は水素原子または低級アルキル基である。)、
Wは、下記式(W−1)で表される基、またはアミノ基の保護基である〔但し、式(I)において、R1がビニル基であり、R2、R3およびR4が水素原子であり、mが0である場合、(1)Q1環がピペリジン環であり(ここにおいて、該ピペリジン環の3位または4位がカルボニル基に結合する。)、P1が水素原子またはジクロロアセチル基であり、Wがtert−ブトキシカルボニル基である化合物;(2)Q1環がピペリジン環であり(ここにおいて、該ピペリジン環の4位がカルボニル基に結合する。)、P1が水素原子であり、Wがベンジル基、4−メトキシベンジル基または4−フルオロベンジル基である化合物;および(3) Q1環がアゼチジン環であり(ここにおいて、該アゼチジン環の3位が、カルボニル基に結合する。)、P1が水素原子またはトリフルオロアセチル基であり、Wがtert−ブトキシカルボニル基である化合物、を除く。〕:
【化2】
[式中、Xは単結合、低級アルキレン鎖、C2-C6アルケニレン鎖〔該低級アルキレン鎖および該C2-C6アルケニレン鎖は、フッ素原子、低級アルキル基およびアミノ基(該アミノ基は、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルスルホニル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基で置換されていてもよい。)の群より選択される任意の基で置換されていてもよい。〕または−(CH2)p−Y3−で表される基であり、
Y3は酸素原子またはNHであり(ここにおいて、該酸素原子または該NHは、カルボニル基に結合する。)、
pは、Y3が酸素原子のとき1〜4の整数であり、Y3がNHのとき2〜4の整数であり、
Z1は窒素原子またはCR5であり、
R5は低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基で置換されていてもよいアミノ基、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、または置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニル基であり、
Z2、Z3およびZ4は同一または異なって窒素原子またはCHであり、
Y1は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、アミノ基[該アミノ基は、置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基;置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよい。]、または下記式(Y-1)で表される基
【化3】
[式中、Q2環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R6は、Q2環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基〔該アミノ基は、置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基;およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよい。〕、シアノ基、または置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は水素原子、低級アルコキシカルボニル基または置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基である。)、
R7は、Q2環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、または低級アルキル基である。]であり、
Y2は低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または前掲の式(Y−1)で表される基である:
[置換基群α]
低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、低級アルカノイル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニル基および該フェニル基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基
[置換基群β]
低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、トリフルオロメチル基、シアノ基およびニトロ基]。 ]。
【請求項2】
下記式(I−1)で表される請求項1に記載の化合物またはその生理的に許容される塩:
【化4】
[式中、R1はビニル基またはエチル基であり、
R2およびR3は、同一または異なって、水素原子またはフッ素原子であり、
mは0〜4の整数であり、
Q1環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R4は、Q1環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり(但し、R4がQ1環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ1環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R4は水素原子または低級アルキル基である。)、
Xは単結合、低級アルキレン鎖、C2-C6アルケニレン鎖〔該低級アルキレン鎖および該C2-C6アルケニレン鎖は、フッ素原子、低級アルキル基およびアミノ基(該アミノ基は、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルスルホニル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基で置換されていてもよい。)の群より選択される任意の基で置換されていてもよい。〕または−(CH2)p−Y3−で表される基であり、
Y3は酸素原子またはNHであり(ここにおいて、該酸素原子または該NHは、カルボニル基に結合する。)、
pは、Y3が酸素原子のとき1〜4の整数であり、Y3がNHのとき2〜4の整数であり、
Z1は窒素原子またはCR5であり、
R5は低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基で置換されていてもよいアミノ基、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、または置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニル基であり、
Z2、Z3およびZ4は同一または異なって窒素原子またはCHであり、
Y1は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、アミノ基[該アミノ基は、置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基;置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよい。]、または下記式(Y-1)で表される基
【化5】
[式中、Q2環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R6は、Q2環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基〔該アミノ基は、置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基;置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基;およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよい。〕、シアノ基、または置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は水素原子、低級アルコキシカルボニル基または置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルキル基である。)、
R7は、Q2環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、または低級アルキル基である。]であり、
