メカニカルファスナーに用いるループ側不織布材料
本発明は、メカニカルファスナーとしてのループ側不織布材料(28)に関する。これは特に使い捨て衛生用品(2)、例えばオムツ、ベルト式オムツ、失禁処理用オムツ、失禁処理用パッドに用いられる。この不織布材料(30)の第1の上面(40)は、第1の比較的大きなボンディングされない領域(42)を含み、これら第1の領域は、互いに間隔を取って島状に配置されている。この不織布材料は次のように改善されている。すなわち、第1の比較的大きなボンディングされない領域(42)は、ボンディングされた輪郭(44)によって境界を区切られ、この境界の外では、第2の比較的小さなボンディングされない領域(48)に囲まれ、これら第2の比較的小さなボンディングされない領域(48)によって、互いに間隔を置かれている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メカニカルファスナーに用いるループ側不織布材料に関する。これは、特に使い捨て衛生用品、例えばオムツ、ベルト式オムツ、失禁処理用品及び失禁パッドに用いるものである。この場合、不織布材料の第1の上面は、第1の比較的大きなボンディングされない領域を含み、これら第1の領域は互いに間隔を取って島状に配置されている。
【0002】
しばしばフック/ループファスナーまたは面ファスナーと呼ばれる、メカニカルファスナーを製造する場合、1つには、相互作用するファスナーエレメントの間で、背後からの把握、またはフックの作用に基づく良好なファスナー作用を得ることが望ましく、また該ファスナーとして、意図せずに開かれることのないものが望ましい。しかしもう1つには、このファスナーは、意図された場合は開くことができ、しかもその際、ファスナーエレメントの材料が剥離されたり、もぎ取られたりすることのないものが望ましい。これらを防止するため、メカニカルファスナーのループ側コンポーネントで、織物にボンディングを行うか、あるいは、不織布を扱う場合、不織布繊維の十分な固定またはボンディングを行う。しかし不織布固定が増加すると、メカニカルファスナーの付着力が、それにともなって減少する。
【背景技術】
【0003】
ループ側不織布素材は、欧州特許第0870081B1号明細書の請求項1の上位概念に記載され、すでに次のことを提案している。すなわち、好ましくは全くボンディングされていない不織マットを出発素材として、島状のボンディングされない領域を設けるが、そのためこれらボンディングされない領域の間に、カレンダーエンボシングによって、該不織材に連続するボンディングを施す。カレンダーエンボシングにより固定された部分が、島状のボンディングされない領域の間にあるが、これらの部分は、接着ボンディングの形成には、実際もはや利用できない。
【0004】
欧州特許第1209271A1には、互いに離れた線分状のボンディング領域を持つ弾性ある不織布材料と、エンボシング点のハニカム状パターンを施された不織布材料が開示される。国際公開第95/33390号パンフレットには不織布ラミネート/フィルムラミネートが示され、この場合、事前固定された不織マットが、不連続的な接合点の網目を介して、エラストマフィルム層に接合されている。
【0005】
欧州特許第1048236A2号パンフレットには、加熱溶融可能な連続的繊維を、互いに平行に配置した状態で、加熱溶融可能な基層上にパイルすることと、繊維方向を横切る位置にある直線的な接合線によって、この基層と結合することが提案される。この方法によって接合線の間にループが形成され、このループを、ファスナーのフック側コンポーネントと相互作用させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、メカニカルファスナーのループ側コンポーネントを形成する際、冒頭に挙げられた目的の競合に配慮しながら、閉機能が確実である点と、破損危険性が少ない点で、改善された不織布材料を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の種類のループ側不織布材料の場合に、本発明はこの課題を、次のようにして解決する。すなわち、第1の比較的大きなボンディングされないこれらの領域は、ボンディングされた輪郭に境界を区切られ、この境界の外では、第2の比較的小さなボンディングされない領域に囲まれ、この第2の比較的小さなボンディングされない領域によって、互いに間隔を置かれるものとされる。
【0008】
これら比較的大きなボンディングされない領域は、メカニカルに作用するファスナー機能の形成に利用される主たるものである。これらの領域は、ボンディングされた輪郭によって境界を区切られ、あるいは定められている。この輪郭は、特にライン状のエンボシング、また特にホットエンボシングによって形成することができ、このホットエンボシングは、特に超音波溶接またはカレンダーエンボシングによって得られる。これらエンボシングラインは、連続するものとしても、中断を持つものとしても形成することができ、特に点線状、または破線状に形成することもできる。しかしこのボンディングされた輪郭の外側では、これら第1のボンディングされない島状領域の間に、さらなる比較的小さなボンディングされない領域または部分が設けられている。これらの領域または部分は、第1の比較的大きなボンディングされない領域を互いに分離する。この関連で、第2の比較的小さなボンディングされない領域または部分についていうとき、これは次のようなことと理解されたい。すなわち、島状の比較的大きな領域が、近くに並んでまたはつながって配置されている。あるいは第2の比較的小さなボンディングされない領域がさらに、ボンディングされた部分領域を囲んでいる。このような配置が行われているため、第1の比較的大きなボンディングされない領域の可能最大な内接円を、第2のボンディングされない領域に取り込み、あるいは挿入することが、不可能となっている。
【0009】
本発明の不織布材料により、1つには第1の比較的大きくてボンディングされない島状領域によって、メカニカルファスナーのフック側コンポーネントのため、全体としても個別にも横に広がり、十分大きなアンカー固定領域が得られる。上記のさらなる第2のボンディングされない領域は、これら島状の第1のボンディングされない領域の間にあって、メカニカル結合をできるだけ連続的なものとするのに役立つ。ループ側不織布材料の同様に十分な固定は、第1のボンディングされない領域の境界を区切るボンディングされた輪郭によって得られ、場合によってはその他にもボンディングされた部分領域を設けることによって得られる。この部分領域自体は、第2のボンディングされない領域に囲まれながら、第1の比較的大きな領域の間に配置されている。
【0010】
強度が良好である点と、不織布材料の繊維の拘束が良好である点で有利なのは、すでに述べたように、第2の比較的小さなボンディングされない領域がまた、ボンディングされた部分領域を持ち、特にそれを囲む場合である。これらの部分領域は、同時にエンボシング、特にホットエンボシングによって形成することができ、それ自体任意の形状である。これら部分領域の形状は、比較的短くて細いセグメントとし、かつその長手方向寸法がその幅の2から10倍、特に2から8倍とするのが好ましい。
【0011】
さらには、不織布材料への繊維の拘束が良好であるという点で、次のような場合が好ましい。すなわち、第1の比較的大きなボンディングされない島状領域間で、いずれの直線的結合線も、ボンディングされた輪郭を通るか、または第1の比較的大きな領域の間にあるボンディングされた部分領域を通るような場合である。
【0012】
前記ボンディングされた輪郭は、有利な方法として、そのエンボシング線またはエンボシング線分の幅が0.2から1mm、好ましくは0.2から0.8mm、さらに好ましくは0.3から0.6mmとする。この輪郭は、有利な方法としてその深さが0.4から1.5mm、好ましくは0.4から0.9mm、好ましくは0.4から0.8mm、さらに好ましくは0.5から0.7mmとする。
【0013】
さらに好ましくは、第1の比較的大きなボンディングされない島状領域は、その寸法、特にその領域の内接円の直径が、2から15mm、好ましくは3から10mm、さらに好ましくは3から8mm、特に好ましくは4から7mmとする。
【0014】
第1の比較的大きなボンディングされない島状領域は、第1の上面の総面積に対する面積割合を、好ましくは5から75%、特に5から60%、特に10から50%、特に10から45%、特に15から45%、特に20から40%、さらに特に30から40%とする。本発明で認識されているところでは、第1の比較的大きなボンディングされない島状領域は、それを合計したものが、総表面積のうち比較的過度にならない割合を占めれば十分である。なぜならば第1の比較的大きなボンディングされない領域の間に、第2の比較的小さなボンディングされない領域または部分があり、これらによってもファスナー機能が追加的に支持されるからである。
【0015】
第1の比較的大きなボンディングされない島状領域は、形状がかならずしも定められているわけではない。しかし、この領域が円形、または楕円形、または三角形、または四角形、好ましくは六角形または八角形であれば、有利である。これらの好ましい構造によって、ファスナーのフック側コンポーネントのため、平面的に横に広がるアンカー固定領域を提供することができる。このファスナー機能は、比較的大きな島状の領域の寸法をすべての方向において等しくすることが好ましく、そのような寸法は、円形、規則的に反復する多角形、特に六角形の場合が特に効果的である。
【0016】
第1の島状領域の配置に関しては、これらの領域の間隔を少なくとも1mm、好ましくは少なくとも1.5mm、特に少なくとも2mm、さらに特に少なくとも2.5mm、特に好ましくは少なくとも3mmであることが、特に合目的である。しかしこの互いの間隔は好ましくは最大で10mm、特に最大で5mmとする。
【0017】
不織布材料の良好で十分な安定性、すなわち繊維の良好な拘束、及び不織布材料の破損強さが得られるのは、第1の表面の総面積に対する、ボンディングされた領域の総面積割合が、好ましくは10から60%、好ましくは15から40%、さらに好ましくは15から30%、特に15から25%、特に有利な方法として19から22%である場合である。ここでボンディングされた領域とは、次のようなボンディングされた輪郭をいう。この輪郭は、第1の島状領域の境界を区切り、また場合によっては第1の島状領域の間に追加して設けられたボンディングされた部分領域の境界を区切る。
【0018】
本発明による不織布材料は、好ましくはスパンボンデッド不織布、またはカードウェブ、またはメルトブロー不織布、またはウォーターニードル不織布を含むことができる。有利な方法として、複数の不織布層からなる不織布ラミネートとすることもできる。本発明の好ましい一つの実施形態によれば、この材料は、スパンボンド不織布とカードウェブを互いに結合したものを含む。このような場合のカードウェブが、好ましくは第1の上面を形成し、この面が、メカニカルファスナーにおけるフック側コンポーネントの係着エリアとなるものとする。
【0019】
