説明

メカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ、光ファイバ接続工具及び光ファイバ接続方法

【課題】メカニカルスプライスを用いた光ファイバの接続が容易なメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ、光ファイバ接続工具及び光ファイバ接続方法を提供する。
【解決手段】メカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバは、挿入光ファイバと突き合わせるピグテイル光ファイバ2と、ピグテイル光ファイバ2をメカニカルスプライス長手方向の一端側で半割りの素子51,52の間に挟み込んで把持固定しているメカニカルスプライス50と、メカニカルスプライス50を収容している第1メカニカルスプライス収容部20及びメカニカルスプライス50に把持固定しているピグテイル光ファイバ2のメカニカルスプライス50外に出された余長部分を収容している余長部分収容部15を含むケース10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ、光ファイバ接続工具及び光ファイバ接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光ファイバホルダに保持された光ファイバをメカニカルスプライス(光ファイバ接続器)に挿入してその内部で突き合わせ接続する光ファイバ接続工具が記載されている。
特許文献2には、光コネクタのクランプ部の素子間に割り込ませて素子を開放しておく介挿部材と、左右から側圧によって上下寸法が増大するように変形させることで、上下の一方にある第1可動端部が介挿部材と係合して上下の他方に配置された光コネクタの素子間から介挿部材を引き抜く介挿部材駆動部とを具備する光コネクタ用工具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−003218号公報
【特許文献2】特開2006−227575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、メカニカルスプライスを用いた光ファイバの接続が容易なメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ、光ファイバ接続工具及び光ファイバ接続方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、挿入光ファイバと突き合わせるピグテイル光ファイバと、前記ピグテイル光ファイバをメカニカルスプライス長手方向の一端側で半割りの素子の間に挟み込んで把持固定しているメカニカルスプライスと、前記メカニカルスプライスを収容している第1メカニカルスプライス収容部、及び前記メカニカルスプライスに把持固定しているピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライス外に出された余長部分を収容している余長部分収容部を含むケースとを備え、前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に光ファイバ接続工具の介挿部材を挿入するための空隙を有する第1側壁部と、前記メカニカルスプライスを介して前記第1側壁部に対向する第2側壁部と、前記第1側壁部及び前記第2側壁部を前記メカニカルスプライスの下方で連結する底壁部を有し、前記底壁部と第1側壁部と第2側壁部により三方から囲まれる溝状の空間に前記メカニカルスプライスを収容しており、前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの長手方向の両端面に突き当て位置決めする第1ストッパ壁部及び第2ストッパ壁部を有するメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバである。
【0006】
第2の発明は、前記第1側壁部及び前記第2側壁部には、前記メカニカルスプライスの側面に向かって突起を突設し、第1側壁部の突起と第2側壁部の突起との間に前記メカニカルスプライスを嵌め込み保持する第1の発明に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバである。
第3の発明は、前記第1側壁部及び前記第2側壁部は、前記メカニカルスプライスを介して互いに対向する位置に前記メカニカルスプライスの側面を露出するメカニカルスプライス取出し用切欠部を有する第1の発明に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバである。
第4の発明は、前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライスに挿入された側とは反対側の端部に取り付けられた光コネクタを収容する光コネクタ収容部を備える第1の発明に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバである。
第5の発明は、前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの余長部分を巻回状態に保持するマンドレルを備える第1の発明に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバである。
第6の発明は、前記第1ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに把持固定している前記ピグテイル光ファイバを挿通する上方に開いた切欠状の第1光ファイバ挿通部を有し、前記第2ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを挿通するための上方に開いた切欠状の第2光ファイバ挿通部を有する第1の発明に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバである。
第7の発明は、前記ケースの余長部分収容部は、前記ケースに対してヒンジを介して回動自在に連結された蓋により覆われ、前記蓋は、前記ケースに対して係止手段によって着脱自在に固定することができる第1の発明に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバである。
【0007】
第8の発明は、挿入光ファイバと突き合わせるピグテイル光ファイバと、前記ピグテイル光ファイバをメカニカルスプライス長手方向の一端側で半割りの素子の間に挟み込んで把持固定しているメカニカルスプライスと、前記メカニカルスプライスを収容している第1メカニカルスプライス収容部、及び前記メカニカルスプライスに把持固定しているピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライス外に出された余長部分を収容している余長部分収容部を含むケースとを備え、前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に光ファイバ接続工具の介挿部材を挿入するための空隙を有する第1側壁部と、前記メカニカルスプライスを介して前記第1側壁部に対向する第2側壁部と、前記第1側壁部及び前記第2側壁部を前記メカニカルスプライスの下方で連結する底壁部を有し、前記底壁部と第1側壁部と第2側壁部により三方から囲まれる溝状の空間に前記メカニカルスプライスを収容しており、前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの長手方向の両端面に突き当て位置決めする第1ストッパ壁部及び第2ストッパ壁部を有するメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバを装着可能であり、前記ケースを支持するケース支持部、前記第1メカニカルスプライス収容部を収容する第2メカニカルスプライス収容部、及び前記第1メカニカルスプライス収容部に収容されている前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に介挿する介挿部材を備える光ファイバ接続工具である。
【0008】
第9の発明は、前記第1側壁部及び前記第2側壁部には、前記メカニカルスプライスの側面に向かって突起を突設し、第1側壁部の突起と第2側壁部の突起との間に前記メカニカルスプライスを嵌め込み保持する第8の発明に記載の光ファイバ接続工具である。
第10の発明は、前記第1側壁部及び前記第2側壁部は、前記メカニカルスプライスを介して互いに対向する位置に前記メカニカルスプライスの側面を露出するメカニカルスプライス取出し用切欠部を有する第8の発明に記載の光ファイバ接続工具である。
第11の発明は、前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライスに挿入された側とは反対側の端部に取り付けられた光コネクタを収容する光コネクタ収容部を備える第8の発明に記載の光ファイバ接続工具である。
