説明

メガネの曇り防止マスク

【課題】 本発明は、マスクと顔面との隙間から呼気が上方向に漏れないようにして、メガネが曇るのを防止できる機能を有するメガネの曇り防止マスクを提供することである。
【解決手段】 従来のマスク本体の上縁部から上方向に面積を拡張して新しい上縁部2A及び両側縁部2Bを設けた四角形のマスク本体2と耳掛け部3で構成した新しい形状のマスク1であって、切れ目のない拡張した部分を顔面側に折り曲げて装着することにより、マスクと顔面との隙間を狭くして呼気が上方向に漏れないようにするとともに、折り曲げて略逆V字形の空間を作ることで、呼気が空間に入り上方向に漏れないようにしてメガネが曇るのを防止することができる機能を有するメガネの曇り防止マスク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メガネを掛けてマスクを装着した際、呼気でメガネが曇るのを防止できるメガネの曇り防止マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のメガネの曇り防止マスクに関するものは、次に列挙するような特徴を有した構造や形状で構成されている。
(1)マスク本体の形状を部分的に変形させ、その状態を保持する形状保持部材を備えたマスク(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
(2)マスク本体であるシートに密閉性を向上させるための延出部を設けたマスク(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
(3)マスク本体に塗布被膜やフィルム被膜を作ったマスク(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
(4)マスク本体の内部に非通気性柔軟性部材を備えたマスク(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
(5)マスク本体の外表面側に通気性を有さず、適度の弾性及び可撓性を有する素材で作製した薄膜片を備えたマスク(例えば、特許文献5参照)。
【0007】
(6)マスク本体の内側に薄膜状で空気を通さないか又は通しがたい素材からなる薄膜片を備えたマスク(例えば、特許文献6参照)。
【0008】
しかしながら、上記のように構成された従来のメガネの曇り防止マスクに関するものは、どうしてもマスクと顔面との隙間から呼気が上方向に漏れてしまうのでメガネが曇るのを防止することができないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−333972号公報
【0010】
【特許文献2】特開2007−185301号公報
【0011】
【特許文献3】特開2008−23298号公報
【0012】
【特許文献4】特開2008−229217号公報
【0013】
【特許文献5】特開2009−66382号公報
【0014】
【特許文献6】特開2007−61585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、従来のマスクとは違った形状で構成するマスクを作製することによって、メガネを掛けてマスクを装着した際、マスクと顔面との隙間から呼気が上方向に漏れないようにしてメガネが曇るのを防止することができる機能を有するメガネの曇り防止マスクを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、従来のマスク本体の上縁部から上方向に面積を拡張して新しい上縁部及び両側縁部を設けたマスク本体と耳掛け部で構成した新しい形状のマスクであって、拡張した部分を顔面側に折り曲げて装着することにより、マスクと顔面との隙間を狭くして呼気が上方向に漏れないようにするとともに、折り曲げて略逆V字形の空間を作ることで、呼気が空間に入り上方向に漏れないようにしてメガネが曇るのを防止することができる機能を有するメガネの曇り防止マスク。
【発明の効果】
【0017】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、次に列挙する効果が得られる。
(1)拡張した部分を顔面側に折り曲げて装着するという簡易な取扱いでマスクと顔面との隙間を狭くして、呼気が上方向に漏れないようにすることができる。
【0018】
(2)上記(1)の取り扱いにより、折り曲げた部分が弾性で顔面側に接しようとして顔面との隙間がさらに狭くなり、呼気が上方向に漏れないようにすることができる。
【0019】
(3)拡張した部分を顔面側に折り曲げて略逆V字形の空間を作ることで、呼気が空間に入り上方向に漏れないようにすることができる。
【0020】
(4)従来のマスク本体の面積を拡張して作製できるので、従来のマスクの製造方法や調達材料等を大幅に変更せずに大量生産が可能なことから、製品コストに与える影響を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 本発明の実施例1のプリーツ型マスクの背面図である。
【図2】 本発明の実施例1のプリーツ型マスクの斜視図である。
【図3】 従来のプリーツ型マスクの背面図である。
【図4】 本発明の実施例2の立体型マスクの背面図である。
【図5】 本発明の実施例2の立体型マスクの斜視図である。
【図6】 従来の立体型マスクの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の実施例1のプリーツ型マスクの背面図である。
【0024】
図2は、本発明の実施例1のプリーツ型マスクの斜視図である。
【0025】
図3は、従来のプリーツ型マスクの背面図である。
【0026】
図1のマスク1は、新しい形状のマスク本体2、耳掛け部3、すでに有していた形状保持部材4及び横方向の折り目5で構成している。