本発明によるループ側不織布材料が複数の不織布層からなる場合、それは不織布ラミネートである。したがって、これらの層を、第1の比較的大きなボンディングされない島状領域の境界を区切るボンディングされた輪郭によって、互いに結合すれば有利である。これは例えばホットエンボシングによって、しかも特にカレンダーエンボシングまたは超音波溶接によって行うことができる。本発明による不織布材料を不織布ラミネートとして形成する場合、強度を全体として上げるために、第1の上面と反対側の不織布層を、もうひとつのボンディングパターンによって、特にホットエンボシングによって得られたボンディングパターンによって、固定することができる。したがってもう1つのこの不織布層は、ファスナーのフック側コンポーネントの係着領域を形成するのではなく、反対側に設けられるものである。このボンディングパターンは、好ましくは、このもう1つの不織布層を前もって製造する際に、その事前固定のために施されるものとする。
【0020】
本発明による不織布材料の面積あたり重量は、好ましくは15から120g/m2、特に20から90g/m2、特に30から80g/m2、特に40から70g/m2、さらに特に50から65g/m2とする。
【0021】
次のような不織布層の、すなわち第1の上面を形成し、第1のボンディングされない島状領域と、ボンディングされた輪郭と、第2のボンディングされない領域とを備える不織布層の面積あたり重量は、好ましくは10から60g/m2、特に10から40g/m2、特に15から35g/m2、さらに特に20から35g/m2とする。
【0022】
前記の面積あたり重量と、特許請求対象である第1の上面の形状とを組み合わせることにより、次のような不織布材料を製造することができる。この不織布材料は、ファスナーのフック側コンポーネントとの相互作用という良好なファスナー機能が得られるだけではなく、特に屈曲性が快適であるという点で良好な機械的特性を示し、また支持機能を引き受けることもできるものである。このことは、この不織布材料を、特に吸収性衛生用品のベルトとして、使用できることを意味する。
【0023】
不織布材料を形成するにあたっては、第1の上面を形成する不織布層が、太さが1から10dtex、好ましくは2から8dtex、さらに好ましくは3から6dtexの繊維を含むか、あるいはそのような繊維からなるものであることが有利である。さらには、第1の上面を形成する不織布層が、親水性繊維を含むか、または親水性繊維からなるものであることが有利である。
【0024】
本発明による不織布材料が複数の不織布層からなる場合、その材料がキャリヤとして含む不織布層は、その面積あたり重量を10から100g/m2、好ましくは15から60g/m2、さらに好ましくは30から40g/m2とする。このキャリヤ層は、この場合第1の上面と反対側に配置される。このキャリヤ層は、太さが1から6dtex、好ましくは1から4dtex、さらに好ましくは2から4dtexの繊維を含むものとする。
【0025】
本発明の特に有利な発展形では、不織布材料を通気性あるものとする。すなわち、水及び/または空気を通過させるものとする。これにより、特にこの不織布材料が吸収性衛生用品のベルトとして使用される場合、装着快適性が改善される。
【0026】
すでに示唆したように、本発明の不織布材料の剛性は0.80N未満、特に0.60N未満、特に0.40N未満、特に0.30N未満、特に0.25N未満、特に0.2N未満、特に0.18N未満、特に0.16未満とし、0.05を最小とするのが有利である。この剛性は、欧州特許第0699066B1号明細書に記載の検査法、すなわちTests ASTM D 4032−82 CIRCULAR BENDの修正バージョンに従って測定される。したがって今回の開示のため、上記の検査法に明文をもって関連付けを行い、欧州特許第0699066B1号明細書の関連内容をこの出願書に引用する。それに加えて、この検査方法のさらに特化されたものとして、検査配置において不織布ラミネートの第1の上面が下位置に置かれるようにする。すなわち検査機器のスタンプと反対側の表面を形成するようにする。
【0027】
本発明の対象物はさらには、使い捨て衛生用品、特にオムツ、ベルト式オムツ、失禁処理オムツまたは失禁処理パッドであって、かつ請求項1から24のいずれか一項に記載のループ側不織布材料を含み、またはそれらの材料から形成されるメカニカルなファスナーを特徴とするものである。
【0028】
この種の衛生用品の場合、従来の種類(国際公開第95/33390号パンフレット参照)の公知された使い捨てオムツにおいても、その面ファスナーの雌側コンポーネントは、本発明によるこの不織布材料を含み、またはこの材料からなるものとすることができる。
【0029】
この種の衛生用品は、ユーザーの腰まわり方向に延びて、それ自体を重ねれば閉じることができるベルトを備えることができる。このベルトはこのような場合、閉じられた腰まわりを形成する。そして吸収性コンポーネントを備える衛生用品本体は、その衛生用品を装着するとき、ユーザーの両脚の間から引き上げられて、前もって閉じられていたベルトに固定されるが、好ましくは再び取り外し可能とする。
【0030】
本発明によるもう1つの重要な実施形態では、このベルトが、好ましくは一体型の材料片から形成される。この材料片は、請求項1から24のいずれか一項に記載の不織布材料を含むか、またはそのような材料から形成されている。
【0031】
このベルトの腰まわり方向の長さが、25から200cm、特に40から180cm、特に60から180cm、特に100から180cm、さらに特に120から180cmであることが有利である。
【0032】
さらにはこのベルト、または本発明の不織布材料からなるループ側コンポーネントは、衛生用品の長手方向における長さが、3から20cm、特に3から15cm、また特に4から10cm、さらに特に4から6cmであることが有利である。
【0033】
さらには次のような衛生用品に対する保護権を請求する。すなわち、ループ側不織布材料が、メカニカルファスナーのフック側コンポーネントと相互作用して、衛生用品を閉じ、その際付着力が最小5N/25mmから最大80N/25mmのせん断強さとして得られるような衛生用品である。好ましい範囲は、特許請求の範囲に記載される。
【0034】
この関連で以下が言及される。すなわち、吸収性衛生用品に用いるためのメカニカルファスナーであって、かつそのループ側コンポーネントが、本発明による不織布材料を含むか、または本発明によるもののような不織布材料からなるものに対する保護権も請求する。
【0035】
下記には、せん断負荷時のファスナーの力を測定するための検査方法について述べる。
【0036】
この検査方法を実施するため、試験サンプルを張り渡すためのジョークランプ幅が60mmの引っ張り試験機を用いることができ、この試験機としてドイツ国、Ulm市、Zwick有限合資会社のTyp Z010/TN 2S、ロードセル100Nが入手できる。この検査方法実施の際には、検査されるファスナーのループ側コンポーネントと、それに付着するフック側コンポーネントとを、1つの湾曲した面の上に置く。この面は、ユーザーの腹部の湾曲をシミュレーションしたものが望ましい(図4参照)。このファスナーを引っ張り試験機のジョークランプに結合するために、曲がりやすい基材、例えば片面接着テープの好ましくは幅25mmのものを使用する。この接着テープは、STA306という名称のものが、Neuss市、ドイツ3M有限会社から入手できる。この接着テープはポリプロピレン製であって、その表面は、ウレタン変性シリコーンポリマでコーティングされている。この接着剤塗布物の面積あたり重量は23g/m2である。湾曲面上に置かれた試験サンプルは、ファスナーの互いに付着する平面的な切断物からなっており、引っ張り試験機を用いて引っ張り負荷がかけられる。ここから、互いに付着する平面的切断物のせん断負荷が得られる。
試験サンプル準備
使用されるメカニカルファスナー、すなわちループ側不織布材料106と、ファスナーシステムのフック側コンポーネント108とは、23℃、かつ相対湿度50%で、24時間の条件下にある。この試験サンプルは、ループ側不織布材料から打ち抜かれたもので、大きさが50×300mmであり、そして2本の幅25mmの片面接着テープ101の端部の間、その真ん中にサンドウィッチ状に配置され、または固定されている。これら接着テープは互いに接着されている。その結果、不織布材料の突出部分50×250mmが得られる(図5a、5b参照)。
【0037】
同様にして、ファスナーのフック側コンポーネント108から、平面的な切断物25×20mmを打ち抜く。そして2本の片面接着テープ141の接着面を互いに接着したものによってその切断物を固定し、その際上側の接着テープが、平面的な切断物の背面に重なり、下側の接着テープは、平面的な切断物に切り口を合わせて接するものとする(図5a、5b参照)。
【0038】
フック側コンポーネント108の平面的な切断物を、ここでループ側不織布材料106に載せる。その際、不織布材料の長手方向末端からの間隔は10mm、左右の長手方向周縁からの間隔はそれぞれ12.5mmとする(図5a参照)。
【0039】
利用できるループ側不織布材料106が当初から寸法が小さくて、そのため大きさが50mm×300mmの試験サンプルを準備できない場合、大きさ25mm×30mmの試験サンプルを選択して、この切断物を、幅25mmで上記に詳しく特徴を記した2本の接着テープ101末端の間に、サンドウィッチ状に配置または固定する。これら2本の接着テープは互いに接着されている。その結果、不織布材料は大きさ25×20mmの突出を生じる(図5c、5d参照)。このような場合、フック側コンポーネント108とループ側不織布材料106からこうして得られた切断物は、全面的に互いに重なり合う(図5c、5d)。
【0040】
上記またはその前に記載した方法により上下に重ねられた平面的な切断物は、4回にわたるロール圧着により互いに結合される。このとき用いられるロールは、幅50mm、直径100mm、平滑な表面を持ち、ロール重量5kgである。そしてロール圧着速度は20から100mm/secである。
試験手順
前記のループ側不織布材料の延長部分を、引っ張り試験機の下側ジョークランプの中央に位置決めして張り渡す。その反対側では、上記フック側コンポーネントの延長部分の末端を、引っ張り試験機の運動可能な上側のジョークランプに同様にセンタリングして張り渡す。
【0041】
このようにして張り渡された試験サンプルを、図4及び6に記載の装置100に装着する。この装置は、ユーザーの腹部または腰部をシミュレーションしたものとする。この装置100の透視図を図6に示す。弓形の湾曲面102が認められるが、この湾曲面は、表面粗さ5から25μm、湾曲半径Rが少なくとも関係部分だけについて400mm、ウィング長さSLが300mmの、平滑なスチール製とする。その他、湾曲面102より上及び下には、直径18mmのプーリー104が設けられている。このプーリーは、湾曲面に装着された試験サンプルを垂直方向に、H=88mmのところで方向変換する。そして試験サンプルは、ここには図示しない引っ張り試験機のクランプ20、24と連結される。この方向変換の角度αは60°である。これにより引き出し角度は、湾曲面のほぼ接線方向に一定に保たれる。ファスナーの各コンポーネントの上下に重ねられた平面的切断物106、108は、湾曲面102に対して次のように位置決めされる。すなわちフック側コンポーネントが中央にセンタリングされ、湾曲面102の頂点Sに来るようにする。