第12の発明は、前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの余長部分を巻回状態に保持するマンドレルを備える第8の発明に記載の光ファイバ接続工具である。
第13の発明は、前記第1ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに把持固定している前記ピグテイル光ファイバを挿通する上方に開いた切欠状の第1光ファイバ挿通部を有し、前記第2ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを挿通するための上方に開いた切欠状の第2光ファイバ挿通部を有する第8の発明に記載の光ファイバ接続工具である。
第14の発明は、前記ケースの余長部分収容部は、前記ケースに対してヒンジを介して回動自在に連結された蓋により覆われ、前記蓋は、前記ケースに対して係止手段によって着脱自在に固定することができる第8の発明に記載の光ファイバ接続工具である。
第15の発明は、前記介挿部材は、メカニカルスプライスのうちピグテイル光ファイバが把持固定される部分に介挿する第1介挿部材と、メカニカルスプライスのうち挿入光ファイバが把持固定される部分に介挿する第2介挿部材を備え、第1介挿部材は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に前記ピグテイル光ファイバを把持固定しているために予め抜き出されている第8の発明に記載の光ファイバ接続工具である。
第16の発明は、前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを保持する光ファイバホルダを前記メカニカルスプライスに向けてスライド移動可能に案内するホルダ案内機構と、前記光ファイバホルダに保持された前記挿入光ファイバの先端部を前記メカニカルスプライスに挿入した後で前記光ファイバホルダと前記メカニカルスプライスの間に前記挿入光ファイバにたわみが生じた状態を維持すべく、バネ部の先端部に形成された係合凹部を光ファイバホルダの側面に形成された係合突起と係合することで、前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構の所定位置に固定するホルダ固定機構と、前記挿入光ファイバを保持した前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構に配置したときに前記挿入光ファイバの前記光ファイバホルダから突出した部分を支持すると共に前記光ファイバホルダの前記ホルダ案内機構に沿うスライド移動に伴って前記光ファイバホルダの下方に下降するようになっている光ファイバ載せ台とを備える第8の発明に記載の光ファイバ接続工具である。
【0009】
第17の発明は、挿入光ファイバと突き合わせるピグテイル光ファイバと、前記ピグテイル光ファイバをメカニカルスプライス長手方向の一端側で半割りの素子の間に挟み込んで把持固定しているメカニカルスプライスと、前記メカニカルスプライスを収容している第1メカニカルスプライス収容部、及び前記メカニカルスプライスに把持固定しているピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライス外に出された余長部分を収容している余長部分収容部を含むケースとを備え、前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に光ファイバ接続工具の介挿部材を挿入するための空隙を有する第1側壁部と、前記メカニカルスプライスを介して前記第1側壁部に対向する第2側壁部と、前記第1側壁部及び前記第2側壁部を前記メカニカルスプライスの下方で連結する底壁部を有し、前記底壁部と第1側壁部と第2側壁部により三方から囲まれる溝状の空間に前記メカニカルスプライスを収容しており、前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの長手方向の両端面に突き当て位置決めする第1ストッパ壁部及び第2ストッパ壁部を有するメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバを、前記ケースを支持するケース支持部、前記第1メカニカルスプライス収容部を収容する第2メカニカルスプライス収容部、及び前記第1メカニカルスプライス収容部に収容されている前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に介挿する介挿部材を備える光ファイバ接続工具に装着し、挿入光ファイバを保持する光ファイバホルダを前記メカニカルスプライスに向けてスライド移動させ、前記挿入光ファイバの先端部を前記メカニカルスプライスに挿入して前記ピグテイル光ファイバに突き合わせ、さらに前記光ファイバホルダをスライド移動させて前記光ファイバホルダと前記メカニカルスプライスの間に前記挿入光ファイバにたわみが生じた状態で前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に前記ピグテイル光ファイバと挿入光ファイバの突き合わせ部を把持固定する光ファイバ接続方法である。
【0010】
第18の発明は、前記第1側壁部及び前記第2側壁部には、前記メカニカルスプライスの側面に向かって突起を突設し、第1側壁部の突起と第2側壁部の突起との間に前記メカニカルスプライスを嵌め込み保持する第17の発明に記載の光ファイバ接続方法である。
第19の発明は、前記第1側壁部及び前記第2側壁部は、前記メカニカルスプライスを介して互いに対向する位置に前記メカニカルスプライスの側面を露出するメカニカルスプライス取出し用切欠部を有する第17の発明に記載の光ファイバ接続方法である。
第20の発明は、前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライスに挿入された側とは反対側の端部に取り付けられた光コネクタを収容する光コネクタ収容部を備える第17の発明に記載の光ファイバ接続方法である。
第21の発明は、前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの余長部分を巻回状態に保持するマンドレルを備える第17の発明に記載の光ファイバ接続方法である。
第22の発明は、前記第1ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに把持固定している前記ピグテイル光ファイバを挿通する上方に開いた切欠状の第1光ファイバ挿通部を有し、前記第2ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを挿通するための上方に開いた切欠状の第2光ファイバ挿通部を有する第17の発明に記載の光ファイバ接続方法である。
第23の発明は、前記ケースの余長部分収容部は、前記ケースに対してヒンジを介して回動自在に連結された蓋により覆われ、前記蓋は、前記ケースに対して係止手段によって着脱自在に固定することができる第17の発明に記載の光ファイバ接続方法である。
第24の発明は、前記介挿部材は、メカニカルスプライスのうちピグテイル光ファイバが把持固定される部分に介挿する第1介挿部材と、メカニカルスプライスのうち挿入光ファイバが把持固定される部分に介挿する第2介挿部材を備え、第1介挿部材は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に前記ピグテイル光ファイバを把持固定しているために予め抜き出されている第17の発明に記載の光ファイバ接続方法である。
第25の発明は、前記光ファイバ接続工具は、前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを保持する光ファイバホルダを前記メカニカルスプライスに向けてスライド移動可能に案内するホルダ案内機構と、前記光ファイバホルダに保持された前記挿入光ファイバの先端部を前記メカニカルスプライスに挿入した後で前記光ファイバホルダと前記メカニカルスプライスの間に前記挿入光ファイバにたわみが生じた状態を維持すべく、バネ部の先端部に形成された係合凹部を光ファイバホルダの側面に形成された係合突起と係合することで、前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構の所定位置に固定するホルダ固定機構と、前記挿入光ファイバを保持した前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構に配置したときに前記挿入光ファイバの前記光ファイバホルダから突出した部分を支持すると共に前記光ファイバホルダの前記ホルダ案内機構に沿うスライド移動に伴って前記光ファイバホルダの下方に下降するようになっている光ファイバ載せ台とを備え、挿入光ファイバを保持する光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構の上に配置し、前記