【0027】
図3の従来のマスク10は、マスク本体20、耳掛け部30、形状保持部材40及び横方向の折り目50で構成されている。
【0028】
図1のマスク1は、図3の従来のマスク10のマスク本体20を変更したものである。
【0029】
変更方法は、図1で説明すると、従来のマスク本体の上縁部が位置した部位2aから上方向に面積を拡張して新しい上縁部2A及び両側縁部2Bを設けた新しい形状のマスク本体2にすることである。
【0030】
図1の新しい形状のマスク本体2において、拡張した部分は上縁部2Aと両側縁部2B及び従来のマスク本体の上縁部が位置した部位2aで囲われた範囲である。
【0031】
上記の拡張した部分の具体的な数値は、上縁部2A及び従来のマスク本体の上縁部が位置した部位2aの長さを12.0cm〜17.0cmとし、両側縁部2Bの長さを1.7cm〜3.4cmとした時の面積は、20.4cm〜57.8cmになる。なお、好ましい両側縁部2Bの長さは、2.5cmであり、その面積は30.0cm〜42.5cmである。
【0032】
図2は、新しい形状で構成しているマスク1を従来のマスク本体の上縁部が位置した部位2aで顔面側に折り曲げたものである。
【0033】
上記のマスク1を装着することにより、折り曲げた部分が顔面に接してマスクとの隙間を狭くして呼気が上方向に漏れないようにするとともに、折り曲げて略逆V字形の空間を作ることで、呼気が空間に入り上方向に漏れないようにしてメガネが曇るのを防止できる機能を有するメガネの曇り防止マスク。
【実施例2】
【0034】
図4は、本発明の実施例2の立体型マスクの背面図である。
【0035】
図5は、本発明の実施例2の立体型マスクの斜視図である。
【0036】
図6は、従来の立体型マスクの背面図である。
【0037】
図4のマスク100は、新しい形状のマスク本体200と耳掛け部300とで構成している。
【0038】
図6の従来のマスク110は、マスク本体210と耳掛け部310とで構成されている。
【0039】
図4のマスク100は、図6の従来のマスク110を変更したものである。
【0040】
変更方法は、図4で説明すると、従来のマスク本体の上縁部が位置した部位200aから上方向に面積を拡張して新しい上縁部200A及び側縁部200Bを設けた新しい形状のマスク本体200にすることである。尚、上縁部200Aと側縁部200Bとは、滑らかに連結している形状である。
【0041】
図4の新しい形状のマスク本体200において、拡張した部分は、上縁部200Aと両側縁部200B及び従来のマスク本体の上縁部が位置した部位200aで囲われた範囲である。
【0042】
上記の拡張した部分の具体的な数値は、上縁部200A及び従来のマスク本体の上縁部が位置した部位200aの長さを12.0cm〜17.0cmとし、両側縁部200Bの長さを1.7cm〜3.4cmとする。なお、好ましい両側縁部200Bの長さは、2.5cmである。
【0043】
図5は、新しい形状で構成しているマスク100を従来のマスク本体の上縁部が位置した部位200aで顔面側に折り曲げたものである。
【0044】
上記のマスク100を装着することにより、折り曲げた部分が顔面に接してマスクとの隙間を狭くして呼気が上方向に漏れないようにするとともに、折り曲げて略逆V字形の空間を作ることで、呼気が空間に入り上方向に漏れないようにしてメガネが曇るのを防止できる機能を有するメガネの曇り防止マスク。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、メガネの曇り防止マスクを製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0046】
1、10、100、110 マスク
2、20、200、210 マスク本体
3、30、300、310 耳掛け部
2A、20A、200A、210A 上縁部
2B、200B 側縁部
2a、200a 従来のマスクの上縁部が位置した部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
従来のマスク本体の上縁部から上方向に面積を拡張して新しい上縁部及び両側縁部を設けたマスク本体と耳掛け部で構成した新しい形状のマスクであって、拡張した部分を顔面側に折り曲げて装着することにより、マスクと顔面との隙間を狭くして呼気が上方向に漏れないようにするとともに、折り曲げて略逆V字形の空間を作ることで、呼気が空間に入り上方向に漏れないようにしてメガネが曇るのを防止することができる機能を有することを特徴とするメガネの曇り防止マスク。
【請求項2】
請求項1の拡張した部分の上部に形状保持部材を備えるメガネの曇り防止マスク。
【請求項3】
請求項1の拡張した部分の裏面側に呼気が通りにくい塗布被膜やフィルム皮膜を作るメガネの曇り防止マスク。
【請求項4】
請求項1の拡張した部分の上部に形状保持部材を備えるとともに、拡張した部分の裏面側に呼気が通りにくい塗布被膜やフィルム皮膜を作るメガネの曇り防止マスク。
【請求項5】
請求項1,2,3,4の拡張した部分の上縁部の中央または中央付近から切れ目を入れるメガネの曇り防止マスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−75130(P2013−75130A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229252(P2011−229252)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【特許番号】特許第4947399号(P4947399)
【特許公報発行日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【出願人】(595045048)
【出願人】(595045059)
【Fターム(参考)】