【0042】
フック側コンポーネントが連結される可動クランプ24は、下記の試験速度で、矢印Pの方向に動く。その間、クランプ間に生じる引張り力を求める。試験パラメーターは次の通りである:
試験速度 300mm/min
試験サンプルの張り渡し長さ 430mm(図4参照)
測定トラベル ファスナーコンポーネントが剥離するまでの区間
プリロード 0.2N
試験回数 n≧6
評価は次のように行う。すなわち、ファスナーが剥離するまでに求められた最大力を、小数点第2位までに端数処理し、N(Newton)を単位としてメモする。そしてn回測定した平均値に、標準偏差ならびに最小値と最大値を附記して記録とする。
【0043】
メカニカルファスナーのループ側コンポーネントである本発明の不織布材料とともに使用できるフック側コンポーネントは、例えばドイツ国、Holzgerlingen市、G.Binder繊維/プラスチック技術有限合資会社の42−288−HX200−PP3、商品名“Microplast”が入手可能である。フック側コンポーネントの形状を、図7及び8に図示した。フックはキノコ状で、ほぼ六角形平面の頭部を持つ。このようなキノコ状の突起が1cm2あたり約288個設けられる。この材料はポリプロピレンからなり、厚さ約0.42mmである。そして押し出し成形によって製造される。材料基部に対するキノコ状突起の高さは約0.26mmである。頭部エッジの間隔は約200μmである。
【0044】
本発明のその他の特徴、詳細、利点を、特許請求の範囲、図面、及び本発明の好ましい実施例に関する下記の説明に記載した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1は使い捨て可能なベルト式オムツ2を模式的に示し、このオムツは本体4と、暗示的に示す吸収体6とを備える。本体4に接合されているのは一体型の材料片8であって、この材料片は、このベルト式オムツの腰ベルト10を形成する。図1はこのベルトの開いた状態を示す。一体型材料片8は、本体4の外側12に、取り外し不可能な方法で接合されている。この材料片は、開いた状態のとき、ベルト式オムツ2の横方向14に左右の長手方向周縁16を越える長さが、それぞれ少なくとも300mm以上、特に少なくとも400mm以上、特に少なくとも500mm以上、特に少なくとも600mm以上、特に少なくとも700mm以上とする。図1に示す例では、第1の材料片8aが第2の材料片8bより明らかに長い。すなわち、腰ベルトの第1の部分10aは、横方向14に開いた状態で、本体4の長手方向周縁16を越える長さが、腰ベルトの第2の部分10bの同じ状態の長さよりも、好ましくは100mm、特に好ましくは200mm、全く特に好ましくは300mm長いものとする。
【0046】
しかし第1及び第2の材料片を、同じ長さとすることもできることを指摘しておく。
【0047】
腰ベルトの第2の部分10bは、その末端にもファスナー26が設けられ、しかもこれはメカニカルファスナーのエレメントを持つ耳26である。腰まわり方向で閉じた輪を作るために、腰ベルト10を閉じるとき、この耳は、腰ベルトの第1の部分10aにある相方のファスナーエレメントと、特にこのファスナーエレメントの表面全体と、取り外し可能な状態で付着しながら、相互作用することができる。有利な方法として、腰ベルトの外側は、本発明によるループ側不織布材料を備え、この不織布材料が相方のファスナーエレメントを形成する。このループ側不織布材料は、符号28を付して、腰ベルト第1の部分の一部分だけに模式的に示す。しかし本発明の好ましい一つの実施形態では、この腰ベルト自体がこの不織布材料28からなるものとするので、不織布材料のループ側コンポーネントが腰ベルトの外側全体を形成する。
【0048】
ベルト式オムツ2を装着するには、腰ベルト10をそれ自体の上に閉じ、その後本体4をユーザーの両脚の間から引き上げる。その他にもメカニカルファスナーを備える耳29を介して、本体4の左右を腰ベルト10に、取り外し可能な方法で固定する。
【0049】
この不織布材料28は不織布ラミネート30からなっていて、その断面図を図2に模式的に示す。この図の切断線は、図3aに記載する線B‐Bにそって位置する。この材料は、プロピレン・スパンボンデッド不織布層32を備え、この層はキャリヤ層であって、繊維太さ2.2dtex、面積あたり重量30g/m2の繊維からなる。また面積あたりの密度は48.37個/cm2の楕円形ボンディングポイント34(ホットエンボシングポイント)によって固定されている。この場合楕円形ボンディングポイントの半軸の寸法は、それぞれ0.85mm及び0.59mmとする。それに応じて、楕円形ボンディングポイントのプレス面積は0.394mm2、総面積に対するボンディングポイントの割合は19.0%となる。ボンディングポイントの深さは0.80mmである。このスパンボンデッド不織布層32の上に、カードウェブ層36が、ホットカレンダーエンボシングによって接合される。図示の場合のカードウェブは、太さ4.4dtex、繊維長さ40mmの親水化ポリプロピレン繊維からなる。図3は、カレンダーロール表面の展開図を示し、このカレンダーロールは、ホットカレンダーによってカードウェブ層36の第1の上面40に施されたエンボシングパターン38に対応する。したがって図3は、不織布ラミネート30の第1の上面40の見取り図をも示すことになる。
【0050】
エンボシングパターン38を施すことによって、不織布ラミネート30の第1の上面40に、第1の比較的大きなボンディングされない領域42が形成される。これらの領域は、サーマルボンディングされた輪郭44によって境界を区切られ、これらの輪郭は、中断を持つ第1のセグメント46からなっている。これら第1のセグメント46は、図示の場合、上から見ると規則的に繰り返す三葉形を持つ。これら第1のセグメント46のアーム461は、長さL1が1.04mmで、幅B1が0.47mmである。このようにして境界を区切られた第1のボンディングされない領域は、六角形の島状に第1の上面40に配置され、互いに間隔を置かれる。第1の領域42の間には、第2のボンディングされない領域48が設けられ、後者の領域は、第1のボンディングされない領域42よりも小さい。これら第2のボンディングされない領域はまた、ボンディングされた部分領域50を囲み、この部分領域は、第2のセグメント47によって、弦楽器のコマの形に形成されている。これら第2のセグメント47は、長さL2が2.07mm、幅B2が0.47mmである。第1及び第2のセグメントのエンボシング深さは、それぞれ0.59mmである。この例で示したケースで、第1のボンディングされない島状領域は、その六角形の辺SFの寸法が2.9mmである。これら島状領域の間隔は約2.6mmである。
【0051】
第1の比較的大きな領域42に内接する可能最大の円52は、図示の例では直径が4.8mmであって、特にこの円を、第2のボンディングされない比較的小さな領域48の内部に配置するのは不可能である。後者の領域内で可能最大の円として54で示される。
【0052】
エンボシングパターン38のリピート幅(RB)は8mm、リピート長さRLは13.86mmである。
【0053】
ボンディングされた領域44、50の総面積割合は、20.7%である。第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)の面積割合は、約35.7%である。この場合、第1のボンディングされない島状領域の面積を求めるには、内接円52の面積を利用する。
【0054】
上記の検査方法で求められたこの不織布材料のせん断強さは、51.00N/25mmである。この場合面ファスナーのフックコンポーネントとして、前記に詳しく特徴を述べた材料、Holzgerlingen市、G.Binder繊維/プラスチック技術有限合資会社の“Microplast”42‐288‐HX200‐PP3を使用した。
【0055】
不織布材料の剛性は、欧州特許第0699066B1号明細書で公開されている検査方法に従って求められ、0.13Nである。この検査配置では、スパンボンデッド不織布側が上位置に置かれ、すなわち検査機器のスタンプ側を向く表面を形成する。
【0056】
本発明のもう一つの実施例では、スパンボンデッド不織布の面積あたり重量だけを45g/m2に増加し、不織布材料を結合するエンボシングパターン38を次のように変更した。
【0057】
第1のセグメント46のアーム461の長さL1:1.0mm
第1のセグメント46のアーム461の幅B1:0.4mm
第2のセグメント47の長さL2:2.0mm
第2のセグメント47の幅B2:0.4mm
ボンディングされた領域の面積割合:17.1%
第1及び第2のセグメントのエンボシング深さ:0.68mm
このもう一つの実施例のせん断強さとして、前記の検査方法で求められたものは、58.89N/25mmであった。この場合面ファスナーのフック側コンポーネントとして、前記に詳しく特徴を述べた材料、すなわちHolzgerlingen市、G.Binder繊維/プラスチック技術有限合資会社の“Microplast”42‐288‐HX200‐PP3を再び使用した。
【0058】
このもう一つの不織布材料の剛性を、欧州特許第0699066B1号明細書で公開されている検査方法によって求めたところ、0.28Nである。この検査配置では、スパンボンデッド不織布側が上位置に置かれ、すなわち検査機器のスタンプ側を向く表面を形成する。
【0059】
隣接する第1の比較的大きい領域42の間の直線的結合線56はいずれも常に、ボンディングされた輪郭44を通って、または第1の比較的大きい領域42の間にあるボンディングされた部分領域50を通って延びる。
【0060】
エンボシング構造38の寸法の好ましい例を、図3a及び3bに示す。この場合図3bは、第2のセグメント56を通る線A−Aで切った断面図を示す。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による不織布材料製のベルトを持つ、本発明による衛生用品の模式図である。
【図2】図3aの不織布材料の模式的断面図である。
【図3a】本発明の不織布材料をエンボシングするエングレービングロールの展開図である。これは同時に、この不織布材料の第1の上面の模式図でもある。
【図3b】図3aに示すものの断面図(細部)である。
【図4】湾曲面を持つ装置を用いる引っ張り試験構造の模式図である。
【図5a】試験サンプルの模式図である。
【図5b】試験サンプルの模式図である。
【図5c】試験サンプルの模式図である。
【図5d】試験サンプルの模式図である。
【図6】図4に示した装置の模式図である。
【図7】ファスナーのフック側コンポーネントの図である。