挿入光ファイバの前記光ファイバホルダから突出した部分を前記光ファイバ載せ台の上に載せ、前記ホルダ案内機構の案内によって前記メカニカルスプライスに向けてスライド移動させ、前記挿入光ファイバの先端部を前記メカニカルスプライスに挿入して前記ピグテイル光ファイバに突き合わせ、さらに前記光ファイバホルダをスライド移動させて前記光ファイバホルダと前記メカニカルスプライスの間に前記挿入光ファイバにたわみが生じた状態で前記ホルダ固定機構により前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構の所定位置に固定し、前記メカニカルスプライス開閉機構を操作して前記介挿部材をメカニカルスプライスの半割りの素子の間から引き抜くことで前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に前記ピグテイル光ファイバと挿入光ファイバの突き合わせ部を把持固定する第17の発明に記載の光ファイバ接続方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、メカニカルスプライスを用いた光ファイバの接続が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】光ファイバ接続装置の一例を示す斜視図である。
【図2】光ファイバ接続工具の一例を示す斜視図である。
【図3】メカニカルスプライスの一例を示す概略図である。
【図4】メカニカルスプライスの一例を示す断面図である。
【図5】メカニカルスプライス開閉機構の一例を示す図面であって、(a)は介挿部材をメカニカルスプライスに割り入れる前、(b)は介挿部材をメカニカルスプライスに割り入れ後の状態を示す断面図である。
【図6】メカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバの一例を示す図面であって、(a)はメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバの斜視図、(b)はそのメカニカルスプライスの内部を示す断面図である。
【図7】ケース本体の斜視図である。
【図8】光ファイバを保持した光ファイバホルダの一例を示す斜視図である。
【図9】光ファイバホルダに光ファイバを保持する様子を説明する平面図である。
【図10】ホルダ固定機構の一例を示す断面図である。
【図11】光ファイバ載せ台の動作を説明する図面であり、(a)は光ファイバ載せ台の上昇時を、(b)は光ファイバ載せ台の下降時を示す図面である。
【図12】光ファイバホルダに保持した光ファイバをメカニカルスプライスに挿入した様子を示す平面図である。
【図13】光ファイバホルダとメカニカルスプライスの間で挿入光ファイバにたわみが生じた状態を示す側面図である。
【図14】突き合わせ接続後にメカニカルスプライスを収容したケースの平面図である。
【図15】ケース内でピグテイル光ファイバを固定する手段の一例を示す断面図である。
【図16】メカニカルスプライスのピグテイル側を閉鎖し、挿入側を開放する光ファイバ接続装置の一例を示す図面であって、(a)は平面図、(b)は第1クランプ部の断面図、(c)は第3クランプ部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に示す光ファイバ接続装置1は、ピグテイル光ファイバ2(図12参照)を収容したケース10と、挿入光ファイバ3(図12参照)を保持する光ファイバホルダ30と、ピグテイル光ファイバ2と挿入光ファイバ3の突き合わせ部4(図4参照)を把持固定するメカニカルスプライス50を備えるメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ(図6参照)を、光ファイバ接続工具40(図2参照)に装着したものである。
【0014】
図2に示す光ファイバ接続工具40は、ケース10を支持するケース支持部41と、メカニカルスプライス50を配置する第2メカニカルスプライス収容部42と、光ファイバホルダ30を支持するホルダ支持部43を有する。第2メカニカルスプライス収容部42は、ケース支持部41とホルダ支持部43の間で、光ファイバ接続工具40の中央部に設けられている。
【0015】
光ファイバ接続工具40は、第2メカニカルスプライス収容部42が形成された上部本体61をトレイ状の下部本体62の上に載せ、さらに上部本体61のホルダ支持部43にスライダプレート63を固定してホルダ支持部43を形成したものである。上部本体61、下部本体62、及びスライダプレート63は、例えばプラスチック等の成形品とすることができる。光ファイバ接続工具40の組立は、嵌合や不図示のラッチによる係合によって各部品を一体化することで行うことができる。
【0016】
図3に示すように、メカニカルスプライス50は、二つ割り構造である半割りの素子(詳しくはベース部材51と蓋部材52)と、これら半割りの素子51,52の外側に装着されたコ字状のクランプバネ53とを備えている。素子51,52は、細長形状のベース部材51と、このベース部材51に対向してベース部材51の長手方向に3個並べて配置される蓋部材52とからなる。ベース部材51と蓋部材52は、クランプバネ53のクランプ力によって、図3に示すように角柱状に一体化されている。クランプバネ53を外したとき、ベース部材51と蓋部材52は、互いに分離可能である。メカニカルスプライス50は、その長手方向の一端側にはピグテイル光ファイバ2を、その長手方向の他端側には挿入光ファイバを、それぞれ挟み込んで把持固定することができる。
【0017】
詳しくは、メカニカルスプライス50は、図4に示すように、ピグテイル光ファイバ2を、互いに対向する第1ベース部材51aと第1蓋部材52aの間に挟み込み、第1クランプバネ53aの弾性によって把持固定する第1クランプ部50aと、ピグテイル光ファイバ2と挿入光ファイバ3の突き合わせ部4を、互いに対向する第2ベース部材51bと第2蓋部材52bの間に挟み込み、第2クランプバネ53bの弾性によって把持固定する第2クランプ部50bと、挿入光ファイバ3を、互いに対向する第3ベース部材51cと第3蓋部材52cの間に挟み込み、第3クランプバネ53cの弾性によって把持固定する第3クランプ部50cを備える。
クランプバネ53は、蓋部材52a,52b,52cの分割位置に合わせて形成されたスリット53dにより分割され、個々の蓋部材52a,52b,52cに対してクランプ力を独立して作用させることができるようになっている。なお、スリット53dによるクランプバネ53の分割は、特に必須の構成ではない。
【0018】
ベース部材51(詳しくは第2ベース部材51b)上で、第2蓋部材52bが重ね合わされる合わせ面には、調心機構として、両光ファイバ2,3の先端部(裸光ファイバ)2a,3aを位置決めして調心する調心溝54bが、ベース部材51の長手方向に延びるように設けられている。調心溝54bの断面形状は、例えばV溝であるが、U溝、丸溝(断面半円形の溝)などであってもよい。
【0019】
ベース部材51(詳しくは第1ベース部材51a)上で、第1蓋部材52aが重ね合わされる合わせ面には、ピグテイル光ファイバ2(光ファイバ心線等の被覆付き光ファイバ)を保持するピグテイル収納溝54aが設けられている。
ベース部材51(詳しくは第3ベース部材51c)上で、第3蓋部材52cが重ね合わされる合わせ面には、挿入光ファイバ3(光ファイバ心線等の被覆付き光ファイバ)を保持する挿入光ファイバ収納溝54cが設けられている。
ピグテイル収納溝54a及び挿入光ファイバ収納溝54cは、調心溝54bの両端と連通し、メカニカルスプライス50の長手方向の両端面55に開口したテーパ穴55a,55cにつながっている。収納溝54a,54cは、メカニカルスプライス50内に挿入された光ファイバ2,3の被覆を有する部分の先端部を収納し、かつ、ベース部材51と蓋部材52がクランプバネ53でクランプされたときに、光ファイバ心線をしっかりとクランプ固定できる形状になっている。
本形態例の場合、メカニカルスプライス50にピグテイル光ファイバ2が挿入されるテーパ穴55aは、第1クランプ部50aに設けられている。また、メカニカルスプライス50に挿入光ファイバ3が挿入されるテーパ穴55cは、第3クランプ部50cに設けられている。第2クランプ部50bは、第1クランプ部50aと第3クランプ部50cの間に設けられている。
【0020】
図3に示すように、ベース部材51及び蓋部材52が重ね合わされる合わせ面の一側縁部には、介挿部材44の先端部44a,44b,44c,44dを挿入する介挿部材挿入溝56a,56b,56c,56dが形成されている。この例の場合の介挿部材挿入溝は、第1ベース部材51aと第1蓋部材52aとの合わせ面に1箇所(符号56a)、第2ベース部材51bと第2蓋部材52bとの合わせ面に2箇所(符号56b,56c)、第3ベース部材51cと第3蓋部材52cとの合わせ面に1箇所(符号56d)、設けられている。しかし、介挿部材挿入溝の配置は、上記配置に特に限定されるものではない。
