説明

メイクアップふきとり用組成物

【構成】 本発明は■,高級脂肪酸アルキロールアミドの少なくとも1種と水を含有することを特徴とするメイクアップふきとり用組成物。■,組成物がさらに塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は塩化マグネシウムを含有することを特徴とする■に記載のメイクアップふきとり用組成物。■,■の組成物がさらにポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも1種又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの少なくとも1種又は特定の多価アルコールの少なくとも1種を含有することを特徴とする■に記載のメイクアップふきとり用組成物。■,組成物がさらに塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は塩化マグネシウムを含有することを特徴とする■に記載のメイクアップふきとり用組成物。
【効果】 本発明は皮膚に染着するタール色素や天然色素を含むメイクアップ化粧料を簡便に、且つ短時間でふきとり除去する効果に優れるメイクアップふきとり用組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚に染着するタール色素や天然色素を含むメイクアップ化粧料を簡便に、且つ短時間でふきとり除去する効果に優れるメイクアップふきとり用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】口紅やほほべに及びアイシャドウ等のメイクアップ化粧料にはタール色素や天然色素がよく使用されているがこれらの色素は多少なりとも皮膚に染着する性質を持っている。皮膚に染着したこれらの色素類は通常の油性タイプ、乳化タイプ、ローションタイプのメイクアップふきとり用製品で完全にふきとり除去することは困難であり、従来は洗い落とすタイプの洗浄剤を使用せざるを得なかった。しかし、水のない場所ではこれは使用できず、又その都度洗顔をする不便さもあり、簡便に短時間で場所を選ばずタール色素や天然色素を含むメイクアップ化粧料をふきとり除去する組成物の開発が強く望まれていた。
【0003】本発明は皮膚に染着するタール色素や天然色素を含むメイクアップ化粧料を簡便に、且つ短時間でふきとり除去する効果に優れるメイクアップふきとり用組成物を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は■,一般式
【化4】


(ここでR1 は炭素数C8 〜C20までのアシル基をあらわす)で表される高級脂肪酸アルキロールアミドの少なくとも1種と水を含有することを特徴とするメイクアップふきとり用組成物。
■,組成物がさらに塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は塩化マグネシウムを含有することを特徴とする に記載のメイクアップふきとり用組成物。
■,■の組成物がさらに一般式
【化5】


(ここでR2 はC8 〜C20までのアシル基又は水素をあらわすがR2 の全てが水素になる場合はなくnは0から10の範囲である)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも1種又は一般式
【化6】