【図8】ファスナーのフック側コンポーネントの図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、メカニカルファスナーに用いるループ側不織布材料に関する。これは、特に使い捨て衛生用品、例えばオムツ、ベルト式オムツ、失禁処理用品及び失禁パッドに用いるものである。この場合、不織布材料の第1の上面は、第1の比較的大きなボンディングされない領域を含み、これら第1の領域は互いに間隔を取って島状に配置されている。
【0002】
しばしばフック/ループファスナーまたは面ファスナーと呼ばれる、メカニカルファスナーを製造する場合、1つには、相互作用するファスナーエレメントの間で、背後からの把握、またはフックの作用に基づく良好なファスナー作用を得ることが望ましく、また該ファスナーとして、意図せずに開かれることのないものが望ましい。しかしもう1つには、このファスナーは、意図された場合は開くことができ、しかもその際、ファスナーエレメントの材料が剥離されたり、もぎ取られたりすることのないものが望ましい。これらを防止するため、メカニカルファスナーのループ側コンポーネントで、織物にボンディングを行うか、あるいは、不織布を扱う場合、不織布繊維の十分な固定またはボンディングを行う。しかし不織布固定が増加すると、メカニカルファスナーの付着力が、それにともなって減少する。
【背景技術】
【0003】
ループ側不織布素材は、欧州特許第0870081B1号明細書の請求項1の上位概念に記載され、すでに次のことを提案している。すなわち、好ましくは全くボンディングされていない不織マットを出発素材として、島状のボンディングされない領域を設けるが、そのためこれらボンディングされない領域の間に、カレンダーエンボシングによって、該不織材に連続するボンディングを施す。カレンダーエンボシングにより固定された部分が、島状のボンディングされない領域の間にあるが、これらの部分は、接着ボンディングの形成には、実際もはや利用できない。
【0004】
欧州特許第1209271A1には、互いに離れた線分状のボンディング領域を持つ弾性ある不織布材料と、エンボシング点のハニカム状パターンを施された不織布材料が開示される。国際公開第95/33390号パンフレットには不織布ラミネート/フィルムラミネートが示され、この場合、事前固定された不織マットが、不連続的な接合点の網目を介して、エラストマフィルム層に接合されている。
【0005】
欧州特許第1048236A2号パンフレットには、加熱溶融可能な連続的繊維を、互いに平行に配置した状態で、加熱溶融可能な基層上にパイルすることと、繊維方向を横切る位置にある直線的な接合線によって、この基層と結合することが提案される。この方法によって接合線の間にループが形成され、このループを、ファスナーのフック側コンポーネントと相互作用させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、メカニカルファスナーのループ側コンポーネントを形成する際、冒頭に挙げられた目的の競合に配慮しながら、閉機能が確実である点と、破損危険性が少ない点で、改善された不織布材料を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の種類のループ側不織布材料の場合に、本発明はこの課題を、次のようにして解決する。すなわち、第1の比較的大きなボンディングされないこれらの領域は、ボンディングされた輪郭に境界を区切られ、この境界の外では、第2の比較的小さなボンディングされない領域に囲まれ、この第2の比較的小さなボンディングされない領域によって、互いに間隔を置かれるものとされる。
【0008】
これら比較的大きなボンディングされない領域は、メカニカルに作用するファスナー機能の形成に利用される主たるものである。これらの領域は、ボンディングされた輪郭によって境界を区切られ、あるいは定められている。この輪郭は、特にライン状のエンボシング、また特にホットエンボシングによって形成することができ、このホットエンボシングは、特に超音波溶接またはカレンダーエンボシングによって得られる。これらエンボシングラインは、連続するものとしても、中断を持つものとしても形成することができ、特に点線状、または破線状に形成することもできる。しかしこのボンディングされた輪郭の外側では、これら第1のボンディングされない島状領域の間に、さらなる比較的小さなボンディングされない領域または部分が設けられている。これらの領域または部分は、第1の比較的大きなボンディングされない領域を互いに分離する。この関連で、第2の比較的小さなボンディングされない領域または部分についていうとき、これは次のようなことと理解されたい。すなわち、島状の比較的大きな領域が、近くに並んでまたはつながって配置されている。あるいは第2の比較的小さなボンディングされない領域がさらに、ボンディングされた部分領域を囲んでいる。このような配置が行われているため、第1の比較的大きなボンディングされない領域の可能最大な内接円を、第2のボンディングされない領域に取り込み、あるいは挿入することが、不可能となっている。
【0009】
本発明の不織布材料により、1つには第1の比較的大きくてボンディングされない島状領域によって、メカニカルファスナーのフック側コンポーネントのため、全体としても個別にも横に広がり、十分大きなアンカー固定領域が得られる。上記のさらなる第2のボンディングされない領域は、これら島状の第1のボンディングされない領域の間にあって、メカニカル結合をできるだけ連続的なものとするのに役立つ。ループ側不織布材料の同様に十分な固定は、第1のボンディングされない領域の境界を区切るボンディングされた輪郭によって得られ、場合によってはその他にもボンディングされた部分領域を設けることによって得られる。この部分領域自体は、第2のボンディングされない領域に囲まれながら、第1の比較的大きな領域の間に配置されている。
【0010】
強度が良好である点と、不織布材料の繊維の拘束が良好である点で有利なのは、すでに述べたように、第2の比較的小さなボンディングされない領域がまた、ボンディングされた部分領域を持ち、特にそれを囲む場合である。これらの部分領域は、同時にエンボシング、特にホットエンボシングによって形成することができ、それ自体任意の形状である。これら部分領域の形状は、比較的短くて細いセグメントとし、かつその長手方向寸法がその幅の2から10倍、特に2から8倍とするのが好ましい。
【0011】
さらには、不織布材料への繊維の拘束が良好であるという点で、次のような場合が好ましい。すなわち、第1の比較的大きなボンディングされない島状領域間で、いずれの直線的結合線も、ボンディングされた輪郭を通るか、または第1の比較的大きな領域の間にあるボンディングされた部分領域を通るような場合である。
【0012】
前記ボンディングされた輪郭は、有利な方法として、そのエンボシング線またはエンボシング線分の幅が0.2から1mm、好ましくは0.2から0.8mm、さらに好ましくは0.3から0.6mmとする。この輪郭は、有利な方法としてその深さが0.4から1.5mm、好ましくは0.4から0.9mm、好ましくは0.4から0.8mm、さらに好ましくは0.5から0.7mmとする。
【0013】
さらに好ましくは、第1の比較的大きなボンディングされない島状領域は、その寸法、特にその領域の内接円の直径が、2から15mm、好ましくは3から10mm、さらに好ましくは3から8mm、特に好ましくは4から7mmとする。
【0014】
第1の比較的大きなボンディングされない島状領域は、第1の上面の総面積に対する面積割合を、好ましくは5から75%、特に5から60%、特に10から50%、特に10から45%、特に15から45%、特に20から40%、さらに特に30から40%とする。本発明で認識されているところでは、第1の比較的大きなボンディングされない島状領域は、それを合計したものが、総表面積のうち比較的過度にならない割合を占めれば十分である。なぜならば第1の比較的大きなボンディングされない領域の間に、第2の比較的小さなボンディングされない領域または部分があり、これらによってもファスナー機能が追加的に支持されるからである。
【0015】
第1の比較的大きなボンディングされない島状領域は、形状がかならずしも定められているわけではない。しかし、この領域が円形、または楕円形、または三角形、または四角形、好ましくは六角形または八角形であれば、有利である。これらの好ましい構造によって、ファスナーのフック側コンポーネントのため、平面的に横に広がるアンカー固定領域を提供することができる。このファスナー機能は、比較的大きな島状の領域の寸法をすべての方向において等しくすることが好ましく、そのような寸法は、円形、規則的に反復する多角形、特に六角形の場合が特に効果的である。
【0016】
第1の島状領域の配置に関しては、これらの領域の間隔を少なくとも1mm、好ましくは少なくとも1.5mm、特に少なくとも2mm、さらに特に少なくとも2.5mm、特に好ましくは少なくとも3mmであることが、特に合目的である。しかしこの互いの間隔は好ましくは最大で10mm、特に最大で5mmとする。
【0017】
不織布材料の良好で十分な安定性、すなわち繊維の良好な拘束、及び不織布材料の破損強さが得られるのは、第1の表面の総面積に対する、ボンディングされた領域の総面積割合が、好ましくは10から60%、好ましくは15から40%、さらに好ましくは15から30%、特に15から25%、特に有利な方法として19から22%である場合である。ここでボンディングされた領域とは、次のようなボンディングされた輪郭をいう。この輪郭は、第1の島状領域の境界を区切り、また場合によっては第1の島状領域の間に追加して設けられたボンディングされた部分領域の境界を区切る。
【0018】
本発明による不織布材料は、好ましくはスパンボンデッド不織布、またはカードウェブ、またはメルトブロー不織布、またはウォーターニードル不織布を含むことができる。有利な方法として、複数の不織布層からなる不織布ラミネートとすることもできる。本発明の好ましい一つの実施形態によれば、この材料は、スパンボンド不織布とカードウェブを互いに結合したものを含む。このような場合のカードウェブが、好ましくは第1の上面を形成し、この面が、メカニカルファスナーにおけるフック側コンポーネントの係着エリアとなるものとする。
【0019】
本発明によるループ側不織布材料が複数の不織布層からなる場合、それは不織布ラミネートである。したがって、これらの層を、第1の比較的大きなボンディングされない島状領域の境界を区切るボンディングされた輪郭によって、互いに結合すれば有利である。これは例えばホットエンボシングによって、しかも特にカレンダーエンボシングまたは超音波溶接によって行うことができる。本発明による不織布材料を不織布ラミネートとして形成する場合、強度を全体として上げるために、第1の上面と反対側の不織布層を、もうひとつのボンディングパターンによって、特にホットエンボシングによって得られたボンディングパターンによって、固定することができる。したがってもう1つのこの不織布層は、ファスナーのフック側コンポーネントの係着領域を形成するのではなく、反対側に設けられるものである。このボンディングパターンは、好ましくは、このもう1つの不織布層を前もって製造する際に、その事前固定のために施されるものとする。
【0020】