【0021】
図5に示すように、介挿部材44は、メカニカルスプライス開閉機構45によって、メカニカルスプライス50のベース部材51と蓋部材52の間に介挿した状態(図5(b)参照)と、ベース部材51と蓋部材52の間から抜き出した状態(図5(a)参照)をとることができる。
メカニカルスプライス50は、介挿部材挿入溝56a〜dに介挿部材44の先端部44a〜dを圧入することにより、クランプバネ53のクランプ力に抗してベース部材51と蓋部材52の間を開放することができる。そして、介挿部材挿入溝56a〜dから介挿部材44を抜くと、ベース部材51と蓋部材52の間を閉じて、再びクランプバネ53のクランプ力によって一体化された状態とすることができる。光ファイバ接続工具40がメカニカルスプライス開閉機構45を備えることにより、介挿部材44に直接手指を触れることなく、介挿部材44を操作することができる。
また、メカニカルスプライス開閉機構45は、介挿部材44を載せた介挿部材ホルダ64と、介挿部材44の上を覆う介挿部材カバー65とを、不図示のラッチ等を利用して上部本体61の所定位置に組み付けることにより、構成することができる。
【0022】
介挿部材ホルダ64の上部には、介挿部材44の係止穴44h(図3を参照)に挿入される係合突起64aが設けられている。介挿部材カバー65をメカニカルスプライス50に向かって押し込むことにより、介挿部材44の先端部をベース部材51と蓋部材52の間に圧入することができる。介挿部材44は、金属等の硬質材料製が好ましい。介挿部材ホルダ64の上面に形成された係合突起64aは、上側から見たときに略半円形である柱状で、係合突起64aの半円形は直径が介挿部材44の係止穴44hの直径より少し小さく、係合突起64aに対して介挿部材44はわずかに遊動可能になっている。このため、図5(b)に示すように介挿部材44の先端部が一旦ベース部材51と蓋部材52の間に圧入されたときには、介挿部材ホルダ64をメカニカルスプライス50から多少離れる向き(図5(b)の左向き)に動かしてしまったとしても介挿部材44がベース部材51と蓋部材52の間から直ちに抜けることはなく、介挿部材44がベース部材51と蓋部材52の間に圧入された状態を維持できる。
【0023】
介挿部材ホルダ64の介挿部材カバー65が被せられた側64bとは反対側の端部64cは、図1及び図2に示すように、光ファイバ接続工具40の奥側に露出されている。また、図5(b)に示すように介挿部材44をベース部材51と蓋部材52の間に圧入すると、端部64cは、図1に示すように、上部本体61の周縁から外側に突出する。したがって、介挿部材44をベース部材51と蓋部材52の間から抜く操作は、例えば介挿部材カバー65の上面を押さえながら介挿部材ホルダ64の端部64cをメカニカルスプライス50に向かって(図1の奥側から手前側に)押し込む操作により簡単に行うことができる。
【0024】
図6(a)に示すメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバは、挿入光ファイバと突き合わせるピグテイル光ファイバ2と、ピグテイル光ファイバ2をメカニカルスプライス長手方向の一端側で把持固定しているメカニカルスプライス50と、このメカニカルスプライス50を収容している第1メカニカルスプライス収容部20と、メカニカルスプライス50に把持固定しているピグテイル光ファイバ2のメカニカルスプライス50外に出された余長部分を収容している余長部分収容部15を含むケースとを備える。
図6(b)に示すように、メカニカルスプライス50には片側から挿入されたピグテイル光ファイバ2が、半割りの素子51,52の間に把持固定されている。詳しくは、ピグテイル光ファイバ2の被覆を有する部分が第1クランプ部50aの第1ベース部材51aと第1蓋部材52aの間に把持固定され、ピグテイル光ファイバ2の先端部2aは、第2クランプ部50b内に位置している。ピグテイル光ファイバ2の端面2cは、第2クランプ部50bの中央付近に位置する。
このメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバにおいては、挿入光ファイバがまだメカニカルスプライス50に挿入されていないが、図3に示すように、挿入光ファイバ3をメカニカルスプライス50に挿入した後では、第2クランプ部50bにピグテイル光ファイバ2と挿入光ファイバ3を把持固定することができる。
【0025】
図6(a)に示すように、ケース10は、底部11の周囲に側壁部が立設されたケース本体13と、ケース本体13上に被せられるケース蓋14を備える。余長部分収容部15は、ケース本体13に対してヒンジ17を介して回動自在に連結されたケース蓋14により覆われている。このケース蓋14は、ケース本体13に対して係止手段18によって着脱自在に固定できる。詳しくは、ケース本体13の一辺には、ケース蓋14の端部に形成されたヒンジ軸17aを回動可能に支持するヒンジ受け17bが形成されている。また、ケース本体13のヒンジ受け17bが形成された側とは反対側には、係止ラッチ18aが形成されている。係止ラッチ18aは、ケース蓋14のヒンジ軸17aが形成された側とは反対側の端部近傍に形成された係止穴18bに係止させることで、図1に示すようにケース本体13に対してケース蓋14が閉じた状態を維持することができる。ヒンジ17は、ヒンジ軸17aとヒンジ受け17bから構成されている。係止手段18は、係止ラッチ18aと係止穴18bから構成されている。
【0026】
図6及び図12に示すように、ケース10は、側壁部12に囲まれる余長部分収容部15を備える。ピグテイル光ファイバ2のメカニカルスプライス50外に出された余長部分2bは、余長部分収容部15に収容される。余長部分収容部15には、ピグテイル光ファイバ2の余長部分2bを巻回状態に保持するマンドレル15a,15bが設けられている。マンドレル15a,15bは、例えばケース本体13の底部11から立設された円弧状の壁部として構成することができる。本実施形態では、マンドレル15a,15bがケース本体13と一体に形成されているが、別体で構成することも可能である。マンドレル15a,15bの中心角は、円の全周(360°)でも円の一部でもよい。ケース10にマンドレル15a,15bを設ける数は、1つでも2つ以上でもよい。余長部分2bをマンドレル15a,15bに巻回する方法は余長部分2bの長さに応じて適宜変更可能である。余長部分2bを1つのマンドレルに巻回しても、複数のマンドレルにまたがって巻回してもよく、巻回する回数等も任意である。
図6及び図12に示す例では、ピグテイル光ファイバ2の余長部分2bの端部(メカニカルスプライス50に挿入された側の端部とは反対側の端部)に光コネクタ5が取り付けられている。ケース10は、光コネクタ5を着脱可能に収容するコネクタ収容部16を備えるので、光コネクタ5の意図しない移動や脱落を防止し、余長部分2bの収納状態を安定的に維持することができる。
なお、ケース10内でピグテイル光ファイバ2の余長部分2bを保持するため、図15に示すように、スポンジ等の弾性材料71に設けた切込部72にピグテイル光ファイバ2を挟み込む構成等を採用することもできる。
【0027】
図6(a)に示すように、ケース10は、メカニカルスプライス50を収容する第1メカニカルスプライス収容部20を有する。第1メカニカルスプライス収容部20は、底壁部21とその両側に突設された側壁部22,23を有する。
第1側壁部22は、介挿部材挿入部26において、メカニカルスプライス50のベース部材51と蓋部材52の間に向けて介挿部材44を挿入するための空隙を有する。第2側壁部23は、メカニカルスプライス50を介して第1側壁部22に対向する。底壁部21は、第1側壁部22と第2側壁部23をメカニカルスプライス50の下方で連結する。底壁部21と第1側壁部22と第2側壁部23により三方から囲まれる溝状の空間にメカニカルスプライス50が収容される。
各側壁部22,23のメカニカルスプライス50側の面には、メカニカルスプライス保持突起22a,22b,23a,23bが形成されている。メカニカルスプライス保持突起22a,22b,23a,23bは、メカニカルスプライス50の側面に当接し、第1側壁部22の突起22a,22bと第2側壁部23の突起23a,23bの間にメカニカルスプライス50をしっかりと嵌め込むことができる。
第1側壁部22及び第2側壁部23は、メカニカルスプライス50を介して互いに対向する位置に、底壁部21の上面に達するメカニカルスプライス取出し用切欠部27a,27bを有する。これにより、第1メカニカルスプライス収容部20にメカニカルスプライス50を収容した状態でもメカニカルスプライス50の両側面を手指で容易につまむことができるので、メカニカルスプライス50と側壁部22,23の狭い隙間に挿入可能な専用工具等を必要とすることなく、第1メカニカルスプライス収容部20に対するメカニカルスプライス50の取付けや、第1メカニカルスプライス収容部20からのメカニカルスプライス50の取出しが容易になる。
【0028】