(ここでa,b,cはモル数をあらわしaとcを合わせたモル数の範囲は1〜240モル、bは2〜70モルである)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの少なくとも1種又は多価アルコールの少なくとも1種を含有することを特徴とする に記載のメイクアップふきとり用組成物。
■,組成物がさらに塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は塩化マグネシウムを含有することを特徴とする に記載のメイクアップふきとり用組成物である。
【0005】本発明に用いられる前記高級脂肪酸アルキロールアミドは公知の物質で、その例としてはイソステアリン酸ジエタノールアミド,オレイン酸ジエタノールアミド,カプリン酸ジエタノールアミド,ステアリン酸ジエタノールアミド,ミリスチン酸ジエタノールアミド,ラウリン酸ジエタノールアミド,リノール酸ジエタノールアミド,オレイン酸イソプロパノールアミド,ラウリン酸イソプロパノールアミド等がある。
【0006】本発明に用いられる前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは公知の物質で、その例としてはステアリン酸ジグリセリル,オレイン酸ジグリセリル,ジオレイン酸ジグリセリル,イソステアリン酸ジグリセリル,ステアリン酸テトラグリセリル,トリステアリン酸テトラグリセリル,ペンタステアリン酸テトラグリセリル,ラウリン酸ヘキサグリセリル,ペンタオレイン酸デカグリセリル,イソステアリン酸デカグリセリル,トリイソステアリン酸デカグリセリル,オレイン酸デカグリセリル,ミリスチン酸デカグリセリル等,ラウリン酸デカグリセリルがある。
【0007】本発明に用いられる前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは公知の物質で、その例としてはポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレングリコール(2),ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレングリコール(2),ポリオキシエチレン(16)ポリオキシプロピレングリコール(30),ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレングリコール(30),ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(70)等がある。前記()内の数字は付加モル数をあらわす。
【0008】本発明で用いられる多価アルコールは公知の物質で、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール,トリエチレングリコール,平均分子量200〜6000のポリエチレングリコールの少なくとも1種である。
【0009】本発明の■に於ける2成分の好適な配合量は高級脂肪酸アルキロールアミド1.0〜20.0重量%,水80.0〜99.0重量%である。本発明の■に於ける3成分の好適な配合量は高級脂肪酸アルキロールアミド1.0〜20.0重量%,水78.0〜98.8重量%,塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は塩化マグネシウム0.2〜2.0重量%である。本発明の■に於ける3成分の好適な配合量は高級脂肪酸アルキロールアミド1.0〜20.0重量%,水40.0〜94.0重量%,ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール又は多価アルコール5.0〜40.0重量%である。本発明の■に於ける4成分の好適な配合量は高級脂肪酸アルキロールアミド1.0〜20.0重量%,水38.0〜93.8重量%,ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール又は多価アルコール5.0〜40.0重量%,塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は塩化マグネシウム0.2〜2.0重量%である。
【0010】本発明にはその安定性を向上させる意味に於いてエタノール、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインやヤシ油アミドプロピルベタイン等の両性界面活性剤、防腐剤、抗酸化剤、香料等を配合することもできる。
【0011】
【実施例】以下、実施例をあげ、本発明を具体的に示すが、これに先立ち評価項目及び方法に関して詳述する。
【0012】女性パネラー50人がタール色素及び天然色素を含む口紅、アイシャドウ、ほほべにを顔面に塗布し、経時2時間後に実施例試料と比較例試料をコットンに適量含ませ左右半顔づつ順次使用し、ふきとり除去の効果を下記採点法にて評価した。
ふきとり除去効果3…1〜2回ふきとるだけできれいに落ちた2…3〜5回ふきとるだけできれいに落ちた1…6〜8回ふきとりなんとか落ちた0…9回以上ふきとってもきれいに落ちなかった
【0013】実施例1は次の組成のものを均一に溶解分散し得たものである。
水 98重量% イソステアリン酸ジエタノールアミド 2重量%実施例2は次の組成のものを均一に溶解分散し得たものである。
水 94重量% ミリスチン酸ジエタノールアミド 5重量% 塩化ナトリウム 1重量%実施例3は次の組成のものを均一に溶解分散し得たものである。
水 75重量% ラウリン酸ジエタノールアミド 10重量% プロピレングリコール 15重量%実施例4は次の組成のものを均一に溶解分散し得たものである。
水 86重量% ラウリン酸イソプロパノールアミド 5重量% オレイン酸デカグリセリル 8重量% 塩化マグネシウム 1重量%実施例5は次の組成のものを均一に溶解分散し得たものである。
水 64重量% リノール酸ジエタノールアミド 5重量% 1,3ブチレングリコール 30重量% 塩化カリウム 1重量%実施例6は次の組成のものを均一に溶解分散し得たものである。
水 79重量% カプリン酸ジエタノールアミド 15重量% ポリオキシエチレン(16)ポリオキシプロピレングリコール(30) 5重量% 塩化マグネシウム 1重量%比較例1は次の組成のクレンジングクリームを通常の方法で調製をし得たものである。
流動パラフィン 52重量% ステアリン酸 2重量% セタノール 5重量% モノステアリン酸グリセリル 2重量% モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2重量% トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2重量% セチル硫酸ナトリウム 1重量% プロピレングリコール 4重量% 水 32重量%比較例2は次の組成のふきとり用化粧水を通常の方法で調製をし得たものである。
エタノール 15重量% プロピレングリコール 3重量% 水 82重量%
【0014】評価テストに使用した口紅は下記組成のものを通常の方法で調製したものである。
キャンデリラロウ 11.0重量% セレシン 5.0重量% ラノリン 15.0重量% ヒマシ油 52.8重量% オクチルドデカノール 10.0重量% 赤色201号 2.0重量% 赤色202号 1.0重量% 赤色223号 0.5重量% 黄色5号アルミニウムレーキ 1.2重量% カルミン色素 1.5重量%
【0015】評価テストに使用したアイシャドウは下記組成のものを通常の方法で調製したものである。
流動パラフィン 26.0重量% オクチルドデカノール 5.0重量% ワセリン 15.0重量% セレシン 8.0重量% マイクロクリスタリンワックス 10.0重量% 赤色226号 2.0重量% 赤色202号 1.0重量% グンジョウ 0.5重量% ナイロンパウダー 7.0重量% 酸化鉄処理雲母チタン 15.5重量% 雲母チタン 7.0重量% ベニバナ赤色素 3.0重量%
【0016】評価テストに使用したほほべには下記組成のものを通常の方法で調製したものである。
流動パラフィン 49.5重量% メチルフェニルポリシロキサン 3.0重量% オクチルドデカノール 5.0重量% ワセリン 5.0重量% セレシン 3.0重量% マイクロクリスタリンワックス 14.0重量% 赤色226号 1.2重量% ベンガラ 2.0重量% 黒酸化鉄 0.3重量% ナイロンパウダー 7.0重量% シルクパウダー 10.0重量%
【0017】
【表1】


【0018】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明が優れたふきとり除去効果を有するメイクアップふきとり用組成物を提供することは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式
【化1】


(ここでR1 は炭素数C8 〜C20までのアシル基をあらわす)で表される高級脂肪酸アルキロールアミドの少なくとも1種と水を含有することを特徴とするメイクアップふきとり用組成物。
【請求項2】組成物がさらに塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は塩化マグネシウムを含有することを特徴とする請求項1に記載のメイクアップふきとり用組成物。
【請求項3】請求項1に記載の組成物がさらに一般式
【化2】


(ここでR2 はC8 〜C20までのアシル基又は水素をあらわすがR2 の全てが水素になる場合はなくnは0から10の範囲である)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも1種又は一般式
【化3】


(ここでa,b,cはモル数をあらわしaとcを合わせたモル数の範囲は1〜240モル、bは2〜70モルである)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの少なくとも1種又は多価アルコールの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載のメイクアップふきとり用組成物。
【請求項4】組成物がさらに塩化ナトリウム又は塩化カリウム又は塩化マグネシウムを含有することを特徴とする請求項3に記載のメイクアップふきとり用組成物。

【公開番号】特開平5−279226
【公開日】平成5年(1993)10月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−105619
【出願日】平成4年(1992)3月30日
【出願人】(000000952)鐘紡株式会社 (120)