本発明による不織布材料の面積あたり重量は、好ましくは15から120g/m2、特に20から90g/m2、特に30から80g/m2、特に40から70g/m2、さらに特に50から65g/m2とする。
【0021】
次のような不織布層の、すなわち第1の上面を形成し、第1のボンディングされない島状領域と、ボンディングされた輪郭と、第2のボンディングされない領域とを備える不織布層の面積あたり重量は、好ましくは10から60g/m2、特に10から40g/m2、特に15から35g/m2、さらに特に20から35g/m2とする。
【0022】
前記の面積あたり重量と、特許請求対象である第1の上面の形状とを組み合わせることにより、次のような不織布材料を製造することができる。この不織布材料は、ファスナーのフック側コンポーネントとの相互作用という良好なファスナー機能が得られるだけではなく、特に屈曲性が快適であるという点で良好な機械的特性を示し、また支持機能を引き受けることもできるものである。このことは、この不織布材料を、特に吸収性衛生用品のベルトとして、使用できることを意味する。
【0023】
不織布材料を形成するにあたっては、第1の上面を形成する不織布層が、太さが1から10dtex、好ましくは2から8dtex、さらに好ましくは3から6dtexの繊維を含むか、あるいはそのような繊維からなるものであることが有利である。さらには、第1の上面を形成する不織布層が、親水性繊維を含むか、または親水性繊維からなるものであることが有利である。
【0024】
本発明による不織布材料が複数の不織布層からなる場合、その材料がキャリヤとして含む不織布層は、その面積あたり重量を10から100g/m2、好ましくは15から60g/m2、さらに好ましくは30から40g/m2とする。このキャリヤ層は、この場合第1の上面と反対側に配置される。このキャリヤ層は、太さが1から6dtex、好ましくは1から4dtex、さらに好ましくは2から4dtexの繊維を含むものとする。
【0025】
本発明の特に有利な発展形では、不織布材料を通気性あるものとする。すなわち、水及び/または空気を通過させるものとする。これにより、特にこの不織布材料が吸収性衛生用品のベルトとして使用される場合、装着快適性が改善される。
【0026】
すでに示唆したように、本発明の不織布材料の剛性は0.80N未満、特に0.60N未満、特に0.40N未満、特に0.30N未満、特に0.25N未満、特に0.2N未満、特に0.18N未満、特に0.16未満とし、0.05を最小とするのが有利である。この剛性は、欧州特許第0699066B1号明細書に記載の検査法、すなわちTests ASTM D 4032−82 CIRCULAR BENDの修正バージョンに従って測定される。したがって今回の開示のため、上記の検査法に明文をもって関連付けを行い、欧州特許第0699066B1号明細書の関連内容をこの出願書に引用する。それに加えて、この検査方法のさらに特化されたものとして、検査配置において不織布ラミネートの第1の上面が下位置に置かれるようにする。すなわち検査機器のスタンプと反対側の表面を形成するようにする。
【0027】
本発明の対象物はさらには、使い捨て衛生用品、特にオムツ、ベルト式オムツ、失禁処理オムツまたは失禁処理パッドであって、かつ請求項1から24のいずれか一項に記載のループ側不織布材料を含み、またはそれらの材料から形成されるメカニカルなファスナーを特徴とするものである。
【0028】
この種の衛生用品の場合、従来の種類(国際公開第95/33390号パンフレット参照)の公知された使い捨てオムツにおいても、その面ファスナーの雌側コンポーネントは、本発明によるこの不織布材料を含み、またはこの材料からなるものとすることができる。
【0029】
この種の衛生用品は、ユーザーの腰まわり方向に延びて、それ自体を重ねれば閉じることができるベルトを備えることができる。このベルトはこのような場合、閉じられた腰まわりを形成する。そして吸収性コンポーネントを備える衛生用品本体は、その衛生用品を装着するとき、ユーザーの両脚の間から引き上げられて、前もって閉じられていたベルトに固定されるが、好ましくは再び取り外し可能とする。
【0030】
本発明によるもう1つの重要な実施形態では、このベルトが、好ましくは一体型の材料片から形成される。この材料片は、請求項1から24のいずれか一項に記載の不織布材料を含むか、またはそのような材料から形成されている。
【0031】
このベルトの腰まわり方向の長さが、25から200cm、特に40から180cm、特に60から180cm、特に100から180cm、さらに特に120から180cmであることが有利である。
【0032】
さらにはこのベルト、または本発明の不織布材料からなるループ側コンポーネントは、衛生用品の長手方向における長さが、3から20cm、特に3から15cm、また特に4から10cm、さらに特に4から6cmであることが有利である。
【0033】
さらには次のような衛生用品に対する保護権を請求する。すなわち、ループ側不織布材料が、メカニカルファスナーのフック側コンポーネントと相互作用して、衛生用品を閉じ、その際付着力が最小5N/25mmから最大80N/25mmのせん断強さとして得られるような衛生用品である。好ましい範囲は、特許請求の範囲に記載される。
【0034】
この関連で以下が言及される。すなわち、吸収性衛生用品に用いるためのメカニカルファスナーであって、かつそのループ側コンポーネントが、本発明による不織布材料を含むか、または本発明によるもののような不織布材料からなるものに対する保護権も請求する。
【0035】
下記には、せん断負荷時のファスナーの力を測定するための検査方法について述べる。
【0036】
この検査方法を実施するため、試験サンプルを張り渡すためのジョークランプ幅が60mmの引っ張り試験機を用いることができ、この試験機としてドイツ国、Ulm市、Zwick有限合資会社のTyp Z010/TN 2S、ロードセル100Nが入手できる。この検査方法実施の際には、検査されるファスナーのループ側コンポーネントと、それに付着するフック側コンポーネントとを、1つの湾曲した面の上に置く。この面は、ユーザーの腹部の湾曲をシミュレーションしたものが望ましい(図4参照)。このファスナーを引っ張り試験機のジョークランプに結合するために、曲がりやすい基材、例えば片面接着テープの好ましくは幅25mmのものを使用する。この接着テープは、STA306という名称のものが、Neuss市、ドイツ3M有限会社から入手できる。この接着テープはポリプロピレン製であって、その表面は、ウレタン変性シリコーンポリマでコーティングされている。この接着剤塗布物の面積あたり重量は23g/m2である。湾曲面上に置かれた試験サンプルは、ファスナーの互いに付着する平面的な切断物からなっており、引っ張り試験機を用いて引っ張り負荷がかけられる。ここから、互いに付着する平面的切断物のせん断負荷が得られる。
試験サンプル準備
使用されるメカニカルファスナー、すなわちループ側不織布材料106と、ファスナーシステムのフック側コンポーネント108とは、23℃、かつ相対湿度50%で、24時間の条件下にある。この試験サンプルは、ループ側不織布材料から打ち抜かれたもので、大きさが50×300mmであり、そして2本の幅25mmの片面接着テープ101の端部の間、その真ん中にサンドウィッチ状に配置され、または固定されている。これら接着テープは互いに接着されている。その結果、不織布材料の突出部分50×250mmが得られる(図5a、5b参照)。
【0037】
同様にして、ファスナーのフック側コンポーネント108から、平面的な切断物25×20mmを打ち抜く。そして2本の片面接着テープ141の接着面を互いに接着したものによってその切断物を固定し、その際上側の接着テープが、平面的な切断物の背面に重なり、下側の接着テープは、平面的な切断物に切り口を合わせて接するものとする(図5a、5b参照)。
【0038】
フック側コンポーネント108の平面的な切断物を、ここでループ側不織布材料106に載せる。その際、不織布材料の長手方向末端からの間隔は10mm、左右の長手方向周縁からの間隔はそれぞれ12.5mmとする(図5a参照)。
【0039】
利用できるループ側不織布材料106が当初から寸法が小さくて、そのため大きさが50mm×300mmの試験サンプルを準備できない場合、大きさ25mm×30mmの試験サンプルを選択して、この切断物を、幅25mmで上記に詳しく特徴を記した2本の接着テープ101末端の間に、サンドウィッチ状に配置または固定する。これら2本の接着テープは互いに接着されている。その結果、不織布材料は大きさ25×20mmの突出を生じる(図5c、5d参照)。このような場合、フック側コンポーネント108とループ側不織布材料106からこうして得られた切断物は、全面的に互いに重なり合う(図5c、5d)。
【0040】
上記またはその前に記載した方法により上下に重ねられた平面的な切断物は、4回にわたるロール圧着により互いに結合される。このとき用いられるロールは、幅50mm、直径100mm、平滑な表面を持ち、ロール重量5kgである。そしてロール圧着速度は20から100mm/secである。
試験手順
前記のループ側不織布材料の延長部分を、引っ張り試験機の下側ジョークランプの中央に位置決めして張り渡す。その反対側では、上記フック側コンポーネントの延長部分の末端を、引っ張り試験機の運動可能な上側のジョークランプに同様にセンタリングして張り渡す。
【0041】
このようにして張り渡された試験サンプルを、図4及び6に記載の装置100に装着する。この装置は、ユーザーの腹部または腰部をシミュレーションしたものとする。この装置100の透視図を図6に示す。弓形の湾曲面102が認められるが、この湾曲面は、表面粗さ5から25μm、湾曲半径Rが少なくとも関係部分だけについて400mm、ウィング長さSLが300mmの、平滑なスチール製とする。その他、湾曲面102より上及び下には、直径18mmのプーリー104が設けられている。このプーリーは、湾曲面に装着された試験サンプルを垂直方向に、H=88mmのところで方向変換する。そして試験サンプルは、ここには図示しない引っ張り試験機のクランプ20、24と連結される。この方向変換の角度αは60°である。これにより引き出し角度は、湾曲面のほぼ接線方向に一定に保たれる。ファスナーの各コンポーネントの上下に重ねられた平面的切断物106、108は、湾曲面102に対して次のように位置決めされる。すなわちフック側コンポーネントが中央にセンタリングされ、湾曲面102の頂点Sに来るようにする。
【0042】
フック側コンポーネントが連結される可動クランプ24は、下記の試験速度で、矢印Pの方向に動く。その間、クランプ間に生じる引張り力を求める。試験パラメーターは次の通りである:
試験速度 300mm/min
試験サンプルの張り渡し長さ 430mm(図4参照)
測定トラベル ファスナーコンポーネントが剥離するまでの区間
プリロード 0.2N
試験回数 n≧6
評価は次のように行う。すなわち、ファスナーが剥離するまでに求められた最大力を、小数点第2位までに端数処理し、N(Newton)を単位としてメモする。そしてn回測定した平均値に、標準偏差ならびに最小値と最大値を附記して記録とする。
【0043】