第1メカニカルスプライス収容部20は、メカニカルスプライス50の長手方向の両端面55,55に突き当て位置決めする第1ストッパ壁部24及び第2ストッパ壁部25を有する。メカニカルスプライス50の長手方向の両端面55,55は、ストッパ壁部24,25への突き当てにより位置決めされる。
第1ストッパ壁部24は、メカニカルスプライス50に把持固定しているピグテイル光ファイバ2を挿通するための、上方に開いた切欠状の第1光ファイバ挿通部24aを有する。第2ストッパ壁部25は、メカニカルスプライス50に挿入される挿入光ファイバ3を挿通するための上方に開いた切欠状の第2光ファイバ挿通部25aを有する。これらの光ファイバ挿通部24a,25aは、上方に開いた切欠状であるので、光ファイバ2,3の接続後にメカニカルスプライス50を引き上げて取り出す際、光ファイバ2,3を光ファイバ挿通部24a,25aの開いた側から逃がすことができる。
【0029】
第1メカニカルスプライス収容部20は、余長部分収容部15から突出した形状である。これにより、余長部分収容部15を有するケース10を光ファイバ接続工具40のケース支持部41に支持させたとき、メカニカルスプライス開閉機構45内に設けられた第2メカニカルスプライス収容部42に第1メカニカルスプライス収容部20を配置することができる。第2メカニカルスプライス収容部42は、図2に示すように、第1メカニカルスプライス収容部20を支持する棚部42a,42bを有する。
ケース支持部41は、ケース10の底部11を貫通する孔に形成された係止部11a(図7参照)に係止可能な係止ラッチ41aを有する。係止ラッチ41aを係止部11aに係合させることにより、ケース10がケース支持部41から脱落することなく、着脱可能に支持することができる。
【0030】
図8及び図9に、挿入光ファイバ3を把持する光ファイバホルダ30の一例を示す。この光ファイバホルダ30は、ホルダ本体31と、ホルダ本体31の内部にスライド自在に収容された操作部32を具備して構成されている。ホルダ本体31及び操作部32は、適当な成形用プラスチックからなる一体成形品とすることができる。挿入光ファイバ3の先端部3aは、樹脂被覆を除去して裸光ファイバを露出してある。光ファイバ3は、例えば石英系光ファイバ等の裸光ファイバの外周に、紫外線硬化性樹脂やポリアミド樹脂などからなる樹脂被覆を、1層または複数層設けたものが一般的である。
【0031】
ホルダ本体31の前後両側には、それぞれ挿入光ファイバ3を載置する光ファイバ載置部33,34が設けられている。また、ホルダ本体31の中央部には、挿入光ファイバ3を把持する一対の薄板状の弾性片35,35が設けられている。
図8に示すように、操作部32は、2つの弾性片35,35の各外面に対向して、それぞれ押圧部36,36を有する。
図9に示すように、押圧部36,36が弾性片35,35から離れる位置に操作部32を移動すると、弾性片35,35間の挿入光ファイバ3が締め付けから解放され、挿入光ファイバ3の把持が解除される。また、図8に示すように、押圧部36,36が弾性片35,35の外面に当接する位置に操作部32を移動すると、弾性片35,35の間が閉じて挿入光ファイバ3が把持される。
挿入光ファイバ3の把持が解除される位置では、操作部32の前方に延出する延出部32aがホルダ本体31に形成された切欠部31aに差し込まれる。これにより、操作部32がスライドするときの幅方向の位置決めとなり、操作部32を挿入光ファイバ3の長手方向に沿って真っ直ぐスライドさせやすくなる。
【0032】
本形態例では、挿入光ファイバ3が光ファイバケーブル(図示せず)等から引き出された余長の短い光ファイバ等にも対応可能なように、光ファイバホルダ30の全長が比較的短く設計されている。
なお、光ファイバホルダの構成は、図8及び図9に示す例に限られるものでなく、例えば、光ファイバを載置したベースと、ベースにヒンジ等で回動自在に取り付けられた蓋とを備え、挿入光ファイバをベースと蓋の間に挟み込む方式など、任意の方式の光ファイバホルダを採用することも可能である。
【0033】
ホルダ支持部43は、光ファイバホルダ30を載置させ、光ファイバホルダ30を第2メカニカルスプライス収容部42(詳しくはメカニカルスプライス50)に向けてスライド移動可能に支持するホルダ案内機構46を備える。本形態例のホルダ案内機構46は、図1及び図2に示すようにスライダプレート63の上面に形成された凹溝であり、光ファイバホルダ30の両側面に当接することで、メカニカルスプライス50に向けた光ファイバホルダ30のスライド移動を案内できる。
【0034】
また、ホルダ支持部43には、光ファイバホルダ30をホルダ案内機構46上の所定位置に固定するホルダ固定機構47が設けられている。図10に示すように、本形態例のホルダ固定機構47は、ホルダ案内機構46の幅方向(図10の左右方向)両側に互いに対向して設けられた一対のバネ部47a,47aを有する。そして各バネ部47a,47aは、ホルダ案内機構46の幅方向外側にある基端部47bが光ファイバ接続工具40(詳しくはスライダプレート63)と一体化された固定端であり、かつホルダ案内機構46の幅方向内側にあるバネ部47aの先端部47cは自由端となっている。バネ部47aの先端部47cには、光ファイバホルダ30(詳しくはホルダ本体31)の両側面に形成された係合突起37と係合する係合凹部47dが形成されている。
【0035】
ホルダ固定機構47は、図11に示すように、バネ部47aの先端の係合凹部47dを光ファイバホルダ30の係合突起37と係合させて一対のバネ部47a,47aの間に光ファイバホルダ30を挟み込むことにより、光ファイバホルダ30をホルダ案内機構46上の所定位置(図1に示す位置)に固定することができる。本形態例のホルダ固定機構47によれば、光ファイバホルダ30がメカニカルスプライス50から離れないように所定位置に固定されるので、挿入光ファイバ3に引っ張り力が加わったとしても、挿入光ファイバ3及び光ファイバホルダ30とメカニカルスプライス50との相対的な位置関係を維持することができる。このため、光ファイバホルダ30に保持された挿入光ファイバ3の先端部3aをメカニカルスプライス50に挿入した後で、光ファイバホルダ30とメカニカルスプライス50との間で挿入光ファイバ3にたわみ3bが生じた状態(図13を参照)を維持することができる。
【0036】
図2及び図11に示すように、本形態例のホルダ支持部43は、挿入光ファイバ3を保持した光ファイバホルダ30をホルダ案内機構46上に載置したときに、挿入光ファイバ3の光ファイバホルダ30から前方に突出した部分が載置される光ファイバ載せ台48を備える。光ファイバ載せ台48は、ホルダ案内機構46の長さ方向に沿って延在するバネ部48aの先端部48cに支持されている。そして該バネ部48aは、第2メカニカルスプライス収容部42から遠い側の基端部48bが光ファイバ接続工具40(詳しくはスライダプレート63)と一体化された固定端であり、第2メカニカルスプライス収容部42に近い側のバネ部48aの先端部48c側が自由端となっている。光ファイバ載せ台48の上には、挿入光ファイバ3を両側から案内する一対のガイド突起48d,48dが突設されている。
図11(a)に示すように、ガイド突起48d,48dの間で、挿入光ファイバ3を光ファイバ載せ台48上に載せることにより、光ファイバ載せ台48からの挿入光ファイバ3の脱落を防止できる。
また、図11(b)に示すように、メカニカルスプライス50に向けて光ファイバホルダ30をホルダ案内機構46に沿ってスライド移動すると、光ファイバホルダ30が光ファイバ載せ台48に突き当たり、バネ部48aが弾性変形して、光ファイバ載せ台48が光ファイバホルダ30の下方に下降する。このように、光ファイバ載せ台48の下降は、光ファイバホルダ30のスライド移動に伴って行われるので、光ファイバ載せ台48をホルダ案内機構46上に露出させ、またホルダ案内機構46下に下降させる操作を、光ファイバホルダ30の操作と別に行う必要がない。下降した光ファイバ載せ台48は、バネ部48aの弾性変形の復帰により再びホルダ案内機構46の上方に出現することができる。
【0037】
次に、メカニカルスプライス50によるピグテイル光ファイバ2と挿入光ファイバ3との接続する方法について説明する。
図6に示すピグテイル光ファイバ2をメカニカルスプライス50に把持固定しているメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバを用意し、図2に示す光ファイバ接続工具40に装着して、図1に示す光ファイバ接続装置1を構成する。具体的には、ケース10をケース支持部41に、第1メカニカルスプライス収容部20を第2メカニカルスプライス収容部42に装着した後に、介挿部材44を操作して、図5に示すように、メカニカルスプライス開閉機構45を操作し、介挿部材44を割り入れることにより、メカニカルスプライス50のベース部材51と蓋部材52の間を開放する。