Y2は低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または前掲の式(Y−1)で表される基である:
[置換基群α]
低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、低級アルカノイル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基群βより選択される1〜3個の任意の基で置換されていてもよいフェニル基および該フェニル基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基
[置換基群β]
低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、トリフルオロメチル基、シアノ基およびニトロ基]。
【請求項3】
Q1環が、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式または2環式の飽和ヘテロ環であり、
Y1が、低級アルキル基またはアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、または下記式(Y-1)で表される基
【化6】
[式中、Q2環が、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、または2環式の飽和ヘテロ環であり、
R6が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、該アミノ基で置換されていてもよい低級アルキル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはシアノ基であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は水素原子、低級アルコキシカルボニル基または低級アルキル基である。)、
R7が、水素原子または低級アルキル基である。]であり、
Y2が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または前掲の式(Y−1)で表される基である請求項2に記載の化合物またはその生理的に許容される塩。
【請求項4】
R2およびR3が水素原子であり、
mが0〜2の整数であり、
R4が水素原子または低級アルキル基であり、
Xが、低級アルキル基で置換されていてもよい低級アルキレン鎖、または−(CH2)p−O−で表される基であり、
pが1〜4の整数であり、
R5が、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基であり、
Y1が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、または下記式(Y-1)で表される基
【化7】
[式中、Q2環が、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、または2環式の飽和ヘテロ環であり、
R6が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、該アミノ基で置換されていてもよい低級アルキル基、または水素原子であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は水素原子または低級アルキル基である。)、
R7が、水素原子または低級アルキル基である。]であり、
Y2が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、または前掲の式(Y−1)で表される基である請求項3に記載の化合物またはその生理的に許容される塩。
【請求項5】
R1がエチル基であり、
mが0または1であり、
Q1環が、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサヒドロアゼピン環またはモルホリン環であり、
R4が水素原子であり、
Xが、低級アルキル基で置換されていてもよい低級アルキレン鎖または−CH2O−であり、
Y1が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、水素原子、または下記式(Y-1)で表される基
【化8】
[式中、Q2環が、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、1,4−ヘキサヒドロオキサゼピン環、ヘキサヒドロアゼピン環、アザビシクロ[3.2.1]オクタン環、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン環、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン環または2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン環であり、
R6が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、該アミノ基で置換されていてもよい低級アルキル基、または水素原子であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は低級アルキル基または水素原子である。)、
R7が、水素原子または低級アルキル基である。]である請求項4に記載の化合物またはその生理的に許容される塩。
【請求項6】
Q1環が、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環であり、
Y1が、下記式(Y-1)で表される基
【化9】
[式中、Q2環が、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環であり、
R6が、低級アルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される1個または2個の任意の基によって置換されていてもよいアミノ基、該アミノ基で置換されてもよい低級アルキル基、または水素原子であり(但し、R6がQ2環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ2環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R6は低級アルキル基または水素原子である。)、
R7が、水素原子、または低級アルキル基である。]である請求項5に記載の化合物またはその生理的に許容される塩。
【請求項7】
化合物が次のいずれかである請求項2に記載の化合物またはその塩:
[[1−[3−〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(3−メチルアミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[[6−〔(3R)−3−アミノピロリジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル]アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[[6−〔(3S)−3−アミノピロリジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル]アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]アセチル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−[6−〔(3R)−3−アミノピロリジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル]プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−[6−〔(3S)−3−アミノピロリジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル]プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[3−〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔4−(3−アミノピロリジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−3−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル〕−2−フルオロ−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕カルボニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−メチル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[3−〔6−(3−アミノメチルピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[4−〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕ブチリル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−〔6−(3−メチルアミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔4−(ピペラジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン14−エステル;