メカニカルファスナーのループ側コンポーネントである本発明の不織布材料とともに使用できるフック側コンポーネントは、例えばドイツ国、Holzgerlingen市、G.Binder繊維/プラスチック技術有限合資会社の42−288−HX200−PP3、商品名“Microplast”が入手可能である。フック側コンポーネントの形状を、図7及び8に図示した。フックはキノコ状で、ほぼ六角形平面の頭部を持つ。このようなキノコ状の突起が1cm2あたり約288個設けられる。この材料はポリプロピレンからなり、厚さ約0.42mmである。そして押し出し成形によって製造される。材料基部に対するキノコ状突起の高さは約0.26mmである。頭部エッジの間隔は約200μmである。
【0044】
本発明のその他の特徴、詳細、利点を、特許請求の範囲、図面、及び本発明の好ましい実施例に関する下記の説明に記載した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1は使い捨て可能なベルト式オムツ2を模式的に示し、このオムツは本体4と、暗示的に示す吸収体6とを備える。本体4に接合されているのは一体型の材料片8であって、この材料片は、このベルト式オムツの腰ベルト10を形成する。図1はこのベルトの開いた状態を示す。一体型材料片8は、本体4の外側12に、取り外し不可能な方法で接合されている。この材料片は、開いた状態のとき、ベルト式オムツ2の横方向14に左右の長手方向周縁16を越える長さが、それぞれ少なくとも300mm以上、特に少なくとも400mm以上、特に少なくとも500mm以上、特に少なくとも600mm以上、特に少なくとも700mm以上とする。図1に示す例では、第1の材料片8aが第2の材料片8bより明らかに長い。すなわち、腰ベルトの第1の部分10aは、横方向14に開いた状態で、本体4の長手方向周縁16を越える長さが、腰ベルトの第2の部分10bの同じ状態の長さよりも、好ましくは100mm、特に好ましくは200mm、全く特に好ましくは300mm長いものとする。
【0046】
しかし第1及び第2の材料片を、同じ長さとすることもできることを指摘しておく。
【0047】
腰ベルトの第2の部分10bは、その末端にもファスナー26が設けられ、しかもこれはメカニカルファスナーのエレメントを持つ耳26である。腰まわり方向で閉じた輪を作るために、腰ベルト10を閉じるとき、この耳は、腰ベルトの第1の部分10aにある相方のファスナーエレメントと、特にこのファスナーエレメントの表面全体と、取り外し可能な状態で付着しながら、相互作用することができる。有利な方法として、腰ベルトの外側は、本発明によるループ側不織布材料を備え、この不織布材料が相方のファスナーエレメントを形成する。このループ側不織布材料は、符号28を付して、腰ベルト第1の部分の一部分だけに模式的に示す。しかし本発明の好ましい一つの実施形態では、この腰ベルト自体がこの不織布材料28からなるものとするので、不織布材料のループ側コンポーネントが腰ベルトの外側全体を形成する。
【0048】
ベルト式オムツ2を装着するには、腰ベルト10をそれ自体の上に閉じ、その後本体4をユーザーの両脚の間から引き上げる。その他にもメカニカルファスナーを備える耳29を介して、本体4の左右を腰ベルト10に、取り外し可能な方法で固定する。
【0049】
この不織布材料28は不織布ラミネート30からなっていて、その断面図を図2に模式的に示す。この図の切断線は、図3aに記載する線B‐Bにそって位置する。この材料は、プロピレン・スパンボンデッド不織布層32を備え、この層はキャリヤ層であって、繊維太さ2.2dtex、面積あたり重量30g/m2の繊維からなる。また面積あたりの密度は48.37個/cm2の楕円形ボンディングポイント34(ホットエンボシングポイント)によって固定されている。この場合楕円形ボンディングポイントの半軸の寸法は、それぞれ0.85mm及び0.59mmとする。それに応じて、楕円形ボンディングポイントのプレス面積は0.394mm2、総面積に対するボンディングポイントの割合は19.0%となる。ボンディングポイントの深さは0.80mmである。このスパンボンデッド不織布層32の上に、カードウェブ層36が、ホットカレンダーエンボシングによって接合される。図示の場合のカードウェブは、太さ4.4dtex、繊維長さ40mmの親水化ポリプロピレン繊維からなる。図3は、カレンダーロール表面の展開図を示し、このカレンダーロールは、ホットカレンダーによってカードウェブ層36の第1の上面40に施されたエンボシングパターン38に対応する。したがって図3は、不織布ラミネート30の第1の上面40の見取り図をも示すことになる。
【0050】
エンボシングパターン38を施すことによって、不織布ラミネート30の第1の上面40に、第1の比較的大きなボンディングされない領域42が形成される。これらの領域は、サーマルボンディングされた輪郭44によって境界を区切られ、これらの輪郭は、中断を持つ第1のセグメント46からなっている。これら第1のセグメント46は、図示の場合、上から見ると規則的に繰り返す三葉形を持つ。これら第1のセグメント46のアーム461は、長さL1が1.04mmで、幅B1が0.47mmである。このようにして境界を区切られた第1のボンディングされない領域は、六角形の島状に第1の上面40に配置され、互いに間隔を置かれる。第1の領域42の間には、第2のボンディングされない領域48が設けられ、後者の領域は、第1のボンディングされない領域42よりも小さい。これら第2のボンディングされない領域はまた、ボンディングされた部分領域50を囲み、この部分領域は、第2のセグメント47によって、弦楽器のコマの形に形成されている。これら第2のセグメント47は、長さL2が2.07mm、幅B2が0.47mmである。第1及び第2のセグメントのエンボシング深さは、それぞれ0.59mmである。この例で示したケースで、第1のボンディングされない島状領域は、その六角形の辺SFの寸法が2.9mmである。これら島状領域の間隔は約2.6mmである。
【0051】
第1の比較的大きな領域42に内接する可能最大の円52は、図示の例では直径が4.8mmであって、特にこの円を、第2のボンディングされない比較的小さな領域48の内部に配置するのは不可能である。後者の領域内で可能最大の円として54で示される。
【0052】
エンボシングパターン38のリピート幅(RB)は8mm、リピート長さRLは13.86mmである。
【0053】
ボンディングされた領域44、50の総面積割合は、20.7%である。第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)の面積割合は、約35.7%である。この場合、第1のボンディングされない島状領域の面積を求めるには、内接円52の面積を利用する。
【0054】
上記の検査方法で求められたこの不織布材料のせん断強さは、51.00N/25mmである。この場合面ファスナーのフックコンポーネントとして、前記に詳しく特徴を述べた材料、Holzgerlingen市、G.Binder繊維/プラスチック技術有限合資会社の“Microplast”42‐288‐HX200‐PP3を使用した。
【0055】
不織布材料の剛性は、欧州特許第0699066B1号明細書で公開されている検査方法に従って求められ、0.13Nである。この検査配置では、スパンボンデッド不織布側が上位置に置かれ、すなわち検査機器のスタンプ側を向く表面を形成する。
【0056】
本発明のもう一つの実施例では、スパンボンデッド不織布の面積あたり重量だけを45g/m2に増加し、不織布材料を結合するエンボシングパターン38を次のように変更した。
【0057】
第1のセグメント46のアーム461の長さL1:1.0mm
第1のセグメント46のアーム461の幅B1:0.4mm
第2のセグメント47の長さL2:2.0mm
第2のセグメント47の幅B2:0.4mm
ボンディングされた領域の面積割合:17.1%
第1及び第2のセグメントのエンボシング深さ:0.68mm
このもう一つの実施例のせん断強さとして、前記の検査方法で求められたものは、58.89N/25mmであった。この場合面ファスナーのフック側コンポーネントとして、前記に詳しく特徴を述べた材料、すなわちHolzgerlingen市、G.Binder繊維/プラスチック技術有限合資会社の“Microplast”42‐288‐HX200‐PP3を再び使用した。
【0058】
このもう一つの不織布材料の剛性を、欧州特許第0699066B1号明細書で公開されている検査方法によって求めたところ、0.28Nである。この検査配置では、スパンボンデッド不織布側が上位置に置かれ、すなわち検査機器のスタンプ側を向く表面を形成する。
【0059】
隣接する第1の比較的大きい領域42の間の直線的結合線56はいずれも常に、ボンディングされた輪郭44を通って、または第1の比較的大きい領域42の間にあるボンディングされた部分領域50を通って延びる。
【0060】
エンボシング構造38の寸法の好ましい例を、図3a及び3bに示す。この場合図3bは、第2のセグメント56を通る線A−Aで切った断面図を示す。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による不織布材料製のベルトを持つ、本発明による衛生用品の模式図である。
【図2】図3aの不織布材料の模式的断面図である。
【図3a】本発明の不織布材料をエンボシングするエングレービングロールの展開図である。これは同時に、この不織布材料の第1の上面の模式図でもある。
【図3b】図3aに示すものの断面図(細部)である。
【図4】湾曲面を持つ装置を用いる引っ張り試験構造の模式図である。
【図5a】試験サンプルの模式図である。
【図5b】試験サンプルの模式図である。
【図5c】試験サンプルの模式図である。
【図5d】試験サンプルの模式図である。
【図6】図4に示した装置の模式図である。
【図7】ファスナーのフック側コンポーネントの図である。
【図8】ファスナーのフック側コンポーネントの図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メカニカルファスナーとしてのループ側不織布材料(28)において、オムツ、ベルト式オムツ、失禁処理用品及び失禁処理パッドのような使い捨て衛生用品(2)に用いられ、この場合、該不織布材料(30)の第1の上面(40)が、第1の比較的大きなボンディングされない領域(42)を含み、該領域は互いに間隔を取って島状に配置されている、不織布材料であって、前記第1の比較的大きなボンディングされない領域(42)が、ボンディングされた輪郭(44)に境界を区切られ、該境界の外では第2の比較的小さなボンディングされない領域(48)に囲まれ、前記第2の比較的小さなボンディングされない該領域(48)によって互いに間隔を取っていることを特徴とする、上記の不織布材料。
【請求項2】
前記第2の比較的小さなボンディングされない領域(48)はさらに、ボンディングされた部分領域(50)を備えることができ、特に囲むことができることを特徴とする、請求項1に記載の不織布材料。
【請求項3】