図6に示すピグテイル光ファイバ2をメカニカルスプライス50に把持固定しているメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバにおいては、メカニカルスプライス50は、挿入光ファイバ3を挿入する側を含めて、ベース部材51と蓋部材52の間が開いていないので、この作業により、メカニカルスプライス50に挿入光ファイバ3を挿入可能にすることができる。また、挿入光ファイバ3を光ファイバホルダ30(図8参照)に保持させる。
【0038】
図示例では、介挿部材44は、メカニカルスプライス50に介挿することで第1〜第3クランプ部50a〜cの各ベース部材51a〜cと蓋部材52a〜cの間を一括して開放し、且つメカニカルスプライス50から抜き出すことで第1〜第3クランプ部50a〜cの各ベース部材51a〜cと蓋部材52a〜cの間を一括して閉鎖する構成である。
次いで、挿入光ファイバ3を把持した光ファイバホルダ30をホルダ支持部43に載せる。挿入光ファイバ3は、あらかじめ先端部の被覆(樹脂被覆)を除去して裸光ファイバ(ガラス部分)を露出させたものである。
【0039】
ホルダ案内機構46の案内によって光ファイバホルダ30をメカニカルスプライス50に向けてスライド移動させ、挿入光ファイバ3の先端部を、メカニカルスプライス50のテーパ穴55cから第3ベース部材51cと第3蓋部材52cの間に挿入する。さらに光ファイバホルダ30をスライド移動させて挿入光ファイバ3の先端部3aを第2ベース部材51bと第2蓋部材52bの間においてピグテイル光ファイバ2に突き合わせる。さらに光ファイバホルダ30をスライド移動させると、図13に示すように、光ファイバホルダ30とメカニカルスプライス50の間に挿入光ファイバ3にたわみ3bが生じた状態となる。この状態でホルダ固定機構47により光ファイバホルダ30をホルダ案内機構46の所定位置に固定する。これにより、突き合わせ部4において光ファイバ2,3の端面間に突き合わせ方向に圧力が加わり、端面間が密着するので、光ファイバ2,3同士を確実に光接続することができる。また、両光ファイバ2,3の突き合わせ前には、たわみ3bが見られないので、たわみ3bの発生を観察することにより、光ファイバ2,3が突き合わせられたかどうかを目視で確認することができる。
なお、本形態例においては、両光ファイバ2,3を突き合わせる際、メカニカルスプライス50はピグテイル光ファイバ2を把持固定していないが、挿入光ファイバ3の可撓性が高いため、挿入光ファイバ3の中途部を固定した光ファイバホルダ30を前進させても、押圧力は挿入光ファイバ3の先端部にほとんど到達しない。このため、ピグテイル光ファイバ2の先端部2aの位置はほとんど変わることなく、また、ピグテイル光ファイバ2がたわむことなく、挿入光ファイバ3にたわみ3bを発生させることができる。
【0040】
挿入光ファイバ3のたわみ変形を確認したのち、メカニカルスプライス開閉機構45を操作して介挿部材44をベース部材51と蓋部材52の間から引き抜く。これにより、メカニカルスプライス50のクランプバネ53の弾性によりベース部材51と蓋部材52の間を閉鎖し、ピグテイル光ファイバ2と挿入光ファイバ3の突き合わせ部4(詳しくは先端部2a,3a同士の突き合わせ部)を第2クランプ部50bによって把持固定することができる。また、本形態例の場合は、ピグテイル光ファイバ2及び挿入光ファイバ3の被覆を有する部分も一緒に、それぞれ第1クランプ部50a及び第3クランプ部50cによって把持固定することができる。
挿入光ファイバ3がメカニカルスプライス50内で接続されたのち、操作部32による弾性片35への押圧力を解除する。これにより、光ファイバホルダ30を挿入光ファイバ3から取り外すことができる。
【0041】
図14に示すように、第1メカニカルスプライス収容部20はケース10に一体に設けられているので、メカニカルスプライス50に固定された光ファイバ2,3とともに、ピグテイル光ファイバ2の余長部分2b及び光コネクタ5を、ケース10ごと光ファイバ接続工具40から取り上げることができる。
ピグテイル光ファイバ2と挿入光ファイバ3を把持固定しているメカニカルスプライス50を第1メカニカルスプライス収容部20から取り出す場合、メカニカルスプライス取出し用切欠部27a,27bに露出されたメカニカルスプライス50の側面を両側からつまむことができるので、メカニカルスプライス50と側壁部22,23の狭い隙間に挿入可能な専用工具等を必要とすることなく、第1メカニカルスプライス収容部20からのメカニカルスプライス50の取出しが容易である。
また、を第1メカニカルスプライス収容部20の光ファイバ挿通部24a,25aは、上方に開いた切欠状であるので、光ファイバ2,3の接続後にメカニカルスプライス50を引き上げて取り出す際、光ファイバ2,3を光ファイバ挿通部24a,25aの開いた側から逃がすことができる。
【0042】
本形態例の光ファイバ接続装置1によれば、挿入光ファイバ3が光ファイバケーブル(図示せず)等から引き出された余長の短い光ファイバ等であっても、メカニカルスプライス50の片側にあらかじめ挿入光ファイバ3と接続されるべきピグテイル光ファイバ2が用意されているので、光ファイバ接続工具40上でピグテイル光ファイバ2をメカニカルスプライス50に挿入して把持固定する作業が不要になり、メカニカルスプライス50を介した両光ファイバ2,3の接続作業が容易になる。また、短余長の光ファイバをメカニカルスプライス50のピグテイル光ファイバ2と接続して、その余長を延長することにより、短余長のままでは利用困難であった光ファイバを有効活用することができる。
ピグテイル光ファイバ2の余長部分2bがケース10に収容されているので、ピグテイル光ファイバ2の取り扱い作業性が向上し、空中に架設された光ファイバケーブル等の近傍に設けられた高所作業用バスケット等の狭いスペースでも接続作業が容易になる。
ピグテイル光ファイバ2の他端に光コネクタ5が設けられているので、他の光回線とコネクタ接続により容易に接続することが可能である。
【0043】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
図16に示す光ファイバ接続装置1Aの場合、光ファイバ接続工具40Aが、ピグテイル側と挿入光ファイバ側にそれぞれ介挿部材44A,44Bを備え、これらの介挿部材44A,44Bを別々に操作可能である。
第1介挿部材44Aは、メカニカルスプライス50のうちピグテイル光ファイバ2が把持固定される部分に介挿されるピグテイル側介挿部材44Aである。第1介挿部材44Aは、ピグテイル光ファイバ2側の介挿部材挿入溝56a,56b(図3参照)からベース部材51a,51bと蓋部材52a,52b(図4参照)の間に介挿される。
第2介挿部材44Bは、メカニカルスプライス50のうち挿入光ファイバ3が把持固定される部分に介挿される挿入光ファイバ側介挿部材44Bである。第2介挿部材44Bは、挿入光ファイバ3側の介挿部材挿入溝56c,56d(図3参照)からベース部材51b,51cと蓋部材52b,52c(図4参照)の間に介挿される。
【0044】
図6に示すピグテイル光ファイバ2をメカニカルスプライス50に把持固定しているメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバを、光ファイバ接続工具40Aに装着して、光ファイバ接続装置1Aを構成するときは、ケース10をケース支持部41に、第1メカニカルスプライス収容部20を第2メカニカルスプライス収容部42に装着した後に、第2介挿部材44Bを操作して、第1クランプ部50aを閉鎖したまま、第2クランプ部50b及び第3クランプ部50cを開放することで、メカニカルスプライス50に挿入光ファイバ3を挿入可能にすることができる。接続作業の間、ピグテイル光ファイバ2を第1クランプ部50aに把持固定した状態を維持することができる。また、挿入光ファイバ3をメカニカルスプライス50に挿入した後で、挿入光ファイバ側介挿部材44Bを引き抜いて、挿入光ファイバ3を把持固定することができる。
この場合、第1介挿部材44Aが第1ベース部材51aと第1蓋部材52aの間から抜き出されているときに、図16(c)に示すように、第2介挿部材44Bが第3ベース部材51cと第3蓋部材52cの間を開放することができるので、ピグテイル光ファイバ2をしっかりと第1ベース部材51aと第1蓋部材52aの間に把持固定した状態で、挿入光ファイバ3をメカニカルスプライス50に挿入することができる。
第2クランプ部50bは、ピグテイル側の介挿部材挿入溝56bから第1介挿部材44Aは引き抜かれ、挿入光ファイバ側の介挿部材挿入溝56cには第2介挿部材44Bが介挿されているので、第2クランプ部50bの挿入光ファイバ側と第3クランプ部50cにおいて、ピグテイル光ファイバ2に突き合わせるまで挿入光ファイバ3を挿入するために十分な隙間が確保される。挿入光ファイバ側介挿部材44Bの引き抜きにより、ピグテイル光ファイバ2と挿入光ファイバ3の突き合わせ部4を第2クランプ部50bによって把持固定すると共に、挿入光ファイバ3の被覆を有する部分を第3クランプ部50cによって把持固定する。