[[1−[〔6−(ピペラジン−1−イル〕−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[3−〔6−(4−アミノピペリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕プロピオニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;
[[1−[〔6−(4−メチルアミノピペリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕アセチル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 19,20−ジヒドロムチリン 14−エステル;または
[[1−[〔6−(3−アミノピロリジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル〕メチルオキシカルボニル]ピペリジン−4−イル]カルボニル]カルバミン酸 ムチリン14−エステル。
【請求項8】
下記式(II)で表される請求項1に記載の化合物またはその塩:
【化10】
[式中、R1はビニル基またはエチル基であり、
P1は水素原子またはヒドロキシ基の保護基であり、
R2およびR3は同一または異なって、水素原子またはフッ素原子であり、
mは0〜4の整数であり、
Q1環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、各環が4〜8員の構成原子からなる単環式、2環式または3環式の飽和ヘテロ環であり、
R4はQ1環上のいずれかの位置に結合しており、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり(但し、R4がQ1環上のヘテロ原子に隣接する炭素原子、またはQ1環上の置換可能な窒素原子に結合するとき、R4は水素原子または低級アルキル基である。)、
W1はアミノ基の保護基である〔但し、式(I)において、R1がビニル基であり、R2、R3およびR4が水素原子であり、mが0である場合、(1)Q1環がピペリジン環であり(ここにおいて、該ピペリジン環の3位または4位がカルボニル基に結合する。)、P1が水素原子またはジクロロアセチル基であり、W1がtert−ブトキシカルボニル基である化合物;(2)Q1環がピペリジン環であり(ここにおいて、該ピペリジン環の4位がカルボニル基に結合する。)、P1が水素原子であり、W1がベンジル基、4−メトキシベンジル基または4−フルオロベンジル基である化合物;および(3) Q1環がアゼチジン環であり(ここにおいて、該アゼチジン環の3位が、カルボニル基に結合する。)、P1が水素原子またはトリフルオロアセチル基であり、W1がtert−ブトキシカルボニル基である化合物、を除く。〕。]。
【請求項9】
P1が置換基群αより選択される任意の基で置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基または水素原子であり、
W1が置換基群βより選択される任意の基で置換されていてもよいフェニル基で置換されるメチル基、置換基群βより選択される任意の基で置換されていてもよいフェニル基で置換されるメトキシカルボニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル基または低級アルコキシカルボニル基である請求項8に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
化合物が次のいずれかである請求項8に記載の化合物またはその塩:
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)カルボニル〕カルバミン酸 ムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 ムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−アセチルオキシムチリン14−エステル;
[〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル〕カルボニル]カルバミン酸 ムチリン14−エステル;
[(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)カルボニル]カルバミン酸 11−トリフルオロアセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−トリフルオロアセチルオキシムチリン14−エステル;
[〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル〕カルボニル]カルバミン酸 11−トリフルオロアセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピロリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 ムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピロリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−トリフルオロアセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−ジクロロアセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−アセチルピペリジン−4−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−アセチルオキシムチリン14−エステル;
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−ジクロロアセチルオキシムチリン14−エステル;
[〔(1−ベンジルオキシカルボニルピペリジン−4−イル)メチル〕カルボニル]カルバミン酸 11−ジクロロアセチルオキシムチリン14−エステル;または
〔(1−ベンジルオキシカルボニルピロリジン−3−イル)カルボニル〕カルバミン酸 11−ジクロロアセチルオキシムチリン14−エステル。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその生理的に許容される塩を有効成分とする医薬。
【請求項12】
抗菌剤である請求項11に記載の医薬。
【請求項13】
抗菌剤が、抗ペニシリン耐性菌剤、抗多剤耐性菌剤、抗バンコマイシン耐性菌剤または抗メチシリン耐性菌剤である請求項12に記載の医薬。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその生理的に許容される塩および医薬上許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項15】
注射剤である請求項14に記載の医薬組成物。
【公開番号】特開2008−201675(P2008−201675A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35754(P2007−35754)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]