前記隣接する第1の比較的大きな領域(42)間の直線的結合線(56)は常に、前記ボンディングされた輪郭(44)を通って、または前記第1の比較的大きな該領域(42)間にあるボンディングされた部分領域(50)を通って延びることを特徴とする、請求項1または2に記載の不織布材料。
【請求項4】
前記ボンディングされた輪郭(44)は、幅が0.2から1mm、特に0.2から0.8mm、さらに特に0.3から0.6mmのエンボシング線またはエンボシング線分を持つことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項5】
前記ボンディングされた輪郭(44)は、深さが0.4から1.5mm、特に0.4から0.7mm、特に0.5から0.7mmのエンボシング線またはエンボシング線分を持つことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項6】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)は、寸法特に該第1の領域に内接する円(52)の直径が2から15mm、特に3から10mm、さらに特に3から8mmであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項7】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)は、前記第1の上面の総面積に対する面積割合が5から75%、特に5から60%、特に10から50%、特に10から45%、特に15から45%、特に20から40%、さらに特に30から40%であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項8】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)は円形、または楕円形、または三角形、または四角形、特に六角形であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項9】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)が、少なくとも1mm、特に少なくとも1.5mm、特に少なくとも2mm、特に少なくとも2.5mm、さらに特に少なくとも3mm、互いに間隔を取ることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項10】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)が、最大で10mm、特に最大で5mm、互いに間隔をとることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項11】
前記第1の上面の総面積に対するボンディングされた領域の総面積割合が10から60%、特に15から40%、特に15から30%、特に15から25%、特に19から22%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項12】
該不織布材料が、スパンボンデッド不織布(32)、またはカードウェブ(36)、またはメルトブロー不織布、またはウォーターニードル不織布を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項13】
該不織布材料が不織布ラミネート(30)を含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項14】
前記不織布ラミネート(30)が前記スパンボンデッド不織布(32)と前記カードウェブ(36)とを含み、これら両者は、特にホットエンボシングにより、特にホットカレンダーエンボシングにより、互いに結合されていることを特徴とする、請求項13に記載の不織布材料。
【請求項15】
前記カードウェブ(36)が前記第1の上面(40)を形成し、該上面は、メカニカルファスナーのフック側コンポーネントのための係着領域を形成することを特徴とする、請求項13または14に記載の不織布材料。
【請求項16】
前記第1の比較的大きなボンディングされない領域(42)の境界を区切る前記ボンディングされた輪郭(44)を設けることにより、前記不織布ラミネート(30)の各層が互いに結合されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項17】
前記第1の上面(40)と反対側の不織布層が、もう1つのボンディングパターン(34)によって固定されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項18】
該不織布材料の面積あたり重量が15から120g/m2、特に20から90g/m2、特に30から80g/m2、特に40から70g/m2、さらに特に50から65g/m2であることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項19】
前記第1の上面(40)を形成し、かつ前記第1のボンディングされない領域(42)と、前記ボンディングされない領域(44)と、前記第2のボンディングされない領域(48)とを備える不織布材料の面積あたり重量が、10から60g/m2、特に10から40g/m2、特に15から35g/m2、さらに特に20から35g/m2であることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項20】
前記第1の上面(40)を形成する不織布層(36)が、太さが1から10dtex、特に2から8dtex、さらに特に3から6dtexの繊維を含むこと、またはそのような繊維からなることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項21】
前記第1の上面(40)を形成する不織布層(36)が、親水性の繊維を含むこと、または親水性の繊維からなることを特徴とする、請求項1から20のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項22】
キャリヤとしてもう1つの不織布層(32)を備え、該不織布層の面積あたり重量は10から100g/m2、特に15から60g/m2、さらに特に30から40g/m2であることを特徴とする、請求項1から21のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項23】
前記のもう1つの不織布層(32)が、太さが1から6dtex、特に1から4dtex、さらに特に2から4dtexの繊維を含むこと、またはそのような繊維からなることを特徴とする、請求項22に記載の不織布材料。
【請求項24】
該不織布材料の剛性が80N未満、特に0.60N未満、特に0.40N未満、特に0.30N未満、特に0.25N未満、特に0.20N未満、特に0.18N未満、さらに特に0.16N未満、しかし少なくとも0.05Nであることを特徴とする、請求項1から23のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか1項に記載の前記ループ側不織布材料(28)を含むメカニカルファスナーを備えることを特徴とする衛生用品、特にオムツ、ベルト式オムツ、失禁処理オムツ、または失禁処理パッド。
【請求項26】
ユーザーの腰まわり方向に延びて、かつそれ自体を重ね合わせて閉じるベルト(10)を備えることを特徴とする、請求項25に記載の衛生用品。
【請求項27】
前記ベルト(10)が特に一体型の材料片(8)から形成され、該材料片(8)が請求項1から24のいずれか1項に記載の前記不織布材料(28)を含むか、または該不織布材料から形成されていることを特徴とする、請求項26に記載の衛生用品。
【請求項28】
前記ベルト(10)または前記不織布材料(28)の、腰まわり方向または該衛生用品を横切る方向(14)における長さが、25から200cm、特に40から180cm、特に60から180cm、特に100から180cm、さらに120から180cmであることを特徴とする、請求項25から27のいずれか1項に記載の衛生用品。
【請求項29】
前記ベルト(10)または前記不織布材料(28)の、該衛生用品の長手方向(18)における長さが、3から20cm、特に3から15cm、特に4から10cm、さらに特に4から6cmであることを特徴とする、請求項25から28に記載の衛生用品。
【請求項30】
該衛生用品を閉じるために、前記ループ側不織布材料(28)が、前記メカニカルファスナーのフック側コンポーネントと相互作用し、その際付着力が、少なくとも5N/25mm、特に少なくとも10N/25mm、特に少なくとも15N/25mm、特に少なくとも20N/25mm、特に少なくとも25N/25mm、特に少なくとも30N/25mm、特に少なくとも35N/25mm、特に少なくとも40N/25mm、特に少なくとも45N/25mm、特に少なくとも50N/25mm、しかし特に多くとも80N/25mm、さらに特に多くとも70N/25mmのせん断強さとして得られることを特徴とする、請求項25から29のいずれか1項に記載の衛生用品。
【請求項31】
請求項1から24のいずれか1項に記載の前記不織布材料(28)の形を取るループ側コンポーネントと、1つのフック側コンポーネントとを備える、メカニカルに作用するファスナー。
【請求項32】
少なくとも5N/25mm、特に少なくとも10N/25mm、特に少なくとも15N/25mm、特に少なくとも20N/25mm、特に少なくとも25N/25mm、特に少なくとも30N/25mm、特に少なくとも35N/25mm、特に少なくとも40N/25mm、特に少なくとも45N/25mm、特に少なくとも50N/25mm、しかし特に多くとも80N/25mm、さらに特に多くとも70N/25mmのせん断負荷時に付着力を持つことを特徴とする、請求項31に記載のメカニカルに作用するファスナー。
【請求項1】
メカニカルファスナーとしてのループ側不織布材料(28)において、オムツ、ベルト式オムツ、失禁処理用品及び失禁処理パッドのような使い捨て衛生用品(2)に用いられ、この場合、該不織布材料(30)の第1の上面(40)が、第1の比較的大きなボンディングされない領域(42)を含み、該領域は互いに間隔を取って島状に配置されている、不織布材料であって、前記第1の比較的大きなボンディングされない領域(42)が、ボンディングされた輪郭(44)に境界を区切られ、該境界の外では第2の比較的小さなボンディングされない領域(48)に囲まれ、前記第2の比較的小さなボンディングされない該領域(48)によって互いに間隔を取っていることを特徴とする、上記の不織布材料。
【請求項2】
前記第2の比較的小さなボンディングされない領域(48)はさらに、ボンディングされた部分領域(50)を備えることができ、特に囲むことができることを特徴とする、請求項1に記載の不織布材料。
【請求項3】
前記隣接する第1の比較的大きな領域(42)間の直線的結合線(56)は常に、前記ボンディングされた輪郭(44)を通って、または前記第1の比較的大きな該領域(42)間にあるボンディングされた部分領域(50)を通って延びることを特徴とする、請求項1または2に記載の不織布材料。