なお、あらかじめ図6に示すようにピグテイル光ファイバ2をメカニカルスプライス50に把持固定しているメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバを用意するので、光ファイバ接続工具40Aは、第2介挿部材44Bを備えればよく、第1介挿部材44Aを省略することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1,1A…光ファイバ接続装置、2…ピグテイル光ファイバ、2b…余長部分、3…挿入光ファイバ、5…光コネクタ、10…ケース、15…余長部分収容部、15a,15b…マンドレル、16…光コネクタ収容部、17…ヒンジ、18…係止手段、20…第1メカニカルスプライス収容部、30…光ファイバホルダ、40,40A…光ファイバ接続工具、41…ケース支持部、42…第2メカニカルスプライス収容部、44,44A,44B…介挿部材、45…メカニカルスプライス開閉機構、46…ホルダ案内機構、47…ホルダ固定機構、50…メカニカルスプライス、50a,50b,50c…クランプ部、51,51a,51b,51c…ベース部材、52,52a,52b,52c…蓋部材、53,53a,53b,53c…クランプバネ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入光ファイバと突き合わせるピグテイル光ファイバと、
前記ピグテイル光ファイバをメカニカルスプライス長手方向の一端側で半割りの素子の間に挟み込んで把持固定しているメカニカルスプライスと、
前記メカニカルスプライスを収容している第1メカニカルスプライス収容部、及び前記メカニカルスプライスに把持固定しているピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライス外に出された余長部分を収容している余長部分収容部を含むケースと
を備え、
前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に光ファイバ接続工具の介挿部材を挿入するための空隙を有する第1側壁部と、前記メカニカルスプライスを介して前記第1側壁部に対向する第2側壁部と、前記第1側壁部及び前記第2側壁部を前記メカニカルスプライスの下方で連結する底壁部を有し、前記底壁部と第1側壁部と第2側壁部により三方から囲まれる溝状の空間に前記メカニカルスプライスを収容しており、
前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの長手方向の両端面に突き当て位置決めする第1ストッパ壁部及び第2ストッパ壁部を有する
メカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ。
【請求項2】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部には、前記メカニカルスプライスの側面に向かって突起を突設し、第1側壁部の突起と第2側壁部の突起との間に前記メカニカルスプライスを嵌め込み保持する
請求項1に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ。
【請求項3】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部は、前記メカニカルスプライスを介して互いに対向する位置に前記メカニカルスプライスの側面を露出するメカニカルスプライス取出し用切欠部を有する
請求項1に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ。
【請求項4】
前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライスに挿入された側とは反対側の端部に取り付けられた光コネクタを収容する光コネクタ収容部を備える
請求項1に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ。
【請求項5】
前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの余長部分を巻回状態に保持するマンドレルを備える
請求項1に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ。
【請求項6】
前記第1ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに把持固定している前記ピグテイル光ファイバを挿通する上方に開いた切欠状の第1光ファイバ挿通部を有し、前記第2ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを挿通するための上方に開いた切欠状の第2光ファイバ挿通部を有する
請求項1に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ。
【請求項7】
前記ケースの余長部分収容部は、前記ケースに対してヒンジを介して回動自在に連結された蓋により覆われ、前記蓋は、前記ケースに対して係止手段によって着脱自在に固定することができる
請求項1に記載のメカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバ。
【請求項8】
挿入光ファイバと突き合わせるピグテイル光ファイバと、
前記ピグテイル光ファイバをメカニカルスプライス長手方向の一端側で半割りの素子の間に挟み込んで把持固定しているメカニカルスプライスと、
前記メカニカルスプライスを収容している第1メカニカルスプライス収容部、及び前記メカニカルスプライスに把持固定しているピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライス外に出された余長部分を収容している余長部分収容部を含むケースと
を備え、
前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に光ファイバ接続工具の介挿部材を挿入するための空隙を有する第1側壁部と、前記メカニカルスプライスを介して前記第1側壁部に対向する第2側壁部と、前記第1側壁部及び前記第2側壁部を前記メカニカルスプライスの下方で連結する底壁部を有し、前記底壁部と第1側壁部と第2側壁部により三方から囲まれる溝状の空間に前記メカニカルスプライスを収容しており、
前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの長手方向の両端面に突き当て位置決めする第1ストッパ壁部及び第2ストッパ壁部を有する
メカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバを装着可能であり、
前記ケースを支持するケース支持部、前記第1メカニカルスプライス収容部を収容する第2メカニカルスプライス収容部、及び前記第1メカニカルスプライス収容部に収容されている前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に介挿する介挿部材を備える
光ファイバ接続工具。
【請求項9】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部には、前記メカニカルスプライスの側面に向かって突起を突設し、第1側壁部の突起と第2側壁部の突起との間に前記メカニカルスプライスを嵌め込み保持する
請求項8に記載の光ファイバ接続工具。
【請求項10】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部は、前記メカニカルスプライスを介して互いに対向する位置に前記メカニカルスプライスの側面を露出するメカニカルスプライス取出し用切欠部を有する
請求項8に記載の光ファイバ接続工具。
【請求項11】
前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライスに挿入された側とは反対側の端部に取り付けられた光コネクタを収容する光コネクタ収容部を備える
請求項8に記載の光ファイバ接続工具。
【請求項12】
前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの余長部分を巻回状態に保持するマンドレルを備える
請求項8に記載の光ファイバ接続工具。
【請求項13】
前記第1ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに把持固定している前記ピグテイル光ファイバを挿通する上方に開いた切欠状の第1光ファイバ挿通部を有し、前記第2ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを挿通するための上方に開いた切欠状の第2光ファイバ挿通部を有する
請求項8に記載の光ファイバ接続工具。
【請求項14】
前記ケースの余長部分収容部は、前記ケースに対してヒンジを介して回動自在に連結された蓋により覆われ、前記蓋は、前記ケースに対して係止手段によって着脱自在に固定することができる
請求項8に記載の光ファイバ接続工具。
【請求項15】
前記介挿部材は、メカニカルスプライスのうちピグテイル光ファイバが把持固定される部分に介挿する第1介挿部材と、メカニカルスプライスのうち挿入光ファイバが把持固定される部分に介挿する第2介挿部材を備え、第1介挿部材は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に前記ピグテイル光ファイバを把持固定しているために予め抜き出されている
請求項8に記載の光ファイバ接続工具。
【請求項16】
前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを保持する光ファイバホルダを前記メカニカルスプライスに向けてスライド移動可能に案内するホルダ案内機構と、
前記光ファイバホルダに保持された前記挿入光ファイバの先端部を前記メカニカルスプライスに挿入した後で前記光ファイバホルダと前記メカニカルスプライスの間に前記挿入光ファイバにたわみが生じた状態を維持すべく、バネ部の先端部に形成された係合凹部を光ファイバホルダの側面に形成された係合突起と係合することで、前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構の所定位置に固定するホルダ固定機構と、
前記挿入光ファイバを保持した前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構に配置したときに前記挿入光ファイバの前記光ファイバホルダから突出した部分を支持すると共に前記光ファイバホルダの前記ホルダ案内機構に沿うスライド移動に伴って前記光ファイバホルダの下方に下降するようになっている光ファイバ載せ台と
を備える
請求項8に記載の光ファイバ接続工具。
【請求項17】
挿入光ファイバと突き合わせるピグテイル光ファイバと、
前記ピグテイル光ファイバをメカニカルスプライス長手方向の一端側で半割りの素子の間に挟み込んで把持固定しているメカニカルスプライスと、
前記メカニカルスプライスを収容している第1メカニカルスプライス収容部、及び前記メカニカルスプライスに把持固定しているピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライス外に出された余長部分を収容している余長部分収容部を含むケースと
を備え、
前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に光ファイバ接続工具の介挿部材を挿入するための空隙を有する第1側壁部と、前記メカニカルスプライスを介して前記第1側壁部に対向する第2側壁部と、前記第1側壁部及び前記第2側壁部を前記メカニカルスプライスの下方で連結する底壁部を有し、前記底壁部と第1側壁部と第2側壁部により三方から囲まれる溝状の空間に前記メカニカルスプライスを収容しており、
前記第1メカニカルスプライス収容部は、前記メカニカルスプライスの長手方向の両端面に突き当て位置決めする第1ストッパ壁部及び第2ストッパ壁部を有する
メカニカルスプライス付きピグテイル光ファイバを、
前記ケースを支持するケース支持部、前記第1メカニカルスプライス収容部を収容する第2メカニカルスプライス収容部、及び前記第1メカニカルスプライス収容部に収容されている前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に介挿する介挿部材を備える光ファイバ接続工具に装着し、
挿入光ファイバを保持する光ファイバホルダを前記メカニカルスプライスに向けてスライド移動させ、前記挿入光ファイバの先端部を前記メカニカルスプライスに挿入して前記ピグテイル光ファイバに突き合わせ、
さらに前記光ファイバホルダをスライド移動させて前記光ファイバホルダと前記メカニカルスプライスの間に前記挿入光ファイバにたわみが生じた状態で前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に前記ピグテイル光ファイバと挿入光ファイバの突き合わせ部を把持固定する
光ファイバ接続方法。
【請求項18】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部には、前記メカニカルスプライスの側面に向かって突起を突設し、第1側壁部の突起と第2側壁部の突起との間に前記メカニカルスプライスを嵌め込み保持する
請求項17に記載の光ファイバ接続方法。
【請求項19】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部は、前記メカニカルスプライスを介して互いに対向する位置に前記メカニカルスプライスの側面を露出するメカニカルスプライス取出し用切欠部を有する
請求項17に記載の光ファイバ接続方法。
【請求項20】
前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの前記メカニカルスプライスに挿入された側とは反対側の端部に取り付けられた光コネクタを収容する光コネクタ収容部を備える
請求項17に記載の光ファイバ接続方法。
【請求項21】
前記ケースは、前記ピグテイル光ファイバの余長部分を巻回状態に保持するマンドレルを備える
請求項17に記載の光ファイバ接続方法。
【請求項22】
前記第1ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに把持固定している前記ピグテイル光ファイバを挿通する上方に開いた切欠状の第1光ファイバ挿通部を有し、前記第2ストッパ壁部は、前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを挿通するための上方に開いた切欠状の第2光ファイバ挿通部を有する
請求項17に記載の光ファイバ接続方法。
【請求項23】
前記ケースの余長部分収容部は、前記ケースに対してヒンジを介して回動自在に連結された蓋により覆われ、前記蓋は、前記ケースに対して係止手段によって着脱自在に固定することができる
請求項17に記載の光ファイバ接続方法。
【請求項24】
前記介挿部材は、メカニカルスプライスのうちピグテイル光ファイバが把持固定される部分に介挿する第1介挿部材と、メカニカルスプライスのうち挿入光ファイバが把持固定される部分に介挿する第2介挿部材を備え、第1介挿部材は、前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に前記ピグテイル光ファイバを把持固定しているために予め抜き出されている
請求項17に記載の光ファイバ接続方法。
【請求項25】
前記光ファイバ接続工具は、
前記メカニカルスプライスに挿入される前記挿入光ファイバを保持する光ファイバホルダを前記メカニカルスプライスに向けてスライド移動可能に案内するホルダ案内機構と、
前記光ファイバホルダに保持された前記挿入光ファイバの先端部を前記メカニカルスプライスに挿入した後で前記光ファイバホルダと前記メカニカルスプライスの間に前記挿入光ファイバにたわみが生じた状態を維持すべく、バネ部の先端部に形成された係合凹部を光ファイバホルダの側面に形成された係合突起と係合することで、前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構の所定位置に固定するホルダ固定機構と、
前記挿入光ファイバを保持した前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構に配置したときに前記挿入光ファイバの前記光ファイバホルダから突出した部分を支持すると共に前記光ファイバホルダの前記ホルダ案内機構に沿うスライド移動に伴って前記光ファイバホルダの下方に下降するようになっている光ファイバ載せ台と
を備え、
挿入光ファイバを保持する光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構の上に配置し、前記挿入光ファイバの前記光ファイバホルダから突出した部分を前記光ファイバ載せ台の上に載せ、前記ホルダ案内機構の案内によって前記メカニカルスプライスに向けてスライド移動させ、前記挿入光ファイバの先端部を前記メカニカルスプライスに挿入して前記ピグテイル光ファイバに突き合わせ、
さらに前記光ファイバホルダをスライド移動させて前記光ファイバホルダと前記メカニカルスプライスの間に前記挿入光ファイバにたわみが生じた状態で前記ホルダ固定機構により前記光ファイバホルダを前記ホルダ案内機構の所定位置に固定し、
前記メカニカルスプライス開閉機構を操作して前記介挿部材をメカニカルスプライスの半割りの素子の間から引き抜くことで前記メカニカルスプライスの半割りの素子の間に前記ピグテイル光ファイバと挿入光ファイバの突き合わせ部を把持固定する
請求項17に記載の光ファイバ接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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