【請求項4】
前記ボンディングされた輪郭(44)は、幅が0.2から1mm、特に0.2から0.8mm、さらに特に0.3から0.6mmのエンボシング線またはエンボシング線分を持つことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項5】
前記ボンディングされた輪郭(44)は、深さが0.4から1.5mm、特に0.4から0.7mm、特に0.5から0.7mmのエンボシング線またはエンボシング線分を持つことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項6】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)は、寸法特に該第1の領域に内接する円(52)の直径が2から15mm、特に3から10mm、さらに特に3から8mmであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項7】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)は、前記第1の上面の総面積に対する面積割合が5から75%、特に5から60%、特に10から50%、特に10から45%、特に15から45%、特に20から40%、さらに特に30から40%であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項8】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)は円形、または楕円形、または三角形、または四角形、特に六角形であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項9】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)が、少なくとも1mm、特に少なくとも1.5mm、特に少なくとも2mm、特に少なくとも2.5mm、さらに特に少なくとも3mm、互いに間隔を取ることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項10】
前記第1の比較的大きなボンディングされない島状領域(42)が、最大で10mm、特に最大で5mm、互いに間隔をとることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項11】
前記第1の上面の総面積に対するボンディングされた領域の総面積割合が10から60%、特に15から40%、特に15から30%、特に15から25%、特に19から22%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項12】
該不織布材料が、スパンボンデッド不織布(32)、またはカードウェブ(36)、またはメルトブロー不織布、またはウォーターニードル不織布を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項13】
該不織布材料が不織布ラミネート(30)を含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項14】
前記不織布ラミネート(30)が前記スパンボンデッド不織布(32)と前記カードウェブ(36)とを含み、これら両者は、特にホットエンボシングにより、特にホットカレンダーエンボシングにより、互いに結合されていることを特徴とする、請求項13に記載の不織布材料。
【請求項15】
前記カードウェブ(36)が前記第1の上面(40)を形成し、該上面は、メカニカルファスナーのフック側コンポーネントのための係着領域を形成することを特徴とする、請求項13または14に記載の不織布材料。
【請求項16】
前記第1の比較的大きなボンディングされない領域(42)の境界を区切る前記ボンディングされた輪郭(44)を設けることにより、前記不織布ラミネート(30)の各層が互いに結合されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項17】
前記第1の上面(40)と反対側の不織布層が、もう1つのボンディングパターン(34)によって固定されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項18】
該不織布材料の面積あたり重量が15から120g/m2、特に20から90g/m2、特に30から80g/m2、特に40から70g/m2、さらに特に50から65g/m2であることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項19】
前記第1の上面(40)を形成し、かつ前記第1のボンディングされない領域(42)と、前記ボンディングされない領域(44)と、前記第2のボンディングされない領域(48)とを備える不織布材料の面積あたり重量が、10から60g/m2、特に10から40g/m2、特に15から35g/m2、さらに特に20から35g/m2であることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項20】
前記第1の上面(40)を形成する不織布層(36)が、太さが1から10dtex、特に2から8dtex、さらに特に3から6dtexの繊維を含むこと、またはそのような繊維からなることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項21】
前記第1の上面(40)を形成する不織布層(36)が、親水性の繊維を含むこと、または親水性の繊維からなることを特徴とする、請求項1から20のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項22】
キャリヤとしてもう1つの不織布層(32)を備え、該不織布層の面積あたり重量は10から100g/m2、特に15から60g/m2、さらに特に30から40g/m2であることを特徴とする、請求項1から21のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項23】
前記のもう1つの不織布層(32)が、太さが1から6dtex、特に1から4dtex、さらに特に2から4dtexの繊維を含むこと、またはそのような繊維からなることを特徴とする、請求項22に記載の不織布材料。
【請求項24】
該不織布材料の剛性が80N未満、特に0.60N未満、特に0.40N未満、特に0.30N未満、特に0.25N未満、特に0.20N未満、特に0.18N未満、さらに特に0.16N未満、しかし少なくとも0.05Nであることを特徴とする、請求項1から23のいずれか1項に記載の不織布材料。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか1項に記載の前記ループ側不織布材料(28)を含むメカニカルファスナーを備えることを特徴とする衛生用品、特にオムツ、ベルト式オムツ、失禁処理オムツ、または失禁処理パッド。
【請求項26】
ユーザーの腰まわり方向に延びて、かつそれ自体を重ね合わせて閉じるベルト(10)を備えることを特徴とする、請求項25に記載の衛生用品。
【請求項27】
前記ベルト(10)が特に一体型の材料片(8)から形成され、該材料片(8)が請求項1から24のいずれか1項に記載の前記不織布材料(28)を含むか、または該不織布材料から形成されていることを特徴とする、請求項26に記載の衛生用品。
【請求項28】
前記ベルト(10)または前記不織布材料(28)の、腰まわり方向または該衛生用品を横切る方向(14)における長さが、25から200cm、特に40から180cm、特に60から180cm、特に100から180cm、さらに120から180cmであることを特徴とする、請求項25から27のいずれか1項に記載の衛生用品。
【請求項29】
前記ベルト(10)または前記不織布材料(28)の、該衛生用品の長手方向(18)における長さが、3から20cm、特に3から15cm、特に4から10cm、さらに特に4から6cmであることを特徴とする、請求項25から28に記載の衛生用品。
【請求項30】
該衛生用品を閉じるために、前記ループ側不織布材料(28)が、前記メカニカルファスナーのフック側コンポーネントと相互作用し、その際付着力が、少なくとも5N/25mm、特に少なくとも10N/25mm、特に少なくとも15N/25mm、特に少なくとも20N/25mm、特に少なくとも25N/25mm、特に少なくとも30N/25mm、特に少なくとも35N/25mm、特に少なくとも40N/25mm、特に少なくとも45N/25mm、特に少なくとも50N/25mm、しかし特に多くとも80N/25mm、さらに特に多くとも70N/25mmのせん断強さとして得られることを特徴とする、請求項25から29のいずれか1項に記載の衛生用品。
【請求項31】
請求項1から24のいずれか1項に記載の前記不織布材料(28)の形を取るループ側コンポーネントと、1つのフック側コンポーネントとを備える、メカニカルに作用するファスナー。
【請求項32】
少なくとも5N/25mm、特に少なくとも10N/25mm、特に少なくとも15N/25mm、特に少なくとも20N/25mm、特に少なくとも25N/25mm、特に少なくとも30N/25mm、特に少なくとも35N/25mm、特に少なくとも40N/25mm、特に少なくとも45N/25mm、特に少なくとも50N/25mm、しかし特に多くとも80N/25mm、さらに特に多くとも70N/25mmのせん断負荷時に付着力を持つことを特徴とする、請求項31に記載のメカニカルに作用するファスナー。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2008−518649(P2008−518649A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538331(P2007−538331)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011492
【国際公開番号】WO2006/048173
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(500038020)パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト (64)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011492
【国際公開番号】WO2006/048173
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(500038020)パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト (64)
【Fターム(参考)】
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